説明

表示機器

【課題】本発明は、表示ユニットを備える表示機器であって、前記表示機器の背面に背景照明のための手段を有する表示機器に関する。
【解決手段】本発明によると、前記背景照明のための手段が、該表示機器の右手側及び左手側に設けられる2つの照明ユニットを備え、前記照明ユニットが、光を拡散する手段を備えるほぼ垂直に位置される縦型光導波路として形成され、前記光導波路のそれぞれが、光源を前記光導波路の端部の少なくとも一方に備える。前記光源は、好ましくは、有色のLEDを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示ユニットを有する表示機器であって、前記表示機器の側面又は背面に背景照明のための手段を有する表示機器に関する。
【背景技術】
【0002】
斯様な表示機器は、例えばドイツ国実用新案出願公開第20002420号から既知である。この出願公開は、限られた背景照明の可能性を有する簡単な背景照明システムを開示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、改善された表示機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
これを実現するために、本発明は、請求項1に記載の表示機器を提供する。請求される特徴を有する装置は、限られた背景照明の可能性を有する従来技術の表示機器よりも看者により大きなインパクトを示す。このことは、ワイドスクリーン表示ユニットを有する表示機器に関して特に効果がある。
【0005】
本発明による表示機器は、該表示機器の背面に取り付けられるのが好ましい少なくとも2つの照明ユニットを有する。2つのユニットの好ましい実施例において、1つのユニットは、該機器の左手側に設けられ、他方のユニットは、右手側に設けられる。該ユニットは、押し出し成形によって用意され得るアクリル樹脂などの、好ましくは合成樹脂の縦型光導波路として形成される。該光導波路は、原理的に、如何なる所望の形状の断面も有し得るが、円形断面を有することが好ましい。該光導波路がほぼ垂直に位置されるので、これらは、相互に平行な向きに前記機器に取り付けられる。該表示機器は、該表示機器の上部及び/又は底部の側に追加的な照明ユニットを有し得る。これらの光導波路は、ほぼ水平に位置される。
【0006】
本発明による表示機器で用いられる光導波路は、光を拡散する手段を備える。押し出し成形された光導波路に封入される反射体を用いることが可能である。好ましくは、光を拡散する手段は、前記光導波路の表面に設けられる構造体として形成される。このことは、所望の構造体に従う光導波路の表面の部分をサンドブラストすることによって達成される。代替的には、光導波路の表面に拡散反射層を印刷することによって、又はステッカを用いて拡散反射層を塗布することによっても良好な結果が得られる。光導波路は、これらの状況下において、所望な構造体が適用され得る平坦な外側表面を含むことが好ましい。
【0007】
光導波路からの光を拡散するための異なる構造体が用いられ得ることを特記される。光導波路の長さ方向に見て、構造体は、連続的又は不連続的(「ゼブラ」又は「点在」形状)であり得る。1つの光源が用いられる場合、連続的な構造体の幅は、光導波路の長さ全体に沿って連続的な光出力を得るために、光源からの距離の増加に従い増加するべきである。光導波路のそれぞれがその端部の両方に光源を備える場合、連続的構造体の幅は、光導波路の長さに沿って連続した光出力を有するために、光導波路の中間部で最大であり得る。不連続なパターン(縞又は点)が用いられる場合、所望の連続光出力を得るために、後続の縞又は点間において異なるピッチ長さを有する連続的な幅の縞又は点が用いられ得る。
【0008】
本発明による興味深い表示機器は、前記光導波路が、縦軸に沿って回転可能であることを特徴とする。この特徴は、壁の背景照明の模様の調整を可能にする。このことは、表示機器のスクリーンが背面の壁に平行にではなく、特定の角度のもとに位置される場合に特に有用である。斯様な状況においては、背景照明が動作している時に表示機器の両側に十分にバランスを取られた壁に対するスポットが得られるように、ユーザが、光導波路を回転することが可能である。この特徴を用いることによって、表示機器が背面の壁に対してある角度のもとに位置される場合においても、看者への所望のインパクトが維持される。
【0009】
本発明のディスプレイの別の有利な実施例は、前記表示機器が、背景照明の色を制御する手段を備え、前記光導波路が、両端部に光源を備え、前記光源が、赤、緑及び青のLEDを有することを特徴とする。表示ユニットは、この実施例を用いることによって光を生成し得、該光をユーザの望みに従い部屋の色と最適に一致させるために、該光の色及び光強度は適合され得る。
【0010】
前記表示機器が、前記光源に近い表示スクリーンの部分の色に応じて前記光源のそれぞれの色を制御する制御回路を備えることを特徴とする実施例もまた興味深い。この特徴を有する表示機器を用いると、該機器に表示されるシーンの追加的な部分を動的な方法で背面の壁に投影し得る。壁に表示される動的なスポットは、斯様にして見られるシーンが増加され得るので、看者に強烈なインパクトを与えることが理解されている。
【0011】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載の実施例及び図面から明らかであり、これらを参照にして説明され得る。
【0012】
図面は、純粋に概略的であり、縮尺通りに描かれていない。寸法は、明瞭性のために強調され得る。図面において、等価な部分は、可能な限り同一の参照番号を与えられている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明による表示機器の実施例を示す。
【図2】図2は、図1に示される本発明による表示機器の概略的な上面図を示す。
【図3A】図3Aは、図1に示される本発明による表示機器の詳細を示す。
【図3B】図3Bは、図1に示される本発明による表示機器の詳細を示す。
【図3C】図3Cは、図1に示される本発明による表示機器の詳細を示す。
【図4】図4は、本発明による表示機器で使用する制御回路の第1実施例のブロック図を示す。
【図5】図5は、本発明に従う表示機器の別の実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面1及び2に示される表示機器(1)は、好ましくは、取付手段(2)によって部屋の壁(3)に取り付けられる。本発明によると、該表示機器は、該表示機器の背面に取り付けられて壁(3)に2つのスポット(5)として形成される背景照明を提供する2つの照明ユニット(4)を備える。これらのスポット(5)は、該表示機器の左手側及び右手側に表示される。通常、これらスポットは、表示機器の動作中にのみ表示される。しかし、表示機器がスイッチオフされる時間においてもこれらスポットを表示することは可能である。
【0015】
図3−Aは、本発明による表示機器において用いられ得る照明ユニット(4)の前面図を示す。該ユニットは、円筒形状を有する縦型光導波路(6)を備える。組み立てられていない光導波路の表面は、動作中に光導波路に挿入される光の拡散を防ぐために磨かれる。本件において、光導波路は、押し出し成形を用いたアクリル樹脂(PMMA,ポリメチルメタクリレート樹脂)製である。縦型構造体(7)は、表面の平らな部分に、印刷を用いて用意される。この構造体は、光導波路に挿入される光の一部が拡散される(couple out)ことを生じさせる。光は、光源(9)によって光導波路の平坦端部(8)において結合される(couple in)。この光源は、白熱灯又はハロゲン灯であり得る。しかし、この目的に関して1つ又は複数のLED(10)を用いることが好ましい。本実施例において、光源は、赤、青及び緑の光を発する個別のLEDである、3つのLED(10)の群からなる。
【0016】
照明ユニット(4)の動作において、特定の量の光が、LED(10)によって発生されて、平坦端部(8)を介して光導波路(6)に入る。挿入される光の一部は、縦型構造体(7)を用いて、光導波路(6)の縦軸にほぼ垂直な方向に光導波路から拡散される。拡散される光の量を光導波路の長さの全体にわたりほぼ一定に保つために、光源から拡散領域への距離が増加すると、拡散構造体の幅は増加する。
【0017】
図3−Bは、光導波路(6)毎に2つの光源(9)を備える代替的な照明ユニット(4)を示す。この例においても同様に、LEDの光源としての使用は、代替光源の使用において好ましい。光導波路の動作における光の一定した拡散を得るために、適用される拡散構造体の幅は、光導波路の中間部で最大である。
【0018】
図3−Cは、1つの青色LED(10)を有する1つの光源(6)を備える別の代替照明(4)を示す。この例において、不連続な縞状拡散構造体(7)が、光出力を光導波路の長さに沿って一定に保つために用いられる。この構造体は、拡散光導波路の拡散構造体の所望な線をサンドブラストすることによって用意される。この実施例において、前記線は、等しい幅及び等しい長さを有する。当然、当業者は、線が異なる長さ及び幅を有する代替構造体であって、隣合う線の間の距離がこれらの代替構造体に調整される代替構造体を設計する。
【0019】
通常、当該構造体は、光導波路から拡散される光ビームが50−90度の角度のもとに発するように適用される。しかし、前記角度が70度で最大で10度、好ましくは5度の偏差を有する場合に、最適な効果が達成される。
【0020】
図2に戻ると、照明ユニット(4)が、矢印で示されるように、光導波路の縦軸に沿って回転され得ることが強調される。表示機器が壁に対してある角度のもとに位置される(すなわち、表示機器のスクリーンの平面が壁の平面に平行でない)場合、機器の動作において壁に表示される光スポット(5)は、スポットに最適な形状を与えるためにユーザによって手動で調整され得る。このことは、壁に取り付けられるTVセット又はモニタに関して、及び壁がなく立っている機器に関しての両方に効果がある。実際には、光導波路は、縦軸に沿った光導波路の回転を可能にする1つ又は複数の設定で締止され得る。
【0021】
示されるディスプレイは、背景照明の色を制御する手段を備える。斯様な制御手段を用いることなく表示機器の照明ユニットによって生成される色は、無色の白又は静的な色であり得る。しかし、照明ユニットは、動作において、色付けられた光を生成し、光の波長及び輝度は、ユーザによってユーザの望みに従い調整され得ることが好ましい。これを実現するために、表示機器は、照明ユニット(4)の赤、緑及び青のLED(10)を制御する赤、緑及び青の制御信号RCS、GCS及びBCSを生成する制御ユニットCUを有する。制御ユニットCUは、ユーザの望みに一致するようなやり方で色を設定するための(遠隔制御信号受信装置によって生成され得る)ユーザ制御信号UCSを受信する。この実施例に関するブロック図は、図4に示される。照明ユニットは、好ましくは、LEDを使用する一方で、代わりに他の光源も代替実施例で用いてもよい。制御ユニットは、照明ユニットからの光を環境の光に応じることによっても作成するように光センサから信号を受信し得る。
【0022】
図5は、表示機器が、光源に近い表示スクリーンの一部の色に応じて光源のそれぞれの色を制御する制御回路を備えることを特徴とする、本発明によるディスプレイの更なる興味深い実施例を示す。更に特には、図5は、表示スクリーン(11)と機器の左手側及び右手側に2つの照明ユニット(4)とを備える表示機器(1)の正面図を示す。照明ユニット(4)のそれぞれは、光導波路の両端のそれぞれに光源(9)を有する縦型光導波路を備える。斯様な光源は、青、緑及び赤の光を発する3つのLEDからなる。
【0023】
表示機器は、光源の色を制御する回路も備える。これを実現するために、表示機器は、2つの照明ユニット(4)の4つのうちの1つの光源の赤、緑及び青のLED(10)によって生成される平均色を制御する赤、緑及び青の制御信号RCS、GCS及びBCSを生成する制御ユニットCUを有する。制御ユニットCUは、光源のうちの1つの光源の色を設定するための制御信号UCSを受信し、前記信号は、スクリーンの一部の又はスクリーン(11)のセグメント(12)、(13)、(14)及び(15)のうちの1つの平均色に依存する。したがって、4つの光源のそれぞれの光源の生成される色は、光源に最も近いセグメントの平均色に依存する。平均色が斯様にして選択され得るだけでなく、支配的な色も選択され得、このことはユーザの望み次第であることが強調される。
【0024】
縦型光導波路における色混合により、光導波路の両端間における円滑な色の移行が達成される。斯様にして、ビーチの画像の場合、上部セグメント12及び13の両方は、本質的に青色であり、両光導波路の上部の光源は、青色光を本質的に生成する。しかし、両方の底部セグメントは、本質的に黄色であり、両方の光導波路の底部の光源は、本質的に黄色の光を生成する。光導波路において、上部(青色)から底部(黄色)への移行は、斯様な画像に関して得られる。この色の移行は、壁に表示される。ディスプレイのこの種の動的背景照明は、看者に非常に印象的なインパクトを与えるようである。このことは、本質的に、表示機器に表示されるシーンの幅を広げる。
【0025】
上述の実施例は、本発明を制限するものよりもむしろ例証するものであり、当業者が、添付の請求の範囲から逸脱することなく、多数の代わりの実施例を設計することが可能であることを注意しなければならない。請求項における如何なる参照符号も請求項の範囲を制限するように解釈されてはならない。「有する・備える」という動詞及びその活用形の使用は、請求項に記載される以外の要素又はステップの存在を排除しない。単数形の構成要素は、複数個の斯様な構成要素の存在を排除しない。本発明は、いくつかの個別の構成要素を有するハードウェアを用いて、及び適切にプログラムされた計算機を用いて実施され得る。いくつかの手段を列挙している装置請求項において、これらの手段のいくつかは1つの同じハードウェアの項目によって、実施化することが可能である。特定の手段が、相互に異なる従属請求項において引用されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利になるように使用されていることができないと示すものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示スクリーンを備える表示機器であって、前記表示機器の側面又は背面に背景照明のための手段を有する表示機器において、
前記背景照明のための手段が、該表示機器の右手側及び左手側に設けられる2つの照明ユニットを有し、
前記照明ユニットが、光を出力する手段を備えるほぼ垂直に位置される縦型光導波路として形成され、
前記光導波路のそれぞれが、前記光導波路の両端に光源を備え、
当該表示機器は、前記背景照明の色を制御する手段と、前記光源に近い前記表示スクリーンの部分の色に応じて前記光源のそれぞれの色を制御する制御回路とを更に有し、
前記光源は、前記光導波路において光混合を行うために前記光導波路の各端部で異なる色を出力するように個別に制御されることを特徴とする表示機器。
【請求項2】
前記光導波路が、縦軸に沿って回転するように1又は複数の位置で締止されることを特徴とする、請求項1に記載の表示機器。
【請求項3】
前記光源が、赤、緑及び青のLEDを有することを特徴とする、請求項1に記載の表示機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図3C】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2011−191786(P2011−191786A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−127442(P2011−127442)
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【分割の表示】特願2006−548424(P2006−548424)の分割
【原出願日】平成16年12月10日(2004.12.10)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】