説明

衛生洗浄装置

【課題】洗浄ノズルを安定して進出させることができる、あるいは洗浄ノズルを洗浄位置に正確に移動させることができる衛生洗浄装置を提供することを目的とする。
【解決手段】吐水口を有し、前記吐水口から水を噴射して使用者の身体を洗浄する洗浄ノズルと、前記洗浄ノズルを収納可能なケーシングと、前記洗浄ノズルを前記ケーシングから進退させる駆動部と、前記駆動部の駆動力を前記洗浄ノズルに伝達する伝達部と、を備え、前記洗浄ノズルの軸の水平面に対する角度は、前記洗浄ノズルが前記ケーシングから進出した進出状態よりも前記ケーシングに収納された収納状態において小さく、前記洗浄ノズルは、前記角度が大きくなる姿勢へ遷移しつつ前記収納状態から前記進出状態へ変化し、前記駆動部の押し出し量と、前記洗浄ノズルの進出量と、の関係は、線形であることを特徴とする衛生洗浄装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、衛生洗浄装置に関し、具体的には洋式腰掛便器に腰掛けた使用者の「おしり」などを水で洗浄する衛生洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
衛生洗浄装置では、便座に座った使用者の「おしり」などの身体を洗浄する洗浄ノズルや、洗浄ノズルを駆動する駆動部などは、例えばケーシング内に収納されている。そして、洗浄ノズルは、使用者の「おしり」などに水を噴射する際には、収納されている状態の角度のままで直線的に移動して、ケーシングから便器のボウル内に進出する。また、洗浄ノズルは、一般的に、便器のボウル内に進出する際に使用者の臀部と接触しないように、進出する際の角度と同じである所定の角度でケーシング内に収納されている。ここで、近年のトイレ空間のデザイン向上に伴い、衛生洗浄装置のコンパクト化が望まれている。
【0003】
例えば、洗浄ノズルの角度を変えることができる人体局部洗浄装置がある(特許文献1)。特許文献1に記載された人体局部洗浄装置では、洗浄ノズルは、シリンダからみて直線的に移動する。また、シリンダは、ベース部材からみて回動自在に設けられている。しかしながら、洗浄ノズルが使用状態である進出状態にある場合と収納状態にある場合とにかかわらず、シリンダは、ベース部材上に存在する。そのため、洗浄ノズルの角度を変えることができたとしても、シリンダがベース部材上で回動するための空間、特にケーシング上側の空間が必要である。また、洗浄ノズルが収納状態にあるときに、ベース部材に対するシリンダおよび洗浄ノズルの角度が小さく抑えられたとしても、洗浄ノズルが進出する際には使用者の臀部と接触しない角度以上にする必要がある。そのため、洗浄ノズルの収納時の高さを抑え、人体局部洗浄装置のコンパクト化を図るという点においては、課題が残る。
【0004】
これに対して、乾燥ノズルを後退位置で吹出口のある先端部が下向きとなる傾斜姿勢にするとともに、乾燥ノズルを傾斜姿勢のまま長手方向に進出させたときの吹出口の位置よりも、乾燥ノズルの進出位置での吹出口の位置が上方に位置するようにノズル駆動ユニットが制御する人体乾燥装置がある(特許文献2)。特許文献2に記載された人体乾燥装置では、乾燥ノズルが進出するにつれて、乾燥ノズルの傾斜が変わる。しかしながら、駆動部が本体ケース内に位置し軸でモータに連結されているため、乾燥ノズルの傾斜角度が変化すると、駆動部から乾燥ノズルへ伝達される駆動力は変化するおそれがある。そうすると、乾燥ノズルが一定の進出量で進出せずに安定して進出しないおそれがある。これにより、例えば使用者が乾燥ノズルの位置を調整した場合でも、乾燥ノズルの位置が所望の位置からずれるおそれがある。さらに、特許文献2に記載された人体乾燥装置では、乾燥ノズルは、進出位置よりも後退位置において起立状態にある。そのため、乾燥ノズルの後退時の高さを抑え、人体乾燥装置のコンパクト化を図るという点においては、課題が残る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−249671号公報
【特許文献2】特開2003−286738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、洗浄ノズルを安定して進出させることができる、あるいは洗浄ノズルを洗浄位置に正確に移動させることができる衛生洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、吐水口を有し、前記吐水口から水を噴射して使用者の身体を洗浄する洗浄ノズルと、前記洗浄ノズルを収納可能なケーシングと、前記洗浄ノズルを前記ケーシングから進退させる駆動部と、前記駆動部の駆動力を前記洗浄ノズルに伝達する伝達部と、を備え、前記洗浄ノズルの軸の水平面に対する角度は、前記洗浄ノズルが前記ケーシングから進出した進出状態よりも前記ケーシングに収納された収納状態において小さく、前記洗浄ノズルは、前記角度が大きくなる姿勢へ遷移しつつ前記収納状態から前記進出状態へ変化し、前記駆動部の押し出し量と、前記洗浄ノズルの進出量と、の関係は、線形であることを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0008】
この衛生洗浄装置によれば、洗浄ノズルの軸の水平面に対する角度が大きくなる姿勢へ洗浄ノズルが遷移しつつ収納状態から進出状態へ変化しても、駆動部の押し出し量と、洗浄ノズルの進出量と、の関係は、線形に保たれる。つまり、洗浄ノズルが収納状態よりも起立する姿勢へ遷移しつつ進出することによっては、駆動部から伝達部に伝達される駆動力に損失が生ずることはない。そのため、洗浄ノズルは、駆動部から伝達される一定の駆動力で進出できる。これにより、洗浄ノズルを安定して進出させることができる。また、使用者が洗浄ノズルの位置を調整した場合には、洗浄ノズルを所定の位置に正確に移動させることができる。ここでいう「線形」とは、駆動部の押し出し量と、洗浄ノズルの進出量と、の関係が一次式で表わされることを意味する。
【0009】
また、第2の発明は、第1の発明において、前記駆動部は、前記洗浄ノズルの移動に連動して変位することを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0010】
この衛生洗浄装置によれば、洗浄ノズルの軸の水平面に対する角度が大きくなる姿勢へ洗浄ノズルが遷移しつつ収納状態から進出状態へ変化しても、駆動部の位置は、洗浄ノズルの移動に連動して変化する。そのため、駆動部の押し出し量と、洗浄ノズルの進出量と、の関係を線形に保つことができる。これにより、洗浄ノズルを安定して進出させることができる。また、使用者が洗浄ノズルの位置を調整した場合には、洗浄ノズルを所定の位置に正確に移動させることができる。
【0011】
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、前記洗浄ノズルが前記収納状態から前記進出状態へ変化する際に前記洗浄ノズルの先端部が描く軌道は、前記角度が大きくなる姿勢へ遷移するときに描く曲線軌道と、前記角度が一定であるときに描く直線軌道と、を有し、前記先端部が前記曲線軌道を描く際には、前記洗浄ノズルの軸の水平面に対する角度の変化量と、前記駆動部の水平面に対する角度の変化量と、は同じであることを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0012】
この衛生洗浄装置によれば、洗浄ノズルの先端部が曲線軌道を描く際には、洗浄ノズルの軸の水平面に対する角度の変化量と、駆動部の水平面に対する角度の変化量と、は同じである。そのため、駆動部の押し出し量と、洗浄ノズルの進出量と、の関係を線形に保つことができる。これにより、洗浄ノズルを安定して進出させることができる。
【0013】
また、第4の発明は、第1〜第3のいずれか1つの発明において、前記駆動部は、前記洗浄ノズルの後端側に配置され、前記洗浄ノズルの移動に連動して上方および下方へ変位することを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0014】
この衛生洗浄装置によれば、駆動部は、洗浄ノズルの後端側に配置され、洗浄ノズルの移動に連動して上方および下方へ変位する。そのため、水などの液体が洗浄ノズルに付着した場合でも、その液体が駆動部に付着することを抑制することができる。これにより、駆動部が液体により故障することを抑制することができる。
【0015】
また、第5の発明は、第3または第4の発明において、前記先端部が前記曲線軌道を描く際に前記洗浄ノズルの移動を案内し規制する回動軸をさらに備え、前記回動軸は、前記収納状態における前記洗浄ノズルの先端側に設けられたことを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0016】
この衛生洗浄装置によれば、回動軸は、収納状態における洗浄ノズルの先端側に設けられている。そのため、洗浄ノズルの軸の水平面に対する角度が大きくなる姿勢へ洗浄ノズルが遷移しつつ収納状態から進出状態へ変化する際には、洗浄ノズルの先端部の変位量は、洗浄ノズルの後端部および上端部の変位量よりも小さい。そのため、衛生洗浄装置の前側において、洗浄ノズルが移動する空間を抑えることができる。これにより、衛生洗浄装置のコンパクト化を図ることができる。
【0017】
また、第6の発明は、第1〜第5のいずれか1つの発明において、前記洗浄ノズルを摺動自在に支持し、前記洗浄ノズルの移動に連動する基台をさらに備え、前記駆動部は、前記基台に固定されたことを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0018】
この衛生洗浄装置によれば、駆動部は、洗浄ノズルの移動に連動する基台に固定されている。そのため、駆動部と基台との相対的位置は、洗浄ノズルの移動によっては変化しない。そのため、駆動部の押し出し量と、洗浄ノズルの進出量と、の関係を線形に保つことができる。これにより、洗浄ノズルを安定して進出させることができる。
【0019】
また、第7の発明は、第1〜第5のいずれか1つの発明において、前記洗浄ノズルは、複数の可動部を有する多段式の洗浄ノズルであることを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0020】
この衛生洗浄装置によれば、収納状態の洗浄ノズルの軸方向の長さをより短くすることができる。これにより、収納状態の洗浄ノズルの高さをより低く抑えることができる。そのため、衛生洗浄装置の高さをより低く抑え、衛生洗浄装置のコンパクト化を図ることができる。
【0021】
また、第8の発明は、第7の発明において、前記多段式の洗浄ノズルは、前記吐水口が設けられたノズルヘッドと、前記ノズルヘッドの少なくとも一部を格納可能な少なくとも1以上のシリンダと、を有し、前記ノズルヘッドが前記少なくとも1以上のシリンダの中に格納された状態で前記角度が大きくなる姿勢へ遷移しつつ前記収納状態から変化し、その後に前記ノズルヘッドが前記少なくとも1以上のシリンダの中から外へ摺動しつつ前記角度が一定の状態で前記進出状態へ変化することを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0022】
この衛生洗浄装置によれば、多段式の洗浄ノズルがよりコンパクト化された状態で、洗浄ノズルの軸の水平面に対する角度が大きくなる姿勢へ洗浄ノズルが遷移しつつ収納状態から変化する。これにより、収納状態の洗浄ノズルの高さをより低く抑えることができる。そのため、衛生洗浄装置の高さをより低く抑え、衛生洗浄装置のコンパクト化を図ることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の態様によれば、洗浄ノズルを安定して進出させることができる、あるいは洗浄ノズルを洗浄位置に正確に移動させることができる衛生洗浄装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態にかかる衛生洗浄装置を備えたトイレ装置を表す斜視模式図である。
【図2】本実施形態のノズルユニットを例示する斜視模式図である。
【図3】ノズルモータの押し出し量と洗浄ノズルの進出量との関係を表すグラフ図である。
【図4】本実施形態の洗浄ノズルの軌道を例示する平面模式図である。
【図5】本実施形態のノズルユニットを表す平面模式図である。
【図6】本実施形態のノズルユニットを表す平面模式図である。
【図7】本実施形態のノズルユニットを表す断面模式図である。
【図8】収納状態の洗浄ノズルと便座に着座した使用者の臀部との位置関係を例示する平面模式図である。
【図9】進出状態の洗浄ノズルと便座に着座した使用者の臀部との位置関係を例示する平面模式図である。
【図10】進出途中の洗浄ノズルと便座に着座した使用者の臀部との位置関係を例示する平面模式図である。
【図11】本発明の他の実施の形態のノズルユニットを表す平面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる衛生洗浄装置を備えたトイレ装置を表す斜視模式図である。
【0026】
図1に表したトイレ装置は、洋式腰掛便器(以下説明の便宜上、単に「便器」と称する)800と、その上に設けられた衛生洗浄装置100と、を備える。衛生洗浄装置100は、ケーシング400と、便座200と、便蓋300と、を有する。便座200と便蓋300とは、ケーシング400に対して開閉自在にそれぞれ軸支されている。
【0027】
ケーシング400の内部には、便座200に座った使用者の「おしり」などの洗浄を実現する身体洗浄機能部などが内蔵されている。また、例えばケーシング400には、使用者が便座200に座ったことを検知する着座検知センサ404が設けられている。着座検知センサ404が便座200に座った使用者を検知している場合において、使用者が例えばリモコンなどの図示しない操作部を操作すると、洗浄ノズル473を便器800のボウル801内に進出させることができる。なお、図1に表した衛生洗浄装置100では、洗浄ノズル473がボウル801内に進出した状態を表している。
【0028】
洗浄ノズル473の先端部には、ひとつあるいは複数の吐水口474が設けられている。そして、洗浄ノズル473は、その先端部に設けられた吐水口474から水を噴射して、便座200に座った使用者の「おしり」などを洗浄することができる。なお、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加温されたお湯も含むものとする。
【0029】
図2は、本実施形態のノズルユニットを例示する斜視模式図である。
また、図3は、ノズルモータの押し出し量と洗浄ノズルの進出量との関係を表すグラフ図である。
なお、図2(a)は、洗浄ノズルがケーシングに収納された状態を表す斜視模式図であり、図2(b)は、洗浄ノズルが進出した状態を表す斜視模式図である。また、図3は、洗浄ノズル473の初期位置(収納状態の位置)を基準とした洗浄ノズル473自身の進出量を表している。
【0030】
本実施形態のノズルユニット470は、図2に表したように、基台475と、基台475に支持された洗浄ノズル473と、洗浄ノズル473を移動させるノズルモータ(駆動部)476と、を有する。洗浄ノズル473は、ノズルヘッド471と、シリンダ472と、を有する。すなわち、図2に表した洗浄ノズル473は、2段式である。なお、本実施形態では、2段式すなわち2本の可動部を有する洗浄ノズルを例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されず、可動部が3本以上の多段式の洗浄ノズル、および可動部がノズルヘッドのみの単段式の洗浄ノズルも包含する。
【0031】
ノズルヘッド471は、シリンダ472に対して摺動自在に設けられ、少なくともその一部がシリンダ472の中に格納可能とされている。ノズルヘッド471は、ノズルモータ476から伝達される駆動力により、基台475に対して摺動自在に設けられている。これについては、後に詳述する。
【0032】
洗浄ノズル473は、スライダ477を有する。シリンダ472は、スライダ477に固定されている。スライダ477は、基台475に対して摺動自在に設けられている。そのため、シリンダ472は、スライダ477とともに基台475に対して摺動可能である。これにより、洗浄ノズル473は、ケーシング400および基台475から進退自在に移動できる。
【0033】
ケーシング400には、洗浄ノズル473の移動を案内する軌道ガイド450が設けられている。洗浄ノズル473は、軌道ガイド450により一定の軌道を描き、収納状態から進出状態へ変化する。このとき、洗浄ノズル473は、例えば便器800の上面などの水平面850(図5参照)に対する洗浄ノズル473の軸473cの角度θ(図5参照)が大きくなる姿勢へ遷移しつつ進出する。言い換えれば、洗浄ノズル473は、収納状態よりも起立する姿勢へ遷移しつつ進出する。そして、図4に関して後述するが、洗浄ノズル473の先端部473aは、曲線軌道491を描きつつ進出し、その後に直線軌道493を描きつつ進出する。
【0034】
ここで、例えばノズルモータ476がケーシング400に固定されている場合には、ノズルモータ476と、基台475と、の相対的位置が洗浄ノズル473の進出によって変化する。そうすると、洗浄ノズル473の先端部473aが曲線軌道491を描きつつ進出する際に、ノズルモータ476からノズルヘッド471に伝達される駆動力は、洗浄ノズル473の進出により吸収され変化するおそれがある。そのため、ノズルモータ476の押し出し量と、洗浄ノズル473の進出量と、の関係は、図3に表した曲線503のように線形ではなくなるおそれがある。これにより、洗浄ノズル473を安定して進出させることができず、使用者が洗浄ノズル473の位置を調整した場合でも、洗浄ノズル473を所定の位置に正確に移動させることができないおそれがある。なお、洗浄ノズル473の先端部473aが直線軌道493を描きつつ進出する際には、ノズルモータ476の押し出し量と、洗浄ノズル473の進出量と、の関係は、図3に表した直線504のように線形となる。
【0035】
これに対して、本実施形態では、ノズルモータ476は、基台475に固定されている。また、洗浄ノズル473は、基台475に対して摺動自在に設けられているため、基台475は、図2(a)および図2(b)に表したように、洗浄ノズル473の進出に連動して起立する姿勢へ遷移する。そのため、ノズルモータ476は、洗浄ノズル473の進出に連動して変位する。そして、基台475とノズルモータ476との相対的位置は、洗浄ノズル473の進出によっては変化しない。
【0036】
これにより、ノズルモータ476からノズルヘッド471に伝達される駆動力は、略一定に保たれる。つまり、洗浄ノズル473が収納状態よりも起立する姿勢へ遷移しつつ進出することによっては、ノズルモータ476からノズルヘッド471に伝達される駆動力に損失が生ずることはない。あるいは、洗浄ノズル473の先端部473aが曲線軌道491および直線軌道493を描きつつ進出する際に、ノズルモータ476の押し出し量と、洗浄ノズル473の進出量と、の関係は、図3に表した直線501のように線形となる。ここでいう「線形」とは、ノズルモータ476の押し出し量と、洗浄ノズル473の進出量と、の関係が一次式で表されることを意味する。そのため、洗浄ノズル473は、ノズルモータ476から伝達される略一定の駆動力で進出できる。これにより、洗浄ノズル473を安定して進出させることができる。また、使用者が洗浄ノズル473の位置を調整した場合には、洗浄ノズル473を所定の位置に正確に移動させることができる。また、洗浄ノズル473を所定位置に正確に移動できるかつ、進出させるために必要以上に押し出さなければならないことも防止できる。
【0037】
次に、洗浄ノズルの進出動作について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図4は、本実施形態の洗浄ノズルの軌道を例示する平面模式図である。
また、図5および図6は、本実施形態のノズルユニットを表す平面模式図である。
また、図7は、本実施形態のノズルユニットを表す断面模式図である。
なお、図4〜図6は、本実施形態のノズルユニット470を右側方から眺めた平面模式図である。また、図7は、洗浄ノズル473の軸473cに沿うような切断面すなわち図2に表した切断面A−Aにおける断面模式図である。さらに、図6に表したノズルユニット470では、説明の便宜上、ノズルモータ476を省略している。
【0038】
ケーシング400は、図5〜図7に表したように、ケースプレート401と、ケースカバー402と、を有する。身体洗浄機能部などは、ケースプレート401に適宜載置され、その上方をケースカバー402により覆われている。
【0039】
ノズルヘッド471には、図7に表したように、ケーブルラック(伝達部)478が固定されている。ケーブルラック478は、例えば柔軟性を有する樹脂などの材料により形成されている。ケーブルラック478の少なくとも一側面には、歯車(伝達部)481、483と係合する凹凸が設けられている。そして、ケーブルラック478は、基台475に設けられた第1のケーブルガイド部479と、ケーシング400に設けられた第2のケーブルガイド部411と、に沿って衛生洗浄装置100内で摺動可能に支持されている。
【0040】
ノズルモータ476は、駆動出力を適宜減速させて歯車481、483に出力可能である。ケーブルラック478は、歯車483に係合され、歯車483の回転駆動力を直線方向の駆動力に変換してノズルヘッド471を移動させる。つまり、ノズルヘッド471は、歯車481、483およびケーブルラック478を介してノズルモータ476から伝達される駆動力により、基台475に対して摺動自在に設けられている。
【0041】
軌道ガイド450には、図4〜図6に表したように、洗浄ノズル473の軌道を規制する軌道溝451が形成されている。一方、スライダ477には、図4および図6に表したように、軌道溝451に嵌合可能な嵌合部477bが設けられている。嵌合部477bは、軌道溝451に嵌合されている。そして、洗浄ノズル473が収納状態から進出状態へ変化する際には、スライダ477の嵌合部477bは、軌道溝451を摺動しつつ移動する。そのため、スライダ477は、軌道溝451と略同一の軌道を描き移動する。
【0042】
嵌合部477bは、例えば回動不能な突起部としてスライダ477に付設されていてもよいし、スライダ477に対して回動自在な部分を有していてもよい。嵌合部477bがスライダ477に対して回動自在な部分を有する場合には、スライダ477の嵌合部477bは、軌道溝451を回動しつつ移動する。そのため、本願明細書において「摺動」という範囲には、接触状態で摺り動く場合だけではなく、接触状態で転がり動く場合が含まれるものとする。
【0043】
軌道ガイド450は、曲線規制部453と、直線規制部455と、を有する。曲線規制部453は、略水平方向に形成されている。一方、直線規制部455は、曲線規制部453と接続された側の一端部が曲線規制部453と接続されていない側の他端部よりも高くなるように傾斜して形成されている。言い換えれば、直線規制部455は、曲線規制部453と接続されていない側の他端部が曲線規制部453と接続された側の一端部よりも低くなるように傾斜して形成されている。なお、直線規制部455にロック機構を持たせたり、角度変更用の駆動源を設けてもよい。
【0044】
まず、洗浄ノズル473が収納状態から進出状態へ変化を始めると、スライダ477の嵌合部477bは、曲線規制部453を摺動する。このとき、図2に表したように、シリンダ472は、回動軸463によりケーシング400に対して回動自在に軸支された筒体461を通過する。筒体461は、筒状に形成され、シリンダ472の角度に応じて回動軸463を中心として回動できる。そして、筒体461および回動軸463は、洗浄ノズル473の移動を案内し規制することができる。
【0045】
そのため、洗浄ノズル473が収納状態から進出状態へ変化を始めると、嵌合部477bは、曲線規制部453に案内され略水平方向に移動する。一方で、シリンダ472は、回動軸463を中心として回動する筒体461の内部を通過する。これにより、洗浄ノズル473は、洗浄ノズル473の軸473cの水平面850に対する角度θが大きくなる姿勢へ遷移しつつ進出する。言い換えれば、洗浄ノズル473は、収納状態よりも起立する姿勢へ遷移しつつ進出する。そのため、スライダ477の嵌合部477bが曲線規制部453を摺動する際には、洗浄ノズル473の先端部(ノズルヘッド471の先端部)473aは、図4に表したように、曲線軌道491を描きつつ進出する。
【0046】
続いて、スライダ477の嵌合部477bは、直線規制部455を摺動する。このとき、筒体461は、ケーシング400に対して回動自在に軸支されているため、直線規制部455の傾斜角度すなわちスライダ477およびシリンダ472の移動方向と、筒体461の軸方向と、は略同一となる。これにより、スライダ477の嵌合部477bが直線規制部455を摺動する際には、洗浄ノズル473の先端部473aは、図4に表したように、直線軌道493を描きつつ進出する。
【0047】
ここで、図2および図3に関して前述したように、基台475は、洗浄ノズル473の進出に連動して起立する姿勢へ遷移する。また、ノズルモータ476は、基台475に固定され、洗浄ノズル473の進出に連動して変位する。そのため、ノズルモータ476の水平面850に対する角度の変化量と、洗浄ノズル473の軸473cの水平面850に対する角度θの変化量と、は同じとなる。言い換えれば、基台475とノズルモータ476とは、同じ軌道を描きつつ移動する。そのため、ノズルモータ476からノズルヘッド471に伝達される駆動力は、略一定に保たれる。あるいは、ノズルモータ476の押し出し量と、洗浄ノズル473の進出量と、の関係は線形となる。これにより、洗浄ノズル473を安定して進出させることができる。また、使用者が洗浄ノズル473の位置を調整した場合には、洗浄ノズル473を所定の位置に正確に移動させることができる。
【0048】
また、ノズルモータ476は、洗浄ノズル473の後端側に設けられている。そして、ノズルモータ476は、図4に表したように、洗浄ノズル473の進退に連動して上方および下方へ変位する。そのため、水などの液体が洗浄ノズルに付着した場合でも、その液体がノズルモータ476に付着することを抑制することができる。これにより、ノズルモータ476が液体により故障することを抑制することができる。
【0049】
また、筒体461の回動中心に位置する回動軸463は、収納状態の洗浄ノズル473の先端側に設けられている。そのため、嵌合部477bが曲線規制部453を摺動する際には、洗浄ノズル473の先端部473aの変位量は、洗浄ノズル473の後端部および上端部(スライダ477の上端部)477aの変位量よりも小さい。例えば、洗浄ノズル473の先端部473aの曲線軌道491の長さは、スライダ477の上端部477aの軌道495の長さよりも短い。そのため、衛生洗浄装置100の前側において、洗浄ノズル473が移動する空間を抑えることができる。これにより、衛生洗浄装置100のコンパクト化を図ることができる。
【0050】
また、本実施形態において例示したように、洗浄ノズル473が多段式の洗浄ノズルである場合には、ノズルヘッド471の少なくとも一部は、シリンダ472の中に格納可能とされている。そのため、収納状態の洗浄ノズル473の軸473c方向の長さをより短くすることができる。これにより、収納状態の洗浄ノズル473の高さをより低く抑えることができる。そのため、衛生洗浄装置100の高さをより低く抑え、衛生洗浄装置100のコンパクト化を図ることができる。
【0051】
ノズルヘッド471およびシリンダ472の進出順序は、特に限定されるわけではない。例えば、ノズルヘッド471がシリンダ472の中に格納された状態で、洗浄ノズル473の先端部473aが曲線軌道491を描きつつ進出する。その後、ノズルヘッド471がシリンダ472の中から外へ摺動し、洗浄ノズル473の先端部473aが直線軌道493を描きつつ進出する。この場合には、多段式の洗浄ノズル473がよりコンパクト化された状態で、洗浄ノズル473の先端部473aが曲線軌道491を描きつつ進出する。これにより、収納状態の洗浄ノズル473の高さをより低く抑えることができる。そのため、衛生洗浄装置100の高さをより低く抑え、衛生洗浄装置100のコンパクト化を図ることができる。
あるいは、例えば、洗浄ノズル473の先端部473aが曲線軌道491を描きつつ進出する動作と、ノズルヘッド471がシリンダ472の中から外へ摺動する動作と、が並行して行われてもよい。
【0052】
また、本実施形態では、洗浄ノズル473は、洗浄ノズル473の軸473cの水平面850に対する角度θが大きくなる姿勢へ遷移しつつ進出する。そのため、洗浄ノズル473の軸473cの水平面850に対する角度θが進出状態よりも小さい姿勢で洗浄ノズル473を収納させることができる。また、洗浄ノズル473の軸473cの水平面850に対する角度θを変化させるために必要な回動スペースを最小限にすることができる。これにより、収納状態の洗浄ノズル473の高さをより低く抑えることができる。そのため、衛生洗浄装置100の高さをより低く抑え、衛生洗浄装置100のコンパクト化を図ることができる。
【0053】
また、スライダ477は、軌道ガイド450に形成された軌道溝451と略同一の軌道を描き進出する。そのため、嵌合部477bが曲線規制部453を摺動する際には、スライダ477の上端部477aは、図4に表したように、略水平軌道495あるいは前方へ向かうにつれて下方へ移動する曲線軌道495を描きつつ進出する。そのため、洗浄ノズル473は、収納状態において洗浄ノズル473の上方に存在する空間B(図5〜図7参照)を前進動作により利用して、収納状態よりも起立する姿勢へ遷移しつつ進出できる。そのため、洗浄ノズル473が収納状態よりも起立する姿勢へ遷移するための特別な空間は必要ない。これにより、ケースカバー402の高さをより低く抑えることができる。そのため、衛生洗浄装置100の高さをより低く抑え、衛生洗浄装置100のコンパクト化を図ることができる。
【0054】
図8は、収納状態の洗浄ノズルと便座に着座した使用者の臀部との位置関係を例示する平面模式図である。
また、図9は、進出状態の洗浄ノズルと便座に着座した使用者の臀部との位置関係を例示する平面模式図である。
また、図10は、進出途中の洗浄ノズルと便座に着座した使用者の臀部との位置関係を例示する平面模式図である。
【0055】
図4〜図7に関して前述したように、本実施形態では、洗浄ノズル473の軸473cの水平面850に対する角度θが進出状態よりも小さい姿勢で洗浄ノズル473を収納させることができる。より具体的には、図8に表したように、収納状態の洗浄ノズル473の軸473cは、便座200に着座した使用者の臀部600と干渉する。言い換えれば、収納状態における洗浄ノズル473の軸473cの水平面850に対する角度θは、洗浄ノズル473が収納状態の姿勢(角度)のままで進出した場合に便座200に着座した使用者の臀部600と接触する角度である。
【0056】
これに対して、本実施形態の洗浄ノズル473は、図10に表したように、洗浄ノズル473の軸473cの水平面850に対する角度θが大きくなる姿勢へ遷移しつつ進出する。そのため、図9に表したように、進出状態の洗浄ノズル473の軸473cは、便座200に着座した使用者の臀部600とは干渉しない。また、図9および図10に表したように、進出状態および進出途中の洗浄ノズル473は、便座200に着座した使用者の臀部600とは接触しない。本実施形態では、洗浄ノズル473の先端部473aが描く曲線軌道491は、洗浄ノズル473が便座200に着座した使用者の臀部600と接触することを回避する軌道である。一方、洗浄ノズル473の先端部473aが描く直線軌道493は、進出状態へ到達する軌道である。これにより、収納状態の洗浄ノズル473の軸473cが便座200に着座した使用者の臀部600と干渉する程度にまで、洗浄ノズル473の軸473cの水平面850に対する角度θが小さい姿勢で洗浄ノズル473を収納させることができる。また、便座200の後部の先端部に洗浄ノズル473の先端部473aが到達するタイミングで曲線軌道491から直線軌道493に遷移していることで、洗浄ノズル473と使用者の臀部600との干渉を確実に防ぐことができる。
なお、洗浄ノズル473と使用者の臀部600との干渉を回避する角度θは、一般的な形状を有する便座200および便器800、並びに一般的な収納位置(例えば臀部600との水平方向および鉛直方向の相対的位置)に設置された洗浄ノズル473を有する衛生洗浄装置100を使用した場合には、例えば約30°〜45°程度である。
【0057】
本実施形態によれば、収納状態の洗浄ノズル473の高さをより低く抑えた場合でも、進出状態および進出途中の洗浄ノズル473が便座200に着座した使用者の臀部600と接触することを回避できる。これにより、収納状態の洗浄ノズル473の高さをより低く抑えることができる。そのため、衛生洗浄装置100の高さをより低く抑え、衛生洗浄装置100のコンパクト化を図ることができる。
【0058】
次に、本発明の他の実施の形態について説明する。
図11は、本発明の他の実施の形態のノズルユニットを表す平面模式図である。
なお、図11に表したノズルユニットでは、説明の便宜上、ノズルモータ476を省略している。
【0059】
本実施形態の洗浄ノズル473は、可動部がノズルヘッドのみの単段式の洗浄ノズルである。洗浄ノズル473は、スライダ477に固定されている。その他の構造は、図2〜図7に関して前述したノズルユニット470の構造と同様である。
【0060】
まず、洗浄ノズル473が収納状態から進出状態へ変化を始めると、スライダ477の嵌合部477bは、曲線規制部453を摺動する。このとき、洗浄ノズル473は、回動軸463によりケーシング400に対して回動自在に軸支された筒体461を通過する。筒体461は、筒状に形成され、洗浄ノズル473の角度に応じて回動軸463を中心として回動できる。
【0061】
そのため、洗浄ノズル473が収納状態から進出状態へ変化を始めると、嵌合部477bは、曲線規制部453に案内され略水平方向に移動する。一方で、洗浄ノズル473は、回動軸463を中心として回動する筒体461の内部を通過する。これにより、洗浄ノズル473は、図11に表したように、洗浄ノズル473の軸473cの水平面850に対する角度θ(図5参照)が大きくなる姿勢へ遷移しつつ進出する。言い換えれば、洗浄ノズル473は、収納状態よりも起立する姿勢へ遷移しつつ進出する。そのため、スライダ477の嵌合部477bが曲線規制部453を摺動する際には、洗浄ノズル473の先端部473aは、曲線軌道491(図4参照)を描きつつ進出する。
【0062】
続いて、スライダ477の嵌合部477bは、直線規制部455を摺動する。このとき、筒体461は、ケーシング400に対して回動自在に軸支されているため、直線規制部455の傾斜角度すなわちスライダ477および洗浄ノズル473の移動方向と、筒体461の軸方向と、は略同一となる。これにより、スライダ477の嵌合部477bが直線規制部455を摺動する際には、洗浄ノズル473の先端部473aは、直線軌道493(図3参照)を描きつつ進出する。
【0063】
本実施形態によれば、洗浄ノズル473が多段式ではなく単段式の場合でも、ノズルモータ476は、洗浄ノズル473の進出に連動して変位する。そして、基台475とノズルモータ476との相対的位置は、洗浄ノズル473の進出によっては変化しない。
【0064】
これにより、ノズルモータ476から洗浄ノズル473に伝達される駆動力は、略一定に保たれる。つまり、洗浄ノズル473が収納状態よりも起立する姿勢へ遷移しつつ進出することによっては、ノズルモータ476から洗浄ノズル473に伝達される駆動力に損失が生ずることはない。あるいは、洗浄ノズル473の先端部473aが曲線軌道491および直線軌道493を描きつつ進出する際に、ノズルモータ476の押し出し量と、洗浄ノズル473の進出量と、の関係は、図3に表した直線501、502のようにそれぞれ線形となる。そのため、洗浄ノズル473は、ノズルモータ476から伝達される略一定の駆動力で進出できる。これにより、洗浄ノズル473を安定して進出させることができる。また、使用者が洗浄ノズル473の位置を調整した場合には、洗浄ノズル473を所定の位置に正確に移動させることができる。
【0065】
以上、洗浄ノズル473が収納状態から進出状態へ変化する場合を主として説明した。但し、洗浄ノズル473は、進出状態から収納状態へ変化するときにも同様の軌道を描きつつ移動する。すなわち、例えば、洗浄ノズル473が進出状態から収納状態へ変化する際には、洗浄ノズル473の先端部473aは、直線軌道493の後に曲線軌道491を描く。つまり、洗浄ノズル473は、洗浄ノズル473の軸473cの水平面850に対する角度θが小さくなる姿勢へ遷移しつつ後退する。そして、洗浄ノズル473は、洗浄ノズル473の軸473cの水平面850に対する角度θが進出状態よりも小さい姿勢で収納される。
【0066】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、ノズルユニット470や軌道ガイド450などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などや洗浄ノズル473やノズルモータ476の設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。例えば、洗浄ノズル473の角度を変化させるモータと、洗浄ノズル473を進出させるモータと、に分けてノズルモータ476を設置してもよい。 また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0067】
100 衛生洗浄装置、 200 便座、 300 便蓋、 400 ケーシング、 401 ケースプレート、 402 ケースカバー、 404 着座検知センサ、 411 第2のケーブルガイド部、 450 軌道ガイド、 451 軌道溝、 453 曲線規制部、 455 直線規制部、 461 筒体、 463 回動軸、 470 ノズルユニット、 471 ノズルヘッド、 472 シリンダ、 473 洗浄ノズル、 473a 先端部、 473c 軸、 474 吐水口、 475 基台、 476 ノズルモータ、 477 スライダ、 477a 上端部、 477b 嵌合部、 478 ケーブルラック、 479 第1のケーブルガイド部、 481 歯車、 483 歯車、 491 曲線軌道、 493 直線軌道、 495 軌道、 501、502 直線、 503 曲線、 504 直線、 600 臀部、 800 便器、 801 ボウル、 850 水平面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐水口を有し、前記吐水口から水を噴射して使用者の身体を洗浄する洗浄ノズルと、
前記洗浄ノズルを収納可能なケーシングと、
前記洗浄ノズルを前記ケーシングから進退させる駆動部と、
前記駆動部の駆動力を前記洗浄ノズルに伝達する伝達部と、
を備え、
前記洗浄ノズルの軸の水平面に対する角度は、前記洗浄ノズルが前記ケーシングから進出した進出状態よりも前記ケーシングに収納された収納状態において小さく、
前記洗浄ノズルは、前記角度が大きくなる姿勢へ遷移しつつ前記収納状態から前記進出状態へ変化し、
前記駆動部の押し出し量と、前記洗浄ノズルの進出量と、の関係は、線形であることを特徴とする衛生洗浄装置。
【請求項2】
前記駆動部は、前記洗浄ノズルの移動に連動して変位することを特徴とする請求項1記載の衛生洗浄装置。
【請求項3】
前記洗浄ノズルが前記収納状態から前記進出状態へ変化する際に前記洗浄ノズルの先端部が描く軌道は、
前記角度が大きくなる姿勢へ遷移するときに描く曲線軌道と、
前記角度が一定であるときに描く直線軌道と、
を有し、
前記先端部が前記曲線軌道を描く際には、前記洗浄ノズルの軸の水平面に対する角度の変化量と、前記駆動部の水平面に対する角度の変化量と、は同じであることを特徴とする請求項1または2に記載の衛生洗浄装置。
【請求項4】
前記駆動部は、前記洗浄ノズルの後端側に配置され、前記洗浄ノズルの移動に連動して上方および下方へ変位することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の衛生洗浄装置。
【請求項5】
前記先端部が前記曲線軌道を描く際に前記洗浄ノズルの移動を案内し規制する回動軸をさらに備え、
前記回動軸は、前記収納状態における前記洗浄ノズルの先端側に設けられたことを特徴とする請求項3または4に記載の衛生洗浄装置。
【請求項6】
前記洗浄ノズルを摺動自在に支持し、前記洗浄ノズルの移動に連動する基台をさらに備え、
前記駆動部は、前記基台に固定されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の衛生洗浄装置。
【請求項7】
前記洗浄ノズルは、複数の可動部を有する多段式の洗浄ノズルであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の衛生洗浄装置。
【請求項8】
前記多段式の洗浄ノズルは、
前記吐水口が設けられたノズルヘッドと、
前記ノズルヘッドの少なくとも一部を格納可能な少なくとも1以上のシリンダと、
を有し、
前記ノズルヘッドが前記少なくとも1以上のシリンダの中に格納された状態で前記角度が大きくなる姿勢へ遷移しつつ前記収納状態から変化し、その後に前記ノズルヘッドが前記少なくとも1以上のシリンダの中から外へ摺動しつつ前記角度が一定の状態で前記進出状態へ変化することを特徴とする請求項7記載の衛生洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図7】
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