説明

衣類乾燥機中で芳香付与および織物処理する方法および装置

本発明は織物に織物の再生活性剤を付与する方法の改良に関する。この改良は、乾燥機により生じる熱および回転作用により湿っている間に織物に活性剤を付与し、こうして織物に再生特性が備えられるように、通常の衣類乾燥機中で織物に活性剤を付与することを含む。本発明は更に前記のように活性剤を付与するための生成物に関する。前記活性剤は一般に125〜145°Fの範囲の温度で織物に塗装され、過酸化水素を有する。再生活性剤は芳香付与剤を含むことができ、再生剤が塗装される場合に、織物が芳香付けられる。有利に再生活性剤を、乾燥機に配置された容器に最初に配置し、これにより所望の温度に達するまで容器が活性剤を放出しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、芳香剤および他の活性剤が、温度および/または時間が選択される分散装置に含まれている、衣類乾燥機再生および芳香付与生成物に関し、前記分散装置は熱の作用から芳香剤を保護し、織物の改良された芳香付けおよび柔軟化を生じるように形成されている。本発明は最適な条件下での乾燥機サイクルへの芳香剤または他の活性剤の付与を付与し、より能率的で有効な、長く持続する芳香剤の付与を生じ、現在の状態の当該技術が付与するのと同じ強度を達成するために生成物中の芳香剤のより低い使用レベルを可能にする。本発明は更に静電防止化合物、臭い吸収剤/調節剤、しわ防止処理剤、織物コンディショナー、殺菌剤、易アイロンかけ成分、織物速乾性成分、殺虫剤およびこれらの組合せのような非芳香活性剤にも適用できる。
【0002】
技術的背景および技術水準
衣類乾燥機のために形成された芳香生成物は典型的に乾燥サイクルの開始時に導入する。この早い導入の結果として、芳香剤は乾燥サイクルの全期間にわたり熱、水分および気流排出条件にさらされる。
【0003】
衣類を乾燥する衣類乾燥機サイクルにおいて、乾燥機内部の温度は最大値に上昇し、引き続き乾燥サイクルの終了に向かって低下する。結果として、現在の衣類乾燥機芳香付与および/または織物処理生成物では、過剰の蒸発および/または熱分解により失われる活性剤の量を補償するために、過剰の芳香剤および他の活性剤を使用することが必要である。これは典型的に現在使用する乾燥機シートを織物香料および柔軟活性剤に適用して転写する場合である。
【0004】
衣類乾燥機のために現在の生成物を使用する他の問題は、乾燥サイクルの間の芳香剤の最適な性能のための理想的な時間、温度、または水分条件で分散しないことである。例えば乾燥機シートのような典型的な衣類乾燥機芳香生成物において、芳香剤は全乾燥サイクルを通じて高い温度および気流を体験し、パイプによる芳香剤の損失および/または芳香剤の延長した熱分解を生じる。従って芳香剤の品質が変動し、乾燥機の熱の悪臭および低い芳香強度として知られることがしばしば生じる。更に乾燥機シートで活性な柔軟剤は典型的に第四級アンモニウム化合物および/または脂肪酸タイプの化合物であり、これらは乾燥織物上で支配的な悪臭となり、しばしばアミンと同様に、魚くさくおよび/または不快な臭があり、脂っぽくまたは脂くさいと記載される。
【0005】
図1は乾燥サイクルの種々の段階にわたる衣類乾燥機内部の温度条件を示す。図1は織物乾燥サイクル中の基本的な熱特性を示す。2つの基本的な乾燥曲線が示され、1つの曲線はバラスト乾燥サイクルを表し、1つの曲線はタオル乾燥曲線を表す。乾燥機ドアに付着した熱電対を使用して2つの曲線が得られ、この間に乾燥機が(湿度センサを使用せずに)時間に合わせた乾燥サイクルを進行する。バラストは種々の織り方の主に綿および綿/ポリエステルベース織物の配置に関する。タオルは主に綿および/または綿/ポリエステル混合物であるが、タオルタイプの織り方からなる。
【0006】
これらの曲線はコンピューターベースデータ記録熱電対の式を使用して表され、衣類乾燥機内部の典型的な時間/温度条件を示す。衣類が乾燥すると、乾燥機内部の温度が最大値に上昇し、乾燥サイクルが終了すると低下する。曲線の4つの部分は議論のために、初期加熱、蒸発にもとづく乾燥時間、終了および冷却(ヒートダウン)に分類される。以下の表に代表的な条件を記載する。
【0007】
【表1】

初期加熱:曲線のこれらの部分は有効な乾燥を開始するために達成される時間および温度を表す。基本的に安定化の時期。
乾燥時間:乾燥時間は典型的にサイクルを進行する乾燥機および衣類の時間/温度条件を表し、大部分の水は乾燥機負荷物から蒸発する。
終了時間:終了時間は乾燥機負荷物から最終的量の水分が蒸発する間に乾燥機負荷物が露出する時間および温度を表す(曲線の鋸歯状部分は温度を維持するためにオンおよびオフにするヒーターサイクルのオンオフ機能の結果である)。
冷却:冷却時間は、ヒーターが停止信号を出す場合の、乾燥機の時間および温度条件を表す。
【0008】
図1および前記表から、(芳香剤および/または活性剤を含有する)衣類が洗浄機から乾燥機に移り、乾燥サイクルの直線に添加される芳香剤および活性剤が全乾燥サイクルの時間/温度効果にさらされることが読み手に明らかである。議論されたように、この結果は過剰な、不要な長い熱履歴により芳香剤に不利益な効果を生じる。これは乾燥機排気口による芳香剤の損失および芳香剤の熱分解を生じ、前記熱分解は芳香剤の損失を生じ、芳香ノートの好ましくない享楽的変化を生じる。典型的に、芳香剤の低分子量部分(いわゆるトップノート)はしばしば過剰に、尚早に蒸発し、消失および/または分解し、主に中間分子量部分(ミドルノート)を残し、芳香剤の高分子量部分(ボトムノート)を残す。多くの不利益な結果は、衣類に添加した所望の芳香剤が最初に本来の組成の混合した形に変化することである。芳香剤は芳香の損失、分解、および芳香の変化に関して製剤化する試みを含むが、それは複雑な問題であり、生じる芳香および織物に付与する方法は最適でない。
【0009】
要するに、悪い乾燥機条件に関して製剤化する試みは香料を配合する場合に香料業者により使用できる多様な芳香化合物の種類を著しく減少する。最終結果は、消費者の要求と好みに合わせて製剤にできる芳香剤タイプ等の範囲の限定である。
【0010】
従って織物乾燥機中で芳香剤および/または静電防止化合物、臭い吸収剤/調節剤、しわ防止処理剤、織物コンディショナー、殺菌剤、易アイロンかけ成分、織物速乾性成分、殺虫剤、およびこれらの組合せのような他の活性剤を付与する技術水準の製品および生成物の欠点を補償することが求められる。更に詳しくは、織物の湿度および/または温度条件および/または活性剤、特に芳香剤の最適な性能のための乾燥機環境下で、活性剤の付与時間を自動的に定められることが有利である。
【0011】
更にエネルギー費用の増加とともに、織物および衣類の洗浄のために、冷水を含む低温洗浄条件の使用に対する重要な消費者の傾向が存在した。これらの低温は洗濯洗剤による土および汚れ等のあまり有効でない除去を生じる。これは一部は粉末化洗濯洗剤に存在する過ホウ酸ナトリウムおよび過炭酸ナトリウムのような一般に使用される過酸化漂白剤の、この低い洗浄温度での有効性の減少による。これらの低い洗浄温度でこの性能の一部の回復を促進するために、TAED(テトラアセチルエチレンジアミン)のような高価な活性剤を洗剤に導入することができる。しかし清浄化能力損失の全部は回復しない。これは特に、着色した織物の負荷を洗浄するために広く使用される、冷水洗浄条件下に該当する。
【0012】
従って、これらの織物を乾燥するために洗濯乾燥機を使用する消費者が、過酸化水素により織物に再生する(酵素の存在で悪臭を生じる残留する脂汚れおよび酸素漂白に弱い汚れを除去する)能力を与え、更に芳香を与えることが求められる。
【0013】
これに関して、高温で、過酸化水素が織物に色安全漂白の利点を付与するためにきわめて有用であることが知られている。摂氏69°(華氏140°)未満の温度で過酸化水素を使用して漂白することは通常不可能である。衣類乾燥機中で乾燥工程の間に測定される温度および湿度条件はこの種の漂白の最適な性能を達成するために理想的である。しかし過酸化水素が高温漂白段階中に特定の芳香化合物を化学的に分解することを考慮すると、この工程が終了した後に乾燥機周囲に芳香剤を導入し、もはや過酸化水素が利用できないことが重要である。
【0014】
衣類乾燥機中の過酸化物漂白剤(過酸化水素、過ホウ酸ナトリウム、および過炭酸ナトリウム)の使用は以前に記載されている。例えば米国特許第3180037号は水性過酸化水素漂白剤溶液を衣類乾燥機に噴霧する。しかしこの方法は過酸化水素の微細な霧が気流により乾燥機の外部に吹き飛ばされ、排出しやすい欠点を有する。
【0015】
米国特許第3989638号および米国特許第4017411号において、液体として、濃厚過酸化水素溶液を、多孔質袋から織物の表面に、衣類乾燥機内部で回転作用により分散する。この方法は2つの欠点を有する。第1に、織物の上に過酸化水素が不均一に分配される傾向がある。第2に、大部分の過酸化水素を、乾燥工程中に、早い段階で、乾燥機の温度が、過酸化水素または他の過酸化物漂白剤で漂白するために必要な高温に達する前に、織物に分配する。選択的に米国特許第4130392号は衣類乾燥機中で、固体の過酸化物活性剤、1,3,4,6−テトラアセチルグリコウリルおよび微粒子漂白剤化合物、例えば過ホウ酸ナトリウムまたは過炭酸ナトリウムと一緒に織物を回転する。この方法は乾燥機中で清浄な織物への好ましくない固体粒子の付加を必要とする明らかな欠点を有し、乾燥機内部でまたは乾燥機のリントフィルター上にこれらの物質の形成を生じることがある。更にこの方法は固体粒子により織物の不均一な漂白を生じる傾向がある。
【0016】
Lutz、米国特許第4395261号において、衣類乾燥機中で過酸化水素を使用して加熱したガスにさらすことにより、湿った織物を漂白する方法が記載される。過酸化水素は最初に疎水性膜を有する容器中に液体として閉じこめる。乾燥機の熱が過酸化水素を蒸発し、過酸化水素は膜を通過し、蒸気相から織物に供給される。織物がなお湿っている場合は、これを行う最良の性能を達成するための理想的な時間が存在するが、乾燥機内部の温度が最高である場合は、乾燥サイクルの終了に近い。
【0017】
しかし装置および/または方法によりいかにしてこれを最良に行うことができるのか記載されていない。
【0018】
技術水準は、衣類乾燥機中で過酸化物漂白剤を使用する間に、織物上に再生の利益を得るために有効な芳香織物について議論していない。芳香剤および過酸化物漂白剤を乾燥機周囲に一緒に導入する場合は、この漂白剤による化学的攻撃のために芳香剤の著しい分解が生じる。本発明はこの問題を解決することを可能にし、織物再生および芳香付けに最適な条件下で、衣類乾燥機中で織物を処理するための芳香剤と漂白剤の組み合わせた使用を可能にする。
【0019】
織物に付与される他の好ましい利益はその外観に関する。特に時間のかかるアイロンかけまたは高価なドライクリーニングに頼る必要がなく、魅力的な外観、例えばしわおよび折り目の減少および新鮮な/心地よい芳香を衣類に与える、消費者により使用できる組成物および方法が必要である。
【0020】
技術的にしわは、過剰の変形(折り目)により繊維に生じる、織物繊維でのゆるみのない緊張の直接の結果である(すなわち繊維を過剰に曲げる/圧力をかける場合に、繊維が最初の曲がっていない/圧力のない状態に完全に回復しない)。しわは繊維のもつれ、静電気力、繊維の間の摩擦および土、汚れ、織物処理組成物等による繊維の間の付着を含む不適当な架橋の結果でもある。
【0021】
現在販売されているしわを減少する生成物は織物に芳香付与の利益を提供するが、衣類乾燥機中で使用されない。これらの製品の1つの例は、Downy(登録商標)Wrinkle Reducer(しわ減少剤)、Procter and Gamble of Cincinnati、Ohioである。これらの製品は、有効であるために、乾いた衣類または織物を、脱しわ活性剤を含有する生成物(結果として組成物中の高い含水量が要求される)により湿らせる/湿潤にすることが必要であり、前記生成物は一般に噴霧容器(ポンプまたは噴霧装置)により織物に付与される。織物を伸ばしてしわを除去する等のために十分な物理的力を用意するために、前記方法を終了するために、消費者が介入する必要がある。
【0022】
織物に噴霧して外観を改良する組成物が開発された。例えばSchwartz等、米国特許第3674688号はしわを除去するための、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリドのようなカチオン界面活性剤の水性−アルコール性溶液を記載する。
【0023】
Kandathil、米国特許第383393号は、織物に噴霧して織物を凝固できる、水溶性ポリアルキレングリコール、水溶性アミンの塩、および脂肪酸のような任意成分または乳化されたシリコーンと一緒に、澱粉、高い浸透能力を有する有機溶剤および乳化可能なワックスのような織物凝固剤を含有する組成物を記載する。
【0024】
Jacobsen等、米国特許第4661268号はしわを除去する生成物および方法を記載する。前記生成物は、基本的に第四級アンモニウム塩界面活性剤と一緒に、シリコーン−グリコールコポリマー界面活性剤および/またはフッ素化アルキルエステル界面活性剤を含有するアルコール性−水性溶液からなる。前記方法は織物に生成物を噴霧して湿らせることからなる。Church、米国特許第4806254号は、一価アルコール、グリセリン、非イオン性界面活性剤およびジメチルシロキサンを含有する、しわを除去するための水性組成物を記載する。
【0025】
織物のしわの減少および形状維持のための組成物はCoffindaffer、米国特許第4923623号に記載され、前記組成物は、硬化可能なアミノ官能性シリコーンを有する液体澱粉を含む。他の織物のしわを減少する組成物および方法はAgbomeurele等、米国特許第5100566号に開示され、前記組成物はアニオンシリコネートおよびグリセリンの水性−アルコール性溶液を含有する。この明細書は織物に前記組成物を塗装する方法も開示する。Vogel等、米国特許第5532023号および5798107号は、有効な量の皮膜形成ポリマーと一緒に、ポリジメチルシロキサンガムのような有効な量の非揮発性シリコーン流体を含有する組成物を使用する、処理された織物上のしわを減少するための水性スプレーの使用を開示する。
【0026】
Hart等、米国特許第6524494号はしわの減少および長く持続する芳香の維持および悪臭の減少を生じる組成物を開示する。これは脱しわ効果を達成するために、請求の範囲の組成物により織物を湿らせ、織物を伸ばすことが必要である。
【0027】
すべての場合に、この技術水準は記載される性能の利点を達成するために、処理中に消費者の直接的介入を必要とする。更にこの技術水準には、消費者の介入または労力を必要とせずに、織物にしわ防止、再生および芳香付与の利点をできるだけ提供するために運転サイクル中で衣類乾燥機中に存在する条件を有効に利用する本発明の生成物の可能性は言及されていない。
【0028】
市販されている衣類乾燥機に関係する製品の場合に、これらの製品は主に織物の静電防止効果(織物が付着しない)および芳香付与を生じることに集中する傾向があり、通常はシート供給物の形で販売される。
【0029】
これらを考慮して、本発明による活性剤を有する供給系の組合せは実質的に通常の思想、方法および技術水準の構成から出発する。本発明は、特に、最も能率がよく、有効な活性剤の使用を生じる、乾燥機中で最適な時間/温度/湿度条件の組合せを達成する方法および組成物を提供する。
【0030】
発明の要約
本発明の一般的な目的は、現在の衣類乾燥機生成物の多くの利点を有し、他の技術水準から単独にまたは組み合わせても予想されない、明示されない、示唆されないまたは暗示されない、衣類乾燥機生成物を生じる多くの新しい特徴を有する新しい衣類乾燥機用芳香付与、再生および/またはしわ防止生成物および方法を提供することである。
【0031】
本発明の1つの目的は、自動的温度および/または時間に対応する分散器を使用して、衣類乾燥機中で、目的とする温度範囲内で、最適に実施するために具体的に製剤化される、活性剤、すなわち芳香剤、再生剤および/またはしわ防止剤を提供する方法である。前記装置は乾燥サイクル中で活性剤を放出する最適な条件下で活性剤を分散する。
【0032】
本発明のもう1つの目的は、乾燥機サイクルの終了時に高い残留芳香剤濃度を得る手段を提供することである。
【0033】
本発明の特別の構成により、本発明の目的は、乾燥機中で、織物に、なお湿っている間に、過酸化物漂白剤のような織物再生活性剤を付与し、引き続き乾燥機の冷却サイクルの間に織物の実質的な芳香を付与する装置を提供することである。
【0034】
本発明は更に、織物を芳香付与し、再生する方法を提供し、前記方法は衣類乾燥機の内部で、再生活性剤および芳香付与剤が同時に乾燥機に放出されない温度条件下で、織物を前記装置と接触させることからなる。
【0035】
本発明のもう1つの目的は、以下に一般に記載される閉じた装置内で、衣類乾燥機香料付与生成物を提供することにより、衣類乾燥機香料付与生成物の有効時間を延長する手段を提供することである。
【0036】
本発明のもう1つの目的は、一部の芳香成分の熱分解による乾燥機中の悪臭(乾燥機熱の臭い)を減少し、蒸発による芳香の損失を減少する方法である。
【0037】
本発明のもう1つの目的は、衣類乾燥機中で単独にまたは組み合わせて使用できる多様な活性剤を提供する方法である。例えば衣類乾燥機芳香付与生成物は芳香の享楽を高めるために、より揮発性および/または温度に敏感な芳香成分を含有できる。
【0038】
本発明のもう1つの目的は、特別なおよび目的とする方法で衣類乾燥機に衣類乾燥機生成物を自動的に露出または提供する手段を提供することである。
【0039】
本発明の他の構成により、織物を芳香付与し、織物のしわを減少する方法および装置が提供され、前記方法は、通常の衣類乾燥機中で、織物が湿っている間に、織物にしわ防止活性剤を付与し、こうして織物にしわ防止特性を付与することからなる。有利に20〜65℃(約70〜145°F)の範囲の温度で活性剤を織物に塗装する。しわ防止活性剤は有利に芳香付与剤を含有し、しわ防止剤が塗装される場合に、織物が芳香付与される。
【0040】
本発明は適当な目的とする温度範囲で、同一の乾燥機中で、なお湿っている(ぬれてなく、乾いていない)織物に、しわ防止生成物を付与する。本発明は、衣類乾燥機内部で生じる周囲のできごとを利用することにより意図される環境に、温度に合わせた組成物の露出および提供を調節する。更に本発明は、乾燥機の回転作用を利用して、織物のしわを除去するために、乾燥機中で湿った織物にしわ防止活性剤を導入した後に、必要な機械的しわ除去力/弛緩エネルギーを提供する。
【0041】
熱い空気の排出への全体的露出時間を減少することにより乾燥機中の織物に付与される芳香の費用に有効な性能が高められる。更に乾燥機に添加する前の装置からの芳香に対する損失および場合による変化が制限される。従って濃縮した(水分が少ないかまたは存在しない生成物)しわ防止活性剤生成物が達成され、前記生成物は、少ない費用に有効な多くの使用生成物提供系の形成を可能にする。
【0042】
本発明は、再充填が可能であり、芳香剤の分解を避けるために、自動的に(すなわち使用者の介入なしに)活性物質、すなわち芳香剤を、最適な時間に分散する、乾燥機中の活性剤の多くの使用を可能にする装置を提供する。電気的または機械的活性化は必要でない。
【0043】
図面の簡単な説明
図面は本発明を実施する装置のいくつかの構成を示す。これらの図面は例として示したにすぎず、本発明をどのように利用するかを説明するためのものである。説明された特定の構造は変化してもよい。図面全体にわたり同じかまたは類似する部品を示すために同じ参照符号を用いる。
【0044】
図1は衣類の負荷物を乾燥する場合の衣類乾燥機内部の温度と時間の条件を示すグラフである。
【0045】
図2は所定の温度が満たされた場合の衣類乾燥機への活性剤(例えば香袋)の放出に関係する本発明の装置の1つの例である。
【0046】
図3は1つ以上の乾燥機段階が終了した後に活性剤を付与できる本発明の装置のもう1つの例である。図面は最終温度サイクル後の付与を示す。
【0047】
図4は加熱サイクルが終了した後に乾燥機を開始して冷却した場合に活性剤を分散する本発明の他の例を示す。
【0048】
図5は織物に分散する1つ以上の活性剤の容器を有する分散装置の1つの有利な構成の横断面図および平面図を示し、前記容器は熱に敏感なスナップディスクを有する活性化アセンブリに接続されている。
【0049】
図6は図5のスナップディスクアセンブリの拡大した横断面図を示す。
【0050】
図7はサイクルの開始から噴霧により織物に活性剤を付与するまでの連続工程を示す。
【0051】
図8は織物に活性剤処理剤を分散する本発明の装置を有する衣類乾燥機の2つの図を示し、前記装置は乾燥機のドアに固定されている。
【0052】
発明の詳細な説明
本発明において、織物の語は衣料品または他の家庭材料(シーツ、タオル等)を意味する。これには、合成製品、天然製品、ナイロン製品、アクリル製品および混合製品が含まれる。例えば織物は綿、リネン、ポリエステル、ナイロンおよびこれらの混合物を含むことができる。
【0053】
すでに記載したように、本発明は衣類乾燥機中で織物を乾燥する間に織物に芳香剤および他の活性剤を付与する装置に関する。
【0054】
本発明は更に、活性剤に最適な性能を達成する温度および乾燥織物湿度条件下で活性剤を提供するために、すでに議論した、図1に示される乾燥機サイクルの温度特性に温度変化を使用する方法に関し、前記方法は、乾燥機サイクルの適当な時間に織物に活性剤が移るように、乾燥機内部の織物を、前記装置の作用にさらすことからなる。
【0055】
不連続の温度結果/範囲で運転し、活性剤を提供または露出する装置は国際特許WO03/086483A2号または米国特許2004/0003724号に記載され、その内容は引用により本発明に必要である範囲に含まれる。前記装置は典型的にハウジングおよび熱に応答する運転手段を有し、容器内部に活性剤を有する。以下の説明で、以下に定義される用語はそこに示された意味を表す。
【0056】
ハウジングは装置の部品を装置に維持および保持する任意の構造体である。
【0057】
熱に応答する運転手段は乾燥機の周囲へ活性剤の提供温度を規定および調節する任意の手段であり、特に前記の引用文献に記載され、これ以後個々の構成で説明される手段である。
【0058】
活性剤は消費者に利点を提供することが意図される任意の材料または手段(例えば芳香の利点を提供し、リントを減少し、静電気を減少し、しわを減少し、乾燥速度を高め、織物の抗菌性および/または衛生状態を調節する等の材料またはほかの手段)である。
【0059】
織物再生活性剤は、衣類乾燥機中で見出される環境条件下でカラー安全漂白タイプのクリーニングおよび汚れ除去特性を提供するかまたは衣類乾燥機中で処理される織物の衛生状態および抗菌性を調節する物質または手段である。
【0060】
出入口は衣類乾燥機に活性剤を放出する任意の開口である。
【0061】
保護手段は目的とする分散温度結果の前に活性剤と意図される環境との相互作用を阻止する任意の構造体である。
【0062】
容器は活性剤が意図される環境に分散する前またはさらされる前に活性剤を含有するために使用される任意の構造体である。前記容器は装置のハウジングを形成することができる。
【0063】
図面に示されるように、本発明は衣類乾燥機中で乾燥サイクル中に織物を香料付けする方法が提供される1つの構成に関し、芳香活性剤を提供する手段は図2に示される。図2は本発明の二枚貝タイプの装置を示し、前記装置は衣類乾燥機に即時に(例えば袋)または乾燥機が温まると速度を増加しておよび温度が低下すると速度を減少して芳香剤を提供する。この特性は例えば熱に応答する手段として蒸発ゲルを使用する場合に得られる。
【0064】
前記装置はマグネットまたは他の付着媒体を使用して衣類乾燥機ドアの内部に取り付けることができ、図2Aおよび2Bに示されるように、上方ハウジング27、下方ハウジング28、ちょうつがい29、芳香剤(ここでは袋として示される)37、バイメタルばね36を有する。バイメタルばね36は一般に冷たい場合に湾曲し、温度が上昇した場合にまっすぐになる。ばねはこの種の動きを生じる任意の材料から形成することができる。
【0065】
上方ハウジング27および下方ハウジング28はちょうつがい29により接続され、これ以後ハウジングアセンブリと呼ぶ構造体を形成する。ちょうつがいは機械的ちょうつがい、止め具または組み込みプラスチックちょうつがいからなる群の1つの部品からなる。
【0066】
図2Cは底部ばね保持アセンブリ35を示す。底部ばね保持器35はスロット33およびバイメタルばね36の底部端部を固定するための底部くさび形フック38を有する。
【0067】
図2Dは頭部ばね補助アセンブリ34を示す。頭部ばね保持器34はスロット31およびバイメタルばね36の頭部端部を固定するための頭部くさび形フック39を有する。
【0068】
図2Aにおいて装置は完全に閉鎖され、乾燥機周囲への芳香剤37の露出をできるだけ少なくする。バイメタルばねが低温でハウジングアセンブリを閉鎖するので、装置は閉鎖されている。これは装置が乾燥サイクルの開始時に衣類乾燥機に挿入される位置である。
【0069】
図2Bは完全に開放される装置を示し乾燥機に芳香剤37を提供する。図2Bの装置は乾燥機温度が最も暖かく、バイメタルばね36がまっすぐになる場合のこの装置の配置を示し、装置は芳香剤/活性剤が装置の外部から意図される周囲21(例えば衣類乾燥機の内部に)に落下した場合の位置まで開放する。そこから乾燥機の温度が冷却して低下する。
【0070】
選択的に、蒸発芳香剤ゲルを恒常的にアセンブリのハウジングに取り付けることができる。この場合に、乾燥機温度が高まる場合に、蒸気圧中で(蒸発速度が増加して)芳香剤成分が増加し、これにより乾燥機への芳香剤の提供が増加する。乾燥機温度が低下すると反対のことが起きる。装置は開放することによりこれを調節し、乾燥機温度が上昇する(例えば芳香剤の蒸気圧が上昇する)ので、乾燥機への芳香剤37の露出が増加する。これは温度が高い場合に、大部分の芳香剤/活性剤の付与を可能にし、温度が低い場合に、芳香剤/活性剤の付与を制限する。
【0071】
図3は本発明の目的に適した分散装置の他の構成を示す。この構成により、本発明の芳香剤を付与する方法は目的とする温度が満たされた場合に活性剤を即時に付与することからなる。この装置は目的とする温度が満たされた場合に、乾燥機サイクルの終了段階の前に芳香剤/活性剤を分散するために衣類乾燥機に有用である。これは乾燥機負荷物が最適の性能のための所望の湿度/温度条件で存在する場合に活性剤の最良の使用が存在するならば好ましい。
【0072】
図3の装置はちょうつがい256により取り付けられた手動のふた254を有するハウジング252からなる。前記ハウジングはラッチ保持スロット258および鍵穴下降スロット260が用意されている。ハウジング/ふたアセンブリに熱に応答するラチェットラッチアセンブリ213が取り付けられている。
【0073】
図3A〜3Cは簡単な方法で基本的な運転の連続を示す。図3Aは冷たい条件での装置を示し、バイメタルストリップ213の上側部分がまっすぐであり、活性剤250がハウジング252に存在する。図3Bは目的温度、湿度の位置での熱い位置での装置を示し、バイメタルストリップは曲がり、ラッチを前方に、ラチェットラッチアセンブリ上のラッチの幅が鍵穴スロット260の幅より小さい放出位置に押出す。
【0074】
図3Cは、活性剤が分散された場合の、放出位置の直後の湿った位置での装置を示す。
【0075】
図4は衣類乾燥機サイクルの冷却段階中に芳香剤/活性剤を付与する装置の構成を示す。これは活性剤が、乾燥機サイクルの加熱および終了段階中に存在する周囲の損傷を避ける。
【0076】
図4の装置は組み込まれたラチェットラッチアセンブリ210を有する熱に応答するラチェットアセンブリ213を有する(図4C参照)。熱に応答するラチェットアセンブリ213がちょうつがいによりハウジング252に取り付けられている。ハウジングに活性剤を挿入する手動のふた254がちょうつがい256によりハウジング252に取り付けられている。ラッチ保持スロット(図4D、258)がハウジング252に組み込まれ、ラチェットラッチアセンブリ210が前方に鍵穴スロット258に押出された場合に、作動/閉鎖位置で熱に応答するラチェットアセンブリ213を保持する。
【0077】
図4A〜4Cは簡単な方法で、基本的運転の連続を示す。図4Aはハウジング252に負荷された活性剤250および冷たい/まっすぐな条件でバイメタルばね200を有する冷たい状態での装置を示す。図4Bはバイメタルばねが温度の上昇により前方に曲がり、これによりバイメタルばねがラチェット傾斜部214をラチェット止め具202に向かって下げる場合の加熱および/または乾燥段階の間の装置を示す。図4Cは最も高い乾燥機温度が満たされた場合の装置を示す。この温度でバイメタルばねが下降してラチェット止め具202がかみあう。図4Dは目的温度に冷却後の装置を示す。図4Dにおいて、冷たい温度はバイメタルばねをまっすぐにし、ラッチ204をハウジングに、ラッチ204がもはやラッチ保持スロット258により支持されない位置に引き戻す。ラッチ保持スロット258から保持されずに、熱に応答するラチェットアセンブリが下降し、活性剤を付与する。
【0078】
基本的に図4は2つの段階の運転を行う。段階1は最高温度への最初の加熱であり、ばねが下降してラチェット止め具204がかみあうまでばねが前方に進行する。段階2はラチェットラッチアセンブリ210(202)を後方に引き、トラップドアが解放されて内容物250を分散する冷却の間のばねの最終的接触である。
【0079】
織物の芳香付与を生じる前記基本原理は、同様に他の活性剤の付与に適用するが、衣類乾燥機中で活性剤を分散する適当な温度に依存しない。
【0080】
以下に衣類乾燥機中で織物を再生および芳香付与する方法が用意される本発明の構成を図3および4により説明する。
【0081】
織物の再生に関して、選択する活性剤は過酸化水素である。これはLutz、米国特許第4395261号にもとづく。過酸化水素は、疎水性膜で覆われた少なくとも1つの表面を有する容器/カートリッジに溶液またはゲルとして保持される。この容器/カートリッジは再充填可能な温度に活性化された提供装置に含まれ、前記装置は衣類乾燥機ドアの内部にまたは乾燥機内部の適当な固定位置に取り付けられる。
【0082】
この場合に前記装置は乾燥サイクルの開始時に閉鎖されるように形成されている。これはより理想的な漂白条件下で乾燥機周囲の過酸化水素の損失を最小にする/除去する。前記装置は55〜65℃(約35〜145°F)の範囲で開放して、この活性剤の漂白性能に関して最適な条件下で乾燥機周囲に過酸化水素カートリッジ/容器を露出するように形成される。
【0083】
これに関して図3はどのようにしてこれが装置により達成されるかを示す。過酸化水素は乾燥機周囲に蒸気相で導入し、織物がなお湿っているが、ぬれていない(漂白工程に関して好ましい水分と織物の低い比)間に、この活性剤で有効に漂白するために好ましい温度で、直ちに織物上に凝縮する。特に乾燥機中の温度は終了工程により上昇を継続し(図1参照)、終了工程はこの高い温度で織物により消費される時間(少なくとも30分)と結合して過酸化水素の漂白能力を更に高める。
【0084】
芳香剤は乾燥機の冷却工程中に導入される。これは60℃(140°F)低い温度であり、漂白作用が終了する温度に相当する。これは乾燥機排気工程により芳香剤の全体的損失を減少し、高い揮発性のトップノートの不均一な損失による享楽的変化を最小にする。実質的結果は現在の実施に対する乾燥機中の織物の芳香付与の改良である。この結果は、前記のように乾燥機のドアに取り付けることができる再充填可能な温度調節した提供装置に含まれる芳香剤を有することにより達成される。
【0085】
織物再生剤および芳香温度調節した付与装置は機能的に乾燥機内部に取り付けるための1つの全体的装置に組み込むことができる。この場合に装置は冷却サイクルで55〜60℃(130〜140°F)の範囲の温度で開放し、乾燥機周囲の条件に芳香付与媒体を露出する。
【0086】
この付与装置は、サイクルの加熱段階および乾燥段階中にこの温度範囲を通過する(図1参照)場合は閉鎖して維持することが記載される。この点で、図4はこれがどのようにして装置により達成されるかを示す。
【0087】
更に装置を乾燥機壁またはドア表面に固定できるにもかかわらず、本発明による組み込まれた、活性剤分散器を有する衣類乾燥機が用意されることも明らかである。これは、適当な時間に活性剤を分散できる機構を有する通常の織物洗濯機で知られているようなきわめて簡単な方法で実現できる。この機構は温度を制御し、該当する活性剤を他の任意の方法で噴霧または付与できることが必要である。この機構は適当な時間に活性剤の放出を起こすために温度および湿度センサを必要とし、芳香剤または活性剤を放出するための乾燥機内部電気能力を使用する。
【0088】
以下に本発明による衣類乾燥機中で織物を処理する方法の他の構成により、場合により芳香剤と組み合わせたしわ防止活性剤成分を提供することが可能な装置に関する方法が提供される。
【0089】
本発明の繊維しわ防止剤は天然または合成ポリマーであってもよい。これらの繊維弛緩剤/潤滑剤は例えばカチオンポリグリコールエーテル、シリコンミクロエマルジョン、第四級化ポリメチルシロキサン、ポリカルボン酸、ポリビニルピロリドン/ジメチルアミンエチルメタクリレートコポリマー、エトキシル化第四級アンモニウムエステル、プロポキシル化第四級アンモニウムエステルおよびこれらの混合物を含有することができる。これらの成分が例としてのみ使用され、本発明の限定を考慮していないことを記載する。
【0090】
乾燥機サイクルでのしわ防止および香料付与生成物の導入に最適な位置は、乾燥段階の終了および終了段階の開始の時(50〜60℃、125〜140°Fの範囲図1参照)であり、この間に織物は湿っているが、ぬれてなく、織物負荷物に必要な弛緩エネルギーを提供するために、乾燥機の運転サイクル中に織物での十分な回転作用の時間を維持する。
【0091】
サイクルの乾燥段階での(全乾燥サイクル中に約20〜30分)芳香付与されたしわ防止生成物の導入は、サイクルの開始時の芳香付与された生成物の導入の現在の実施に比べた場合に、熱い空気の排気により芳香剤の損失を著しく減少する。これは達成すべき乾燥サイクルの終了時の織物上で高い芳香剤の濃度を生じるかまたは選択的に現在の乾燥機生成物により達成される同様の織物芳香付与濃度を達成するために本発明に使用される生成物での低い芳香剤の濃度(減少した生成物費用)を生じる。
【0092】
しわ防止剤を添加する場合に乾燥機中の織物はすでに湿っているので、現在のしわ防止生成物の場合のように、別に、水を付与して湿った織物を形成する必要がない。この事実は本発明の組成物が濃縮した形(願推量が著しく減少した)で存在することを可能にする。これは多くのサイクル配量能力を有する小さく、費用が能率のよい、付与装置の使用を可能にする利点を有する。
【0093】
目的の芳香剤およびしわ防止活性剤を最適な温度または温度範囲(従って時間)で放出する衣類乾燥機の開発により、技術水準により達成できるものよりすぐれたしわ防止および芳香の利点を提供する生成物の製造が可能になる。これは家庭用衣類乾燥機に存在する環境/物理的条件を使用することにより達成される。
【0094】
生成物を分散する有利な方法は、衣類が湿っており、熱特性曲線が半分より上である間に活性剤を放出することである。これは衣類乾燥機中の不連続の温度の結果/範囲に関し、乾燥工程で生成物の最適な温度特定した付与を保証する。
【0095】
本発明は範囲が限定されず、活性剤を任意の方法で、連続的に、不連続的に、特定の速度で、変化率で、特定の温度で、等、分散することにより多くの他の活性の形の最適な分散を提供するために適用できる。本発明はそれぞれの活性剤の最適な温度および/または時間で1個以上の活性剤の付与を可能にする。
【0096】
更に芳香剤が乾燥機を放出する温度を具体的に設定することにより、温度が最高である場合に、乾燥機サイクルの段階中の熱分解に対して芳香剤を有効に保護されるので、衣類乾燥機中で織物を芳香付与する現在の方法より広い範囲の芳香剤成分が使用できる。芳香剤はこのサイクルの冷却段階で付与される。
【0097】
本発明は更に織物を処理する方法を実施する手段、すなわち活性剤、特に芳香剤を付与することができる分散装置および前記装置を有し、適当な温度で織物を処理する衣類乾燥機に関する。
【0098】
本発明を以下の実施例により詳細に説明する。
【0099】
本発明の有利な構成
例1
自動的熱に応答する分散装置および前記装置を有する衣類乾燥機
図5により、本発明に適当な分散装置は活性物質、すなわち芳香剤、抗菌剤、衛生状態調節活性剤、織物柔軟剤、または芳香剤または抗菌剤の前記活性剤を有する再生組成物の容器を有する。前記容器は典型的に内部窒素(または他の不活性ガス)圧力下で、通常は60〜90psiで存在すべきである。容器を最初に衣類乾燥機中で織物を乾燥する間に織物に分散することが望ましい組成物で充填する。図5に示される装置アセンブリの左側に、作動する、熱に応答するスナップディスクアセンブリの断面図が示され、図6では更に詳しく示され、容器開放弁が直接前記機械的アセンブリに接続されている。
【0100】
最初に、乾燥機サイクルの開始時に、図6に示されるスナップディスクは凹面である。温度が65〜75℃(150〜170°F)に達した場合に、ディスクは変形し、凸面の形を取り、押し棒アセンブリを下に押し、アセンブリの大部分でガスケットを圧縮し、出口オリフィスを閉鎖する。前記室内部のこの位置でゼロ圧が存在し、ピストンが弁の底部に下降し、活性剤がキャビティに充填される。乾燥機温度が約35〜50℃(95〜120°F)に冷却すると、スナップディスクの形は急に本来の形に戻り、凹面である。棒アセンブリおよびピストンが上に動く。棒アセンブリ弁に取り付けたガスケットは上の位置にあり、実際の結果は、乾燥機中で回転する織物に開放した出口オリフィスにより活性剤のスプレーが分散される。
【0101】
この結果は図7に示される。
【0102】
この装置はすぐれた再現性を有する活性組成物5mlまでの生成物用量(ピストンおよび弁室の大きさに依存する)を分散する。前記物質は、アクチュエーターまたはスプートとして当業者に知られた、機械的分解ボタンを使用して、スプレーミスト、噴霧流、またはその中間生成物の形で分散することができる。
【0103】
装置およびアセンブリの全体は図8に示され、ドアに固定された装置を有する本発明による衣類乾燥機の写真である。選択的に前記アセンブリは、この容器/分散器アセンブリの組み込まれた設備を有する本発明による衣類乾燥機の構造に組み込むことができる。
【0104】
例2
例1に記載される分散器を有する衣類乾燥機中で織物を処理するための香料付与柔軟剤組成物の使用法
以下に記載する成分を、以下に示される割合で有する香料付与柔軟剤組成物を成分の混合により製造した。成分3〜15から形成されるこうして得られた組成物の香料は、より特徴的な桃、パイナップル、青リンゴ、ジャスミン、ばらおよび緑の葉のニュアンスを有するフルーティー/フローラル/グリーンの香りを示すと記載された。
成分 名称 質量%
1 インクロソフトTSO−90** 24.96
2 イソプロピルミリステート 24.96
3 テトラリノール 24.49
4 ヘディオン* 7.90
5 ハバノリド* 6.32
6 ゲラニオール 3.16
7 アリルシクロヘキシルプロピオネート 1.58
8 イソボルニルアセテート 1.58
9 ベルトン* 1.58
10 ルボフィクス* 1.58
11 シス−3−ヘキセニルアセテート 0.63
12 ジヒドロミルセノール 0.47
13 ベンジルアセテート 0.47
14 ガルバノレンスーパー* 0.16
15 スケンテナール* 0.16
合計 100.00
* Firmenich社、ジュネーブ、スイス
** カチオン性織物柔軟剤活性剤/しわ防止剤、メチル(ジオレイルアミドエチル)[ポリオキシエチル]アンモニウムメチルスルフェート(90%)およびイソプロパノール(10%)、Coda社、として販売されている。化学構造を以下に示す。
【0105】
【化1】

【0106】
前記組成物正確に100mlを浸漬管およびアクチュエーターのない標準値アセンブリを有する4オンスエーロゾル缶に入れた。標準値アセンブリの取り付けカップで缶に切り込みを入れ、缶の内部を不活性ガスで60psiに圧縮した。引き続き缶を図5に示されるスナップディスクアセンブリを有する分散装置に、この図に示された位置に入れ、缶の弁が温度活性化スナップディスクにより駆動するこの図に示される手段により噴霧できた。引き続き分散装置全体を図8に示されるように衣類乾燥機ドアに固定し、乾燥機での乾燥サイクルの間に織物の標準負荷物を処理するために使用した。
【0107】
比較のために、3つの他の織物柔軟剤処理の変性を、これ以後比較織物1、2および3と記載する3つの同じ織物負荷物に適用し、これらを3つの通常の洗濯機中で処理し、本発明の乾燥機と同様に分散機が備えられていない乾燥機中で通常の方法で乾燥した。使用した他の変形を以下の表に示す。
【0108】
【表2】

【0109】
使用した香料成分はすべての場合に同じであり、前記3〜15であり、同じ相対的割合であった。3つの比較柔軟処理において、織物処理で付加的なカチオン柔軟剤活性剤も、イソボルニルミリステートも使用しなかった。乾燥機シートの場合に、乾燥機で柔軟処理を実施したが、液体柔軟剤を使用して、織物を生成物の不在で乾燥した。以下の表はそれぞれの洗浄、すすぎ、乾燥機サイクルに使用される成分の濃度を示す。
【0110】
【表3】

【0111】
織物処理法は以下のとおりであった。
【0112】
通常の粉末洗剤(62g)を4つのMaytagタイプ頭部充填洗濯機に添加した。それぞれの洗濯機を規則的サイクルで配置し、微温の水(80°F)を充填した。10個の綿のテリータオル(1.2kg)をそれぞれの洗濯機に添加した。1つの洗濯サイクルを実施し、すすぎおよび脱水サイクルを続けた。洗濯時間は14分であった。
【0113】
比較液体織物柔軟剤試料2および3、すなわち超液体柔軟剤2(30g)および通常の液体柔軟剤3(100g)をすすぎサイクルの直前にそれぞれ洗濯機2および3に添加した。両方の場合に、タオルをMaytag前面充填乾燥機に入れ、60分乾燥した(時間に合わせた乾燥)。
【0114】
比較乾燥機シート1(2g)を乾燥機1織物負荷物に添加し、本発明のドアに取り付けた分散装置を有する乾燥機中で、本発明の自動的複合負荷再充填可能な分散装置を使用した。
【0115】
本発明の乾燥機において、冷却サイクル(約100°F)の最後の3分前に本発明の分散装置でそれぞれの織物に香料および織物柔軟剤(2g)を噴霧した。
【0116】
すべての乾燥機からタオルを除去し、プラスチック容器の頭部に入れ、1週間老化した。タオルを盲試験で専門の評価者のパネルにより、乾燥機から出した場合と1週間の老化工程の後に評価した。
【0117】
1週間後に老化した織物から蒸発する揮発性香料の量を確定するために、1週間老化した乾燥タオルで動的ヘッドスペース分析を実施した。
【0118】
センサ評価法
17人のパネルからそれぞれ専門の評価者が盲試験で、乾燥機から出した場合と1週間容器に貯蔵した後の乾燥タオルで知覚される臭いの強さの著しい相違を見出すか決定させた。評価者は知覚した臭いの強度を以下に記載する0〜100の尺度で評価させた。
100=極端に強い
90=非常に強い
80=きわめて強い
70=かなり強い
60=強い
50=中程度
40=少し弱い
30=弱い
20=きわめて弱い
10=知覚できる
0=臭いなし。
【0119】
評価の結果を以下の表に記載する。
【0120】
【表4】

【0121】
本発明に記載される分散装置を有する乾燥機中で、本発明の方法により処理した織物がパネルにより乾燥サイクル直後および洗濯/乾燥処理の1週間後のこの両方で、織物のすべての比較負荷よりはるかに強い臭いを生じると知覚されたことが前記結果から明らかである。実際に17人の評価者の中から17人が本発明により処理されたタオルを選択し、本発明により処理されたタオルが通常の処理されたタオルよりすぐれた織物の芳香および柔軟性を生じる改良を示す。
【0122】
更に知覚された強い芳香のほかに、本発明の方法により処理された織物が有利である理由を更に示すよう求められた場合に、すべてのパネリストはこれらの織物の臭いが通常処理された織物の臭いより新鮮で、澄んだ、より安定した、フルーティーで、フローラルであることを示し、全体として通常処理された織物で知覚されるアミン/魚くさい臭いを回避する。
【0123】
これは1週間老化した乾燥織物の場合に見出された。再び17人の評価者の中の17人が本発明により処理した1週間老化したタオルを選択した。彼らはこれらの織物が通常の乾燥機シートおよび液体柔軟剤手段で処理された織物に比べて強い/新鮮な臭いを生じることを示した。
【0124】
ヘッドスペース分析評価
すべての場合に使用される方法は以下のとおりである。
【0125】
乾燥タオルを1リットルガラスヘッドスペース装置に入れた。ヘッドスペース蒸気を収集し、130cc/分の一定の気流で目盛り付き試料ポンプを使用して40℃で10分にわたり吸着剤管(100mgTenax)上で濃縮した。Perkin Elmer自動的熱脱着装置(ATD400)を使用して、収集した材料を管からPerkin Elmer TurbomassGCMSに移した。ATD400を、20ml/分の出口間隙で220℃、10分の脱着工程に使用した。溶離化合物をFIDおよびMS検出器に分配した。JandWDB1カラム(30m×0.32μm×1μm)を使用してクロマトグラフィーを行った。FID保留時間および参照質量スペクトルライブラリーとの質量スペクトル比較を使用してヘッドスペース成分を確認した。同じ洗濯からの2〜3個の他のタオルで平均相対的面積数についての分析を繰り返した。
【0126】
以下の表は乾燥織物老化週間で測定される前記芳香剤に存在するそれぞれの成分の分析の結果を記載する。
【0127】
【表5】

【0128】
前記表から理解されるように、本発明の自動的複合負荷再充填可能な装置が織物処理に使用される通常の柔軟剤、すなわち乾燥機シートまたは液体織物柔軟剤より乾燥織物で著しく多くの芳香成分を付与する。前記表の詳しい試験は乾燥織物でのいわゆるトップノート、すなわち織物を通常乾燥する場合に典型的に失われる芳香成分のタイプの改良された存在を示す。実際に本発明の方法および工程により織物が処理される場合に、織物に存在する著しく多くの量のテトラリノール、ゲラニオール、イソボルニルアセテート、ピポールアセテート、ジヒドロミルセノール、ベンジルアセテート、ガルバノレンスーパーの検出が認められ、他方で香料のいわゆるミドルノートおよびボトムノートを形成する他のすべての成分の改良された推移がなお認められる。
【0129】
これらの結果は以下の表に、前記のような分散装置および衣類乾燥機による本発明による織物処理法での全部の香料性能に関して更に示される。
【0130】
以下の表から理解されるように、本発明の自動的複合負荷再充填装置は乾燥織物で著しく多くの全体的香料を提供する。実際に前記装置は、乾燥機シートより661倍大きい香料を生じ、液体柔軟剤より約365〜1181倍大きい香料を生じる。
【0131】
【表6】

【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】衣類の負荷物を乾燥する場合の衣類乾燥機内部の温度と時間の条件を示すグラフである。
【図2】所定の温度が満たされた場合の衣類乾燥機への活性剤(例えば香袋)の放出に関係する本発明の装置の1つの例である。
【図3】1つ以上の乾燥機段階が終了した後に活性剤を付与できる本発明の装置の他の例である。
【図4】加熱サイクルが終了した後に乾燥機の冷却を開始する場合に、活性剤を分散する本発明の他の例である。
【図5】織物に分散する1つ以上の活性剤の容器を有する分散装置の1つの有利な構成の横断面図および平面図である。
【図6】図5のスナップディスクアセンブリの拡大した横断面図である。
【図7】サイクルの開始から噴霧により織物に活性剤を付与するまでの連続工程を示す図である。
【図8】織物に活性処理剤を分散するための本発明の装置を有する衣類乾燥機の2つの図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
織物香料付与、再生および/またはしわ防止活性剤を織物に付与する方法であり、前記方法は、衣類乾燥機中で活性剤を織物に付与することからなり、前記乾燥機が温度および/または時間に応答する自動的分散器を有し、前記分散器が織物に活性剤を付与することができ、こうして織物に再生、香料付与および/またはしわ防止特性を備える、織物香料付与、再生および/またはしわ防止活性剤を織物に付与する方法。
【請求項2】
活性剤を20〜65℃(70〜145°F)の範囲の温度で織物に塗装する請求項1記載の方法。
【請求項3】
自動的分散器が熱変形可能なスナップディスクを有する請求項2記載の方法。
【請求項4】
再生またはしわ防止活性剤が芳香付与剤を含み、再生またはしわ防止剤が塗装される場合に織物が芳香付与される請求項1記載の方法。
【請求項5】
再生活性剤が過酸化物漂白剤を含む請求項1記載の方法。
【請求項6】
乾燥機中に配置された容器に再生活性剤を最初に入れ、その際所望の温度に達するまで容器から再生活性剤を放出しない請求項5記載の方法。
【請求項7】
乾燥機中に配置される容器にしわ防止活性剤を最初に入れ、その際所望の温度に達するまで容器からしわ防止活性剤を放出しない請求項1記載の方法。
【請求項8】
織物芳香付与、再生および/またはしわ防止活性剤を織物に付与するための生成物であり、前記生成物は前記活性剤を、織物を処理するために十分な量で含有し、容器が前記活性剤を保持するが、所望の温度に達するまで前記活性剤を放出せず、通常の衣類乾燥機中に容器が配置され、所望の温度に達した場合に、乾燥機により生じる熱および回転作用により容器が開放して織物に活性剤を付与し、乾燥機が前記活性剤を織物に湿っている間に分配し、こうして織物に香料付与、再生および/またはしわ防止特性を備える、織物芳香付与、再生および/またはしわ防止活性剤を織物に付与するための生成物。
【請求項9】
活性剤を放出するための所望の温度が20〜65℃(70〜145°F)の範囲である請求項8記載の生成物。
【請求項10】
再生活性剤が芳香付与剤を含み、再生剤が塗装された場合に、織物が芳香付与される請求項8記載の生成物。
【請求項11】
再生活性剤が過酸化水素を含む請求項8記載の生成物。
【請求項12】
請求項8記載の生成物を有する衣類乾燥機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−504096(P2008−504096A)
【公表日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−518722(P2007−518722)
【出願日】平成17年6月28日(2005.6.28)
【国際出願番号】PCT/IB2005/001823
【国際公開番号】WO2006/006016
【国際公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【出願人】(390009287)フイルメニツヒ ソシエテ アノニム (146)
【氏名又は名称原語表記】FIRMENICH SA
【住所又は居所原語表記】1,route des Jeunes, CH−1211 Geneve 8, Switzerland
【Fターム(参考)】