説明

表示板及びそれを用いた時計

【課題】 ソーラーセルの濃紫色が見えず金属感が現れた表示板を提供する。
【解決手段】 視認側から順に透過性基板11、少なくとも1つの透過孔を有する金属薄板14、反射型偏光板17を積層して表示板を構成する。あるいは又、視認側から順に少なくとも1つの透過孔を有する金属薄板、透過性基板、反射型偏光板を積層して表示板を構成する。金属薄板14の少なくとも1つの透過孔は放射目模様状やサークル模様状、渦巻模様状、ストライプ模様状、放射目模様状、格子模様状などの模様状に設け、更に、金属薄板14の上面14cには凹凸模様を設ける。凹凸模様はサークル模様、渦巻模様、ストライプ模様、放射目模様、格子模様、梨地模様、石調模様、幾何学模様などの模様を選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示板に関し、特に、ソーラーセルやエレクトロルミネッセンスなどを備えて用いられる表示板に関する。また、その表示板を用いた時計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ソーラーセルを組み込んだ時計の表示板には、光の透過性を必要とすることから多くはプラスチック材料が用いられてきた。プラスチックは種々の加飾を施すこともでき、しかも、コストが安くできると云うメリットがある。しかしながら、プラスチックの表示板は金属感が現れず、貴金属感の現れた高級感を与える時計を得ることは大変難しかった。
【0003】
そのために、従来から金属感を得るために様々な工夫が行われてきた。下記の特許文献1に記載された技術もその一つである。
【0004】
【特許文献1】特開平10−78486号公報
【0005】
図10は上記特許文献1に記載された表示板の1/4切断平面図を示している。図10において、表示板1は金属感を付与する材料で形成されている。金属感を付与する材料としては金属板や樹脂板に金属メッキしたものなどを挙げている。そして、指針取付け用の貫通穴1aを中心点にして放射状に多数条の細径なる出射口2を設けた形状をなしている。
【0006】
特許文献1によれば、出射口2は細径であり、表示板1全体の面積に比べて小さいため、表示板1の金属感を損なうことがないとされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の表示板1は、エレクトロルミネッセンス(以降、ELと呼ぶ)用の表示板として用いる限りにおいては、ELが白色系気味の色調をなしているために出射口2からELが見えても外観的にさほど気にならない。しかしながら、ソーラーセル用の表示板として用いた場合は、ソーラーセルが独特の濃紫色をなすために、出射口2が目立って見えると共に、出射口2から濃紫色の色調が見えるようになって外観的に良い感情を与えない。また、発電に必要とされる光量を入射させる必要があるので、出射口2の面積を小さくするには限度を有する。
【0008】
また、細径の出射口2を目に見えない程度に小さくすることによって、濃紫色を視認できないようにすることは可能であるが、そのようにするには出射口2の大きさを大きくても50μm以下にする必要があり、加工精度の問題などにより製造コストが非常に高くなる。
【0009】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、ソーラーセルの濃紫色が視認されず、且つ、金属感を有して高級感が現れた表示板を得ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成する手段として、本発明の請求項1に記載の表示板の特徴は、透過性基板と少なくとも1つの透過孔を有する金属薄板と少なくとも1つの反射型偏光板を有し、これらを積層したものからなることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の請求項2に記載の表示板の特徴は、前記透過性基板、金属薄板、反射型偏光板は視認側から透過性基板、金属薄板、反射型偏光板の順で積層されていることを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の請求項3に記載の表示板の特徴は、前記透過性基板、金属薄板、反射型偏光板は視認側から金属薄板、透過性基板、反射型偏光板の順で積層されていることを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の請求項4に記載の表示板の特徴は、前記透過性基板は金属膜、塗料膜、インキ膜、貝、貴石などの石類、和紙などの紙類、ホログラムなどの少なくとも1種から形成した装飾を有することを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明の請求項5に記載の表示板の特徴は、前記透過性基板は着色されていることを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明の請求項6に記載の表示板の特徴は、前記透過性基板は凹凸状の模様を有することを特徴とするものである。
【0016】
また、本発明の請求項7に記載の表示板の特徴は、前記金属薄板の少なくとも1つの透過孔は模様状に設けられていることを特徴とするものである
【0017】
また、本発明の請求項8に記載の表示板の特徴は、前記金属薄板はメッキや印刷、塗装などによる装飾を有することを特徴とするものである。
【0018】
また、本発明の請求項9に記載の表示板の特徴は、前記金属薄板は凹凸状の模様を有することを特徴とするものである。
【0019】
また、本発明の請求項10に記載の表示板の特徴は、前記反射型偏光板は少なくとも一方の表面に凹凸状の模様を有することを特徴とするものである。
【0020】
また、本発明の請求項11に記載の表示板の特徴は、前記金属薄板の凹凸状の模様と前記反射型偏光板の凹凸状の模様は同一模様をなすことを特徴とするものである。
【0021】
また、本発明の請求項12に記載の表示板の特徴は、前記凹凸状の模様は、サークル模様、渦巻模様、ストライプ模様、放射目模様、梨地模様、砂目模様、格子模様、石調模様、幾何学模様などからなることを特徴とするものである。
【0022】
また、本発明の請求項13に記載の時計の特徴は、時計用表示板の下面側にソーラーセルを備えた時計において、前記時計用表示板に前記請求項1乃至11のいずれかに記載の表示板を用いたことを特徴とするものである。
【0023】
また、本発明の請求項14に記載の時計の特徴は、時計用表示板の下面側にエレクトロルミネッセンスを備えた時計において、前記時計用表示板に前記請求項1乃至11のいずれかに記載の表示板を用いたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、以下の発明効果が得られる。本発明の表示板は、透過性基板と少なくとも1つの透過孔を有する金属薄板と少なくとも1つの反射型偏光板を有する。そして、これらを積層して表示板を形成する。
【0025】
少なくとも1つの透過孔を有する金属薄板は金属色調を現出させ、そして、少なくとも1つの透過孔で必要な光量をソーラーセルに入射させる。少なくとも1つの透過孔は発電効率を良くするために表示板の全面に均一にバランスの取れた状態に形成する。特に、サークル模様、渦巻模様、ストライプ模様、放射目模様、格子模様などの模様状に形成するとソーラーセルの全面に渡って均一な光量が供給でき、また、外観的な装飾性も現れてくる。透過孔の大きさや総面積はソーラーセルへの入射光量、外観的な装飾模様状態を考慮して設定する。また、この金属薄板の表面に凹凸状の模様を設けると、模様の立体感で装飾性が高められる。また、凹凸は反射光を拡散させる作用を生むので、入射光を金属薄板で拡散させて反射させ、表示板を明るくする効果を生む。凹凸状の模様は、サークル模様、渦巻模、ストライプ模様、放射目模様、梨地模様、砂目模様、格子模様、石調模様、幾何学模様などの模様が好適な模様として挙げられる。また、この金属板にはメッキや印刷、塗装などによる装飾を施すと更なる装飾性を増すことができる。例えば、Ag、Pd、Ptなどの仕上げメッキを施すと白色系をなした貴金属感が現出する。この金属薄板は0.07〜0.15mm厚みの薄い金属板で形成する。エッチング加工で透過孔が容易に形成できるので製造コストも安くできる。
【0026】
透過性基板は表示板に所要の強度を確保して剛性を持たせると同時に、表示板の装飾性を高めるために設けている。透過性基板に金属膜や塗料膜、インキ膜、貝、貴石などの石類、和紙などの紙類、ホログラムなどで装飾を形成すると、表示板の装飾性が高められる。特に、金属薄板の装飾性の上に透過性基板の装飾が重なり合うことで金属薄板の装飾と透過性基板の装飾との間に立体感も生まれ、金属薄板の装飾に奥深さなども現れてきて、高級感を感じさせるようになる。そして、装飾のバリエーションを増やすことができる。また、透過性基板に凹凸状の模様を設けると、装飾性が高められると共に、凹凸による光の屈折が生じて分散するので、ソーラーセルの濃紫色を和らげる働きを生む。また、透過性基板に着色などを施すと色の付いた装飾を得ることができる。
【0027】
反射型偏光板は光反射軸と光透過容易軸を持っており、光反射軸と平行な振動面を持つ直線偏光成分の光は反射し、光透過容易軸と平行な振動面を持つ直線偏光成分の光は透過する。この反射型偏光板は約50%の透過率を持ち、約50%の反射率を持つ。この反射型偏光板はソーラーセルからの反射光の表示板を透過して出射する光量を制御するためと、入射光の反射率を高めるために設ける。約50%の反射率を持つことから外からの入射光の反射率も増えて表示板を明るくさせる効果を生み、また、約50%の透過率を持つことからソーラーセルからの濃紫色を呈する反射光の透過率を減らして濃紫色を和らげる効果を生む。反射型偏光板に凹凸状の模様を設けてもその透過率と反射率の変化は少なく、筋状の模様や梨地状の模様を設けると、光拡散作用が起きてソーラーセルの濃紫色は殆ど視認されない状態になり、白色系の色調が視認されるようになる。金属薄板にAg、Pd、Ptなどのメッキを施して白色系の色調に仕上げると金属薄板の色調と反射型偏光板の色調が同一色調になって、全体的に白色系金属色調が現れた表示板が得られるようになる。
【0028】
次に、本発明の表示板は、視認側から透過性基板、少なくとも1つの透過孔を有する金属薄板、反射型偏光板の順で積層したものからなる。透過性基板と金属薄板が重なり合うことによって透過性基板の装飾と金属薄板の装飾に立体感や金属薄板の装飾に奥深さなどが現れてくる。そして、金属感の現れた表示板の中で装飾が高められて高級感が現れる。また、金属薄板と反射型偏光板が重なり合うと、金属薄板の透過孔の大きさによっては反射型偏光板からの反射光の作用を受けて透過孔の孔の形状模様が視認されるようになって、模様付の金属色感が現れてくる。また、金属薄板の透過孔は、ソーラーセルの発電機能を満たすに十分な光量が得られる大きさと面積をもって形成するが、ソーラーセルからの反射光は反射型偏光板と金属薄板によって反射されるので、表示板からの出射光量は僅かになる。更に、反射型偏光板を透過するソーラーセルからの反射光は反射型偏光板の凹凸状の模様によって拡散を起こす。このため、ソーラーセルの濃紫色を呈する光は分散・拡散し、金属薄板からの直接反射光や反射型偏光板からの直接反射光と混ざり合って濃紫色は掻き消され、殆ど視認されなくなる。また、金属薄板と反射型偏光板を白色系の色調でまとめると明るい表示板が得られる。
【0029】
また、本発明の表示板は、視認側から少なくとも1つの透過孔を有する金属薄板、透過性基板、反射型偏光板の順で積層したものからなる。金属薄板が直接目に触れることになり、金属感が強く現れると共に凹凸状の模様やメッキなどの表面処理によって装飾性が高められ、高級感が現れてくる。また、金属薄板の色調と同じ色調になるように透過性基板に着色を施すと、表示板全体を金属薄板の色調でまとめることができる。白色系のシルバー系色調に限らず、ゴールド系色調も出現できる。
【0030】
以上の効果の現れる表示板をソーラーセル用の時計に用いると、金属感が現れて、ソーラーセルの濃紫色が殆ど視認されることがなく、装飾性に富んだ高級感の現れた時計が得られる。また、発電機能に支障のない時計が得られる。
【0031】
また、エレクトロルミネッセンス用の時計に用いても、金属感が現れて、装飾性に富んだ高級感の現れた時計が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明を実施するための最良の形態(以降、実施形態と云う)を図1〜図3を用いて説明する。ここで、図1は本実施形態に係る表示板の平面図と要部断面図で、図1の(a)は平面図、図1の(b)は要部断面図を示している。図2は図1における金属薄板の平面図で1/4切断平面図を示している。図3は図1における反射型偏光板の作用を説明する説明図を示している。
【0033】
本発明の表示板を説明するに当たり、本実施形態は一例として時計用の表示板を挙げて説明するが、これは時計用表示板以外の表示板においても同様に適用できるものである。本実施形態の表示板10は、図1の(a)に示すように、外形が丸く、中心部に中心穴10a有している。この中心穴10aは時計用指針の取付け穴になっている。また、図示はしていないが、この表示板10には透過性基板11の表面に時字などの指標が設けられて時計用の表示板として用いられる。この表示板10は、図1の(b)に示すように、一点鎖線で示したソーラーセル9の上部に備えられてソーラーセル用の表示板として用いられる。
【0034】
表示板10は、図1の(b)に示すように、上方の視認側から透過性基板11と金属薄板14と反射型偏光板17とが積層した構成をなしている。透過性基板11と金属薄板14は接着剤13を介して全面で貼付けており、金属薄板14と反射型偏光板17は外周部分を接着剤16を介して貼付けている。金属薄板14と反射型偏光板17とに僅かな隙間を設けていて、ソーラーセル9からの反射光で反射型偏光板17を透過する光に拡散が起きるようにしている。
【0035】
透過性基板11は表示板としての強度確保目的と表示板の装飾性を高める目的で設けている。透過性基板11にはプラスチック、ガラス、セラミックなどの材料が用いられる。プラスチック材料は耐熱性、耐湿性、耐光性、耐衝撃性、耐薬品性に優れている樹脂材料が用いられ、このような材料としてポリカーボネイト樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アクリル樹脂などの樹脂を挙げることができる。射出成形方法などの方法で0.3〜0.5mmの範囲内の厚みに形成している。
【0036】
本実施形態では透過性基板11に何の装飾も施していないが、上面側に金属膜や塗料膜、インキ膜、貝、貴石などの石類、和紙などの紙類、ホログラムなどで装飾を設けると装飾性を高めることができる。また、これらの装飾と金属薄板14の金属装飾とに立体感などを現出させることができる。
【0037】
金属薄板14は表示板10に金属色調を現出させる目的で設けるものであるが、ソーラーセル9に発電機能を働かせるために、図2に示すように、細い長穴からなる透過孔14bを複数設けている。図2に示す透過孔14bは放射目模様状に設けているが、これは1例を示すもので、他にサークル模様、渦巻模様、ストライプ模様、格子模様、幾何学模様、ドットマトリックス状に配列した小孔模様などの模様を好適な模様として挙げることができる。金属薄板14を90°間隔に4分割したときに、それぞれの分割部分に透過孔14bが均一に分布するような模様を選択するのが好ましい。このようにすると、ソーラーセル全体に均一な光量を入射させることになって、効率の良い発電が行われる。金属薄板14の中心穴14aは表示板10の中心穴10aに対応した穴になっている。
【0038】
この金属薄板14は黄銅板、リン青銅板、洋白板、ステンレス板、アルミ板などの材料を用い、0.07〜0.15mm厚みの薄い板から形成している。厚みはエッチング加工で透過孔14bが形成し易い厚みで、且つ、この金属薄板14の上面14cに様々な凹凸状の模様が設けられる厚みにもなっている。エッチング加工に用いるエッチング液は金属薄板14の材質によっても異なるが、例えば、黄銅板、リン青銅板、洋白板などの場合は塩化第二鉄溶液を使う。透過孔14b以外の部分を樹脂などでマスキングし、エッチング液に数分浸漬することで透過孔14bが形成される。
【0039】
透過孔14bの総面積はソーラーセルの必要とする光量に影響を与えない範囲で設定する。本実施形態においては、透過孔14bの総面積は全体面積の40%〜50%の範囲に設定している。また、透過孔14bの大きさ(細長穴の幅)は特に制限するものではなく、50μm以下にすれば目に視認されない状態が得られ、それ以上にすると透過孔14bの模様が視認される状態が得られる。
【0040】
この金属薄板14の上面14cには装飾性を高めるために凹凸状の模様は設けている。模様としてはサークル模様、渦巻模様、ストライプ模様、放射目模様、梨地模様、砂目模様、石調模様、幾何学模様などが選択できる。サークル模様や渦巻模様、ストライプ模様、放射目模様状に筋目を設けると、或いは、梨地模様などを設けると光沢性がなくなって落着感などが現れてくる。本実施形態においては、視認側を向いた上面14cには梨地処理を施して梨地模様を設けている。梨地模様は砂を吹き付けるサンドブラスト法やガラスビーズを吹き付けるホーニング法などで形成することができる。凹凸の大きさは砂やガラスビーズの粒子径の大きさで決まってくるので、表面外観仕様に応じて適宜な粒子径を選択して行う。
【0041】
また、この金属薄板14は金属感を現出するためにメッキなどの表面処理を施している。白色系の金属色としてはNi、Cr、Pd、Rh、Pt、Agなどの金属メッキ、金色系の金属色としてはCu、Auなどの金属メッキなどが選択できる。このように、シルバー系やゴールド系などの貴金属色調を現出させると高級感が現れる。本実施形態においては、Niメッキの下地メッキを行って、その上にPdメッキなる仕上げメッキを施して白色系なる柔らかさの感じる貴金属感を現出させている。この金属薄板14は金属感を現出させるばかりではなく、その中で装飾性を高めるために印刷や塗装などで装飾を施しても構わない。
【0042】
次に、反射型偏光板17は、図3に示すように、反射軸Nと反射軸Nに直交して透過容易軸Mを持つ偏光板で、反射軸Nに平行な振動面を持つ直線偏光成分は反射し、透過容易軸Mに平行な振動面を持つ直線偏光成分は透過する特性を持っている。約50%の光を透過し、約50%の光を反射する。本実施形態では、住友3M社製の商品名DBEF−E、厚み160μmのものを用いている。この反射型偏光板17は厚み160〜400μm程度のものが各種市販されており、必要に応じて選択可能である。この反射型偏光板17はソーラーセル9からの濃紫色を呈する反射光の表示板10への透過率を下げるために設けている。表示板10から出射するソーラーセル9からの反射光量を下げて、ソーラーセル9の濃紫色を和らげる効果を生む。尚、本実施形態で用いた住友3M社製の商品名DBEFには反射光にシルバーの色調が得られるものとゴールドの色調が得られるものがある。
【0043】
更に、反射型偏光板17の上面17c(金属薄板14と対面している面)には凹凸状の模様を設けている。この凹凸状の模様はソーラーセル9からの反射光で、反射型偏光板17を透過する光を拡散してソーラーセル9の濃紫色を消し去るために設けている。凹凸状の模様を設けると光が拡散して出射するので反射型偏光板17に白色色調が現れてくる。反射型偏光板17にシルバー反射光が得られるものを使用すると白色系金属色を伴った白色色調が得られ、ゴールド反射光が得られるものを使用すると薄い金金属色が混じり合った白色色調が得られる。本実施形態においては、金属薄板14のメッキ色調に合わせてシルバー反射光が得られる反射型偏光板を使用している。
【0044】
また、反射型偏光板17と金属薄板14とに僅かな隙間を設けている。隙間なる空間層があることにより反射型偏光板17の凹凸模様で光が分散・拡散する。反射型偏光板17の凹凸模様と金属薄板14の凹凸模様を同じ模様で仕上げ、金属薄板14を白色系金属の色調に仕上げると、一体的な色彩の下で一体的な模様が得られるようになる。反射型偏光板17に設ける凹凸状の模様は、金属薄板14に設ける模様と同じように、サークル模様、渦巻模様、ストライプ模様、放射目模様、梨地模様、砂目模様、石調模様、幾何学模様などが選択できる。尚、反射型偏光板17の凹凸模様は、金属薄板14の凹凸模様と同一模様に限定するものではなく、異なった模様であっても何ら支障はない。また、場合によっては、凹凸状の模様を設けなくとも透過孔14bが殆ど目立たず、また、濃紫色も殆ど目立たない状態であるならば凹凸状の模様を設けなくても良いものである。本実施形態においては、金属薄板14と同じ梨地模様を設けている。尚、凹凸模様の形成方法はホットプレス方法、切削加工方法、サンドブラスト方法、目付装置とワイヤーブラシを用いての目付方法など様々な方法が取れるので模様に応じて適宜な方法を選択するのが好ましい。
【0045】
梨地模様は凹凸の大きさによって白色感を調整することができる。例えば、凹凸の粗さが、サンドペーパの粗さを表示する#180番以上であると金属色感と白色感が半々に混ざり合った色感が得られ、#400番で白さの中に少し金属色が疎ら現れて綺麗な白色感が得られる。更に、凹凸の大きさを細かくすることに従って白色感の効果が顕著になる。但し、#2000番を越えると模様が転写されずに白色感よりも金属色感に曇りが生じたように視認される。また、#120番では白色感よりも金属色感が強く現れてくる。従って、白色感を得るためには凹凸の大きさを#180番から#2000番の粗さの範囲に設定するのが好ましい。
【0046】
これは、梨地模様に限らず筋目なるサークル模様や渦巻模様、放射目模様、ストライプ模様などでも同じ現象が現れる。筋目なる凹凸の深さによって作用される。このように、シルバー反射光が得られる反射型偏光板を用いると白色系金属色感と白色感が混ざり合った色感が得られるようになり、ゴールド反射光が得られる反射型偏光板を用いると薄い金金属色感と白色感が混ざり合った色感が得られるようになる。
【0047】
このように、反射型偏光板17に凹凸状の模様を設けると、厚みの薄い偏光板でありながらソーラーセル9からの反射光の透過率を50%に半減し、且つ、透過光を拡散させるのでソーラーセルの濃紫色を消し去る効果を生む。また、反射型偏光板17に凹凸状の様々な模様を形成しても透過率や反射率は殆ど変わらない。
【0048】
以上の構成をなした表示板10は、本実施形態では、金属薄板14の透過孔14bの開口率(全体面積に対する透過孔14bの総面積)40〜50%、反射型偏光板17の透過率約50%によって20〜25%の光透過率が得られる。近年のソーラーセルは発電効率も良くなり、10mm角四方の大きさで15%の透過率が得られれば満足する発電量が得られるものが現れている。従って、ソーラーセル9の発電機能を十分に満たす透過率を得ることができる。
【0049】
また、ソーラーセル9からの濃紫色を持った反射光は、反射型偏光板17で半分の光量に減り、更に、金属薄膜14の透過孔14bを透過して出射する光量は20〜25%の光量に減る。また、濃紫色を持った反射光は反射型偏光板17の梨地模様なる凹凸で拡散され、拡散光となって金属薄板14を透過する。また、金属薄板14からの直接反射光や反射型偏光板17からの直接反射光は梨地模様なる凹凸によって拡散反射光となって表示板10から出射する。このことによって、ソーラーセルからの反射光はその透過光量も減ると同時に拡散され、そして、金属薄板14や反射型偏光板17からの拡散反射光と混ざり合って表示板10から出射するので、ソーラーセルの濃紫色は消し去られてしまい、殆ど視認されなくなる。
【0050】
更に、金属薄板14や反射型偏光板17からの拡散反射光量が多いために表示板10が明るくなり、金属薄板14の金属色調と模様が鮮明に視認されるようになる。
【0051】
また、金属薄板14の透過孔14bが、目に視認できない大きさであると透過孔14bは見えず、表示板10全体に光沢のない白色系金属色感が現れ、落着感も現れてくる。更に、透過孔14bが目に見える大きさであると、透過孔14bの模様も現れてきて装飾性も高められる。
【0052】
そして、金属薄板14のPdメッキ金属の貴金属感が明るく良く見えて、高級感を持った表示板として視認されるようになる。
【実施例1】
【0053】
以下、実施例を挙げる中で本発明の更に詳しい内容を説明する。尚、実施例は全て時計用の表示板で説明するものであるが、これは、時計に拘わらず他の機器の表示板や銘板などの表示板にも共通して適用できるものである。最初に、実施例1に係る表示板について図4〜図6を用いて説明する。ここで、図4は本発明の実施例1に係る表示板を用いた時計の要部断面図を示している。図5は図4における表示板の平面図と要部断面図で、図5の(a)は平面図、図5の(b)は要部断面図を示している。また、図6は図5における金属薄板の1/4切断平面図を示している。
【0054】
図4に示す時計20は、ケース21の中空部分に中枠27を介して表示板30とムーブメント28を固定し、更に、裏蓋26をケース21に固定して中枠27を完全に固定した構成をなしている。また、ムーブメント28にはソーラーセル29を固定しており、また、ムーブメント28から突出した指針軸に表示板30の視認側から長針や短針などの指針24を取付けた構成をなしている。そして、風防22をケース21に固定して風防22で指針24や表示板30を覆った構成をなしている。また、図示はしていないが、バンドがケース21に取付けられている。また、表示板30には時字などの指標39が取付けられて時計用表示板として用いられる。
【0055】
実施例1の表示板30は、図5に示すように、視認側から透過性基板31、金属薄板34、反射型偏光板37を接着剤を介して貼付けて積層した構成をなしている。透過性基板31と金属薄板34は接着剤33を介して貼付け、金属薄板34と反射型偏光板37はその外周領域部を接着剤36を介して貼付けている。また、透過性基板31はその中心部領域の凹部31aに貝からなる装飾部材32を設けている。
【0056】
実施例1では、透過性基板31は透明なポリカーボネイト樹脂を用いて射出成形方法で形成している。中心部領域に凹部31aを所要の大きさで形成していて、その凹部31aの所に貝なる装飾部材32を貼付けている。貝としてはアワビ貝や白蝶貝が用いられる。貝独特の光輝ある貝紋様が現れて高級感のする装飾が得られる。
【0057】
金属薄板34は0.1mm厚みのリン青銅板で形成しており、図6に示すように、放射状に長細穴なる透過孔34bを複数設けている。この透過孔34bの形状は前述の実施形態とほぼ同じ形状をなしているが、透過孔34bの開口率(全体面積に対する透過孔34bの総面積)は40〜50%の範囲に設け、ソーラーセルに十分な入射光が得られる開口率にしている。また、透過孔34bの細長穴の幅は150〜200μmの幅に設けている。また、上面34cは放射目状の筋目からなる放射目模様を設けてあり、その上にNiの下地メッキとAgの仕上げメッキを施している。従って、この金属薄板34は放射目状の筋目模様を持ち、艶消しされた銀金属色が現れた金属薄板をなしている。尚、Agの仕上げメッキは、変色しやすいので、その表面に塗装膜、クロメート膜などを形成しておくと良い。
【0058】
反射型偏光板37は、前述の実施形態で用いた反射型偏光板と同じ仕様のものを用いていて、反射軸と透過容易軸を有して約50%の光を透過し、約50%の光を反射する特性を持つ。この反射型偏光板37の上面37c(金属薄板34に対面している面)には、金属薄板34に設けた模様と同じ模様の筋目なる放射目模様を設けている。金属薄板34と反射型偏光板37が重なり合うと一体的な放射目模様として見えてくる。また、反射型偏光板37に放射目模様を設けると光拡散が起きて白色化した色調が現れる。
【0059】
放射目模様を設けた反射型偏光板37と放射目模様を設けてAgメッキを施した金属薄板34と重なり合うと白色系なる同一色調の下で同一模様が現れる。更に、透過孔34bの大きさが目に見える大きさであると共に反射型偏光板37の反射光により透過孔34bの形状輪郭が強調されて見えるようになり、透過孔34bの形状の模様が視認されてくる。
【0060】
以上の構成をなした表示板30からは、放射目模様を持っての銀金属色感の上に貝独特の光輝色彩のある貝紋様が重なり合って高貴感のある装飾が得られる。また、貝紋様と放射目模様を持った銀金属とに透過性基板31の透明層があることから立体感が現れてくる。また同時に、金属薄板34の放射目模様を持って艶消しされた銀金属に奥深さが現れてくる。また、金属薄板34の透過孔34bの輪郭形状の模様も見えてきて装飾性に富んだ表示板が得られる。また、金属薄板34の放射目模様の凹凸、反射型偏光板37の放射目模様の凹凸によって著しい拡散反射光が現れて表示板が明るくなる。そして、模様や色彩が鮮明に視認されるようになる。そして、このような表示板を用いた時計においては、金属感と装飾性に富んだ時計になって高級感が現れる。
【0061】
また、ソーラーセルからの濃紫色を持った反射光は拡散され、濃紫色は消し去られて視認されなくなる。
【0062】
尚、実施例1においては、貝なる装飾部材32を貼付けて装飾を施したが、貝に限らず他の装飾部材を用いても良い。例えば、サファイヤ、オパール、ヒスイ、ルビーなどの貴石や大理石などの石類、和紙、銀箔や金箔、ホログラムなどの装飾部材が挙げられる。また、乾式メッキによるメッキ金属膜や、印刷によるインキ膜や塗装による塗料膜で装飾を施すことも可能である。仕様に応じて適宜な装飾を施して装飾性を高めると良い。
【0063】
実施例1の時計はソーラーセル付きの時計であるが、ソーラーセルに代えてEL(エレクトロルミネッセンス)を用いるとEL付の時計になる。そして、暗所においてELを発光すると表示板が明るく照明される。実施例1の表示板をEL用の表示板に用いると、ELの発光した光が金属薄板34の透過孔34bから光を透過して、金属薄板34の金属色調や模様、透過性基板31に設けた装飾部材32などを照明する。金属薄板34の透過孔34bから出射するELの光は拡散光が出射するので表示板30の表面全体を照明するようになって、明るく表示が視認される時計が得られる。また、明るい場所でのELの非点灯時においては、ELは黄緑色から白色気味の色調をなしていることから、反射型偏光板37の白色系の色調に近く、且つ、ELからの反射光は拡散することから、殆どELの色調は視認されない。
【実施例2】
【0064】
次に、実施例2の表示板について図7、図8を用いて説明する。図7は本発明の実施例2に係る表示板の要部断面図で、図8は図7における金属薄板の1/4切断平面図を示している。
【0065】
実施例2の表示板40は、図7に示すように、視認側(図7において上方側)から透過性基板41、金属薄板44、反射型偏光板47の順に接着剤を介して積層して貼付けた構成をなす。透過性基板41と金属薄板44とを接着剤43で貼付け、金属薄板44と反射型偏光板47は外周領域を接着剤46で貼付けている。尚、図示はしていないが、この表示板40は透過性基板41の上面側に時字などの指標が設けられて時計用の表示板として用いられる。
【0066】
透過性基板41は透明なポリカーボネイト樹脂より形成しており、上面(視認側)は格子状の凹凸模様41bを設けている。格子状の凹凸模様のピッチは100〜150μm、凹凸の高さは40〜60μmで設けてあり、はっきりと格子模様が視認することができる。
【0067】
金属薄板44は100μm程度の厚みのリン青銅板で形成しており、図8に示すように、細長穴からなる透過孔44bをサークル状に設けている。透過孔44bの細長穴の幅は150〜200μmの幅で形成し、透過孔44bの開口率(全体面積に対する透過孔44bの総面積)は40〜50%の範囲に形成している。また、この透過孔44bは塩化第二鉄溶液でエッチングを行って形成する。
【0068】
また、この金属薄板44の上面44cにはストライプ状に凹凸のある筋目模様を設けている。目付装置とワイヤーブラシを用いて筋目のストライプ模様を形成している。また、この金属薄板44は表面処理を施してあり、Niの下地メッキの上にPdの仕上げメッキを施して、白色系金属色を現出している。
【0069】
反射型偏光板47は前述の実施形態で用いた反射型偏光板と同じ仕様のものを用いており、透過率約50%、反射率約50%の特性を持っている。そして、反射型偏光板47の上面47cには金属薄板44の模様と同じ模様であるストライプ状の筋目模様を設けており、また、下面47dにはサークル模様状に凹凸をなしたプリズムを設けている。このサークル模様のプリズムはピッチ約100μm、凹凸の高さは10〜20μmの形状をなしている。このサークル状のプリズムはホットプレス法で形成することができる。
【0070】
以上の構成をなした表示板40においては、透過性基板41の格子状の凹凸模様41bが見える中で、金属薄板44のPd金属色がストライプ模様をなして視認され、装飾豊かで貴金属感のする金属色調が現れる。また、ソーラーセルからの反射光は50%反射型偏光板47を透過するが、その透過光は下面47dのサークル模様のプリズムによって四方八方に分散し、更に、上面47cのストライプ模様状の凹凸によって拡散するので、著しい拡散が生じてソーラーセルの濃紫色は消し去られてしまう。
【0071】
更に、反射型偏光板47から反射される直接反射光は上面47cのストライプ模様状の凹凸によって分散・拡散した反射光に変わることから白色色調を呈するようになり、金属薄板44のPdメッキ色調と余り変わらぬ色調が視認されることになる。また、金属薄板44の透過孔44bは目に見える大きさであり、反射型偏光板47の反射光によって透過孔44bの形状輪郭の模様が強調されるように視認されてくる。
【0072】
実施例2においては、透過性基板41に設けた凹凸模様41bは格子模様で設けたが、格子模様に限らず他の模様状に設けても良い。例えば、ストライプ模様、サークル模様、渦巻模様、ピアジカット模様、幾何学模様など様々な模様を選択することができる。また、凹凸模様41bの表面に透明な保護膜を設けることも可能である。透明な保護膜を設ける場合は、透過性基板41の屈折率と異なる屈折率の樹脂を選択するのが好ましい。例えば、透過性基板41にポリカーボネイト樹脂(屈折率1.58)を用いた場合には保護膜にアクリル樹脂(屈折率1.49)を選択すると良い。屈折率が異なることにより凹凸模様41bがはっきり視認できるようになる。
【0073】
また、実施例2においては、反射型偏光板47の下面47dにサークル模様状にプリズムを設けてソーラーセルの反射光を四方八方に分散させる働きをさせた。これは、ソーラーセルの反射光を分散させる凹凸模様であれば良いので、サークル模様の他に渦巻模様のプリズムやピアジカット模様のプリズムなどが好適な模様として挙げられる。これらの模様はホットプレス方法や切削加工方法などで形成することができる。
【実施例3】
【0074】
次に、実施例3の表示板について図9を用いて説明する。図9は実施例3に係る表示板の要部断面図を示している。実施例3の表示板50は、視認側から金属薄板54、透過性基板51、反射型偏光板57を積層した構成をなす。金属薄板54と透過性基板51は接着剤53を介して貼付けてあり、透過性基板51と反射型偏光板57はその外周領域を接着剤56を介して貼付けた構成を取っている。
【0075】
実施例3の金属薄板54は0.1mmのリン青銅板を用いて形成しており、前述の実施例1での図6をもって説明した透過孔と同じ仕様の細長穴なる放射模様状の透過孔を設けており、細長穴の幅は40〜70μmの幅で形成している。上面54cは梨地模様なる凹凸模様を設けており、表面処理はNiメッキした上にAuメッキを施して金金属色調が現れた表面に仕上げている。
【0076】
透過性基板51はポリカーボネイト樹脂で形成しているが、薄い橙色なる着色を施している。この薄い橙色なる着色は金色に近い色調の色を選択したものであり、表示板50全体から金金属色彩が現れるようにしたものである。この着色は樹脂に顔料を混ぜ合わせてペレット化し、射出成形方法で形成する。
【0077】
反射型偏光板57は前述の実施例1で用いたのと同様に、透過率約50%、反射率約50%で、ゴールド色の反射色が得られる偏光板を使用している。そして、上面57cには金属薄板54に設けた模様と同じの模様の放射目状の凹凸模様を設けている。反射型偏光板57からの反射光からは僅かに金金属色感の現れた白色色調が現れる。
【0078】
以上の構成をなした表示板50は、金金属色調が強く現れて表示板に高級感が現れてくる。一方、金属薄板54に設けた透過孔は、僅かに見えるかどうかの大きさであるが、透過性基板51に同一色調系の着色を施しており、反射型偏光板57からは同一模様をなして僅かに金属色感が現れることから、一見した限りにおいては透過孔は殆ど見分けがつかず、一体的な模様、一体的な色調として視認されるようになって全く違和感は生じない。
【0079】
また、ソーラーセルからの濃紫色は反射型偏光板57の梨地なる凹凸模様によって分散・拡散され、更に透過性基板51の着色色調と混ざり合って消し去られ、視認されなくなる。
【0080】
尚、上記構成をなす表示板50の金属薄板54の表面に透明な保護膜を設けることも可能である。透明な保護膜によって金属薄板54の損傷を防止することができる。
【0081】
以上、実施例1〜3をもって詳細に説明したが、この実施例は何れも反射型偏光板を1個用いたものを示している。反射型偏光板は、例えば2個重ね合わせて用いることも可能である。2個重ねた場合に双方の透過容易軸(または反射軸でも良い)を少し角度を振ってずらして重ね合わせると透過率は低下する。一方反射率はアップする。透過率を更に低くしたい場合などには2個重ね合わせて使用するのも効果的である。また、反射型偏光板は、透過性基板と金属薄板の下面に配置したもので説明したが、反射型偏光板表面に凹凸状の模様を入れたものを用い、透過性基板と金属薄板の上側に配置しても良く、デザインバリエーションの拡大を図ることができる。また、透過性基板、金属薄板及び反射型偏光板を接着剤などで積層固定したが、接着剤などを使用せず、単に積層しただけでも成り立つことは言うまでもない。
【0082】
また、実施例1〜3は何れも時計用の表示板を用いて説明したが、これは時計用の表示板に拘わらず他の表示板にも適用できる。例えば、バックライトを備えた車載用のメータなどの表示板、バックライトを備えたパネル表示板などを挙げることができる。また、ソーラーセルによって駆動する電子機器などにも適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本実施形態に係る表示板の平面図と要部断面図で、図1の(a)は平面図、図1の(b)は要部断面図である。
【図2】図1における金属薄板の1/4切断平面図である。
【図3】図1における反射型偏光板の作用を説明する説明図である。
【図4】本発明の実施例1に係る表示板を用いた時計の要部断面図である。
【図5】図4における表示板の平面図と要部断面図で、図5の(a)は平面図、図5の(b)は要部断面図である。
【図6】図5における金属薄板の1/4切断平面図である。
【図7】本発明の実施例2に係る表示板の要部断面図である。
【図8】図7における金属薄板の1/4切断平面図である。
【図9】実施例3に係る表示板の要部断面図である。
【図10】特許文献1に記載された表示板の1/4切断平面図である。
【符号の説明】
【0084】
9、29 ソーラーセル
10、30、40、50 表示板
10a 中心穴
11、31、41、51 透過性基板
31a 凹部
13、16、33、36、43、46、53、56 接着剤
14、34、44、54 金属薄板
14b、34b、44b 透過孔
14c、17c、34c、37c、44c、47c、54c、57c 上面
17、37、47、57 反射型偏光板
20 時計
21 ケース
22 風防
24 指針
26 裏蓋
27 中枠
28 ムーブメント
32 装飾部材
39 指標
41b 凹凸模様

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透過性基板と少なくとも1つの透過孔を有する金属薄板と少なくとも1つの反射型偏光板を有し、これらを積層したものからなることを特徴とする表示板。
【請求項2】
前記透過性基板、金属薄板、反射型偏光板は視認側から透過性基板、金属薄板、反射型偏光板の順で積層されていることを特徴とする請求項1に記載の表示板。
【請求項3】
前記透過性基板、金属薄板、反射型偏光板は視認側から金属薄板、透過性基板、反射型偏光板の順で積層されていることを特徴とする請求項1に記載の表示板。
【請求項4】
前記透過性基板は金属膜、塗料膜、インキ膜、貝、貴石などの石類、和紙などの紙類、ホログラムなどの少なくとも1種から形成した装飾を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の表示板。
【請求項5】
前記透過性基板は着色されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の表示板。
【請求項6】
前記透過性基板は凹凸状の模様を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の表示板。
【請求項7】
前記金属薄板の少なくとも1つの透過孔は模様状に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の表示板。
【請求項8】
前記金属薄板はメッキや印刷、塗装などによる装飾を有することを特徴とする請求項1乃至3、7のいずれかに記載の表示板。
【請求項9】
前記金属薄板は凹凸状の模様を有することを特徴とする請求項1乃至3、7、8のいずれかに記載の表示板。
【請求項10】
前記反射型偏光板の少なくとも一方の表面に凹凸状の模様を設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の表示板。
【請求項11】
前記金属薄板の凹凸状の模様と前記反射型偏光板の凹凸状の模様は同一模様をなすことを特徴とする請求項9又は10に記載の表示板。
【請求項12】
前記凹凸状の模様は、サークル模様、渦巻模様、ストライプ模様、放射目模様、梨地模様、砂目模様、格子模様、石調模様、幾何学模様などからなることを特徴とする請求項6、9乃至11のいずれかに記載の表示板。
【請求項13】
時計用表示板の下面側にソーラーセルを備えた時計において、前記時計用表示板に前記請求項1乃至11のいずれかに記載の表示板を用いたことを特徴とする時計。
【請求項14】
時計用表示板の下面側にエレクトロルミネッセンスを備えた時計において、前記時計用表示板に前記請求項1乃至11のいずれかに記載の表示板を用いたことを特徴とする時計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−111731(P2008−111731A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−295187(P2006−295187)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【出願人】(000124362)シチズンセイミツ株式会社 (120)
【出願人】(000001960)シチズンホールディングス株式会社 (1,939)
【Fターム(参考)】