説明

表示用パネルの袋詰装置

【課題】風袋を上方より被せる表示用パネルの袋詰装置において、複数サイズの表示用パネルを安定姿勢で立て掛け可能とする。
【解決手段】水平載置部を有する基台と、基台の前後幅方向の中間部から立設した立掛壁と、立掛壁の前面側において基台の水平載置部に沿って左右長さ方向に移動自在に設けた左右一対の可動載置台を備え、可動載置台は表示用パネルの下側部を嵌め込む凹部を有すると共に、凹部の背面側部を立掛壁に当接させており、可動載置台の凹部の底面より位置決め材を下方へ突設すると共に、基台の水平載置部の左右両側に位置決め材を移動自在に貫通させる移動ガイド穴を設け、表示用パネルのサイズに応じて可動載置台を移動させ、移動ガイド穴から突出する位置決め材を所要位置で止具で固定している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示用パネルの袋詰装置に関し、詳しくは、複数サイズの表示用パネルの袋詰に用いられ、表示用パネルに上方より風袋を被せる工程で表示用パネルを安定姿勢で立て掛けることができるものである。
【背景技術】
【0002】
表示用パネルやその基板材料であるガラス板など薄板状で自立が困難なものを起立させて梱包するものとして例えば、特開2001−282127号公報(特許文献1)ではスタンドが用いた梱包方法が提案されている。また、特開2005−154010号公報(特許文献2)では載置面と背もたれ面を有する載置フレームを備えた包装コンテナが提案されている。
【0003】
この種の表示用パネルを梱包する際には、まず、表示用パネルに風袋を被せる袋詰を行う場合が多い。このような袋詰作業においても表示用パネルを起立姿勢に保持して、表示用パネルの上方より風袋を被せる方が作業しやすいため、従来より、図9に示すような袋詰装置1に表示用パネルを立て掛けて袋詰作業を行っている。
具体的には、袋詰装置1は、底壁1aと、底壁1aから垂直に立設された立掛壁1bと、底壁1および立掛壁1bの左右長さ方向の両端部に固定された左右一対の載置部1cとから構成され、左右一対の載置部1cには、表示用パネルを載置するための凹部1c−1がそれぞれ設けられている。
袋詰作業は、図10(A)〜(D)に示すように、左右一対の載置部1cの凹部1c−1に表示用パネル2を載置すると共に、載置された表示用パネル2の上方より風袋3を被せ、風袋3を被せた表示用パネル2を袋詰装置1より持ち上げて上下反転させた後、風袋の開口3aを閉鎖することにより表示パネル2の袋詰が完了する。
【0004】
しかし、前記のような袋詰装置1では、左右一対の載置部1cが底壁1aおよび立掛壁1bの所定位置に固定されているため、載置部1c間の距離が一定となっている。したがって、表示用パネル2が大型の場合など、表示用パネル2のサイズによっては、左右一対の載置部1cに表示用パネル2を安定姿勢で立て掛けられない場合があり、表示用パネル2の転倒する恐れがある。また、載置部1cに表示用パネル2の表示面が接触し、表示面に悪影響を及ぼ恐れもある。
【0005】
【特許文献1】特開2001−282127号公報
【特許文献2】特開2005−154010号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記問題に鑑みてなされたものであり、風袋を上方より被せる表示用パネルの袋詰装置において、複数サイズの表示用パネルを安定姿勢で立て掛けられることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明は、表示用パネルを起立姿勢に保持して上方から風袋を被せる袋詰装置であって、
水平載置部を有する基台と、該基台の前後幅方向の中間部から立設した立掛壁と、該立掛壁の前面側において前記基台の水平載置部に沿って左右長さ方向に移動自在に設けた左右一対の可動載置台を備え、
前記可動載置台は、前記表示用パネルの下側部が挿入可能な凹部を有し、該凹部の背面側部を前記立掛壁に当接させていると共に底面より位置決め材を下方へ突出している一方、前記基台の水平載置部の左右両側に前記位置決め材を移動自在に貫通させる移動ガイド穴を設けており、
前記表示用パネルのサイズに応じて前記可動載置台を移動させ、前記移動ガイド穴から突出する位置決め材を所要位置で止具で固定することを特徴とする表示用パネルの袋詰装置を提供している。
【0008】
前記のように、本発明装置では、左右一対の可動載置台を、基台の水平載置部に沿って左右長さ方向に移動自在に設けることにより、載置する表示用パネルのサイズに応じて、前記左右一対の可動載置台間の距離を自由に調節することができ、複数サイズの表示用パネルを安定姿勢で立て掛けることが可能となる。
【0009】
具体的には、前記のように、左右一対の可動載置台の凹部の底面より下方に突設した位置決め材を、前記水平載置部の左右両側に設けた移動ガイド穴に貫通させておくことにより、前記位置決め材を前記移動ガイド穴に沿わせて移動させるだけで、前記左右一対の可動載置台を左右長さ方向に沿って、所要位置まで容易にかつ正確に移動させることができる。
また、表示用パネルのサイズに応じた所要位置まで前記左右一対の可動載置台の移動が完了すれば、前記のように、移動ガイド穴から突出する前記位置決め材を止具で固定することで、前記可動載置台を水平載置部の所要位置に確実に固定することができる。よって、表示用パネルの重みによって前記可動載置台が位置ズレすることなく、表示用パネルを安定姿勢で立て掛けることが可能となる。
さらに、前記のように、可動載置台の凹部の背面側部を前記立掛壁に当接させておくことにより、表示用パネルの重みによる前記可動載置台の変形等を防止して、表示用パネルをしっかりと支持することができる。
【0010】
前記袋詰される表示用パネルは、ガラス基板に駆動手段が連結されていると共に外枠フレームが組み付けられたモジュールからなり、前記左右一対の可動載置台は前記表示パネルの左右両側の外枠フレームが接触する位置に移動される。
前記モジュールは、例えば、液晶層を挟む2枚のガラス基板の側面に駆動用の基板を沿わせて連結し、前記ガラスの裏面側に外枠フレームのシャーシが組み付けられ、ガラス基板の前面側にはガラス基板の表示画面が露出するような開口を設けた外枠フレームのベゼルが組み付けられた構成とされている。
前記表示用パネルでは、ガラス基板に可動載置台が接触すると、ガラス基板に損傷を発生させる恐れがあるため、外枠フレームの左右両側枠を可動載置台で支持することが好ましい。
そのため、本発明では、載置台を可動載置台として、表示用パネルのサイズに応じて所要位置に移動させ、表示用パネルの外枠フレームの左右両側枠を可動載置台で支持できる構成としている。
さらに、表示用パネルの外枠フレームの左右両側枠を可動載置台で支持すると、最も安定した姿勢で表示用パネルを立て掛けることができ、表示用パネルの転倒を確実に防止することができる。
なお、表示用パネルは液晶パネルに限定されず、PDP、有機・無機EL等の表示用パネルの場合にも適用できる。
【0011】
前記基台に設ける移動ガイド穴は、前記水平載置部の左右長さ方向の両側に左右対称に設けた左右方向に長尺な細穴からなり、該長尺な細穴の内端位置は前記袋詰する最小サイズの表示用パネルの前記左右両側枠を載置できる位置とし、外側位置は最大サイズの表示用パネルの左右両側枠を載置できる位置としていることが好ましい。
【0012】
前記のように、基台に設ける前記移動ガイド穴を、水平載置部の左右長さ方向の両側に左右対称に設けることにより、表示用パネルモジュールを可動載置台に載置した状態での袋詰装置のバランスを良好に保つことができ、袋詰装置ならびに表示用パネルモジュールの転倒を防止することができる。
また、前記移動ガイド穴の内端位置と外端位置とを、袋詰する最小サイズと最大サイズの表示用パネルに対応させておくと、最小サイズの場合は可動載置台を内端位置に、最大サイズの場合は可動載置台を外端位置に移動させて固定すればよく、可動載置台の位置決め固定が簡単となる。
【0013】
また、前記左右両側の移動ガイド穴をそれぞれ前後幅方向に一対設けていると共に、前後左右の可動載置台の凹部底面より突設する位置決め材を前後一対設けていることが好ましい。
前記のように、左右両側の移動ガイド穴および該移動ガイド穴に貫通させる左右両側の位置決め材を、それぞれ前後幅方向に一対設けておくことにより、前記左右一対の可動載置台の移動を安定してスムーズに行うことができる。
【0014】
前記位置決め材および前記止具は特に限定されるものではないが、例えば、前記位置決め材はネジ棒からなり、前記止具は前記ネジ棒と締結するナットからなることが好ましい。 位置決め材をネジ棒から形成し、止具を前記ネジ棒と締結するナットから形成することにより、簡易に前記可動載置台を水平載置部に固定できると共に、位置決め材を前記ネジ棒から形成することで、長尺な細穴からなる移動ガイド穴にネジ棒を沿わせやすいという利点も有している。
【0015】
また、前記表示用パネルのサイズに応じて前記可動載置台を固定する位置を示す表示を前記基台に設けていることが好ましい。
前記のように、表示用パネルのサイズに応じて前記可動載置台を固定する位置を示す表示を前記基台に設けておくことにより、前記表示を目印にして種々のパネルサイズに応じた前記可動載置台の位置決め固定が可能となるため、作業性を向上させることができる。
【0016】
また、前記基台の水平載置部には、前記表示用パネルのサイズに応じて前記可動載置台を固定する位置に突出部を設けたストッパー板を貼り付けている一方、前記可動載置台の下面に前記ストッパー板の突出部に接触する小突起を設けていることが好ましい。
前記のように、表示用パネルのサイズに応じて前記可動載置台を固定する位置に突出部を設けたストッパー板を基台の水平載置部に設けると共に、前記ストッパー板の突出部に接触するような小突起を前記可動載置台の下面に設けておくことにより、作業者は前記可動載置台の小突起とストッパー板の突出部とが接触すると節度感が発生することで可動載置台の固定位置を認識することができる。よって、種々のパネルサイズに応じた前記可動載置台の位置決め固定が簡単に行えるため、作業性を向上させることができる。
【0017】
前記ストッパー板は、例えば、2〜3mm程度の厚みを有し、前記可動載置台を固定する位置に矩形状の突出部を設けた帯状のストッパー板を、前記水平載置部上の左右長さ方向に沿って貼り付けて前記ストッパー板と水平載置部との間に若干の段差を設けておくと共に、前記可動載置台の下面には、前記可動載置台の移動によって前記ストッパー板の突出部には接触するものの水平載置部には接触しない程度の小突起を設けておくことが好ましい。
【0018】
前記立掛壁の高さは、袋詰される表示用パネルのうち最小サイズの高さより低くし、前記可動載置台は、前記立掛壁に接する背面枠部と、該背面枠部の下端部に連続する底枠部と、該底枠部の前端より突出すると共に前記背面枠部より低くした前面枠部を備え、該前面枠部と底枠部と背面枠部とで囲んで前記凹部を形成し、該凹部の前後幅は前記表示用パネルの厚さより大としていることが好ましい。
【0019】
前記のように、立掛壁の高さを、袋詰される表示用パネルのうち最小サイズの高さより低くしておくことにより、いずれのサイズの表示用パネルであっても立掛壁よりも表示用パネルが上方に突出した状態となる。即ち、表示用パネルの上側部を突出させることによって、風袋を上方より被せやすくなるため、作業性を向上させることができる。
【0020】
また、前記のように、立掛壁に接する背面枠部と底枠部と前面枠部により囲まれた前記可動載置台の凹部の前後幅を、表示用パネルの厚さより大とすることにより、表示用パネルを確実に前記凹部内に載置することができ、表示用パネルの転倒を防止することができる。なお、可動載置台の凹部の前後幅は、3cm〜5cm程度とすることが好ましい。
また、前面枠部を背面枠部より低くしておくことにより、前面側での袋詰作業がしやすく、作業性が向上する。
【0021】
前記可動載置台の背面枠部の上端は前記立掛壁の上端と一致する高さとし、該背面枠部の背面は垂直面として前記立掛壁に面接触させている一方、該背面枠部の前面は下方に向けて突出させた傾斜面とし、かつ、前記前面枠部の高さは背面枠部の高さの1/2以下としていることが好ましい。
【0022】
前記のように、可動載置台の背面枠部の上端と立掛壁の上端を一致させると共に、前記背面枠部の背面を垂直面として立掛壁に面接触させておくことにより、可動載置台の強度を高め、大型の表示用パネルを載置した場合でも可動載置台を変形させることなく表示用パネルをしっかりと支持することができる。
また、前記のように、背面枠部の前面を、下方に向けて突出させた傾斜面とすることにより、表示用パネルを後方側に傾斜させた安定姿勢で立掛けることができる。なお、立掛壁に対する背面枠部の前面の傾斜角度は70〜80度程度とすることが好ましい。
さらに、前記のように、前面枠部の高さを背面枠部の高さの1/2以下とすることにより、立て掛けた表示用パネルのズレ下がりを防止しつつ、袋詰作業の作業性も高めることができる。
【0023】
前記可動載置台および立掛壁は導電性ゴム材より形成し、かつ、前記基台の水平載置部は導電性ゴム材を金属板で挟持した積層体で形成し、該水平載置部の下面に金属製の支持脚を固定し、該支持脚をアース接続していることが好ましい。
【0024】
従来の袋詰装置は、表示用パネルの損傷を防止するために発泡材から形成されているが、発泡材が表示用パネルと接触して擦れると異物が発生しやすいという問題を有している。また、発泡材という材質上、装置自体が軟弱となって数回使用するだけで補修が必要となり、さらに、袋詰作業に伴って静電気を発生させやすいという問題もある。
そこで、従来の発泡材にかえて、前記のように、導電性ゴム材を用いて袋詰装置を形成することにより、異物の発生や静電気の発生を低減することができると共に、装置自体の強度も高めることができる。また、前記導電性ゴム材が衝撃を吸収するため、表示用パネルの損傷も防止できる。
【0025】
さらに、前記のように、水平載置部を、導電性ゴム材を金属板で挟持した積層体とし、水平載置部の表面側および裏面側を金属板で形成することにより、水平載置部の強度を高めると共に、前記可動載置台が水平載置部の表面上をスムーズに移動でき、また、水平載置台の移動ガイド穴から裏面側に突出させた位置決め材を止具によって強固に固定することができる。
さらに、前記のように、水平載置部の下面に金属製の支持脚を固定することにより、袋詰装置をガタツキなく安定状態で設置することができると共に、前記支持脚を金属製の台上に設置するなどしてアースをとることで、袋詰装置に帯電した電荷を逃がすことができる。
【0026】
前記可動載置台の側面に補強用金属板を固定していると共に、前記底枠部の底面に断面四角枠の支持台を固定し、該支持台に前記位置決め材の上端を固定していることが好ましい。
【0027】
前記のように、ゴム材から形成される可動載置台の側面に補強用金属板を、可動載置台の底枠部の底面に断面四角枠の支持台をそれぞれ固定することにより、可動載置台の強度を高め変形等を防止することができる。また、前記支持台を底枠部の底面に設けておくことにより、該支持台に前記位置決め材の上端を溶接などでしっかりと固定することも可能になる。
このように、袋詰装置の可動載置台や水平載置部に金属部材(補強用金属板、支持台、金属板、支持脚)を適宜使用することにより、袋詰装置に重みをつけることができ、袋詰装置の転倒を防止することができる。
【0028】
前記導電性ゴム材としては、カーボン粉末等を配合した電子導電性ゴム材、エピクロルヒドリンゴム等のイオン導電性ゴムを配合したゴム材を用いることができる。また、前記金属板としては、例えば、ステンレスやアルミなどを用いることができる。
【0029】
また、三角形状の背面支持枠を設け、該背面支持枠の垂直方向の前面を前記立掛壁の背面に固定すると共に底面を前記基台に固定していることが好ましい。
前記のように、三角形状の背面支持枠を前記立掛壁および基台に固定しておくことにより、袋詰装置の強度を大幅に高めることができ、大型の表示用パネルが可動載置台に立て掛けられても後方側に撓むことなく、表示用パネルをしっかりと支持することができる。
前記背面支持枠も導電性ゴム材で形成していることが好ましく、また、前記背面支持枠を前記立掛壁および基台の左右長さ方向に間隔をあけて複数個設けていることが好ましい。
【発明の効果】
【0030】
前述したように、本発明の袋詰装置によれば、左右一対の可動載置台を、基台の水平載置部に沿って左右長さ方向に移動自在に設けることにより、載置する表示用パネルのサイズに応じて、前記左右一対の可動載置台間の距離を自由に調節することができ、複数サイズの表示用パネルを安定姿勢で立て掛けることが可能となる。
また、左右一対の可動載置台の凹部の底面より下方に突設した位置決め材を、前記水平載置部の左右両側に設けた移動ガイド穴に貫通させておくことにより、前記位置決め材を前記移動ガイド穴に沿わせて移動させるだけで、前記左右一対の可動載置台を左右長さ方向に沿って、所要位置まで容易にかつ正確に移動させることができる。
さらに、表示用パネルのサイズに応じた所要位置まで前記左右一対の可動載置台の移動が完了すれば、前記のように、移動ガイド穴から突出する前記位置決め材を止具で固定することで、前記可動載置台を水平載置部の所要位置に確実に固定することができる。よって、表示用パネルの重みによって前記可動載置台が位置ズレすることなく、表示用パネルを安定姿勢で立て掛けることが可能となる。
【0031】
また、導電性ゴム材を用いて袋詰装置を形成すると、異物の発生や静電気の発生を低減できると共に、袋詰装置の強度を高めることができる。また、前記導電性ゴム材が衝撃を吸収するため、表示用パネルの損傷も防止できる。
さらに、袋詰装置の可動載置台や水平載置部に金属部材(補強用金属板、支持台、金属板、支持脚)を適宜使用することにより、袋詰装置の補強が効果的に行えると共に、袋詰装置に重みをつけることができるため、袋詰装置の転倒を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図8に本発明の実施形態を示す。
本実施形態の袋詰装置10は、最小20インチから最大46インチまでの表示用の液晶パネルモジュール30に対応できるものとし、該液晶パネルモジュールを起立姿勢で支持し、上方から風袋40を被せ、袋詰するものである。
【0033】
袋詰する液晶パネルモジュール30は、図8(A)、(B)に示すように、液晶層(図示せず)を介して重ね合わせられるガラス基板31に駆動手段である基板32を連結し、さらに、外枠フレーム33を組み付けたものである。外枠フレーム33は、ガラス基板31の裏面側に組み付けるシャーシ33aと、ガラス基板31の表面側に組み付けるベゼル33bからなり、ベゼル33bは、ガラス基板31の表示画面を露出させるために開口部33b−1を有している。
【0034】
袋詰装置10は、水平載置部12を有する基台11と、基台11の前後幅方向の中間部から垂直に立設した立掛壁13と、水平載置部12に沿って左右長さ方向に移動自在な左右一対の可動載置台14を備えている。また、立掛壁13の背面側には三角形状の背面支持枠15を設け、背面支持枠15の垂直方向の前面15aを立掛壁13の背面に、背面支持枠15の底面15bを基台11にそれぞれ固定している。
なお、本実施形態においては、背面支持枠15を基台11の長さ方向に間隔をあけて3個設けている。
【0035】
左右一対の可動載置台13の底面には、位置決め材であるネジ棒16を下方に突設していると共に、基台11の水平載置部12の左右両側には、ネジ棒16を移動自在に貫通させる移動ガイド穴17を設けており、ネジ棒16を移動ガイド穴17に沿って移動させることで可動載置台14を移動させ、移動ガイド穴17から下方に突出するネジ棒16を、液晶パネルモジュール30のサイズに応じた所定位置で、止具であるナット18によって固定する構造としている。
【0036】
具体的には、移動ガイド穴17は、基台11の水平載置部12の左右長さ方向の両側に左右対称に設けた左右方向に長尺な細穴とし、この移動ガイド穴17を水平載置部12の前後方向にそれぞれ一対設けている。よって、左右一対の可動載置台14の底面には、移動ガイド穴17に貫通させるネジ棒16を前後方向に一対突設している。
なお、長尺な細穴である移動ガイド穴17の内端位置17Aは、袋詰する最小サイズ(本実施形態では20インチ)の液晶パネルモジュール30の左右両側枠(外枠フレーム33の左右両側部分)を載置できる位置とし、移動ガイド穴17の外側位置17Bは、袋詰する最大サイズ(本実施形態では65インチ)の液晶パネルモジュール30の左右両側枠(外枠フレーム33の左右両側部分)を載置できる位置としている。
【0037】
左右一対の可動載置台14は、具体的には、立掛壁13に接する背面枠部14aと、背面枠部14aの下端部に連続する底枠部14bと、底枠部14bの前端より突出させた前面枠部14cとから構成し、背面枠部14aと底枠部14bと前面枠部14cが取り囲んで凹部19を形成している。
前記凹部19は、袋詰する液晶パネルモジュール30の左右両側枠(外枠フレーム33の左右両側部分)を載置する部分であり、凹部19の前後幅は4cm程度で、載置する液晶パネルモジュール30の厚さより大としている。
【0038】
可動載置台14の背面枠部14aは、立掛壁13の上端と一致する高さとし、背面枠部14aの背面14a−1を垂直面として立掛壁13に面接触させている。一方、背面枠部14aの前面14a−2は下方に向けて突出させた傾斜面とし、本実施形態においては、立掛壁13に対する背面枠部14aの前面14a−2の傾斜角度を約70度に設定している。また、可動載置台14の前面枠部14cは、背面枠部14aの高さの1/2以下としている。
【0039】
可動載置台14の底枠部14bの底面には、図5に示すような断面四角枠の支持台20を固定しており、支持台20の下面側に、水平載置部12の移動ガイド穴17に貫通させる前後一対のネジ棒16の上端部16aをそれぞれ溶接固定している。
【0040】
また、基台11の前面には、液晶パネルモジュール30のサイズに応じて左右一対の可動載置台14を固定する位置を示す表示21(21A、21B、21C、21D)を左右長さ方向に設けており、21Aは26インチパネル用固定位置、21Bは32インチパネル用固定位置、21Cは37インチパネル用固定位置、21Dは46インチパネル用固定位置をそれぞれ示している。
【0041】
さらに、基台11の水平載置板12には、液晶パネルモジュール30のサイズに応じて左右一対の可動載置台14を固定する位置に、突出部22Aを設けたストッパー板22(厚さ2mm程度)を貼り付けている。また、左右一対の可動載置台14の支持台18の下面側には、図6に示すような、ストッパー板22の突出部22Aに接触する小突起23を下方に突出させている。なお、小突起23は、可動載置台14の移動によってストッパー板22の突出部22Aには接触するが水平載置部12には接触しない程度の突出量としている。
【0042】
左右一対の可動載置台14、立掛壁12および背面支持枠15は、導電性ゴム材から形成している。また、基台11の水平載置部12は、導電性ゴム材12Aを金属板12Bで挟持した積層体から形成し、水平載置部12の下面に金属製の支持脚24を固定している。また、可動載置台14の側面には補強用金属板25を固定している。なお、本実施形態においては、前記導電性ゴム材として電子導電性ゴムを用い、また、金属板12B、支持脚24、補強用金属板25および支持台20の材質としては、ステンレスを用いている。
【0043】
袋詰する液晶パネルモジュール30のサイズに応じた可動載置台14の固定位置にて、ネジ棒16をナット18で固定することにより、左右一対の可動載置台14を水平載置部12の所定位置に固定できる。また、袋詰装置10を金属製の台(図示せず)の上に設置し、支持脚24を金属製の台と接触させておくことでアース接続している。図7は、本実施形態の袋詰装置10の凹部19に液晶パネルモジュール30を載置し、上方より風袋40を被せた状態を示している。
【0044】
前記のように、本実施形態の袋詰装置10によれば、左右一対の可動載置台14を、基台11の水平載置部12に沿って左右長さ方向に移動自在に設けることにより、載置する液晶パネルモジュール30のサイズに応じて、前記左右一対の可動載置台14間の距離を自由に調節することができ、複数サイズの液晶パネルモジュール30を安定姿勢で立て掛けることが可能となる。
【0045】
また、前記のように、左右一対の可動載置台14の底面側の支持台20より下方に突設した位置決め材(ネジ棒16)を、水平載置部12の左右両側に設けた移動ガイド穴17に貫通させておくことにより、位置決め材16を移動ガイド穴17に沿わせて移動させるだけで、左右一対の可動載置台14を左右長さ方向に沿って、所要位置まで容易にかつ正確に移動させることができる。
さらに、液晶パネルモジュール30のサイズに応じた所要位置まで左右一対の可動載置台14の移動が完了すれば、前記のように、移動ガイド穴17から突出する位置決め材16を止具(ナット18)で固定することで、可動載置台14を水平載置部12の所要位置に確実に固定することができる。よって、液晶パネルモジュール30の重みによって可動載置台14が位置ズレすることなく、液晶パネルモジュール30を安定姿勢で立て掛けることが可能となる。
【0046】
また、前記のように、導電性ゴム材を用いて袋詰装置10を形成することにより、異物の発生や静電気の発生を低減できると共に、袋詰装置10の強度を高めることができる。また、導電性ゴム材が衝撃を吸収するため、液晶表示パネルモジュール30の損傷も防止できる。
さらに、袋詰装置10の可動載置台14や水平載置部12に金属部材(金属補強板25、支持台20、金属板12B、支持脚24)を適宜使用することにより、袋詰装置の補強が効果的に行えると共に、袋詰装置に重みをつけることができるため、袋詰装置の転倒を防止することができる。
【0047】
また、袋詰装置10に、液晶パネルモジュール30のサイズに応じて可動載置台14を固定する位置を示す表示21やストッパー板22などを設けることにより、種々のパネルサイズに応じた可動載置台14の位置決め固定が簡単に行えるため、作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施形態の袋詰装置の概略斜視図である。
【図2】袋詰装置の側面側から見た概略斜視図である。
【図3】袋詰装置の背面側から見た概略斜視図である。
【図4】袋詰装置の平面図である。
【図5】袋詰装置のA−A断面図である。
【図6】袋詰装置の要部拡大図である。
【図7】袋詰装置に液晶パネルモジュールを載置し、風袋を被せた状態を示す図である。
【図8】(A)は液晶パネルモジュールの分解図であり、(B)は液晶パネルモジュールの概略斜視図である。
【図9】従来例を示す図である。
【図10】従来例を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
10 袋詰装置
11 基台
12 水平載置部
13 立掛壁
14 可動載置台
14a 背面枠部
14b 底枠部
14c 前面枠部
15 背面支持枠
16 ネジ棒
17 移動ガイド穴
18 ナット
19 凹部
20 支持台
21(21A、21B、21C、21D) 固定位置を示す表示
22 ストッパー板
22A 突出部
23 小突起
24 支持脚
25 補強用金属板
30 液晶パネルモジュール
31 ガラス基板
32 基板
33 外枠フレーム
33a シャーシ
33b ベゼル
40 風袋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示用パネルを起立姿勢に保持して上方から風袋を被せる袋詰装置であって、
水平載置部を有する基台と、該基台の前後幅方向の中間部から立設した立掛壁と、該立掛壁の前面側において前記基台の水平載置部に沿って左右長さ方向に移動自在に設けた左右一対の可動載置台を備え、
前記可動載置台は、前記表示用パネルの下側部が挿入可能な凹部を有し、該凹部の背面側部を前記立掛壁に当接させていると共に底面より位置決め材を下方へ突出している一方、前記基台の水平載置部の左右両側に前記位置決め材を移動自在に貫通させる移動ガイド穴を設けており、
前記表示用パネルのサイズに応じて前記可動載置台を移動させ、前記移動ガイド穴から突出する位置決め材を所要位置で止具で固定することを特徴とする表示用パネルの袋詰装置。
【請求項2】
前記袋詰される表示用パネルは、ガラス基板に駆動手段が連結されていると共に外枠フレームが組み付けられたモジュールからなり、
前記左右一対の可動載置台は前記表示パネルの左右両側の外枠フレームが接触する位置に移動されるものである請求項1に記載の表示用パネルの袋詰装置。
【請求項3】
前記基台に設ける移動ガイド穴は、前記水平載置部の左右長さ方向の両側に左右対称に設けた左右方向に長尺な細穴からなり、該長尺な細穴の内端位置は前記袋詰する最小サイズの表示用パネルの左右両側の外枠フレームを載置できる位置とし、外側位置は最大パネルの表示用パネルの左右両側枠を載置できる位置としている請求項1または請求項2に記載の表示用パネルの袋詰装置。
【請求項4】
前記左右両側の移動ガイド穴をそれぞれ前後幅方向に一対設けていると共に、前後左右の可動載置台の凹部底面より突設する位置決め材を前後一対設けている請求項3に記載の表示用パネルの袋詰装置。
【請求項5】
前記位置決め材はネジ棒からなり、前記止具は前記ネジ棒と締結するナットからなる請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の表示用パネルの袋詰装置。
【請求項6】
前記表示用パネルのサイズに応じて前記可動載置台を固定する位置を示す表示を前記基台に設けている請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の表示用パネルの袋詰装置。
【請求項7】
前記基台の水平載置部には、前記表示用パネルのサイズに応じて前記可動載置台を固定する位置に突出部を設けたストッパー板を貼り付けている一方、前記可動載置台の下面に前記ストッパー板の突出部に接触する小突起を設けている請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の表示用パネルの袋詰装置。
【請求項8】
前記立掛壁の高さは、袋詰される表示用パネルのうち最小サイズの高さより低くし、前記可動載置台は、前記立掛壁に接する背面枠部と、該背面枠部の下端部に連続する底枠部と、該底枠部の前端より突出すると共に前記背面枠部より低くした前面枠部を備え、該前面枠部と底枠部と背面枠部とで囲んで前記凹部を形成し、該凹部の前後幅は前記表示用パネルの厚さより大としている請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の表示用パネルの袋詰装置。
【請求項9】
前記可動載置台の背面枠部の上端は前記立掛壁の上端と一致する高さとし、該背面枠部の背面は垂直面として前記立掛壁に面接触させている一方、該背面枠部の前面は下方に向けて突出させた傾斜面とし、かつ、前記前面枠部の高さは背面枠部の高さの1/2以下としている請求項8に記載の表示用パネルの袋詰装置。
【請求項10】
前記可動載置台および立掛壁は導電性ゴム材より形成し、かつ、前記基台の水平載置部は導電性ゴム材を金属板で挟持した積層体で形成し、該水平載置部の下面に金属製の支持脚を固定し、該支持脚をアース接続している請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の表示用パネルの袋詰装置。
【請求項11】
前記可動載置台の側面に補強用金属板を固定していると共に、前記底枠部の底面に断面四角枠の支持台を固定し、該支持台に前記位置決め材の上端を固定している請求項10に記載の表示用パネルの袋詰装置。
【請求項12】
三角形状の背面支持枠を設け、該背面支持枠の垂直方向の前面を前記立掛壁の背面に固定すると共に底面を前記基台に固定している請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の表示パネルの袋詰装置。
【請求項13】
前記背面支持枠を導電性ゴム材で形成している請求項12に記載の表示用パネルの袋詰装置。
【請求項14】
前記背面支持枠を前記立掛壁および基台の左右長さ方向に間隔をあけて複数個設けている請求項12または請求項13に記載の表示用パネルの袋詰装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−233220(P2008−233220A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−69011(P2007−69011)
【出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】