説明

表示札付き球根包装体及び球根包装体

【課題】球根包装体への表示札の取り付け作業を行う作業者の負担軽減を図りつつ、その取り付け作業を容易化する。
【解決手段】球根包装体10は、球根11が入れられている袋部15と、袋部15を閉鎖するためのフラップ部16とを有している。袋部15において第1シート部21と第2シート部22とは、内部空間18及び開口部19を挟んで向かい合っている。フラップ部16は第2シート部22の開放端から袋部15の開放側に向けて延出しており、その自由端側が第1シート部21の外側面の第1粘着部31に貼付されることにより開口部19を閉鎖している。第2シート部22の外側面には第2粘着部45が設けられており、第2粘着部45には表示札40が接着されている。この場合、袋部15の外周面において第1粘着部31とは開口部19を挟んで反対側に表示札40が貼付されていることになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示札付き球根包装体及び球根包装体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
店舗等において植物の球根が商品として陳列されている場合、その球根は袋部に入れられていることが多い。例えば特許文献1には、球根を入れた袋部の開口部が袋内部に対して折り返され、その折り返し部分がステープラーの針(ステープル)により綴じられることで袋部の開口部が閉鎖されるという構成が記載されている。この構成においてステープルは、袋部の折り返し部分を綴じることにより袋部に対して支持板を固定している。具体的には、支持板には挟持部が設けられており、支持板と挟持部との間に袋部の折り返し部分が挟み込まれ、ステープルは支持板及び挟持部ごと袋部の折り返し部分を綴じている。また、この構成においては、支持板に代えて、球根の種類や値段といった球根情報を表示する表示札が袋部にステープラーを用いて取り付けられていることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−234601号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ステープルにより表示札が袋部に取り付けられている構成では、表示札の取り付け作業においてステープラー及びステープルを使用することになる。この場合、作業時にはステープラー及びステープルを準備する必要があり、多数の袋部を対象として表示札の取り付け作業を多数回行う場合には所定回数ごとにステープラーにステープルを補充する必要がある。これでは、表示札の取り付け作業を行う作業者の負担が大きくなってしまう。
【0005】
本発明は、球根包装体への表示札の取り付け作業を行う作業者の負担軽減を図りつつ、その取り付け作業を容易化することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、第1の発明の表示札付き球根包装体は、開口部を通じて内部空間に球根が入れられる袋部と、前記袋部に設けられ、前記開口部から延出しているフラップ部と、を備え、前記フラップ部は、該フラップ部の自由端側が前記袋部の外周面における前記フラップ部の基端側とは前記開口部を挟んで反対側に重ねられることにより、前記開口部を閉鎖するものであり、前記閉鎖状態にする場合に前記フラップ部の自由端側を前記袋部の外周面に貼付する第1粘着部が、前記フラップ部の自由端側及び前記袋部の外周面の少なくとも一方に設けられており、前記袋部の外周面において前記フラップ部の先端側が貼付される部分とは前記開口部を挟んで反対側に、第2粘着部が設けられており、前記球根に関する球根情報を表示する表示札が、前記球根情報が表示された表示面を前記袋部とは反対側に向けた状態で前記第2粘着部により前記袋部に貼付されていることを特徴とする。
【0007】
第1の発明によれば、表示札が球根包装体の袋部の外周面に第2粘着部を介して貼付されている。この場合、例えば表示札がステープルにより袋部に取り付けられている構成とは異なり、表示札の取り付けに際してステープラーやステープルを使用する必要がないため、ステープラーの準備やステープルの補充を行う手間を省くことができる。これにより、作業者の負担を低減できる。
【0008】
しかも、第2粘着部は、袋部の外周面においてフラップ部の自由端側が貼付される部分とは開口部を挟んで反対側に設けられている。このため、フラップ部の自由端側を第1粘着部に貼付する作業と表示札を第2粘着部に貼付する作業とを独立して行うことができる。つまり、袋部の閉鎖作業と表示札の取り付け作業とを異なるタイミングで別々に行うことができる。したがって、これら作業を例えばステープラーにより同時に行わなければならない構成に比べて、作業の容易化を図ることができる。
【0009】
以上の結果、球根包装体への表示札の取り付け作業を行う作業者の負担低減を図りつつ、その取り付け作業を容易化することができる。
【0010】
第2の発明では、前記第1粘着部と前記第2粘着部とが前記袋部を挟んで重なる位置に配置されている。
【0011】
第2の発明によれば、袋部の外周面に表示札が貼付される際に袋部において第2粘着部と表示札とを接着させるべく指等で押圧される部分が、第1粘着部とフラップ部とを接着させるべく指等で押圧される部分と重なった位置にある。したがって、フラップ部により閉鎖され且つ表示札が貼付された状態の袋部については、フラップ部と表示札とを袋部ごと指等で挟むように押圧することにより、袋部へのフラップ部及び表示札の両者の接着を確実なものとする作業を同時に行うことができる。これにより、袋部を閉鎖する作業及び袋部に表示札を取り付ける作業の効率を高めることができる。
【0012】
第3の発明では、前記表示札には、前記袋部及び前記フラップ部に重ならない位置に、表裏方向に貫通する貫通孔が形成されている。
【0013】
第3の発明によれば、商品陳列棚等の引掛具に貫通孔を引っ掛けることで球根包装体を陳列する場合、貫通孔が袋部やフラップ部によって塞がれていて貫通孔に引掛具を挿通することができない又は挿通しにくいという不都合を回避できる。したがって、球根包装体を陳列するための引っ掛け作業を容易化することができる。
【0014】
第4の発明の球根包装体では、開口部を通じて内部空間に球根が入れられる袋部と、前記袋部に設けられ、前記開口部から延出しているフラップ部と、を備え、前記フラップ部は、該フラップ部の自由端側が前記袋部の外周面における前記フラップ部の基端側とは前記開口部を挟んで反対側に重ねられることにより、前記開口部を閉鎖するものであり、前記閉鎖状態にする場合に前記フラップ部の自由端側を前記袋部の外周面に貼付する第1粘着部が、前記フラップ部の自由端側及び前記袋部の外周面の少なくとも一方に設けられており、前記球根に関する球根情報を表示する表示札を前記袋部に貼付するための第2粘着部が、前記袋部の外周面において前記フラップ部の先端側が貼付される部分とは前記開口部を挟んで反対側に設けられていることを特徴とする。
【0015】
第4の発明によれば、表示札が球根包装体の袋部の外周面に第2粘着部を介して貼付されている。この場合、例えば表示札をステープルにより袋部に取り付ける場合とは異なり、表示札の取り付けに際してステープラーやステープルを使用する必要がないため、ステープラーの準備やステープルの補充といった手間を省くことができる。これにより、作業者の負担を低減できる。
【0016】
しかも、第2粘着部は、袋部の外周面においてフラップ部の自由端側が貼付される部分とは開口部を挟んで反対側に設けられている。このため、フラップ部の自由端側を第1粘着部に貼付する作業と表示札を第2粘着部に貼付する作業とを独立して行うことができる。つまり、袋部の閉鎖作業と表示札の取り付け作業とを異なるタイミングで別々に行うことができる。したがって、これら作業を例えばステープラーにより同時に行わなければならない構成に比べて、作業の容易化を図ることができる。
【0017】
以上の結果、球根包装体への表示札の取り付け作業を行う作業者の負担低減を図りつつ、その取り付け作業を容易化することができる。
【0018】
なお、袋部の第2粘着部には離型紙が貼付されていることが好ましい。この場合、第2粘着部に表示札が貼付される直前まで離型紙により第2粘着部を保護することが可能であるため、第2粘着部へのゴミ等の付着により第2粘着部の粘着力が低下するということを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態における表示札付きの球根包装体の構成を示す斜視図。
【図2】表示札付きの球根包装体の構成を示す断面図。
【図3】球根を包装する際の作業手順について説明するための説明図。
【図4】別の球根包装体の構成を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を具体化した一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は表示札40付きの球根包装体10の構成を示す斜視図、図2は表示札40付きの球根包装体10の構成を示す断面図である。なお、図1及び図2においては理解を容易なものとするために、球根包装体10、粘着部31,45の厚さ寸法を実際より大きく図示している。
【0021】
図1、図2に示すように、球根包装体10により植物の球根11が包装されている。球根包装体10は、球根11が入れられている袋部15と、袋部15を閉鎖するためのフラップ部16とを有している。袋部15及びフラップ部16はそれぞれ合成樹脂製のシート材により一体的に形成されており、それぞれ透明性を有している。袋部15には、その袋部15の内部空間18を一方に向けて開放する開口部19が形成されており、球根11は開口部19を通じて内部空間18に入れられている。
【0022】
袋部15は向かい合う一組のシート部21,22を有しており、シート部21,22の周縁部同士が連結されることにより袋状に形成されている。袋部15においては、シート部21,22の間に開口部19及び内部空間18が確保されているとともに、シート部21,22の外側面により袋部15の外周面が形成されている。シート部21,22はそれぞれ略矩形状に形成されており、それぞれの四辺のうち三辺が互いに接続され、非連結部とされた一辺の間に開口部19が設けられている。以下、シート部21を第1シート部21と称し、シート部22を第2シート部22と称する。
【0023】
フラップ部16は第2シート部22に設けられており、袋部15の開口部19を覆うことにより袋部15を閉鎖している。具体的には、袋部15の開口部19においてフラップ部16の一端が第2シート部22の開放端に接続されており、フラップ部16の自由端側を接着する第1粘着部31が一組のシート部21,22のうち他方の第1シート部21の外側面に設けられている。第1粘着部31は、エマルジョン系接着剤やホットメルト接着剤などの接着剤が第1シート部21に塗布されることにより形成された粘着層であり、第1シート部21とフラップ部16の自由端側とを接着している。
【0024】
フラップ部16は、第2シート部22の開放端から袋部15の開放側に向けて延出しており、第2シート部22との境界部分において第2シート部22に対して折り曲げられている。これにより、フラップ部16の自由端側が第1シート部21の外側面に重ねられ、フラップ部16が開口部19を跨いで第1シート部21と第2シート部22とに架け渡された状態となっている。また、フラップ部16は開口部19とほぼ同じ幅寸法とされている。この結果、袋部15の開口部19はフラップ部16により閉鎖されている。
【0025】
第1粘着部31は第1シート部21において開放端寄りに配置されている。また、フラップ部16は延出方向において、第1シート部21の外側面に向けて折り曲げられた状態でその自由端が第1粘着部31に届く長さとされている。換言すれば、第1粘着部31は第1シート部21において、フラップ部16が折り曲げられた状態でその自由端が届く位置に配置されている。第1粘着部31は第1シート部21の開放端に沿って延びており、その長さ寸法は開口部19の幅寸法及びフラップ部16の幅寸法とほぼ同じとされている。これにより、フラップ部16は、自由端側の幅方向におけるほぼ全てが第1粘着部31により第1シート部21に対して固定されていることになる。
【0026】
袋部15には、内部空間18の通気を可能とする通気孔35が形成されている。通気孔35は第1シート部21及び第2シート部22のそれぞれに複数設けられており、球根11を出し入れできない大きさ及び形状とされている。
【0027】
球根包装体10には、球根11の種類や色などの球根情報を写真や絵、文字により表示する表示札40が取り付けられている。表示札40は、四角板状の表示用板部41と、表示用板部41の上辺から連続して上方に延びている引掛用板部42とを有しており、それら板部41,42は厚紙や板紙などからなる1枚の紙材がカットされることで形成されている。引掛用板部42にはその裏表方向に貫通する貫通孔としての引掛孔43が形成されており、引掛孔43にはフック等の引掛具を引っ掛けることが可能となっている。引掛用板部42は例えば半円状とされており、円周部分が上端を形成している。引掛用板部42は表示用板部41に比べて幅寸法が小さくされており、その寸法差により表示札40の周縁部において引掛用板部42と表示用板部41との境界には段差部分が存在している。
【0028】
球根情報は表示用板部41の表裏両面のうち表側面41aに表示されている。球根情報には、球根11の成長後の写真や絵、名称、生育の最適時期の情報、生育期間の情報などが含まれている。また、表示用板部41の裏側面41bには、球根11の製造販売者に関する情報、球根包装体10や表示札40の製造販売者に関する情報などが記載されている。ここでは、表示用板部41の表側面41aが表示面に相当する。なお、球根情報は表示用板部41の裏側面41bに記載されていてもよい。
【0029】
第2シート部22の外側面には第2粘着部45が設けられており、表示札40は第2粘着部45により第2シート部22に貼付されている。第2粘着部45は、エマルジョン系接着剤やホットメルト接着剤などの接着剤が第2シート部22に塗布されることにより形成された粘着層であり、第2シート部22と表示札40とを接着している。この場合、第2粘着部45は、第1粘着部31とは袋部15において反対側の面に設けられていることになる。つまり、表示札40は、袋部15においてフラップ部16の自由端側が貼付されている面とは反対側を向いている面に貼付されていることになる。
【0030】
表示札40は、表示用板部41が裏側面41bを球根包装体10側に向けた状態で第2粘着部45に貼付されており、表示用板部41の表側面41aは球根包装体10とは反対側を向いている。引掛用板部42は球根包装体10よりも上方に突出した状態となっている。この場合、引掛用板部42の引掛孔43が球根包装体10の袋部15及びフラップ部16のいずれとも重ならない。このため、店舗等において商品陳列棚の引掛具に引掛孔43を引っ掛ける際に、引掛具が球根包装体10に接触してその引掛孔43に引掛具を挿通することができないという不都合を回避できる。また、表示札40を球根包装体10に貼付する作業者にとっては、表示札40にある段差部分により表示用板部41と引掛用板部42との境界を視認しやすく、表示札40を貼付する際に引掛用板部42が球根包装体10に重ならないようにすることが容易となる。つまり、引掛孔43を球根包装体10にて塞がないようにすることが容易となる。
【0031】
第2粘着部45は、第1粘着部31とほぼ同じ大きさ及び形状とされており、袋部15を挟んで第1粘着部31とほぼ全体が重なっている。具体的には、第2粘着部45は、第2シート部22において開放端寄り(フラップ部16寄り)に配置されており、開口部19からの離間距離が第1粘着部31とほぼ同じとされている。さらに、第2粘着部45は、第2シート部22の開放端に沿って連続的に延びており、その長さ寸法は第1粘着部31と同様に開口部19の幅寸法とほぼ同じとされている。
【0032】
次に、球根11を球根包装体10により包装する際の作業手順について図3を参照しつつ説明する。図3は、球根11を包装する際の作業手順について説明するための説明図である。なお、図3においては理解を容易なものとするために、粘着部31,45、離型紙51を大きく図示している。
【0033】
図3(a)に示すように、球根11が入れられる前の球根包装体10においては、フラップ部16の自由端側が第1粘着部31に貼付されており、袋部15がフラップ部16により閉鎖された状態とされている。この場合、第1粘着部31にゴミ等が付着することがフラップ部16により防止されている。
【0034】
また、袋部15の第2粘着部45には離型紙51が貼付されている。離型紙51は第2粘着部45とほぼ同じ大きさ及び形状とされており、第2粘着部45の粘着面全体を覆っている。これにより、第2粘着部45にゴミなどが付着することが防止されている。なお、離型紙51とは別の離型紙が第1粘着部31に貼付されていてもよい。この場合、第1粘着部31にフラップ部16の自由端側が貼付されていなくても、第1粘着部31へのゴミなどの付着を防止できる。
【0035】
まず、図3(b)に示すように、フラップ部16の自由端側を第1粘着部31から剥がして袋部15の開口部19を開放させ、図3(c)に示すように、袋部15の開口部19から内部空間18に球根11を入れる。そして、図3(d)に示すように、フラップ部16の自由端側を第1粘着部31に貼付し、袋部15の開口部19を閉鎖する。この場合、フラップ部16を第1粘着部31に確実に接着させるために袋部15の第1シート部21とフラップ部16の自由端側とを指等で挟んで押圧しようとすると、第2粘着部45とフラップ部16の自由端側とを袋部15ごと指等で挟むことになる。ここでは、第2粘着部45には離型紙51が貼付されているため、指等に第2粘着部45が意図せずに付着してしまうことがない。したがって、指等が第2粘着部45に接触しないように、袋部15を変形させて第1粘着部31と第2粘着部45との相対的な位置関係をずらすという必要がない。
【0036】
次に、図3(e)に示すように、第2粘着部45から離型紙51を剥がし取り、図3(f)に示すように、第2粘着部45に表示札40を貼付する。この場合、表示札40を第2粘着部45に確実に接着させるために袋部15の第2シート部22と表示札40とを指等で挟んで押圧しようとすると、フラップ部16の自由端側と表示札40とを袋部15ごと指等で挟むことになる。ここでは、袋部15を介して第1粘着部31と第2粘着部45とが重なっているため、第2粘着部45に対する表示札40の押圧だけでなく、第1粘着部31に対するフラップ部16の押圧を同時に行うことになる。つまり、袋部15にフラップ部16の自由端側を貼付させる作業と、袋部15に表示札40を貼付させる作業とをまとめて行うことができる。
【0037】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0038】
表示札40が袋部15の外周面に第2粘着部45を介して貼付されている。この場合、例えば表示札40がステープルにより袋部15に取り付けられている構成とは異なり、表示札40の取り付けに際してステープラーやステープルを使用する必要がないため、ステープラーの準備やステープルの補充を行う手間を省くことができる。これにより、球根包装体10に表示札40を取り付ける作業を行う作業者の負担を低減できる。
【0039】
しかも、袋部15において第1シート部21の外側面に第1粘着部31が設けられており、且つ第2シート部22の外側面に第2粘着部45が設けられている。この場合、表示札40は、袋部15の外周面においてフラップ部16の自由端側が貼付される部分とは開口部19を挟んで反対側に貼付されるため、表示札40を袋部15に貼付する作業を、フラップ部16により袋部15の開口部19を閉鎖する作業と独立して行うことができる。つまり、表示札40の取り付け作業と袋部15の閉鎖作業とを異なるタイミングで別々に行うことができる。したがって、これら作業を例えばステープラーにより同時に行わなければならない構成に比べて、作業の容易化を図ることができる。
【0040】
以上の結果、球根包装体10への表示札40の取り付け作業を行う作業者の負担低減を図りつつ、その取り付け作業を容易化することができる。
【0041】
袋部15の外周面においてフラップ部16と表示札40とは開口部19を挟んで互いに反対を向く面に対して貼付されているため、それらフラップ部16及び表示札40のうち一方だけを袋部15から剥がすことができる。このため、球根包装体10により球根11が包装され且つ球根包装体10に表示札40が貼付されている状態において、球根包装体10から球根11を再び取り出す作業と、表示札40を球根包装体10から再び剥がし取る作業とを別々に行うことができる。したがって、作業者にとって球根包装体10を使い勝手の良いものとすることができる。
【0042】
第2粘着部45が袋部15を挟んで第1粘着部31と重なるように設けられている。この場合、フラップ部16により閉鎖され且つ表示札40が貼付された袋部15について、フラップ部16と表示札40とを袋部15ごと指等で挟むように押圧することにより、袋部15へのフラップ部16及び表示札40の各接着を確実なものとする作業を同時に行うことができる。これにより、袋部15を閉鎖する作業及び袋部15に表示札40を取り付ける作業の効率を高めることができる。
【0043】
表示札40は、引掛用板部42が袋部15及びフラップ部16と重ならないように球根包装体10に貼付されている。このため、例えば商品陳列棚の引掛具に引掛孔43を引っ掛けることで球根包装体10を陳列する場合に、引掛孔43が球根包装体10によって塞がれていて引掛孔43に引掛具を挿通することができない又は挿通しにくいという不都合を回避できる。したがって、球根包装体10を陳列するための引っ掛け作業を容易化することができる。
【0044】
表示札40の幅寸法が袋部15の幅寸法とほぼ同じ大きさであるため、幅方向について袋部15に対する表示札40の位置合わせを容易に行うことができる。また、第2粘着部45は袋部15の開放端に沿って延びているため、袋部15において表示札40を貼付可能な範囲を極力広くすることができる。したがって、表示札40の位置合わせが袋部15に対して幅方向に多少ずれても表示札40を第2粘着部45を介して袋部15に貼付することができる。
【0045】
袋部15の開口部19寄りに第2粘着部45が配置されているため、第2粘着部45により表示札40の上部を固定することができる。この場合、表示札40の下部が固定されている構成とは異なり、表示札40が球根情報の表示された表側面41aを下に向けて倒れることを抑制できる。これにより、球根包装体10が例えば商品陳列棚の棚部に載置されていても、表示札40を球根情報の表示面が消費者側を向くように状態保持することができる。
【0046】
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0047】
(1)第2粘着部45は、袋部15を挟んで第1粘着部31と重ならない位置に設けられていてもよい。例えば、図4(a)に示すように、第2粘着部45が第1粘着部31よりも袋部15の開放端寄りに配置されている構成とする。なお、図4(a)〜(c)は、球根包装体10を第2シート部22側(第2粘着部45側)から見た正面図であり、第1シート部21は第2シート部22の背面側に位置している。また、図4(a)〜(c)においては理解を容易なものとするために、袋部15に球根11が入れられておらず、第2粘着部45に表示札40が貼付されておらず、フラップ部16が第2シート部22に対して折り返されていない状態の球根包装体10を図示している。さらに、離型紙51の図示を省略している。
【0048】
図4(a)において二点鎖線にて示すように、袋部15を閉鎖するべくフラップ部16の自由端側が第1粘着部31に貼付された状態では、第2シート部22における第2粘着部45よりも下方(袋部15の開放端とは反対側)の部分とフラップ部16の自由端側とを指等で挟むことができる。つまり、指等が第2粘着部45に触れないように第1粘着部31にフラップ部16を押し付けてそれらを確実に接着させることができる。したがって、第2粘着部45に離型紙51が貼付されていなくても、袋部15をフラップ部16により閉鎖する際に指等に第2粘着部45が意図せずに付着してしまうことを回避できる。
【0049】
一方、表示札40が第2粘着部45に貼付された状態では、第1シート部21における第1粘着部31よりも上方(袋部15の開放端側)の部分と表示札40とを指等で挟むことができる。つまり、第1粘着部31に触れないように第2粘着部45に表示札40を押し付けてそれらを確実に接着させることができる。したがって、第1粘着部31にフラップ部16の自由端側が貼付されていなくても、袋部15に表示札40を貼付する際に指等に第1粘着部31が意図せずに付着してしまうことを回避できる。
【0050】
以上の結果、作業者が袋部15の閉鎖作業と表示札40の取り付け作業とを異なるタイミングで別々に行う場合に、第1粘着部31と第2粘着部45とを同時に押圧することを避けるために袋部15の内部空間18に指等を差し入れるといった手間を省くことができる。したがって、袋部15の閉鎖作業及び表示札40の取り付け作業の作業性を向上させることができる。
【0051】
(2)第2粘着部45は、袋部15の第2シート部22のいずれかに設けられていればよい。例えば、図4(b)に示すように、第2粘着部45が第2シート部22の開放端に沿って断続的に延びるように配置されている構成とする。この場合でも、第2粘着部45に表示札40を接着させることによりその表示札40は第2シート部22に貼付されることになる。また、図4(b)においては、第1粘着部31が第1シート部21の開放端に沿って断続的に延びるように配置されており、第2粘着部45は袋部15を挟んで第1粘着部31と重ならない位置に配置されている。この構成によれば、(1)と同様に、袋部15の閉鎖作業及び表示札40の取り付け作業の作業性を向上させることができる。
【0052】
また、第2粘着部45は第2シート部22の開放端とは反対側の端部寄りに配置されていてもよく、袋部15の開放方向に延びるように配置されていてもよい。
【0053】
(3)第1粘着部31はフラップ部16に設けられていてもよい。例えば、図4(c)に示すように、第1粘着部31が、フラップ部16において袋部15の開口部19を閉鎖した状態で第1シート部21と対向する面に設けられている構成とする。この場合、粘着部31,45のうち第2粘着部45だけが袋部15に設けられているため、上記実施形態のように第1粘着部31及び第2粘着部45の両方が袋部15に設けられている構成とは異なり、作業者が表示札40を第2粘着部45ではなく誤って第1粘着部31に接着させてしまうことを回避できる。これにより、球根包装体10への表示札40の取り付け作業に際して取り付け間違いの発生を抑制できる。
【0054】
(4)フラップ部16は第2シート部22と一枚のシート材により一体的に形成されていてもよい。また、袋部15が閉鎖されている場合、フラップ部16は第2シート部22との境界部ではなく中間部分にて折り曲げられていてもよい。要は、フラップ部16によって袋部15の開口部19が覆われていればよい。
【0055】
(5)球根包装体10において袋部15は一組のシート部21,22を含んで構成されていればよい。例えば、袋部15の側面が、第1シート部21と第2シート部22とそれらシート部21,22を接続する別のシート部とを含んで構成されていてもよく、第1シート部21と第2シート部22とが1枚のシート材により一体的に形成されていてもよく、袋部15の底面が、第1シート部21と第2シート部22とを接続する底面部により形成されていてもよい。
【0056】
(6)球根包装体10において袋部15及びフラップ部16はシート材により形成されていなくてもよい。例えば網目状のネット材などにより形成されている構成とする。また、袋部15及びフラップ部16は不透明に形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0057】
10…球根包装体、11…球根、15…袋部、16…フラップ部、18…内部空間、19…開口部、21…第1シート部、22…第2シート部、31…第1粘着部、40…表示札、41a…表示面としての表側面、43…引掛孔、45…第2粘着層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を通じて内部空間に球根が入れられる袋部と、
前記袋部に設けられ、前記開口部から延出しているフラップ部と、
を備え、
前記フラップ部は、該フラップ部の自由端側が前記袋部の外周面における前記フラップ部の基端側とは前記開口部を挟んで反対側に重ねられることにより、前記開口部を閉鎖するものであり、
前記閉鎖状態にする場合に前記フラップ部の自由端側を前記袋部の外周面に貼付する第1粘着部が、前記フラップ部の自由端側及び前記袋部の外周面の少なくとも一方に設けられており、
前記袋部の外周面において前記フラップ部の先端側が貼付される部分とは前記開口部を挟んで反対側に、第2粘着部が設けられており、
前記球根に関する球根情報を表示する表示札が、前記球根情報が表示された表示面を前記袋部とは反対側に向けた状態で前記第2粘着部により前記袋部に貼付されていることを特徴とする表示札付き球根包装体。
【請求項2】
前記第1粘着部と前記第2粘着部とが前記袋部を挟んで重なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の表示札付き球根包装体。
【請求項3】
前記表示札には、前記袋部及び前記フラップ部に重ならない位置に、表裏方向に貫通する貫通孔が形成されている請求項1又は2に記載の表示札付き球根包装体。
【請求項4】
開口部を通じて内部空間に球根が入れられる袋部と、
前記袋部に設けられ、前記開口部から延出しているフラップ部と、
を備え、
前記フラップ部は、該フラップ部の自由端側が前記袋部の外周面における前記フラップ部の基端側とは前記開口部を挟んで反対側に重ねられることにより、前記開口部を閉鎖するものであり、
前記閉鎖状態にする場合に前記フラップ部の自由端側を前記袋部の外周面に貼付する第1粘着部が、前記フラップ部の自由端側及び前記袋部の外周面の少なくとも一方に設けられており、
前記球根に関する球根情報を表示する表示札を前記袋部に貼付するための第2粘着部が、前記袋部の外周面において前記フラップ部の先端側が貼付される部分とは前記開口部を挟んで反対側に設けられていることを特徴とする球根包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−116545(P2012−116545A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−269549(P2010−269549)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(000102278)エーアールシー株式会社 (11)
【Fターム(参考)】