説明

表示装置

【課題】部品数が少なく、液晶表示パネル等の表示パネルを小さくできる表示装置を提供する。
【解決手段】乗り物に搭載され、状態情報を表示する表示装置は、裏側ケース2と表側ケース3とを含むケースと、そのケース内に収容され、状態情報を表示する表示パネル41と、を備える。表側ケース3は、表示パネル41が表示する状態情報を外部から視認可能にする透明な第1の透明板31及び第2の透明板32と、第1の透明板31及び第2の透明板32が取り付けられるとともに裏側ケース2に取り付けられる表側ケース本体30と、を備え、第2の透明板32には、表示パネル41が表示する状態情報に対応した意匠を表現する意匠部が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両、船舶等の乗り物に搭載され、この乗り物の状態〔速度、エンジン回転、残エネルギー(残燃料量)など〕の情報である状態情報を表示する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示された表示装置は、液晶表示パネルを収納する裏側ケースと、その裏側ケースを表側から覆う、透光性の前面ガラスを有する表側ケースと、を備え、液晶表示パネルと表側ケースの間に、透明樹脂製の表示板と、金属製のパネル板とを、さらに備える。前記の表示板には、液晶表示パネルに表示される速度等に対応する指標部(文字、数字、図形等)が印刷されている。
【0003】
また、特許文献2に開示された表示装置は、指標部が予め形成された液晶表示パネルを備える。この指標部は、主に計測量を取り囲むように形成される(特許文献2の図4を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平3−144691号公報
【特許文献2】特開2001−281638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された表示装置は表示板を備えるため、部品数が多い。また、特許文献2に開示された表示装置は表示パネルに直接指標部を有するため、特許文献1のように表示板を必要としないが、指標部を形成するための領域を液晶表示パネル上で確保しなければならないので、液晶表示パネルが大きくなってしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、部品数が少なく、液晶表示パネル等の表示パネルを小さくできる表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る表示装置は、
乗り物に搭載され、前記乗り物の状態の情報である状態情報を表示する表示装置であって、
裏側ケースと表側ケースとを含むケースと、
前記ケース内に収容され、前記状態情報を表示する表示パネルと、を備え、
前記表側ケースは、前記表示パネルが表示する前記状態情報を外部から視認可能にする透明な窓部と、前記窓部が取り付けられるとともに前記裏側ケースに取り付けられる表側ケース本体と、を備え、
前記窓部には、前記表示パネルが表示する前記状態情報に対応した意匠を表現する意匠部が形成されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、部品数が少なく、液晶表示パネル等の表示パネルを小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係る表示装置の概略正面図である。
【図2】図1における表示装置のA−A概略断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る表示装置の第2の透明板を示した正面図である。
【図4】図2における第1の透明板及び第2の透明板周辺の拡大図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る表示装置の表側ケースを外した状態を示した図である。
【図6】表示パネルが表示する状態情報を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態に係る表示装置を、図1乃至図6を参照して説明する。
【0011】
本実施形態に係る表示装置1は、水上バイクに搭載される、この水上バイクの状態〔速度、エンジン回転、残エネルギー(残燃料量)など〕の情報である状態情報を表示する指示計器である。
【0012】
以下では、表示装置1の各種表示を視認するユーザ側の方向を「表」側方向とし、その反対方向を「裏」側方向とする(図2の両端矢印を参照)。
【0013】
表示装置1は、裏側ケース2と、表側ケース3と、表示部4と、を備える。表側ケース3は、裏側ケース2に取り付けられ(他の部材を介して取り付けられてもよい。)、両者は表示部4を収納するケースを構成する。
【0014】
裏側ケース2は、AES樹脂(Acrylonitrile-Ethylene-Styrene resin)等の樹脂材料により、表側の面が開放された箱状に形成されている。裏側ケース2内には、表示部4が収納される。
【0015】
図2のように、裏側ケース2の底面には、配線コード5を通すための穴が設けられている。配線コード5は、後述する回路基板22と水上バイクの所定の機器(図示せず)とを電気的に接続する。裏側ケース2の穴と配線コード5との間には合成ゴムにより形成される防水パッキン51が取り付けられ、配線コード5と裏側ケース2の穴との間の隙間が塞がれる。これにより、表示装置1の裏側から内部に水が浸入することを防止している。
【0016】
また、裏側ケース2は、その側面から外側に向かってせり出す、板状の取付け部2aを有する。取付け部2aは、貫通孔を有し、この貫通孔によって、表示装置1を水上バイクの所定の位置に固定するための部材である。なお、取付け部2aは、裏側ケース2と一体的に形成されず、裏側ケース以外の部材で構成されてもよい。
【0017】
表示部4は、表示パネル41と、回路基板42と、中ケース43と、セルケース44と、を備える。
【0018】
表示パネル41は、上下2枚のガラス基板間に液晶を封止したパネルであり、STN(Super Twisted Nematic)、TN(Twisted Nematic)等の液晶パネルである。表示パネル41は、中ケース43の表側に配置される。表示パネル41は、導電ゴム(図示せず)等によって回路基板42と電気的に接続されている。表示パネル41は、回路基板42が有する後述の制御回路の制御下に、状態情報41aを表示する。状態情報41aは、水上バイクの状態〔速度、エンジン回転、残エネルギー(残燃料量)等〕を計測した計測量として表示される。特に、この計測量は、液晶パネル41の透明電極による日の字型のセグメントからなる数字表示部又は透明電極からなるバーグラフ表示部によって表示される。
【0019】
表示パネル41は、状態情報41aを表示することで、水上バイクの状態についての情報をユーザに示す。本実施形態では、表示パネル41は、状態情報41aを表示することによって、図6に示すように、メイン情報411、トリム情報412、警告情報413を表示する。なお、図6の二点鎖線は、想像線にすぎず、前記各情報が表示パネル41のどの位置に表示されるかを説明するためのものである。
【0020】
メイン情報411は、表示パネル41の中央領域(図6の略扇形状の領域)に表示される、エンジンの回転数、水上バイクの巡航速度、残燃料の量、現在時刻等の状態情報41aを含む。本実施形態では、現在時刻も車両の状態として捉えるものとする。
【0021】
トリム情報412は、表示パネル41の左側領域(図6の左側略三角形状の領域)に表示される、船首喫水と船尾喫水との差によって水上バイクのつりあいを認知可能とするトリムの状態情報41aを含む。
【0022】
警告情報413は、表示パネル41の右側領域(図6の右側略三角形状の領域)に表示される、バッテリー残量、エンジン温度等の状態情報41aを含む。
【0023】
また、表示パネル41の表面には、図5に示すように、印刷部41bが施されている。本実施形態では、図6に示すメイン情報411に含まれる、速度を表す状態情報41aと現在時刻を表す状態情報41aとを仕切る仕切り線と、トリム情報412内でトリムの基準位置となる水上バイクの水平位置を示す図形と、警告情報413内で後述するLED(Light Emitting Diode)が出射する光の拡散を防止するためのドーナツ形状からなる表示窓枠とが、印刷部41bとして施されている。印刷部41bは、適宜変化して表示される液晶表示による状態情報41aとは異なり、表示装置1の起動の如何にかかわらず変化しない図形等であればよいので、表示目的やデザイン上の要請によって、その内容を適宜変更できる。
【0024】
回路基板42は、表示パネル41の裏側に位置し、板状の基材に複数の電子部品が実装されることによって構成されている。これら電子部品により、表示パネル41を駆動制御する制御回路が形成されている。回路基板42は、配線コード5を介して、水上バイクの所定の機器(例えば、燃料計)と電気的に接続されている。回路基板42の制御回路は所定の機器から所定の信号を受け取り、この信号に基づいて所定の処理を行うことで、表示パネル41を制御し、表示パネル41に、水上バイクの状態に応じた状態情報41aを表示する。
【0025】
また、回路基板42に実装される電子部品には、例えばタクトスイッチ42a、抵抗器(図示せず)及びLED(図示せず)が含まれる。タクトスイッチ42aが後述の操作部33によって押下されることで、制御回路は、表示モードの切り替え、現在時刻の修正や各種設定等を行う。またLEDは、例えば赤色LEDであり、制御回路の制御の下、警告情報413であるバッテリー残量、エンジン温度等が所定の値に達した場合に図形化した液晶の透明電極からなるセグメントが通電されて所定の図形(警告情報413における状態情報41a)が表示されると同時に、点灯する。赤色LEDが点灯すると、警告情報413の状態情報41aの表示とともに、LEDによってドーナツ形状からなる表示窓枠の内側が赤みを帯びて表示される。これにより、ユーザに注意喚起をすることができる。
【0026】
中ケース43は、合成樹脂により、その表側及び裏側に凹みを有して形成されている。中ケース43の表側の凹みは表示パネル41が丁度収まるように形成されており、その表側の凹みに表示パネル41が収納される。また、中ケース43の裏側には、回路基板42が配置される。このように回路基板42が配置されても、中ケース43の裏側には凹みが設けられているため、中ケース43の裏面は、回路基板42の基材上に実装される電子部品と当接しない。また、中ケース43は、回路基板42を埃等から護る役割を担う。なお、前記の凹みは、表側から見た場合に、セルケース44の外形よりも少し小さな略矩形形状となっており、表示パネル41もこの形状に合わせて略矩形状に形成される。
【0027】
回路基板42と中ケース43とは、上記のように位置するが、その位置はネジ等によって固定されることで決められる。例えば、回路基板42及び中ケース43には、位置を固定するための穴が複数設けられており、両者の表側に位置する表側ケース3(後述の表側ケース本体30)の裏面には、回路基板42及び中ケース43の穴に対応した複数のネジ穴が設けられている。そして、回路基板42の裏側からネジ止めすることによって、裏側から順に回路基板42と、中ケース43とが表側ケース3に固定されることになる。即ち、表示部4(表示パネル41、回路基板42、中ケース43、及びセルケース44)全体が表側ケース3の裏側に固定される構造となっている。
【0028】
セルケース44は、ステンレス等の金属から、第1の透明板31及び第2の透明板32に対応する開口部を有して形成され、表示パネル41の表側を覆うようにして、表示パネル41を中ケース43に固定するケースである。
【0029】
表側ケース3は、表側ケース本体30と、第1の透明板31と、第2の透明板32と、操作部33と、密閉部材34と、意匠部322と、を備える。表側ケース3は、図2に示すように、蓋状に形成され、表側ケース3の裏面に表示部4が固定され、裏側ケース2に取り付けられることによって、裏側ケース2と表側ケース3とによって形成される内部空間に表示部4が収納される。
【0030】
表側ケース本体30は、AES樹脂等の樹脂材料により形成され、表側ケース3における枠体を構成する。また、表側ケース本体30には、後述する表示パネル41に対応した開口部30aが形成されている。
【0031】
表側ケース本体30の外縁部とそれに対応する裏側ケース2の外縁部は、それぞれ嵌合する形状で形成されている。裏側ケース2に表側ケース3を被せた後、両者の外縁部は液密に溶着される。この溶着は、例えば、オービタル振動溶着である。本実施形態では、このような構成によって、表側ケース3(表側ケース本体30)が裏側ケース2に取り付けられる。
【0032】
第1の透明板31は、透光性を有する合成樹脂性の板材(透明な板材)によって構成される。なお、透明とは、無色透明はもちろんのこと、有色透明をも含む。第1の透明板31は、開口部30aの形状に合わせた形状である。第1の透明板31は、例えば、表側ケース本体30の開口部30aを塞ぐように、表側ケース本体30と液密に溶着される。
【0033】
第2の透明板32は、図3に示すように、透明板本体321と、取付け部323と、を備える。透明板本体321の外周部には、この外周部を縁取るように、ゴム製の密閉部材34が取り付けられている。
【0034】
取付け部323は、透明板本体321の縁から飛び出るように形成された部分であり、密閉部材34の孔を介して、密閉部材34を突き抜ける。取付け部323は、透明板本体321と一体に形成され、第1の透明板32と同様に、透光性を有する合成樹脂製の板材によって形成される。
【0035】
取付け部323は、貫通孔323aを備える。貫通孔323aは、表側ケース本体30の裏面に形成され、裏面側に向かって突き出る突起部(図示せず)と嵌合する。この嵌合によって、第2の透明板32は、表側ケース本体30に取り付けられる。このとき、第2の透明板32は、第1の透明板31と間隔を空けて、表側ケース本体30に取り付けられる。なお、この嵌合によって、透明板本体321の外周部に取り付けられた密閉部材34が表側ケース本体30に押し当たる。密閉部材34は、透明板本体321の外周部全周に及んでいるため、密閉部材34が、表側ケース本体30に押し当たることによって、第1の透明板31と第2の透明板32との間の空間は、密閉空間になる。
【0036】
また、第1の透明板31と第2の透明板32との裏面側に、表示部4の表示パネル41が位置することになる。第1の透明板31と第2の透明板32とは、それぞれ、透明なので、ユーザは、両者の裏側に位置する表示パネル41に表示される状態情報41aを視認することができる。本実施形態では、第1の透明板31と第2の透明板32とが、厚さ方向に重なり、この重なった両者によって透視可能な透明な窓部を構成する。そして、前記のように、この窓部は、表示パネル41が表示する状態情報41aを外部から視認可能にする。
【0037】
ここで、前記の回路基板42には、抵抗器やLED等の発熱体が実装されているため、表示装置1の内部温度は上昇する性質がある。例えば、窓部が1枚の透明板からのみ構成される場合は、透明板は外気の影響を直接受ける。すると、透明板の裏面温度と内部温度との差が大きくなり、透明板の裏面に曇りが発生する可能性が高い。
【0038】
しかし、本実施形態では、表示装置1が、第1の透明板31と第2の透明板32との間の空間が密閉される二重構造を有するため、第2の透明板32は外気の影響を直接受けない。すると、表示装置1の内部温度と第2の透明板32の裏面温度との差を小さくできるため、水蒸気が飽和点まで冷却されるのを防止することができる。よって、このような二重構造によれば、第1の透明板31に曇りが発生することを抑えることができる。
【0039】
第2の透明板32には、意匠部322(図3では、意匠部322にドットを付した。)が形成される。意匠部322は、第2の透明板32の裏面に印刷、塗装等の適宜の方法によって形成される層によって構成される。意匠部322は、枠部322aと指標部322bとを有する。本実施形態では、枠部322a内に指標部322bが表現されている。
【0040】
枠部322aは、表示パネル41が表示する状態情報41aの表示領域を区切る帯状の形状で、光を遮る厚みでベタ状に形成されている。特に、枠部322aは、図3に示すように、少なくとも、第2の透明板32の外縁(特に、第2の透明板32において、表側から視認できる外縁(窓部の外縁))に沿って形成される枠を表現する部分を含む。なお、枠部322aはベタ状に形成されなくてもよい。例えば、ドット状、縞状等の態様で形成されていてもよい。
【0041】
指標部322bは、図3に示すように、数値、文字、目盛り等である。指標部322bは、表示パネル41に表示される状態情報41aに対応して設けられる。状態情報41aと指標部322bとを視認することによって水上バイクの状態を認識することができる。例えば、残エネルギー(燃料量)を表す状態情報が、その残エネルギー(燃料量)の量に応じた長さで、F(FULL)及びE(EMPTY)を含む目盛によって表現される指標部322bの近傍に液晶による透明電極からなるバーグラフ表示部による状態情報41aがバーグラフ表示されることによって、これを見る水上バイクの運転手(ユーザ)が残エネルギー(燃料の残量)を認識できる。
【0042】
枠部322aと指標部322bの色は、例えば、枠部322aが黒で、指標部322bが主に白で着色されている。そして、指標部322bの一部(図3における、数値「8」や文字「E」)は、注意喚起のために赤で着色されている。なお、色の組合せはこれに限られない。水上バイクのユーザが指標部322bを視認し易ければいいのであって、様々な色合いのコンビネーションが想定される。また、指標部322bは塗装でなく、抜き文字等であってもよい。
【0043】
意匠部322は、表示パネル41が表示する情報に付加する情報(指標部322bによる指標等)を表示する他、表示装置1にデザイン性を付加する(枠部322a)。特に、本実施形態においては、第2の透明板32に形成された枠部322aは、それが形成されていない場合には表示装置1の外部から窓部を通して見えてしまう、セルケース44の表面を隠す役割も担っている。なお、意匠部322は、単に、目盛や数値を表す指標部322bのみからなってもよいし、枠部322aのみからなってもよい。
【0044】
操作部33は、図1に示すように、表側ケース本体30の、第1の透明板31の下方に設けられ、種々な入力操作を可能とする入力部である。操作部33は、弾性樹脂から形成され、表側ケース3の表側に露出するカバー部と、表側ケース3の裏側に配置されて回路基板42に向かって延設される棒状部材と、から構成されている。カバー部が押下されると、回路基板42上に実装されるタクトスイッチ42aが、棒状部材により押されることで、入力、切り換え、調整などの操作が可能となっている。
【0045】
また、操作部33のカバー部は、表側ケース3に液密に取り付けられている。これにより、カバー部と表側ケース3との間の隙間から、表示装置1の内部に水が浸入することを防止している。
【0046】
このように、本実施形態に係る表示装置1においては、操作部33がカバー部を有することで表側からの浸水を防止し、配線コード5に防水パッキン51が取り付けられることで裏側からの浸水を防止し、裏側ケース2と表側ケース3とが液密に溶着されることで側面からの浸水を防止する。これらの構造により、表示装置1が水上バイクの運転で激しく舞い上がる飛沫を受ける等しても、その内部への浸水を防止できる。
【0047】
上記で説明したように、本実施形態に係る表示装置では、意匠部322が、第2の透明板32(窓部)に形成されているため、上記の特許文献1のような表示板が不要になるため、部品数を少なくできる。
【0048】
また、上記特許文献2に係る表示装置の場合は、表示パネルに、直接、数値や目盛り等を形成する構成のため、そのぶん表示パネルを大きくする必要があったが、本実施形態では、意匠部322が第2の透明板32(窓部)に形成されているため、その必要がなく、表示パネルを小さくできる。上記特許文献2のように、表示パネルに意匠部を形成する場合、表示パネルの外形(特に、縦横の寸法)は、意匠部が全て入るように大きく形成する必要がある。しかし、本実施形態に係る表示装置1では、窓部に意匠部322が設けられているため、液晶パネルは、例えば、その縁が意匠部322に隠れて窓部から視認されないような大きさであればよい。このため、本実施形態では、表示パネル41が小さくなっている。特に、本実施形態のように、意匠部322が窓部の外縁に沿って形成された枠を表現する部分を有する場合、この部分によって、液晶パネルの縁(窓部と重なる縁)が隠され、表示パネル41は小さく形成されている。
【0049】
なお、液晶パネルを小さくできれば、コストを抑えることができる。また、液晶パネルは一般的に矩形に形成されるので、この液晶パネルに意匠部が形成される場合、この液晶パネルにおいて意匠部が形成されない無駄な部分が増えてしまうことがあるが、本実施形態の表示パネル41ではそのようなことが無く、窓部に意匠部322を形成する本実施形態の構成は表示装置1の小型化にもつながる。
【0050】
(変形例)
以上の実施形態においては、表示装置1は水上バイクに搭載される指示計器を例にして説明したが、これに限定されるものではない。表示装置は、自動車、オートバイ、建設機械、農耕機械、船舶、雪上バイク等に搭載される指示計器であってもよい。
【0051】
なお、意匠部322は、無色透明あるいは有色透明からなる透視可能な窓部に形成されればよい。このため、意匠部322の少なくとも一部を、第1の透明板31に形成してもよい。また、意匠部322は、第1の透明板31及び/又は第2透明板32の表面でも裏面でも、いずれにも形成できる。
【0052】
また、窓部の構成は、第1の透明板31及び第2透明板32からなる構成に限らない。窓部は、第1の透明板31のみ等、一枚の透明板によって構成されてもよいし、3枚以上の透明板によって構成されてもよい。窓部は、これらの透明板の表面又は裏面に形成されればよい。
【0053】
なお、意匠部322を、第1の透明板31の表面等、最も表側にある透明板の表面に形成すると、外部からの影響(衝撃等)で意匠部322に傷等がついてしまう恐れがあるので、意匠部322は、それ以外の面(最も表側にある透明板の裏面、又は、2番目以降に表側にある透明板の表面もしくは裏面)に形成することが望ましい。これによって、意匠部322は、外部からの影響を受けにくく、外部から保護される。意匠部322は、複数の透明板に分割して形成してもよい。
【0054】
第1の透明板31と第2の透明板は、透明な合成樹脂としたがこれに限られない。無機ガラスを用いてもよい。
【0055】
上記では、表示パネルの一例として、液晶表示パネルが用いられているが、表示パネルは、有機ELパネル等の他の表示パネルであってもよい。なお、上記では、表示パネルがセグメント表示等をする表示パネルである場合として説明したが、他の表示形態の表示パネルであってもよい。但し、表示パネルがセグメント表示等しかできない場合には、意匠部322が表示装置1にデザイン性を付加するので、特に意匠部322は重要になる。このような場合でも、上記のような構成によって、意匠部322のデザイン性の自由度を高くするとともに、表示パネルの大きさを抑えることができる。
【0056】
なお、本発明は上記の実施形態及び変形例(図面に示される構成等も含む)によって限定されるものではない。上記の実施形態に変更(構成要素の削除も含む)を加えることができるのはもちろんである。
【符号の説明】
【0057】
1 表示装置
2 裏側ケース
2a 取付け部
3 表側ケース
30 表側ケース本体
30a 開口部
31 第1の透明板
32 第2の透明板
321 透明板本体
322 意匠部
322a 枠部
322b 指標部
323 取付け部
323a 貫通孔
33 操作部
34 密閉部材
4 表示部
41 表示パネル
411 メイン情報
412 トリム情報
413 警告情報
41a 状態情報
41b 印刷部
42 回路基板
42a タクトスイッチ
43 中ケース
44 セルケース
5 配線コード
51 防水パッキン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り物に搭載され、前記乗り物の状態の情報である状態情報を表示する表示装置であって、
裏側ケースと表側ケースとを含むケースと、
前記ケース内に収容され、前記状態情報を表示する表示パネルと、を備え、
前記表側ケースは、前記表示パネルが表示する前記状態情報を外部から視認可能にする透明な窓部と、前記窓部が取り付けられるとともに前記裏側ケースに取り付けられる表側ケース本体と、を備え、
前記窓部には、前記表示パネルが表示する前記状態情報に対応した意匠を表現する意匠部が形成されている、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記意匠部は、前記窓部の外縁に沿って形成された枠を表現する部分を含む枠部を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記窓部は、厚さ方向で重なる2枚の透明板を含み、
前記意匠部は、前記2枚の透明板のいずれか少なくとも一方に形成され、
前記2枚の透明板の間の空間は、密閉空間になっている、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−13923(P2012−13923A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−149937(P2010−149937)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(000231512)日本精機株式会社 (1,561)
【Fターム(参考)】