説明

表示装置および表示装置を備えた電子機器

【課題】画像に輝度ムラが発生するのを抑制することが可能な表示装置を提供する。
【解決手段】この表示装置100は、青色光が照射される光源部1と、光源部1から照射される青色光を導く導光部材2とを含む照明部10と、照明部10から照射される青色光に基づいて表示を行う反射型液晶表示部20とを備え、反射型液晶表示部20は、青色光が照射されることにより赤色に発光する赤色蛍光体層23aと、青色光が照射されることにより緑色に発光する緑色蛍光体層23bとを含み、照明部10の光源部1から照射される青色光と、反射型液晶表示部20の赤色蛍光体層23aおよび緑色蛍光体層23bから出射される赤色光および緑色光とにより画像を表示するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置および表示装置を備えた電子機器に関し、特に、光源から照射される光を導く導光部材を備えた表示装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源から照射される光を導く導光部材を備えた照明装置が開示されている(たとえば、特許文献1参照)。上記特許文献1の照明装置には、光源として白色光を出射する発光ダイオードと、発光ダイオードからの白色光を照射面側に導く導光板とが備えられている。この照明装置では、導光板の一方の表面は平坦面状に形成されているとともに、他方の表面には発光ダイオードから出射された白色光を一方の表面側に反射させるための傾斜部が複数形成されている。そして、導光板内を伝播する発光ダイオードから出射された白色光を、導光板の他方の表面側の傾斜部によって反射させて一方の表面側(照射面側)に出射させるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−193972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示された照明装置を表示装置に適用して、発光ダイオードから出射された白色光を表示装置の光源として用いる場合、発光ダイオードから出射された光が指向性を有するので表示装置により表示される画像に部分的に輝度ムラが発生する場合があるという問題点がある。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、画像に輝度ムラが発生するのを抑制することが可能な表示装置および電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0006】
この発明の第1の局面による表示装置は、青色光が照射される光源と、光源から照射される青色光を導く導光部材とを含む照明部と、照明部から照射される青色光に基づいて表示を行う表示パネル部とを備え、表示パネル部は、青色光が照射されることにより赤色に発光する赤色蛍光体層と、青色光が照射されることにより緑色に発光する緑色蛍光体層とを含み、照明部の光源から照射される青色光と、表示パネル部の赤色蛍光体層および緑色蛍光体層から出射される赤色光および緑色光とにより画像を表示するように構成されている。
【0007】
上記第1の局面による表示装置では、上記のように、表示パネル部に光源から照射される光により発光する赤色蛍光体層および緑色蛍光体層を備えるとともに、赤色蛍光体層および緑色蛍光体層から発光した赤色光および緑色光と、光源からの青色光とにより画像を表示するように構成することによって、表示画像に輝度ムラが発生するのを抑制することができる。すなわち、従来においては、発光ダイオードによる白色光を表示パネル部のカラーフィルタに入射させることにより生成される赤色光、緑色光および青色光により画像が表示される。この場合では、発光ダイオードの光は指向性を有しているため、この光に基づいて画像を表示する際には画像に輝度ムラが発生する。これに対して、本発明では、たとえば、赤色光および緑色光に関しては、照明部からの青色光を赤色蛍光体層および緑色蛍光体層が面発光することにより面状に照射される構成とすることにより、その分、従来に比べて表示画像に輝度ムラが発生するのを抑制することができる。また、光源から青色光が照射されるように構成することによって、画像を表示する際に、光源からの青色光を蛍光体層により変換させることなく直接光源からの青色光を画像表示のための青色として用いることができるので、その分、色の変換時に青色の光強度が低下するのを抑制することができる。
【0008】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、表示パネル部は、互いに対向するように配置された一方基板および他方基板をさらに含み、一方基板に設けられた反射層をさらに備え、光源から照射される青色光は、反射層により一方基板側から他方基板側に向かって反射されるように構成されている。このように構成すれば、光源から照射される青色光を反射させることができるので、容易に他方基板側に画像を表示させることができる。
【0009】
この場合、好ましくは、一方基板の赤色蛍光体層および緑色蛍光体層の他方基板側に設けられ、赤色蛍光体層および緑色蛍光体層から照射された赤色光および緑色光と、光源から照射される青色光とを偏光するための内蔵偏光板と、一方基板と他方基板との間に配置された液晶層とをさらに備える。このように構成すれば、赤色蛍光体層および緑色蛍光体層から偏光されていない状態で出射された赤色光および緑色光を、内蔵偏光板によって偏光した状態で液晶層に入射させることができる。
【0010】
上記内蔵偏光板および液晶層を備えた構成において、好ましくは、液晶層は、オフ電圧を印加した状態で光を透過しないノーマリーブラックの表示方式により構成されている。このように構成すれば、オフ電圧の印加時において、外部光などが表示パネル部の反射層により反射されて所望しない画像が表示されるのを抑制することができる。
【0011】
上記一方基板および他方基板を備えた構成において、好ましくは、一方基板側および他方基板側の少なくとも一方側に設けられ、反射層で反射された青色光を拡散させるための拡散層をさらに備える。このように構成すれば、拡散層により青色光が拡散されるので、面発光により面状に照射される赤色光および緑色光とともに、青色光においても輝度ムラのない状態で他方基板側に照射させることができる。
【0012】
この場合、好ましくは、他方基板の液晶層側に設けられた複数の画素トランジスタと、各々の画素トランジスタに対応するように他方基板側に複数設けられ、各々の画素トランジスタにそれぞれ電気的に接続される画素電極とをさらに備え、各々の画素電極に対応する位置に、それぞれ、赤色蛍光体層、緑色蛍光体層、反射層および拡散層が配置されている。このように構成すれば、赤色蛍光体層、緑色蛍光体層、反射層および拡散層から照射される赤色光、緑色光および青色光の光量を各々の画素電極毎に容易に制御することができる。
【0013】
上記拡散層を備えた構成において、好ましくは、光源近傍に配置される赤色蛍光体層、緑色蛍光体層、反射層および拡散層の平面積に比べて、光源からの距離が大きくなる位置に配置される赤色蛍光体層、緑色蛍光体層、反射層および拡散層の平面積の方が大きくなるように構成されている。このように構成すれば、光源からの距離が大きい位置に配置された各蛍光体層および拡散層は、光源近傍に配置された各蛍光体層および拡散層に比べて光の届く量が小さくなる一方で、光源近傍に配置された各蛍光体層および拡散層に比べて平面積が大きい分、各蛍光体層および拡散層への光の入射範囲を大きくすることができる。すなわち、光源からの距離に応じて各蛍光体層および拡散層の平面積を変えることにより、光源からの距離によることなく、各蛍光体層および拡散層を略同じ輝度により発光させることができる。したがって、表示装置から照射される画像の輝度ムラをより抑制することができる。
【0014】
この発明の第2の局面による電子機器は、上記した構成を有する表示装置を備える。このように構成すれば、輝度ムラが発生するのを抑制することが可能な表示装置を備える電子機器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態による表示装置の断面図である。
【図2】本発明の一実施形態による表示装置の拡大断面図である。
【図3】本発明の一実施形態による表示装置の平面図である。
【図4】本発明の一実施形態による表示装置を備えた第1の例による電子機器について説明するための斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態による表示装置を備えた第2の例による電子機器について説明するための斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態による表示装置を備えた第3の例による電子機器について説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1〜図3を参照して、本発明の一実施形態による表示装置100の構成について説明する。
【0018】
本発明の一実施形態による表示装置100は、図1に示すように、フロントライト型の照明部10と、反射型液晶表示部20とを備えている。なお、反射型液晶表示部20は、本発明の「表示パネル部」の一例である。
【0019】
照明部10は、図1および図2に示すように、青色LED(青色発光ダイオード)からなる光源部1と、光源部1から照射される光を導く導光部材2とを備えている。本実施形態では、光源部1から照射される光は、青色LEDから出射される単一ピーク波長による青色光により構成されている。そして、光源部1から照射された青色光は、導光部材2を伝播しながら反射型液晶表示部20側(矢印Z1方向側)に向かって出射するように構成されている。また、平面的に見て、導光部材2は平坦面状に形成されており、光源部1は導光部材2の一方の端部に沿って延びる(図3参照)とともに、導光部材2に隣接するように配置されている。なお、光源部1は、本発明の「光源」の一例である。
【0020】
反射型液晶表示部20は、一対のガラス基板21aおよび21bを備えている。ガラス基板21aの矢印Z2方向側の表面上には、反射層22が設けられている。反射層22は、アルミニウムなどの反射材料から構成されており、照明部10から入射した光を観察者側(矢印Z2方向側)に反射させる機能を有する。なお、ガラス基板21aおよび21bは、それぞれ、本発明の「一方基板」および「他方基板」の一例である。
【0021】
ここで、本実施形態では、反射層22の表面上には、赤色に対応する赤色蛍光体層23aと、緑色に対応する緑色蛍光体層23bとが設けられている。赤色蛍光体層23aおよび緑色蛍光体層23bは、それぞれ、照明部10から青色光が照射されることにより赤色および緑色に面発光する機能を有する。また、反射層22の表面上には、赤色蛍光体層23aおよび緑色蛍光体層23bに加えて、青色光を拡散させるための凹凸形状を有する拡散層24が形成されている。本実施形態による表示装置100は、赤色蛍光体層23aおよび緑色蛍光体層23bから面発光される赤色光および緑色光と、照明部10から照射されるとともに拡散層24により拡散される青色光とを反射層22により矢印Z2方向側(観察者側)に反射させるとともに、これらの3色に基づいて画像を表示する反射型液晶表示装置として構成されている。
【0022】
また、本実施形態では、赤色蛍光体層23a、緑色蛍光体層23bおよび拡散層24の表面上には、内蔵偏光板25が形成されている。内蔵偏光板25は、赤色蛍光体層23aおよび緑色蛍光体層23bから面発光により出射される赤色光および緑色光と、拡散層24により拡散された青色光とを偏光する機能を有する。そして、内蔵偏光板25の表面上にはITOなどの透明電極からなる対向電極26が形成されている。
【0023】
また、ガラス基板21bの矢印Z1方向側の表面上には、複数のスイッチング用の薄膜トランジスタ(TFT)27が形成されている。薄膜トランジスタ27の表面上には層間絶縁膜28が形成されているとともに、層間絶縁膜28の表面上には、各々の薄膜トランジスタ27に対応するようにITOなどの透明電極からなる画素電極29が形成されている。そして、薄膜トランジスタ27と画素電極29とは、層間絶縁膜28に形成されたコンタクトホール28aを介して電気的に接続されている。なお、薄膜トランジスタ27は、本発明の「画素トランジスタ」の一例である。
【0024】
また、ガラス基板21bの矢印Z2方向側の表面上には、外部偏光板30が設けられている。そして、ガラス基板21aおよび21bは、シール部材31により接着されているとともに、ガラス基板21aおよび21b間には、液晶層40が設けられている。
【0025】
また、各々の赤色蛍光体層23a、緑色蛍光体層23bおよび拡散層24と、各々の画素電極29とは、それぞれ、互いに1つずつ対応するように対向配置されている。そして、赤色蛍光体層23aと画素電極29とを含む赤色に対応する副画素50a、緑色蛍光体層23bと画素電極29とを含む緑色に対応する副画素50a、および、拡散層24と画素電極29とを含む青色に対応する副画素50aにより1つの画素50が構成されている。
【0026】
以上の構成により、本実施形態では、照明部10から各副画素50aに青色光が照射された際に、赤色および緑色に対応する副画素50aにおいては、赤色蛍光体層23aおよび緑色蛍光体層23bから赤色光および緑色光が出射するとともに、反射層22により矢印Z2方向に反射される。また、青色に対応する副画素50aにおいては、照明部10からの青色光は拡散層24により拡散されながら反射層22により矢印Z2方向に反射される。そして、赤色、緑色および青色のそれぞれの光は内蔵偏光板25、液晶層40および外部偏光板30を介して偏光および光量調整されるとともに、観察者側(矢印Z2方向側)において画像を表示するように構成されている。また、本実施形態における表示装置100は、共通電極26および画素電極29間にオフ電圧が印加された際に黒表示が行われるノーマリーブラックによる表示方式により構成されている。なお、縦電界型の駆動方式により構成された反射型液晶表示部20では、ECBモード、VAモードおよびTNモードなどの駆動方式が適用可能である。
【0027】
また、本実施形態では、図3に示すように、平面的に見て、光源部1の近傍に配置される画素50の赤色蛍光体層23aの平面積S1aに比べて、光源部1からの距離が大きくなる位置に配置される画素50の赤色蛍光体層23aの平面積S2aの方が大きくなるように構成されている。同様に、光源部1の近傍に配置される画素50の緑色蛍光体層23bおよび拡散層24の各平面積S1bおよびS1cよりも、光源部1からの距離が大きくなる位置に配置される画素50の緑色蛍光体層23bおよび拡散層24の各平面積S2bおよびS2cの方が、それぞれ、大きくなるように構成されている。また、各々の画素50毎において、赤色蛍光体23aの平面積S1a、緑色蛍光体層23bの平面積S1bおよび拡散層24の平面積S1cの大きさを調整することにより、赤色光、緑色光および青色光の光量を調整可能なように構成されている。なお、図1および図2には、反射層22がガラス基板21aの表面上を覆うように1枚の膜から形成されている例を示しているが、反射層22の一部に穴を開けることにより、反射層22に関しても、光源部1の近傍に配置される1つの副画素50a当たりの反射層22の平面積に比べて、光源部1からの距離が大きくなる位置に配置される1つの副画素50a当たりの反射層22の平面積の方が大きくなるように構成することが可能である。
【0028】
本実施形態では、上記のように、反射型液晶表示部20に光源部1から照射される光により面発光する赤色蛍光体層23aおよび緑色蛍光体層23bを備えるとともに、赤色蛍光体層23aおよび緑色蛍光体層23bから面発光した赤色光および緑色光と、光源部1からの青色光とにより画像を表示するように構成することによって、表示画像に輝度ムラが発生するのを抑制することができる。すなわち、従来においては、発光ダイオードによる白色光を表示パネル部のカラーフィルタに入射させることにより生成される赤色光、緑色光および青色光により画像が表示される。この場合では、発光ダイオードの光は指向性を有しているため、この光に基づいて画像を表示する際には画像に輝度ムラが発生する。これに対して、本実施形態では、赤色光および緑色光に関しては、照明部10からの青色光を赤色蛍光体層23aおよび緑色蛍光体層23bが面発光することにより面状に照射される構成であるので、その分、従来に比べて表示画像に輝度ムラが発生するのを抑制することができる。また、光源部1からは青色光が照射されるように構成することによって、画像を表示する際に、光源部1からの青色光を蛍光体層により変換させることなく直接光源部1からの青色光を画像表示のための青色として用いることができるので、その分、色の変換時に青色の光強度が低下するのを抑制することができる。
【0029】
また、上記実施形態では、ガラス基板21aの表面上に反射層22を備えることによって、光源部1から照射される青色光と、赤色蛍光体層23aおよび緑色蛍光体層23bから照射される赤色光および緑色光とを反射層22により反射させることができるので、容易にガラス基板21b側に画像を表示させることができる。
【0030】
また、上記実施形態では、赤色蛍光体層23a、緑色蛍光体層23bおよび拡散層24の表面上に内蔵偏光板25を設けるとともに、ガラス基板21aおよび21b間に液晶層40を設けることによって、赤色蛍光体層23aおよび緑色蛍光体層23bから偏光されていない状態で出射された赤色光および緑色光を、内蔵偏光板25によって偏光した状態で液晶層40に入射させることができる。
【0031】
また、上記実施形態では、ガラス基板21bの矢印Z2方向側の表面に外部偏光板30を設けることによって、反射層22に反射された赤色光、緑色光および青色光は、内蔵偏光板25、液晶層40および外部偏光板30を介して照射される光を容易に偏光することができる。
【0032】
また、上記実施形態では、表示装置100を、オフ電圧を印加した状態で光を透過しないノーマリーブラックの表示方式により構成することによって、オフ電圧の印加時において、外部光などが表示パネル部の反射層22および拡散層24により反射および拡散されて所望しない画像が表示されるのを抑制することができる。
【0033】
また、上記実施形態では、ガラス基板21aの表面上に光源部1から照射される青色光を拡散させるための拡散層24を備えることによって、拡散層24により青色光が拡散されるので、面発光により面状に照射される赤色光および緑色光とともに、青色光においても輝度ムラのない状態でガラス基板21b側に照射させることができる。
【0034】
また、上記実施形態では、各々の画素電極29に対応する位置に、それぞれ、赤色蛍光体層23a、緑色蛍光体層23bおよび拡散層24を配置することによって、赤色蛍光体層23a、緑色蛍光体層23bおよび拡散層24から照射される赤色光、緑色光および青色光の光量を各々の画素電極29毎に容易に制御することができる。
【0035】
また、上記実施形態では、各々の画素50において、赤色蛍光体層23aの平面積(S1a、S2a)、緑色蛍光体層23bの平面積(S1b、S2b)、および、拡散層24の平面積(S1c、S2c)を調整することにより照射される赤色光、緑色光および青色光の光量を調整するように構成することによって、各々の画素50毎に、赤色光、緑色光および青色光からなる3色の光のバランスを調整することができる。
【0036】
また、上記実施形態では、平面的に見て、光源部1近傍に配置される赤色蛍光体層23aの平面積S1a、緑色蛍光体層23bの平面積S1bおよび拡散層24の平面積S1cに比べて、光源部1からの距離が大きくなる位置に配置される赤色蛍光体層23aの平面積S2a、緑色蛍光体層23bの平面積S2bおよび拡散層24の平面積S2cの方が大きくなるように構成することによって、光源部1からの距離が大きい位置に配置された各蛍光体層(23a、23b)および拡散層24は、光源部1近傍に配置された各蛍光体層(23a、23b)および拡散層24に比べて光の届く量が小さくなる一方で、光源部1近傍に配置された各蛍光体層(23a、23b)および拡散層24に比べて平面積が大きい分、各蛍光体層(23a、23b)および拡散層24への光の入射範囲を大きくすることができる。すなわち、光源部1からの距離に応じて各蛍光体層(23a、23b)および拡散層24の平面積を変えることにより、光源部1からの距離によることなく、各蛍光体層(23a、23b)および拡散層24を略同じ輝度により発光させることができる。したがって、表示装置100から照射される画像の輝度ムラをより抑制することができる。
【0037】
次に、図4〜図6を参照して、本発明の一実施形態による表示装置100を用いた第1〜第3の例による電子機器について説明する。
【0038】
本発明の一実施形態による表示装置100は、図4〜図6に示すように、第1の例によるPC(Personal Computer)200、第2の例による携帯電話210および第3の例による情報携帯端末220(PDA:Personal Digital Assistants)などに用いることが可能である。図4の第1の例によるPC200においては、キーボードなどの入力部200aおよび表示画面200bなどに本発明の一実施形態による表示装置100を用いることが可能である。図5の第2の例による携帯電話210においては、表示画面210aに本発明の一実施形態による表示装置100が用いられる。図6の第3の例による情報携帯端末220においては、表示画面220aに本発明の一実施形態による表示装置100が用いられる。
【0039】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0040】
たとえば、上記実施形態では、縦電界型の駆動方式による反射型液晶表示部を本発明の表示パネル部に適用する例を示したが、本発明はこれに限らず、FFSモードおよびIPSモードなどの横電界型の駆動方式による反射型液晶表示部を適用してもよい。
【0041】
また、上記実施形態では、1つの画素電極に赤色蛍光体層、緑色蛍光体層および拡散層のいずれか1つを対応させるように構成する例を示したが、本発明はこれに限らず、複数の画素電極毎に赤色蛍光体層、緑色蛍光体層および拡散層のいずれか1つを対応させてもよい。
【0042】
また、上記実施形態では、各画素毎において、赤色蛍光体層、緑色蛍光体層および拡散層の平面積を調整することにより赤色光、緑色光および青色光のバランスを調整する例を示したが、本発明はこれに限らない。すなわち、赤色蛍光体層、緑色蛍光体層および拡散層の平面積を同一の大きさにした状態で、各副画素の画素電極の大きさを調整することにより赤色光、緑色光および青色光のバランスを調整してもよい。
【0043】
また、上記実施形態では、ノーマリーブラックによる表示方式を表示装置100に適用する例を示したが、本発明はこれに限らず、ノーマリーホワイトによる表示方式を表示装置100に適用してもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、拡散層を矢印Z1方向側のガラス基板に配置する例を示したが、本発明はこれに限らず、拡散層を矢印Z2方向側のガラス基板に配置してもよい。
【0045】
また、上記実施形態では、凹凸を有する拡散層を設ける例を示したが、本発明はこれに限らず、拡散層を、たとえば、粒子状の酸化アルミニウムなどにより構成してもよい。また、反射層とは屈折率の異なる散乱層を設けてもよい。
【0046】
また、上記実施形態では、ガラス基板を覆うように1つの反射層を設ける例を示したが、本発明はこれに限らず、反射層を、金属と誘電体との積層膜により構成してもよい。また、この積層膜を青色の表示に対応する拡散層の直下部のみに設けてもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 光源部(光源)
2 導光部材
10 照明部
20 反射型液晶表示部(表示パネル部)
21a ガラス基板(一方基板)
21b ガラス基板(他方基板)
22 反射層
23a 赤色蛍光体層
23b 緑色蛍光体層
24 拡散層
25 内蔵偏光板
27 薄膜トランジスタ(画素トランジスタ)
29 画素電極
30 外部偏光板
40 液晶層
50 画素
50a 副画素
100 表示装置
200 PC(電子機器)
210 携帯電話(電子機器)
220 情報携帯端末(電子機器)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
青色光が照射される光源と、前記光源から照射される青色光を導く導光部材とを含む照明部と、
前記照明部から照射される青色光に基づいて表示を行う表示パネル部とを備え、
前記表示パネル部は、前記青色光が照射されることにより赤色に発光する赤色蛍光体層と、前記青色光が照射されることにより緑色に発光する緑色蛍光体層とを含み、
前記照明部の光源から照射される前記青色光と、前記表示パネル部の前記赤色蛍光体層および前記緑色蛍光体層から出射される赤色光および緑色光とにより画像を表示するように構成されている、表示装置。
【請求項2】
前記表示パネル部は、互いに対向するように配置された一方基板および他方基板をさらに含み、
前記一方基板に設けられた反射層をさらに備え、
前記光源から照射される前記青色光は、前記反射層により前記一方基板側から前記他方基板側に向かって反射されるように構成されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記一方基板の前記赤色蛍光体層および前記緑色蛍光体層の前記他方基板側に設けられ、前記赤色蛍光体層および前記緑色蛍光体層から照射された前記赤色光および前記緑色光と、前記光源から照射される青色光とを偏光するための内蔵偏光板と、
前記一方基板と前記他方基板との間に配置された液晶層とをさらに備える、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記液晶層は、オフ電圧を印加した状態で光を透過しないノーマリーブラックの表示方式により構成されている、請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記一方基板側および前記他方基板側の少なくとも一方側に設けられ、前記反射層で反射された青色光を拡散させるための拡散層をさらに備える、請求項2〜4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記他方基板の前記液晶層側に設けられた複数の画素トランジスタと、
前記各々の画素トランジスタにそれぞれ電気的に接続される画素電極とをさらに備え、
各々の前記画素電極に対応する位置に、それぞれ、前記赤色蛍光体層、前記緑色蛍光体層、前記反射層および前記拡散層が配置されている、請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記光源近傍に配置される前記赤色蛍光体層、前記緑色蛍光体層、前記反射層および前記拡散層の平面積に比べて、前記光源からの距離が大きくなる位置に配置される前記赤色蛍光体層、前記緑色蛍光体層、前記反射層および前記拡散層の平面積の方が大きくなるように構成されている、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の表示装置を備えた、電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−249900(P2010−249900A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−96711(P2009−96711)
【出願日】平成21年4月13日(2009.4.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】