説明

表示制御装置およびそのプログラム

【課題】 新たにアプリケーションを起動してアプリ画面を表示する際に、ユーザ操作によって表示画面を移動させるといった煩雑な操作を不要とする。
【解決手段】 PC100は、複数のアプリケーションの優先順位を管理する。既に1つのアプリケーションが起動済みでありそのアプリ画面が表示されている状態で、新たにアプリケーションを起動する場合に、CPU2は、新たに起動するアプリケーションプの優先順位が、既に起動済みのアプリケーションの優先順位よりも高いかを判断し、高い場合、既に起動済みのアプリケーションのアプリ画面を非優先ディスプレイに表示し、新たに起動するアプリケーションのアプリ画面を前記優先ディスプレイに表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1ディスプレイ及び第2ディスプレイに表示画面を表示させる表示制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
2つのディスプレイが接続可能なパーソナルコンピュータ(以下、PCという。)が利用されており、2つのディスプレイにはそれぞれ異なる画像データを表示することができる。すなわち、あるアプリ画面は第1ディスプレイに表示され、別のアプリ画面は第2ディスプレイに表示される。新たにアプリケーションを起動する際にアプリ画面が第1ディスプレイ又は第2ディスプレイに表示されるが、どちらのディスプレイに表示されるかはOS(オペレーティングシステム)の処理によって決定される。このとき、既に起動済みのアプリケーションのアプリ画面と、新たに起動するアプリケーションのアプリ画面との関係性が判別されることはなく、単に第1ディスプレイ又は第2ディスプレイの一方に表示される。そのため、状況によってはユーザにとって使い勝手の悪い表示位置に、新たに起動するアプリケーションのアプリ画面が表示されてしまうことがある。その場合に、ユーザ操作によって、アプリ画面の表示位置を変更する必要があり、煩雑である。
【0003】
例えば、インターネット検索アプリ(検索エンジン)のアプリ画面が第1ディスプレイに表示されている状態で、新たに動画再生アプリ(例えばDVD再生アプリ)を起動する場合に、動画再生アプリのアプリ画面が第2ディスプレイに表示されることがある。ここで、第1ディスプレイの方が第2ディスプレイよりも対応解像度が高く、しかも、HDMIやDVI等の高品質な映像信号ラインを介して接続されているために、動画再生に適しているとする。この場合、第1ディスプレイで動画を再生することをユーザが希望する場合、ユーザ操作によって、インターネット検索アプリのアプリ画面を第2ディスプレイに移動させ、動画再生アプリのアプリ画面を第1ディスプレイに移動させる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−305262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、新たにアプリケーションを起動してアプリ画面を表示する際に、ユーザ操作によって表示画面を移動させるといった煩雑な操作を不要とする表示制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の好ましい実施形態による表示制御装置は、優先ディスプレイおよび非優先ディスプレイが接続可能であり、前記優先ディスプレイおよび前記非優先ディスプレイのいずれか一方にアプリケーション画面を表示させる表示制御装置であって、複数のアプリケーションプログラムの優先順位を管理する優先順位管理手段と、既に1つのアプリケーションプログラムが起動済みでありそのアプリケーション画面が前記優先ディスプレイまたは前記非優先ディスプレイに表示されている状態で、新たにアプリケーションプログラムが起動される場合、新たに起動するアプリケーションプログラムの優先順位が、既に起動済みのアプリケーションプログラムの優先順位よりも高いか否かを、前記優先順位管理手段の管理内容に基づいて判断する優先順位判断手段と、新たに起動するアプリケーションプログラムの優先順位が、既に起動済みのアプリケーションプログラムの優先順位よりも高いと判断された場合、既に起動済みのアプリケーションプログラムのアプリケーション画面を前記非優先ディスプレイに表示し、新たに起動するアプリケーションプログラムのアプリケーション画面を前記優先ディスプレイに表示する表示制御手段とを備える。
【0007】
優先順位が高い方のアプリケーションプログラムのアプリケーション画面が優先ディスプレイに表示され、優先順位が低い方のアプリケーションプログラムのアプリケーション画面が非優先ディスプレイに表示される。従って、アプリケーション画面が表示された後に、ユーザ操作によって、アプリケーション画面の表示位置を移動させる必要が無く、簡便化することができる。
【0008】
好ましい実施形態においては、新たに起動するアプリケーションプログラムの優先順位が、既に起動済みのアプリケーションプログラムの優先順位よりも低いと判断された場合、前記優先ディスプレイと前記非優先ディスプレイとのうち、前記表示制御手段が、既に起動済みのアプリケーションプログラムのアプリケーション画面が表示されているディスプレイとは異なる方のディスプレイに、新たに起動するアプリケーションプログラムのアプリケーション画面を表示する。
【0009】
好ましい実施形態においては、既に複数のアプリケーションプログラムが起動済みでありそれらのアプリケーション画面が前記優先ディスプレイまたは前記非優先ディスプレイに表示されている状態で、新たにアプリケーションプログラムが起動される場合、動画再生アプリケーションプログラムが起動済みであって動画を再生中であるか否かを判断する手段をさらに備え、動画再生アプリケーションプログラムが起動済みであって動画を再生中であると判断された場合、前記表示制御手段が、前記優先ディスプレイと前記非優先ディスプレイとのうち、前記動画再生アプリケーションプログラムのアプリケーション画面が表示されているディスプレイとは異なる方のディスプレイに、新たに起動するアプリケーションプログラムのアプリケーション画面を表示する。
【0010】
この場合、再生中の動画が、新たに起動するアプリケーションプログラムのアプリケーション画面によって隠されてしまい、表示されなくなることを防止できる。
【0011】
好ましい実施形態においては、インターネット検索アプリケーションプログラムと音楽再生アプリケーションプログラムとが起動済みであり、それらのアプリケーション画面が前記優先ディスプレイまたは前記非優先ディスプレイに表示されている状態で、前記音楽再生アプリケーションプログラムが音楽コンテンツを再生中であり、かつ、前記インターネット検索アプリケーションプログラムが、前記音楽再生アプリケーションプログラムが再生中の音楽コンテンツに関連性のある情報をユーザ操作に応じて検索しているか否かを判断する手段をさらに備え、前記音楽再生アプリケーションプログラムが音楽コンテンツを再生中であり、かつ、前記インターネット検索アプリケーションプログラムが、前記音楽再生アプリケーションプログラムが再生中の音楽コンテンツに関連性のある情報を検索していると判断された場合、前記表示制御手段が、前記インターネット検索アプリケーションプログラムと前記音楽再生アプリケーションプログラムとのうち、前記優先順位管理手段の管理内容に基づいて、優先順位が高い方のアプリケーションプログラムを前記優先ディスプレイに表示し、優先順位が低い方のアプリケーションプログラムを前記非優先ディスプレイに表示する。
【0012】
この場合、音楽コンテンツを再生中の音楽再生アプリケーションプログラムのアプリケーション画面と、再生中の音楽コンテンツの情報を検索しているインターネット検索アプリケーションプログラムのアプリケーション画面とが異なる画面に表示される。従って、ユーザ操作によって、音楽再生アプリケーションプログラムのアプリケーション画面、および、インターネット検索アプリケーションプログラムのアプリケーション画面の表示位置を移動させる必要が無く、簡便化することができる。
【発明の効果】
【0013】
新たにアプリケーションを起動してアプリ画面を表示する際に、ユーザ操作によって表示画面を移動させるといった煩雑な操作を不要とする表示制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】PC100の構成を示すブロック図である。
【図2】優先順位テーブルを示す図である。
【図3】CPU2の処理を示すフローチャートである。
【図4】図3の処理に対応するアプリ画面の表示態様を示す模式図である。
【図5】図3の処理に対応するアプリ画面の表示態様を示す模式図である。
【図6】CPU2の処理を示すフローチャートである。
【図7】図6の処理に対応するアプリ画面の表示態様を示す模式図である。
【図8】CPU2の処理を示すフローチャートである。
【図9】図8の処理に対応するアプリ画面の表示態様を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好ましい実施形態による電子機器の一例であるパーソナルコンピュータ(以下、PCという。)100について説明する。図1は、PC100の構成を示す概略ブロック図である。PC100は、CPU(制御部)2と、メモリ3(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)と、ブリッジ4と、HDD5と、マウス6と、キーボード7と、ビデオバッファ8と、映像出力部9A、9Bとを備える。映像出力部9Aには第1ディスプレイ10Aが接続可能であり、映像出力部9Bには第2ディスプレイ10Bが接続可能である。なお、第1ディスプレイ10Aおよび第2ディスプレイ10Bは、PC100に内蔵されていてもよい。
【0016】
CPU2は、HDD5にインストールされているOS(オペレーティングシステム)やアプリケーションプログラム(以下、単に、アプリケーション又はアプリということがある。)を実行し、PC100の各部を制御する。CPU2は、OS、アプリケーション、および、アイコン等の表示画面データをHDD5から読み出し、ビデオバッファ8に格納する。CPU2は、ビデオバッファ8内で、第1ディスプレイ10A用の表示画面データを生成し、画像出力部9Aを介して第1ディスプレイ10Aに供給する。また、CPU2は、ビデオバッファ8内で、第2ディスプレイ10B用の表示画面データを生成し、画像出力部9Bを介して第2ディスプレイ10Bに供給する。第1ディスプレイ10Aおよび第2ディスプレイ10Bに表示される表示画面データは、それぞれ異なっている。
【0017】
画像出力部9Aと第1ディスプレイ10Aとは、画像データを送受信するための映像信号ラインを介して接続されている。画像出力部9Bと第2ディスプレイ10Bとは、画像データを送受信するための映像信号ラインを介して接続されている。
【0018】
メモリ3またはHDD5には、図2に示す優先順位テーブルが格納されている。優先順位テーブルは、各アプリケーションについて、優先ディスプレイにアプリ画面を表示する優先順位を示すテーブルであり、優先順位に対応付けてアプリケーション名等の識別情報が登録されている。図2においては、優先順位は、アプリA(例えばDVD再生アプリ等の動画再生アプリ)、アプリB、アプリC(音楽再生アプリ)、アプリD(音楽再生アプリ)の順になっている。例えば、アプリE(インターネット検索アプリ(検索エンジン))は優先順位テーブルに登録されてない。
【0019】
優先ディスプレイとは、優先順位テーブルに登録されているアプリのアプリ画面を優先的に表示させるディスプレイである。優先ディスプレイは、例えば、動画像の表示に適したディスプレイであり、対応解像度が高いディスプレイ、あるいは、画面サイズの大きいディスプレイ、あるいは、HDMIやDVI等の画質の高いデジタル映像信号ラインを介してPC100と接続されているディスプレイ等である。優先ディスプレイではない方のディスプレイを非優先ディスプレイという。
【0020】
どちらのディスプレイが優先ディスプレイであるかは、CPU2が各ディスプレイから解像度情報や画面サイズ情報を取得し、または、接続に使用されている映像信号ラインの種類を周知の技術によって判別することによって、自動的に特定して設定する。あるいは、ユーザ操作によって優先ディスプレイが設定可能であってもよい。本例では、第1ディスプレイが優先ディスプレイであり、第2ディスプレイが非優先ディスプレイである。
【0021】
CPU2は、既に1つのアプリケーションが起動済みでありそのアプリ画面が第1ディスプレイ10Aまたは第2ディスプレイ10Bに表示されている状態で、新たに別のアプリケーションが起動される場合、新たに起動するアプリケーションの優先順位が、既に起動済みのアプリケーションの優先順位よりも高いか否かを、優先順位テーブルに基づいて判断する。新たに起動するアプリケーションの優先順位が、既に起動済みのアプリケーションの優先順位よりも高い場合、CPU2は、既に起動済みのアプリケーションのアプリ画面を非優先ディスプレイである第2ディスプレイ10Bに表示し、新たに起動するアプリケーションのアプリ画面を優先ディスプレイである第1ディスプレイ10Aに表示する。一方、新たに起動するアプリケーションの優先順位が、既に起動済みのアプリケーションの優先順位よりも低い場合、CPU2は、第1ディスプレイ10Aと第2ディスプレイ10Bとのうち、既に起動済みのアプリケーションのアプリ画面が表示されているディスプレイとは異なる方のディスプレイに、新たに起動するアプリケーションのアプリ画面を表示する。
【0022】
また、CPU2は、既に複数のアプリケーションが起動済みでありそれらのアプリ画面が第1ディスプレイ10Aまたは第2ディスプレイ10Bに表示されている状態で、新たに別のアプリケーションが起動される場合、動画再生アプリが起動済みであってそれが動画データを再生中であるか否かを判断する。動画再生アプリが起動済みであって動画データを再生中である場合、CPU2は、第1ディスプレイ10Aと第2ディスプレイ10Bとのうち、動画再生アプリのアプリ画面が表示されているディスプレイとは異なる方のディスプレイに、新たに起動するアプリケーションのアプリ画面を表示する。
【0023】
また、CPU2は、インターネット検索アプリと音楽再生アプリとが起動済みであり、それらのアプリ画面が第1ディスプレイ10Aまたは第2ディスプレイ10Bに表示されている状態で、音楽再生アプリが音楽コンテンツを再生中であり、かつ、インターネット検索アプリが、音楽再生アプリが再生中の音楽コンテンツに関連性のある情報をユーザ操作に応じて検索しているか否かを判断する。音楽再生アプリが音楽コンテンツを再生中であり、かつ、インターネット検索アプリが、音楽再生アプリが再生中の音楽コンテンツに関連性のある情報を検索している場合、CPU2は、インターネット検索アプリと音楽再生アプリとのうち、優先順位テーブルに基づいて、優先順位が高い方のアプリケーションを優先ディスプレイである第1ディスプレイ10Aに表示し、優先順位が低い方のアプリケーションを非優先ディスプレイである第2ディスプレイ10Bに表示する。
【0024】
次に、本例の動作を説明する。図3は、CPU2の処理を示すフローチャートである。ユーザ操作によってアプリケーションの起動指示が入力され、アプリケーションを新たに起動する場合(S1)、CPU2は、既に起動済みでありそのアプリ画面がディスプレイに表示されているアプリケーションの数は0か(つまり、他のアプリケーションのアプリ画面が未だ表示されていないか)否かを判断する(S2)。なお、アプリ画面が表示されておらず、バックグランドで常駐しているようなアプリケーションはここでは含めない。
【0025】
起動済みでありアプリ画面が表示されているアプリケーションが存在しない場合(S2でYES)、CPU2は今回新たに起動するアプリケーションが優先順位テーブルに登録されているか否かを判断する(S3)。優先順位テーブルに登録されている場合(S3でYES)、今回新たに起動するアプリケーションのアプリ画面は優先ディスプレイに表示すべきであると判断される。従って、CPU2は、アプリ画面を、優先ディスプレイである第1ディスプレイ10Aに表示させる(S4)。例えば、今回新たに起動するアプリケーションがアプリDである場合、図2を参照すると優先順位テーブルに登録されている。従って、図4(A)に示すように、アプリDのアプリ画面を第1ディスプレイ10Aに表示させる。
【0026】
一方、優先順位テーブルに登録されていない場合(S3でNO)、CPU2は、OSの動作による通常処理によって、第1ディスプレイ10Aまたは第2ディスプレイ10Bにアプリ画面を表示する(S5)。この処理は、従来と同じである。
【0027】
S2の説明に戻って、起動済みでありアプリ画面が表示されているアプリケーションが存在する場合(S2でNO)、CPU2は、起動済みでありアプリ画面が表示されているアプリケーションが1つのみであるか否かを判断する(S6)。つまり、一方のディスプレイにはアプリ画面が表示されており、他方のディスプレイにはアプリ画面が表示されていない状態であるかが判断される。起動済みでありアプリ画面が表示されているアプリケーションが1つのみではなく、2つ以上である場合(S6でNO)、処理はS20に進むが、この処理は図6を参照して後述する。一方、1つのみである場合(S6でYES)、CPU2は、今回新たに起動するアプリケーションが優先順位テーブルに登録されているか否かを判断する(S7)。
【0028】
今回新たに起動するアプリケーションが優先順位テーブルに登録されている場合(S7でYES)、CPU2は、今回新たに起動するアプリケーションの優先順位が、既に起動済みでアプリ画面が表示されているアプリケーションの優先順位よりも高いか否かを、優先順位テーブルを参照して判断する(S8)。今回新たに起動するアプリケーションの優先順位が、既に起動済みでアプリ画面が表示されているアプリケーションの優先順位よりも高い場合(S8でYES)、CPU2は、起動済みでありアプリ画面が表示されているアプリケーションのアプリ画面を非優先ディスプレイである第2ディスプレイ10Bに表示する(S9)。すなわち、起動済みのアプリケーションのアプリ画面が第1ディスプレイ10Aに表示されている場合、第1ディスプレイ10Aから第2ディスプレイ10Bに表示位置を移動させる。
【0029】
例えば、既に起動済みでありアプリ画面が表示されているアプリケーションがアプリD(例えば、第1ディスプレイ10Aに表示されている)であり、今回新たに起動するアプリケーションがアプリAである場合、図2の優先順位テーブルを参照すると、今回新たに起動するアプリAの方が、優先順位が高い。従って、図4(A)および(B)に示すように、アプリDのアプリ画面を第1ディスプレイ10Aから第2ディスプレイ10Bに表示位置を移動させ、かつ、アプリAのアプリ画面を第1ディスプレイ10Aに表示する。
【0030】
S7の説明に戻り、今回新たに起動するアプリケーションが優先順位テーブルに登録されていない場合(S7でNO)、CPU2は、今回新たに起動するアプリケーションのアプリ画面を、起動済みであるアプリケーションのアプリ画面が表示されているディスプレイとは異なる方のディスプレイに表示する(S11)。例えば、今回新たに起動するアプリケーションがアプリEである場合、図2を参照すると、アプリEは優先順位テーブルに登録されていない。従って、既に起動済みのアプリケーションのアプリ画面が図5(A)のように第1ディスプレイ10Aに表示されている場合、図5(B)に示すように、アプリEのアプリ画面を第2ディスプレイ10Bに表示する。
【0031】
S8において、今回新たに起動するアプリケーションの優先順位が起動済みのアプリケーションの優先順位よりも低い場合(S8でNO)、CPU2は、今回新たに起動するアプリケーションのアプリ画面を、起動済みであるアプリケーションのアプリ画面が表示されているディスプレイとは異なる方のディスプレイに表示する(S11)。例えば、今回新たに起動するアプリケーションがアプリDであり、既に起動済みのアプリケーションがアプリBである場合、図2を参照すると、今回起動するアプリDの方が、優先順位が低い。従って、既に起動済みのアプリケーションのアプリ画面が第1ディスプレイ10Aに表示されている場合、アプリDのアプリ画面を第2ディスプレイ10Bに表示する。
【0032】
図6は、S20の処理(すなわち、起動済みでありそのアプリ画面が表示されているアプリケーションが2以上存在する場合の処理)を示すフローチャートである。CPU2は、起動済みでありアプリ画面が表示されているアプリケーションの中で動作中のアプリケーションが存在するか否かを判断する(S21)。動作中とは、アプリケーションの機能を実行している状態であり、特に限定されないが、コンテンツ(動画、音楽、写真等)の再生、記録、転送、変換の各処理、コンテンツ情報の取得処理、インターネット経由の検索処理等を意味する。すなわち、アプリケーションが単に起動済みであるのみで機能を実行していない状態は動作中とは言わない。動作中のアプリケーションが存在する場合(S21でYES)、CPU2は、動作中のアプリケーションが動画再生アプリ(例えばDVD再生アプリ等)であるか否かを判断する(S22)。各アプリケーションが動画再生アプリであるか否かの情報はCPU2がメモリやHDD上で管理して把握している。
【0033】
動作中のアプリケーションが動画再生アプリである場合(S22でYES)、CPU2は、今回新たに起動するアプリケーションのアプリ画面を、動画アプリのアプリ画面が表示されているディスプレイとは異なる方のディスプレイに表示する(S23)。例えば、図7(A)に示すように、動作中の動画再生アプリであるアプリAのアプリ画面が第1ディスプレイ10Aに表示され、アプリDのアプリ画面が第2ディスプレイ10Bに表示されているとする。ここで、今回新たにアプリEが起動する場合、図7(B)に示すように、アプリEのアプリ画面は、アプリAが表示されていない方の第2ディスプレイ10Bに表示される。これにより、新たに起動するアプリケーションのアプリ画面が表示されることによって、動画再生アプリが再生する動画が隠れてしまい、表示されなくなることを防止できる。
【0034】
S21において、動作中のアプリケーションが存在しない場合(S21でNO)、および、S22において、動作中のアプリケーションが動画再生アプリではない場合(S22でNO)、CPU2は、今回新たに起動するアプリケーションが優先順位テーブルに登録されているか否かを判断する(S24)。登録されている場合(S24でYES)、CPU2は、今回新たに起動するアプリケーションのアプリ画面を優先ディスプレイである第1ディスプレイ10Aに表示する(S25)。登録されていない場合(S24でNO)、CPU2は、今回新たに起動するアプリケーションのアプリ画面を通常処理にて第1ディスプレイ10A又は第2ディスプレイ10Bに表示する(S26)。
【0035】
図8は、音楽再生アプリが音楽コンテンツを再生中であり、かつ、インターネット検索アプリが検索を実行する際のアプリ画面の表示処理を示すフローチャートである。CPU2は、ユーザ操作に応じて、インターネット検索アプリ(検索エンジン)が起動済みでありそのアプリ画面が表示され、かつ、検索を実行しているか否かを判断する(S31)。検索を実行している状態とは、検索に使用するキーワードがユーザ操作によってインターネット検索アプリのアプリ画面に入力された状態である、又は、検索が実行され検索結果のインターネットサイトの一覧をサーバから取得し表示されている状態である。インターネット検索アプリが検索を実行していない場合(S31でNO)、処理を終了する。
【0036】
インターネット検索アプリが検索を実行している場合(S31でYES)、CPU2は、動画再生アプリは動作を停止しているか否かを判断する(S32)。動画再生アプリが動作している(つまり動画を再生中である)場合(S32でNO)、音楽再生アプリのアプリ画面と、インターネット検索アプリのアプリ画面とをそれぞれ異なるディスプレイに表示し、これらのアプリ画面を最前面に表示すると、再生中の動画が表示されなくなってしまう。従って、動画再生アプリが動作している場合(S32でNO)、処理を終了する。
【0037】
動画再生アプリが動作を停止している場合(S32でYES)、CPU2は、音楽再生アプリが起動済みでありそのアプリ画面が表示され、かつ、動作している(詳細には音楽コンテンツを再生中である)か否かを判断する(S33)。音楽再生アプリが動作していない場合(S33でNO)、処理を終了する。音楽再生アプリが音楽コンテンツを再生している場合(S33でYES)、CPU2は、インターネット検索アプリのアプリ画面と音楽再生アプリのアプリ画面とが同じディスプレイに表示されているか否かを判断する(S34)。異なるディスプレイに表示されている場合(S34NO)、処理を終了する。
【0038】
同じディスプレイに表示されている場合(S34でYES)、CPU2は、音楽再生アプリが現在再生中の曲のコンテンツ情報(例えば、曲名、アーティスト名、アルバム名等)が、インターネット検索アプリのアプリ画面に入力されている検索用のキーワード(あるいは、検索が実行された結果であるインターネットサイトの一覧の文字列)と関連性があるか否かを判断する(S35)。関連性があるとは、再生中の曲のコンテンツ情報が、検索用キーワードや検索結果の文字列に部分的又は完全に一致すること、および/または、コンテンツ情報に類似(関連)する単語をHDDに格納された単語テーブルに登録しておき、その単語が検索用キーワードや検索結果の文字列に部分的又は完全に一致すること等を意味する。
【0039】
関連性がない場合(S35でNO)、処理を終了する。一方、関連性がある場合(S35でYES)、CPU2は、音楽再生アプリとインターネット検索アプリとの優先順位を、図2の優先順位テーブルを参照して判定し、優先順位が高い方のアプリケーションのアプリ画面を優先ディスプレイである第1ディスプレイ10Aに表示し、優先順位が低い方のアプリケーションのアプリ画面を第2ディスプレイ10Bに表示する(S36)。
【0040】
例えば、図9(A)を参照すると、アプリB(動画再生アプリではない)のアプリ画面が第1ディスプレイ10Aに表示され、アプリD(音楽再生アプリ)のアプリ画面、および、アプリE(インターネット検索アプリ)のアプリ画面が第2ディスプレイ10Bに表示されている。ここで、アプリDが曲を再生しており、アプリEがユーザ操作によってアプリDが再生している曲に関する情報を検索するような場合、図9(B)に示すように、アプリDのアプリ画面と、アプリEのアプリ画面とがそれぞれ異なるディスプレイに表示される。従って、ユーザが、音楽再生アプリのアプリ画面(曲の再生画面)を一方のディスプレイで見ながら、再生中の曲の情報を他方のディスプレイにおいてインターネット経由で検索することができる。なお、図2を参照すると、アプリDは優先順位テーブルに登録されているが、アプリEは優先順位テーブルに登録されていないので、アプリDの方が、優先順位が高いと判断される。従って、アプリDのアプリ画面が優先ディスプレイである第1ディスプレイ10Aに表示され、アプリEのアプリ画面が非優先ディスプレイである第2ディスプレイ10Bに表示される。
【0041】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。本発明は、PCだけでなくTV、カーナビ、携帯電話、ゲーム機、オーディオ等の電子機器にも適用され得る。また、ディスプレイはLCDに限定されず、PDPや有機EL等でもよい。本発明は、上記の処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムおよびそれが記録された記録媒体という形態で提供されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、デスクトップPCやノートPC等に好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0043】
100 PC
2 CPU
3 メモリ
4 ブリッジ
5 HDD
6 マウス
7 キーボード
8 ビデオバッファ
9A、9B 画像出力部
10A 第1ディスプレイ
10B 第2ディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
優先ディスプレイおよび非優先ディスプレイが接続可能であり、前記優先ディスプレイおよび前記非優先ディスプレイのいずれか一方にアプリケーション画面を表示させる表示制御装置であって、
複数のアプリケーションプログラムの優先順位を管理する優先順位管理手段と、
既に1つのアプリケーションプログラムが起動済みでありそのアプリケーション画面が前記優先ディスプレイまたは前記非優先ディスプレイに表示されている状態で、新たにアプリケーションプログラムが起動される場合、新たに起動するアプリケーションプログラムの優先順位が、既に起動済みのアプリケーションプログラムの優先順位よりも高いか否かを、前記優先順位管理手段の管理内容に基づいて判断する優先順位判断手段と、
新たに起動するアプリケーションプログラムの優先順位が、既に起動済みのアプリケーションプログラムの優先順位よりも高いと判断された場合、既に起動済みのアプリケーションプログラムのアプリケーション画面を前記非優先ディスプレイに表示し、新たに起動するアプリケーションプログラムのアプリケーション画面を前記優先ディスプレイに表示する表示制御手段とを備える、表示制御装置。
【請求項2】
新たに起動するアプリケーションプログラムの優先順位が、既に起動済みのアプリケーションプログラムの優先順位よりも低いと判断された場合、前記表示制御手段が、前記優先ディスプレイと前記非優先ディスプレイとのうち、既に起動済みのアプリケーションプログラムのアプリケーション画面が表示されているディスプレイとは異なる方のディスプレイに、新たに起動するアプリケーションプログラムのアプリケーション画面を表示する、請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
既に複数のアプリケーションプログラムが起動済みでありそれらのアプリケーション画面が前記優先ディスプレイまたは前記非優先ディスプレイに表示されている状態で、新たにアプリケーションプログラムが起動される場合、動画再生アプリケーションプログラムが起動済みであって動画を再生中であるか否かを判断する手段をさらに備え、
動画再生アプリケーションプログラムが起動済みであって動画を再生中であると判断された場合、前記表示制御手段が、前記優先ディスプレイと前記非優先ディスプレイとのうち、前記動画再生アプリケーションプログラムのアプリケーション画面が表示されているディスプレイとは異なる方のディスプレイに、新たに起動するアプリケーションプログラムのアプリケーション画面を表示する、請求項1または2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
インターネット検索アプリケーションプログラムと音楽再生アプリケーションプログラムとが起動済みであり、それらのアプリケーション画面が前記優先ディスプレイまたは前記非優先ディスプレイに表示されている状態で、前記音楽再生アプリケーションプログラムが音楽コンテンツを再生中であり、かつ、前記インターネット検索アプリケーションプログラムが、前記音楽再生アプリケーションプログラムが再生中の音楽コンテンツに関連性のある情報をユーザ操作に応じて検索しているか否かを判断する手段をさらに備え、
前記音楽再生アプリケーションプログラムが音楽コンテンツを再生中であり、かつ、前記インターネット検索アプリケーションプログラムが、前記音楽再生アプリケーションプログラムが再生中の音楽コンテンツに関連性のある情報を検索していると判断された場合、前記表示制御手段が、前記インターネット検索アプリケーションプログラムと前記音楽再生アプリケーションプログラムとのうち、前記優先順位管理手段の管理内容に基づいて、優先順位が高い方のアプリケーションプログラムを前記優先ディスプレイに表示し、優先順位が低い方のアプリケーションプログラムを前記非優先ディスプレイに表示する、請求項1〜3のいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の表示制御装置の各手段をコンピュータに実行させる、表示制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−198816(P2012−198816A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−63322(P2011−63322)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(710014351)オンキヨー株式会社 (226)
【Fターム(参考)】