表示装置
【課題】高性能で高機能の表示装置を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、複数の光出射部と、複数の導光部と、複数の光取り出し部と、受光部と、を含む表示装置が提供される。複数の導光部は、光出射部から出射した光を導光する。複数の導光部のそれぞれは、側面と、第1端部と、第2端部と、を有する。側面は、第1方向に沿って延在する。第1端部は、導光部の第1方向における一方の端である。第2端部は、導光部の他方の端である。複数の導光部は、第1方向に対して垂直な第2方向に並ぶ。複数の光取り出し部のそれぞれは、複数の導光部の側面に対向する。光取り出し部は、複数の導光部中を導光された光を導光部の外に向けて出射可能である。受光部は、第1端部に対向する。受光部は、複数の導光部中を導光され第1端部のそれぞれから出射する光を受光する光電変換部を含む。
【解決手段】実施形態によれば、複数の光出射部と、複数の導光部と、複数の光取り出し部と、受光部と、を含む表示装置が提供される。複数の導光部は、光出射部から出射した光を導光する。複数の導光部のそれぞれは、側面と、第1端部と、第2端部と、を有する。側面は、第1方向に沿って延在する。第1端部は、導光部の第1方向における一方の端である。第2端部は、導光部の他方の端である。複数の導光部は、第1方向に対して垂直な第2方向に並ぶ。複数の光取り出し部のそれぞれは、複数の導光部の側面に対向する。光取り出し部は、複数の導光部中を導光された光を導光部の外に向けて出射可能である。受光部は、第1端部に対向する。受光部は、複数の導光部中を導光され第1端部のそれぞれから出射する光を受光する光電変換部を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
映像信号を可視化して映像情報として提示する表示装置において、さらなる高性能化と高機能化が求められている。例えば、有機EL表示装置の表示面の上に太陽電池を設けることにより、表示動作に加えて、発電機能を付加する構成がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−107726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、高性能で高機能の表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によれば、複数の光出射部と、複数の導光部と、複数の光取り出し部と、受光部と、を含む表示装置が提供される。前記複数の光出射部は、光を出射する。前記複数の導光部は、前記光を導光する。前記複数の導光部のそれぞれは、側面と、第1端部と、第2端部と、を有する。前記側面は、第1方向に沿って延在する。前記第1端部は、前記導光部の前記第1方向における一方の端である。前記第2端部は、前記導光部の他方の端である。前記複数の導光部は、前記第1方向に対して垂直な第2方向に並ぶ。前記複数の光取り出し部のそれぞれは、前記複数の導光部の前記側面に対向する。前記複数の光取り出し部のそれぞれは、前記複数の導光部中を導光された光を前記導光部の外に向けて選択的に出射可能である。前記受光部は、前記第1端部に対向する。前記受光部は、光電変換部を含む。前記光電変換部は、前記複数の導光部中を導光され前記第1端部のそれぞれから出射する光を受光する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1(a)及び図1(b)は、第1の実施形態に係る表示装置を示す模式図である。
【図2】第1の実施形態に係る表示装置の一部を示す模式的断面図である。
【図3】第1の実施形態に係る表示装置の1つの動作を示す模式図である。
【図4】第1の実施形態に係る表示装置の別の動作を示す模式図である。
【図5】第1の実施形態に係る表示装置の1つの動作を示す模式的平面図である。
【図6】第1の実施形態に係る表示装置の別の動作を示す模式的平面図である。
【図7】第1の実施形態に係る表示装置の一部を示す模式図である。
【図8】図8(a)及び図8(b)は、第1の実施形態に係る表示装置の一部の構成及び動作を示す模式図である。
【図9】第1の実施形態に係る別の表示装置を示す模式的断面図である。
【図10】第1の実施形態に係る別の表示装置の1つの動作を示す模式図である。
【図11】第1の実施形態に係る別の表示装置の別の動作を示す模式図である。
【図12】図12(a)及び図12(b)は、第1の実施形態に係る表示装置の動作を例示する模式図である。
【図13】第1の実施形態に係る別の表示装置の一部を示す模式的断面図である。
【図14】第2の実施形態に係る表示装置の構成及び1つの動作を示す模式的断面図である。
【図15】第2の実施形態に係る表示装置の別の動作を示す模式図である。
【図16】第3の実施形態に係る表示装置の構成及び動作を示す模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1の実施形態)
図1(a)及び図1(b)は、第1の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式図である。
図1(a)は平面図である。図1(b)は、図1(a)のA1−A2線断面図である。 図1(a)に表したように、本実施形態に係る表示装置110は、複数の光出射部10sと、複数の導光部20と、複数の光取り出し部30と、受光部40と、を備える。
【0009】
複数の光出射部10sは、光を出射する。複数の導光部20は、光出射部10sから出射した光を導光する。複数の導光部20のそれぞれは、Y軸方向(第1方向)に延在する。複数の導光部20は、X軸方向(第2方向)に並ぶ。X軸方向は、Y軸方向に対して垂直である。Y軸方向に対して垂直でX軸方向に対して垂直な方向をZ軸方向(第3方向)とする。
【0010】
図1(b)に表したように、導光部20は、側面20sと、第1端部21と、第2端部22と、を有する。側面20sは、Y軸方向に沿って延在する。第1端部21は、導光部20の、Y軸方向の一方の端である。第2端部22は、導光部20の、Y軸方向の他方の端である。
【0011】
例えば、側面20sは、導光部20の、Z軸方向における一方の側面(便宜的に上側面20aと言うことにする)と、導光部20の、Z軸方向における他方の側面(便宜的に下側面20bと言うことにする)と、を有する。
【0012】
複数の光取り出し部30のそれぞれは、導光部20の側面20s(この例では、下側面20b)に対向する。
【0013】
本願明細書において、「対向」は、直接面する場合に加え、間に別の要素が挟まれている状態で面する場合も含む。
【0014】
光取り出し部30は、導光部20中を導光された光を側面20s(この例では、上側面20a)から、導光部20の外に向けて出射させる。光取り出し部30は、導光部20中を導光された光を、選択的に局所的に取り出す動作を実施することが可能である。
【0015】
例えば、光取り出し部30は、導光部20中を導光された光を導光部20からZ軸方向に向けて出射させる。なお、導光部20から出射する光は、Z軸方向に厳密に平行な光線でなくてもよく、広がりを有していても良い。また、導光部20から出射する光は、Z軸方向に対して傾斜していても良い。
【0016】
例えば、導光部20の側面20sのうちで、光取り出し部30が対向する側面20s(この例では下側面20b)は、導光部20の側面20sのうちで、光が出射する面(この例では上側面20a)とは反対の面である。
【0017】
1つの導光部20において、複数の光取り出し部30が設けられる。1つの導光部20の側面20sに対向する複数の光取り出し部30は、Y軸方向に沿って並ぶ。複数の光取り出し部30のそれぞれは、複数の導光部20のそれぞれの側面20s(例えば下側面20b)に対向して、Y軸方向に沿って並ぶ。
【0018】
図1(a)及び図1(b)に表したように、受光部40は、第1端部21に対向する。受光部40は、光電変換部41を含む。光電変換部41は、複数の導光部20中を導光され第1端部21のそれぞれから出射する光を受光する。
【0019】
この例では、受光部40は、集光導光部42をさらに含む。集光導光部42は、複数の導光部20の第1端部21のそれぞれから出射する光を導光して光電変換部41に入射させる。集光導光部42は、X軸方向に沿って延在する部分42aを含む。光電変換部41は、例えば、集光導光部42の端に配置されている。
【0020】
この例では、受光部40は、光路変更部43をさらに含む。光路変更部43は、複数の導光部20の第1端部21のそれぞれに対向する。光路変更部43は、第1端部21のそれぞれから出射する光の光路を変えて集光導光部42に入射させる。光路変更部43は、光路を、導光部20における導波方向(Y軸方向)から、集光導光部42における導波方向(X軸方向)に変更する。光路変更部43の例については、後述する。
【0021】
なお、この例においては、光電変換部41の個数削減を目的とした構成としたが、上記の集光導光部42及び光路変更部43は必要に応じて設けられ、場合によっては省略しても良い。例えば、導光部20の第1端部21のそれぞれに対向して光電変換部41を設置し、後述する制御部71と各光電変換部41とを電気的に接続した構成を用いても良い。
【0022】
この例では、光出射部10sは、第2端部22に並置されている。光出射部10sは、第2端部22から導光部20に光を入射させる。この例では、光出射部10sは、第2端部22の端面に対向しており、第2端部22の端面から導光部20に光を入射する。例えば、光出射部10sは、第2端部22の端面において、導光部20と光学的に接続されている。ただし、実施形態はこれに限らず、光出射部10sは、第2端部22の側の例えば側面20sの一部に対向しても良い。また、光出射部10sは、第1端部21(受光部40が配置される側の端)の側に設けられても良い。
【0023】
この例では、複数の光出射部10sのそれぞれに、光源10が用いられる。複数の光源10のそれぞれが複数の導光部20のそれぞれに並置されている。ただし、実施形態はこれに限らない。例えば、1つの光源10が設けられ、その光源10から出射する光が、光スイッチ(図示しない)により制御されて複数の出射部(光出射部10sとなる)から出射し、その光が、複数の導光部20のそれぞれに入射しても良い。以下では、光出射部10sとして、光源10を用いる例について説明する。
【0024】
表示装置110において、表示部15が設けられる。表示部15は、複数の光出射部10s(光源10)と、複数の導光部20と、複数の光取り出し部30と、を含む。表示部15には、複数の画素が設けられる。1つの画素は、1つの光取り出し部30に対応する。例えば、M個(Mは2以上の整数)の導光部20が設けられ、1つの導光部20にN個(Nは2以上の整数)の光取り出し部30が設けられる。表示部15は、M個×N個のマトリクス状に並んだ画素を有する。なお、図1(a)では、図を見やすくするために、M=11でN=9の例が示されているが、実施形態において、M及びNは任意である。複数の導光部20と、複数の光取り出し部30と、が対向する領域が、画素が配置された表示領域となる。
【0025】
表示装置110は、走査駆動部61と光源駆動部62とをさらに含むことができる。走査駆動部61は、配線(走査線61w)を介して複数の光取り出し部30と接続される。走査駆動部61は、複数の光取り出し部30を駆動するための信号を光取り出し部30に供給する。光源駆動部62は、複数の光源10と、光源配線62wを介して接続される。光源駆動部62は、複数の光源10を駆動するための信号(電流を含む)を光源10に供給する。
【0026】
表示装置110に、回路部60が設けられる。回路部60は、光源10及び光取り出し部30の少なくともいずれかに電気信号を供給する。回路部60は、走査駆動部61及び光源駆動部62の少なくともいずれかを含む。
【0027】
表示装置110は、映像処理部63をさらに含むことができる。映像処理部63には、映像信号SVが供給される。映像処理部63は、走査駆動部61に、走査のための信号を供給する。映像処理部63は、光源駆動部62に、光源10を駆動するための信号を供給する。走査のための信号及び光源10を駆動するための信号は、映像信号SVに基づいて生成される。
【0028】
表示装置110は、電源部64をさらに含むことができる。電源部64には、電力PWが供給される。電源部64は、電源系統配線PLを介して、走査駆動部61、光源駆動部62及び映像処理部63に、電流を供給する。
【0029】
表示装置110は、蓄電部72と制御部71とをさらに含む。光電変換部41が受光した光の少なくとも一部を光電変換部41は電気エネルギーに変換する。蓄電部72は、その電気エネルギーの少なくとも一部を蓄える。制御部71は、光電変換部41で得た電気エネルギーの蓄電部72への供給を制御する。また、制御部71は、蓄電部72に蓄積された電気エネルギーの電源部64への供給を制御する。すなわち、制御部71は、光電変換部41から蓄電部72への電気エネルギーの供給と、蓄電部72からの電気エネルギーの取り出しを制御する。制御部71は、例えば、電源部64と接続されている。電源部64は、例えば制御部71に電流を供給する。例えば、光電変換部41が受光した光を光電変換部41が変換して得られた電気エネルギーの少なくとも一部は、電源部64に供給されることができる。
【0030】
例えば、光電変換部41は、導光部20の中を導光された光を変換して電気的な出力41sを生成する。制御部71に、出力41sが供給される。
【0031】
この例では、表示装置110は、第1反射部51をさらに含む。第1反射部51は、複数の導光部20の第1端部21のそれぞれと、受光部40と、の間に設けられる。具体的には、第1反射部51は、第1端部21の端面のそれぞれと、受光部40と、の間に設けられる。第1反射部51の光反射率は、可変である。例えば、第1反射部51は、反射状態と、透過状態と、を有する。反射状態における第1反射部51の反射率は、透過状態における第1反射部51の反射率よりも高い。透過状態における第1反射部51の透過率は、反射状態における第1反射部51の透過率よりも高い。
【0032】
第1反射部51は、第1反射部51に入射する光を反射する動作(反射動作)と、第1反射部51に入射する光を透過させる動作(透過動作)と、を実施可能である。例えば、第1反射部51は、第1端部21のそれぞれから出射する光を反射して複数の導光部20に入射させる動作と、第1端部21のそれぞれから出射する光を透過して受光部40に入射させる動作と、を実施可能である。第1反射部51において、反射動作と透過動作とが切り替えて実施されることが可能である。導光部20は、第1反射部51を介して受光部40と、例えば光学的に、接続される。第1反射部51の例については後述する。
【0033】
複数の導光部20は、第1反射部51と光路変更部43とを介して集光導光部42と光学的に接続されている。
【0034】
例えば、表示装置110は、光源10、導光部20及び光取り出し部30による表示動作と、導光部20及び受光部40による発電動作と、を実施することができる。表示装置110は、例えば発電機能を有する表示装置である。
【0035】
導光部20には、例えば、樹脂やガラスなどの可視光に対して透過性を有する材料が用いられる。導光部20は、Y軸方向に延在する柱状またはファイバ状の形状を有することができる。光源10には、例えばLEDなどの半導体発光素子を用いることができる。受光部40の集光導光部42には、例えば、樹脂やガラスなどの可視光に対して透過性を有する材料が用いられる。光電変換部41には、例えば半導体を用いた素子が用いられる。
【0036】
光取り出し部30には、例えば、液晶素子やMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子などが用いられる。ただし、実施形態はこれに限らず、光取り出し部30には、導光部20の導光状態を変える(例えば全反射状態と、非全反射状態と、の間で変化させる)ことが可能な任意の素子を用いることができる。
【0037】
以下、光取り出し部30の1つの例について説明する。
図2は、第1の実施形態に係る表示装置の一部の構成を例示する模式的断面図である。図2は、図1(a)のA1−A2線断面の一部を例示しており、光取り出し部30の構成を導光部20の一部と共に例示している。
【0038】
図2に表したように、この例では、光取り出し部30は、第1電極層31aと、第2電極層31bと、反射層32と、光取り出し層33と、を含む。第1電極層31aと光取り出し層33との間に第2電極層31bが配置される。第2電極層31bと光取り出し層33との間に反射層32が配置される。第1電極層31aと第2電極層31bとの間には、変位層31cが設けられている。第1電極層31aと第2電極層31bとの間の距離(変位層31cの厚さ)は、可変である。
【0039】
光取り出し層33は、導光部20に対向している。すなわち、導光部20と反射層32との間に導光部20が配置される。光取り出し層33には、可視光に対して透過性の材料(例えばアクリル系樹脂など)が用いられる。反射層32には、可視光に対して反射性の材料(例えば銀またはアルミニウムなど)が用いられる。光取り出し層33と反射層32との間の界面には凹凸(例えばプリズム状)が設けられている。光取り出し層33に入射した光は、反射層32で反射し、光取り出し層33から出射する。
【0040】
例えば、第1電極層31aと第2電極層31bとの間に印加される電圧(電気信号)に応じて、例えば、変位層31cに印加される電界に応じた変位動作により第1電極層31aと第2電極層31bとの間の距離が変化する。これにより、光取り出し層33は、導光部20に接触している状態と、接触していない状態と、を有することができる。導光部20を導光される光(導波光L12)は、光取り出し層33が導光部20に接していない部分においては、全反射しつつ導光部20内を伝播する。導光部20に光取り出し層33が接する部分において、導波光L12は、導光部20から光取り出し層33に入射し、反射層32で反射して、光取り出し層33を経て、導光部20の側面20s(この例では上側面20a)から出射することが可能である。このように、光取り出し部30は、導光部20中を導光された光(導波光L12)を導光部20の外に向けて選択的に出射可能である。
上記は、光取り出し部30の構成の1つの例であり、実施形態はこれに限らない。
【0041】
図3は、第1の実施形態に係る表示装置の1つの動作を例示する模式図である。
図3は、表示装置110における表示動作を例示している。図3に表したように、光源10から光L11が出射する。光L11は、光源駆動部62によって光源10が制御されることで発生する。光L11は、例えば、導光部20の第2端部22の端面から導光部20内に導かれる。光L11は、導光部20内では導波光L12となる。導波光L12は、例えば、全反射条件を満たしつつ導光部20内を導光される。
【0042】
走査駆動部61は、複数の光取り出し部30のいずれかを選択し、その光取り出し部30を、(導光部20からの)光取り出し状態にする。光取り出し状態の光取り出し部30aを、便宜的に選択状態光取り出し部30aということにする。そして、複数の光取り出し部30のうちで、選択状態光取り出し部30a以外の光取り出し部30を、(全反射条件に従った導光部20内での)導光状態にする。導光状態の光取り出し部30を、便宜的に非選択状態光取り出し部30bということにする。非選択状態光取り出し部30bは、導光部20のうちで、非選択状態光取り出し部30bが対向する部分の導波光L12の状態を全反射状態に保持する。一方、選択状態光取り出し部30aは、導光部20のうちで、選択状態光取り出し部30aが対向する部分の導波光L12の状態を非全反射状態にする。これにより、選択状態光取り出し部30aに対向する部分の導光部20から光L13が導光部20の外に取り出される。光L13は、例えば、上側面20aから出射する。
【0043】
なお、表示動作においては、第1反射部51は反射状態に設定される。これにより、導光部20内を導光される光(導波光L12)のうち、導光部20から外に取り出される光L13に寄与せずに導光部20内をさらに導光する成分については、第1反射部51において反射し、さらに導光部20内を伝播し、選択状態光取り出し部30aに到達させることが可能となる。
【0044】
選択状態光取り出し部30aにより、導光部20内を導光される導波光L12を、選択的、局所的に、導光部20の外部に取り出すことが可能となる。
【0045】
光源10の動作と、光取り出し部30の動作と、を制御することで、X−Y平面内において、任意の位置から所望の光を出射させることで、任意の像を形成し、表示を行うことができる。複数の導光部20は、表示装置110の表示面となる。
【0046】
図4は、第1の実施形態に係る表示装置の別の動作を例示する模式図である。
図4は、表示装置110における発電動作を例示している。発電動作を実施しているときは、例えば、表示装置110は表示動作を行っていない。図4に表したように、例えば外部からの光(外光L21)が、導光部20内に入射する。外光L21は、例えば太陽光などの表示装置の周囲の光である。外光L21の少なくとも一部は、導光部20内を、全反射条件を満たしつつ導光される。例えば、光取り出し部30の状態は、導光部20内に入射した光を、導光部20内の全反射条件に従って導光部20内を導光するように設定される。これにより、導光部20の外部から導光部20の内部に進入した外光L21(の一部)は、その進行方向が変化し、導光部20内を、全反射条件を満たしつつ導光される導波光L22(導光する成分)となる。
【0047】
導波光L22は、全反射を繰り返しながら導光部20内をY軸方向に沿って導光され、第1端部21から出射し、出射光L23となる。出射光L23は、第1反射部51を通過する。さらに、出射光L23は、光路変更部43を介して集光導光部42に入射し、導波光L24となる。導波光L24は、X軸方向に沿って集光導光部42内を、全反射条件を満たしつつ導光され、光電変換部41に入射する。これにより、表示装置110の表示面(導光部20)に入射した外光L21を効率良く、光電変換部41に導くことができる。
【0048】
図5は、第1の実施形態に係る表示装置の1つの動作を例示する模式的平面図である。 図5は、表示装置110の表示動作における、導光部20(表示領域)の導波経路を模式的に示している。
表示動作において、例えば、線順次駆動が実施される。図5に示された例では、Y軸方向に沿って走査が行われる。複数の光取り出し部30に、複数の走査線61wのそれぞれが接続されている。走査線61wの延在方向が行方向である。光源10が配置される第2端部22から、行方向に沿ってi行目(iは1以上N以下の整数)の走査線61wが、ある時刻において選択される。これにより、i行目の光取り出し部30が光取り出し状態にされる。図5に示された例では、i=5である。
【0049】
このとき、複数の導光部20に接続された光源10は、選択状態光取り出し部30a(i=5の位置)のそれぞれに対応する画素で表示すべき状態(色調及び中間調状態を含む)で光L11を出射させる。光L11は、導光部20中を導光する導波光L12となり、そして、i=5の位置で、光L13として導光部20の外に取り出される。これにより、i=5の位置の光取り出し部30(選択状態光取り出し部30a)において、所望の出射光の状態(色調及び中間調状態を含む)が得られる。この動作を、i=1からi=Nまで、順次繰り返して高速に行うことにより、所望の表示状態が得られる。
【0050】
図6は、第1の実施形態に係る表示装置の別の動作を例示する模式的平面図である。
図6は、表示装置110の発電動作における、導光部20の導波経路を模式的に示している。
図6に表したように、Z軸方向に沿って導光部20に外部から外光L21が入射する。外光L21の一部は、光取り出し部30により進行方向が変換されて、導波光L22となる。導波光L22は、導光部20内を、全反射条件を満たしつつ導光される。導波光L22は、出射光L23として、導光部20の第1端部21から出射する。出射光L23は、第1反射部51及び光路変更部43を介して集光導光部42に入射し、導波光L24となる。導波光L24は、集光導光部42内を、全反射条件を満たしつつ導光され、光電変換部41に到達する。光電変換部41において、光エネルギーが電気エネルギーに変換される。
【0051】
すなわち、光電変換部41は、導光部20の側面20s(例えば上側面20a)から導光部20の内部に入射し、導光部20中を導光され、第1端部21のそれぞれから出射する光(出射光L23)を受光する動作を実施可能である。
【0052】
これにより、表示装置110は、表示動作に加え、発電動作を行うことができる。従来の表示装置においては、表示をしていないときは他の動作を行っていない。これに対して、表示装置110においては、表示をしていないときに、表示面に入射する外光L21を効率良く電気エネルギーに変換し、発電動作を行うことができる。
【0053】
表示装置110においては、導光部20と光取り出し部30とを組み合わせることで、高再現性で大面積の表示を容易に提供できる。そして、表示機能だけではなく、発電機能を有する表示装置を提供できる。このように、本実施形態においては、導光部20を用いる表示装置において、その導光性を活用して発電の機能を付加することができる。本実施形態によれば、高性能で高機能の表示装置を提供できる。
【0054】
表示装置110においては、光源10と導光部20と光取り出し部30とを含む1つの表示要素が、Y軸方向に沿って延在する。そして、複数の表示要素が、X軸方向に沿って並べられる。これにより、表示要素の数を増やすことで、大面積の表示装置が比較的容易に実現できる。このような大面積の表示装置は、特に屋外に設置することに適しており、発電機能を有することが、特に有効である。
【0055】
ただし、実施形態は、これに限らず、表示装置110は表示面の大きさは任意であり、表示装置110は屋内に設置されても良く、また可搬型でも良い。
【0056】
さらに、この例の表示装置110における発電動作においては、複数の導光部20のそれぞれに入射する外光L21が、集光導光部42に集められ、光電変換部41に導かれる。すなわち、例えば、表示面となる複数の導光部20の全面に入射する外光L21を、複数の光取り出し部30により、導光部20内を導光させる。さらに、この光を、集光導光部42を導光させ、集光して光電変換部41に導く。これにより、外光L21を電気エネルギーに変化する効率が高まる。
【0057】
すなわち、表示装置110においては、光電変換部41の受光面の大きさを、表示面の大きさよりも小さくすることができる。例えば、光電変換部41として、光電変換効率が高い素子を用いることができる。
【0058】
例えば、一般的に、太陽電池などの光電変換素子では、外光が入射する面積を増大させることにより、その発電量を増大させている。例えば、表示装置の表示面の上、または、背面に太陽電池を設ける構成においても、太陽電池へ外光が入射する面積を増大させるように設計される。
【0059】
これに対し、実施形態に係る表示装置110においては、導光部20と、集光導光部42を含む受光部40と、を用いた構成により、集光機能が得られる。これにより、例えば単結晶を用いた素子などの、効率は高いが大面積化が難しい素子を、光電変換部41として用いることが容易になる。このように、実施形態において、光電変換部41は、単結晶半導体を含むことができる。これにより、高い発電効率が得易くなる。
【0060】
表示装置110においては、マトリクス状に配置された複数の画素において、電気信号に基づき、光導波を利用した光信号を得る。表示装置110においては、光を導光する機構(例えば複数の導光部20)が、表示面に設けられる。実施形態においては、この構成に基づく導波経路が、表示動作に用いられることに加えて、外光L21の集光動作にも用いられる。すなわち、表示動作のための部材(例えば導光部20)が、発電のための動作にも用いられる。これにより、少ない部材数により、発電機能を表示装置に付与できる。
【0061】
図7は、第1の実施形態に係る表示装置の一部の構成を例示する模式図である。
図7は、表示装置110の受光部40に用いることができる光路変更部43の構成を例示している。受光部40に、複数の光路変更部43が設けられる。図7では、1つの光路変更部43の構成が例示されている。図7では、第1反射部51は省略されている。
【0062】
図7に表したように、光路変更部43は、反射層43aをさらに含む。すなわち、光路変更部43は、複数の反射層43aを含み、複数の反射層43aのそれぞれは、複数の導光部20のそれぞれに対応して設けられる。複数の反射層43aのそれぞれは、複数の導光部20の第1端部21のそれぞれに並置される。複数の反射層43aのそれぞれは、複数の導光部20の第1端部21のそれぞれから出射する光(例えば出射光L23)を反射して、集光導光部42に入射させる。
【0063】
この例では、光路変更部43は、光路変更導光体43cをさらに含む。光路変更導光体43cは、Y軸方向に対して傾斜した斜面を有しており、その斜面上に反射層43aが設けられている。出射光L23が、光路変更導光体43cの一端から光路変更導光体43cに入射し、その光が、反射層43aで反射し、集光導光部42に入射する。
【0064】
図7に表したように、この例では、1つの光路変更部43に、集光レンズ43bが設けられる。すなわち、光路変更部43は、複数の集光レンズ43bをさらに含む。複数の集光レンズ43bのそれぞれは、複数の導光部20の第1端部21のそれぞれに対向する。複数の集光レンズ43bのそれぞれで集光された光L23aが、複数の反射層43aのそれぞれに入射する。
【0065】
光路変更導光体43cには、樹脂やガラスなどの可視光に対して透過性を有する材料が用いられる。光路変更導光体43cには、少なくとも可視光域の波長で透過性に優れたものが用いられる。
【0066】
光L23aは、反射層43aの傾斜角度に応じて反射層43aで反射する。反射層43aでの反射で得られた光L23bは、集光導光部42に入射する。光L23bの集光導光部42への入射の角度は、導波光L24が集光導光部42内を全反射条件を満たしつつ導光されるために適した角度に設定される。
【0067】
光路変更導光体43cは、集光導光部42と光学的に接続されている。集光導光部42へ到達した光(導波光L24)は、集光導光部42内を導光されて、光L25として光電変換部41に到達する。
【0068】
この例は、光路変更部43の1つの例であり、実施形態はこれに限らない。実施形態において、受光部40が、導光部20から出射する出射光L23を、効率良く(例えば、全反射条件を満たしながら導光させて)、光電変換部41に導く構成を有していれば、受光部40の構成は任意である。
【0069】
図8(a)及び図8(b)は、第1の実施形態に係る表示装置の一部の構成及び動作を例示する模式図である。
これらの図は、表示装置110の第1反射部51の構成及び動作を例示している。これらの図に例示された構成は、後述する第2反射部にも適用できる。
【0070】
図8(a)及び図8(b)に表したように、第1反射部51は、第1電極56aと、第2電極56bと、流体層58と、有する。流体層58は、第1電極56aと第2電極56bとの間に設けられる。流体層58は、可動性イオン57を含む。流体層58に含まれる可動性イオン57には、例えば、銀イオンなどが用いられる。第1電極56a及び第2電極56bは、可視光に対して透過性である。
【0071】
この例では、第1電極56aは、第1基板55aの主面上に設けられる。第2電極56bは、第2基板55bの主面上に設けられる。第1基板55a及び第2基板55bは、可視光に対して透過性を有する。第1基板55a及び第2基板55bの可視光域における透過性は高い。実施形態はこれに限らない。例えば、第1電極56aは、導光部20の第1端部21の端面上に設けられても良い。
【0072】
図8(a)は、第1反射部51の第1状態STaを例示している。図8(b)は、第1反射部51の第2状態STbを例示している。
図8(a)に表したように、第1状態STaにおいては、例えば第1電極56aの電位は第2電極56bの電位と同じ(例えば設置電位)に設定される。この場合、可動性イオン57は、流体層58中に分散された状態となる。このため、光(可視光域の波長の光)は、第1反射部51を透過可能である。すなわち、第1状態STaにおいて、透過状態が形成される。
【0073】
図8(b)に表したように、第2状態STbにおいては、第1電極56aは電源59の一端に電気的に接続され、第2電極56bは、電源59の他端に電気的に接続される。これにより、流体層58に電圧が印加される。流体層58に印加される電位差により、可動性イオン57(銀イオンなど)は、一方の電極(この例では第1電極56a)に向かって泳動する。そして、可動性イオン57は、第1電極56aの面上に蓄積される。これにより、可動性イオン57の銀の性質に基づく反射面が形成される。第2状態STbにおいて、反射状態が形成される。
【0074】
このように、第1反射部51において、反射状態(第2状態STb)と、透過状態(第1状態STa)と、が得られる。すなわち、第1反射部51の光反射率は、可変である。
【0075】
なお、上記の構成は、第1反射部51の例の1つであり、実施形態はこれに限らない。実施形態において、第1反射部51は、光反射率が可変で、反射状態と透過状態とが得られれば、その構成は任意である。
【0076】
図9は、第1の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
図9は、本実施形態に係る別の表示装置111の構成を例示しており、図1(a)のA1−A2線断面に相当する断面図である。以下、表示装置111に構成に関して、表示装置110の構成と異なる部分について説明する。
【0077】
図9に表したように、表示装置111は、複数の光出射部10s(例えば光源10)、複数の導光部20、複数の光取り出し部30、受光部40及び第1反射部51に加え、さらに第2反射部52を含む。
【0078】
第2反射部52は、複数の導光部20の第2端部22のそれぞれに対向して設けられる。すなわち、複数の第2反射部52が設けられ、複数の第2反射部52のそれぞれが、第2端部22のそれぞれに対向する。この例では、第2反射部52は、第2端部22の端面に対向する。第2反射部52の光反射率は、可変である。
【0079】
第2反射部52は、第2反射部52に入射する光を反射する動作(反射動作)と、第2反射部52に入射する光を透過させる動作(透過動作)と、を実施可能である。第2反射部52には、図8(a)及び図8(b)に関して説明した構成を用いることができる。
【0080】
例えば、第2反射部52は、導光部20の第2端部22のそれぞれから出射する光を反射して複数の導光部20に入射させる。第2反射部52は、光源10から出射した光を透過して、第2端部22から導光部20に入射させる。
【0081】
図10は、第1の実施形態に係る別の表示装置の1つの動作を例示する模式図である。
図10は、表示装置111における表示動作を例示している。表示動作において、例えば、第2反射部52は、透過状態に設定され、第1反射部51は、反射状態に設定される。
【0082】
図10に表したように、光源10から光L11が出射する。光L11は、第2反射部52を通過して、導光部20の第2端部22の端面から導光部20内に導かれる。光L11は、導光部20内で導波光L12となる。導波光L12は、全反射条件を満たしつつ導光部20内を導光される。導波光L12が、選択状態光取り出し部30aにより、導光部20から外に取り出される。すなわち、所定の位置から、光L13が導光部20から出射する。
【0083】
このとき、導波光L12のうちで、選択状態光取り出し部30aの位置で導光部20から外部に取り出されず導光部20をさらに先に導光する成分が生じる場合がある。この成分は、さらに導光部20内を、全反射条件を満たしつつ導光され第1端部21に到達する。この成分は、第1反射部51で反射(例えば正反射)する。すなわち、導波光L12の一部が、第1端部21で反射し、導光部20内を折り返して、導光部20内を導光される。この光は、所定の位置の選択状態光取り出し部30aに到達し、導光部20の外部に出射する。
【0084】
このように、2つの反射部(第1反射部51と第2反射部52)を用いることで、光源10から導光部20に導入される光量に対する、導光部20の外部へ出射(放出)される光量の割合を高めることができる。
【0085】
図11は、第1の実施形態に係る別の表示装置の別の動作を例示する模式図である。
図11は、表示装置111における発電動作を例示している。発電動作において、第2反射部52は、反射状態に設定され、第1反射部51は、透過状態に設定される。
【0086】
表示面(導光部20)の外部から導光部20に入射する外光L21(の一部)は、導光部20を介して光取り出し部30へ到達する。その光は、進行方向が変更されて、導波光L22となる。導波光L22は、全反射条件を満たしつつ導光部20内を導光される。導波光L22の一部の光は、第1反射部51を通過し、受光部40の集光導光部42に到達する。一方、導波光L22の別の一部は、第2反射部52で反射し、再び導光部20に入射し、導光部20内を導光され、第1反射部51を介して集光導光部42に到達する。集光導光部42に到達したこれらの光は、効率良く、光電変換部41に入射する。
【0087】
このように、2つの反射部(第1反射部51と第2反射部52)を用いることで、発電動作においても、集光導光部42に効率良く導波光L22を導くことが可能となる。これにより、導光部20に入射する外光L21を効率良く光電変換部41に到達させることができる。結果として、得られる電気エネルギー量を高めることができ、発電効率が向上する。
【0088】
図12(a)及び図12(b)は、第1の実施形態に係る表示装置の動作を例示する模式図である。
これらの図は、本実施形態に係る表示装置(例えば表示装置110、表示装置111及びその変形など)の2つの動作状態を例示している。図12(a)は、表示動作(表示状態ST1)に対応し、図12(b)は、発電動作(発電状態ST2)に対応する。以下では、表示装置110に関する例として説明する。
【0089】
図12(a)に表したように、表示装置110において、開口部82oを有する筐体82が設けられ、開口部82oに表示領域81が配置されている。既に説明したように、表示領域81は、複数の導光部20(この図では図示せず)と複数の光取り出し部30(この図では図示せず)とが対向する領域である。表示状態ST1において、上記の動作が実施され、表示領域81において、任意の表示情報が提示される。
【0090】
図12(b)に表したように、発電状態ST2においては、表示領域81の複数の導光部20(この図では図示せず)に外光L21が入射する。すなわち、表示領域81は、表示領域81に照射される外光L21の集光部として機能する。
【0091】
このように、本実施形態に係る表示装置110(及び111など)は、表示動作時(表示状態ST1)においては、表示情報を観視者が視認する表示装置として使用できると共に、非表示動作時(発電状態ST2)においては、表示領域81に照射する外光L21を利用した発電装置として使用できる。特に、表示装置110(及び111など)を、屋外に設置されるパブリックディスプレイ等に応用すると、非表示動作時に発電動作を実施させ、表示動作時に必要な電気エネルギーを、例えば蓄電部72に蓄えることが可能になり、消費電力削減に寄与できる。
【0092】
例えば、蓄電部72に蓄えられた電気エネルギーの少なくとも一部は、電源部64に供給されることができる。
【0093】
図13は、第1の実施形態に係る別の表示装置の一部の構成を例示する模式的断面図である。
図13は、図1(a)のA1−A2線断面に対応する断面図である。
図13は、本実施形態に係る別の表示装置112の導光部20の一部を拡大して例示している。図13に例示された部分を除く部分は、表示装置110または表示装置111と同様とすることができるので説明を省略する。
【0094】
図13に表したように、表示装置112は、複数のレンズ(導光部レンズ28)をさらに含む。そして、複数の光取り出し部30が設けられている。図13では、1つの導光部レンズ28と、1つの光取り出し部30と、が拡大されて描かれている。
【0095】
複数の光取り出し部30のそれぞれは、複数の導光部20のそれぞれの側面20s(例えば下側面20b)に対向してY軸方向に沿って並ぶ。複数の導光部レンズ28のそれぞれと、複数の光取り出し部30のそれぞれと、の間に、導光部20が配置されている。
【0096】
図13に表したように、光取り出し部30において、2つ以上の領域が設けられる。例えば、光取り出し部30は、導光部レンズ28が焦点を結ぶ第1領域35と、第1領域35以外の第2領域36と、を有する。外部から導光部20を経て光取り出し部30に導かれる光は、主として第1領域35に集光される。例えば、第1領域35においては、図2に関して説明した光取り出し層33と反射層32との間に形成されるプリズム形状が、外光が導光部20内を導光するのに適した形状とする。これにより、受光部40子に到達する光量を高めることができる。すなわち、第1領域35においては、外光から光取り出し部30に到達する主たる入射角に対して、導光部20における全反射角が浅くなるようにプリズム角を設定することができる。また、第2領域36においては、光源10から導光される光を外部に放射しやすいようにプリズム形状を定めることができる。すなわち、例えば、光源10からの導波光が全反射角に近い角度にて導光する場合には、Z軸方向に光の進行方向を変換するようにプリズム形状を定めることができる。これにより、レンズ効果による焦点位置を利用することで、光取り出し動作時及び集光動作時ともに、効率良く光を放射、集光することができる。
【0097】
(第2の実施形態)
図14は、第2の実施形態に係る表示装置の構成及び1つの動作を例示する模式的断面図である。
図14は、本実施形態に係る表示装置120の構成を例示している。表示装置120の構成のうち、図14に例示された部分を除く部分は、表示装置110または表示装置111と同様とすることができるので説明を省略する。
【0098】
図14に表したように、本実施形態に係る表示装置120においても、複数の光出射部10s(例えば光源10)と、複数の導光部20と、複数の光取り出し部30と、受光部40と、が設けられる。この例では、光源10及び受光部40が、導光部20の第1端部21と並置されている。受光部40は、第1端部21(具体的には第1端部21の端面)に対向している。そして、光源10は、導光部20のうちの第1端部21の側の部分から導光部20に光L11を入射させる。この例では、光源10は、第1端部21の近傍の側面20s(上側面20a)から、導光部20に光L11を入射させる。このように、光源10と受光部40(集光導光部42)とが、導光部20の共通の端部に配置されている。
【0099】
そして、表示装置120は、導光部20の第2端部22に対向して設けられた光反射層27をさらに含む。光反射層27は、例えば、第2端部22の端面上に反射膜を形成することで形成される。光反射層27には、例えば、真空蒸着法により形成された銀膜を用いることができる。
【0100】
この例では、光源10は、指向性の高い光(光L11)を出射する。光L11は、導光部20の延在方向(Y軸方向)に対して傾斜して、導光部20に入射する。光L11の傾斜角(例えばZ軸方向と光L11との間の角度)は、光L11が導光部20に進入したときに、導光部20内の導波光L12の角度が、全反射角に近い値となるように設定される。
【0101】
このように、表示装置120においては、光源10は、導光部20の端面ではなく、端部(第1端部21)に近い側面20sに対向して配置される。この構成により、光源10と受光部40(集光導光部42)が、同一の(共通の)端部に設置可能となる。
【0102】
表示装置120においては、光電変換部41(図14では図示しない)は、第1端部21側に配置される。
【0103】
図14は、表示装置120における表示動作も例示している。図14に表したように、光源10から光L11が出射する。光L11は、導光部20の第2端部22に近い側面20s(例えば上側面20a)から導光部20内に導かれる。導波光L12は、全反射条件を満たしつつ導光部20内を導光される。この場合も、所望の位置の光取り出し部30(選択状態光取り出し部30a)が光取り出し状態にされ、光L13が導光部20の外に取り出される。光L13は、例えば、上側面20aから出射する。光L11の一部は導波光L12a(図14中の破線)となり、導波光L12aは、第2端部22に到達し、光反射層27で反射(例えば正反射)され、導光部20内を第1端部21に向かって導光される。この導波光L12aが選択状態光取り出し部30aに到達し、導波光L12aの一部は、選択状態光取り出し部30aにより光路が変更され、光L13として、導光部20の外部へ取り出される。
【0104】
図15は、第2の実施形態に係る表示装置の別の動作を例示する模式図である。
図15は、表示装置120における発電動作を例示している。発電動作を実施しているときは、例えば、表示装置120は表示動作を行っていない。図15に表したように、例えば外光L21(例えば太陽光)が、導光部20内に入射する。外光L21の一部は、導光部20内を、全反射条件を満たしつつ導光される。導波光L22は、全反射を繰り返しながら導光部20をY軸方向に沿って導光され、第1端部21から出射し、出射光L23となる。外光L21の別の一部は、導波光L22a(図15中の破線)となり、導波光L22aは、光反射層27で反射(例えば正反射)し、再び導光部20内を導光され、第1端部21から出射し、出射光L23となる。これらの出射光L23は、光路変更部43を介して集光導光部42に入射し、導波光L24となる。導波光L24は、光電変換部41に入射する。これにより、表示装置120の表示面(導光部20)に入射した外光L21を効率良く、光電変換部41に導くことができる。
【0105】
表示装置120においては、光源10から出射する光L11のエネルギー量に対する取出光(光L13)の光エネルギー量の割合を向上することができる。表示装置120においては、外光L21が光電変換部41へ到達する割合を高めることができ、これにより、光電変換の効率を向上することができる。さらに、表示装置120においては、光源10及び受光部40が、導光部20の共通の端部(第1端部21)に配置されるため、デバイス構成を簡素化できる。これにより、設計及びデザインの自由度が高まる。また、軽量化できると共に、外形を縮小し易くできる。
【0106】
(第3の実施形態)
図16は、第3の実施形態に係る表示装置の構成及び動作を例示する模式的断面図である。
図16は、本実施形態に係る表示装置130の構成を例示している。表示装置130の構成において、図16に例示された部分を除く部分は、表示装置110、111、112及び120と同様とすることができるので説明を省略する。
【0107】
図16に表したように、本実施形態に係る表示装置130においても、複数の光出射部10s(例えば光源10)と、複数の導光部20と、光取り出し部30と、受光部40と、が設けられる。この例では、受光部40が第1端部21に並置され、光源10が第2端部22と並置されている。ただし、光源10及び受光部40が第1端部21に並置されても良い。以下では、受光部40が第1端部21に並置され、光源10が第2端部22と並置される場合について説明する。この例では、第1端部21と受光部40との間に第1反射部51が設けられている。
【0108】
表示装置130においては、光電変換部41を発電機能部として用いるのではなく、光電変換部41を、光電変換部41に到達する光量の検出機能部として用いる。この検出は、例えばリアルタイムに実施することもできる。光電変換部41に到達する光量の検出結果に基づいて、例えば、光源10の光量の経時変化や光取り出し部30から出射される光量を推定することができる。そして、この推定に基づいて、光源10及び光取り出し部30の少なくともいずれかの動作を制御しても良い。
【0109】
図16は、光量を検出する検出動作の例を示している。この場合、第1反射部51は、透過状態に設定されている。図16に表したように、光源10から出射した光L11は、導波光L12となる。導波光L12は、導光部20内を、全反射条件を満たしつつ導光される。導波光L12の一部は、選択状態光取り出し部30aにより、導光部20の外部に、光L13として出射する。導波光L12のうちで外部に出射しなかった光は導波光L12aとして、全反射条件を満たしながら導光部20内を第1端部21に向かって導光される。導波光L12aは、第1端部21から出射し、出射光L23は、第1反射部51及び光路変更部43を介して、集光導光部42に入射する。導波光L24が、集光導光部42の内部を導光されて、光電変換部41に到達する。導波光L24は、光電変換部41により、電気信号に変換される。
【0110】
例えば、光取り出し部30の全てを非選択状態光取り出し部30bの状態に設定する。これにより、例えば、光路中の損失(例えば導光部20などの内部における散乱等に起因する損失)を除いて、導光部20に入射した光のすべてが光電変換部41に到達する。これにより、例えば、光源10における光量の経時変化等がリアルタイムに検知可能となる。
【0111】
また、複数の光取り出し部30のなかで選択状態光取り出し部30aがある場合には、選択状態光取り出し部30aによって導光部20の外部に出射された光量に関する差分(例えば変動分)等を、リアルタイムに検知して推定することが可能となる。
【0112】
例えば、制御部71は、光出射部10s(光源10)から出射した光L11のうちの導光部20を導光され光電変換部41に到達する光量と、光取り出し部30によって導光部20から導光部20の外部へ出射した光L13の光量と、の差を検出することができる。例えば、制御部71は、光取り出し部30の少なくともいずれかが、光取り出し状態(導光部20中を導光された光を導光部の外に向けて出射させているとき)の、光出射部10sから出射した光のうちで導光部20を導光されて光電変換部41に到達した光量と、上記の少なくともいずれかの光取り出し部30が、導光状態(導光部20中を導光された光を導光部20の外に向けて出射させていないとき)の、光出射部10sから出射した光のうちで導光部20を導光されて光電変換部41に到達した光量と、の差を検出することができる。そして、制御部71は、この検出結果を出力することができる。この制御部71の出力により、例えば、表示機能の変化に関する情報を得ることができる。
【0113】
例えば、i(i=1〜N)番目の光取り出し部30において、光取り出し状態と導光状態とにおける光電変換部41に到達した光量を検出し、その差を求める。また、例えば、j(i=1〜N、Jはiと異なる)番目の光取り出し部30において、光取り出し状態と導光状態とにおける光電変換部41に到達した光量を検出し、その差を求める。これらの差を比較しても良い。この比較により、i番目の光取り出し部30の特性、j番目の光取り出し部30の特性と、の差異が検出できる。
【0114】
そして、上記のような種々の検出結果に応じて、光出射部10s(例えば光源10)及び光取り出し部30の動作を制御しても良い。すなわち、表示装置130は、光出射部10s(例えば光源10)及び光取り出し部30の少なくともいずれかに電気信号を供給する回路部(走査駆動部61及び光源駆動部62の少なくともいずれか)を含むことができる。そして、光電変換部41は、光出射部10s(光源10)から出射され導光部20の中を導光された光(導波光L12a)を変換して電気的なモニタ信号(出力41s)を生成する。そして、回路部は、モニタ信号に応じて、光源10及び光取り出し部30の少なくともいずれかに供給される電気信号を変化させることができる。
【0115】
これにより、光源10の経時変化や光取り出し部30の動作などの変動に対応させて、光源10及び光取り出し部30の動作を適切に制御することができる。これにより、例えば、均一な表示を高い信頼性で提供することができる。
【0116】
上記のような検出機能は、表示動作における画質維持などに役立つ。表示装置130によれば、光量変動を検出するためのデバイス等を別途付与することなく、表示装置130に含まれる要素の特性の変化を検出することができる。そして、この検出は、リアルタイムで実施することができ、例えば、検出精度をより高めることができる。
【0117】
実施形態によれば、高性能で高機能の表示装置が提供される。
【0118】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明の実施形態は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、表示装置に含まれる光源、導光部、光取り出し部、受光部、光電変換部、集光導光部、光路変更部及び反射部などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0119】
その他、本発明の実施の形態として上述した表示装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての表示装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0120】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0121】
10…光源、 10s…光出射部、 15…表示部、 20…導光部、 20a…上側面、 20b…下側面、 20s…側面、 21…第1端部、 22…第2端部、 27…光反射層、 28…導光部レンズ、 30…光取り出し部、 30a…選択状態光取り出し部、 30b…非選択状態光取り出し部、 31a…第1電極層、 31b…第2電極層、 31c…変位層、 32…反射層、 33…光取り出し層、 35…第1領域、 36…第2領域、 40…受光部、 41…光電変換部、 41s…出力、 42…集光導光部、 42a…部分、 43…光路変更部、 43a…反射層、 43b…集光レンズ、 43c…光路変更導光体、 51…第1反射部、 52…第2反射部、 55a…第1基板、 55b…第2基板、 56a…第1電極、 56b…第2電極、 57…可動性イオン、 58…流体層、 59…電源、 60…回路部、 61…走査駆動部、 61w…走査線、 62…光源駆動部、 62w…光源配線、 63…映像処理部、 64…電源部、 71…制御部、 72…蓄電部、 81…表示領域、 82…筐体、 82o…開口部、 110、111、112、120、130…表示装置、 L11…光、 L12、L12a…導波光、 L13…光、 L21…外光、 L22、L22a…導波光、 L23…出射光、 L23a、L23b…光、 L24…導波光、 L25…光、 PL…電源系統配線、 PW…電力、 ST1…表示状態、 ST2…発電状態、 STa…第1状態、 STb…第2状態、 SV…映像信号
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
映像信号を可視化して映像情報として提示する表示装置において、さらなる高性能化と高機能化が求められている。例えば、有機EL表示装置の表示面の上に太陽電池を設けることにより、表示動作に加えて、発電機能を付加する構成がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−107726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、高性能で高機能の表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によれば、複数の光出射部と、複数の導光部と、複数の光取り出し部と、受光部と、を含む表示装置が提供される。前記複数の光出射部は、光を出射する。前記複数の導光部は、前記光を導光する。前記複数の導光部のそれぞれは、側面と、第1端部と、第2端部と、を有する。前記側面は、第1方向に沿って延在する。前記第1端部は、前記導光部の前記第1方向における一方の端である。前記第2端部は、前記導光部の他方の端である。前記複数の導光部は、前記第1方向に対して垂直な第2方向に並ぶ。前記複数の光取り出し部のそれぞれは、前記複数の導光部の前記側面に対向する。前記複数の光取り出し部のそれぞれは、前記複数の導光部中を導光された光を前記導光部の外に向けて選択的に出射可能である。前記受光部は、前記第1端部に対向する。前記受光部は、光電変換部を含む。前記光電変換部は、前記複数の導光部中を導光され前記第1端部のそれぞれから出射する光を受光する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1(a)及び図1(b)は、第1の実施形態に係る表示装置を示す模式図である。
【図2】第1の実施形態に係る表示装置の一部を示す模式的断面図である。
【図3】第1の実施形態に係る表示装置の1つの動作を示す模式図である。
【図4】第1の実施形態に係る表示装置の別の動作を示す模式図である。
【図5】第1の実施形態に係る表示装置の1つの動作を示す模式的平面図である。
【図6】第1の実施形態に係る表示装置の別の動作を示す模式的平面図である。
【図7】第1の実施形態に係る表示装置の一部を示す模式図である。
【図8】図8(a)及び図8(b)は、第1の実施形態に係る表示装置の一部の構成及び動作を示す模式図である。
【図9】第1の実施形態に係る別の表示装置を示す模式的断面図である。
【図10】第1の実施形態に係る別の表示装置の1つの動作を示す模式図である。
【図11】第1の実施形態に係る別の表示装置の別の動作を示す模式図である。
【図12】図12(a)及び図12(b)は、第1の実施形態に係る表示装置の動作を例示する模式図である。
【図13】第1の実施形態に係る別の表示装置の一部を示す模式的断面図である。
【図14】第2の実施形態に係る表示装置の構成及び1つの動作を示す模式的断面図である。
【図15】第2の実施形態に係る表示装置の別の動作を示す模式図である。
【図16】第3の実施形態に係る表示装置の構成及び動作を示す模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1の実施形態)
図1(a)及び図1(b)は、第1の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式図である。
図1(a)は平面図である。図1(b)は、図1(a)のA1−A2線断面図である。 図1(a)に表したように、本実施形態に係る表示装置110は、複数の光出射部10sと、複数の導光部20と、複数の光取り出し部30と、受光部40と、を備える。
【0009】
複数の光出射部10sは、光を出射する。複数の導光部20は、光出射部10sから出射した光を導光する。複数の導光部20のそれぞれは、Y軸方向(第1方向)に延在する。複数の導光部20は、X軸方向(第2方向)に並ぶ。X軸方向は、Y軸方向に対して垂直である。Y軸方向に対して垂直でX軸方向に対して垂直な方向をZ軸方向(第3方向)とする。
【0010】
図1(b)に表したように、導光部20は、側面20sと、第1端部21と、第2端部22と、を有する。側面20sは、Y軸方向に沿って延在する。第1端部21は、導光部20の、Y軸方向の一方の端である。第2端部22は、導光部20の、Y軸方向の他方の端である。
【0011】
例えば、側面20sは、導光部20の、Z軸方向における一方の側面(便宜的に上側面20aと言うことにする)と、導光部20の、Z軸方向における他方の側面(便宜的に下側面20bと言うことにする)と、を有する。
【0012】
複数の光取り出し部30のそれぞれは、導光部20の側面20s(この例では、下側面20b)に対向する。
【0013】
本願明細書において、「対向」は、直接面する場合に加え、間に別の要素が挟まれている状態で面する場合も含む。
【0014】
光取り出し部30は、導光部20中を導光された光を側面20s(この例では、上側面20a)から、導光部20の外に向けて出射させる。光取り出し部30は、導光部20中を導光された光を、選択的に局所的に取り出す動作を実施することが可能である。
【0015】
例えば、光取り出し部30は、導光部20中を導光された光を導光部20からZ軸方向に向けて出射させる。なお、導光部20から出射する光は、Z軸方向に厳密に平行な光線でなくてもよく、広がりを有していても良い。また、導光部20から出射する光は、Z軸方向に対して傾斜していても良い。
【0016】
例えば、導光部20の側面20sのうちで、光取り出し部30が対向する側面20s(この例では下側面20b)は、導光部20の側面20sのうちで、光が出射する面(この例では上側面20a)とは反対の面である。
【0017】
1つの導光部20において、複数の光取り出し部30が設けられる。1つの導光部20の側面20sに対向する複数の光取り出し部30は、Y軸方向に沿って並ぶ。複数の光取り出し部30のそれぞれは、複数の導光部20のそれぞれの側面20s(例えば下側面20b)に対向して、Y軸方向に沿って並ぶ。
【0018】
図1(a)及び図1(b)に表したように、受光部40は、第1端部21に対向する。受光部40は、光電変換部41を含む。光電変換部41は、複数の導光部20中を導光され第1端部21のそれぞれから出射する光を受光する。
【0019】
この例では、受光部40は、集光導光部42をさらに含む。集光導光部42は、複数の導光部20の第1端部21のそれぞれから出射する光を導光して光電変換部41に入射させる。集光導光部42は、X軸方向に沿って延在する部分42aを含む。光電変換部41は、例えば、集光導光部42の端に配置されている。
【0020】
この例では、受光部40は、光路変更部43をさらに含む。光路変更部43は、複数の導光部20の第1端部21のそれぞれに対向する。光路変更部43は、第1端部21のそれぞれから出射する光の光路を変えて集光導光部42に入射させる。光路変更部43は、光路を、導光部20における導波方向(Y軸方向)から、集光導光部42における導波方向(X軸方向)に変更する。光路変更部43の例については、後述する。
【0021】
なお、この例においては、光電変換部41の個数削減を目的とした構成としたが、上記の集光導光部42及び光路変更部43は必要に応じて設けられ、場合によっては省略しても良い。例えば、導光部20の第1端部21のそれぞれに対向して光電変換部41を設置し、後述する制御部71と各光電変換部41とを電気的に接続した構成を用いても良い。
【0022】
この例では、光出射部10sは、第2端部22に並置されている。光出射部10sは、第2端部22から導光部20に光を入射させる。この例では、光出射部10sは、第2端部22の端面に対向しており、第2端部22の端面から導光部20に光を入射する。例えば、光出射部10sは、第2端部22の端面において、導光部20と光学的に接続されている。ただし、実施形態はこれに限らず、光出射部10sは、第2端部22の側の例えば側面20sの一部に対向しても良い。また、光出射部10sは、第1端部21(受光部40が配置される側の端)の側に設けられても良い。
【0023】
この例では、複数の光出射部10sのそれぞれに、光源10が用いられる。複数の光源10のそれぞれが複数の導光部20のそれぞれに並置されている。ただし、実施形態はこれに限らない。例えば、1つの光源10が設けられ、その光源10から出射する光が、光スイッチ(図示しない)により制御されて複数の出射部(光出射部10sとなる)から出射し、その光が、複数の導光部20のそれぞれに入射しても良い。以下では、光出射部10sとして、光源10を用いる例について説明する。
【0024】
表示装置110において、表示部15が設けられる。表示部15は、複数の光出射部10s(光源10)と、複数の導光部20と、複数の光取り出し部30と、を含む。表示部15には、複数の画素が設けられる。1つの画素は、1つの光取り出し部30に対応する。例えば、M個(Mは2以上の整数)の導光部20が設けられ、1つの導光部20にN個(Nは2以上の整数)の光取り出し部30が設けられる。表示部15は、M個×N個のマトリクス状に並んだ画素を有する。なお、図1(a)では、図を見やすくするために、M=11でN=9の例が示されているが、実施形態において、M及びNは任意である。複数の導光部20と、複数の光取り出し部30と、が対向する領域が、画素が配置された表示領域となる。
【0025】
表示装置110は、走査駆動部61と光源駆動部62とをさらに含むことができる。走査駆動部61は、配線(走査線61w)を介して複数の光取り出し部30と接続される。走査駆動部61は、複数の光取り出し部30を駆動するための信号を光取り出し部30に供給する。光源駆動部62は、複数の光源10と、光源配線62wを介して接続される。光源駆動部62は、複数の光源10を駆動するための信号(電流を含む)を光源10に供給する。
【0026】
表示装置110に、回路部60が設けられる。回路部60は、光源10及び光取り出し部30の少なくともいずれかに電気信号を供給する。回路部60は、走査駆動部61及び光源駆動部62の少なくともいずれかを含む。
【0027】
表示装置110は、映像処理部63をさらに含むことができる。映像処理部63には、映像信号SVが供給される。映像処理部63は、走査駆動部61に、走査のための信号を供給する。映像処理部63は、光源駆動部62に、光源10を駆動するための信号を供給する。走査のための信号及び光源10を駆動するための信号は、映像信号SVに基づいて生成される。
【0028】
表示装置110は、電源部64をさらに含むことができる。電源部64には、電力PWが供給される。電源部64は、電源系統配線PLを介して、走査駆動部61、光源駆動部62及び映像処理部63に、電流を供給する。
【0029】
表示装置110は、蓄電部72と制御部71とをさらに含む。光電変換部41が受光した光の少なくとも一部を光電変換部41は電気エネルギーに変換する。蓄電部72は、その電気エネルギーの少なくとも一部を蓄える。制御部71は、光電変換部41で得た電気エネルギーの蓄電部72への供給を制御する。また、制御部71は、蓄電部72に蓄積された電気エネルギーの電源部64への供給を制御する。すなわち、制御部71は、光電変換部41から蓄電部72への電気エネルギーの供給と、蓄電部72からの電気エネルギーの取り出しを制御する。制御部71は、例えば、電源部64と接続されている。電源部64は、例えば制御部71に電流を供給する。例えば、光電変換部41が受光した光を光電変換部41が変換して得られた電気エネルギーの少なくとも一部は、電源部64に供給されることができる。
【0030】
例えば、光電変換部41は、導光部20の中を導光された光を変換して電気的な出力41sを生成する。制御部71に、出力41sが供給される。
【0031】
この例では、表示装置110は、第1反射部51をさらに含む。第1反射部51は、複数の導光部20の第1端部21のそれぞれと、受光部40と、の間に設けられる。具体的には、第1反射部51は、第1端部21の端面のそれぞれと、受光部40と、の間に設けられる。第1反射部51の光反射率は、可変である。例えば、第1反射部51は、反射状態と、透過状態と、を有する。反射状態における第1反射部51の反射率は、透過状態における第1反射部51の反射率よりも高い。透過状態における第1反射部51の透過率は、反射状態における第1反射部51の透過率よりも高い。
【0032】
第1反射部51は、第1反射部51に入射する光を反射する動作(反射動作)と、第1反射部51に入射する光を透過させる動作(透過動作)と、を実施可能である。例えば、第1反射部51は、第1端部21のそれぞれから出射する光を反射して複数の導光部20に入射させる動作と、第1端部21のそれぞれから出射する光を透過して受光部40に入射させる動作と、を実施可能である。第1反射部51において、反射動作と透過動作とが切り替えて実施されることが可能である。導光部20は、第1反射部51を介して受光部40と、例えば光学的に、接続される。第1反射部51の例については後述する。
【0033】
複数の導光部20は、第1反射部51と光路変更部43とを介して集光導光部42と光学的に接続されている。
【0034】
例えば、表示装置110は、光源10、導光部20及び光取り出し部30による表示動作と、導光部20及び受光部40による発電動作と、を実施することができる。表示装置110は、例えば発電機能を有する表示装置である。
【0035】
導光部20には、例えば、樹脂やガラスなどの可視光に対して透過性を有する材料が用いられる。導光部20は、Y軸方向に延在する柱状またはファイバ状の形状を有することができる。光源10には、例えばLEDなどの半導体発光素子を用いることができる。受光部40の集光導光部42には、例えば、樹脂やガラスなどの可視光に対して透過性を有する材料が用いられる。光電変換部41には、例えば半導体を用いた素子が用いられる。
【0036】
光取り出し部30には、例えば、液晶素子やMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子などが用いられる。ただし、実施形態はこれに限らず、光取り出し部30には、導光部20の導光状態を変える(例えば全反射状態と、非全反射状態と、の間で変化させる)ことが可能な任意の素子を用いることができる。
【0037】
以下、光取り出し部30の1つの例について説明する。
図2は、第1の実施形態に係る表示装置の一部の構成を例示する模式的断面図である。図2は、図1(a)のA1−A2線断面の一部を例示しており、光取り出し部30の構成を導光部20の一部と共に例示している。
【0038】
図2に表したように、この例では、光取り出し部30は、第1電極層31aと、第2電極層31bと、反射層32と、光取り出し層33と、を含む。第1電極層31aと光取り出し層33との間に第2電極層31bが配置される。第2電極層31bと光取り出し層33との間に反射層32が配置される。第1電極層31aと第2電極層31bとの間には、変位層31cが設けられている。第1電極層31aと第2電極層31bとの間の距離(変位層31cの厚さ)は、可変である。
【0039】
光取り出し層33は、導光部20に対向している。すなわち、導光部20と反射層32との間に導光部20が配置される。光取り出し層33には、可視光に対して透過性の材料(例えばアクリル系樹脂など)が用いられる。反射層32には、可視光に対して反射性の材料(例えば銀またはアルミニウムなど)が用いられる。光取り出し層33と反射層32との間の界面には凹凸(例えばプリズム状)が設けられている。光取り出し層33に入射した光は、反射層32で反射し、光取り出し層33から出射する。
【0040】
例えば、第1電極層31aと第2電極層31bとの間に印加される電圧(電気信号)に応じて、例えば、変位層31cに印加される電界に応じた変位動作により第1電極層31aと第2電極層31bとの間の距離が変化する。これにより、光取り出し層33は、導光部20に接触している状態と、接触していない状態と、を有することができる。導光部20を導光される光(導波光L12)は、光取り出し層33が導光部20に接していない部分においては、全反射しつつ導光部20内を伝播する。導光部20に光取り出し層33が接する部分において、導波光L12は、導光部20から光取り出し層33に入射し、反射層32で反射して、光取り出し層33を経て、導光部20の側面20s(この例では上側面20a)から出射することが可能である。このように、光取り出し部30は、導光部20中を導光された光(導波光L12)を導光部20の外に向けて選択的に出射可能である。
上記は、光取り出し部30の構成の1つの例であり、実施形態はこれに限らない。
【0041】
図3は、第1の実施形態に係る表示装置の1つの動作を例示する模式図である。
図3は、表示装置110における表示動作を例示している。図3に表したように、光源10から光L11が出射する。光L11は、光源駆動部62によって光源10が制御されることで発生する。光L11は、例えば、導光部20の第2端部22の端面から導光部20内に導かれる。光L11は、導光部20内では導波光L12となる。導波光L12は、例えば、全反射条件を満たしつつ導光部20内を導光される。
【0042】
走査駆動部61は、複数の光取り出し部30のいずれかを選択し、その光取り出し部30を、(導光部20からの)光取り出し状態にする。光取り出し状態の光取り出し部30aを、便宜的に選択状態光取り出し部30aということにする。そして、複数の光取り出し部30のうちで、選択状態光取り出し部30a以外の光取り出し部30を、(全反射条件に従った導光部20内での)導光状態にする。導光状態の光取り出し部30を、便宜的に非選択状態光取り出し部30bということにする。非選択状態光取り出し部30bは、導光部20のうちで、非選択状態光取り出し部30bが対向する部分の導波光L12の状態を全反射状態に保持する。一方、選択状態光取り出し部30aは、導光部20のうちで、選択状態光取り出し部30aが対向する部分の導波光L12の状態を非全反射状態にする。これにより、選択状態光取り出し部30aに対向する部分の導光部20から光L13が導光部20の外に取り出される。光L13は、例えば、上側面20aから出射する。
【0043】
なお、表示動作においては、第1反射部51は反射状態に設定される。これにより、導光部20内を導光される光(導波光L12)のうち、導光部20から外に取り出される光L13に寄与せずに導光部20内をさらに導光する成分については、第1反射部51において反射し、さらに導光部20内を伝播し、選択状態光取り出し部30aに到達させることが可能となる。
【0044】
選択状態光取り出し部30aにより、導光部20内を導光される導波光L12を、選択的、局所的に、導光部20の外部に取り出すことが可能となる。
【0045】
光源10の動作と、光取り出し部30の動作と、を制御することで、X−Y平面内において、任意の位置から所望の光を出射させることで、任意の像を形成し、表示を行うことができる。複数の導光部20は、表示装置110の表示面となる。
【0046】
図4は、第1の実施形態に係る表示装置の別の動作を例示する模式図である。
図4は、表示装置110における発電動作を例示している。発電動作を実施しているときは、例えば、表示装置110は表示動作を行っていない。図4に表したように、例えば外部からの光(外光L21)が、導光部20内に入射する。外光L21は、例えば太陽光などの表示装置の周囲の光である。外光L21の少なくとも一部は、導光部20内を、全反射条件を満たしつつ導光される。例えば、光取り出し部30の状態は、導光部20内に入射した光を、導光部20内の全反射条件に従って導光部20内を導光するように設定される。これにより、導光部20の外部から導光部20の内部に進入した外光L21(の一部)は、その進行方向が変化し、導光部20内を、全反射条件を満たしつつ導光される導波光L22(導光する成分)となる。
【0047】
導波光L22は、全反射を繰り返しながら導光部20内をY軸方向に沿って導光され、第1端部21から出射し、出射光L23となる。出射光L23は、第1反射部51を通過する。さらに、出射光L23は、光路変更部43を介して集光導光部42に入射し、導波光L24となる。導波光L24は、X軸方向に沿って集光導光部42内を、全反射条件を満たしつつ導光され、光電変換部41に入射する。これにより、表示装置110の表示面(導光部20)に入射した外光L21を効率良く、光電変換部41に導くことができる。
【0048】
図5は、第1の実施形態に係る表示装置の1つの動作を例示する模式的平面図である。 図5は、表示装置110の表示動作における、導光部20(表示領域)の導波経路を模式的に示している。
表示動作において、例えば、線順次駆動が実施される。図5に示された例では、Y軸方向に沿って走査が行われる。複数の光取り出し部30に、複数の走査線61wのそれぞれが接続されている。走査線61wの延在方向が行方向である。光源10が配置される第2端部22から、行方向に沿ってi行目(iは1以上N以下の整数)の走査線61wが、ある時刻において選択される。これにより、i行目の光取り出し部30が光取り出し状態にされる。図5に示された例では、i=5である。
【0049】
このとき、複数の導光部20に接続された光源10は、選択状態光取り出し部30a(i=5の位置)のそれぞれに対応する画素で表示すべき状態(色調及び中間調状態を含む)で光L11を出射させる。光L11は、導光部20中を導光する導波光L12となり、そして、i=5の位置で、光L13として導光部20の外に取り出される。これにより、i=5の位置の光取り出し部30(選択状態光取り出し部30a)において、所望の出射光の状態(色調及び中間調状態を含む)が得られる。この動作を、i=1からi=Nまで、順次繰り返して高速に行うことにより、所望の表示状態が得られる。
【0050】
図6は、第1の実施形態に係る表示装置の別の動作を例示する模式的平面図である。
図6は、表示装置110の発電動作における、導光部20の導波経路を模式的に示している。
図6に表したように、Z軸方向に沿って導光部20に外部から外光L21が入射する。外光L21の一部は、光取り出し部30により進行方向が変換されて、導波光L22となる。導波光L22は、導光部20内を、全反射条件を満たしつつ導光される。導波光L22は、出射光L23として、導光部20の第1端部21から出射する。出射光L23は、第1反射部51及び光路変更部43を介して集光導光部42に入射し、導波光L24となる。導波光L24は、集光導光部42内を、全反射条件を満たしつつ導光され、光電変換部41に到達する。光電変換部41において、光エネルギーが電気エネルギーに変換される。
【0051】
すなわち、光電変換部41は、導光部20の側面20s(例えば上側面20a)から導光部20の内部に入射し、導光部20中を導光され、第1端部21のそれぞれから出射する光(出射光L23)を受光する動作を実施可能である。
【0052】
これにより、表示装置110は、表示動作に加え、発電動作を行うことができる。従来の表示装置においては、表示をしていないときは他の動作を行っていない。これに対して、表示装置110においては、表示をしていないときに、表示面に入射する外光L21を効率良く電気エネルギーに変換し、発電動作を行うことができる。
【0053】
表示装置110においては、導光部20と光取り出し部30とを組み合わせることで、高再現性で大面積の表示を容易に提供できる。そして、表示機能だけではなく、発電機能を有する表示装置を提供できる。このように、本実施形態においては、導光部20を用いる表示装置において、その導光性を活用して発電の機能を付加することができる。本実施形態によれば、高性能で高機能の表示装置を提供できる。
【0054】
表示装置110においては、光源10と導光部20と光取り出し部30とを含む1つの表示要素が、Y軸方向に沿って延在する。そして、複数の表示要素が、X軸方向に沿って並べられる。これにより、表示要素の数を増やすことで、大面積の表示装置が比較的容易に実現できる。このような大面積の表示装置は、特に屋外に設置することに適しており、発電機能を有することが、特に有効である。
【0055】
ただし、実施形態は、これに限らず、表示装置110は表示面の大きさは任意であり、表示装置110は屋内に設置されても良く、また可搬型でも良い。
【0056】
さらに、この例の表示装置110における発電動作においては、複数の導光部20のそれぞれに入射する外光L21が、集光導光部42に集められ、光電変換部41に導かれる。すなわち、例えば、表示面となる複数の導光部20の全面に入射する外光L21を、複数の光取り出し部30により、導光部20内を導光させる。さらに、この光を、集光導光部42を導光させ、集光して光電変換部41に導く。これにより、外光L21を電気エネルギーに変化する効率が高まる。
【0057】
すなわち、表示装置110においては、光電変換部41の受光面の大きさを、表示面の大きさよりも小さくすることができる。例えば、光電変換部41として、光電変換効率が高い素子を用いることができる。
【0058】
例えば、一般的に、太陽電池などの光電変換素子では、外光が入射する面積を増大させることにより、その発電量を増大させている。例えば、表示装置の表示面の上、または、背面に太陽電池を設ける構成においても、太陽電池へ外光が入射する面積を増大させるように設計される。
【0059】
これに対し、実施形態に係る表示装置110においては、導光部20と、集光導光部42を含む受光部40と、を用いた構成により、集光機能が得られる。これにより、例えば単結晶を用いた素子などの、効率は高いが大面積化が難しい素子を、光電変換部41として用いることが容易になる。このように、実施形態において、光電変換部41は、単結晶半導体を含むことができる。これにより、高い発電効率が得易くなる。
【0060】
表示装置110においては、マトリクス状に配置された複数の画素において、電気信号に基づき、光導波を利用した光信号を得る。表示装置110においては、光を導光する機構(例えば複数の導光部20)が、表示面に設けられる。実施形態においては、この構成に基づく導波経路が、表示動作に用いられることに加えて、外光L21の集光動作にも用いられる。すなわち、表示動作のための部材(例えば導光部20)が、発電のための動作にも用いられる。これにより、少ない部材数により、発電機能を表示装置に付与できる。
【0061】
図7は、第1の実施形態に係る表示装置の一部の構成を例示する模式図である。
図7は、表示装置110の受光部40に用いることができる光路変更部43の構成を例示している。受光部40に、複数の光路変更部43が設けられる。図7では、1つの光路変更部43の構成が例示されている。図7では、第1反射部51は省略されている。
【0062】
図7に表したように、光路変更部43は、反射層43aをさらに含む。すなわち、光路変更部43は、複数の反射層43aを含み、複数の反射層43aのそれぞれは、複数の導光部20のそれぞれに対応して設けられる。複数の反射層43aのそれぞれは、複数の導光部20の第1端部21のそれぞれに並置される。複数の反射層43aのそれぞれは、複数の導光部20の第1端部21のそれぞれから出射する光(例えば出射光L23)を反射して、集光導光部42に入射させる。
【0063】
この例では、光路変更部43は、光路変更導光体43cをさらに含む。光路変更導光体43cは、Y軸方向に対して傾斜した斜面を有しており、その斜面上に反射層43aが設けられている。出射光L23が、光路変更導光体43cの一端から光路変更導光体43cに入射し、その光が、反射層43aで反射し、集光導光部42に入射する。
【0064】
図7に表したように、この例では、1つの光路変更部43に、集光レンズ43bが設けられる。すなわち、光路変更部43は、複数の集光レンズ43bをさらに含む。複数の集光レンズ43bのそれぞれは、複数の導光部20の第1端部21のそれぞれに対向する。複数の集光レンズ43bのそれぞれで集光された光L23aが、複数の反射層43aのそれぞれに入射する。
【0065】
光路変更導光体43cには、樹脂やガラスなどの可視光に対して透過性を有する材料が用いられる。光路変更導光体43cには、少なくとも可視光域の波長で透過性に優れたものが用いられる。
【0066】
光L23aは、反射層43aの傾斜角度に応じて反射層43aで反射する。反射層43aでの反射で得られた光L23bは、集光導光部42に入射する。光L23bの集光導光部42への入射の角度は、導波光L24が集光導光部42内を全反射条件を満たしつつ導光されるために適した角度に設定される。
【0067】
光路変更導光体43cは、集光導光部42と光学的に接続されている。集光導光部42へ到達した光(導波光L24)は、集光導光部42内を導光されて、光L25として光電変換部41に到達する。
【0068】
この例は、光路変更部43の1つの例であり、実施形態はこれに限らない。実施形態において、受光部40が、導光部20から出射する出射光L23を、効率良く(例えば、全反射条件を満たしながら導光させて)、光電変換部41に導く構成を有していれば、受光部40の構成は任意である。
【0069】
図8(a)及び図8(b)は、第1の実施形態に係る表示装置の一部の構成及び動作を例示する模式図である。
これらの図は、表示装置110の第1反射部51の構成及び動作を例示している。これらの図に例示された構成は、後述する第2反射部にも適用できる。
【0070】
図8(a)及び図8(b)に表したように、第1反射部51は、第1電極56aと、第2電極56bと、流体層58と、有する。流体層58は、第1電極56aと第2電極56bとの間に設けられる。流体層58は、可動性イオン57を含む。流体層58に含まれる可動性イオン57には、例えば、銀イオンなどが用いられる。第1電極56a及び第2電極56bは、可視光に対して透過性である。
【0071】
この例では、第1電極56aは、第1基板55aの主面上に設けられる。第2電極56bは、第2基板55bの主面上に設けられる。第1基板55a及び第2基板55bは、可視光に対して透過性を有する。第1基板55a及び第2基板55bの可視光域における透過性は高い。実施形態はこれに限らない。例えば、第1電極56aは、導光部20の第1端部21の端面上に設けられても良い。
【0072】
図8(a)は、第1反射部51の第1状態STaを例示している。図8(b)は、第1反射部51の第2状態STbを例示している。
図8(a)に表したように、第1状態STaにおいては、例えば第1電極56aの電位は第2電極56bの電位と同じ(例えば設置電位)に設定される。この場合、可動性イオン57は、流体層58中に分散された状態となる。このため、光(可視光域の波長の光)は、第1反射部51を透過可能である。すなわち、第1状態STaにおいて、透過状態が形成される。
【0073】
図8(b)に表したように、第2状態STbにおいては、第1電極56aは電源59の一端に電気的に接続され、第2電極56bは、電源59の他端に電気的に接続される。これにより、流体層58に電圧が印加される。流体層58に印加される電位差により、可動性イオン57(銀イオンなど)は、一方の電極(この例では第1電極56a)に向かって泳動する。そして、可動性イオン57は、第1電極56aの面上に蓄積される。これにより、可動性イオン57の銀の性質に基づく反射面が形成される。第2状態STbにおいて、反射状態が形成される。
【0074】
このように、第1反射部51において、反射状態(第2状態STb)と、透過状態(第1状態STa)と、が得られる。すなわち、第1反射部51の光反射率は、可変である。
【0075】
なお、上記の構成は、第1反射部51の例の1つであり、実施形態はこれに限らない。実施形態において、第1反射部51は、光反射率が可変で、反射状態と透過状態とが得られれば、その構成は任意である。
【0076】
図9は、第1の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
図9は、本実施形態に係る別の表示装置111の構成を例示しており、図1(a)のA1−A2線断面に相当する断面図である。以下、表示装置111に構成に関して、表示装置110の構成と異なる部分について説明する。
【0077】
図9に表したように、表示装置111は、複数の光出射部10s(例えば光源10)、複数の導光部20、複数の光取り出し部30、受光部40及び第1反射部51に加え、さらに第2反射部52を含む。
【0078】
第2反射部52は、複数の導光部20の第2端部22のそれぞれに対向して設けられる。すなわち、複数の第2反射部52が設けられ、複数の第2反射部52のそれぞれが、第2端部22のそれぞれに対向する。この例では、第2反射部52は、第2端部22の端面に対向する。第2反射部52の光反射率は、可変である。
【0079】
第2反射部52は、第2反射部52に入射する光を反射する動作(反射動作)と、第2反射部52に入射する光を透過させる動作(透過動作)と、を実施可能である。第2反射部52には、図8(a)及び図8(b)に関して説明した構成を用いることができる。
【0080】
例えば、第2反射部52は、導光部20の第2端部22のそれぞれから出射する光を反射して複数の導光部20に入射させる。第2反射部52は、光源10から出射した光を透過して、第2端部22から導光部20に入射させる。
【0081】
図10は、第1の実施形態に係る別の表示装置の1つの動作を例示する模式図である。
図10は、表示装置111における表示動作を例示している。表示動作において、例えば、第2反射部52は、透過状態に設定され、第1反射部51は、反射状態に設定される。
【0082】
図10に表したように、光源10から光L11が出射する。光L11は、第2反射部52を通過して、導光部20の第2端部22の端面から導光部20内に導かれる。光L11は、導光部20内で導波光L12となる。導波光L12は、全反射条件を満たしつつ導光部20内を導光される。導波光L12が、選択状態光取り出し部30aにより、導光部20から外に取り出される。すなわち、所定の位置から、光L13が導光部20から出射する。
【0083】
このとき、導波光L12のうちで、選択状態光取り出し部30aの位置で導光部20から外部に取り出されず導光部20をさらに先に導光する成分が生じる場合がある。この成分は、さらに導光部20内を、全反射条件を満たしつつ導光され第1端部21に到達する。この成分は、第1反射部51で反射(例えば正反射)する。すなわち、導波光L12の一部が、第1端部21で反射し、導光部20内を折り返して、導光部20内を導光される。この光は、所定の位置の選択状態光取り出し部30aに到達し、導光部20の外部に出射する。
【0084】
このように、2つの反射部(第1反射部51と第2反射部52)を用いることで、光源10から導光部20に導入される光量に対する、導光部20の外部へ出射(放出)される光量の割合を高めることができる。
【0085】
図11は、第1の実施形態に係る別の表示装置の別の動作を例示する模式図である。
図11は、表示装置111における発電動作を例示している。発電動作において、第2反射部52は、反射状態に設定され、第1反射部51は、透過状態に設定される。
【0086】
表示面(導光部20)の外部から導光部20に入射する外光L21(の一部)は、導光部20を介して光取り出し部30へ到達する。その光は、進行方向が変更されて、導波光L22となる。導波光L22は、全反射条件を満たしつつ導光部20内を導光される。導波光L22の一部の光は、第1反射部51を通過し、受光部40の集光導光部42に到達する。一方、導波光L22の別の一部は、第2反射部52で反射し、再び導光部20に入射し、導光部20内を導光され、第1反射部51を介して集光導光部42に到達する。集光導光部42に到達したこれらの光は、効率良く、光電変換部41に入射する。
【0087】
このように、2つの反射部(第1反射部51と第2反射部52)を用いることで、発電動作においても、集光導光部42に効率良く導波光L22を導くことが可能となる。これにより、導光部20に入射する外光L21を効率良く光電変換部41に到達させることができる。結果として、得られる電気エネルギー量を高めることができ、発電効率が向上する。
【0088】
図12(a)及び図12(b)は、第1の実施形態に係る表示装置の動作を例示する模式図である。
これらの図は、本実施形態に係る表示装置(例えば表示装置110、表示装置111及びその変形など)の2つの動作状態を例示している。図12(a)は、表示動作(表示状態ST1)に対応し、図12(b)は、発電動作(発電状態ST2)に対応する。以下では、表示装置110に関する例として説明する。
【0089】
図12(a)に表したように、表示装置110において、開口部82oを有する筐体82が設けられ、開口部82oに表示領域81が配置されている。既に説明したように、表示領域81は、複数の導光部20(この図では図示せず)と複数の光取り出し部30(この図では図示せず)とが対向する領域である。表示状態ST1において、上記の動作が実施され、表示領域81において、任意の表示情報が提示される。
【0090】
図12(b)に表したように、発電状態ST2においては、表示領域81の複数の導光部20(この図では図示せず)に外光L21が入射する。すなわち、表示領域81は、表示領域81に照射される外光L21の集光部として機能する。
【0091】
このように、本実施形態に係る表示装置110(及び111など)は、表示動作時(表示状態ST1)においては、表示情報を観視者が視認する表示装置として使用できると共に、非表示動作時(発電状態ST2)においては、表示領域81に照射する外光L21を利用した発電装置として使用できる。特に、表示装置110(及び111など)を、屋外に設置されるパブリックディスプレイ等に応用すると、非表示動作時に発電動作を実施させ、表示動作時に必要な電気エネルギーを、例えば蓄電部72に蓄えることが可能になり、消費電力削減に寄与できる。
【0092】
例えば、蓄電部72に蓄えられた電気エネルギーの少なくとも一部は、電源部64に供給されることができる。
【0093】
図13は、第1の実施形態に係る別の表示装置の一部の構成を例示する模式的断面図である。
図13は、図1(a)のA1−A2線断面に対応する断面図である。
図13は、本実施形態に係る別の表示装置112の導光部20の一部を拡大して例示している。図13に例示された部分を除く部分は、表示装置110または表示装置111と同様とすることができるので説明を省略する。
【0094】
図13に表したように、表示装置112は、複数のレンズ(導光部レンズ28)をさらに含む。そして、複数の光取り出し部30が設けられている。図13では、1つの導光部レンズ28と、1つの光取り出し部30と、が拡大されて描かれている。
【0095】
複数の光取り出し部30のそれぞれは、複数の導光部20のそれぞれの側面20s(例えば下側面20b)に対向してY軸方向に沿って並ぶ。複数の導光部レンズ28のそれぞれと、複数の光取り出し部30のそれぞれと、の間に、導光部20が配置されている。
【0096】
図13に表したように、光取り出し部30において、2つ以上の領域が設けられる。例えば、光取り出し部30は、導光部レンズ28が焦点を結ぶ第1領域35と、第1領域35以外の第2領域36と、を有する。外部から導光部20を経て光取り出し部30に導かれる光は、主として第1領域35に集光される。例えば、第1領域35においては、図2に関して説明した光取り出し層33と反射層32との間に形成されるプリズム形状が、外光が導光部20内を導光するのに適した形状とする。これにより、受光部40子に到達する光量を高めることができる。すなわち、第1領域35においては、外光から光取り出し部30に到達する主たる入射角に対して、導光部20における全反射角が浅くなるようにプリズム角を設定することができる。また、第2領域36においては、光源10から導光される光を外部に放射しやすいようにプリズム形状を定めることができる。すなわち、例えば、光源10からの導波光が全反射角に近い角度にて導光する場合には、Z軸方向に光の進行方向を変換するようにプリズム形状を定めることができる。これにより、レンズ効果による焦点位置を利用することで、光取り出し動作時及び集光動作時ともに、効率良く光を放射、集光することができる。
【0097】
(第2の実施形態)
図14は、第2の実施形態に係る表示装置の構成及び1つの動作を例示する模式的断面図である。
図14は、本実施形態に係る表示装置120の構成を例示している。表示装置120の構成のうち、図14に例示された部分を除く部分は、表示装置110または表示装置111と同様とすることができるので説明を省略する。
【0098】
図14に表したように、本実施形態に係る表示装置120においても、複数の光出射部10s(例えば光源10)と、複数の導光部20と、複数の光取り出し部30と、受光部40と、が設けられる。この例では、光源10及び受光部40が、導光部20の第1端部21と並置されている。受光部40は、第1端部21(具体的には第1端部21の端面)に対向している。そして、光源10は、導光部20のうちの第1端部21の側の部分から導光部20に光L11を入射させる。この例では、光源10は、第1端部21の近傍の側面20s(上側面20a)から、導光部20に光L11を入射させる。このように、光源10と受光部40(集光導光部42)とが、導光部20の共通の端部に配置されている。
【0099】
そして、表示装置120は、導光部20の第2端部22に対向して設けられた光反射層27をさらに含む。光反射層27は、例えば、第2端部22の端面上に反射膜を形成することで形成される。光反射層27には、例えば、真空蒸着法により形成された銀膜を用いることができる。
【0100】
この例では、光源10は、指向性の高い光(光L11)を出射する。光L11は、導光部20の延在方向(Y軸方向)に対して傾斜して、導光部20に入射する。光L11の傾斜角(例えばZ軸方向と光L11との間の角度)は、光L11が導光部20に進入したときに、導光部20内の導波光L12の角度が、全反射角に近い値となるように設定される。
【0101】
このように、表示装置120においては、光源10は、導光部20の端面ではなく、端部(第1端部21)に近い側面20sに対向して配置される。この構成により、光源10と受光部40(集光導光部42)が、同一の(共通の)端部に設置可能となる。
【0102】
表示装置120においては、光電変換部41(図14では図示しない)は、第1端部21側に配置される。
【0103】
図14は、表示装置120における表示動作も例示している。図14に表したように、光源10から光L11が出射する。光L11は、導光部20の第2端部22に近い側面20s(例えば上側面20a)から導光部20内に導かれる。導波光L12は、全反射条件を満たしつつ導光部20内を導光される。この場合も、所望の位置の光取り出し部30(選択状態光取り出し部30a)が光取り出し状態にされ、光L13が導光部20の外に取り出される。光L13は、例えば、上側面20aから出射する。光L11の一部は導波光L12a(図14中の破線)となり、導波光L12aは、第2端部22に到達し、光反射層27で反射(例えば正反射)され、導光部20内を第1端部21に向かって導光される。この導波光L12aが選択状態光取り出し部30aに到達し、導波光L12aの一部は、選択状態光取り出し部30aにより光路が変更され、光L13として、導光部20の外部へ取り出される。
【0104】
図15は、第2の実施形態に係る表示装置の別の動作を例示する模式図である。
図15は、表示装置120における発電動作を例示している。発電動作を実施しているときは、例えば、表示装置120は表示動作を行っていない。図15に表したように、例えば外光L21(例えば太陽光)が、導光部20内に入射する。外光L21の一部は、導光部20内を、全反射条件を満たしつつ導光される。導波光L22は、全反射を繰り返しながら導光部20をY軸方向に沿って導光され、第1端部21から出射し、出射光L23となる。外光L21の別の一部は、導波光L22a(図15中の破線)となり、導波光L22aは、光反射層27で反射(例えば正反射)し、再び導光部20内を導光され、第1端部21から出射し、出射光L23となる。これらの出射光L23は、光路変更部43を介して集光導光部42に入射し、導波光L24となる。導波光L24は、光電変換部41に入射する。これにより、表示装置120の表示面(導光部20)に入射した外光L21を効率良く、光電変換部41に導くことができる。
【0105】
表示装置120においては、光源10から出射する光L11のエネルギー量に対する取出光(光L13)の光エネルギー量の割合を向上することができる。表示装置120においては、外光L21が光電変換部41へ到達する割合を高めることができ、これにより、光電変換の効率を向上することができる。さらに、表示装置120においては、光源10及び受光部40が、導光部20の共通の端部(第1端部21)に配置されるため、デバイス構成を簡素化できる。これにより、設計及びデザインの自由度が高まる。また、軽量化できると共に、外形を縮小し易くできる。
【0106】
(第3の実施形態)
図16は、第3の実施形態に係る表示装置の構成及び動作を例示する模式的断面図である。
図16は、本実施形態に係る表示装置130の構成を例示している。表示装置130の構成において、図16に例示された部分を除く部分は、表示装置110、111、112及び120と同様とすることができるので説明を省略する。
【0107】
図16に表したように、本実施形態に係る表示装置130においても、複数の光出射部10s(例えば光源10)と、複数の導光部20と、光取り出し部30と、受光部40と、が設けられる。この例では、受光部40が第1端部21に並置され、光源10が第2端部22と並置されている。ただし、光源10及び受光部40が第1端部21に並置されても良い。以下では、受光部40が第1端部21に並置され、光源10が第2端部22と並置される場合について説明する。この例では、第1端部21と受光部40との間に第1反射部51が設けられている。
【0108】
表示装置130においては、光電変換部41を発電機能部として用いるのではなく、光電変換部41を、光電変換部41に到達する光量の検出機能部として用いる。この検出は、例えばリアルタイムに実施することもできる。光電変換部41に到達する光量の検出結果に基づいて、例えば、光源10の光量の経時変化や光取り出し部30から出射される光量を推定することができる。そして、この推定に基づいて、光源10及び光取り出し部30の少なくともいずれかの動作を制御しても良い。
【0109】
図16は、光量を検出する検出動作の例を示している。この場合、第1反射部51は、透過状態に設定されている。図16に表したように、光源10から出射した光L11は、導波光L12となる。導波光L12は、導光部20内を、全反射条件を満たしつつ導光される。導波光L12の一部は、選択状態光取り出し部30aにより、導光部20の外部に、光L13として出射する。導波光L12のうちで外部に出射しなかった光は導波光L12aとして、全反射条件を満たしながら導光部20内を第1端部21に向かって導光される。導波光L12aは、第1端部21から出射し、出射光L23は、第1反射部51及び光路変更部43を介して、集光導光部42に入射する。導波光L24が、集光導光部42の内部を導光されて、光電変換部41に到達する。導波光L24は、光電変換部41により、電気信号に変換される。
【0110】
例えば、光取り出し部30の全てを非選択状態光取り出し部30bの状態に設定する。これにより、例えば、光路中の損失(例えば導光部20などの内部における散乱等に起因する損失)を除いて、導光部20に入射した光のすべてが光電変換部41に到達する。これにより、例えば、光源10における光量の経時変化等がリアルタイムに検知可能となる。
【0111】
また、複数の光取り出し部30のなかで選択状態光取り出し部30aがある場合には、選択状態光取り出し部30aによって導光部20の外部に出射された光量に関する差分(例えば変動分)等を、リアルタイムに検知して推定することが可能となる。
【0112】
例えば、制御部71は、光出射部10s(光源10)から出射した光L11のうちの導光部20を導光され光電変換部41に到達する光量と、光取り出し部30によって導光部20から導光部20の外部へ出射した光L13の光量と、の差を検出することができる。例えば、制御部71は、光取り出し部30の少なくともいずれかが、光取り出し状態(導光部20中を導光された光を導光部の外に向けて出射させているとき)の、光出射部10sから出射した光のうちで導光部20を導光されて光電変換部41に到達した光量と、上記の少なくともいずれかの光取り出し部30が、導光状態(導光部20中を導光された光を導光部20の外に向けて出射させていないとき)の、光出射部10sから出射した光のうちで導光部20を導光されて光電変換部41に到達した光量と、の差を検出することができる。そして、制御部71は、この検出結果を出力することができる。この制御部71の出力により、例えば、表示機能の変化に関する情報を得ることができる。
【0113】
例えば、i(i=1〜N)番目の光取り出し部30において、光取り出し状態と導光状態とにおける光電変換部41に到達した光量を検出し、その差を求める。また、例えば、j(i=1〜N、Jはiと異なる)番目の光取り出し部30において、光取り出し状態と導光状態とにおける光電変換部41に到達した光量を検出し、その差を求める。これらの差を比較しても良い。この比較により、i番目の光取り出し部30の特性、j番目の光取り出し部30の特性と、の差異が検出できる。
【0114】
そして、上記のような種々の検出結果に応じて、光出射部10s(例えば光源10)及び光取り出し部30の動作を制御しても良い。すなわち、表示装置130は、光出射部10s(例えば光源10)及び光取り出し部30の少なくともいずれかに電気信号を供給する回路部(走査駆動部61及び光源駆動部62の少なくともいずれか)を含むことができる。そして、光電変換部41は、光出射部10s(光源10)から出射され導光部20の中を導光された光(導波光L12a)を変換して電気的なモニタ信号(出力41s)を生成する。そして、回路部は、モニタ信号に応じて、光源10及び光取り出し部30の少なくともいずれかに供給される電気信号を変化させることができる。
【0115】
これにより、光源10の経時変化や光取り出し部30の動作などの変動に対応させて、光源10及び光取り出し部30の動作を適切に制御することができる。これにより、例えば、均一な表示を高い信頼性で提供することができる。
【0116】
上記のような検出機能は、表示動作における画質維持などに役立つ。表示装置130によれば、光量変動を検出するためのデバイス等を別途付与することなく、表示装置130に含まれる要素の特性の変化を検出することができる。そして、この検出は、リアルタイムで実施することができ、例えば、検出精度をより高めることができる。
【0117】
実施形態によれば、高性能で高機能の表示装置が提供される。
【0118】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明の実施形態は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、表示装置に含まれる光源、導光部、光取り出し部、受光部、光電変換部、集光導光部、光路変更部及び反射部などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0119】
その他、本発明の実施の形態として上述した表示装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての表示装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0120】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0121】
10…光源、 10s…光出射部、 15…表示部、 20…導光部、 20a…上側面、 20b…下側面、 20s…側面、 21…第1端部、 22…第2端部、 27…光反射層、 28…導光部レンズ、 30…光取り出し部、 30a…選択状態光取り出し部、 30b…非選択状態光取り出し部、 31a…第1電極層、 31b…第2電極層、 31c…変位層、 32…反射層、 33…光取り出し層、 35…第1領域、 36…第2領域、 40…受光部、 41…光電変換部、 41s…出力、 42…集光導光部、 42a…部分、 43…光路変更部、 43a…反射層、 43b…集光レンズ、 43c…光路変更導光体、 51…第1反射部、 52…第2反射部、 55a…第1基板、 55b…第2基板、 56a…第1電極、 56b…第2電極、 57…可動性イオン、 58…流体層、 59…電源、 60…回路部、 61…走査駆動部、 61w…走査線、 62…光源駆動部、 62w…光源配線、 63…映像処理部、 64…電源部、 71…制御部、 72…蓄電部、 81…表示領域、 82…筐体、 82o…開口部、 110、111、112、120、130…表示装置、 L11…光、 L12、L12a…導波光、 L13…光、 L21…外光、 L22、L22a…導波光、 L23…出射光、 L23a、L23b…光、 L24…導波光、 L25…光、 PL…電源系統配線、 PW…電力、 ST1…表示状態、 ST2…発電状態、 STa…第1状態、 STb…第2状態、 SV…映像信号
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を出射する複数の光出射部と、
前記光出射部から出射した前記光を導光する複数の導光部であって、前記複数の導光部のそれぞれは第1方向に沿って延在する側面と前記第1方向における一方の端の第1端部と他方の端の第2端部とを有し、前記複数の導光部は前記第1方向に対して垂直な第2方向に並ぶ、前記複数の導光部と、
それぞれが前記複数の導光部の前記側面に対向する複数の光取り出し部であって、前記複数の光取り出し部のそれぞれは、前記複数の導光部中を導光された光を前記導光部の外に向けて選択的に出射可能な、前記複数の光取り出し部と、
前記第1端部に対向する受光部であって、前記複数の導光部中を導光され前記第1端部のそれぞれから出射する光を受光する光電変換部を含む受光部と、
を備えた表示装置。
【請求項2】
前記複数の導光部の前記第1端部のそれぞれと前記受光部との間に設けられ、光反射率が可変の第1反射部をさらに備え、
前記第1反射部は、前記第1反射部に入射する光を反射する動作と、前記第1反射部に入射する光を透過させる動作と、を実施可能である請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記複数の導光部の前記第2端部のそれぞれに対向して設けられ、光反射率が可変の第2反射部をさらに備え、
前記第2反射部は、前記第2反射部に入射する光を反射する動作と、前記第2反射部に入射する光を透過させる動作と、を実施可能である請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記受光部は、前記複数の導光部の前記第1端部のそれぞれから出射する光を導光して前記光電変換部に入射させる集光導光部をさらに含む請求項1〜3のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項5】
前記受光部は、前記複数の導光部の前記第1端部のそれぞれに対向し前記第1端部のそれぞれから出射する光の光路を変えて前記集光導光部に入射させる光路変更部をさらに含む請求項4記載の表示装置。
【請求項6】
前記光電変換部は、前記第1端部のそれぞれから出射する前記光を受光し、前記受光した光を電気エネルギーに変換する動作が可能である請求項1〜5のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項7】
前記光電変換部は、前記導光部の前記側面から前記導光部の内部に入射し、前記導光部中を導光され前記第1端部のそれぞれから出射する前記光を受光し、前記受光した光を電気エネルギーに変換する動作が可能である請求項1〜6のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項8】
前記電気エネルギーを蓄える蓄電部と、
前記光電変換部から前記蓄電部への電気エネルギーの供給と、前記蓄電部からの電気エネルギーの取り出しを制御する制御部と、
をさらに備えた請求項6または7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記複数の光取り出し部の少なくともいずれかが、前記導光部中を導光された光を前記導光部の外に向けて出射させているときの、前記光出射部から出射した光のうちで前記導光部を導光されて前記光電変換部に到達した光量と、
前記複数の光取り出し部の前記少なくともいずれかが、前記導光部中を導光された光を前記導光部の外に向けて出射させていないときの、前記光出射部から出射した光のうちで前記導光部を導光されて前記光電変換部に到達した光量と、
の差を検出し、前記検出の結果を出力する制御部をさらに備えた請求項1〜8のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項10】
前記光出射部及び前記光取り出し部の少なくともいずれかに電気信号を供給する回路部をさらに備え、
前記光電変換部は、前記光出射部から出射され前記導光部の中を導光された光を変換して電気的なモニタ信号を生成し、
前記回路部は、前記モニタ信号に応じて前記電気信号を変化させる請求項1〜9のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項1】
光を出射する複数の光出射部と、
前記光出射部から出射した前記光を導光する複数の導光部であって、前記複数の導光部のそれぞれは第1方向に沿って延在する側面と前記第1方向における一方の端の第1端部と他方の端の第2端部とを有し、前記複数の導光部は前記第1方向に対して垂直な第2方向に並ぶ、前記複数の導光部と、
それぞれが前記複数の導光部の前記側面に対向する複数の光取り出し部であって、前記複数の光取り出し部のそれぞれは、前記複数の導光部中を導光された光を前記導光部の外に向けて選択的に出射可能な、前記複数の光取り出し部と、
前記第1端部に対向する受光部であって、前記複数の導光部中を導光され前記第1端部のそれぞれから出射する光を受光する光電変換部を含む受光部と、
を備えた表示装置。
【請求項2】
前記複数の導光部の前記第1端部のそれぞれと前記受光部との間に設けられ、光反射率が可変の第1反射部をさらに備え、
前記第1反射部は、前記第1反射部に入射する光を反射する動作と、前記第1反射部に入射する光を透過させる動作と、を実施可能である請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記複数の導光部の前記第2端部のそれぞれに対向して設けられ、光反射率が可変の第2反射部をさらに備え、
前記第2反射部は、前記第2反射部に入射する光を反射する動作と、前記第2反射部に入射する光を透過させる動作と、を実施可能である請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記受光部は、前記複数の導光部の前記第1端部のそれぞれから出射する光を導光して前記光電変換部に入射させる集光導光部をさらに含む請求項1〜3のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項5】
前記受光部は、前記複数の導光部の前記第1端部のそれぞれに対向し前記第1端部のそれぞれから出射する光の光路を変えて前記集光導光部に入射させる光路変更部をさらに含む請求項4記載の表示装置。
【請求項6】
前記光電変換部は、前記第1端部のそれぞれから出射する前記光を受光し、前記受光した光を電気エネルギーに変換する動作が可能である請求項1〜5のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項7】
前記光電変換部は、前記導光部の前記側面から前記導光部の内部に入射し、前記導光部中を導光され前記第1端部のそれぞれから出射する前記光を受光し、前記受光した光を電気エネルギーに変換する動作が可能である請求項1〜6のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項8】
前記電気エネルギーを蓄える蓄電部と、
前記光電変換部から前記蓄電部への電気エネルギーの供給と、前記蓄電部からの電気エネルギーの取り出しを制御する制御部と、
をさらに備えた請求項6または7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記複数の光取り出し部の少なくともいずれかが、前記導光部中を導光された光を前記導光部の外に向けて出射させているときの、前記光出射部から出射した光のうちで前記導光部を導光されて前記光電変換部に到達した光量と、
前記複数の光取り出し部の前記少なくともいずれかが、前記導光部中を導光された光を前記導光部の外に向けて出射させていないときの、前記光出射部から出射した光のうちで前記導光部を導光されて前記光電変換部に到達した光量と、
の差を検出し、前記検出の結果を出力する制御部をさらに備えた請求項1〜8のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項10】
前記光出射部及び前記光取り出し部の少なくともいずれかに電気信号を供給する回路部をさらに備え、
前記光電変換部は、前記光出射部から出射され前記導光部の中を導光された光を変換して電気的なモニタ信号を生成し、
前記回路部は、前記モニタ信号に応じて前記電気信号を変化させる請求項1〜9のいずれか1つに記載の表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2013−72929(P2013−72929A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210316(P2011−210316)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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