説明

表示装置および表示制御プログラム

【課題】画面全体の視認性の悪化を抑制しつつ、ユーザが指定したキャラクタの視認性を高めることができる表示装置および表示制御プログラムを提供する。
【解決手段】操作部から入力または編集されたキャラクタは、表示ラインに配置して表示される。このとき、表示ラインの数量に対応して予め定められた表示サイズ(1ドット用サイズおよび2ドット用サイズ)のドットパターンで、キャラクタが表示される。表示ラインの数量が2ラインである場合、絵記号102のドットパターンに代えて、代替記号103のドットパターンを表示される。表示されている代替記号103が指定されると、代替記号103のドットパターンに代えて、絵記号102が1ドット用サイズのドットパターンで表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャラクタ(文字、数字、記号、図柄等)を表示可能な表示装置、および、キャラクタを表示する表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが指定したキャラクタ(文字、数字、記号、図柄等)の視認性を高めることができる表示装置が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。例えば、特許文献1に開示の文書作成装置では、カーソルが任意の大きさに拡大又は縮小された文字列上に位置すると、別ウィンドウが開いてページ全体の印刷レイアウトイメージが表示される。特許文献2に開示の表示操作装置では、ユーザが指定した表示領域の一部が同一ウィンドウ上で拡大・縮小表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−266704号公報
【特許文献2】特開平11−184594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、表示装置の画面サイズや解像度が小さい場合、ユーザが指定したキャラクタを拡大表示する際の制約が大きい。例えば、特許文献1に記載のように別ウィンドウでキャラクタの拡大表示を行う場合、別ウィンドウの表示領域を確保するのが困難である。また、別ウィンドウを表示できたとしても、他のキャラクタが別ウィンドウの背後に隠蔽されてしまい、画面全体の視認性が悪くなる可能性がある。
【0005】
また、特許文献2に記載のように同一ウィンドウでキャラクタの拡大表示を行う場合、キャラクタを拡大するための余白領域が必要となる。この余白領域が無い場合には、拡大されたキャラクタを他のキャラクタに重ねて表示したり、他のキャラクタを表示しないようにしたりする必要があり、画面全体の視認性が悪くなる可能性がある。
【0006】
本発明は、画面全体の視認性の悪化を抑制しつつ、ユーザが指定したキャラクタの視認性を高めることができる表示装置および表示制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一態様に係る表示装置は、テキストデータの最小単位であるキャラクタを入力または編集するための操作手段と、前記操作手段から入力または編集された前記キャラクタである表示対象キャラクタを、列または行で構成された表示ラインに配置してドットパターンで表示可能な表示手段と、前記表示対象キャラクタが配置される前記表示ラインの数量に対応して予め定められた表示サイズのドットパターンで、前記表示対象キャラクタを前記表示手段に表示させる表示制御手段と、前記表示手段で表示された前記表示対象キャラクタのいずれかを指定するためのキャラクタ指定手段とを備え、前記表示制御手段は、前記表示対象キャラクタが予め定められた特定キャラクタを含み、且つ、前記表示ラインの数量が閾値以上である場合、前記特定キャラクタのドットパターンに代えて、前記特定キャラクタとは異なる代替キャラクタのドットパターンを表示させ、前記キャラクタ指定手段から指定された前記キャラクタである指定キャラクタが前記代替キャラクタである場合、前記表示手段で表示されている前記指定キャラクタのドットパターンを、前記表示ラインの数量が前記閾値未満である場合に表示される前記特定キャラクタのドットパターンに変更する。
【0008】
本発明の第二態様に係る表示制御プログラムは、テキストデータの最小単位であるキャラクタを入力または編集するための操作手段と、前記操作手段から入力または編集された前記キャラクタである表示対象キャラクタを、列または行で構成された表示ラインに配置してドットパターンで表示可能な表示手段と、前記表示手段で表示された前記表示対象キャラクタのいずれかを指定するためのキャラクタ指定手段とを備えた表示装置のコンピュータに、前記表示対象キャラクタが配置される前記表示ラインの数量に対応して予め定められた表示サイズのドットパターンで、前記表示対象キャラクタを前記表示手段に表示させる表示制御ステップを実行させ、前記表示制御ステップは、前記表示対象キャラクタが予め定められた特定キャラクタを含み、且つ、前記表示ラインの数量が閾値以上である場合、前記特定キャラクタのドットパターンに代えて、前記特定キャラクタとは異なる代替キャラクタのドットパターンを表示させる処理と、前記キャラクタ指定手段から指定された前記キャラクタである指定キャラクタが前記代替キャラクタである場合、前記表示手段で表示されている前記指定キャラクタのドットパターンを、前記表示ラインの数量が前記閾値未満である場合に表示される前記特定キャラクタのドットパターンに変更する処理とを含む。
【0009】
上記態様によれば、入力または編集されたキャラクタは、表示ラインに配置して表示される。このとき、表示ラインの数量に対応して予め定められた表示サイズのドットパターンで、キャラクタが表示される。表示ラインの数量が閾値以上である場合、特定キャラクタのドットパターンに代えて、代替キャラクタのドットパターンを表示される。表示されている代替キャラクタが指定されると、代替キャラクタのドットパターンに代えて、表示ラインの数量が閾値未満である場合に表示される特定キャラクタのドットパターンが表示される。
【0010】
これにより、画面上に表示される表示ラインの数量が多い場合は、特定キャラクタに代えて代替キャラクタが表示される一方、ユーザが代替キャラクタを指定すると元の特定キャラクタが大きな表示サイズで表示される。そのため、ユーザが特定キャラクタの表示内容を把握したいときだけ、大きな表示サイズの特定キャラクタを画面上に表示することができる。ひいては、画面全体の視認性の悪化を抑制しつつ、ユーザが指定したキャラクタの視認性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】カバー6が閉じられた印刷装置1の斜視図である。
【図2】カバー6が開かれた印刷装置1の斜視図である。
【図3】印刷装置1の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】表示制御処理のフローチャートである。
【図5】キャラクタ表示処理のフローチャートである。
【図6】通常表示処理のフローチャートである。
【図7】図6に続き、通常表示処理のフローチャートである。
【図8】第一実施形態に係る復元表示処理のフローチャートである。
【図9】第一実施形態においてディスプレイ5に表示される画面例である。
【図10】第二実施形態に係る復元表示処理のフローチャートである。
【図11】図10に続き、第二実施形態に係る復元表示処理のフローチャートである。
【図12】第二実施形態においてディスプレイ5に表示される画面である。
【図13】第二実施形態に係る復元表示処理の他のフローチャートである。
【図14】第二実施形態においてディスプレイ5に表示される他の画面例である。
【図15】第二実施形態においてディスプレイ5に表示される他の画面例である。
【図16】変形例においてディスプレイ5に表示される画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を具現化した第一実施形態について、図面を参照して説明する。図1および図2を参照して、本実施形態に係る印刷装置1の概略構成について説明する。本実施形態の説明では、図1および図2の右上側、左下側、右下側、左上側、上側、下側を、それぞれ、印刷装置1の後側、前側、右側、左側、上側、下側とする。
【0013】
図1に示すように、印刷装置1の上面には、キャラクタ(文字、絵記号、数字など)を入力するためのキーボード3が設けられている。キーボード3の後側(紙面右上側)には、電源スイッチ、用途キー、カーソルキー等の機能キー群4が設けられている。用途キーは、後述する印字キー、テキストキー、確定キー、Escキー、全消去キー、キャンセルキーなどを含む。以下の説明では、キーボード3と機能キー群4とを総称する場合、操作部2という。機能キー群4の後側には、ディスプレイ5が設けられている。印刷装置1の上面の後部には、開閉可能なカバー6が設けられている。印刷装置1の左後角には、後述するカット機構(図示外)によって切断された印字済テープを受けるテープトレイ7が設けられている。
【0014】
本実施形態のディスプレイ5は、操作部2から入力または編集されたキャラクタを、横並び(つまり、行)で構成された表示ラインに配置してドットパターンで表示可能である。一例として、ディスプレイ5は、横128ドット×縦48ドットで構成された横長矩形状のドットマトリックスLCDである。ディスプレイ5は、キャラクタを8文字×2行で表示可能な固定長(横108ドット×縦36ドット)の表示領域100(図9参照)を有する。
【0015】
なお、表示領域100でキャラクタが入力順に表示される横方向(つまり、行方向)の並びを、表示ラインという。表示領域100(図9参照)は、キャラクタを1つの表示ライン(つまり、1行)で表示する1ライン表示と、キャラクタを2つの表示ライン(つまり、2行)で表示する2ライン表示とを実行可能である。1つの表示ライン(つまり、1行)が表示領域100に形成されるときの各キャラクタの表示サイズ(縦24ドット)を、1ライン用サイズという。2つの表示ライン(つまり、2行)が表示領域100に形成されるときの各キャラクタの表示サイズ(縦12ドット)を、2ライン用サイズという。
【0016】
図2に示すように、ディスプレイ5の後側には、テープカセット30が着脱されるカセット装着部8が形成されている。本実施形態のテープカセット30は、略直方体状(箱型)の筐体であるカセットケースの内部に、文字等が印字されるテープや、テープの印字に使用されるインクリボンなどが収容されている。印刷装置1では、カセット装着部8に装着されたテープカセット30を用いて、操作部2から入力または編集されたキャラクタが印刷される。
【0017】
カセット装着部8には、テープを搬送するためのテープ駆動軸11、使用済みのインクリボンを巻き取るためのリボン巻取軸9、キャラクタを印字するサーマルヘッド10(図3参照)などが設けられている。本実施形態では、サーマルヘッド10が、搬送されるテープに未使用のインクリボンを用いて印字を行なう。テープの搬送方向におけるサーマルヘッド10の下流側には、印字済テープを切断するカット機構(図示外)が設けられている。
【0018】
図3を参照して、印刷装置1の電気的構成について説明する。図3に示すように、印刷装置1は、制御基板上に形成される制御回路部400を備えている。制御回路部400は、CPU401、ROM402、CGROM403、RAM404、フラッシュメモリ410、入出力インタフェイス411などを備え、これらがデータバスを介して接続されている。ROM402には、CPU401が印刷装置1を制御するために実行する各種プログラムが記憶されている。CGROM403には、キャラクタを印字するための印字用ドットパターンデータが記憶されている。RAM404には、テキストメモリ、印字バッファ等、複数の記憶領域が設けられている。
【0019】
また、RAM404には、操作部2から入力または編集されたキャラクタ(つまり、表示領域100に表示するキャラクタ)を示すデータ(キャラクタデータ)が記憶される作業領域が設けられている。本実施形態では、後述の通常表示処理(S33)または復元表示処理(S37)において、RAM404の作業領域に記憶されているキャラクタデータに基づいて、各キャラクタが表示ラインに沿って1つずつ表示されることで、表示領域100にキャラクタ列(いわゆる、テキスト)が表示される。
【0020】
入出力インタフェイス411には、操作部2、液晶駆動回路(LCDC)405、駆動回路406、407、408などが接続されている。液晶駆動回路(LCDC)405は、ディスプレイ5に表示データ(ドットパターン)を出力するためのビデオRAM(図示外)を有する。駆動回路406は、サーマルヘッド10を駆動するための電子回路である。駆動回路407は、リボン巻取軸9およびテープ駆動軸11を回転させるテープ送りモータ24を駆動するための電子回路である。駆動回路408は、カット機構(図示外)を動作させるカッターモータ25を駆動するための電子回路である。
【0021】
図4〜図8を参照して、印刷装置1の表示制御処理について説明する。表示制御処理(図4)は、印刷装置1が電源オンされたことを契機に、ROM402のプログラムに基づいてCPU401によって実行される。
【0022】
図4に示すように、印刷装置1の表示制御処理では、まずディスプレイ5の表示初期化が実行される(S1)。これにより、ディスプレイ5には、例えば表示領域100が未入力である初期画面が表示される。次いで、操作部2から入力または編集されたキャラクタをディスプレイ5に表示するキャラクタ表示処理が実行されるが(S3)、詳細は後述する。ステップS3の実行後、操作部2でのキー入力ありか否かが判定される(S5)。キー入力がない場合(S5:NO)、処理はステップS5に戻ることで、キー入力の待受け状態となる。
【0023】
キー入力がある場合(S5:YES)、文字キーの入力であるか否かが判定される(S7)。本実施形態の文字キーは、片仮名、平仮名、漢字、数字、アルファベットなど、標準的なテキストで使用可能なキャラクタである文字101(図9参照)を入力するためのキーである。文字キーの入力である場合(S7:YES)、入力された文字101を示す文字データが、RAM404の作業領域に入力される(S9)。
【0024】
文字キーの入力でない場合(S7:NO)、絵記号キーの入力であるか否かが判定される(S11)。本実施形態の絵記号キーは、特殊な図柄記号や絵文字など、標準的なテキストで使用不可なキャラクタである絵記号102(図9参照)を入力するためのキーである。絵記号キーの入力である場合(S11:YES)、入力された絵記号102を示す絵文字データが、RAM404の作業領域に入力される(S13)。
【0025】
絵記号キーの入力でない場合(S11:NO)、カーソルキーの入力であるか否かが判定される(S15)。カーソルキーは、キャラクタの入力または編集を行う操作位置を示すカーソル120(図9参照)を、後述の表示ラインに沿って移動させるためのキーである。カーソルキーの入力である場合(S15:YES)、表示領域100におけるカーソル120の表示位置(カーソル位置)が表示ラインに沿って移動される(S17)。
【0026】
カーソルキーの入力でない場合(S15:NO)、入力されたキーに応じて、その他の処理が実行される。例えば、リターンキーが入力された場合、表示領域100内での操作位置(つまり、カーソル120の表示位置)に応じて、改行130(図9参照)を示す改行データが、RAM404の作業領域に入力される。また、キャラクタが削除された場合、そのキャラクタデータ(文字データ、絵文字データ等)がRAM404の作業領域内から削除される。このように、ユーザのキー入力に応じて、RAM404の作業領域内でキャラクタデータが編集される。ステップS9、S13、S17、S19のいずれかの実行後、処理はステップS3に戻る。
【0027】
図5に示すように、キャラクタ表示処理(S3)では、まず改行があるか否かが判定される(S31)。RAM404の作業領域に改行データがない場合、改行がないと判定される(S31:NO)。この場合、後述の通常表示処理が実行される(S33)。一方、RAM404の作業領域に改行データがある場合、改行があると判定される(S31:YES)。この場合、絵記号にカーソルがあるか否かが判定される(S35)。現在のカーソル位置が、RAM404の作業領域に記憶されている絵記号データに基づく絵記号の表示位置に対応する場合(つまり、表示領域100でカーソル120が絵記号102の直下に表示される場合)、絵記号にカーソルがあると判定される(S35:YES)。この場合、後述の復元表示処理が実行される(S37)。
【0028】
なお、現在のカーソル位置が絵記号の表示位置に対応しない場合(つまり、表示領域100でカーソル120が絵記号102の直下に表示されない場合)、絵記号にカーソルがないと判定される(S35:NO)。この場合も、後述の通常表示処理が実行される(S33)。ステップS33またはステップS35の実行後、処理は表示制御処理(図4)に戻る。
【0029】
図6および図7に示すように、通常表示処理(S33)では、まず表示領域100への描画対象となる1つのキャラクタ(以下、対象キャラクタという。)を描画する位置(描画位置)が、表示領域100の原点位置(図9では、表示領域100の左上隅部)に復帰される(S51)。これにより、通常表示処理(S33)の開始直後は、ユーザが入力または編集したキャラクタ列に含まれる先頭のキャラクタが、対象キャラクタとなる。
【0030】
次いで、改行があるか否かが判定される(S53)。改行がない場合(S53:NO)、以下の処理によってユーザが入力または編集したキャラクタ列が1ライン表示される。まず描画位置が表示領域100を超えたか否かが判定される(S55)。描画位置が表示領域100を超えていない場合(S55:NO)、表示領域100に対象キャラクタを表示する空き領域が存在する。この場合、表示領域100のキャラクタ表示が完了したか否かが判定される(S57)。具体的には、キャラクタ列を構成する全てのキャラクタ(つまり、作業領域内の全キャラクタデータ)を表示済みである場合、表示領域100のキャラクタ表示が完了したと判定される(S57:YES)。
【0031】
表示領域100のキャラクタ表示が完了していない場合(S57:NO)、対象キャラクタが描画位置に1ライン用サイズのドットパターンで描画される。これにより、対象キャラクタが表示領域100に1ライン用サイズでドット表示される(S59)。その後、描画位置が表示ラインに沿って(つまり、行方向に)1キャラクタ分進められる(S61)。これにより、キャラクタ列に含まれる次のキャラクタが対象キャラクタとなり、処理はステップS55に戻る。
【0032】
一方、改行がある場合(S53:YES)、以下の処理によってユーザが入力または編集したキャラクタ列が2ライン表示される。まず描画位置が表示領域100を超えたか否かが判定される(S63)。描画位置が表示領域100を超えていない場合(S63:NO)、対象ラインのキャラクタ表示が完了したか否かが判定される(S65)。対象ラインは、表示領域100に形成される2つの表示ラインのうち、対象キャラクタが描画される表示ラインである。通常表示処理(S3)の開始直後は、対象ラインは「1ライン目」に設定されている。ステップS65では、表示領域100の対象ラインに配置すべき全てのキャラクタを表示済みである場合、対象ラインのキャラクタ表示が完了したと判定される(S65:YES)。
【0033】
対象ラインのキャラクタ表示が完了していない場合(S65:NO)、対象キャラクタは絵記号であるか否かが判定される(S67)。対象キャラクタが文字である場合、対象キャラクタが絵記号でないと判定されて(S67:NO)、その文字が描画位置に2ライン用サイズのドットパターンで描画される。これにより表示領域100上では、対象キャラクタである文字101(図9参照)が対象ラインに2ライン用サイズでドット表示される(S69)。
【0034】
対象キャラクタが絵記号である場合(S67:YES)、代替記号が描画位置に2ライン用サイズのドットパターンで描画される。これにより表示領域100上では、対象キャラクタである絵記号に代えて代替記号103(図9参照)が、対象ラインに2ライン用サイズでドット表示される(S71)。ステップS69またはステップS71の実行後、描画位置が対象ラインに沿って(つまり、行方向に)1キャラクタ分進められる(S73)。
【0035】
一方、対象ラインのキャラクタ表示が完了している場合(S65:YES)、表示領域100のキャラクタ表示が完了したか否かが判定される(S75)。表示領域100のキャラクタ表示が完了していない場合(S75:NO)、改行が描画位置に2ライン用サイズのドットパターンで描画される。これにより表示領域100上では、改行130(図9参照)が対象ラインに2ライン用サイズでドット表示される(S77)。その後、対象ラインとなる次ライン(すなわち、2ライン目)の先頭に、描画位置が移動される(S79)。ステップS73またはステップS79の実行後、処理はステップS63に戻る。
【0036】
なお、描画位置が表示領域100を超えた場合(S55:YES、または、S63:YES)、表示領域100に対象キャラクタを表示する空き領域が存在しないから、対象キャラクタを表示することなく、処理がキャラクタ表示処理(図5)に戻る。また、表示領域100のキャラクタ表示が完了している場合も(S57:YES、または、S75:YES)、処理がキャラクタ表示処理(図5)に戻る。
【0037】
図8に示すように、第一実施形態の復元表示処理(S37)では、まず描画位置が表示領域100の原点位置に復帰される(S101)。次いで、描画位置が表示領域100を超えたか否かが判定される(S103)。描画位置が表示領域100を超えていない場合(S103:NO)、対象ラインのキャラクタ表示が完了したか否かが判定される(S105)。対象ラインのキャラクタ表示が完了していない場合(S105:NO)、対象キャラクタは絵記号であるか否かが判定される(S107)。対象キャラクタが文字である場合(S107:NO)、対象キャラクタである文字が対象ラインに2ライン用サイズでドット表示される(S109)。
【0038】
対象キャラクタが絵記号である場合(S107:YES)、対象キャラクタにカーソルがあるか否が判定される(S111)。対象キャラクタにカーソルがない場合(S111:NO)、代替記号が対象ラインに2ライン用サイズでドット表示される(S113)。対象キャラクタにカーソルがある場合(S111:YES)、対象キャラクタである絵記号が描画位置に1ライン用サイズのドットパターンで描画される。これにより表示領域100上では、対象キャラクタである絵記号102(図9参照)が対象ラインに1ライン用サイズでドット表示される(S113)。ステップ109、S113、S115のいずれかの実行後、描画位置が対象ラインに沿って1キャラクタ分進められて(S117)、処理はステップS103に戻る。
【0039】
一方、対象ラインのキャラクタ表示が完了している場合(S105:YES)、表示領域100のキャラクタ表示が完了したか否かが判定される(S119)。表示領域100のキャラクタ表示が完了していない場合(S119:NO)、改行が対象ラインに2ライン用サイズでドット表示される(S121)。その後、次ラインの先頭に描画位置が移動され(S123)、処理はステップS103に戻る。
【0040】
表示領域100のキャラクタ表示が完了した場合(S119:YES)、表示領域100に描画されたキャラクタ列の表示位置が調整される(S125)。例えば、ステップS115で表示された1ライン用サイズの絵記号は表示サイズが大きいため、他の表示ラインに配置されたキャラクタと重複するおそれがある。この場合、1ライン用サイズの絵記号と重複しないように、他の表示ラインに配置されたキャラクタの表示位置が、表示ラインに沿って(つまり、行方向に)変更される。なお、描画位置が表示領域100を超えた場合(S103:YES)、対象キャラクタを表示することなく、処理がキャラクタ表示処理(図5)に戻る。
【0041】
図9を参照して、第一実施形態におけるディスプレイ5の表示例を説明する。例えばユーザが操作部2を用いて、「1」「2」「3」「4」、「絵柄(リサイクルマーク)」、「5」、「6」のキャラクタ列を入力したとする。この場合、改行がないため(S31:NO)、通常表示処理(図6、図7参照)によってキャラクタ列が1ライン表示される(S53:NO、S55〜S61)。その結果、画面5Aに示すように、文字101「1」〜「6」と絵記号102「絵柄(リサイクルマーク)」とから成るキャラクタ列が、1ライン用サイズで表示領域100に表示される。なお、現在のカーソル位置である表示ラインの末尾には、カーソル120が表示される。
【0042】
また、例えばユーザが操作部2を用いて、「a」「b」「c」「d」、「e」、「f」、「g」のキャラクタ列を入力して改行し、さらに「1」「2」「3」「4」、「絵柄(リサイクルマーク)」、「5」、「6」のキャラクタ列を入力したとする。この場合、改行があり(S31:YES)、且つ、絵記号にカーソルがないため(S35:NO)、通常表示処理(図6、図7参照)によってキャラクタ列が2ライン表示される(S53:YES、S63〜S79)。
【0043】
詳細には、画面5Bに示すように、文字101「a」〜「g」のキャラクタ列が、1ライン目に2ライン用サイズで描画される(S67:YES、S69)。1ライン目の描画が完了すると(S65:YES)、改行130が描画される(S77、S79)。さらに、文字101「1」〜「6」と絵記号102「絵柄(リサイクルマーク)」とから成るキャラクタ列の描画が開始される。このとき、文字101「1」〜「6」は2ライン用サイズで描画されるが(S67:NO、S69)、絵記号102「絵柄(リサイクルマーク)」に代えて代替記号103「A5(縦書き)」が2ライン用サイズで描画される(S67:NO、S71)。現在のカーソル位置である2ライン目の末尾には、カーソル120が表示される。
【0044】
一般に、標準テキストに使用できない絵記号は、標準テキストに使用可能な文字と比べてドットパターンが複雑である。本実施形態では、1ライン用サイズのドットパターンは、文字101および絵記号102のいずれも十分に表現できる表示サイズ(ドット数)である。一方、2ライン用サイズのドットパターンは、文字101は十分に表現できる表示サイズ(ドット数)であるが、絵記号102を表現するには不十分な表示サイズ(ドット数)である。
【0045】
そのため、文字101は、1ライン用サイズおよび2ライン用サイズのいずれで表示しても、ユーザは表示内容を視認できる。一方、絵記号102は、1ライン用サイズで表示するとユーザは表示内容を視認容易であるが、2ライン用サイズで表示するとユーザは表示内容を視認困難である。よって、本実施形態では、キャラクタ列を2ライン表示する場合は、絵記号102に代えて代替記号103が表示される。代替記号103は、2ライン用サイズのドットパターンで十分に表現することができる簡易記号(例えば、画面5Bに示す「A5」)である。キャラクタ列が2ライン表示された状態では、ユーザは代替記号103に基づいて絵記号102の存在およびその位置を認識することができる。
【0046】
さらに画面5Bに示す状態で、例えばユーザが操作部2を用いて、カーソル120を代替記号103の表示位置まで移動させたとする。この場合、改行があり(S31:YES)、且つ、絵記号にカーソルがあるため(S35:YES)、復元表示処理(図8参照)によってキャラクタ列が2ライン表示される。
【0047】
詳細には、画面5Cに示すように、文字101「a」〜「g」のキャラクタ列が、1ライン目に2ライン用サイズで描画される(S107:NO、S109)。1ライン目の描画が完了すると(S105:YES)、改行130が描画される(S121、S123)。さらに、文字101「1」〜「6」と絵記号102「絵柄(リサイクルマーク)」とから成るキャラクタ列が、2ライン目に2ライン用サイズで描画される。このとき、文字101「1」〜「6」は2ライン用サイズで描画されるが(S107:NO、S109)、絵記号102「絵柄(リサイクルマーク)」は1ライン用サイズで描画される(S107:NO、S111:YES、S115)。現在のカーソル位置である絵記号102「絵柄(リサイクルマーク)」には、カーソル120が表示される。
【0048】
このように、画面5Cでは、ユーザがカーソル120で選択した代替記号103が、絵記号102に復元されて、さらに2ライン用サイズから1ライン用サイズに拡大表示されて、ユーザは絵記号102の表示内容を認識できる。最後に、表示領域100に表示されたキャラクタ列の表示位置が調整される(S125)。これにより、画面5Dに示すように、1ライン用サイズの絵記号102「絵柄(リサイクルマーク)」と重複しないように、1ライン目の文字101「e」〜「g」および改行130の表示位置が変更される。したがって、代替記号103から復元及び拡大された絵記号102の視認性が一層高まる。なお、ステップS125は実行しなくてもよい。この場合、ディスプレイ5には画面5Cが表示される。
【0049】
以上に説明したように、第一実施形態の印刷装置1では、操作部2から入力または編集されたキャラクタは、表示ラインに配置して表示される。このとき、表示ラインの数量に対応して予め定められた表示サイズ(1ドット用サイズおよび2ドット用サイズ)のドットパターンで、キャラクタが表示される。表示ラインの数量が2ラインである場合、絵記号102のドットパターンに代えて、代替記号103のドットパターンを表示される。表示されている代替記号103が指定されると、代替記号103のドットパターンに代えて、絵記号102が1ドット用サイズのドットパターンで表示される。
【0050】
これによれば、表示領域100に表示される表示ラインの数量が多い場合は、絵記号102に代えて代替記号103が表示される一方、ユーザが代替記号103を指定すると元の絵記号102が大きな表示サイズ(1ドット用サイズ)で表示される。そのため、ユーザが絵記号102の表示内容を把握したいときだけ、大きな表示サイズの絵記号102を表示領域100に表示することができる。ひいては、表示領域100全体の視認性の悪化を抑制しつつ、ユーザが指定した絵記号102の視認性を高めることができる。さらに、印刷対象となるキャラクタ列を入力または編集しやすいため、ユーザの利便性が高い。
【0051】
また、ユーザが指定したキャラクタが代替記号103である場合、絵記号102のドットパターンが、少なくとも絵記号102として認識可能な大きさの1ライン用サイズで表示されるため、ユーザは絵記号102の表示内容を確実に認識できる。また、キャラクタの入力または編集を行う位置を示すカーソル120を、表示ラインに沿って移動させるためのカーソルキー(図示外)を備えるため、ユーザはカーソル120で代替記号103を容易に指定することができる。
【0052】
また、復元表示処理(S37)では、代替記号103を絵記号102に変更する場合、指定された代替記号103が配置された表示ラインに含まれる他のキャラクタのドットパターンが、絵記号102のドットパターンから離間する位置に表示される。また、代替記号103を絵記号102に変更する場合、指定された代替記号103が配置されていない表示ラインに含まれる他のキャラクタが、絵記号102のドットパターンから離間する位置に表示される。これにより、絵記号102が代替記号103から復元及び表示された場合でも、絵記号102のドットパターンが他のキャラクタのドットパターンと重複しないため、絵記号102の視認性が一層高まる。
【0053】
図10〜図15を参照して、本発明の第二実施形態を説明する。第二実施形態に係る印刷装置1の構成は、第一実施形態と同一であるため説明は省略する。第二実施形態は、復元表示処理(S37)の詳細が第一実施形態と異なる。以下では、第一実施形態と同一の処理の説明は省略し、異なる処理について説明する。
【0054】
図10および図11に示すように、第二実施形態の復元表示処理(S37)では、まず描画位置が表示領域100の原点位置に復帰される(S201)。次いで、描画位置が表示領域100を超えたか否かが判定される(S203)。描画位置が表示領域100を超えていない場合(S203:NO)、対象ラインのキャラクタ表示が完了したか否かが判定される(S205)。対象ラインのキャラクタ表示が完了していない場合(S205:NO)、対象ラインにカーソルがあるか否かが判定される(S207)。
【0055】
対象ラインにカーソルがある場合(S207:YES)、先述のステップS107〜S117と同様に処理される。すなわち、対象キャラクタは絵記号であるか否かが判定される(S209)。対象キャラクタが文字である場合(S209:NO)、対象キャラクタである文字が対象ラインに2ライン用サイズでドット表示される(S211)。対象キャラクタが絵記号である場合(S209:YES)、対象キャラクタにカーソルがあるか否が判定される(S213)。対象キャラクタにカーソルがない場合(S213:NO)、代替記号が対象ラインに2ライン用サイズでドット表示される(S215)。対象キャラクタにカーソルがある場合(S213:YES)、対象キャラクタである絵記号が対象ラインに1ライン用サイズでドット表示される(S217)。
【0056】
対象ラインにカーソルがない場合(S207:NO)、対象キャラクタが2ライン用サイズで4ドット分表示される(S219)。具体的には、対象キャラクタを描画する2ライン用サイズのドットデータのうち、上側または下側の4ドット分が描画される。ステップS211、S215、S217、S219のいずれかの実行後、描画位置が対象ラインに沿って1キャラクタ分進められて(S221)、処理はステップS203に戻る。
【0057】
対象ラインのキャラクタ表示が完了している場合(S205:YES)、表示領域100のキャラクタ表示が完了したか否かが判定される(S223)。表示領域100のキャラクタ表示が完了していない場合(S223:NO)、対象ラインにカーソルがあるか否かが判定される(S225)。対象ラインにカーソルがある場合(S225:YES)、改行が通常表示される(S227)。具体的には、先述のステップS121と同様に、改行が対象ラインに2ライン用サイズでドット表示される。
【0058】
対象ラインにカーソルがない場合(S225:NO)、改行が簡略表示される(S227)。具体的には、改行を描画する2ライン用サイズのドットデータのうち、上側または下側の4ドット分が描画される。ステップS227またはステップS229の実行後、次ラインの先頭に描画位置が移動され(S231)、処理はステップS203に戻る。なお、描画位置が表示領域100を超えた場合(S203:YES)、または、表示領域100のキャラクタ表示が完了している場合(S223:YES)、処理はキャラクタ表示処理(図5)に戻る。
【0059】
図12を参照して、第二実施形態におけるディスプレイ5の表示例を説明する。ディスプレイ5の表示例を説明する。例えば画面5B(図9)に示す状態で、例えばユーザが操作部2を用いて、カーソル120を代替記号103の表示位置まで移動させたとする。この場合、改行があり(S31:YES)、且つ、絵記号にカーソルがあるため(S35:YES)、復元表示処理(図10および図11参照)によってキャラクタ列が2ライン表示される。
【0060】
詳細には、画面5Eに示すように、文字101「a」〜「g」のキャラクタ列を描画するための2ライン用サイズのドットデータのうち下から4ドット分が、1ライン目に2ライン用サイズで描画される(S207:NO、S219)。1ライン目の描画が完了すると(S205:YES)、改行130を描画するための2ライン用サイズのドットデータのうち下から4ドット分が描画される(S225:NO、S229)。さらに、文字101「1」〜「6」と絵記号102「絵柄(リサイクルマーク)」とから成るキャラクタ列の描画が開始される。このとき、文字101「1」〜「6」は2ライン用サイズで描画されるが(S209:NO、S211)、絵記号102「絵柄(リサイクルマーク)」は1ライン用サイズで描画される(S209:YES、S213:YES、S217)。現在のカーソル位置である絵記号102「絵柄(リサイクルマーク)」には、カーソル120が表示される。
【0061】
このように、画面5Eでは、ユーザがカーソル120で選択した代替記号103が、絵記号102に復元され、さらに2ライン用サイズから1ライン用サイズに拡大表示されて、ユーザは絵記号102の表示内容を認識できる。さらに、カーソル120が位置しない表示ライン(画面5Eでは1行目)に配置されるキャラクタ列は、各キャラクタの一部のみが部分的に表示される。これにより、ユーザが注目していない表示ライン(非注目ライン)の視認性が悪くなるため、ユーザが注目している表示ライン(注目ライン)の視認性が高まり、ひいては代替記号103から復元及び拡大された絵記号102の視認性が一層高まる。
【0062】
第二実施形態に係る復元表示処理(S37)は、以下のような変形が可能である。例えば、図13に示す復元表示処理(S37)では、ステップS211に代えて、対象キャラクタである文字が対象ラインに1ライン用サイズでドット表示される(S301)。ステップS215に代えて、対象キャラクタである代替記号が対象ラインに2ライン用サイズでドット表示される(S303)。ステップS219に代えて、対象キャラクタに代えて、2ドット幅のラインが表示される(S305)。
【0063】
この場合、ユーザがカーソル120を代替記号103の表示位置まで移動させると、図14に示すように、ディスプレイ5に画面5Fが表示される。画面5Fでは、カーソル120が位置する表示ライン(画面5Fでは2行目)のキャラクタ列が全ての1ライン用サイズで表示されるため、注目ラインの全体を拡大表示して視認性を高めることができる。また、カーソル120が位置しない表示ライン(画面5Fでは1行目)に配置されるキャラクタ列は、2ドットライン113に代替表示される。非注目ラインに表示される2ドットライン113によって、ユーザは非注目ラインの存在とそのキャラクタ数を把握できる。2ドットライン113という簡易な記号を代替表示することで注目ラインの視認性が高まり、ひいては代替記号103から復元及び拡大された絵記号102の視認性が一層高まる。
【0064】
また、第二実施形態に係る復元表示処理(S37)において、ステップS211、S215では1ライン用サイズで文字や代替記号をドット表示し、ステップS219では対象キャラクタを描画するための1ライン用サイズのドットデータのうち下から4ドット分が表示されてもよい。この場合、ユーザがカーソル120を代替記号103の表示位置まで移動させると、図15に示すように、ディスプレイ5に画面5Gが表示される。
【0065】
画面5Gでは、表示領域100に表示される全てのキャラクタが1ライン用サイズで表示されるため、全てのキャラクタを拡大表示して視認性を高めることができる。さらに、カーソル120が位置しない表示ライン(画面5Gでは1行目)に配置されるキャラクタ列は、各キャラクタの一部のみが部分的に表示される。そのため、注目ラインの視認性が高まり、ひいては代替記号103から復元及び拡大された絵記号102の視認性が一層高まる。
【0066】
以上に説明したように、第二実施形態の印刷装置1では、第一実施形態と同様に、表示領域100全体の視認性の悪化を抑制しつつ、ユーザが指定した絵記号102の視認性を高めることができる。印刷対象となるキャラクタ列を入力または編集しやすいため、ユーザの利便性が高い。さらに、復元表示処理(S37)では、代替記号103を絵記号102に変更する場合、指定された代替記号103が配置されていない表示ラインに含まれる他のキャラクタのドットパターンが、予め定められた簡易キャラクタのドットパターン(4ドットの部分表示や、2ドットのライン表示)に変更される。これにより、代替記号103から復元及び拡大された絵記号102の視認性を一層高めることができる。
【0067】
上記実施形態では、印刷装置1が本発明の「表示装置」に相当し、ROM402に記憶されているプログラムが本発明の「表示制御プログラム」に相当する。操作部2が、本発明の「操作手段」および「キャラクタ指定手段」に相当する。ディスプレイ5が、本発明の「表示手段」に相当する。通常表示処理(S33)および復元表示処理(S37)を実行するCPU401が、本発明の「表示制御手段」に相当する。サーマルヘッド10が、本発明の「印刷手段」に相当する。ステップS33、S37が、本発明の「表示制御ステップ」に相当する。
【0068】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、表示ラインの数量が2つの場合に、特定キャラクタ(絵記号102)に代えて代替キャラクタ(代替記号103)が表示される一方、ユーザが代替記号103を指定すると元の絵記号102が表示される。特定キャラクタは、絵記号102に限らず、他のキャラクタ(例えば、画数の多い漢字や記号など)を自由に設定することができる。代替キャラクタは、代替記号103に限らず、他のキャラクタ(例えば、○や×などの簡易な記号や図形など)を自由に設定することができる。
【0069】
また、表示領域100に形成する表示ラインの数量や、特定キャラクタと代替キャラクタの変換表示を実行する表示ラインの数量などは、適宜変更である。例えば、最大3つの表示ラインを形成可能な表示領域100において、表示ラインの数量が閾値以上(例えば、2つ以上)である場合、特定キャラクタに代えて代替キャラクタが表示される一方、ユーザが代替キャラクタを指定すると元の特定キャラクタが表示されてもよい。
【0070】
具体的には、第二実施形態に係る復元表示処理(S37)と同様にして、表示領域100によってキャラクタ列が3ライン表示されると、図16に示すような画面がディスプレイ5に表示される。ユーザがカーソル120を1行目(1ライン目)の代替記号103に移動させると、1行目のキャラクタ列が全て1ライン用サイズで表示され、2、3行目(2、3ライン目)のキャラクタ列は全て2ドットライン113で表示される。
【0071】
同様に、ユーザがカーソル120を2行目の代替記号103に移動させると、2行目のキャラクタ列が全て1ライン用サイズで表示され、1、3行目のキャラクタ列は全て2ドットライン113で表示される。ユーザがカーソル120を3行目の代替記号103に移動させると、3行目のキャラクタ列が全て1ライン用サイズで表示され、1、2行目のキャラクタ列は全て2ドットライン113で表示される。これにより、ディスプレイ5の画面サイズが小さい場合でも、表示領域100に複数の表示ラインを形成してキャラクタを入力および編集することができる。
【符号の説明】
【0072】
1 印刷装置
2 操作部
5 ディスプレイ
10 サーマルヘッド
401 CPU
402 ROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テキストデータの最小単位であるキャラクタを入力または編集するための操作手段と、
前記操作手段から入力または編集された前記キャラクタである表示対象キャラクタを、列または行で構成された表示ラインに配置してドットパターンで表示可能な表示手段と、
前記表示対象キャラクタが配置される前記表示ラインの数量に対応して予め定められた表示サイズのドットパターンで、前記表示対象キャラクタを前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記表示手段で表示された前記表示対象キャラクタのいずれかを指定するためのキャラクタ指定手段とを備え、
前記表示制御手段は、
前記表示対象キャラクタが予め定められた特定キャラクタを含み、且つ、前記表示ラインの数量が閾値以上である場合、前記特定キャラクタのドットパターンに代えて、前記特定キャラクタとは異なる代替キャラクタのドットパターンを表示させ、
前記キャラクタ指定手段から指定された前記キャラクタである指定キャラクタが前記代替キャラクタである場合、前記表示手段で表示されている前記指定キャラクタのドットパターンを、前記表示ラインの数量が前記閾値未満である場合に表示される前記特定キャラクタのドットパターンに変更することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記指定キャラクタが前記代替キャラクタである場合、前記特定キャラクタのドットパターンを、少なくとも前記特定キャラクタとして認識可能な大きさの表示サイズで表示することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記キャラクタ指定手段は、前記表示対象キャラクタの入力または編集を行う位置を示すカーソルを、前記表示ラインに沿って移動させるためのカーソルキーであることを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記特定キャラクタのドットパターンに変更する場合、前記指定キャラクタが配置された前記表示ラインに含まれる他の前記キャラクタのドットパターンを、前記特定キャラクタのドットパターンから離間する位置に表示することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記特定キャラクタのドットパターンに変更する場合、前記指定キャラクタが配置されていない前記表示ラインに含まれる他の前記キャラクタを、前記特定キャラクタのドットパターンから離間する位置に表示することを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記特定キャラクタのドットパターンに変更する場合、前記指定キャラクタが配置されていない前記表示ラインに含まれる他の前記キャラクタのドットパターンを、予め定められた簡易キャラクタのドットパターンに変更することを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記表示対象キャラクタを印刷する印刷手段を備えたことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の表示装置。
【請求項8】
テキストデータの最小単位であるキャラクタを入力または編集するための操作手段と、前記操作手段から入力または編集された前記キャラクタである表示対象キャラクタを、列または行で構成された表示ラインに配置してドットパターンで表示可能な表示手段と、前記表示手段で表示された前記表示対象キャラクタのいずれかを指定するためのキャラクタ指定手段とを備えた表示装置のコンピュータに、
前記表示対象キャラクタが配置される前記表示ラインの数量に対応して予め定められた表示サイズのドットパターンで、前記表示対象キャラクタを前記表示手段に表示させる表示制御ステップを実行させ、
前記表示制御ステップは、
前記表示対象キャラクタが予め定められた特定キャラクタを含み、且つ、前記表示ラインの数量が閾値以上である場合、前記特定キャラクタのドットパターンに代えて、前記特定キャラクタとは異なる代替キャラクタのドットパターンを表示させる処理と、
前記キャラクタ指定手段から指定された前記キャラクタである指定キャラクタが前記代替キャラクタである場合、前記表示手段で表示されている前記指定キャラクタのドットパターンを、前記表示ラインの数量が前記閾値未満である場合に表示される前記特定キャラクタのドットパターンに変更する処理とを含むことを特徴とする表示制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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