説明

表示演算モジュール用検知切替システム

【課題】映像データソースからの映像データの演算に必要なオンデマンド演算負荷値を検知して、適切な表示演算モジュールに切替えて表示の演算を実行することにより、節電することができる。
【解決手段】オンデマンド演算負荷値が第1臨界演算負荷値よりも小さいときには、演算負荷検知モジュールが第1切替信号を切替用スイッチに発送して、切替用スイッチが切替えられて第1表示演算モジュールと通信可能に連接して、映像データソースからの演算待機映像データが第1表示演算モジュールに伝送して演算され、オンデマンド演算負荷値が第1臨界演算負荷値よりも大きいときには、演算負荷検知モジュールが第2切替信号を切替用スイッチに発送して、切替用スイッチが切替えられて第2表示演算モジュールと通信可能に連接して、映像データソースからの演算待機映像データが第2表示演算モジュールに伝送して演算される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検知切替システムに関し、特に、表示演算モジュール用検知切替システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンピュータの迅速な発展により、周辺の技術分野も迅速に発展するようになり、例えば描画プログラム及びオンラインゲームを順調に操作できるようにするために、コンピュータに強大な機能を有する表示演算モジュール(例えばグラフィックカード)を組付けることが必要である。
【0003】
しかし、コンピュータに別に組付けられるグラフィックカードは、マザーボードにビルトインされるグラフィックカードに比べて、演算能力がより強いが、演算時に消費する電力がより多い。なお、コンピュータの一般のユーザは、描画プログラム及びオンラインゲームを実行する時間よりも、ホームページをブラウズし、或いは文書を処理する時間が多いため、グラフィックカードが別に組付けられるコンピュータは、当該グラフィックカードが引き続き稼動し、電力の消費がより多いという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主な目的は、映像データソースからの映像データの演算に必要なオンデマンド演算負荷値を検知して、適切な表示演算モジュールに切替えて表示の演算を実行する表示演算モジュール用検知切替システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の表示演算モジュール用検知切替システムによると、第1臨界演算負荷値を有する第1表示演算モジュールと、
前記第1臨界演算負荷値よりも大きい第2臨界演算負荷値を有する第2表示演算モジュールと、
切替えることにより前記第1表示演算モジュールと前記第2表示演算モジュールとのうちの一つと通信可能に連接する切替用スイッチと、
前記切替用スイッチと通信可能に連接し、前記切替用スイッチを介して演算待機映像データを前記第1表示演算モジュールと前記第2表示演算モジュールとのうちの一つに発送する映像データソースと、
前記映像データソースからの前記演算待機映像データを取得して、前記演算待機映像データの演算に必要なオンデマンド演算負荷値を見込める演算負荷検知モジュールと、
を含む表示演算モジュール用検知切替システムにおいて、
オンデマンド演算負荷値が第1臨界演算負荷値よりも小さいときには、演算負荷検知モジュールが第1切替信号を前記切替用スイッチに発送して、前記切替用スイッチが切替えられて前記第1表示演算モジュールと通信可能に連接して、前記映像データソースからの前記演算待機映像データが前記第1表示演算モジュールに伝送して演算され、オンデマンド演算負荷値が第1臨界演算負荷値よりも大きいときには、前記演算負荷検知モジュールが第2切替信号を前記切替用スイッチに発送して、前記切替用スイッチが切替えられて前記第2表示演算モジュールと通信可能に連接して、前記映像データソースからの前記演算待機映像データが前記第2表示演算モジュールに伝送して演算されることを特徴とする。
【0006】
本発明の表示演算モジュール用検知切替システムによると、前記第1表示演算モジュールは内部グラフィック表示(Internal Graphic Display;IGD)モジュールであることを特徴とする。
【0007】
本発明の表示演算モジュール用検知切替システムによると、前記第2表示演算モジュールはPCI Expressグラフィック(PCI Express Graphic;PEG)モジュールであることを特徴とする。
【0008】
本発明の表示演算モジュール用検知切替システムによると、更に、少なくとも一つの映像出力ポートを含み、前記映像出力ポートは、前記第1表示演算モジュール及び前記第2表示演算モジュールと電気的に連接し、前記第1表示演算モジュールと前記第2表示演算モジュールとのうちの一つからの映像データを取得し、前記映像データは、前記第1表示演算モジュールと前記第2表示演算モジュールとのうちの一つにより前記演算待機映像データを演算して得られるものであることを特徴とする。
【0009】
本発明の表示演算モジュール用検知切替システムによると、前記演算負荷検知モジュールは、更に、前記第1表示演算モジュール及び前記第2表示演算モジュールと電気的に連接し、前記演算負荷検知モジュールにより前記第1表示演算モジュールの異常を検知したときには、前記切替用スイッチに第2切替信号が伝送されて、前記切替用スイッチが切替えられて前記第2表示演算モジュールと連結するようになり、前記演算負荷検知モジュールにより前記第2表示演算モジュールの異常を検知したときには、前記切替用スイッチに第1切替信号が伝送されて、前記切替用スイッチが切替えられて前記第1表示演算モジュールと連結するようになることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の表示演算モジュール用検知切替システムによれば、次のような効果がある。
(1)演算負荷検知モジュールにより映像データソースからの演算待機映像データの演算に必要なオンデマンド演算負荷値を見込むことができ、どちらの表示演算モジュールによって演算待機映像データを演算することが適切であるかを判断して、適切な表示演算モジュールによって演算待機映像データを演算する。そうすると、節電することができる。
(2)演算負荷検知モジュールは第1表示演算モジュール及び第2表示演算モジュールの異常の有無を検知でき、ある表示演算モジュールが異常になったときには、表示演算が正常に稼動できる表示演算モジュールによって実行するため、コンピュータは何時も画面を正常に表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】オンデマンド演算負荷値が第1臨界演算負荷値よりも小さいときの検知切替システムの状態図である。
【図2】オンデマンド演算負荷値が第1臨界演算負荷値よりも大きいときの検知切替システムの状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1及び図2を参照する。図1はオンデマンド演算負荷値が第1臨界演算負荷値よりも小さいときの検知切替システムの状態図であり、図2はオンデマンド演算負荷値が第1臨界演算負荷値よりも大きいときの検知切替システムの状態図である。本発明の表示演算モジュール用検知切替システムは、第1表示演算モジュール11と、第2表示演算モジュール12と、切替用スイッチ13と、映像データソース14と、演算負荷検知モジュール15と、を含む。
【0013】
第1表示演算モジュール11は、第1臨界演算負荷値を有する。第2表示演算モジュール12は、前記第1臨界演算負荷値よりも大きい第2臨界演算負荷値を有する。しかし、前記第1臨界演算負荷値と前記第2臨界演算負荷値とは、演算に必要な演算量を量化したものであり、必ずしも第1表示演算モジュール11と第2表示演算モジュール12との負荷できる最大演算量を代表するものではない。一方、本実施例では、第1表示演算モジュール11は内部グラフィック表示(Internal Graphic Display;IGD)モジュールであり、第2表示演算モジュール12はPCI Expressグラフィック(PCI Express Graphic;PEG)モジュールであることが好ましい。
【0014】
切替用スイッチ13は、切替えることにより第1表示演算モジュール11と第2表示演算モジュール12とのうちの一つと通信可能に連接するためのものである。映像データソース14は、切替用スイッチ13と通信可能に連接し、切替用スイッチ13を介して演算待機映像データS1を第1表示演算モジュール11と第2表示演算モジュール12とのうちの一つに発送する。
【0015】
演算負荷検知モジュール15は、映像データソース14から演算待機映像データS1を取得して、演算待機映像データS1の演算に必要なオンデマンド演算負荷値を見込むためのものである。本実施例では、演算負荷検知モジュール15は、演算待機映像データS1の映像のサイズ、サンプリングの頻度、或いは圧縮のフォーマットなどの映像の条件によって前記オンデマンド演算負荷値を見込める。
【0016】
前記オンデマンド演算負荷値が前記第1臨界演算負荷値よりも小さいときには、演算負荷検知モジュール15が第1切替信号C1を切替用スイッチ13に発送して、切替用スイッチ13が切替えられて第1表示演算モジュール11と通信可能に連接して、映像データソース14からの演算待機映像データS1が第1表示演算モジュール11に伝送して演算される。前記オンデマンド演算負荷値が前記第1臨界演算負荷値よりも大きいときには、演算負荷検知モジュール15が第2切替信号C2を切替用スイッチ13に発送して、切替用スイッチ13が切替えられて第2表示演算モジュール12と通信可能に連接して、映像データソース14からの演算待機映像データS1が第2表示演算モジュール12に伝送して演算される。
【0017】
本発明の実施例の表示演算モジュール用検知切替システムは、更に、少なくとも一つの映像出力ポート16を含む。映像出力ポート16は、第1表示演算モジュール11及び第2表示演算モジュール12と電気的に連接し、第1表示演算モジュール11と第2表示演算モジュール12とのうちの一つからの映像データS2を取得する。映像データS2は、第1表示演算モジュール11と第2表示演算モジュール12とのうちの一つにより演算待機映像データS2を演算して得られるものである。
【0018】
本発明の実施例では、演算負荷検知モジュール15により映像データソース14からの演算待機映像データS1の演算に必要なオンデマンド演算負荷値を見込むことができ、どちらの表示演算モジュールによって演算待機映像データS1を演算することが適切であるかを判断して、適切な表示演算モジュールによって演算待機映像データS1を演算する。そうすると、節電することができるという効果を有する。
【0019】
本発明の実施例の演算負荷検知モジュール15は、更に、第1表示演算モジュール11及び第2表示演算モジュール12と電気的に連接する。演算負荷検知モジュール15により第1表示演算モジュール11の異常を検知したときには、切替用スイッチ13に第2切替信号C2が伝送されて、切替用スイッチ13が切替えられて第2表示演算モジュール12と連結するようになる。なお、演算負荷検知モジュール15により第2表示演算モジュール12の異常を検知したときには、切替用スイッチ13に第1切替信号C1が伝送されて、切替用スイッチ13が切替えられて第1表示演算モジュール11と連結するようになる。
【0020】
これにより、本発明の表示演算モジュール用検知切替システムによれば、節電することができる他、演算負荷検知モジュール15は第1表示演算モジュール11及び第2表示演算モジュール12の異常の有無を検知でき、ある表示演算モジュールが異常になったときには、表示演算が正常に稼動できる表示演算モジュールによって実行するため、コンピュータは何時も画面を正常に表示することができる。
【0021】
このように、本発明が、特定の例を参照して説明したが、それらの例は、説明のためだけのものであり、本発明を限定するものではなく、この分野に通常の知識を有する者には、本発明の要旨および特許請求の範囲を逸脱することなく、ここで開示された実施例に変更、追加、または、削除を施してもよいことがわかる。
【符号の説明】
【0022】
11:第1表示演算モジュール
12:第2表示演算モジュール
13:切替用スイッチ
14:映像データソース
15:演算負荷検知モジュール
16:映像出力ポート
C1:第1切替信号
C2:第2切替信号
S1:演算待機映像データ
S2:映像データ
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明は、表示演算モジュールに適用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1臨界演算負荷値を有する第1表示演算モジュールと、
前記第1臨界演算負荷値よりも大きい第2臨界演算負荷値を有する第2表示演算モジュールと、
切替えることにより前記第1表示演算モジュールと前記第2表示演算モジュールとのうちの一つと通信可能に連接する切替用スイッチと、
前記切替用スイッチと通信可能に連接し、前記切替用スイッチを介して演算待機映像データを前記第1表示演算モジュールと前記第2表示演算モジュールとのうちの一つに発送する映像データソースと、
前記映像データソースからの前記演算待機映像データを取得して、前記演算待機映像データの演算に必要なオンデマンド演算負荷値を見込む演算負荷検知モジュールと、
を含む表示演算モジュール用検知切替システムにおいて、
前記オンデマンド演算負荷値が前記第1臨界演算負荷値よりも小さいときには、前記演算負荷検知モジュールが第1切替信号を前記切替用スイッチに発送して、前記切替用スイッチが切替えられて前記第1表示演算モジュールと通信可能に連接して、前記映像データソースからの前記演算待機映像データが前記第1表示演算モジュールに伝送して演算され、
前記オンデマンド演算負荷値が前記第1臨界演算負荷値よりも大きいときには、前記演算負荷検知モジュールが第2切替信号を前記切替用スイッチに発送して、前記切替用スイッチが切替えられて前記第2表示演算モジュールと通信可能に連接して、前記映像データソースからの前記演算待機映像データが前記第2表示演算モジュールに伝送して演算されることを特徴とする表示演算モジュール用検知切替システム。
【請求項2】
前記第1表示演算モジュールは内部グラフィック表示(Internal Graphic Display;IGD)モジュールであることを特徴とする、請求項1に記載の表示演算モジュール用検知切替システム。
【請求項3】
前記第2表示演算モジュールはPCI Expressグラフィック(PCI Express Graphic;PEG)モジュールであることを特徴とする、請求項1または2に記載の表示演算モジュール用検知切替システム。
【請求項4】
更に、少なくとも一つの映像出力ポートを含み、前記映像出力ポートは、前記第1表示演算モジュール及び前記第2表示演算モジュールと電気的に連接し、前記第1表示演算モジュールと前記第2表示演算モジュールとのうちの一つからの映像データを取得し、前記映像データは、前記第1表示演算モジュールと前記第2表示演算モジュールとのうちの一つにより前記演算待機映像データを演算して得られるものであることを特徴とする、請求項1から3の何れか1項に記載の表示演算モジュール用検知切替システム。
【請求項5】
前記演算負荷検知モジュールは、更に、前記第1表示演算モジュール及び前記第2表示演算モジュールと電気的に連接し、前記演算負荷検知モジュールにより前記第1表示演算モジュールの異常を検知したときには、前記切替用スイッチに第2切替信号が伝送されて、前記切替用スイッチが切替えられて前記第2表示演算モジュールと連結するようになり、前記演算負荷検知モジュールにより前記第2表示演算モジュールの異常を検知したときには、前記切替用スイッチに第1切替信号が伝送されて、前記切替用スイッチが切替えられて前記第1表示演算モジュールと連結するようになることを特徴とする、請求項1から4の何れか1項に記載の表示演算モジュール用検知切替システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−129676(P2012−129676A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−277702(P2010−277702)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(502361706)技嘉科技股▲ふん▼有限公司 (111)
【氏名又は名称原語表記】GIGA−BYTE TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.6,Bao Chiang Road,Hsin−Tien District,New Taipei City 231,Taiwan
【Fターム(参考)】