説明

表示装置、表示装置ユニット、及び、それらを用いた装飾具、家具、又は、建具。

【課題】 多様な模様を表示可能であり、模様の色彩も容易に変更でき、更には反応速度も俊敏で省エネルギー化にも好適な表示装置、その表示装置を備える表示装置ユニット、及び、それらを用いた装飾具等を提供する。
【解決手段】 内部空間s1を視認可能な透光部12aを有するケース10と、ケース10の内部空間s1に供給口21から気体を供給する気体供給手段20と、気体供給手段20から内部空間s1に供給される気体に気流を発生させる気流発生手段30と、その気体を可視化可能なシート状レーザrを内部空間s1に照射するレーザ照射手段U2とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体の流れを可視化してそれを模様として表示する表示装置、表示装置ユニット、及び、それらを用いた装飾具、家具、又は、建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、気体や液体等などの流体を可視化して表示する表示装置が提案されている。たとえば、下記特許文献1の実施の形態7(段落番号0074)には、流体を渦輪として任意空間に規則的に並進させ、これらを選択的に可視化することにより絵や文字等を表示する装置が開示されている。また、下記特許文献2には、水面上に形成される波を利用して水面上に任意の文字や図形などを結像させる装置が開示されている。
【0003】
これに対し、本願発明者は既に上記特許文献1,2等とは異なる観点から液体を用いた表示装置を下記非特許文献1にて提案済みである。上記特許文献1,2等の技術は、流体を用いて文字や図形などの情報を表示することを主たる目的とするものであるが、下記非特許文献1の表示装置は模様を表示するものであり、容器内にて液体を熱対流させることにより液面に形成される流れを模様として表示させている。人間が対象の様態を観察し、知覚体験を通じて気付きを得る機会は、理論や法則の形式的な知の蓄積を通じた直線的な理解とは別の価値を備えている。本願発明者は、人々がこれまで自分が得てきた形式的な知では把握しきれない対象から新しい気付きを得、それまであまり意識することの無かった世界の深遠さを考える端緒となるような機会を創出することが可能であると考え、下記非特許文献1に記載の表示装置を開発した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−184420号公報
【特許文献2】特開2005−70362号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】GerfriedStocker(編), Christine Schopf(編)、「Good bye Privacy: ARS Electronica 2007; Hatje Cantz, Ostfildern(2007.11)」、2007年11月、p.430
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
実際に、上記非特許文献1の表示装置を人々に体験させた結果、鑑賞者の中には、流体の作り出す繊細な動きや形そのものに強い興味を抱く人や、身近な熱流動現象や気象システム、生物の細胞を連想した人が数多く見られ、初期的な目的の達成を確認できた。また、没我的に鑑賞する鑑賞者もおり、覚醒ポテンシャルによる創造的認知状態に導いている可能性も考察できた。一方、上記非特許文献1の表示装置は、上述の通り、液体の熱対流により液面に出現する流れを可視化し、それを模様として表示するものであり、鑑賞者の上記反応は表示される模様に大きく影響されるものであることから、発明者は、この表示装置を更に発展させるためには、より多様な模様を表示可能とすることが好ましいとの見解を得た。
【0007】
また、上記非特許文献1の表示装置は、模様の色彩を変更する場合、所望の色彩に染色した液体に入れ替える必要があり、色彩の変更に手間が生じていた。
【0008】
また、上記非特許文献1の表示装置は、液体を加熱することで熱対流を起こすため、反応速度が比較的遅く、エネルギー消費も高いことから、更なる改善の余地があった。
【0009】
そこで、本発明の目的は、流体を用いて多様な模様を表示可能であり、模様の色彩も容易に変更でき、更には反応速度も俊敏で省エネルギー化にも好適な表示装置、その表示装置を備える表示装置ユニット、及び、それらを用いた装飾具等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、気体とレーザ光を利用することにより、上記課題のすべてを解決可能であるとの発想を得た。すなわち、上記非特許文献1の表示装置は液体の熱対流により液面に現れる流れを模様として表示するものであったが、本願発明者は流体内部で発生している流れに着目し、流体内部の流れを可視化することにより、多様な模様を表示可能となると考えた。また、上記非特許文献1の表示装置は、模様の色彩を変更する場合、所望の色彩に染色した液体に入れ替える必要があり、色彩の変更にも手間が生じていたが、気体をレーザ光にて可視化する構成とすることにより、レーザ光の色彩を変更することで簡単に模様の色彩を変更できると考えた。そして、反応速度及び省エネルギー化の改善をも同時に達成しつつ、これを実現する方法として、気体の流れにシート状レーザを照射することにより気体の流れの断面を可視化し、それを模様として表示させることを考え、本発明を完成させるに至った。
【0011】
すなわち、本発明の表示装置は、内部空間を視認可能な透光部を有するケースと、
前記ケースの内部空間に供給口から気体を供給する気体供給手段と、
前記気体供給手段から前記内部空間に供給される気体に気流を発生させる気流発生手段と、
前記気体を可視化可能なシート状レーザを前記内部空間に照射するレーザ照射手段と
を備えることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、気体供給手段により供給口からケースの内部空間に気体が供給され、気流発生手段によりその気体に気流が発生するため、ケースの内部空間にて気体の流れが生じる。その状態にて、レーザ照射手段により内部空間にシート状レーザを照射すると、気流の断面が可視化される。この可視化された気流の断面は、透光部を介して視認可能な模様として表示される。気流は断面の位置により流れが様々であるため、多様な模様を表示することが可能であり、又、シート状レーザの色彩を変えるだけで模様の色彩を簡単に変更することが可能である。
【0013】
前記気流発生手段は、前記内部空間に熱対流を発生させる加熱手段であることが好ましい。この発明によれば、加熱手段により熱対流を発生させることで、ケースの内部空間に気体の流れを作ることができる。
【0014】
前記レーザ照射手段は、シート状レーザの照射位置を制御可能であることが好ましい。この発明によれば、照射手段によりシート状レーザの照射位置を制御することで様々な位置の断面が可視化され、多様な模様を簡単に表示させることができる。
【0015】
前記供給口から供給される気体の気流を変化させる気流変化手段を備えることが好ましい。この発明によれば、気流変化手段により気体の流れを変化させることで、その変化状態が可視化され、更に多様な模様を表示させることができる。
【0016】
前記気体供給手段は複数の供給口を有することが好ましい。この発明によれば、各供給口から供給される気体は各々独立して流れを形成し、各流れの間に境界線が生じる。その状態にてシート状レーザを照射すると、その境界線が可視化され、模様として表示される。たとえば、供給口を所定パターンにて配置して、シンメトリックな幾何学模様を表示させることも可能となる。
【0017】
前記気流発生手段は各供給口ごとに設けられており、各供給口から供給される気体の気流を制御可能であることが好ましい。この発明によれば、各気流発生手段により各供給口から供給される気体の気流が制御可能であるため、各供給口からの気体の気流を各々独立して変化させることができる。
【0018】
前記気体供給手段は、気体源を加熱により気化させることで気体を供給することが好ましい。この発明によれば、気体源として、例えば流動パラフィンや発煙剤のような、加熱により気化容易なものを用いることにより、気体を素早く供給することができる。
【0019】
また、本発明の表示装置ユニットは、前記表示装置と、当該表示装置に接続される制御手段を備え、
当該制御手段は、前記気流発生手段により発生する気流の状態が示された複数の状態パターンが記憶されている記憶部と、
当該複数の状態パターンを表示装置に出力する出力手段と、
当該状態パターンを時系列に並べたシーケンスデータの入力を受け付けるシーケンスデータ受付手段と、
前記シーケンスデータ受付手段により受け付けたシーケンスデータに従って、各気流発生手段により発生させる気流を制御する気流制御手段とを備えることが好ましい。
【0020】
この発明によれば、制御手段により気流の状態を経時的に変化させることができるため、多様な模様を連続して表示させることができる。
【0021】
本発明の装飾具、家具、又は、建具は、前記表示装置、又は、前記表示装置ユニットを備えることを特徴とする。この発明によれば、本表示装置や表示装置ユニットを様々な場面に活用することが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、気流にシート状レーザを照射することで、気流の断面を可視化できるため、多様な模様を表示可能な表示装置、表示装置ユニット、それらを用いた装飾具,家具,建具を提供することができる。模様の色彩の変更はシート状レーザの色彩を変更するだけで良く、模様の色彩の変更も非常に容易である。さらに、気体源として、例えば流動パラフィンのような、加熱により気化容易なものを用い、この気体源を加熱手段により加熱して気化させることで、気体を素早く供給することができるため、反応速度が俊敏で、且つ、省エネルギー化にも好適である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第一の実施の形態として示す表示装置の斜視図である。
【図2】上記実施の形態として示す表示装置の本体ユニットの分解斜視図である。
【図3】上記実施の形態として示す表示装置の本体ユニットの断面図である。
【図4】上記実施の形態として示す表示装置の昇降機構の動作を説明する説明図である。
【図5】上記実施の形態として示す表示装置のレーザユニットの斜視図である。
【図6】上記実施の形態として示す表示装置のレーザユニットを機能的に説明する説明図である。
【図7】本発明の実施の形態として示す表示装置の熱対流状態を説明する説明図である。
【図8】上記実施の形態として示す表示装置のシート状レーザ照射位置の例を説明する説明図である。
【図9】上記実施の形態として示す表示装置により表示される模様の一例を示す図である。
【図10(a)】上記実施の形態として示す表示装置により表示される模様の一例を示す図である。
【図10(b)】上記実施の形態として示す表示装置により表示される模様の一例を示す図である。
【図10(c)】上記実施の形態として示す表示装置により表示される模様の一例を示す図である。
【図11】上記実施の形態として示す表示装置の気体供給手段の気体供給状態を模式的に説明する図である。
【図12(a)】上記実施の形態として示す表示装置により表示される模様の一例を示す図である。
【図12(b)】上記実施の形態として示す表示装置により表示される模様の一例を示す図である。
【図13】本発明の第二の実施の形態として示す表示装置ユニットを機能的に説明する概略ブロック図である。
【図14】上記実施の形態として示す表示装置ユニットにより表示される画面の一例を示す図である。
【図15】上記実施の形態として示す表示装置ユニットにより表示される画面の遷移を示す図である。
【図16】上記実施の形態として示す表示装置ユニットにより表示される画面の遷移を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0025】
<第一の実施の形態>
図1は、本発明の第一の実施の形態の表示装置Dの斜視図である。表示装置Dは、本体ユニットU1と、本体ユニットU1の近傍に配されるレーザユニットU2とを備える。
【0026】
図2は、本体ユニットU1の分解斜視図であり、図3は本体ユニットU1の断面図である。本体ユニットU1は、ケース10と、気体供給手段20と、気流発生手段30とを備える。
【0027】
ケース10は、上方に開口を有するケース本体11と、この開口を被覆するように配される天板12とを備える。天板12は透光性を有し、天板12の透光部12aを介してケースの内部空間s1が視認可能となっている。本実施の形態では、ケース本体11は底部11aが六角形状であり、底部11a周縁に沿って側部11bが設けられている。また、底部11aの周縁には側部11bよりも突出する鍔状の突出部11fが設けられている。なお、ケース10の形状はこれに限定されるものではなく、例えば、底部11aや天板12の形状が円形やその他多角形であっても良い。ケース本体11の底部11aには開口11cが設けられており、その開口11cにはフィルタ60を介して通気ファン70が配されている。
【0028】
透光部12aは、ケース本体11の開口を覆うように天板12が載置されることで、気体供給手段20の供給口21と対向する位置に設けられている。透光部12aは、少なくともケース10の内部空間s1を視認可能なものであれば良い。たとえば、透光部12aは、全透明や半透明でも良く、又、有色であっても良く、又、平面状に限らず、曲面状でも良い。
【0029】
ケース本体11の側部11bの一部は透光性を有する側部透光部11dとなっており、その他の側部11bと底部11aは非透光性である。側部透光部11dの付近には反射鏡13が設けられている。この反射鏡13は、中央が開口した枠体13aの端部に設けられており、枠体13aがケース本体11と天板12との間に挟持されることで反射鏡13が所定位置に固定配設される。側部透光部11dと反射鏡13とが成す角度は略45度であるが、これに限られるものではなく、必要に応じて適宜調整すれば良い。なお、枠体13aは透光性を有する透明アクリル板等で構成されており、天板12の透光性を阻害することは無い。
【0030】
気体供給手段20は、供給口21から気体を供給する機能を備えるものであり、本実施の形態では、気体源を収納する収納部22と、気体源を加熱する加熱手段24とを備える。収納部22は、基台23の上に所定間隔で複数配列されており、上方に開口を有する。基台23は、底部23aがケース10よりも一回り小さい六角形状を呈し、底部23aの外周に沿って側部23bが設けられている。側部23bには一部に開口部23cが形成されている。
【0031】
加熱手段24は、すべての収納部22の開口を覆うように配置される基板31の裏面において、収納部22に対応する位置、すなわち各供給口21の位置に設けられている。本実施の形態では、加熱手段24は、基板31から突出するように配されたニクロム線である。この加熱手段24は図示しない電源に接続されており、加熱手段24に電流を印加することで気体源を加熱気化させ、気体を発生させる。加熱手段24は、図示しない制御手段により熱量を各加熱手段24ごとに独立して制御可能となっている。基板31には、収納部22に対応する位置に貫通孔である供給口21が設けられており、発生した気体はこの供給口21を通過して内部空間s1に供給される。基板31には全体に亘って三角形状の通過孔31aが設けられており、内部空間s1に供給された気体は通過孔31aを通過して流動可能となっている。
【0032】
基板31は、昇降機構80により昇降動作可能となっている。図4は、昇降機構80の動作を説明する説明図であり、(a)は降状態、(b)は昇状態を示す図である。基板31が下降した状態において、加熱手段(ニクロム線)24が収納部22に収納された気体源に浸漬され(図4(a)参照)、基板31が上昇した状態において、加熱手段24に付着した気体源が加熱気化され、加熱手段24に付着した気体源が全て気化することで気体の供給が停止する(図4(b)参照)。昇降機構80は一対のモジュールを1セットとして、対向位置に2セット配置されており、図示しない制御手段により各モジュールを連動制御することで、基板31の水平を維持した状態にて昇降可能となっている。昇降機構80の各モジュールは、内蔵されるモータに連結された回転軸81先端の回転羽82を動作させ、その回転羽82の姿勢変動により、回転羽82上に配置された基板31を昇降させる。ただし、昇降機構80は、これに限るものではなく、例えばアクチュエータ等、その機能を果たすものであれば良い。
【0033】
気流発生手段30は、気体供給手段20からケース10の内部空間s1に供給される気体に気流を発生させる機能を備える。本実施の形態では、気体供給手段20の加熱手段(ニクロム線)24がケース10の内部空間s1に熱対流を発生させることにより、その機能を兼務している。各気流発生手段30は、各供給口21から発生する気体の気流を独立して制御可能となっている。本実施の形態では、各加熱手段24への電流を制御することにより、各加熱手段24ごとに熱量を調整することで、気流を制御している。
【0034】
また、基板31と昇降機構80は、供給口21から供給される気体の気流を変化させる気流変化手段40としての機能を兼ね備える。すなわち、基板31は、収納部22の上方に位置しており、これを昇降機構80により昇降動作させることにより、供給口21からの気体の気流を変化させることができる。気流変化手段50は、気流を変化させる機能を備えるものであれば良く、例えば、内部空間s1を移動する移動体を別途設けるなどしても良いが、本実施の形態のように基板31と昇降機構80が気流変化手段50の機能を兼ね備えることにより、部品点数を削減できるため好適である。
【0035】
基台23や基板31はケース10の内部空間に収納され、必要に応じて出し入れ可能となっている。昇降機構80はモータ部分がケース10の外部に配置され、ケース本体11及び基台23に形成された貫通孔を介して回転軸81及び回転羽82が内部空間s1に挿入され、基板31を支持している。基台23は、一部に開口部23cが設けられており、ケース本体11の底部11a内側の各角に設けられた突起部11eに載置され、ケース本体11の底部11aと基台23との間に間隙が形成されている。また、基台23はケース本体11よりも一回り小さいことから、基台23の側部23bとケース本体11の側部11bとの間にも間隙が形成される。これらの間隙により通気ファン70に通じる通気経路が形成されている。
【0036】
レーザユニットU2は、気体供給手段20から供給された気体を可視化可能なシート状レーザを内部空間s1に照射するレーザ照射手段の機能を備え、更に、シート状レーザの照射位置を制御可能となっている。
【0037】
図5は、レーザユニットU2の斜視図である。詳細には、レーザユニットU2は、レーザ照射装置本体90と、レーザ照射装置本体90から照射されるシート状レーザの照射位置を調整可能な照射位置調整機構91とを備える。図6に示されるように、レーザユニットU2は本体ユニットU1の下方に配され、レーザ照射装置本体90のレーザ照射部90aから照射されたシート状レーザrは本体ユニットU1の反射鏡13に反射され、内部空間s1を横断する方向にて照射される。照射位置調整機構91は、レーザ照射装置本体90に設けられる歯車91aと、歯車91aと噛合する歯車レール91bとを備え、歯車91aを回転させることにより歯車レール91bに沿ってレーザ照射装置本体90が水平方向にスライド移動可能となっている。これにより、反射鏡13における反射位置が調整され、内部空間s1におけるシート状レーザrの位置を制御可能となっている。なお、照射位置調整機構91は図示しない制御手段により制御可能となっている。また、照射位置調整機構91はこれに限るものではなく、例えば、反射鏡を用いることなく、レーザ照射部を垂直方向に移動可能とし、内部空間s1内を直接照射して照射位置を制御しても良いし、シート状レーザの照射位置を調整可能であれば、どのような機構でも良い。
【0038】
ここでは図示はしないが、ケース10の側面に電磁式で開閉を行える通気口を設け、排気時に通気口を自動開放することで、ケース10の内部空間の換気を効率的に行うような排気機構を設けても良い。
【0039】
<動作説明>
以下、本実施の形態の表示装置Dの動作説明を行う。準備段階として、天板12、枠体13a、及び、基板31を取り外した状態にて、収納部22に気体源を収納する。本実施の形態では、気体源としてジェル状の流動パラフィンを用いている。流動パラフィンは加熱により迅速に気化されるため、気体を素早く供給することができ、表示装置Dの反応速度、及び、省エネルギー化の観点から好適である。また、気体源としては、加熱により化学反応を起こして煙霧を発生する発煙剤を用いても良い。発煙剤としては、例えばフォグジュース、スモーク液、フォグリキッド、スモークフルード等と称されるものが挙げられる。これらの発煙剤の中でも、一酸化炭素等の有害物質を発生せず、人体に無害なものが好ましい。さらには、臭いが少なく、発煙に伴い装置内に発生する付着物の除去が容易であり、火災の危険性が低いものが好適である。これらの観点から、特にプロピレングリコール等のような低毒性のグリコール類を主成分とする水溶液(例えばグリコール約45%、水約55%を成分とするフォグジュース)など、グリコール系発煙剤が好適である。グリコール系発煙剤は毒性が低く、臭いが少なく、発煙に伴い装置内に発生する付着物は水滴であるため除去が簡単であり、火災の危険性が低く、更には消防法において非危険物扱いとなるため公共施設での使用時において煩雑な手間が不要であり、気体源として非常に好適である。
【0040】
気体源を収納部22にセットした後、各加熱手段24が各収納部22に配されるように位置決めした状態にて基板31をセットし、次に、反射鏡13がケース本体11の側部透光部11dに位置するように枠体13aをセットし、その上から天板12を載置する。また、本体ユニットU1の近傍、詳しくは、反射鏡13の下方にレーザユニットU2を配置する。なお、レーザユニットU2は、ケース本体11の突出部11fよりも下方に配置されているが、突出部11fは透光性を有する透明なアクリル板等で形成されており、レーザ光の照射路が阻害されることはない。
【0041】
次に、昇降手段80を用いて基板31を下降させ、加熱手段(ニクロム線)24を気体源に浸漬させた後、 基板31が上昇した状態において加熱手段24に電流を印加して気体源を加熱する。これにより、加熱手段24に付着した気体源が気化し、供給口21から内部空間s1に気体が供給される。
【0042】
図7は、熱対流を説明する説明図である。各供給口21から供給された気体は、気流発生手段30(加熱手段24)により、各々独立して流れ(熱対流)を形成し、各対流の間に境界線が生じる。すなわち、供給口21からの気体はまず上方へと流れ、天板12に到達すると水平方向に広がり、互いに衝突する。衝突した対流は力の均衡したところで下方へと流れの向きを変え、各対流の間に境界が生じる。
【0043】
この状態にて、レーザユニットU2からシート状レーザrを照射する。図6に示されるように、レーザ照射部90aから照射されたシート状レーザrは、反射鏡13にて反射され、内部空間s1を横断する方向にて照射される。これにより、気流(本実施の形態では熱対流)の横断面が可視化される。この可視化された横断面は、透光部12aから視認可能であり、表示装置Dに模様として表示される。
【0044】
レーザユニットU2はレーザ照射装置本体90をスライドさせることで、内部空間s1内での照射位置を制御することができ、様々な位置の断面を模様として表示することができる。たとえば、図8に示すように、レーザ照射装置本体90をポジションp2に位置させて、天板12から若干(数mm)下方の位置にシート状レーザrを照射すると、熱対流の境界線が際立った模様が表示され、ポジションp1に位置させて天板12付近に照射すると天板12に沿って広がるような模様が表示され、ポジションp3に位置させて供給口21付近に照射すると供給口21から噴出する気体の流れが模様として表示される。照射位置を若干変更するだけでも、テクスチャの様相が微妙に変化し、多様な模様を表示させることができる。
【0045】
また、レーザユニットU2から照射されるシート状レーザの色彩を変更するだけで、模様の色彩を変更でき、様々な色彩の模様を容易に表示させることができる。
【0046】
図9は、透光部12aを介して表示される模様の一例(図8のポジションp2での模様)を示す図である。表示装置Dには供給口21が複数設けられており、各々が熱対流を形成することから、各熱対流の境界線が可視化され、シンメトリックな幾何学模様として表示される。
【0047】
図10(a)〜(c)は、各気流発生手段30により各供給口21からの気流の状態を制御したときに表示される模様の例を示す図である。説明のため、各図の左下に各気流発生手段30により制御される各供給口21の気流の状態を示す。本実施の形態では、加熱手段24により気流発生手段30を実現していることから、加熱手段24の電流印加状態が示されている。図11に示すように、各加熱手段24a〜24sの配列状態を、模擬的に六角形のセルが配列するパターンで表し、電流がOFFである加熱手段を枠状のセルにて表し、電流がONである加熱手段を塗り潰し状のセルにて表した。図10(a)は、加熱手段24b,24e,24i,24m,24n,24o,24p,24k,24fの電流をONとし、その他の加熱手段の電流をOFFとしたときにおける表示状態を示す図であり、図10(b)は、加熱手段24a,24h,24q,24s,24l,24c,24jの電流をOFFとし、その他の加熱手段の電流をONとしたときにおける表示状態を示す図であり、図10(c)は、加熱手段24a,24h,24q,24s,24l,24cの電流をONとし、その他の加熱手段の電流をOFFとしたときにおける表示状態を示す図である。それぞれ、異なる模様が表示されている。これは、加熱手段24の熱量に応じて、供給口21から供給される気体の熱対流状態が異なるためである。このように、各供給口21から供給される気流を独立して制御することで、多様な模様を表示することが可能となる。
【0048】
図12は、気流変化手段50を動作させたときの表示状態の例を示す図である。本実施の形態では、基板31を昇降機構80により昇降させることにより気流変化手段50を実現しており、その昇降動作により模様を変化させることができる。図12(a)は基板31を大きな動作にて瞬発的に昇降させたときに表示される模様を示す図である。表示装置Dには波紋のような模様が表示される。図12(b)は基板31を連続的に小刻みに揺らすように動作にて昇降させたときに表示される模様を示す図である。表示装置Dには揺れるような歪曲した模様が表示される。このように、気流変化手段50を用いることで、模様を様々に変化させることができる。
【0049】
<第二の実施の形態>
本実施の形態は、上記実施の形態の表示装置Dと、表示装置Dをコントロールする制御手段100を備える表示装置ユニットDUである。図13は、表示装置ユニットDUを機能的に説明する概略ブロック図である。制御手段100は、ホストコンピュータ101とそれに接続されるマイクロコンピュータ102を備え、ホストコンピュータ101と表示装置Dとがマイクロコンピュータ102を介して接続されている。ホストコンピュータ101は、ハードディスクやCPU等を備える一般的なコンピュータであり、液晶表示装置等のディスプレイ装置200に接続されている。
【0050】
ホストコンピュータ101は、出力手段s1、シーケンスデータ受付手段s2、気流制御手段s3を備え、これらはCPU等が記憶されているプログラムに従って所定の動作を行うことで実現される。記憶部m1はハードディスク等、記憶部m2はプログラムのワーク領域として使用されるメモリ等により実現される。
【0051】
出力手段s1は、記憶部m1に記憶されている画面データを読み込んでディスプレイ装置200に表示する機能を備える。画面データには、気流発生手段30により発生する気流の状態が示された状態パターンP1,P2,,,Pnが含まれる。本実施の形態では、各加熱手段24の電流印加状態に相当する。図14は、ディスプレイ装置200に表示される画面Sの一例を示す図である。画面Sの領域t3には、状態パターンP1,P2,,,Pnが表示される。本実施の形態では、塗り潰し状セルは電流印加、枠状セルは電流停止を表している。
【0052】
シーケンスデータ受付手段s2は、状態パターンPnが時系列に配列されたシーケンスデータを受け付ける機能を備える。本実施の形態では、画面Sに状態パターンPnを時系列に並べる領域t1が設けられており、ユーザに対して領域t3に表示される状態パターンP1,,,Pnから所望の状態パターンをマウスにて選択させ、領域t1の所望のマス内にドラッグアンドドロップさせることにより、シーケンスデータd1を入力可能となっている。図15は、状態パターンPnが領域t1にドラッグアンドドロップされることで、シーケンスデータd1が入力された状態の画面Sの一例を示す図である。シーケンスデータ受付手段s2は、入力されたシーケンスデータd1を受け付け、記憶部m2に一次記憶する。
【0053】
気流制御手段s3は、各気流発生手段30により発生させる気流を制御する機能を備える。本実施の形態では、各加熱手段24の電流印加状態、すなわち熱量を制御する機能に相当する。詳しくは、画面Sの領域t5に表示される再生ボタンb53のクリックを検知すると、加熱制御手段s3は、記憶部m2からシーケンスデータd1を読み出し、シーケンスデータd1の状態パターンPnの順に従って、各状態パターンPnごとに各加熱手段24に対して電流の印加又は電流の停止の制御命令を出力する。なお、各加熱手段24は識別子が付されており、識別子により特定可能となっている。また、各状態パターンP1,,,Pnに対応する制御命令の出力は、予め設定された時間間隔にて出力される。
【0054】
加熱制御手段s3から出力された制御命令は、マイクロコンピュータ102に入力される。マイクロコンピュータ102は、入力された制御命令に基づき気流を制御する信号、すなわち、各加熱手段24に対して電流の印加/停止の制御信号を送信する。これにより、各状態パターンP1,,,Pnの塗り潰し状セルに対応する加熱手段24に電流が印加され、枠状セルに対応する加熱手段24への電流は停止され、塗り潰し状セルに対応する供給口21からの気体が熱対流を起こす。
【0055】
さらに、ホストコンピュータ101は、昇降機構制御手段s4、通気ファン制御手段s5、レーザユニット制御手段s6を備えても良い。
【0056】
画面Sには、領域t4に気流変化パターンP41〜P48が表示されている。気流変化パターンP41は模様に小さな波紋を形成させ、気流変化パターンP42は模様に大きな波紋を形成させ、気流変化パターンP43は通気ファン70をONにし、気流変化パターンP44は通気ファン70をOFFにし、気流変化パターンP45は基板31を上昇させ、気流変化パターンP46は基板31を下降させ、気流変化パターンP47は模様に大きく揺れるような湾曲を形成させ、P48は模様に小刻みに揺れるような湾曲を形成させることを意味している。
【0057】
画面Sは、ユーザに対して気流変化パターンP41〜P48をマウスにより選択させ、領域t2にドラッグアンドドロップさせることにより、状態パターンPnの配列に対応させて気流変化パターンP41〜P48を配置可能となっている。図16は、状態パターンPnが領域t1にドラッグアンドドロップされることで、シーケンスデータd1が入力された状態の画面Sの一例を示す図である。領域t2は領域t1に相対するマスが設けられており、各マスに気流変化パターンP41〜P48が配置される。
【0058】
シーケンスデータ受付手段s2は、領域t1に入力される状態パターンPnの配列とともに、領域t2に入力される気流変化パターンP4nの配列を受け付け、状態パターンPnの配列と気流変化パターンP4nの配列を対応させてシーケンスデータd1として記憶部m2に記憶する。
【0059】
昇降機構制御手段s4は、昇降機構80の動作を制御する機能を備え、記憶部m2からシーケンスデータd1を読み込んで、気流変化パターンP41,P42,P47,P48のタイミングに合わせてそのパターンに応じた制御命令を出力する。詳しくは、気流変化パターンP41のタイミングでは基板31を瞬発的に小さく昇降させる制御命令、気流変化パターンP42のタイミングでは基板31を瞬発的に大きく昇降させる制御命令、気流変化パターンP47のタイミングでは基板31を連続的に大きく揺らす制御命令、気流変化パターンP48のタイミングでは基板31を連続的に小刻みに揺らす制御命令を出力する。また、気流変化パターンP45のタイミングでは基板31を上昇させた状態にて停止させる制御命令、気流変化パターンP46のタイミングでは基板31を下降させた状態にて停止させる制御命令を出力する。なお、気流変化パターンP45,46は、収納部22に気体源を補給する時など、メンテナンス時にも用いられる。
【0060】
通気ファン制御手段s5は、通気ファン70の動作を制御する機能を備え、記憶部m2からシーケンスデータd1を読み込んで、気流変化パターンP43,P44のタイミングに合わせてそのパターンに応じた動作命令を出力する。詳しくは、気流変化パターンP43のタイミングでは通気ファン70をONにする制御命令を出力し、気流変化パターンP44のタイミングでは通気ファン70をOFFにする制御命令を出力する。
【0061】
昇降機構制御手段s4及び通気ファン制御手段s5からの制御命令はマイクロコンピュータ102に入力され、マイクロコンピュータ102から各制御命令に応じた制御信号が昇降機構80や通気ファン70に送信される。昇降機構80及び通気ファン70は、マイクロコンピュータ102からの制御信号に従って所定の動作を行い、これにより、シーケンスデータd1の気流変化パターンP4nに応じたタイミングで気流に変化が生じる。
【0062】
なお、気流制御手段s3、昇降機構制御手段s4、通気ファン制御手段s5は図示しないカウンタにより各制御命令の同期が取られており、各制御命令のズレが生じることはない。
【0063】
レーザユニット制御手段s6は、ユーザが所望のタイミングでレーザユニットU2を操作可能とするものであり、レーザユニットU2のレーザ照射装置本体90や照射位置調整機構91の動作を制御する機能を備える。たとえば、ディスプレイ装置200には専用の画面が別途表示され(図示せず)、レーザユニット制御手段s6は、ユーザからの画面入力に従って、照射部90aからのシート状レーザの照射をON/OFFする制御命令や、シート状レーザの色彩を変更する制御命令や、シート状レーザの照射位置を制御する制御命令を出力する。制御命令はマイクロコンピュータ102に入力され、制御信号に変換されてレーザユニットU2に出力される。レーザユニットU2は制御信号に従って、シート状レーザの照射、色彩の変更、レーザ照射装置本体90のスライド動作を行う。
【0064】
なお、画面Sには、領域t5に、通気ファンボタンb51,気体源補給ボタンb52,再生ボタンb53,繰り返しボタンb54、電源ボタンb55が表示されており、これらのボタンはメンテナンス時やシーケンスデータd1の再生時に用いられる。通気ファンボタンb51のクリックが検知されると、通気ファン制御手段s5は通気ファンをON又はOFFにし、気体源補給ボタンb52のクリックが検知されると、昇降機構制御手段s4が基板31の上昇又は下降を行い、再生ボタンb53のクリックを検知すると、気流制御手段s3や昇降機構制御手段s4や通気ファン制御手段s5がシーケンスデータd1に従って制御命令の出力を開始し、繰り返しボタンb54のクリックを検知するとシーケンスデータd1に従った制御命令の出力が繰り返し行われ、電源ボタンb55のクリックが検知されると、表示装置Dの電源のON又はOFFがなされる。
【0065】
また、画面Sには、スライドバーBが表示されており、スライドバーBをスライドさせることにより、シーケンスデータd1に基づく状態遷移のスピードの調整が可能となっている。
【0066】
このような表示装置Dや表示装置ユニットDUは、様々に応用可能である。例えば、表示装置Dをテーブルの天板に組み込んだり、照明として利用したり、その他の家具に応用することができる。また、表示される模様を動的テクスチャとして利用し、床に配置したり壁に掛けたりして装飾具として用いたり、ドアや戸等の建具に組み込んだり、といった応用も可能である。これにより、生活空間の様々な場面にて本発明を活用することが可能となる。
【0067】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。上述した実施の形態では、気体源にジェル状の流動パラフィンやフォグジュース等の発煙剤を用いたが、その他の気体源を用いても良く、又、気体源はジェル状体,液体,気体,固体のいずれであっても良い。また、上記実施の形態では、気体として流動パラフィンや発煙剤を加熱により気化させたものを用いたが、これに限られるものではなく、煙霧状のもの、レーザ光を反射する粒子を含むものなど、レーザ光により可視化可能なものであれば良い。
【0068】
また、気体供給手段及び気流発生手段は加熱手段を用いるものに限定されるものではなく、例えば、吸気,排気,冷却,加圧,減圧,加電など、何らかの手段によりケースの内部空間に気体を供給/発生させるものであれば良い。たとえば、気体供給手段と気流発生手段として気体源を貯蔵したボンベ等を用い、ボンベを開閉して気体を内部空間に供給するとともに気流を発生させても良いし、その他、各機能を発揮するものであれば、どのようなものでも良い。
【0069】
また、気流変化手段は、上記実施の形態に限定されるものではなく、例えば、吸気,排気,冷却,加圧,減圧,加電など、何らかの手段により気流を変化させるものであれば良い。
【0070】
また、ケースの形状も上記実施の形態に限定されるものではなく、円形や四角形など、様々な形状とすることが可能である。また、ケースは密閉状態である必要はなく、一部が開口していても良く、少なくとも気体の流れを形成可能な空間を備えるものであれば良い。また、透光部はケースの上部に限らず、側部や底部などに設けられていても良く、又、複数個所に設けられていても良く、大きさも任意であり、その位置や数や大きさは問わない。
【0071】
また、供給口の配列は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々に配列可能である。供給口は一つであっても良いが、複数設けることで各供給口からの気体の相互作用により多様な模様を表示させることができるため好ましい。また、各供給口ごとに気流発生手段を設けなくとも良く、例えば、複数の供給口に対して一つの気流発生手段を設けるようにしても良い。
【0072】
また、シート状レーザは、必ずしも水平に照射されなくとも良く、内部空間を斜めに横断したり、垂直に横断するように照射されても良い。
【0073】
このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
【0074】
以上、本発明によれば、多様な模様を表示可能であり、色彩の変更も非常に容易で、更には、反応速度の迅速化及び省エネルギー化にも好適な表示装置及び表示装置ユニットを提供することができ、それを装飾具等として生活空間に様々な形で組み込むことができる。
【符号の説明】
【0075】
D 表示装置
U1 本体ユニット
U2 レーザユニット
10 ケース
11 ケース本体
12 天板
12a 透光部
13 反射鏡
20 気体供給手段
21 供給口
22 収納部
23 基台
24 加熱手段
30 気流発生手段
31 基板
50 気流変化手段
60 フィルタ
70 通気ファン
80 昇降機構
90 レーザ照射装置本体
91 照射位置調整機構
r シート状レーザ
100 制御手段
101 ホストコンピュータ
102 マイクロコンピュータ
200 ディスプレイ装置
s1 出力手段
s2 シーケンスデータ受付手段
s3 気流制御手段
s4 昇降機構制御手段
s5 通気ファン制御手段
s6 レーザユニット制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間を視認可能な透光部を有するケースと、
前記ケースの内部空間に供給口から気体を供給する気体供給手段と、
前記気体供給手段から前記内部空間に供給される気体に気流を発生させる気流発生手段と、
前記気体を可視化可能なシート状レーザを前記内部空間に照射するレーザ照射手段と
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記気流発生手段は、前記内部空間に熱対流を発生させる加熱手段であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記レーザ照射手段は、シート状レーザの照射位置を制御可能であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記供給口から供給される気体の気流を変化させる気流変化手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記気体供給手段は複数の供給口を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記気流発生手段は各供給口ごとに設けられており、各供給口から供給される気体の気流を制御可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記気体供給手段は、気体源を加熱により気化させることで気体を供給することを特徴とする請求項1乃至請求項7のうちいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のうちいずれか1項に記載の表示装置と、当該表示装置に接続される制御手段を備え、
当該制御手段は、前記気流発生手段により発生する気流の状態が示された複数の状態パターンが記憶されている記憶部と、
当該複数の状態パターンを表示装置に出力する出力手段と、
当該状態パターンを時系列に並べたシーケンスデータの入力を受け付けるシーケンスデータ受付手段と、
前記シーケンスデータ受付手段により受け付けたシーケンスデータに従って、各気流発生手段により発生させる気流を制御する気流制御手段と
を備えることを特徴とする表示装置ユニット。
【請求項9】
請求項1乃至請求項7のうちいずれか1項に記載の表示装置、又は、請求項8に記載の表示装置ユニットを備える装飾具、家具、又は、建具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10(a)】
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【図10(b)】
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【図10(c)】
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【図11】
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【図12(a)】
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【図12(b)】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−2809(P2011−2809A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−30870(P2010−30870)
【出願日】平成22年2月16日(2010.2.16)
【出願人】(899000079)学校法人慶應義塾 (742)
【Fターム(参考)】