表示装置及びこれを搭載した画像形成装置
【課題】機器に装飾を施すのに際し、コストアップを抑制しつつ、差別化が図られるとともに、リサイクル及び省資源化対策が施され、環境問題に対応した表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置１０は、凸部１１ｂを設けたベース部材１１、貫通孔１２ａを設けた装飾シート１２、及び透明部材１３を備える。そして、凸部１１ｂを貫通孔１２ａに挿入することによりベース部材１１に位置決めして載置した交換自在な装飾シート１２をカバーするように、透明部材１３をベース部材１１に着脱自在に設ける。これにより、機器の装飾を変更する必要がある場合、装飾シート１２を交換するだけで済む。したがって、合成樹脂製の表示板を使用する場合と比較して、装飾シート１２の作成や表示の印刷等に必要な材料や装置、金型、加工等に関して、省資源化を図ることができるとともに、リサイクル性、コストアップの抑制についてもその性能を向上させることが可能となる。
【解決手段】表示装置１０は、凸部１１ｂを設けたベース部材１１、貫通孔１２ａを設けた装飾シート１２、及び透明部材１３を備える。そして、凸部１１ｂを貫通孔１２ａに挿入することによりベース部材１１に位置決めして載置した交換自在な装飾シート１２をカバーするように、透明部材１３をベース部材１１に着脱自在に設ける。これにより、機器の装飾を変更する必要がある場合、装飾シート１２を交換するだけで済む。したがって、合成樹脂製の表示板を使用する場合と比較して、装飾シート１２の作成や表示の印刷等に必要な材料や装置、金型、加工等に関して、省資源化を図ることができるとともに、リサイクル性、コストアップの抑制についてもその性能を向上させることが可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、機器の社名や製品名、機種名、性能、機能、仕様、操作方法、誤動作対処方法等の情報表示、或いは社名や製品名等の周辺に描画する図柄や模様等といった装飾のために用いられる表示装置に関する。また、この表示装置を搭載した画像形成装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
複写機やプリンタに代表される画像形成装置等の機器では、その外装カバーに、機器の社名や製品名、機種名、性能、機能、仕様、操作方法、誤動作対処方法等の情報表示、或いは社名や製品名等の周辺に描画する図柄や模様等といった装飾を施すことが一般的に行われている。このような機器の装飾には、機器の外装カバーに直接印刷や凹凸のある成形を施したり、情報や模様を印刷したラベルを接着剤や両面テープ等の粘着部材を用いて貼付したりするといった方法が採用されている。
【０００３】
しかしながら、上記のような機器の装飾手法では、次のような問題が生じる。機器の外装カバーに直接印刷や凹凸のある成形を施す場合には、異なる機種で外装カバーを共用する際や、様々な国に輸出する際に、機種や使用言語毎に印刷や成形を変更する必要がある。これにより、印刷や成形に係る装置や治具、加工が必要となり、大幅なコストアップが生じる恐れがある。また、情報や模様を印刷したラベルを接着剤や両面テープ等の粘着部材を用いて貼付する場合には、機器をリサイクルする際にラベルを剥がす必要があり、その作業性が悪いことが懸念されている。
【０００４】
そこで、これらの問題に対して、コストアップやリサイクル時の作業性の悪化を防止して、機器の外装カバーに製品名や機種名等の情報表示を行う手法が提案され、その一例を特許文献１に見ることができる。
【０００５】
特許文献１に記載の機器における表示板取付方法は、機器情報を印刷した合成樹脂製のプレート状の表示板が、着脱自在に機器の外装カバーに設けられ、表示板を外装カバーに取り付け後に機器の輸出先が変更になった際には、表示板のみを交換して対処できるようにしている。
【特許文献１】特開平９−２１８５５０号公報（第２−３頁、図２）
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
特許文献１に記載の機器における表示板取付方法は、機器情報を変更する必要がある場合、合成樹脂製の表示板を交換するだけで済むので、外装カバーに表示を直接印刷したり、接着剤等を使用してラベルを貼付したりすることと比較すると、コストアップやリサイクル時の作業性悪化の防止に対しては効果があると考えられる。しかしながら、合成樹脂製の表示板を交換するだけであるとしても、その表示板の成形や表示の印刷等に多くの材料や装置、金型、加工等が必要になるので、昨今様々な分野で推し進められている省資源化という観点から好ましくない。さらに、リサイクル性の向上、コストアップの防止についても、効果を上げるための改善の余地があると考えられる。
【０００７】
また、従来のラベルの貼付による装飾手法や、特許文献１に記載の表示板取付方法では、平面的で単調な装飾になり易いので、他の製品との差別化を図るのが困難である。そして、これらの方法で、立体的で多様性に富んだ装飾を施すとなると、前述のように大幅なコストアップが生じる恐れがある。さらに、カラー印刷仕様の画像形成装置に「カラー」の表示をする等、機器の仕様や特徴を、機器の外装カバーに装飾として施す場合、各国の文化やユーザー自身の個性や好みの関係で、機器固有の一様な装飾にすることに不都合が生じている。
【０００８】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、機器に、社名、製品名等の情報表示やそれらの周辺に描画する模様といった装飾を施すのに際し、コストアップを抑制しつつ、多様な装飾によって差別化が図られ、付加価値が高められるとともに、リサイクル、及び省資源化対策が施され、環境問題に対応した表示装置を提供することを目的とする。また、このような表示装置を搭載した画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
上記の課題を解決するため、本発明は、表面に装飾が可能な凸部を設けたベース部材と、貫通孔を設けた装飾シートと、透明部材とを備えるとともに、前記凸部を前記貫通孔に挿入することにより前記ベース部材に位置決めして載置した交換自在な前記装飾シートをカバーするように、前記透明部材を前記ベース部材に着脱自在に設けることとした。
【００１０】
また、上記構成の表示装置において、前記透明部材は、前記凸部が嵌合する凹部を備えることとした。
【００１１】
また、上記構成の表示装置において、前記凸部表面と、前記装飾シートとの双方に、同様の、或いは異なる装飾を施すこととした。
【００１２】
また、上記構成の表示装置において、前記凸部は、その高さが、前記装飾シートの厚みより高いこととした。
【００１３】
また、上記構成の表示装置において、前記装飾シートは、表裏に異なる装飾を備えることとした。
【００１４】
また、上記構成の表示装置において、装飾の異なる複数枚の前記装飾シートが、１枚のシート部材にレイアウトされ、このシート部材から装飾シートを選択して使用することとした。
【００１５】
また、上記構成の表示装置において、前記ベース部材に、複数枚の前記装飾シートを重ねて備えることとした。
【００１６】
また本発明では、上記表示装置を画像形成装置に搭載することとした。
【発明の効果】
【００１７】
本発明の構成によれば、表面に装飾が可能な凸部を設けたベース部材と、貫通孔を設けた装飾シートと、透明部材とを備えるとともに、前記凸部を前記貫通孔に挿入することによりベース部材に位置決めして載置した交換自在な装飾シートをカバーするように、透明部材をベース部材に着脱自在に設けることとしたので、機器の装飾を変更する必要がある場合、装飾シートを交換するだけで済む。これにより、合成樹脂製の表示板を使用する場合と比較して、装飾シートの作成や表示の印刷等に必要な材料や装置、金型、加工等に関して、省資源化を図ることができるとともに、リサイクル性、コストアップの抑制についてもその性能を向上させることが可能となる。このようにして、コストアップの抑制が図られるとともに、リサイクル、省資源化対策が施され、環境問題に対応した表示装置を得ることができる。そして、この表示装置は、装飾シートの位置決めを容易に行うことができるので、リサイクル性、省資源化の考慮に加えて、装飾の視認性も向上させることが可能となる。
【００１８】
また、透明部材は、ベース部材の凸部が嵌合する凹部を備えることとしたので、容易に透明部材の位置決めを行うことが可能となる。したがって、上記のようにリサイクル性、省資源化が考慮された表示装置において、透明部材の、ベース部材への正確な取り付けが簡単になり、装飾の視認性も一層向上する。
【００１９】
また、ベース部材の凸部表面と、装飾シートとの双方に、同様の、或いは異なる装飾を施すこととしたので、例えば、凸部にロゴマーク、装飾シートに製品名を記載したり、双方の色調や表面加工を同じにしたり、異ならせたりして、多様性に富んだ装飾を施すことが可能となる。したがって、表示装置は、各国の文化やユーザー自身の個性や好みに対応して自由にカスタマイズすることができ、付加価値が高められる。
【００２０】
また、ベース部材の凸部は、その高さが、装飾シートの厚みより高いこととしたので、これらの部材を立体的に見ることができる。これにより、表示装置に、立体感を持たせた装飾を施すことが可能となる。したがって、装飾がさらに多様化し、鮮明な視認性も確保することができ、他との差別化が推進され、付加価値が一層向上した表示装置を得ることができる。
【００２１】
また、装飾シートは、表裏に異なる装飾を備えることとしたので、装飾シートを交換することなく、２種類の装飾を選択することができる。これにより、装飾シートを２枚用意する必要がないので、低コストで、省資源化を図りつつ、異なる装飾を施すことが可能になる。
【００２２】
また、装飾の異なる複数枚の装飾シートが、１枚のシート部材にレイアウトされ、このシート部材から装飾シートを選択して使用することとしたので、ユーザー自身が、個性や好みに応じて自由に表示装置の装飾を選択することができる。このような簡便な構成の、複数枚の装飾シートにより、さらにコストアップを抑制しつつ、多様な装飾による差別化、付加価値を向上させることが可能となる。
【００２３】
また、ベース部材に、複数枚の装飾シートを重ねて備えることとしたので、例えば、表面に近い装飾シートに透明、或いは半透明の装飾シートを用いることにより、装飾の多様性をさらに増大させることが可能となる。したがって、低コストで、省資源化を図りつつ、多様な装飾を施すことができる作用がさらに向上する。
【００２４】
また本発明では、上記表示装置を画像形成装置に搭載することとしたので、社名、製品名等の情報表示やそれらの周辺に描画する模様といった装飾を施すのに際し、コストアップを抑制しつつ、多様な装飾によって差別化が図られ、付加価値が高められるとともに、リサイクル、及び省資源化対策が施され、環境問題に対応した画像形成装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２５】
以下、本発明の実施形態を図１〜図７に基づき説明する。ここでは、本発明の表示装置を搭載した機器の一例として画像形成装置（プリンタ）を挙げて説明するものとする。
【００２６】
最初に、本発明の第１の実施形態に係る表示装置について、図１〜図６を用いてその構造を説明する。図１は表示装置を搭載したプリンタの模型的斜視図、図２はプリンタの前面の部分拡大斜視図にして、表示装置を分解した状態を示すもの、図３は表示装置の拡大斜視図にして、ベース部材に装飾シートを載置した状態を示すもの、図４は表示装置の垂直断面右側面図である。図５は装飾シートの表裏を示す斜視図、図６は１枚のシート部材にレイアウトされた複数枚の装飾シートを示す斜視図である。
【００２７】
図１に示すように、プリンタ１の本体２は、外装カバー３で覆われている。そして、プリンタ１は、本体２の下部に給紙カセット４を備えている。給紙カセット４は、本体２に対して、その前面側から水平に引き出すことができ、ここに印刷前の用紙が積まれて収容されている。本体２前面であって、給紙カセット４の上方には、手差し給紙トレイ５が設けられている。この手差し給紙トレイ５は、本体２の前面側に回動して開放可能であり、ここに給紙カセット４に入っていないサイズの用紙や、ＯＨＰシートのように１枚ずつ送り込みたいものが載置される。
【００２８】
本体２の上部には、用紙排出トレイ６が設けられている。給紙カセット４や手差し給紙トレイ５から送り出された用紙は、本体２内部の図示しない画像形成部や定着部等を通過して、その表面に画像が形成された後、用紙排出口７から用紙排出トレイ６に排出される。
【００２９】
図１、及び図２に示すように、本体２前面の外装カバー３には、その上部に、表示装置１０が設けられている。表示装置１０は、プリンタ１の社名や機種名を表示し、そしてその周辺に図柄や模様を施すためのものである。
【００３０】
表示装置１０は、図２に示すように、ベース部材１１、装飾シート１２、及び透明部材１３を備えている。外装カバー３に対して、表示装置１０は、ベース部材１１でもって固定されている。
【００３１】
ベース部材１１は、その主たるところが、略矩形の平板状の基部１１ａで構成されている。この基部１１ａの表面の略中央部には、同じく略矩形の平板状の凸部１１ｂが１箇所設けられている。凸部１１ｂは、プリンタ１の前方に向かって突出する形で形成されている。この凸部１１ｂの表面には、図３に示すように、社名や機種名といった機器情報が記載されている。また、ベース部材１１は、基部１１ａの左右両側面近傍に、横方向に並べて配置した２箇所の係合孔１１ｃを備えている。
【００３２】
装飾シート１２は、紙、またはフィルム状の合成樹脂で構成され、ベース部材１１の基部１１ａから上下左右の外側に突き出さない大きさである。図２〜図４に示すように、装飾シート１２の略中央部には、貫通孔１２ａが１箇所設けられている。この貫通孔１２ａは、ベース部材１１の凸部１１ｂを受け入れる大きさであり、凸部１１ｂに対応する箇所に設けられている。装飾シート１２は、ベース部材１１に載置する時、装飾シート１２に向かって突出する凸部１１ｂを貫通孔１２ａに挿入することにより、ベース部材１１に対して位置決めがなされる。
【００３３】
装飾シート１２は、例えばカラー印刷仕様の「カラー」を意味する装飾等のように、機器の仕様や特徴を装飾として施したり、差別化を図るためにユーザー自身の個性や好みで選択、或いは描画した模様等の装飾を施したりすることができ（図３参照）、交換自在である。なお、装飾シート１２表面の装飾は、ベース部材１１の凸部１１ｂ表面の装飾と同様の装飾にして、統一感を持たせるようにすることもできる。
【００３４】
これに関連して、装飾シート１２は、図５に示すように、その表面１２ｂと、裏面１２ｃとに、異なる装飾を備えている。これにより、１枚の装飾シート１２で、２種類の装飾を選択することができる。また、表示装置１０は、図６に示すように、装飾の異なる複数枚の装飾シート１２が１枚にレイアウトされたシート部材１４を備えている。装飾シート１２は、このシート部材１４から選択し、取り外して使用することができる。
【００３５】
透明部材１３は、図２、及び図４に示すように、装飾シート１２の前方に、装飾シート１２をカバーするようにベース部材１１に設けられる。透明部材１３は、透明の合成樹脂で構成され、装飾シート１２表面全体をカバーできる大きさである。
【００３６】
透明部材１３の横方向両側には、図２に示すように、ベース部材１１に向かって延びるフック１３ａが各１本ずつ設けられている。透明部材１３は、このフック１３ａを、ベース部材１１に設けられた係合孔１１ｃに挿入して引っ掛けることにより、装飾シート１２を保持しつつ、ベース部材１１から脱落しないように取り付けることができる。フック１３ａを係合孔１１ｃに引っ掛けたり、それを解除したりすることにより、透明部材１３、及び装飾シート１２は、着脱自在にベース部材１１に設けられる。
【００３７】
また、透明部材１３は、裏面、すなわちベース部材１１側の面の略中央部に、プリンタ１の前方に向かって窪んだ形で形成された、略矩形の凹部１３ｂを１箇所備えている。この凹部１３ｂは、ベース部材１１の凸部１１ｂを受け入れる大きさであり、凸部１１ｂに対応する箇所に設けられている。透明部材１３をベース部材１１に取り付ける際、透明部材１３に向かって突出する凸部１１ｂが、凹部１３ｂに嵌合するようにして取り付ける。なお、図４に示すように、ベース部材１１の凸部１１ｂは、基部１１ａに対するその高さが、装飾シート１２の厚みより高くなっている。
【００３８】
このようにして、表面に装飾が可能な凸部１１ｂを設けたベース部材１１と、貫通孔１２ａを設けた装飾シート１２と、透明部材１３とを備えるとともに、前記凸部１１ｂを前記貫通孔１２ａに挿入することによりベース部材１１に位置決めして載置した交換自在な装飾シート１２をカバーするように、透明部材１３をベース部材１１に着脱自在に設けたので、プリンタ１の装飾を変更する必要がある場合、装飾シート１２を交換するだけで済む。これにより、合成樹脂製の表示板を使用する場合と比較して、装飾シート１２の作成や表示の印刷等に必要な材料や装置、金型、加工等に関して、省資源化を図ることができるとともに、リサイクル性、コストアップの抑制についてもその性能を向上させることが可能となる。このようにして、コストアップの抑制が図られるとともに、リサイクル、省資源化対策が施され、環境問題に対応した表示装置１０を得ることができる。そして、この表示装置１０は、装飾シート１２の位置決めを容易に行うことができるので、リサイクル性、省資源化の考慮に加えて、装飾の視認性も向上させることが可能となる。
【００３９】
また、透明部材１３は、ベース部材１１の凸部１１ｂが嵌合する凹部１３ｂを備えたので、容易に透明部材１３の位置決めを行うことが可能となる。したがって、上記のようにリサイクル性、省資源化が考慮された表示装置１０において、透明部材１３の、ベース部材１１への正確な取り付けが簡単になり、装飾の視認性も一層向上する。
【００４０】
また、ベース部材１１の凸部１１ｂ表面と、装飾シート１２との双方に、同様の、或いは異なる装飾を施したので、凸部１１ｂに社名、装飾シート１２に模様を描画したり、双方の色調や表面加工を同じにしたり、異ならせたりして、多様性に富んだ装飾を施すことが可能となる。したがって、表示装置１０は、各国の文化やユーザー自身の個性や好みに対応して自由にカスタマイズすることができ、付加価値が高められる。
【００４１】
そして、ベース部材１１の凸部１１ｂは、その高さが、装飾シート１２の厚みより高いので、これらの部材を立体的に見ることができる。これにより、表示装置１０に、立体感を持たせた装飾を施すことが可能となる。したがって、装飾がさらに多様化し、鮮明な視認性も確保することができ、他との差別化が推進され、付加価値が一層向上した表示装置１０を得ることができる。
【００４２】
また、装飾シート１２は、表裏に異なる装飾を備えるので、装飾シート１２を交換することなく、２種類の装飾を選択することができる。これにより、装飾シート１２を２枚用意する必要がないので、低コストで、省資源化を図りつつ、異なる装飾を施すことが可能になる。
【００４３】
さらに、装飾の異なる複数枚の装飾シート１２が、１枚のシート部材にレイアウト１４され、このシート部材１４から装飾シート１２を選択して使用するので、ユーザー自身が、個性や好みに応じて自由に表示装置１０の装飾を選択することができる。このような簡便な構成の、複数枚の装飾シート１２により、さらにコストアップを抑制しつつ、多様な装飾による差別化、付加価値を向上させることが可能となる。
【００４４】
また本発明では、上記表示装置１０を画像形成装置であるプリンタ１に搭載したので、社名、製品名等の情報表示やそれらの周辺に描画する模様といった装飾を施すのに際し、コストアップを抑制しつつ、多様な装飾によって差別化が図られ、付加価値が高められるとともに、リサイクル、及び省資源化対策が施され、環境問題に対応したプリンタ１を得ることができる。
【００４５】
次に、本発明の第２の実施形態に係る表示装置について、図７を用いてその構造を説明する。図７は、プリンタの前面の部分拡大斜視図にして、表示装置を分解した状態を示すものである。なお、この実施形態の基本的な構成は、図１〜図６を用いて説明した前記第１の実施形態と同じであるので、第１の実施形態と共通する構成については図面の記載、及びその説明を省略するものとする。
【００４６】
図７に示す第２の実施形態に係る表示装置１０では、ベース部材１１、及び透明部材１３との間に、２枚の装飾シート１２を重ねて備えている。なお、表示装置１０は、２枚を超える複数枚の装飾シート１２を重ねて備えるように構成することもできる。
【００４７】
このようにして、表示装置１０は、複数枚の装飾シート１２を重ねて備えたので、例えば、表面に近い装飾シート１２に透明、或いは半透明の装飾シート１２を用いることにより、装飾の多様性をさらに増大させることが可能となる。したがって、低コストで、省資源化を図りつつ、多様な装飾を施すことができる作用がさらに向上する。
【００４８】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【００４９】
すなわち、第１、及び第２の実施形態において、ベース部材１１に設けた凸部１１ｂは、略矩形の平板状のものを基部１１ａの表面の略中央部に１箇所備えることとしたが、凸部１１ｂの構成はこれに限定されるわけではなく、その形状や配置、数量を変更しても構わない。例えば、凸部１１ｂは、円形のものを、横方向、或いは上下方向に複数個並べるようにすることもできるし、凸部１１ｂ自体の形状で、機種名やロゴマークを構成することもできる。
【産業上の利用可能性】
【００５０】
本発明は、機器の情報表示全般において利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【００５１】
【図１】本発明の第１の実施形態に係る表示装置を搭載したプリンタの模型的斜視図である。
【図２】図１に示すプリンタの前面の部分拡大斜視図にして、表示装置を分解した状態を示すものである。
【図３】図２に示す表示装置の拡大斜視図にして、ベース部材に装飾シートを載置した状態を示すものである。
【図４】図２に示す表示装置の垂直断面右側面図である。
【図５】図２に示す表示装置の装飾シートの表裏を示す斜視図である。
【図６】１枚のシート部材にレイアウトされた複数枚の装飾シートを示す斜視図である。
【図７】本発明の第２の実施形態に係る表示装置を搭載したプリンタの前面の部分拡大斜視図にして、表示装置を分解した状態を示すものである。
【符号の説明】
【００５２】
１ プリンタ（画像形成装置、機器）
２ 本体
３ 外装カバー
１０ 表示装置
１１ ベース部材
１１ａ 基部
１１ｂ 凸部
１１ｃ 係合孔
１２ 装飾シート
１２ａ 貫通孔
１２ｂ 表面
１２ｃ 裏面
１３ 透明部材
１３ａ フック
１３ｂ 凹部
１４ シート部材
【技術分野】
【０００１】
本発明は、機器の社名や製品名、機種名、性能、機能、仕様、操作方法、誤動作対処方法等の情報表示、或いは社名や製品名等の周辺に描画する図柄や模様等といった装飾のために用いられる表示装置に関する。また、この表示装置を搭載した画像形成装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
複写機やプリンタに代表される画像形成装置等の機器では、その外装カバーに、機器の社名や製品名、機種名、性能、機能、仕様、操作方法、誤動作対処方法等の情報表示、或いは社名や製品名等の周辺に描画する図柄や模様等といった装飾を施すことが一般的に行われている。このような機器の装飾には、機器の外装カバーに直接印刷や凹凸のある成形を施したり、情報や模様を印刷したラベルを接着剤や両面テープ等の粘着部材を用いて貼付したりするといった方法が採用されている。
【０００３】
しかしながら、上記のような機器の装飾手法では、次のような問題が生じる。機器の外装カバーに直接印刷や凹凸のある成形を施す場合には、異なる機種で外装カバーを共用する際や、様々な国に輸出する際に、機種や使用言語毎に印刷や成形を変更する必要がある。これにより、印刷や成形に係る装置や治具、加工が必要となり、大幅なコストアップが生じる恐れがある。また、情報や模様を印刷したラベルを接着剤や両面テープ等の粘着部材を用いて貼付する場合には、機器をリサイクルする際にラベルを剥がす必要があり、その作業性が悪いことが懸念されている。
【０００４】
そこで、これらの問題に対して、コストアップやリサイクル時の作業性の悪化を防止して、機器の外装カバーに製品名や機種名等の情報表示を行う手法が提案され、その一例を特許文献１に見ることができる。
【０００５】
特許文献１に記載の機器における表示板取付方法は、機器情報を印刷した合成樹脂製のプレート状の表示板が、着脱自在に機器の外装カバーに設けられ、表示板を外装カバーに取り付け後に機器の輸出先が変更になった際には、表示板のみを交換して対処できるようにしている。
【特許文献１】特開平９−２１８５５０号公報（第２−３頁、図２）
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
特許文献１に記載の機器における表示板取付方法は、機器情報を変更する必要がある場合、合成樹脂製の表示板を交換するだけで済むので、外装カバーに表示を直接印刷したり、接着剤等を使用してラベルを貼付したりすることと比較すると、コストアップやリサイクル時の作業性悪化の防止に対しては効果があると考えられる。しかしながら、合成樹脂製の表示板を交換するだけであるとしても、その表示板の成形や表示の印刷等に多くの材料や装置、金型、加工等が必要になるので、昨今様々な分野で推し進められている省資源化という観点から好ましくない。さらに、リサイクル性の向上、コストアップの防止についても、効果を上げるための改善の余地があると考えられる。
【０００７】
また、従来のラベルの貼付による装飾手法や、特許文献１に記載の表示板取付方法では、平面的で単調な装飾になり易いので、他の製品との差別化を図るのが困難である。そして、これらの方法で、立体的で多様性に富んだ装飾を施すとなると、前述のように大幅なコストアップが生じる恐れがある。さらに、カラー印刷仕様の画像形成装置に「カラー」の表示をする等、機器の仕様や特徴を、機器の外装カバーに装飾として施す場合、各国の文化やユーザー自身の個性や好みの関係で、機器固有の一様な装飾にすることに不都合が生じている。
【０００８】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、機器に、社名、製品名等の情報表示やそれらの周辺に描画する模様といった装飾を施すのに際し、コストアップを抑制しつつ、多様な装飾によって差別化が図られ、付加価値が高められるとともに、リサイクル、及び省資源化対策が施され、環境問題に対応した表示装置を提供することを目的とする。また、このような表示装置を搭載した画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
上記の課題を解決するため、本発明は、表面に装飾が可能な凸部を設けたベース部材と、貫通孔を設けた装飾シートと、透明部材とを備えるとともに、前記凸部を前記貫通孔に挿入することにより前記ベース部材に位置決めして載置した交換自在な前記装飾シートをカバーするように、前記透明部材を前記ベース部材に着脱自在に設けることとした。
【００１０】
また、上記構成の表示装置において、前記透明部材は、前記凸部が嵌合する凹部を備えることとした。
【００１１】
また、上記構成の表示装置において、前記凸部表面と、前記装飾シートとの双方に、同様の、或いは異なる装飾を施すこととした。
【００１２】
また、上記構成の表示装置において、前記凸部は、その高さが、前記装飾シートの厚みより高いこととした。
【００１３】
また、上記構成の表示装置において、前記装飾シートは、表裏に異なる装飾を備えることとした。
【００１４】
また、上記構成の表示装置において、装飾の異なる複数枚の前記装飾シートが、１枚のシート部材にレイアウトされ、このシート部材から装飾シートを選択して使用することとした。
【００１５】
また、上記構成の表示装置において、前記ベース部材に、複数枚の前記装飾シートを重ねて備えることとした。
【００１６】
また本発明では、上記表示装置を画像形成装置に搭載することとした。
【発明の効果】
【００１７】
本発明の構成によれば、表面に装飾が可能な凸部を設けたベース部材と、貫通孔を設けた装飾シートと、透明部材とを備えるとともに、前記凸部を前記貫通孔に挿入することによりベース部材に位置決めして載置した交換自在な装飾シートをカバーするように、透明部材をベース部材に着脱自在に設けることとしたので、機器の装飾を変更する必要がある場合、装飾シートを交換するだけで済む。これにより、合成樹脂製の表示板を使用する場合と比較して、装飾シートの作成や表示の印刷等に必要な材料や装置、金型、加工等に関して、省資源化を図ることができるとともに、リサイクル性、コストアップの抑制についてもその性能を向上させることが可能となる。このようにして、コストアップの抑制が図られるとともに、リサイクル、省資源化対策が施され、環境問題に対応した表示装置を得ることができる。そして、この表示装置は、装飾シートの位置決めを容易に行うことができるので、リサイクル性、省資源化の考慮に加えて、装飾の視認性も向上させることが可能となる。
【００１８】
また、透明部材は、ベース部材の凸部が嵌合する凹部を備えることとしたので、容易に透明部材の位置決めを行うことが可能となる。したがって、上記のようにリサイクル性、省資源化が考慮された表示装置において、透明部材の、ベース部材への正確な取り付けが簡単になり、装飾の視認性も一層向上する。
【００１９】
また、ベース部材の凸部表面と、装飾シートとの双方に、同様の、或いは異なる装飾を施すこととしたので、例えば、凸部にロゴマーク、装飾シートに製品名を記載したり、双方の色調や表面加工を同じにしたり、異ならせたりして、多様性に富んだ装飾を施すことが可能となる。したがって、表示装置は、各国の文化やユーザー自身の個性や好みに対応して自由にカスタマイズすることができ、付加価値が高められる。
【００２０】
また、ベース部材の凸部は、その高さが、装飾シートの厚みより高いこととしたので、これらの部材を立体的に見ることができる。これにより、表示装置に、立体感を持たせた装飾を施すことが可能となる。したがって、装飾がさらに多様化し、鮮明な視認性も確保することができ、他との差別化が推進され、付加価値が一層向上した表示装置を得ることができる。
【００２１】
また、装飾シートは、表裏に異なる装飾を備えることとしたので、装飾シートを交換することなく、２種類の装飾を選択することができる。これにより、装飾シートを２枚用意する必要がないので、低コストで、省資源化を図りつつ、異なる装飾を施すことが可能になる。
【００２２】
また、装飾の異なる複数枚の装飾シートが、１枚のシート部材にレイアウトされ、このシート部材から装飾シートを選択して使用することとしたので、ユーザー自身が、個性や好みに応じて自由に表示装置の装飾を選択することができる。このような簡便な構成の、複数枚の装飾シートにより、さらにコストアップを抑制しつつ、多様な装飾による差別化、付加価値を向上させることが可能となる。
【００２３】
また、ベース部材に、複数枚の装飾シートを重ねて備えることとしたので、例えば、表面に近い装飾シートに透明、或いは半透明の装飾シートを用いることにより、装飾の多様性をさらに増大させることが可能となる。したがって、低コストで、省資源化を図りつつ、多様な装飾を施すことができる作用がさらに向上する。
【００２４】
また本発明では、上記表示装置を画像形成装置に搭載することとしたので、社名、製品名等の情報表示やそれらの周辺に描画する模様といった装飾を施すのに際し、コストアップを抑制しつつ、多様な装飾によって差別化が図られ、付加価値が高められるとともに、リサイクル、及び省資源化対策が施され、環境問題に対応した画像形成装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２５】
以下、本発明の実施形態を図１〜図７に基づき説明する。ここでは、本発明の表示装置を搭載した機器の一例として画像形成装置（プリンタ）を挙げて説明するものとする。
【００２６】
最初に、本発明の第１の実施形態に係る表示装置について、図１〜図６を用いてその構造を説明する。図１は表示装置を搭載したプリンタの模型的斜視図、図２はプリンタの前面の部分拡大斜視図にして、表示装置を分解した状態を示すもの、図３は表示装置の拡大斜視図にして、ベース部材に装飾シートを載置した状態を示すもの、図４は表示装置の垂直断面右側面図である。図５は装飾シートの表裏を示す斜視図、図６は１枚のシート部材にレイアウトされた複数枚の装飾シートを示す斜視図である。
【００２７】
図１に示すように、プリンタ１の本体２は、外装カバー３で覆われている。そして、プリンタ１は、本体２の下部に給紙カセット４を備えている。給紙カセット４は、本体２に対して、その前面側から水平に引き出すことができ、ここに印刷前の用紙が積まれて収容されている。本体２前面であって、給紙カセット４の上方には、手差し給紙トレイ５が設けられている。この手差し給紙トレイ５は、本体２の前面側に回動して開放可能であり、ここに給紙カセット４に入っていないサイズの用紙や、ＯＨＰシートのように１枚ずつ送り込みたいものが載置される。
【００２８】
本体２の上部には、用紙排出トレイ６が設けられている。給紙カセット４や手差し給紙トレイ５から送り出された用紙は、本体２内部の図示しない画像形成部や定着部等を通過して、その表面に画像が形成された後、用紙排出口７から用紙排出トレイ６に排出される。
【００２９】
図１、及び図２に示すように、本体２前面の外装カバー３には、その上部に、表示装置１０が設けられている。表示装置１０は、プリンタ１の社名や機種名を表示し、そしてその周辺に図柄や模様を施すためのものである。
【００３０】
表示装置１０は、図２に示すように、ベース部材１１、装飾シート１２、及び透明部材１３を備えている。外装カバー３に対して、表示装置１０は、ベース部材１１でもって固定されている。
【００３１】
ベース部材１１は、その主たるところが、略矩形の平板状の基部１１ａで構成されている。この基部１１ａの表面の略中央部には、同じく略矩形の平板状の凸部１１ｂが１箇所設けられている。凸部１１ｂは、プリンタ１の前方に向かって突出する形で形成されている。この凸部１１ｂの表面には、図３に示すように、社名や機種名といった機器情報が記載されている。また、ベース部材１１は、基部１１ａの左右両側面近傍に、横方向に並べて配置した２箇所の係合孔１１ｃを備えている。
【００３２】
装飾シート１２は、紙、またはフィルム状の合成樹脂で構成され、ベース部材１１の基部１１ａから上下左右の外側に突き出さない大きさである。図２〜図４に示すように、装飾シート１２の略中央部には、貫通孔１２ａが１箇所設けられている。この貫通孔１２ａは、ベース部材１１の凸部１１ｂを受け入れる大きさであり、凸部１１ｂに対応する箇所に設けられている。装飾シート１２は、ベース部材１１に載置する時、装飾シート１２に向かって突出する凸部１１ｂを貫通孔１２ａに挿入することにより、ベース部材１１に対して位置決めがなされる。
【００３３】
装飾シート１２は、例えばカラー印刷仕様の「カラー」を意味する装飾等のように、機器の仕様や特徴を装飾として施したり、差別化を図るためにユーザー自身の個性や好みで選択、或いは描画した模様等の装飾を施したりすることができ（図３参照）、交換自在である。なお、装飾シート１２表面の装飾は、ベース部材１１の凸部１１ｂ表面の装飾と同様の装飾にして、統一感を持たせるようにすることもできる。
【００３４】
これに関連して、装飾シート１２は、図５に示すように、その表面１２ｂと、裏面１２ｃとに、異なる装飾を備えている。これにより、１枚の装飾シート１２で、２種類の装飾を選択することができる。また、表示装置１０は、図６に示すように、装飾の異なる複数枚の装飾シート１２が１枚にレイアウトされたシート部材１４を備えている。装飾シート１２は、このシート部材１４から選択し、取り外して使用することができる。
【００３５】
透明部材１３は、図２、及び図４に示すように、装飾シート１２の前方に、装飾シート１２をカバーするようにベース部材１１に設けられる。透明部材１３は、透明の合成樹脂で構成され、装飾シート１２表面全体をカバーできる大きさである。
【００３６】
透明部材１３の横方向両側には、図２に示すように、ベース部材１１に向かって延びるフック１３ａが各１本ずつ設けられている。透明部材１３は、このフック１３ａを、ベース部材１１に設けられた係合孔１１ｃに挿入して引っ掛けることにより、装飾シート１２を保持しつつ、ベース部材１１から脱落しないように取り付けることができる。フック１３ａを係合孔１１ｃに引っ掛けたり、それを解除したりすることにより、透明部材１３、及び装飾シート１２は、着脱自在にベース部材１１に設けられる。
【００３７】
また、透明部材１３は、裏面、すなわちベース部材１１側の面の略中央部に、プリンタ１の前方に向かって窪んだ形で形成された、略矩形の凹部１３ｂを１箇所備えている。この凹部１３ｂは、ベース部材１１の凸部１１ｂを受け入れる大きさであり、凸部１１ｂに対応する箇所に設けられている。透明部材１３をベース部材１１に取り付ける際、透明部材１３に向かって突出する凸部１１ｂが、凹部１３ｂに嵌合するようにして取り付ける。なお、図４に示すように、ベース部材１１の凸部１１ｂは、基部１１ａに対するその高さが、装飾シート１２の厚みより高くなっている。
【００３８】
このようにして、表面に装飾が可能な凸部１１ｂを設けたベース部材１１と、貫通孔１２ａを設けた装飾シート１２と、透明部材１３とを備えるとともに、前記凸部１１ｂを前記貫通孔１２ａに挿入することによりベース部材１１に位置決めして載置した交換自在な装飾シート１２をカバーするように、透明部材１３をベース部材１１に着脱自在に設けたので、プリンタ１の装飾を変更する必要がある場合、装飾シート１２を交換するだけで済む。これにより、合成樹脂製の表示板を使用する場合と比較して、装飾シート１２の作成や表示の印刷等に必要な材料や装置、金型、加工等に関して、省資源化を図ることができるとともに、リサイクル性、コストアップの抑制についてもその性能を向上させることが可能となる。このようにして、コストアップの抑制が図られるとともに、リサイクル、省資源化対策が施され、環境問題に対応した表示装置１０を得ることができる。そして、この表示装置１０は、装飾シート１２の位置決めを容易に行うことができるので、リサイクル性、省資源化の考慮に加えて、装飾の視認性も向上させることが可能となる。
【００３９】
また、透明部材１３は、ベース部材１１の凸部１１ｂが嵌合する凹部１３ｂを備えたので、容易に透明部材１３の位置決めを行うことが可能となる。したがって、上記のようにリサイクル性、省資源化が考慮された表示装置１０において、透明部材１３の、ベース部材１１への正確な取り付けが簡単になり、装飾の視認性も一層向上する。
【００４０】
また、ベース部材１１の凸部１１ｂ表面と、装飾シート１２との双方に、同様の、或いは異なる装飾を施したので、凸部１１ｂに社名、装飾シート１２に模様を描画したり、双方の色調や表面加工を同じにしたり、異ならせたりして、多様性に富んだ装飾を施すことが可能となる。したがって、表示装置１０は、各国の文化やユーザー自身の個性や好みに対応して自由にカスタマイズすることができ、付加価値が高められる。
【００４１】
そして、ベース部材１１の凸部１１ｂは、その高さが、装飾シート１２の厚みより高いので、これらの部材を立体的に見ることができる。これにより、表示装置１０に、立体感を持たせた装飾を施すことが可能となる。したがって、装飾がさらに多様化し、鮮明な視認性も確保することができ、他との差別化が推進され、付加価値が一層向上した表示装置１０を得ることができる。
【００４２】
また、装飾シート１２は、表裏に異なる装飾を備えるので、装飾シート１２を交換することなく、２種類の装飾を選択することができる。これにより、装飾シート１２を２枚用意する必要がないので、低コストで、省資源化を図りつつ、異なる装飾を施すことが可能になる。
【００４３】
さらに、装飾の異なる複数枚の装飾シート１２が、１枚のシート部材にレイアウト１４され、このシート部材１４から装飾シート１２を選択して使用するので、ユーザー自身が、個性や好みに応じて自由に表示装置１０の装飾を選択することができる。このような簡便な構成の、複数枚の装飾シート１２により、さらにコストアップを抑制しつつ、多様な装飾による差別化、付加価値を向上させることが可能となる。
【００４４】
また本発明では、上記表示装置１０を画像形成装置であるプリンタ１に搭載したので、社名、製品名等の情報表示やそれらの周辺に描画する模様といった装飾を施すのに際し、コストアップを抑制しつつ、多様な装飾によって差別化が図られ、付加価値が高められるとともに、リサイクル、及び省資源化対策が施され、環境問題に対応したプリンタ１を得ることができる。
【００４５】
次に、本発明の第２の実施形態に係る表示装置について、図７を用いてその構造を説明する。図７は、プリンタの前面の部分拡大斜視図にして、表示装置を分解した状態を示すものである。なお、この実施形態の基本的な構成は、図１〜図６を用いて説明した前記第１の実施形態と同じであるので、第１の実施形態と共通する構成については図面の記載、及びその説明を省略するものとする。
【００４６】
図７に示す第２の実施形態に係る表示装置１０では、ベース部材１１、及び透明部材１３との間に、２枚の装飾シート１２を重ねて備えている。なお、表示装置１０は、２枚を超える複数枚の装飾シート１２を重ねて備えるように構成することもできる。
【００４７】
このようにして、表示装置１０は、複数枚の装飾シート１２を重ねて備えたので、例えば、表面に近い装飾シート１２に透明、或いは半透明の装飾シート１２を用いることにより、装飾の多様性をさらに増大させることが可能となる。したがって、低コストで、省資源化を図りつつ、多様な装飾を施すことができる作用がさらに向上する。
【００４８】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【００４９】
すなわち、第１、及び第２の実施形態において、ベース部材１１に設けた凸部１１ｂは、略矩形の平板状のものを基部１１ａの表面の略中央部に１箇所備えることとしたが、凸部１１ｂの構成はこれに限定されるわけではなく、その形状や配置、数量を変更しても構わない。例えば、凸部１１ｂは、円形のものを、横方向、或いは上下方向に複数個並べるようにすることもできるし、凸部１１ｂ自体の形状で、機種名やロゴマークを構成することもできる。
【産業上の利用可能性】
【００５０】
本発明は、機器の情報表示全般において利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【００５１】
【図１】本発明の第１の実施形態に係る表示装置を搭載したプリンタの模型的斜視図である。
【図２】図１に示すプリンタの前面の部分拡大斜視図にして、表示装置を分解した状態を示すものである。
【図３】図２に示す表示装置の拡大斜視図にして、ベース部材に装飾シートを載置した状態を示すものである。
【図４】図２に示す表示装置の垂直断面右側面図である。
【図５】図２に示す表示装置の装飾シートの表裏を示す斜視図である。
【図６】１枚のシート部材にレイアウトされた複数枚の装飾シートを示す斜視図である。
【図７】本発明の第２の実施形態に係る表示装置を搭載したプリンタの前面の部分拡大斜視図にして、表示装置を分解した状態を示すものである。
【符号の説明】
【００５２】
１ プリンタ（画像形成装置、機器）
２ 本体
３ 外装カバー
１０ 表示装置
１１ ベース部材
１１ａ 基部
１１ｂ 凸部
１１ｃ 係合孔
１２ 装飾シート
１２ａ 貫通孔
１２ｂ 表面
１２ｃ 裏面
１３ 透明部材
１３ａ フック
１３ｂ 凹部
１４ シート部材
【特許請求の範囲】
【請求項１】
表面に装飾が可能な凸部を設けたベース部材と、貫通孔を設けた装飾シートと、透明部材とを備えるとともに、前記凸部を前記貫通孔に挿入することにより前記ベース部材に位置決めして載置した交換自在な前記装飾シートをカバーするように、前記透明部材を前記ベース部材に着脱自在に設けたことを特徴とする表示装置。
【請求項２】
前記透明部材は、前記凸部が嵌合する凹部を備えることを特徴とする請求項１に記載の表示装置。
【請求項３】
前記凸部表面と、前記装飾シートとの双方に、同様の、或いは異なる装飾を施したことを特徴とする請求項１または請求項２に記載の表示装置。
【請求項４】
前記凸部は、その高さが、前記装飾シートの厚みより高いことを特徴とする請求項１〜請求項３のいずれか１項に記載の表示装置。
【請求項５】
前記装飾シートは、表裏に異なる装飾を備えることを特徴とする請求項１〜請求項４のいずれか１項に記載の表示装置。
【請求項６】
装飾の異なる複数枚の前記装飾シートが、１枚のシート部材にレイアウトされ、このシート部材から装飾シートを選択して使用することを特徴とする請求項１〜請求項５のいずれか１項に記載の表示装置。
【請求項７】
前記ベース部材に、複数枚の前記装飾シートを重ねて備えることを特徴とする請求項１〜請求項６のいずれか１項に記載の表示装置。
【請求項８】
請求項１〜請求項７のいずれか１項に記載の表示装置を搭載したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項１】
表面に装飾が可能な凸部を設けたベース部材と、貫通孔を設けた装飾シートと、透明部材とを備えるとともに、前記凸部を前記貫通孔に挿入することにより前記ベース部材に位置決めして載置した交換自在な前記装飾シートをカバーするように、前記透明部材を前記ベース部材に着脱自在に設けたことを特徴とする表示装置。
【請求項２】
前記透明部材は、前記凸部が嵌合する凹部を備えることを特徴とする請求項１に記載の表示装置。
【請求項３】
前記凸部表面と、前記装飾シートとの双方に、同様の、或いは異なる装飾を施したことを特徴とする請求項１または請求項２に記載の表示装置。
【請求項４】
前記凸部は、その高さが、前記装飾シートの厚みより高いことを特徴とする請求項１〜請求項３のいずれか１項に記載の表示装置。
【請求項５】
前記装飾シートは、表裏に異なる装飾を備えることを特徴とする請求項１〜請求項４のいずれか１項に記載の表示装置。
【請求項６】
装飾の異なる複数枚の前記装飾シートが、１枚のシート部材にレイアウトされ、このシート部材から装飾シートを選択して使用することを特徴とする請求項１〜請求項５のいずれか１項に記載の表示装置。
【請求項７】
前記ベース部材に、複数枚の前記装飾シートを重ねて備えることを特徴とする請求項１〜請求項６のいずれか１項に記載の表示装置。
【請求項８】
請求項１〜請求項７のいずれか１項に記載の表示装置を搭載したことを特徴とする画像形成装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【公開番号】特開２００７−２８６３０７（Ｐ２００７−２８６３０７Ａ）
【公開日】平成１９年１１月１日（２００７．１１．１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−１１２９３４（Ｐ２００６−１１２９３４）
【出願日】平成１８年４月１７日（２００６．４．１７）
【公序良俗違反の表示】
特許法第６４条第２項第４号の規定により図面の一部または全部を不掲載とする。
【出願人】（０００００６１５０）京セラミタ株式会社 (13,173)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年１１月１日（２００７．１１．１）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年４月１７日（２００６．４．１７）
【公序良俗違反の表示】
特許法第６４条第２項第４号の規定により図面の一部または全部を不掲載とする。
【出願人】（０００００６１５０）京セラミタ株式会社 (13,173)
【Ｆターム（参考）】
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