表示装置及びその制御方法
【課題】色分解の発生が抑制される表示装置及びその制御方法の提供。
【解決手段】複数種類の色の光源と、複数の画素それぞれに設けられ、前記光源からの光の通過/非通過を切り替える複数の素子と、前記光源の点灯の有無と前記素子の通過/非通過とを順に制御する色順次駆動によって、各前記画素の階調を表現する、制御部と、
を備え、前記制御部は、画像データ使用期間毎に1画面分の画像データを取り込み該画像データに基づいて表示を行うとともに、フレーム表示期間毎に1画面分の画像の表示を行い、前記フレーム表示期間は、前記画像データ使用期間と長さが異なる。
【解決手段】複数種類の色の光源と、複数の画素それぞれに設けられ、前記光源からの光の通過/非通過を切り替える複数の素子と、前記光源の点灯の有無と前記素子の通過/非通過とを順に制御する色順次駆動によって、各前記画素の階調を表現する、制御部と、
を備え、前記制御部は、画像データ使用期間毎に1画面分の画像データを取り込み該画像データに基づいて表示を行うとともに、フレーム表示期間毎に1画面分の画像の表示を行い、前記フレーム表示期間は、前記画像データ使用期間と長さが異なる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及びその制御方法に関し、特に、光の通過/非通過を切り替える素子を用いた階調表示に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、各々の画素に「MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)シャッター」と呼ばれる微小なシャッターが設けられた表示装置が開示されている。こうした表示装置では、複数種類の色を順次点灯させるフィールドシーケンシャル(色順次駆動)方式が採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−197668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
色順次駆動方式の表示装置には、色分解という問題が生じている。色分解は、白黒の濃淡のある線を移動させた際に線の前後に色がついて見える現象である。
【0005】
図18は、色分解の例を示す画像の図である。当該画像は、黒背景に所定幅の白色の帯線を表示する画像である。色順次駆動方式による1フレーム表示期間の点灯例として、1画面分の画像を表示する1フレーム表示期間を3つの分割フレーム表示期間(R,G,B)に分けて、各分割フレーム表示期間で、赤(R)、緑(G)、青(B)と、順に光源を順に点灯する場合(例えば、図15参照)がある。図18に示す画像を例えば右から左へスクロールさせると、当該帯線の左側に赤色の着色線が、当該帯線の右側に青色の着色線が現れてしまう。
【0006】
これを抑制するために、1フレーム表示期間をさらに細かく分割し、1フレーム表示期間を6つの分割フレーム表示期間(R1,G1,B1,R2,G2,B2)に分けて、同様に、赤(R)、緑(G)、青(B)と、順に光源を順に点灯する点灯例(例えば、図16参照)もある。この場合であっても、図18に示す画像を右から左へスクロールさせると、赤色及び青色の着色線の幅は低減するものの、赤色及び青色の着色線が現れてしまう。すなわち、1フレーム表示期間をより細かく分割することで、着色線の幅は低減するものの、色分解の発生自体は抑制されない。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、色分解の発生が抑制される表示装置及びその制御方法を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明に係る表示装置は、複数種類の色の光源と、複数の画素それぞれに設けられ、前記光源からの光の通過/非通過を切り替える複数の素子と、前記光源の点灯の有無と前記素子の通過/非通過とを順に制御する色順次駆動によって、各前記画素の階調を表現する、制御部と、を備え、前記制御部は、画像データ使用期間毎に1画面分の画像データを取り込み該画像データに基づいて表示を行うとともに、フレーム表示期間毎に1画面分の画像の表示を行い、前記フレーム表示期間は、前記画像データ使用期間と長さが異なる、ことを特徴とする。
【0009】
(2)上記(1)に記載の表示装置であって、前記制御部は、前記フレーム表示期間が前記画像データ使用期間よりも長い場合には、前記画像データ使用期間に、該画像データの一部を使用せず、前記フレーム表示期間が前記画像データ使用期間よりも短い場合には、前記画像データ使用期間に、該画像データの一部を重複して使用してもよい。
【0010】
(3)上記(1)又は(2)に記載の表示装置であって、前記フレーム表示期間は、連続するn個(n≧2)の分割フレーム表示期間によって構成され、前記画像データ使用期間の1期間に、連続するk個(1≦k<n)の前記分割フレーム表示期間の表示が行われ、前記制御部は、前記画像データ使用期間の1期間に、残りのn−k個の前記分割フレーム表示期間の表示に用いるための、前記画像データの一部を使用しなくてもよい。
【0011】
(4)上記(1)又は(2)に記載の表示装置であって、前記フレーム表示期間の1期間は、連続するn個(n≧2)の分割フレーム表示期間によって構成され、前記画像データ使用期間の1期間に、連続するk個(n<k<2n)の前記分割フレーム表示期間の表示が行われ、前記制御部は、前記画像データ使用期間の1期間に、前記フレーム表示期間の1期間に1画面分の前記画像データを使用し、さらに続くk−n個の前記分割フレーム表示期間の表示に用いるための、前記画像データの一部をさらに使用してもよい。
【0012】
(5)上記(3)に記載の表示装置であって、連続する前記n個の分割フレーム表示期間それぞれで、前記複数種類のいずれかの色のみの表示が行われるとともに、前記n個の分割フレーム表示期間で表示される色の種類は順に並んで繰り返され、n−kは、色の種類の数より少なくてもよい。
【0013】
(6)上記(4)に記載の表示装置であって、連続する前記n個の分割フレーム表示期間それぞれで、前記複数種類のいずれかの色のみの表示が行われるとともに、前記n個の分割フレーム表示期間で表示される色の種類は順に繰り返されて続いており、k−nは、色の種類の数より少なくてもよい。
【0014】
(7)上記(3)又は(4)に記載の表示装置であって、n個の前記分割フレーム表示期間それぞれは、1又は複数のサブフレーム期間で構成されているとともに、複数の前記サブフレーム期間それぞれで、前記素子で通過/非通過させる、光通過期間の所定の長さが定められており、前記フレーム表示期間の1期間を構成する、前記複数のサブフレーム期間は、前記光通過期間の長さが同一の前記サブフレーム期間が属する第1のグループと、前記光通過期間の長さが前記第1のグループの光通過期間より短く、かつ互いに異なる前記サブフレーム期間が属する第2のグループと、に分類され、前記第1のグループに属する前記サブフレーム期間のうち、前記光通過期間を有する前記サブフレーム期間が、前記階調が高まるに従って、前記フレーム表示期間の中途から始点及び終点に向かって増加し、前記各々のサブフレーム期間は、各々の種類の色の光が通過する複数の前記光通過期間を含んでもよい。
【0015】
(8)上記(7)に記載の表示装置であって、前記第1のグループに属する前記サブフレーム期間と、前記第2のグループに属する前記サブフレーム期間と、が交互に設けられてもよい。
【0016】
(9)上記(7)に記載の表示装置であって、前記第1のグループに属する前記サブフレーム期間のうち、最も低階調において前記光通過期間を有する前記サブフレーム期間の前後に、前記第2のグループに属する前記サブフレーム期間が設けられてもよい。
【0017】
(10)本発明に係る表示装置の制御方法は、複数種類の色の光源と、複数の画素それぞれに設けられ、前記光源からの光の通過/非通過を切り替える複数の素子と、前記光源の点灯の有無と前記素子の通過/非通過とを順に制御する色順次駆動によって、各前記画素の階調を表現する、制御部と、を備える表示装置の制御方法であって、前記制御部は、画像データ使用期間毎に1画面分の画像データを取り込み該画像データに基づいて表示を行うとともに、フレーム表示期間毎に1画面分の画像を表示を行い、前記フレーム表示期間は、前記画像データ使用期間と長さが異なる、ことを特徴としてもよい。
【0018】
(11)上記(10)に記載の表示装置の制御方法であって、前記制御部は、前記フレーム表示期間が前記画像データ使用期間よりも長い場合には、前記画像データ使用期間に、該画像データの一部を使用せず、前記フレーム表示期間が前記画像データ使用期間よりも短い場合には、前記画像データ使用期間に、該画像データの一部を重複して使用してもよい。
【0019】
(12)上記(10)又は(11)に記載の表示装置の制御方法であって、前記フレーム表示期間は、連続するn個(n≧2)の分割フレーム表示期間によって構成され、前記画像データ使用期間の1期間に、連続するk個(1≦k<n)の前記分割フレーム表示期間の表示が行われ、前記制御部は、前記画像データ使用期間の1期間に、残りのn−k個の前記分割フレーム表示期間の表示に用いるための、前記画像データの一部を使用しなくてもよい。
【0020】
(13)上記(10)又は(11)に記載の表示装置の制御方法であって、前記フレーム表示期間の1期間は、連続するn個(n≧2)の分割フレーム表示期間によって構成され、前記画像データ使用期間の1期間に、連続するk個(n<k<2n)の前記分割フレーム表示期間の表示が行われ、前記制御部は、前記画像データ使用期間の1期間に、前記フレーム表示期間の1期間に1画面分の前記画像データを使用し、さらに続くk−n個の前記分割フレーム表示期間の表示に用いるための、前記画像データの一部をさらに使用してもよい。
【0021】
(14)上記(12)に記載の表示装置の制御方法であって、連続する前記n個の分割フレーム表示期間それぞれで、前記複数種類のいずれかの色のみの表示が行われるとともに、前記n個の分割フレーム表示期間で表示される色の種類は順に並んで繰り返され、n−kは、色の種類の数より少なくてもよい。
【0022】
(15)上記(13)に記載の表示装置の制御方法であって、連続する前記n個の分割フレーム表示期間それぞれで、前記複数種類のいずれかの色のみの表示が行われるとともに、前記n個の分割フレーム表示期間で表示される色の種類は順に繰り返されて続いており、k−nは、色の種類の数より少なくてもよい。
【0023】
(16)上記(12)又は(13)に記載の表示装置の制御方法であって、n個の前記分割フレーム表示期間それぞれは、1又は複数のサブフレーム期間で構成されているとともに、複数の前記サブフレーム期間それぞれで、前記素子で通過/非通過させる、光通過期間の所定の長さが定められており、前記フレーム表示期間の1期間を構成する、前記複数のサブフレーム期間は、前記光通過期間の長さが同一の前記サブフレーム期間が属する第1のグループと、前記光通過期間の長さが前記第1のグループの光通過期間より短く、かつ互いに異なる前記サブフレーム期間が属する第2のグループと、に分類され、前記第1のグループに属する前記サブフレーム期間のうち、前記光通過期間を有する前記サブフレーム期間が、前記階調が高まるに従って、前記フレーム表示期間の中途から始点及び終点に向かって増加し、前記各々のサブフレーム期間は、各々の種類の色の光が通過する複数の前記光通過期間を含んでもよい。
【0024】
(17)上記(16)に記載の表示装置の制御方法であって、前記第1のグループに属する前記サブフレーム期間と、前記第2のグループに属する前記サブフレーム期間と、が交互に設けられてもよい。
【0025】
(18)上記(16)に記載の表示装置の制御方法であって、前記第1のグループに属する前記サブフレーム期間のうち、最も低階調において前記光通過期間を有する前記サブフレーム期間の前後に、前記第2のグループに属する前記サブフレーム期間が設けられてもよい。
【発明の効果】
【0026】
本発明により、色分解の発生が抑制される表示装置及びその制御方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施形態の一例を示す表示装置の全体斜視図である。
【図2】同表示装置のガラス基板の構成例を示す図である。
【図3】同表示装置の画素の構成例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における1画面分の画像を表示する1フレーム表示期間を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態の画像表示の駆動シーケンスを示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る画像表示を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る画像表示を示す図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る画像表示を示す図である。
【図9】本発明の第4の実施形態に係る画像表示を示す図である。
【図10】本発明の第5の実施形態に係る画像表示を示す図である。
【図11】本発明の第6の実施形態における駆動シーケンスを示す図である。
【図12】本発明の第6の実施形態に係る画像データ使用期間とフレーム表示期間の関係を示す図である。
【図13】本発明の第6の実施形態に係る画像表示を示す図である。
【図14】本発明の第6の実施形態に係る色分解の例を示す画像の図である。
【図15】本発明の比較例1に係る画像表示を示す図である。
【図16】本発明の比較例2に係る画像表示を示す図である。
【図17】本発明の比較例3に係る画像表示を示す図である。
【図18】色分解の例を示す画像の図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の表示装置及びその制御方法の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0029】
図1は、本発明の実施形態の一例を示す表示装置の全体斜視図である。本発明の表示装置は、MEMSシャッターなどの点灯制御素子を利用した表示装置であり、ガラス基板1と、バックライト2と、表示制御回路3と、発光制御回路4と、システム制御回路5(制御部)と、周波数比較ブロック7と、フレームメモリ8と、を備えている。ガラス基板1は、MEMSシャッターなどの点灯制御素子と、それを駆動する画素回路及び周辺回路と、を備えている。バックライト2は、ガラス基板1の表示領域を照らす光源であり、RGB等の複数種類の色のLEDを含んでいる。表示制御回路3は、ガラス基板1に設けられた回路を制御し、発光制御回路4は、バックライト2の点灯を制御する。また、周波数比較ブロック7は、映像信号(画像データ)の取込周波数(後述する、画像データ使用期間)と、フレーム周波数(後述する、フレーム表示期間)との、周波数比較器であり、フレームメモリ8は、画像フレームメモリで、外部などより取り込んだ画像データが複数画像分格納されている。システム制御回路5は、周波数比較ブロック7に基づき、フレームメモリ8から映像信号(画像データ)を取り込み、取り込んだ映像信号(画像データ)に基づいて表示制御回路3及び発光制御回路4を制御する。
【0030】
図2は、当該表示装置のガラス基板1の構成例を示す図である。ガラス基板1には、複数の画素11と、行選択回路15と、集積回路14と、が配置されている。各々の画素11は、ガラス基板1上にマトリクス状に配置されており、バックライト2からの光の透過/非透過を切り替える点灯制御素子と、それを駆動する画素回路と、を含んでいる。各々の画素11には、行選択回路15から延びる行選択信号線12と、集積回路14から延びるデータ信号線13と、が接続されている。行選択回路15によって選択された画素11の記憶容量に、集積回路14から出力される映像信号が記憶される。行選択回路15は集積回路14によって制御され、集積回路14はFPCなどの制御線6を経由して外部の表示制御回路3によって制御される。
【0031】
図3は、当該表示装置の画素11の構成例を示す図である。行選択信号線12にはスイッチ21が接続されており、スイッチ21がオンすると、データ信号線13の電圧が記憶容量22に書き込まれる。記憶容量22は、スイッチ21と基準電位24とに接続されており、記憶容量22に書き込まれた電圧によって点灯制御素子23が動作する。点灯制御素子23は、MEMSシャッターなどであり、バックライト2からの光の透過/非透過を切り替える。例えば、MEMSシャッターは、バックライト2からの光が通過する開口を開閉するように動作する。
【0032】
以下、本発明の表示装置における制御方法の実施形態について説明する。
【0033】
[第1の実施形態]
図4は、本発明の第1の実施形態における1画面分の画像を表示する1フレーム表示期間TFを示す図である。図4に示す通り、1フレーム表示期間TFは、Rのサブフレーム期間(SF1〜SF8)と、Gのサブフレーム期間(SF9〜SF16)と、Bのサブフレーム期間(SF17〜SF24)と、で構成されている。各サブフレーム期間は、アドレス期間と点灯期間とを含んでいる。アドレス期間は、1画面分の画像データのうち、該サブフレーム期間に対応したデータを書き込むため、かつシャッターを移動させるための期間である。各サブフレーム期間に含まれる点灯期間の長さは、2進法に従って重み付けされている。こうした点灯期間で放射される光の通過/非通過をシャッターで制御することによって、各画素の各色の階調が表現される。ここでは、8ビットで256階調を表現することが可能であり、階調値は0から255の整数値をとる。
【0034】
図5は、当該実施形態の画像表示の駆動シーケンスを示す図である。光通過時間とは、光源の点灯期間かつシャッターの開放期間のことである。図5では、ハッチング又は黒塗りのセルがシャッターの開放期間を表し、白抜きのセルがシャッターの閉塞期間を表している。シャッターの開放期間では、光源からの光が通過し、シャッターの閉塞期間では光源からの光が通過しない。
【0035】
当該実施形態において、1フレーム表示期間を3個の分割フレーム表示期間R,G, Bとし、分割フレーム表示期間Rは、Rのサブフレーム期間(SF1〜SF8)で、分割フレーム表示期間Gは、Gのサブフレーム期間(SF9〜SF16)で、分割フレーム表示期間Bは、Bのサブフレーム期間(SF17〜SF24)で、それぞれ構成されている。
【0036】
図18に示す画像の代わりに、簡単のために、右から左へ3個並ぶ画素PX1,PX2,PX3を考える。さらに、図18に示す画像の白色の帯線の所定幅を画素1個分とする。当該画像が右から左へスクロールする状態を、3個の画像データdata1,data2,data3で表すこととする。画像データの各画素の階調情報を、RGBの階調値(DR,DG,DB)で表すとする。画像データdata1では、画素PX1が白表示で、画素PX2,PX3が黒表示、画像データdata2では、画素PX2が白表示で、画素PX1,PX3が黒表示、画像データdata3では、画素PX3が白表示で、画素PX1,PX2が黒表示である。ここで、白表示及び黒表示を、RGBの階調値で表すと、それぞれ、(255,255,255)、(0,0,0)である。
【0037】
図15は、本発明の比較例1に係る画像表示を示す図である。図の縦軸は、画素の位置を示しており、下から上へ順に、PX1,PX2,PX3である。図の横軸は、時間であり、1画面分の画像を表示する1フレーム表示期間をTFとし、時系列に順に、第1フレーム表示期間TF1,第2フレーム表示期間TF2,第3フレーム表示期間TF3,(第4フレーム表示期間TF4,・・・)とする。上述の通り、フレーム表示期間TFは、3個の分割フレーム表示期間R,G,Bで構成され、図15に示す通り、分割フレーム表示期間は、R,G,Bの順に並んで繰り返している。比較例1において、周波数60Hz(画像データ使用期間TD16.67ms)で、1画面分の画像データを取り込み、取り込まれた該画像データに基づいて、表示が行われる。周波数60Hzで、1画面分の画像データが表示されている。すなわち、1フレーム表示期間TFは、1画像データ使用期間TDと等しく、16.67msである。
【0038】
第1フレーム表示期間TF1では、画像データdata1の表示を、第2フレーム表示期間TF2では、画像データdata2の表示を、第3フレーム表示期間TF3では、画像データdata3の表示を行っている。この場合、各画像データを使用する画像データ使用期間TD(フレーム表示期間TF)において、最初に用いられる分割フレーム表示期間はRであり、最後に用いられる分割フレーム表示期間はBとなる。よって、図15に示す通り、各画像データの最初の分割フレーム表示期間を結ぶとR表示、最後の分割フレーム表示期間を結ぶとB表示となっている。図4に示すサブクレーム期間で構成される制御方法の場合、帯線が移動しているスクロール状態において、各画像データの最初に表示される色が常に赤色となり、最後に表示される色が常に青色となり、図18に示す画像を右から左へスクロールする場合に、当該帯線の左側に赤色の着色線が、当該帯線の右側に青色の着色線の出現が説明される。なお、帯線の中央付近での白表示については、図15にはWとして示されている。
【0039】
図6は、当該実施形態に係る画像表示を示す図である。図15と同様に、図の縦軸は画素の位置を、図の横軸は時間であり、比較例1と同様に、周波数60Hz(画像データ使用期間TD16.67ms)で、1画面分の画像データを取り込み、取り込まれた該画像データに基づいて、表示が行われる。しかし、比較例1と異なり、1画像データ使用期間TDに、2個の分割フレーム表示期間しか表示が行われていない。1画像データ使用期間TDは、1画面分の画像の表示を行う1フレーム表示期間TF(3個の分割フレーム表示期間)より短く、両者は長さが異なる。なお、1フレーム表示期間TFは、1画像データ使用期間TDの1.5倍であり、25ms(周波数40Hz)となっている。
【0040】
比較例1と同様に、1フレーム表示期間TFの1期間は、連続する3個(n=3)の分割フレーム表示期間R,G,Bによって構成されているが、比較例1と異なり、1画像データ使用期間TDの1期間に、連続する2個(k=2,1≦k<n)の分割フレーム表示期間の表示が行われている。例えば、画像データdata1を使用する画像データ使用期間TDでは、2個の分割フレーム表示期間R,Gの表示が行われ、残りの1個(n−k=1)の分割フレーム表示期間Bの表示が行われていない。ここで、各分割フレーム表示期間の表示に用いられる画像情報(画像データの一部)は、画素データの各画素の階調情報のうち、分割フレーム表示期間を表示する色の階調情報である。よって、例えば、画像データdata1を使用する画像データ使用期間TDでは、画像データの各画素のRとGの階調情報が使用され、Bの階調情報が使用されていない。すなわち、各画像データ使用期間TDにおいて、画像データの一部が使用されておらず、ここで、使用していない画像データの一部とは、3色の階調情報のうち、表示が行われない色の階調情報である。
【0041】
画像データdata1を使用する画像データ使用期間TDでは、RとGの2色の階調情報を使用して(Bの階調情報を使用せずに)、それぞれ分割フレーム表示期間R,Gの表示を行い、画像データdata2を使用する画像データ使用期間TDでは、BとRの2色の階調情報を使用して(Gの階調情報を使用せずに)、それぞれ分割フレーム表示期間B,Rの表示を行い、画像データdata3を使用する画像データ使用期間TDでは、GとBの2色の階調情報を使用して(Rの階調情報を使用せずに)、それぞれ分割フレーム表示期間G,Bの表示を行っている。よって、図6に示す通り、各画像データの最初の分割フレーム表示期間を結ぶと、RBGRBG・・・と繰り返すこととなり、人間の目には、積算されて白色に認識されるので、当該帯線の左側に出現する赤色の着色線が抑制される。同様に、各画像データの最後の分割フレーム表示期間を結ぶと、GRBGRB・・・と繰り返すこととなり、当該帯線の右側に出現する青色の着色線が抑制される。なお、帯線の左側、中央付近、右側での表示が、図6にはすべてWとして示されている。
【0042】
当該実施形態に係る制御方法では、画像データ使用期間TDと、フレーム表示期間TFが異なっており、連続する2個の画像の画像データを表示する最初(最後)の分割フレーム表示期間が異なっている。これにより、色分解の発生が抑制される。さらに、ある画像の画像データを使用する画像データ使用期間TDに、その画像データの一部を使用しておらず、1個の分割フレーム表示期間を長くすることが出来、各サブフレーム期間のアドレス期間に行うデータ書き込みの回数を単位時間当たり低減することが出来、また、光源の発光切り替えの回数を単位時間当たり低減することが出来、発光効率が向上し、消費電力が低減される。
【0043】
[第2の実施形態]
図7は、本発明の第2の実施形態に係る画像表示を示す図である。図6と同様に、図の縦軸は画素の位置を、図の横軸は時間であり、第1の実施形態と同様に、1画像データ使用期間TDは16.67msである。しかし、第1の実施形態と異なり、1画像データ使用期間TDに、4個の分割フレーム表示期間の表示が行われている。1画像データ使用期間TDは、1フレーム表示期間TFより長く、両者は長さが異なる。1画像データ使用期間TDに、画像データの一部を重複して使用している。なお、1フレーム表示期間TFは、3個(n=3)の分割フレーム表示期間によって構成され、1フレーム表示期間TFは、1画像データ使用期間TDの0.75倍であり、12.5ms(周波数80Hz)となっている。
【0044】
当該実施形態において、1画像データ使用期間TDの1期間に、連続する4個(k=4,n<k<2n)の分割フレーム表示期間の表示が行われている。例えば、画像データdata1を使用する画像データ使用期間TDでは、1画面分の画像データを表示する1フレーム表示期間TF(分割フレーム表示期間R,G,B)の表示に加えて、さらに続く1個(k−n)の分割フレーム表示期間Rの表示が行われている。画像データdata1を使用する画像データ使用期間TDでは、画像データdata1のすべて(1画面分のデータ)を使用して、3個の分割フレーム表示期間R,G,Bの表示を行い、さらに、画像データdata1の一部を使用して、分割フレーム表示期間Rの表示を行っており、Rの階調情報(画像データの一部)を重複して使用している。
【0045】
画像データdata1を使用する画像データ使用期間TDでは、1画面分の画像表示(分割フレーム表示期間R,G,B)に加えてさらに、Rの階調情報を使用して分割フレーム表示期間Rの表示を行い、画像データdata2を使用する画像データ使用期間TDでは、1画面分の画像表示(分割フレーム表示期間G,B,R)に加えてさらに、Gの階調情報を使用して分割フレーム表示期間Gの表示を行い、画像データdata3を使用する画像データ使用期間TDでは、1画面分の画像表示(分割フレーム表示期間B,R,G)に加えてさらに、Bの階調情報を使用して分割フレーム表示期間Bの表示を行っている。よって、図7に示す通り、各画像データの最初の分割フレーム表示期間を結ぶと、RGBRGB・・・と繰り返すこととなり、人間の目には、積算されて白色に認識されるので、当該帯線の左側に出現する赤色の着色線が抑制される。同様に、各画像データの最後の分割フレーム表示期間を結ぶと、RGBRGB・・・と繰り返すこととなり、当該帯線の右側に出現する青色の着色線が抑制される。なお、帯線の左側、中央付近、右側での表示が、図6にはすべてWとして示されている。
【0046】
当該実施形態に係る制御方法では、第1の実施形態と同様に、画像データ使用期間TDと、フレーム表示期間TFが異なっており、連続する2個の画像の画像データを表示する最初(最後)の分割フレーム表示期間が異なっている。これにより、色分解の発生が抑制される。さらに、画像データ使用期間TDに対して、フレーム表示期間を短くすることが出来ており、単位時間当たりに表示する画像の画面数を向上することが出来、より動きの滑らかな画像を表示することが出来ている。
【0047】
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態では、第1の実施形態と異なり、1フレーム表示期間TFが6個の分割フレーム表示期間で構成されている。すなわち、各色の表示をそれぞれ、2個の分割フレーム表示期間で行う。各色の表示を行う2個の分割フレーム表示期間それぞれは、1又は複数のサブフレーム期間で構成されている。図4に示すRの表示を行うRのサブフレーム期間(SF1〜SF8)を2個のグループに分類し、一方のグループに分類されるサブフレーム期間によって分割フレーム表示期間R1が構成され、他方のグループに分類されるサブフレーム期間によって分割フレーム表示期間R2が構成される。2個の分割フレーム表示期間の長さが等しくなるように、Rのサブフレーム期間(SF1〜SF8)を2個のグループに分類するのが望ましい。ここでは、2個の分割フレーム表示期間の長さは等しいものとする。他の色も同様にすることにより、1フレーム表示期間を6個の分割フレーム表示期間で構成することが出来る。
【0048】
図16は、本発明の比較例2に係る画像表示を示す図である。図の縦軸及び横軸と、3個の画像データdata1,data2,data3は、図15と同様である。上述の通り、フレーム表示期間TFは、6個の分割フレーム表示期間R1,G1,B1,R2,G2,B2で構成され、図16に示す通り、R,G,Bの順に並んで繰り返している。比較例2において、比較例1と同様に、画像データ使用期間TDとフレーム表示期間TFとは、長さが等しく、ともに、16.67ms(周波数60Hz)である。
【0049】
図15に示す比較例1と比べると、1フレーム表示期間TFにいて、分割フレーム表示期間の個数が2倍になったのに伴って、R,G,Bの繰り返しも2倍となっているが、各画像データを使用する画像データ使用期間TDにおいて、最初に用いられる分割フレーム表示期間はR1であり、最後に用いられる分割フレーム表示期間はB2である。比較例1と同様に、各画像データの最初の分割フレーム表示期間を結ぶとR表示、最後の分割フレーム表示期間を結ぶとB表示となっている。1個の分割フレーム表示期間が短くなっているので、出現する着色線の幅は短くなるが、比較例1と同様に、色分解の出現が説明される。
【0050】
図8は、当該実施形態に係る画像表示を示す図である。図の縦軸及び横軸と、3個の画像データdata1,data2,data3は、図6及び図7と同様である。第1の実施形態同様に、1画像データ使用期間TDは1フレーム表示期間TF(6個の分割フレーム表示期間)より短く、1画像データ使用期間TDにおいて、画像データの一部は使用されていない。1画像データ使用期間TDは16.67ms(周波数60Hz)であり、1フレーム表示期間TFは、1画像データ使用期間TDの1.2倍であり、20ms(周波数50Hz)となっている。
【0051】
比較例2と同様に、1フレーム表示期間TFの1期間は、連続する6個(n=6)の分割フレーム表示期間で構成されているが、比較例2と異なり、1画像データ使用期間TDの1期間に、連続する5個(k=5,1≦k<n)の分割フレーム表示期間の表示が行われている。例えば、画像データdata1を使用する画像データ使用期間TDでは、5個の分割フレーム表示期間R1,G1,B1,R2,G2の表示が行われ、残りの1個(n−k=1)の分割フレーム表示期間B2の表示が行われていない。ここで、各分割フレーム表示期間の表示に用いられる画像情報(画像データの一部)は、画像データの各画素の対応する色の階調情報の一部である。具体的には、階調情報は階調値(0〜255)であり、階調値を8bitで表すことができ、8bit(位)のうち一部の位の値(0,1)の組み合わせである。どの組み合わせかは、分割フレーム表示期間を構成するサブフレーム期間の組み合わせによって決まる。例えば、画像データdata1を使用する画像データ使用期間TDでは分割フレーム表示期間B2を表示するための画像情報が、画像データdata2を使用する画像データ使用期間TDでは分割フレーム表示期間G2を表示するための画像情報が、画像データdata3を使用する画像データ使用期間TDでは分割フレーム表示期間R2を表示するための画像情報が、それぞれ使用されていない。すなわち、各画像データ使用期間TDにおいて、画像データの一部が使用されていない。
【0052】
図6に示す第1の実施形態と同様に、各画像データの最初の分割フレーム表示期間を結ぶと、RBGRBG・・・と繰り返すこととなり、人間の目には、積算されて白色に認識されるので、当該帯線の左側に出現する赤色の着色線が抑制される。同様に、各画像データの最後の分割フレーム表示期間を結ぶと、GRBGRB・・・と繰り返すこととなり、当該帯線の右側に出現する青色の着色線が抑制される。なお、帯線の左側、中央付近、右側での表示が、図8にはすべてWとして示されている。
【0053】
当該実施形態に係る制御方法では、第1の実施形態に係る制御方法と同様の効果が得られているが、さらに、使用しない画像データの一部を少なくすることが出来ており、第1の実施形態と比べて、1画面分の画像データをすべて使用する画像表示に、より近い表示を実現しつつ、色分解を抑制することが出来ている。
【0054】
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態では、第3の実施形態と同様に、1フレーム表示期間が6個(n=6)の分割フレーム表示期間で構成されている。第2の実施形態と同様に、1画像データ使用期間TDは1フレーム表示期間TFより長く、1画像データ使用期間TDに画像データの一部を重複して使用している。
【0055】
図9は、当該実施形態に係る画像表示を示す図である。図の縦軸及び横軸と、3個の画像データdata1,data2,data3は、図6乃至図8と同様である。1画像データ使用期間TDは16.67ms(周波数60Hz)であり、7個の分割フレーム表示期間で構成されている。これに対して、1フレーム表示期間TFは、1画像データ使用期間TDの0.857倍であり、14.29ms(周波数70Hz)となっている。
【0056】
当該実施形態において、1画像データ使用期間TDの1期間に、連続する7個(k=7,n<k<2n)の分割フレーム表示期間の表示が行われている。例えば、画像データdata1を使用する画像データ使用期間TDでは、1画面分の画像データを表示する1フレーム表示期間TF(分割フレーム表示期間R1,G1,B1,R2,G2,B2)の表示に加えて、さらに続く1個(k−n)の分割フレーム表示期間R1の表示が行われている。画像データdata1を使用する画像データ使用期間TDでは、画像データdata1のすべて(1画面分のデータ)を使用して、6個の分割フレーム表示期間R1,G1,B1,R2,G2,B2の表示を行い、さらに、画像データdata1の一部を使用して、分割フレーム表示期間R1の表示を行い、画像データdata1の一部である、Rの階調情報の一部を重複して使用している。
【0057】
画像データdata1を使用する画像データ使用期間TDでは、1画面分の画像表示(分割フレーム表示期間R1,G1,B1、R2,G2,B2)に加えてさらに、Rの階調情報の一部を使用して分割フレーム表示期間R1の表示を行い、画像データdata2を使用する画像データ使用期間TDでは、1画面分の画像表示(分割フレーム表示期間G1,B1,R2,G2,B2,R1)に加えてさらに、Gの階調情報の一部を使用して分割フレーム表示期間G1の表示を行い、画像データdata3を使用する画像データ使用期間TDでは、1画面分の画像表示(分割フレーム表示期間B1,R2,G2,B2,R1,G1)に加えてさらに、Bの階調情報を使用して分割フレーム表示期間B1の表示を行っている。よって、図7に示す第2の実施形態と同様に、当該帯線の左側に出現する赤色の着色線及び右側に出現する青色の着色線がともに抑制される。
【0058】
当該実施形態に係る制御方法では、第2の実施形態に係る制御方法と同様の効果が得られているが、さらに、重複して使用する画像データの一部を少なくすることが出来ており、第2の実施形態と比べて、1画面分の画像データをすべて使用する画像表示に、より近い表示を実現しつつ、色分解を抑制することが出来ている。
【0059】
以上の第1乃至第4の実施形態では、1フレーム表示期間TFを構成するn個の分割フレーム表示期間それぞれにおいて、3色RGBのうちいずれかの色の表示が行われており、さらに、連続するn個の分割フレーム表示期間で表示される色は、順にRGBと規則的に(周期的に)繰り返されている。1フレーム表示期間TFが画像データ使用期間TDより長い場合には、画像データ使用期間TDにおいて、残りの1個の分割フレーム表示期間の表示を行わないことにより、各画像データ使用期間TDにおける最初(最後)の分割フレーム表示期間で表示される色を、順にRBGとずらすことが出来ている。1フレーム表示期間TFが画像データ使用期間TDより短い場合には、画像データ使用期間TDにおいて、1フレーム表示期間TF(n個の分割フレーム表示期間)に加えてさらに1個の分割フレーム表示期間の表示を行うことにより、各画像データ使用期間TDにおける最初(最後)の分割フレーム表示期間で表示される色を、順にRGBとずらすことが出来ている。このように、1フレーム表示期間TFが画像データ使用期間TDより長い(短い)場合に、1個の分割フレーム表示期間の表示を行わない(表示をさらに行う)ことにより、各画像データ使用期間TDにおける最初の分割フレーム表示期間で表示される色を順にずらすことが出来ている。表示を行わない(表示をさらに行う)分割フレーム表示期間は1個に限定されることはなく2個であってもよく、色の種類の数(3)より少ない数字であればよい。1画面分の画像データをすべて使用する画像表示に、より近い表示を実現するためには、1個であるのが望ましい。
【0060】
[第5の実施形態]
本発明の第5の実施形態では、1フレーム表示期間TFが12個の分割フレーム表示期間で構成されている。第3及び第4の実施形態では、1フレーム表示期間TFは、6個の分割フレーム表示期間R1,G1,B1,R2,G2,B2で構成されているが、各分割フレーム表示期間をさらに前半と後半とに分割しているのが、当該実施形態である。例えば、分割フレーム表示期間R1の前半部分を分割フレーム表示期間R1Aと、後半部分を分割フレーム表示期間R1Bとしている。
【0061】
当該実施形態においても、1フレーム表示期間TFが画像データ使用期間TDより長い場合には、画像データ使用期間TDにおいて、残りの1個の分割フレーム表示期間の表示を行わないことにより、各画像データ使用期間TDにおける最初(最後)の分割フレーム表示期間を1つずつずらすことが出来る。同様に、1フレーム表示期間TFが画像データ使用期間TDより短い場合には、画像データ使用期間TDにおいて、1フレーム表示期間TF(n個の分割フレーム表示期間)に加えてさらに1個の分割フレーム表示期間の表示を行うことにより、各画像データ使用期間TDにおける最初(最後)の分割フレーム表示期間を1つずつずらすことが出来る。ここでは、後者の場合について説明する。
【0062】
図10は、当該実施形態に係る画像表示を示す図である。図の縦軸及び横軸と、3個の画像データdata1,data2,data3は、図6乃至図9と同様である。1画像データ使用期間TDは16.67ms(周波数60Hz)であり、13個の分割フレーム表示期間で構成されている。これに対して、1フレーム表示期間TFは、1画像データ使用期間TDの0.923倍であり、15.38ms(周波数65Hz)となっている。
【0063】
上述の通り、1フレーム表示期間TFは、12個の分割フレーム表示期間R1A,R1B,G1A,G1B,・・・B2A,B2Bで構成されている。画像データdata1を使用する画像データ使用期間TDでは、1画面分の画像表示に加えてさらに、分割フレーム表示期間R1Aの表示を行い、画像データdata2を使用する画像データ使用期間TDでは、1画面分の画像表示に加えてさらに、分割フレーム表示期間R1Bの表示を行い、画像データdata3を使用する画像データ使用期間TDでは、1画面分の画像表示に加えてさらに、分割フレーム表示期間G1Aの表示を行っている。なお、図10には、例えば、2個の分割フレーム表示期間R1A,R1BをまとめてR1として記しており、他のG1,B1,R2,G2,B2についても同様である。
【0064】
かかる画像表示を行うことにより、各画像データ使用期間TDにおける最初(最後)の分割フレーム表示期間をR1A,R1B,G1B,・・・と、順に1つずつずらすことが出来ている。第1乃至第4の実施形態では、各画像データ使用期間TDにおける最初(最後)の分割フレーム表示期間で表示される色は、RGBと順に繰り返し、画像データ使用期間TDが16.67ms(周波数60Hz)であるときに、色の交換周期はその3倍で、50ms(周波数20Hz)となっている。これに対して、当該実施形態では、各画像データ使用期間TDにおける最初(最後)の分割フレーム表示期間で表示される色は、RRGGBBと順に繰り返すので、同じ画像データ使用期間TDに対して、色の交換周期は第1乃至第4の実施形態の2倍と長くなっており、色分解抑制の観点からは望ましくない。しかし、当該実施形態の場合、以下のような効果が得られている。図10に示す画像表示の場合、1フレーム表示期間TFを12個の分割フレーム表示期間によって構成したにもかかわらず、RGBの繰り返しは、図8及び図9と同じく1フレーム表示期間TFで2回である。すなわち、分割フレーム表示期間の数(n個)を増加させて、重複して使用する画像データの一部を小さくすることが出来ており、1画面分の画像データをすべて使用する画像表示に、より近い表示を実現している。にもかかわらず、光源の発光切り替えの回数を単位時間当たり低減することが出来、発光効率が向上し、消費電力が低減される。
【0065】
[第6の実施形態]
本発明の第6の実施形態では、疑似輪郭の出現が抑制される駆動シーケンスを提案している。そして、当該実施形態は、当該駆動シーケンスに本発明を適用したものである。
【0066】
例えば、図5に示す駆動シーケンスによる表示を行う場合、疑似輪郭という現象が発生してしまう。ここで疑似輪郭とは、実際に存在しない明暗の境界が見えてしまう現象である。図5に示す駆動シーケンスによると、例えば、階調値128から階調値127切り替わるパターンを画面の右から左にスクロールさせた場合に、疑似輪郭は発生する。まず、当該実施形態に係る駆動シーケンスから説明する。
【0067】
図11は、当該実施形態における駆動シーケンスを示す図である。図の縦軸は表示可能な階調を表しており、最左列には階調数が示されている。階調数は、図中下方に向かうほど高くなる。また、各図の横軸は、1つの画像を表示する1フレーム表示期間を表しており、最上行には1フレーム表示期間を構成するサブフレーム期間の番号が示されている。図中左方が1フレーム表示期間の始点側に対応し、図中右方が1フレーム表示期間の終点側に対応する。各々のサブフレーム期間は、RGB各色の光通過期間を含んでいる。RGBそれぞれの光通過期間は等しく、サブフレーム期間それぞれにおいて所定の長さに定められている。なお、図4に示すサブフレーム期間が、RGBいずれか一色の光通過期間を表しており、図11に示すサブフィールド期間とその点で異なっている。本例では、RGB各色の光通過期間が、RGBの順で短い周期で繰り返される。MEMSシャッターを用いる場合、光通過期間は、バックライト2の点灯期間かつMEMSシャッターの開放期間である。これらの図では、各々の階調においてどのサブフレーム期間の光通過期間が発光するのかが示されている。このように、各々の階調は、サブフレーム期間の光通過期間の有無によって表現される。なお、これらの図では、各色の階調が同じ例(R=G=B)が示されているが、各色の階調が異なる場合には各々の点灯パターンが適用される。また、各々の光通過期間の間には、図示されていないが、実際にはアドレス期間が設けられる。
【0068】
サブフレーム期間は、第1のグループに属するサブフレーム期間3−1〜3−7と、第2のグループに属するサブフレーム期間0〜2と、に分類される。第1のグループに属するサブフレーム期間3−1〜3−7では、光通過期間の長さが同一である。光通過期間の長さは、本例では3bitである。3−1〜3−7の前側の「3」の字は、3bitの長さであることを表しており、後側の「1〜7」の字は、階調が高まるに従って光通過期間が出現する順序を表している。第1のグループでは、光通過期間が出現するサブフレーム期間の数が、階調が8の倍数に到達する毎に増加していく。第2のグループに属するサブフレーム期間0〜2では、光通過期間の長さが第1のグループの光通過期間よりも短く、かつ互いに異なるように重み付けされている。光通過期間の長さは、本例では0〜2bitである。「0〜2」の字は、0〜2bitの長さであることを表している。第2のグループに属するサブフレーム期間0〜2では、階調が8に到達するまでの間、各階調に対応する長さの光通過期間の組み合わせのパターンが出現し、このパターンが、階調が8の倍数に到達する毎に繰り返される。第1のグループに属するサブフレーム期間3−1〜3−7は、点灯制御部とも呼ばれ、第2のグループに属するサブフレーム期間0〜2は、bit制御部とも呼ばれる。
【0069】
第1のグループに属するサブフレーム期間3−1〜3−7のうち、光通過期間が出現するサブフレーム期間は、階調が高まるに従って、1フレーム表示期間の中途から始点及び終点に向かって増加し、全体として概略山形状を為すように配置される。このとき、光通過期間が出現するサブフレーム期間は、始点側及び終点側に交互に増加していく。例えば、最も低階調において光通過期間が出現するサブフレーム期間3−1は、1フレーム表示期間の中央部に設けられる。2番目の低階調において光通過期間が出現するサブフレーム期間3−2は、サブフレーム期間3−1に対して1フレーム表示期間の始点側または終点側に設けられる。本例において、図11に示す通り、サブフレーム期間3−2は、サブフレーム期間3−1に対して1フレーム表示期間の始点側に設けられる。3番目の低階調において光通過期間が出現するサブフレーム期間3−3は、サブフレーム期間3−1に対してサブフレーム期間3−2とは逆側に設けられる。4番目の低階調において光通過期間が出現するサブフレーム期間3−4は、サブフレーム期間3−1に対してサブフレーム期間3−2と同じ側で、サブフレーム期間3−1からサブフレーム期間3−2より離れて設けられる。以降のサブフレーム期間3−5〜3−7も、こうした規則に従って設けられる。階調数が6bitより多い場合も同様である。
【0070】
第2のグループに属するサブフレーム期間0〜2のそれぞれは、第1のグループに属するサブフレーム期間3−1〜3−7同士の間に設けられる。すなわち、第1のグループに属するサブフレーム期間3−1〜3−7と、第2のグループに属するサブフレーム期間0〜2と、は交互に設けられる。本例では、第2のグループに属するサブフレーム期間0〜2は、1フレーム表示期間の中央寄りに設けられており、このうち2つのサブフレーム期間が、1フレーム表示期間の中央部に配置されるサブフレーム期間3−1を挟み込むように前後両側に設けられている。
【0071】
図11に示す場合、サブフレーム期間3−2,4,6がサブフレーム期間3−1に対して1フレーム表示期間の始点側に設けられ、サブフレーム期間3−3,5,7がサブフレーム期間3−1に対して1フレーム表示期間の終点側に設けられている。なお、他の例として、サブフレーム期間3−2,4,6がサブフレーム期間3−1に対して1フレーム表示期間の終点側に設けられ、サブフレーム期間3−3,5,7がサブフレーム期間3−1に対して1フレーム表示期間の始点側に設けられていてもよい。
【0072】
図11に示す駆動シーケンスとすることにより、第1のグループの発光重心も、第2のグループの発光重心も、ともに、1フレーム表示期間の中心近くに近づけられており、疑似輪郭の発生が抑制される駆動シーケンスとなっている。係る駆動シーケンスの場合、図18に示す画像よりも、別の画像をスクロールさせた場合に生じる色分解がより問題となる。
【0073】
次に、図11に示す駆動シーケンスによって生じる色分解について説明する。図14は、当該実施形態に係る色分解の例を示す画像の図であり、ここで、問題となる画像は、図14(a)に示す画像である。この画像は、6bit階調の画像で、RGBの階調値(63,7,7)で表される色の所定幅の帯線を黒背景に表示する画像である。図11に示す通り、階調値7は、第2のグループに属するサブフレーム期間0〜2(bit制御部)ですべて光通過が行われ、第1のグループに属するサブフレーム期間3−1〜3−7(点灯制御部)では全く光通過が行われない。これに対して、階調値63は、すべてのサブフレーム期間において光通過が行われる。
【0074】
図17は、本発明の比較例3に係る画像表示を示す図である。図の縦軸及び横軸は、図15と同様である。比較例3では図11に示す駆動シーケンスを用いて表示を行っており、フレーム表示期間は、第1のグループに属する7個のサブフレーム期間3−1〜3−7と、第2のグループに属する3個のサブフレーム期間0〜2とで、構成されている。画像データdata1は、画素PX1がRGBの階調値(63,7,7)で表される色の表示で、画素PX2及び画素PX3が黒表示である。同様に、画像データdata2は、画素PX2が上記色の表示で、画素PX1及び画素PX3が黒表示であり、画像データdata3は、画素PX3が上記色の表示で、画素PX1及び画素PX2が黒表示である。比較例3において、比較例1及び比較例2と同様に、画像データ使用期間TDとフレーム表示期間TFとは、長さが等しく、ともに、16.67ms(周波数60Hz)である。
【0075】
ここで、RGBの階調値(63,7,7)で表される色の表示は、第1のグループに属する7個のサブフレーム期間3−1〜3−7ではRのみが光通過をし、第2のグループに属する3個のサブフレーム期間0〜2において、RGBの3色すべてで光通過が行われる。図17に示す通り、各画像データ使用期間TDにおいて、第2のグループに属する3個のサブフレーム期間0〜2は、期間開始から同じ時間後にそれぞれ出現するために、RGBの3色すべてで光通過が行われる3個のサブフレーム期間0〜2が白と認識されてしまい、白色の着色線が出現してしまう。図14(b)は、かかる画像を比較例3によって画像表示した場合に、人間の目に認識される画像を示している。
【0076】
次に、図11に示す駆動シーケンスを用いて、当該実施形態に係る画像表示について説明する。当該実施形態においても、1フレーム表示期間TFが画像データ使用期間TDより長い場合には、画像データ使用期間TDにおいて、(一部となる)残りの分割フレーム表示期間の表示を行わないことにより、各画像データ使用期間TDにおける最初(最後)の分割フレーム表示期間を異ならせることが出来る。同様に、1フレーム表示期間TFが画像データ使用期間TDより短い場合には、画像データ使用期間TDにおいて、1フレーム表示期間TF(n個の分割フレーム表示期間)に加えてさらに(一部となる)分割フレーム表示期間の表示を行うことにより、各画像データ使用期間TDにおける最初(最後)の分割フレーム表示期間を異ならせることが出来る。ここでは、後者の場合について説明する。
【0077】
図12は、当該実施形態に係る画像データ使用期間とフレーム表示期間TFの関係を示す図である。ここでは、1フレーム表示期間TFが、各画像データを使用している期間よりも短い場合について示している。
【0078】
図に示す通り、1フレーム表示期間は、10個のサブフレーム期間で構成されている。これを時系列に、2個ずつまとめて、分割フレーム表示期間とする。すなわち、1フレーム表示期間は、5個の分割フレーム表示期間によって構成されており、順に、サブフレーム期間3−6,3−4で構成される第1分割フレーム表示期間、サブフレーム期間0,3−2で構成される第2分割フレーム表示期間、サブフレーム期間2,3−1で構成される第3分割フレーム表示期間、サブフレーム期間1,3−3で構成される第4分割フレーム表示期間、及び、サブフレーム期間3−6,3−4で構成される第5分割フレーム表示期間とする。ここで、分割フレーム表示期間の長さは、種類によって異なっている。
【0079】
図12に示す通り、1フレーム表示期間TFの1期間は、連続する5個(n=5)の分割フレーム表示期間によって構成され、画像データを使用する期間(画像データ使用期間)に、連続する6個(k=6,n<k<2n)の分割フレーム表示期間の表示が行われる。画像データを使用する期間(画像データ使用期間)では、1フレーム表示期間TFの表示に加えて、さらに続く1個(k−n)の分割フレーム表示期間の表示が行われる。さらに続く1個の分割フレーム表示期間の種類によって、画像データを使用する期間は異なっている。
【0080】
図13は、当該実施形態に係る画像表示を示す図である。図の縦軸及び横軸は、図6乃至図9と同様であるが、3個の画像データdata1,data2,data3は、図17に示す比較例3と同様である。画像データの取り込みが、周波数60Hzでなされ、画像データを使用する期間は、平均的には16.67ms(周波数60Hz)であり、6個の分割フレーム表示期間で構成されている。これに対して、1フレーム表示期間TFは、1画像データ使用期間TDの0.833倍であり、13.89ms(周波数72Hz)となっている。
【0081】
図13に示す当該実施形態に係る画像表示では、かかる画像表示を行うことにより、RGB3色の光通過を行うサブフレーム期間0〜2の出現が、各画像データを使用する期間の始まりから、使用する画像データによって異なっている。画像データdata1〜data3を使用する期間それぞれで最初に用いられる分割フレーム表示期間は、順に、第1分割フレーム表示期間、第2分割フレーム表示期間、第3分割フレーム表示期間であり、順に1個ずつずれている。
【0082】
例えば、サブフレーム期間2の場合、第3分割フレーム表示期間の1番目のサブフレーム期間である。図17に示す比較例3に係る画像表示の場合、第3分割フレーム表示期間は、すべての画像データを使用する期間(フレーム表示期間)において、3番目の分割フレーム表示期間である。それゆえ、サブフレーム期間2は、すべての画像データを使用する期間において、その始まりから等しい時間経過後に出現する。これに対して、図13に示す当該実施形態に係る画像表示の場合、第3分割フレーム表示期間は、画像データdata1〜data3を使用する期間それぞれで、順に3番目、2番目、1番目の分割フレーム表示期間であり、それゆえ、サブフレーム期間2は、画像データdata1〜data3を使用する期間それぞれで、その始まりから異なる時間経過後に出現する。これにより、サブフレーム期間2に起因して人間の目に認識される白色の着色線の出現は抑制される。サブフレーム期間0,1についても同様である。
【0083】
図14は当該実施形態に係る色分解の例を示す画像の図であり、図14(c)は、かかる画像を当該実施形態によって画像表示した場合に、人間の目に認識される画像を示している。図14(b)に示す通り、図14(b)では出現している白色の着色線が、図14(c)では抑制されており、当該実施形態に係る画像表示の効果を表している。
【0084】
以上、本発明の複数の実施形態について説明した。第6の実施形態において、n個の分割フレーム表示期間の長さは、構成するサブフレーム期間の組み合わせによって異なっている。この場合であっても、制御部は周期的に画像データを取り込むとともに、取り込んだ該画像データに基づいて表示を行っている。他の実施形態においても同様であり、n個の分割フレーム表示期間の長さがともに等しくても、異なるものがあったとしても、何ら問題はなく、本発明を適用することが出来る。
【0085】
なお、本発明に係る表示装置は、MEMSシャッターなどの点灯制御素子を利用した表示装置として説明したが、これに限定されることはないのは言うまでもなく、色順次駆動方式によって表示を行う表示装置に広く適用される。
【符号の説明】
【0086】
1 ガラス基板、2 バックライト、3 表示制御回路、4 発光制御回路、5 システム制御回路、6 制御線、7 周波数比較ブロック、8 フレームメモリ、11 画素、12 行選択信号線、13 データ信号線、14 集積回路、15 行選択回路、21 スイッチ、22 記憶容量、23 点灯制御素子、24 基準電位、TD 画像データ使用期間、TF フレーム表示期間。
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及びその制御方法に関し、特に、光の通過/非通過を切り替える素子を用いた階調表示に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、各々の画素に「MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)シャッター」と呼ばれる微小なシャッターが設けられた表示装置が開示されている。こうした表示装置では、複数種類の色を順次点灯させるフィールドシーケンシャル(色順次駆動)方式が採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−197668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
色順次駆動方式の表示装置には、色分解という問題が生じている。色分解は、白黒の濃淡のある線を移動させた際に線の前後に色がついて見える現象である。
【0005】
図18は、色分解の例を示す画像の図である。当該画像は、黒背景に所定幅の白色の帯線を表示する画像である。色順次駆動方式による1フレーム表示期間の点灯例として、1画面分の画像を表示する1フレーム表示期間を3つの分割フレーム表示期間(R,G,B)に分けて、各分割フレーム表示期間で、赤(R)、緑(G)、青(B)と、順に光源を順に点灯する場合(例えば、図15参照)がある。図18に示す画像を例えば右から左へスクロールさせると、当該帯線の左側に赤色の着色線が、当該帯線の右側に青色の着色線が現れてしまう。
【0006】
これを抑制するために、1フレーム表示期間をさらに細かく分割し、1フレーム表示期間を6つの分割フレーム表示期間(R1,G1,B1,R2,G2,B2)に分けて、同様に、赤(R)、緑(G)、青(B)と、順に光源を順に点灯する点灯例(例えば、図16参照)もある。この場合であっても、図18に示す画像を右から左へスクロールさせると、赤色及び青色の着色線の幅は低減するものの、赤色及び青色の着色線が現れてしまう。すなわち、1フレーム表示期間をより細かく分割することで、着色線の幅は低減するものの、色分解の発生自体は抑制されない。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、色分解の発生が抑制される表示装置及びその制御方法を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明に係る表示装置は、複数種類の色の光源と、複数の画素それぞれに設けられ、前記光源からの光の通過/非通過を切り替える複数の素子と、前記光源の点灯の有無と前記素子の通過/非通過とを順に制御する色順次駆動によって、各前記画素の階調を表現する、制御部と、を備え、前記制御部は、画像データ使用期間毎に1画面分の画像データを取り込み該画像データに基づいて表示を行うとともに、フレーム表示期間毎に1画面分の画像の表示を行い、前記フレーム表示期間は、前記画像データ使用期間と長さが異なる、ことを特徴とする。
【0009】
(2)上記(1)に記載の表示装置であって、前記制御部は、前記フレーム表示期間が前記画像データ使用期間よりも長い場合には、前記画像データ使用期間に、該画像データの一部を使用せず、前記フレーム表示期間が前記画像データ使用期間よりも短い場合には、前記画像データ使用期間に、該画像データの一部を重複して使用してもよい。
【0010】
(3)上記(1)又は(2)に記載の表示装置であって、前記フレーム表示期間は、連続するn個(n≧2)の分割フレーム表示期間によって構成され、前記画像データ使用期間の1期間に、連続するk個(1≦k<n)の前記分割フレーム表示期間の表示が行われ、前記制御部は、前記画像データ使用期間の1期間に、残りのn−k個の前記分割フレーム表示期間の表示に用いるための、前記画像データの一部を使用しなくてもよい。
【0011】
(4)上記(1)又は(2)に記載の表示装置であって、前記フレーム表示期間の1期間は、連続するn個(n≧2)の分割フレーム表示期間によって構成され、前記画像データ使用期間の1期間に、連続するk個(n<k<2n)の前記分割フレーム表示期間の表示が行われ、前記制御部は、前記画像データ使用期間の1期間に、前記フレーム表示期間の1期間に1画面分の前記画像データを使用し、さらに続くk−n個の前記分割フレーム表示期間の表示に用いるための、前記画像データの一部をさらに使用してもよい。
【0012】
(5)上記(3)に記載の表示装置であって、連続する前記n個の分割フレーム表示期間それぞれで、前記複数種類のいずれかの色のみの表示が行われるとともに、前記n個の分割フレーム表示期間で表示される色の種類は順に並んで繰り返され、n−kは、色の種類の数より少なくてもよい。
【0013】
(6)上記(4)に記載の表示装置であって、連続する前記n個の分割フレーム表示期間それぞれで、前記複数種類のいずれかの色のみの表示が行われるとともに、前記n個の分割フレーム表示期間で表示される色の種類は順に繰り返されて続いており、k−nは、色の種類の数より少なくてもよい。
【0014】
(7)上記(3)又は(4)に記載の表示装置であって、n個の前記分割フレーム表示期間それぞれは、1又は複数のサブフレーム期間で構成されているとともに、複数の前記サブフレーム期間それぞれで、前記素子で通過/非通過させる、光通過期間の所定の長さが定められており、前記フレーム表示期間の1期間を構成する、前記複数のサブフレーム期間は、前記光通過期間の長さが同一の前記サブフレーム期間が属する第1のグループと、前記光通過期間の長さが前記第1のグループの光通過期間より短く、かつ互いに異なる前記サブフレーム期間が属する第2のグループと、に分類され、前記第1のグループに属する前記サブフレーム期間のうち、前記光通過期間を有する前記サブフレーム期間が、前記階調が高まるに従って、前記フレーム表示期間の中途から始点及び終点に向かって増加し、前記各々のサブフレーム期間は、各々の種類の色の光が通過する複数の前記光通過期間を含んでもよい。
【0015】
(8)上記(7)に記載の表示装置であって、前記第1のグループに属する前記サブフレーム期間と、前記第2のグループに属する前記サブフレーム期間と、が交互に設けられてもよい。
【0016】
(9)上記(7)に記載の表示装置であって、前記第1のグループに属する前記サブフレーム期間のうち、最も低階調において前記光通過期間を有する前記サブフレーム期間の前後に、前記第2のグループに属する前記サブフレーム期間が設けられてもよい。
【0017】
(10)本発明に係る表示装置の制御方法は、複数種類の色の光源と、複数の画素それぞれに設けられ、前記光源からの光の通過/非通過を切り替える複数の素子と、前記光源の点灯の有無と前記素子の通過/非通過とを順に制御する色順次駆動によって、各前記画素の階調を表現する、制御部と、を備える表示装置の制御方法であって、前記制御部は、画像データ使用期間毎に1画面分の画像データを取り込み該画像データに基づいて表示を行うとともに、フレーム表示期間毎に1画面分の画像を表示を行い、前記フレーム表示期間は、前記画像データ使用期間と長さが異なる、ことを特徴としてもよい。
【0018】
(11)上記(10)に記載の表示装置の制御方法であって、前記制御部は、前記フレーム表示期間が前記画像データ使用期間よりも長い場合には、前記画像データ使用期間に、該画像データの一部を使用せず、前記フレーム表示期間が前記画像データ使用期間よりも短い場合には、前記画像データ使用期間に、該画像データの一部を重複して使用してもよい。
【0019】
(12)上記(10)又は(11)に記載の表示装置の制御方法であって、前記フレーム表示期間は、連続するn個(n≧2)の分割フレーム表示期間によって構成され、前記画像データ使用期間の1期間に、連続するk個(1≦k<n)の前記分割フレーム表示期間の表示が行われ、前記制御部は、前記画像データ使用期間の1期間に、残りのn−k個の前記分割フレーム表示期間の表示に用いるための、前記画像データの一部を使用しなくてもよい。
【0020】
(13)上記(10)又は(11)に記載の表示装置の制御方法であって、前記フレーム表示期間の1期間は、連続するn個(n≧2)の分割フレーム表示期間によって構成され、前記画像データ使用期間の1期間に、連続するk個(n<k<2n)の前記分割フレーム表示期間の表示が行われ、前記制御部は、前記画像データ使用期間の1期間に、前記フレーム表示期間の1期間に1画面分の前記画像データを使用し、さらに続くk−n個の前記分割フレーム表示期間の表示に用いるための、前記画像データの一部をさらに使用してもよい。
【0021】
(14)上記(12)に記載の表示装置の制御方法であって、連続する前記n個の分割フレーム表示期間それぞれで、前記複数種類のいずれかの色のみの表示が行われるとともに、前記n個の分割フレーム表示期間で表示される色の種類は順に並んで繰り返され、n−kは、色の種類の数より少なくてもよい。
【0022】
(15)上記(13)に記載の表示装置の制御方法であって、連続する前記n個の分割フレーム表示期間それぞれで、前記複数種類のいずれかの色のみの表示が行われるとともに、前記n個の分割フレーム表示期間で表示される色の種類は順に繰り返されて続いており、k−nは、色の種類の数より少なくてもよい。
【0023】
(16)上記(12)又は(13)に記載の表示装置の制御方法であって、n個の前記分割フレーム表示期間それぞれは、1又は複数のサブフレーム期間で構成されているとともに、複数の前記サブフレーム期間それぞれで、前記素子で通過/非通過させる、光通過期間の所定の長さが定められており、前記フレーム表示期間の1期間を構成する、前記複数のサブフレーム期間は、前記光通過期間の長さが同一の前記サブフレーム期間が属する第1のグループと、前記光通過期間の長さが前記第1のグループの光通過期間より短く、かつ互いに異なる前記サブフレーム期間が属する第2のグループと、に分類され、前記第1のグループに属する前記サブフレーム期間のうち、前記光通過期間を有する前記サブフレーム期間が、前記階調が高まるに従って、前記フレーム表示期間の中途から始点及び終点に向かって増加し、前記各々のサブフレーム期間は、各々の種類の色の光が通過する複数の前記光通過期間を含んでもよい。
【0024】
(17)上記(16)に記載の表示装置の制御方法であって、前記第1のグループに属する前記サブフレーム期間と、前記第2のグループに属する前記サブフレーム期間と、が交互に設けられてもよい。
【0025】
(18)上記(16)に記載の表示装置の制御方法であって、前記第1のグループに属する前記サブフレーム期間のうち、最も低階調において前記光通過期間を有する前記サブフレーム期間の前後に、前記第2のグループに属する前記サブフレーム期間が設けられてもよい。
【発明の効果】
【0026】
本発明により、色分解の発生が抑制される表示装置及びその制御方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施形態の一例を示す表示装置の全体斜視図である。
【図2】同表示装置のガラス基板の構成例を示す図である。
【図3】同表示装置の画素の構成例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における1画面分の画像を表示する1フレーム表示期間を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態の画像表示の駆動シーケンスを示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る画像表示を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る画像表示を示す図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る画像表示を示す図である。
【図9】本発明の第4の実施形態に係る画像表示を示す図である。
【図10】本発明の第5の実施形態に係る画像表示を示す図である。
【図11】本発明の第6の実施形態における駆動シーケンスを示す図である。
【図12】本発明の第6の実施形態に係る画像データ使用期間とフレーム表示期間の関係を示す図である。
【図13】本発明の第6の実施形態に係る画像表示を示す図である。
【図14】本発明の第6の実施形態に係る色分解の例を示す画像の図である。
【図15】本発明の比較例1に係る画像表示を示す図である。
【図16】本発明の比較例2に係る画像表示を示す図である。
【図17】本発明の比較例3に係る画像表示を示す図である。
【図18】色分解の例を示す画像の図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の表示装置及びその制御方法の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0029】
図1は、本発明の実施形態の一例を示す表示装置の全体斜視図である。本発明の表示装置は、MEMSシャッターなどの点灯制御素子を利用した表示装置であり、ガラス基板1と、バックライト2と、表示制御回路3と、発光制御回路4と、システム制御回路5(制御部)と、周波数比較ブロック7と、フレームメモリ8と、を備えている。ガラス基板1は、MEMSシャッターなどの点灯制御素子と、それを駆動する画素回路及び周辺回路と、を備えている。バックライト2は、ガラス基板1の表示領域を照らす光源であり、RGB等の複数種類の色のLEDを含んでいる。表示制御回路3は、ガラス基板1に設けられた回路を制御し、発光制御回路4は、バックライト2の点灯を制御する。また、周波数比較ブロック7は、映像信号(画像データ)の取込周波数(後述する、画像データ使用期間)と、フレーム周波数(後述する、フレーム表示期間)との、周波数比較器であり、フレームメモリ8は、画像フレームメモリで、外部などより取り込んだ画像データが複数画像分格納されている。システム制御回路5は、周波数比較ブロック7に基づき、フレームメモリ8から映像信号(画像データ)を取り込み、取り込んだ映像信号(画像データ)に基づいて表示制御回路3及び発光制御回路4を制御する。
【0030】
図2は、当該表示装置のガラス基板1の構成例を示す図である。ガラス基板1には、複数の画素11と、行選択回路15と、集積回路14と、が配置されている。各々の画素11は、ガラス基板1上にマトリクス状に配置されており、バックライト2からの光の透過/非透過を切り替える点灯制御素子と、それを駆動する画素回路と、を含んでいる。各々の画素11には、行選択回路15から延びる行選択信号線12と、集積回路14から延びるデータ信号線13と、が接続されている。行選択回路15によって選択された画素11の記憶容量に、集積回路14から出力される映像信号が記憶される。行選択回路15は集積回路14によって制御され、集積回路14はFPCなどの制御線6を経由して外部の表示制御回路3によって制御される。
【0031】
図3は、当該表示装置の画素11の構成例を示す図である。行選択信号線12にはスイッチ21が接続されており、スイッチ21がオンすると、データ信号線13の電圧が記憶容量22に書き込まれる。記憶容量22は、スイッチ21と基準電位24とに接続されており、記憶容量22に書き込まれた電圧によって点灯制御素子23が動作する。点灯制御素子23は、MEMSシャッターなどであり、バックライト2からの光の透過/非透過を切り替える。例えば、MEMSシャッターは、バックライト2からの光が通過する開口を開閉するように動作する。
【0032】
以下、本発明の表示装置における制御方法の実施形態について説明する。
【0033】
[第1の実施形態]
図4は、本発明の第1の実施形態における1画面分の画像を表示する1フレーム表示期間TFを示す図である。図4に示す通り、1フレーム表示期間TFは、Rのサブフレーム期間(SF1〜SF8)と、Gのサブフレーム期間(SF9〜SF16)と、Bのサブフレーム期間(SF17〜SF24)と、で構成されている。各サブフレーム期間は、アドレス期間と点灯期間とを含んでいる。アドレス期間は、1画面分の画像データのうち、該サブフレーム期間に対応したデータを書き込むため、かつシャッターを移動させるための期間である。各サブフレーム期間に含まれる点灯期間の長さは、2進法に従って重み付けされている。こうした点灯期間で放射される光の通過/非通過をシャッターで制御することによって、各画素の各色の階調が表現される。ここでは、8ビットで256階調を表現することが可能であり、階調値は0から255の整数値をとる。
【0034】
図5は、当該実施形態の画像表示の駆動シーケンスを示す図である。光通過時間とは、光源の点灯期間かつシャッターの開放期間のことである。図5では、ハッチング又は黒塗りのセルがシャッターの開放期間を表し、白抜きのセルがシャッターの閉塞期間を表している。シャッターの開放期間では、光源からの光が通過し、シャッターの閉塞期間では光源からの光が通過しない。
【0035】
当該実施形態において、1フレーム表示期間を3個の分割フレーム表示期間R,G, Bとし、分割フレーム表示期間Rは、Rのサブフレーム期間(SF1〜SF8)で、分割フレーム表示期間Gは、Gのサブフレーム期間(SF9〜SF16)で、分割フレーム表示期間Bは、Bのサブフレーム期間(SF17〜SF24)で、それぞれ構成されている。
【0036】
図18に示す画像の代わりに、簡単のために、右から左へ3個並ぶ画素PX1,PX2,PX3を考える。さらに、図18に示す画像の白色の帯線の所定幅を画素1個分とする。当該画像が右から左へスクロールする状態を、3個の画像データdata1,data2,data3で表すこととする。画像データの各画素の階調情報を、RGBの階調値(DR,DG,DB)で表すとする。画像データdata1では、画素PX1が白表示で、画素PX2,PX3が黒表示、画像データdata2では、画素PX2が白表示で、画素PX1,PX3が黒表示、画像データdata3では、画素PX3が白表示で、画素PX1,PX2が黒表示である。ここで、白表示及び黒表示を、RGBの階調値で表すと、それぞれ、(255,255,255)、(0,0,0)である。
【0037】
図15は、本発明の比較例1に係る画像表示を示す図である。図の縦軸は、画素の位置を示しており、下から上へ順に、PX1,PX2,PX3である。図の横軸は、時間であり、1画面分の画像を表示する1フレーム表示期間をTFとし、時系列に順に、第1フレーム表示期間TF1,第2フレーム表示期間TF2,第3フレーム表示期間TF3,(第4フレーム表示期間TF4,・・・)とする。上述の通り、フレーム表示期間TFは、3個の分割フレーム表示期間R,G,Bで構成され、図15に示す通り、分割フレーム表示期間は、R,G,Bの順に並んで繰り返している。比較例1において、周波数60Hz(画像データ使用期間TD16.67ms)で、1画面分の画像データを取り込み、取り込まれた該画像データに基づいて、表示が行われる。周波数60Hzで、1画面分の画像データが表示されている。すなわち、1フレーム表示期間TFは、1画像データ使用期間TDと等しく、16.67msである。
【0038】
第1フレーム表示期間TF1では、画像データdata1の表示を、第2フレーム表示期間TF2では、画像データdata2の表示を、第3フレーム表示期間TF3では、画像データdata3の表示を行っている。この場合、各画像データを使用する画像データ使用期間TD(フレーム表示期間TF)において、最初に用いられる分割フレーム表示期間はRであり、最後に用いられる分割フレーム表示期間はBとなる。よって、図15に示す通り、各画像データの最初の分割フレーム表示期間を結ぶとR表示、最後の分割フレーム表示期間を結ぶとB表示となっている。図4に示すサブクレーム期間で構成される制御方法の場合、帯線が移動しているスクロール状態において、各画像データの最初に表示される色が常に赤色となり、最後に表示される色が常に青色となり、図18に示す画像を右から左へスクロールする場合に、当該帯線の左側に赤色の着色線が、当該帯線の右側に青色の着色線の出現が説明される。なお、帯線の中央付近での白表示については、図15にはWとして示されている。
【0039】
図6は、当該実施形態に係る画像表示を示す図である。図15と同様に、図の縦軸は画素の位置を、図の横軸は時間であり、比較例1と同様に、周波数60Hz(画像データ使用期間TD16.67ms)で、1画面分の画像データを取り込み、取り込まれた該画像データに基づいて、表示が行われる。しかし、比較例1と異なり、1画像データ使用期間TDに、2個の分割フレーム表示期間しか表示が行われていない。1画像データ使用期間TDは、1画面分の画像の表示を行う1フレーム表示期間TF(3個の分割フレーム表示期間)より短く、両者は長さが異なる。なお、1フレーム表示期間TFは、1画像データ使用期間TDの1.5倍であり、25ms(周波数40Hz)となっている。
【0040】
比較例1と同様に、1フレーム表示期間TFの1期間は、連続する3個(n=3)の分割フレーム表示期間R,G,Bによって構成されているが、比較例1と異なり、1画像データ使用期間TDの1期間に、連続する2個(k=2,1≦k<n)の分割フレーム表示期間の表示が行われている。例えば、画像データdata1を使用する画像データ使用期間TDでは、2個の分割フレーム表示期間R,Gの表示が行われ、残りの1個(n−k=1)の分割フレーム表示期間Bの表示が行われていない。ここで、各分割フレーム表示期間の表示に用いられる画像情報(画像データの一部)は、画素データの各画素の階調情報のうち、分割フレーム表示期間を表示する色の階調情報である。よって、例えば、画像データdata1を使用する画像データ使用期間TDでは、画像データの各画素のRとGの階調情報が使用され、Bの階調情報が使用されていない。すなわち、各画像データ使用期間TDにおいて、画像データの一部が使用されておらず、ここで、使用していない画像データの一部とは、3色の階調情報のうち、表示が行われない色の階調情報である。
【0041】
画像データdata1を使用する画像データ使用期間TDでは、RとGの2色の階調情報を使用して(Bの階調情報を使用せずに)、それぞれ分割フレーム表示期間R,Gの表示を行い、画像データdata2を使用する画像データ使用期間TDでは、BとRの2色の階調情報を使用して(Gの階調情報を使用せずに)、それぞれ分割フレーム表示期間B,Rの表示を行い、画像データdata3を使用する画像データ使用期間TDでは、GとBの2色の階調情報を使用して(Rの階調情報を使用せずに)、それぞれ分割フレーム表示期間G,Bの表示を行っている。よって、図6に示す通り、各画像データの最初の分割フレーム表示期間を結ぶと、RBGRBG・・・と繰り返すこととなり、人間の目には、積算されて白色に認識されるので、当該帯線の左側に出現する赤色の着色線が抑制される。同様に、各画像データの最後の分割フレーム表示期間を結ぶと、GRBGRB・・・と繰り返すこととなり、当該帯線の右側に出現する青色の着色線が抑制される。なお、帯線の左側、中央付近、右側での表示が、図6にはすべてWとして示されている。
【0042】
当該実施形態に係る制御方法では、画像データ使用期間TDと、フレーム表示期間TFが異なっており、連続する2個の画像の画像データを表示する最初(最後)の分割フレーム表示期間が異なっている。これにより、色分解の発生が抑制される。さらに、ある画像の画像データを使用する画像データ使用期間TDに、その画像データの一部を使用しておらず、1個の分割フレーム表示期間を長くすることが出来、各サブフレーム期間のアドレス期間に行うデータ書き込みの回数を単位時間当たり低減することが出来、また、光源の発光切り替えの回数を単位時間当たり低減することが出来、発光効率が向上し、消費電力が低減される。
【0043】
[第2の実施形態]
図7は、本発明の第2の実施形態に係る画像表示を示す図である。図6と同様に、図の縦軸は画素の位置を、図の横軸は時間であり、第1の実施形態と同様に、1画像データ使用期間TDは16.67msである。しかし、第1の実施形態と異なり、1画像データ使用期間TDに、4個の分割フレーム表示期間の表示が行われている。1画像データ使用期間TDは、1フレーム表示期間TFより長く、両者は長さが異なる。1画像データ使用期間TDに、画像データの一部を重複して使用している。なお、1フレーム表示期間TFは、3個(n=3)の分割フレーム表示期間によって構成され、1フレーム表示期間TFは、1画像データ使用期間TDの0.75倍であり、12.5ms(周波数80Hz)となっている。
【0044】
当該実施形態において、1画像データ使用期間TDの1期間に、連続する4個(k=4,n<k<2n)の分割フレーム表示期間の表示が行われている。例えば、画像データdata1を使用する画像データ使用期間TDでは、1画面分の画像データを表示する1フレーム表示期間TF(分割フレーム表示期間R,G,B)の表示に加えて、さらに続く1個(k−n)の分割フレーム表示期間Rの表示が行われている。画像データdata1を使用する画像データ使用期間TDでは、画像データdata1のすべて(1画面分のデータ)を使用して、3個の分割フレーム表示期間R,G,Bの表示を行い、さらに、画像データdata1の一部を使用して、分割フレーム表示期間Rの表示を行っており、Rの階調情報(画像データの一部)を重複して使用している。
【0045】
画像データdata1を使用する画像データ使用期間TDでは、1画面分の画像表示(分割フレーム表示期間R,G,B)に加えてさらに、Rの階調情報を使用して分割フレーム表示期間Rの表示を行い、画像データdata2を使用する画像データ使用期間TDでは、1画面分の画像表示(分割フレーム表示期間G,B,R)に加えてさらに、Gの階調情報を使用して分割フレーム表示期間Gの表示を行い、画像データdata3を使用する画像データ使用期間TDでは、1画面分の画像表示(分割フレーム表示期間B,R,G)に加えてさらに、Bの階調情報を使用して分割フレーム表示期間Bの表示を行っている。よって、図7に示す通り、各画像データの最初の分割フレーム表示期間を結ぶと、RGBRGB・・・と繰り返すこととなり、人間の目には、積算されて白色に認識されるので、当該帯線の左側に出現する赤色の着色線が抑制される。同様に、各画像データの最後の分割フレーム表示期間を結ぶと、RGBRGB・・・と繰り返すこととなり、当該帯線の右側に出現する青色の着色線が抑制される。なお、帯線の左側、中央付近、右側での表示が、図6にはすべてWとして示されている。
【0046】
当該実施形態に係る制御方法では、第1の実施形態と同様に、画像データ使用期間TDと、フレーム表示期間TFが異なっており、連続する2個の画像の画像データを表示する最初(最後)の分割フレーム表示期間が異なっている。これにより、色分解の発生が抑制される。さらに、画像データ使用期間TDに対して、フレーム表示期間を短くすることが出来ており、単位時間当たりに表示する画像の画面数を向上することが出来、より動きの滑らかな画像を表示することが出来ている。
【0047】
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態では、第1の実施形態と異なり、1フレーム表示期間TFが6個の分割フレーム表示期間で構成されている。すなわち、各色の表示をそれぞれ、2個の分割フレーム表示期間で行う。各色の表示を行う2個の分割フレーム表示期間それぞれは、1又は複数のサブフレーム期間で構成されている。図4に示すRの表示を行うRのサブフレーム期間(SF1〜SF8)を2個のグループに分類し、一方のグループに分類されるサブフレーム期間によって分割フレーム表示期間R1が構成され、他方のグループに分類されるサブフレーム期間によって分割フレーム表示期間R2が構成される。2個の分割フレーム表示期間の長さが等しくなるように、Rのサブフレーム期間(SF1〜SF8)を2個のグループに分類するのが望ましい。ここでは、2個の分割フレーム表示期間の長さは等しいものとする。他の色も同様にすることにより、1フレーム表示期間を6個の分割フレーム表示期間で構成することが出来る。
【0048】
図16は、本発明の比較例2に係る画像表示を示す図である。図の縦軸及び横軸と、3個の画像データdata1,data2,data3は、図15と同様である。上述の通り、フレーム表示期間TFは、6個の分割フレーム表示期間R1,G1,B1,R2,G2,B2で構成され、図16に示す通り、R,G,Bの順に並んで繰り返している。比較例2において、比較例1と同様に、画像データ使用期間TDとフレーム表示期間TFとは、長さが等しく、ともに、16.67ms(周波数60Hz)である。
【0049】
図15に示す比較例1と比べると、1フレーム表示期間TFにいて、分割フレーム表示期間の個数が2倍になったのに伴って、R,G,Bの繰り返しも2倍となっているが、各画像データを使用する画像データ使用期間TDにおいて、最初に用いられる分割フレーム表示期間はR1であり、最後に用いられる分割フレーム表示期間はB2である。比較例1と同様に、各画像データの最初の分割フレーム表示期間を結ぶとR表示、最後の分割フレーム表示期間を結ぶとB表示となっている。1個の分割フレーム表示期間が短くなっているので、出現する着色線の幅は短くなるが、比較例1と同様に、色分解の出現が説明される。
【0050】
図8は、当該実施形態に係る画像表示を示す図である。図の縦軸及び横軸と、3個の画像データdata1,data2,data3は、図6及び図7と同様である。第1の実施形態同様に、1画像データ使用期間TDは1フレーム表示期間TF(6個の分割フレーム表示期間)より短く、1画像データ使用期間TDにおいて、画像データの一部は使用されていない。1画像データ使用期間TDは16.67ms(周波数60Hz)であり、1フレーム表示期間TFは、1画像データ使用期間TDの1.2倍であり、20ms(周波数50Hz)となっている。
【0051】
比較例2と同様に、1フレーム表示期間TFの1期間は、連続する6個(n=6)の分割フレーム表示期間で構成されているが、比較例2と異なり、1画像データ使用期間TDの1期間に、連続する5個(k=5,1≦k<n)の分割フレーム表示期間の表示が行われている。例えば、画像データdata1を使用する画像データ使用期間TDでは、5個の分割フレーム表示期間R1,G1,B1,R2,G2の表示が行われ、残りの1個(n−k=1)の分割フレーム表示期間B2の表示が行われていない。ここで、各分割フレーム表示期間の表示に用いられる画像情報(画像データの一部)は、画像データの各画素の対応する色の階調情報の一部である。具体的には、階調情報は階調値(0〜255)であり、階調値を8bitで表すことができ、8bit(位)のうち一部の位の値(0,1)の組み合わせである。どの組み合わせかは、分割フレーム表示期間を構成するサブフレーム期間の組み合わせによって決まる。例えば、画像データdata1を使用する画像データ使用期間TDでは分割フレーム表示期間B2を表示するための画像情報が、画像データdata2を使用する画像データ使用期間TDでは分割フレーム表示期間G2を表示するための画像情報が、画像データdata3を使用する画像データ使用期間TDでは分割フレーム表示期間R2を表示するための画像情報が、それぞれ使用されていない。すなわち、各画像データ使用期間TDにおいて、画像データの一部が使用されていない。
【0052】
図6に示す第1の実施形態と同様に、各画像データの最初の分割フレーム表示期間を結ぶと、RBGRBG・・・と繰り返すこととなり、人間の目には、積算されて白色に認識されるので、当該帯線の左側に出現する赤色の着色線が抑制される。同様に、各画像データの最後の分割フレーム表示期間を結ぶと、GRBGRB・・・と繰り返すこととなり、当該帯線の右側に出現する青色の着色線が抑制される。なお、帯線の左側、中央付近、右側での表示が、図8にはすべてWとして示されている。
【0053】
当該実施形態に係る制御方法では、第1の実施形態に係る制御方法と同様の効果が得られているが、さらに、使用しない画像データの一部を少なくすることが出来ており、第1の実施形態と比べて、1画面分の画像データをすべて使用する画像表示に、より近い表示を実現しつつ、色分解を抑制することが出来ている。
【0054】
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態では、第3の実施形態と同様に、1フレーム表示期間が6個(n=6)の分割フレーム表示期間で構成されている。第2の実施形態と同様に、1画像データ使用期間TDは1フレーム表示期間TFより長く、1画像データ使用期間TDに画像データの一部を重複して使用している。
【0055】
図9は、当該実施形態に係る画像表示を示す図である。図の縦軸及び横軸と、3個の画像データdata1,data2,data3は、図6乃至図8と同様である。1画像データ使用期間TDは16.67ms(周波数60Hz)であり、7個の分割フレーム表示期間で構成されている。これに対して、1フレーム表示期間TFは、1画像データ使用期間TDの0.857倍であり、14.29ms(周波数70Hz)となっている。
【0056】
当該実施形態において、1画像データ使用期間TDの1期間に、連続する7個(k=7,n<k<2n)の分割フレーム表示期間の表示が行われている。例えば、画像データdata1を使用する画像データ使用期間TDでは、1画面分の画像データを表示する1フレーム表示期間TF(分割フレーム表示期間R1,G1,B1,R2,G2,B2)の表示に加えて、さらに続く1個(k−n)の分割フレーム表示期間R1の表示が行われている。画像データdata1を使用する画像データ使用期間TDでは、画像データdata1のすべて(1画面分のデータ)を使用して、6個の分割フレーム表示期間R1,G1,B1,R2,G2,B2の表示を行い、さらに、画像データdata1の一部を使用して、分割フレーム表示期間R1の表示を行い、画像データdata1の一部である、Rの階調情報の一部を重複して使用している。
【0057】
画像データdata1を使用する画像データ使用期間TDでは、1画面分の画像表示(分割フレーム表示期間R1,G1,B1、R2,G2,B2)に加えてさらに、Rの階調情報の一部を使用して分割フレーム表示期間R1の表示を行い、画像データdata2を使用する画像データ使用期間TDでは、1画面分の画像表示(分割フレーム表示期間G1,B1,R2,G2,B2,R1)に加えてさらに、Gの階調情報の一部を使用して分割フレーム表示期間G1の表示を行い、画像データdata3を使用する画像データ使用期間TDでは、1画面分の画像表示(分割フレーム表示期間B1,R2,G2,B2,R1,G1)に加えてさらに、Bの階調情報を使用して分割フレーム表示期間B1の表示を行っている。よって、図7に示す第2の実施形態と同様に、当該帯線の左側に出現する赤色の着色線及び右側に出現する青色の着色線がともに抑制される。
【0058】
当該実施形態に係る制御方法では、第2の実施形態に係る制御方法と同様の効果が得られているが、さらに、重複して使用する画像データの一部を少なくすることが出来ており、第2の実施形態と比べて、1画面分の画像データをすべて使用する画像表示に、より近い表示を実現しつつ、色分解を抑制することが出来ている。
【0059】
以上の第1乃至第4の実施形態では、1フレーム表示期間TFを構成するn個の分割フレーム表示期間それぞれにおいて、3色RGBのうちいずれかの色の表示が行われており、さらに、連続するn個の分割フレーム表示期間で表示される色は、順にRGBと規則的に(周期的に)繰り返されている。1フレーム表示期間TFが画像データ使用期間TDより長い場合には、画像データ使用期間TDにおいて、残りの1個の分割フレーム表示期間の表示を行わないことにより、各画像データ使用期間TDにおける最初(最後)の分割フレーム表示期間で表示される色を、順にRBGとずらすことが出来ている。1フレーム表示期間TFが画像データ使用期間TDより短い場合には、画像データ使用期間TDにおいて、1フレーム表示期間TF(n個の分割フレーム表示期間)に加えてさらに1個の分割フレーム表示期間の表示を行うことにより、各画像データ使用期間TDにおける最初(最後)の分割フレーム表示期間で表示される色を、順にRGBとずらすことが出来ている。このように、1フレーム表示期間TFが画像データ使用期間TDより長い(短い)場合に、1個の分割フレーム表示期間の表示を行わない(表示をさらに行う)ことにより、各画像データ使用期間TDにおける最初の分割フレーム表示期間で表示される色を順にずらすことが出来ている。表示を行わない(表示をさらに行う)分割フレーム表示期間は1個に限定されることはなく2個であってもよく、色の種類の数(3)より少ない数字であればよい。1画面分の画像データをすべて使用する画像表示に、より近い表示を実現するためには、1個であるのが望ましい。
【0060】
[第5の実施形態]
本発明の第5の実施形態では、1フレーム表示期間TFが12個の分割フレーム表示期間で構成されている。第3及び第4の実施形態では、1フレーム表示期間TFは、6個の分割フレーム表示期間R1,G1,B1,R2,G2,B2で構成されているが、各分割フレーム表示期間をさらに前半と後半とに分割しているのが、当該実施形態である。例えば、分割フレーム表示期間R1の前半部分を分割フレーム表示期間R1Aと、後半部分を分割フレーム表示期間R1Bとしている。
【0061】
当該実施形態においても、1フレーム表示期間TFが画像データ使用期間TDより長い場合には、画像データ使用期間TDにおいて、残りの1個の分割フレーム表示期間の表示を行わないことにより、各画像データ使用期間TDにおける最初(最後)の分割フレーム表示期間を1つずつずらすことが出来る。同様に、1フレーム表示期間TFが画像データ使用期間TDより短い場合には、画像データ使用期間TDにおいて、1フレーム表示期間TF(n個の分割フレーム表示期間)に加えてさらに1個の分割フレーム表示期間の表示を行うことにより、各画像データ使用期間TDにおける最初(最後)の分割フレーム表示期間を1つずつずらすことが出来る。ここでは、後者の場合について説明する。
【0062】
図10は、当該実施形態に係る画像表示を示す図である。図の縦軸及び横軸と、3個の画像データdata1,data2,data3は、図6乃至図9と同様である。1画像データ使用期間TDは16.67ms(周波数60Hz)であり、13個の分割フレーム表示期間で構成されている。これに対して、1フレーム表示期間TFは、1画像データ使用期間TDの0.923倍であり、15.38ms(周波数65Hz)となっている。
【0063】
上述の通り、1フレーム表示期間TFは、12個の分割フレーム表示期間R1A,R1B,G1A,G1B,・・・B2A,B2Bで構成されている。画像データdata1を使用する画像データ使用期間TDでは、1画面分の画像表示に加えてさらに、分割フレーム表示期間R1Aの表示を行い、画像データdata2を使用する画像データ使用期間TDでは、1画面分の画像表示に加えてさらに、分割フレーム表示期間R1Bの表示を行い、画像データdata3を使用する画像データ使用期間TDでは、1画面分の画像表示に加えてさらに、分割フレーム表示期間G1Aの表示を行っている。なお、図10には、例えば、2個の分割フレーム表示期間R1A,R1BをまとめてR1として記しており、他のG1,B1,R2,G2,B2についても同様である。
【0064】
かかる画像表示を行うことにより、各画像データ使用期間TDにおける最初(最後)の分割フレーム表示期間をR1A,R1B,G1B,・・・と、順に1つずつずらすことが出来ている。第1乃至第4の実施形態では、各画像データ使用期間TDにおける最初(最後)の分割フレーム表示期間で表示される色は、RGBと順に繰り返し、画像データ使用期間TDが16.67ms(周波数60Hz)であるときに、色の交換周期はその3倍で、50ms(周波数20Hz)となっている。これに対して、当該実施形態では、各画像データ使用期間TDにおける最初(最後)の分割フレーム表示期間で表示される色は、RRGGBBと順に繰り返すので、同じ画像データ使用期間TDに対して、色の交換周期は第1乃至第4の実施形態の2倍と長くなっており、色分解抑制の観点からは望ましくない。しかし、当該実施形態の場合、以下のような効果が得られている。図10に示す画像表示の場合、1フレーム表示期間TFを12個の分割フレーム表示期間によって構成したにもかかわらず、RGBの繰り返しは、図8及び図9と同じく1フレーム表示期間TFで2回である。すなわち、分割フレーム表示期間の数(n個)を増加させて、重複して使用する画像データの一部を小さくすることが出来ており、1画面分の画像データをすべて使用する画像表示に、より近い表示を実現している。にもかかわらず、光源の発光切り替えの回数を単位時間当たり低減することが出来、発光効率が向上し、消費電力が低減される。
【0065】
[第6の実施形態]
本発明の第6の実施形態では、疑似輪郭の出現が抑制される駆動シーケンスを提案している。そして、当該実施形態は、当該駆動シーケンスに本発明を適用したものである。
【0066】
例えば、図5に示す駆動シーケンスによる表示を行う場合、疑似輪郭という現象が発生してしまう。ここで疑似輪郭とは、実際に存在しない明暗の境界が見えてしまう現象である。図5に示す駆動シーケンスによると、例えば、階調値128から階調値127切り替わるパターンを画面の右から左にスクロールさせた場合に、疑似輪郭は発生する。まず、当該実施形態に係る駆動シーケンスから説明する。
【0067】
図11は、当該実施形態における駆動シーケンスを示す図である。図の縦軸は表示可能な階調を表しており、最左列には階調数が示されている。階調数は、図中下方に向かうほど高くなる。また、各図の横軸は、1つの画像を表示する1フレーム表示期間を表しており、最上行には1フレーム表示期間を構成するサブフレーム期間の番号が示されている。図中左方が1フレーム表示期間の始点側に対応し、図中右方が1フレーム表示期間の終点側に対応する。各々のサブフレーム期間は、RGB各色の光通過期間を含んでいる。RGBそれぞれの光通過期間は等しく、サブフレーム期間それぞれにおいて所定の長さに定められている。なお、図4に示すサブフレーム期間が、RGBいずれか一色の光通過期間を表しており、図11に示すサブフィールド期間とその点で異なっている。本例では、RGB各色の光通過期間が、RGBの順で短い周期で繰り返される。MEMSシャッターを用いる場合、光通過期間は、バックライト2の点灯期間かつMEMSシャッターの開放期間である。これらの図では、各々の階調においてどのサブフレーム期間の光通過期間が発光するのかが示されている。このように、各々の階調は、サブフレーム期間の光通過期間の有無によって表現される。なお、これらの図では、各色の階調が同じ例(R=G=B)が示されているが、各色の階調が異なる場合には各々の点灯パターンが適用される。また、各々の光通過期間の間には、図示されていないが、実際にはアドレス期間が設けられる。
【0068】
サブフレーム期間は、第1のグループに属するサブフレーム期間3−1〜3−7と、第2のグループに属するサブフレーム期間0〜2と、に分類される。第1のグループに属するサブフレーム期間3−1〜3−7では、光通過期間の長さが同一である。光通過期間の長さは、本例では3bitである。3−1〜3−7の前側の「3」の字は、3bitの長さであることを表しており、後側の「1〜7」の字は、階調が高まるに従って光通過期間が出現する順序を表している。第1のグループでは、光通過期間が出現するサブフレーム期間の数が、階調が8の倍数に到達する毎に増加していく。第2のグループに属するサブフレーム期間0〜2では、光通過期間の長さが第1のグループの光通過期間よりも短く、かつ互いに異なるように重み付けされている。光通過期間の長さは、本例では0〜2bitである。「0〜2」の字は、0〜2bitの長さであることを表している。第2のグループに属するサブフレーム期間0〜2では、階調が8に到達するまでの間、各階調に対応する長さの光通過期間の組み合わせのパターンが出現し、このパターンが、階調が8の倍数に到達する毎に繰り返される。第1のグループに属するサブフレーム期間3−1〜3−7は、点灯制御部とも呼ばれ、第2のグループに属するサブフレーム期間0〜2は、bit制御部とも呼ばれる。
【0069】
第1のグループに属するサブフレーム期間3−1〜3−7のうち、光通過期間が出現するサブフレーム期間は、階調が高まるに従って、1フレーム表示期間の中途から始点及び終点に向かって増加し、全体として概略山形状を為すように配置される。このとき、光通過期間が出現するサブフレーム期間は、始点側及び終点側に交互に増加していく。例えば、最も低階調において光通過期間が出現するサブフレーム期間3−1は、1フレーム表示期間の中央部に設けられる。2番目の低階調において光通過期間が出現するサブフレーム期間3−2は、サブフレーム期間3−1に対して1フレーム表示期間の始点側または終点側に設けられる。本例において、図11に示す通り、サブフレーム期間3−2は、サブフレーム期間3−1に対して1フレーム表示期間の始点側に設けられる。3番目の低階調において光通過期間が出現するサブフレーム期間3−3は、サブフレーム期間3−1に対してサブフレーム期間3−2とは逆側に設けられる。4番目の低階調において光通過期間が出現するサブフレーム期間3−4は、サブフレーム期間3−1に対してサブフレーム期間3−2と同じ側で、サブフレーム期間3−1からサブフレーム期間3−2より離れて設けられる。以降のサブフレーム期間3−5〜3−7も、こうした規則に従って設けられる。階調数が6bitより多い場合も同様である。
【0070】
第2のグループに属するサブフレーム期間0〜2のそれぞれは、第1のグループに属するサブフレーム期間3−1〜3−7同士の間に設けられる。すなわち、第1のグループに属するサブフレーム期間3−1〜3−7と、第2のグループに属するサブフレーム期間0〜2と、は交互に設けられる。本例では、第2のグループに属するサブフレーム期間0〜2は、1フレーム表示期間の中央寄りに設けられており、このうち2つのサブフレーム期間が、1フレーム表示期間の中央部に配置されるサブフレーム期間3−1を挟み込むように前後両側に設けられている。
【0071】
図11に示す場合、サブフレーム期間3−2,4,6がサブフレーム期間3−1に対して1フレーム表示期間の始点側に設けられ、サブフレーム期間3−3,5,7がサブフレーム期間3−1に対して1フレーム表示期間の終点側に設けられている。なお、他の例として、サブフレーム期間3−2,4,6がサブフレーム期間3−1に対して1フレーム表示期間の終点側に設けられ、サブフレーム期間3−3,5,7がサブフレーム期間3−1に対して1フレーム表示期間の始点側に設けられていてもよい。
【0072】
図11に示す駆動シーケンスとすることにより、第1のグループの発光重心も、第2のグループの発光重心も、ともに、1フレーム表示期間の中心近くに近づけられており、疑似輪郭の発生が抑制される駆動シーケンスとなっている。係る駆動シーケンスの場合、図18に示す画像よりも、別の画像をスクロールさせた場合に生じる色分解がより問題となる。
【0073】
次に、図11に示す駆動シーケンスによって生じる色分解について説明する。図14は、当該実施形態に係る色分解の例を示す画像の図であり、ここで、問題となる画像は、図14(a)に示す画像である。この画像は、6bit階調の画像で、RGBの階調値(63,7,7)で表される色の所定幅の帯線を黒背景に表示する画像である。図11に示す通り、階調値7は、第2のグループに属するサブフレーム期間0〜2(bit制御部)ですべて光通過が行われ、第1のグループに属するサブフレーム期間3−1〜3−7(点灯制御部)では全く光通過が行われない。これに対して、階調値63は、すべてのサブフレーム期間において光通過が行われる。
【0074】
図17は、本発明の比較例3に係る画像表示を示す図である。図の縦軸及び横軸は、図15と同様である。比較例3では図11に示す駆動シーケンスを用いて表示を行っており、フレーム表示期間は、第1のグループに属する7個のサブフレーム期間3−1〜3−7と、第2のグループに属する3個のサブフレーム期間0〜2とで、構成されている。画像データdata1は、画素PX1がRGBの階調値(63,7,7)で表される色の表示で、画素PX2及び画素PX3が黒表示である。同様に、画像データdata2は、画素PX2が上記色の表示で、画素PX1及び画素PX3が黒表示であり、画像データdata3は、画素PX3が上記色の表示で、画素PX1及び画素PX2が黒表示である。比較例3において、比較例1及び比較例2と同様に、画像データ使用期間TDとフレーム表示期間TFとは、長さが等しく、ともに、16.67ms(周波数60Hz)である。
【0075】
ここで、RGBの階調値(63,7,7)で表される色の表示は、第1のグループに属する7個のサブフレーム期間3−1〜3−7ではRのみが光通過をし、第2のグループに属する3個のサブフレーム期間0〜2において、RGBの3色すべてで光通過が行われる。図17に示す通り、各画像データ使用期間TDにおいて、第2のグループに属する3個のサブフレーム期間0〜2は、期間開始から同じ時間後にそれぞれ出現するために、RGBの3色すべてで光通過が行われる3個のサブフレーム期間0〜2が白と認識されてしまい、白色の着色線が出現してしまう。図14(b)は、かかる画像を比較例3によって画像表示した場合に、人間の目に認識される画像を示している。
【0076】
次に、図11に示す駆動シーケンスを用いて、当該実施形態に係る画像表示について説明する。当該実施形態においても、1フレーム表示期間TFが画像データ使用期間TDより長い場合には、画像データ使用期間TDにおいて、(一部となる)残りの分割フレーム表示期間の表示を行わないことにより、各画像データ使用期間TDにおける最初(最後)の分割フレーム表示期間を異ならせることが出来る。同様に、1フレーム表示期間TFが画像データ使用期間TDより短い場合には、画像データ使用期間TDにおいて、1フレーム表示期間TF(n個の分割フレーム表示期間)に加えてさらに(一部となる)分割フレーム表示期間の表示を行うことにより、各画像データ使用期間TDにおける最初(最後)の分割フレーム表示期間を異ならせることが出来る。ここでは、後者の場合について説明する。
【0077】
図12は、当該実施形態に係る画像データ使用期間とフレーム表示期間TFの関係を示す図である。ここでは、1フレーム表示期間TFが、各画像データを使用している期間よりも短い場合について示している。
【0078】
図に示す通り、1フレーム表示期間は、10個のサブフレーム期間で構成されている。これを時系列に、2個ずつまとめて、分割フレーム表示期間とする。すなわち、1フレーム表示期間は、5個の分割フレーム表示期間によって構成されており、順に、サブフレーム期間3−6,3−4で構成される第1分割フレーム表示期間、サブフレーム期間0,3−2で構成される第2分割フレーム表示期間、サブフレーム期間2,3−1で構成される第3分割フレーム表示期間、サブフレーム期間1,3−3で構成される第4分割フレーム表示期間、及び、サブフレーム期間3−6,3−4で構成される第5分割フレーム表示期間とする。ここで、分割フレーム表示期間の長さは、種類によって異なっている。
【0079】
図12に示す通り、1フレーム表示期間TFの1期間は、連続する5個(n=5)の分割フレーム表示期間によって構成され、画像データを使用する期間(画像データ使用期間)に、連続する6個(k=6,n<k<2n)の分割フレーム表示期間の表示が行われる。画像データを使用する期間(画像データ使用期間)では、1フレーム表示期間TFの表示に加えて、さらに続く1個(k−n)の分割フレーム表示期間の表示が行われる。さらに続く1個の分割フレーム表示期間の種類によって、画像データを使用する期間は異なっている。
【0080】
図13は、当該実施形態に係る画像表示を示す図である。図の縦軸及び横軸は、図6乃至図9と同様であるが、3個の画像データdata1,data2,data3は、図17に示す比較例3と同様である。画像データの取り込みが、周波数60Hzでなされ、画像データを使用する期間は、平均的には16.67ms(周波数60Hz)であり、6個の分割フレーム表示期間で構成されている。これに対して、1フレーム表示期間TFは、1画像データ使用期間TDの0.833倍であり、13.89ms(周波数72Hz)となっている。
【0081】
図13に示す当該実施形態に係る画像表示では、かかる画像表示を行うことにより、RGB3色の光通過を行うサブフレーム期間0〜2の出現が、各画像データを使用する期間の始まりから、使用する画像データによって異なっている。画像データdata1〜data3を使用する期間それぞれで最初に用いられる分割フレーム表示期間は、順に、第1分割フレーム表示期間、第2分割フレーム表示期間、第3分割フレーム表示期間であり、順に1個ずつずれている。
【0082】
例えば、サブフレーム期間2の場合、第3分割フレーム表示期間の1番目のサブフレーム期間である。図17に示す比較例3に係る画像表示の場合、第3分割フレーム表示期間は、すべての画像データを使用する期間(フレーム表示期間)において、3番目の分割フレーム表示期間である。それゆえ、サブフレーム期間2は、すべての画像データを使用する期間において、その始まりから等しい時間経過後に出現する。これに対して、図13に示す当該実施形態に係る画像表示の場合、第3分割フレーム表示期間は、画像データdata1〜data3を使用する期間それぞれで、順に3番目、2番目、1番目の分割フレーム表示期間であり、それゆえ、サブフレーム期間2は、画像データdata1〜data3を使用する期間それぞれで、その始まりから異なる時間経過後に出現する。これにより、サブフレーム期間2に起因して人間の目に認識される白色の着色線の出現は抑制される。サブフレーム期間0,1についても同様である。
【0083】
図14は当該実施形態に係る色分解の例を示す画像の図であり、図14(c)は、かかる画像を当該実施形態によって画像表示した場合に、人間の目に認識される画像を示している。図14(b)に示す通り、図14(b)では出現している白色の着色線が、図14(c)では抑制されており、当該実施形態に係る画像表示の効果を表している。
【0084】
以上、本発明の複数の実施形態について説明した。第6の実施形態において、n個の分割フレーム表示期間の長さは、構成するサブフレーム期間の組み合わせによって異なっている。この場合であっても、制御部は周期的に画像データを取り込むとともに、取り込んだ該画像データに基づいて表示を行っている。他の実施形態においても同様であり、n個の分割フレーム表示期間の長さがともに等しくても、異なるものがあったとしても、何ら問題はなく、本発明を適用することが出来る。
【0085】
なお、本発明に係る表示装置は、MEMSシャッターなどの点灯制御素子を利用した表示装置として説明したが、これに限定されることはないのは言うまでもなく、色順次駆動方式によって表示を行う表示装置に広く適用される。
【符号の説明】
【0086】
1 ガラス基板、2 バックライト、3 表示制御回路、4 発光制御回路、5 システム制御回路、6 制御線、7 周波数比較ブロック、8 フレームメモリ、11 画素、12 行選択信号線、13 データ信号線、14 集積回路、15 行選択回路、21 スイッチ、22 記憶容量、23 点灯制御素子、24 基準電位、TD 画像データ使用期間、TF フレーム表示期間。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の色の光源と、
複数の画素それぞれに設けられ、前記光源からの光の通過/非通過を切り替える複数の素子と、
前記光源の点灯の有無と前記素子の通過/非通過とを順に制御する色順次駆動によって、各前記画素の階調を表現する、制御部と、
を備え、
前記制御部は、画像データ使用期間毎に1画面分の画像データを取り込み該画像データに基づいて表示を行うとともに、フレーム表示期間毎に1画面分の画像の表示を行い、
前記フレーム表示期間は、前記画像データ使用期間と長さが異なる、
ことを特徴とする、表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記フレーム表示期間が前記画像データ使用期間よりも長い場合には、前記画像データ使用期間に、該画像データの一部を使用せず、前記フレーム表示期間が前記画像データ使用期間よりも短い場合には、前記画像データ使用期間に、該画像データの一部を重複して使用する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記フレーム表示期間は、連続するn個(n≧2)の分割フレーム表示期間によって構成され、
前記画像データ使用期間の1期間に、連続するk個(1≦k<n)の前記分割フレーム表示期間の表示が行われ、
前記制御部は、前記画像データ使用期間の1期間に、残りのn−k個の前記分割フレーム表示期間の表示に用いるための、前記画像データの一部を使用しない、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記フレーム表示期間の1期間は、連続するn個(n≧2)の分割フレーム表示期間によって構成され、
前記画像データ使用期間の1期間に、連続するk個(n<k<2n)の前記分割フレーム表示期間の表示が行われ、
前記制御部は、前記画像データ使用期間の1期間に、前記フレーム表示期間の1期間に1画面分の前記画像データを使用し、さらに続くk−n個の前記分割フレーム表示期間の表示に用いるための、前記画像データの一部をさらに使用する、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項5】
連続する前記n個の分割フレーム表示期間それぞれで、前記複数種類のいずれかの色のみの表示が行われるとともに、前記n個の分割フレーム表示期間で表示される色の種類は順に並んで繰り返され、
n−kは、色の種類の数より少ない、
ことを特徴とする、請求項3に記載の表示装置。
【請求項6】
連続する前記n個の分割フレーム表示期間それぞれで、前記複数種類のいずれかの色のみの表示が行われるとともに、前記n個の分割フレーム表示期間で表示される色の種類は順に繰り返されて続いており、
k−nは、色の種類の数より少ない、
ことを特徴とする、請求項4に記載の表示装置。
【請求項7】
n個の前記分割フレーム表示期間それぞれは、1又は複数のサブフレーム期間で構成されているとともに、複数の前記サブフレーム期間それぞれで、前記素子で通過/非通過させる、光通過期間の所定の長さが定められており、
前記フレーム表示期間の1期間を構成する、前記複数のサブフレーム期間は、
前記光通過期間の長さが同一の前記サブフレーム期間が属する第1のグループと、
前記光通過期間の長さが前記第1のグループの光通過期間より短く、かつ互いに異なる前記サブフレーム期間が属する第2のグループと、
に分類され、
前記第1のグループに属する前記サブフレーム期間のうち、前記光通過期間を有する前記サブフレーム期間が、前記階調が高まるに従って、前記フレーム表示期間の中途から始点及び終点に向かって増加し、
前記各々のサブフレーム期間は、各々の種類の色の光が通過する複数の前記光通過期間を含む、
ことを特徴とする、請求項3又は4に記載の、表示装置。
【請求項8】
前記第1のグループに属する前記サブフレーム期間と、前記第2のグループに属する前記サブフレーム期間と、が交互に設けられる、
請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1のグループに属する前記サブフレーム期間のうち、最も低階調において前記光通過期間を有する前記サブフレーム期間の前後に、前記第2のグループに属する前記サブフレーム期間が設けられる、
請求項7に記載の表示装置。
【請求項10】
複数種類の色の光源と、
複数の画素それぞれに設けられ、前記光源からの光の通過/非通過を切り替える複数の素子と、
前記光源の点灯の有無と前記素子の通過/非通過とを順に制御する色順次駆動によって、各前記画素の階調を表現する、制御部と、
を備える表示装置の制御方法であって、
前記制御部は、画像データ使用期間毎に1画面分の画像データを取り込み該画像データに基づいて表示を行うとともに、フレーム表示期間毎に1画面分の画像を表示を行い、
前記フレーム表示期間は、前記画像データ使用期間と長さが異なる、
ことを特徴とする、表示装置の制御方法。
【請求項11】
前記制御部は、前記フレーム表示期間が前記画像データ使用期間よりも長い場合には、前記画像データ使用期間に、該画像データの一部を使用せず、前記フレーム表示期間が前記画像データ使用期間よりも短い場合には、前記画像データ使用期間に、該画像データの一部を重複して使用する、
ことを特徴とする、請求項10に記載の表示装置の制御方法。
【請求項12】
前記フレーム表示期間は、連続するn個(n≧2)の分割フレーム表示期間によって構成され、
前記画像データ使用期間の1期間に、連続するk個(1≦k<n)の前記分割フレーム表示期間の表示が行われ、
前記制御部は、前記画像データ使用期間の1期間に、残りのn−k個の前記分割フレーム表示期間の表示に用いるための、前記画像データの一部を使用しない、
ことを特徴とする、請求項10又は11に記載の表示装置の制御方法。
【請求項13】
前記フレーム表示期間の1期間は、連続するn個(n≧2)の分割フレーム表示期間によって構成され、
前記画像データ使用期間の1期間に、連続するk個(n<k<2n)の前記分割フレーム表示期間の表示が行われ、
前記制御部は、前記画像データ使用期間の1期間に、前記フレーム表示期間の1期間に1画面分の前記画像データを使用し、さらに続くk−n個の前記分割フレーム表示期間の表示に用いるための、前記画像データの一部をさらに使用する、
ことを特徴とする、請求項10又は11に記載の表示装置の制御方法。
【請求項14】
連続する前記n個の分割フレーム表示期間それぞれで、前記複数種類のいずれかの色のみの表示が行われるとともに、前記n個の分割フレーム表示期間で表示される色の種類は順に並んで繰り返され、
n−kは、色の種類の数より少ない、
ことを特徴とする、請求項12に記載の表示装置の制御方法。
【請求項15】
連続する前記n個の分割フレーム表示期間それぞれで、前記複数種類のいずれかの色のみの表示が行われるとともに、前記n個の分割フレーム表示期間で表示される色の種類は順に繰り返されて続いており、
k−nは、色の種類の数より少ない、
ことを特徴とする、請求項13に記載の表示装置。
【請求項16】
n個の前記分割フレーム表示期間それぞれは、1又は複数のサブフレーム期間で構成されているとともに、複数の前記サブフレーム期間それぞれで、前記素子で通過/非通過させる、光通過期間の所定の長さが定められており、
前記フレーム表示期間の1期間を構成する、前記複数のサブフレーム期間は、
前記光通過期間の長さが同一の前記サブフレーム期間が属する第1のグループと、
前記光通過期間の長さが前記第1のグループの光通過期間より短く、かつ互いに異なる前記サブフレーム期間が属する第2のグループと、
に分類され、
前記第1のグループに属する前記サブフレーム期間のうち、前記光通過期間を有する前記サブフレーム期間が、前記階調が高まるに従って、前記フレーム表示期間の中途から始点及び終点に向かって増加し、
前記各々のサブフレーム期間は、各々の種類の色の光が通過する複数の前記光通過期間を含む、
ことを特徴とする、請求項12又は13に記載の、表示装置の制御方法。
【請求項17】
前記第1のグループに属する前記サブフレーム期間と、前記第2のグループに属する前記サブフレーム期間と、が交互に設けられる、
請求項16に記載の表示装置の制御方法。
【請求項18】
前記第1のグループに属する前記サブフレーム期間のうち、最も低階調において前記光通過期間を有する前記サブフレーム期間の前後に、前記第2のグループに属する前記サブフレーム期間が設けられる、
請求項16に記載の表示装置の制御方法。
【請求項1】
複数種類の色の光源と、
複数の画素それぞれに設けられ、前記光源からの光の通過/非通過を切り替える複数の素子と、
前記光源の点灯の有無と前記素子の通過/非通過とを順に制御する色順次駆動によって、各前記画素の階調を表現する、制御部と、
を備え、
前記制御部は、画像データ使用期間毎に1画面分の画像データを取り込み該画像データに基づいて表示を行うとともに、フレーム表示期間毎に1画面分の画像の表示を行い、
前記フレーム表示期間は、前記画像データ使用期間と長さが異なる、
ことを特徴とする、表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記フレーム表示期間が前記画像データ使用期間よりも長い場合には、前記画像データ使用期間に、該画像データの一部を使用せず、前記フレーム表示期間が前記画像データ使用期間よりも短い場合には、前記画像データ使用期間に、該画像データの一部を重複して使用する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記フレーム表示期間は、連続するn個(n≧2)の分割フレーム表示期間によって構成され、
前記画像データ使用期間の1期間に、連続するk個(1≦k<n)の前記分割フレーム表示期間の表示が行われ、
前記制御部は、前記画像データ使用期間の1期間に、残りのn−k個の前記分割フレーム表示期間の表示に用いるための、前記画像データの一部を使用しない、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記フレーム表示期間の1期間は、連続するn個(n≧2)の分割フレーム表示期間によって構成され、
前記画像データ使用期間の1期間に、連続するk個(n<k<2n)の前記分割フレーム表示期間の表示が行われ、
前記制御部は、前記画像データ使用期間の1期間に、前記フレーム表示期間の1期間に1画面分の前記画像データを使用し、さらに続くk−n個の前記分割フレーム表示期間の表示に用いるための、前記画像データの一部をさらに使用する、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項5】
連続する前記n個の分割フレーム表示期間それぞれで、前記複数種類のいずれかの色のみの表示が行われるとともに、前記n個の分割フレーム表示期間で表示される色の種類は順に並んで繰り返され、
n−kは、色の種類の数より少ない、
ことを特徴とする、請求項3に記載の表示装置。
【請求項6】
連続する前記n個の分割フレーム表示期間それぞれで、前記複数種類のいずれかの色のみの表示が行われるとともに、前記n個の分割フレーム表示期間で表示される色の種類は順に繰り返されて続いており、
k−nは、色の種類の数より少ない、
ことを特徴とする、請求項4に記載の表示装置。
【請求項7】
n個の前記分割フレーム表示期間それぞれは、1又は複数のサブフレーム期間で構成されているとともに、複数の前記サブフレーム期間それぞれで、前記素子で通過/非通過させる、光通過期間の所定の長さが定められており、
前記フレーム表示期間の1期間を構成する、前記複数のサブフレーム期間は、
前記光通過期間の長さが同一の前記サブフレーム期間が属する第1のグループと、
前記光通過期間の長さが前記第1のグループの光通過期間より短く、かつ互いに異なる前記サブフレーム期間が属する第2のグループと、
に分類され、
前記第1のグループに属する前記サブフレーム期間のうち、前記光通過期間を有する前記サブフレーム期間が、前記階調が高まるに従って、前記フレーム表示期間の中途から始点及び終点に向かって増加し、
前記各々のサブフレーム期間は、各々の種類の色の光が通過する複数の前記光通過期間を含む、
ことを特徴とする、請求項3又は4に記載の、表示装置。
【請求項8】
前記第1のグループに属する前記サブフレーム期間と、前記第2のグループに属する前記サブフレーム期間と、が交互に設けられる、
請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1のグループに属する前記サブフレーム期間のうち、最も低階調において前記光通過期間を有する前記サブフレーム期間の前後に、前記第2のグループに属する前記サブフレーム期間が設けられる、
請求項7に記載の表示装置。
【請求項10】
複数種類の色の光源と、
複数の画素それぞれに設けられ、前記光源からの光の通過/非通過を切り替える複数の素子と、
前記光源の点灯の有無と前記素子の通過/非通過とを順に制御する色順次駆動によって、各前記画素の階調を表現する、制御部と、
を備える表示装置の制御方法であって、
前記制御部は、画像データ使用期間毎に1画面分の画像データを取り込み該画像データに基づいて表示を行うとともに、フレーム表示期間毎に1画面分の画像を表示を行い、
前記フレーム表示期間は、前記画像データ使用期間と長さが異なる、
ことを特徴とする、表示装置の制御方法。
【請求項11】
前記制御部は、前記フレーム表示期間が前記画像データ使用期間よりも長い場合には、前記画像データ使用期間に、該画像データの一部を使用せず、前記フレーム表示期間が前記画像データ使用期間よりも短い場合には、前記画像データ使用期間に、該画像データの一部を重複して使用する、
ことを特徴とする、請求項10に記載の表示装置の制御方法。
【請求項12】
前記フレーム表示期間は、連続するn個(n≧2)の分割フレーム表示期間によって構成され、
前記画像データ使用期間の1期間に、連続するk個(1≦k<n)の前記分割フレーム表示期間の表示が行われ、
前記制御部は、前記画像データ使用期間の1期間に、残りのn−k個の前記分割フレーム表示期間の表示に用いるための、前記画像データの一部を使用しない、
ことを特徴とする、請求項10又は11に記載の表示装置の制御方法。
【請求項13】
前記フレーム表示期間の1期間は、連続するn個(n≧2)の分割フレーム表示期間によって構成され、
前記画像データ使用期間の1期間に、連続するk個(n<k<2n)の前記分割フレーム表示期間の表示が行われ、
前記制御部は、前記画像データ使用期間の1期間に、前記フレーム表示期間の1期間に1画面分の前記画像データを使用し、さらに続くk−n個の前記分割フレーム表示期間の表示に用いるための、前記画像データの一部をさらに使用する、
ことを特徴とする、請求項10又は11に記載の表示装置の制御方法。
【請求項14】
連続する前記n個の分割フレーム表示期間それぞれで、前記複数種類のいずれかの色のみの表示が行われるとともに、前記n個の分割フレーム表示期間で表示される色の種類は順に並んで繰り返され、
n−kは、色の種類の数より少ない、
ことを特徴とする、請求項12に記載の表示装置の制御方法。
【請求項15】
連続する前記n個の分割フレーム表示期間それぞれで、前記複数種類のいずれかの色のみの表示が行われるとともに、前記n個の分割フレーム表示期間で表示される色の種類は順に繰り返されて続いており、
k−nは、色の種類の数より少ない、
ことを特徴とする、請求項13に記載の表示装置。
【請求項16】
n個の前記分割フレーム表示期間それぞれは、1又は複数のサブフレーム期間で構成されているとともに、複数の前記サブフレーム期間それぞれで、前記素子で通過/非通過させる、光通過期間の所定の長さが定められており、
前記フレーム表示期間の1期間を構成する、前記複数のサブフレーム期間は、
前記光通過期間の長さが同一の前記サブフレーム期間が属する第1のグループと、
前記光通過期間の長さが前記第1のグループの光通過期間より短く、かつ互いに異なる前記サブフレーム期間が属する第2のグループと、
に分類され、
前記第1のグループに属する前記サブフレーム期間のうち、前記光通過期間を有する前記サブフレーム期間が、前記階調が高まるに従って、前記フレーム表示期間の中途から始点及び終点に向かって増加し、
前記各々のサブフレーム期間は、各々の種類の色の光が通過する複数の前記光通過期間を含む、
ことを特徴とする、請求項12又は13に記載の、表示装置の制御方法。
【請求項17】
前記第1のグループに属する前記サブフレーム期間と、前記第2のグループに属する前記サブフレーム期間と、が交互に設けられる、
請求項16に記載の表示装置の制御方法。
【請求項18】
前記第1のグループに属する前記サブフレーム期間のうち、最も低階調において前記光通過期間を有する前記サブフレーム期間の前後に、前記第2のグループに属する前記サブフレーム期間が設けられる、
請求項16に記載の表示装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図14】
【公開番号】特開2013−73113(P2013−73113A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213406(P2011−213406)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(502356528)株式会社ジャパンディスプレイイースト (2,552)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(502356528)株式会社ジャパンディスプレイイースト (2,552)
【Fターム(参考)】
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