表示装置の制御方法、表示装置の制御プログラム、及び表示装置
【課題】表示画像中の重要度の高いページを優先的に表示しつつ、表示画像中の複数ページにまたがるコンテンツの確認を容易にする表示装置の制御方法を提供する。
【解決手段】複数のページからなる画像をページごとに順次表示する表示装置において実行される制御方法であって、表示装置による各ページの表示履歴に基づき各ページの表示設定を変更するステップ(S206)と、表示履歴に基づき抽出された所定ページの変更後の表示設定に合わせて当該所定ページの前後ページの表示設定を調節するステップ(S207)と、を有する。
【解決手段】複数のページからなる画像をページごとに順次表示する表示装置において実行される制御方法であって、表示装置による各ページの表示履歴に基づき各ページの表示設定を変更するステップ(S206)と、表示履歴に基づき抽出された所定ページの変更後の表示設定に合わせて当該所定ページの前後ページの表示設定を調節するステップ(S207)と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ペーパ等の複数ページからなる画像をページごとに表示する表示装置の制御方法、当該表示装置の制御プログラム、及び当該表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、紙に代わる表示媒体として電子ペーパ(電子ブック)の開発が進められている。電子ペーパによる表示方式としては、マイクロカプセル中に格納された白・黒の荷電粒子を電界によって移動させることで白/黒の表示を切り換える電気泳動方式やマイクロカプセル方式等が一般的である。このようにして移動された荷電粒子の位置は電界除去後も不変であるので、一旦表示された内容は次回の書き換えまでそのまま保持されることになる。このような特徴により電子ペーパは紙媒体(印刷物)に取って代わるものとして期待されている。
【0003】
ここで、多くの電子ペーパはユーザの利便性向上のために各ページの表示順番を適宜変更して表示する機能を備えている。例えば、以下の特許文献1には、電子ペーパに接近したICタグから検出されたタグ情報に基づいて当該電子ペーパ装置により表示すべきレコードの表示順番を変更する電子ペーパ情報管理プログラムが提案されている。さらに、以下の特許文献2には、出力用画像のページごとの表示回数や表示時間等の表示履歴データに基づき各ページの優先順位を決定し、その優先順位に従って各ページの表示順番を変更する画像検索装置が提案されている。
【0004】
これらの技術を採用した場合、より重要度の高いページを優先的に表示することができるので、ユーザがわざわざ多数のページの中から当該ページを検索する手間を省くことができる。しかし、このように各ページの表示順番を変更した結果、複数ページ間にまたがって存在するコンテンツが途中で分断される可能性がある。その場合、当該コンテンツを通しで確認しようとするユーザはページの切り替えを繰り返すことにより本来の前後ページを呼び出さなければならず、ユーザの負担がかえって増加する虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−242855号公報
【特許文献2】特開平08−63484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、表示画像中の重要度の高いページを優先的に表示しつつ、表示画像中の複数ページにまたがるコンテンツ全体の確認を容易にする表示装置の制御方法、当該表示装置の制御プログラム、及び当該表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0008】
(1)複数のページからなる画像をページごとに表示する画像表示装置において実行される制御方法であって、前記表示装置によるページごとの表示履歴に基づき各ページの表示設定を変更するステップ(A)と、前記表示履歴に基づき抽出された所定ページの前記ステップ(A)での変更後の表示設定に合わせて、前記所定ページの前後ページの前記ステップ(A)での変更後の表示設定を調節するステップ(B)と、を有する制御方法。
【0009】
(2)前記ステップ(A)で変更される各ページの表示設定は、各ページの表示順番であることを特徴とする上記(1)に記載の制御方法。
【0010】
(3)前記ステップ(A)では、前記表示履歴を表す数値が大きい順番に各ページが表示されるように各ページの表示順番が変更され、前記ステップ(B)では、前記前後ページが前記所定ページの前後に表示されるように、前記前後ページの表示順番が調節されることを特徴とする上記(2)に記載の制御方法。
【0011】
(4)前記表示装置は、ページごとに指定された表示時間の経過後にページを切り替える機能を備えており、前記ステップ(A)で変更される各ページの表示設定は、各ページの前記表示時間であることを特徴とする上記(1)に記載の制御方法。
【0012】
(5)前記ステップ(A)では、前記表示履歴を表す数値が大きい順番に各ページの前記表示時間が長くなるように各ページの前記表示時間が変更され、前記ステップ(B)では、前記前後ページの前記表示時間に前記所定ページの前記表示時間が加算されるように、前記前後ページの前後表示時間が調節されることを特徴とする上記(4)に記載の制御方法。
【0013】
(6)前記ステップ(A)では、前記表示履歴を表す数値が大きい順番に各ページの前記表示時間が長くなるように各ページの前記表示時間が変更され、前記ステップ(B)では、前記前後ページの前記表示時間が前記所定ページの前記表示時間で置き換えられるように、前記前後ページの前後表示時間が調節されることを特徴とする上記(4)に記載の制御方法。
【0014】
(7)前記表示装置は、電子ペーパであることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の制御方法。
【0015】
(8)前記表示履歴には、前記表示装置による各ページの表示時間、各ページの表示回数、各ページの表示中の加筆回数、及び各ページの表示中の加筆量のうちの少なくとも一つが含まれることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれか1つに記載の制御方法。
【0016】
(9)複数のページからなる画像をページごとに表示する表示装置の制御プログラムであって、前記表示装置による各ページの表示履歴に基づき各ページの表示設定を変更する手順(A)と、前記表示履歴に基づき抽出された所定ページの前記手順(A)での変更後の表示設定に合わせて、前記所定ページの前後ページの前記手順(A)での変更後の表示設定を調節する手順(B)と、を前記表示装置に実行させることを特徴とする制御プログラム。
【0017】
(10)複数のページからなる画像をページごとに表示する表示装置であって、前記表示装置による各ページの表示履歴に基づき各ページの表示設定を変更する変更部と、前記表示履歴に基づき抽出された所定ページの前記変更部による変更後の表示設定に合わせて、前記所定ページの前後ページの前記変更部による変更後の表示設定を調節する調節部と、を有する表示装置。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、表示画像中の各ページの表示設定(表示順番、自動めくり表示時間等)を各ページの表示履歴に基づき変更した後に、表示履歴に基づき抽出された特定ページの表示設定に合わせて特定ページの前後ページの表示設定を調節することができる。その結果、表示画像中の重要度の高いページを優先的に表示しつつ、複数ページにまたがるコンテンツ全体の確認を容易にすることができる。よって、本発明によると、複数ページからなる表示画像を閲覧するユーザの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係る表示装置の外観を示す概略図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る表示装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る表示装置における表示部の構成を示す断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る表示装置による表示設定変更処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態に係る表示設定変更用UI画面の一例を示す概略図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る表示設定変更後の各ページを示す概略図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る表示装置による表示画像の一例を示す概略図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る表示装置による表示画像の一例を示す概略図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る表示装置による表示画像の一例を示す概略図である。
【図10】本発明の他の実施形態に係る表示装置による表示設定変更処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】本発明の他の実施形態に係る表示設定変更用UI画面の一例を示す概略図である。
【図12】本発明の他の実施形態に係る表示設定変更後の各ページを示す概略図である。
【図13】本発明の他の実施形態に係る表示設定調節後の各ページを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0021】
<第1実施形態>
先ず、本発明の第1実施形態に係る表示装置について説明する。図1は、本実施形態に係る表示装置Pの外観を示す概略図であり、図2はその構成を示すブロック図である。図1及び2のように、表示装置Pは、CPU11、RAM12、ROM13、表示情報記憶部14、表示部15、及び操作部16を備えており、これらは内部バス17により相互に通信可能に接続されている。これらの構成要素の各々については以下に詳細に説明する。
【0022】
また、図1のように、表示装置Pは複数ページからなる表示画像を表示部15によりページごとに表示することができ、ユーザは操作部16を操作することで表示部15により表示されるページを切り替えることができる。
【0023】
CPU11は、プログラムに従って各部の動作を制御するためのマイクロプロセッサからなる制御回路である。RAM12は、作業領域として一時的に各種プログラム及びデータを保持するための随時読み出しメモリであり、ROM13は、各種プログラムを恒久的に記録するための読み出し専用メモリである。RAM12及びROM13は、CPU11の主記憶装置としての機能を有する。
【0024】
表示情報記憶部14は、フラッシュメモリやHDD等の不揮発性メモリからなる補助記憶装置である。表示情報記憶部14は、表示画像の画像データや表示画像のページごとの表示履歴(表示時間、表示回数等)を示す表示履歴情報等を格納している。
【0025】
表示部15は、電子ペーパからなる表示パネルであり、表示情報記憶部14内の画像データに基づく表示画像をページごとに表示する。表示部15による表示画像の一例を図8〜10に示す。また、表示部15は、表示画像の他にも図5及び図12に例示するようなUI(ユーザ・インタフェース)画面を表示することができる。さらに、表示部15は、ユーザからの各種指示を取得するためのタッチパネル機能を備えている。本実施形態に係る表示部15が採用する表示技術については後述する。操作部16は、ユーザから各種指示を受け付けるための入力装置であり、所定のキーパッドやページ送り/戻しボタン等からなる。
【0026】
次に、図3は、本実施形態に係る表示部15の主要部の構造を示す断面図である。図3のように、本実施形態に係る表示部15は、負電荷を帯びた黒色顔料a1及び正電荷を帯びた白色顔料a2がオイル等の透明分散媒とともに封入されたマイクロカプセルaによる電気泳動方式の表示技術を採用した電子ペーパである。図中の他の構成要素について以下に説明する。
【0027】
表面層bは、PET(Polyethylene Terephthalate)フィルム等の透明な材料からなる前面基板であり、その背面側にはITO(Indium Tin Oxide)等の透明な電導膜からなる透明電極cが配置されている。また、支持層dはポリイミドフィルム等の絶縁性を有する材料からなる背面基板であり、その前面側には個々のマイクロカプセルaに対応する微小な金属板からなる背面電極(セグメント電極)eが配置されている。
【0028】
そして、個々の背面電極eと透明電極cとの間には前述のマイクロカプセルaが配置されており、個々のマイクロカプセルaは接着層fを介して個々の背面電極eと接合されている。このように2枚の電極板c、eを介して前面基板(表面層b)と背面基板(支持層d)との間の空間に2次元的に配置された無数のマイクロカプセルaが表示部15の表示領域を形成している。
【0029】
このように配置されたマイクロカプセルaによる表示原理は次の通りである。一のマイクロカプセルaに対応する背面電極eに正電位が与えられると、負電荷を帯びた黒色顔料a1が背面電e側に移動するとともに正電荷を帯びた白色顔料a2が透明電極c側に移動するので、当該マイクロカプセルaは表示領域の前面側から見て白色を表示することになる。
【0030】
同様に、一のマイクロカプセルaに対応する背面電極eに負電位が与えられると、正電荷を帯びた白色顔料a2が背面電極e側に移動するとともに負電荷を帯びた黒色顔料a1が透明電極c側に移動するので、当該マイクロカプセルaは表示領域Aの前面側から見て黒色を表示することになる。
【0031】
次に、本実施形態に係る表示装置Pの動作の概要について説明する。図4は、本実施形態に係る表示装置Pの制御部11が各ページの表示設定を変更する処理(以下では単に「表示設定変更処理」という)の手順を示すフローチャートである。図4のフローチャートにより示されるアルゴリズムはROM13に制御プログラムとして格納されている。
【0032】
先ず、制御部11は、表示情報記憶部14に格納されている画像データをRAM12に読み込む(S101)。そして、制御部11は、各ページの表示設定を変更すべきとの指示(以下では単に「変更指示」という)をユーザから受け付けたかどうかを判定し(S102)その判定結果に応じて以降の処理を分岐する。この変更指示はユーザが表示部15のタッチパネル又は操作部16に対して所定の動作を行なったときに受け付けられるものとする。なお、本実施形態における「表示設定」とは、各ページの表示順番のことを指す。よって、本実施形態に関する以降の説明において各ページの「表示設定」と各ページの「表示順番」とは同義である。
【0033】
ここで、制御部11は、S102で変更指示を受け付けた場合(S102のYES)、表示順番変更用UI画面を表示部15に表示させ、当該UI画面上でユーザから各ページの表示順番に関する詳細な指示を受け付ける(S103)。そして、制御部11は、後述するS104〜S106の手順に従って各ページの表示順番を変更してから表示部15に表示画像を表示させる(S107)。その後、制御部11は一連の処理を終了する(エンド)。
【0034】
他方、制御部11は、S102で表示順番の変更指示を受け付けなかった場合(S102のNO)、各ページの表示順番を変更することなく表示部15に表示画像を表示させる(S108)。その後、ページごとの表示履歴(表示時間、表示回数等)を表示情報記憶部14内の表示履歴情報に追記してから(S109)一連の処理を終了する(エンド)。
【0035】
続いて、本実施形態に係る表示順番変更用UI画面u1について説明する。図5は、表示順番変更用UI画面u1の一例を示す概略図である。同図のように、UI画面u1は、「日付」「指定期間」からなる期間指定用のラジオボタンb1、「表示時間」「表示回数」「加筆」「加筆回数」「加筆データ量」からなる重み付け用のトグルボタンb2、及び「昇順」「降順」からなる順位指定用のラジオボタンb3を備えている。これらについて以下に順に説明する。
【0036】
期間指定用のラジオボタンb1は、表示装置Pが各ページの表示順番を変更する際に参照すべき表示履歴情報の期間を指定するために用いられる。「日付」のボタンが選択された場合は日付入力欄に入力された日付の表示履歴情報のみが参照される。「指定期間」のボタンが選択された場合は期間入力欄に入力された期間内の表示履歴情報のみが参照される。図5中の例によると、2010年08月28日付の表示履歴情報のみが参照されることになる。
【0037】
重み付け用のトグルボタンb2は、表示装置Pが各ページの表示順番を変更する際に参照すべき表示履歴情報の項目(表示時間、表示回数、加筆有無、加筆回数、加筆データ量等)を指定するために用いられる。なお、複数の項目が同時に指定された場合には各項目を表す数値が各項目の数値入力欄に入力された重み付け係数によって重み付けされる。図5中の例によると、各ページの「表示時間」を表す数値のみが参照されることになる。
【0038】
順位指定用のラジオボタンb3は、後述する表示履歴順位の計算結果が等しいページが存在する場合に昇順と降順のどちらを採用すべきかを指定するために用いられる。図5中の例によると、表示履歴順位の計算結果が等しいページが存在する場合には昇順により表示履歴順位が付けられることになる。
【0039】
再び図4を参照すると、制御部11は、UI画面u1(特に、ラジオボタンb1及びトグルボタンb2)により指定された表示履歴情報を表示情報記憶部15からRAM12に読み込み(S104)、その表示履歴情報に基づき各ページの順位を計算する(S105)。より具体的に、S105では、トグルボタンb2により指定された各項目を表す数値に重み付け係数を乗じた積の合計値をページごとに計算し、その合計値の大きさに従って各ページに順位を付ける。なお、合計値が等しいページについてはラジオボタンb3の選択結果に従って昇順又は降順により順位が付けられる。S105で計算される各ページの順位のことを以下では「表示履歴順位」と称する(後述する第2実施形態においても同様)。
【0040】
以下の表1は、図5のUI画面u1上で指定された表示履歴情報の一例である。表1の例によると、トグルボタンb2により指定された各項目(「表示時間」のみ)を表す数値に重み付け係数(100%)を乗じた積の合計値は、第2ページ、第1ページ・第4ページ、第3ページ、第5ページの順に大きい。そして、UI画面u1上のラジオボタンb3により「昇順」選択されているので、第1〜第5ページの表示履歴順位はそれぞれ2位、1位、4位、3位、5位となる。
【0041】
【表1】
【0042】
再び図4を参照すると、制御部11は、S105で計算した各ページの表示履歴順位に従って各ページの表示順番を変更する(S106)。表1の例によると、第1〜第5ページの表示順番は、各ページの表示履歴順位に従って2、1、4、3、5にそれぞれ変更される。図6は各ページの変更後の表示順番を示す概略図である。このような表示履歴情報に基づく変更後の表示順番によると、過去の表示時間が長かったページほど先に表示されることになる。これらのページはユーザにとり特に重要度が高いと考えられるので複数ページからなる表示画像を閲覧するユーザの利便性が向上することになる。
【0043】
次に、本実施形態に係る表示装置Pによる各ページの表示切り替え方法について説明する。図7は、前述した表示設定変更処理後の各ページの表示画像の一例を示す概略図である。図7には第1〜第5ページのうちの第1ページが示されているが、当該ページの表示順番は前述した表示設定変更処理により“2/5”に変更されている(図6参照)。図7のようなページ画像を閲覧するユーザは、その下方に設けられた「←前」「後→」ボタンを押下することによりページを前後に切り替えることができる。
【0044】
ここで、本実施形態に係る表示装置Pは、前述した表示履歴情報(表1参照)に基づき抽出された基準ページ(後述)の表示中に「←前」「後→」ボタンが押下された場合は、直ちにページを切り替えるのではなく、先ず「←前」「後→」ボタンに代えて「設定順序」「通常順序」からなる表示順番調節用のラジオボタンb4を表示させる。なお、ここでいう基準ページとは、表示履歴を表す数値(表示時間、表示回数等)が特に大きいページのことを指し、表1の例においては第2ページ(表示時間=15秒)、第1ページ(表示時間=5秒)、及び第4ページ(表示時間=5秒)が基準ページとして抽出される。ただし、本実施形態においては全てのページが基準ページとして抽出されてもよい。
【0045】
そして、本実施形態に係る表示装置Pは、「設定順序」のラジオボタンb4が選択された状態で「OK」ボタンが押下された場合は、前述した表示設定変更処理による変更後の表示順番(図6参照)に従ってページを前後に切り替える。つまり、図8(A)に例示するような状態で「OK」ボタンが押下された場合には、変更後の表示順番が“2/5”である第1ページは、変更後の表示順番が“3/5”である第4ページに切り替えられる(図8(B)参照)。
【0046】
他方、本実施形態に係る表示装置Pは、「通常順序」のラジオボタンb4が選択された状態で「OK」ボタンが押下された場合は、現在表示中である基準ページの表示順番に合わせて、その前後ページの表示順番を調節する。より具体的に、表示装置Pは、現在表示中である基準ページがその前後ページに切り替わるように、当該前後ページの表示順番を調節する。なお、本実施形態における「前後ページ」とは基準ページの本来の前ページ及び/又は後ページを指しており、前述した表示設定変更処理後の表示順番において基準ページの前後に位置するページとは無関係である(後述する第2実施形態においても同様である。)。
【0047】
つまり、図9(A)に例示するような状態で「OK」ボタンが押下された場合、現在表示中である第1ページは、図8(B)のように第4ページに切り替わるのではなく、第1ページの本来の後ページである第2ページに切り替わることになる(図9(B)参照)。これによりユーザは第1ページ及び第2ページに同一のコンテンツがまたがって存在していたとしても当該コンテンツを容易に確認することができる。
【0048】
以上のように、本実施形態に係る表示装置Pは、表示画像中の各ページの表示順番を各ページの表示履歴に基づき変更した後に、表示履歴に基づき抽出された基準ページの表示順番に合わせてその前後ページの表示順番を調節することができる。より具体的に、本実施形態に係る表示装置Pは、表示履歴に基づき各ページの表示順番を変更した後であっても、基準ページがその本来の前後ページに切り替わるように当該前後ページの表示順番を調節することができる。その結果、本実施形態によると、表示画像中の重要度の高いページを優先的に表示しつつ、複数ページにまたがるコンテンツ全体の確認を容易にすることができる。よって、本実施形態によると、複数ページからなる表示画像を閲覧するユーザの利便性を向上させることができる。
【0049】
<第2実施形態>
次に本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態に係る表示装置は、現在表示中のページをページごとに指定された表示時間の経過後に自動的に他のページに切り替える「自動めくり機能」を備えている。ただし、それ以外の構成は前述した第1の実施形態に係る表示装置Pと同様である(図1〜3参照)。そのため、本実施形態においても前述した第1実施形態と同一の符合を用いて表示装置及びその構成要素を参照することとする。
【0050】
図10は、本実施形態に係る表示装置Pの制御部11による表示設定変更処理の手順を示すフローチャートである。図10のフローチャートにより示されるアルゴリズムはROM13に制御プログラムとして格納されている。
【0051】
先ず、制御部11は、表示情報記憶部15に格納されている画像データをRAM12に読み込む(S201)。そして、制御部11は、表示部15による各ページの表示設定の変更指示をユーザから受け付けたかどうかを判定し(S202)、その判定結果に応じて以降の処理を分岐する。なお、本実施形態における「表示設定」とは、前述した自動めくり機能によりページを切り替える際の各ページの表示時間のことを指す。よって、本実施形態に関する以降の説明において各ページの「表示設定」と各ページの「自動めくり表示時間」とは同義である。
【0052】
ここで、制御部11は、S202で変更指示を受け付けた場合(S202のYES)、自動めくり表示時間変更用UI画面を表示部15に表示させ、当該UI画面上でユーザから各ページの自動めくり表示時間に関する詳細な指示を受け付ける(S203)。そして、制御部11は、後述するS204〜S206の手順に従って各ページの自動めくり表示時間を変更する。さらに、制御部11は、後述するS207の手順に従って基準ページの自動めくり表示時間に合わせて、その前後ページの自動めくり表示時間を調節してから(S207)、表示部15に画像データを表示する(S208)。その後、制御部11は一連の処理を終了する(エンド)。
【0053】
他方、制御部11は、S202で変更指示を受け付けなかった場合(S202のNO)、各ページの自動めくり表示時間を変更することなく表示部15に画像データを表示させる(S209)。その後、ページごとの表示履歴(表示時間、表示回数等)を表示情報記憶部15内の表示履歴情報に追記してから(S210)一連の処理を終了する(エンド)。
【0054】
続いて、本実施形態に係る自動めくり表示時間変更用UI画面u2について説明する。図11は、自動めくり表示時間変更用UI画面u2の一例を示す概略図である。同図のように、自動めくり表示時間変更用UI画面u2は、前述したUI画面u1と同様に、「日付」「指定期間」からなる期間指定用のラジオボタンb1、及び「表示時間」「表示回数」「加筆」「加筆回数」「加筆データ量」からなる重み付け用のトグルボタンb2を備えている。
【0055】
さらに、本実施形態に係る自動めくり表示時間変更用UI画面u2は、「1位ページ」「2位ページ」「3位ページ」「その他ページ」からなる自動めくり表示時間変更用の数値入力欄e1、「前ページ含」「後ページ含」からなる前後ページ指定用のトグルボタンb5、「1位ページ」「2位ページ」「3位ページ」からなる基準ページ指定用のトグルボタンb6、及び「加算」「置き換え」からなる調節方法指定用のラジオボタンb7をさらに備えている。これらのボタン及び数値入力欄について以下に詳細に説明する。
【0056】
期間指定用のラジオボタンb1は、表示装置Pが各ページの自動めくり表示時間を変更する際に参照すべき表示履歴情報の期間を指定するために用いられる。図11中の例によると、2010年06月21〜2010年07月04日の表示履歴情報が参照されることになる。
【0057】
重み付け用のトグルボタンb2は、表示装置Pが自動めくり表示時間を変更する際に参照すべき表示履歴情報の項目(表示時間、表示回数、加筆有無、加筆回数、加筆データ量等)を指定するために用いられる。なお、複数の項目が同時に指定された場合には各項目を表す数値が各項目の数値入力欄に入力された重み付け係数によって重み付けされる。図11中の例によると、各ページの「表示回数」を表す数値のみが参照されることになる。
【0058】
自動めくり表示時間変更用の数値入力欄e1は、各ページの変更後の自動めくり表示時間を指定するために用いられる。図11中の例によると、前述した表示履歴順位が1位、2位、3位のページの自動めくり表示時間がそれぞれデフォルト値から30秒、15秒、10秒に変更され、それ以外の順位(4位以下)のページの自動めくり表示時間がデフォルト値から2秒に変更されることになる。
【0059】
そして、前後ページ指定用のトグルボタンb5、基準ページ指定用のトグルボタンb6、及び調節方法指定用のラジオボタンb7は、表示装置Pが基準ページの自動めくり表示時間に合わせて基準ページの前後ページの自動めくり表示時間を調節する際の設定条件を指定するために用いられる。
【0060】
前後ページ指定用のトグルボタンb5は、自動めくり表示時間が調節されるべき前後ページの範囲を指定するために用いられる。図11中の例によると、基準ページの前1ページ自動めくり表示時間のみが調節されることになる。
【0061】
基準ページ指定用のトグルボタンb6は、履歴情報に基づいて抽出された複数のページの中から基準ページを指定するために用いられる。図11中の例によると、基準ページの候補として表示履歴順位が1位〜3位のページが抽出されており、そのうち1位のページのみが基準ページとして指定されている。
【0062】
調節方法指定用のラジオボタンb7は、基準ページの前後ページの自動めくり表示時間を調節する際の調節方法を指定するために用いられる。「加算」ボタンが選択された場合は、前後ページの自動めくり表示時間に基準ページの自動めくり表示時間が加算される。「置き換え」ボタンが選択された場合は、前後ページの自動めくり表示時間が基準ページの自動めくり表示時間で置き換えられる。
【0063】
再び図10を参照すると、制御部11は、UI画面u2(特に、ラジオボタンb1及びトグルボタンb2)により指定された表示履歴情報を表示情報記憶部15からRAM12に読み込み(S204)、その表示履歴情報に基づき各ページの表示履歴順位を計算する(S205)。より具体的に、S205では、トグルボタンb2により指定された各項目を表す数値に重み付け係数を乗じた積の合計値をページごとに計算し、その合計値に従って各ページに表示履歴順位を付ける。なお、合計値が等しいページについては昇順により順位が付けられる。
【0064】
以下の表2は、図11のUI画面u2上で指定された表示履歴情報の一例である。表2の例によると、トグルボタンb2により指定された各項目(「表示回数」のみ)を表す数値に重み付け係数(100%)を乗じた積の合計値は、第2ページ、第5ページ、第4ページ、第1ページ・第3ページの順に大きい。そのため、第1〜第5ページの表示履歴順位はそれぞれ4位、1位、5位、3位、2位となる。
【0065】
【表2】
【0066】
再び図10を参照すると、制御部11は、S205で計算した各ページの表示履歴順位に従って各ページの自動めくり表示時間を変更する(S206)。表2の例によると、第1〜第5ページの自動めくり表示時間は、UI画面u2の数値入力欄e1への入力値に従って2秒、30秒、2秒、10秒、15秒にそれぞれ変更される。図12は、各ページの変更後の自動めくり表示時間を示す概略図である。このような表示履歴情報に基づく変更後の自動めくり表示時間によると、過去の表示回数が多かったページほど長時間にわたり表示されることになる。これらのページはユーザにとり特に重要度が高いと考えられるので複数ページからなる表示画像を閲覧するユーザの利便性が向上することになる。
【0067】
再び図10を参照すると、表示装置Pは、基準ページの自動めくり表示時間に合わせてその前後ページの自動めくり表示時間を調節する(S207)。より具体的に、S207では、前後ページ指定用のトグルボタンb5により指定された前後ページの自動めくり表示時間を、調節方法指定用のラジオボタンb7により指定された調節方法に従って調節する。
【0068】
図13は、図12中の各ページの自動めくり表示時間を図11のUI画面u2上の設定条件に従って調節したときの調節後の自動めくり表示時間を示す概略図である。本例においては、基準ページ指定用のトグルボタンb6の選択結果(「1位」)に従って、表示履歴順位が1位である第2ページのみが基準ページとして指定されている。また、本例においては、前後ページ指定用のトグルボタンb5の選択結果(「前1ページ」)に従って、基準ページの前1ページの自動めくり表示時間のみが再度変更されている。
【0069】
そして、本例においては、調節方法指定用のラジオボタンb7の選択結果(「加算」)に従って、基準ページの自動めくり表示時間を前後ページの自動めくり表示時間に加算する方法が採用されている。これによりユーザは基準ページ(第2ページ)及びその前後ページ(第1ページ)に同一のコンテンツがまたがって存在していたとしても当該コンテンツ全体を容易に確認することができる。
【0070】
なお、UI画面u2上で自動めくり表示時間を調節すべきとの指示が受け付けられなかった場合、すなわち、前後ページ指定用のトグルボタンb5がいずれも選択されなかった場合、表示装置PはS207を省略して直接S208に進む。この場合、各ページの自動めくり表示時間はS206で変更された後にさらに調節されることはない。
【0071】
以上のように、本実施形態に係る表示装置Pは、表示画像中の各ページの自動めくり表示時間を各ページの表示履歴に基づき変更した後に、表示履歴に基づき抽出された基準ページの自動めくり表示時間に合わせてその前後ページの自動めくり表示時間を調節することができる。より具体的に、本実施形態に係る表示装置Pは、表示履歴に基づき各ページの自動めくり表示時間を変更した後であっても、基準ページ(第2ページ)の自動めくり表示時間(30秒)がその前後ページ(第1ページ)の自動めくり表示時間(2秒)に加算されるように当該前後ページ(第1ページ)の自動めくり表示時間を調節することができる。その結果、本実施形態によると、表示画像中の重要度の高いページを優先的に表示しつつ、複数ページにまたがるコンテンツ全体の確認を容易にすることができる。よって、本実施形態によると、複数ページからなる表示画像を閲覧するユーザの利便性を向上させることができる。
【0072】
本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲において種々改変することができる。例えば、上記実施形態では電子ペーパ(表示部15)が採用する表示方式として電気泳動方式を例に挙げたが、電子ペーパが採用する表示方式は、マイクロカプセル方式、電子粉流体方式、液晶方式、エレクトロウェッティング方式、化学変化方式等の他の表示方式であってもよい。さらに、本発明に係る表示装置Pの表示部15は電子ペーパのみに限定されず、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイのように複数のページからなる画像をページごとに表示可能な表示装置であればいかなるものであってもよい。
【0073】
なお、本発明に係る表示装置は、上記手順を実行するための専用のハードウェア回路によっても、上記手順を記述したプログラムをCPUが実行することによっても実現可能である。後者により本発明を実現する場合、表示装置を作動させるプログラムは、フロッピー(登録商標)ディスクやCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、記録装置に内蔵されたROMやハードディスク等に転送される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、表示装置の一機能としてソフトウェアに組み込まれてもよい。
【符号の説明】
【0074】
11 CPU、
12 RAM、
13 ROM、
14 表示情報記憶部、
15 表示部、
16 操作部、
u1 表示順番変更用UI画面、
u2 自動めくり表示時間変更用UI画面。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ペーパ等の複数ページからなる画像をページごとに表示する表示装置の制御方法、当該表示装置の制御プログラム、及び当該表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、紙に代わる表示媒体として電子ペーパ(電子ブック)の開発が進められている。電子ペーパによる表示方式としては、マイクロカプセル中に格納された白・黒の荷電粒子を電界によって移動させることで白/黒の表示を切り換える電気泳動方式やマイクロカプセル方式等が一般的である。このようにして移動された荷電粒子の位置は電界除去後も不変であるので、一旦表示された内容は次回の書き換えまでそのまま保持されることになる。このような特徴により電子ペーパは紙媒体(印刷物)に取って代わるものとして期待されている。
【0003】
ここで、多くの電子ペーパはユーザの利便性向上のために各ページの表示順番を適宜変更して表示する機能を備えている。例えば、以下の特許文献1には、電子ペーパに接近したICタグから検出されたタグ情報に基づいて当該電子ペーパ装置により表示すべきレコードの表示順番を変更する電子ペーパ情報管理プログラムが提案されている。さらに、以下の特許文献2には、出力用画像のページごとの表示回数や表示時間等の表示履歴データに基づき各ページの優先順位を決定し、その優先順位に従って各ページの表示順番を変更する画像検索装置が提案されている。
【0004】
これらの技術を採用した場合、より重要度の高いページを優先的に表示することができるので、ユーザがわざわざ多数のページの中から当該ページを検索する手間を省くことができる。しかし、このように各ページの表示順番を変更した結果、複数ページ間にまたがって存在するコンテンツが途中で分断される可能性がある。その場合、当該コンテンツを通しで確認しようとするユーザはページの切り替えを繰り返すことにより本来の前後ページを呼び出さなければならず、ユーザの負担がかえって増加する虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−242855号公報
【特許文献2】特開平08−63484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、表示画像中の重要度の高いページを優先的に表示しつつ、表示画像中の複数ページにまたがるコンテンツ全体の確認を容易にする表示装置の制御方法、当該表示装置の制御プログラム、及び当該表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0008】
(1)複数のページからなる画像をページごとに表示する画像表示装置において実行される制御方法であって、前記表示装置によるページごとの表示履歴に基づき各ページの表示設定を変更するステップ(A)と、前記表示履歴に基づき抽出された所定ページの前記ステップ(A)での変更後の表示設定に合わせて、前記所定ページの前後ページの前記ステップ(A)での変更後の表示設定を調節するステップ(B)と、を有する制御方法。
【0009】
(2)前記ステップ(A)で変更される各ページの表示設定は、各ページの表示順番であることを特徴とする上記(1)に記載の制御方法。
【0010】
(3)前記ステップ(A)では、前記表示履歴を表す数値が大きい順番に各ページが表示されるように各ページの表示順番が変更され、前記ステップ(B)では、前記前後ページが前記所定ページの前後に表示されるように、前記前後ページの表示順番が調節されることを特徴とする上記(2)に記載の制御方法。
【0011】
(4)前記表示装置は、ページごとに指定された表示時間の経過後にページを切り替える機能を備えており、前記ステップ(A)で変更される各ページの表示設定は、各ページの前記表示時間であることを特徴とする上記(1)に記載の制御方法。
【0012】
(5)前記ステップ(A)では、前記表示履歴を表す数値が大きい順番に各ページの前記表示時間が長くなるように各ページの前記表示時間が変更され、前記ステップ(B)では、前記前後ページの前記表示時間に前記所定ページの前記表示時間が加算されるように、前記前後ページの前後表示時間が調節されることを特徴とする上記(4)に記載の制御方法。
【0013】
(6)前記ステップ(A)では、前記表示履歴を表す数値が大きい順番に各ページの前記表示時間が長くなるように各ページの前記表示時間が変更され、前記ステップ(B)では、前記前後ページの前記表示時間が前記所定ページの前記表示時間で置き換えられるように、前記前後ページの前後表示時間が調節されることを特徴とする上記(4)に記載の制御方法。
【0014】
(7)前記表示装置は、電子ペーパであることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の制御方法。
【0015】
(8)前記表示履歴には、前記表示装置による各ページの表示時間、各ページの表示回数、各ページの表示中の加筆回数、及び各ページの表示中の加筆量のうちの少なくとも一つが含まれることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれか1つに記載の制御方法。
【0016】
(9)複数のページからなる画像をページごとに表示する表示装置の制御プログラムであって、前記表示装置による各ページの表示履歴に基づき各ページの表示設定を変更する手順(A)と、前記表示履歴に基づき抽出された所定ページの前記手順(A)での変更後の表示設定に合わせて、前記所定ページの前後ページの前記手順(A)での変更後の表示設定を調節する手順(B)と、を前記表示装置に実行させることを特徴とする制御プログラム。
【0017】
(10)複数のページからなる画像をページごとに表示する表示装置であって、前記表示装置による各ページの表示履歴に基づき各ページの表示設定を変更する変更部と、前記表示履歴に基づき抽出された所定ページの前記変更部による変更後の表示設定に合わせて、前記所定ページの前後ページの前記変更部による変更後の表示設定を調節する調節部と、を有する表示装置。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、表示画像中の各ページの表示設定(表示順番、自動めくり表示時間等)を各ページの表示履歴に基づき変更した後に、表示履歴に基づき抽出された特定ページの表示設定に合わせて特定ページの前後ページの表示設定を調節することができる。その結果、表示画像中の重要度の高いページを優先的に表示しつつ、複数ページにまたがるコンテンツ全体の確認を容易にすることができる。よって、本発明によると、複数ページからなる表示画像を閲覧するユーザの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係る表示装置の外観を示す概略図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る表示装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る表示装置における表示部の構成を示す断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る表示装置による表示設定変更処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態に係る表示設定変更用UI画面の一例を示す概略図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る表示設定変更後の各ページを示す概略図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る表示装置による表示画像の一例を示す概略図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る表示装置による表示画像の一例を示す概略図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る表示装置による表示画像の一例を示す概略図である。
【図10】本発明の他の実施形態に係る表示装置による表示設定変更処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】本発明の他の実施形態に係る表示設定変更用UI画面の一例を示す概略図である。
【図12】本発明の他の実施形態に係る表示設定変更後の各ページを示す概略図である。
【図13】本発明の他の実施形態に係る表示設定調節後の各ページを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0021】
<第1実施形態>
先ず、本発明の第1実施形態に係る表示装置について説明する。図1は、本実施形態に係る表示装置Pの外観を示す概略図であり、図2はその構成を示すブロック図である。図1及び2のように、表示装置Pは、CPU11、RAM12、ROM13、表示情報記憶部14、表示部15、及び操作部16を備えており、これらは内部バス17により相互に通信可能に接続されている。これらの構成要素の各々については以下に詳細に説明する。
【0022】
また、図1のように、表示装置Pは複数ページからなる表示画像を表示部15によりページごとに表示することができ、ユーザは操作部16を操作することで表示部15により表示されるページを切り替えることができる。
【0023】
CPU11は、プログラムに従って各部の動作を制御するためのマイクロプロセッサからなる制御回路である。RAM12は、作業領域として一時的に各種プログラム及びデータを保持するための随時読み出しメモリであり、ROM13は、各種プログラムを恒久的に記録するための読み出し専用メモリである。RAM12及びROM13は、CPU11の主記憶装置としての機能を有する。
【0024】
表示情報記憶部14は、フラッシュメモリやHDD等の不揮発性メモリからなる補助記憶装置である。表示情報記憶部14は、表示画像の画像データや表示画像のページごとの表示履歴(表示時間、表示回数等)を示す表示履歴情報等を格納している。
【0025】
表示部15は、電子ペーパからなる表示パネルであり、表示情報記憶部14内の画像データに基づく表示画像をページごとに表示する。表示部15による表示画像の一例を図8〜10に示す。また、表示部15は、表示画像の他にも図5及び図12に例示するようなUI(ユーザ・インタフェース)画面を表示することができる。さらに、表示部15は、ユーザからの各種指示を取得するためのタッチパネル機能を備えている。本実施形態に係る表示部15が採用する表示技術については後述する。操作部16は、ユーザから各種指示を受け付けるための入力装置であり、所定のキーパッドやページ送り/戻しボタン等からなる。
【0026】
次に、図3は、本実施形態に係る表示部15の主要部の構造を示す断面図である。図3のように、本実施形態に係る表示部15は、負電荷を帯びた黒色顔料a1及び正電荷を帯びた白色顔料a2がオイル等の透明分散媒とともに封入されたマイクロカプセルaによる電気泳動方式の表示技術を採用した電子ペーパである。図中の他の構成要素について以下に説明する。
【0027】
表面層bは、PET(Polyethylene Terephthalate)フィルム等の透明な材料からなる前面基板であり、その背面側にはITO(Indium Tin Oxide)等の透明な電導膜からなる透明電極cが配置されている。また、支持層dはポリイミドフィルム等の絶縁性を有する材料からなる背面基板であり、その前面側には個々のマイクロカプセルaに対応する微小な金属板からなる背面電極(セグメント電極)eが配置されている。
【0028】
そして、個々の背面電極eと透明電極cとの間には前述のマイクロカプセルaが配置されており、個々のマイクロカプセルaは接着層fを介して個々の背面電極eと接合されている。このように2枚の電極板c、eを介して前面基板(表面層b)と背面基板(支持層d)との間の空間に2次元的に配置された無数のマイクロカプセルaが表示部15の表示領域を形成している。
【0029】
このように配置されたマイクロカプセルaによる表示原理は次の通りである。一のマイクロカプセルaに対応する背面電極eに正電位が与えられると、負電荷を帯びた黒色顔料a1が背面電e側に移動するとともに正電荷を帯びた白色顔料a2が透明電極c側に移動するので、当該マイクロカプセルaは表示領域の前面側から見て白色を表示することになる。
【0030】
同様に、一のマイクロカプセルaに対応する背面電極eに負電位が与えられると、正電荷を帯びた白色顔料a2が背面電極e側に移動するとともに負電荷を帯びた黒色顔料a1が透明電極c側に移動するので、当該マイクロカプセルaは表示領域Aの前面側から見て黒色を表示することになる。
【0031】
次に、本実施形態に係る表示装置Pの動作の概要について説明する。図4は、本実施形態に係る表示装置Pの制御部11が各ページの表示設定を変更する処理(以下では単に「表示設定変更処理」という)の手順を示すフローチャートである。図4のフローチャートにより示されるアルゴリズムはROM13に制御プログラムとして格納されている。
【0032】
先ず、制御部11は、表示情報記憶部14に格納されている画像データをRAM12に読み込む(S101)。そして、制御部11は、各ページの表示設定を変更すべきとの指示(以下では単に「変更指示」という)をユーザから受け付けたかどうかを判定し(S102)その判定結果に応じて以降の処理を分岐する。この変更指示はユーザが表示部15のタッチパネル又は操作部16に対して所定の動作を行なったときに受け付けられるものとする。なお、本実施形態における「表示設定」とは、各ページの表示順番のことを指す。よって、本実施形態に関する以降の説明において各ページの「表示設定」と各ページの「表示順番」とは同義である。
【0033】
ここで、制御部11は、S102で変更指示を受け付けた場合(S102のYES)、表示順番変更用UI画面を表示部15に表示させ、当該UI画面上でユーザから各ページの表示順番に関する詳細な指示を受け付ける(S103)。そして、制御部11は、後述するS104〜S106の手順に従って各ページの表示順番を変更してから表示部15に表示画像を表示させる(S107)。その後、制御部11は一連の処理を終了する(エンド)。
【0034】
他方、制御部11は、S102で表示順番の変更指示を受け付けなかった場合(S102のNO)、各ページの表示順番を変更することなく表示部15に表示画像を表示させる(S108)。その後、ページごとの表示履歴(表示時間、表示回数等)を表示情報記憶部14内の表示履歴情報に追記してから(S109)一連の処理を終了する(エンド)。
【0035】
続いて、本実施形態に係る表示順番変更用UI画面u1について説明する。図5は、表示順番変更用UI画面u1の一例を示す概略図である。同図のように、UI画面u1は、「日付」「指定期間」からなる期間指定用のラジオボタンb1、「表示時間」「表示回数」「加筆」「加筆回数」「加筆データ量」からなる重み付け用のトグルボタンb2、及び「昇順」「降順」からなる順位指定用のラジオボタンb3を備えている。これらについて以下に順に説明する。
【0036】
期間指定用のラジオボタンb1は、表示装置Pが各ページの表示順番を変更する際に参照すべき表示履歴情報の期間を指定するために用いられる。「日付」のボタンが選択された場合は日付入力欄に入力された日付の表示履歴情報のみが参照される。「指定期間」のボタンが選択された場合は期間入力欄に入力された期間内の表示履歴情報のみが参照される。図5中の例によると、2010年08月28日付の表示履歴情報のみが参照されることになる。
【0037】
重み付け用のトグルボタンb2は、表示装置Pが各ページの表示順番を変更する際に参照すべき表示履歴情報の項目(表示時間、表示回数、加筆有無、加筆回数、加筆データ量等)を指定するために用いられる。なお、複数の項目が同時に指定された場合には各項目を表す数値が各項目の数値入力欄に入力された重み付け係数によって重み付けされる。図5中の例によると、各ページの「表示時間」を表す数値のみが参照されることになる。
【0038】
順位指定用のラジオボタンb3は、後述する表示履歴順位の計算結果が等しいページが存在する場合に昇順と降順のどちらを採用すべきかを指定するために用いられる。図5中の例によると、表示履歴順位の計算結果が等しいページが存在する場合には昇順により表示履歴順位が付けられることになる。
【0039】
再び図4を参照すると、制御部11は、UI画面u1(特に、ラジオボタンb1及びトグルボタンb2)により指定された表示履歴情報を表示情報記憶部15からRAM12に読み込み(S104)、その表示履歴情報に基づき各ページの順位を計算する(S105)。より具体的に、S105では、トグルボタンb2により指定された各項目を表す数値に重み付け係数を乗じた積の合計値をページごとに計算し、その合計値の大きさに従って各ページに順位を付ける。なお、合計値が等しいページについてはラジオボタンb3の選択結果に従って昇順又は降順により順位が付けられる。S105で計算される各ページの順位のことを以下では「表示履歴順位」と称する(後述する第2実施形態においても同様)。
【0040】
以下の表1は、図5のUI画面u1上で指定された表示履歴情報の一例である。表1の例によると、トグルボタンb2により指定された各項目(「表示時間」のみ)を表す数値に重み付け係数(100%)を乗じた積の合計値は、第2ページ、第1ページ・第4ページ、第3ページ、第5ページの順に大きい。そして、UI画面u1上のラジオボタンb3により「昇順」選択されているので、第1〜第5ページの表示履歴順位はそれぞれ2位、1位、4位、3位、5位となる。
【0041】
【表1】
【0042】
再び図4を参照すると、制御部11は、S105で計算した各ページの表示履歴順位に従って各ページの表示順番を変更する(S106)。表1の例によると、第1〜第5ページの表示順番は、各ページの表示履歴順位に従って2、1、4、3、5にそれぞれ変更される。図6は各ページの変更後の表示順番を示す概略図である。このような表示履歴情報に基づく変更後の表示順番によると、過去の表示時間が長かったページほど先に表示されることになる。これらのページはユーザにとり特に重要度が高いと考えられるので複数ページからなる表示画像を閲覧するユーザの利便性が向上することになる。
【0043】
次に、本実施形態に係る表示装置Pによる各ページの表示切り替え方法について説明する。図7は、前述した表示設定変更処理後の各ページの表示画像の一例を示す概略図である。図7には第1〜第5ページのうちの第1ページが示されているが、当該ページの表示順番は前述した表示設定変更処理により“2/5”に変更されている(図6参照)。図7のようなページ画像を閲覧するユーザは、その下方に設けられた「←前」「後→」ボタンを押下することによりページを前後に切り替えることができる。
【0044】
ここで、本実施形態に係る表示装置Pは、前述した表示履歴情報(表1参照)に基づき抽出された基準ページ(後述)の表示中に「←前」「後→」ボタンが押下された場合は、直ちにページを切り替えるのではなく、先ず「←前」「後→」ボタンに代えて「設定順序」「通常順序」からなる表示順番調節用のラジオボタンb4を表示させる。なお、ここでいう基準ページとは、表示履歴を表す数値(表示時間、表示回数等)が特に大きいページのことを指し、表1の例においては第2ページ(表示時間=15秒)、第1ページ(表示時間=5秒)、及び第4ページ(表示時間=5秒)が基準ページとして抽出される。ただし、本実施形態においては全てのページが基準ページとして抽出されてもよい。
【0045】
そして、本実施形態に係る表示装置Pは、「設定順序」のラジオボタンb4が選択された状態で「OK」ボタンが押下された場合は、前述した表示設定変更処理による変更後の表示順番(図6参照)に従ってページを前後に切り替える。つまり、図8(A)に例示するような状態で「OK」ボタンが押下された場合には、変更後の表示順番が“2/5”である第1ページは、変更後の表示順番が“3/5”である第4ページに切り替えられる(図8(B)参照)。
【0046】
他方、本実施形態に係る表示装置Pは、「通常順序」のラジオボタンb4が選択された状態で「OK」ボタンが押下された場合は、現在表示中である基準ページの表示順番に合わせて、その前後ページの表示順番を調節する。より具体的に、表示装置Pは、現在表示中である基準ページがその前後ページに切り替わるように、当該前後ページの表示順番を調節する。なお、本実施形態における「前後ページ」とは基準ページの本来の前ページ及び/又は後ページを指しており、前述した表示設定変更処理後の表示順番において基準ページの前後に位置するページとは無関係である(後述する第2実施形態においても同様である。)。
【0047】
つまり、図9(A)に例示するような状態で「OK」ボタンが押下された場合、現在表示中である第1ページは、図8(B)のように第4ページに切り替わるのではなく、第1ページの本来の後ページである第2ページに切り替わることになる(図9(B)参照)。これによりユーザは第1ページ及び第2ページに同一のコンテンツがまたがって存在していたとしても当該コンテンツを容易に確認することができる。
【0048】
以上のように、本実施形態に係る表示装置Pは、表示画像中の各ページの表示順番を各ページの表示履歴に基づき変更した後に、表示履歴に基づき抽出された基準ページの表示順番に合わせてその前後ページの表示順番を調節することができる。より具体的に、本実施形態に係る表示装置Pは、表示履歴に基づき各ページの表示順番を変更した後であっても、基準ページがその本来の前後ページに切り替わるように当該前後ページの表示順番を調節することができる。その結果、本実施形態によると、表示画像中の重要度の高いページを優先的に表示しつつ、複数ページにまたがるコンテンツ全体の確認を容易にすることができる。よって、本実施形態によると、複数ページからなる表示画像を閲覧するユーザの利便性を向上させることができる。
【0049】
<第2実施形態>
次に本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態に係る表示装置は、現在表示中のページをページごとに指定された表示時間の経過後に自動的に他のページに切り替える「自動めくり機能」を備えている。ただし、それ以外の構成は前述した第1の実施形態に係る表示装置Pと同様である(図1〜3参照)。そのため、本実施形態においても前述した第1実施形態と同一の符合を用いて表示装置及びその構成要素を参照することとする。
【0050】
図10は、本実施形態に係る表示装置Pの制御部11による表示設定変更処理の手順を示すフローチャートである。図10のフローチャートにより示されるアルゴリズムはROM13に制御プログラムとして格納されている。
【0051】
先ず、制御部11は、表示情報記憶部15に格納されている画像データをRAM12に読み込む(S201)。そして、制御部11は、表示部15による各ページの表示設定の変更指示をユーザから受け付けたかどうかを判定し(S202)、その判定結果に応じて以降の処理を分岐する。なお、本実施形態における「表示設定」とは、前述した自動めくり機能によりページを切り替える際の各ページの表示時間のことを指す。よって、本実施形態に関する以降の説明において各ページの「表示設定」と各ページの「自動めくり表示時間」とは同義である。
【0052】
ここで、制御部11は、S202で変更指示を受け付けた場合(S202のYES)、自動めくり表示時間変更用UI画面を表示部15に表示させ、当該UI画面上でユーザから各ページの自動めくり表示時間に関する詳細な指示を受け付ける(S203)。そして、制御部11は、後述するS204〜S206の手順に従って各ページの自動めくり表示時間を変更する。さらに、制御部11は、後述するS207の手順に従って基準ページの自動めくり表示時間に合わせて、その前後ページの自動めくり表示時間を調節してから(S207)、表示部15に画像データを表示する(S208)。その後、制御部11は一連の処理を終了する(エンド)。
【0053】
他方、制御部11は、S202で変更指示を受け付けなかった場合(S202のNO)、各ページの自動めくり表示時間を変更することなく表示部15に画像データを表示させる(S209)。その後、ページごとの表示履歴(表示時間、表示回数等)を表示情報記憶部15内の表示履歴情報に追記してから(S210)一連の処理を終了する(エンド)。
【0054】
続いて、本実施形態に係る自動めくり表示時間変更用UI画面u2について説明する。図11は、自動めくり表示時間変更用UI画面u2の一例を示す概略図である。同図のように、自動めくり表示時間変更用UI画面u2は、前述したUI画面u1と同様に、「日付」「指定期間」からなる期間指定用のラジオボタンb1、及び「表示時間」「表示回数」「加筆」「加筆回数」「加筆データ量」からなる重み付け用のトグルボタンb2を備えている。
【0055】
さらに、本実施形態に係る自動めくり表示時間変更用UI画面u2は、「1位ページ」「2位ページ」「3位ページ」「その他ページ」からなる自動めくり表示時間変更用の数値入力欄e1、「前ページ含」「後ページ含」からなる前後ページ指定用のトグルボタンb5、「1位ページ」「2位ページ」「3位ページ」からなる基準ページ指定用のトグルボタンb6、及び「加算」「置き換え」からなる調節方法指定用のラジオボタンb7をさらに備えている。これらのボタン及び数値入力欄について以下に詳細に説明する。
【0056】
期間指定用のラジオボタンb1は、表示装置Pが各ページの自動めくり表示時間を変更する際に参照すべき表示履歴情報の期間を指定するために用いられる。図11中の例によると、2010年06月21〜2010年07月04日の表示履歴情報が参照されることになる。
【0057】
重み付け用のトグルボタンb2は、表示装置Pが自動めくり表示時間を変更する際に参照すべき表示履歴情報の項目(表示時間、表示回数、加筆有無、加筆回数、加筆データ量等)を指定するために用いられる。なお、複数の項目が同時に指定された場合には各項目を表す数値が各項目の数値入力欄に入力された重み付け係数によって重み付けされる。図11中の例によると、各ページの「表示回数」を表す数値のみが参照されることになる。
【0058】
自動めくり表示時間変更用の数値入力欄e1は、各ページの変更後の自動めくり表示時間を指定するために用いられる。図11中の例によると、前述した表示履歴順位が1位、2位、3位のページの自動めくり表示時間がそれぞれデフォルト値から30秒、15秒、10秒に変更され、それ以外の順位(4位以下)のページの自動めくり表示時間がデフォルト値から2秒に変更されることになる。
【0059】
そして、前後ページ指定用のトグルボタンb5、基準ページ指定用のトグルボタンb6、及び調節方法指定用のラジオボタンb7は、表示装置Pが基準ページの自動めくり表示時間に合わせて基準ページの前後ページの自動めくり表示時間を調節する際の設定条件を指定するために用いられる。
【0060】
前後ページ指定用のトグルボタンb5は、自動めくり表示時間が調節されるべき前後ページの範囲を指定するために用いられる。図11中の例によると、基準ページの前1ページ自動めくり表示時間のみが調節されることになる。
【0061】
基準ページ指定用のトグルボタンb6は、履歴情報に基づいて抽出された複数のページの中から基準ページを指定するために用いられる。図11中の例によると、基準ページの候補として表示履歴順位が1位〜3位のページが抽出されており、そのうち1位のページのみが基準ページとして指定されている。
【0062】
調節方法指定用のラジオボタンb7は、基準ページの前後ページの自動めくり表示時間を調節する際の調節方法を指定するために用いられる。「加算」ボタンが選択された場合は、前後ページの自動めくり表示時間に基準ページの自動めくり表示時間が加算される。「置き換え」ボタンが選択された場合は、前後ページの自動めくり表示時間が基準ページの自動めくり表示時間で置き換えられる。
【0063】
再び図10を参照すると、制御部11は、UI画面u2(特に、ラジオボタンb1及びトグルボタンb2)により指定された表示履歴情報を表示情報記憶部15からRAM12に読み込み(S204)、その表示履歴情報に基づき各ページの表示履歴順位を計算する(S205)。より具体的に、S205では、トグルボタンb2により指定された各項目を表す数値に重み付け係数を乗じた積の合計値をページごとに計算し、その合計値に従って各ページに表示履歴順位を付ける。なお、合計値が等しいページについては昇順により順位が付けられる。
【0064】
以下の表2は、図11のUI画面u2上で指定された表示履歴情報の一例である。表2の例によると、トグルボタンb2により指定された各項目(「表示回数」のみ)を表す数値に重み付け係数(100%)を乗じた積の合計値は、第2ページ、第5ページ、第4ページ、第1ページ・第3ページの順に大きい。そのため、第1〜第5ページの表示履歴順位はそれぞれ4位、1位、5位、3位、2位となる。
【0065】
【表2】
【0066】
再び図10を参照すると、制御部11は、S205で計算した各ページの表示履歴順位に従って各ページの自動めくり表示時間を変更する(S206)。表2の例によると、第1〜第5ページの自動めくり表示時間は、UI画面u2の数値入力欄e1への入力値に従って2秒、30秒、2秒、10秒、15秒にそれぞれ変更される。図12は、各ページの変更後の自動めくり表示時間を示す概略図である。このような表示履歴情報に基づく変更後の自動めくり表示時間によると、過去の表示回数が多かったページほど長時間にわたり表示されることになる。これらのページはユーザにとり特に重要度が高いと考えられるので複数ページからなる表示画像を閲覧するユーザの利便性が向上することになる。
【0067】
再び図10を参照すると、表示装置Pは、基準ページの自動めくり表示時間に合わせてその前後ページの自動めくり表示時間を調節する(S207)。より具体的に、S207では、前後ページ指定用のトグルボタンb5により指定された前後ページの自動めくり表示時間を、調節方法指定用のラジオボタンb7により指定された調節方法に従って調節する。
【0068】
図13は、図12中の各ページの自動めくり表示時間を図11のUI画面u2上の設定条件に従って調節したときの調節後の自動めくり表示時間を示す概略図である。本例においては、基準ページ指定用のトグルボタンb6の選択結果(「1位」)に従って、表示履歴順位が1位である第2ページのみが基準ページとして指定されている。また、本例においては、前後ページ指定用のトグルボタンb5の選択結果(「前1ページ」)に従って、基準ページの前1ページの自動めくり表示時間のみが再度変更されている。
【0069】
そして、本例においては、調節方法指定用のラジオボタンb7の選択結果(「加算」)に従って、基準ページの自動めくり表示時間を前後ページの自動めくり表示時間に加算する方法が採用されている。これによりユーザは基準ページ(第2ページ)及びその前後ページ(第1ページ)に同一のコンテンツがまたがって存在していたとしても当該コンテンツ全体を容易に確認することができる。
【0070】
なお、UI画面u2上で自動めくり表示時間を調節すべきとの指示が受け付けられなかった場合、すなわち、前後ページ指定用のトグルボタンb5がいずれも選択されなかった場合、表示装置PはS207を省略して直接S208に進む。この場合、各ページの自動めくり表示時間はS206で変更された後にさらに調節されることはない。
【0071】
以上のように、本実施形態に係る表示装置Pは、表示画像中の各ページの自動めくり表示時間を各ページの表示履歴に基づき変更した後に、表示履歴に基づき抽出された基準ページの自動めくり表示時間に合わせてその前後ページの自動めくり表示時間を調節することができる。より具体的に、本実施形態に係る表示装置Pは、表示履歴に基づき各ページの自動めくり表示時間を変更した後であっても、基準ページ(第2ページ)の自動めくり表示時間(30秒)がその前後ページ(第1ページ)の自動めくり表示時間(2秒)に加算されるように当該前後ページ(第1ページ)の自動めくり表示時間を調節することができる。その結果、本実施形態によると、表示画像中の重要度の高いページを優先的に表示しつつ、複数ページにまたがるコンテンツ全体の確認を容易にすることができる。よって、本実施形態によると、複数ページからなる表示画像を閲覧するユーザの利便性を向上させることができる。
【0072】
本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲において種々改変することができる。例えば、上記実施形態では電子ペーパ(表示部15)が採用する表示方式として電気泳動方式を例に挙げたが、電子ペーパが採用する表示方式は、マイクロカプセル方式、電子粉流体方式、液晶方式、エレクトロウェッティング方式、化学変化方式等の他の表示方式であってもよい。さらに、本発明に係る表示装置Pの表示部15は電子ペーパのみに限定されず、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイのように複数のページからなる画像をページごとに表示可能な表示装置であればいかなるものであってもよい。
【0073】
なお、本発明に係る表示装置は、上記手順を実行するための専用のハードウェア回路によっても、上記手順を記述したプログラムをCPUが実行することによっても実現可能である。後者により本発明を実現する場合、表示装置を作動させるプログラムは、フロッピー(登録商標)ディスクやCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、記録装置に内蔵されたROMやハードディスク等に転送される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、表示装置の一機能としてソフトウェアに組み込まれてもよい。
【符号の説明】
【0074】
11 CPU、
12 RAM、
13 ROM、
14 表示情報記憶部、
15 表示部、
16 操作部、
u1 表示順番変更用UI画面、
u2 自動めくり表示時間変更用UI画面。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のページからなる画像をページごとに表示する画像表示装置において実行される制御方法であって、
前記表示装置によるページごとの表示履歴に基づき各ページの表示設定を変更するステップ(A)と、
前記表示履歴に基づき抽出された所定ページの前記ステップ(A)での変更後の表示設定に合わせて、前記所定ページの前後ページの前記ステップ(A)での変更後の表示設定を調節するステップ(B)と、を有する制御方法。
【請求項2】
前記ステップ(A)で変更される各ページの表示設定は、各ページの表示順番であることを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
【請求項3】
前記ステップ(A)では、前記表示履歴を表す数値が大きい順番に各ページが表示されるように各ページの表示順番が変更され、
前記ステップ(B)では、前記前後ページが前記所定ページの前後に表示されるように、前記前後ページの表示順番が調節されることを特徴とする請求項2に記載の制御方法。
【請求項4】
前記表示装置は、ページごとに指定された表示時間の経過後にページを切り替える機能を備えており、
前記ステップ(A)で変更される各ページの表示設定は、各ページの前記表示時間であることを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
【請求項5】
前記ステップ(A)では、前記表示履歴を表す数値が大きい順番に各ページの前記表示時間が長くなるように各ページの前記表示時間が変更され、
前記ステップ(B)では、前記前後ページの前記表示時間に前記所定ページの前記表示時間が加算されるように、前記前後ページの前後表示時間が調節されることを特徴とする請求項4に記載の制御方法。
【請求項6】
前記ステップ(A)では、前記表示履歴を表す数値が大きい順番に各ページの前記表示時間が長くなるように各ページの前記表示時間が変更され、
前記ステップ(B)では、前記前後ページの前記表示時間が前記所定ページの前記表示時間で置き換えられるように、前記前後ページの前後表示時間が調節されることを特徴とする請求項4に記載の制御方法。
【請求項7】
前記表示装置は、電子ペーパであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の制御方法。
【請求項8】
前記表示履歴には、前記表示装置による各ページの表示時間、各ページの表示回数、各ページの表示中の加筆回数、及び各ページの表示中の加筆量のうちの少なくとも一つが含まれることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の制御方法。
【請求項9】
複数のページからなる画像をページごとに表示する表示装置の制御プログラムであって、
前記表示装置による各ページの表示履歴に基づき各ページの表示設定を変更する手順(A)と、
前記表示履歴に基づき抽出された所定ページの前記手順(A)での変更後の表示設定に合わせて、前記所定ページの前後ページの前記手順(A)での変更後の表示設定を調節する手順(B)と、を前記表示装置に実行させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項10】
複数のページからなる画像をページごとに表示する表示装置であって、
前記表示装置による各ページの表示履歴に基づき各ページの表示設定を変更する変更部と、
前記表示履歴に基づき抽出された所定ページの前記変更部による変更後の表示設定に合わせて、前記所定ページの前後ページの前記変更部による変更後の表示設定を調節する調節部と、を有する表示装置。
【請求項1】
複数のページからなる画像をページごとに表示する画像表示装置において実行される制御方法であって、
前記表示装置によるページごとの表示履歴に基づき各ページの表示設定を変更するステップ(A)と、
前記表示履歴に基づき抽出された所定ページの前記ステップ(A)での変更後の表示設定に合わせて、前記所定ページの前後ページの前記ステップ(A)での変更後の表示設定を調節するステップ(B)と、を有する制御方法。
【請求項2】
前記ステップ(A)で変更される各ページの表示設定は、各ページの表示順番であることを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
【請求項3】
前記ステップ(A)では、前記表示履歴を表す数値が大きい順番に各ページが表示されるように各ページの表示順番が変更され、
前記ステップ(B)では、前記前後ページが前記所定ページの前後に表示されるように、前記前後ページの表示順番が調節されることを特徴とする請求項2に記載の制御方法。
【請求項4】
前記表示装置は、ページごとに指定された表示時間の経過後にページを切り替える機能を備えており、
前記ステップ(A)で変更される各ページの表示設定は、各ページの前記表示時間であることを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
【請求項5】
前記ステップ(A)では、前記表示履歴を表す数値が大きい順番に各ページの前記表示時間が長くなるように各ページの前記表示時間が変更され、
前記ステップ(B)では、前記前後ページの前記表示時間に前記所定ページの前記表示時間が加算されるように、前記前後ページの前後表示時間が調節されることを特徴とする請求項4に記載の制御方法。
【請求項6】
前記ステップ(A)では、前記表示履歴を表す数値が大きい順番に各ページの前記表示時間が長くなるように各ページの前記表示時間が変更され、
前記ステップ(B)では、前記前後ページの前記表示時間が前記所定ページの前記表示時間で置き換えられるように、前記前後ページの前後表示時間が調節されることを特徴とする請求項4に記載の制御方法。
【請求項7】
前記表示装置は、電子ペーパであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の制御方法。
【請求項8】
前記表示履歴には、前記表示装置による各ページの表示時間、各ページの表示回数、各ページの表示中の加筆回数、及び各ページの表示中の加筆量のうちの少なくとも一つが含まれることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の制御方法。
【請求項9】
複数のページからなる画像をページごとに表示する表示装置の制御プログラムであって、
前記表示装置による各ページの表示履歴に基づき各ページの表示設定を変更する手順(A)と、
前記表示履歴に基づき抽出された所定ページの前記手順(A)での変更後の表示設定に合わせて、前記所定ページの前後ページの前記手順(A)での変更後の表示設定を調節する手順(B)と、を前記表示装置に実行させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項10】
複数のページからなる画像をページごとに表示する表示装置であって、
前記表示装置による各ページの表示履歴に基づき各ページの表示設定を変更する変更部と、
前記表示履歴に基づき抽出された所定ページの前記変更部による変更後の表示設定に合わせて、前記所定ページの前後ページの前記変更部による変更後の表示設定を調節する調節部と、を有する表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−141816(P2012−141816A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−294449(P2010−294449)
【出願日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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