表裏反転装置
【課題】長さの異なる紙葉類の取り扱いを改善して、規定に適合しない長さの紙葉類が挿入された場合の障害のリスクを低減させること。
【解決手段】第1搬送路及び第2搬送路と、反転用搬送路を有する反転機構と、紙葉類を上記第1搬送路から上記反転用搬送路へ取り込む取込ローラと、上記紙葉類を上記反転用搬送路から上記第2搬送路へ排出する排出ローラと、上記反転機構の上記反転用搬送路に取り込まれた上記紙葉類の後端の向きを上記第1搬送路から上記第2搬送路へ切り替える切替ローラと、を備え、上記反転機構は、取り込まれる上記紙葉類の前端に接触し、弾性力により上記紙葉類を上記反転用搬送路からの排出方向に付勢するリミッタと、上記リミッタが上記反転用搬送路の取込方向に第1の距離を超えて移動する場合に、上記リミッタを上記反転用搬送路上から離脱させるガイドと、をさらに有する、表裏反転装置を提供する。
【解決手段】第1搬送路及び第2搬送路と、反転用搬送路を有する反転機構と、紙葉類を上記第1搬送路から上記反転用搬送路へ取り込む取込ローラと、上記紙葉類を上記反転用搬送路から上記第2搬送路へ排出する排出ローラと、上記反転機構の上記反転用搬送路に取り込まれた上記紙葉類の後端の向きを上記第1搬送路から上記第2搬送路へ切り替える切替ローラと、を備え、上記反転機構は、取り込まれる上記紙葉類の前端に接触し、弾性力により上記紙葉類を上記反転用搬送路からの排出方向に付勢するリミッタと、上記リミッタが上記反転用搬送路の取込方向に第1の距離を超えて移動する場合に、上記リミッタを上記反転用搬送路上から離脱させるガイドと、をさらに有する、表裏反転装置を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表裏反転装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、券、紙幣又は伝票などを含む紙葉類を取り込み、取り込んだ紙葉類の表裏を反転させてこれを排出する表裏反転装置が知られている。例えば、乗車券又は入場券などのチケットの発券の際に使用される券印刷機は、内部に表裏反転装置を有し、挿入される券の状態に応じて券の表裏を反転させることにより、券の表裏を必ず印字面が一定の方向を向くように揃える。また、例えば、交通機関に設けられる自動改札機も、内部に表裏反転装置を有し、乗客が挿入する券の状態に応じて券の表裏を反転させることにより、券に記録された情報を小型の機械でエラーなく読み取ることを可能とする(例えば、下記特許文献1参照)。
【0003】
既存の表裏反転装置の多くは、いわゆるスイッチバック方式を採用している。スイッチバック方式の表裏反転装置は、典型的には、反転用搬送路あるいはプール部に紙葉類を取り込み、取り込んだ紙葉類を裏返しながら、取り込み時とは逆の方向にこれを搬送する。その結果、表裏が反転された紙葉類が排出される(例えば、下記特許文献2及び3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平3−29073号公報
【特許文献2】特開2009−18888号公報
【特許文献3】特開平9−110265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、既存のスイッチバック方式の表裏反転装置には、取り扱うことのできる紙葉類の長さに制約があった。例えば、上記特許文献2に記載された表裏反転装置において、紙葉類が取り込まれる反転プール部の深さは固定されている。従って、反転プール部の深さと比較して短すぎる紙葉類が取り込まれた場合には、反転ローラが紙葉類を排出することができない。また、反転プール部の深さと比較して長すぎる紙葉類が挿入された場合には、紙葉類の後端が反転プール部に取り込まれず、ジャム(詰まり)などの障害が発生する恐れがある。
【0006】
これに対し、上記特許文献3に記載された表裏反転装置は、反転用搬送路に設けられたストッパの位置がスプリングの弾性により移動し得るため、長さの異なる紙葉類を比較的柔軟に取り扱うことができる。しかし、この場合も、紙葉類の排出方向に働くスプリングの弾性力は、フックの法則に従い、スプリングの伸びに応じて強くなる。また、スプリングの伸びにも限界がある。そのため、一定の長さを超える紙葉類が挿入されると、ローラの搬送力が強い場合にはその搬送力とスプリングの弾性力とにより紙葉類が折れ曲がり、又は搬送力が弱い場合には紙葉類が案内ローラを通過できずにジャムが生じるなど、装置の内部で障害が発生する可能性を排除できない。
【0007】
そこで、本発明は、長さの異なる紙葉類の取り扱いを改善して、規定に適合しない長さの紙葉類が挿入された場合の障害のリスクを低減させる、新規かつ改良された表裏反転装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある実施形態によれば、紙葉類の表裏を反転させるための表裏反転装置であって、上記紙葉類を搬入する第1搬送路と、上記紙葉類の搬送方向を反転させる反転用搬送路を有する反転機構と、上記紙葉類を搬出する第2搬送路と、上記紙葉類を上記第1搬送路から上記反転用搬送路へ取り込む取込ローラと、上記紙葉類を上記反転用搬送路から上記第2搬送路へ排出する排出ローラと、上記取込ローラ及び上記排出ローラの間に設けられ、上記反転機構の上記反転用搬送路に取り込まれた上記紙葉類の後端の向きを上記第1搬送路から上記第2搬送路へ切り替える切替ローラと、を備え、上記反転機構は、上記取込ローラにより取り込まれる上記紙葉類の前端に接触し、弾性力により上記紙葉類を上記反転用搬送路からの排出方向に付勢するリミッタと、上記リミッタが上記弾性力に抗して上記反転用搬送路の取込方向に第1の距離を超えて移動する場合に、上記リミッタを上記反転用搬送路上から離脱させるガイドと、をさらに有する、表裏反転装置が提供される。
【0009】
かかる構成によれば、所定の長さを超えない紙葉類が上記表裏反転装置に搬入される場合には、上記取込ローラが紙葉類を上記反転機構の上記反転用搬送路へ取り込み、上記反転用搬送路に取り込まれた紙葉類を上記リミッタが弾性力により付勢する。そして、紙葉類が上記反転用搬送路へ完全に取り込まれて上記取込ローラによる搬送力を失うと、上記リミッタにより付勢される弾性力により紙葉類の搬送方向が反転する。そして、上記切替ローラが紙葉類の取込方向の後端(排出方向の前端)の向きを切り替えた後、上記取込ローラが紙葉類を上記反転用搬送路から排出する。また、所定の長さを超える紙葉類が上記表裏反転装置に搬入される場合には、上記リミッタが紙葉類に押されながら上記弾性力に抗して上記反転用搬送路の取込方向に上記第1の距離を超えて移動し、上記ガイドが上記リミッタを上記反転用搬送路上から離脱させる。
【0010】
また、上記ガイドは、上記リミッタが上記第1の距離よりも短い第2の距離を超えて移動する場合に、上記反転用搬送路の外部に位置する上記リミッタの回転軸を中心として上記リミッタを回動させてもよい。
【0011】
また、上記リミッタは、上記反転用搬送路上で上記紙葉類の上記前端に接触する接触部と、上記反転用搬送路と並行して設けられる上記ガイドの溝に係合される上記回転軸と、を有し、上記リミッタの上記接触部及び上記回転軸は、上記ガイドの溝に沿って移動可能であり、上記ガイドの溝は、上記第2の距離まで移動した上記リミッタの上記回転軸を係止してもよい。
【0012】
また、上記反転機構は、上記紙葉類が上記反転用搬送路上で取込方向に上記第1の距離を超えて移動したことを検知するセンサと、上記センサの出力に応じて警報を発するアラームと、をさらに有してもよい。
【0013】
また、上記表裏反転装置は、上記リミッタ及び上記ガイドの組をそれぞれ有する2つの上記反転機構と、搬入される上記紙葉類の長さに応じて、上記紙葉類を取り込む反転機構を第1の反転機構及び第2の反転機構の間で切り替える切替ユニットと、をさらに備えてもよく、上記切替ユニットによる切替点から上記第1の反転機構の上記反転用搬送路上の上記リミッタの離脱点までの長さと、上記切替点から上記第2の反転機構の上記反転用搬送路上の上記リミッタの離脱点までの長さとは異なってもよい。
【0014】
また、本発明の別の実施形態によれば、紙葉類の表裏を反転させるための表裏反転装置であって、上記紙葉類を搬入する第1搬送路と、上記紙葉類の搬送方向を反転させる反転用搬送路をそれぞれ有する2つの反転機構と、上記紙葉類を搬出する第2搬送路と、搬入される上記紙葉類の長さに応じて、上記紙葉類を取り込む反転機構を第1の反転機構及び第2の反転機構の間で切り替える切替ユニットと、上記紙葉類を上記第1搬送路から上記切替ユニットの切替点へ取り込む取込ローラと、上記紙葉類を上記切替点から上記第2搬送路へ排出する排出ローラと、上記取込ローラ及び上記排出ローラの間に設けられ、上記第1の反転機構又は上記第2の反転機構の上記反転用搬送路に取り込まれた上記紙葉類の後端の向きを上記第1搬送路から上記第2搬送路へ切り替える切替ローラと、を備え、上記第1の反転機構及び上記第2の反転機構は、上記取込ローラにより取り込まれる上記紙葉類の前端に接触し、弾性力により上記紙葉類を上記反転用搬送路からの排出方向に付勢するリミッタ、をそれぞれさらに有し、上記第1の反転機構により取込可能な上記紙葉類の長さと、上記第2の反転機構により取込可能な上記紙葉類の長さとは異なる、表裏反転装置が提供される。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明に係る表裏反転装置によれば、長さの異なる紙葉類の取り扱いを改善して、規定に適合しない長さの紙葉類が挿入された場合の障害のリスクを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に関連する表裏反転装置の構成の一例を示す構成図である。
【図2】図1に示した表裏反転装置の第1の動作例を説明するための説明図である。
【図3】図1に示した表裏反転装置の第1の動作例を説明するための説明図である。
【図4】図1に示した表裏反転装置の第2の動作例を説明するための説明図である。
【図5】図1に示した表裏反転装置の第2の動作例を説明するための説明図である。
【図6】図1に示した表裏反転装置の第2の動作例を説明するための説明図である。
【図7】切替ローラ及び取込ローラの配置の一例を説明するための説明図である。
【図8】切替ローラ及び排出ローラの配置の一例を説明するための説明図である。
【図9】図1に示した表裏反転装置の動作の流れの一例を示すフローチャートである。
【図10】図1に示した表裏反転装置による表裏反転動作の詳細な流れの一例を示すフローチャートである。
【図11】第1の実施形態に係る表裏反転装置の構成の一例を示す構成図である。
【図12】第1の実施形態に係る表裏反転装置の動作例を説明するための説明図である。
【図13】第1の実施形態に係る表裏反転装置の動作例を説明するための説明図である。
【図14】第1の実施形態に係る表裏反転装置の動作例を説明するための説明図である。
【図15】第1の実施形態に係る表裏反転装置による動作の詳細な流れの一例を示すフローチャートである。
【図16】第2の実施形態に係る表裏反転装置の構成の一例を示す構成図である。
【図17】第2の実施形態に係る表裏反転装置の第1の動作例を説明するための説明図である。
【図18】第2の実施形態に係る表裏反転装置の第2の動作例を説明するための説明図である。
【図19】第2の実施形態に係る表裏反転装置による動作の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付すことにより重複説明を省略する。
【0018】
<1.反転機構の基本的な原理>
まず、図1〜図10を用いて、本発明に関連する表裏反転装置の反転機構の基本的な原理について説明する。本発明に関連する表裏反転装置の反転機構は、いわゆるスイッチバック方式を採用した反転機構である。
【0019】
[1−1.装置の構成例]
図1は、本発明に関連する一例としての表裏反転装置1の構成を示す構成図である。図1を参照すると、表裏反転装置1は、第1搬送路12、第2搬送路14、第1プレッシャローラ22、第1搬送ローラ24、第2プレッシャローラ26、第2搬送ローラ28、取込用ソレノイド30、取込用ブレード32、取込ローラ42、排出ローラ44、切替ローラ46、及び反転機構50を備える。また、反転機構50は、反転用搬送路16、リミッタ52及びスプリング60を有する。表裏反転装置1は、例えば、乗車券若しくは入場券などのチケットの発券の際に使用される券印刷機、又は交通機関に設けられる自動改札機などに内蔵される装置であってよい。
【0020】
第1搬送路12は、図1の右方に位置する表裏反転装置1の内部又は外部の搬入口(図示せず)から第1プレッシャローラ22及び第1搬送ローラ24の間を経由して取込用ブレード32の方向へ向かう搬送路である。第1搬送路12は、切替ローラ46の上方で第2搬送路14と接続される。また、第1搬送路12は、切替ローラ46と取込ローラ42との間を経由して反転機構50の反転用搬送路16と接続される。
【0021】
第2搬送路14は、第2プレッシャローラ26及び第2搬送ローラ28の間を経由して図1の左方に位置する表裏反転装置1の内部又は外部の搬出口(図示せず)へ向かう搬送路である。第2搬送路14は、切替ローラ46と排出ローラ44との間を経由して反転機構50の反転用搬送路16と接続される。
【0022】
第1プレッシャローラ22及び第1搬送ローラ24は、第1搬送路12に搬入される紙葉類を上下から挟み込む位置に配設される。図1において、第1搬送ローラ24は、反時計回りに回転し、第1搬送路12に搬入される紙葉類を第2搬送路14又は反転用搬送路16の方向へ搬送する。第1プレッシャローラ22は、第1搬送ローラ24上で搬送される紙葉類を上方から押圧して時計回りに回転する。
【0023】
第2プレッシャローラ26及び第2搬送ローラ28は、第2搬送路14から搬出される紙葉類を上下から挟み込む位置に配設される。図1において、第2搬送ローラ28は、反時計回りに回転し、第1搬送路12又は反転用搬送路16から搬送されてくる紙葉類を第2搬送路14から搬出する方向へ搬送する。第2プレッシャローラ26は、第2搬送ローラ28上で搬送される紙葉類を上方から押圧して時計回りに回転する。
【0024】
取込用ブレード32は、第1搬送路12が第2搬送路14及び反転用搬送路16へ分岐する地点に設けられる。取込用ブレード32の姿勢は、取込用ソレノイド30から発生される駆動力により、姿勢32a又は姿勢32bのいずれかに制御される。取込用ブレード32の姿勢が姿勢32aであれば、第1搬送路12から搬送される紙葉類は、切替ローラ46の上方に向けて案内される。一方、取込用ブレード32の姿勢が姿勢32bであれば、第1搬送路12から搬送される紙葉類は、切替ローラ46と取込ローラ42との間に向けて案内される。
【0025】
取込ローラ42は、第1搬送路12と反転用搬送路16との接続点において、切替ローラ46と対向する位置に配設される。図1において、取込ローラ42は、反時計回りに回転し、取込用ブレード32(姿勢32b)により案内される紙葉類を反転用搬送路16へ搬送して反転機構50に取り込む。
【0026】
排出ローラ44は、第2搬送路14と反転用搬送路16との接続点において、切替ローラ46と対向する位置に配設される。図1において、排出ローラ44は、反時計回りに回転し、反転用搬送路16へ取り込まれた紙葉類の後端を切替ローラ46と共に挟みこんで、紙葉類を反転機構50から第2搬送路へ排出する。
【0027】
切替ローラ46は、取込ローラ42及び排出ローラ44の間に配設される。切替ローラ46の上方には第1搬送路12と第2搬送路14とが接続される間隙が空けられ、紙葉類はこの間隙を経由して第1搬送路12から第2搬送路14へ搬送されることができる。また、切替ローラ46の外周には複数の羽根48が放射状に凸設される。図1では、切替ローラ46の羽根48が取込ローラ42及び排出ローラ44と干渉しているように示している。しかしながら、実際には、羽根48は可撓性部材により構成され、羽根48が折れ曲がることにより、切替ローラ46と取込ローラ42との間、又は切替ローラ46と排出ローラ44との間を紙葉類が通過することができる。
【0028】
図1において、切替ローラ46は、時計回りに回転する。それにより、反転機構50の反転用搬送路16に取り込まれた紙葉類の後端は、回転する切替ローラ46の羽根48に押されて取込ローラ42から引き離される。そして、回転する切替ローラ46の羽根48は、紙葉類の後端の向きを第1搬送路12から第2搬送路14の方向へ切り替える。
【0029】
反転機構50は、第1搬送路12から反転用搬送路16に取り込まれた紙葉類の搬送方向をスイッチバック方式で反転させ、紙葉類を第2搬送路14へ排出するための機構である。
【0030】
反転用搬送路16は、略Y字上の形状を有し、上部の分岐の一方は第1搬送路12に、他方は第2搬送路14に接続するように形成される。反転用搬送路16の下部には、反転用搬送路16と交差するようにリミッタ52が配設される。リミッタ52は、端部の連結点62においてスプリング60と連結され、図1における上下方向に移動可能に配設される。反転用搬送路16との交差部分におけるリミッタ52の面は、反転用搬送路16に取り込まれる紙葉類の前端に接触する接触部54を形成する。
【0031】
スプリング60は、リミッタ52の連結点62と図示しない筐体上の連結点64との間に架設される。それにより、リミッタ52が反転用搬送路16に取り込まれる紙葉類に押されて下方へ移動すると、その移動距離に応じた強さを有するスプリング60の弾性力が、リミッタ52及び紙葉類を反転用搬送路16からの排出方向に付勢する。スプリング60の弾性率は、スプリング60による弾性力と取込ローラ42による搬送力とを受けた紙葉類が折損しないように、紙葉類の剛性に合わせて好適に選択される。
【0032】
反転用搬送路16の長さは、表裏反転装置1が取り扱うべき紙葉類の規格により定められる紙葉類10(図5参照)の長さに応じて選択される。少なくとも、反転用搬送路16は、後端が取込ローラ42と切替ローラ46との間を通過した紙葉類の全体を収容し得る長さを有する。
【0033】
[1−2.非反転時の動作例]
図2及び図3は、表裏反転装置1の非反転時の動作例を説明するための説明図である。また、図4〜図6は、表裏反転装置1の反転時の動作例を説明するための説明図である。なお、表裏反転装置1が紙葉類の表裏を反転させるべきか否かは、表裏反転装置1の内部又は外部の図示しない判定装置により予め判定される。そして、判定装置は、その判定結果を示す制御信号を取込用ソレノイド30に入力する。
【0034】
表裏反転装置1が紙葉類の表裏を反転させない場合には、図2及び図3に示しているように、取込用ブレード32は、取込用ソレノイド30の制御に応じて、姿勢32aを維持する。即ち、第1搬送路12と第2搬送路14との間には直線状の通路が開かれている。従って、第1プレッシャローラ22及び第1搬送ローラ24の間を搬送される紙葉類10(図2参照)は、その剛性により水平に搬送されて切替ローラ46の上方を通過し、第2プレッシャローラ26及び第2搬送ローラ28の間に到達して第2搬送路14へ搬送される(図3参照)。その結果、この場合には紙葉類10の表裏は反転されず、紙葉類10は、表裏反転装置1に搬入された時と同等の向きのまま搬出される。
【0035】
[1−3.反転時の動作例]
表裏反転装置1が紙葉類の表裏を反転させる場合には、図4〜図6に示しているように、取込用ブレード32の姿勢は、取込用ソレノイド30の制御に応じて、姿勢32bに切り替えられる。即ち、第1搬送路12と第2搬送路14との間を取込用ブレード32が塞ぐ形となり、取込用ブレード32は、第1搬送路12から搬送される紙葉類10を切替ローラ46と取込ローラ42との間に向けて案内する(図4参照)。そして、紙葉類10は、切替ローラ46と取込ローラ42との間を通過し、取込用搬送路16に取り込まれる。このとき、紙葉類10の前端は、リミッタ52の接触部54に接触し、リミッタ52を下方向(D1方向)に押し下げる。さらに搬送されて反転用搬送路16に完全に取り込まれた紙葉類10(図5参照)は、取込ローラ42による搬送力を失う。この時点で、紙葉類10には、リミッタ52を介して伝わるスプリング60の弾性力のみが付勢される。それにより、紙葉類10の搬送方向は、取込方向(図5のD1方向)から排出方向(D1方向の反対方向)へと反転する。また、紙葉類10の後端(取込方向から見た後端。排出方向から見た場合は前端)の向きは、切替ローラ46により第1搬送路12から第2搬送路14の方向へ切り替えられる(図5の矢印D2参照)。その結果、紙葉類10は、排出ローラ44と切替ローラ46との間に挟み込まれ、スプリング60の弾性力及び排出ローラ44の搬送力を得て第2搬送路14へ排出される(図6参照)。この場合には、紙葉類10が反転機構50によりスイッチバックされることで、紙葉類10の表裏は反転される。そして、紙葉類10は、表裏反転装置1に搬入された状態から裏返された形で、表裏反転装置1から搬出される。
【0036】
なお、切替ローラ46及び取込ローラ42は、互いの外周が回転軸方向からみて重なり合うように配設される。図7は、切替ローラ46及び取込ローラ42の配置の一例を、図1の方向A2から見た断面(図1のA1)により示す説明図である。図7を参照すると、切替ローラ46及び取込ローラ42の外周が回転軸方向からみて重なり合っていることにより、切替ローラ46及び取込ローラ42の間を通過する紙葉類10が波状に折り曲げられる。それにより、搬送方向に沿った紙葉類10の剛性が高められるため、リミッタ52に接触した紙葉類10は、たわむことなく、リミッタ52を押し下げることができる。
【0037】
これに対し、切替ローラ46及び排出ローラ44は、互いの外周が回転軸方向からみて紙葉類10の厚さ程度の間隔を空けるように配設されてよい。図8は、切替ローラ46及び排出ローラ44の配置の一例を、図1の方向B2から見た断面(図1のB1)により示す説明図である。図8を参照すると、切替ローラ46及び排出ローラ44の間を通過する紙葉類10が図7の例と比較して折り曲げられていないことが理解される。
【0038】
[1−4.動作フロー]
図9は、表裏反転装置1の動作の流れの一例を示すフローチャートである。図9を参照すると、まず、表裏反転装置1の内部又は外部の判定装置により、表裏反転装置1が紙葉類の表裏を反転させるべきか否かが判定される(ステップS100)。ここで、紙葉類の表裏を反転させるべきである場合には、反転時の動作(ステップS102〜S128)が行われる。一方、紙葉類の表裏を反転させなくてよい場合には、非反転時の動作(ステップS132〜S136)が行われる。
【0039】
反転時の動作において、まず、取込用ソレノイド30は、取込用ブレード32の姿勢を姿勢32bへ切り替える(ステップS102)。次に、搬入口から第1搬送路12へ、紙葉類が搬入される(ステップS104)。次に、取込用ブレード32に案内された紙葉類が、取込ローラ42により第1搬送路12から反転機構50の反転用搬送路16へ取り込まれる(ステップS106)。次に、反転機構50による表裏反転動作が行われる(ステップS108)。
【0040】
図10は、表裏反転装置1の反転機構50による表裏反転動作の詳細な流れの一例を示すフローチャートである。図10を参照すると、まず、反転機構50の反転用搬送路16へ取り込まれた紙葉類の前端がリミッタ52に突き当たる(ステップS112)。次に、紙葉類が、リミッタ52の接触部54を介して付勢されるスプリング60の弾性力に抗して下方へ移動する(ステップS114)。次に、切替ローラ46は、反転用搬送路16に完全に取り込まれた紙葉類10の後端の向きを、第1搬送路12から第2搬送路14の方向へ切り替える(ステップS116)。また、スプリング60の弾性力により、紙葉類の搬送方向が反転する(ステップS118)。そして、スプリング60の弾性力に付勢されたリミッタ52が、紙葉類を排出方向に押し上げて元の位置まで復帰する(ステップS120)。
【0041】
図9に戻り、表裏反転装置1の動作の流れの説明を継続する。リミッタ52により押し上げられた紙葉類は、排出ローラ44により反転機構50の反転用搬送路16から第2搬送路14へ排出される(ステップS126)。そして、紙葉類は、第2プレッシャローラ26及び第2搬送ローラ28により第2搬送路14上を搬送され、表裏反転装置1から搬出される(ステップS128)。
【0042】
一方、非反転時の動作において、搬入口から第1搬送路12へ紙葉類が搬入されると(ステップS132)、紙葉類は、第1プレッシャローラ22及び第1搬送ローラ24により、第1搬送路12から第2搬送路14へ搬送される(ステップS134)。そして、紙葉類は、第2プレッシャローラ26及び第2搬送ローラ28により第2搬送路14上を搬送され、表裏反転装置1から搬出される(ステップS136)。
【0043】
[1−5.課題の説明]
上述した表裏反転装置1は、リミッタ52が反転用搬送路16に沿って移動可能であることにより、長さの異なる紙葉類を比較的柔軟に取り扱うことができる。また、反転機構50内でアクチュエータが不要であるため、装置の製造コストが安価であるという利点もある。しかしながら、ある長さを超える紙葉類が反転機構50に取り込まれた場合には、スプリング60による弾性力が過度に強くなり、又はスプリング60の伸びが限界に達することにより、反転用搬送路16に完全に取り込まれなかった紙葉類が折損する可能性がある。また、紙葉類が折損しない場合でも、紙葉類が反転用搬送路16に完全に取り込まれずに搬送路内に詰まり、ジャムなどの障害が発生する恐れがある。
【0044】
特に、サービスが多様化した現在では、例えば券印刷機により発券されるチケットの種類もまた様々である。一例を挙げれば、交通機関のチケット窓口においても、通常の乗車券のみならず、回数券、領収書、クレジットカードの明細書、及び特別に企画された期間限定チケットなど、様々な券が印刷され得る。そして、これら様々な券に規定された長さは必ずしも同一でない。しかし、異なる規格の券ごとに異なる券印刷機を使用しなければならないとすれば、コストや設置面積などの観点で不利が大きい。従って、長さの異なる紙葉類のさらなる柔軟な取り扱いを可能とすると共に、規定に適合しない長さの紙葉類が挿入された場合にも障害が発生しないような表裏反転装置が提供されることが求められている。次節より説明する本発明の2つの実施形態は、そのような表裏反転装置を実現するものである。
【0045】
<2.第1の実施形態>
[2−1.装置の構成例]
図11は、本発明の第1の実施形態に係る表裏反転装置2の構成の一例を示す構成図である。図11を参照すると、表裏反転装置2は、図1に示した表裏反転装置1と同様、第1搬送路12、第2搬送路14、第1プレッシャローラ22、第1搬送ローラ24、第2プレッシャローラ26、第2搬送ローラ28、取込用ソレノイド30、取込用ブレード32、取込ローラ42、排出ローラ44、及び切替ローラ46を備える。さらに、表裏反転装置2は、反転機構150を備える。反転機構150は、反転用搬送路16、リミッタ152、スプリング160、ガイド170及びセンサ180を有する。
【0046】
リミッタ152は、反転用搬送路16の下部において反転用搬送路16と交差するように配設される。リミッタ152は、中央の連結点162においてスプリング160と連結される。リミッタ152の一端には、反転用搬送路16との交差部分において反転用搬送路16に取り込まれる紙葉類の取込方向の前端に接触する接触部154が形成される。リミッタ152の他端には、反転用搬送路16と並行して設けられるガイド170の溝172に係合される回転軸156が配設される。
【0047】
スプリング160は、リミッタ152の連結点162と図示しない筐体上の連結点164との間に架設される。それにより、リミッタ152が反転用搬送路16に取り込まれる紙葉類に押されて下方へ移動すると、その移動距離に応じた強さを有するスプリング160の弾性力が、リミッタ152及び紙葉類を反転用搬送路16からの排出方向に付勢する。
【0048】
ガイド170は、反転用搬送路16の外部に位置し、上述したように、反転用搬送路16と並行して設けられる溝172を有する。かかる溝172に上記リミッタ152の回転軸156が係合していることにより、リミッタ152の接触部154及び回転軸156は、溝172に沿って図11における上下方向(図11のD3方向又はその反対方向)に移動可能である。溝172の下端174は、紙葉類が取り込まれていない状態において回転軸156と係合している位置から、後述する距離L1よりも短い距離L2だけ下方に位置する。
【0049】
センサ180は、紙葉類が反転用搬送路16上で取込方向に距離L1を超えて移動した場合に信号を出力するセンサである。センサ180は、例えば、反転用搬送路16上の物体を検知する赤外線センサ、光センサ、接触センサ又は磁気センサなど、任意の種類のセンサであってよい。また、センサ180は、例えば、反転用搬送路16上ではなくガイド170に設けられ、回転軸156の周りのリミッタ152の回転角に基づいて、距離L1を超える紙葉類の移動を検知してもよい。センサ180が上述した信号を出力することにより、図示しないアラーム装置が例えば音又は光などによる警報を発する。
【0050】
[2−2.動作例]
表裏反転装置2の非反転時の動作は、図2及び図3を用いて説明した表裏反転装置1の非反転時の動作例と同様である。また、表裏反転装置2の反転時の動作は、図4〜図6を用いて説明した表裏反転装置1の反転時の動作例と同様である。但し、本実施形態に係る表裏反転装置2によれば、距離L2を超えて距離L1まで移動するリミッタ152が回転軸156の周りに回動するため、スプリング160の伸びの限界よりもリミッタ152の回転の分だけより長い紙葉類を取り扱うことが可能である。
【0051】
さらに、本実施形態において、表裏反転装置2は、規定を超える長さの紙葉類が挿入された場合には、図12〜図14に示すように動作する。なお、規定を超える紙葉類の長さとは、典型的には、反転用搬送路16に紙葉類が完全に取り込まれる前にリミッタ152の接触部154が距離L1を超えて移動するような長さをいう。
【0052】
図12を参照すると、姿勢32bに切り替えられた取込用ブレード32に案内されて切替ローラ46と取込ローラ42との間を通過し、前端がリミッタ152の接触部154を距離L2まで押し下げた紙葉類10が示されている。このとき、リミッタ152の回転軸156は、溝172の下端174まで移動して下端174に係止される。
【0053】
取込ローラ42の搬送力により紙葉類10がさらに取り込まれ、リミッタ152の接触部154が距離L2を超えて押し下げられると、リミッタ152は、溝172の下端174に係止された回転軸156を中心として回動する。そして、紙葉類10に押されたリミッタ152の接触部154がさらに距離L1を超えて下方に移動すると、回動するリミッタ152は、最終的に反転用搬送路16上から離脱する(図13参照)。その結果、リミッタ152を介して付勢されるスプリング160の弾性力を失った紙葉類10は、反転用搬送路16をさらに下方へ移動する。このとき、距離L1を超えて移動する紙葉類10を検知したセンサ180からの出力信号に応じて警報が発せられる。そして、紙葉類10は、搬送路16の下方から外部へ排出され、又は警報を確認したオペレータにより取り除かれる。
【0054】
[2−3.動作フロー]
図15は、表裏反転装置2の反転機構150による規定を超える長さの紙葉類が挿入された場合の動作の流れの一例を示すフローチャートである。図15を参照すると、まず、反転機構150の反転用搬送路16へ取り込まれた紙葉類の前端がリミッタ152に突き当たる(ステップS112)。そして、取込ローラ42の搬送力により紙葉類がさらに下方へ移動すると、リミッタ152は、スプリング160の弾性力に抗して下方へ移動する(ステップS114)。ここまでは、図10に例示した表裏反転装置1の反転時の動作例と同様である。次に、リミッタ152の接触部154が距離L2を超えて移動すると(ステップS216)、リミッタ152が回転軸156を中心として回動する(ステップS218)。また、リミッタ152の接触部154が距離L1を超えて移動すると(ステップS220)、リミッタ152が反転用搬送路16から離脱する(ステップS222)。そして、リミッタの離脱あるいは距離L1を超えて移動する紙葉類10をセンサ180が検知し、アラーム装置から警報が発せられる(ステップS224)。
【0055】
[2−4.第1の実施形態のまとめ]
ここまで、本発明の第1の実施形態に係る表裏反転装置2について説明した。本実施形態によれば、反転用搬送路に取り込まれる紙葉類を排出方向へ付勢して紙葉類の搬送方向を反転させるリミッタが、スプリングの弾性により移動可能であると共にさらに回動可能であることから、紙葉類の長さがある程度異なる場合にも紙葉類の表裏を反転させることができる。また、本実施形態においても、反転機構内でやはりアクチュエータが不要であるため、装置の製造コストが安価であるという利点が維持される。また、リミッタがスプリングの弾性力に抗して反転用搬送路の取込方向に第1の距離(例えば距離L1)を超えて移動する場合には、リミッタが反転用搬送路上から離脱する。従って、紙葉類に過度の弾性力が加わって反転用搬送路内で紙葉類が折損することがない。また、紙葉類が反転用搬送路に完全に取り込まれずに搬送路内に詰まることがないため、ジャムなどの障害の発生が回避される。また、リミッタが回動して反転用搬送路上から離脱することで、仮に紙葉類が反転用搬送路内に取り残されたとしても、装置を分解することなくオペレータが紙葉類を容易に除去することが可能である。
【0056】
<3.第2の実施形態>
[3−1.装置の構成例]
図16は、本発明の第2の実施形態に係る表裏反転装置3の構成の一例を示す構成図である。図16を参照すると、表裏反転装置3は、第2の実施形態に係る表裏反転装置2と同様、第1搬送路12、第2搬送路14、第1プレッシャローラ22、第1搬送ローラ24、第2プレッシャローラ26、第2搬送ローラ28、取込用ソレノイド30、取込用ブレード32、取込ローラ42、排出ローラ44、及び切替ローラ46を備える。さらに、表裏反転装置3は、切替ユニット140、第1の反転機構250及び第2の反転機構350を備える。第1の反転機構250は、反転用搬送路216、リミッタ252、スプリング260、ガイド270及びセンサ180を有する。第2の反転機構350は、反転用搬送路316、リミッタ352、スプリング360、ガイド370及びセンサ180を有する。
【0057】
切替ユニット140は、切替用ブレード142及び切替用ソレノイド144を含む。切替用ブレード142は、搬送路が第1の反転機構250の反転用搬送路216と第2の反転機構350の反転用搬送路316とに分岐する分岐部17に設けられる。切替用ブレード142の姿勢は、切替用ソレノイド144から発生される駆動力により、反転用搬送路216及び反転用搬送路316のいずれかを選択的に塞ぐように制御される。切替用ブレード142が反転用搬送路316を塞いでいる場合には、分岐部17に到達した紙葉類は、反転用搬送路216へ案内され、第1の反転機構250に取り込まれる。一方、切替用ブレード142が反転用搬送路216を塞いでいる場合には、分岐部17に到達した紙葉類は、反転用搬送路316へ案内され、第2の反転機構350に取り込まれる。
【0058】
第1の反転機構250のリミッタ252は、反転用搬送路216の下部において反転用搬送路216と交差するように配設される。リミッタ252は、中央の連結点262においてスプリング260と連結される。リミッタ252の一端には、反転用搬送路216との交差部分において反転用搬送路216に取り込まれる紙葉類の取込方向の前端に接触する接触部254が形成される。リミッタ252の他端には、反転用搬送路216と並行して設けられるガイド270の溝272に係合される回転軸256が配設される。
【0059】
スプリング260は、リミッタ252の連結点262と図示しない筐体上の連結点264との間に架設される。それにより、リミッタ252が反転用搬送路216に取り込まれる紙葉類に押されて下方へ移動すると、その移動距離に応じた強さを有するスプリング260の弾性力が、リミッタ252及び紙葉類を反転用搬送路216からの排出方向に付勢する。
【0060】
ガイド270は、反転用搬送路216の外部に位置し、上述したように、反転用搬送路216と並行して設けられる溝272を有する。かかる溝272に上記リミッタ252の回転軸256が係合していることにより、リミッタ252の接触部254及び回転軸256は、溝272に沿って図16のD4方向又はその反対方向に移動可能である。
【0061】
第2の反転機構350のリミッタ352は、反転用搬送路316の下部において反転用搬送路316と交差するように配設される。リミッタ352は、中央の連結点362においてスプリング360と連結される。リミッタ352の一端には、反転用搬送路316との交差部分において反転用搬送路316に取り込まれる紙葉類の取込方向の前端に接触する接触部354が形成される。リミッタ352の他端には、反転用搬送路316と並行して設けられるガイド370の溝372に係合される回転軸356が配設される。
【0062】
スプリング360は、リミッタ352の連結点362と図示しない筐体上の連結点364との間に架設される。それにより、リミッタ352が反転用搬送路316に取り込まれる紙葉類に押されて下方へ移動すると、その移動距離に応じた強さを有するスプリング360の弾性力が、リミッタ352及び紙葉類を反転用搬送路316からの排出方向に付勢する。
【0063】
ガイド370は、反転用搬送路316の外部に位置し、上述したように、反転用搬送路316と並行して設けられる溝372を有する。かかる溝372に上記リミッタ352の回転軸356が係合していることにより、リミッタ352の接触部354及び回転軸356は、溝372に沿って図16のD5方向又はその反対方向に移動可能である。
【0064】
図16に示しているように、切替ユニット140による紙葉類の取込先の切替点から第1の反転機構250のリミッタ252までの長さと、当該切替点から第2の反転機構350のリミッタ352までの長さとは異なる。本実施系形態では、切替点から第1の反転機構250のリミッタ252までの長さの方が、切替点から第2の反転機構350のリミッタ352までの長さよりも短い。これにより、第1の反転機構250が相対的に短い紙葉類を取り込んでその搬送方向を反転させると共に、第2の反転機構350が相対的に長い紙葉類を取り込んでその搬送方向を反転させることが可能となる。例えば、第1の反転機構250が取り込む紙葉類の長さは、一般的な乗車券の長さとして規定された70mm〜100mmの範囲内の長さであり、第2の反転機構350が取り込む紙葉類の長さは、より長い105mm〜135mmの範囲内の長さであってもよい。
【0065】
なお、図16の例では、第1の反転機構250及び第2の反転機構350が共にセンサ180を有している。しかしながら、かかる例に限定されず、いずれか一方又は双方のセンサ180が省略されてもよい。例えば、より長い紙葉類を取り込む第2の反転機構350のみが、センサ180を有してもよい。
【0066】
[3−2.反転時の第1の動作例]
表裏反転装置3の非反転時の動作は、図2及び図3を用いて説明した表裏反転装置1の非反転時の動作例と同様である。図17は、表裏反転装置3による、より短い紙葉類の反転時の動作例を説明するための説明図である。また、図18は、表裏反転装置3による、より長い紙葉類の反転時の動作例を説明するための説明図である。なお、表裏反転装置3に搬入される紙葉類の長さは、表裏反転装置3の内部又は外部の図示しない長さ判定装置により予め判定される。そして、長さ判定装置は、その判定結果に応じた制御信号を切替ユニット140の切替用ソレノイド144に入力する。
【0067】
より短い紙葉類11aが表裏反転装置3に搬入される場合には、図17に示しているように、切替ユニット140の切替用ブレード142の姿勢は、切替用ソレノイド144の制御に応じて、反転用搬送路316を塞ぐように切り替えられる。それにより、切替ローラ46と取込ローラ42との間を通過して分岐部17まで到達した紙葉類11aは、第1の反転機構250の反転用搬送路216に取り込まれる。そして、紙葉類11aの前端は、リミッタ252の接触部254に接触し、リミッタ252をD4方向に押し下げる。さらに搬送されて反転用搬送路216に完全に取り込まれた紙葉類11a(図17参照)は、取込ローラ42による搬送力を失う。この時点で、紙葉類11aには、リミッタ252を介して伝わるスプリング260の弾性力のみが付勢される。それにより、紙葉類11aの搬送方向は、取込方向(図17のD4方向)から排出方向(D4方向の反対方向)へと反転する。また、紙葉類11aの後端の向きは、切替ローラ46により第1搬送路12から第2搬送路14の方向へ切り替えられる。その結果、紙葉類11aは、排出ローラ44と切替ローラ46との間に挟み込まれ、スプリング260の弾性力及び排出ローラ44の搬送力を得て第2搬送路14へ排出される。
【0068】
[3−3.反転時の第2の動作例]
より長い紙葉類11bが表裏反転装置3に搬入される場合には、図18に示しているように、切替ユニット140の切替用ブレード142の姿勢は、切替用ソレノイド144の制御に応じて、反転用搬送路216を塞ぐように切り替えられる。それにより、切替ローラ46と取込ローラ42との間を通過して分岐部17まで到達した紙葉類11bは、第2の反転機構350の反転用搬送路316に取り込まれる。そして、紙葉類11bの前端は、リミッタ352の接触部354に接触し、リミッタ352をD5方向に押し下げる。さらに搬送されて反転用搬送路316に完全に取り込まれた紙葉類11b(図18参照)は、取込ローラ42による搬送力を失う。この時点で、紙葉類11bには、リミッタ352を介して伝わるスプリング360の弾性力のみが付勢される。それにより、紙葉類11bの搬送方向は、取込方向(図18のD5方向)から排出方向(D5方向の反対方向)へと反転する。また、紙葉類11bの後端の向きは、切替ローラ46により第1搬送路12から第2搬送路14の方向へ切り替えられる。その結果、紙葉類11bは、排出ローラ44と切替ローラ46との間に挟み込まれ、スプリング360の弾性力及び排出ローラ44の搬送力を得て第2搬送路14へ排出される。
【0069】
また、規定を超える長さを有する紙葉類(図示せず)が第2の反転機構350に取り込まれた場合には、第2の反転機構350のリミッタ352が、ガイド370の溝372により係止される回転軸356を中心として回動し、反転用搬送路316上から離脱する。その結果、規定外の紙葉類を第2の反転機構350のセンサ180が検知し、第2の実施形態に係る表裏反転装置2の場合と同様、警報が発せられる。
【0070】
[3−4.動作フロー]
図19は、表裏反転装置3の動作の流れの一例を示すフローチャートである。図19を参照すると、まず、表裏反転装置3の内部又は外部の判定装置により、表裏反転装置3が紙葉類の表裏を反転させるべきか否かが判定される(ステップS100)。ここで、紙葉類の表裏を反転させなくてよい場合には、非反転時の動作(ステップS132〜S136)が行われる。なお、非反転時の動作(ステップS132〜S136)は、図9を用いて説明した表裏反転装置1の動作と共通しているため、重複する説明を省略する。
【0071】
紙葉類の表裏を反転させるべきである場合には、まず、取込用ソレノイド30は、取込用ブレード32の姿勢を姿勢32bへ切り替える(ステップS102)。次に、搬入口から第1搬送路12へ、紙葉類が搬入される(ステップS104)。
【0072】
また、表裏反転装置3の内部又は外部の長さ判定装置により、表裏反転装置3に搬入される紙葉類の長さが所定の閾値未満であるか否かが判定される(ステップS302)。ここで、紙葉類の長さが所定の閾値未満である場合には、紙葉類は、取込用ブレード32に案内されて切替ローラ46と取込ローラ42との間を通過した後、さらに切替用ブレード142に案内されて第1搬送路12から第1の反転機構250の反転用搬送路216へ取り込まれる(ステップS304)。次に、第1の反転機構250による表裏反転動作が行われる(ステップS306)。第1の反転機構250による表裏反転動作は、図10を用いて説明した表裏反転装置1の反転機構50による動作と同様である。その後、第1の反転機構250内で搬送方向が反転した紙葉類は、排出ローラ44により第1の反転機構250の反転用搬送路216から第2搬送路14へ排出される(ステップS308)。
【0073】
一方、ステップS302において紙葉類の長さが所定の閾値以上である場合には、紙葉類は、取込用ブレード32に案内されて切替ローラ46と取込ローラ42との間を通過した後、さらに切替用ブレード142に案内されて第1搬送路12から第2の反転機構350の反転用搬送路316へ取り込まれる(ステップS314)。次に、第2の反転機構350による表裏反転動作が行われる(ステップS316)。第2の反転機構350による表裏反転動作は、図10を用いて説明した表裏反転装置1の反転機構50による動作と同様である。その後、第2の反転機構350内で搬送方向が反転した紙葉類は、排出ローラ44により第2の反転機構350の反転用搬送路316から第2搬送路14へ排出される(ステップS318)。
【0074】
そして、紙葉類は、第2プレッシャローラ26及び第2搬送ローラ28により第2搬送路14上を搬送され、表裏反転装置3から搬出される(ステップS320)。
【0075】
[3−5.第2の実施形態のまとめ]
ここまで、本発明の第2の実施形態に係る表裏反転装置3について説明した。本実施形態によれば、表裏反転装置3は、反転用搬送路が分岐する切替点からリミッタの離脱点までの長さが互いに異なる2つの反転機構を備える。これは、表裏反転装置3の2つの反転機構により取込可能な紙葉類の長さが互いに異なることを意味する。従って、反転機構が1つである場合と比較してより多様な長さの紙葉類の表裏を反転させることができる。
【0076】
また、リミッタがスプリングの弾性力に抗して反転用搬送路の取込方向に一定の距離を超えて移動する場合には、リミッタが反転用搬送路上から離脱する。従って、第2の実施形態と同様、反転用搬送路内で紙葉類が折損することがなく、またジャムなどの障害の発生が回避される。さらに、リミッタが回動して反転用搬送路上から離脱することで、仮に紙葉類が反転用搬送路内に取り残されたとしても、装置を分解することなくオペレータが紙葉類を容易に除去することが可能である。
【0077】
また、表裏反転装置1のようにリミッタが反転用搬送路上から離脱しない構成を採用する場合にも、本実施形態に係る表裏反転装置3のように2つの反転機構に選択的に紙葉類を取り込むことで、例えば一方のスプリングの伸びの限界に制限されることなく、より多様な長さの紙葉類の表裏を反転させることができる。
【0078】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0079】
1,2,3 表裏反転装置
10,11a,11b 紙葉類
12 第1搬送路
14 第2搬送路
16 反転用搬送路
42 取込ローラ
44 排出ローラ
46 切替ローラ
48 羽根
140 切替ユニット
150,250,350 反転機構
152,252,352 リミッタ
156,256,356 回転軸
160,260,360 スプリング
170,270,370 ガイド
172,272,372 溝
180 センサ
【技術分野】
【0001】
本発明は、表裏反転装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、券、紙幣又は伝票などを含む紙葉類を取り込み、取り込んだ紙葉類の表裏を反転させてこれを排出する表裏反転装置が知られている。例えば、乗車券又は入場券などのチケットの発券の際に使用される券印刷機は、内部に表裏反転装置を有し、挿入される券の状態に応じて券の表裏を反転させることにより、券の表裏を必ず印字面が一定の方向を向くように揃える。また、例えば、交通機関に設けられる自動改札機も、内部に表裏反転装置を有し、乗客が挿入する券の状態に応じて券の表裏を反転させることにより、券に記録された情報を小型の機械でエラーなく読み取ることを可能とする(例えば、下記特許文献1参照)。
【0003】
既存の表裏反転装置の多くは、いわゆるスイッチバック方式を採用している。スイッチバック方式の表裏反転装置は、典型的には、反転用搬送路あるいはプール部に紙葉類を取り込み、取り込んだ紙葉類を裏返しながら、取り込み時とは逆の方向にこれを搬送する。その結果、表裏が反転された紙葉類が排出される(例えば、下記特許文献2及び3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平3−29073号公報
【特許文献2】特開2009−18888号公報
【特許文献3】特開平9−110265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、既存のスイッチバック方式の表裏反転装置には、取り扱うことのできる紙葉類の長さに制約があった。例えば、上記特許文献2に記載された表裏反転装置において、紙葉類が取り込まれる反転プール部の深さは固定されている。従って、反転プール部の深さと比較して短すぎる紙葉類が取り込まれた場合には、反転ローラが紙葉類を排出することができない。また、反転プール部の深さと比較して長すぎる紙葉類が挿入された場合には、紙葉類の後端が反転プール部に取り込まれず、ジャム(詰まり)などの障害が発生する恐れがある。
【0006】
これに対し、上記特許文献3に記載された表裏反転装置は、反転用搬送路に設けられたストッパの位置がスプリングの弾性により移動し得るため、長さの異なる紙葉類を比較的柔軟に取り扱うことができる。しかし、この場合も、紙葉類の排出方向に働くスプリングの弾性力は、フックの法則に従い、スプリングの伸びに応じて強くなる。また、スプリングの伸びにも限界がある。そのため、一定の長さを超える紙葉類が挿入されると、ローラの搬送力が強い場合にはその搬送力とスプリングの弾性力とにより紙葉類が折れ曲がり、又は搬送力が弱い場合には紙葉類が案内ローラを通過できずにジャムが生じるなど、装置の内部で障害が発生する可能性を排除できない。
【0007】
そこで、本発明は、長さの異なる紙葉類の取り扱いを改善して、規定に適合しない長さの紙葉類が挿入された場合の障害のリスクを低減させる、新規かつ改良された表裏反転装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある実施形態によれば、紙葉類の表裏を反転させるための表裏反転装置であって、上記紙葉類を搬入する第1搬送路と、上記紙葉類の搬送方向を反転させる反転用搬送路を有する反転機構と、上記紙葉類を搬出する第2搬送路と、上記紙葉類を上記第1搬送路から上記反転用搬送路へ取り込む取込ローラと、上記紙葉類を上記反転用搬送路から上記第2搬送路へ排出する排出ローラと、上記取込ローラ及び上記排出ローラの間に設けられ、上記反転機構の上記反転用搬送路に取り込まれた上記紙葉類の後端の向きを上記第1搬送路から上記第2搬送路へ切り替える切替ローラと、を備え、上記反転機構は、上記取込ローラにより取り込まれる上記紙葉類の前端に接触し、弾性力により上記紙葉類を上記反転用搬送路からの排出方向に付勢するリミッタと、上記リミッタが上記弾性力に抗して上記反転用搬送路の取込方向に第1の距離を超えて移動する場合に、上記リミッタを上記反転用搬送路上から離脱させるガイドと、をさらに有する、表裏反転装置が提供される。
【0009】
かかる構成によれば、所定の長さを超えない紙葉類が上記表裏反転装置に搬入される場合には、上記取込ローラが紙葉類を上記反転機構の上記反転用搬送路へ取り込み、上記反転用搬送路に取り込まれた紙葉類を上記リミッタが弾性力により付勢する。そして、紙葉類が上記反転用搬送路へ完全に取り込まれて上記取込ローラによる搬送力を失うと、上記リミッタにより付勢される弾性力により紙葉類の搬送方向が反転する。そして、上記切替ローラが紙葉類の取込方向の後端(排出方向の前端)の向きを切り替えた後、上記取込ローラが紙葉類を上記反転用搬送路から排出する。また、所定の長さを超える紙葉類が上記表裏反転装置に搬入される場合には、上記リミッタが紙葉類に押されながら上記弾性力に抗して上記反転用搬送路の取込方向に上記第1の距離を超えて移動し、上記ガイドが上記リミッタを上記反転用搬送路上から離脱させる。
【0010】
また、上記ガイドは、上記リミッタが上記第1の距離よりも短い第2の距離を超えて移動する場合に、上記反転用搬送路の外部に位置する上記リミッタの回転軸を中心として上記リミッタを回動させてもよい。
【0011】
また、上記リミッタは、上記反転用搬送路上で上記紙葉類の上記前端に接触する接触部と、上記反転用搬送路と並行して設けられる上記ガイドの溝に係合される上記回転軸と、を有し、上記リミッタの上記接触部及び上記回転軸は、上記ガイドの溝に沿って移動可能であり、上記ガイドの溝は、上記第2の距離まで移動した上記リミッタの上記回転軸を係止してもよい。
【0012】
また、上記反転機構は、上記紙葉類が上記反転用搬送路上で取込方向に上記第1の距離を超えて移動したことを検知するセンサと、上記センサの出力に応じて警報を発するアラームと、をさらに有してもよい。
【0013】
また、上記表裏反転装置は、上記リミッタ及び上記ガイドの組をそれぞれ有する2つの上記反転機構と、搬入される上記紙葉類の長さに応じて、上記紙葉類を取り込む反転機構を第1の反転機構及び第2の反転機構の間で切り替える切替ユニットと、をさらに備えてもよく、上記切替ユニットによる切替点から上記第1の反転機構の上記反転用搬送路上の上記リミッタの離脱点までの長さと、上記切替点から上記第2の反転機構の上記反転用搬送路上の上記リミッタの離脱点までの長さとは異なってもよい。
【0014】
また、本発明の別の実施形態によれば、紙葉類の表裏を反転させるための表裏反転装置であって、上記紙葉類を搬入する第1搬送路と、上記紙葉類の搬送方向を反転させる反転用搬送路をそれぞれ有する2つの反転機構と、上記紙葉類を搬出する第2搬送路と、搬入される上記紙葉類の長さに応じて、上記紙葉類を取り込む反転機構を第1の反転機構及び第2の反転機構の間で切り替える切替ユニットと、上記紙葉類を上記第1搬送路から上記切替ユニットの切替点へ取り込む取込ローラと、上記紙葉類を上記切替点から上記第2搬送路へ排出する排出ローラと、上記取込ローラ及び上記排出ローラの間に設けられ、上記第1の反転機構又は上記第2の反転機構の上記反転用搬送路に取り込まれた上記紙葉類の後端の向きを上記第1搬送路から上記第2搬送路へ切り替える切替ローラと、を備え、上記第1の反転機構及び上記第2の反転機構は、上記取込ローラにより取り込まれる上記紙葉類の前端に接触し、弾性力により上記紙葉類を上記反転用搬送路からの排出方向に付勢するリミッタ、をそれぞれさらに有し、上記第1の反転機構により取込可能な上記紙葉類の長さと、上記第2の反転機構により取込可能な上記紙葉類の長さとは異なる、表裏反転装置が提供される。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明に係る表裏反転装置によれば、長さの異なる紙葉類の取り扱いを改善して、規定に適合しない長さの紙葉類が挿入された場合の障害のリスクを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に関連する表裏反転装置の構成の一例を示す構成図である。
【図2】図1に示した表裏反転装置の第1の動作例を説明するための説明図である。
【図3】図1に示した表裏反転装置の第1の動作例を説明するための説明図である。
【図4】図1に示した表裏反転装置の第2の動作例を説明するための説明図である。
【図5】図1に示した表裏反転装置の第2の動作例を説明するための説明図である。
【図6】図1に示した表裏反転装置の第2の動作例を説明するための説明図である。
【図7】切替ローラ及び取込ローラの配置の一例を説明するための説明図である。
【図8】切替ローラ及び排出ローラの配置の一例を説明するための説明図である。
【図9】図1に示した表裏反転装置の動作の流れの一例を示すフローチャートである。
【図10】図1に示した表裏反転装置による表裏反転動作の詳細な流れの一例を示すフローチャートである。
【図11】第1の実施形態に係る表裏反転装置の構成の一例を示す構成図である。
【図12】第1の実施形態に係る表裏反転装置の動作例を説明するための説明図である。
【図13】第1の実施形態に係る表裏反転装置の動作例を説明するための説明図である。
【図14】第1の実施形態に係る表裏反転装置の動作例を説明するための説明図である。
【図15】第1の実施形態に係る表裏反転装置による動作の詳細な流れの一例を示すフローチャートである。
【図16】第2の実施形態に係る表裏反転装置の構成の一例を示す構成図である。
【図17】第2の実施形態に係る表裏反転装置の第1の動作例を説明するための説明図である。
【図18】第2の実施形態に係る表裏反転装置の第2の動作例を説明するための説明図である。
【図19】第2の実施形態に係る表裏反転装置による動作の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付すことにより重複説明を省略する。
【0018】
<1.反転機構の基本的な原理>
まず、図1〜図10を用いて、本発明に関連する表裏反転装置の反転機構の基本的な原理について説明する。本発明に関連する表裏反転装置の反転機構は、いわゆるスイッチバック方式を採用した反転機構である。
【0019】
[1−1.装置の構成例]
図1は、本発明に関連する一例としての表裏反転装置1の構成を示す構成図である。図1を参照すると、表裏反転装置1は、第1搬送路12、第2搬送路14、第1プレッシャローラ22、第1搬送ローラ24、第2プレッシャローラ26、第2搬送ローラ28、取込用ソレノイド30、取込用ブレード32、取込ローラ42、排出ローラ44、切替ローラ46、及び反転機構50を備える。また、反転機構50は、反転用搬送路16、リミッタ52及びスプリング60を有する。表裏反転装置1は、例えば、乗車券若しくは入場券などのチケットの発券の際に使用される券印刷機、又は交通機関に設けられる自動改札機などに内蔵される装置であってよい。
【0020】
第1搬送路12は、図1の右方に位置する表裏反転装置1の内部又は外部の搬入口(図示せず)から第1プレッシャローラ22及び第1搬送ローラ24の間を経由して取込用ブレード32の方向へ向かう搬送路である。第1搬送路12は、切替ローラ46の上方で第2搬送路14と接続される。また、第1搬送路12は、切替ローラ46と取込ローラ42との間を経由して反転機構50の反転用搬送路16と接続される。
【0021】
第2搬送路14は、第2プレッシャローラ26及び第2搬送ローラ28の間を経由して図1の左方に位置する表裏反転装置1の内部又は外部の搬出口(図示せず)へ向かう搬送路である。第2搬送路14は、切替ローラ46と排出ローラ44との間を経由して反転機構50の反転用搬送路16と接続される。
【0022】
第1プレッシャローラ22及び第1搬送ローラ24は、第1搬送路12に搬入される紙葉類を上下から挟み込む位置に配設される。図1において、第1搬送ローラ24は、反時計回りに回転し、第1搬送路12に搬入される紙葉類を第2搬送路14又は反転用搬送路16の方向へ搬送する。第1プレッシャローラ22は、第1搬送ローラ24上で搬送される紙葉類を上方から押圧して時計回りに回転する。
【0023】
第2プレッシャローラ26及び第2搬送ローラ28は、第2搬送路14から搬出される紙葉類を上下から挟み込む位置に配設される。図1において、第2搬送ローラ28は、反時計回りに回転し、第1搬送路12又は反転用搬送路16から搬送されてくる紙葉類を第2搬送路14から搬出する方向へ搬送する。第2プレッシャローラ26は、第2搬送ローラ28上で搬送される紙葉類を上方から押圧して時計回りに回転する。
【0024】
取込用ブレード32は、第1搬送路12が第2搬送路14及び反転用搬送路16へ分岐する地点に設けられる。取込用ブレード32の姿勢は、取込用ソレノイド30から発生される駆動力により、姿勢32a又は姿勢32bのいずれかに制御される。取込用ブレード32の姿勢が姿勢32aであれば、第1搬送路12から搬送される紙葉類は、切替ローラ46の上方に向けて案内される。一方、取込用ブレード32の姿勢が姿勢32bであれば、第1搬送路12から搬送される紙葉類は、切替ローラ46と取込ローラ42との間に向けて案内される。
【0025】
取込ローラ42は、第1搬送路12と反転用搬送路16との接続点において、切替ローラ46と対向する位置に配設される。図1において、取込ローラ42は、反時計回りに回転し、取込用ブレード32(姿勢32b)により案内される紙葉類を反転用搬送路16へ搬送して反転機構50に取り込む。
【0026】
排出ローラ44は、第2搬送路14と反転用搬送路16との接続点において、切替ローラ46と対向する位置に配設される。図1において、排出ローラ44は、反時計回りに回転し、反転用搬送路16へ取り込まれた紙葉類の後端を切替ローラ46と共に挟みこんで、紙葉類を反転機構50から第2搬送路へ排出する。
【0027】
切替ローラ46は、取込ローラ42及び排出ローラ44の間に配設される。切替ローラ46の上方には第1搬送路12と第2搬送路14とが接続される間隙が空けられ、紙葉類はこの間隙を経由して第1搬送路12から第2搬送路14へ搬送されることができる。また、切替ローラ46の外周には複数の羽根48が放射状に凸設される。図1では、切替ローラ46の羽根48が取込ローラ42及び排出ローラ44と干渉しているように示している。しかしながら、実際には、羽根48は可撓性部材により構成され、羽根48が折れ曲がることにより、切替ローラ46と取込ローラ42との間、又は切替ローラ46と排出ローラ44との間を紙葉類が通過することができる。
【0028】
図1において、切替ローラ46は、時計回りに回転する。それにより、反転機構50の反転用搬送路16に取り込まれた紙葉類の後端は、回転する切替ローラ46の羽根48に押されて取込ローラ42から引き離される。そして、回転する切替ローラ46の羽根48は、紙葉類の後端の向きを第1搬送路12から第2搬送路14の方向へ切り替える。
【0029】
反転機構50は、第1搬送路12から反転用搬送路16に取り込まれた紙葉類の搬送方向をスイッチバック方式で反転させ、紙葉類を第2搬送路14へ排出するための機構である。
【0030】
反転用搬送路16は、略Y字上の形状を有し、上部の分岐の一方は第1搬送路12に、他方は第2搬送路14に接続するように形成される。反転用搬送路16の下部には、反転用搬送路16と交差するようにリミッタ52が配設される。リミッタ52は、端部の連結点62においてスプリング60と連結され、図1における上下方向に移動可能に配設される。反転用搬送路16との交差部分におけるリミッタ52の面は、反転用搬送路16に取り込まれる紙葉類の前端に接触する接触部54を形成する。
【0031】
スプリング60は、リミッタ52の連結点62と図示しない筐体上の連結点64との間に架設される。それにより、リミッタ52が反転用搬送路16に取り込まれる紙葉類に押されて下方へ移動すると、その移動距離に応じた強さを有するスプリング60の弾性力が、リミッタ52及び紙葉類を反転用搬送路16からの排出方向に付勢する。スプリング60の弾性率は、スプリング60による弾性力と取込ローラ42による搬送力とを受けた紙葉類が折損しないように、紙葉類の剛性に合わせて好適に選択される。
【0032】
反転用搬送路16の長さは、表裏反転装置1が取り扱うべき紙葉類の規格により定められる紙葉類10(図5参照)の長さに応じて選択される。少なくとも、反転用搬送路16は、後端が取込ローラ42と切替ローラ46との間を通過した紙葉類の全体を収容し得る長さを有する。
【0033】
[1−2.非反転時の動作例]
図2及び図3は、表裏反転装置1の非反転時の動作例を説明するための説明図である。また、図4〜図6は、表裏反転装置1の反転時の動作例を説明するための説明図である。なお、表裏反転装置1が紙葉類の表裏を反転させるべきか否かは、表裏反転装置1の内部又は外部の図示しない判定装置により予め判定される。そして、判定装置は、その判定結果を示す制御信号を取込用ソレノイド30に入力する。
【0034】
表裏反転装置1が紙葉類の表裏を反転させない場合には、図2及び図3に示しているように、取込用ブレード32は、取込用ソレノイド30の制御に応じて、姿勢32aを維持する。即ち、第1搬送路12と第2搬送路14との間には直線状の通路が開かれている。従って、第1プレッシャローラ22及び第1搬送ローラ24の間を搬送される紙葉類10(図2参照)は、その剛性により水平に搬送されて切替ローラ46の上方を通過し、第2プレッシャローラ26及び第2搬送ローラ28の間に到達して第2搬送路14へ搬送される(図3参照)。その結果、この場合には紙葉類10の表裏は反転されず、紙葉類10は、表裏反転装置1に搬入された時と同等の向きのまま搬出される。
【0035】
[1−3.反転時の動作例]
表裏反転装置1が紙葉類の表裏を反転させる場合には、図4〜図6に示しているように、取込用ブレード32の姿勢は、取込用ソレノイド30の制御に応じて、姿勢32bに切り替えられる。即ち、第1搬送路12と第2搬送路14との間を取込用ブレード32が塞ぐ形となり、取込用ブレード32は、第1搬送路12から搬送される紙葉類10を切替ローラ46と取込ローラ42との間に向けて案内する(図4参照)。そして、紙葉類10は、切替ローラ46と取込ローラ42との間を通過し、取込用搬送路16に取り込まれる。このとき、紙葉類10の前端は、リミッタ52の接触部54に接触し、リミッタ52を下方向(D1方向)に押し下げる。さらに搬送されて反転用搬送路16に完全に取り込まれた紙葉類10(図5参照)は、取込ローラ42による搬送力を失う。この時点で、紙葉類10には、リミッタ52を介して伝わるスプリング60の弾性力のみが付勢される。それにより、紙葉類10の搬送方向は、取込方向(図5のD1方向)から排出方向(D1方向の反対方向)へと反転する。また、紙葉類10の後端(取込方向から見た後端。排出方向から見た場合は前端)の向きは、切替ローラ46により第1搬送路12から第2搬送路14の方向へ切り替えられる(図5の矢印D2参照)。その結果、紙葉類10は、排出ローラ44と切替ローラ46との間に挟み込まれ、スプリング60の弾性力及び排出ローラ44の搬送力を得て第2搬送路14へ排出される(図6参照)。この場合には、紙葉類10が反転機構50によりスイッチバックされることで、紙葉類10の表裏は反転される。そして、紙葉類10は、表裏反転装置1に搬入された状態から裏返された形で、表裏反転装置1から搬出される。
【0036】
なお、切替ローラ46及び取込ローラ42は、互いの外周が回転軸方向からみて重なり合うように配設される。図7は、切替ローラ46及び取込ローラ42の配置の一例を、図1の方向A2から見た断面(図1のA1)により示す説明図である。図7を参照すると、切替ローラ46及び取込ローラ42の外周が回転軸方向からみて重なり合っていることにより、切替ローラ46及び取込ローラ42の間を通過する紙葉類10が波状に折り曲げられる。それにより、搬送方向に沿った紙葉類10の剛性が高められるため、リミッタ52に接触した紙葉類10は、たわむことなく、リミッタ52を押し下げることができる。
【0037】
これに対し、切替ローラ46及び排出ローラ44は、互いの外周が回転軸方向からみて紙葉類10の厚さ程度の間隔を空けるように配設されてよい。図8は、切替ローラ46及び排出ローラ44の配置の一例を、図1の方向B2から見た断面(図1のB1)により示す説明図である。図8を参照すると、切替ローラ46及び排出ローラ44の間を通過する紙葉類10が図7の例と比較して折り曲げられていないことが理解される。
【0038】
[1−4.動作フロー]
図9は、表裏反転装置1の動作の流れの一例を示すフローチャートである。図9を参照すると、まず、表裏反転装置1の内部又は外部の判定装置により、表裏反転装置1が紙葉類の表裏を反転させるべきか否かが判定される(ステップS100)。ここで、紙葉類の表裏を反転させるべきである場合には、反転時の動作(ステップS102〜S128)が行われる。一方、紙葉類の表裏を反転させなくてよい場合には、非反転時の動作(ステップS132〜S136)が行われる。
【0039】
反転時の動作において、まず、取込用ソレノイド30は、取込用ブレード32の姿勢を姿勢32bへ切り替える(ステップS102)。次に、搬入口から第1搬送路12へ、紙葉類が搬入される(ステップS104)。次に、取込用ブレード32に案内された紙葉類が、取込ローラ42により第1搬送路12から反転機構50の反転用搬送路16へ取り込まれる(ステップS106)。次に、反転機構50による表裏反転動作が行われる(ステップS108)。
【0040】
図10は、表裏反転装置1の反転機構50による表裏反転動作の詳細な流れの一例を示すフローチャートである。図10を参照すると、まず、反転機構50の反転用搬送路16へ取り込まれた紙葉類の前端がリミッタ52に突き当たる(ステップS112)。次に、紙葉類が、リミッタ52の接触部54を介して付勢されるスプリング60の弾性力に抗して下方へ移動する(ステップS114)。次に、切替ローラ46は、反転用搬送路16に完全に取り込まれた紙葉類10の後端の向きを、第1搬送路12から第2搬送路14の方向へ切り替える(ステップS116)。また、スプリング60の弾性力により、紙葉類の搬送方向が反転する(ステップS118)。そして、スプリング60の弾性力に付勢されたリミッタ52が、紙葉類を排出方向に押し上げて元の位置まで復帰する(ステップS120)。
【0041】
図9に戻り、表裏反転装置1の動作の流れの説明を継続する。リミッタ52により押し上げられた紙葉類は、排出ローラ44により反転機構50の反転用搬送路16から第2搬送路14へ排出される(ステップS126)。そして、紙葉類は、第2プレッシャローラ26及び第2搬送ローラ28により第2搬送路14上を搬送され、表裏反転装置1から搬出される(ステップS128)。
【0042】
一方、非反転時の動作において、搬入口から第1搬送路12へ紙葉類が搬入されると(ステップS132)、紙葉類は、第1プレッシャローラ22及び第1搬送ローラ24により、第1搬送路12から第2搬送路14へ搬送される(ステップS134)。そして、紙葉類は、第2プレッシャローラ26及び第2搬送ローラ28により第2搬送路14上を搬送され、表裏反転装置1から搬出される(ステップS136)。
【0043】
[1−5.課題の説明]
上述した表裏反転装置1は、リミッタ52が反転用搬送路16に沿って移動可能であることにより、長さの異なる紙葉類を比較的柔軟に取り扱うことができる。また、反転機構50内でアクチュエータが不要であるため、装置の製造コストが安価であるという利点もある。しかしながら、ある長さを超える紙葉類が反転機構50に取り込まれた場合には、スプリング60による弾性力が過度に強くなり、又はスプリング60の伸びが限界に達することにより、反転用搬送路16に完全に取り込まれなかった紙葉類が折損する可能性がある。また、紙葉類が折損しない場合でも、紙葉類が反転用搬送路16に完全に取り込まれずに搬送路内に詰まり、ジャムなどの障害が発生する恐れがある。
【0044】
特に、サービスが多様化した現在では、例えば券印刷機により発券されるチケットの種類もまた様々である。一例を挙げれば、交通機関のチケット窓口においても、通常の乗車券のみならず、回数券、領収書、クレジットカードの明細書、及び特別に企画された期間限定チケットなど、様々な券が印刷され得る。そして、これら様々な券に規定された長さは必ずしも同一でない。しかし、異なる規格の券ごとに異なる券印刷機を使用しなければならないとすれば、コストや設置面積などの観点で不利が大きい。従って、長さの異なる紙葉類のさらなる柔軟な取り扱いを可能とすると共に、規定に適合しない長さの紙葉類が挿入された場合にも障害が発生しないような表裏反転装置が提供されることが求められている。次節より説明する本発明の2つの実施形態は、そのような表裏反転装置を実現するものである。
【0045】
<2.第1の実施形態>
[2−1.装置の構成例]
図11は、本発明の第1の実施形態に係る表裏反転装置2の構成の一例を示す構成図である。図11を参照すると、表裏反転装置2は、図1に示した表裏反転装置1と同様、第1搬送路12、第2搬送路14、第1プレッシャローラ22、第1搬送ローラ24、第2プレッシャローラ26、第2搬送ローラ28、取込用ソレノイド30、取込用ブレード32、取込ローラ42、排出ローラ44、及び切替ローラ46を備える。さらに、表裏反転装置2は、反転機構150を備える。反転機構150は、反転用搬送路16、リミッタ152、スプリング160、ガイド170及びセンサ180を有する。
【0046】
リミッタ152は、反転用搬送路16の下部において反転用搬送路16と交差するように配設される。リミッタ152は、中央の連結点162においてスプリング160と連結される。リミッタ152の一端には、反転用搬送路16との交差部分において反転用搬送路16に取り込まれる紙葉類の取込方向の前端に接触する接触部154が形成される。リミッタ152の他端には、反転用搬送路16と並行して設けられるガイド170の溝172に係合される回転軸156が配設される。
【0047】
スプリング160は、リミッタ152の連結点162と図示しない筐体上の連結点164との間に架設される。それにより、リミッタ152が反転用搬送路16に取り込まれる紙葉類に押されて下方へ移動すると、その移動距離に応じた強さを有するスプリング160の弾性力が、リミッタ152及び紙葉類を反転用搬送路16からの排出方向に付勢する。
【0048】
ガイド170は、反転用搬送路16の外部に位置し、上述したように、反転用搬送路16と並行して設けられる溝172を有する。かかる溝172に上記リミッタ152の回転軸156が係合していることにより、リミッタ152の接触部154及び回転軸156は、溝172に沿って図11における上下方向(図11のD3方向又はその反対方向)に移動可能である。溝172の下端174は、紙葉類が取り込まれていない状態において回転軸156と係合している位置から、後述する距離L1よりも短い距離L2だけ下方に位置する。
【0049】
センサ180は、紙葉類が反転用搬送路16上で取込方向に距離L1を超えて移動した場合に信号を出力するセンサである。センサ180は、例えば、反転用搬送路16上の物体を検知する赤外線センサ、光センサ、接触センサ又は磁気センサなど、任意の種類のセンサであってよい。また、センサ180は、例えば、反転用搬送路16上ではなくガイド170に設けられ、回転軸156の周りのリミッタ152の回転角に基づいて、距離L1を超える紙葉類の移動を検知してもよい。センサ180が上述した信号を出力することにより、図示しないアラーム装置が例えば音又は光などによる警報を発する。
【0050】
[2−2.動作例]
表裏反転装置2の非反転時の動作は、図2及び図3を用いて説明した表裏反転装置1の非反転時の動作例と同様である。また、表裏反転装置2の反転時の動作は、図4〜図6を用いて説明した表裏反転装置1の反転時の動作例と同様である。但し、本実施形態に係る表裏反転装置2によれば、距離L2を超えて距離L1まで移動するリミッタ152が回転軸156の周りに回動するため、スプリング160の伸びの限界よりもリミッタ152の回転の分だけより長い紙葉類を取り扱うことが可能である。
【0051】
さらに、本実施形態において、表裏反転装置2は、規定を超える長さの紙葉類が挿入された場合には、図12〜図14に示すように動作する。なお、規定を超える紙葉類の長さとは、典型的には、反転用搬送路16に紙葉類が完全に取り込まれる前にリミッタ152の接触部154が距離L1を超えて移動するような長さをいう。
【0052】
図12を参照すると、姿勢32bに切り替えられた取込用ブレード32に案内されて切替ローラ46と取込ローラ42との間を通過し、前端がリミッタ152の接触部154を距離L2まで押し下げた紙葉類10が示されている。このとき、リミッタ152の回転軸156は、溝172の下端174まで移動して下端174に係止される。
【0053】
取込ローラ42の搬送力により紙葉類10がさらに取り込まれ、リミッタ152の接触部154が距離L2を超えて押し下げられると、リミッタ152は、溝172の下端174に係止された回転軸156を中心として回動する。そして、紙葉類10に押されたリミッタ152の接触部154がさらに距離L1を超えて下方に移動すると、回動するリミッタ152は、最終的に反転用搬送路16上から離脱する(図13参照)。その結果、リミッタ152を介して付勢されるスプリング160の弾性力を失った紙葉類10は、反転用搬送路16をさらに下方へ移動する。このとき、距離L1を超えて移動する紙葉類10を検知したセンサ180からの出力信号に応じて警報が発せられる。そして、紙葉類10は、搬送路16の下方から外部へ排出され、又は警報を確認したオペレータにより取り除かれる。
【0054】
[2−3.動作フロー]
図15は、表裏反転装置2の反転機構150による規定を超える長さの紙葉類が挿入された場合の動作の流れの一例を示すフローチャートである。図15を参照すると、まず、反転機構150の反転用搬送路16へ取り込まれた紙葉類の前端がリミッタ152に突き当たる(ステップS112)。そして、取込ローラ42の搬送力により紙葉類がさらに下方へ移動すると、リミッタ152は、スプリング160の弾性力に抗して下方へ移動する(ステップS114)。ここまでは、図10に例示した表裏反転装置1の反転時の動作例と同様である。次に、リミッタ152の接触部154が距離L2を超えて移動すると(ステップS216)、リミッタ152が回転軸156を中心として回動する(ステップS218)。また、リミッタ152の接触部154が距離L1を超えて移動すると(ステップS220)、リミッタ152が反転用搬送路16から離脱する(ステップS222)。そして、リミッタの離脱あるいは距離L1を超えて移動する紙葉類10をセンサ180が検知し、アラーム装置から警報が発せられる(ステップS224)。
【0055】
[2−4.第1の実施形態のまとめ]
ここまで、本発明の第1の実施形態に係る表裏反転装置2について説明した。本実施形態によれば、反転用搬送路に取り込まれる紙葉類を排出方向へ付勢して紙葉類の搬送方向を反転させるリミッタが、スプリングの弾性により移動可能であると共にさらに回動可能であることから、紙葉類の長さがある程度異なる場合にも紙葉類の表裏を反転させることができる。また、本実施形態においても、反転機構内でやはりアクチュエータが不要であるため、装置の製造コストが安価であるという利点が維持される。また、リミッタがスプリングの弾性力に抗して反転用搬送路の取込方向に第1の距離(例えば距離L1)を超えて移動する場合には、リミッタが反転用搬送路上から離脱する。従って、紙葉類に過度の弾性力が加わって反転用搬送路内で紙葉類が折損することがない。また、紙葉類が反転用搬送路に完全に取り込まれずに搬送路内に詰まることがないため、ジャムなどの障害の発生が回避される。また、リミッタが回動して反転用搬送路上から離脱することで、仮に紙葉類が反転用搬送路内に取り残されたとしても、装置を分解することなくオペレータが紙葉類を容易に除去することが可能である。
【0056】
<3.第2の実施形態>
[3−1.装置の構成例]
図16は、本発明の第2の実施形態に係る表裏反転装置3の構成の一例を示す構成図である。図16を参照すると、表裏反転装置3は、第2の実施形態に係る表裏反転装置2と同様、第1搬送路12、第2搬送路14、第1プレッシャローラ22、第1搬送ローラ24、第2プレッシャローラ26、第2搬送ローラ28、取込用ソレノイド30、取込用ブレード32、取込ローラ42、排出ローラ44、及び切替ローラ46を備える。さらに、表裏反転装置3は、切替ユニット140、第1の反転機構250及び第2の反転機構350を備える。第1の反転機構250は、反転用搬送路216、リミッタ252、スプリング260、ガイド270及びセンサ180を有する。第2の反転機構350は、反転用搬送路316、リミッタ352、スプリング360、ガイド370及びセンサ180を有する。
【0057】
切替ユニット140は、切替用ブレード142及び切替用ソレノイド144を含む。切替用ブレード142は、搬送路が第1の反転機構250の反転用搬送路216と第2の反転機構350の反転用搬送路316とに分岐する分岐部17に設けられる。切替用ブレード142の姿勢は、切替用ソレノイド144から発生される駆動力により、反転用搬送路216及び反転用搬送路316のいずれかを選択的に塞ぐように制御される。切替用ブレード142が反転用搬送路316を塞いでいる場合には、分岐部17に到達した紙葉類は、反転用搬送路216へ案内され、第1の反転機構250に取り込まれる。一方、切替用ブレード142が反転用搬送路216を塞いでいる場合には、分岐部17に到達した紙葉類は、反転用搬送路316へ案内され、第2の反転機構350に取り込まれる。
【0058】
第1の反転機構250のリミッタ252は、反転用搬送路216の下部において反転用搬送路216と交差するように配設される。リミッタ252は、中央の連結点262においてスプリング260と連結される。リミッタ252の一端には、反転用搬送路216との交差部分において反転用搬送路216に取り込まれる紙葉類の取込方向の前端に接触する接触部254が形成される。リミッタ252の他端には、反転用搬送路216と並行して設けられるガイド270の溝272に係合される回転軸256が配設される。
【0059】
スプリング260は、リミッタ252の連結点262と図示しない筐体上の連結点264との間に架設される。それにより、リミッタ252が反転用搬送路216に取り込まれる紙葉類に押されて下方へ移動すると、その移動距離に応じた強さを有するスプリング260の弾性力が、リミッタ252及び紙葉類を反転用搬送路216からの排出方向に付勢する。
【0060】
ガイド270は、反転用搬送路216の外部に位置し、上述したように、反転用搬送路216と並行して設けられる溝272を有する。かかる溝272に上記リミッタ252の回転軸256が係合していることにより、リミッタ252の接触部254及び回転軸256は、溝272に沿って図16のD4方向又はその反対方向に移動可能である。
【0061】
第2の反転機構350のリミッタ352は、反転用搬送路316の下部において反転用搬送路316と交差するように配設される。リミッタ352は、中央の連結点362においてスプリング360と連結される。リミッタ352の一端には、反転用搬送路316との交差部分において反転用搬送路316に取り込まれる紙葉類の取込方向の前端に接触する接触部354が形成される。リミッタ352の他端には、反転用搬送路316と並行して設けられるガイド370の溝372に係合される回転軸356が配設される。
【0062】
スプリング360は、リミッタ352の連結点362と図示しない筐体上の連結点364との間に架設される。それにより、リミッタ352が反転用搬送路316に取り込まれる紙葉類に押されて下方へ移動すると、その移動距離に応じた強さを有するスプリング360の弾性力が、リミッタ352及び紙葉類を反転用搬送路316からの排出方向に付勢する。
【0063】
ガイド370は、反転用搬送路316の外部に位置し、上述したように、反転用搬送路316と並行して設けられる溝372を有する。かかる溝372に上記リミッタ352の回転軸356が係合していることにより、リミッタ352の接触部354及び回転軸356は、溝372に沿って図16のD5方向又はその反対方向に移動可能である。
【0064】
図16に示しているように、切替ユニット140による紙葉類の取込先の切替点から第1の反転機構250のリミッタ252までの長さと、当該切替点から第2の反転機構350のリミッタ352までの長さとは異なる。本実施系形態では、切替点から第1の反転機構250のリミッタ252までの長さの方が、切替点から第2の反転機構350のリミッタ352までの長さよりも短い。これにより、第1の反転機構250が相対的に短い紙葉類を取り込んでその搬送方向を反転させると共に、第2の反転機構350が相対的に長い紙葉類を取り込んでその搬送方向を反転させることが可能となる。例えば、第1の反転機構250が取り込む紙葉類の長さは、一般的な乗車券の長さとして規定された70mm〜100mmの範囲内の長さであり、第2の反転機構350が取り込む紙葉類の長さは、より長い105mm〜135mmの範囲内の長さであってもよい。
【0065】
なお、図16の例では、第1の反転機構250及び第2の反転機構350が共にセンサ180を有している。しかしながら、かかる例に限定されず、いずれか一方又は双方のセンサ180が省略されてもよい。例えば、より長い紙葉類を取り込む第2の反転機構350のみが、センサ180を有してもよい。
【0066】
[3−2.反転時の第1の動作例]
表裏反転装置3の非反転時の動作は、図2及び図3を用いて説明した表裏反転装置1の非反転時の動作例と同様である。図17は、表裏反転装置3による、より短い紙葉類の反転時の動作例を説明するための説明図である。また、図18は、表裏反転装置3による、より長い紙葉類の反転時の動作例を説明するための説明図である。なお、表裏反転装置3に搬入される紙葉類の長さは、表裏反転装置3の内部又は外部の図示しない長さ判定装置により予め判定される。そして、長さ判定装置は、その判定結果に応じた制御信号を切替ユニット140の切替用ソレノイド144に入力する。
【0067】
より短い紙葉類11aが表裏反転装置3に搬入される場合には、図17に示しているように、切替ユニット140の切替用ブレード142の姿勢は、切替用ソレノイド144の制御に応じて、反転用搬送路316を塞ぐように切り替えられる。それにより、切替ローラ46と取込ローラ42との間を通過して分岐部17まで到達した紙葉類11aは、第1の反転機構250の反転用搬送路216に取り込まれる。そして、紙葉類11aの前端は、リミッタ252の接触部254に接触し、リミッタ252をD4方向に押し下げる。さらに搬送されて反転用搬送路216に完全に取り込まれた紙葉類11a(図17参照)は、取込ローラ42による搬送力を失う。この時点で、紙葉類11aには、リミッタ252を介して伝わるスプリング260の弾性力のみが付勢される。それにより、紙葉類11aの搬送方向は、取込方向(図17のD4方向)から排出方向(D4方向の反対方向)へと反転する。また、紙葉類11aの後端の向きは、切替ローラ46により第1搬送路12から第2搬送路14の方向へ切り替えられる。その結果、紙葉類11aは、排出ローラ44と切替ローラ46との間に挟み込まれ、スプリング260の弾性力及び排出ローラ44の搬送力を得て第2搬送路14へ排出される。
【0068】
[3−3.反転時の第2の動作例]
より長い紙葉類11bが表裏反転装置3に搬入される場合には、図18に示しているように、切替ユニット140の切替用ブレード142の姿勢は、切替用ソレノイド144の制御に応じて、反転用搬送路216を塞ぐように切り替えられる。それにより、切替ローラ46と取込ローラ42との間を通過して分岐部17まで到達した紙葉類11bは、第2の反転機構350の反転用搬送路316に取り込まれる。そして、紙葉類11bの前端は、リミッタ352の接触部354に接触し、リミッタ352をD5方向に押し下げる。さらに搬送されて反転用搬送路316に完全に取り込まれた紙葉類11b(図18参照)は、取込ローラ42による搬送力を失う。この時点で、紙葉類11bには、リミッタ352を介して伝わるスプリング360の弾性力のみが付勢される。それにより、紙葉類11bの搬送方向は、取込方向(図18のD5方向)から排出方向(D5方向の反対方向)へと反転する。また、紙葉類11bの後端の向きは、切替ローラ46により第1搬送路12から第2搬送路14の方向へ切り替えられる。その結果、紙葉類11bは、排出ローラ44と切替ローラ46との間に挟み込まれ、スプリング360の弾性力及び排出ローラ44の搬送力を得て第2搬送路14へ排出される。
【0069】
また、規定を超える長さを有する紙葉類(図示せず)が第2の反転機構350に取り込まれた場合には、第2の反転機構350のリミッタ352が、ガイド370の溝372により係止される回転軸356を中心として回動し、反転用搬送路316上から離脱する。その結果、規定外の紙葉類を第2の反転機構350のセンサ180が検知し、第2の実施形態に係る表裏反転装置2の場合と同様、警報が発せられる。
【0070】
[3−4.動作フロー]
図19は、表裏反転装置3の動作の流れの一例を示すフローチャートである。図19を参照すると、まず、表裏反転装置3の内部又は外部の判定装置により、表裏反転装置3が紙葉類の表裏を反転させるべきか否かが判定される(ステップS100)。ここで、紙葉類の表裏を反転させなくてよい場合には、非反転時の動作(ステップS132〜S136)が行われる。なお、非反転時の動作(ステップS132〜S136)は、図9を用いて説明した表裏反転装置1の動作と共通しているため、重複する説明を省略する。
【0071】
紙葉類の表裏を反転させるべきである場合には、まず、取込用ソレノイド30は、取込用ブレード32の姿勢を姿勢32bへ切り替える(ステップS102)。次に、搬入口から第1搬送路12へ、紙葉類が搬入される(ステップS104)。
【0072】
また、表裏反転装置3の内部又は外部の長さ判定装置により、表裏反転装置3に搬入される紙葉類の長さが所定の閾値未満であるか否かが判定される(ステップS302)。ここで、紙葉類の長さが所定の閾値未満である場合には、紙葉類は、取込用ブレード32に案内されて切替ローラ46と取込ローラ42との間を通過した後、さらに切替用ブレード142に案内されて第1搬送路12から第1の反転機構250の反転用搬送路216へ取り込まれる(ステップS304)。次に、第1の反転機構250による表裏反転動作が行われる(ステップS306)。第1の反転機構250による表裏反転動作は、図10を用いて説明した表裏反転装置1の反転機構50による動作と同様である。その後、第1の反転機構250内で搬送方向が反転した紙葉類は、排出ローラ44により第1の反転機構250の反転用搬送路216から第2搬送路14へ排出される(ステップS308)。
【0073】
一方、ステップS302において紙葉類の長さが所定の閾値以上である場合には、紙葉類は、取込用ブレード32に案内されて切替ローラ46と取込ローラ42との間を通過した後、さらに切替用ブレード142に案内されて第1搬送路12から第2の反転機構350の反転用搬送路316へ取り込まれる(ステップS314)。次に、第2の反転機構350による表裏反転動作が行われる(ステップS316)。第2の反転機構350による表裏反転動作は、図10を用いて説明した表裏反転装置1の反転機構50による動作と同様である。その後、第2の反転機構350内で搬送方向が反転した紙葉類は、排出ローラ44により第2の反転機構350の反転用搬送路316から第2搬送路14へ排出される(ステップS318)。
【0074】
そして、紙葉類は、第2プレッシャローラ26及び第2搬送ローラ28により第2搬送路14上を搬送され、表裏反転装置3から搬出される(ステップS320)。
【0075】
[3−5.第2の実施形態のまとめ]
ここまで、本発明の第2の実施形態に係る表裏反転装置3について説明した。本実施形態によれば、表裏反転装置3は、反転用搬送路が分岐する切替点からリミッタの離脱点までの長さが互いに異なる2つの反転機構を備える。これは、表裏反転装置3の2つの反転機構により取込可能な紙葉類の長さが互いに異なることを意味する。従って、反転機構が1つである場合と比較してより多様な長さの紙葉類の表裏を反転させることができる。
【0076】
また、リミッタがスプリングの弾性力に抗して反転用搬送路の取込方向に一定の距離を超えて移動する場合には、リミッタが反転用搬送路上から離脱する。従って、第2の実施形態と同様、反転用搬送路内で紙葉類が折損することがなく、またジャムなどの障害の発生が回避される。さらに、リミッタが回動して反転用搬送路上から離脱することで、仮に紙葉類が反転用搬送路内に取り残されたとしても、装置を分解することなくオペレータが紙葉類を容易に除去することが可能である。
【0077】
また、表裏反転装置1のようにリミッタが反転用搬送路上から離脱しない構成を採用する場合にも、本実施形態に係る表裏反転装置3のように2つの反転機構に選択的に紙葉類を取り込むことで、例えば一方のスプリングの伸びの限界に制限されることなく、より多様な長さの紙葉類の表裏を反転させることができる。
【0078】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0079】
1,2,3 表裏反転装置
10,11a,11b 紙葉類
12 第1搬送路
14 第2搬送路
16 反転用搬送路
42 取込ローラ
44 排出ローラ
46 切替ローラ
48 羽根
140 切替ユニット
150,250,350 反転機構
152,252,352 リミッタ
156,256,356 回転軸
160,260,360 スプリング
170,270,370 ガイド
172,272,372 溝
180 センサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙葉類の表裏を反転させるための表裏反転装置であって、
前記紙葉類を搬入する第1搬送路と、
前記紙葉類の搬送方向を反転させる反転用搬送路を有する反転機構と、
前記紙葉類を搬出する第2搬送路と、
前記紙葉類を前記第1搬送路から前記反転用搬送路へ取り込む取込ローラと、
前記紙葉類を前記反転用搬送路から前記第2搬送路へ排出する排出ローラと、
前記取込ローラ及び前記排出ローラの間に設けられ、前記反転機構の前記反転用搬送路に取り込まれた前記紙葉類の後端の向きを前記第1搬送路から前記第2搬送路へ切り替える切替ローラと、
を備え、
前記反転機構は、
前記取込ローラにより取り込まれる前記紙葉類の前端に接触し、弾性力により前記紙葉類を前記反転用搬送路からの排出方向に付勢するリミッタと、
前記リミッタが前記弾性力に抗して前記反転用搬送路の取込方向に第1の距離を超えて移動する場合に、前記リミッタを前記反転用搬送路上から離脱させるガイドと、
をさらに有する、
表裏反転装置。
【請求項2】
前記ガイドは、前記リミッタが前記第1の距離よりも短い第2の距離を超えて移動する場合に、前記反転用搬送路の外部に位置する前記リミッタの回転軸を中心として前記リミッタを回動させる、請求項1に記載の表裏反転装置。
【請求項3】
前記リミッタは、前記反転用搬送路上で前記紙葉類の前記前端に接触する接触部と、前記反転用搬送路と並行して設けられる前記ガイドの溝に係合される前記回転軸と、を有し、
前記リミッタの前記接触部及び前記回転軸は、前記ガイドの溝に沿って移動可能であり、
前記ガイドの溝は、前記第2の距離まで移動した前記リミッタの前記回転軸を係止する、
請求項2に記載の表裏反転装置。
【請求項4】
前記反転機構は、
前記紙葉類が前記反転用搬送路上で取込方向に前記第1の距離を超えて移動したことを検知するセンサと、
前記センサの出力に応じて警報を発するアラームと、
をさらに有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の表裏反転装置。
【請求項5】
前記表裏反転装置は、
前記リミッタ及び前記ガイドの組をそれぞれ有する2つの前記反転機構と、
搬入される前記紙葉類の長さに応じて、前記紙葉類を取り込む反転機構を第1の反転機構及び第2の反転機構の間で切り替える切替ユニットと、
をさらに備え、
前記切替ユニットによる切替点から前記第1の反転機構の前記反転用搬送路上の前記リミッタの離脱点までの長さと、前記切替点から前記第2の反転機構の前記反転用搬送路上の前記リミッタの離脱点までの長さとは異なる、
請求項1に記載の表裏反転装置。
【請求項6】
紙葉類の表裏を反転させるための表裏反転装置であって、
前記紙葉類を搬入する第1搬送路と、
前記紙葉類の搬送方向を反転させる反転用搬送路をそれぞれ有する2つの反転機構と、
前記紙葉類を搬出する第2搬送路と、
搬入される前記紙葉類の長さに応じて、前記紙葉類を取り込む反転機構を第1の反転機構及び第2の反転機構の間で切り替える切替ユニットと、
前記紙葉類を前記第1搬送路から前記切替ユニットの切替点へ取り込む取込ローラと、
前記紙葉類を前記切替点から前記第2搬送路へ排出する排出ローラと、
前記取込ローラ及び前記排出ローラの間に設けられ、前記第1の反転機構又は前記第2の反転機構の前記反転用搬送路に取り込まれた前記紙葉類の後端の向きを前記第1搬送路から前記第2搬送路へ切り替える切替ローラと、
を備え、
前記第1の反転機構及び前記第2の反転機構は、前記取込ローラにより取り込まれる前記紙葉類の前端に接触し、弾性力により前記紙葉類を前記反転用搬送路からの排出方向に付勢するリミッタ、をそれぞれさらに有し、
前記第1の反転機構により取込可能な前記紙葉類の長さと、前記第2の反転機構により取込可能な前記紙葉類の長さとは異なる、
表裏反転装置。
【請求項1】
紙葉類の表裏を反転させるための表裏反転装置であって、
前記紙葉類を搬入する第1搬送路と、
前記紙葉類の搬送方向を反転させる反転用搬送路を有する反転機構と、
前記紙葉類を搬出する第2搬送路と、
前記紙葉類を前記第1搬送路から前記反転用搬送路へ取り込む取込ローラと、
前記紙葉類を前記反転用搬送路から前記第2搬送路へ排出する排出ローラと、
前記取込ローラ及び前記排出ローラの間に設けられ、前記反転機構の前記反転用搬送路に取り込まれた前記紙葉類の後端の向きを前記第1搬送路から前記第2搬送路へ切り替える切替ローラと、
を備え、
前記反転機構は、
前記取込ローラにより取り込まれる前記紙葉類の前端に接触し、弾性力により前記紙葉類を前記反転用搬送路からの排出方向に付勢するリミッタと、
前記リミッタが前記弾性力に抗して前記反転用搬送路の取込方向に第1の距離を超えて移動する場合に、前記リミッタを前記反転用搬送路上から離脱させるガイドと、
をさらに有する、
表裏反転装置。
【請求項2】
前記ガイドは、前記リミッタが前記第1の距離よりも短い第2の距離を超えて移動する場合に、前記反転用搬送路の外部に位置する前記リミッタの回転軸を中心として前記リミッタを回動させる、請求項1に記載の表裏反転装置。
【請求項3】
前記リミッタは、前記反転用搬送路上で前記紙葉類の前記前端に接触する接触部と、前記反転用搬送路と並行して設けられる前記ガイドの溝に係合される前記回転軸と、を有し、
前記リミッタの前記接触部及び前記回転軸は、前記ガイドの溝に沿って移動可能であり、
前記ガイドの溝は、前記第2の距離まで移動した前記リミッタの前記回転軸を係止する、
請求項2に記載の表裏反転装置。
【請求項4】
前記反転機構は、
前記紙葉類が前記反転用搬送路上で取込方向に前記第1の距離を超えて移動したことを検知するセンサと、
前記センサの出力に応じて警報を発するアラームと、
をさらに有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の表裏反転装置。
【請求項5】
前記表裏反転装置は、
前記リミッタ及び前記ガイドの組をそれぞれ有する2つの前記反転機構と、
搬入される前記紙葉類の長さに応じて、前記紙葉類を取り込む反転機構を第1の反転機構及び第2の反転機構の間で切り替える切替ユニットと、
をさらに備え、
前記切替ユニットによる切替点から前記第1の反転機構の前記反転用搬送路上の前記リミッタの離脱点までの長さと、前記切替点から前記第2の反転機構の前記反転用搬送路上の前記リミッタの離脱点までの長さとは異なる、
請求項1に記載の表裏反転装置。
【請求項6】
紙葉類の表裏を反転させるための表裏反転装置であって、
前記紙葉類を搬入する第1搬送路と、
前記紙葉類の搬送方向を反転させる反転用搬送路をそれぞれ有する2つの反転機構と、
前記紙葉類を搬出する第2搬送路と、
搬入される前記紙葉類の長さに応じて、前記紙葉類を取り込む反転機構を第1の反転機構及び第2の反転機構の間で切り替える切替ユニットと、
前記紙葉類を前記第1搬送路から前記切替ユニットの切替点へ取り込む取込ローラと、
前記紙葉類を前記切替点から前記第2搬送路へ排出する排出ローラと、
前記取込ローラ及び前記排出ローラの間に設けられ、前記第1の反転機構又は前記第2の反転機構の前記反転用搬送路に取り込まれた前記紙葉類の後端の向きを前記第1搬送路から前記第2搬送路へ切り替える切替ローラと、
を備え、
前記第1の反転機構及び前記第2の反転機構は、前記取込ローラにより取り込まれる前記紙葉類の前端に接触し、弾性力により前記紙葉類を前記反転用搬送路からの排出方向に付勢するリミッタ、をそれぞれさらに有し、
前記第1の反転機構により取込可能な前記紙葉類の長さと、前記第2の反転機構により取込可能な前記紙葉類の長さとは異なる、
表裏反転装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−12178(P2012−12178A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−151099(P2010−151099)
【出願日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(591089556)株式会社 沖情報システムズ (276)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(591089556)株式会社 沖情報システムズ (276)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]