衛生的な水流出口
本発明は、衛生的な水流出口(1)であって、この水流出口(1)が、流出側に流れガイド(4)を有していて、この流れガイド(4)が、複数の流出孔または流出開口(7)を有する孔付きプレート(5)および/または格子状構造体または薄片構造体を有しており、前記流出孔または流出開口(7)が、流れガイド壁(6)により取り囲まれている形式のものに関する。本発明による水流出口が、ジョイントソケット(3)内に調節可能または旋回可能に配置されているジョイントスリーブ(2)を有しており、流れガイド(4)が、ジョイントスリーブ(2)のスリーブ内部に設けられていることを特徴としている。本は積みによる水流出口によって、衛生的な水栓から流出する水噴流が、スペースを取り、場合によっては外観を損なうボールジョイントも必要とせずに、必要な場合には相応に配向することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛生的な水流出口であって、この水流出口が流出側で流れガイドを有していて、この流れガイドが、複数の流出孔または流出開口を備えた少なくとも1つの孔付きプレートおよび/または格子構造体または薄片構造体を有していて、これらの流出孔または流出開口が流れガイド壁により取り囲まれている形式のものに関する。
【0002】
衛生的な水栓の水流出口にはたいてい噴流調整器が設けられている。この噴流調整器は水栓に給水口部材、つまり流出口部材を介して取り付けられていて、均一でソフトな水噴流を形成しようとする。この場合、流出側に流れ整流器を有している噴流調整器も既に提供されている。流れ整流器は、噴流調整器内で形成された個別噴流をほぼ同軸的に互いに配向しようとし、たとえば孔付きプレートとしてまたは格子構造体もしくは薄板構造体として構成されている。
【0003】
水栓内を流れる水流が、水流出口の領域で別の方向に変向し得るという問題は頻繁にある。従って、ジョイント式に互いに結合された2つのジョイント区分を有するボールジョイントも提供された。このボールジョイントのうちの一方のジョイント区分は水栓の水流出口と結合されていて、他方のジョイント区分は噴流調整器を支持している。このようなボールジョイントによって水噴流は、必要に応じて所望の領域に配向することができる。しかしこの種のボールジョイントは、比較的大きな長手方向延在を有していて、各装入領域には提供されていないスペース需要を必要とする。さらにこのボールジョイントは、特に美的要求の高い水栓の場合には外観も変えてしまう。公知のボールジョイントにおいて運動のために必要な外側に位置するギャップは、衛生的にも問題である。なぜならばこのギャップは洗浄できないか、または簡単には洗浄できないからである。
【0004】
従って課題は、冒頭で述べた形式の衛生的な水流出口を改良して、スペースを取り、場合によっては美的または衛生的に好ましくないボールジョイントを必要とすることなく、水噴流の変向を可能にする形式のものを提供することである。
【0005】
この課題の本発明による解決手段は、冒頭で述べた形式の衛生的な水流出口において、特に水流出口が、ジョイントスリーブを有していて、このジョイントスリーブがジョイントソケット内で調節可能または旋回可能に配置されていて、流れガイドが、ジョイントスリーブのスリーブ内部に設けられているようにすることである。
【0006】
本発明による水流出口は、ジョイントスリーブを有していて、このジョイントスリーブがジョイントソケット内で調整可能または旋回可能に配置されている。このジョイントスリーブのスリーブ内部には、流れガイドが設けられていて、この流れガイドは、少なくとも1つの孔付きプレートおよび/または格子状構造体または薄板構造体を有している。少なくとも1つの孔付きプレートまたは格子状構造体もしくは薄板構造体は、流れガイド壁により取り囲まれて仕切られている複数の流出孔または流出開口を有している。ジョイントスリーブの球帯形状に基づき、ジョイントスリーブは比較的僅かな長手方向延在をもって形成することができる。この場合、驚くべきことに、この種の流れガイドが、流れガイドの軸線方向の長手方向軸線延在が比較的短くても、流れガイド壁の軸線位置の方向で水を変向することができる、ということが分かった。この構成ではスペースを取り、場合によっては外観を損なうボールジョイントを省略することができる。
【0007】
本発明に係る水流出口は、衛生的な水流出口であって、該水流出口が、流出側で流れガイドを有しており、該流れガイドが、複数の流出孔または流出開口を備えた少なくとも1つの孔付きプレートおよび/または格子状構造体または薄片構造体を有しており、前記流出孔または前記流出開口が、流れガイド壁により取り囲まれている形式のものにおいて、水流出口が、ジョイントスリーブを有しており、該ジョイントスリーブが、ジョイントソケット内で調整可能または旋回可能に配置されており、流れガイドが、ジョイントスリーブのスリーブ内部に設けられていることを特徴とする。
【0008】
本発明よる水流出口のジョイントスリーブ内に設けられている流れガイドは、薄板構造体を有していて、この薄板構造体が、水噴流を薄板として構成されている流れガイド壁の間で変向する。しかし、流れガイドの少なくとも1つの孔付きプレートの流出孔または流出開口が、円形または多角形の内のりの流出横断面を有している構成が有利になる。この円形または多角形の流出孔または流出開口の流れガイド壁は、互いに比較的密に配置することができ、従って有利には水噴流をその噴流横断面全体にわたって良好に変向することができる。
【0009】
本発明による特に有利な構成は、少なくとも1つの孔付きプレートの流出孔または流出開口が、六角形もしくはハニカムセル状に形成されていて、ハニカム状に互いに配置されていることを提案している。
【0010】
本発明による有利な構成は、ジョイントソケットが、衛生的な水栓の流出側で組付け可能なねじ込みスリーブ、または流出口部材に設けられている。この種のねじ込みスリーブまたはこの種の流出口部材のねじ固定により、今や必要に応じて、流出する水噴流の配向が可能であるように、既存の水栓の水流出口を変更することもできる。
【0011】
ジョイントソケットもしくはジョイントスリーブの手前に、噴流調整器および/または前置篩またはこれらと同様の衛生的な組込み部材が流れ方向で前置されていると、場合によっては有利であり得る。この場合、水中を場合によって運ばれてくる汚れ粒子による流れガイドの詰まり回避するために前置篩を前置することができる。噴流調整器によって、水流出口から流出する水を、均一でソフトな水噴流に形成することが可能である。
【0012】
本発明による特に有利な構成は、ジョイントソケットが、噴流調整器ケーシングに設けられていることにある。このような噴流調整器が通常の衛生的な水栓の流出口部材内に装入されると、スペースを取り場合によっては外観を損なうボールジョイントを必要としなくても、水流出口から流出する水の配向が後でさらに可能でもある。
【0013】
ジョイントスリーブが相補的に成形されたジョイントソケットの内のりの横断面を常にカバーして、貫流する水が完全に流れガイドを通り抜けてゆくことを保証するために、ジョイントソケット内でのジョイントスリーブの旋回運動が、旋回ストッパにより制限されていると有利である。
【0014】
本発明による水流出口のフラットな構成を助成するために、旋回ストッパがこの場合にジョイントスリーブの流入側に配置されていると有利である。
【0015】
本発明による特に簡単で有利な構成は、旋回ストッパが、噴流調整器または前置篩またはこれらのような前置された衛生的な構成部材により形成されている。
【0016】
本発明による水流出口の流れガイドを旋回位置から水流出口の元々のゼロ位置に簡単に移動させることができるように、ジョイントソケットが少なくとも1つの係止手段を有していて、この係止手段が少なくとも1つの対向係止手段と協働し、係止手段と対向係止手段との係止位置が、有利にはジョイントスリーブのゼロ旋回位置を規定していると有利である。
【0017】
この場合、ジョイントソケットが、ジョイントスリーブの外周面に設けられている少なくとも1つの係止突起と協働する全周にわたって延びている係止溝を有していると有利であり得る。この係止突起は、たとえばジョイントスリーブの外周面に全周にわたって延びていてよい。
【0018】
しかし本発明による特別な実施例は、ジョイントスリーブの外周面に偶数個の係止突起が設けられていて、これらの係止突起はそれぞれペアで、ジョイントスリーブ中心点を通って延びている直線の相対する側に設けられている。この構成では、係止突起が係止溝と係止すると、ジョイントスリーブのゼロ位置は簡単に見つけ出すことができる。係止抵抗はジョイントスリーブの旋回時には容易に克服され、この場合、旋回時に係止溝に残留する係止突起が、有利には回動軸線または旋回軸線を形成する。
【0019】
球帯状のジョイントスリーブを流れ方向でジョイントソケットにより形成された球冠座部に押圧するために、ジョイントスリーブが、その流入側に設けられた戻し力によってジョイントソケット内で保持されているか、または負荷されていると有利である。ジョイントスリーブに作用するこの戻し力により、ジョイントスリーブの旋回位置を調整する際の移動特性もしくは摩擦特性は改良される。ばね力に抗して作用する手動の変位力により、調節時の摩擦抵抗が最小であるようにジョイントスリーブを解放することができる。この種の戻し力が無いと、ジョイントスリーブは流れ方向に抗してジョイントソケットに押圧され、これによりジョイントスリーブはジョイントソケット内で簡単に傾き、ジョイントスリーブの調節を阻害する場合があるいう恐れがある。
【0020】
戻し力が、有利にはジョイントスリーブをその流入側の流れ側で負荷するコイルばねまたはダイヤフラムばねであるということが考慮可能である。
【0021】
流れガイドの孔付きプレートおよび/または格子状構造体もしくは薄片構造体に対して、少なくとも1つの装入部材または組込み部材が前置されていると有利である。この装入部材または組込み部材は、噴流形成篩として構成されている、および/または戻し力をジョイントスリーブに加える。
【0022】
噴流形成篩として構成されているこのような装入部材または組込み部材により、噴流性質をさらに付加的に改良することができる。この装入部材または組込み部材は、付加的にまたはそうではなく、戻し力をジョイントスリーブに加えると、移動特性もしくは摩擦特性がジョイントスリーブの旋回位置の調節時に、特別な戻しばねを必要としなくとも改良される。
【0023】
ジョイントスリーブの球帯形状が球体中央平面を通って延びていると、ジョイントスリーブは、相補的に成形されたジョイントソケット内で特に確実で良好に保持される。
【0024】
本発明の別の特徴は、請求項および図面に関する本発明による実施例の以下の記載からもたらされる。ここでは個々の特徴を本発明による1つの実施例において、それ自体単独で実現することができるか、または複数の特徴をもって実現することができる。
【0025】
本発明に係る水流出口は、有利には、流れガイドの少なくとも1つの孔付きプレートの流出孔または流出開口が、円形状または多角形の内のりの流出横断面を有している。
【0026】
本発明に係る水流出口は、有利には、少なくとも1つの孔付きプレートの流出孔または流出開口が、六角形もしくはハニカムセル状に形成されていて、ハニカム状に互いに配置されている。
【0027】
本発明に係る水流出口は、有利には、ジョイントソケットが、衛生的な水栓に流出側で組付け可能なねじ込みスリーブ、または流出口部材に設けられている。
【0028】
本発明に係る水流出口は、有利には、ジョイントソケットもしくはジョイントスリーブに対して、噴流調整器および/または前置篩またはこれらと同様の衛生的な組込み部材が流れ方向で前置されている。
【0029】
本発明に係る水流出口は、有利には、ジョイントソケットが、噴流調整器ケーシングに設けられている。
【0030】
本発明に係る水流出口は、有利には、ジョイントソケット内でのジョイントスリーブの旋回運動が、旋回ストッパによって制限されている。
【0031】
本発明に係る水流出口は、有利には、旋回ストッパが、ジョイントスリーブの流入側に配置されている。
【0032】
本発明に係る水流出口は、有利には、旋回ストッパが、噴流調整器、または前置篩、またはこれらと同様の前置された衛生的な組込み部材により構成されている。
【0033】
本発明に係る水流出口は、有利には、ジョイントソケットが、少なくとも1つの係止手段を有しており、該係止手段が、ジョイントスリーブの少なくとも1つの対向係止手段と協働する。
【0034】
本発明に係る水流出口は、有利には、係止手段と対向係止手段との係止位置が、ジョイントスリーブのゼロ旋回位置を規定する。
【0035】
本発明に係る水流出口は、有利には、ジョイントソケットが、全周にわたって延びている係止溝を有しており、該係止溝が、ジョイントスリーブの外周面に設けられている少なくとも1つの係止突起と協働する。
【0036】
本発明に係る水流出口は、有利には、ジョイントスリーブの外周面に偶数個の係止突起が設けられており、該係止突起が、それぞれペアでジョイントスリーブ中心点を通って延びている直線の相対する側に設けられている。
【0037】
本発明に係る水流出口は、有利には、ジョイントスリーブが、該ジョイントスリーブの流入側に設けられた戻し力によってジョイントソケット内で保持されているか、または負荷されている。
【0038】
本発明に係る水流出口は、有利には、戻し力が、コイルばねまたはダイヤフラムばねである。
【0039】
本発明に係る水流出口は、有利には、流れガイドの孔付きプレートおよび/または格子状構造体または薄片構造体に対して、少なくとも1つの装入部材または組込み部材が前置されている。
【0040】
本発明に係る水流出口は、有利には、少なくとも1つの装入部材または組込み部材が、噴流形成篩として構成されており、および/または戻し力を、ジョイントスリーブに加える。
【0041】
本発明に係る水流出口は、有利には、ジョイントスリーブの球帯形状が、球体中央平面を通って延びている。
【0042】
本発明に係る水流出口は、有利には、ジョイントスリーブおよび/またはジョイントソケットが、周面領域で空気貫通孔として少なくとも1つの加工成形部を有している。
【0043】
本発明に係る水流出口は、有利には、ジョイントスリーブの流入側に、少なくとも1つのスペーサが設けられており、該スペーサが、流入側で前置された構成部材に接触しており、スペーサ)の、前記構成部材寄りの表面輪郭が、ジョイントソケット内で旋回可能なジョイントスリーブの旋回軸線を規定する。
【0044】
本発明に係る水流出口は、有利には、ジョイントスリーブの旋回軸線が、ジョイントスリーブまたは該ジョイントスリーブの孔付きプレートの流入側に設けられている互いに離間された少なくとも2つのスペーサにより形成されている。
【0045】
本発明に係る水流出口は、有利には、少なくとも1つのスペーサが、半円形または多角形の表面輪郭を有している。
【0046】
本発明に係る水流出口は、有利には、少なくとも1つのスペーサが、旋回軸線を規定する前記スペーサの表面輪郭の経過において、旋回位置を規定する少なくとも1つの係止突起またはこれと同様の凸部を有している。
【0047】
本発明に係る水流出口は、有利には、ジョイントスリーブが、ジョイントソケット内で周面方向に回動可能に支承されている。
【0048】
本発明に係る水流出口は、有利には、ジョイントスリーブにおいて、回動ウェブまたはこれと同様の操作部が、流出側に突出している。
【0049】
本発明に係る水流出口は、有利には、回動ウェブまたはこれと同様の操作部が、ジョイントスリーブの旋回軸線に対してほぼ同心的または軸線平行的な長手方向延在を有している。
【0050】
本発明に係る水流出口は、有利には、少なくともジョイントスリーブの流入側の周面縁部領域が、プリロード下でジョイントソケットの内周面に密に接触している。
【0051】
本発明に係る水流出口は、有利には、ジョイントソケット内でのジョイントスリーブの旋回軸線が、ジョイントソケットまたはジョイントスリーブの相対している側で突出している2つの旋回ピンにより規定されており、該旋回ピンが、それぞれ別の構成部材の長手方向溝と回動可能に係合する。
【0052】
本発明に係る水流出口は、有利には、ジョイントスリーブおよび/またはジョイントソケットが、膨潤性の材料から製造されており、膨潤した状態においてジョイントスリーブが、ジョイントソケット内で密に支承されているか、または位置固定されている。
【0053】
本発明に係る水流出口は、有利には、ジョイントソケットまたは該ジョイントソケットを支持する、噴流調整器ケーシングの部分領域が、回動可能に水流出口において支承されている。
【0054】
本発明に係る水流出口は、有利には、ジョイントスリーブが、球帯状に形成されており、および/またはジョイントスリーブが、中空球冠状または中空円錐状のジョイントソケット内で可動に支承されている。
【0055】
図1〜図25には、衛生的な水流出口1の種々異なる実施例が示されている。ここで示されている水流出口1は、球帯状のジョイントスリーブ2を有している。このジョイントスリーブ2は、ボールジョイント式にジョイントソケット3内で調節可能または旋回可能に配置されている。
【0056】
ジョイントスリーブ2のスリーブ内部には、流れガイド4が設けられている。この流れガイド4は、流れガイド壁6により取り囲まれた複数の流出孔または流出開口7を備えた孔付きプレート5を有している。
【0057】
ジョイントスリーブ2の球帯形状に基づき、ジョイントスリーブ2は比較的僅かな長手方向延在だけを有して形成することができる。この場合、驚くべきことに、この種の流れガイドが、この流れガイドの軸線方向の長手方向延在が比較的短くても、流れガイド壁の軸線位置の方向で水を変向することができるということが分かった。この構成では、スペースを取り、場合によっては外観を損なうボールジョイントを省くことができる。
【0058】
図1〜図3および図6〜図25に示した流れガイド4の流出孔は、多角形、特に六角形の内のりの開口横断面を有していて、ハニカム状に相互に配置されている。しかし図4に示してあるように、流出開口を半径方向および全周にわたって同心的に延びている流れガイド壁6により円弧状に形成することもできる。図5から、流出開口が、円形または、図示のように四角形の内のりの開口横断面を有することができることが明らかになる。
【0059】
図1から、ジョイントソケット3をねじ込みスリーブまたはねじ込みロゼット8に設けることができるということが分かる。このねじ込みスリーブ8は、水流出口に完全に埋設されている程度に、衛生的な給水コック、つまり水栓の水流出口1内にねじ込み可能である。
【0060】
図3には、一般的な衛生的な水栓に取り付けることができる流出口部材9が示されている。この流出口部材9内に、前置された前置篩11を備えた噴流調整器10が装入可能である。この前置篩11は、均一でソフトな水噴流を形成しようとし、ここでは付加的に換気もしようとする。流出口部材9の流出側の前端部領域は、ジョイントソケット3を有している。このジョイントソケット3内で、流れガイド4を有するジョイントスリーブ2が旋回可能または調節可能に保持されている。この場合、一つには図3を、もう一つには図4および図5を参照すると、ジョイントスリーブ2の外周面に、噴流調整器10への空気流入を許容する凹部12またはこれと同様の加工成形部が設けられていることが分かる。
【0061】
図6および図7には流出口部材9が示されている。この流出口部材9は、ジョイントソケット3とこれに付属のジョイントスリーブ2を収容するためだけに規定されている。図6および図7の流出口部材9は雌ねじ山13で、ここではさらに示されていないが、衛生的な水栓の雄ねじ山に固定可能である。
【0062】
図8および図9には、図6および図7と比較可能な流出口部材9が示されている。しかしこの流出口部材9はここでは、衛生的な水栓にねじ固定するために雄ねじ山14を支持している。
【0063】
図10には、流出口部材9が示されている。この流出口部材9も雄ねじ山14を水栓の雌ねじ山にねじ込むために支持している。流出口部材9内に噴流調整器ケーシング31が装入可能であり、この噴流調整器ケーシング31のスリーブ内部に噴流ディバイダ挿入体30が押し込まれている。噴流調整器ケーシング31は、流出側にジョイントソケット3を有している。このジョイントソケット3内でジョイントスリーブ2は調節可能または旋回可能に保持されている。
【0064】
図11〜図16を見ると、ジョイントソケット3が、少なくとも1つの係止手段17を有していることが分かる。この係止手段17は、ジョイントスリーブ2の外周面に設けられている少なくとも1つの対向係止手段18と協働する。この場合、係止手段17と対向係止手段18との係止位置は、たとえばジョイントスリーブ2のゼロ旋回位置を規定する。このためにここではジョイントソケット3は全周にわたって延びている係止溝17を有していて、これに対してジョイントスリーブ2の外周面には、図15で詳しく図示されている全周にわたって環状に延びている係止突起18を設けることができる。
【0065】
しかし図16から分かるように、ジョイントスリーブ2の外周面に偶数個の係止突起部18が設けられている。これらの係止突起部18は、それぞれペアになってジョイントスリーブ中心点を通って延びている直線の相対する側に設けられている。
【0066】
図11および図12に示されている噴流調整器ケーシング31は、ジョイントソケット3を有していて、このジョイントソケット3は互いに離間された3つの係止溝17を有している。これらの係止溝17内に、ジョイントスリーブ2の球中央平面に配置されている少なくとも1つの係止突起18が係合することができる。この場合、互いに離間されている係止溝17は、ゼロ旋回位置と、その両側でジョイントスリーブ2の外側の旋回位置を規定する。
【0067】
図1、図3、図7、図9、図10および図17〜図25を参照すると、ジョイントソケット3内でのジョイントスリーブ2の旋回運動は、旋回ストッパにより制限されていることが分かる。この制限ストッパはジョイントスリーブ2の流入側に配置されている。この旋回ストッパは、ここでは前置篩(図1参照)、または噴流調整器(図3、図6〜図10、図17〜図19、および図20〜図25参照)、またはこれらと同様のジョイントスリーブ2に前置された衛生的な組込み部材により形成される。
【0068】
図17、図18および図19を参照することで、ジョイントスリーブ2が、その流入側に設けられた復元力によって、ジョイントソケット3内で保持または負荷することもできることが明らかになる。図18および図19に示されている実施例の場合、コイルばね19(図19参照)または孔付きプレート5に前置されている装入部材または組込み部材20(図18参照)によりこの復元力は加えられる。装入部材または組込み部材20を同時に、噴流性質をさらに付加的に改良するために噴流形成篩として構成することもできる。この場合、流入側に前置された噴流ディバイダ挿入体またはこれと同様の噴流調整器構成部材に、中央の突出部21が設けられている。この突出部21をコイルばね19が取り囲んでいるか、または突出部21が、装入部材または組込み部材20をばね弾性的に負荷している。こういった復元力は、ジョイントスリーブ2を下方に向かって、ジョイントソケット3により形成された球冠座部に押し付け、これにより旋回状態の調節時の移動特性もしくは摩擦特性が改良されている。復元力に抗して作用する手動の変位力により、調節時の摩擦抵抗が最小であるようにジョイントスリーブ2を解放することができる。ここに復元力が設けられていないと、ジョイントスリーブ2が、ジョイントソケット3の上側の内周面に押圧され、これによりジョイントスリーブ2は簡単に傾き、さらなる調節が困難になり得るという恐れがある。
【0069】
さらに、ジョイントスリーブ2に作用する復元力は、ジョイントソケット3内でのジョイントスリーブ2の摩擦を高める。これにより、ジョイントスリーブ2は調整された位置で付加的に位置固定され、たとえば貫流する水による自発的な復元は回避される。ジョイントスリーブ2とジョイントソケット3とのプリロードが、同時に不都合に作用する水流出に対する運動面におけるシール作用を高める。復元力が、別のばね弾性的なエレメントと構造とによって得ることもできることが分かる。
【0070】
しかし図18に使用されている装入部材または組込み部材20は、流れガイド4を貫流する水の噴流性質をさらに付加的に改良するという利点を有している。ジョイントスリーブ2は、1〜15mmの厚さを有していてよい。ジョイントスリーブ2のボールのように多方面での調節可能性は、水噴流を常に、洗面台に注ぐ際に可能な限り飛び散らないように配向することを可能にもする。
【0071】
図20には、流出口部材内に装入可能な噴流調整器10の噴流調整器ケーシング31が示されている。この噴流調整器ケーシング31の流出側のケーシング端部領域にはジョイントソケット3が設けられている。このジョイントソケット3内でジョイントスリーブ2は回動可能および旋回可能に支承されている。この場合、ジョイントスリーブ2は一平面でのみ旋回可能である。このことは、ジョイントスリーブ2とその上方に位置する装入部材または組込み部材20との間に、ジョイントスリーブ2の自由端部領域に設けられている半円形の2つのスペーサ40によりもたらされる。装入部材または組込み部材20は、ここではディスク状またはプレート状の、貫流孔を備えた構成部材20として構成されている。図20の縦断面図では、2つのスペーサ40のうちの1つのスペーサ40しか認めることができない。ジョイントスリーブ2を調整する際に、2つのスペーサ40の半円形の外周面は、スペーサ40の上方に位置するプレート状またはディスク状の構成部材20に接して転動する。ジョイントスリーブ2の、この優先運動に対して横方向での運動は不可能であり、従って、ジョイントスリーブ2はスペーサ40に対して平行な平面においてのみ旋回することができる。この唯一の旋回平面の優先方向は、衛生的な流出口に堅固に螺合されている噴流調整器において、流れ方向で下流側にある操作部として働く回動ウェブ42を使用者が回動させることによりもたらされる。図20から、この回動ウェブ42が、ジョイントスリーブ2の旋回軸線に対してほぼ同軸的または軸平行的な長手方向延在を有していることを見分けることができる。従って、回動ウェブ42は、どの軸線もしくはどの平面において、旋回ディスクとして構成されているジョイントスリーブ2が運動できるかを使用者に示す指示器としても働く。回動ウェブ42により、設定されている平面でジョイントスリーブ2を旋回さることができるだけでなく、むしろ使用者がジョイントスリーブ2の旋回方向を変更したい場合には、ジョイントソケット3において周面方向で回動可能に保持されているジョイントスリーブ2を回動ウェブ42で回動させることもできる。
【0072】
図20の部分拡大図は、ジョイントソケット3に対するジョイントスリーブ2のシーリングを示している。両構成部材2,3のここに図示されている侵入は実際に起こることはないものの、部分拡大図に示されているジョイントスリーブ2とジョイントソケット3との寸法には変形は見られない。図示の侵入により、実際には弾性的で塑性的な変形が起こる。この変形により持続的なシーリングが可能になる。
【0073】
図21に示されている噴流調整器ケーシング31は、図20のジョイントスリーブ2と同じように片側での運動性を備えたジョイントスリーブ2を有している。ここでは一列に並んでいる2つのスペーサ40の自由端部領域は、多角形の外側輪郭を有している。この外側輪郭は、図平面に対して垂直な軸線を中心としたジョイントスリーブ2の旋回時に、このジョイントスリーブ2の上方に位置するディスク状またはプレート状の構成部材41またはこのような構造体に合わせて転動する。多角形の外側輪郭は付加的な係止突起部41またはこのような凸部を特徴としている。これらの係止突起部41により「間在係止位置」が可能になるので、このトラバース、つまり多角線の転動の際の種々異なる抵抗により、調節が段階的に行われているということを使用者に知らせる。完全性を期すために、孔付きプレートとしても構成されている流入側の噴流ディバイダ44のディバイダ孔43は、この縦断面図には描かれていない。そのために、ここではこれらのディバイダ孔43のうち2つのディバイダ孔43だけを部分的で略示的にしか見ることができない。
【0074】
図20および図22〜図25を見て分かるように、ジョイントスリーブ2は中央のスペーサ49を有している。この中央のスペーサ49はその上方に位置する装入部材または組込み部材20に支持される。そのために流入側で中央のスペーサ49に前置されている装入部材または組込み部材20も、ピン状またはウェブ状に突出しているスペーサ50を有していて、その結果、これらのスペーサ49,50の自由前端部は互いに負荷し合っている。この場合、流入側で前置されている装入部材または組込み部材20は復元力をジョイントスリーブ2に加える。この復元力がジョイントスリーブ2をジョイントソケット3内に押し込む。
【0075】
図22には、同様に旋回噴流調整器として構成された多方面で旋回可能な構成の噴流調整器10が示されている。図22の拡大した詳細図からは、再度、対応してシールしている2つの構成部材2,3の重畳部を見て取ることができる。この重畳部は理論上のものである。実際の作動においては、ここにはジョイントソケット3へのジョイントスリーブ2のプリロード下にある密着がもたらされる。この密着は高いシール性を保証する。シール性のために密着の程度は、調節モーメントもしくは調節力にとっても重要である。なぜならば、一つにはこの調節はジョイントスリーブ2の全旋回位置にわたってスムーズに作動しもしくはタイトでありたいからである。もう一つにはこの密着は、ジョイントスリーブ2が、製品寿命にわたって可能な限り僅かにしか調節されないということももたらす。
【0076】
図23にも、一平面でしか旋回可能でないジョイントスリーブ2が示されている。図23に示した旋回噴流調整器10のジョイントスリーブ2の調節は、図20〜図22の前記実施例のように流れ方向で流出口側の回動ウェブ42によって行われる。上述の図20〜22とは異なり、ジョイントスリーブ2の旋回軸線は、噴流調整器ケーシング31とそのジョイントソケット3との内周面に設けられている2つの長手方向溝45により形成されている。これらの長手方向溝45内でジョイントスリーブ2は旋回ピン46で支承されている。旋回平面の調節のために、ジョイントスリーブ2は流れ方向で上流側の、外方に突出している回動ウェブ42で回動させることができるか、またはしかしジョイントスリーブ2と噴流を形成する孔付きプレートとを収容するジョイントソケット3自体を支持する噴流調整器ケーシング31のケーシング下側部分47が、噴流調整器10の長手方向軸線を中心にして回動される。図23からは、ジョイントスリーブのゼロ位置を、ケーシング下側部分47内で全周にわたって延びている溝48として実現できるということが明らかである。ジョイントスリーブ2が中立配向されていると、弾性的に加工成形されたジョイントスリーブ2の流入側の周面縁部の上側自由端部が、全周にわたって延びている溝48の簡単なアンダカットに係合する。
【0077】
図24には、噴流調整器の実施例が示されている。この実施例ではジョイントスリーブ2が多方面に可動であり、このジョイントスリーブ2の閉鎖側の端部には調節ピンまたは回動ウェブ42が設けられているので、ジョイントスリーブ2の調節は使用者がこの回動ウェブ42を摘んで旋回することで行うことができる。さらに、このような回動ウェブ42が設けられているということは、流出口側で調整可能なジョイントスリーブ2を備えた旋回噴流調整器10であるということを示している。このことは一般的に素人には気づかれていない。なぜならば素人はこの特性をこれまで知らなかったからである。さらに図24に示した回動ウェブ42の方向は、この場合、流出する水噴流の方向を示してもいて、これによりこの回動ウェブが水噴流によって支配されることなく、回動ウェブによって既に予備調整をすることができる。
【0078】
図25には、別の実施例が示されている。この実施例ではジョイントスリーブ2は中空球冠状のジョイントソケット3内を移動するのではなく、この実施例では球冠状のジョイントスリーブ2が、内円錐形のジョイントソケット内に配置されている。
【0079】
ここで示した全ての実施例において、ジョイントスリーブ2と中空球冠状または中空円錐形のジョイントソケット3との間のシーリングを、ジョイントソケット3の材料または有利にはジョイントスリーブ2の材料が、水吸収性、ひいては膨潤性の材料から成っていることにより改善することができる。作動する場合、この構成部材は常に湿るかまたは濡れることになるので、組付け時と比べて特に弾性的に押出し加工されたシール縁辺部のプリロードは、ジョイントスリーブ2の流入側の周面縁部領域に発生する。これにより製品寿命全体にわたって、簡単な組付けでありながら同時に一定のプリロードがもたらされる。それどころかこのことは、寸法に関する設計および膨潤のサイズに応じて、作動中にジョイントスリーブ2のジョイントソケット3内での所望の位置固定とロッキングとを獲得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】ねじ込みスリーブとして構成された、内部に球帯状のジョイントスリーブが旋回可能に配置されているジョイントソケットを示す図であり、この場合、ジョイントソケットとジョイントスリーブとが、衛生的な水流出口の構成要素である。
【図2】ジョイントスリーブ内に設けられた流れガイドの流出側から見た、図1のジョイントソケットとジョイントスリーブとの平面図であって、この場合、流れガイドが孔付きプレートを有していて、この孔付きプレートの流出開口が、六角形の内のり開口横断面を有していて、ハニカム状に互いに配置されている。
【図3】ここでは流出口部材として構成されているものの、図1および図2と比較可能な水流出口を示した図であって、雌ねじ山を備えた流出口部材が、衛生的な水栓の雄ねじに組付け可能であり、この場合、流出口部材内で前置された前置篩を備えた噴流調整器が保持されていて、この場合、流出口部材が、流出側で球冠状のジョイントソケットを有していて、このジョイントソケット内でジョイントスリーブが旋回可能に設けられている。
【図4】図3と比較可能な流出口部材の流れガイドを示した図であって、この場合、流れガイドはここでは円形セグメント状に形成された流出開口または流出孔を備えた孔付きプレートを有している。
【図5】図4と比較可能な流れガイドを示した図であって、この流れガイドはここでは四角形の内のり開口横断面を有している。
【図6】ジョイントソケットとこれに属するジョイントスリーブを収容するためだけに設けられている流出口部材を示す図である。
【図7】図6の流出口部材を示す図であって、この場合、ジョイントスリーブが、ジョイントソケット内で旋回位置に配置されている。
【図8】ここでは雄ねじ山を支持しているものの、図6および図7と比較可能な流出口部材を示す図である。
【図9】図8の流出口部材のジョイントスリーブを旋回位置で示した図である。
【図10】衛生的な水栓の水流出口を形成する流出口部材を示す図であって、この場合、流出口部材内に噴流調整器ケーシングを有する噴流調整器が装入可能であり、この噴流調整器ケーシングのスリーブ内側が、噴流ディバイダ挿入体を収容し、流出側でジョイントソケットを有していて、このジョイントソケット内で、流れガイドを有するジョイントスリーブが旋回可能に配置されている。
【図11】図10と比較可能な噴流調整器ケーシングを示す図であって、この場合、噴流調整器ケーシングが、そのジョイントソケットの領域において互いに離間された全周にわたって延びる3つの係止溝を有していて、これらの係止溝が、ジョイントスリーブの外周面に配置されている係止突起と協働し、この場合、ジョイントソケットの係止溝が、ジョイントスリーブのゼロ位置と、その両側でジョイントスリーブの旋回位置を規定する。
【図12】図11の噴流調整器ケーシングの、ジョイントスリーブとジョイントソケットとの間の接触領域の領域を、同様に縦断面で示した詳細図である。
【図13】ここでは噴流調整器ケーシングのジョイントソケットはゼロ位置を規定する一つの係止溝しか有してないものの、図11および図12と比較可能な噴流調整器ケーシングを示す図であって、係止溝とジョイントスリーブの外周面に突出している係止突起を備えたジョイントケーシングが係止することができる。
【図14】ジョイントソケットの係止溝と係合する、ジョイントスリーブの係止突起を示す図である。
【図15】図13の流出口部材のために設けられる、ここでは環状に全周にわたって延びている係止突起を備えたジョイントスリーブを示す図である。
【図16】ジョイントスリーブの相対する側で、ペアになって互いに対応配置荒れている係止突起を有してはいるものの、図15と比較可能なジョイントスリーブを示す図である。
【図17】図13と比較可能で、流出口部材内に装入可能な、流出側でジョイントスリーブを図示の旋回位置で支持している噴流調整器ケーシングを示す図である。
【図18】図17と比較可能な噴流調整器ケーシングを示す図であって、この場合、ジョイントスリーブの図示の旋回位置でジョイントスリーブ内に、流れガイドの孔付きプレートに対して前置されていて、噴流形成篩として構成されている組込み部材が装入されていて、この組込み部材が、同時に戻し力をジョイントスリーブに加える。
【図19】図18と比較可能な噴流調整器ケーシングを示す図であって、この場合、戻し力がここではコイル圧縮ばねによってジョイントスリーブを負荷している。
【図20】流出口部材内に装入可能な噴流調整器ケーシングを示す図であって、この噴流調整器ケーシングが、流出側でジョイントソケットを支持していて、このジョイントソケット内でジョイントスリーブが旋回可能にかつ周面方向で回動可能に支承されていて、この場合、ここでは、ジョイントスリーブの旋回軸線が、相互に離間されて流入側のプレート状の組込み部材に旋回可能に接触する2つのスペーサにより規定されていて、これらのスペーサの自由端部領域が、半円形の外側輪郭を有している。
【図21】図20と比較可能な噴流調整器ケーシングを示す図であって、この噴流調整器ケーシングの場合には、ジョイントスリーブ内にある孔付きプレートの流入側に設けられているスペーサが、多角形の外側輪郭を有していて、この場合、この外側輪郭に係止突起が設けられていて、これらの係止突起がそれぞれジョイントスリーブの旋回位置をガイド可能に規定する。
【図22】ジョイントスリーブの流入側の周面縁部領域が、プリロード下でジョイントソケットの内側周面に密に接触している噴流調整器ケーシングを示す図である。
【図23】噴流調整器ケーシングを示す図であって、この噴流調整器ケーシングの、長手方向軸線を中心にしてもしくは周面方向で回動可能に支承されていて、ジョイントソケットを有しているケーシング区分またはケーシング部分に、長手方向溝が設けられていて、これらの長手方向溝内と、ジョイントスリーブの相対する側で突出する旋回ピンが係合し、ジョイントスリーブの旋回軸線を規定する。
【図24】噴流調整器ケーシングを示す図であって、この噴流調整器ケーシングの、ケーシング内部にあるジョイントスリーブが回動可能で旋回可能に噴流調整器ケーシングのジョイントソケット内で支承されていて、この場合、ジョイントスリーブおよび/または流入側で前置されている構成部材に、ウェブ状またはピン状に構成された中央のスペーサが突出していて、このスペーサが、ジョイントスリーブの旋回・回動軸線を規定する。
【図25】噴流調整器ケーシングを示す図であって、この噴流調整器ケーシングの流出側のケーシング端部領域が、内円錐状のジョイントソケットを有していて、このジョイントソケット内で球冠状のジョイントスリーブが可動に保持されている。
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛生的な水流出口であって、この水流出口が流出側で流れガイドを有していて、この流れガイドが、複数の流出孔または流出開口を備えた少なくとも1つの孔付きプレートおよび/または格子構造体または薄片構造体を有していて、これらの流出孔または流出開口が流れガイド壁により取り囲まれている形式のものに関する。
【0002】
衛生的な水栓の水流出口にはたいてい噴流調整器が設けられている。この噴流調整器は水栓に給水口部材、つまり流出口部材を介して取り付けられていて、均一でソフトな水噴流を形成しようとする。この場合、流出側に流れ整流器を有している噴流調整器も既に提供されている。流れ整流器は、噴流調整器内で形成された個別噴流をほぼ同軸的に互いに配向しようとし、たとえば孔付きプレートとしてまたは格子構造体もしくは薄板構造体として構成されている。
【0003】
水栓内を流れる水流が、水流出口の領域で別の方向に変向し得るという問題は頻繁にある。従って、ジョイント式に互いに結合された2つのジョイント区分を有するボールジョイントも提供された。このボールジョイントのうちの一方のジョイント区分は水栓の水流出口と結合されていて、他方のジョイント区分は噴流調整器を支持している。このようなボールジョイントによって水噴流は、必要に応じて所望の領域に配向することができる。しかしこの種のボールジョイントは、比較的大きな長手方向延在を有していて、各装入領域には提供されていないスペース需要を必要とする。さらにこのボールジョイントは、特に美的要求の高い水栓の場合には外観も変えてしまう。公知のボールジョイントにおいて運動のために必要な外側に位置するギャップは、衛生的にも問題である。なぜならばこのギャップは洗浄できないか、または簡単には洗浄できないからである。
【0004】
従って課題は、冒頭で述べた形式の衛生的な水流出口を改良して、スペースを取り、場合によっては美的または衛生的に好ましくないボールジョイントを必要とすることなく、水噴流の変向を可能にする形式のものを提供することである。
【0005】
この課題の本発明による解決手段は、冒頭で述べた形式の衛生的な水流出口において、特に水流出口が、ジョイントスリーブを有していて、このジョイントスリーブがジョイントソケット内で調節可能または旋回可能に配置されていて、流れガイドが、ジョイントスリーブのスリーブ内部に設けられているようにすることである。
【0006】
本発明による水流出口は、ジョイントスリーブを有していて、このジョイントスリーブがジョイントソケット内で調整可能または旋回可能に配置されている。このジョイントスリーブのスリーブ内部には、流れガイドが設けられていて、この流れガイドは、少なくとも1つの孔付きプレートおよび/または格子状構造体または薄板構造体を有している。少なくとも1つの孔付きプレートまたは格子状構造体もしくは薄板構造体は、流れガイド壁により取り囲まれて仕切られている複数の流出孔または流出開口を有している。ジョイントスリーブの球帯形状に基づき、ジョイントスリーブは比較的僅かな長手方向延在をもって形成することができる。この場合、驚くべきことに、この種の流れガイドが、流れガイドの軸線方向の長手方向軸線延在が比較的短くても、流れガイド壁の軸線位置の方向で水を変向することができる、ということが分かった。この構成ではスペースを取り、場合によっては外観を損なうボールジョイントを省略することができる。
【0007】
本発明に係る水流出口は、衛生的な水流出口であって、該水流出口が、流出側で流れガイドを有しており、該流れガイドが、複数の流出孔または流出開口を備えた少なくとも1つの孔付きプレートおよび/または格子状構造体または薄片構造体を有しており、前記流出孔または前記流出開口が、流れガイド壁により取り囲まれている形式のものにおいて、水流出口が、ジョイントスリーブを有しており、該ジョイントスリーブが、ジョイントソケット内で調整可能または旋回可能に配置されており、流れガイドが、ジョイントスリーブのスリーブ内部に設けられていることを特徴とする。
【0008】
本発明よる水流出口のジョイントスリーブ内に設けられている流れガイドは、薄板構造体を有していて、この薄板構造体が、水噴流を薄板として構成されている流れガイド壁の間で変向する。しかし、流れガイドの少なくとも1つの孔付きプレートの流出孔または流出開口が、円形または多角形の内のりの流出横断面を有している構成が有利になる。この円形または多角形の流出孔または流出開口の流れガイド壁は、互いに比較的密に配置することができ、従って有利には水噴流をその噴流横断面全体にわたって良好に変向することができる。
【0009】
本発明による特に有利な構成は、少なくとも1つの孔付きプレートの流出孔または流出開口が、六角形もしくはハニカムセル状に形成されていて、ハニカム状に互いに配置されていることを提案している。
【0010】
本発明による有利な構成は、ジョイントソケットが、衛生的な水栓の流出側で組付け可能なねじ込みスリーブ、または流出口部材に設けられている。この種のねじ込みスリーブまたはこの種の流出口部材のねじ固定により、今や必要に応じて、流出する水噴流の配向が可能であるように、既存の水栓の水流出口を変更することもできる。
【0011】
ジョイントソケットもしくはジョイントスリーブの手前に、噴流調整器および/または前置篩またはこれらと同様の衛生的な組込み部材が流れ方向で前置されていると、場合によっては有利であり得る。この場合、水中を場合によって運ばれてくる汚れ粒子による流れガイドの詰まり回避するために前置篩を前置することができる。噴流調整器によって、水流出口から流出する水を、均一でソフトな水噴流に形成することが可能である。
【0012】
本発明による特に有利な構成は、ジョイントソケットが、噴流調整器ケーシングに設けられていることにある。このような噴流調整器が通常の衛生的な水栓の流出口部材内に装入されると、スペースを取り場合によっては外観を損なうボールジョイントを必要としなくても、水流出口から流出する水の配向が後でさらに可能でもある。
【0013】
ジョイントスリーブが相補的に成形されたジョイントソケットの内のりの横断面を常にカバーして、貫流する水が完全に流れガイドを通り抜けてゆくことを保証するために、ジョイントソケット内でのジョイントスリーブの旋回運動が、旋回ストッパにより制限されていると有利である。
【0014】
本発明による水流出口のフラットな構成を助成するために、旋回ストッパがこの場合にジョイントスリーブの流入側に配置されていると有利である。
【0015】
本発明による特に簡単で有利な構成は、旋回ストッパが、噴流調整器または前置篩またはこれらのような前置された衛生的な構成部材により形成されている。
【0016】
本発明による水流出口の流れガイドを旋回位置から水流出口の元々のゼロ位置に簡単に移動させることができるように、ジョイントソケットが少なくとも1つの係止手段を有していて、この係止手段が少なくとも1つの対向係止手段と協働し、係止手段と対向係止手段との係止位置が、有利にはジョイントスリーブのゼロ旋回位置を規定していると有利である。
【0017】
この場合、ジョイントソケットが、ジョイントスリーブの外周面に設けられている少なくとも1つの係止突起と協働する全周にわたって延びている係止溝を有していると有利であり得る。この係止突起は、たとえばジョイントスリーブの外周面に全周にわたって延びていてよい。
【0018】
しかし本発明による特別な実施例は、ジョイントスリーブの外周面に偶数個の係止突起が設けられていて、これらの係止突起はそれぞれペアで、ジョイントスリーブ中心点を通って延びている直線の相対する側に設けられている。この構成では、係止突起が係止溝と係止すると、ジョイントスリーブのゼロ位置は簡単に見つけ出すことができる。係止抵抗はジョイントスリーブの旋回時には容易に克服され、この場合、旋回時に係止溝に残留する係止突起が、有利には回動軸線または旋回軸線を形成する。
【0019】
球帯状のジョイントスリーブを流れ方向でジョイントソケットにより形成された球冠座部に押圧するために、ジョイントスリーブが、その流入側に設けられた戻し力によってジョイントソケット内で保持されているか、または負荷されていると有利である。ジョイントスリーブに作用するこの戻し力により、ジョイントスリーブの旋回位置を調整する際の移動特性もしくは摩擦特性は改良される。ばね力に抗して作用する手動の変位力により、調節時の摩擦抵抗が最小であるようにジョイントスリーブを解放することができる。この種の戻し力が無いと、ジョイントスリーブは流れ方向に抗してジョイントソケットに押圧され、これによりジョイントスリーブはジョイントソケット内で簡単に傾き、ジョイントスリーブの調節を阻害する場合があるいう恐れがある。
【0020】
戻し力が、有利にはジョイントスリーブをその流入側の流れ側で負荷するコイルばねまたはダイヤフラムばねであるということが考慮可能である。
【0021】
流れガイドの孔付きプレートおよび/または格子状構造体もしくは薄片構造体に対して、少なくとも1つの装入部材または組込み部材が前置されていると有利である。この装入部材または組込み部材は、噴流形成篩として構成されている、および/または戻し力をジョイントスリーブに加える。
【0022】
噴流形成篩として構成されているこのような装入部材または組込み部材により、噴流性質をさらに付加的に改良することができる。この装入部材または組込み部材は、付加的にまたはそうではなく、戻し力をジョイントスリーブに加えると、移動特性もしくは摩擦特性がジョイントスリーブの旋回位置の調節時に、特別な戻しばねを必要としなくとも改良される。
【0023】
ジョイントスリーブの球帯形状が球体中央平面を通って延びていると、ジョイントスリーブは、相補的に成形されたジョイントソケット内で特に確実で良好に保持される。
【0024】
本発明の別の特徴は、請求項および図面に関する本発明による実施例の以下の記載からもたらされる。ここでは個々の特徴を本発明による1つの実施例において、それ自体単独で実現することができるか、または複数の特徴をもって実現することができる。
【0025】
本発明に係る水流出口は、有利には、流れガイドの少なくとも1つの孔付きプレートの流出孔または流出開口が、円形状または多角形の内のりの流出横断面を有している。
【0026】
本発明に係る水流出口は、有利には、少なくとも1つの孔付きプレートの流出孔または流出開口が、六角形もしくはハニカムセル状に形成されていて、ハニカム状に互いに配置されている。
【0027】
本発明に係る水流出口は、有利には、ジョイントソケットが、衛生的な水栓に流出側で組付け可能なねじ込みスリーブ、または流出口部材に設けられている。
【0028】
本発明に係る水流出口は、有利には、ジョイントソケットもしくはジョイントスリーブに対して、噴流調整器および/または前置篩またはこれらと同様の衛生的な組込み部材が流れ方向で前置されている。
【0029】
本発明に係る水流出口は、有利には、ジョイントソケットが、噴流調整器ケーシングに設けられている。
【0030】
本発明に係る水流出口は、有利には、ジョイントソケット内でのジョイントスリーブの旋回運動が、旋回ストッパによって制限されている。
【0031】
本発明に係る水流出口は、有利には、旋回ストッパが、ジョイントスリーブの流入側に配置されている。
【0032】
本発明に係る水流出口は、有利には、旋回ストッパが、噴流調整器、または前置篩、またはこれらと同様の前置された衛生的な組込み部材により構成されている。
【0033】
本発明に係る水流出口は、有利には、ジョイントソケットが、少なくとも1つの係止手段を有しており、該係止手段が、ジョイントスリーブの少なくとも1つの対向係止手段と協働する。
【0034】
本発明に係る水流出口は、有利には、係止手段と対向係止手段との係止位置が、ジョイントスリーブのゼロ旋回位置を規定する。
【0035】
本発明に係る水流出口は、有利には、ジョイントソケットが、全周にわたって延びている係止溝を有しており、該係止溝が、ジョイントスリーブの外周面に設けられている少なくとも1つの係止突起と協働する。
【0036】
本発明に係る水流出口は、有利には、ジョイントスリーブの外周面に偶数個の係止突起が設けられており、該係止突起が、それぞれペアでジョイントスリーブ中心点を通って延びている直線の相対する側に設けられている。
【0037】
本発明に係る水流出口は、有利には、ジョイントスリーブが、該ジョイントスリーブの流入側に設けられた戻し力によってジョイントソケット内で保持されているか、または負荷されている。
【0038】
本発明に係る水流出口は、有利には、戻し力が、コイルばねまたはダイヤフラムばねである。
【0039】
本発明に係る水流出口は、有利には、流れガイドの孔付きプレートおよび/または格子状構造体または薄片構造体に対して、少なくとも1つの装入部材または組込み部材が前置されている。
【0040】
本発明に係る水流出口は、有利には、少なくとも1つの装入部材または組込み部材が、噴流形成篩として構成されており、および/または戻し力を、ジョイントスリーブに加える。
【0041】
本発明に係る水流出口は、有利には、ジョイントスリーブの球帯形状が、球体中央平面を通って延びている。
【0042】
本発明に係る水流出口は、有利には、ジョイントスリーブおよび/またはジョイントソケットが、周面領域で空気貫通孔として少なくとも1つの加工成形部を有している。
【0043】
本発明に係る水流出口は、有利には、ジョイントスリーブの流入側に、少なくとも1つのスペーサが設けられており、該スペーサが、流入側で前置された構成部材に接触しており、スペーサ)の、前記構成部材寄りの表面輪郭が、ジョイントソケット内で旋回可能なジョイントスリーブの旋回軸線を規定する。
【0044】
本発明に係る水流出口は、有利には、ジョイントスリーブの旋回軸線が、ジョイントスリーブまたは該ジョイントスリーブの孔付きプレートの流入側に設けられている互いに離間された少なくとも2つのスペーサにより形成されている。
【0045】
本発明に係る水流出口は、有利には、少なくとも1つのスペーサが、半円形または多角形の表面輪郭を有している。
【0046】
本発明に係る水流出口は、有利には、少なくとも1つのスペーサが、旋回軸線を規定する前記スペーサの表面輪郭の経過において、旋回位置を規定する少なくとも1つの係止突起またはこれと同様の凸部を有している。
【0047】
本発明に係る水流出口は、有利には、ジョイントスリーブが、ジョイントソケット内で周面方向に回動可能に支承されている。
【0048】
本発明に係る水流出口は、有利には、ジョイントスリーブにおいて、回動ウェブまたはこれと同様の操作部が、流出側に突出している。
【0049】
本発明に係る水流出口は、有利には、回動ウェブまたはこれと同様の操作部が、ジョイントスリーブの旋回軸線に対してほぼ同心的または軸線平行的な長手方向延在を有している。
【0050】
本発明に係る水流出口は、有利には、少なくともジョイントスリーブの流入側の周面縁部領域が、プリロード下でジョイントソケットの内周面に密に接触している。
【0051】
本発明に係る水流出口は、有利には、ジョイントソケット内でのジョイントスリーブの旋回軸線が、ジョイントソケットまたはジョイントスリーブの相対している側で突出している2つの旋回ピンにより規定されており、該旋回ピンが、それぞれ別の構成部材の長手方向溝と回動可能に係合する。
【0052】
本発明に係る水流出口は、有利には、ジョイントスリーブおよび/またはジョイントソケットが、膨潤性の材料から製造されており、膨潤した状態においてジョイントスリーブが、ジョイントソケット内で密に支承されているか、または位置固定されている。
【0053】
本発明に係る水流出口は、有利には、ジョイントソケットまたは該ジョイントソケットを支持する、噴流調整器ケーシングの部分領域が、回動可能に水流出口において支承されている。
【0054】
本発明に係る水流出口は、有利には、ジョイントスリーブが、球帯状に形成されており、および/またはジョイントスリーブが、中空球冠状または中空円錐状のジョイントソケット内で可動に支承されている。
【0055】
図1〜図25には、衛生的な水流出口1の種々異なる実施例が示されている。ここで示されている水流出口1は、球帯状のジョイントスリーブ2を有している。このジョイントスリーブ2は、ボールジョイント式にジョイントソケット3内で調節可能または旋回可能に配置されている。
【0056】
ジョイントスリーブ2のスリーブ内部には、流れガイド4が設けられている。この流れガイド4は、流れガイド壁6により取り囲まれた複数の流出孔または流出開口7を備えた孔付きプレート5を有している。
【0057】
ジョイントスリーブ2の球帯形状に基づき、ジョイントスリーブ2は比較的僅かな長手方向延在だけを有して形成することができる。この場合、驚くべきことに、この種の流れガイドが、この流れガイドの軸線方向の長手方向延在が比較的短くても、流れガイド壁の軸線位置の方向で水を変向することができるということが分かった。この構成では、スペースを取り、場合によっては外観を損なうボールジョイントを省くことができる。
【0058】
図1〜図3および図6〜図25に示した流れガイド4の流出孔は、多角形、特に六角形の内のりの開口横断面を有していて、ハニカム状に相互に配置されている。しかし図4に示してあるように、流出開口を半径方向および全周にわたって同心的に延びている流れガイド壁6により円弧状に形成することもできる。図5から、流出開口が、円形または、図示のように四角形の内のりの開口横断面を有することができることが明らかになる。
【0059】
図1から、ジョイントソケット3をねじ込みスリーブまたはねじ込みロゼット8に設けることができるということが分かる。このねじ込みスリーブ8は、水流出口に完全に埋設されている程度に、衛生的な給水コック、つまり水栓の水流出口1内にねじ込み可能である。
【0060】
図3には、一般的な衛生的な水栓に取り付けることができる流出口部材9が示されている。この流出口部材9内に、前置された前置篩11を備えた噴流調整器10が装入可能である。この前置篩11は、均一でソフトな水噴流を形成しようとし、ここでは付加的に換気もしようとする。流出口部材9の流出側の前端部領域は、ジョイントソケット3を有している。このジョイントソケット3内で、流れガイド4を有するジョイントスリーブ2が旋回可能または調節可能に保持されている。この場合、一つには図3を、もう一つには図4および図5を参照すると、ジョイントスリーブ2の外周面に、噴流調整器10への空気流入を許容する凹部12またはこれと同様の加工成形部が設けられていることが分かる。
【0061】
図6および図7には流出口部材9が示されている。この流出口部材9は、ジョイントソケット3とこれに付属のジョイントスリーブ2を収容するためだけに規定されている。図6および図7の流出口部材9は雌ねじ山13で、ここではさらに示されていないが、衛生的な水栓の雄ねじ山に固定可能である。
【0062】
図8および図9には、図6および図7と比較可能な流出口部材9が示されている。しかしこの流出口部材9はここでは、衛生的な水栓にねじ固定するために雄ねじ山14を支持している。
【0063】
図10には、流出口部材9が示されている。この流出口部材9も雄ねじ山14を水栓の雌ねじ山にねじ込むために支持している。流出口部材9内に噴流調整器ケーシング31が装入可能であり、この噴流調整器ケーシング31のスリーブ内部に噴流ディバイダ挿入体30が押し込まれている。噴流調整器ケーシング31は、流出側にジョイントソケット3を有している。このジョイントソケット3内でジョイントスリーブ2は調節可能または旋回可能に保持されている。
【0064】
図11〜図16を見ると、ジョイントソケット3が、少なくとも1つの係止手段17を有していることが分かる。この係止手段17は、ジョイントスリーブ2の外周面に設けられている少なくとも1つの対向係止手段18と協働する。この場合、係止手段17と対向係止手段18との係止位置は、たとえばジョイントスリーブ2のゼロ旋回位置を規定する。このためにここではジョイントソケット3は全周にわたって延びている係止溝17を有していて、これに対してジョイントスリーブ2の外周面には、図15で詳しく図示されている全周にわたって環状に延びている係止突起18を設けることができる。
【0065】
しかし図16から分かるように、ジョイントスリーブ2の外周面に偶数個の係止突起部18が設けられている。これらの係止突起部18は、それぞれペアになってジョイントスリーブ中心点を通って延びている直線の相対する側に設けられている。
【0066】
図11および図12に示されている噴流調整器ケーシング31は、ジョイントソケット3を有していて、このジョイントソケット3は互いに離間された3つの係止溝17を有している。これらの係止溝17内に、ジョイントスリーブ2の球中央平面に配置されている少なくとも1つの係止突起18が係合することができる。この場合、互いに離間されている係止溝17は、ゼロ旋回位置と、その両側でジョイントスリーブ2の外側の旋回位置を規定する。
【0067】
図1、図3、図7、図9、図10および図17〜図25を参照すると、ジョイントソケット3内でのジョイントスリーブ2の旋回運動は、旋回ストッパにより制限されていることが分かる。この制限ストッパはジョイントスリーブ2の流入側に配置されている。この旋回ストッパは、ここでは前置篩(図1参照)、または噴流調整器(図3、図6〜図10、図17〜図19、および図20〜図25参照)、またはこれらと同様のジョイントスリーブ2に前置された衛生的な組込み部材により形成される。
【0068】
図17、図18および図19を参照することで、ジョイントスリーブ2が、その流入側に設けられた復元力によって、ジョイントソケット3内で保持または負荷することもできることが明らかになる。図18および図19に示されている実施例の場合、コイルばね19(図19参照)または孔付きプレート5に前置されている装入部材または組込み部材20(図18参照)によりこの復元力は加えられる。装入部材または組込み部材20を同時に、噴流性質をさらに付加的に改良するために噴流形成篩として構成することもできる。この場合、流入側に前置された噴流ディバイダ挿入体またはこれと同様の噴流調整器構成部材に、中央の突出部21が設けられている。この突出部21をコイルばね19が取り囲んでいるか、または突出部21が、装入部材または組込み部材20をばね弾性的に負荷している。こういった復元力は、ジョイントスリーブ2を下方に向かって、ジョイントソケット3により形成された球冠座部に押し付け、これにより旋回状態の調節時の移動特性もしくは摩擦特性が改良されている。復元力に抗して作用する手動の変位力により、調節時の摩擦抵抗が最小であるようにジョイントスリーブ2を解放することができる。ここに復元力が設けられていないと、ジョイントスリーブ2が、ジョイントソケット3の上側の内周面に押圧され、これによりジョイントスリーブ2は簡単に傾き、さらなる調節が困難になり得るという恐れがある。
【0069】
さらに、ジョイントスリーブ2に作用する復元力は、ジョイントソケット3内でのジョイントスリーブ2の摩擦を高める。これにより、ジョイントスリーブ2は調整された位置で付加的に位置固定され、たとえば貫流する水による自発的な復元は回避される。ジョイントスリーブ2とジョイントソケット3とのプリロードが、同時に不都合に作用する水流出に対する運動面におけるシール作用を高める。復元力が、別のばね弾性的なエレメントと構造とによって得ることもできることが分かる。
【0070】
しかし図18に使用されている装入部材または組込み部材20は、流れガイド4を貫流する水の噴流性質をさらに付加的に改良するという利点を有している。ジョイントスリーブ2は、1〜15mmの厚さを有していてよい。ジョイントスリーブ2のボールのように多方面での調節可能性は、水噴流を常に、洗面台に注ぐ際に可能な限り飛び散らないように配向することを可能にもする。
【0071】
図20には、流出口部材内に装入可能な噴流調整器10の噴流調整器ケーシング31が示されている。この噴流調整器ケーシング31の流出側のケーシング端部領域にはジョイントソケット3が設けられている。このジョイントソケット3内でジョイントスリーブ2は回動可能および旋回可能に支承されている。この場合、ジョイントスリーブ2は一平面でのみ旋回可能である。このことは、ジョイントスリーブ2とその上方に位置する装入部材または組込み部材20との間に、ジョイントスリーブ2の自由端部領域に設けられている半円形の2つのスペーサ40によりもたらされる。装入部材または組込み部材20は、ここではディスク状またはプレート状の、貫流孔を備えた構成部材20として構成されている。図20の縦断面図では、2つのスペーサ40のうちの1つのスペーサ40しか認めることができない。ジョイントスリーブ2を調整する際に、2つのスペーサ40の半円形の外周面は、スペーサ40の上方に位置するプレート状またはディスク状の構成部材20に接して転動する。ジョイントスリーブ2の、この優先運動に対して横方向での運動は不可能であり、従って、ジョイントスリーブ2はスペーサ40に対して平行な平面においてのみ旋回することができる。この唯一の旋回平面の優先方向は、衛生的な流出口に堅固に螺合されている噴流調整器において、流れ方向で下流側にある操作部として働く回動ウェブ42を使用者が回動させることによりもたらされる。図20から、この回動ウェブ42が、ジョイントスリーブ2の旋回軸線に対してほぼ同軸的または軸平行的な長手方向延在を有していることを見分けることができる。従って、回動ウェブ42は、どの軸線もしくはどの平面において、旋回ディスクとして構成されているジョイントスリーブ2が運動できるかを使用者に示す指示器としても働く。回動ウェブ42により、設定されている平面でジョイントスリーブ2を旋回さることができるだけでなく、むしろ使用者がジョイントスリーブ2の旋回方向を変更したい場合には、ジョイントソケット3において周面方向で回動可能に保持されているジョイントスリーブ2を回動ウェブ42で回動させることもできる。
【0072】
図20の部分拡大図は、ジョイントソケット3に対するジョイントスリーブ2のシーリングを示している。両構成部材2,3のここに図示されている侵入は実際に起こることはないものの、部分拡大図に示されているジョイントスリーブ2とジョイントソケット3との寸法には変形は見られない。図示の侵入により、実際には弾性的で塑性的な変形が起こる。この変形により持続的なシーリングが可能になる。
【0073】
図21に示されている噴流調整器ケーシング31は、図20のジョイントスリーブ2と同じように片側での運動性を備えたジョイントスリーブ2を有している。ここでは一列に並んでいる2つのスペーサ40の自由端部領域は、多角形の外側輪郭を有している。この外側輪郭は、図平面に対して垂直な軸線を中心としたジョイントスリーブ2の旋回時に、このジョイントスリーブ2の上方に位置するディスク状またはプレート状の構成部材41またはこのような構造体に合わせて転動する。多角形の外側輪郭は付加的な係止突起部41またはこのような凸部を特徴としている。これらの係止突起部41により「間在係止位置」が可能になるので、このトラバース、つまり多角線の転動の際の種々異なる抵抗により、調節が段階的に行われているということを使用者に知らせる。完全性を期すために、孔付きプレートとしても構成されている流入側の噴流ディバイダ44のディバイダ孔43は、この縦断面図には描かれていない。そのために、ここではこれらのディバイダ孔43のうち2つのディバイダ孔43だけを部分的で略示的にしか見ることができない。
【0074】
図20および図22〜図25を見て分かるように、ジョイントスリーブ2は中央のスペーサ49を有している。この中央のスペーサ49はその上方に位置する装入部材または組込み部材20に支持される。そのために流入側で中央のスペーサ49に前置されている装入部材または組込み部材20も、ピン状またはウェブ状に突出しているスペーサ50を有していて、その結果、これらのスペーサ49,50の自由前端部は互いに負荷し合っている。この場合、流入側で前置されている装入部材または組込み部材20は復元力をジョイントスリーブ2に加える。この復元力がジョイントスリーブ2をジョイントソケット3内に押し込む。
【0075】
図22には、同様に旋回噴流調整器として構成された多方面で旋回可能な構成の噴流調整器10が示されている。図22の拡大した詳細図からは、再度、対応してシールしている2つの構成部材2,3の重畳部を見て取ることができる。この重畳部は理論上のものである。実際の作動においては、ここにはジョイントソケット3へのジョイントスリーブ2のプリロード下にある密着がもたらされる。この密着は高いシール性を保証する。シール性のために密着の程度は、調節モーメントもしくは調節力にとっても重要である。なぜならば、一つにはこの調節はジョイントスリーブ2の全旋回位置にわたってスムーズに作動しもしくはタイトでありたいからである。もう一つにはこの密着は、ジョイントスリーブ2が、製品寿命にわたって可能な限り僅かにしか調節されないということももたらす。
【0076】
図23にも、一平面でしか旋回可能でないジョイントスリーブ2が示されている。図23に示した旋回噴流調整器10のジョイントスリーブ2の調節は、図20〜図22の前記実施例のように流れ方向で流出口側の回動ウェブ42によって行われる。上述の図20〜22とは異なり、ジョイントスリーブ2の旋回軸線は、噴流調整器ケーシング31とそのジョイントソケット3との内周面に設けられている2つの長手方向溝45により形成されている。これらの長手方向溝45内でジョイントスリーブ2は旋回ピン46で支承されている。旋回平面の調節のために、ジョイントスリーブ2は流れ方向で上流側の、外方に突出している回動ウェブ42で回動させることができるか、またはしかしジョイントスリーブ2と噴流を形成する孔付きプレートとを収容するジョイントソケット3自体を支持する噴流調整器ケーシング31のケーシング下側部分47が、噴流調整器10の長手方向軸線を中心にして回動される。図23からは、ジョイントスリーブのゼロ位置を、ケーシング下側部分47内で全周にわたって延びている溝48として実現できるということが明らかである。ジョイントスリーブ2が中立配向されていると、弾性的に加工成形されたジョイントスリーブ2の流入側の周面縁部の上側自由端部が、全周にわたって延びている溝48の簡単なアンダカットに係合する。
【0077】
図24には、噴流調整器の実施例が示されている。この実施例ではジョイントスリーブ2が多方面に可動であり、このジョイントスリーブ2の閉鎖側の端部には調節ピンまたは回動ウェブ42が設けられているので、ジョイントスリーブ2の調節は使用者がこの回動ウェブ42を摘んで旋回することで行うことができる。さらに、このような回動ウェブ42が設けられているということは、流出口側で調整可能なジョイントスリーブ2を備えた旋回噴流調整器10であるということを示している。このことは一般的に素人には気づかれていない。なぜならば素人はこの特性をこれまで知らなかったからである。さらに図24に示した回動ウェブ42の方向は、この場合、流出する水噴流の方向を示してもいて、これによりこの回動ウェブが水噴流によって支配されることなく、回動ウェブによって既に予備調整をすることができる。
【0078】
図25には、別の実施例が示されている。この実施例ではジョイントスリーブ2は中空球冠状のジョイントソケット3内を移動するのではなく、この実施例では球冠状のジョイントスリーブ2が、内円錐形のジョイントソケット内に配置されている。
【0079】
ここで示した全ての実施例において、ジョイントスリーブ2と中空球冠状または中空円錐形のジョイントソケット3との間のシーリングを、ジョイントソケット3の材料または有利にはジョイントスリーブ2の材料が、水吸収性、ひいては膨潤性の材料から成っていることにより改善することができる。作動する場合、この構成部材は常に湿るかまたは濡れることになるので、組付け時と比べて特に弾性的に押出し加工されたシール縁辺部のプリロードは、ジョイントスリーブ2の流入側の周面縁部領域に発生する。これにより製品寿命全体にわたって、簡単な組付けでありながら同時に一定のプリロードがもたらされる。それどころかこのことは、寸法に関する設計および膨潤のサイズに応じて、作動中にジョイントスリーブ2のジョイントソケット3内での所望の位置固定とロッキングとを獲得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】ねじ込みスリーブとして構成された、内部に球帯状のジョイントスリーブが旋回可能に配置されているジョイントソケットを示す図であり、この場合、ジョイントソケットとジョイントスリーブとが、衛生的な水流出口の構成要素である。
【図2】ジョイントスリーブ内に設けられた流れガイドの流出側から見た、図1のジョイントソケットとジョイントスリーブとの平面図であって、この場合、流れガイドが孔付きプレートを有していて、この孔付きプレートの流出開口が、六角形の内のり開口横断面を有していて、ハニカム状に互いに配置されている。
【図3】ここでは流出口部材として構成されているものの、図1および図2と比較可能な水流出口を示した図であって、雌ねじ山を備えた流出口部材が、衛生的な水栓の雄ねじに組付け可能であり、この場合、流出口部材内で前置された前置篩を備えた噴流調整器が保持されていて、この場合、流出口部材が、流出側で球冠状のジョイントソケットを有していて、このジョイントソケット内でジョイントスリーブが旋回可能に設けられている。
【図4】図3と比較可能な流出口部材の流れガイドを示した図であって、この場合、流れガイドはここでは円形セグメント状に形成された流出開口または流出孔を備えた孔付きプレートを有している。
【図5】図4と比較可能な流れガイドを示した図であって、この流れガイドはここでは四角形の内のり開口横断面を有している。
【図6】ジョイントソケットとこれに属するジョイントスリーブを収容するためだけに設けられている流出口部材を示す図である。
【図7】図6の流出口部材を示す図であって、この場合、ジョイントスリーブが、ジョイントソケット内で旋回位置に配置されている。
【図8】ここでは雄ねじ山を支持しているものの、図6および図7と比較可能な流出口部材を示す図である。
【図9】図8の流出口部材のジョイントスリーブを旋回位置で示した図である。
【図10】衛生的な水栓の水流出口を形成する流出口部材を示す図であって、この場合、流出口部材内に噴流調整器ケーシングを有する噴流調整器が装入可能であり、この噴流調整器ケーシングのスリーブ内側が、噴流ディバイダ挿入体を収容し、流出側でジョイントソケットを有していて、このジョイントソケット内で、流れガイドを有するジョイントスリーブが旋回可能に配置されている。
【図11】図10と比較可能な噴流調整器ケーシングを示す図であって、この場合、噴流調整器ケーシングが、そのジョイントソケットの領域において互いに離間された全周にわたって延びる3つの係止溝を有していて、これらの係止溝が、ジョイントスリーブの外周面に配置されている係止突起と協働し、この場合、ジョイントソケットの係止溝が、ジョイントスリーブのゼロ位置と、その両側でジョイントスリーブの旋回位置を規定する。
【図12】図11の噴流調整器ケーシングの、ジョイントスリーブとジョイントソケットとの間の接触領域の領域を、同様に縦断面で示した詳細図である。
【図13】ここでは噴流調整器ケーシングのジョイントソケットはゼロ位置を規定する一つの係止溝しか有してないものの、図11および図12と比較可能な噴流調整器ケーシングを示す図であって、係止溝とジョイントスリーブの外周面に突出している係止突起を備えたジョイントケーシングが係止することができる。
【図14】ジョイントソケットの係止溝と係合する、ジョイントスリーブの係止突起を示す図である。
【図15】図13の流出口部材のために設けられる、ここでは環状に全周にわたって延びている係止突起を備えたジョイントスリーブを示す図である。
【図16】ジョイントスリーブの相対する側で、ペアになって互いに対応配置荒れている係止突起を有してはいるものの、図15と比較可能なジョイントスリーブを示す図である。
【図17】図13と比較可能で、流出口部材内に装入可能な、流出側でジョイントスリーブを図示の旋回位置で支持している噴流調整器ケーシングを示す図である。
【図18】図17と比較可能な噴流調整器ケーシングを示す図であって、この場合、ジョイントスリーブの図示の旋回位置でジョイントスリーブ内に、流れガイドの孔付きプレートに対して前置されていて、噴流形成篩として構成されている組込み部材が装入されていて、この組込み部材が、同時に戻し力をジョイントスリーブに加える。
【図19】図18と比較可能な噴流調整器ケーシングを示す図であって、この場合、戻し力がここではコイル圧縮ばねによってジョイントスリーブを負荷している。
【図20】流出口部材内に装入可能な噴流調整器ケーシングを示す図であって、この噴流調整器ケーシングが、流出側でジョイントソケットを支持していて、このジョイントソケット内でジョイントスリーブが旋回可能にかつ周面方向で回動可能に支承されていて、この場合、ここでは、ジョイントスリーブの旋回軸線が、相互に離間されて流入側のプレート状の組込み部材に旋回可能に接触する2つのスペーサにより規定されていて、これらのスペーサの自由端部領域が、半円形の外側輪郭を有している。
【図21】図20と比較可能な噴流調整器ケーシングを示す図であって、この噴流調整器ケーシングの場合には、ジョイントスリーブ内にある孔付きプレートの流入側に設けられているスペーサが、多角形の外側輪郭を有していて、この場合、この外側輪郭に係止突起が設けられていて、これらの係止突起がそれぞれジョイントスリーブの旋回位置をガイド可能に規定する。
【図22】ジョイントスリーブの流入側の周面縁部領域が、プリロード下でジョイントソケットの内側周面に密に接触している噴流調整器ケーシングを示す図である。
【図23】噴流調整器ケーシングを示す図であって、この噴流調整器ケーシングの、長手方向軸線を中心にしてもしくは周面方向で回動可能に支承されていて、ジョイントソケットを有しているケーシング区分またはケーシング部分に、長手方向溝が設けられていて、これらの長手方向溝内と、ジョイントスリーブの相対する側で突出する旋回ピンが係合し、ジョイントスリーブの旋回軸線を規定する。
【図24】噴流調整器ケーシングを示す図であって、この噴流調整器ケーシングの、ケーシング内部にあるジョイントスリーブが回動可能で旋回可能に噴流調整器ケーシングのジョイントソケット内で支承されていて、この場合、ジョイントスリーブおよび/または流入側で前置されている構成部材に、ウェブ状またはピン状に構成された中央のスペーサが突出していて、このスペーサが、ジョイントスリーブの旋回・回動軸線を規定する。
【図25】噴流調整器ケーシングを示す図であって、この噴流調整器ケーシングの流出側のケーシング端部領域が、内円錐状のジョイントソケットを有していて、このジョイントソケット内で球冠状のジョイントスリーブが可動に保持されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛生的な水流出口(1)であって、該水流出口(1)が、流出側で流れガイド(4)を有しており、該流れガイド(4)が、複数の流出孔または流出開口(7)を備えた少なくとも1つの孔付きプレート(5)および/または格子状構造体または薄片構造体を有しており、前記流出孔または前記流出開口(7)が、流れガイド壁(6)により取り囲まれている形式のものにおいて、水流出口(1)が、ジョイントスリーブ(2)を有しており、該ジョイントスリーブ(2)が、ジョイントソケット(3)内に調整可能または旋回可能に配置されており、流れガイド(4)が、ジョイントスリーブ(2)のスリーブ内部に設けられていることを特徴とする、衛生的な水流出口。
【請求項2】
流れガイド(4)の少なくとも1つの孔付きプレート(5)の流出孔または流出開口(7)が、円形状または多角形の内のりの流出横断面を有している、請求項1記載の水流出口。
【請求項3】
少なくとも1つの孔付きプレート(5)の流出孔または流出開口(7)が、六角形もしくはハニカムセル状に形成されていて、かつハニカム状に互いに配置されている、請求項1または2記載の水流出口。
【請求項4】
ジョイントソケット(3)が、衛生的な水栓に流出側で組付け可能なねじ込みスリーブ(8)、または流出口部材(9)に設けられている、請求項1から3までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項5】
ジョイントソケット(3)もしくはジョイントスリーブ(2)に対して、噴流調整器および/または前置篩またはこれらと同様の衛生的な組込み部材が流れ方向で前置されている、請求項1から4までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項6】
ジョイントソケット(3)が、噴流調整器ケーシング(31)に設けられている、請求項1から5までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項7】
ジョイントソケット(3)内でのジョイントスリーブ(2)の旋回運動が、旋回ストッパによって制限されている、請求項1から6までのいずれかいずれか一項記載の水流出口。
【請求項8】
旋回ストッパが、ジョイントスリーブ(2)の流入側に配置されている、請求項1から7までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項9】
旋回ストッパが、噴流調整器(10)、または前置篩(11)、またはこれらと同様の前置された衛生的な組込み部材(30)により構成されている、請求項1から8までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項10】
ジョイントソケットが、少なくとも1つの係止手段(17)を有しており、該係止手段(17)が、ジョイントスリーブ(2)の少なくとも1つの対向係止手段(18)と協働する、請求項1から9までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項11】
係止手段(17)と対向係止手段(18)との係止位置が、ジョイントスリーブ(2)のゼロ旋回位置を規定する、請求項1から10までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項12】
ジョイントソケット(3)が、全周にわたって延びている係止溝(17)を有しており、該係止溝(17)が、ジョイントスリーブ(2)の外周面に設けられている少なくとも1つの係止突起(18)と協働する、請求項1から11までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項13】
ジョイントスリーブ(2)の外周面に偶数個の係止突起(18)が設けられており、該係止突起(18)が、それぞれペアでジョイントスリーブ中心点を通って延びている直線の相対する側に設けられている、請求項1から12までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項14】
ジョイントスリーブ(2)が、該ジョイントスリーブ(2)の流入側に設けられた戻し力によってジョイントソケット内で保持されているか、または負荷されている、請求項1から13までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項15】
前記戻し力が、コイルばね(19)またはダイヤフラムばねである、請求項1から14までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項16】
流れガイドの孔付きプレートおよび/または格子状構造体または薄片構造体に対して、少なくとも1つの装入部材または組込み部材(20)が前置されている、請求項1から15までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項17】
少なくとも1つの装入部材または組込み部材(20)が、噴流形成篩として構成されており、および/または戻し力を、ジョイントスリーブに加える、請求項1から16までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項18】
ジョイントスリーブ(2)の球帯形状が、球体中央平面を通って延びている、請求項1から17までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項19】
ジョイントスリーブ(2)および/またはジョイントソケット(3)が、周面領域で空気貫通孔として少なくとも1つの加工成形部(12)を有している、請求項1から18までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項20】
ジョイントスリーブ(2)の流入側に、少なくとも1つのスペーサ(40)が設けられており、該スペーサ(40)が、流入側で前置された構成部材(41)に接触しており、スペーサ(40)の、前記構成部材(41)寄りの表面輪郭が、ジョイントソケット(3)内で旋回可能なジョイントスリーブ(2)の旋回軸線を規定する、請求項1から19までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項21】
ジョイントスリーブ(2)の旋回軸線が、ジョイントスリーブ(2)または該ジョイントスリーブ(2)の孔付きプレートの流入側に設けられた互いに離間された少なくとも2つのスペーサ(40)により形成されている、請求項1から20までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項22】
少なくとも1つのスペーサ(40)が、半円形または多角形の表面輪郭を有している、請求項1から21までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項23】
少なくとも1つのスペーサ(40)が、旋回軸線を規定する前記スペーサ(40)の表面輪郭の経過において、旋回位置を規定する少なくとも1つの係止突起(42)またはこれと同様の凸部を有している、請求項1から22までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項24】
ジョイントスリーブ(2)が、ジョイントソケット(3)内で周面方向に回動可能に支承されている、請求項1から23までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項25】
ジョイントスリーブ(2)において、回動ウェブ(42)またはこれと同様の操作部が、流出側に突出している、請求項1から24までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項26】
回動ウェブまたはこれと同様の操作部(42)が、ジョイントスリーブ(2)の旋回軸線に対してほぼ同心的または軸線平行的な長手方向延在を有している、請求項1から25までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項27】
少なくともジョイントスリーブ(2)の流入側の周面縁部領域が、プリロード下でジョイントソケット(3)の内周面に密に接触している、請求項1から26までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項28】
ジョイントソケット(3)内でのジョイントスリーブ(2)の旋回軸線が、ジョイントソケット(3)またはジョイントスリーブ(2)の相対している側で突出している2つの旋回ピン(46)により規定されており、該旋回ピン(46)が、それぞれ別の構成部材(2,3)の長手方向溝(45)と回動可能に係合する、請求項1から27までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項29】
ジョイントスリーブ(2)および/またはジョイントソケット(3)が、膨潤性の材料から製造されており、膨潤した状態においてジョイントスリーブ(2)が、ジョイントソケット(3)内で密に支承されているか、または位置固定されている、請求項1から28までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項30】
ジョイントソケットまたは該ジョイントソケット(3)を支持する、噴流調整器ケーシング(31)の部分領域(47)が、回動可能に水流出口において支承されている、請求項1から29までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項31】
ジョイントスリーブが、球帯状に形成されており、および/またはジョイントスリーブ(2)が、中空球冠状または中空円錐状のジョイントソケット(3)内で可動に支承されている、請求項1から30までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項1】
衛生的な水流出口(1)であって、該水流出口(1)が、流出側で流れガイド(4)を有しており、該流れガイド(4)が、複数の流出孔または流出開口(7)を備えた少なくとも1つの孔付きプレート(5)および/または格子状構造体または薄片構造体を有しており、前記流出孔または前記流出開口(7)が、流れガイド壁(6)により取り囲まれている形式のものにおいて、水流出口(1)が、ジョイントスリーブ(2)を有しており、該ジョイントスリーブ(2)が、ジョイントソケット(3)内に調整可能または旋回可能に配置されており、流れガイド(4)が、ジョイントスリーブ(2)のスリーブ内部に設けられていることを特徴とする、衛生的な水流出口。
【請求項2】
流れガイド(4)の少なくとも1つの孔付きプレート(5)の流出孔または流出開口(7)が、円形状または多角形の内のりの流出横断面を有している、請求項1記載の水流出口。
【請求項3】
少なくとも1つの孔付きプレート(5)の流出孔または流出開口(7)が、六角形もしくはハニカムセル状に形成されていて、かつハニカム状に互いに配置されている、請求項1または2記載の水流出口。
【請求項4】
ジョイントソケット(3)が、衛生的な水栓に流出側で組付け可能なねじ込みスリーブ(8)、または流出口部材(9)に設けられている、請求項1から3までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項5】
ジョイントソケット(3)もしくはジョイントスリーブ(2)に対して、噴流調整器および/または前置篩またはこれらと同様の衛生的な組込み部材が流れ方向で前置されている、請求項1から4までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項6】
ジョイントソケット(3)が、噴流調整器ケーシング(31)に設けられている、請求項1から5までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項7】
ジョイントソケット(3)内でのジョイントスリーブ(2)の旋回運動が、旋回ストッパによって制限されている、請求項1から6までのいずれかいずれか一項記載の水流出口。
【請求項8】
旋回ストッパが、ジョイントスリーブ(2)の流入側に配置されている、請求項1から7までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項9】
旋回ストッパが、噴流調整器(10)、または前置篩(11)、またはこれらと同様の前置された衛生的な組込み部材(30)により構成されている、請求項1から8までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項10】
ジョイントソケットが、少なくとも1つの係止手段(17)を有しており、該係止手段(17)が、ジョイントスリーブ(2)の少なくとも1つの対向係止手段(18)と協働する、請求項1から9までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項11】
係止手段(17)と対向係止手段(18)との係止位置が、ジョイントスリーブ(2)のゼロ旋回位置を規定する、請求項1から10までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項12】
ジョイントソケット(3)が、全周にわたって延びている係止溝(17)を有しており、該係止溝(17)が、ジョイントスリーブ(2)の外周面に設けられている少なくとも1つの係止突起(18)と協働する、請求項1から11までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項13】
ジョイントスリーブ(2)の外周面に偶数個の係止突起(18)が設けられており、該係止突起(18)が、それぞれペアでジョイントスリーブ中心点を通って延びている直線の相対する側に設けられている、請求項1から12までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項14】
ジョイントスリーブ(2)が、該ジョイントスリーブ(2)の流入側に設けられた戻し力によってジョイントソケット内で保持されているか、または負荷されている、請求項1から13までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項15】
前記戻し力が、コイルばね(19)またはダイヤフラムばねである、請求項1から14までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項16】
流れガイドの孔付きプレートおよび/または格子状構造体または薄片構造体に対して、少なくとも1つの装入部材または組込み部材(20)が前置されている、請求項1から15までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項17】
少なくとも1つの装入部材または組込み部材(20)が、噴流形成篩として構成されており、および/または戻し力を、ジョイントスリーブに加える、請求項1から16までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項18】
ジョイントスリーブ(2)の球帯形状が、球体中央平面を通って延びている、請求項1から17までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項19】
ジョイントスリーブ(2)および/またはジョイントソケット(3)が、周面領域で空気貫通孔として少なくとも1つの加工成形部(12)を有している、請求項1から18までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項20】
ジョイントスリーブ(2)の流入側に、少なくとも1つのスペーサ(40)が設けられており、該スペーサ(40)が、流入側で前置された構成部材(41)に接触しており、スペーサ(40)の、前記構成部材(41)寄りの表面輪郭が、ジョイントソケット(3)内で旋回可能なジョイントスリーブ(2)の旋回軸線を規定する、請求項1から19までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項21】
ジョイントスリーブ(2)の旋回軸線が、ジョイントスリーブ(2)または該ジョイントスリーブ(2)の孔付きプレートの流入側に設けられた互いに離間された少なくとも2つのスペーサ(40)により形成されている、請求項1から20までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項22】
少なくとも1つのスペーサ(40)が、半円形または多角形の表面輪郭を有している、請求項1から21までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項23】
少なくとも1つのスペーサ(40)が、旋回軸線を規定する前記スペーサ(40)の表面輪郭の経過において、旋回位置を規定する少なくとも1つの係止突起(42)またはこれと同様の凸部を有している、請求項1から22までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項24】
ジョイントスリーブ(2)が、ジョイントソケット(3)内で周面方向に回動可能に支承されている、請求項1から23までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項25】
ジョイントスリーブ(2)において、回動ウェブ(42)またはこれと同様の操作部が、流出側に突出している、請求項1から24までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項26】
回動ウェブまたはこれと同様の操作部(42)が、ジョイントスリーブ(2)の旋回軸線に対してほぼ同心的または軸線平行的な長手方向延在を有している、請求項1から25までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項27】
少なくともジョイントスリーブ(2)の流入側の周面縁部領域が、プリロード下でジョイントソケット(3)の内周面に密に接触している、請求項1から26までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項28】
ジョイントソケット(3)内でのジョイントスリーブ(2)の旋回軸線が、ジョイントソケット(3)またはジョイントスリーブ(2)の相対している側で突出している2つの旋回ピン(46)により規定されており、該旋回ピン(46)が、それぞれ別の構成部材(2,3)の長手方向溝(45)と回動可能に係合する、請求項1から27までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項29】
ジョイントスリーブ(2)および/またはジョイントソケット(3)が、膨潤性の材料から製造されており、膨潤した状態においてジョイントスリーブ(2)が、ジョイントソケット(3)内で密に支承されているか、または位置固定されている、請求項1から28までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項30】
ジョイントソケットまたは該ジョイントソケット(3)を支持する、噴流調整器ケーシング(31)の部分領域(47)が、回動可能に水流出口において支承されている、請求項1から29までのいずれか一項記載の水流出口。
【請求項31】
ジョイントスリーブが、球帯状に形成されており、および/またはジョイントスリーブ(2)が、中空球冠状または中空円錐状のジョイントソケット(3)内で可動に支承されている、請求項1から30までのいずれか一項記載の水流出口。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
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【図22】
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【図24】
【図25】
【公表番号】特表2008−531885(P2008−531885A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−557432(P2007−557432)
【出願日】平成18年3月3日(2006.3.3)
【国際出願番号】PCT/EP2006/001944
【国際公開番号】WO2006/092316
【国際公開日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(505123871)ネオパール ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (12)
【氏名又は名称原語表記】Neoperl GmbH
【住所又は居所原語表記】Klosterrunsstr. 11, D−79379 Muellheim, Germany
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月3日(2006.3.3)
【国際出願番号】PCT/EP2006/001944
【国際公開番号】WO2006/092316
【国際公開日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(505123871)ネオパール ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (12)
【氏名又は名称原語表記】Neoperl GmbH
【住所又は居所原語表記】Klosterrunsstr. 11, D−79379 Muellheim, Germany
【Fターム(参考)】
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