説明

表示装置およびデータ表示システム

【課題】 商品の価格データを表示するために電気エネルギーの連続的な供給を必要とせず、かつ包括的な表示システムへの組み入れに適する表示装置を提供する。
【解決手段】 この表示装置は、ハウジングと、ハウジング内で個々に動くことができ、かつそれぞれに複数の記号または文字を備えている複数のインジケータと、電気的に作動可能なアクチュエータと、アクチュエータの作動を制御するためのコントローラとを備えており、インジケータの各々は、選ばれた記号または文字を表示するために、互いに独立に、選択された位置まで動くことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、データ表示に関する。本発明は、特に、商店またはアウトレットストアにおける価格情報などのデータの表示に利用しうるものであるが、この利用は、単なる例示的なものであり、本発明は、これらの利用に限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
一般的に、2つの価格表示方法が、小売店により採用されている。第1の方法においては、価格ラベルが、品物に物理的に接着される。第2の方法においては、価格表示体が、販売されている品物が陳列されている棚の端に設けられる。
【0003】
多数の品物が販売される大型店においては、個々の品物にラベル付けするために要する労力、また価格情報を最新かつ正確に保つために払われる労力が、相当に大きくなる場合がある。新着品が入荷したときの販売促進イベントの際などに、そうした問題は激化する。
【0004】
上述の問題に対処するために、従来提案されているシステムにおいては、液晶ディスプレイを備えた電子値札が用いられている。電子値札へのデータは、通常、無線手段を用いて送信され、液晶ディスプレイは、適切な価格情報を表示する。このタイプのシステムは、好適ではあるが複雑であり、かつ相当の設備投資を必要とする。さらに、各液晶ディスプレイは、作動し続けるために、エネルギー源、例えばバッテリを必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、データ表示のために電気エネルギーの連続的な供給を必要とせず、かつ包括的な表示システムへの組み込みに適した装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ハウジングと、ハウジング内で個々に動くことができる複数のインジケータと、電気的に作動可能なアクチュエータと、アクチュエータの作動を制御するためのコントローラとを備えている表示装置を提供するものである。インジケータは、互いに独立に、選択された位置まで動くことができる。
【0007】
ハウジングは、窓を有していてもよく、各インジケータは、その少なくとも一部分が、窓を通して目視されるように取り付けられていることがある。
【0008】
各インジケータは、適切に動くことができるようになっており、例えば回転可動であっても、直線的に可動であってもよい。この動きは、一方向性であってもよい。各インジケータは、適切な任意の形状を有していてもよく、利用に応じて、円形であっても、細片状であっても、エンドレスループ状であってもよい。
【0009】
各インジケータは、複数の記号または文字(英数字であってもよい)を備えていてもよい。本発明の一変形例においては、上述の複数のインジケータは、選ばれた記号または文字を示すようになっている。
【0010】
本発明の一形態においては、各インジケータは、それぞれの軸のまわりに回転するように取り付けられており、各軸は、1つの直線上に、互いに一定間隔を置いて並ぶように配置されている。
【0011】
各インジケータは、アクチュエータと直接的または間接的に組み合うための複数の構造体を備えていてもよい。これらの構造体は、適切な任意のタイプのものであってよく、例えば複数の孔、複数の鋸歯状の切れ込み、複数の歯状構造などであってもよい。
【0012】
アクチュエータは、どのように移動することができてもよく、例えば直線的に移動可能であってもよい。アクチュエータは、直線的に左右に、すなわち往復運動するように移動可能であってもよい。
【0013】
本発明の別の一形態においては、各インジケータは、表示のために選ばれた記号または文字を、1つの窓を通して示すように、制御されたやり方で、定められた経路に沿って動くことができるようになっている。
【0014】
指定された複数のインジケータから選択されたインジケータが、選ばれた記号または文字を構成するように動かされてもよく、選択されなかったインジケータが、表示装置の外部から見えなくされてもよい。
【0015】
本発明は、さらに、データストアと、複数の表示位置から選択された表示位置に、データストアからデータを転送する装置と、各表示位置において、各表示位置に転送されたデータに応答して、データストアからの情報を表示するために、少なくとも1つのインジケータを動かす作動機構とを備えているデータ表示装置を提供するものである。
【0016】
要求されたときに、各表示位置からデータストアに、データが転送されてもよい。
【0017】
データ転送は、いかなる適切なやり方で実行されてもよく、無線技術を用いて行われてもよい。本発明の一例において、データストアからデータをロードされ、次いで、表示位置の近傍に運ばれるとすぐに、そのデータを、表示位置に転送される携帯装置が用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の電気機械式のデータ表示システムの一部分のブロック図である。
【図2】図1のデータ表示システムに用いられる電気機械式の表示装置の一部分の正面図である。
【図3】図1のデータ表示システムに用いられる電気機械式の表示装置の一部分の別の正面図である。
【図4】図1のデータ表示システムに用いられる電気機械式の別の表示装置の斜視図である。
【図5】図4の表示装置に用いられるエンドレスバンドの斜視図である。
【図6】図4の表示装置に用いられるバンドキャリアの斜視図である。
【図7】図4の表示装置に用いられるディスプレイアセンブリの斜視図である。
【図8】図4の表示装置に用いられるアクチュエータの断面斜視図である。
【図9】図4の表示装置を複数用いたデータ表示システムのブロック図である。
【図10】図1のデータ表示システムに用いられる電気機械式のさらに別の表示装置の斜視図である。
【図11】図10の表示装置の組立分解斜視図である。
【図12】図10の表示装置の構成要素を示す斜視図である。
【図13】図12の構成要素の組立分解斜視図である。
【図14】本発明のさらなる表示装置の組立分解斜視図である。
【図15】複数の陳列棚に図14の表示装置を配置した図である。
【図16】顧客が携行する携帯装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
添付図面を参照しながら、本発明を、例示の目的で説明する。
【0020】
図1は、中央制御ユニット14、いくつかのアップデーターモジュール16(そのうちの1つだけが示されている)、およびいくつかの表示装置18(そのうちの1つだけが示されている)を備えたデータ表示システム10のブロック図である。
【0021】
中央制御ユニット14は、プロセッサ20、メモリ22、および1つ以上の赤外線送受信器24を有している。
【0022】
アップデーターモジュール16は可動ユニットであり、同様の複数の可動ユニットのうちの1つである。各アップデーターモジュールは、プロセッサ30、メモリ32、赤外線送受信器34、および内蔵バッテリ36を有している。
【0023】
データの表示装置18は、実質的に同様の複数のユニットのうちの1つであり、プロセッサ40、メモリ42、バッテリ44、入出力赤外線装置46、クロック48、モータ50、およびディスプレイ56を有している。
【0024】
図2は、細長いねじ棒60に連結された出力シャフトを有する小型DCモータであるモータ50を示している。ナット62が、ねじ棒60にねじ係合しており、点66のまわりに回動するラチェットレバー64を保持している。ラチェットレバー64は、点66のまわりに、反時計回り方向に回動することができるが、その逆方向には回動することができない。このタイプの運動の抑制は、ストッパ(図示せず)によってなされる。
【0025】
ディスプレイ56は、薄いプラスチックまたは紙のディスクから成る、実質的に同一の複数のインジケータ70を備えている。各ディスクは、ハウジング74内の支持構造に取り付けられており、それぞれの中心軸76のまわりに回転可能である。ディスクのそれらの中心軸76は全て、ハウジング74内で、1つの直線80上に並んでいる。隣接し合う2つのディスクは、直線80の延びる方向に、距離82だけ互いに離れている。
【0026】
各ディスクには、記号または文字、この例においては数字0〜9が記されている。これらの数字は、ディスクの周辺に、一定の間隔を置いて規則的に配置されている。各ディスクは、また、その周縁に、一定の間隔を置いて規則的に配置された多数の鋸歯状構造88を有している。
【0027】
1枚のカバー(図示せず)で、全ディスクが覆われている。カバーには、複数の窓92すなわち観察開口(破線のみで示されている)が形成されている。これらの窓は、1つの窓を通して、1つのディスク上の1つの数字しか観察されないように配置されている。
【0028】
表示装置18は、各インジケータ70に1つのラチェット機構94を有している。ラチェット機構94は、ばねで留められたレバー96を有している。このレバー96は、時計回り方向(図2に関して)のインジケータの回転運動を許すが、反時計回り方向のインジケータの回転運動を阻止するように、ディスクの鋸歯状構造88と組み合って配置されている。
【0029】
各表示装置は、データ表示システムにおいて、その表示装置に対応している特定の商品または製品を収容している棚または他の固定構造に取り付けられる。表示装置の第一の機能は、電気エネルギーの連続的な供給に依存せずに、かつ調整可能に商品の価格を示すことである。この価格表示の基準は、品物毎であっても、パック毎であっても、またはその他の基準であってもよい。この種の種々の状況を満たすように、本発明の原理を容易に変形させることができる。それに代えて、2つ以上の表示装置を用いて、ある表示装置で単一の品物の価格を示し、他の表示装置で体積価格または重量価格を示すこともできる。
【0030】
中央制御ユニット14は、メモリ22中に、特定の商店において販売するための製品に関する全ての関連データを有している。このデータのための単純化された典型的な記録フォーマットが図1に示されており、少なくとも次のフィールド、すなわち、棚上の指定位置に対する識別番号(ID1)、棚上の製品に対する識別子(ID2)、製品の価格情報、価格情報の発効日、ディスプレイ指示子、および必要に応じて変更可能な他のデータに関するフィールド100、102、104、106、108、110を含んでいる。
【0031】
少なくとも各製品に対する統計的情報、管理情報、および販売情報に関する十分な量のデータを、メモリ22に記憶させることができる。以下に説明するように、必要に応じて、このデータの全部または一部分を、棚位置上の対応する表示装置18のメモリに転送することができるように、対応する製品に対する記録フォーマットに含ませることができる。
【0032】
一例として、そのようなさらなる情報には、次のものを含ませることができる。
・ カテゴリー(例えば飲料/菓子類/ハイテク製品)
・ 付加価値税適用の可否
・ 売り上げ率(日、週、月、および年当たりの)
・ 在庫水準(顧客と供給業者とに共通の量ユニット、例えばケース/箱/外箱などに基づく)
・ 注文日
・ 未処理注文
・ 解約された注文
・ 販売促進期間
・ 完了した最新の更新および以前の更新
・ 原価および売価
・ 列および棚価格
・ 在庫表示
・ 製品履歴
【0033】
必要に応じて、中央制御ユニット14と、携帯型のアップデーターモジュール16との間で、情報が転送される。転送されるデータには、通常、図1に関連して言及される種類の複数の記録データが含まれる。データ転送は、赤外線送受信器24および34を介して行われる。各記憶データは、前述のように、棚位置、および与えられた棚上の該当する製品に関するデータである。この情報は、メモリ32に保存される。
【0034】
適切な価格情報で更新されたアップデーターモジュール16を携行しているオペレータが、店内の棚に固定された表示装置18の横を通り過ぎる。これによって、入出力赤外線装置46は、赤外線送受信器34をスキャンすることができる。メモリ42は、図1の記録レイアウトと同様の記録レイアウトのデータを保存している。これによって、表示装置18の配置されている特定の位置の識別番号と、識別番号に関するフィールド100のデータとを比較することができる。次に、当該製品の識別子に関するフィールド102のデータと、メモリ42に保存されている同様のデータとが比較される。この二重の検証は、正しい棚位置上の正しい製品がアドレスされていることを確実にすることを目的としている。この検証が達成されると、フィールド104内の価格情報が、表示装置18に転送されて、メモリ42に記憶される。同様に、フィールド106、108および110内の情報が、メモリ42に転送される。
【0035】
表示装置18に入出力されるデータの転送速度は高い(ほぼ100msの程度)から、通常、毎秒約10個の表示装置を更新することができる。
【0036】
データが表示装置18に転送されてしまうと、転送が首尾良く行われたことを示す信号が、表示装置18から携帯型のアップデーターモジュール16に返される。次に、アップデーターモジュール16が中央制御ユニット14に戻されて、中央制御ユニットに再接続される。表示装置が更新されたことを指示する情報、およびスキャニング操作に関連する任意の他の情報が、アップデーターモジュール16から、中央制御ユニットに転送される。
【0037】
各表示装置において、メモリ42に保存された情報に応じて、それぞれのモータ50の運動が、プロセッサ40を介して制御される。モータ50は、作動させられると、ねじ棒60の回転運動を引き起こす。ナット62は、ねじ棒60にねじ係合しているが、回転運動を抑制されている。したがって、ねじ棒60の回転運動は、モータの回転方向に依存して、モータから遠ざかる方向またはモータに近づく方向の、ラチェットレバー64の直線運動に変換される。
【0038】
したがって、ラチェットレバー64は、モータ50に加えられる制御プロトコルに依存して、直線的に左右に移動可能であり、各インジケータ70を直接に作動させるために用いることができる。図3を参照すると、ラチェットレバー64は、モータから遠ざかる方向に移動すると、いずれかのインジケータ70上の鋸歯状構造88のうちの1つと係合するようになる。それによって、そのインジケータは、時計回り方向に、一定の角度だけ回転する。ラチェットレバー64が、その鋸歯状構造88を通り越すと、モータは、逆方向に回転させられる。したがって、ラチェットレバー64は、モータ側にわずかに移動する。必要に応じて、このインジケータを所望の角度だけ回転させるために、このプロセスを継続することができる。インジケータが回転すると、インジケータに記されている数値データが、窓92を通して示される。所望の記号または文字が、窓を通して目視されるようになると、ラチェットレバー64は、実質的に同じように、次のインジケータに対して作動させられる。ラチェットレバー64は、所望の記号または文字が、対応する窓を通して確実に露出するように作動させられる。
【0039】
このプロセスが、必要な全インジケータに対して繰り返される。その結果、所望の価格が、窓92を通して示される。7枚のディスクが用いられている場合には、0〜99999.99の範囲のいかなる価格も表わすことができる。必要に応じて、特定の価格構成を満たすように、インジケータすなわちディスクの数を変更することができることは明白である。
【0040】
プロセッサ40は、モータ50の運動を制御し、さらに、光学エンコーダ、リニアポテンショメータ、または任意の他の適切なトラッキング技術および制御技術を用いることによって、リニアアクチュエータ(図2および図3の場合にはモータ50、ネジ棒60、ナット62、ラチェットレバー64で構成されている)の位置追跡を続ける。インジケータすなわちディスクの実際の位置は、リニアアクチュエータによって起こされる、インジケータの動きを追跡することによって計算することができる。
【0041】
上述のデータ表示システムの第一の機能は、フィールド104から、それぞれの表示装置に価格情報を転送し、次いで、窓を通して所望の価格が確実に示されるように、該当するディスクを正しく調整することである。価格情報が、特定の日のみに発効される場合には、その価格情報を、発効日に関するフィールド106からのデータと一緒に、メモリ42に記憶させることができる。クロック48は、実時間および日の経過を追う。発効日情報と一致する日に達したときに、プロセッサ40は、正しい価格情報をディスプレイ56に確実に転送することができる。同様に、特定の製品が、販売促進、特価提供、または同様のマーケティング手法の対象である場合には、表示装置上で、発光ダイオードまたは他の注意喚起装置(例えばLEDインジケータ120のような)が、やはり発効日の選択された期間中、駆動される。そして、LEDインジケータ120は、通りかかった人の表示装置18への注意を引きつけるために、定められた期間中、点灯させられる。
【0042】
各表示装置18は、電源内蔵式である。したがって、バッテリ44の電圧が低下した場合には、そのことを管理者に指示するために、対応するLEDインジケータ120(多色であってもよい)を点灯させてもよい。その場合でも、価格情報は表示され続ける。ディスプレイ56の表示を変更しなければならないときしか、電力は消費されない。価格変更を行うのに要する時間は問題にならない。この種の変更は、通常、30秒未満で終了する。
【0043】
この永久タイプの表示システムの別の利点は、視角および照明条件などの因子が、アクティブな表示システム、例えばLEDをベースにしたシステムの場合ほど問題にはならないということである。さらなる利点は、表示すなわち数値データのサイズの変更を、コスト的に大きな不利益を伴うことなく行うことができるということである。色および背景などの細部に関しては柔軟な対応が可能であり、妥当な範囲内で変更することができる。さらに、必要に応じて、英数字データ、記号、および他の情報を表示することができる。
【0044】
プロセッサ40は、比較的小さな規模のものであり、モータ50の運動の制御、および表示される数字の管理のために用いられる。クロック48は、実時間クロックであり、前述のように、店内販売促進スケジュールなどにしたがって、スケジュール化された価格変更を開始するために用いられる。
【0045】
メモリ42は、そのメモリ42が属している表示装置に対応している製品に関連する全ての情報の格納位置として働く。統計的な用途のために、メモリからデータを引き出すことができる。これは、中央制御ユニット14と連動することなく行うことができる。
【0046】
上述の例においては、赤外線送受信器24および34を介して、データが、中央制御ユニット14と各アップデーターモジュール16との間で転送される。しかしながら、データ転送は、これに限定されるものではなく、任意の適切なインターフェイスを介して、例えば各アップデーターモジュール16と中央制御ユニット14との間にRS232接続、パラレル接続、またはUSB接続を設けることによって、通信を行うことができる。
【0047】
図4は、本発明の第2の実施形態による表示装置200を示している。図5〜図8は、図4の表示装置において用いられる構成要素を示している。図5は、所望の英数字204または記号を等間隔に刷り込まれたエンドレスバンド202を示している。エンドレスバンド202は、その周辺端に沿って、多数の送り孔206を有している。
【0048】
図6は、スペースを節約し、かつ必要なときに、選択された英数字204を見ることができるように作られた、複雑な形状を有するバンドキャリア208を示している。バンドキャリア208は、プラスチック材料から鋳造されており、エンドレスバンドが配置される空洞コア210を備えている。エンドレスバンド202は、空洞コア210の対向しあう両端に配置されたローラ(図示せず)の周囲に回されている。送り孔206と噛み合う歯を有する小歯車214を固定されたローラ212が、バンドキャリア208に取り付けられている。バンドキャリア208の側面の1つに、窓216が設けられている。したがって、窓216を通して、エンドレスバンド202上の記号や文字を、個々に目視することができる。
【0049】
図7は、ディスプレイアセンブリ218を構築するために、互いに隣り合って組み立てられた複数のバンドキャリア208を示している。全ての窓216が水平に並んでおり、ディスプレイアセンブリの内部にあるそれぞれの小歯車214も水平に並んでいる。
【0050】
図8は、それぞれのバンドキャリア208内のエンドレスバンド202の運動を起こすために用いられるアクチュエータ220を示している。アクチュエータ220は、小さなハウジング222、位置センサ224および226、バッテリ228、および、2つの小型モータ230および232を備えている。各小型モータは、対応する小さな歯車ボックス234および236を介して作動し、それぞれの出力歯車238および240を駆動する。出力歯車240は、歯車ボックス236によって見えなくされているので、概念的にしか示されていない。出力歯車240は、ハウジングの間隙242によって下向きにされている。
【0051】
図4は、内面254にトラック252を有する、直線状のケーシング250の内部に、アクチュエータ220が収容されていることを示している。出力歯車240は、トラック252内の歯状構造(図示せず)と噛み合っている。小型モータ232の、一方または他方の方向への作動によって、対応する方向の、出力歯車240の回転運動が生じる。したがって、少なくとも、位置センサ226からアクチュエータのコントローラ260に伝達された入力信号を用いて制御しながら、アクチュエータを、ケーシング250の内部において、左右に移動させることができる。
【0052】
ディスプレイアセンブリ218が、ケーシングに取り付けられている。カバー262がケーシングに固定されており、カバー262を下げることによって、アクチュエータを隠すことができる。カバー262の透明な部分264を通して、それぞれのバンドキャリアの窓216を見ることができる。
【0053】
図9は、電気機械的な表示装置200、および多くの点で、図1に示されているアップデーターモジュール16に類似のアップデーターモジュール270のブロック図である。図9において、上述の構成要素と同様の構成要素には同様の参照数字が付されており(適用可能な場合に)、さらに、より細部が示されている。例えばアップデーターモジュール270は、例えばタッチスクリーン272であるディスプレイスクリーン、キーパッド274の形態の入力機構、バーコードまたは同様のスキャナ276、および、そのアップデーターモジュールが、指定された位置だけで使用されることを保証するために用いられるように適合化することができるGSMモデムまたはGPSモデム278を備えていてもよい。指定された地理的位置の外部で試みられた、アップデーターモジュールの使用を、GSMモデムまたはGPSモデムからの位置データに応答するプロセッサ30のソフトウェアによって阻止することができる。
【0054】
表示装置200も、図1に示す表示装置18とかなり類似しているが、細部が異なっている。表示装置200は、歯車ボックス234および236を、それぞれ駆動する2つの小型モータ230および232を備えている。小型モータ230および232は、それぞれプロセッサ40によって制御されるモータドライバ電子回路280および282の制御下にある。位置センサ226は、上述のように、トラック252上のアクチュエータの位置をモニタすることができる。位置センサ224は、アクチュエータが、対応するバンドキャリア208と結合しているときに、エンドレスバンド202の位置をモニタするために用いられる。
【0055】
図4および図7により、それぞれのエンドレスバンド上に記されている情報を、窓を通して見ることができることは明らかである。この情報の表示には、電気エネルギーの持続的な供給を必要としない。しかしながら、各エンドレスバンドの、対応するバンドキャリア内の位置を変更するための電気エネルギーは必要である。エンドレスバンドの位置を変更するために、その情報がアップデーターモジュール270から送信され、プロセッサ40でデコードされる。プロセッサ40は、与えられたディスプレイアセンブリ218に相対的なアクチュエータの位置の記録を保持している。回転させられるエンドレスバンドが識別され、プロセッサが、トラック252に沿って、小型モータ232を適切な方向に回転させる。その結果、アクチュエータが移動して、歯車ボックス234から突き出ている出力歯車238が、指定されたバンドキャリア上の小歯車214と噛み合い関係になる。エンドレスバンドの位置は、メモリ42に記憶されているデータから分かる。次に、小型モータ230が適切な方向に駆動されて、エンドレスバンドが回転し、所望の記号または文字が窓216を通して表示される。ほとんどの場合において、わずかの運動しか必要でない。例えば品物の価格が9.50から9.60に上げられる場合には、ただ1つのエンドレスバンドが、1位置だけ回転させられるだけである。
【0056】
常に、エンドレスバンドの位置に関するデータは、メモリ42に保持されている。このデータは、表示していなければならない価格情報に相当する。
【0057】
前述と同様に、アップデーターモジュール270から、表示装置200ヘの価格データ転送が成功したことが認証されて、その情報が、アップデーターモジュール270に転送される。その後のステップにおいて、この情報を、アップデーターモジュールから、更新インターフェイスユニット、すなわち結合ステーション280を介して、中央のサーバ282にアップロードすることができる。
【0058】
単一のキャリッジ(アクチュエータ)を用いて、任意の数のディスプレイアセンブリ218を制御することによって、前述の構成は、電子的および電気機械的な構成要素の総数を最小にしている。前述のデータ表示システムはモジュール式であり、したがって、電子的および電気機械的な構成要素を制御するために用いられるソフトウェアの再設計を要することなく、より大規模に文字や記号を組み合わせることができる。各エンドレスバンド202は連続的であるが、連続的でないバンドを用いることも可能である。その場合には、必要に応じて、バンドを、2つのローラ上で回転させて巻き取ることができる。このアプローチの利点は、より多くの文字や記号を備えた、より長いバンドを作ることができるということである。
【0059】
図10は、7セグメントディスプレイの形態の表示装置300を示している。図11〜13は、表示装置300の各構成要素を示している。7つのセグメントは、それぞれ、符号302、304、306、308、310、312、314を付されている。この例においては、各ディスプレイは、7つのセグメント302〜314のうちの任意の1つ以上のセグメントを選ぶことによって表わすことができる所望の記号または文字を構成するために、作動システムによって操作される7つのインジケータ(後述するブロック状部材)を有している。
【0060】
ディスプレイの各々は、2つの互いに同一の小さなブロック320および322を有している。各ブロックは、前方から見ると、従来の7セグメントの表示式の形状をしている7つの通路324を形成されている。2つのブロックは、それらの間にわずかの間隙326を有して、隣り合わせに配置されている。エンドレスロール328が、間隔を置いて配置された2つのローラ330と332の周囲に回されている。エンドレスロール328の一側が、間隙326内を通っている。大きな窓334が、エンドレスロール328に形成されている。鋼などの適切な強磁性体で作られた、小さなブロック状部材340が、2つのブロック320および322のうちの1つの、通路324内に配置されている。以後の説明から明らかになるように、各ブロック状部材340を、強磁性粉体または同様の材料で置き換えることもできる。カバー342が2つのブロックに覆っている。カバー342には、間隙326の上端に一致する細いスリット344が形成されている。エンドレスロール328の上端に固定された小さな突起346が、スリット344を貫通して突き出ている。
【0061】
アクチュエータ350が、2つのブロック320および322の一側に位置している。このアクチュエータは、小型モータ232と同様の小型モータを固定されている。この小型モータは、歯車ボックスを介して、アクチュエータを、図4に示されているトラック252と同様のトラック(図示せず)に沿って、直線的に左右に移動させることができる。したがって、アクチュエータは、要求に応じて、2つのブロック320および322の露出した通路324に対向して位置するように、正確に移動することができる。
【0062】
アクチュエータは、さらに、各1組が1つの通路324に向き合う7組の電磁石コイル360を保持している。1つの観点においては、これらの電磁石コイルは、図9に示されている小型モータ230の置き換えである。別の観点においては、アクチュエータは、図9に示されているアクチュエータと同様であるが、位置センサ224は必要ではない。
【0063】
アップデーターモジュール270から、アクチュエータにデータが転送されると、アクチュエータは、ブロック320および322に対向して位置するように移動する。そのとき、アクチュエータは、突起346を捕らえる。それによって、エンドレスロール328が回転して、窓334が、2つのブロック間において、7セグメント形状を形成している、露出した通路に重なる。次に、電磁石コイル360に、選択的に電気エネルギーが供給される。電磁石コイルの各組には、正又は負の向きに電気エネルギーを与えることができる。あるコイルの組が、正の向きに電気エネルギーを与えられると、そのコイルの組と対向している通路内にあるブロック状部材340は、ブロック322の方に引きつけられる。コイルの組が、負の向きに電気エネルギーを与えられると、対応するブロック状部材340は、逆方向に、すなわち、対応する通路内をブロック320の方に、電磁的に引きつけられる。
【0064】
例えば数字2が形成されると仮定する。セグメント302、312、314、306、308の部分に対応する通路内にあるブロック状部材340が、ブロック322に移動させられ、残りのブロック状部材340は、ブロック320内に維持される。次に、アクチュエータ350は、逆方向に移動する。そうすると、突起346を伴って移動するアクチュエータによって、エンドレスロール328は逆方向に回転させられ、窓は、2つのブロックの通路間の界面から遠ざけられる。したがって、エンドレスロール328の、窓を形成されていない部分が、間隙326内に位置する。エンドレスロール328は、ブロック状部材340の色に対して対比色を呈する材料で作られている。したがって、この例においては、数字2を形成しているブロック状部材340が、はっきりと目視される。一方、対比色のエンドレスロール328の部分は、残りのセグメントの部分のブロック状部材340を効果的に隠し、かつ所望の文字または記号をくっきりと見せることに役立つ。
【0065】
データ表示システムの3つの例が、説明された。各例において、電気エネルギーを供給されて、あらかじめ定められた位置に移動するように、正確に制御されるアクチュエータが用いられている。アクチュエータは、各位置において、要求にしたがって、インジケータに、対応する運動を生ぜしめるように作動する。上述のように、インジケータは、文字や記号を記されている場合がある。この場合には、所望の記号や文字が、1つ以上の観察窓を通して表示されるように、インジケータが動かされる。本発明の別の一形態においては、図10〜図13に示されている構成の場合のように、インジケータ自体が、所望の記号や文字を形成するように移動する。
【0066】
本発明の最も重要な利点は、各実施形態において、アクチュエータは電気的に駆動されるが、表示装置は本質的には機械的な特性を有しており、永久的表示を行うために、持続的な電力供給を必要としないということである。したがって、1値札または1ラベル当たりのコストが低い、総合的な表示システムを構築することができる。
【0067】
本発明の、図2および図3に示されている実施形態においては、アクチュエータ(モータ)は、特定の1つの表示装置に関与する。図4に示されている実施形態のように、トラックを基にしたデータ表示システムが用いられる場合には、ディスプレイアセンブリ内の全てのバンドキャリアを作動させるために、トラックに沿って移動するアクチュエータ220が用いられることは明らかである。さらに、この原理を拡張して、単一のアクチュエータを用いて、共通のトラックに取り付けられた複数のディスプレイアセンブリの各々を作動させることができる。そのような考え方を、図10〜図13に示されているディスプレイ構成に適用可能である。単一のトラックに沿って、複数の表示装置を通過するように、アクチュエータ350を構成することができる。必要な全てのことは、アクチュエータが、自身の位置を「知り」、次に、ディスプレイセグメント、すなわちブロック状部材を移動させることである。概念的には、単一のディスプレイアセンブリにおいて記号や文字を操作するアクチュエータを用いることと、複数のディスプレイアセンブリから選択された1つのディスプレイアセンブリにおいて記号や文字を操作するアクチュエータを用いることとの間には、ほとんど差がないから、この種の応用は、適切な制御技術を用いて容易に遂行することができる。
【0068】
図14は、細長いケーシング250に取り付けられた単一のアクチュエータ220を用いて、複数のディスプレイアセンブリ218の各々の動作を制御する方法を示す概略図である。各ディスプレイアセンブリは、前述の種類のディスプレイアセンブリであり、適切な位置、例えばそのディスプレイアセンブリによって伝達される情報に対応している商品に隣接した位置において、ケーシング250に取り付けられている。隣接し合う2つのディスプレイアセンブリ間のトラック部分は、必要に応じて、覆い隠されるか、または広告を保持するために用いられる。隣接し合う2つのディスプレイアセンブリ間のトラック部分を、価格情報を保持するのではなくて、例えばその価格情報に対応する商品に関する記述的情報を保持することができるように変更したディスプレイアセンブリで埋めることも考えられる。アクチュエータ220は、適切な金属材料またはプラスチック材料から押し出し成形された、細長い直線状のケーシング250の内部のトラック(図示せず)に沿って移動する。アクチュエータの位置センサによって、制御電子回路は、アクチュエータの位置を正確に識別することができる。そして、アクチュエータが、各ディスプレイアセンブリと結合するから、ディスプレイアセンブリの内部のエンドレスバンドを、必要に応じて、価格情報の更新のために操作することができる。
【0069】
図10〜図13に示されている構成要素を用いて、単一のアクチュエータを、複数のセグメントディスプレイに対して用いることを可能にするために、上述と同じ技術を採用することができる。
【0070】
図14に示されているアプローチの1つの利点は、1ディスプレイアセンブリ当たりの総コストを減少させる効率の良い方法で、アクティブな電子部品を含んでいるアクチュエータ220を、パッシブな機械的ディスプレイアセンブリとともに用いることができるということである。
【0071】
図15は、本発明の原理のさらなる拡張を示している。図15は、互いに隣接して配置された2つの陳列台400および402を示している。各陳列台は、いくつかの棚404を有している。2つのラックしか示されていないが、これは、例示のためであって、限定のためではない。必要に応じて、理にかなった範囲で、陳列台を、直線的に増やすことができる。1つの陳列台上の棚は、隣接する陳列台上の棚と、水平方向に揃っている。各棚は、平坦な上面406および前方端408を有しており、かつ前方端に固定された、図14に示されている種類の細長いケーシング250を保持している。ケーシング250は、長さ410、および棚の前方端408の幅に実質的に等しい幅412を有しており、前方端408にしっかりと、かつ目立たないように嵌合している。複数のディスプレイアセンブリが、前述のように、ケーシング250に固定されている。ディスプレイアセンブリ218は、図15の拡張部に示されている。
【0072】
アクチュエータ220は、戦略的な位置に、送信/受信用の複数の赤外線ダイオード414を有している。棚404Aの第1のアクチュエータが、その下方の棚404Bの第2のアクチュエータによって占められている位置Yの真上の位置Xに存在していると仮定する。そのために、第1のアクチュエータ上の赤外線ダイオード414は、第2のアクチュエータ上の対応する赤外線ダイオードと垂直に真っ直ぐに見通す関係にある。したがって、棚404Aと404Bとのアクチュエータ間で、双方向通信を行うことが可能である。したがって、これらのアクチュエータ間でデータを転送することができる。(図示されている例において)棚404Aのアクチュエータが、棚404Cの端の位置に直接に対向する、棚404Aの端の位置Zまで移動したときに、同様の状況が発生する。したがって、2つのアクチュエータ上のそれぞれの赤外線ダイオード同士は、互いに水平方向に見通す位置関係になり、2つのアクチュエータ間で、通信したがってデータ転送を行うことが可能になる。実際的な言い方をすれば、これが意味することは、アップデーターモジュールを用いているオペレータが、マスターとして働く第1のアクチュエータまたは最も近くのアクチュエータを更新することによって、1つの通路内の全ての情報を簡単に更新することができるということである。次に、マスターは、スレーブとして働く、連続する各アクチュエータを連鎖式に結び付けて、各アクチュエータに順に情報を伝達する。したがって、通路の片側に並んだ棚には、情報が水平方向に次々と伝わり、各陳列台の内部では、情報が垂直方向に次々と伝わる。
【0073】
隣接し合うアクチュエータ間の赤外線通信は容易に達成される。しかしながら、この赤外線通信は例示的なものであるにすぎず、無線周波数装置、超音波装置、IDタグ、および同種のものなどの他の近接通信システムを用いることもできる。したがって、互いに対して正しい向きに定められた、物理的に接近している表示装置間で、双方向通信リンクを確立することができるようになる。
【0074】
上述のプロセスから生じる重要な利点は、表示装置を更新するときに、オペレータは、主通路に沿って歩き、このプロセスにおいて、主通路に通じる副通路の端にある各マスター表示装置と通信するだけでよいということである。そうすると、マスター表示装置は、副通路内の表示装置の各々と、上述のように、連鎖式に通信する。
【0075】
この応用におけるアップデーターモジュールは、図9に示されているアップデーターモジュール270と実質的に変わらない。入出力赤外線装置46を通して、マスター表示装置に、データが転送される。次に、この入出力赤外線装置46が、送信モードにおいて、その次の表示装置の入出力赤外線装置46にデータを転送する。このプロセスが、一連の表示装置の最後まで継続する。特定の表示装置だけのためのデータは、その表示装置だけにリンクされなければならないことは明らかである。これは、その表示装置のメモリに前もって記憶されているコードを用いて容易に達成される。これによって、更新データを正確に用いた、特定の表示装置のそれぞれのインジケータの操作が保証される。
【0076】
上述の説明は、主として、例えば店内の複数の商品に関する価格情報を更新する能力について言及している。この価格情報は、顧客に目視される。
【0077】
さらに、顧客が、上述の原理に基づくデータ表示システムと対話することを可能にするように、本発明の態様を用いることができる。図16は、図示しない顧客が、本発明のデータ表示システムを、対話式に用いるように作られた携帯装置または携帯装置500を示している。この携帯装置500は、ユーザインターフェイススクリーン502(タッチセンサ式であってもよい)、およびナビゲーションボタンまたはナビゲーションキー506を有するインターフェイスキーパッド504を備えている。ナビゲーションキー506は、矢印キー、英数字キー、またはその他同種のものであってもよい。
【0078】
携帯装置500は、通信を行うための、1つ以上の赤外線ダイオード508を備えている。
【0079】
携帯装置500を携行している顧客が、上述の表示装置の1つに対応している特定の製品に関するさらなる情報を必要としていると仮定する。対応するアクチュエータは、メモリを備えている。特定の各製品(その価格を、アクチュエータによって変更することができる)に関する、価格情報と異なる詳細情報が、そのアクチュエータのメモリに記憶されている。したがって、顧客は、携帯装置500をアクチュエータに向けることによって、メモリに問い合わせを行うことができる。したがって、赤外線ダイオードを介して、アクチュエータとの通信リンクが確立される。これは、双方向通信リンクである。
【0080】
当該製品が食品である場合には、その食品に関する栄養成分情報を、メモリに記憶させることができる。この栄養成分情報を、携帯装置500に転送して、ユーザインターフェイススクリーン502に表示させることができる。メモリに記憶されて、次に、要求に応じて、顧客によって読み出される他の情報は、二酸化炭素排出量、および、製品組成および製造条件のオーディットトレイル(追跡記録)などに及び得る。実際、主としてサイズ制約によって、価格ラベルに含ませることができなかったいかなる情報も、メモリに記憶させることができ、必要なときに、顧客によって読み出される。
【0081】
携帯装置500が特定の1人の顧客に帰属しているか、または特定の1人の顧客が携帯装置500にPIN(個人識別番号)コードまたは他の識別子を入力しているために、その携帯装置500が、その顧客専用に対応している場合には、店は、顧客が求めた品物および顧客の購入習慣の記録を付けることができる。顧客は、例えば購入に当たって、特定の品物およびデータを得ることができ、また自分の識別データを記録することができる。この情報は、最初に、表示装置のメモリに記憶され、その後、記録保持/管理サービスのために、アップデーターモジュールの1つに転送される。
【0082】
したがって、概略的に言うと、特定の位置において、その位置に物理的に近接している、いくつかの品物に関するデータを記憶するためにメモリを使用することは、顧客がメモリからデータを読み出すことができ、かつ逆方向において、顧客に関する情報および買物の好みなどを、商店管理によるその後の使用のためにメモリに転送することができる対話型のシステムに好適である。
【符号の説明】
【0083】
10 データ表示システム
14 中央制御ユニット
16 アップデーターモジュール
18 表示装置
20 プロセッサ
22 メモリ
24 赤外線送受信器
30 プロセッサ
32 メモリ
34 赤外線送受信器
36 内蔵バッテリ
40 プロセッサ
42 メモリ
44 バッテリ
46 入出力赤外線装置
48 クロック
50 モータ
56 ディスプレイ
60 ねじ棒
62 ナット
64 ラチェットレバー
66 点
70 インジケータ
74 ハウジング
76 中心軸
80 直線
82 距離
88 鋸歯状構造
92、216、334 窓
94 ラチェット機構
96 レバー
100、102、104、106、108、110 フィールド
120 LEDインジケータ
200 表示装置
202 エンドレスバンド
204 英数字
206 送り孔
208 バンドキャリア
210 空洞コア
212 ローラ
214 小歯車
218 ディスプレイアセンブリ
220 アクチュエータ
222 ハウジング
224、226 位置センサ
228 バッテリ
230、232 小型モータ
234、236 歯車ボックス
238、240 出力歯車
242 間隙
250 ケーシング
252 トラック
254 内面
260 コントローラ
262、342 カバー
264 透明な部分
270 アップデータモジュール
272 タッチスクリーン
274 キーパッド
276 スキャナ
278 GSMモデムまたはGPSモデム
280 モータドライバ電子回路、結合ステーション
282 モータドライバ電子回路、サーバ
300 表示装置
302、304、306、308、310、312、314 セグメント
320、322 ブロック
324 通路
326 間隙
328 エンドレスロール
330、332 ローラ
340 ブロック状部材
344 スリット
346 突起
350 アクチュエータ
360 電磁石コイル
400、402 陳列台
404、404A、404B、404C 棚
406 上面
408 前方端
410 長さ
412 幅
414、508 赤外線ダイオード
500 携帯装置
502 ユーザインターフェイススクリーン
504 インターフェイスキーパッド
506 ナビゲーションキー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、前記ハウジング内で個々に動くことができる複数のインジケータと、電気的に作動可能なアクチュエータと、前記アクチュエータの作動を制御するためのコントローラとを備えている表示装置であって、前記インジケータの各々は、互いに独立に、選択された位置まで動くことができるようになっている表示装置。
【請求項2】
前記ハウジングは、少なくとも1つの窓を有しており、前記インジケータの各々は、その少なくとも一部分が前記窓を通して目視されるように取り付けられている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記インジケータの各々は回転可動である、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記インジケータの各々は直線的に可動である、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記インジケータの各々は、複数の記号または文字を備えている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記複数のインジケータは、選ばれた記号または文字を示すように操作される、請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記インジケータの各々は、表示のために選ばれた記号または文字を、1つの窓を通して示すように、制御されたやり方で、定められた経路に沿って動くことができる、請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
指定された複数のインジケータから選択されたインジケータが、選ばれた記号または文字を構成するように動かされ、選択されなかったインジケータが、前記表示装置の外部から見えなくされる、請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
前記インジケータの各々は、前記アクチュエータと直接的または間接的に組み合うための複数の構造を備えている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
電力を供給されるアクチュエータと、ハウジングと、前記ハウジング中の窓と、前記ハウジングに相対的に動くように、前記ハウジングに取り付けられたインジケータと、外部から伝達された信号に応答して、あらかじめ定められた位置への前記アクチュエータの移動を生ぜしめる受信器とを備えている表示装置であって、前記アクチュエータは、前記信号に応答して、前記インジケータの少なくとも一部分が前記窓を通して目視されるように、前記インジケータを動かすようになっている表示装置。
【請求項11】
データストアと、複数の表示位置から選択された表示位置に、前記データストアからデータを転送する装置と、各表示位置において、前記各表示位置に転送されたデータに応答して、前記データストアからの情報を表示するために、少なくとも1つのインジケータを動かす作動機構とを備えているデータ表示システム。
【請求項12】
前記データストアへのデータ転送、および前記データストアからのデータ読み出しを行うための携帯装置を備えている、請求項11に記載のデータ表示システム。
【請求項13】
細長いハウジングと、前記ハウジングに沿って間隔を置いた複数の位置に配置されており、かつそれぞれに複数のインジケータを有している複数のディスプレイアセンブリと、電気的に作動可能であり、前記ハウジングに沿って、選択されたディスプレイアセンブリまで移動可能なアクチュエータと、前記アクチュエータの作動を制御するためのコントローラとを備えているディスプレイ構成体であって、前記選択されたディスプレイアセンブリの各インジケータは、互いに独立に、選択された位置まで動くことができるようになっているディスプレイ構成体。
【請求項14】
少なくとも2つの、請求項13に記載のディスプレイ構成体を備えているディスプレイ設備であって、細長い複数のハウジングが、水平方向に一直線に並んで配置されているか、または垂直方向に間隔を置いて配置されており、前記ディスプレイ構成体のアクチュエータが、アクチュエータ間のデータ転送のための登録位置まで移動可能であるディスプレイ設備。
【請求項15】
平坦な上面と前部側面とを有する本体と、請求項13に記載のディスプレイ構成体とを備えている、陳列台用の棚であって、細長いハウジングが、前記前部側面に固定されており、前記ハウジングは、前方端と実質的に同じ長さおよび高さを有している棚。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2011−507003(P2011−507003A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−525120(P2010−525120)
【出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【国際出願番号】PCT/ZA2008/000083
【国際公開番号】WO2009/036474
【国際公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(510069630)インテグレーテッド プライシング テクノロジ−ズ プロプライアタリー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】