説明

表紙体

【課題】用紙を綴じることができるとともに、表紙を閉じることによって閉止状態を維持することができる、使い勝手のよい表紙体を提供する。
【解決手段】この発明にかかる表紙体10は、第1片12と、第2片14とを有し、前記第2片14に綴じ具110を設けられた表紙体10において、前記第1片12が、開放端縁に、第2片14の開放端縁に又は開放端縁の近くに設けられた綴じ具110の綴じ具構成材の一部に係止される係止部50を形成され、前記係止部50が、表紙体10を閉じたときに前記綴じ具110の綴じ具構成材に係止され、表紙体10を開いたときに前記綴じ具110の綴じ具構成材より脱離するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表紙体に関し、特に、たとえば、ファイル・バインダ類の、表表紙と前記表表紙に曲折部を介して連設された裏表紙とを有し、前記裏表紙に綴じ具を設けられた表紙体に関する。
【背景技術】
【0002】
この発明の背景となる従来の表紙構造の一例が、たとえば特開2003−226087号公報に開示されている(特許文献1参照)。特許文献1に開示されている表紙構造では、用紙を綴じることができるとともに、表紙を綴じた後、保持部材により表板部材及び裏板部材を閉塞姿勢に保持可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−226087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1に開示されている表紙構造では、表紙を閉じたときに閉塞位置に保持させるための保持部材が、裏板部材とは別のゴム紐等の帯状部材により形成されているので、垂れ下がったりする為使い勝手が悪い。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、用紙を綴じることができるとともに、表紙を閉じることによって閉止状態を維持することができる、使い勝手のよい表紙体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明にかかる表紙体は、第1片と、前記第1片に曲折部を介して連設された第2片とを有し、前記第2片に綴じ具を設けられた表紙体において、前記綴じ具は、綴じ具構成材により構成され、前記第1片は、開放端縁に、第2片の開放端縁に又は開放端縁の近くに設けられた綴じ具の綴じ具構成材の一部に係止される係止部を形成され、前記係止部は、表紙体を閉じたときに前記綴じ具の綴じ具構成材に係止され、表紙体を開いたときに前記綴じ具の綴じ具構成材より脱離するように構成された、表紙体である。
この発明の請求項2にかかる表紙体においては、前記第1片は、第1片の開放端縁における高さ方向の領域に、第2片に設けられた綴じ具を緩挿する凹状部を形成され、前記凹状部は、その高さ方向における向き合う端縁に係止部を形成され、前記係止部は、綴じ具における高さ方向の領域の一部に係止されるように形成され、又は、第1片の開放端縁における幅方向の領域に、第2片に設けられた綴じ具を緩挿する凹状部を形成され、前記凹状部は、その幅方向における向き合う端縁に係止部を形成され、前記係止部は、綴じ具における幅方向の領域の一部に係止されるように形成された、請求項1に記載の表紙体である。
この発明の請求項3にかかる表紙体においては、前記第1片は、係止部を設けられた開放端縁に近い領域に、表紙体を閉じたときに第2片の内側の表面及び/又は表紙体を閉じたときに第1片側と対向する綴じ具の表面に、第1片の開放端縁を近づけるか又は接し合わせるための回動部を形成され、前記回動部と開放端縁との間が回って第2片の内側の表面及び/又は表紙体を閉じたときに第1片側に位置する綴じ具の表面に、自由端が近づくか又は接し合うように構成された、請求項1又は請求項2に記載の表紙体である。
この発明の請求項4にかかる表紙体においては、前記綴じ具は、長さ方向及び幅方向にのびる領域を有し、綴じ具の長さ方向は、表紙体の開放端縁に沿ってのびるように、第2片に固定され、前記凹状部は、前記綴じ具の長さ方向の領域と同等又はそれより長い長さを備え、前記係止部は、前記凹状部の長さ方向における向こう側端と手前側端とに向き合うように突設された突起部を有し、前記係止部の突起部は、綴じ具の長さ方向における向こう側の端及び手前側の端に係止されるように形成された、請求項2又は請求項3に記載の表紙体である。
この発明の請求項5にかかる表紙体においては、前記第1片は、前記凹状部の内側であって、表紙体を閉じたときに綴じ具の挟持部より自由端側に位置するように、回動部を形成され、前記回動部と自由端との間に形成された覆い部は、表紙体を閉じたときに第1片側に位置する綴じ具の表面を覆うように構成された、請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の表紙体である。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、第1片と、前記第1片に曲折部を介して連設された第2片とを有し、前記第2片に綴じ具を設けられた表紙体において、前記綴じ具は、綴じ具構成材により構成され、前記第1片は、開放端縁に、第2片の開放端縁に又は開放端縁の近くに設けられた綴じ具の綴じ具構成材の一部に係止される係止部を形成され、前記係止部は、表紙体を閉じたときに前記綴じ具の綴じ具構成材に係止され、表紙体を開いたときに前記綴じ具の綴じ具構成材より脱離するように構成されているので、表紙を閉じることによって閉止状態を維持することができる、使い勝手のよい表紙体を提供することができる。
請求項2の発明によれば、前記第1片は、第1片の開放端縁における高さ方向の領域に、第2片に設けられた綴じ具を緩挿する凹状部を形成され、前記凹状部は、その高さ方向における向き合う端縁に係止部を形成され、前記係止部は、綴じ具における高さ方向の領域の一部に係止されるように形成され、又は、第1片の開放端縁における幅方向の領域に、第2片に設けられた綴じ具を緩挿する凹状部を形成され、前記凹状部は、その幅方向における向き合う端縁に係止部を形成され、前記係止部は、綴じ具における幅方向の領域の一部に係止されるように形成されているので、第1片が不用意に開くことがない。
請求項3の発明によれば、前記第1片は、係止部を設けられた開放端縁に近い領域に、表紙体を閉じたときに第2片の内側の表面及び/又は表紙体を閉じたときに第1片側と対向する綴じ具の表面に、第1片の開放端縁を近づけるか又は接し合わせるための回動部を形成され、前記回動部と開放端縁との間が回って第2片の内側の表面及び/又は表紙体を閉じたときに第1片側に位置する綴じ具の表面に、自由端が近づくか又は接し合うように構成されているので、表紙体を閉じた状態において狭い隙間等に挿し込んだときにも、第1片の開放端縁と第2片の開放端縁とが鋭角状となり、挿し込み易く、且つ被挟止材を覆い、保護することをできる。
請求項4の発明によれば、前記綴じ具は、長さ方向及び幅方向にのびる領域を有し、綴じ具の長さ方向は、表紙体の開放端縁に沿ってのびるように、第2片に固定され、前記凹状部は、前記綴じ具の長さ方向の領域と同等又はそれより長い長さを備え、前記係止部は、前記凹状部の長さ方向における向こう側端と手前側端とに向き合うように突設された突起部を有し、前記係止部の突起部は、綴じ具の長さ方向における向こう側の端及び手前側の端に係止されるように形成されているので、表紙体の開放端縁が不用意に開かない。
請求項5の発明によれば、前記第1片は、前記凹状部の内側であって、表紙体を閉じたときに綴じ具の挟持部より自由端側に位置するように、回動部を形成され、前記回動部と自由端との間に形成された覆い部は、表紙体を閉じたときに第1片側に位置する綴じ具の表面を覆うように構成されているので、表紙体を閉じた状態において狭い隙間等に挿し込み易く、被挟止材を覆い、保護することをできる。
【0008】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴及び利点は、図を参照して行う以下の発明を実施するための最良の形態の説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明にかかる実施の形態である開いた状態の表紙体を示す斜視図解図である。
【図2】この発明にかかる実施の形態である表紙体の開いた状態を示す平面図解図である。
【図3】(A)は図2A−A断面図解図であり、(B)は図2B−B断面図解図である。
【図4】この発明にかかる実施の形態である表紙体の閉じた状態を示す平面図解図である。
【図5】表紙体を閉じた状態における底面図解図である。
【図6】係止部を綴じ具に係止した状態を示す断面図解図である。
【図7】綴じ具の断面図解図である。
【図8】綴じ具の断面図解図である。
【図9】この発明の一実施の形態である開いた状態の表紙体を示す斜視図解図である。
【図10】図9に示す表紙体の開いた状態を示す平面図解図である。
【図11】図9に示す表紙体の閉じた状態を示す平面図解図である。
【図12】(A)は図9に示す綴じ具の開いた状態の斜視図解図であり、(B)は図9に示す綴じ具のロック手段の斜視図解図である。
【図13】この発明の一実施の形態である開いた状態の表紙体を示す斜視図解図である。
【図14】図13図示表紙体の開いた状態の斜視図解図である。
【図15】図13図示表紙体の閉じた状態の斜視図解図である。
【図16】図13図示綴じ具及び挟持部材の斜視図解図である。
【図17】綴じ具の斜視図解図である。
【図18】図13図示綴じ具の利用方法を示す断面図解図である。
【図19】この発明にかかる実施の形態である開いた状態の表紙体を示す斜視図解図である。
【図20】この発明にかかる実施の形態である表紙体の開いた状態を示す平面図解図である。
【図21】この発明にかかる実施の形態である用紙保持機構の図解図であり、(A)は平面図解図であり、(B)は(A)のB方向矢視図であり、(C)は(A)のC方向矢視図である。
【図22】図21図示用紙保持機構の閉じる途中の状態を示す図解図であり、(A)は平面図解図であり、(B)は(A)のB方向矢視図である。
【図23】図21図示用紙保持機構の閉じる途中の状態を示す図解図であり、(A)は正面図解図であり、(B)は(A)のB方向矢視図であり、(C)は(A)のC方向矢視図である。
【図24】この発明にかかる用紙保持機構の成形時の図解図であり、(A)は平面図解図であり、(B)は(A)のB方向矢視図であり、(C)は(A)のC方向矢視図である。
【図25】綴じ具を備える表紙体の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、この発明にかかる実施の形態である開いた状態の表紙体を示す斜視図解図である。図2は、この発明にかかる実施の形態である表紙体の開いた状態を示す平面図解図である。図3は、(A)は図2A−A断面図解図であり、(B)は図2B−B断面図解図である。図4は、この発明にかかる実施の形態である表紙体の閉じた状態を示す平面図解図である。図5は、表紙体を閉じた状態における底面図解図である。図6は、係止部を綴じ具に係止した状態を示す断面図解図である。
この発明に係る二つ折れ型のファイル等の表紙体10は、表表紙を構成する方形の第1片12と、裏表紙を構成する方形の第2片14と、第1片12と第2片14とを連結する背表紙を構成する介在片16とを有する。
表紙体10は、第1片12と介在片16との境界及び第2片14と介在片16との境界で、表紙体10の幅方向におけるほぼ中央に形成された、曲折部18を設けられている。
曲折部18は、第1片12及び第2片14と一体的に形成され、第1片12及び第2片14の手前側より向こう側に亘って連続して設けられた、2条の直線状ヒンジ構造により形成されている。
【0011】
第1片12は、曲折部18を中心として回動して表紙体10を開閉するときの開放端縁20を備える。
開放端縁20は、介在片16及び曲折部18とは反対側で、介在片16及び曲折部18と平行な直線状長手自由端22を有する。
開放端縁20は、介在片16及び曲折部18に直交隣接し幅方向にのびる、手前側の直線状下側自由端24と、介在片16及び曲折部18に直交隣接し幅方向にのびる、手前側の直線状上側自由端26とを有する。
第2片14は、曲折部18を中心として回動して表紙体10を開閉するときの開放端縁30を備える。
開放端縁30は、介在片16及び曲折部18とは反対側で、介在片16及び曲折部18と平行な直線状長手自由端32を有する。
開放端縁30は、介在片16及び曲折部18に直交隣接し幅方向にのびる、手前側の直線状下側自由端34と、介在片16及び曲折部18に直交隣接し幅方向にのびる、手前側の直線状上側自由端36とを有する。
この実施の形態においては、表紙体10は、ポリプロピレン等の比較的弾力性を有する略方形状のシート体に曲折部18をトムソン加工又は熱ヒンジ加工して、第1片12と第2片14と介在片16とを曲折部18を介して一体的に形成されている。
【0012】
表紙体10は、第2片14の開放端縁30である左端縁の近くに、表紙体10に挟み綴じられる用紙等の被挟止材Hを留めるための綴じ具110を備える。
前記綴じ具110は、第2片14の介在片16とは反対側の開放端縁30(長手端縁32)の近くにおいて開放端縁30(長手端縁32)に沿って設けられている。
前記綴じ具110は、後述するように綴じ具構成材により構成されている。
【0013】
前記第1片12は、第1片12の開放端縁20における高さ方向の領域(介在片16と同じ方向にのびる長手方向を有する長手自由端22)に、第1片12を閉じたときに第2片14に設けられた綴じ具110を緩挿する凹状部40を形成されている。凹状部40は、表紙体10の高さ方向における中央、すなわち、長手自由端22の中央に形成されている。
前記凹状部40は、その高さ方向における向き合う端縁に係止部50を形成され、前記係止部50は、綴じ具110における高さ方向の領域の一部、すなわち、綴じ具110の上側の領域及び下側の領域の一部に係止されるように形成される。
【0014】
前記綴じ具110は、それを構成する綴じ具構成材が長さ方向及び幅方向にのびる領域を有し、綴じ具110の長さ方向が表紙体10の開放端縁30に沿ってのびるように、第2片14の内側面上に固定されている。綴じ具110は、綴じ具110の高さ方向における中央、すなわち、長手自由端32の中央に固定されている。
そして、前記凹状部40は、第1片12と第2片14を閉じたときに、綴じ具110と重なり合う位置において形成され、前記綴じ具110の長さ方向の領域と同等又はそれより長い長さ及び綴じ具110の幅方向の領域と同等又はそれより短い幅を備え、第1片12を閉じたときに綴じ具110を干渉することなく内側に容れることができるように構成されている。
前記係止部50は、前記凹状部40の高さ方向(長さ方向)における下側の手前側端42と上側の向こう側端44とに向き合うように突設された、第1突起部52及び第2突起部54を有している。
綴じ具110は、綴じ具110の長さ方向及び曲折部18と直交するように構成された直線状の向こう側端縁と手前側端縁とを備える。
前記係止部50の第1突起部52は、綴じ具110の長さ方向における手前側端縁(挟持部材130の手前側端縁130a)に係止され、係止部50の第2突起部54は、綴じ具110の長さ方向における向こう側端縁(挟持部材130の向こう側端縁130b)に係止されるように構成されている。
この実施の形態においては、凹状部40は、綴じ具110の挟持部材130の外周縁よりわずかに広い平面視コ字型ないしはU字型に形成されている。すなわち、手前側端42と向こう側端44との間の幅は、綴じ具110の挟持部材130の長さ方向の長さよりもわずかに長い。そして、手前側端42と向こう側端44との間は、空間部を形成され、綴じ具110の挟持部材130を容れるように形成されている。
【0015】
前記凹状部40は、その高さ方向(長さ方向)における向き合う端縁に係止部50を形成され、前記係止部50は、綴じ具110における高さ方向の領域の一部に、すなわち、綴じ具110を構成する綴じ具構成材の上側の領域及び下側の領域に係止されるように形成されているので、第1片12が不用意に開かない。
【0016】
手前側(下側)の第1突起部52は、手前側(下側)より向こう側(上側)にのびるU字状部ないしはL字状部を備え、綴じ具110の長さ方向における手前側端42に係止される。
向こう側(上側)の第2突起部54は、向こう側(上側)より手前側(下側)にのびるU字状部ないしはL字状部を備え、綴じ具110の高さ方向(長さ方向)における向こう側端44に係止される。
【0017】
この実施の形態においては、凹状部40は長手自由端22より内側すなわち介在片16側に凹み、長手自由端22と直交する下側の直線状手前側端42と、長手自由端22と直交する上側の直線状向こう側端44とを有する。
手前側端42及び向こう側端44は、互いに平行に後述する第1回動部62より内側までのび、向き合う。
【0018】
前記第1片12は、係止部50を設けられた開放端縁30に近い領域に、表紙体10を閉じたときに第2片14の内側の表面及び表紙体10を閉じたときに第1片12側に位置する綴じ具110の表面に、第1片12の開放端縁20を近づけるか又は接し合わせるための回動部60を形成されている。
そして、前記回動部60と開放端縁20との間の覆い部70が回って第2片14の内側の表面及び表紙体10を閉じたときに第1片12側に位置する綴じ具110の表面に、長手自由端22が近づくか又は接し合うように構成されている。
【0019】
回動部60は、手前側端42と向こう側端44との間に形成された第1回動部62と、手前側端42より手前側(下側)であって、手前側端42から下側自由端24に亘って形成された第2回動部64と、向こう側端44より向こう側(上側)であって、向こう側端44から上側自由端26に亘って形成された第3回動部66とを備える。
第1回動部62と第2回動部64と第3回動部66とは、トムソン加工又は熱ヒンジ加工により形成され、直線状につながっている。
【0020】
覆い部70は、第1回動部62より凹状部40側に突き出された略方形状の第1覆い部72と、第2回動部64と長手自由端22との間に形成された略方形状の下側の第2覆い部74と、第3回動部66と長手自由端22との間に形成された略方形状の上側の第3覆い部76とを備える。
第2覆い部74と第3覆い部76とは、高さ方向(長さ方向)において同一の長さに形成されている。
第1覆い部72は、第1回動部62において谷折り状に折り曲げられ、覆い部自由端が、わずかに上向きになるように構成されている。
第2覆い部74及び第3覆い部76は、第2回動部64及び第3回動部66において山折り状に折り曲げられ、覆い部自由端が、わずかに下向きになるように構成されている。
第1覆い部72の覆い部自由端は、第1回動部62と略平行に形成され、第1突起部52と第2突起部54の頂点の近くに位置している。すなわち、第1覆い部72の覆い部自由端は、第1突起部52と第2突起部54とを結んだ仮想線上に平行に形成されている。
表紙体10が弾力性を有しているので、第1覆い部72、第2覆い部74及び第3覆い部76は、弾力性を有している。
而して、係止部50を綴じ具110の上側の領域の一部及び下側の領域の一部に係止させるとき、綴じ具110の挟持部材130の表面に第1覆い部72の覆い部自由端が引っ掛かることなく、円滑に、第2覆い部74及び第3覆い部76の凹状部40側の端縁(手前側端42及び向こう側端44)に形成された第1突起部52及び第2突起部54は、綴じ具110の挟持部材130の長さ方向における手前側端縁(挟持部材130の手前側端縁130a)及び向こう側端縁(挟持部材130の向こう側端縁130b)に係止させることをできる。
【0021】
前記第1片12は、前記凹状部40の内側であって、表紙体10を閉じたときに綴じ具110の挟持部材130の先端(自由端)で被挟止材Hを押さえて台板120との間に挟持する挟持部132より長手自由端22側に位置するように、第1回動部62を形成されている。そして、前記第1回動部62と長手自由端22との間に形成された第1覆い部72は、表紙体10を閉じたときに第1片12側に位置する綴じ具110の表面の一部を覆うように構成されている。
この実施の形態においては、第2覆い部74は、向こう側端が凹状部40を形成する手前側端42により形成され、第3覆い部76は、手前側端が凹状部40を形成する向こう側端44により形成され、手前側端42の第1突起部52と向こう側端44の第2突起部54とが向き合うように突設されている。
第2覆い部74側の第1突起部52は、第2覆い部74の自由端より内部に入った位置において手前側端42に直交するように形成された係合端縁52aと、該係合端縁52aに続いて内側において略々直線状にのびるように形成された頂部端縁52bと、該頂部端縁52bに続いて内側において手前側端42に傾斜するように形成された斜交端縁52cとを備える。
第3覆い部76側の第2突起部54は、第3覆い部76の自由端より内部に入った位置において向こう側端44に直交するように形成された係合端縁54aと、係合端縁54aに続いて内側に略々直線状にのびるように形成された頂部端縁54bと、該頂部端縁54bに続いて内側において向こう側端44に傾斜するように形成された斜交端縁54cとを備える。
斜交端縁52c及び斜交端縁54cは、挟持部材130に係合する第1突起部52及び第2突起部54を外すときに、第2覆い部74及び第3覆い部76を内側に向けて引いて係合を外し易くするように構成されている。
【0022】
凹状部40は、第1覆い部72と第2覆い部74及び第3覆い部76とを分ける細い間隙部80を形成され、間隙部80は、手前側の第1間隙部82と向こう側の第2間隙部84とを有している。
第1覆い部72の手前側端縁72aと第2覆い部74の向こう側に形成された手前側端42との間の第1間隙部82は、回動部60の内側に至り、第1覆い部72の向こう側端縁72bと第3覆い部76の手前側に形成された向こう側端44の間の第2間隙部84は、回動部60の内側に至る。
而して、第1突起部52及び第2突起部54は、綴じ具110の挟持部材130に係止するときに、第2覆い部74及び第3覆い部76を下向きに曲げ且つ第1覆い部72を上向きに曲げられるというように、異なる方向に曲げられて、係止することをできる。
又、係合端縁52a及び係合端縁54aは、第1突起部52及び第2突起部54を綴じ具110の挟持部材130に係止するとき、挟持部材130の後端凸部130cに係合する。而して、第2覆い部74及び第3覆い部76は、挟持部材130より外側に出ることがない。
【0023】
前記回動部60と長手自由端22との間に形成された第1覆い部72は、表紙体10を閉じたときに第1片12側に位置する綴じ具110の表面に接し合い、綴じ具110の表面を覆うように構成されているので、第1覆い部72が不用意に開かない。表紙体10を閉じたときに第1片12側に位置する綴じ具110の表面を覆うように構成されているので、表紙体10を閉じた状態において狭い隙間等に挿し込み易く、被挟止材Hを覆い、保護することをできる。
【0024】
第2回動部64と長手自由端22との間に形成された第2覆い部74は、表紙体10を閉じたときに、第2片14の内側の表面に長手自由端22が近づくか又は接し合うように構成されている。
第3回動部66と長手自由端22との間に形成された第3覆い部76は、表紙体10を閉じたときに、第2片14の内側の表面に長手自由端22が近づくか又は接し合うように構成されている。
而して、第2覆い部74及び第3覆い部76は、不用意に開かない。表紙体10を閉じた状態において狭い隙間等に挿し込んだときにも、第1片12の開放端縁20と第2片14の開放端縁30とが鋭角状となり、挿し込み易く、且つ被挟止材Hを覆い、保護することをできる。特に、被挟止材Hが第1片12と第2片14とを合わせた広さを有する大きさの用紙等であっても、図5において示すように、介在片16の近くの被挟止材Hの中央付近で二つ折りにしたときのように、被挟止材Hの厚さが厚くなったときにおいても、第1覆い部72、第2覆い部74及び第3覆い部76は、被挟止材Hの端を覆い、保護することができる。
又、第1覆い部72、第2覆い部74及び第3覆い部76により厚い被挟止材Hの端縁を内側すなわち回動部60側に寄せて、第2覆い部74及び第3覆い部76に形成された第1突起部52及び第2突起部54を挟持部材130に係止させて、第1片12を第2片14に閉止させることができる。
【0025】
綴じ具110について、以下説明する。
この綴じ具110は、台板120と、一方側部分に挟持部132が形成され、他方側部分に開用押圧部134が形成され、前記挟持部132が前記台板120に対して開閉できるように中間部分が前記台板120に回動可能に支持される挟持部材130と、前記挟持部材130の前記挟持部132を前記台板120側に付勢するトーションばね124と、および前記台板120に対して前記挟持部材130の前記挟持部132を開いた状態で維持するための係止部材140とを含む。
挟持部材130は、内側の挟持部132側が低い円弧状の上面を有する、平面視方形状の板材により構成されている。
前記係止部材140は、前記挟持部材130の前記一方側部分および前記中間部分の間の部分で回動可能に支持され、前記挟持部材130の前記開用押圧部134側に配置される係止用押圧部142、前記挟持部材130の前記挟持部132側に配置される解除用押圧部144、および前記台板120側に配置される係止部146を含む。
【0026】
この綴じ具110は、図7に示すように、係止部材140の解除用押圧部144を押圧して係止部材140の係止部146を台板120の突出部122から外すことによって、台板120に対して挟持部材130の挟持部132をトーションばね124の付勢力で閉じるように形成されている。
【0027】
また、この綴じ具110は、図8に示すように、挟持部材130の開用押圧部134を押圧して台板120に対して挟持部材130の挟持部132をトーションばね124の付勢力に抗して開いた状態で係止部材140の係止用押圧部142を押圧して係止部材140の係止部146を台板120の突出部122に当てることによって、台板120に対して挟持部材130の挟持部132を開いた状態で維持するように形成されている。
【0028】
この綴じ具110では、挟持部材130の開用押圧部134を押圧することによって、台板120に対して挟持部材130の挟持部132をトーションばね124の付勢力に抗して開くことができる。この場合、挟持部材130において開こうとする一方側部分に形成された挟持部132とは反対側の他方側部分に形成された開用押圧部134を押圧すればよいので、挟持部材130の開用押圧部134が押圧しやすく、挟持部材130の挟持部132を開きやすい。
【0029】
この発明にかかる綴じ具110は、ファイル・バインダー類の表紙体10に取り付けるには、綴じ具110の台板120に貫設された取り付け孔120aとファイル・バインダー類の表紙体10を構成する(裏表紙を構成する)第2片14に貫設された取り付け孔14aとに、リベット等の固着材150を貫挿し、台板120を第2片14の外表面に密接させて固定される。
【0030】
第1片12の手前側(下側)の第1突起部52は、綴じ具110の長さ方向における手前側端42である、挟持部材130の手前側(下側)の下面に係止される。
又、第1片12の向こう側(上側)の第2突起部54は、綴じ具110の長さ方向における向こう側端44である、挟持部材130の手前側(下側)の下面に係止される。
そして、第1覆い部72の覆い部自由端は、挟持部材130の上面において、第1突起部52と第2突起部54と結んだ仮想線上の近くに位置して、挟持部材130の上面を略々半分覆う。
【0031】
この発明にかかる表紙体10は、次のように構成してもよい。
以下、前記実施の形態とは別のこの発明にかかる実施の形態について説明する。
【0032】
図9は、この発明の一実施の形態である開いた状態の表紙体を示す斜視図解図である。図10は、図9に示す表紙体の開いた状態を示す平面図解図である。図11は、図9に示す表紙体の閉じた状態を示す平面図解図である。
【0033】
この発明に係る二つ折れ型のファイル等の表紙体10は、表表紙を構成する方形の第1片12と、裏表紙を構成する方形の第2片14と、第1片12と第2片14とを連結する背表紙を構成する介在片16とを有する。
表紙体10は、第1片12と介在片16との境界及び第2片14と介在片16との境界で、表紙体10の幅方向におけるほぼ中央に形成された、曲折部18を設けられている。
曲折部18は、第1片12及び第2片14と一体的に形成され、第1片12及び第2片14の手前側より向こう側に亘って連続して設けられた、2条の直線状ヒンジ構造により形成されている。
【0034】
第1片12は、曲折部18を中心として回動して表紙体10を開閉するときの開放端縁20を備える。
開放端縁20は、介在片16及び曲折部18とは反対側で、介在片16及び曲折部18と平行な直線状長手自由端22を有する。
開放端縁20は、介在片16及び曲折部18に直交隣接し幅方向にのびる、手前側の直線状下側自由端24と、介在片16及び曲折部18に直交隣接し幅方向にのびる、手前側の直線状上側自由端26とを有する。
第2片14は、曲折部18を中心として回動して表紙体10を開閉するときの開放端縁30を備える。
開放端縁30は、介在片16及び曲折部18とは反対側で、介在片16及び曲折部18と平行な直線状長手自由端32を有する。
開放端縁30は、介在片16及び曲折部18に直交隣接し幅方向にのびる、手前側の直線状下側自由端34と、介在片16及び曲折部18に直交隣接し幅方向にのびる、手前側の直線状上側自由端36とを有する。
【0035】
表紙体10は、第2片14の開放端縁30である左端縁の近くに、表紙体10に挟み綴じられる用紙等の被挟止材Hを留めるための綴じ具310を備える。
前記綴じ具310は、第2片14の介在片16とは反対側の開放端縁30(長手端縁32)の近くにおいて開放端縁30(長手端縁32)に沿って設けられている。
前記綴じ具310は、後述するように綴じ具構成材により構成されている。
【0036】
前記第1片12は、第1片12の開放端縁20における高さ方向の領域(介在片16と同じ方向にのびる長手方向を有する長手自由端22)に、第1片12を閉じたときに第2片14に設けられた綴じ具310を緩挿する凹状部40を形成されている。
凹状部40は、表紙体10の高さ方向における中央、すなわち、長手自由端22の中央に形成されている。
前記凹状部40は、その高さ方向における向き合う端縁に係止部50を形成され、前記係止部50は、綴じ具310における高さ方向の領域の一部、すなわち、綴じ具310の上側の領域及び下側の領域の一部に係止されるように形成される。
【0037】
前記綴じ具310は、それを構成する綴じ具構成材が長さ方向及び幅方向にのびる領域を有し、綴じ具310の長さ方向が表紙体10の開放端縁30に沿ってのびるように、第2片14に固定されている。綴じ具310は、綴じ具310の高さ方向における中央、すなわち、長手自由端32の中央に固定されている。
そして、前記凹状部40は、第1片12と第2片14を閉じたときに、綴じ具310と重なり合う位置において形成され、前記綴じ具310の長さ方向の領域と同等又はそれより長い長さ及び綴じ具110の幅方向の領域と同等又はそれより短い幅を備え、第1片12を閉じたときに綴じ具310を干渉することなく内側に容れることができるように構成されている。
前記係止部50は、前記凹状部40の高さ方向(長さ方向)における下側の手前側端42と上側の向こう側端44とに向き合うように突設された、第1突起部52及び第2突起部54を有している。
綴じ具310は、綴じ具310の長さ方向及び曲折部18と直交するように構成された直線状の向こう側端縁と手前側端縁とを備える。
前記係止部50の第1突起部52及び第2突起部54は、綴じ具310の長さ方向における手前側端縁(操作レバー332の手前側端縁332a)に係止され、係止部50の第2突起部54は、綴じ具310の高さ方向における上側の向こう側端縁(連結アーム322)に係止されるように形成されている。
【0038】
前記凹状部40は、その高さ方向(長さ方向)における向き合う端縁に係止部50を形成され、前記係止部50は、綴じ具310における高さ方向の領域の一部に、すなわち、綴じ具310を構成する綴じ具構成材の上側の領域及び下側の領域に係止されるように形成されているので、第1片12が不用意に開かない。
【0039】
手前側(下側)の第1突起部52は、手前側(下側)より向こう側(上側)にのびるU字状部ないしはL字状部を備え、綴じ具310の高さ方向(長さ方向)における手前側端42に係止される。
向こう側(上側)の第2突起部54は、向こう側(上側)より手前側(下側)にのびるU字状部ないしはL字状部を備え、綴じ具310の長さ方向における向こう側端44に係止される。
【0040】
この実施の形態においては、凹状部40は長手自由端22より内側すなわち介在片16側に凹み、長手自由端22と直交する下側の直線状手前側端42と、長手自由端22と直交する上側の直線状向こう側端44とを有する。
手前側端42及び向こう側端44は、互いに平行に後述する第1回動部62より内側までのび、向き合う。
【0041】
前記第1片12は、係止部50を設けられた開放端縁30に近い領域に、表紙体10を閉じたときに第2片14の内側の表面及び表紙体10を閉じたときに第1片12側に位置する綴じ具310の表面に、第1片12の開放端縁20を近づけるか又は接し合わせるための回動部60を形成されている。
そして、前記回動部60と開放端縁20との間の覆い部70が回って第2片14の内側の表面及び表紙体10を閉じたときに第1片12側に位置する綴じ具310の表面に、長手自由端22が近づくか又は接し合うように構成されている。
【0042】
回動部60は、手前側端42と向こう側端44との間に形成された第1回動部62と、手前側端42より手前側(下側)であって、手前側端42から下側自由端24に亘って形成された第2回動部64と、向こう側端44より向こう側(上側)であって、向こう側端44から上側自由端26に亘って形成された第3回動部66とを備える。
第1回動部62と第2回動部64と第3回動部66とは、直線状につながっている。
【0043】
覆い部70は、第1回動部62より凹状部40側に突き出された略方形状の第1覆い部72と、第2回動部64と長手自由端22との間に形成された略方形状の下側の第2覆い部74と、第3回動部66と長手自由端22との間に形成された略方形状の上側の第3覆い部76とを備える。
第2覆い部74と第3覆い部76とは、高さ方向(長さ方向)において同一の長さに形成されている。
第1覆い部72は、第1回動部62において谷折り状に折り曲げられ、覆い部自由端が、わずかに上向きになるように構成されている。
第2覆い部74及び第3覆い部76は、第2回動部64及び第3回動部66において山折り状に折り曲げられ、覆い部自由端が、わずかに下向きになるように構成されている。
第1覆い部72の覆い部自由端は、第1回動部62と略平行に形成され、第1突起部52と第2突起部54の頂点の近くに位置している。すなわち、第1覆い部72の覆い部自由端は、第1突起部52と第2突起部54とを結んだ仮想線上に平行に形成されている。
表紙体10が弾力性を有しているので、第1覆い部72、第2覆い部74及び第3覆い部76は、弾力性を有している。
而して、係止部50を綴じ具310の上側の領域の一部及び下側の領域の一部に係止させるとき、綴じ具310の挟持部材326の表面に第1覆い部72の覆い部自由端が引っ掛かることなく、円滑に、第2覆い部74及び第3覆い部76の凹状部40側の端縁(手前側端42及び向こう側端44)に形成された第1突起部52及び第2突起部54は、綴じ具310の長さ方向における手前側端(操作レバー332の手前側端縁332a)及び向こう側端(向こう側の連結アーム322)に係止させることをできる。
【0044】
前記第1片12は、前記凹状部40の内側であって、表紙体10を閉じたときに綴じ具310の挟持部材326で被挟止材Hを押さえて基台312との間に挟持する挟持部(挟持部材326の全体)より長手自由端22側に位置するように、第1回動部62を形成されている。そして、前記第1回動部62と長手自由端22との間に形成された第1覆い部72は、表紙体10を閉じたときに第1片12側に位置する綴じ具310の表面の一部を覆うように構成されている。
【0045】
この実施の形態においては、第2覆い部74は、向こう側端が凹状部40を形成する手前側端42により形成され、第3覆い部76は、手前側端が凹状部40を形成する向こう側端44により形成され、手前側端42の第1突起部52と向こう側端44の第2突起部54とが向き合うように突設されている。
第2覆い部74側の第1突起部52は、第2覆い部74の自由端より内部に入った位置において手前側端42に直交するように形成された係合端縁52aと、該係合端縁52aに続いて内側において略々直線状にのびるように形成された頂部端縁52bと、該頂部端縁52bに続いて内側において手前側端42に傾斜するように形成された斜交端縁52cとを備える。
第3覆い部76側の第2突起部54は、第3覆い部76の自由端より内部に入った位置において向こう側端44に直交するように形成された係合端縁54aと、係合端縁54aに続いて内側に略々直線状にのびるように形成された頂部端縁54bと、該頂部端縁54bに続いて内側において向こう側端44に傾斜するように形成された斜交端縁54cとを備える。
【0046】
凹状部40は、第1覆い部72と第2覆い部74及び第3覆い部76とを分ける細い間隙部80を形成され、間隙部80は、手前側の第1間隙部82と向こう側の第2間隙部84とを有している。
第1覆い部72の手前側端縁72aと第2覆い部74の向こう側に形成された手前側端42との間の第1間隙部82は、回動部60の内側に至り、第1覆い部72の向こう側端縁72bと第3覆い部76の手前側に形成された向こう側端44の間の第2間隙部84は、回動部60の内側に至る。
而して、第1突起部52及び第2突起部54は、綴じ具310の操作レバー332の手前側端縁332a及び向こう側の連結アーム322に係止するときに、第2覆い部74及び第3覆い部76を下向きに曲げ且つ第1覆い部72を上向きに曲げられるというように、異なる方向に曲げられて、係止することをできる。
【0047】
前記回動部60と長手自由端22との間に形成された第1覆い部72は、表紙体10を閉じたときに第1片12側に位置する綴じ具310の表面に接し合い、綴じ具310の表面を覆うように構成されているので、第1覆い部72が不用意に開かない。表紙体10を閉じたときに第1片12側に位置する綴じ具310の表面を覆うように構成されているので、表紙体10を閉じた状態において狭い隙間等に挿し込み易く、被挟止材Hを覆い、保護することをできる。
【0048】
第2回動部64と長手自由端22との間に形成された第2覆い部74は、表紙体10を閉じたときに、第2片14の内側の表面に長手自由端22が近づくか又は接し合うように構成されている。
第3回動部66と長手自由端22との間に形成された第3覆い部76は、表紙体10を閉じたときに、第2片14の内側の表面に長手自由端22が近づくか又は接し合うように構成されている。
而して、第2覆い部74及び第3覆い部76は、不用意に開かない。表紙体10を閉じた状態において狭い隙間等に挿し込んだときにも、第1片12の開放端縁20と第2片14の開放端縁30とが鋭角状となり、挿し込み易く、且つ被挟止材Hを覆い、保護することをできる。特に、被挟止材Hが第1片12と第2片14とを合わせた広さを有する大きさの用紙等であっても、図5において示すように、介在片16の近くの被挟止材Hの中央付近で二つ折りにしたときのように、被挟止材Hの厚さが厚くなったときにおいても、第1覆い部72、第2覆い部74及び第3覆い部76は、被挟止材Hの端を覆い、保護することができる。
又、第1覆い部72、第2覆い部74及び第3覆い部76により厚い被挟止材Hの端縁を内側すなわち回動部60側に寄せて、第2覆い部74及び第3覆い部76に形成された第1突起部52及び第2突起部54を綴じ具310の操作レバー332の手前側端縁332a及び向こう側の連結アーム322に係止させて、第1片12を第2片14に閉止させることができる。
【0049】
綴じ具310について、以下説明する。
綴じ具310は、たとえば金属板などで矩形板状に形成される基台312を含む。基台312の幅方向の一端には、支持体314が形成される。支持体314は、基台312の長手方向の一端側(手前側)から他端側(後ろ側)に亘って、基台312に対して直立するように形成される板状体であり、手前側から後ろ側に亘って同一の高さに形成される。
【0050】
また、基台312には、支持体314に平行して、後ろ側のアーム枢支部316及び手前側のアーム枢支部318と軸受部320とが形成される。アーム枢支部316及びアーム枢支部318と軸受部320とは、たとえば基台312の一部に切れ目を形成し、切れ目を形成した部分を基台312上に垂直状に起こすことによって形成される、それらには、その略中央に、貫通孔が形成される。
【0051】
支持体314からアーム枢支部316及びアーム枢支部318の貫通孔を通るようにして、連結アーム322及び連結アーム324が形成される。連結アーム322及び連結アーム324は、アーム枢支部316及びアーム枢支部318部分で折れ曲がってアーム枢支部316及びアーム枢支部318の面に平行するように延び、さらに折れ曲がって先端部がアーム枢支部316及びアーム枢支部318の面にほぼ直交する向きとなるように形成される。連結アーム322及び連結アーム324は、支持体314の支持部分とアーム枢支部316及びアーム枢支部318の支持部分とに跨って取り付けられ、その支持部分を枢支点として、回動可能に取り付けられる。したがって、連結アーム322及び連結アーム324が回動することにより、その先端部は円弧を描くようにして移動する。
【0052】
連結アーム322及び連結アーム324の先端部には、挟持部材326が取付けられる。挟持部材326は、長方形状に形成され、基台312との間に書類などの被挟止材Hを挟み込むことによって、被挟止材Hを保持するためのものである。この挟持部材326の長手方向の両端側において、挟持部材326の側面に連結アーム322及び連結アーム324の先端部が取り付けられる。さらに、支持体314と対向する軸受部320との間には、操作レバー332の枢軸たる支持軸328が取付けられる。この支持軸328に、バネ部材330を構成するねじりコイルばねのコイル部を巻回するようにして、バネ部材330が回転可能に取付けられる。
【0053】
バネ部材330の一端側のコイル部の端部から延びる作動腕330aは、軸受部320の面に平行に延び、さらに折れ曲がって軸受部320の面にほぼ直交するように形成される。そして、バネ部材330の一端側の作動腕330aが、挟持部材326に接続される。このとき、バネ部材330の一端側の作動腕330aは、挟持部材326の長手方向の中央部より一方の連結アーム322寄りの部分に接続される。
さらに、支持軸328に近接して、操作レバー332が形成される。操作レバー332には、バネ部材330の他端側のコイル部の端部から延びる作動腕330bが接続される。
そして、操作レバー332は、それが倒れた状態において、支持軸328部分から支持軸328に対して遠い位置にある基台312の手前側端部まで延びるように形成される。
操作レバー332は、その後ろ側端には支持軸328に枢支される枢支部を有し、且つ、その自由端側の上面に押圧部を有する操作レバー本体334を備えている。操作レバー本体334の下面には、長手方向に延びる突条336が形成され。該突条336の支持体314側表面には、操作レバー332をロックするための係止部336aが支持体314側に向いて形成されている。
【0054】
支持体314は、基台312に連続して、操作レバー332の長手方向に沿って、後ろ側のアーム枢支部316から手前側のアーム枢支部318の近傍に至るまで設けられており、操作レバー332をロックするために、操作レバー332の係止部336aを係止する係止突起350が形成されている。
【0055】
この綴じ具310では、操作レバー332を開閉することにより、バネ部材330を介して挟持部材326を開閉させることができる。挟持部材326が閉じた状態において、操作レバー332を倒して係止部336aを突起350に嵌めることにより、バネ部材330によって挟持部材326が基台312側に付勢される。このバネ部材330の力により、書類などの被挟止材Hが基台312と挟持部材326との間に保持される。また、操作レバー332を起こすことにより、バネ部材330を介して挟持部材326が開き、被挟止材Hを取り外すことができる。なお、この綴じ具310では、被挟止材Hを挟むときに、被挟止材Hの端部を揃えるために、基台312からほぼ直交するようにして、2つの整列部材338が形成される。これらの整列部材338は、アーム枢支部316及びアーム枢支部318と同様に基台312に切れ目を形成し、切れ目を形成した部分を基台312上に起こすことによって形成される。
この綴じ具310は、ファイルの表紙体10を構成する第2片14に貫設された取り付け孔14aと基台312に形成された貫通孔からなる取り付け孔340に通した、リベットなどの固着材342により、ファイルの表紙体10の第2片14の内面に取り付けられる。
【0056】
第1片12の手前側(下側)の第1突起部52は、綴じ具110の長さ方向における手前側端である、操作レバー332の手前側(下側)すなわち自由端の下面に係止される。すなわち、操作レバー332が、係止部336aに突起350を係止させて被挟止材Hを挟持した状態で固定されたときに、第1突起部52は、幅方向を有する操作レバー332の手前側(下側)の下面に係止される。
又、第1片12の向こう側(上側)の第2突起部54は、綴じ具110の長さ方向における向こう側端である、連結アーム322の下面に係止される。すなわち、第2突起部54は、アーム枢支部316と支持体314との間において綴じ具310の幅方向に架け渡された連結アーム322の下面に係止される。
そして、第1覆い部72の覆い部自由端は、挟持部材326の上面において、第1突起部52と第2突起部54と結んだ仮想線上の近くに位置して、挟持部材326の上面を覆う。
【0057】
図13は、この発明の一実施の形態である開いた状態の表紙体を示す斜視図解図である。図14は、図13図示表紙体の開いた状態の斜視図解図である。図15は、図13図示表紙体の閉じた状態の斜視図解図である。
【0058】
この発明に係る二つ折れ型のファイル等の表紙体10は、表表紙を構成する方形の第1片12と、裏表紙を構成する方形の第2片14と、第1片12と第2片14とを連結する背表紙を構成する介在片16とを有する。
表紙体10は、第1片12と介在片16との境界及び第2片14と介在片16との境界で、表紙体10の幅方向におけるほぼ中央に形成された、曲折部18を設けられている。
曲折部18は、第1片12及び第2片14と一体的に形成され、第1片12及び第2片14の手前側より向こう側に亘って連続して設けられた、2条の直線状ヒンジ構造により形成されている。
【0059】
第1片12は、曲折部18を中心として回動して表紙体10を開閉するときの開放端縁20を備える。
開放端縁20は、介在片16及び曲折部18とは反対側で、介在片16及び曲折部18と平行な直線状長手自由端22を有する。
開放端縁20は、介在片16及び曲折部18に直交隣接し幅方向にのびる、手前側の直線状下側自由端24と、介在片16及び曲折部18に直交隣接し幅方向にのびる、手前側の直線状上側自由端26とを有する。
第2片14は、曲折部18を中心として回動して表紙体10を開閉するときの開放端縁30を備える。
開放端縁30は、介在片16及び曲折部18とは反対側で、介在片16及び曲折部18と平行な直線状長手自由端32を有する。
開放端縁30は、介在片16及び曲折部18に直交隣接し幅方向にのびる、手前側の直線状下側自由端34と、介在片16及び曲折部18に直交隣接し幅方向にのびる、手前側の直線状上側自由端36とを有する。
【0060】
表紙体10は、第2片14の開放端縁30である左端縁の近くに、表紙体10に挟み綴じられる用紙等の被挟止材Hを留めるための綴じ具410を備える。
前記綴じ具410は、第2片14の介在片16とは反対側の開放端縁30(長手端縁32)の近くにおいて開放端縁30(長手端縁32)に沿って設けられている。
前記綴じ具410は、後述するように綴じ具構成材により構成されている。
【0061】
前記第1片12は、第1片12の開放端縁20における高さ方向の領域(介在片16と同じ方向にのびる長手方向を有する長手自由端22)に、第1片12を閉じたときに第2片14に設けられた綴じ具410を緩挿する凹状部40を形成されている。凹状部40は、表紙体10の高さ方向における中央、すなわち、長手自由端22の中央に形成されている。
前記凹状部40は、その高さ方向における向き合う端縁に係止部50を形成され、前記係止部50は、綴じ具410における高さ方向の領域の一部、すなわち、綴じ具410の上側の領域及び下側の領域の一部に係止されるように形成される。
【0062】
前記綴じ具410は、それを構成する綴じ具構成材が長さ方向及び幅方向にのびる領域を有し、綴じ具410の長さ方向が表紙体10の開放端縁30に沿ってのびるように、第2片14に固定されている。綴じ具410は、綴じ具410の高さ方向における中央、すなわち、長手自由端32の中央に固定されている。
そして、前記凹状部40は、第1片12と第2片14を閉じたときに、綴じ具410と重なり合う位置において形成され、前記綴じ具410の長さ方向の領域と同等又はそれより長い長さ及び綴じ具410の幅方向の領域と同等又はそれより長い幅を備え、第1片12を閉じたときに綴じ具410を干渉することなく内側に容れることができるように構成されている。
前記係止部50は、前記凹状部40の高さ方向(長さ方向)における下側の手前側端42と上側の向こう側端44とに向き合うように突設された、第1突起部52及び第2突起部54を有している。
綴じ具410は、綴じ具410の長さ方向及び曲折部18と直交するように構成された直線状の向こう側端縁と手前側端縁とを備える。
前記係止部50の第1突起部52は、綴じ具410の長さ方向における手前側端縁(挟持部材443の手前側端縁443a)に係止され、長さ方向における上側の向こう側端縁(挟持部材443の向こう側端縁443b)に係止されるように形成されている。
【0063】
前記凹状部40は、その高さ方向(長さ方向)における向き合う端縁に係止部50を形成され、前記係止部50は、綴じ具410における高さ方向の領域の一部に、すなわち、綴じ具410を構成する綴じ具構成材の上側の領域及び下側の領域に係止されるように形成されているので、第1片12が不用意に開かない。
【0064】
手前側(下側)の第1突起部52は、手前側(下側)より向こう側(上側)にのびるU字状部ないしはL字状部を備え、綴じ具410の長さ方向における手前側端42に係止される。
向こう側(上側)の第2突起部54は、向こう側(上側)より手前側(下側)にのびるU字状部ないしはL字状部を備え、綴じ具410の高さ方向(長さ方向)における向こう側端44に係止される。
【0065】
この実施の形態においては、凹状部40は長手自由端22より内側すなわち介在片16側に凹み、長手自由端22と直交する下側の直線状手前側端42と、長手自由端22と直交する上側の直線状向こう側端44とを有する。
手前側端42及び向こう側端44は、互いに平行に後述する第1回動部62より内側までのび、向き合う。
【0066】
前記第1片12は、係止部50を設けられた開放端縁30に近い領域に、表紙体10を閉じたときに第2片14の内側の表面及び表紙体10を閉じたときに第1片12側に位置する綴じ具410の表面に、第1片12の開放端縁20を近づけるか又は接し合わせるための回動部60を形成されている。
そして、前記回動部60と開放端縁20との間の覆い部70が回って第2片14の内側の表面及び表紙体10を閉じたときに第1片12側に位置する綴じ具410の表面に、長手自由端22が近づくか又は接し合うように構成されている。
【0067】
回動部60は、手前側端42と向こう側端44との間に形成された第1回動部62と、手前側端42より手前側(下側)であって、手前側端42から下側自由端24に亘って形成された第2回動部64と、向こう側端44より向こう側(上側)であって、向こう側端44から上側自由端26に亘って形成された第3回動部66とを備える。
第1回動部62と第2回動部64と第3回動部66とは、直線状につながっている。
【0068】
覆い部70は、第1回動部62より凹状部40側に突き出された略方形状の第1覆い部72と、第2回動部64と長手自由端22との間に形成された略方形状の下側の第2覆い部74と、第3回動部66と長手自由端22との間に形成された略方形状の上側の第3覆い部76とを備える。
第2覆い部74と第3覆い部76とは、高さ方向(長さ方向)において同一の長さに形成されている。第1覆い部72は、第1回動部62において谷折り状に折り曲げられ、覆い部自由端が、わずかに上向きになるように構成されている。
第2覆い部74及び第3覆い部76は、第2回動部64及び第3回動部66において山折り状に折り曲げられ、覆い部自由端が、わずかに下向きになるように構成されている。
第1覆い部72の覆い部自由端は、第1回動部62と略平行に形成され、第1突起部52と第2突起部54の頂点の近くに位置している。すなわち、第1覆い部72の覆い部自由端は、第1突起部52と第2突起部54とを結んだ仮想線上に平行に形成されている。
表紙体10が弾力性を有しているので、第1覆い部72、第2覆い部74及び第3覆い部76は、弾力性を有している。
而して、係止部50を綴じ具410の上側の領域の一部及び下側の領域の一部に係止させるとき、綴じ具410の挟持部材443の表面に第1覆い部72の覆い部自由端が引っ掛かることなく、円滑に、第2覆い部74及び第3覆い部76の凹状部40側の端縁(手前側端42及び向こう側端44)に形成された第1突起部52及び第2突起部54は、綴じ具410の挟持部材443の長さ方向における手前側端縁(挟持部材443の手前側端縁443a)及び向こう側端縁(挟持部材443の向こう側端縁443b)に係止させることをできる。
【0069】
前記第1片12は、前記凹状部40の内側であって、表紙体10を閉じたときに綴じ具410の挟持部材443で被挟止材Hを押さえて座体416との間に挟持する部位より長手自由端22側に位置するように、第1回動部62を形成されている。そして、前記第1回動部62と長手自由端22との間に形成された第1覆い部72は、表紙体10を閉じたときに第1片12側に位置する綴じ具410の表面を覆うように構成されている。
この実施の形態においては、第2覆い部74は、向こう側端が凹状部40を形成する手前側端42により形成され、第3覆い部76は、手前側端が凹状部40を形成する向こう側端44により形成され、手前側端42の第1突起部52と向こう側端44の第2突起部54とが向き合うように突設されている。
第2覆い部74側の第1突起部52は、第2覆い部74の自由端より内部に入った位置において手前側端42に直交するように形成された係合端縁52aと、該係合端縁52aに続いて内側において略々直線状にのびるように形成された頂部端縁52bと、該頂部端縁52bに続いて内側において手前側端42に傾斜するように形成された斜交端縁52cとを備える。
第3覆い部76側の第2突起部54は、第3覆い部76の自由端より内部に入った位置において向こう側端44に直交するように形成された係合端縁54aと、係合端縁54aに続いて内側に略々直線状にのびるように形成された頂部端縁54bと、該頂部端縁54bに続いて内側において向こう側端44に傾斜するように形成された斜交端縁54cとを備える。
【0070】
凹状部40は、第1覆い部72と第2覆い部74及び第3覆い部76とを分ける細い間隙部80を形成され、間隙部80は、手前側の第1間隙部82と向こう側の第2間隙部84とを有している。
第1覆い部72の手前側端縁72aと第2覆い部74の向こう側に形成された手前側端42との間の第1間隙部82は、回動部60の内側に至り、第1覆い部72の向こう側端縁72bと第3覆い部76の手前側に形成された向こう側端44の間の第2間隙部84は、回動部60の内側に至る。
而して、第1突起部52及び第2突起部54は、綴じ具110の挟持部材130に係止するときに、第2覆い部74及び第3覆い部76を下向きに曲げ且つ第1覆い部72を上向きに曲げられるというように、異なる方向に曲げられて、係止することをできる。
【0071】
この実施の形態においては、第2覆い部74は、向こう側端が凹状部40を形成する手前側端42により形成され、第3覆い部76は、手前側端が凹状部40を形成する向こう側端44により形成され、手前側端42の第1突起部52と向こう側端44の第2突起部54とが向き合うように突設されている。
第2覆い部74側の第1突起部52は、第2覆い部74の自由端より内部に入った位置において手前側端42に直交するように形成された係合端縁52aと、該係合端縁52aに続いて内側において略々直線状にのびるように形成された頂部端縁52bと、該頂部端縁52bに続いて内側において手前側端42に傾斜するように形成された斜交端縁52cとを備える。
第3覆い部76側の第2突起部54は、第3覆い部76の自由端より内部に入った位置において向こう側端44に直交するように形成された係合端縁54aと、係合端縁54aに続いて内側に略々直線状にのびるように形成された頂部端縁54bと、該頂部端縁54bに続いて内側において向こう側端44に傾斜するように形成された斜交端縁54cとを備える。
【0072】
凹状部40は、第1覆い部72と第2覆い部74及び第3覆い部76とを分ける細い間隙部80を形成され、間隙部80は、手前側の第1間隙部82と向こう側の第2間隙部84とを有している。
第1覆い部72の手前側端縁72aと第2覆い部74の向こう側に形成された手前側端42との間の第1間隙部82は、回動部60の内側に至り、第1覆い部72の向こう側端縁72bと第3覆い部76の手前側に形成された向こう側端44の間の第2間隙部84は、回動部60の内側に至る。
而して、第1突起部52及び第2突起部54は、綴じ具410の挟持部材443の手前側端縁443a及び向こう側端縁443bに係止するときに、第2覆い部74及び第3覆い部76を下向きに曲げ且つ第1覆い部72を上向きに曲げられるというように、異なる方向に曲げられて、係止することをできる。
【0073】
前記回動部60と長手自由端22との間に形成された第1覆い部72は、表紙体10を閉じたときに第1片12側に位置する綴じ具410の表面に接し合い、綴じ具410の表面の一部を覆うように構成されているので、第1覆い部72が不用意に開かない。表紙体10を閉じたときに第1片12側に位置する綴じ具410の表面を覆うように構成されているので、表紙体10を閉じた状態において狭い隙間等に挿し込み易く、被挟止材Hを覆い、保護することをできる。
【0074】
第2回動部64と長手自由端22との間に形成された第2覆い部74は、表紙体10を閉じたときに、第2片14の内側の表面に長手自由端22が近づくか又は接し合うように構成されている。
第3回動部66と長手自由端22との間に形成された第3覆い部76は、表紙体10を閉じたときに、第2片14の内側の表面に長手自由端22が近づくか又は接し合うように構成されている。
而して、第2覆い部74及び第3覆い部76は、不用意に開かない。表紙体10を閉じた状態において狭い隙間等に挿し込んだときにも、第1片12の開放端縁20と第2片14の開放端縁30とが鋭角状となり、挿し込み易く、且つ被挟止材Hを覆い、保護することをできる。特に、被挟止材Hが第1片12と第2片14とを合わせた広さを有する大きさの用紙等であっても、図5において示すように、介在片16の近くの被挟止材Hの中央付近で二つ折りにしたときのように、被挟止材Hの厚さが厚くなったときにおいても、第1覆い部72、第2覆い部74及び第3覆い部76は、被挟止材Hの端を覆い、保護することができる。
又、第1覆い部72、第2覆い部74及び第3覆い部76により厚い被挟止材Hの端縁を内側すなわち回動部60側に寄せて、第2覆い部74及び第3覆い部76に形成された第1突起部52及び第2突起部54を挟持部材443に係止させて、第1片12を第2片14に閉止させることができる。
【0075】
綴じ具410について、以下説明する。
この発明の表紙体10にかかる綴じ具410は、ファイル・バインダー類の表紙体10に用いられる物であって、用箋等の被挟止材Hに当接される表紙体10の第2片14に、その足部412及び足部414の根元近傍で固定され、且つ、その被挟止材Hに貫挿された足部412及び足部414を、被挟止材Hを第2片14に向けて押さえる挟持部材443に貫挿させるように形成されている。
挟持部材443は、断面略方形状で平面視長方形状の薄板により構成されている。
【0076】
この綴じ具410は、2穴型で、上下一対の足部412と足部414とを備え、前記足部412及び足部414は、各々根元近傍において座体416に延設されている。
【0077】
足部412及び足部414は、被挟止材Hの厚さより若干高い長さを有する、撓めることが可能で復元力のある柱状体418、この実施の形態においてはコイルばねからなる円柱状体を備える。
そして、足部412及び足部414は、被挟止材Hの綴じ孔H1及び挟持部材443の貫挿孔445に貫挿される形状で、前記柱状体418の外周を被覆し、且つ、挟持部材443の貫挿孔445に貫挿されて、挟持部材443の係止部447に係止されるように、柱状体418より長く形成された、柔軟性を有する管状の足本体420を備える。柱状体418は、鋼線をコイル形に密着させて巻いてなる密着バネ(引張りコイルバネ)で形成される。
【0078】
座体416は、前記足本体420に一体成形され、前記柱状体418を貫挿するための貫通孔422が形成されて、第2片14に固定されるように、その全体が適宜な幅及び長さを有する一定の面積を備え、第2片14に取り付けられる面が形成されている。
また、座体416は、一対の足部412と足部414との間隔よりも長く上下方向に延びる長さ方向を備える長方形状で、足本体420と柔軟性を有する合成樹脂、例えば、P.P.(ポリプロピレン)またはEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)で一体成形されてなる。
【0079】
足本体420は、略中央まで略円筒状の円柱状体で、その先端には中央がやや膨み先端が細く突き出た頭部が形成されている。
そして、足本体420は、柱状体418を貫挿するための中空部424が形成され、中空部424は、足本体420の根元から足本体420の中央よりやや上側まで連続して形成され、被挟止材Hの厚さより若干高い長さに形成される。そして、足本体420は、中空部424の上端から頭部に至るまで中実状に形成され、中空部424が形成されていない。
座体416の貫通孔422と中空部424とは、略同一の直径の平面円形であり、連通されている。また、中空部424は、柱状体418が密着バネのため、後述するように足本体420をわん曲させたときに柱状体418の全長が延びるので、柱状体418の延びを含めた長さ(深さ)にしている。
【0080】
複数の足部412と足部414とは、ファイル・バインダー類の規格(例えば、日本工業規格)に合う間隔をおいて、座体416から突き出し設けられている。
そして、コイルばねからなる柱状体418は、図16及び17において示すように、上方に伸び、座体416の裏面側から座体416の貫通孔422より足本体420の中空部424内に貫挿される。そして、足本体420の根元部から上方に伸びる柱状体418が、被挟止材Hの厚さより若干高い長さを有するので、柱状体418の存在する部位で折り曲げ且つ挟持部材443に係止されて被挟止材Hを綴じた状態で長く保管した後、綴じ具410から被挟止材Hを外したときには、柱状体418の作用により、元の状態に復元し、綴じ具410の足部412及び足部414が直立状となる。
【0081】
綴じ具410を、この発明にかかるファイル・バインダー類の表紙体10に取り付けるには、ファイル・バインダー類の表紙体10を構成する裏表紙を構成する第2片14に貫設された貫挿孔445に第1片12と第2片14を貫挿し、座体416を第2片14の外表面に密接させて固定される。
【0082】
第1片12の手前側(下側)の第1突起部52は、綴じ具110の長さ方向における手前側端である、挟持部材443の手前側(下側)端縁443aの下面に係止される。すなわち、挟持部材443の手前側(下側)端縁443aの下面と第2片14の内面との間に挿入されて、挟持部材443に係止される。
又、第1片12の向こう側(上側)の第2突起部54は、綴じ具110の長さ方向における向こう側端である、挟持部材443の向こう側(上側)端縁443bの下面に係止される。すなわち、挟持部材443の向こう側(上側)端縁443bの下面と第2片14の内面との間に挿入されて、挟持部材443に係止される。
そして、第1覆い部72の覆い部自由端は、挟持部材443の上面において、第1突起部52と第2突起部54と結んだ仮想線上の近くに位置して、挟持部材443の上面を略々半分覆う。
【0083】
更に、表紙体10は、曲折部18の近傍に、表紙体10を閉じることによって綴じられた用紙等の被挟止材Hをほぼ中央部分において正確に折り畳むための被挟止材保持機構620を付設してもよい。
以下、被挟止材保持機構620について、主として、図19ないし24に基づいて説明する。
【0084】
被挟止材保持機構620は、表紙体10の手前側と向こう側とに上下一対形成されており、手前側の被挟止材保持機構620と向こう側の被挟止材保持機構620とは点対称に形成されている。
【0085】
曲折部16の近くに表紙体10に挟み綴じられる用紙等の被挟止材Hの中央を押え付けるための被挟止材保持機構620は、前記曲折部16に跨って形成された折曲保持部622を備えている。
折曲保持部622は、ポリプロピレン等の軟質の合成樹脂で、帯状に形成されている。
前記折曲保持部622は、薄い帯状体で、その両端より外方に、表紙体10の表面に固定するための、一定の面積を有する固定部630を延設され、折曲保持部622と固定部630とは、軟質合成樹脂で一体成形されている。
【0086】
以下、被挟止材保持機構620について、手前側の被挟止材保持機構620を中心にして説明する。
前記折曲保持部622は、長さ方向における中央に形成された押曲部650を境にして、第1折曲保持領域622Aと第2折曲保持領域622Bとに分かれている。
前記折曲保持部622は、前記表紙体10を構成する第1片12と第2片14とを曲折部16において曲折して近づけたときに、押曲部650を中心にして、表紙体10の前記曲折部16に向いて屈曲するように形成されている。
折曲保持部622は、平面視略C字型で、第1折曲保持領域622A及び第2折曲保持領域622Bは、線対称形である。
第1折曲保持領域622Aは、末端より中央の押曲部650に到るに従って太くなり、末端と中央の押曲部650との間に最も細くなるくびれ部624aを備える。第2折曲保持領域622Bは、末端より中央の押曲部650に到るに従って太くなり、末端と中央の押曲部650との間に最も細くなるくびれ部624bを備える。
この実施の形態においては、くびれ部624a及びくびれ部624bは、表紙体10を開いた状態においては、表紙体10を構成する第1固定片630a並びに第2固定片630b及び起立倒伏部640より上方に位置し、被挟止材保持機構620の中央は、表紙体10を開いた状態においては、くびれ部624a及びくびれ部624bより上方に位置している。
【0087】
固定部630は、折曲保持部622の一方端に形成された第1固定片630aと折曲保持部622の他方端に形成された第2固定片630bとを備える。
手前側の被挟止材保持機構620の第1固定片630aは、表紙体10の外方で曲折部16の傍らにおいて、第1片12の内面と固着され、手前側の被挟止材保持機構620の第2固定片630bは、表紙体10の外方で曲折部16の傍らにおいて、第2片14の内面に固着されている。
【0088】
前記折曲保持部622は、その両端に、前記第1片12と第2片14とを曲折部16を中心にして起き上がり、第1片12と第2片14とを閉じるときに、第1片12の内面と第2片14の内面とが近づくに従って、前記折曲保持部622を起立させ且つ倒伏させるための起立倒伏部640を形成されている。
【0089】
前記起立倒伏部640は、薄肉直線部をもって構成され、第1折曲保持領域622Aと第1固定片630aとの境界に形成された第1起立倒伏部640Aと、第2折曲保持領域622Bと第2固定片630bとの境界に形成された第2起立倒伏部640Bとを備える。
起立倒伏部640は、折曲保持部622が倒伏する方向(手前側から向こう側に向かう方向)とは反対の方向(手前側に向かう方向)に向かうに従って曲折部16とは離れる角度をもって形成されている。
第1起立倒伏部640Aと第2起立倒伏部640Bとは、起立倒伏部640の起立する方向とは反対側に向かうに従って、拡がる角度を有する。
第1起立倒伏部640Aと第2起立倒伏部640Bとは、表紙体10の内方に向かうに従って、曲折部16に近づく。
この実施の形態においては、第1起立倒伏部640Aは、向こう側(内側)の端部642aが曲折部16に近く、手前側(外側)の端部644aが曲折部16と離れている。又、第2起立倒伏部640Bは、向こう側(内側)の端部642bが曲折部16に近く、手前側(外側)の端部644bが曲折部16と離れている。
向こう側の端部642aと向こう側の端部642bとは、第1片12及び第2片14の手前側の端縁より等距離離れ、又、手前側の端部644aと手前側の端部644bとは、第1片12及び第2片14の手前側の端縁より等距離離れている。
而して、表紙体10を閉じたとき、向かい合った手前側の端部644a及び手前側の端部644bが向かい合った向こう側の端部642a及び向こう側の端部642bより大きな角度をもって起き上がり、近づくことになる。
【0090】
前記折曲保持部622は、その両端の間に、前記第1片12と第2片14とを近づけて前記折曲保持部622を起立し、曲折部16に向けて倒伏したときに、前記曲折部16に向いて被挟止材Hを押さえ付け、且つ前記折曲保持部622及び被挟止材Hを曲げるための押曲部650を備える。
【0091】
押曲部650は、折曲保持部622の中央において、手前側端縁(外側端縁)から向こう側端縁(内側端縁)に亘って形成された薄肉状直線部をもって構成されている。
押曲部650は、表紙体10の曲折部16と平行に形成されており、曲折部16を構成する2条の直線状薄肉部と略平行に形成されている。
手前側の被挟止材保持機構620の押曲部650の向こう側端(内側端)は、表紙体10を開いた状態においては、第1起立倒伏部640Aの向こう側(内側)の端部642aと第2起立倒伏部640Bの向こう側(内側)の端部642bとを結んだ線の上方に位置している。
手前側の被挟止材保持機構620の押曲部650の手前側端(外側端)は、表紙体10を開いた状態においては、第1起立倒伏部640Aの手前側(外側)の端部644aと第2起立倒伏部640Bの手前側(外側)の端部644bとを結んだ線より手前側(内側)に位置し、表紙体10の手前側端縁(外側端縁)より外方にはみ出した位置に位置している。
【0092】
折曲保持部622は、その両端より中央に向かうに従って上方に向けて盛り上がり、表紙体10の第1片12と第2片14とを閉じたときに、第1起立倒伏部640Aと第2起立倒伏部640Bとが近づくに従って、固定部630より盛り上がっていた押曲部650が下方に向けて谷折り状に折れ曲がって下降し、被挟止材Hの上端縁及び下端縁の中央を押さえ付けて曲折部16に向けて下降するように構成されている。
この実施の形態においては、固定部630において表紙体10に固着される前においては、図24において示すように、第1固定片630aと第2固定片630bとの間隔は、表紙体10に固着される前より広く、折曲保持部622の上方への盛り上がりは、表紙体10に固着される前より低く形成されている。そして、第1固定片630aと第2固定片630bとの間隔を狭めて、表紙体10の第1片12と第2片14とに固着したとき、折曲保持部622は、より上方に盛り上がるように構成されている。
【0093】
前記表紙体10の曲折部16は、傍らに、被挟止材Hを正しい位置に位置させて押曲部650により正確に曲げられるための被挟止材停止部660を形成されている。
被挟止材停止部660は、第1固定片630aと第2固定片630bの下端の近くにおいて上方(すなわち折曲保持部622の盛り上がる方向)に向いて突設された平面視方形ないしは逆U字形の突片で構成されている。
この実施の形態においては、被挟止材停止部660は、第1固定片630aの上面に突設された第1突片662aと、第2固定片630bの上面に突設された第2突片662bとにより構成されている。第2突片662bは、被挟止材Hを綴じ具110にて綴じるときに、被挟止材Hの下端縁を保持して、被挟止材Hが表紙体10の表面の最適な位置に載置されるように構成されている。
第1固定片630aの第1突片662a及び第2固定片630bの第2突片662bの向こう側面は、表紙体10の下端縁と平行である。
第2突片662bの手前側には凹みを形成されている。而して、第2突片662bにより、被挟止材Hの下端縁は表紙体10の下端縁と平行な状態で、表紙体10の表面に載置される。
第1突片662aは、第1固定片630aに一体成形され、第2突片662bは、第2固定片630bに一体成形されている。
第1突片662aは、表紙体10を閉じたとき、第2突片662bの手前側の凹みの下部に入り込み、第2突片662bを支えるとともに被挟止材Hの垂れ下がりを防止している。
【0094】
次に、被挟止材保持機構620を表紙体10の向こう側に取り付けられたときについて、概略的に説明する。
【0095】
向こう側の被挟止材保持機構620の第1固定片630aは、表紙体10の外方で曲折部16の傍らにおいて、第2片14の内面と固着され、向こう側の被挟止材保持機構620の第2固定片630bは、表紙体10の外方で曲折部16の傍らにおいて、第1片12の内面に固着されている。
【0096】
起立倒伏部640は、折曲保持部622が倒伏する方向(向こう側から手前側に向かう方向)とは反対の方向(向こう側に向かう方向)に向かうに従って曲折部16とは離れる角度をもって形成されている。
第1起立倒伏部640Aと第2起立倒伏部640Bとは、起立倒伏部640の起立する方向とは反対側に向かうに従って、拡がる角度を有する。
第1起立倒伏部640Aと第2起立倒伏部640Bとは、表紙体10の内方に向かうに従って、曲折部16に近づく。
この実施の形態においては、第1起立倒伏部640Aは、手前側(内側)の端部642aが曲折部16に近く、向こう側(外側)の端部644aが曲折部16と離れている。又、第2起立倒伏部640Bは、手前側(内側)の端部642bが曲折部16に近く、向こう側(外側)の端部644bが曲折部16と離れている。
手前側の端部642aと手前側の端部642bとは、第1片12及び第2片14の向こう側の端縁より等距離離れ、又、向こう側の端部644aと向こう側の端部644bとは、第1片12及び第2片14の向こう側の端縁より等距離離れている。
而して、表紙体10を閉じたとき、向かい合った向こう側の端部644a及び向こう側の端部644bが向かい合った手前側の端部642a及び手前側の端部642bより大きな角度をもって起き上がり、近づくことになる。
【0097】
押曲部650は、折曲保持部622の中央において、向こう側端縁(外側端縁)から手前側端縁(内側端縁)に亘って形成された薄肉状直線部をもって構成されている。
押曲部650は、表紙体10の曲折部16と平行に形成されており、曲折部16を構成する2条の直線状薄肉部と略平行に形成されている。
向こう側の被挟止材保持機構620の押曲部650の手前側端(内側端)は、表紙体10を開いた状態においては、第1起立倒伏部640Aの手前側(内側)の端部642aと第2起立倒伏部640Bの手前側(内側)の端部642bとを結んだ線の上方に位置している。
向こう側の被挟止材保持機構620の押曲部650の向こう側端(外側端)は、表紙体10を開いた状態においては、第1起立倒伏部640Aの向こう側(外側)の端部644aと第2起立倒伏部640Bの向こう側(外側)の端部644bとを結んだ線より向こう側(内側)に位置し、表紙体10の向こう側端縁(外側端縁)より外方にはみ出した位置に位置している。
【0098】
第2突片662bは、被挟止材Hを綴じ具110にて綴じるときに、被挟止材Hの上端縁を保持して、被挟止材Hが表紙体10の表面の最適な位置に載置されるように構成されている。
第1固定片630aの第1突片662a及び第2固定片630bの第2突片662bの手前側面は、表紙体10の下端縁と平行である。第2突片662bの向こう側には凹みを形成されている。而して、第2突片662bにより、被挟止材Hの下端縁は表紙体10の下端縁と平行な状態で、表紙体10の表面に載置される。
第1突片662aは、第1固定片630aに一体成形され、第2突片662bは、第2固定片630bに一体成形されている。第1突片662aは、表紙体10を閉じたとき、第2突片662bの向こう側の凹みの下部に入り込み、第2突片662bを支えるとともに被挟止材Hの垂れ下がりを防止している。
【0099】
次に、この発明にかかる図19ないし26に図示されたファイルの使用方法について説明する。
ファイルを構成する表紙体10を開き、例えば、被挟止材Hである日本工業規格(JIS規格)A列3番の大きさの用紙を第1片12を構成する表表紙及び第2片14を構成する裏表紙の内面の上に載置し、綴じ具110に左端縁を綴じる。
そのとき、被挟止材Hである日本工業規格(JIS規格)A列3番の大きさの用紙の下端縁を、被挟止材停止部660を構成する第1突片662a及び第2突片662bの向こう側面に沿わせ、被挟止材Hの幅方向における中央(折り曲げる部位)を曲折部16の上に位置させる。
被挟止材Hの上端縁及び下端縁は、表紙体10の上端縁及び下端縁と略平行に載置され、且つ被挟止材Hの左端縁及び右端縁を、表紙体10の左端縁及び右端縁と平行に載置される。
次に、表紙体10を構成する第2片14を曲折部16において折り曲げて、第1片12に向けて近づける。
そのとき、被挟止材保持機構620は、第2片14の回動動作に従って、第2起立倒伏部640B側を第1起立倒伏部640A側に近づけると、起ち上がって上方に位置していた折曲保持部622の中央が第1起立倒伏部640Aと第2起立倒伏部640Bとの間の幅が狭くなるに従って、表紙体10の内方に向けて、倒伏する。
そして、折曲保持部622の中央の押曲部650が被挟止材Hの上面に接面し、曲折部16側に被挟止材Hを押し付けると、二つ折りにされた被挟止材Hの幅方向における中央において、被挟止材Hは、折り曲げられる。
而して、被挟止材Hは、幅方向における中央において、美麗に且つ正確に折り曲げられ、表紙体10の中に綴じられる。
そして、被挟止材Hの下端縁は、折曲保持部622及び被挟止材停止部660で保持されるので、下方に垂れ下がることもない。
【0100】
この発明は、前記実施の形態に関する発明に限らず、この発明の思想に基づき種々変更が可能である。
例えば、綴じ具110は、第2片14の上側自由端36に付設され、それに対応して、凹状部40及び係止部50は、第2片14の上側自由端36に形成されてもよい。
【符号の説明】
【0101】
10 表紙体
12 第1片
14 第2片
14a 取り付け孔
16 介在片
18 曲折部
20 開放端縁(第1片の)
22,32 長手自由端
24,34 下側自由端
26,36 上側自由端
30 開放端縁(第2片の)
40 凹状部
42 手前側端
44 向こう側端
50 係止部
52 第1突起部
52a 係合端縁
52b 頂部端縁
52c 斜交端縁
54 第2突起部
54a 係合端縁
54b 頂部端縁
54c 斜交端縁
60 回動部
62 第1回動部
64 第2回動部
66 第3回動部
70 覆い部
72 第1覆い部
72a 手前側端縁
72b 向こう側端縁
74 第2覆い部
76 第3覆い部
80 間隙部
82 第1間隙部
84 第2間隙部
110,310,410 綴じ具
120 台板
120a 取り付け孔
122 突出部
124 トーションばね
130 挟持部材
130a 手前側端縁
130b 向こう側端縁
130c 凸部
132 挟持部
134 開用押圧部
140 係止部材
142 係止用押圧部
144 解除用押圧部
146 係止部
150 固着材
312 基台
314 支持体
316,318 アーム枢支部
320 軸受部
322,324 連結アーム
326 挟持部材
328 支持軸
330 バネ部材
330a 作動腕
332 操作レバー
332a 手前側端縁
334 操作レバー本体
336 突条
336a 係止部
338 整列部材
340 取り付け孔
342 固着材
350 突起
443 挟持部材
443a 手前側端縁
443b 向こう側端縁
445 貫挿孔
447 係止部
412,414 足部
416 座体
418 柱状体
420 足本体
422 貫通孔
424 中空部
620 被挟止材保持機構
622 折曲保持部
622A 第1折曲保持領域
622B 第2折曲保持領域
624a,624b くびれ部
630 固定部
630a 第1固定片
630b 第2固定片
640 起立倒伏部
640A 第1起立倒伏部
640B 第2起立倒伏部
642a,642b 向こう側の端部
644a,644b 手前側の端部
650 押曲部
660 被挟止材停止部
662a 第1突片
662b 第2突片
H 被挟止材
1 綴じ孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1片と、前記第1片に曲折部を介して連設された第2片とを有し、前記第2片に綴じ具を設けられた表紙体において、
前記綴じ具は、綴じ具構成材により構成され、
前記第1片は、開放端縁に、第2片の開放端縁に又は開放端縁の近くに設けられた綴じ具の綴じ具構成材の一部に係止される係止部を形成され、
前記係止部は、表紙体を閉じたときに前記綴じ具の綴じ具構成材に係止され、表紙体を開いたときに前記綴じ具の綴じ具構成材より脱離するように構成された、表紙体。
【請求項2】
前記第1片は、
第1片の開放端縁における高さ方向の領域に、第2片に設けられた綴じ具を緩挿する凹状部を形成され、
前記凹状部は、その高さ方向における向き合う端縁に係止部を形成され、
前記係止部は、綴じ具における高さ方向の領域の一部に係止されるように形成され、
又は、
第1片の開放端縁における幅方向の領域に、第2片に設けられた綴じ具を緩挿する凹状部を形成され、
前記凹状部は、その幅方向における向き合う端縁に係止部を形成され、
前記係止部は、綴じ具における幅方向の領域の一部に係止されるように形成された、請求項1に記載の表紙体。
【請求項3】
前記第1片は、係止部を設けられた開放端縁に近い領域に、表紙体を閉じたときに第2片の内側の表面及び/又は表紙体を閉じたときに第1片側と対向する綴じ具の表面に、第1片の開放端縁を近づけるか又は接し合わせるための回動部を形成され、前記回動部と開放端縁との間が回って第2片の内側の表面及び/又は表紙体を閉じたときに第1片側に位置する綴じ具の表面に、自由端が近づくか又は接し合うように構成された、請求項1又は請求項2に記載の表紙体。
【請求項4】
前記綴じ具は、長さ方向及び幅方向にのびる領域を有し、
綴じ具の長さ方向は、表紙体の開放端縁に沿ってのびるように、第2片に固定され、前記凹状部は、前記綴じ具の長さ方向の領域と同等又はそれより長い長さを備え、
前記係止部は、前記凹状部の長さ方向における向こう側端と手前側端とに向き合うように突設された突起部を有し、
前記係止部の突起部は、綴じ具の長さ方向における向こう側の端及び手前側の端に係止されるように形成された、請求項2又は請求項3に記載の表紙体。
【請求項5】
前記第1片は、前記凹状部の内側であって、表紙体を閉じたときに綴じ具の挟持部より自由端側に位置するように、回動部を形成され、
前記回動部と自由端との間に形成された覆い部は、表紙体を閉じたときに第1片側に位置する綴じ具の表面を覆うように構成された、請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の表紙体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2013−95095(P2013−95095A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241500(P2011−241500)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000115821)株式会社リヒトラブ (93)
【Fターム(参考)】