説明

表示装置

【課題】 可撓性配線部材が損傷する虞を低減できる表示装置を提供する。
【解決手段】 ケース体20は、表示パネル10を支持する。可撓性配線部材30は、表示パネル10に一端30aが接続される。回路基板40は、可撓性配線部材30の他端30bが接続される。ケース体20は、表示パネル10を支持する筒部21と、可撓性配線部材30を保持するホルダー部22aと、筒部21とホルダー部22aとの間に形成され可撓性配線部材30の一部を挿入する隙間部Sと、を有する。ケース体20のホルダー部22aは、可撓性配線部材30を掛ける突起部22c,22d,22eを有する。可撓性配線部材30の切欠き部31は、ホルダー部22aの突起部22c,22d,22eに掛けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示パネルと回路基板とを可撓性配線部材で接続した表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ケース体に液晶表示パネルを配設した表示装置が種々提案されており、例えば特許文献1に開示されている。斯かる表示装置は、液晶表示パネル1をケース体2の前端部に配設すると共に、可撓性配線板3によって液晶表示パネル1と硬質回路基板4とを電気的に接続したものである(図8及び図9参照)。可撓性配線板3の一端は液晶表示パネル1に接続され、可撓性配線板3の一端3aは、液晶表示パネル1に電気的に接続され、可撓性配線板3の他端3bは、コネクタ5を介して、硬質回路基板4に電気的に接続されている。硬質回路基板4には発光素子6が搭載されており、この発光素子6によって液晶表示パネル1を透過照明する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−3688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、可撓性配線板3は一端3a及び他端3bのみで固定されており、可撓性配線板3の中間部分が保持されておらず、可撓性配線板3が振動によって可撓性配線板3の中間部分が揺れ動いてしまうため、可撓性配線板3が断線する虞があった。
本発明は、この問題に鑑みなされたものであり、可撓性配線部材が損傷する虞を低減できる表示装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、請求項1に記載のように、表示パネル10と、前記表示パネル10を支持するケース体20と、前記表示パネル10に接続された可撓性配線部材30と、を備えた表示装置であって、前記ケース体20は、前記可撓性配線部材30を保持する保持部22を有することを特徴とする表示装置。
【0006】
また、本発明は、請求項2に記載のように、表示パネル10と、前記表示パネル10を支持するケース体20と、前記表示パネル10に一端30aが接続された可撓性配線部材30と、前記可撓性配線部材30の他端30bが接続される回路基板40と、を備えた表示装置であって、前記ケース体20は、前記表示パネル10を支持する筒部21と、前記可撓性配線部材30を保持するホルダー部22aと、前記筒部21と前記ホルダー部22aとの間に形成され前記可撓性配線部材30の一部を挿入する隙間部Sと、を有するものである。
【0007】
また、本発明は、請求項3に記載のように、前記ケース体20の前記ホルダー部22aは、前記可撓性配線部材30を掛ける突起部22c,22d,22eを有するものである。
【0008】
また、本発明は、請求項4に記載のように、前記可撓性配線部材30は、前記他端30bを分岐させる切欠き部31を有するものである。
【0009】
また、本発明は、請求項5に記載のように、前記可撓性配線部材30の前記切欠き部31は、前記ホルダー部22aの前記突起部22c,22d,22eに掛けられるものである。
【発明の効果】
【0010】
可撓性配線部材を保持することにより、可撓性配線部材が振動によって揺れ動いて損傷する虞を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第一実施形態を示す側壁図。
【図2】同上実施形態を示す前面図。
【図3】同上実施形態を示すケース体の側壁図。
【図4】同上実施形態を示す要部拡大断面図。
【図5】本発明の第二実施形態を示す側壁図。
【図6】同上実施形態を示すケース体の側壁図。
【図7】同上実施形態を示す要部拡大断面図。
【図8】従来例を示す側壁図。
【図9】同上従来例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面に基づいて、本発明の一実施形態を説明する。図1乃至図4は、第一実施形態を示すものである。
【0013】
表示装置は、液晶表示パネル(表示パネル)10,ケース体20,可撓性配線板(可撓性配線部材)30,硬質回路基板(回路基板)40を備えている。液晶表示パネル10は、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明電極が形成された一対の透光性基板11,12に液晶を封入した液晶セルの前後面に偏光板(図示しない)を貼着したものである。
【0014】
ケース体20は、略角筒形状の筒部21と、可撓性配線板30を保持する保持部22と、硬質回路基板40に係止される係止片23とを有しており、これらの筒部21,保持部22,係止片23は、白色の樹脂にて一体形成されている。
【0015】
ケース体20の筒部21の前端部には液晶表示パネル10が支持される。ケース体20の筒部21の前端部には、可撓性配線板30を引き出すための凹部21aが形成されている。ケース体20の筒部21は、4つの側壁21b,21c,21d,21eを有する略角筒形状になっている。ケース体20の筒部21の内部には、図示しない発光素子(例えば発光ダイオード)が配設されている。この発光素子は、硬質回路基板40に搭載されており、液晶表示パネル10を透過照明する。
【0016】
ケース体20の保持部22は、筒部21の側壁21bから所定間隔dを有するように設けられるホルダー部22aと、このホルダー部22aを側壁21bに繫ぐ支持片22bとを有している。ケース体20の保持部22は、前面視で略コ字形状になっており、隙間部Sが形成されている(図2参照)。保持部22のホルダー部22aは、側面視で略逆W字形状になっており、可撓性配線板30を掛ける突起部22c,22d,22eを有している(図3参照)。ケース体20の係止片23は、筒部21の側壁21c,21dから斜め下方に垂下する形状になっており、硬質回路基板40に係止される係止爪23aを有している。
【0017】
可撓性配線板30は、ポリイミドからなるベースフィルムに配線パターンを形成したものであり、液晶表示パネル10と硬質回路基板40とを電気的に接続するものである。可撓性配線板30の一端30aは、液晶表示パネル10に電気的に接続され、可撓性配線板30の他端30bは、コネクタ41を介して、硬質回路基板40に電気的に接続されている。可撓性配線板30には切欠き部31が形成されており、この切欠き部31によって他端30bが二股に分岐されている。可撓性配線板30の切欠き部31は、ホルダー部22の突起部22dに掛けられる。
【0018】
硬質回路基板40には、液晶表示パネル10を駆動する駆動回路(図示しない)が搭載されている。硬質回路基板40の後面にはコネクタ41が配設されており、このコネクタ41に可撓性配線板30の他端30bが接続されている。硬質回路基板40には矩形の開口40aが形成されており、この開口40aに係止片23が係止される。
【0019】
可撓性配線板30はホルダー部22aの突起部22c,22d,22eに掛けられ、可撓性配線板30の一部が隙間部Sに挿入される。これにより、可撓性配線板30がホルダー部22aに保持される。
【0020】
図5乃至図7は、第二実施形態を示す図である。第二実施形態は、ホルダー部22a及び可撓性配線板30の形状が異なるだけであり、他の構成は第一実施形態と同様である。
【0021】
ケース体20のホルダー部22aは、可撓性配線板30を掛ける突起部22c,22eを有している(図6参照)。可撓性配線板30はホルダー部22aの突起部22c,22eに掛けられ、可撓性配線板30の一部が隙間部Sに挿入される。これにより、可撓性配線板30がホルダー部22aに保持される。
【0022】
第一,第二実施形態によれば、可撓性配線板30をホルダー部22aに保持することができ、可撓性配線板30が振動によって揺れ動いて損傷する虞を低減することができる。特に、本発明は、コネクタ41が硬質回路基板40の後面に配設された表示装置において好適である。つまり、可撓性配線板30が硬質回路基板40の後面に引き回される表示装置においては、可撓性配線板30が硬質回路基板40の外周によって損傷する虞がない。
【0023】
なお、本発明は種々の変形が可能であり、例えば、表示パネルは、有機EL表示パネル等の自発光型表示パネルであっても良い。また、筒部21と保持部22は一体形成されたものであったが、筒部21と保持部22は別体であっても良い。
【符号の説明】
【0024】
10 液晶表示パネル(表示パネル)
20 ケース体
21 筒部
22a ホルダー部
22c 突起部
22d 突起部
22e 突起部
30 可撓性配線板(可撓性配線部材)
30a 一端
30b 他端
31 切欠き部
40 硬質回路基板(回路基板)
S 隙間部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、前記表示パネルを支持するケース体と、前記表示パネルに接続された可撓性配線部材と、を備えた表示装置であって、
前記ケース体は、前記可撓性配線部材を保持する保持部を有することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
表示パネルと、前記表示パネルを支持するケース体と、前記表示パネルに一端が接続された可撓性配線部材と、前記可撓性配線部材の他端が接続される回路基板と、を備えた表示装置であって、
前記ケース体は、前記表示パネルを支持する筒部と、前記可撓性配線部材を保持するホルダー部と、前記筒部と前記ホルダー部との間に形成され前記可撓性配線部材の一部を挿入する隙間部と、を有することを特徴とする表示装置。
【請求項3】
前記ケース体の前記ホルダー部は、前記可撓性配線部材を掛ける突起部を有することを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記可撓性配線部材は、前記他端を分岐させる切欠き部を有することを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記可撓性配線部材の前記切欠き部は、前記ホルダー部の前記突起部に掛けられることを特徴とする請求項4に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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