説明

表示装置およびこれを備えた印刷機器

【課題】、無駄な消費電力の抑制を図るようにした可搬型の表示装置を提供する。
【解決手段】操作パネルが取り外されていて、しかも操作中であって操作パネルが机やテーブルの上面などの伏臥面に伏臥されていれば(ステップS101のYES、ステップS102のNO、ステップS103のYES)、その伏臥状態が予め定められたT1時間(例えば5秒)継続していると、操作パネルの内蔵バッテリ(駆動電源)がスリープ状態に制御され(ステップS105,S106)、さらにこのスリープ状態が予め定められたT2時間(例えば5分)継続すれば(ステップS107のYES)、操作パネルの内蔵バッテリ(駆動電源)が電源オフ状態に制御される(ステップS108)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、パネル状の装置本体の前面側に画像を表示する表示部を備えた可搬型の表示装置およびこれを備えた印刷機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像を表示する表示装置である液晶表示装置において、光センサーを取り付けて外光照度データを取り込み、人や物の往来による液晶表示装置周辺の照度が部分的に変化しても液晶表示装置のバックライトの輝度は変化させず、液晶表示装置周辺の環境が一様に変化したときにバックライトを周囲照度に応じて自動調光することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−121997号公報(段落0010,0011ほか)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の液晶表示装置の場合、液晶表示装置周辺の環境、特に照度を検出し、液晶表示装置周辺の環境が一様に変化したときにバックライトを自動調光するものの、例えば長時間にわたって液晶表示装置を使用しないときであっても電源はオン状態のまま保持され、電力が無駄に消費されるという問題点がある。
【0005】
例えば、特許文献1のような液晶表示装置に限らず、可搬型の表示装置の場合、使用状態と不使用状態では表示面が受ける外光照度に差が生じる。特に、可搬型でパネル状の表示装置の場合これを使用しない状態では、机やテーブルなどの上面(伏臥面)に表示装置の表示面を下にして表示装置が伏臥されることが多く、このように伏臥されると表示装置の表示面が受ける外光照度は、伏臥されない通常の使用状態に比べて低くなる。そのため、表示装置の表示面に照度センサを設けて表示面が受ける外光照度を検出できれば、表示装置が伏臥された状態か伏臥されていない状態かを判別でき、伏臥状態には表示装置の電源をオフするなどして無駄な消費電力を抑制することも可能になるが、上記した特許文献1も含めて従来の可搬型でパネル状の表示装置ではこのような装置の状態を判別して節電する機能を備えたものはない。
【0006】
この発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、無駄な消費電力の抑制を図るようにした可搬型の表示装置及びこれを備えた印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明にかかる表示装置は、上記目的を達成するため、装置本体の前面側に画像を表示する表示部を備えた可搬型でパネル状の表示装置において、前記装置本体の前面側で前記表示部の周辺に配設されて前記装置本体の伏臥面への伏臥状態を検知する検知部と、前記検知部による前記装置本体の伏臥状態の検知が予め設定された設定時間以上継続するときに、駆動電源による少なくとも前記表示部への電源供給をスリープ状態に制御する電源制御部とを備えたことを特徴としている。
【0008】
上記したように構成された発明では、検知部により装置本体の伏臥面への伏臥状態が検知される状況とは、表示装置が表示部の表示を見ることのない不使用の状態にあると判断することができる。そのため、検知部による装置本体の伏臥面への伏臥状態の検知が予め設定された設定時間以上継続すれば、電源制御部により、駆動電源による少なくとも表示部への電源供給をスリープ状態に制御するので、無駄な電力消費の抑制を図ることができる。
【0009】
また、前記電源制御部は、前記スリープ状態が予め設定された所定時間以上継続するときに前記表示部を含む各部への電源供給を停止するように構成するのが望ましい。このように、スリープ状態が予め設定された所定時間以上継続すれば、表示部を含む各部への電源供給を停止することにより、無駄な電力消費をよりいっそう抑制することができる。
【0010】
また、前記検知部は、前記伏臥面に向けて投光する発光素子と、外光並びに前記装置本体の伏臥状態には前記伏臥面による前記発光素子からの光の反射光を受光可能に配設された受光素子とを有する照度センサを備え、前記電源制御部は、前記照度センサの前記受光素子の出力値に基づき、前記装置本体が伏臥されていない通常の使用状態にあるのか、前記装置本体が伏臥状態にあるのか判定する判定部を備えるように構成するのが好ましい。
【0011】
このように構成すると、装置本体が伏臥されていない状態では、照度センサ周囲の環境は外光による照度が非常に高く、照度センサの受光素子の受光出力レベルは高い状況にある一方、装置本体の伏臥状態には伏臥面による発光素子からの光の反射光を受光するだけで、照度センサの受光素子の受光出力レベルは低い状況にあるため、照度センサの出力レベルの違いから、判定部により、装置本体が伏臥されていない通常の使用状態にあるのか、装置本体が伏臥状態にあるのかを容易に判定できることとなる。その結果、表示部をスリープ状態にし、或いは、このスリープ状態が予め設定された所定時間以上継続すれば、表示部を含む各部への電源供給を停止することで、無駄な電力消費の抑制に確実に寄与することができる。
【0012】
また、前記表示部の表示に関与する光が、前記装置本体の伏臥状態、通常使用状態に関係なく前記受光素子によって受光されないように前記検知部の前記受光素子が配置されているとよい。このように、受光素子により、装置本体の伏臥状態、通常使用状態に関係なく表示部の表示に関与する光が受光されないようにすれば、表示部の表示に関与する光の影響を受けることなく、装置本体が伏臥されていない通常の使用状態にあるのか、装置本体が伏臥状態にあるのかをより確実に判定することができる。
【0013】
また、請求項1ないし4のいずれかに記載の表示装置を備えた印刷機器は、前記表示装置が機器本体の所定部位に着脱自在に装着される構成を有し、前記表示装置の前記表示部にはタッチパネルが組み込まれ、機器操作用の操作ボタン画像が接触操作可能に前記表示部に表示されることを特徴としている。このように構成すれば、印刷機器の表示装置を機器本体から取り外して使用するときに、表示装置を使用しない状態では表示装置での無駄な電力消費を抑制することができる印刷機器の提供が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は本発明の可搬型でパネル状の表示装置を備えた印刷機器の一実施形態であるフォトプリンタを示す斜視図である。また、図2はフォトプリンタの内部構成の概略を示す図である。このフォトプリンタ10では、プリンタ本体12の内部にはプリント機構50(図2参照)が内蔵されており、フォトプリンタ10の全体の制御を司るコントローラ70(図2参照)からの動作指令に応じて用紙Pへの印刷を実行する。そして、こうして印刷された用紙がプリンタ本体12の前面に排紙される。
【0015】
このプリンタ本体12の前面には、図1に示すように、前面扉14が開閉自在に取り付けられている。この前面扉14はプリンタ本体12の前面を開閉するための蓋である。そして、開状態のときには、プリント機構50から排紙される用紙Pを受けるための排紙トレイとして機能する。また、プリンタ本体12の前面に設けられた各種のメモリカードスロット16をユーザが利用可能な状態となる。つまり、この状態でユーザは印刷対象となる画像ファイルを記憶したメモリカードMをメモリカードスロット16に差し込むことができる。
【0016】
また、プリンタ本体12の上面には、プリンタ本体12に着脱可能な操作パネル20が設けられる一方、プリンタ本体12の上面を覆うことのできる大きさに成型された樹脂カバー(図示せず)が開閉自在に取り付けられている。この操作パネル20が本発明における「表示装置」に相当し、図2に示すように、パネル枠21(本発明における「装置本体」に相当)と、このパネル枠21に組み込まれた液晶ディスプレイからなる表示部22と、表示部22に重畳されたタッチパネル23と、操作パネル20に内蔵された駆動電源としてのバッテリ(図示せず)とを備えている。
【0017】
この操作パネル20は、例えば扉の開閉などに使用される周知のばねとマグネットとの組合せであるプッシュマグネットキャッチと同様の係止機構によってプリンタ本体12の上面に着脱可能に配設されており、例えば装着状態から例えば操作パネル20の端部を押圧すると、係止機構の係止状態が解除されてばねの付勢力により押圧した端部(この場合、操作パネル20の後端部)が浮き上がり、プリンタ本体12の上面から操作パネル20を取り外して操作パネル20を単独で持ち運びできる状態になる一方、プリンタ本体12の上面に収納(装着)する場合にはこれとは逆に、ばねの付勢力により浮き上がった状態でプリンタ本体12の上面に設置された操作パネル20の後端部をばねに抗して押し込めば、係止機構が係止状態となって操作パネル20がプリンタ本体12の上面に収納(装着)されるようになっている。なお、操作パネル20には取り外し状態を検出する脱着センサを設けておくのが望ましく、こうすると操作パネル20がプリンタ本体12から取り外されていることを認識できて、後に詳述するような電源制御などが可能になる。
【0018】
そして、操作パネル20の表示部22には、文字をはじめ図形、記号、写真などの画像を表示する画像表示領域24aと、この画像表示領域24aの周囲には各種操作用の複数の操作ボタン画像が表示されるボタン表示領域24bとが設けられている。また、操作パネル20のパネル枠21の表面右下隅には、操作パネル20及びプリンタ本体12の電源をオン、オフするための電源ボタン25aが設けられ、電源ボタン25aのオン時には電源ボタン25aの近傍に設けられたLED25bが点灯してオン状態を表示する。
【0019】
ボタン表示領域24bに表示される操作ボタン画像として、図2には図示されていないが、メインメニュー画面を呼び出すためのメニューボタン、操作を途中でキャンセルしたり用紙Pへの印刷を途中で中断したりするためのキャンセルボタン、用紙Pへの印刷実行を指示するための印刷ボタン、メモリカードスロット16に挿入されたメモリカードMに編集画像等を保存するための保存ボタン、例えば画像表示領域24aに表示された複数の選択肢の中から所望の選択肢を選択したりカーソルを移動したりするときに操作される上下左右の各矢印ボタン、この上下左右の各矢印ボタンの中央に配置され各矢印ボタンによって選択されている選択肢に決定したことを指示するためのOKボタン、画像表示領域24aでの画面表示を切り替えるための表示切替ボタン、排紙トレイとしての機能を備えた前面扉14を開く排紙トレイオープンボタンなどが表示されている。
【0020】
そして、ユーザがタッチパネル23を通して所望のボタン画像に接触すると、例えばその接触位置の座標を表わす無線操作信号がプリンタ本体12に送信され、後述するコントローラ70に内蔵の受信回路によりこれを受信することで、その接触位置がコントローラ70により検出され、コントローラ70により接触位置に該当するボタン画像に割り付けられた操作内容に応じた制御処理が実行される。
【0021】
したがって、ユーザは、操作パネル20をプリンタ本体12の上面から取り外して単独で持ち運び、好きな場所で上記したボタン画像のタッチ操作を行うことにより、プリンタ10を遠隔操作することもでき、デジタルカメラなどで撮影した写真を順次表示部22の画像表示領域24aに切換表示させながら、印刷すべき写真の選択などを行うことができる。また、操作パネル20を単独で持ち運び、表示部22の画像表示領域24aに好きな写真画像を常時表示させておけば、操作パネル20を電子式の「写真たて」として使用することもできる。この場合には、図3に示すように、操作パネル20のパネル枠21の背面に可傾式(図3中の矢印方向)の支持体28を設けておくのが望ましい。
【0022】
ところで、操作パネル20のパネル枠21の表面右上隅には、机やテーブルなどの上面である伏臥面への操作パネル20の伏臥状態を検知する検知部としての照度センサ26が配設されている。この照度センサ26は、伏臥面に向けて投光する発光素子であるLED26aと、照明光を含む外光並びに操作パネル20の伏臥状態における伏臥面によるLED26aからの光の反射光を受光可能に配設された受光素子であるフォトダイオード26bとを有する。
【0023】
照度センサ26は、特に図4に示すように、パネル枠21内に収容され液晶ディスプレイからなる表示部22の背面に位置するプリント基板PBの隅部に、発光ダイオード(LED)26a及びフォトダイオード26bが実装配線され、これらLED26a及びフォトダイオード26bは、パネル枠21の表面右上隅の凹部に配設されて机やテーブルなどの上面である伏臥面TによるLED26aからの光の反射光がフォトダイオード26bにより受光されるような位置関係に設定配置されている。このとき、表示部22である液晶ディスプレイからの漏れ光やLED26aの直接光がフォトダイオード26bにより受光されることのないように、LED26a及びフォトダイオード26bの各々の周囲は包囲部材Cにより包囲されている。そのため、伏臥面TによるLED26aからの光の反射光、及び、操作パネル20周囲の外光(太陽光、照明光など)のみがフォトダイオード26bにより受光されるようになっている。
【0024】
この照度センサ26により、操作パネル20が伏臥面Tに伏臥されていない状態つまり通常の使用状態では、照度センサ26周囲の環境は外光(或いは照明光)による照度が非常に高く、照度センサ26のフォトダイオード26bの受光出力レベルは高い状況にある一方、操作パネル20が伏臥面Tに伏臥された状態では、フォトダイオード26bは伏臥面TによるLED26aからの光の反射光を受光するだけであることから、照度センサ26のフォトダイオード26bの受光出力レベルは低い状況にある。そのため、照度センサ26の出力レベルの違いから、操作パネル20が伏臥されていない通常の使用状態にあるのか、不使用の伏臥状態にあるのかを容易に判定できることとなる。
【0025】
そして、図4に示すプリント基板PBには、図5に示すように、フォトダイオード26bの発光出力信号を増幅するアンプ30aと、アンプ30aにより増幅された発光出力信号の電圧レベルと基準電圧レベルとを比較するコンパレータ30bと、コンパレータ30bの出力信号に基づき、内蔵バッテリをスリープ状態やオフ状態に制御する制御回路30cとが設けられている。
【0026】
ここで、基準電圧レベルとして、操作パネル20が伏臥面Tに伏臥されていない通常の使用状態において、照度センサ26が外光(或いは照明光)を受光したときのアンプ30aの出力電圧レベルに設定しておけば、操作パネル20が机などの伏臥面Tに伏臥された不使用の状態におけるアンプ30a出力電圧レベルは基準電圧レベルを下回るため、コンパレータ30bから操作パネル20の伏臥検知信号が出力される。よって、アンプ30a、コンパレータ30bは本発明における「判定部」として機能する。そして、この伏臥検知信号が予め定められた所定のT1時間(例えば5秒)継続すれば、制御回路30cにより操作パネル20の内蔵バッテリがスリープ状態に制御されて、操作パネル20の消費電力が必要最小限に制御される。これらアンプ30a、コンパレータ30b及び制御回路30cが本発明における「電源制御部」として機能する。
【0027】
さらに、このスリープ状態が予め定められた所定のT2時間(例えば5分)継続すると、制御回路30cにより操作パネル20の内蔵バッテリがオフ状態(電源供給の停止状態)に制御される。なお、T1,T2時間は、ユーザが操作ボタン画像の操作により好みに応じて適宜可変設定できるようにしてもよい。
【0028】
このとき、プリント基板PBに送信回路(図示せず)も搭載しておき、制御回路30cは、操作パネル20のスリープ状態やオフ状態を報知する無線報知信号をコントローラに送信すべくこの送信回路を制御し、コントローラ70の受信回路がこの無線報知信号を受信すれば、コントローラ70により、プリンタ本体12側の電源も同様にスリープ状態或いはオフ状態に制御するように構成してもよい。こうすれば、操作パネル20のみならず、プリンタ本体12側の電源も同様にスリープ状態或いはオフ状態に制御することも可能になり、プリンタ10全体の消費電力の抑制が可能となる。
【0029】
ところで、操作パネル20を取り外した状態(或いは操作パネル20の後端部を持ち上げた状態)におけるその奥には、図2に示すように、プリント機構50の給紙口58が設けられるとともに、ガイド幅が用紙の幅に合うように左右方向にスライド操作される一対の用紙ガイド59,59が設けられている。
【0030】
そして、給紙口58を介して用紙Pがプリント機構50に送り込まれて印刷が実行される。このプリント機構50には、図2に示すように、キャリッジ53が左右方向にループ状に架け渡されたタイミングベルト51により駆動されガイド52に沿って左右に往復動する。このキャリッジ53には、紙端検出センサ57が設けられ、用紙Pの左右端や上下端を検出する。つまり、紙端検出センサ57は、給紙口58にセットされた用紙に対して印刷前にキャリッジ53が左右方向に走査したときにその用紙の左右端を検出して用紙幅の認識を可能にしたり、印刷途中で用紙の後端を検出して用紙長さの認識を可能にしたりする。
【0031】
また、このキャリッジ53には、シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック等の各色のインクを個別に収容したインクカートリッジ54が搭載されている。これらのインクカートリッジ54はそれぞれ印刷ヘッド55に接続されている。そして、印刷ヘッド55はインクカートリッジ54からのインクに圧力をかけてノズル(図示省略)から用紙Pに向かってインクを吐出する。この実施形態では、印刷ヘッド55は圧電素子に電圧をかけることにより該圧電素子を変形させてインクを加圧する方式を採用しているが、発熱抵抗体(例えばヒータなど)に電圧をかけインクを加熱して発生した気泡によりインクを加圧する方式を採用してもよい。こうして印刷された用紙Pは搬送ローラ56によって開状態の前面扉(排紙トレイ)14へ送り出される。
【0032】
また、図示を省略しているものの、プリンタ本体12の背面にはバッテリパックを装着可能となっており、商用電源に接続しなくとも本プリンタ10をバッテリにより動作させることが可能となっている。この点および本プリンタ10がホストコンピュータに接続しなくても使用することができるスタンドアロンプリンタとなっている点により、本プリンタ10は持ち運び容易でどこでも使用できるようになっている。
【0033】
また、コントローラ70は、図2に示すように、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、各種処理プログラムや各種データ、各種プログラムや各種テーブルなどを記憶したROM72と、一時的にデータを記憶するRAM73と、電気的に書き換え可能で電源を切ってもデータは保持されるフラッシュメモリ74と、メモリカード、ディスクドライブ13やプリント機構50やメモリカードスロット16などとの通信を可能とするインタフェース(I/F)75と、表示部22に描画すべき画像のデータを格納するグラフィックメモリ76とを備え、これらはバス77を介して互いに信号のやり取りが可能なように接続されている。このコントローラ70に対して、メモリカードやディスクの画像ファイルなどが入力されるほか、プリント機構50のセンサ57からの検出信号や操作パネル20のボタン画像24の接触操作に応じた無線操作信号が入力される。また、コントローラ70は、メモリカードに編集画像などを保存するほか、プリント機構50の印刷ヘッド55への制御信号や操作パネル20への無線制御信号を出力する。
【0034】
図6は操作パネル20が伏臥状態となったときに、操作パネル20を電源スリープ状態、電源オフ状態に制御する電源制御処理の手順を示すフローチャートである。図6に示すように、操作パネル20に設けられ操作パネル20のプリンタ本体12からの取り外しを検出する脱着センサの出力信号に基づき、操作パネル20が取り外されているか否か判定され(ステップS101)、取り外されている場合には(ステップS101のYES)、タッチパネル23の信号などに基づき、操作パネル20が操作中か否かの判定がなされる(ステップS102)。
【0035】
そして、操作パネル20が操作中でない場合には(ステップS102のNO)、照度センサ26の信号に基づき、操作パネル20が机やテーブルの上面などの伏臥面Tに伏臥されている状態か否かの判定がなされ(ステップS103)、伏臥されていないとの判定結果の場合には(ステップS103のNO)、ステップS101の判定がNOで操作パネル20が取り外されていない場合、及び、ステップS102の判定がYESで操作パネル20が操作中の場合と同様、ステップS104に移行し、現在の状態が維持されてそのまま処理は終了する。
【0036】
一方、操作パネル20が机やテーブルの上面などの伏臥面Tに伏臥されているとの判定結果の場合には(ステップS103のYES)、この伏臥状態が予め定められたT1時間(例えば5秒)継続すれば(ステップS105)、操作パネル20の内蔵バッテリ(駆動電源)がスリープ状態に制御され(ステップS106)、さらにこのスリープ状態が予め定められたT2時間(例えば5分)継続しているか否かが判定され(ステップS107)、
継続している場合には(ステップS107のYES)、操作パネル20が使用されていない状態にあると判断できるため、操作パネル20の内蔵バッテリ(駆動電源)が電源オフ状態に制御され(ステップS108)、その後処理は終了する。
【0037】
また、ステップS107の判定の結果、スリープ状態が予め定められたT2時間継続していない場合には(ステップS107のNO)、照度センサ26の信号に基づき、操作パネル20が伏臥状態のままか否かの判定がなされ(ステップS109)、伏臥状態のままであるとの判定結果であれば(ステップS109のYES)、操作パネル20の内蔵バッテリはスリープ状態のまま保持され(ステップS110)、上記したステップS107の判定に戻ってこの判定が繰り返される。
【0038】
これに対し、ステップS109の判定において、操作パネル20が伏臥状態にはないとの判定結果であれば(ステップS109のNO)、操作パネル20の伏臥状態は解除され(ステップS111)、操作パネル20の内蔵バッテリはスリープ状態から電源供給状態に復帰され(ステップS112)、その後処理は終了する。
【0039】
このように、上記した実施形態によれば、操作パネル20が伏臥されていない状態では、照度センサ26周囲の環境は外光(或いは照明光)による照度が非常に高く、照度センサ26のフォトダイオード26bの受光出力レベルは高い状況にある一方、操作パネル20の伏臥状態には、机の上面などの伏臥面TによるLED26aからの光の反射光を受光するだけで、照度センサ26のフォトダイオード26bの受光出力レベルは低い状況にあるため、照度センサ26の出力レベルの違いから、操作パネル20が、伏臥されていない通常の使用状態にあるのか、伏臥状態にあって表示部22の表示を見ることのない不使用の状態にあるのかを容易に判定することができる。
【0040】
そして、操作パネル20の伏臥面Tへの伏臥状態の検知が予め設定されたT1時間以上継続すれば、操作パネル20の内蔵バッテリ(駆動電源)がスリープ状態に制御されるため、無駄な電力消費の抑制を図ることができる。さらに、このスリープ状態が予め設定されたT2時間以上継続すれば、操作パネル20の内蔵バッテリが電源オフ状態に制御されるため、無駄な電力消費をよりいっそう抑制することができる。
【0041】
また、上記した実施形態では、操作パネル20の内蔵バッテリがスリープ状態に制御中に、操作パネル20の伏臥状態が解除されて使用状態に戻れば、内蔵バッテリも直ぐに元の電源供給状態に復帰されるため、操作パネル20は何ら支障なく使用開始できる状態となる。
【0042】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、照度センサ26が発光素子であるLED(発行ダイオード)26a及び受光素子であるフォトダイオード26bを有するとしたが、発光素子には上記したLEDに限らずその他の発光素子を用いてもよく、受光素子にはフォトトランジスタを用いてもよい。
【0043】
また、上記実施形態では、表示装置をフォトプリンタ10の着脱自在な操作パネル20として説明したが、画像を表示できる可搬型でパネル状の電子掲示板や電子式写真立てなどの表示装置にも本発明を適用することができ、上記した実施形態と同等の効果を得ることができる。
【0044】
また、上記実施形態では、インクジェット方式のフォトプリンタ10を印刷機器とし、これに表示装置として着脱自在の操作パネル20を備えた場合を例として説明したが、印刷機器はフォトプリンタ10に限らず、その他のインクカートリッジ式プリンタ等にも本発明の表示装置を搭載することができる。
【0045】
また、本発明の表示装置を適用できる対象はこのような印刷機器に限られるものではなく、可搬型の表示装置を搭載可能な各種の電子機器にも適用できるのはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の印刷装置の一実施形態であるフォトプリンタを示す斜視図。
【図2】フォトプリンタの内部構成の概略を示す図。
【図3】操作パネルを伏臥した状態の斜視図。
【図4】伏臥状態における操作パネルの断面を示す図。
【図5】操作パネルの電源制御部の回路図。
【図6】操作パネルの電源制御処理のフローチャート。
【符号の説明】
【0047】
20…操作パネル(表示装置)、 21…パネル枠(装置本体)、 22…表示部、 23…タッチパネル、 26…照度センサ(検知部)、 26a…LED(発光素子)、 26b…フォトダイオード(受光素子)、 30a…アンプ(判定部、電源制御部)、 30b…コンパレータ(判定部、電源制御部)、 30c…制御回路(電源制御部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体の前面側に画像を表示する表示部を備えた可搬型でパネル状の表示装置において、
前記装置本体の前面側で前記表示部の周辺に配設されて前記装置本体の伏臥面への伏臥状態を検知する検知部と、
前記検知部による前記装置本体の伏臥状態の検知が予め設定された設定時間以上継続するときに、駆動電源による少なくとも前記表示部への電源供給をスリープ状態に制御する電源制御部と
を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記電源制御部は、前記スリープ状態が予め設定された所定時間以上継続するときに前記表示部を含む各部への電源供給を停止する請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記検知部は、
前記伏臥面に向けて投光する発光素子と、外光並びに前記装置本体の伏臥状態には前記伏臥面による前記発光素子からの光の反射光を受光可能に配設された受光素子とを有する照度センサを備え、
前記電源制御部は、
前記照度センサの前記受光素子の出力値に基づき、前記装置本体が伏臥されていない通常の使用状態にあるのか、前記装置本体が伏臥状態にあるのか判定する判定部を備える請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示部の表示に関与する光が、前記装置本体の伏臥状態、通常使用状態に関係なく前記受光素子によって受光されないように前記検知部の前記受光素子が配置されている請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の表示装置を備えた印刷機器において、
前記表示装置が機器本体の所定部位に着脱自在に装着される構成を有し、
前記表示装置の前記表示部にはタッチパネルが組み込まれ、機器操作用の操作ボタン画像が接触操作可能に前記表示部に表示されることを特徴とする印刷機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−139772(P2009−139772A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−317836(P2007−317836)
【出願日】平成19年12月10日(2007.12.10)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】