説明

表示機器および制御方法

【課題】思わぬ電力をできるだけ消費せずに表示情報量が変動する情報を表示する。
【解決手段】制御部(回路基板30)は、第1の動作が行われると第1の情報を表示領域に表示すると共に、第1の動作から又は第1の情報の表示開始から所定の設定時間を経過するまでに第2の動作が行われた場合には、第1の情報の表示が終了した後に第2の情報を表示領域に表示し、所定の設定時間を経過するまでに第2の動作が行われなかった場合には、第1の情報の表示が終了した後に第2の情報を表示領域に表示しないように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の表示領域を有する表示部を備えた表示機器および表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯情報端末は普及が進むにつれ、その性能向上には目覚しいものがあり、機能の充実化がはかられている。最近では、BCMCS(Broadcast/Multicast Service)と称される機能がネットワークに見込まれ、キャリア側から特定のコンテンツを放送のように多数のユーザに対して同時配信する機能が提供されようになり、同サービスに対応可能な携帯情報端末が多数出現している。このBCMCSを使用すれば、ラジオの文字多重放送のように、対応する携帯情報端末にデータの一斉配信が可能になる。
【0003】
また、上記したBCMCSと同様、利用者が、特に、能動的な動作を行なうことなく、テレビ受信する場合と同様の感覚で、次々に自動的に切替わるWeb(World Wide Web)ページや広告やニュースなどの情報の受信を可能とする自動情報配信システムが出願されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−21326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、受信したWebページや広告やニュースの表示情報量は、常に一定というわけではなく受信の都度変動するものであるため、したがって、例えば、表示情報量が非常に多いWebページや広告やニュースが受信されて、受信したWebページや広告やニュースを表示部に表示しようとすると、その表示に多くの時間がかかり、思わぬ電力を消費するおそれがあるという課題があった。
【0006】
かかる課題は、時計表示等の表示情報量が一定である情報と当該Webページや広告やニュースのように表示情報量が変動する情報のいずれかを所定の表示領域に表示する表示部を有する構成となっている表示機器においても同様に生ずるものである。すなわち、従来のかかる表示機器においては、所定の動作に応じて時計表示等のように情報量が一定である情報とWebページや広告等のように表示情報量が変動する情報との両方を連続して表示する構成をとなっていたが、やはりこの場合も当該表示に係るWebページや広告やニュースの表示情報量が非常に多い場合には、その表示に多くの時間がかかり思わぬ電力を消費するおそれがあるという課題がある。
【0007】
本発明は上記した課題を解決するためになされたものであり、所定の表示領域を有し、表示情報量が一定である情報と表示情報量が変動する情報のいずれかを当該表示領域に表示する表示部を有する表示機器において、思わぬ電力をできるだけ消費せずに表示情報量が変動する情報を表示することのできる表示機器および表示制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決するために本発明の第1の観点の表示機器は、所定の表示領域を有する表示部と、表示情報量が一定である第1の情報と表示情報量が変動する第2の情報のいずれかを前記表示領域に表示する制御を行う制御部と、を有し、前記制御部は、第1の動作が行われると前記第1の情報を前記表示領域に表示すると共に、前記第1の動作から又は前記第1の情報の表示開始から所定の設定時間を経過するまでに第2の動作が行われた場合には、前記第1の情報の表示が終了した後に前記第2の情報を前記表示領域に表示し、前記所定の設定時間を経過するまでに前記第2の動作が行われなかった場合には、前記第1の情報の表示が終了した後に前記第2の情報を前記表示領域に表示しない制御を行う。
【0009】
また、本発明の表示機器において、前記制御部は、前記第2の動作が行われると前記第1の表示を終了させると共に、前記第2の情報を前記表示領域に表示する制御を行う、ように構成してもよい。
【0010】
また、本発明の表示機器において、前記制御部は、前記第1の動作が行われると前記第1の情報を前記表示領域に所定の表示時間表示すると共に、前記第1の動作又は前記第1の情報の表示開始から所定の設定時間を経過するまでに前記第2の動作が行われた場合には、前記所定の表示時間が経過した後に前記第2の情報を前記表示領域に表示する制御を行う、ように構成してもよい。
【0011】
また、本発明の表示機器において、前記制御部は、前記第2の情報の表示中に前記操作部に対して第3の動作が行われると、前記第2の情報の表示を終了する制御を行う、ように構成してもよい。
【0012】
また、本発明の表示機器において、前記制御部は、前記第2の情報が前記表示部の表示領域に表示可能な情報量よりも多い情報量を有して構成される場合に、前記第2の情報を前記表示領域にスクロール表示する制御を行う、ように構成してもよい。
【0013】
また、本発明の表示機器において、前記制御部は、現在時刻を前記第1の情報として前記表示領域に表示する制御を行う、ように構成してもよい。
【0014】
また、本発明の表示機器において、受信情報を受信する受信部をさらに有し、前記制御部は、前記受信情報を前記第2の情報として前記表示領域に表示する、ように構成してもよい。
【0015】
また、本発明の表示機器において、前記受信部により受信された受信情報を記憶する記憶部をさらに有し、前記制御部は、前記記憶部に記憶された受信情報のうち、前記第2の動作がされた時点に最も近い時点で受信された受信情報を前記第2の情報として前記表示領域に表示する、ように構成してもよい。
【0016】
また、本発明の表示機器において、前記制御部は、前記受信情報の表示中に第4の動作が行なわれた場合には、前記受信情報の表示が終了した後に、前記記憶部に記憶された他の受信情報を前記表示領域に表示する、ように構成してもよい。
【0017】
また、本発明の表示機器において、操作部をさらに有し、前記制御部は、前記操作部に対する第1の操作を前記第1の動作、前記操作部に対する第2の操作を前記第2の動作と認識して、前記制御を行う、ように構成してもよい。
【0018】
本発明の第2の観点の表示制御方法は、操所定の表示領域を有する表示部と、表示情報量が一定である第1の情報と表示情報量が変動する第2の情報のいずれかを前記表示領域に表示する制御を行う制御部と、を備えた表示機器における表示制御方法であって、第1の動作が行われると前記第1の情報を前記表示領域に表示するステップと、前記第1の動作から又は前記第1の情報の表示開始から所定の設定時間が経過するまでに第2の動作が行われた場合には、前記第1の情報の表示が終了した後に前記第2の情報を前記表示領域に表示するステップと、前記所定の設定時間を経過するまでに前記第2の動作が行われなかった場合には、前記第1の情報の表示が終了した後に前記第2の情報を前記表示領域に表示しない制御を行うステップと、を有する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、表示情報量が一定である情報と表示情報量が変動する情報のいずれかを当該表示領域に表示する表示部を有する表示機器において、思わぬ電力をできるだけ消費せずに表示情報量が変動する情報を表示することのできる表示機器および表示制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態に係る表示機器の外観を開状態で示す正面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る表示機器の外観を開状態で示す外観図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る表示機器の信号処理系の構成の一例を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る表示機器の動作を説明するために引用したフローチャートである。
【図5】サブディスプレイへの時計表示の一例を示す図である。
【図6】サブディスプレイへのニュース表示の一例を示す図である。
【図7】記憶部に記憶されたニュース全文の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る表示機器の画面遷移の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本発明の実施の形態に係る表示機器としての携帯電話1の外観を開状態で示す斜視図である。また、図2は、当該携帯電話1の外観を開状態を示す斜視図である。
【0022】
携帯電話1は、受話筐体2および送話筐体3とを備え、それぞれの端部が回動の中心となる連結部4により連結されることにより開状態と閉状態との間を回動自在に連結されたいわゆる折り畳み式の携帯電話である。
受話筐体2および送話筐体3は、それぞれ概ね薄型直方体に形成されており、閉状態では互いに重ね合わされ(図2)、一方の筐体側から他方の筐体側を見たときに互いの輪郭が略一致するようになっている。
【0023】
受話筐体2は、閉状態で送話筐体3に対向する面側の正面側ケース6と、その背面側の背面側ケース7と、背面側7の背面側に取り付けられるパネル8とを備えている。
受話筐体2の閉状態で送話筐体3に対向する正面S1は正面側ケース6により構成され、その反対側の背面S2は背面側ケース7およびパネル8により構成されている。正面側ケース6、背面側ケース7およびパネル8は、例えば、非導電性の樹脂によりそれぞれ成形されている。
【0024】
受話筐体2の正面S1には、通話用のスピーカ(不図示)の放音孔12が開口している。受話筐体2には、正面S1に映像や文字を所定の表示領域に表示する表示部としてのメインディスプレイ13と、背面S2に映像や文字を所定の表示領域に表示する同じく表示部としてのサブディスプレイ14および操作部18としてのファンクションキー281、282、283、284とが設けられている。すなわち閉状態にて隠れる位置にメインディスプレイ13が、閉状態にしても隠れない位置にサブディスプレイ14がそれぞれ設けられている。メインディスプレイ13およびサブディスプレイ14は、例えば、液晶(LCD:Liquid Crystal Display)表示装置や有機EL(Electronic Luminescence)など
の表示デバイスにより構成されている。なお、パネル8は透光性を有しており、サブディスプレイ14の保護カバーを兼ねている。
【0025】
送話筐体3は、閉状態で受話筐体2に対向する面側の正面側ケース9と、その背面側の背面側ケース10と、背面側ケース10の背面側に被せられる蓋体11(不図示)とを備えている。送話筐体3の閉状態で受話筐体2に対向する正面S3は正面側ケース9により構成され、その反対側の背面S4は背面側ケース10および蓋体11により構成されている。正面側ケース9、背面側ケース10および蓋体11は、たとえば非導電性の樹脂によりそれぞれ成形されている。
【0026】
送話筐体3の正面S3には通話用のマイクロフォン(不図示)の集音孔16が閉口し、背面S4側では報知用スピーカ(不図示)の放音孔が開口している。送話筐体3には、正面S3に露出する各種キーを含む操作部18が設けられている。各種キーは、たとえばダイヤルキー18a、カーソルキー18b、ファクションキー18c、決定キー18dとを有して構成される。なお、操作部18には、タッチセンサ(不図示)が実装されていてもよい。
【0027】
図3は、図1、図2に示す本発明の実施の形態に係る携帯電話1の信号処理系の構成の一例を示すブロック図であり、ここでは、特に送話筐体3に実装される回路基板30の構成が示されている。
【0028】
回路基板30は、主制御部300(制御部)と、記憶部301と、操作入力取得部302と、通信処理部303と、表示制御部304と、表示用メモリ305とを有して構成される。
【0029】
記憶部301は主制御部300が実行するプログラムの他に、後述する通信処理部303を介して取得されるニュースやメール等に関する受信情報が格納される、例えば、不揮発性メモリで構成される記憶手段である。
【0030】
操作入力取得部302は、操作部18によるキー18a〜18d入力操作やファンクションキー281〜284への入力操作、あるいは、携帯電話1の開閉状態を検知して検知したことを主制御部300へ通知する。
【0031】
通信処理部303は、BCMCS等、通信により外部から定期的に送信されるニュース等の情報の受信情報、あるいは不定期で送信されるメール等を受信して、受信した受信情報やメール等主制御部300に引き渡す。
表示制御部304は、通信処理部303を介して受信した受信情報やメール等、あるいは主制御部300により生成される表示情報を表示用メモリ305に描画し、メインディスプレイ13やサブディスプレイ14等の表示部の表示タイミングに同期して描画された受信情報やメール等あるいは表示情報を読み出して同表示部に表示する。なお、ここでは、表示用メモリ305を記憶部301とは独立した構成ブロックとして示したが、記憶部301の一部領域で代替してもよい。
【0032】
主制御部300は、先に示した記憶部301、操作入力部302、通信処理部303および表示制御部304を管理・制御する中央処理部であり、本実施形態では特に表示制御部304を介して、例えば、時計、電波状態、電池残量等の表示情報量が一定である、第1の情報と、例えば、BCMCSによる受信情報、メール本文等の表示情報量が変動する、第2の情報のいずれかを、サブディスプレイ14の所定の表示領域に表示する制御を行う制御部として機能し、特に、第1の動作に応じて第1の情報を表示領域に表示すると共に、第1の動作から又は第1の情報の表示開始から所定の設定時間を経過するまでに第2の動作が行われた場合には、第1の情報の表示が終了した後に第2の情報を表示領域に表示し、所定の設定時間を経過するまでに第2の動作が行われなかった場合には、第1の情報の表示が終了した後に第2の情報を表示領域に表示しないように制御する。
【0033】
ここで、「第1の動作」、および「第2の動作」とは、操作入力部302により検知されたファンクションキー281〜284(または図示しないサイドキーでも可)のいずれかの操作、あるいは図示しない開閉状態検出部により検出された携帯電話1を開状態から開状態に移行する動作のことをいう。
なお、本実施形態における第1の動作と第2の動作とは、同じ動作であっても異なる動作であってもよい。また、ファンクションキー281〜284いずれかの操作や携帯電話の開閉動作以外のその他の動作であってもよい。
また、「所定の設定時間」とは、第1の動作がされたとき、または第1の動作がなされて第1の情報が表示されたときから第2の情報を表示させる意図があるか否かを判定するために予め設定された時間をいう。また、「所定の表示時間」とは、第1の情報を表示してからその表示が終了するまでの予め設定された設定時間をいい、先に説明した「所定の設定時間」と同じ場合と、いずれかが小さい(大きい)場合の3パターンがありうる。詳細は後述する。
【0034】
なお、サブディスプレイ14は、受話筐体2の背面S2に設けられたファンクションキー281〜284の操作により、例えば、図5に示されるような時計等の表示情報量が一定の第1の情報表示が可能である。この時計表示は頻繁に使用されるため、より少ない操作で可能であることが望ましく、また一定時間の表示がユーザビリティ上最低限必要である。また、ネットワークから配信され、通信処理部303を介して受信され、表示情報量が変動する第2の情報としてのニュース等を表示可能に構成される。ニュースは、マルチキャスト通信によって配信され一定時間ごとに更新される。なお、表示しようとするニュース等がサブディスプレイ14の表示領域に表示可能な情報量より多い情報量を有する場合には、そのニュース等はスクロール表示することにより、その全文を表示することができる。また、消費電力抑制のため、スクロールが終了するとサブディスプレイ14を消灯し、その表示を終了する。なお、サブディスプレイ14は所定の表示領域に第1の情報と第2の情報とのいずれかを表示可能に構成される。
このように、本実施形態に係る受話筐体2の背面S2に設けられたファンクションキー281〜284の操作により、例えば、図6に示されるようにサブディスプレイ14にニュース表示を行うことで、ユーザはわざわざ筐体を開状態に設定して操作しなくとも時計やニュースを見ることができる。
【0035】
なお、上記したサブディスプレイ14は、消費電力抑制のために第1の情報を表示してから受話筐体2の背面S2に設けられたファンクションキー281〜284の操作が何らなく、所定の設定時間が経過すると消灯してその表示を終了するように制御され、この設定時間は、例えば、3秒〜20秒程度であり、ユーザ設定により可変である。つまり、第1の情報の表示については、何らの操作がなく、所定の設定時間が経過すればその表示が終了されるため、思わぬ電力を消費するおそれはない。
図4は、本発明の実施の形態に係る表示機器の動作を説明するために引用したフローチャートである。ここでは、例えば、ここでは全角文字で11文字分(半角文字で22文字)の表示領域しか持たないサブディスプレイ14に対し、主制御部300により生成される時計情報を表示情報量が一定である第1の情報とし、通信処理部303を介して受信されるニュースあるいはメールを表示情報量が変動する第2の情報として、いずれかを表示する場合を例示して以下に説明する。
【0036】
まず、サブディスプレイ14が消灯している待受状態において、ユーザが受話筐体2の背面S2のファンクションキー281〜284のうちのいずれか一つを押下と(第1の動作)、操作入力取得部302は当該押下を検知してこれを時計表示要求として主制御部300へ引き渡す(S401“Yes”)。この時計表示要求を受けて主制御部300は、図5に示すように、時計情報を生成して表示制御部304によりサブディスプレイ14に時計を表示する(S402)制御を行う。一方、ステップS401においてユーザによるファンクションキー281〜284のうちのいずれかの押下がない場合には、時計表示要求無しとして(S401“No”)、主制御部300は、上記した第1の動作があるまでサブディスプレイ14が消灯している待受状態を継続する。
このとき主制御部300は時間監視を行っており、上記した時計表示要求から又は時計の表示開始から所定の設定時間を経過するまでに続くファンクションキー操作が行われたか否かについて監視している(S403)。そして、主制御部300は、この所定の設定時間が経過するまでに受話筐体2の背面S2に設けられたファンクションキー281〜284のうちのいずれか一つの特定のキー押下(第2の動作)があった場合には(S404“Yes”)ニュース表示要求ありと解釈して表示をニュース表示に切替え、その後、ステップS405に進む。なお、ここでのニュースは記憶部301に記憶されたニュースのうち、ステップS404において押下された特定のキー押下(第2の動作)があった時点で最も近い時点で受信されたニュースであるものとする。なお、本発明はこれに限定されず、記憶部301に記憶されたニュースであればいずれでもよく、例えば未読(未表示)のニュースを優先的に表示してもよい。
反対に、この所定時間が経過するまでにファンクションキー281〜284のうちいずれか一つの特定のキーの押下がなかった場合には(S404“No”)時計表示が終了した後にニュース表示を行わないように制御する。
【0037】
このことにより、表示情報量が一定である時計と、表示情報量が変動するニュースとのいずれかをサブディスプレイ14に表示する制御を行なう場合、思わぬ電力消費を抑制することができる。すなわち、時計は表示情報量が一定であるため、所定の設定時間さえ定めてあれば表示を継続しても思わぬ電力を消費することはない。
一方、ニュースは、表示情報量が変動するため、表示情報量が多い場合は思わぬ電力消費の恐れがあるが、所定の設定時間を経過するまでにニュース表示を要求するファンクションキー操作があった場合に限り、すなわち、ユーザがニュース表示を行いたいという意思表示があった場合に限りニュース表示を実行する。
【0038】
ステップ405では、あらかじめ設定された所定の設定時間と所定の表示時間との比較を行う(S405)。ここで、「所定の設定時間」とは、ファンクションキー281〜284への操作があったとき、またはファンクションキー281〜284の操作があって時計が表示されたときから起算されるニュースを表示させる意図があるか否かを判定するために設定された時間をいう。また、「所定の表示時間」とは、時計が表示されたときから起算される時計を表示させるために予め設定された設定時間のことをいう。
【0039】
ステップS405の判定処理において、所定の設定時間が所定の表示時間より大きい場合(S405“>”)、主制御部300は、所定の表示時間経過後に時計表示を終了させるとともに、所定の設定時間経過後にニュース表示を開始させるように表示制御部304を制御する(S406)。また、設定時間と表示時間とが同じ場合(S405“=”)、あるいは、設定時間が表示時間より小さい場合(s405“<”)は、表示時間(設定時間)経過後、時計表示を終了するとともにニュース表示を開始させるように表示制御部304を制御する(それぞれS407、S408)。
続いて、ニュース表示にあたり、主制御部300は、ニュース情報量とサブディスプレイ14が持つ表示領域の表示可能な情報量との比較を行い、スクロール制御の要否を判定する(S409)。すなわち、ニュース情報量がサブディスプレイ14の表示領域の表示可能な情報量より少ないと判定された場合には、スクロール表示不要と判定(S409“<”)、ニュースをスクロール表示することなくサブディスプレイ14の表示領域に表示する通常表示を行う(S410)。一方、ニュース情報量がサブディスプレイ14の表示領域の表示可能な情報量より多いと判定された場合にはスクロール表示要と判定し(S409“>”)、ニュースの情報が最後まで全て表示されるまでスクロール表示を行う(S412)。図6は、図7に示すニュース全文をスクロール表示する様を表した図である。
【0040】
なお、ニュースの表示に係る情報量がサブディスプレイ14の表示領域に表示可能な情報量より多いか少ないかの判断は、受信情報のヘッダに埋め込まれた情報を解読することにより可能である。
【0041】
なお、通常表示中(S410)、あるいはスクロール表示中(S412)、ユーザが第3の動作としてのファンクションキー(281〜284のいずれか)操作によるニュース表示取り消し要求があった場合(S411“Yes”またはS414“Yes”)、主制御部300はニュース表示を強制終了させることができる(S415)。このことにより、ステップS404にて意図せずにニュース表示を要求してしまった場合に不要な表示を終了することができる。
なお、ニュース表示が通常表示されて一定時間経過してその表示が終了した場合(S411“Yes”)、あるいはスクロール操作の終了を待って(S413“Yes”)、ニュース表示を終了させることもできる。これにより、サブディスプレイ14のような比較的表示領域の小さいディスプレイであってもニュース等の受信情報の全文を確実に表示することができる。
【0042】
図8には、上記したステップS401〜S415までの一連の処理に伴うサブディスプレイ14の画面遷移の一例が示されている。
図8に示されるように、(a)待機中(サブディスプレイ14が消灯して待受状態にある)、サブディスプレイ14消灯時にファンクションキー281〜284のうちのいずれか1つのキー押下(第1の動作)が検出されると、サブディスプレイ14上には(b)で示される第1の表示としての時計表示が行なわれる。当該時計表示後、所定の設定時間(例えば、3秒)を監視し、経過すれば時計表示を消灯し、経過までにファンクションキー281〜284のうちのいずれか1つのキー押下(第2の動作)が検出されると(c)で示されるようなニュース表示が行なわれる。そして、(d)に示されるように表示されたニュースをスクロール操作によってニュース全体の表示を終了させ(例えば、15秒要)、その後、(d)に示されるようにサブディスプレイ14を消灯する。
なお、ステップS410におけるニュースの通常表示中、またはステップS412におけるニュースのスクロール表示中に上記したニュース取り消し要求たるファンクションキー281〜284(第3の動作)があればそのスクロール表示は終了され、また、当該ニュースのスクロール表示中、第3の動作とは異なるファンクションキー281〜284の更なる操作(第4の動作)があった場合は、記憶部301に記憶された他のニュース、例えば、ステップS410またはS412において表示されるニュースが受信された時点に最も近い時点で通信処理部303により受信されたニュースや未読のニュース(未表示のニュース)をサブディスプレイ14に表示することも可能である。
【0043】
以上説明のように、上記した本発明の実施の形態に係る表示機器によれば、表示情報量が一定である時計等の情報と表示情報量が変動するニュース等の受信情報のいずれかをサブディスプレイ14の表示領域に表示する制御を行なう表示機器において、ユーザが、ニュース等の受信情報を表示させたいと解される場合に限り当該受信情報を表示するように制御し、また、所定の設定時間を経過するまでにさらなる動作がなかった場合には、所定の設定時間が経過したときに時計表示を終了すると共に受信情報を表示しないように制御することにより、思わぬ電力消費を伴う恐れを抑制することができる。また、サブディスプレイ14のように比較的表示領域が小さい表示部であっても表示情報量が変動するニュース等については、スクロール表示を行なうことによりその全文を確実に表示することができる。時計等の表示情報を表示した後、ニュース等の受信情報を迅速に表示することができる。また、意図しない第2の動作を行ってしまい、受信情報を誤って表示をしてしまった場合にも第3の動作を行うことによってニュース表示を取り消すことができるため、不要な表示を好適に中止することができ、思わぬ電力消費を抑制することができる。
【0044】
また、本発明の実施の形態に係る表示制御方法は、操作部(例えば、281〜184)と、所定の表示領域を有する表示部(例えば、ザブディスプレイ14)と、表示情報量が一定である第1の情報(例えば、時計)と表示情報量が変動する第2の情報(例えば、ニュース)のいずれかを前記表示領域に表示する制御を行う制御部(回路基板30)と、を備えた表示機器に用いられる表示制御方法であって、第1の動作に応じて前記第1の情報を前記表示領域に表示するステップ(例えば、図4のS401とS402)と、前記第1の動作から又は前記第1の情報の表示開始から所定の設定時間が経過するまでに第2の動作が行われた場合には、前記第1の情報の表示が終了した後に前記第2の情報を前記表示領域に表示するステップ(例えば、図4のS403〜S408)と、前記所定の設定時間を経過するまでに前記第2の動作が行われなかった場合には、前記第1の情報の表示が終了した後に前記第2の情報を前記表示領域に表示しないように制御するステップと(S404“No”〜エンド)、とを有するものである。
【0045】
上記した本発明の実施の形態に係る表示制御方法によれば、表示情報量が一定である時計等の情報と表示情報量が変動するニュース等の受信情報のいずれかをサブディスプレイ14の表示領域に表示する制御を行なう表示制御方法において、ユーザが、ニュース等の受信情報を表示させたいと解される場合に限り当該受信情報を表示するように制御し、また、所定の設定時間を経過するまでにさらなる動作がなかった場合には、所定の設定時間が経過したときに時計表示を終了すると共に受信情報を表示しないように制御することにより、思わぬ電力消費を伴う恐れを抑制することができる。
【0046】
なお、上記した本発明の実施の形態によれば、ファンクションキー281〜284のいずれかを操作することにより、時計もしくはニュース等の受信情報をサブディスプレイ14の表示領域に表示するものとして説明したが、これらの表示、あるいは表示切替えのトリガは、サイドキー、あるいは筐体の開閉動作で代替してもよい。また、サブディスプレイ14による表示については、第1の情報と第2の情報とのいずれかを所定の表示領域に表示する制御がされるようなメインディスプレイ13による表示で代替してもよい。また、第1の情報として時計を例示したが、電波状態や電池残量等、表示情報量が一定のものであれば適用が可能であり、また、第2の情報として、ニュースを例示したが、メール本文等、表示情報量が変動するものであれば適用が可能である。また、本実施形態においては、第2の情報を第1の表示が終了した後に表示する構成となっていたが(S406、S407、S408)、本発明はこれに限定されず、第1の表示中、第2の動作(ファンクションキー281〜284の操作)があったことを契機に第1の表示を強制的に終了してそのまま第2の表示を行う構成にしてもよい。これにより、時計等の表示情報を表示した後、ニュース等の受信情報を迅速に表示することができる。
【0047】
なお、上記した本発明の実施の形態によれば、表示機器として携帯電話機等の携帯情報端末を例示したが、携帯電話に限らず、PDA(Personal Digital Assistants)、やゲーム機等にも同様に適用が可能である。また、本発明の表示機器が持つ各構成ブロックの機能は、全てをソフトウェアによって実現しても、あるいはその少なくとも一部をハードウエアで実現してもよい。例えば、主制御部300における処理や、通信処理部303、表示制御部304におけるデータ処理は、1または複数のプログラムによりコンピュータ上で実現してもよく、また、その少なくとも一部をハードウエアで実現してもよい。
【符号の説明】
【0048】
1…携帯情報端末(表示機器)、2…受話筐体、3…送話筐体、4…連結部、13…メインディスプレイ、14…サブディスプレイ、18…操作部、30…回路基板、300…主制御部(制御部)、301…記憶部、302…操作入力取得部、303…通信処理部、304…表示制御部、305…表示用メモリ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の表示領域を有する表示部と、
表示情報量が一定である第1の情報と表示情報量が変動する第2の情報のいずれかを前記表示領域に表示する制御を行う制御部と、を有し、
前記制御部は、
第1の動作が行われると前記第1の情報を前記表示領域に表示すると共に、前記第1の動作から又は前記第1の情報の表示開始から所定の設定時間を経過するまでに第2の動作が行われた場合には、前記第1の情報の表示が終了した後に前記第2の情報を前記表示領域に表示し、前記所定の設定時間を経過するまでに前記第2の動作が行われなかった場合には、前記第1の情報の表示が終了した後に前記第2の情報を前記表示領域に表示しない制御を行う、
ことを特徴とする表示機器。
【請求項2】
前記制御部は、
前記第2の動作が行われると前記第1の表示を終了させると共に、前記第2の情報を前記表示領域に表示する制御を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示機器。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第1の動作が行われると前記第1の情報を前記表示領域に所定の表示時間表示すると共に、前記第1の動作又は前記第1の情報の表示開始から所定の設定時間を経過するまでに前記第2の動作が行われた場合には、前記所定の表示時間が経過した後に前記第2の情報を前記表示領域に表示する制御を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示機器。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第2の情報の表示中に前記操作部に対して第3の動作が行われると、前記第2の情報の表示を終了する制御を行う、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の表示機器。
【請求項5】
前記制御部は、
前記第2の情報が前記表示部の表示領域に表示可能な情報量よりも多い情報量を有して構成される場合に、前記第2の情報を前記表示領域にスクロール表示する制御を行う、ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の表示機器。
【請求項6】
前記制御部は、
現在時刻を前記第1の情報として前記表示領域に表示する制御を行う、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の表示機器。
【請求項7】
受信情報を受信する受信部をさらに有し、
前記制御部は、
前記受信情報を前記第2の情報として前記表示領域に表示する、
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の表示機器。
【請求項8】
前記受信部により受信された受信情報を記憶する記憶部をさらに有し、
前記制御部は、
前記記憶部に記憶された受信情報のうち前記第2の動作がされた時点に最も近い時点で受信された受信情報を前記第2の情報として前記表示領域に表示する、
ことを特徴とする請求項7に記載の表示機器。
【請求項9】
前記制御部は、
前記受信情報の表示中に第4の動作が行なわれた場合には、前記受信情報の表示が終了した後に、他の受信情報を前記表示領域に表示する、
ことを特徴とする請求項8に記載の表示機器。
【請求項10】
操作部をさらに有し、
前記制御部は、
前記操作部に対する第1の操作を前記第1の動作、前記操作部に対する第2の操作を前記第2の動作と認識して、前記制御を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示機器。
【請求項11】
所定の表示領域を有する表示部と、表示情報量が一定である第1の情報と表示情報量が変動する第2の情報のいずれかを前記表示領域に表示する制御を行う制御部と、を備えた表示機器における表示制御方法であって、
第1の動作が行われると前記第1の情報を前記表示領域に表示するステップと、
前記第1の動作から又は前記第1の情報の表示開始から所定の設定時間が経過するまでに第2の動作が行われた場合には、前記第1の情報の表示が終了した後に前記第2の情報を前記表示領域に表示するステップと、
前記所定の設定時間を経過するまでに前記第2の動作が行われなかった場合には、前記第1の情報の表示が終了した後に前記第2の情報を前記表示領域に表示しない制御を行うステップと、
を有することを特徴とする表示制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−157021(P2012−157021A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−48156(P2012−48156)
【出願日】平成24年3月5日(2012.3.5)
【分割の表示】特願2011−125350(P2011−125350)の分割
【原出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】