説明

衛生洗浄便座装置及びトイレ装置

【課題】 迅速かつ確実に動作する洗浄ノズルを備えた衛生洗浄装置及びこれを備えたトイレ装置を提供する。
【解決手段】 腰掛便器の上部に設けられる本体と、前記本体に付設された便座と、前記本体から進出可能に設けられ人体洗浄のための水を噴出する人体洗浄吐水口を有する吐水部と、前記本体から進出可能に設けられ前記吐水部を洗浄するノズル洗浄室と、前記便座への使用者の着座を検知する着座センサと、を有し、前記着座センサによる使用者の着座の検知に対応して、前記ノズル洗浄室が前記本体から進出することを特徴とする衛生洗浄便座装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛生洗浄便座装置及びトイレ装置に関し、より具体的には、洋式腰掛便器に腰かけた使用者の「おしり」などを水で洗浄する衛生洗浄便座装置及びこれを備えたトイレ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
衛生洗浄便座装置は、洗浄水を噴射するノズルを進退自在に本体ケース内に収容し、腰掛便器の上面後部に設置して使用する形態のものが主流となっている。そして、ノズルを常に清潔に保つために、ノズル洗浄室を設けてノズル自身を洗浄可能とする発明が開示されている(特許文献1)。またさらに、使用者の「おしり」などを洗浄するためにノズルが進出する時に、ノズル洗浄室も進出させながらノズルを洗浄する発明も開示されている(特許文献2)。
【特許文献1】特開2002−294822号公報
【特許文献2】特開2001−227037号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ノズルの進退時にノズル洗浄室を進出させる場合、使用者が本体やリモコンの「人体洗浄」スイッチを操作してからノズル洗浄室が進出し、ノズルを洗浄した後に、ノズルがさらに進出して、使用者の「おしり」などに向けて水を噴射する。従って、使用者がスイッチを操作してから水が噴射されるまでの待ち時間がやや長くなる場合がある。
【0004】
また一方、従来の衛生洗浄便座装置の本体ケースは、腰掛便器のボウル側に延出し、ボウル開口の一部を塞ぐ形態とされている。しかし、このように本体ケースがボウル側に延出すると、その裏側などが汚れやすくなる。これに対して、本体ケースが便器のボウルの上を延出しないように設置すれば、汚れにくく、また見栄えもすっきりとする。
【0005】
しかし、本体ケースが便器のボウルの上を延出しないように後退させて設置した場合には、ノズル洗浄室を本体ケースから進出させた状態で洗浄しないと、その排水をボウルに落とすことが容易ではない。また、このように本体ケースを後退させた場合、ノズルが使用者の「おしり」などに向けて水を噴射させる所定位置までの進出長さが長くなる。従って、使用者が「人体洗浄」スイッチを操作してからノズル洗浄室が進出してノズルを洗浄し、さらにノズルが進出して「おしり」などに水が噴射されるまでの待ち時間がさらに長くなる。
【0006】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、迅速かつ確実に動作する洗浄ノズルを備えた衛生洗浄装置及びこれを備えたトイレ装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、
腰掛便器の上部に設けられる本体と、
前記本体に付設された便座と、
前記本体から進出可能に設けられ人体洗浄のための水を噴出する人体洗浄吐水口を有する吐水部と、
前記本体から進出可能に設けられ前記吐水部を洗浄するノズル洗浄室と、
前記便座への使用者の着座を検知する着座センサと、
を有し、
前記着座センサによる使用者の着座の検知に対応して、前記ノズル洗浄室が前記本体から進出することを特徴とする衛生洗浄便座装置が提供される。
【0008】
上記構成によれば、迅速かつ確実に動作する洗浄ノズルを備えた衛生洗浄装置を提供することができる。
【0009】
ここで、前記着座センサによる使用者の着座の検知に対応して、前記ノズル洗浄室が前記本体から進出し、さらに前記吐水部の少なくとも一部を前記ノズル洗浄室の中で洗浄するものとすれば、前洗浄を予め実行することにより、吐水が開始するまでの待ち時間を短縮できるとともに、前洗浄の排水をボウルの中に確実に落とすことができる。
【0010】
またここで、前記人体洗浄吐水口から水を噴出することにより前記吐水部の少なくとも一部を前記ノズル洗浄室の中で洗浄するものとすれば、前洗浄に際して、吐水部への給水路に残留していた冷水を温水で置換でき、使用者が「冷たい」と感じることを防ぐことができる。
【0011】
また、前記ノズル洗浄室が前記本体から進出した後に、使用者が人体洗浄を指令するまでの間、前記ノズル洗浄室は、前記本体から進出した状態で待機するものとすれば、使用者が「人体洗浄」のスイッチ操作をした場合に速やかに胴体洗浄から人体洗浄を開始できる。
【0012】
また、前記吐水部の少なくとも一部を前記ノズル洗浄室の中で洗浄した後に、前記ノズル洗浄室は前記本体の中へ後退するものとすれば、例えばボウルの溜め水の「跳ね」などによる洗浄ノズルへの汚れの付着などを防止できる。
【0013】
また、前記ノズル洗浄室は、前記吐水部を洗浄する洗浄水を噴出するノズル洗浄吐水口を有するものすれば、吐水部の胴体洗浄を確実に実施でき洗浄ノズルを常に清潔な状態に維持することが容易となる。
【0014】
また、前記ノズル洗浄室に対して相対的に進退可能に支持された支持部をさらに備え、前記吐水部は、前記支持部に対して進退可能に支持されてなるものとすれば、いわゆる3段式の洗浄ノズルが実現でき、コンパクトに収納できて吐水部を遠くまで進出させることが可能となる。
【0015】
またこの場合、使用者が人体洗浄を指令すると、前記ノズル洗浄室が前記本体から進出し且つ前記支持部が後退した状態において前記吐水部が進出することによりその少なくとも一部が前記ノズル洗浄室で洗浄され、しかる後に、前記支持部が進出することによりその少なくとも一部が前記ノズル洗浄室で洗浄されるものとすれば、3段式のノズルを確実に胴体洗浄でき、洗浄ノズルを常に清潔な状態に維持することが容易となる。
【0016】
また一方、前記ノズル洗浄室に対して相対的に進退可能に支持された複数の支持部からなる複数支持部をさらに備え、前記吐水部は、前記複数支持部に対して進退可能に支持されてなるものとすれば、いわゆる4段式あるいはそれ以上の多段式の洗浄ノズルが実現でき、よりコンパクトに収納できて吐水部をより遠くまで進出させることが可能となる。
【0017】
この場合、前記使用者が人体洗浄を指令すると、前記ノズル洗浄室が前記本体から進出し且つ前記複数の支持部のそれぞれが後退した状態において前記吐水部が進出することによりその少なくとも一部が前記ノズル洗浄室で洗浄され、しかる後に、前記複数の支持部のそれぞれが前記吐水部側から順次進出することにより前記複数の支持部が前記ノズル洗浄室で順次洗浄されるものとすれば、4段式あるいはそれ以上の多段式のノズルを確実に胴体洗浄でき、洗浄ノズルを常に清潔な状態に維持することが容易となる。
【0018】
また一方、前記ノズル洗浄室は、取り付け台に固定され、前記吐水部は、前記取り付け台に対して進退可能に支持され、前記取り付け台の移動により前記ノズル洗浄室が進退可能とされたものとすれば、簡単な移動機構でノズル洗浄室を確実に進出させることができる。
【0019】
または、先端に前記ノズル洗浄室が付設されたシリンダ部と、前記シリンダ部を進退可能に支持する取り付け台と、をさらに備え、前記シリンダ部の進退により前記ノズル洗浄室が進退可能とされ、前記吐水部は、前記シリンダ部に対して出没可能なピストン状に形成されてなるものとすれば、コンパクトに収納でき、ノズル洗浄室を確実に進出させることができる。
【0020】
また、本発明の他の一態様によれば、腰掛便器と、上記のいずれかの衛生洗浄便座装置と、を備えたことを特徴とするトイレ装置が提供される。
上記構成によれば、迅速かつ確実に動作する洗浄ノズルを備えたトイレ装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、迅速かつ確実に動作する洗浄ノズルを備えたトイレ装置を提供することができる。従って、例えば、本体ケースが便器のボウルの上を延出しないように設置した場合にも、ノズルの洗浄を迅速に実施でき、快適な使用感が得られ、汚れにくく、また見栄えもすっきりとした衛生洗浄装置及びこれを備えたトイレ装置を提供することができ、産業上のメリットは多大である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態の衛生洗浄便座装置の模式斜視図である。
また、図2は、この衛生洗浄便座装置の使用状態を例示する模式図である。
【0023】
すなわち、腰掛便器300の上部後方の平坦面300Fに衛生洗浄便座装置本体500が設置され、便座410が付設されている。また、便座410の上に、開閉自在の便蓋をさらに設けてもよい。そして、衛生洗浄便座装置本体500の前面510に開口520が設けられ、塞ぎ板525が開閉自在に設けられている。塞ぎ板525の裏側には、洗浄ノズルが収容されている。また、衛生洗浄便座装置本体500には着座センサ502が設けられている。着座センサ502は、例えば赤外線などを用いて、便座410に座った使用者の存在を検知するセンサである。
【0024】
本具体例の衛生洗浄便座装置本体500は、使用者が便座410に座った状態で洗浄ノズルから水を噴射させて「おしり」などを洗浄することができる装置であり、商標名「ウォシュレット」などとして普及しているものと同様の機能を有する。なお、本願明細書において「水」とは、冷水のみならず、温水も含むものとする。
図3及び図4は、本実施形態の衛生洗浄便座装置に設けられた洗浄ノズルを例示する模式図である。すなわち、図3は、2段式の洗浄ノズルが衛生洗浄便座装置本体500内に収納された状態を表し、図4は、この洗浄ノズルがボウル310内に進出した状態を表す。
【0025】
洗浄ノズル530は、図示しない駆動機構により進退自在に設けられた略シリンダ状の第1支持部534と、第1支持部内に進退自在に設けられたピストン状の吐水部538と、第1支持部534の先端付近に設けられたノズル洗浄室540と、を有する。ノズル洗浄室540は、第1支持部534の一部として設けられていてもよく、また第1支持部534とは別体に設けられていてもよい。
【0026】
吐水部538の先端付近には、吐水口538Wが設けられ、使用者の「おしり」などに向けて人体洗浄のための水を噴射可能とされている。また、ノズル洗浄室540は、吐水部538を取り囲むように形成され、その内側に向けて開口した吐水口540Wから水を噴出することにより、吐水部538の先端や胴体部分などを洗浄可能とされている。
なお、本発明における洗浄ノズル530は、図3及び図4に例示したような2段式のものには限定されず、吐水部538と第1支持部534とが一体化された1段式のものであってもよい。またさらに、後に詳述するように、3段式あるいはそれ以上の多段式のものであってもよい。
【0027】
一方、衛生洗浄便座装置本体500には、その他にも例えば、濡れた「おしり」を乾かす「温風乾燥機能」や、便座410を暖める「便座暖房機能」、腰掛便器内の臭いを除去する「脱臭機能」などを設けることができる。また、使用者の接近を検知して便蓋400を自動的に開き、使用者がいなくなると便蓋400を自動的に閉じる「オート開閉機能」を設けることもできる。これらの機能は、衛生洗浄便座装置本体500に設けられた操作部(図示せず)を適宜操作することにより実行・設定でき、また、トイレの壁面などに設置されたリモコン(図示せず)を操作することにより実行させることも可能である。
【0028】
またさらに、リモコン操作などにより腰掛便器300に洗浄水を流す「自動水洗機能」を、衛生洗浄便座装置に付加してもよい。これは、ロータンク200やフラッシュバルブの排水機構を動作させる駆動機構を設け、リモコン操作や人体センサなどと連動して、この駆動機構を動作させる信号を衛生洗浄便座装置本体500から出力させて、腰掛便器300に自動的に洗浄水を流す機能である。
【0029】
そして、本実施形態においては、使用者が便座410に座ると、これに対応して、洗浄ノズルのノズル洗浄室540が自動的に衛生洗浄便座装置本体500の外側に進出する。
【0030】
図5乃至図7は、本実施形態の衛生洗浄便座装置の動作の第1の具体例を例示する模式図である。
また、図8は、本具体例の動作を表すフローチャートである。
【0031】
まず、待機状態においては、図5(a)に表したように、洗浄ノズル530は、衛生洗浄便座装置本体500の中に収容されている(ステップS102)。すなわち、第1支持部534、吐水部538、ノズル洗浄室540は、それぞれ後退し、塞ぎ板525が閉じられた状態にある。
次に、図5(b)は、使用者が便座410に座った状態を表す。すなわち、使用者が便器300に接近し、便座410に座ると、衛生洗浄便座装置本体500の着座センサ502(図1参照)が検知する(ステップS104)。すると、第1支持部534とともに洗浄室540が矢印Aの方向に進出し、ノズル洗浄室540は衛生洗浄便座装置本体500の外側に突出した状態とされる(ステップS106)。この時、吐水部538の先端付近に設けられた吐水口538Wは、ノズル洗浄室540の中にある。そして、この状態で吐水口538Wから水を噴射することにより、前洗浄を実施する(ステップS108)。吐水口538Wから噴射された水は、ノズル洗浄室540の内壁で反射され、ノズル洗浄室540の内部や吐水部538の先端部を洗浄することができる。さらにまた、吐水部538に至る給水チューブなどの中に残留した冷水が排出され、温水に適宜置換される。これにより、使用者の「おしり」などに水の噴射を開始した時に、冷水が放出されて「冷たい」と感じさせることを防ぐことができる。
【0032】
この時、ノズル洗浄室540は衛生洗浄便座装置本体500からボウル310に突出しているので、前洗浄の排水D1を、そのままボウル310の中に落とすことができる。つまり、衛生洗浄便座装置本体500の中に排水を放出することなく、前洗浄を実施できる。
【0033】
この後、使用者が衛生洗浄便座装置本体500やリモコン(図示せず)を操作して「人体洗浄」を指示するまで、ノズル洗浄室540は、図5(b)に表したようにボウル310に突出した状態を維持する。
【0034】
使用者がスイッチ操作により「人体洗浄」を指示すると(ステップS110)、まず吐水部538の胴体洗浄を開始する(ステップS112)。すなわち、ノズル洗浄室540に設けられた吐水口540Wから吐水部538に向けて水を噴射させながら、図6(a)に表したように、吐水部538が第1支持部534に対して矢印Aの方向に進出する(ステップS114)。この進出の動作に伴い、吐水部538の胴体がその先端から根元に向けて洗浄される。この際にも、ノズル洗浄室540はボウル310に突出しているので、胴体洗浄の排水D2をそのままボウル310に落とすことができる。吐水部538が完全に進出すると、ノズル洗浄室540での吐水が停止し、胴体洗浄は終了する(ステップS116)。このような順番で胴体洗浄を実施することにより、吐水部538をむらなく洗浄でき、使用前の洗浄ノズルを清潔にすることができる。
【0035】
続いて、図6(b)に表したように、吐水部538の先端に設けられた吐水口538Wから使用者の「おしり」などに向けて人体洗浄のための水Wを噴射する(ステップS118)。このようにして、前洗浄や胴体洗浄した清潔な洗浄ノズルにより使用者の「おしり」などを洗浄することができる。
【0036】
使用者がスイッチ操作により「人体洗浄」の停止を指示すると(ステップS120)、吐水口538Wからの吐水を停止し(ステップS122)、吐水部538の胴体洗浄を開始する(ステップS124)。すなわち、ノズル洗浄室540の吐水口540Wから吐水しながら、図7(a)に表したように吐水部538を矢印Bの方向に第1支持部534の中に後退させる(ステップS126)。このようにして、吐水部538をその根元から先端に向かって洗浄することができる。吐水部538が第1支持部534の中に完全に後退したら、吐水口540Wからの吐水を停止し、胴体洗浄が終了する(ステップS128)。このようにして、使用者の「おしり」などを洗浄した際に付着した汚れなどを落として、使用後の洗浄ノズルを清潔にすることができる。
【0037】
続いて、図7(b)に表したように、後洗浄を実施する(ステップS130)。すなわち、吐水部538の吐水口538Wから水を噴出させる。この時、前洗浄の時と同様に、吐水口538Wはノズル洗浄室540の中に収容された状態にあるので、水を噴出させることにより、ノズル洗浄室540の内部や吐水部538の先端部を洗浄することができる。この際にも、ノズル洗浄室540はボウル310に突出しているので、後洗浄の排水D3をそのままボウル310に落とすことができる。
【0038】
使用者が便座410から立ち上がると、着座センサ502(図1参照)が非検知となり(ステップS132)、第1支持部534とノズル洗浄室540が衛生洗浄便座装置本体500の中に後退する(ステップS134)。そして、図5(a)に表したように、洗浄ノズル530が衛生洗浄便座装置本体500の中に収容されて待機状態に戻る(ステップS136)。
【0039】
以上説明したように、本具体例によれば、使用者の着座を検知してノズル洗浄室540をボウル310に進出させることにより、前洗浄や胴体洗浄の排水をそのままボウル310の中に落とすことができる。また、使用者が「人体洗浄」スイッチを操作したら、吐水部538が進出して胴体洗浄を完了させ、直ちに吐水口538Wからの吐水を開始することができる。その結果として、スイッチ操作をしてから吐水が開始されるまでの待ち時間を減らし、快適な操作性を得ることができる。
【0040】
次に、3段式の洗浄ノズルに本発明を適用した具体例について説明する。
図9は、本具体例の洗浄ノズルを表す模式断面図である。すなわち、同図(a)は、3段式の洗浄ノズルが衛生洗浄便座装置本体500内に収容された状態を表し、(b)は、この洗浄ノズルがボウル310内に進出した状態を表す。
【0041】
洗浄ノズル530は、取り付け台532の上に設けられた略シリンダ状の第1支持部534と、第1支持部内に進退自在に設けられた略シリンダ状の第2支持部536と、第2支持部内に進退自在に設けられた吐水部538と、を有する。吐水部538の先端付近には、吐水口538Wが設けられ、使用者の「おしり」などに向けてお湯や水を噴射可能とされている。
【0042】
また、第1支持部534の先端付近には、ノズル洗浄室540が設けられている。ノズル洗浄室540は、内側に向けて開口した吐水口540Wを有し、この吐水口540Wから内側に向けて水を放出することにより、第2支持部536や吐水部538の先端部や胴体部分などを洗浄可能とされている。
【0043】
この洗浄ノズル530は、収納状態においては、図9(a)に表したように、吐水部538がその先端部を除いて第2支持部536内に収容され、第2支持部536は第1支持部534内に収容され、第1支持部534は、取り付け台532の上で後方に後退した位置にある。このように洗浄ノズル530を3段式の構造とすることにより、コンパクトに収納できる。
図10乃至図13は、本具体例の洗浄ノズルの動作を例示する模式図である。
また、図14は、本具体例の動作を表すフローチャートである。
【0044】
まず、待機状態においては、図10(a)に表したように、洗浄ノズル530は、衛生洗浄便座装置本体500の中に収容されている(ステップS202)。すなわち、第1支持部534(ノズル洗浄室540)、第2支持部536、吐水部538は、それぞれ後退している。
次に、図10(b)は、使用者が便座410に座った状態を表す。すなわち、使用者が便器300に接近し、便座410に座ると、衛生洗浄便座装置本体500の着座センサ502(図1参照)が検知する(ステップS204)。すると、第1支持部534が矢印Aの方向に進出し、ノズル洗浄室540は衛生洗浄便座装置本体500の外側に突出した状態とされる(ステップS206)。この時、第2支持部536や吐水部538は、第1支持部534の中に後退した状態にある。そして、この状態で吐水部538の吐水口538Wから水Wを噴射することにより、前洗浄を実施する(ステップS208)。図5乃至図8に関して前述した「前洗浄」と同様に、吐水口538Wから噴射された水Wはノズル洗浄室540の内壁で反射され、ノズル洗浄室540の内部や吐水部538の先端部を洗浄することができる。さらにまた、吐水部538に至る給水チューブなどの中に残留した冷水が排出され、温水に適宜置換される。これにより、使用者の「おしり」などに水の噴射を開始した時に、冷水が放出されて「冷たい」と感じさせることを防ぐことができる。
【0045】
またこの時も、ノズル洗浄室540は衛生洗浄便座装置本体500からボウル310に突出しているので、前洗浄の排水D1を、そのままボウル310の中に落とすことができる。
【0046】
この後、使用者が衛生洗浄便座装置本体500やリモコン(図示せず)を操作して「人体洗浄」を指示するまで、ノズル洗浄室540は、図10(b)に表したようにボウル310に突出した状態を維持する。
【0047】
使用者がスイッチ操作により「人体洗浄」を指示すると(ステップS210)、まず吐水部538と第2支持部536の胴体洗浄を開始する(ステップS212)。すなわち、ノズル洗浄室540に設けられた吐水口540Wから水Wを噴射させながら、図11(a)に表したように、吐水部538が第2支持部536に対して矢印Aの方向に進出する(ステップS214)。この進出の動作に伴い、吐水部538の胴体がその先端から根元に向けて洗浄される。
【0048】
続いて、吐水口540Wから水Wを噴射させたまま、図11(b)に表したように、第2支持部536が第1支持部534に対して矢印Aの方向に進出する(ステップS216)。この進出の動作に伴い、第2支持部536の胴体がその先端から根元に向けて洗浄される。これら胴体洗浄の際にも、ノズル洗浄室540はボウル310に突出しているので、胴体洗浄の排水W2をそのままボウル310に落とすことができる。
【0049】
第2支持部536が完全に進出すると、吐水口540Wからの吐水が停止し、胴体洗浄は終了する(ステップS218)。このような順番で胴体洗浄を実施することにより、第2支持部536と吐水部538をむらなく洗浄でき、使用前の洗浄ノズルを清潔にすることができる。
【0050】
続いて、吐水部538の先端に設けられた吐水口538Wから使用者の「おしり」などに向けて水を噴射する(ステップS220)。このようにして、前洗浄や胴体洗浄した清潔な洗浄ノズルにより使用者の「おしり」などを洗浄することができる。
【0051】
使用者がスイッチ操作により「人体洗浄」の停止を指示すると(ステップS222)、吐水口538Wからの吐水を停止し(ステップS224)、第2支持部536及び吐水部538の胴体洗浄を開始する(ステップS226)。すなわち、ノズル洗浄室540の吐水口540Wから水Wを噴射しながら、図12(a)に表したように第2支持部536を矢印Bで表したように第1支持部534の中に後退させる(ステップS228)。このようにして、第2支持部536をその根元から先端に向かって洗浄することができる。
【0052】
続いて、吐水口540Wから水Wを噴射させたまま、図12(b)に表したように、吐水部538を矢印Bで表したように第2支持部536の中に後退させる(ステップS230)。このようにして、吐水部538をその根元から先端に向かって洗浄することができる。吐水部538が第1支持部534の中に完全に後退したら、吐水口540Wからの吐水を停止し、胴体洗浄が終了する(ステップS232)。
【0053】
このような順番で胴体洗浄を実施することにより、第2支持部536と吐水部538をむらなく洗浄でき、使用者の「おしり」などを洗浄した際に付着した汚れなどを落として、使用後の洗浄ノズルを清潔にすることができる。
【0054】
続いて、図13(a)に表したように、後洗浄を実施する(ステップS234)。すなわち、吐水部538の吐水口538Wから水Wを噴出させる。この時、前洗浄の時と同様に、吐水口538Wはノズル洗浄室540の中にあるので、水Wを噴出させることにより、ノズル洗浄室540の内部や吐水部538の先端部を洗浄することができる。この際にも、ノズル洗浄室540はボウル310に突出しているので、後洗浄の排水D3をそのままボウル310に落とすことができる。
【0055】
使用者が便座410から立ち上がると、着座センサが非検知となり(ステップS236)、第1支持部534が衛生洗浄便座装置本体500の中に後退する(ステップS238)。そして、図13(b)に表したように、洗浄ノズル530が衛生洗浄便座装置本体500の中に収容されて待機状態に戻る(ステップS240)。
【0056】
以上説明したように、本具体例においても、使用者の着座を検知してノズル洗浄室540をボウル310に進出させることにより、前洗浄や胴体洗浄の排水をそのままボウル310の中に落とすことができる。
さらにまた、着座を検知して洗浄室540がボウル310に自動的に進出するので、使用者が「人体洗浄」スイッチを操作したら、吐水部538と第2支持部536がこの順に進出して胴体洗浄を完了させ、直ちに吐水口538Wからの吐水を開始することができる。その結果として、3段式の洗浄ノズルを用いた場合でも、スイッチ操作をしてから吐水が開始されるまでの待ち時間を減らし、快適な操作性を得ることができる。
【0057】
図15は、以上説明した3段式の洗浄ノズルの動作の変型例を表すフローチャートである。同図については、図10乃至図14に関して前述した動作と同様のものには同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本変型例においても、使用者の着座を検知すると(ステップS204)、洗浄室540がボウル310に自動的に進出する(ステップS206)。ただし、本変型例においては、使用者が「人体洗浄」のスイッチ操作をしてから(ステップS210)、「前洗浄」を実施する(ステップS208)。
【0058】
本変型例によれば、例えば、使用者が洗浄ノズル530を用いた「おしり」などの洗浄をせずに便座410から立ち上がった場合などには、「前洗浄」を実行しないので、水や電力などを節約できる。
【0059】
また、本変型例においても、着座を検知して洗浄室540がボウル310に自動的に進出するので、使用者が「人体洗浄」スイッチを操作したら、直ちに前洗浄を実施し、吐水部538と第2支持部536がこの順に進出して胴体洗浄を完了させ、吐水口538Wからの吐水を開始することができる。つまり、図14に関して前述した具体例と比較すると、前洗浄の時間は増えるものの、3段式の洗浄ノズルを用いた場合でも、スイッチ操作をしてから吐水が開始されるまでの待ち時間を減らし、快適な操作性を得ることができる。
【0060】
図16は、3段式の洗浄ノズルの動作の第2の変型例を表すフローチャートである。同図についても、図10乃至図14に関して前述した動作と同様のものには同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本変型例においても、使用者の着座を検知すると(ステップS204)、ノズル洗浄室540がボウル310に自動的に進出し(ステップS206)、前洗浄を実行する(ステップS208)。ただし、本変型例においては、この後、ノズル洗浄室540を一旦、後退させ、衛生洗浄便座装置本体500の中に収納する(ステップS209)。
【0061】
この後、使用者が「人体洗浄」のスイッチ操作をすると(ステップS210)、ノズル洗浄室540は再びボウル310に進出し(ステップS211)、胴体洗浄を開始する(ステップS212)。
【0062】
本変型例においても、着座を検知してノズル洗浄室540がボウル310に自動的に進出し、前洗浄を実行するので、排水をボウル310の中にそのまま落としながら前洗浄を実行できる。また、その後、ノズル洗浄室540を一旦収容する(ステップS209)ことにより、例えば、使用者の小用や大用の際にボウル310の溜め水の「跳ね」などが洗浄ノズル530にかかることを防止できる。
【0063】
そして、本変型例においては、使用者が「人体洗浄」スイッチを操作したら、ノズル洗浄室540を進出させ(ステップS211)、吐水部538と第2支持部536がこの順に進出して胴体洗浄を完了させ、吐水口538Wからの吐水を開始することができる。つまり、図14に関して前述した具体例と比較すると、ノズル洗浄室540の進出の時間は増えるものの、3段式の洗浄ノズルを用いた場合でも、スイッチ操作をしてから吐水が開始されるまでの待ち時間を減らし、快適な操作性を得ることができる。
【0064】
なお、図9乃至図16には3段式の洗浄ノズルの動作の具体例を表したが、本発明は4段式あるいはそれ以上の多段式の洗浄ノズルについても同様に適用できる。その場合、図9乃至図16に関して前述した第1支持部534と吐水部538との間に、2以上の支持部が互いに進退可能に支持されている。そして、人体洗浄前の胴体洗浄に際しては、これら2以上の支持部のうちの吐水部538に近いものから順次、進出することにより、全ての支持部をノズル洗浄室540で洗浄することができる。同様に、人体洗浄後の胴体洗浄に際しては、吐水部538から遠いものから順次、後退することにより、全ての支持部をノズル洗浄室540で洗浄することができる。
【0065】
図17は、3段式の洗浄ノズルの具体的な構造を例示する模式断面図である。すなわち、同図(a)は、3段式の洗浄ノズルが衛生洗浄便座装置本体500内に収容された状態を表し、(b)は、この洗浄ノズルがボウル310内に進出した状態を表す。
【0066】
洗浄ノズル530は、取り付け台532の上に設けられた略シリンダ状の第1支持部534と、第1支持部内に進退自在に設けられた略シリンダ状の第2支持部536と、第2支持部内に進退自在に設けられた吐水部538と、を有する。吐水部538には、給水チューブ537が接続され、先端付近に設けられた吐水口(図示せず)から、使用者の「おしり」などに向けてお湯や水を噴射可能とされている。
【0067】
また、第1支持部534の先端付近は、ノズル洗浄室540が形成されている。第1支持部534には、水路534Tが設けられ、この水路534Tは、ノズル洗浄室540において内側に向けて開口した吐水口540Wに連通している。水路534Tには給水チューブ533が接続され、吐水口540Wから内側に向けて水を放出することにより、第2支持部536や吐水部538の先端部や胴体部分などを洗浄可能とされている。
【0068】
この洗浄ノズル530は、収納状態においては、図17(a)に表したように、吐水部538がその先端部を除き第2支持部536内に収容され、第2支持部536は第1支持部534内に収容され、第1支持部534は、取り付け台532の上で後方に後退した位置にある。このように洗浄ノズル530を3段式の構造とすることにより、コンパクトに収納できる。
また、第1支持部534の下側に、第1支持部534の後端から前方に向けて切り欠き534Cを設け、この切り欠き534Cに給水チューブ537が挿通可能とすることにより、給水チューブ537の全長を短くしつつ、吐水部538を長いストロークで移動させることができる。
【0069】
そして、このような3段式の洗浄ノズルにおいて、図9乃至図16に関して前述したように使用者の着座を検知してノズル洗浄室540が自動的に衛生洗浄便座装置本体500から突出するようにすれば、スイッチ操作をしてから吐水が開始されるまでの待ち時間を減らし、快適な操作性を得ることができる。
【0070】
図18は、ノズル洗浄室540を進出させる駆動機構の変型例を表す模式図である。
すなわち、同図(a)はノズル洗浄室540が衛生洗浄便座装置本体500の中に収納された状態を表し、図18(b)は、ノズル洗浄室540がボウル310に進出した状態を表す。このように、取り付け台532を前後に可動とし、取り付け台532を矢印Cで表したように前方に移動させることにより、ノズル洗浄室540を衛生洗浄便座装置本体500から進出させるようにしてもよい。
【0071】
図19は、本具体例の洗浄ノズルの進出動作を例示する模式図である。すなわち、第1支持部534を介して取り付け台532に固定されているノズル洗浄室540が、取り付け台532が前方に移動することによって、ボウル310に進出した後は、図19(a)に表したように、吐水部538が進出し、さらに第2支持部536が進出することにより、図9乃至図16に関して前述した動作を実行可能である。
【0072】
図20は、本実施形態による衛生洗浄便座装置の具体例を例示する斜視図である。
本具体例においては、衛生洗浄便座装置本体500は水洗腰掛便器300の上部後方の平坦面に設置され、その前面510が腰掛便器300のボウル310の後部を覆わないように湾曲している。そして、この湾曲した前面510に、「おしり」を洗浄するための洗浄ノズルを出し入れするための開口部520が設けられている。開口部520には、塞ぎ板525が設けられ、洗浄ノズルは、この塞ぎ板525の裏側に収容されている。
【0073】
衛生洗浄便座装置本体500をボウル310の上に延出させると、その裏側に、ボウル310の溜まり水の「跳ね」などが付きやすく、汚れやすくなる。また、その掃除も手間がかかる。
【0074】
これに対して、本具体例においては、衛生洗浄便座装置本体500がボウル310に延出せず、湾曲した前面510がボウル310の開口部の湾曲側壁面と略一体的な曲面を構成する。その結果、汚れにくく、また、男性の小用の際などにも小水がかかりにくくなる。また、掃除の際にいちいち衛生洗浄便座装置本体500を腰掛便器300から取り外す手間が省け、掃除が極めて容易となる。またさらに、見た目にもすっきりとして、見栄えがよく、使用者に対して清潔感や衛生感を与え、快適な使い心地のトイレ装置を提供できる。
【0075】
そして、本発明によれば、使用者の着座を検知してノズル洗浄室を衛生洗浄便座装置本体500から進出させることにより、例えば、3段式あるいはそれ以上の多段式の洗浄ノズルを搭載した場合でも、吐水までの待ち時間を短くして快適な操作性を得ることができる。特に、本具体例のように、ボウル310に延出しないようにするためには、衛生洗浄便座装置本体500の奥行きを縮小しなければならず、これにあわせて洗浄ノズルも多段式にする必要がある。このような場合でも、本発明によれば、吐水までの待ち時間を短縮できる。
【0076】
また、本発明によれば、ノズル洗浄室が衛生洗浄便座装置本体500から進出した状態で前洗浄、胴体洗浄、後洗浄を実施するので、これら洗浄の排水を確実にボウル310に落とすことができる。つまり、衛生洗浄便座装置本体500がボウル310を覆わないようにしても、排水の問題が生ずることはない。
【0077】
なお、本発明は、衛生洗浄便座装置本体500がボウル310に延出している場合にも同様に適用でき、例えば、待ち時間を短縮できる効果や、前洗浄あるいは胴体洗浄の排水をボウルに確実に落とすことができる効果などを同様に得ることができる。
【0078】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、第1支持部の形状は、第2支持部を取り囲むシリンダ状には限定されず、第2支持部を進退可能に支持できる形状及び構造を有するものであればよい。同様に、第2支持部についても、その形状は吐水部を取り囲むシリンダ状には限定されず、吐水部を進退可能に支持できる形状及び構造を有するものであればよい。
【0079】
また、図1乃至図20に関して前述した特徴部分は、技術的な可能な範囲においていかようにも組合せることができ、これら組合せにより得られた衛生洗浄便座装置及びトイレ装置についても、本発明の要旨を含む限りにおいて本発明の範囲に包含される。
【0080】
また、本発明の衛生洗浄便座装置及びトイレ装置に含まれる洗浄ノズル、便座、脱臭装置、温風乾燥装置、着座センサ、筺体、リモコン、腰掛便器、ロータンクなどの各要素については、当業者が適宜設計変更することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができるものも本発明の要旨を含む限り、本発明の範囲に包含される。
【0081】
その他、本発明の実施の形態として上述した衛生洗浄便座装置及びトイレ装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施しうるすべての衛生洗浄便座装置及びトイレ装置も同様に本発明の範囲に属する。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の実施の形態の衛生洗浄便座装置の模式斜視図である。
【図2】衛生洗浄便座装置の使用状態を例示する模式図である。
【図3】本実施形態の衛生洗浄便座装置に設けられた洗浄ノズルを例示する模式図である。
【図4】本実施形態の衛生洗浄便座装置に設けられた洗浄ノズルを例示する模式図である。
【図5】本実施形態の衛生洗浄便座装置の動作の第1の具体例を例示する模式図である。
【図6】本実施形態の衛生洗浄便座装置の動作の第1の具体例を例示する模式図である。
【図7】本実施形態の衛生洗浄便座装置の動作の第1の具体例を例示する模式図である。
【図8】衛生洗浄便座装置の動作を表すフローチャートである。
【図9】洗浄ノズルを表す模式断面図である。
【図10】洗浄ノズルの動作を例示する模式図である。
【図11】洗浄ノズルの動作を例示する模式図である。
【図12】洗浄ノズルの動作を例示する模式図である。
【図13】洗浄ノズルの動作を例示する模式図である。
【図14】洗浄ノズルの動作を表すフローチャートである。
【図15】3段式の洗浄ノズルの動作の変型例を表すフローチャートである。
【図16】3段式の洗浄ノズルの動作の第2の変型例を表すフローチャートである。
【図17】3段式の洗浄ノズルの具体的な構造を例示する模式断面図である。
【図18】ノズル洗浄室540を進出させる駆動機構の変型例を表す模式図である。
【図19】洗浄ノズルの進出動作を例示する模式図である。
【図20】衛生洗浄便座装置の具体例を例示する斜視図である。
【符号の説明】
【0083】
200 ロータンク
300 便器
300 水洗腰掛便器
300 腰掛便器
300F 平坦面
310 ボウル
400 便蓋
410 便座
500 衛生洗浄便座装置本体
502 着座センサ
510 前面
520 開口部
525 塞ぎ板
530 洗浄ノズル
532 取り付け台
533 給水チューブ
534 支持部
534 水路
534C 切り欠き
534T 水路
536 支持部
537 給水チューブ
538 吐水部
538W 吐水口
540 ノズル洗浄室
540W 吐水口
546 支持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
腰掛便器の上部に設けられる本体と、
前記本体に付設された便座と、
前記本体から進出可能に設けられ人体洗浄のための水を噴出する人体洗浄吐水口を有する吐水部と、
前記本体から進出可能に設けられ前記吐水部を洗浄するノズル洗浄室と、
前記便座への使用者の着座を検知する着座センサと、
を有し、
前記着座センサによる使用者の着座の検知に対応して、前記ノズル洗浄室が前記本体から進出することを特徴とする衛生洗浄便座装置。
【請求項2】
前記着座センサによる使用者の着座の検知に対応して、前記ノズル洗浄室が前記本体から進出し、さらに前記吐水部の少なくとも一部を前記ノズル洗浄室の中で洗浄することを特徴とする請求項1記載の衛生洗浄便座装置。
【請求項3】
前記人体洗浄吐水口から水を噴出することにより前記吐水部の少なくとも一部を前記ノズル洗浄室の中で洗浄することを特徴とする請求項2記載の衛生洗浄便座装置。
【請求項4】
前記ノズル洗浄室が前記本体から進出した後に、使用者が人体洗浄を指令するまでの間、前記ノズル洗浄室は、前記本体から進出した状態で待機することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の衛生洗浄便座装置。
【請求項5】
前記吐水部の少なくとも一部を前記ノズル洗浄室の中で洗浄した後に、前記ノズル洗浄室は前記本体の中へ後退することを特徴とする請求項2または3に記載の衛生洗浄便座装置。
【請求項6】
前記ノズル洗浄室は、前記吐水部を洗浄する洗浄水を噴出するノズル洗浄吐水口を有することを特徴とする
【請求項7】
前記ノズル洗浄室に対して相対的に進退可能に支持された支持部をさらに備え、
前記吐水部は、前記支持部に対して進退可能に支持されてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の衛生洗浄便座装置。
【請求項8】
使用者が人体洗浄を指令すると、前記ノズル洗浄室が前記本体から進出し且つ前記支持部が後退した状態において前記吐水部が進出することによりその少なくとも一部が前記ノズル洗浄室で洗浄され、しかる後に、前記支持部が進出することによりその少なくとも一部が前記ノズル洗浄室で洗浄されることを特徴とする請求項7記載の衛生洗浄便座装置。
【請求項9】
前記ノズル洗浄室に対して相対的に進退可能に支持された複数の支持部からなる複数支持部をさらに備え、
前記吐水部は、前記複数支持部に対して進退可能に支持されてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の衛生洗浄便座装置。
【請求項10】
前記使用者が人体洗浄を指令すると、前記ノズル洗浄室が前記本体から進出し且つ前記複数の支持部のそれぞれが後退した状態において前記吐水部が進出することによりその少なくとも一部が前記ノズル洗浄室で洗浄され、しかる後に、前記複数の支持部のそれぞれが前記吐水部側から順次進出することにより前記複数の支持部が前記ノズル洗浄室で順次洗浄されることを特徴とする請求項9記載の衛生洗浄便座装置。
【請求項11】
前記ノズル洗浄室は、取り付け台に固定され、
前記吐水部は、前記取り付け台に対して進退可能に支持され、
前記取り付け台の移動により前記ノズル洗浄室が進退可能とされたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の衛生洗浄便座装置。
【請求項12】
先端に前記ノズル洗浄室が付設されたシリンダ部と、
前記シリンダ部を進退可能に支持する取り付け台と、
をさらに備え、
前記シリンダ部の進退により前記ノズル洗浄室が進退可能とされ、
前記吐水部は、前記シリンダ部に対して出没可能なピストン状に形成されてなることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の衛生洗浄便座装置。
【請求項13】
腰掛便器と、
請求項1〜12のいずれか1つに記載の衛生洗浄便座装置と、
を備えたことを特徴とするトイレ装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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