説明

表示装置

【課題】奥行きのある像を表示可能である表示装置を提供すること。
【解決手段】入射面41、表示させるべき像の形状とされた反射領域42aが形成された反射面42、および出射面43を有する導光板4と、入射面41の正面に位置する光源3と、を備えており、入射面41から入射した光Lを反射面42によって出射方向前方へと反射させることにより、出射面43を透して任意の像を表示する構成とされた表示装置Aであって、導光板4に対して出射方向後方に位置する全反射面5aと、導光板4に対して出射方向前方に位置しており、出射方向後方から進行してきた光Lの一部を出射方向後方に反射し、かつその他の部分を出射方向前方に透過させるハーフミラー6と、が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導光板に潜像された像を光源からの光によって顕像させることにより所望の像を表示する構成とされた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図4は、従来の表示装置の一例を示している(たとえば、特許文献1)。同図に示された表示装置Xは、ケース91、基板92、光源93、導光板94、およびマスクシート95を備えている。ケース91は、扁平な略直方体形状であり、基板92、光源93、および導光板94を収容している。基板92には、光源93が搭載されている。導光板94は、透明なエポキシ樹脂製であり、平面視矩形状の扁平な形態とされている。導光板94は、入射面94a、反射面94b、および出射面94dを有している。入射面94aは、光源93の正面に位置しており、光源93からの光Lを入射させる面である。反射面94bは、光Lを出射面94dに向けて反射するための面であり、反射領域94cが作りこまれている。反射領域94cは、反射面94bの任意の部分に対して、溝、ドット、あるいはエッチング処理による粗面などが形成された領域である。反射領域94cの形状は、表示装置Xによって表示すべき像の形状とされている。導光板94に潜像された像は、光源93からの光Lによって顕像され、マスクシート95の開口95aを通して表示される。
【0003】
しかしながら、表示装置Xによって表示される像は、平面状である。表示装置Xが用いられる電気機器や広告表示装置については、見る者の注意を惹くために様々なデザインが施されることが一般的となっている。このような電気機器や広告表示器に表示装置Xを用いるには、表示される像が単調であるという印象を抱かれることがあった。
【0004】
【特許文献1】特開2006−322968号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、奥行きのある像を表示可能である表示装置を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によって提供される表示装置は、出射方向と一致する厚さ方向に対して垂直である方向を向く入射面、出射方向後方に位置しており表示させるべき像の形状とされた反射領域が形成された反射面、および出射方向前方に位置する出射面を有する導光板と、上記入射面の正面に位置する光源と、を備えており、上記入射面から入射した光を上記反射面によって出射方向前方へと反射させることにより、上記出射面を透して任意の像を表示する構成とされた表示装置であって、上記導光板に対して出射方向後方に位置する全反射面と、上記導光板に対して出射方向前方に位置しており、出射方向後方から進行してきた光の一部を出射方向後方に反射し、かつその他の部分を出射方向前方に透過させる半反射半透過層と、が設けられていることを特徴としている。
【0007】
このような構成によれば、上記反射領域によって反射された光は、上記半反射半透過層へと向かう。この光の一部は、上記半反射半透過層を透過し、その他は、上記半反射半透過層によって反射される。反射された光は、上記反射領域または上記全反射面によって反射される。この光の一部が上記半反射半透過層を透過し、その他が上記半反射半透過層によって再び反射される。このように、上記半反射半透過層による反射および透過と、上記全反射面による反射とにより、上記導光板に潜像された像は、あたかも上記導光板の厚さ方向において等ピッチに重ねあわされた複数の像として顕像される。したがって、上記表示装置の薄型化をはかりつつ、奥行きのある像を表示することができる。
【0008】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0010】
図1および図2は、本発明に係る表示装置の一例を示している。本実施形態の表示装置Aは、ケース1、基板2、光源3、導光板4、金属シート5、ハーフミラー6、およびマスクシート7を備えている。表示装置Aは、電気機器のスイッチの背景表示や企業ロゴの広告表示などに用いられる。
【0011】
ケース1は、扁平な全体略直方体形状であり、たとえば白色の樹脂製である。ケース1には、基板2、光源3、導光板4、金属シート5、およびハーフミラー6を収容するための凹部が形成されている。
【0012】
基板2は、長矩形状であり、たとえばガラスエポキシ樹脂製の絶縁基板である。基板2には、光源3が実装されている。
【0013】
光源3は、導光板4に潜像された像を顕像するための光Lを発するものであり、3つのLED素子31からなる。3つのLED素子31は、基板2の長手方向に配列されている。
【0014】
導光板4は、たとえば透明なエポキシ樹脂製であり、図3に示すように平面視矩形状とされている。導光板4には、入射面41、反射面42、および出射面43が形成されている。入射面41は、光源3の正面に位置しており、光源3からの光Lを導光板4内に入射させるための面である。反射面42は、入射面41から入射した光Lの一部を出射面43に向けて反射する面である。反射面42には、反射領域42aが作りこまれている。反射領域42aは、反射面42の任意の部分に対して、溝、ドット、あるいはエッチングによる粗面などが形成された領域である。反射領域42aの形状は、表示装置Aによって表示すべき像の形状とされており、本実施形態においてはアルファベットの「ABCDE」を表す形状とされている。出射面43は、反射面42によって反射された光Lを出射させる面である。
【0015】
金属シート5は、平面視矩形状であり、たとえばAl製である。金属シート5は、導光板4に対して出射方向後方に配置されている。すなわち、金属シート5が設けられることにより、導光板4の出射方向後方に位置する全反射面5aが形成されている。全反射面5aは、導光板4から出射方向後方へと出射した光Lを導光板4へと折り返す機能を果たす。
【0016】
ハーフミラー6は、平面視矩形状であり、たとえば透明なガラスシートまたは樹脂シートの表面にごく薄い金属コーティングが施されたものである。ハーフミラー6は、本発明で言う半反射半透過層の一例であり、向かってきた光Lの一部を透過させる一方、光Lのその他の部分を反射させる機能を果たす。
【0017】
マスクシート7は、たとえば不透明な樹脂製であり、開口7aが形成されている。開口7aは、その平面視寸法が導光板4よりも若干小とされている。
【0018】
次に、表示装置Aの作用について説明する。
【0019】
本実施形態によれば、光源3を点灯させると光Lが反射領域42aによって反射されることとなり、導光板4に潜像された像が顕像される。反射領域42aによって反射された光Lの一部は、ハーフミラー6を透過して表示装置A外へと出射される。一方、反射領域42aによって反射された光Lのうち、ハーフミラー6を透過しなかった光Lは、導光板4内に向けて反射される。この反射された光Lは、反射領域42aまたは全反射面5aへと向かうこととなる。反射領域42aは、上述したとおり光Lを反射させる領域とされている。また、全反射面5aは、受けた光Lのほとんどを反射する。したがって、ハーフミラー6によって反射された光Lは、ふたたびハーフミラー6へと向かってくる。この光Lの一部がハーフミラー6を透過し、その他の部分がハーフミラー6によって再度反射される。このハーフミラー6による透過および反射と全反射面5aによる反射とが繰り返されることにより、導光板4に潜像された像は、図1に示すようにあたかも表示装置Aの厚さ方向に等ピッチで重ねあわされた複数の像として顕像される。したがって、表示装置A自体を薄型としつつ、奥行きのある像を表示することができる。
【0020】
本発明に係る表示装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る表示装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0021】
本発明で言う全反射面は、金属シートの一面によって形成されたものに限定されず、たとえばケースに形成された凹部の底面に高反射材料を塗布することにより形成されたものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る表示装置の一例を示す斜視図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】図1に示す表示装置に用いられる導光板を示す斜視図である。
【図4】従来の表示装置の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0023】
A 表示装置
L 光
1 ケース
2 基板
3 光源
4 導光板
5 金属シート
5a 全反射面
6 ハーフミラー(半反射半透過層)
7 マスクシート
7a 開口
31 LED素子
41 入射面
42 反射面
42a 反射領域
43 出射面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出射方向と一致する厚さ方向に対して垂直である方向を向く入射面、出射方向後方に位置しており表示させるべき像の形状とされた反射領域が形成された反射面、および出射方向前方に位置する出射面を有する導光板と、
上記入射面の正面に位置する光源と、を備えており、
上記入射面から入射した光を上記反射面によって出射方向前方へと反射させることにより、上記出射面を透して任意の像を表示する構成とされた表示装置であって、
上記導光板に対して出射方向後方に位置する全反射面と、
上記導光板に対して出射方向前方に位置しており、出射方向後方から進行してきた光の一部を出射方向後方に反射し、かつその他の部分を出射方向前方に透過させる半反射半透過層と、が設けられていることを特徴とする、表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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