説明

表示装置

【課題】光源が光を放射するために消費される電力を低減することが可能な表示装置を提供すること。
【解決手段】表示装置2は、光を放射する光源6と、表示部材3と、を備える。表示部材3は、調光部が埋設された部材である。調光部は、光を散乱させる散乱状態と、光を透過させる透過状態と、に状態を切り替え可能に構成される。表示部材3は、光源6から放射された光のすべてが入射するように構成される。表示部材3は、入射した光を調光部へ導光する。これによれば、光源6から放射された光のすべてを表示部材3へ入射させることができる。即ち、表示部材3へ入射されない光が光源6から放射されることを回避することができる。この結果、光源6が光を放射するために消費される電力を低減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源から放射された光が入射され、入射された光を散乱することにより文字及び/又は図形等を表示する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光源から放射された光が入射され、入射された光を散乱することにより文字及び/又は図形等を表示する表示装置が知られている。この種の表示装置の一つとして、特許文献1に記載の表示装置は、光を放射する光源と、調光部が埋設された表示部材と、を備える。
【0003】
調光部は、光を散乱させる散乱状態と、光を透過させる透過状態と、に状態を切り替え可能に構成される。また、表示部材は、入射した光を調光部へ導光するように構成される。この表示装置によれば、調光部の状態を切り替えることにより、ユーザが表示装置を使用している状況に応じた、ボタンの配置、及び/又は、ボタンの機能を説明する文字列等を、表示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−44225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記表示装置においては、光源から放射された光の一部が表示部材に入射しない虞があった。この結果、光源が光を放射するために消費される電力が過大となってしまう虞があった。
【0006】
このため、本発明の目的は、上述した課題である「光源が光を放射するために消費される電力が過大となること」を解決することが可能な表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するため本発明の一形態である表示装置は、
光を放射する光源と、
光を散乱させる散乱状態と、光を透過させる透過状態と、に状態を切り替え可能に構成された調光部が埋設されるとともに、上記光源から放射された光のすべてが入射するように構成され、且つ、当該入射した光を上記調光部へ導光するように構成された部材であって、互いに平行な頂面及び底面と側面とを有する部材である表示部材と、
を備える。
【0008】
また、本発明の他の形態である表示方法は、
光源から光を放射する光放射工程と、
光を散乱させる散乱状態と、光を透過させる透過状態と、に状態を切り替え可能に構成された調光部が埋設されるとともに、互いに平行な頂面及び底面と側面とを有する部材である表示部材へ、上記光源から放射された光のすべてが入射する光入射工程と、
上記入射した光を上記調光部へ導光する導光工程と、
を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、以上のように構成されることにより、光源が光を放射するために消費される電力を低減することができるとともに、輝度ムラ/表示ムラを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る携帯電話機の概略構成を表す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る入力ユニットの概略構成を表す図である。
【図3】図2のIII−III線を含む平面にて入力ユニットを切断した断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る入力ユニットの分解斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係る透過拡散可変フィルム及び光源の構成を説明するための説明図である。
【図6】本発明の実施形態に係る透過拡散可変フィルム及び光源の構成を説明するための説明図である。
【図7】本発明の実施形態の変形例に係る光源の概略構成を表す断面図である。
【図8】本発明の実施形態の変形例に係る入力ユニットの概略構成を表す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一形態である表示装置は、
光を放射する光源と、
光を散乱させる散乱状態と、光を透過させる透過状態と、に状態を切り替え可能に構成された調光部が埋設されるとともに、上記光源から放射された光のすべてが入射するように構成され、且つ、当該入射した光を上記調光部へ導光するように構成された部材であって、互いに平行な頂面及び底面と側面とを有する部材である表示部材と、
を備える。
【0012】
これによれば、光源から放射された光のすべてを表示部材へ入射させることができる。即ち、表示部材へ入射されない光が光源から放射されることを回避することができる。この結果、光源が光を放射するために消費される電力を低減することができる。
【0013】
この場合、上記表示装置は、
上記光源から放射された光が上記表示部材の側面から入射するように構成され、且つ、当該入射した光が当該表示部材の頂面及び底面にて反射される範囲内の角度にて、上記光源から放射された光が当該側面へ入射するように構成されることが好適である。
【0014】
これによれば、表示部材に入射した光がそのまま頂面又は底面から外部へ放射されることを防止することができる。この結果、表示部材に入射した光を確実に調光部へ導光することができる。
【0015】
この場合、上記光源は、発光部により発せられた光を集光する集光部を有することが好適である。
【0016】
これによれば、光源が備える発光部により発せられる光が比較的広い範囲に放射される場合であっても、集光部により集光された光を表示部材へ入射させることができるので、光源から放射された光のすべてを表示部材へ入射させることができる。
【0017】
この場合、上記表示部材の側面は、上記入射した光を全反射するように形成されることが好適である。
これによれば、表示部材に入射した光が側面から外部へ放射されることを防止することができる。この結果、表示部材に入射した光が無駄に漏洩することを防止することができる。
【0018】
また、本発明の他の態様に係る表示部材の側面は、上記入射した光の一部を透過させるように形成されることが好適である。
これによれば、表示部材に入射した光の一部を側面から外部へ放射させることができる。この結果、表示装置を光により装飾することができる。
【0019】
この場合、上記調光部は、当該調光部に印加されている電圧に応じて上記状態を切り替えるように構成されることが好適である。
これによれば、調光部の状態を容易に且つ迅速に切り替えることができる。
【0020】
この場合、上記調光部は、PNLC(Polymer Network Liquid Crystal)からなることが好適である。
【0021】
この場合、上記表示装置は、
ユーザによって接触された場合に当該ユーザが接触した位置に応じた信号を出力し、且つ、上記表示部材の頂面に積層された入力部材を備えることが好適である。
【0022】
これによれば、例えば、ボタンを表示するように表示部材が構成されている場合、ユーザが表示装置を使用している状況に応じて、ボタンの配置を変更したり、ボタンの機能を説明する文字列を変更したり、することができる。この結果、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0023】
この場合、上記表示装置は、携帯電話機に配設されることが好適である。
【0024】
また、本発明の他の形態である表示方法は、
光源から光を放射する光放射工程と、
光を散乱させる散乱状態と、光を透過させる透過状態と、に状態を切り替え可能に構成された調光部が埋設されるとともに、互いに平行な頂面及び底面と側面とを有する部材である表示部材へ、上記光源から放射された光のすべてが入射する光入射工程と、
上記入射した光を上記調光部へ導光する導光工程と、
を含む。
【0025】
この場合、上記光入射工程は、上記光源から放射された光が上記表示部材の側面から入射するように構成され、且つ、当該入射した光が当該表示部材の頂面及び底面にて反射される範囲内の角度にて、上記光源から放射された光が当該側面へ入射するように構成されることが好適である。
【0026】
上述した構成を有する、表示方法、の発明であっても、上記表示装置と同様の作用を有するために、上述した本発明の目的を達成することができる。
【0027】
以下、本発明に係る、表示装置、及び、表示方法、の実施形態について図1〜図8を参照しながら説明する。
【0028】
<実施形態>
図1に示したように、実施形態に係る携帯電話機1は、折り畳み式の携帯電話機である。携帯電話機1は、第1の筐体1aと、第2の筐体1bと、を備える。
【0029】
第1の筐体1a及び第2の筐体1bのそれぞれは、平板状に形成されている。第1の筐体1a及び第2の筐体1bのそれぞれは、正面視において長方形状を有している。第1の筐体1a及び第2の筐体1bは、それぞれの短辺が互いに連接するように、図示しないヒンジユニットを介して連結されている。
【0030】
また、第1の筐体1aには、表示装置としての入力ユニット2が配設されている。更に、第2の筐体1bには、ディスプレイユニット9が配設されている。
ディスプレイユニット9は、画像及び文字を表示するディスプレイを含む。
【0031】
入力ユニット2は、図2に示したように、表示部材としての透過拡散可変フィルム3と、入力部材としてのタッチパネル4と、2つの光源5,6と、を備える。
【0032】
図1及び図2のIII−III線を含む平面にて入力ユニット2を切断した断面図である図3に示したように、透過拡散可変フィルム3は、互いに平行な頂面3a及び底面3bと側面3cとを有する平板状の部材である。透過拡散可変フィルム3は、正面視において長方形状を有している。
【0033】
タッチパネル4は、互いに平行な頂面4a及び底面4bと側面4cとを有する平板状の部材である。タッチパネル4は、底面4bが透過拡散可変フィルム3の頂面3aと接するように、透過拡散可変フィルム3の頂面3aに積層されている。
【0034】
タッチパネル4は、ユーザによって接触された場合に当該ユーザが接触した位置に応じた信号を出力するように構成されている。
【0035】
例として、各光源5,6が、直方体状の部材から成り、光源5,6が、透過拡散可変フィルム3の短辺方向における両端部に1つずつ配置されている場合を考える。各光源5,6は、透過拡散可変フィルム3の長辺方向において、透過拡散可変フィルム3と略同じ長さを有するように形成されている。各光源5,6は、透過拡散可変フィルム3の短辺方向における側面3cと対向するように、透過拡散可変フィルム3の長辺方向に沿って配置されている。
【0036】
光源6は、図3に示したように、筐体6aと、発光部6bと、を備える。なお、光源5も、光源6と同様の構成を有する。
【0037】
発光部6bは、光を発するダイオード(発光ダイオード)である。発光部6bは、筐体6aに収容されている。筐体6aの透過拡散可変フィルム3側の面には、開口部6cが形成されている。この開口部6cは、透過拡散可変フィルム3の厚さ方向に沿った1対の短辺と、透過拡散可変フィルム3の長辺方向に沿った1対の長辺と、を有する長方形状である。
【0038】
開口部6cの短辺の長さは、透過拡散可変フィルム3の厚さよりも短い。開口部6cの1対の長辺の中間に位置する直線は、頂面3a及び底面3bの中間に位置する平面と同一の平面内に位置している。
【0039】
このような構成により、光源6は、入力ユニット2の分解斜視図である図4に概念的に示したように、透過拡散可変フィルム3の短辺方向における側面3cへ光を放射する。
【0040】
また、図2及び図3に示したように、透過拡散可変フィルム3には、複数(本例では、14個)の調光部3dが埋設されている。
【0041】
各調光部3dは、PNLC(Polymer Network Liquid Crystal)からなる。各調光部3dは、平板状に形成されている。各調光部3dは、透過拡散可変フィルム3の厚さ方向(頂面3a及び底面3bに直交する方向)における両端面に図示しない1対の電極を備える。
【0042】
各調光部3dは、電極間に所定の電圧が印加されている場合に、透過拡散可変フィルム3の厚さ方向にて光を透過させる。各調光部3dは、電極間に所定の電圧が印加されていない場合に、光を散乱させる。即ち、各調光部3dは、印加されている電圧に応じて、光を散乱させる散乱状態と、光を透過させる透過状態と、に状態を切り替えるように構成されている。
【0043】
透過拡散可変フィルム3は、各光源5,6により放射された光のうちの、透過拡散可変フィルム3に入射した光を調光部3dへ導光するように構成されている。
【0044】
このような構成により、各光源5,6から放射された光は、透過拡散可変フィルム3の側面3cから透過拡散可変フィルム3へ入射する。そして、透過拡散可変フィルム3は、入射した光を各調光部3dへ導光する。
【0045】
そして、各調光部3dに電圧が印加されていない場合、各調光部3dは、導光された光を散乱する。これにより、透過拡散可変フィルム3の頂面3a側から透過拡散可変フィルム3を見たユーザは、調光部3dを認識することができる(即ち、ユーザには調光部3dが見える)。
【0046】
一方、各調光部3dに電圧が印加されている場合、各調光部3dは、透過拡散可変フィルム3の厚さ方向にて光を透過させる。これにより、透過拡散可変フィルム3の頂面3a側から透過拡散可変フィルム3を見たユーザは、調光部3dを認識することができない(即ち、ユーザには調光部3dが見えない)。
【0047】
次に、透過拡散可変フィルム3及び光源5,6の構成について図5を参照しながら詳細に説明する。
透過拡散可変フィルム3及び光源5,6は、光源5,6から放射された光のすべてが透過拡散可変フィルム3の側面3cから入射するように構成されている。具体的には、透過拡散可変フィルム3及び光源5,6は、下記式(1)〜(2)を満足するように構成されている。
a>b …(1)
tanθ≦(a−b)/2c (但し、0≦θ<π/2) …(2)
【0048】
ここで、aは、透過拡散可変フィルム3の厚さ(即ち、頂面3aと底面3bとの間の距離)である。bは、開口部6cの短辺の長さである。cは、透過拡散可変フィルム3の短辺方向における透過拡散可変フィルム3と光源6との間の距離である。θは、光源6から放射される光が進む方向と、頂面3a及び底面3bと平行な平面と、がなす角度の最大値(照射角)である。
【0049】
ところで、光源5,6から放射された光が進む方向と、頂面3a又は底面3bと平行な平面と、がなす角度である入射角が比較的大きい場合、透過拡散可変フィルム3の側面3cへ入射した光が、そのまま頂面3a又は底面3bから透過拡散可変フィルム3の外部へ放射されてしまう。この場合、透過拡散可変フィルム3に入射した光を調光部3dへ導光することができない。
【0050】
そこで、透過拡散可変フィルム3及び光源5,6は、透過拡散可変フィルム3に入射した光が透過拡散可変フィルム3の頂面3a及び底面3bにて反射される範囲内の角度にて、光源5,6から放射された光が側面3cへ入射するように構成されている。具体的には、透過拡散可変フィルム3及び光源5,6は、下記式(3)を満足するように構成されている。
0≦sinθ≦(n/n)・{1−(n/n1/2 …(3)
【0051】
ここで、nは、標準状態における空気の絶対屈折率であり、nは、透過拡散可変フィルム3の絶対屈折率である。但し、n<nである。
【0052】
次に、上記式(3)の導出方法について説明する。
先ず、光源5,6から放射された光が透過拡散可変フィルム3の側面3cへ入射する角度(光源5,6から放射された光が進む方向と、頂面3a又は底面3bと平行な平面と、がなす角度)である入射角をθとおく。更に、透過拡散可変フィルム3に入射した光が進む方向と、頂面3a又は底面3bと平行な平面と、がなす角度である屈折角をθとおく。ここで、スネルの法則に従えば、入射角θと屈折角θとの関係は、下記式(4)により表される。
・sinθ=n・sinθ …(4)
【0053】
また、透過拡散可変フィルム3に入射した光が頂面3a又は底面3bへ入射する角度(透過拡散可変フィルム3に入射した光が進む方向と、側面3cと平行な平面と、がなす角度)である入射角をθとおく。ここで、スネルの法則に従えば、透過拡散可変フィルム3に入射した光が頂面3a又は底面3bへ入射した場合に、頂面3a又は底面3bにて全反射される入射角θの最大値(即ち、臨界角)θは、下記式(5)により表される。
sinθ=n/n …(5)
【0054】
従って、透過拡散可変フィルム3に入射した光が頂面3a又は底面3bへ入射した場合に、頂面3a又は底面3bにて全反射される入射角θの範囲は、下記式(6)により表される。
sinθ≧sinθ …(6)
【0055】
また、側面3cと、頂面3a又は底面3bと、が互いに直交している場合には、屈折角θと入射角θとの関係は、下記式(7)により表される。
sinθ=cosθ …(7)
【0056】
上記式(5)〜式(7)により、下記式(8)が導出される。
cosθ≧n/n …(8)
【0057】
更に、上記式(4)及び式(7)により、下記式(9)が導出される。
sinθ=n/n・sinθ
=n/n・{1−cosθ1/2 …(9)
【0058】
ここで、0<cosθ<1であるから、上記式(8)及び式(9)により、上記式(3)が導出される。
【0059】
このように構成された携帯電話機1によれば、各光源5,6から光が放射される(光放射工程)と、放射された光のすべては、透過拡散可変フィルム3の側面3cから透過拡散可変フィルム3へ入射する(光入射工程)。そして、透過拡散可変フィルム3に入射した光が頂面3a又は底面3bへ到達すると、その光は、頂面3a又は底面3bにて反射される。その後、透過拡散可変フィルム3は、入射した光を各調光部3dへ導光する(導光工程)。
【0060】
ところで、携帯電話機1は、ユーザが携帯電話機1を使用している状況(例えば、携帯電話機1が実行しているアプリケーションプログラム)に応じて、各調光部3dへの電圧の印加を制御する。
【0061】
そして、各調光部3dに電圧が印加されていない場合、各調光部3dは、導光された光を散乱する。これにより、透過拡散可変フィルム3の頂面3a側から透過拡散可変フィルム3を見たユーザは、調光部3dを認識することができる。
【0062】
一方、各調光部3dに電圧が印加されている場合、各調光部3dは、透過拡散可変フィルム3の厚さ方向にて光を透過させる。これにより、透過拡散可変フィルム3の頂面3a側から透過拡散可変フィルム3を見たユーザは、調光部3dを認識することができない。
【0063】
以上、説明したように、本発明による表示装置の実施形態によれば、光源5,6から放射された光のすべてを透過拡散可変フィルム3へ入射させることができる。即ち、透過拡散可変フィルム3へ入射されない光が光源5,6から放射されることを回避することができる。この結果、光源5,6が光を放射するために消費される電力を低減することができるとともに、輝度ムラ/表示ムラを低減することができる。
【0064】
更に、上記実施形態によれば、透過拡散可変フィルム3に入射した光がそのまま頂面3a又は底面3bから外部へ放射されることを防止することができる。この結果、透過拡散可変フィルム3に入射した光を確実に調光部3dへ導光することができる。
【0065】
加えて、上記実施形態によれば、例えば、ボタンを表示するように透過拡散可変フィルム3が構成されている場合、ユーザが携帯電話機1を使用している状況に応じて、ボタンの配置を変更したり、ボタンの機能を説明する文字列を変更したり、することができる。この結果、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0066】
ところで、透過拡散可変フィルム3の厚さが薄くされることにより、又は、光源6により放射される光の量を増加させるために開口部6cの短辺が長くされることにより、透過拡散可変フィルム3の厚さが開口部6cの短辺よりも薄くなる場合がある。
【0067】
この場合、図7に示したように、光源6は、発光部6bにより発せられた光を集光する集光部8を有することが好適である。集光部8は、発光部6bの一部であってもよいし、発光部6bと別の部材であってもよい。集光部8は、反射板、プリズム、又は、光ファイバー等の光学部品により構成されていてもよい。
【0068】
これによれば、光源6が備える発光部6bにより発せられる光が比較的広い範囲に放射される場合であっても、集光部8により集光された光を透過拡散可変フィルム3へ入射させることができるので、光源6から放射された光のすべてを透過拡散可変フィルム3へ入射させることができる。
【0069】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記実施形態の変形例において、透過拡散可変フィルム3の側面3cは、透過拡散可変フィルム3に入射した光を全反射するように形成されていることが好適である。例えば、側面3cに鏡面加工、ランダム加工、又は、プリズム加工等を行うことが好適である。これによれば、透過拡散可変フィルム3に入射した光が側面3cから外部へ放射されることを防止することができる。この結果、透過拡散可変フィルム3に入射した光が無駄に漏洩することを防止することができる。
【0070】
また、上記実施形態の他の変形例において、透過拡散可変フィルム3の側面3cは、透過拡散可変フィルム3に入射した光の一部を透過させるように形成されていることが好適である。例えば、側面3cに拡散処理、又は、プリズム加工等を行うことが好適である。これによれば、透過拡散可変フィルム3に入射した光の一部を側面3cから外部へ放射させることができる。この結果、携帯電話機1を光により装飾することができる。
【0071】
また、上記実施形態の他の変形例において、図8に示したように、入力ユニット2は、光源5,6に代えて、光源7を備えていてもよい。光源7は、透過拡散可変フィルム3の底面3bに積層されている。光源7は、面発光することにより発光した光を放射する。この場合、透過拡散可変フィルム3の頂面3a側から透過拡散可変フィルム3を見たユーザに、光源7が見えないように、透過拡散可変フィルム3の底面3bに拡散パターンを形成することが好適である。
【0072】
また、上記実施形態においては、表示装置としての入力ユニット2は、携帯電話機1に適用されていたが、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Data Assistance、Personal Digital Assistant)、ナビゲーション端末、パーソナルコンピュータ及びゲーム機等に適用されていてもよい。
【0073】
また、上記実施形態の他の変形例として、上述した実施形態及び変形例の任意の組み合わせが採用されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、携帯電話機、ナビゲーション端末、パーソナルコンピュータ及びゲーム機等の電子機器に搭載され、且つ、ユーザが当該電子機器に情報を入力するための装置である入力装置等に適用可能である。
【符号の説明】
【0075】
1 携帯電話機
1a 第1の筐体
1b 第2の筐体
2 入力ユニット
3 透過拡散可変フィルム
3a 頂面
3b 底面
3c 側面
3d 調光部
4 タッチパネル
4a 頂面
4b 底面
4c 側面
5,6 光源
6a 筐体
6b 発光部
6c 開口部
7 光源
8 集光部
9 ディスプレイユニット


【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を放射する光源と、
光を散乱させる散乱状態と、光を透過させる透過状態と、に状態を切り替え可能に構成された調光部が埋設されるとともに、前記光源から放射された光のすべてが入射するように構成され、且つ、当該入射した光を前記調光部へ導光するように構成された部材であって、互いに平行な頂面及び底面と側面とを有する部材である表示部材と、
を備える表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置であって、
前記光源から放射された光が前記表示部材の側面から入射するように構成され、且つ、当該入射した光が当該表示部材の頂面及び底面にて反射される範囲内の角度にて、前記光源から放射された光が当該側面へ入射するように構成された表示装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の表示装置であって、
前記光源は、発光部により発せられた光を集光する集光部を有する表示装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の表示装置であって、
前記表示部材の側面は、前記入射した光を全反射するように形成された表示装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の装置であって、
前記表示部材の側面は、前記入射した光の一部を透過させるように形成された表示装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の表示装置であって、
前記調光部は、当該調光部に印加されている電圧に応じて前記状態を切り替えるように構成された表示装置。
【請求項7】
請求項6に記載の表示装置であって、
前記調光部は、PNLC(Polymer Network Liquid Crystal)からなる表示装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の表示装置であって、
ユーザによって接触された場合に当該ユーザが接触した位置に応じた信号を出力し、且つ、前記表示部材の頂面に積層された入力部材を備える表示装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の表示装置であって、
携帯電話機に配設された表示装置。
【請求項10】
光源から光を放射する光放射工程と、
光を散乱させる散乱状態と、光を透過させる透過状態と、に状態を切り替え可能に構成された調光部が埋設されるとともに、互いに平行な頂面及び底面と側面とを有する部材である表示部材へ、前記光源から放射された光のすべてが入射する光入射工程と、
前記入射した光を前記調光部へ導光する導光工程と、
を含む表示方法。
【請求項11】
請求項10に記載の表示方法であって、
前記光入射工程は、前記光源から放射された光が前記表示部材の側面から入射するように構成され、且つ、当該入射した光が当該表示部材の頂面及び底面にて反射される範囲内の角度にて、前記光源から放射された光が当該側面へ入射するように構成された表示方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−250031(P2010−250031A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−98555(P2009−98555)
【出願日】平成21年4月15日(2009.4.15)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】