説明

表示装置及びその製造方法

【課題】軽量であると同時に外部衝撃に強く、加工時に多様な形状に加工できるカバーウィンドウを備えた表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置100は、表示領域11及び非表示領域14を含む表示パネル10と、表示パネル10の前方に位置し、表示領域11に対応する透明部211及び非表示領域14に対応する不透明部212を含むカバーウィンドウ20を含み、カバーウィンドウ20は前面に透明保護層22を含み、透明保護層22がカバーウィンドウ20の不透明部212の少なくとも一部に対応する後面まで延長して形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に関し、より詳しくは、透明カバーウィンドウを有する表示装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、携帯電話、ナビゲーション、デジタルカメラ、電子ブック、携帯用ゲーム機、または各種端末機などのように、液晶表示装置(Liquid Crystal Display、LCD)や有機電界発光表示装置(Organic Light Emitting Diode、OLED)が表示装置として適用された多様なモバイル電子機器が使用されている。
【0003】
このようなモバイル機器に使用される通常の表示装置において、表示パネルの前方には使用者が表示部を見ることができるように透明に構成された透明カバーウィンドウが備えられている。前記透明カバーウィンドウは装置の最外部に形成された構成を有するため、機器内部の表示パネルなどを保護できるように外部衝撃に強くなければならない。
【0004】
さらに、スイッチやキーボードを入力装置として用いた従来の方式の代わりに、最近では表示画面と一体となるタッチパネルを用いる構造が広く普及され、従来のモバイル機器に比べて透明カバーウィンドウの表面が指などと接触することが多くなり、より強い強度が求められている。
【0005】
このため、透明カバーウィンドウとして強化ガラスを使用することが多くなっている。しかし、強化ガラスを使用した透明カバーウィンドウは重量が重く、より高い強度を得るために強化ガラスの厚さを厚くすると装置の重量及び厚さが共に増加するという問題がある。さらに、強化ガラスの場合、多様な形状に成形するためには高価な金型及び高温の生産環境が求められ、多様なデザインに成形し難いという問題がある。
【0006】
これにより、前記問題を解決するためにプラスチック基材の表面にハードコート材料などを塗布して保護層を形成する方法も提案されている(たとえば、特許文献1参照)。しかし、保護層の厚さを薄く形成すると保護層を均一に塗布することは可能となるが求められる高強度を得ることができず、逆に所望する強度を得るために保護層の厚さを厚く形成すると表面の平滑度を得ることが難しく、所望する形状を得ることが難しいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−277288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述した背景技術の問題を解決するためのものであって、本発明は、軽量であると同時に外部からの衝撃に強く、成形が容易であり、均一な厚さの保護層を有するカバーウィンドウを含む表示装置及びカバーウィンドウの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1実施形態に係る表示装置は、表示領域及び非表示領域を含む表示パネル、及び前記表示パネルの前方に位置し、前記表示領域に対応する透明部及び前記非表示領域に対応する不透明部を含むカバーウィンドウを含む。前記カバーウィンドウは、前記透明部及び不透明部が形成されたカバーウィンドウ本体、及び前記カバーウィンドウ本体の前面に形成された透明保護層を含む。前記透明保護層は、前記カバーウィンドウ本体の不透明部の少なくとも一部に対応する後面まで延長して形成されている。
【0010】
前記透明保護層は、紫外線及び/または熱硬化性樹脂から構成されてもよい。
【0011】
前記透明保護層は、透明粒子をさらに含んでもよい。
【0012】
前記透明粒子は、前記紫外線及び/または熱硬化性樹脂と実質的に同じ屈折率を有してもよい。
【0013】
前記表示パネル及びカバーウィンドウの間にはタッチパネルがさらに含まれてもよい。
【0014】
前記カバーウィンドウ本体は前記不透明部に対応し、前記カバーウィンドウ本体と前記透明保護層との間にマスキング層を含んでいてもよい。
【0015】
前記カバーウィンドウ本体は孔を具備し、前記不透明部が前記孔の周囲に形成されていてもよい。
【0016】
前記カバーウィンドウ本体の前記透明部は、前記透明保護層と同じ物質から構成されてもよい。
【0017】
本発明の第1実施形態に係る表示装置の製造方法は、表示領域及び非表示領域を含む表示パネルを提供する段階、前記非表示領域に対応する不透明部を有するカバーウィンドウ本体を提供する段階、前記カバーウィンドウ本体を金型内部に配置する段階、前記金型と前記カバーウィンドウ本体との間に保護層形成用樹脂を注入して透明保護層を形成する段階、前記透明保護層の形成に使用されて残った余分な保護層形成用樹脂を前記不透明部に対応する前記カバーウィンドウ本体の後面に収容する段階、及び前記保護層形成用樹脂を紫外線及び/または熱によって硬化する段階を含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明の実施形態によると、軽量であると同時に外部の衝撃に強い表示装置用カバーウィンドウを得ることができる。
【0019】
また、本発明の実施形態によると、表示装置用カバーウィンドウの表面に均一な厚さの透明保護層を、強度を損傷せずに形成することができる。
【0020】
さらに、本発明の実施形態によると、表示装置用カバーウィンドウを多様な形状に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態に係る表示装置の分解斜視図である。
【図2】図1に示したII−II’線に沿って切断して示したカバーウィンドウの断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態の変形例を示した断面図である。
【図4A】本発明の第1実施形態の他の変形例に係るカバーウィンドウを示した平面図である。
【図4B】図4Aに表示したIV−IV’線に沿って切断して示した部分断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る表示装置のカバーウィンドウを示した断面図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る表示装置のカバーウィンドウを示した断面図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係る表示装置のカバーウィンドウの製造方法を簡略に示した図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る表示装置のカバーウィンドウの製造方法を示したフローチャートである。
【図9】本発明の第2実施形態に係る表示装置のカバーウィンドウの製造方法を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態について本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかし、本発明は多様な形態に具現され、ここで説明する実施形態に限られない。
【0023】
また、図面に表示した各構成の大きさ及び厚さは説明の便宜のために任意に表示したため、本発明が必ずしも示されたとおりとは限らない。
【0024】
また、図面において多数の層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」または「上部」にあるとするとき、これは他の部分の「真上」にある場合だけではなく、その中間にさらに他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の「真上」にあるとするときには中間に他の部分がないことを意味する。一方、明細書全般にわたって、表示装置の「前面」及び「後面」とは、各々の図面においてz軸方向の上面及びz軸方向の下面を意味する。
【0025】
本発明を明確に説明するために説明上不要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似する構成要素については同じ参照符号を付与するようにする。
【0026】
また、多数の実施形態において、同じ構成を有する構成要素については同じ符号を用いて代表的に第1実施形態で説明し、その他の実施形態では第1実施形態と異なる構成についてのみ説明する。
【0027】
図1は本発明の第1実施形態に係る表示装置の分解斜視図である。
【0028】
図1を参照すると、本実施形態の表示装置100は、映像を表示する表示パネル10と、表示パネル10及び各種部品を収納するハウジング16と、表示パネル10の前方に配置されて表示パネル10を保護するカバーウィンドウ20を含む。
【0029】
表示パネル10は有機発光表示パネルであってもよい。他の一方として、表示パネル10は有機発光表示パネル以外の他の表示パネル、例えば液晶表示パネルであってもよい。本実施形態においては説明の便宜のために有機発光表示パネルを例示して説明するが、本発明がこれに限定されるのではない。
【0030】
表示パネル10はフレキシブルプリント回路15を介してプリント回路基板50と電気的に連結する。
【0031】
表示パネル10の第1基板13上には映像表示の基本単位である画素がマトリックス状に配列されており、第2基板14がシーリング部材(図示せず)を介して第1基板13に接合して画素を保護する。第1基板13が後面基板となり、第2基板14が前面基板となってもよい。
【0032】
例えば、アクティブ駆動型の有機発光表示パネルにおいて、画素は、アノード電極と有機発光層及びカソード電極で構成される有機発光素子(図示せず)と、有機発光素子を駆動する駆動回路部(図示せず)を含む。駆動回路部は薄膜トランジスタであってもよい。薄膜トランジスタのソース端子にはデータラインが連結し、ゲート端子にはゲートラインが連結する。そして、ドレイン端子には有機発光素子のアノード電極とカソード電極のうちのいずれか一つの電極が連結する。
【0033】
薄膜トランジスタのデータラインとゲートラインはフレキシブルプリント回路15を介してプリント回路基板50と連結する。プリント回路基板50を介して薄膜トランジスタのソース端子とゲート端子に電気信号が入力されると、薄膜トランジスタは信号入力によって導通または遮断されて画素駆動に必要な電気信号をドレイン端子に出力する。
【0034】
集積回路チップ26は第1基板13上に実装されて表示パネル10を制御する。集積回路チップ26はデータ駆動信号及びゲート駆動信号を適切な時期に印加するためのタイミング信号を発生させる。そして、この信号を各々表示パネル10のデータラインとゲートラインに印加する。集積回路チップ26の周囲には保護膜25が形成されて集積回路チップ26を保護する。
【0035】
プリント回路基板50には駆動信号を処理するための複数の電子素子(図示せず)が実装される。プリント回路基板50はコネクタ51と延長部52を含み、延長部52はコネクタ51の一端に設置されて外部信号をプリント回路基板50に送信する。
【0036】
表示パネル10の前方には表示パネル10を保護するカバーウィンドウ20が位置する。カバーウィンドウ20は合成樹脂素材で製作されてもよく、表示パネル10が外部衝撃によって割れないように保護する役割を果たす。そして、表示パネル10とカバーウィンドウ20は所定の接着層(図示せず)によって付着されてもよい。さらに他の実施形態として、表示パネル10とカバーウィンドウ20が空気層を間において離隔して形成されてもよい。
【0037】
カバーウィンドウ20は、表示パネル10の表示部11に対応する領域に表示部11が外部から視認できるように透明に形成された透明部211及び表示パネル10の非表示部12に対応する領域に、非表示部12が外部から視認されることを防ぐために不透明に形成された不透明部212を有するカバーウィンドウ本体21を含む。不透明部212は、表示パネル10の非表示部12に形成された配線や部品などが外部から見えないように隠す役割を果たす。不透明部212には製品のロゴや装飾用模様などが含まれてもよい。また、カバーウィンドウ本体21の前面全体、側面、及び後面の不透明部212の一部を覆うように形成された透明保護層22を含む。
【0038】
以下、図2乃至図4Bを参照して、カバーウィンドウ20の構成についてより詳しく説明する。
【0039】
図2は図1に表示したII−II’線に沿って切断して示したカバーウィンドウの断面図である。
【0040】
図2に示したように、カバーウィンドウ20は、透明部211と不透明部212を有するカバーウィンドウ本体21を透明保護層22がカバーして形成される。
【0041】
カバーウィンドウ本体21は、合成樹脂、ガラス、セラミック材料などを使用してもよい。図2に示したように、不透明部212は、透明なカバーウィンドウ本体21において透明部211以外の部分に印刷または加飾成形によってマスキング層213を形成することによって得ることができる。マスキング層213は図2に示したようにカバーウィンドウ本体21の前面に形成されてもよく、またはカバーウィンドウ本体21の後面に形成されてもよい。
【0042】
マスキング層213によって不透明部212が形成されたカバーウィンドウ本体21には透明保護層22がカバーされる。透明保護層22は紫外線または熱によって硬化されたり、紫外線及び熱によって硬化される紫外線及び/または熱硬化性の透明樹脂からなる(以下、透明保護層22形成のための樹脂を「保護層形成用樹脂」とも称する)。紫外線及び/または熱硬化性の透明樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(polymethylmetacrylate、PMMA)、ポリシルセスキオキサン(polysilsesquioxane、PSSQ)等を使用してもよい。このような透明保護層22は、カバーウィンドウ本体21の前面だけではなく、前面から延長して側面及び後面の不透明部212の一部に対応する領域にまで形成され、特に後面の不透明部212に対応する領域上に延長部222を形成してもよい。延長部222は、カバーウィンドウ本体21上に透明保護層22を形成するときに余分な樹脂を収容できる部分であり、延長部222を備えることによって透明保護層22の厚さをより薄く均一に形成することができるようになる。延長部222の幅は製造段階における余分な樹脂量に応じて異なるが、不透明部212の幅よりも大きくないことが望ましい。つまり、延長部222が不透明部212の幅よりも小さく形成されることによって延長部222が不透明部212によって覆われて外部から視認されず、従って表示装置の表示性能に影響を与えないためである。詳しい製造方法については後述する。
【0043】
一方、本実施形態のカバーウィンドウ自体が、タッチパネルを備えたり、またはタッチパネルの機能を付加したものであってもよい。即ち、図3に示したように、本実施形態の変形例に係るカバーウィンドウ20’の本体後面にタッチパネル(T)を備え、タッチによる信号を感知できるタッチウィンドウの機能を有してもよい。このような構成による場合、使用者によってタッチされる部分が透明保護層22によって保護されるため、タッチによる衝撃に強いながらも軽いカバーウィンドウ20’を得ることができる。
【0044】
図4Aは本発明の第1実施形態の他の変形例に係るカバーウィンドウを示した平面図であり、図4Bは図4Aに示したIV−IV’線に沿って切断して示した部分断面図である。
【0045】
図4A及び図4Bを参照すると、カバーウィンドウ20の不透明部212は、スピーカ、マイクなどを使用するための孔214をさらに備えてもよい。孔214の周囲の不透明部212にも、内部部品などが見えないようにマスキング層213が形成されている。このとき、透明保護層22は孔214の内壁に沿って延長し、カバーウィンドウ本体21の後面の不透明部212の一部に形成された延長部222を有してもよい。孔214の周囲に形成された延長部222によっても、透明保護層22形成時に発生する余分な樹脂が収容される。
【0046】
図5は本発明の第2実施形態に係る表示装置のカバーウィンドウ30を示した断面図である。
【0047】
本実施形態においては、透明なカバーウィンドウ本体21にマスキング層213を備えて不透明部212を形成する代わりに、カバーウィンドウ本体21’が不透明部212に該当する部分だけで形成され、透明部211は透明保護層22’と同じ材料によって一体に形成されている。このような透明保護層22’は、カバーウィンドウ本体21’の前面だけではなく、前面から延長して側面及び後面の少なくとも一部に対応する領域にまで形成され、特に後面の不透明部212に対応する領域上に延長部222を形成してもよい。
【0048】
図6は本発明の第3実施形態に係る表示装置のカバーウィンドウ40示した断面図である。
【0049】
本実施形態においては、透明保護層22を構成する樹脂内に所定の直径を有する透明粒子221が混入されている。透明粒子221の粒子直径は、透明保護層22の厚さと同じであってもよい。例えば、透明保護層22の厚さ及び透明粒子221の粒子直径は1〜100μmであってもよい。また、透明粒子221は透明保護層22を構成する樹脂の屈折率と同じ屈折率を有してもよい。樹脂と屈折率が異なる場合、透明粒子221と樹脂との界面において全反射が生じて透明粒子221が気泡のように見えるため、外観上著しく劣悪となるためである。このような透明粒子221としては、透明保護層22を構成する樹脂、即ち、紫外線及び/または熱硬化性透明樹脂からなる粒子、ガラス粒子、シリカ粒子などを使用してもよい。
【0050】
透明粒子221を含有することによって、透明粒子221が透明保護層22形成時にカバーウィンドウ本体21と金型60(図7に図示)との間で一種のスペーサの役割をし、カバーウィンドウ本体21と金型60(図7に図示)との間の間隔を一定に維持できる。従って、透明粒子221が含まれている紫外線及び/または熱硬化性透明樹脂を所望する透明保護層22の厚さと一定の格差範囲内にすることができ、過度な量の樹脂を注入したときに必要な後加工をしなくてもよいという利点がある。
【0051】
以下、本発明の実施形態に係る表示装置用カバーウィンドウの製造方法について説明する。
【0052】
図7は本発明の第1実施形態に係る表示装置のカバーウィンドウの製造方法を簡略に示した図面であり、図8は本発明の第1実施形態に係る表示装置のカバーウィンドウの製造方法を示したフローチャートである。
【0053】
まず、カバーウィンドウ本体21を成形する。本実施形態において、カバーウィンドウ本体21は透明なプラスチック材料であり、不透明部212に該当する部分には印刷などの方法によってマスキング層213を形成したものを使用してもよい。または、マスキング層213を加飾成形によって透明なプラスチック材料上に形成してもよい。カバーウィンドウ本体21は表示装置の形状に応じて多様な形態に成形してもよい。
【0054】
次に、カバーウィンドウ本体21を金型60内に配置する。金型60はその内部がカバーウィンドウ本体の形状を有し、内部の大きさはカバーウィンドウ本体21よりも透明保護層22の厚さだけさらに大きく形成されている。
【0055】
次に、金型60とカバーウィンドウ本体21との間に所定量の保護層形成用樹脂を注入する。保護層形成用樹脂の量は透明保護層22の厚さに応じて精密に計測されて決められるが、一般的に透明保護層22を形成するのに必要な量よりも少々多めに計測される。その理由は、樹脂の量が不足すると、透明保護層22をカバーウィンドウ本体21全体に形成できずに不良が生じるためである。このとき、必要な量よりも少々多めに注入された余分な樹脂はカバーウィンドウ本体21の側面に沿って移動し、カバーウィンドウ本体21の後面の不透明部212に対応する部分に収容される。
【0056】
次に、保護層形成用樹脂を硬化することによって透明保護層22を備えたカバーウィンドウ20を形成する。
【0057】
このような本発明の製造方法によると、表面に微細なクラックが生じない透明保護層22が均一な厚さで形成され、外部からの衝撃に強いカバーウィンドウを得ることができる。つまり、従来には余分な樹脂に対して硬化後に切断などの後加工によって除去したが、これによって微細なクラックが発生してカバーウィンドウ全体の強度に悪影響を与えるという問題があったが、本発明では余分な樹脂をカバーウィンドウ本体21の不透明部212に対応する後面に収容することにより、切断などの後加工を行わなくても所望する厚さの透明保護層22を得ることができるようになる。
【0058】
また、カバーウィンドウ本体21の形状がより複雑な立体構造を有しても、保護層形成用樹脂を塗布した後に硬化する方法によってカバーウィンドウ20を形成するため、より多様な形状のカバーウィンドウ20を得ることができる。
【0059】
上記製造方法において、図4A及び図4Bに示したように、カバーウィンドウ本体21の不透明部212にマイクなどの設置のための孔214を有するように形成してもよい。この場合、余分な樹脂はカバーウィンドウ本体21の側面だけではなく孔214を通じても移動し、孔214周辺の不透明部212の後面に収容される。
【0060】
また、上記製造方法において、図6のように紫外線及び/または熱硬化性樹脂には透明粒子221が混入されてもよい。透明粒子221によって金型60とカバーウィンドウ本体21との間の間隔を一定に維持することができるため、透明保護層22をより均一に形成することができる。
【0061】
以下、図5及び図9を参照して、本発明の第2実施形態に係るカバーウィンドウの製造方法について説明する。本説明では第1実施形態に係るカバーウィンドウの製造方法と相違する部分についてのみ説明する。
【0062】
図9は本発明の第2実施形態に係る表示装置のカバーウィンドウの製造方法を示したフローチャートである。
【0063】
本実施形態においては、第1実施形態の上記製造方法とは異なり、不透明部212のみを有するカバーウィンドウ本体21’(図5に図示)を使用する。即ち、第1実施形態のカバーウィンドウ本体21を透明部に対応する領域において除去した形状、例えば、四角フレームの形状を有するカバーウィンドウ本体21’を金型60内に配置する。カバーウィンドウ本体21’は不透明な金属材料、合成樹脂、またはガラスなどで構成されてもよい。
【0064】
次に、保護層形成用樹脂を注入して透明部211に該当する部分を満たす。また、不透明部212の前面にも保護層形成用樹脂を注入する。それから、余分な樹脂を不透明部212の後面に収容し、樹脂を紫外線及び/または熱によって硬化させて透明部211、不透明部212及び透明保護層22’を有するカバーウィンドウ30を得ることができる。
【0065】
本実施形態は、カバーウィンドウ30の透明部211を透明保護層22’と同じ物質を使用して同時に形成すること以外には、前記第1実施形態に係る製造方法と同じである。
【0066】
以上、本発明の望ましい実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるのではなく、特許請求の範囲と発明の詳細な説明及び添付した図面の範囲内で多様に変形して実施することが可能であり、これも本発明の範囲に属することは当然である。
【符号の説明】
【0067】
100 表示装置、
10 表示パネル、
11 表示領域、
14 非表示領域、
20 カバーウィンドウ、
21 カバーウィンドウ本体、
22 透明保護層、
211 透明部、
212 不透明部、
222 延長部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域及び非表示領域を含む表示パネル、及び
前記表示パネルの前方に位置し、前記表示領域に対応する透明部及び前記非表示領域に対応する不透明部を含むカバーウィンドウを含み、
前記カバーウィンドウは、
前記透明部及び前記不透明部が形成されたカバーウィンドウ本体、及び
前記カバーウィンドウ本体の前面に形成された透明保護層を含み、
前記透明保護層が前記カバーウィンドウ本体の不透明部の少なくとも一部に対応する後面まで延長して形成されていることを特徴とする、表示装置。
【請求項2】
前記透明保護層は、紫外線及び/または熱硬化性樹脂からなることを特徴とする、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記透明保護層は、透明粒子をさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記透明粒子は、前記紫外線及び/または熱硬化性樹脂と実質的に同じ屈折率を有することを特徴とする、請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示パネル及び前記カバーウィンドウの間にタッチパネルをさらに含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記カバーウィンドウ本体は前記不透明部に対応し、前記カバーウィンドウ本体と前記透明保護層との間にマスキング層を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記カバーウィンドウ本体は孔を具備し、前記不透明部が前記孔の周囲に形成されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記カバーウィンドウ本体の前記透明部と前記透明保護層が同じ物質からなることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項9】
表示領域及び非表示領域を含む表示パネルを提供する段階と、
前記非表示領域に対応する不透明部を有するカバーウィンドウ本体を提供する段階と、
前記カバーウィンドウ本体を金型内部に配置する段階と、
前記金型と前記カバーウィンドウ本体との間に保護層形成用樹脂を注入して透明保護層を形成する段階と、
前記透明保護層の形成に使用されて残った余分な保護層形成用樹脂を前記不透明部に対応する前記カバーウィンドウ本体の後面に収容する段階と、
前記保護層形成用樹脂を紫外線及び/または熱によって硬化する段階とを含むことを特徴とする、表示装置の製造方法。
【請求項10】
前記カバーウィンドウ本体を提供する段階は、
前記カバーウィンドウ本体の前記不透明部に孔を形成する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項9に記載の表示装置の製造方法。
【請求項11】
前記保護層形成用樹脂には透明粒子が含まれていることを特徴とする、請求項9または請求項10に記載の表示装置の製造方法。
【請求項12】
前記カバーウィンドウ本体は、前記表示領域に対応する透明部を含むことを特徴とする、請求項9〜11のいずれか一項に記載の表示装置の製造方法。
【請求項13】
前記カバーウィンドウ本体を提供する段階は、
前記カバーウィンドウ本体の前記不透明部に対応するマスキング層を印刷する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項9〜12のいずれか一項に記載の表示装置の製造方法。
【請求項14】
前記カバーウィンドウ本体を提供する段階は、
前記カバーウィンドウ本体の前記不透明部に対応し、マスキング層を加飾成形する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項9〜12のいずれか1項に記載に記載の表示装置の製造方法。
【請求項15】
前記カバーウィンドウ本体は前記不透明部がフレーム形態に形成されており、
前記透明保護層を形成する段階において、前記フレーム形態の不透明部内部に前記保護層形成用樹脂を注入して前記表示領域に対応する透明部を形成することを特徴とする、請求項9〜11のいずれか一項に記載の表示装置の製造方法。
【請求項16】
前記表示パネルと前記カバーウィンドウとの間にタッチパネルを提供する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項9〜15のいずれか一項に記載の表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−168493(P2012−168493A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−68427(P2011−68427)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Mobile Display Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】San #24 Nongseo−Dong,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do 446−711 Republic of KOREA
【Fターム(参考)】