説明

表面にデザインを付与するためのデザイン用具

表面を恒久的または一時的に再デザイン、装飾、および/または再着色するための、組成物、方法、装置、キットおよび組合せが記載されている。本開示において有用な組成物には、表面に付与し、貼り付けられるように調製された装飾製品が含まれる。所望により、前記装飾製品は、表面に貼り付けられるよりも前に前記表面から実質的に除去することができる。装飾製品を除去することを使用者が望む場合には、前記装飾製品を、たとえば、真空掃除機かけ、湿式抽出、化学薬品付与など、多くの方法によって除去できるような調製とする。表面に前記装飾製品を恒久的または半恒久的に貼り付けることを使用者が望む場合には、たとえば、熱、圧力、放出波動、放出電場、磁場、および/または化学物質の形態でそれにエネルギーを付与することによって、前記装飾製品を前記表面に貼り付けてもよい。それらの装飾製品はさらに、キットの形態や、デザイン用具たとえば、前記表面の上にたとえばパターンを創り出す目的で前記装飾製品の付与を調節するためのステンシルとの組合せで使用してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許仮出願番号第60/687,953号(出願日:2005年6月7日)の利益を主張するものであり、そのすべてが参照により本明細書に取り込まれる。
連邦政府資金援助研究開発に関する参照(REFERENCE REGARDING FEDERALLY SPONSORED RESEARCH OR DEVELOPMENT)
【0002】
該当なし
アミノ酸配列(SEQUENTIAL LISTING)
【0003】
該当なし
【0004】
本明細書に開示されているのは、恒久的または一時的に再デザイン、装飾および/または再着色することが可能な、表面の向上化である。
【背景技術】
【0005】
家庭において審美性を改良することは、多くの消費者によって永年実施されてきたことである。軟質表面たとえばカーペット、敷物、掛け布、カーテン、椅子張り地などの表面領域をクリーニングするための、極めて多くの家庭用品および方法が存在している。しかしながら、ひどく汚れたりおよび/またはすり切れたりした表面では、減算法(たとえば、カーペットから化学的もしくは物理的に何かを除去する方法、たとえばクリーニングやシェービング法)では、前記表面を元の状態に完全に戻すことは不可能であり、消費者がこれによっていらいらさせられることが多い。多くの場合、処理をした後に斑点や染みがまた出現する。
【0006】
加算法(たとえば、層を作ったり、カバーをしたり、隠蔽をして何か望ましくないものを下に隠す方法)や、表面の審美性を改良するための方法、たとえば、ペイント法、擬似ペイント法(faux painting)、ステンシル法(stenciling)、縁取り法(bordering)、壁紙法、タイル法、羽目板法(wainscoting)、パネル法、装飾セッコウ法、アップリケ(たとえば写真、切り抜き、ステッカーなど)貼り付け法、積層法、およびモールディング法(たとえば、クラウン、シュー、チェア)などもまた知られている。しかしながら、軟質表面たとえば、カーペット、敷物、掛け布、カーテン、椅子張り地などには、それらの製品や方法は適用されなかった。
【0007】
いくつかの場合においては、水溶性および/または水分散性ポリマーおよび二分子層構造を形成させることが可能な界面活性剤を含む組成物を用いて、すれ切れて退色した布の色を元に戻したり再現させたりして、少なくとも1回の洗濯サイクル後、好ましくは少なくとも2回以上の洗濯サイクルの後にも長持ちする、より耐久性のある色の復旧および/または色の再現のメリットを与える。前記組成物は、スプレー容器によって布に付与してもよい。
【0008】
また別な例においては、部分的に漂白された布または衣料品を再染色する方法には、布または衣料品を背景色を用いて染色し、次いである領域にギャザーをよせて、さらなる反応剤のアクセスを制限する。次いで前記ギャザーをよせた領域を漂白して、前記ギャザーをよせた以外の領域から背景色除去してから、第二の色を用いて前記漂白した領域を再染色する。
【0009】
さらに別な場合においては、デジタル印刷装置が、回転ホイール、液状のペイント、インキ、または染料を前記ホイールの外縁に沿って付着させるための液体ディスペンサー、および外縁に隣接して位置し、前記ホイールがエアジェットの中で回転されたときに前記外縁から液体を除去して前記液体をプリント媒体に向かわせるエアジェットを備えている。フルカラーのデジタル画像を作るためには、複数の装置を使用する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一つの態様においては、表面に対してデザインを付与するために使用するステンシルには、第一の固体支持層を含む第一の層、前記第一の層に近接して配置された第二の層、前記第二の層に近接して配置された第三の層、および表面に固定するための、第三の層に近接して配置された、第二の固体支持層を含む第四の層が含まれる。第一の固体支持層または第二の固体支持層の内の少なくとも一つは、前記ステンシルの縁部を保持し、第二の層および第三の層はそれぞれ独立して、バリヤー層または吸収剤層を含む。切り抜き部分が、装飾製品を表面に付与するための、少なくとも第二の層および第三の層を貫通する通路を与えている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本明細書の開示は、恒久的または一時的に表面を再デザイン、装飾および/または再着色するための、組成物、方法、装置、キットおよび組合せに関するものである。本明細書においては、いくつかの具体的な実施態様を説明するが、本開示は、本発明の原理の例示としてのみ受け取られるべきであって、開示を説明された実施態様に限定することは意図されていないということを理解されたい。
【0012】
たとえば、本開示において有用な組成物には、表面に付与し貼り付けられるように調製された装飾製品が含まれる。以下においてさらに詳しく説明するが、所望により、前記装飾製品は、表面に貼り付けられるより前に前記表面から実質的に除去してもよい。装飾製品を除去することを使用者が望む場合には、前記装飾製品を、たとえば、真空掃除機かけ、湿式抽出、化学薬品付与など、多くの方法によって除去できるような調製とする。表面に前記装飾製品を恒久的または半恒久的に貼り付けることを使用者が望む場合には、そこにたとえば、熱、圧力、放出波動、放出電場、磁場、および/または化学物質の形態でエネルギーを付与することによって、前記装飾製品を前記表面に貼り付けてもよい。それらの装飾製品はさらに、キットの形態や、前記表面の上にたとえばパターンを創り出す目的で前記装飾製品の付与を調節するためのデザイン用具、たとえばステンシル、との組合せで使用してもよい。
【0013】
前記装飾製品は任意の表面に付与および/または貼り付けてもよく、たとえば軟質表面たとえばカーペット、敷物、掛け布、カーテン、椅子張り地などである。さらに、同様にして前記装飾製品を硬質表面に付与してもよいが、そのようなものとしてはたとえば、木材、金属、セラミック、ガラス、ポリマー、硬質床タイル、塗装表面、紙、石積み材料、岩石、繊維/複合材料、ゴム、コンクリートなどが挙げられる。前記装飾製品は、任意の用意された表面、たとえば、前染色、後染色、前製造、および後製造表面に付与してもよいと考えられる。さらに前記装飾製品は、前記装飾製品を付与してもよい表面を有する、特定の商品または対象物を製造するプロセスの間に付与してもよい。前記装飾製品を付与したりおよび/または貼り付けたりされうる表面は、具体的に使用される装飾製品によって、実質的に乾燥していても、実質的に濡れていても、僅かに湿っていても、湿っていてもよい。さらに、本開示の装飾製品は、実質的に平坦(flat)、平滑(smooth)および/または平準(level)な表面に付与してもよいし、あるいはそれ以外の任意の表面、たとえば、粗面(rough)、でこぼこ(bumpy)、非平滑(non−smooth)、階段状(stepped)、傾斜付き(sloped)、斜行(slanted)、上昇傾斜(inclined)、下降傾斜(declined)および/または乱れた(disturbed)表面などに付与してもよい。
【0014】
前記装飾製品を付与したりおよび/または貼り付けたりしてもよいカーペットの例としては、モジュラータイルおよびパネル(modular tiles and panels)たとえば、ミリケン(Milliken)レガート(LEGATO)(登録商標)、ミリケン(Milliken)テッセラ(TESSERAE)(登録商標)、インターフェースフロア(INTERFACEFLOR)(商標)、タンドス/シーアンドエー・フロアカバリング(Tandus/C&A Floorcovering)、ならびに、たとえばモホーク・インダストリーズ(Mohawk Industries)やショー・インダストリーズ・インコーポレーテッド(Shaw Industries,Inc.)のような製造業者からのものが挙げられる。カーペットのさらなる例を挙げれば、広幅織りカーペット、カットパイル(ベルベット/プラッシュ、サクソニー、フリーズ、シャグ)、ループパイル(レベルループ、マルチレベルループ、およびベルベル)、ならびにカットアンドループパイル(ランダムシアードおよびチップシアード)カーペットなどがある。装飾製品をそれに付与したりおよび/または貼り付けたりしてもよい軟質表面のさらなる例としては、なかんずく、たとえばエリアラグ(手織りまたは機械織り)、掛け布、カーテン、椅子張り地、およびセルロース系材料などが挙げられる。軟質表面となりうるものの構成材料としてはとりわけ、たとえば羊毛および綿などの天然繊維の、あるいはナイロン6、ナイロン6−6、ポリエステル、ポリプロピレン(オレフィン)、およびアクリルなどの合成繊維が挙げられる。
【0015】
本開示の装飾製品は、所望される具体的な実施態様にとって適切な、任意の定型的、化学的、および/または物理的調製法によって、調製され、設計され、生産され(produced)、製造され(manufactured)、付与され、除去され、および/またはパッケージングされてよいが、前記構成成分の内在的性質によってのみ制限が加えられる。前記装飾製品の例示的な調製には、液体の中に溶解または分散されて液体ベースの装飾製品を形成していてもよい固形物、液体キャリヤー、エマルション、懸濁液、コロイド、ゾル、分散液、溶液、ゲル、ペースト、フォーム、粉体、スプレー、錠剤、固形物、ガス状物、希釈剤たとえば水またはその他の溶媒、エアロゾル、それらの組合せなどが含まれる。化学的な調製法の例としては、ポリエステル重合、ラテックス凝集、ケミカルミリング、およびマイクロカプセル化、ならびに当業者公知のその他の方法が挙げられる。物理的な調製法は、装飾製品の成分の物理的な摩砕や、当業者公知のその他の手段からなっていてよい。装飾製品は、たとえば化学調製トナーにおいて使用される製造方法におけるような、ポリマー樹脂分子が分子スケールで着色剤、染料、および/または顔料粒子を取り込んでいるような分子ルートで合成されていてもよいし、樹脂および顔料粒子を物理的に互いにブレンドし、それを当業者に公知の機械的手段により適切なサイズにまで圧壊してもよい。
【0016】
装飾製品を、任意の数の基準をベースとして選択することができるが、そのような基準としては、表面の種類、条件、および/または装飾製品を付与および/または貼り付ける組成物などが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。装飾製品を選択するためのさらなる基準としては、望まれる耐光堅牢性、色の範囲、強さ、着色剤の均質性、および/または前記装飾製品の望まれる硬化性および/または固着性なども挙げられる。さらなる選択要因としては、カーペットもしくはその他の表面の外観および/または感触の増強、(たとえば、エリアラグタイプの装飾製品を重ねることによる)染みの隠蔽、表面に対する価値付加(たとえば、カーペットの寿命の延長)などが挙げられる。
【0017】
本開示において有用な装飾製品には、例えば着色剤、染料、インキ、トナー、ペイント、パッチ、カーペット光沢剤、蛍光物質、複合熱転写シート、粒子、コーティング、顔料、発光物質、ミクロ粒子、磁気応答粒子、活性化されるまでは着色しない仮想着色剤、および/またはハイブリッド顔料分子を含む着色剤、添加剤、ならびにそれらの組合せ、を含む着色剤のいずれか一つまたは組合せが含まれていてもよい。例を挙げて説明すれば、装飾製品には、装飾製品の全重量の約0.01%より大もしくは約95%より小、または約0.01%〜約70%の間、または約0.03%〜約15%の間、または約0.05%〜約10%、または約0.1%〜約5%の間の量の着色剤が含まれる。
【0018】
本開示においては、前記装飾製品の任意の想像可能な色が考えられるが、そのようなものとしては、シアン、イエロー、マゼンタ、ブラック、グリーン、オレンジ、バイオレット、ブルー、レッド、パープル、ホワイトシルバー、ゴールド、メタリック、クリア、ニュートラルもしくはノンニュートラル、およびそれらの任意の組合せが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。異なった色の単色装飾製品粒子を種々の量で組み合わせるか、あるいは、異なった色を有する多色装飾製品粒子を種々の量で組み合わせるかすることによって装飾製品に色を付与することができる。さらに、特定の装飾製品の色は、異なった色の単色粒子を所定の量で組み合わせるか、あるいは、異なった色の多色装飾製品粒子を所定の量で組み合わせるかすることによって得ることができる。このようにすれば、すべての想像可能な色を装飾製品の中に組み入れることができる。
【0019】
装飾製品には、活性化させるかおよび/または失活させるかまでは外見上着色していない、仮想着色剤が含まれていてもよい。一例としてリン含有着色剤を装飾製品の中に組み入れて、蛍光性によって特別な効果を与えるようにすることもできる。さらに、仮想着色剤によって、光の強度、光の角度、視角、および/または装飾製品への照明によって前記装飾の見え方を変化させることにより、特別な視覚効果を加えてもよい。そのような仮想着色剤の活性化としては、たとえば、リン含有仮想着色剤を種々の波長の光線に暴露させることが挙げられる。当業者には公知のように、燐光体含有化合物は、光に暴露させたときに、ルミネセンスまたは蛍光を発する。可視光線に暴露させたときには、燐光体が可視白色光を放つ。燐光体含有仮想着色剤を日光に暴露させても、白色が一層明るく見えるが、これは、太陽光線の中の紫外光線が、仮想着色剤の中における白色を、「通常の」白色よりも明るく輝かせるからである。たとえば、実質的に紫外線A波長を放出する電球からのブラックライトに暴露させた場合には、リン含有化合物は、パープルの色相に光る。ブラックライトはたとえば、基本的には変性燐光体コーティングを有する蛍光ランプであるブラックライト管から得ることができる。前記変性コーティングが、有害な短波長の紫外線Bおよび紫外線C波長を吸収し、紫外線A波長を放出する。ブラックライト管のチューブはブラックであって、ほとんどの可視光線を阻止し、ほとんどが長波長の紫外線A波長である発行をする。その他の有用な種類のブラックライトとしては、白熱ブラックライト球から得られるブラックライトが挙げられる。ブラックライト発光白熱ブラックライト球は、通常の家庭用電球に類似しているが、ほとんどの可視光線を吸収する一方で赤外線と紫外線A光線を放出するフィルターが組み入れられている。
【0020】
さらなる実施態様においては、仮想着色剤を含む装飾製品は、室間の道筋、出口への道筋、および/または避難ルートを表示するための、夜間用光源としても役立つ。
【0021】
表面を可逆的に着色するために、多くの製品を装飾製品の中で使用することができる。そのような製品としては、たとえば、染料、トナー、粉体ペイント、インキ、およびそれらの組合せが挙げられる。使用可能な染料の例としては、水系の染料たとえば、ミリケン・ケミカル・カンパニー(Milliken Chemical Company)からの、リキッドテイント(LIQUIDTAINT)(商標)およびバーサティント(VERSATINT)(登録商標)が挙げられる。使用可能なトナーの例としては、反応性トナーたとえば粉体トナーが挙げられる。有用な粉体トナーの例を挙げれば、ソウグラス・テクノロジーズ・インコーポレーテッド(Sawgrass Technologies,Inc.)から入手可能なもの、たとえばナチュラ(NATURA)(商標)粉体トナー、さらには、以下の表1に示された米国特許および特許出願公開の中に個別に開示されている調製物および/または組成物が挙げられる。
【0022】
【表1】

【0023】
本開示において有用なトナー粒子は、約90%以上の粒子が、約100ミクロン未満、または約25ミクロン未満、または約10ミクロン未満、または約0.1〜約50ミクロン、または約1〜約20ミクロン、または約3〜約10ミクロン、または約750nmより大〜約100ミクロン、または所望の適用に依存してそれらよりも大きな粒径または小さな粒径を有するという、粒径特性を有していてよい。一つの実施態様においては、前記トナー粒子の融点が、約60℃以下から約150℃以上まで、または約60℃〜約275℃、または約25℃〜約110℃、または約80℃〜約100℃の範囲である。
【0024】
本開示において有用なその他のトナー、組成物、添加剤、および硬化プロセスは、たとえば、米国特許第6,850,725号に開示されている。本開示において有用なさらに他のトナー、組成物、添加剤、および硬化プロセスは、たとえば、米国特許第6,713,222号に開示されている。本開示において有用なさらに他のトナー、組成物、添加剤、および硬化プロセスは、たとえば、米国特許第6,680,153号に開示されている。
【0025】
有用であると考えられる粉体ペイントの例としては、エポキシ、ポリエステル、ポリウレタン、および添加剤としてまたは装飾粒子としてのいずれかの、ハイブリッド化学物質を含むものが挙げられるが、これらについては後に説明する。使用可能と考えられるハイブリッド化学物質の一例は、エポキシ−ポリエステルハイブリッドであるが、このものは、反応性粉体コーティング産業においては日常的に使用されている。粉体ペイントのための典型的な粒径は、たとえば、約20ミクロンより大から約50ミクロンまでの範囲とすることができるが、本開示の目的においては、より大きいおよびより小さい粒径も考えられ、それらは、所望される可逆性および/または貼り付け性に依存していてよい。典型的な粉体ペイントは、約107℃から約163℃から約302℃までの融点温度を有していてよいが、より低い温度やより高い温度もまた本開示の内であると考えられる。
【0026】
さらに、装飾製品にはハイブリッド顔料粒子を有する着色剤が含まれていてもよい。ハイブリッド顔料粒子の一例は、たとえば染料と顔料とを組み合わせたものである。この実施態様においては、顔料分子が繊維表面をコーティングするのに対して、染料分子は繊維に侵入する。
【0027】
また別な実施態様においては、前記装飾製品を、1種または複数の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、着色剤、添加剤、および/または液体キャリヤーが含まれるように調製する。熱可塑性樹脂の例としては、たとえば、ポリエステル、不飽和ポリエステル、スチレン−ブタジエンコポリマー、ポリウレタン、スチレン−アクリレート、および/またはアクリル樹脂のようなポリマー材料が挙げられる。例を挙げれば、本開示において有用でありうる熱可塑性および/または熱硬化性樹脂は、たとえば約260℃以下の融点を有している。
【0028】
また別な実施態様においては、装飾製品には、たとえば、ナノカプセル化粒子、マイクロカプセル化粒子、マクロカプセル化粒子、区画分け粒子を含む、カプセル化された装飾製品粒子が含まれていてもよい。例を挙げれば、マイクロカプセル化装飾製品粒子には、たとえば一つまたは複数の外側シェル、一つまたは複数の内部区画、1種または複数種の着色剤、および/または1種または複数種の添加剤が含まれていてもよい。前記1種または複数種の着色剤および/または1種または複数種の添加剤は、同一の区画内にあってもよいし、あるいは別の区画にあってもよい。このマイクロカプセル化装飾製品粒子は、たとえば、装飾製品の製品寿命を長くする、装飾製品の送達システムに対する適合性を向上させる、表面に対する装飾製品の粘着性を向上させる、固着の前および/または後での前記装飾製品の表面からの除去性を向上させる、および/または装飾製品の表面に対する加熱固着性を向上させる、などのようなメリットを与えることができる。化合物をカプセル化させることにより得られるその他のメリットとしては、当業者に公知のことの内でも、たとえば化合物の経時放出、緩衝作用などが挙げられるが、それらは本開示に含まれると考えられる。区画分けされたり、および/またはマイクロカプセル化されたりした装飾製品粒子は、同一および/または異なった物質たとえば、1種または複数種の固形物、1種または複数種の液体、1種または複数種の気体、および/またはそれらの組合せを含む、等しいかおよび/または異なったサイズの、複数の別個の領域を有していてもよい。一例として、本開示において有用なマイクロカプセル化技術は、マイクロテック・ラボラトリーズ・インコーポレーテッド(Microtek Laboratories,Inc.)によって提供されている。
【0029】
さらなる実施態様においては、装飾製品には、除去可能なペイントおよび/または表面コーティングが含まれていてもよい。この点に関しては、前記装飾製品が、湿式化学物質、たとえばアンモニア系、酸系、および/または水系の化学物質によって除去可能となっていてもよい。例を挙げれば、装飾製品が、1種または複数の界面活性剤、酸化亜鉛、および/または1種または複数の着色顔料を含む液体であってもよい。本実施態様の装飾製品は、たとえば、弱酸、緩衝剤、弱アルカリ性溶液、極性もしくは非極性溶液、洗剤、セッケン、アルコール、および/または固形の化合物、および/またはそれらの組合せによって除去されてもよい。
【0030】
本開示において有用なアンモニア系化学物質の例としては、ミズーリ・ターフ・ペイント(Missouri Turf Paint)(たとえば、タイタン(TITAN)(商標)リムーバブル(Removable))により、パイオニア(Pioneer)により、スポーツ・コーティングズ(Sports Coatings)により、またはスペシャリスト・グループ(Specialist Group)により供給されているようなものが挙げられる。本発明に開示の装飾製品において有用な酸系化学物質の例としては、リマーカブル・ペイント・カンパニー(Remarkable Paint Company)から供給されるもの、たとえば、リ−マーカブル(RE−MARKABLE)(登録商標)ペイント(Paint)などが挙げられる。本開示において有用なさらなるリマーカブル・フィールド・ペイント(remarkable field paint)としては、たとえば、米国特許出願公開第2004/0127376号に開示されているようなものが挙げられる。本開示におけるリマーカブル・フィールド・ペイントのその他の有用な例としては、たとえば、米国特許第6,653,265号に開示されているようなものが挙げられる。本発明に開示の装飾製品において有用なストリッピング可能なアンモニア調製のさらなる例としては、米国特許第5,041,488号に開示されているようなもの、および高感度なスチレン/アクリル化合物を含むものなどが挙げられる。その他の有用な水系染料および組成物としては、たとえば、米国特許第6,834,589号に開示されているようなものが挙げられる。
【0031】
本開示において有用な水系の化学物質としては、マジック・カラーズ・カンパニー(Magic Colors Company)により供給されているもの(たとえば、リムーブ・イット・パーマネント・ペイント・システム(Remove It Permanent Paint System))などが挙げられる。さらには、水性布ペイントおよび/またはペイントシステムも、本発明に開示の装飾製品の実施態様において有用であろうとも考えられる。本開示において有用な水性布ペイントの例としては、たとえば、ジャカード・テキスタイル・カラーズ(Jacquard Textile Colors)、ダイ−ナ−フロー(DYE−NA−FLOW)(商標)、およびネオパグー(NEOPAGUE)(商標)などのジャカード・プロダクツ(Jacquard Products)、マラブウェルケ・GmbH・アンド・カンパニー・KG(Marabuwerke GmbH & Co.KG)製のマラブ−テキスティル(Marabu−Textil)、およびサンシャイン・ジョイ・ディストリビューティング(Sunshine Joy Distributing)から入手可能なシンプリー・スプレー(SIMPLY SPRAY)(商標)などが挙げられる。多くの表面で使用することが可能で、短時間または長時間後でも溶媒によって除去することが可能な湿式消去(wet−erase)インキもまた、本開示において有用である。そのような湿式消去インキには、水溶性バインダー、セルロース誘導体、および/またはポリビニルピロリドンが組み入れられていてもよい。
【0032】
さらなる実施態様においては、乾式消去インキ、剥離可能および/またはストリッピング可能なコーティング、アルカリ可溶性樹脂、および本明細書に開示された任意の価値付加化学物質が含まれていてもよい。乾式消去インキ、組成物、およびそれらのアプリケーターの例としては、アイティーダブリュー・ダイモン(ITW Dymon)、パイロット・ペン・コーポレーション(Pilot Pen Corp.)、サンフォード・コーポレーション(Sanford Corp.)、アベリー・デニソン・コーポレーション(Avery Dennison Corp.)、ビニー・アンド・スミス・インコーポレーテッド(Binney & Smith Inc.)、および大日本インキ化学工業(株)(Dainippon Ink and Chemicals, Inc.)によって提供されるものが挙げられる。本開示において有用となりうるその他の乾式消去インキ、組成物、およびアプリケーターとしては、たとえば、米国特許第6,031,023号に開示されているようなものが挙げられる。
【0033】
さらなる、本開示の有用な調製には、スプレーラート・インターナショナル・リミテッド(Spraylat International,LTD.)により製造されている、剥離可能および/またはストリッピング可能なコーティングが含まれる。さらに、装飾製品には、貼り付けられた装飾製品の除去を容易とするための、熱的に剥離可能なコーティングおよび/または発泡剤が含まれていてもよいと考えられる。本開示において有用な、熱的に剥離可能なコーティングおよび発泡剤の例としては、たとえば、米国特許第5,010,131号に開示されているようなものが挙げられる。本開示において有用なその他のコーティングとしては、たとえば、米国特許第6,872,444号に開示されているような、ナノ粒子コーティング組成物が挙げられる。
【0034】
また別な実施態様においては、前記装飾製品には、アルカリ可溶性樹脂系が組み入れられる。アルカリ樹脂系の例としては、スチレン/無水マレイン酸、スチレン/アクリル酸およびメタクリル酸、イソブチレン/無水マレイン酸コポリマー、プロピオン酸−改質ウレタンなどが挙げられる。本開示において有用なアルカリ樹脂系は、なかんずく、ビーエーエスエフ・コーポレーション(BASF Corp.)、(株)クラレ(Kuraray Co.LTD.)、ジョンソン・ポリマー(Johnson Polymer)、ローム・アンド・ハース・カンパニー(Rohm and Haas Co.)、インターポリマー・コーポレーション(Interpolymer Corp.)、スコット・ベーダー・カンパニー・リミテッド(Scott Bader Co.,LTD.)、サルトマー・カンパニー(Sartomer Co.)、およびディーエスエム・ネオレジンズ(DSM NeoResions)などの会社から入手可能である。アルカリ可溶性樹脂系のための有用な添加剤の例としては、2価の亜鉛塩が挙げられる。その他有用なアルカリ可溶性樹脂系がさらに、米国特許第6,147,041号に開示されている。さらなるアルカリ可溶性樹脂系としては、たとえば米国特許第5,453,459号に開示されたものが挙げられる。
【0035】
本開示のさらなる実施態様には、価値付加化学物質が含まれていてもよく、そのようなものとしては、粉体コーティング、トナーおよび/またはインキ化学物質、カーペット染み抜き剤および/または隠蔽剤、消臭剤および/または臭い吸収剤、漂白剤などが挙げられる。本開示において有用なカーペットの染み除去および/または隠蔽のための組成物および方法には、本出願と同日に出願された代理人書類番号第J−4377A、J−4377B、J−4377CおよびJ−4450号(米国特許出願番号はこれから付与される)の中に開示されているものが挙げられる(それらの開示のすべては参照により本明細書に取り込まれる)。さらに、自動車産業において市販後のカーペット染色において使用される方法が、本開示において有用であってもよく、そのような方法にはたとえば、トップ・オブ・ザ・ライン(Top of the Line)から入手可能な「プロ・ダイ・システム(Pro Dye System)」が挙げられる。さらに考えられる化学物質としては、装飾製品を表面に貼り付けたり表面から除去したりするために調製物中の装飾製品粒子を架橋する紫外線照射架橋剤が挙げられる。
【0036】
その他の実施態様においては、本開示で考えられる装飾製品には、たとえば調製の間に組み入れたり、調製後で前記装飾製品を表面に付与する前に加えたり、および/または装飾製品を表面に付与した後で加えたりする、1種または複数の添加剤が含まれていてよい。本開示において有用な添加剤を例示すると、以下のようなものが挙げられる:たとえば、充填剤、メタリック粒子、粘着剤、バインダー、トナー、樹脂たとえばアクリル、アクリルラテックス、ポリエステル、ウレタン、および/またはエポキシ樹脂、キャリヤー、ワックス、電荷添加剤(charge additive)、タンパク質、オーバーコーティングラッカーたとえば紫外線重合開始剤、紫外光吸収剤、紫外線安定剤、紫外線遮断剤、安定剤、増粘剤、抗ウィッキング添加剤、乾燥粉体、界面活性剤、湿潤剤、乳化剤、コーティング、分散剤、香料、芳香剤、顔料、染料、保存剤、溶媒、潤滑剤、流動性改良剤、流動添加剤、保湿剤、噴射剤(たとえば、加圧ガスまたは炭化水素系噴射剤たとえばブタンおよびプロパン)、無機粒子添加剤、磁気応答ミクロ粒子、一時的放出剤(temporal emission agent)、安全面で有益な添加剤、表面保護の面で有益な添加剤、電気的添加剤、相互的知覚添加剤(interactive sensory additive)、脱気剤、抗酸化剤、熱安定剤、ワックス、シリコーン添加剤、触媒、表面触感剤、電荷調節剤、導電剤、加工助剤、金属塩の乾燥粉体、脂肪酸の金属塩、コロイダルシリカ、誘導成分、および/または金属酸化物、ならびにそれらの組合せ。例を挙げれば、装飾製品組成物には、装飾製品の全重量の、約0.1%より大、または約75%より小、または約0%〜約50%の間、または約0.001%〜約30%の間、または約0.01%〜約10%の間、または約0.1%〜約5%の間の量で添加剤を含む。
【0037】
粘着剤またはバインダーは、カラートナーにおいて使用される樹脂のガラス転移温度よりも低いガラス転移温度を示すように選択された樹脂粒子を含んでいてよい。ガラス転移温度がより低い粘着剤および/またはバインダーは、貼り付けた後で、装飾の美的な感触(aesthetic feel)にプラスの影響を与える可能性がある。さらに、そのような粘着剤および/またはバインダーは、エマルションとして調製された組成物の安定性を向上させ、またたとえば、エラストマー性材料たとえばスチレン/イソプレン、スチレン/ブタジエン、およびイソブチレンを含む前記組成物のカーペット繊維に対しての、装飾製品のより大きな機械的接着性を与える可能性がある。粘着剤およびバインダーはさらに、軟質表面、たとえば、硬化工程の前および/または後のナイロンおよびポリエステルカーペットたとえば、アルコプリント・PTU(Alcoprint PTU)(チバ・ガイギー・コーポレーション(Ciba Geigy Corp.)製)の上での可逆性(reversibility)をベースに選択してもよい。ある種の適用においては、硬化させた後での保持力が高レベルであるのも望ましい。本開示において有用な粘着剤の例としては高分子量樹脂が挙げられ、高分子量樹脂粒子の間、および/または軟質表面と高分子量樹脂粒子との間の積層粘着性が与えられる。一つの実施態様においては、前記高分子量樹脂(たとえばクリアトナーなどのトナー)は、粘着剤としての機能も果たしうる。本開示において有用な粘着剤およびバインダーの例としては、ビーエーエスエフ・コーポレーション(BASF Corp.)からのスチレンブタジエンコポリマーラテックスである、スタイロナール(STYRONAL)(登録商標)ND656、および英国のインダストリアル・コポリマーズ・アンリミテッド(Industrial Copolymers Unlimited)からのウレタン/アクリルエマルションである、インコレツ(INCOREZ)(登録商標)W2450が挙げられる。本開示において有用なその他の樹脂を挙げれば、たとえば、ゼオン・ケミカル・エル・ピー(Zeon Chemical L.P.)から入手可能なスチレン、アクリレートエステル、およびアクリロニトリルの架橋ターポリマー(それにはトナー樹脂S−103CおよびS−111が含まれる)、ならびに積水化学工業(株)(Sekisui Chemical Co.LTD.)から入手可能なスチレン−アクリル樹脂(それにはスチレンとアクリルコポリマーをベースとするS−LEC樹脂が含まれる)などがある。本開示において有用なその他の樹脂としては、たとえば、スチレン/ブタジエン、スチレン/アクリル酸ブチル、スチレン/アクリル酸2−エチルヘキシル、および、プライオトーン(PLIOTONE)(商標)の商品名のものなどのエリケム(Elikem)から入手可能なスチレン/アクリル酸ブチル樹脂、が挙げられる。ポリエステル樹脂は、スチレン/アクリレートまたはスチレン/ブタジエン樹脂よりも低温で溶融が可能であるので、装飾製品および/または軟質表面に熱を与えることが少なくてすむ。ポリエステル樹脂を例示すると、熱硬化性ポリエステル、不飽和ポリエステル樹脂、たとえば、オルソフタル酸、イソフタル酸、ジシクロペンタジエン、およびビスフェノールAフマレート樹脂、およびたとえば、カオウ・スペシャルティーズ・アメリカズ・エルエルシー(Kao Specialities Americas,LLC)から入手可能なものなどが挙げられる。有機ポリイソシアネートとポリオールとの発熱反応をベースにしたものを含め、ポリウレタン樹脂もまた本開示においては有用である。例を挙げれば、装飾製品組成物には、装飾製品の全重量の、約0.1%より大、または約75%より小、または約0%〜約50%の間、または約0.001%〜約30%の間、または約0.01%〜約10%の間、または約0.1%〜約5%の間の量で粘着剤を含む。
【0038】
安定剤を例示すると、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、サリチレート、有機ニッケル(nickel organic)、モノベンゾエート、ホルムアミデン(formamidene)、オキサルアニリド(oxalanilide)および/またはフェノールが挙げられる。紫外光線に対する保護性を向上させる紫外線安定剤の例としては、たとえば米国特許第6,152,038号に開示されているようなものが挙げられる。本開示において有用な増粘剤の例としては、たとえば米国特許第6,752,841号に開示されているようなものが挙げられる。本開示において有用な抗ウィッキング性添加剤の例は、米国特許第5,116,682号に見出すことができる。
【0039】
本開示で考えられるまた別な実施態様では、1種または複数種の表面活性剤(界面活性剤)、たとえば乳化剤が含まれていてもよい。装飾製品において界面活性剤を使用することによって、着色剤および/または充填剤の濡れを促進し、さらには粉体仕上剤の流動性およびレベリング性を改良することができる。さらに、界面活性剤は、硬化反応の間に基材のウエットアウトを促進し、それによって前記装飾製品の粘着性や腐食抵抗性が改良される。界面活性剤を添加することによって、硬化された装飾製品の光沢や画像鮮明性もまた向上させることができる。1種または複数の界面活性剤を添加すると、装飾製品調製を安定化させ、さらには装飾製品調製の粒子の懸濁を助け、装飾製品を表面に付着させることにも役立つ。本開示において有用な界面活性剤としては、イオン性、ノニオン性、および/またはカチオン性界面活性剤が挙げられる。本明細書で有用な乳化剤(Emulsifierおよび/またはemulsifying agent)としては、チバ・ガイギー・コーポレーション(Ciba Geigy Corp.)からのアルコプリント(ALCOPRINT)(商標)PTU、ジョンソン・ポリマー(Johnson Polymer)から入手可能な乳化剤のジョンクリル(JONCRYL)(商標)シリーズ、および、たとえば粘着剤調製物およびラテックス調製物を含め当業者に公知のその他のものが挙げられる。好適な乳化剤のその他の例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、またはラウリル硫酸アンモニウムなどが挙げられ、これにはたとえば、トリトン(TRITON)(商標)100(オクチルフェノキシポリエトキシ−エタノール−ポリエチレングリコール)が含まれる。カチオン性界面活性剤を例示すると、ドデシルアンモニウムクロリド、ドデシルアンモニウムブロミド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルピリジニウムクロリド、ドデシルピリジニウムブロミド、およびヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミドなどが挙げられる。アニオン性界面活性剤を例示すると、脂肪族セッケンたとえば、ステアリン酸ナトリウム、ドデカン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、およびラウリル硫酸ナトリウムなどが挙げられる。ノニオン性界面活性剤を例示すると、ポリ−オキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートエーテル、およびモノデカノイルスクロースなどが挙げられる。例を挙げれば、装飾製品組成物には、界面活性剤を、装飾製品の全重量の、約0.001%より大、または約75%より小、または約0.001%〜約50%の間、または約0.1%〜約30%の間、または約0.01%〜約10%の間、または約0.1%〜約5%の間の量で含む。
【0040】
本明細書で有用な流動性改良剤としては、たとえば、スチレン樹脂、アクリル樹脂、微粉化疎水性シリカ粉体、微粉化酸化チタン粉体、および微粉化酸化アルミニウム粉体などが挙げられる。さらなる添加剤を、繊維濡れ促進剤、繊維乾燥促進剤、繊維クリーナー(fiber cleaner)および繊維クリーニング促進剤として機能させてもよい。本開示の調製物にはさらに、無機微粒子物質たとえば、マグネタイト、フェライト、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウムおよび/または導電性チタニアなどが含まれていてもよい。
【0041】
装飾製品には、着色剤の存在下または非存在下で、磁気応答ミクロ粒子を含んでいてもよい。この実施態様においては、前記装飾製品は、静電荷および/または磁気的に指向された力を用いて、付与することができる。一例として、酸化鉄および/または当業者公知のその他の磁粉を調製の一部に用いて、前記装飾製品に磁気応答性を与える。磁気応答性を使用することにより、さらに繊維の上に配置したり、および/または繊維からの除去を助けたり、および/またはデザインおよび/またはパターンを創るなど美的な感覚を与えたりすることができる。
【0042】
さらに、本開示に示される装飾製品には、たとえば芳香付与やアロマテラピーのような、非視覚的なメリットをさらに与えるように設計された添加剤が含まれていてもよい。さらなる添加剤としては、一時的放出剤、たとえば短期または長期の放出剤、たとえばスポットクリーナーおよび消臭剤など、および/または生体活性物質添加物たとえば、殺菌剤、殺ダニ剤、殺虫剤(insecticide)、農薬(pesticide)および/または殺真菌剤などが挙げられるが、これらは、秒〜分〜時間〜日〜週〜月〜年の期間で放出される。
【0043】
さらに、装飾製品には、難燃剤およびスリップ防止剤のような添加剤が組み入れられていてもよい。さらに、付与された装飾製品は、それが貼り付けられた表面領域を、染み、欠け、へこみ、割れ、きず、焼けこげ、裂け、摩耗、切り傷、さび、酸化、水による損傷(water damage)、かび、および/または汚れから防止するのに役立つ可能性がある。さらに、付与された装飾製品は、絶縁物として、たとえば静電荷を抑制するのにも役立ちうる。
【0044】
また別な実施態様においては、本開示の装飾製品には、使用者の1種または複数の感覚と相互作用を有する相互的知覚要素が含まれていてもよい。相互的要素の例としては、ムード照明、音響(たとえば、音楽、表示音(indicative sound)、または指令音響(instructive sound)、および香り(たとえば、芳香剤発生剤、脱臭剤、および/または動物だけが感知できる悪臭ペットバリヤー)などが挙げられる。
【0045】
例を挙げれば、装飾製品、たとえばエマルション、の調製には、重量/重量基準で、以下のものの少なくとも一つが含まれる:1)約0.1%より大、または約75%より小、または約0%〜約50%の間、または約0.001%〜約30%の間、または約0.01%〜約10%、または約0.1%〜約5%の間の量の、表面活性剤;2)約0.1%より大、または約75%より小、または約0%〜約50%の間、または約0.001%〜約30%の間、または約0.01%〜約10%;または約0.1%〜約5%の間の量の、粘着剤;3)約0.01%より大もしくは約95%より小、または約0.01%〜約70%の間、または約0.03%〜約15%の間、または約0.05%〜約10%;または約0.1%〜約5%の間の量の、着色剤;4)約0.1%より大、または約75%より小、または約0%〜約50%の間、または約0.001%〜約30%の間、または約0.01%〜約10%;または約0.1%〜約5%の間の量の、添加物;および5)バランス量の水。
【0046】
本開示の装飾製品組成物の中には、たとえば着色剤の量に等しい量で、クリアトナーが含まれていてもよい。たとえば、10重量%の着色剤を含むトナー調製物においては、さらなる10重量%のトナー調製物がクリアトナーを含む。例を挙げれば、約0.5%(w/w)のイエロー着色剤、約0.4%(w/w)のマゼンタ着色剤、および約0.2%のブルー着色剤を含むトナー調製物中では、前記トナー調製物にさらに約1.1%のクリアトナーが含まれる。また別な例においては、乳化剤に、約100グラムの水、約1グラムのイエロー色のナチュラ(NATURA)(商標)トナー、約0.4グラムのブルー色のナチュラ(NATURA)(商標)トナー、約0.8グラムのマゼンタ色のナチュラ(NATURA)(商標)トナー、約2.2グラムのクリアなナチュラ(NATURA)(商標)トナー、および約0.33グラムのアルコプリント(ALCOPRINT)(商標)PTUを含む。本発明に開示のエマルションは、エマルションの種々の成分を、前記エマルションの粒子が1種または複数の乳化剤によってコーティングされるまでの時間、混合することにより作ることができる。粒子をコーティングすることによって、前記調製物の安定性を向上させることができる。前記混合時間は、調製物の中で使用される具体的な成分に依存し、たとえば約1分以下から約48時間まで、またはそれ以上の範囲とすることができる。
【0047】
また別な実施態様においては、装飾製品を、たとえばホワイトおよび/またはニュートラルカラーおよび/またはその他の色などの下地色を含む染み除去剤および隠蔽剤として調製し、その上に、所望の追加の色を重ねてもよい。例を挙げれば、前記装飾製品には、pH中性化および/または調節前処理化合物、たとえば、過酸化物および/または漂白剤、および/または二酸化チタンのタイプのニュートラルカラー適用が含まれていてもよい。前記装飾製品には、本明細書に開示されているような染み隠蔽剤および/または着色剤がさらに含まれていてもよい。また別な実施態様では、表面上の色差(たとえば、染み)をマスクしたり、および/または隠したりする、ホワイト色および/またはニュートラルカラーを有する高顔料化コーティングを付与することも考えられる。さらに、染みを隠蔽した後で、表面のバルク繊維(たとえば、カーペットまたは織物)に色が合う他の材料を付与してもよい。
【0048】
さらにまた別な実施態様においては、装飾製品組成物は、約25℃未満〜それが付与された表面基材の溶融温度(Tm)の、ガラス転移温度(Tg)を有していてよい。さらなる実施態様においては、Tgは、約45℃〜約75℃、または約45℃〜約60℃、または約45℃〜約70℃の範囲、または約55℃である。組成物または表面基材のTgおよびTmは、当業者に公知の方法によって測定すればよいが、そのような方法としては、たとえば、動的機械分析、熱機械分析、および示差走査熱量測定が挙げられる。例を挙げれば、装飾製品および表面基材のTgおよびTmは、モデルQ100示差走査熱量計(ティーエー・インストラメンツ・インコーポレーテッド(TA Instruments Inc.)製)を用い、加熱速度20℃/分で測定すればよい。
【0049】
さらにまた別の実施態様においては、装飾製品組成物は、約150℃〜約200℃で、約2,000センチポワズ以下、または約5センチポワズ〜約100センチポワズ、または約15センチポワズ〜約50センチポワズ、または約25センチポワズ、または約35センチポワズのインペリアル・ケミカル・インダストリーズ(Imperial Chemical Industries)(ICI)コーン・アンド・プレート粘度を有している。組成物の粘度は、当業者に公知の方法により測定することができるが、それには、たとえば、キャン−アム・インストラメンツ・リミテッド(Can−Am Instruments LTD)により販売されているウェルズ−ブルックフィールド・コーン/プレート・粘度計(Wells−Brookfield Cone/Plate viscometer)を使用し、D4287−00(2005)『スタンダード・テスト・メソッド・フォア・ハイ−シア・ビスコシティ・ユージング・ア・コーン/プレート・ビスコメーター(Standard Test Method for High−Viscosity Using a Cone/Plate Viscometer)』(エーエスティーエム・インターナショナル(ASTM International)に記載の方法に従う。さらに、ブルックフィールド・シーエーピー・2000H・コーン・アンド・プレート・ビスコメーター(Brookfield CAP 2000H Cone and Plate Viscometer)(ブルックフィールド・エンジニアリング・ラボラトリーズ・インコーポレーテッド(Brookfield Engineering Laboratories,Inc.)から入手可能)でサイズ6のスピンドルを使用し、750rpmで25秒間かけて、装飾製品組成物のアイシーアイ・コーン・アンド・プレート粘度(ICI Cone and Plate viscosity)を測定してもよい。
【0050】
本開示で考えられる装飾製品の付与は、使用されている装飾製品調製物に適合するような任意の適切な方法で実施してよい。表面に装飾製品を付与する方法の例としては、インクジェットプリンター、ジェット染色プロセス、スクリーン印刷、および/またはロータリー印刷などの使用が挙げられる。さらに、前記装飾製品は、スプレーガン、シート、フィルム、マトリックス、ローラー、ブラシ、マーカー、ペン、スタンプたとえばインキ自給式スタンプ、ポンプスプレーヤー、トリガースプレーヤー、加圧スプレー装置、スポンジ、スクイージ、エアブラシ、繊維セパレーター、染料アプリケーター、ローラー、圧電または加熱駆動送出器(piezoelectric or heat driven delivery)、手動または電動シフター、パウダー「パフ」、フェルト/フロックブラシ、および/または粉体ペイントディスペンサーによって、付与および/または分配させるのがよい。前記装飾製品は、湿潤形態たとえば、液体ベースの溶媒、フォーム(泡)、スプレー、ウェットエアロゾルのような懸濁物またはエマルションとして、あるいは乾燥形態たとえば、粉体、ドライエアロゾル、および/または少し湿分を有する粉体として付与することができる。
【0051】
例を挙げて説明するために、装飾製品を選択された表面に付与するための一つの可能な方法を、図1に一般的に示す。ここでは、装飾製品を収納するリザーバー14およびフィンガーポンプ16を備えたフィンガーポンプスプレーヤー12を使用して、一般的には円錐形として装飾製品の分散体18をたとえばカーペットのような表面20に付与する。この実施態様においては、フィンガーポンプスプレーヤー12の表面20からの距離および、フィンガーポンプスプレーヤーの表面に対する角度を変化させることによって、表面に付与するパターン22の大きさと形状を変化させることができる。この方法によって、デザイン用具を使用することなく、予め選択したパターンを「フリーハンド」法によって表面に付与することが可能となる。
【0052】
本開示の装飾製品のアプリケーターおよび/またはディスペンサーのさらなる例としては、たとえば、間欠加圧スプレーヤー(たとえば、ザ・スコッツ・アンド・ミラクル−グロ・カンパニー(The Scotts and Miracle−Gro Company)から市販されているプル・’N・スプレー(PULL ’N SPRAY)(登録商標)リキッドアプリケーター)、アクチュエータースプレーボトル、トリガースプレーヤー、メカニカルスプレーボトル、ポンプおよび/またはポンプシステム、加圧空気チャンバーのための装飾製品を含むリキッドリフィル、駆動チャンバー(噴射剤、たとえば、二酸化炭素または炭化水素)を有する装飾製品を含むエアロゾルバリヤーパック、および使用者が装飾を施したい環境または場所への噴射剤放出が少ない加圧スプレーの使用を可能とするような装飾製品を含む液体またはゲルチャンバーなどが挙げられる。その他の有用なスプレーヤーとしては、たとえば、米国特許第6,872,444号に開示されているようなものが挙げられる。
【0053】
装飾製品を分配させるためのさらに他の方法としては、たとえば、閉じこめられた乾燥または湿潤状態の装飾製品粒子を含み、それを濡らすかまたはその他の方法で活性化させると、前記表面の上に前記装飾製品を放出するような、装飾製品を含浸させたシートが挙げられる。また別な例を挙げれば、液体が閉じこめられていて、圧力を加えたり適切に破壊したりすることで、前記装飾製品を表面上に放出するような、装飾製品を含浸させたシートもある。さらなる例としては、装飾製品の均質な分配を促進するように、その上に液体をロール掛けしたり型押ししたりした装飾製品を含浸させたシートが挙げられる。さらにまた別な例としては、フィルムに付与されると表面上に装飾製品を放出するような放出物質を捕集および/または方向付けをするフィルムであって、装飾製品を含浸させ、孔を開けたり穿孔したりされている(apertured or perforated)フィルムが挙げられる。さらにまた別な例としては、前記中および/またはその上に閉じこめられた装飾製品調製物を含む、装飾製品を含浸させたマトリックスであって、圧力、振動、液の移行、加熱、および/または化学的手段、および/または、表面に塗布される装飾製品の量を計測して、前記表面の上に装飾製品を正確な量で配置させる静電塗装装置によって前記装飾製品を表面に放出するマトリックスが挙げられる。
【0054】
前記装飾製品を付与するさらなる方法としては、分配させたときに所望の装飾製品の色またはその他の特性を与えるように装飾製品を混合する、マルチチャンバーシステムが挙げられるが、そのようなものの例の一部を挙げれば、トリガーリリースシステム(たとえば、カリフォルニア州アナハイム(Anaheim,California)のテイク・ファイブ(Take 5)(www.take5net.com)により製造された、DLS100、DLS200、またはベルシテック(Versitech)システム)、ポンプシステム(たとえば、シー・チェンジ・グループ(Sea Change Group))の傘下会社である、ニューヨーク州ニューヨーク(New York,New York)のバーサダイアル(Versadial)(www.versadialworld.com)により製造された、バーサダイアル(VERSADIAL)(登録商標))、または装飾製品アプリケーター(たとえば、ブラシ、スプレーボトル、またはその他のアプリケーター)と組み合わされたマルチチャンバーミキサー/ディスペンサーがある。さらに、予め混合してあって直ぐに使用することが可能なボトルおよび/またはスプレー缶も、前記装飾製品を分配および塗布するために使用することができる。
【0055】
装飾製品を付与および/または分散させるために考えられるさらなる技術としては、多機能の装置、たとえば、パッケージング、デザインの位置決め、装飾製品の付与、および/または表面からのデザイン用具の除去を組み合わせた装置が挙げられる。たとえば、一つの実施態様においては、デザイン用具、たとえばステンシル、に装飾製品が含まれていて、前記ステンシルに放出剤たとえば水を付与することによって、前記組成物を表面上に放出させることができる。一例として、乾燥装飾製品を使用して水溶性粘着剤の手段によってステンシルに可逆的に付着させたり、装飾製品を水溶性透明フィルムの粘着性の面に付着させたりしてもよい。考えられるさらなる技術としては、着色剤の液滴に電荷を付与するスプレーヤー、および/またはステンシル(粉体塗装に類似)、スポンジング、ならびにフェルトチップペンおよびライナーなどが挙げられる。
【0056】
一つの実施態様における装飾製品は、熱転写技術、たとえば、ゼロックス(Xerox)3R5811もしくは他の同様の転写紙の上へのゼロックス(Xerox)ドキュカラー(DOCUCOLOR)(商標)12の印刷、および/またはヒューレット・パッカード(Hewlett Packard)、キャノン(Canon)、ジオ・ナイト・アンド・カンパニー(Geo Knight & Co.)、アベリー・デニソン(Avery Dennison)、およびスリー・エム(3M)から得られる材料の同様の組合せなどの、カラーコピー機で使用されているような熱転写技術を用いて、付与されてもよい。
【0057】
カプセル化装飾製品粒子のために考えられる、種々の付与因子としては、調節放出法、温度放出法、濃度放出法、その他当業者に公知の任意の放出メカニズムが挙げられる。たとえば、マイクロカプセル化された装飾製品粒子の内容物の放出を、たとえば、一般的な溶媒たとえばアンモニア含有溶液を付与することによる、pHにおける変化によって引き起こさせることも可能である。温度放出メカニズムの例としては、放出閾値より高い温度にマイクロカプセル化された装飾製品粒子を暴露させることが挙げられるが、この場合、マイクロカプセル化された装飾製品粒子の内容物の放出は、所定の放出閾値温度を超えた場合にのみ起きる。濃度放出付与法は、長い時間をかけて表面に対して着色剤の一部を付与するものであって、着色剤がより均一に分散されたりおよび/またはより完全に分散されたりした外観を表面が示すようになる。例を挙げれば、ポリマー樹脂粒子のシェルと、前記中に閉じこめられた、着色剤粒子および/または本明細書に開示されたその他の化合物とを含むマイクロカプセル化された装飾製品粒子を、熱活性化および/または特定の化学物質が関連する活性化(たとえば、アンモニアを使用したpH制御)によって活性化させてもよい。そのような場合、外側のポリマーシェルが溶融および/または溶解し、前記着色剤粒子および/またはその他のミクロ粒子の内容物が流れ出すことが可能となり、それによって表面に付与される。本開示において有用な放出メカニズムの例を、非限定的に挙げれば、米国特許第6,893,662号に見出されるものがある。マイクロカプセル化された装飾粒子を処理するために考えられるさらなる放出メカニズムでは、装飾粒子の1種または複数のシェルは、破壊するか、加熱するか、弱体化させるか、および/または溶解させるかの少なくとも一つとなる。
【0058】
表面に対して一旦付与するかおよび/または貼り付けられた装飾製品は、一時的、恒久的、および/または半恒久的なものであってよい。半恒久的な装飾製品の例としては、装飾粒子を表面に対して粘着させるかおよび/または付着させる、一時的粘着剤を有する装飾製品が挙げられる。そのような調製物は、表面上に装飾製品を実質的に粘着および/または付着させることによって、表面上の装飾製品に、短期間たとえば数時間から数週間の耐久性を与えることができる。一つの実施態様においては、短期間の耐久性によって、装飾製品を表面に貼り付ける必要はなく、同時にそれから容易に除去することが可能であるように、前記装飾製品をある機会のために、特別な事柄のために、および/または休日のために付与することが可能となる。装飾製品の表面への付着の一例を図2に示したが、これは走査型電子顕微鏡写真であって、個々のナイロンカーペット繊維34に付着した乾燥装飾粒子32が示されている。
【0059】
表面からの装飾製品の除去は、たとえば種々の器具や方法を用いて乾式除去方法か湿式除去方法かのいずれかで実施してよいが、そういう方法としてはたとえば、真空、真空と機械的操作たとえば撹拌との組合せ、湿式抽出、スチームクリーニング、化学薬品の付与(たとえば、有機もしくは無機溶媒の付与)、超音波プロセスの使用、洗剤の使用、希アンモニア溶液の使用、および/または研磨イレーザーの使用などが挙げられる。上述のプロセスの一部または全部を用いて、表面の上または表面に向けての装飾製品のセッティング、貼り付け、および/または硬化の前および/または後に、装飾製品の除去をしてもよい。
【0060】
本開示において有用な溶媒の例としては、極性および/または非極性溶媒、たとえば、スモールウッド・I.M.(Smallwood,I.M.)『ザ・ハンドブック・オブ・オーガニック・ソルベント・プロパティーズ(the Handbook of Organic Solvent Properties)』(1996、エルセビア(Elsevier))に開示されているようなものが挙げられる。そのような溶媒としては、たとえば、水、炭化水素、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素溶媒たとえば脂肪族アルコール、その他のアルコール、グリコールエーテル、ニトロ化およびクロロ化溶媒たとえばクロロ化炭化水素、ケトン、エーテル、および/またはエステルなどが挙げられる。その他の有用な溶媒としては、アセトン、アミン、酢酸ベンジル、フェノール、ポリビニルアルコール、および/または有機スルホンもしくはスルホキシドファミリーたとえばジメチルスルホキシドなどが挙げられる。表面から装飾製品を除去するのに、洗剤およびセッケンを使用してもよい。上述のものの組合せもまた使用してよい。
【0061】
例を挙げて説明すると、表面に付与された装飾製品の可逆性は、以下の方法によって調べることができる。最初に、試験表面、たとえばナイロンおよび/またはポリエステルカーペットの2フィート×2フィート正方の試験片を、縦型真空掃除機(たとえば、ビッセル・ホームケア・インコーポレーテッド(Bissell Homecare,Inc.)製のビッセル(Bissell)クリーンビュー(CLEANVIEW)(登録商標)II真空掃除機)を使用して、徹底的に掃除して、ほどけた繊維および/または汚れを除く。その上にそれぞれの装飾製品を付与した3カ所のスポットのそれぞれのベースラインカラーを、ΔE(変色)を測定するために前記設定を「L−a−b」セッティングとした、ミノルタ・モデルCR−310(Minolta Model CR−310)彩度計(chroma meter)と組み合わせたミノルタ・データ・プロセッサー・モデル・DP−301(Minolta data processor Model DP−301)のような比色計(colorimeter)(いずれも、コニカ・ミノルタ・センシング・アメリカズ・インコーポレーテッド(Konica Minolta Sensing Americas,Inc.)製)を使用して測定し、製造業者の取扱説明書に従って較正する。
【0062】
前記試験領域の全体に行きわたるまで、装飾製品を、3カ所のスポットの表面の上に、たとえばフィンガーポンプ(finger pump)(吐出粒径60ミクロン)を用いて付与する。前記装飾製品を放置して実質的に指触乾燥状態とする。完全に乾燥させようとすると典型的には一夜かかるが、たとえば周囲環境の相対湿度および/または温度に依存してそれより短くても長くてもよい。前記装飾製品が乾燥したら、前記3カ所のスポットのそれぞれの色を、上述のようにして比色計を用いて測定する。次いで、前記3カ所のスポットを、ホースアタッチメントおよびブラシレストライアングルツール(brushless triangular tool)付きのウェット/ドライ真空掃除機、たとえば、ショップ−バック(Shop−Vac)(登録商標)1×1ポータブル・ウェット/ドライ真空掃除機(12V、60Hz、5.5A、モデルNo.2101A(Model No.2101A)、(ショップ−バック・インコーポレーテッド(Shop−Vac,Inc.)製)を使用して真空掃除をする。前記3カ所のスポットを、真空掃除機を用いて一つの方向に数回、そしてもう一つの方向でも除去が適度できるまで繰り返して掃除する。真空掃除機をかけてから、色の変化を測定するために、比色計の測定を行う。変色(ΔE)は下記の数式を用いて求めた:
【数1】

式中、「L」は「明度」を表していて、前記数値は0=ブラックから100=ホワイトまでであり;「a」の値が大きくなるのはよりレッド色となることを表し、「a」の値が小さくなるのはよりグリーン色となることを表し;「b」の値が大きくなるのはよりイエロー色となることを表し、「b」の値が小さくなるのはよりブルー色となることを表している。
【0063】
例を挙げれば、実質的に除去可能な装飾製品は、未処理のカーペットの最初の読み取り値に比較して、約20未満、または約10未満、または約7.5未満、または約0〜約15の範囲のΔE値を有する。
【0064】
表面からの前記装飾製品の可逆性に影響する因子としては、たとえば、装飾製品特異的の因子、適用特異的の因子、および/または表面特異的の因子が挙げられる。装飾製品特異的の因子の例としては、前記装飾製品調製の中に含まれる乳化剤の種類および/または濃度を挙げることができ、それらは、装飾製品と前記装飾製品が付与される表面との間の粘着相互作用に影響を与える可能性がある。さらに、装飾製品組成物が粒子成分、たとえば装飾粒子を含んでいる場合には、前記装飾製品の可逆性は粒子のサイズの影響を受ける可能性もある。理論により拘束されることを望むものではないが、粒径が小さい程、カーペットのような非平滑表面の窪みおよび隙間の中にそれらの粒子が侵入しやすく、そのためにその後の除去プロセスがそれらの粒子にアクセスする機会が減るために、可逆性が影響を受けるのであろうと考えられる。
【0065】
可逆性に影響を及ぼす可能性がある適用特異的因子としては、装飾製品を表面に付与した際の表面飽和度(surface saturation)の程度、装飾製品を表面に付与する方法および/または器具などが挙げられる。表面飽和度には、たとえば表面上に付与された装飾製品の密度が含まれる。表面飽和度が高いほど、表面に付与された装飾製品の大部分を除去した後に残る残存装飾製品が多くなる可能性が高くなったり、および/または装飾製品が表面の窪みおよび隙間の中に多く侵入して、そのために除去プロセスの前記装飾製品に対するアクセシビリティが低下したりすることとなりやすい。さらに、装飾製品を付与するために使用する方法および/または付与器具も、可逆性に影響する可能性がある。例を挙げれば、表面への侵入がほとんどあるいはまったくないように表面をコーティングする方法で、装飾製品を表面に付与してもよい。たとえば60ミクロン以下のスプレーノズルを用いたフィンガーポンプによって、たとえばミストの形態で装飾製品を付与するアプリケーターを使用することで、表面の隙間への侵入をほとんどあるいはまったくないようにして、表面をコーティングしてもよい。この例においては、装飾製品の表面侵入が最小化されるために、装飾製品の可逆性を改良することができる。しかしながら、たとえばハンドポンプよりは高い速度で前記装飾製品を容器から吐出できるような、エアロゾルスプレー容器またはその他類似のアプリケーターを用いて装飾製品を付与するのが望まれるならば、より深く表面への侵入が起こり、そのために、たとえば装飾製品に対しての除去プロセスのアクセスが限定または阻止されることによって、表面からの装飾製品の除去が影響を受ける。
【0066】
装飾製品の可逆性に影響を与える可能性がある表面特異的の因子としては、たとえば、表面ストラクチャーおよび/またはテクスチャー、表面によって保持される静電荷、および/または、たとえば表面張力に影響する表面の前処理などが挙げられる。カーペットなどの場合の繊維密度のような、表面ストラクチャーの因子が、装飾製品の可逆性に影響を及ぼす可能性もある。たとえば、ナイロンシャグカーペットや編組みが損傷されている使い古しのカーペットなどの開いた構造とは対照的に、密度の高いカーペットストラクチャーは粒子の侵入を最小限に抑える傾向が強い。したがって、密度がより低い表面は、たとえばより高い密度の表面に比較すると除去プロセスに対する前記装飾製品のアクセスが低下する等によって、装飾製品の可逆性に影響を及ぼす。
【0067】
さらに、表面の静電荷および/または表面張力もまた可逆性に影響する。例を挙げれば、静電荷および/または表面張力を低下させるような表面処理を使用すると、前記装飾製品の可逆特性が改良される。使用可能な表面処理の例としては、スリー・エム(3M)のスコッチガード(SCOTCHGUARD)(商標)カーペット・アンド・アップホルステリー・プロテクター(Carpet and Upholstery Protector)(スリー・エム(3M)製)および/またはアドバンスト・テフロン(登録商標)(Advanced TEFLON)カーペット・プロテクター(Carpet protector))(イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(E.I. Dupont de Nemours and Company)製)などが挙げられる。さらに、そのような前処理をすることによって、より少量の装飾製品を用いて表面上に装飾製品を被覆および/または分散させられるようになり、前記結果、過飽和のリスクを最小化することによって、前記装飾製品の可逆性を間接的に促進することとなる。
【0068】
場合によっては、より大きな粒径を有するように装飾製品を処方して、サイズに基づいて、表面のより狭い隙間に侵入することの可能な粒子の量を減少させることにより、可逆性を改良もしくは促進することも可能である。さらに、理論により拘束されることを望むものではないが、より大きな粒子たとえば前記サイズが約20ミクロンよりも大きな粒子に比較すると、サイズがより小さい粒子たとえば前記サイズが約5〜約10ミクロンよりも小さい粒子の方が、静電荷および/または表面張力によって前記表面に相対的により密接に保持され得るために、サイズがより大きい粒子に比較して、サイズがより小さい粒子の方が前記表面から相対的により除去されにくくなると考えられる。したがって、いくつかの実施態様においては、より大きな粒子を用いて調製された装飾製品に比較して、より小さな粒子を用いて調製された装飾製品でも同程度の可逆性を得ようとすれば、表面の前処理、追加の作業および/または追加の方法をとることが必要となるかもしれない。
【0069】
本開示の装飾製品を表面に付与し、前記装飾製品を前記表面の上に保持しようと決めたならば、前記装飾製品を表面に対して化学的に硬化させるかおよび/または機械的に接着させることにより、前記装飾製品の調製に応じて、一時的、恒久的、および/または半恒久的に硬化させたりおよび/または貼り付けさせたりすることができる。本明細書において開示された方法において、前記装飾製品および前記表面と適合可能な任意の硬化または貼り付け技術が考えられるが、そのようなものとしては、たとえば前記装飾製品に対してエネルギーおよび/または化学物質を付与する方法が挙げられる。硬化または貼り付け技術の例としては、たとえば、加熱硬化、スチーム硬化、加圧硬化、たとえば紫外線照射、高周波硬化、磁場などのような電磁場への暴露、超音波硬化、誘導加熱硬化、太陽熱硬化、発熱反応熱硬化、対流加熱硬化、および/または放射線加熱硬化などが挙げられる。さらに、前記装飾製品を周囲環境に暴露させることによって、装飾製品の硬化または貼り付けを実施してもよい。
【0070】
一つの実施態様においては、約−7℃〜約650℃もしくは約4℃〜約400℃の範囲の熱、または約260℃未満、もしくは約20℃〜約180℃、もしくは約65℃〜約120℃の温度、あるいは装飾製品を付与する表面に応じて、より高い温度やより低い温度の加熱を使用して、装飾製品を表面に貼り付けてもよい。さらに、前記硬化または貼り付け工程のための時間は、装飾製品特異的および/または表面特異的であって、例を挙げれば、装飾製品を硬化させるためには、1秒未満〜約15分、もしくは約15分〜約1時間、もしくは約1時間〜約4時間、もしくは約5時間〜約8時間、もしくは約8〜約12時間、またはより長い時間の範囲である。
【0071】
装飾製品を表面に硬化させるかおよび/または貼り付けるために使用できるツールとしては以下のようなものが挙げられる:たとえば、加熱した鉄(hot iron)、加熱される表面の上に掛けたカルロッド(CALROD)(商標)加熱要素を含むエンクロージャーまたはフレーム、1個または複数の白熱電球を有するエンクロージャーまたはフレーム、ヒートガン、基材の上に加熱空気を吹き付けるためのヒーターとブロワーを有するエンクロージャーまたはフレーム、赤外線加熱要素を有するエンクロージャーまたはフレーム、紫外光源を有するエンクロージャーまたはフレーム、スチーム発生装置、加熱ツール(たとえば、家庭用アイロン、電熱グリドル(electric griddle)、またはヘアドライヤーもしくは機能は類似するが特に当該適用のために設計された物)、またはマイクロ波放出装置もしくは高周波放出装置。装飾製品を貼り付けのために使用される、本明細書で考えられている装置には、貼り付けプロセスを促進し、さらに装飾製品を付与されている表面を過熱による損傷から保護するためのヒートセンサーおよびタイマーが組み入れられていてもよい。
【0072】
装飾製品を表面に対して貼り付けるためのさらなる方法としては、金属のナノ粒子またはミクロ粒子を含む装飾製品の誘導加熱、湿分硬化システム、配置された装飾製品に対する磁気増強(magnetic enhancement)、および装飾製品の内部の添加剤を処理して貼り付けを起こさせること、などが挙げられる。装飾製品を表面に貼り付けるためのさらなる方法としては、先に表1に示した米国特許および公開特許出願に開示されているようなものが挙げられる。
【0073】
貼り付けの説明を図3に示す。ここでは、本明細書に記載したナイロンカーペットのような表面44に装飾製品を付与し、表面に対して実質的に乾燥させて、表面に付着した実質的に乾燥した装飾粒子42を形成させている。たとえば電磁場のようなエネルギー48を発生する貼り付け用具46を、付与された装飾粒子42の上で、Aの方向に移動させる。発生されたエネルギー48と接触することによって、装飾粒子が溶融および流動を始め、発生エネルギーを除去すると冷却が始まって、表面44に結合して、表面に対して実質的に貼り付けられたようになる。固着のさらなる例が図4に示されているが、これは、カーペットの個々の繊維の上に形成された、生じた装飾粒子の膜を示している走査型電子顕微鏡写真である。
【0074】
装飾製品の貼り付けのため、および/または装飾製品の摩耗に対する回復力を増強させるために、配置された装飾製品に保護被覆を付与してもよい。有用な保護被覆としては、たとえば、米国特許第6,872,444号に開示されているようなナノ粒子コーティング組成物が挙げられる。さらに、本開示において有用な固着剤としては、芸術の分野で固着および/またはシールのために使用されているもの、たとえばパステル、鉛筆、木炭、クレヨン、インキ、グワッシュ、または水彩絵具などが挙げられる。そのような固着剤の例としては、ブルー・ラベル・リワーカブル・フィクサティフ(Blue Label Reworkable FIXATIF)(登録商標)(マーチン・F・ウェッバー・カンパニー(Martin F.Webber Co.)製)、ゴールデン(GOLDEN)(登録商標)アーカイバル・スプレー・ワニス(Archival Spray Varnish)(ゴールデン・アーティスト・カラーズ・インコーポレーテッド(Golden Artist Colors Inc.)製)、クリロン(KRYLON)(登録商標)ワーカブル・フィクサティブ(Workable Fixative(クリロン・プロダクツ・グループ(Krylon Products Group)製、ザ・シャーウィン−ウィリアムス・カンパニー(The Sherwin−Williams Company)製)、およびラスコー(LASCAUX)(登録商標)ファイン・アート・フィクサティブ(Fine Art Fixative)(スイス国(Switzerland)、ラスコー・カラーズ・アンド・レスタウロ(Lascaux Colours & Restauro)製)などの商品名で市販されているものが挙げられる。
【0075】
装飾製品を付与したりおよび/または貼り付けたりする表面を、前記装飾製品を付与するより前にコンディショニングをしておいてもよい、ということもまた考えられる。そのようなコンディショニングとしては、以下のようなものが挙げられるが、これらに限定される訳ではない:クリーニング、真空掃除機かけ、スチームクリーニング、漂白、pHバランス、pH下降、pH上昇、掃除、塗装、こすり洗い、濡らし、表面触感加工、レベリング、傾斜(tilting)、乾燥、加熱、冷却、サンディング、バフィング、コーティング、それからのコーティング除去、表面の静電荷低下、および/またはたとえば椅子張り地およびカーペット保護剤など、たとえば、スリー・エム(3M)スコッチガード(SCOTCHGAURD)(商標)カーペット・アンド・アップホルステリー・プロテクター(Carpet and Upholstery Protector)(スリー・エム(3M)製)および/またはアドバンスト・テフロン(登録商標)(Advanced TEFLON)カーペット・プロテクター(Carpet protector))(イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(E.I. Dupont de Nemours and Company)製)、を用いた表面処理の付与。
【0076】
例を挙げれば、実質的に貼り付けられた装飾製品の耐久性は、未処理の表面と表面の上に貼り付けられた装飾製品との間で測定されたΔEと、未処理の表面と、貼り付けられ、次いで本明細書に記載されているようにして真空掃除機をかけた装飾製品との間で測定されたΔEとの比を求め、前記比率を100から引き算することによって、ΔE値として表すことができる。例を挙げれば、実質的に貼り付けられた装飾製品におけるΔEの百分率変化は、約0%〜約20%のΔE変化である。
【0077】
本開示のさらなる実施態様には、デザイン用具の使用が含まれていて、使用者はそれを使用して、前記装飾製品の美的効果を向上させる目的で前記表面の上にたとえばパターンを創り出すために、表面への装飾製品の付与を調節することができる。本開示において考えられる表面上での装飾製品のパターンには、画像、パターン、形状および/またはデザインのいずれかまたはすべてが含まれる。装飾製品を付与する際に、選択された表面の上でアプリケーターを移動させるかあるいは移動させることなく、装飾製品アプリケーターからの固有の分散パターンを利用して、予め選定されたパターンまたはランダムなパターンを表面に付与してもよい。たとえば、円錐形状の分散パターンを有するスプレーアプリケーターを使用することによって、装飾製品を付与する際に、保持するアプリケーターの表面からの距離を変化させることによって変化させられた直径を有する離散したスポットおよび/または円の形を付与するように選択することが可能となる。さらに、表面の上で装飾製品を付与する際にアプリケーターを、所定のパターンまたはランダムなパターンで動かすことによって、前記表面上に所定のパターンまたはランダムなパターンを作り出すことができる。そのようにして、デザイン用具を使用してあるいは使用せずに、予め選定されたパターンおよび/またはランダムなパターンを表面に与えることができる。
【0078】
本開示において考えられているデザイン用具によって、選択された表面のある所定の領域に付与される装飾製品の量を、制限したり、指向させたり、集中させたり、濃縮させたり、誘導したり、希釈したり、および/または分散させたりすることができる。そのようなデザイン用具としては、たとえば、ステンシル、テンプレート、アレイ、ガイド、フレーム、パターン付与用具、ランダムなやり方でグラフィックスを与える用具、手動式用具、自動式用具、コンピューターにガイドされた用具、プログラムされた用具、および/またはそれらの任意の組合せが挙げられる。本明細書で使用するために考えられている、たとえばステンシルなどのデザイン用具は、その全体もしくは前記一部が、たとえば、紙、木材、石材、プラスチック、板紙、金属、および/またはそれらの任意の組合せのような材料で構成されていてよい。
【0079】
本開示で使用するために考えられているステンシルまたはその他のデザイン用具は、予め決められた、整然とした、乱れた、および/またはランダムな様子に、デザイン、構成、成形および/または再成形することが可能であるが、それには、レーザー、ナイフ、ダイカッティング、および/またはステンシル物質の特性(たとえばステンシル物質の硬度または軟度)によって決まってくるその他の任意の適切な手段によって、予め決められた、整然とした、乱れた、および/またはランダムな形状を付与して、それにより、表面上に装飾製品を導入することによる少なくとも視覚的なデザインの、予め決められた、整然とした、乱れた、および/またはランダムな配置が可能となる。ステンシルをさらにラミネートして、組み立て後(post−construction)および/またはデザイン後(post−designing)に付与された追加の層を有するようにしてもよい。
【0080】
本開示において有用な、例示のためのステンシル60を図5に示したが、これには(たとえば、液体を吸収させたり、および/または、乾燥物質および/または固形物を閉じこめたりするための)紙ティッシュー、吸収性親水性物質を用いてコーティングされていてもされていなくてもよい合成の織布もしくは不織布材料、および/または、固体状および/または液体状のトラッピング物質を含む物質封じ込め層62が含まれる。前記物質封じ込め層は、約0.01ミル〜約1000ミル、もしくは約0.1ミル〜約500ミル、もしくは約0.5ミル〜約150ミル、もしくは約1.25ミル〜約50ミル、もしくは約2ミル〜約15ミルの厚み、または前記付与に応じてそれらよりも薄いもしくは厚い厚みを有していてよい。前記ステンシルにはさらに、意図されない着色剤への暴露から選択された表面を保護するための液体バリヤー層64が組み入れられていてもよく、液体バリヤー層64は任意の疎水性物質、たとえばポリエチレンなどのポリオレフィン、からなる液体バリヤーを含んでいてもよい。そのような液体バリヤー層64はさらに、吸収剤物質を通しての液体の輸送を防止するための、前記吸収剤物質の一つの表面に付与したコーティングを含んでいてもよい。そのようなコーティングは、前記組成が、アクリルポリマーのようなポリマーであってよい。前記液体バリヤーは、約0.01〜約1000ミル、もしくは約0.1ミル〜約500ミル、もしくは約0.5ミル〜約150ミル、もしくは約1.25ミル〜約50ミル、もしくは約2ミル〜約15ミルの範囲の厚み、または前記付与に応じてそれらよりも薄いもしくは厚い厚みを有していてよい。共に組み合わせることで本開示において有用な物質封じ込め層およびバリヤー層の一例としては、キンバリー−クラーク・コーポレーション(Kimberly−Clark Corp.)から市販されている、ゴッチャ・カバード(GOTCHA COVERED)(登録商標)ドロップクロスが挙げられる。ステンシル60にはさらに、第一の支持層66が含まれるが、この層は、ステンシル60の少なくとも物質封じ込め層62および液体バリヤー層64を通過する通路を与える1個または複数の切り抜き部分68のエッジを固定させるのに役立つ。この実施態様においては、前記第一の支持層66には、糸が含まれているが、以下に示すようにそれらの糸に加えるかまたは糸に代えて、他の材料を使用してもよい。さらに、ステンシル60には、たとえばカーペットのような表面(図示せず)に対してステンシル60を固定させるのに役立つ、第二の支持層70が含まれる。前記第二の支持層70は、粘着性物質、たとえば以下に示すような、粘着性のメッシュ状物質からなっていてよい。
【0081】
ステンシル60の断面図を図6に示す。ここでは、前記切り抜き部分68が、物質封じ込め層62、液体バリヤー層64、および第二の支持層70を貫通するように示されている。しかしながら、第二の支持層70では、そのメッシュ状の構造のため、装飾製品を表面に配置可能にするように切り抜き部分68が貫通していることは必ずしも必要ではない。
【0082】
また別な実施態様においては、物質封じ込め層とバリヤー層とを同じ材料からなっていてもよい。たとえば、層毎に密度が異なる、複目的材料(たとえば、紙材料)である。この例においては、前記複目的材料のトップ層は、物質封じ込め層に相当して、液体を吸収したり、および/または乾燥物質および/もしくは固形物をトラッピングしたりする密度を有しており、前記ボトム層は、バリヤー層に相当して、前記中を液体が通過するのを妨げる密度を有している。さらに、材料の密度を変化させることに加えるかまたは材料の密度を変化させることに代えて、厚みを変化させることでも、先に述べた複目的材料の機能性に寄与しうる。そのような複目的材料は、本開示において想定されているステンシルを創るために複数の材料を使用するよりは、ステンシルの製造が容易になるために有利である。
【0083】
本開示において使用可能なまた別なステンシルには、チュール、スクリム、アベリー・デニソン(Avery Dennison)からのベルクロ(VELCRO)(登録商標)、バーサ・フック(VERSA HOOK)などのような、固定性および/または付着性(securement and/or attachment properties)を有する繊維質支持層が含まれていてもよい。例を挙げれば、前記支持層を表面の上に重ねたときに、前記ステンシルを前記表面に対して適度に固定して前記表面上へ装飾製品を配置させ所望の結果が得られるように、前記支持層がステンシルを剥離可能に固定するべき表面と接触状態となる。前記支持層にはさらに、その他の粘着性のメカニズム、性質および/またはデバイス、たとえば、粘着性ストリップ、感圧性粘着剤のようなデバイス、および/または当業者に公知の任意の標準的な接着メカニズムが含まれていてもよい。たとえばルーズ・グリッド(loose grid)、ウェブ、またはメッシュ状の材料たとえば糸、を含むさらなる支持層を、ステンシルのバリヤー層に隣接させて設けてもよいと考えられる。この実施態様においては、前記切り抜き部分が、物質封じ込め層、バリヤー層、および支持層を通って延びていてよい。前記支持層が感圧接着剤である、本開示において有用なステンシルの例としては、たとえば、米国特許第6,779,443号に開示されているようなものが挙げられる。前記支持層は適度な広さがあって、表面の意図しない暴露を最小化し、さらにはステンシルの構造的一体性を保持する機能を果たすようにするのがよい。
【0084】
この付与において使用可能なステンシルは、装飾製品の除去手段および/または貼り付け手段に対して、実質的に回復性を有していてよい。ステンシルを使用して、本明細書に開示される装飾製品除去手段から、その下にある表面を保護することも可能である。さらに、本開示の文脈において考慮されているステンシルは、表面の上に配したときに、物質封じ込め層またはバリヤー層の少なくとも一つの手段により、装飾製品の付与、除去、または貼り付けの少なくとも一つから、選択された表面の部分を保護することができる。さらに、デザイン用具は、装飾製品から予め選定されたパターンに近接する領域を保護することもできる。
【0085】
本開示において考慮されているステンシルは、実質的に所望のパターン、形状、および/またはデザインの形とされた切り抜き部分および/または周辺端(peripheral edge)を有していてもよい。例を挙げれば、図7に見られるように、ステンシル80には、星形の周辺端82と、周辺端と同様の形を有する内部切り抜き84とを有している。この例示したステンシルは、たとえば、装飾製品を表面の広い領域に付与するときに、周辺端82と内部切り抜き84との間のステンシルベース86が、表面への装飾製品の付与をブロックして、前記表面に装飾製品不在パターンを残すようにするために使用することができる。
【0086】
ステンシルには、一つまたは複数の切り抜き部分および/または使用者が選択的に除去することが可能な予備切断型抜きの部分が含まれていてもよい。一つの実施態様において考えられる、反転像のステンシルを使用して、装飾製品を付与しようとする表面上にまずそれを配置することによって、前記表面の上に反転画像を付与してもよい。この実施態様においては、前記ステンシルの周辺端は、装飾製品をステンシルとその下の表面に付与したときに、前記表面にパターン、形状、および/またはデザインを付与するように、切断および/または構成されている。前記反転画像ステンシルには、それを貫通する切り抜き部分が有っても無くてもよいと考えられる。1個または複数のステンシルを配置してから、前記表面とステンシルの両方に装飾製品を付与する。前記1個または複数のステンシルは、その下にある表面を所望の像の形態で保護して、所望の形状の輪郭を有する装飾製品で被覆された領域によって囲まれた、装飾製品不在の領域を所望の像の形状に、形成させるように機能する。さらに、本開示において考えられる従来からのステンシルを使用して、意図された表面上に視覚的な像を付与することができる。これにはまず、装飾製品を付与しようとしている表面の上にステンシルを配置し、1個または複数のステンシルを配置した後に、装飾製品を表面とステンシルの両方に付与し、前記1個または複数のステンシルが所望の像の形状を取り囲んでいる表面を保護して、所望の形状の輪郭を有する装飾製品不在の領域によって囲まれた、装飾製品で被覆された所望の像の形状の領域を形成させるように機能させることもできる。
【0087】
また別の例示的なステンシルは、装飾製品を表面に付与した後に、装飾製品除去手段、たとえば真空、と組み合わせて使用することによって表面に像を付与する。この例においては、前記装飾製品をまず前記表面に付与し、装飾製品を付与した表面の上にステンシルを配置する。ステンシルを前記処理領域に付与した後で、使用者は、前記処理された領域およびステンシルに第二の装飾製品を付与して、表面に異なった装飾製品の多重パターンを付与する。所望の効果が達成されるまで、このプロセスを繰り返してもよい。あるいは、前記処理された領域にステンシルを付与してから、ステンシルの切り抜き部分の内側および/またはステンシルの周辺端を囲んでいる領域に露出されたままの装飾製品を、本明細書に開示された装飾製品除去手段によって除去してもよい。前記装飾製品の除去によって、反転画像ステンシルおよび/または先に開示された従来からのステンシルを用いた場合と同様の像が得られる。
【0088】
1個または複数のステンシルを同時に使用して、表面に視覚的デザインを付与してもよい。所望により、1個または複数のステンシルを、任意の数の、本開示において考えられている他のステンシル、および/またはデザイン形成に役立つ補助的用具、および/またはステンシル連結(stencil communication)と組み合わせて使用してもよい。選択された表面の上にデザインまたはその他のグラフィック表示を付与するために、組み合わせて使用することが意図されている複数のステンシルを、お互いの間、および選択された部屋または空間との関係について、ステンシル同士を一緒にあるいは別々に、あるいは部屋もしくはその他の空間の内部の所定の位置またはランダムな位置から離して、装飾を付与しようとしている表面上または部屋もしくはその他の空間におけるその他の任意のポイントの上に固定する、コーディネート(coordinating)、配列(aligning)、接続(interfacing)、連結(connecting)、および/または誘導(guiding)システムによって、コーディネートさせてもよい。本明細書で有用な、コーディネート、配列、接続、連結、および/または誘導手段の例としては、ペグを固定する位置を介して、デザイン形成および/またはステンシル相互連結手段に役立つステンシルおよび/またはさらなる補助的用具を固定する再使用可能または使い捨てのペグ、ステンシルの構成の組立てをガイドする、ステンシルの表面に沿って配したカラーストリップ、文字、記号、ノッチ、および/またはその他の象徴などが挙げられる。ステンシルをコーディネートさせるメカニズムの例を、図8〜11に示している。
【0089】
図8に示したのは、使い捨ておよび/または再使用可能なペグ90であって、このものは、表面に貼り付けて、表面の上でのステンシルの位置決めをコーディネートするための、表面上のアンカーポイントを形成させることができる。この例においては、ペグ90は、ペグを表面に粘着させるための、複数の層の粘着性ストリップ92を有しているが、単一のストリップが含まれていてもよいし、あるいは、いくつかのその他の付着メカニズム、たとえばベルクロ(VELCRO)(登録商標)ドットおよび/または当業者に公知のその他の粘着剤であってもよい。
【0090】
図9に示したのは、装飾を施す表面104の上に配置することができる透明なレイアウトツール102である。前記レイアウトツール102には、1個または複数のペグ90を前記スペーシング部分に(矢印Bで示したように)挿入して表面104に取り付けることが可能となるようなサイズの、1個または複数のスペーシング部分106、たとえばアレイ、が含まる。前記レイアウトツールには、対応する一連のステンシルを使用して得ることが可能な選択された装飾デザインのためのプレビューとして役立つ、着色されたパターンがさらに含まれていてもよい。たとえば、表面の上でレイアウトツールを中央配置する目的で、表面104の上でのレイアウトツール102の位置決めをするためには、使用者は、表面上の特徴たとえば床のベントからの距離を測定したり、壁またはその他の部屋の特徴からの距離を測定したりして、レイアウトツールの所望の配置を決めればよい。
【0091】
図10に見られるように、レイアウトツール102に沿って、複数のペグ90を使用することによって、使用者は、表面104に取り付けられたペグのアレイ112を構成することができる。本明細書の実施態様のコーディネーティングメカニズムを使用して、表面104の上に1個または複数のステンシルをコーディネートするために、使用者は、表面104に付着されたペグ90の一つの上に、ステンシルの穴(図示せず)の上に中心を置いた中空のペグ124を有するステンシル122もしくはレイアウトツールを(矢印Cで示したようにして)置いて、前記表面にステンシルを固定させてもよい。別な方法として、ステンシル122の中の穴を利用して、ペグ90を受け、表面上でのステンシルの向きを決めてもよい。ステンシル122が2個以上の穴および/または中空ペグ124を有する、たとえば正方形のステンシルのそれぞれのコーナーに中空ペグを有するようにして、表面上にステンシルを確実に位置させるようにするということも考えられる。さらに、同様の方法で、穴および/または中空ペグ124を有する、さらなるレイアウトツール102を、第一のレイアウトツールの位置についての測定が最小数となるように開始して、予測可能かつ対称性をもたせて、表面104の上に位置決めしてもよい。この様にして、ペグ90のアレイを、一つのレイアウトツール102を使用して大きな表面に置くことが可能となり、それによって、表面104の上に多くの数のステンシルを設置し、全部の表面を一時に装飾させることができるようになる。
【0092】
コーディネート手段、接続手段、および/または誘導手段を使用することによって、視覚的に統一がとれていると受け取られるあるいは視覚的に統一がとれていないおよび/またはランダムであると受け取られる、予め決められているかもしくはランダムな、パターン、デザイン、像、線、幾何学的形状、ばらばらな像、および/または反復像などの形態で使用者は装飾製品を付与することができる。
【0093】
本発明に開示のデザイン用具を使用して、像、パターン、形状、および/またはデザインのいずれかまたはすべてを、表面の上に付与することができる。たとえば、本開示において考えられている像、パターン、形状、および/またはデザインは、規則的もしくは不規則的、直線状もしくは非直線状、そして繰り返し有りもしくは繰り返し無しのパターンであってよく、そのようなものに含まれるのは、たとえば、装飾的、トレーサリーもしくは幾何学的形状、単純化された素朴で表象的な像およびパターン、構成的多目的風景(compositional multi−object landscapes)、現実または架空のストーリーやプロットを表す像、テキスト付きの像、美術像、標準的および/または複製可能な像、現実または架空の文字、現実または架空の数、漫画、現実または架空の印刷記号、イラストレーション、パターン、デザイン、象徴、および/または形状、ならびにそれらの組合せなどである。
【0094】
さらに、本開示において有用な像、パターン、形状、および/またはデザインは、パレット、標準もしくはランダム像の組合せ、サイズ、表面上の位置によって変化させてもよいし、および/または、複数のパラメーター、とりわけ、たとえば画像、パターン、パレット、サイズ、位置などを組み合わせることによってカスタマイズさせてもよい。本開示において有用な像、パターン、形状、および/またはデザインはさらに、反射性および/または屈折性要素を用いた着色、オーバーコートによって得られる光学的効果、静的もしくは動的平面像の光学的性質の使用、および/または、添加物によるかおよび/または装飾製品を貼り付けるかすることにより、表面に付与される触覚的性質の使用、などによって変化させてもよい。
【0095】
さらに考えられることは、本開示において有用な像、パターン、形状、および/またはデザインは、好みかどうか、像、色、および/またはテンプレートの標準的なセットと画像とを比較することによる視覚的評価などをベースとして、消費者が選択してもよい。本開示において有用な像、パターン、形状、および/またはデザインはさらに、具体的な部屋またはその他の空間環境に適合させるために、パラメーターを変化させることが可能である、対話型のデジタルライブラリーをベースとして選択したり、具体的な部屋またはその他の空間のためのコンピューターモデリングをベースにしたりしてもよい。
【0096】
さらに、考えられている像、パターン、形状、および/またはデザインは、例えば、フリースタイルデザイン、種々の形態のステンシルを使用した単一色像の創造、数種のステンシルを使用した多色像の創造、複合ステンシルを使用した多色像の創造(この場合、順次または可能であれば繰り返しの方法で一つの色を表面およびステンシルに付与し、次いでステンシルの層を除去し、そして第一の色および/または第二の色を保護するために加えられる保護層を直ちに付与して、二重暴露領域では色混合を、単一暴露領域では単一色領域を創造する)、キャリヤーからの前もって作られている像の転写、および/または標準要素たとえば線、点、および/またはピクセルからの連続像作製、などの結果物であってもよい。
【0097】
考慮されるさらなる像、パターン、形状、および/またはデザインは、ユニークな芸術作品、単一の独立した像、直接的な環境に合わせて(部屋または、部屋の内部にあるかもしくは部屋に特徴的な物体に合わせて)コーディネートされた、結合され、潜在的に相互関連を有する像の一つまたは複数のシステム、および/または一つまたは複数の表面と直接的な環境における装飾像のツーウェーコーディネーションなどであってもよい。考慮されるさらなる像、パターン、形状、および/またはデザインは、視覚的な装飾を超えた目的、たとえば教示(teaching)、指示(directing)および/または命令(instructing)、たとえば、プロンプト、催促、メッセージ、アルファベット、地図、式、フレーズ、詩、警告、言語ツール、またはインデキシング手段(たとえば、バーコード)などであってもよい。
【0098】
一つまたは複数の装飾製品を少なくとも一つのステンシルと組み合わせることによって、強度が一定または変化し、陰影効果有りまたは無しの、単色であってもよい像を使用者が創り出すことが可能となるようにすることも考えられる。さらに、本開示を使用する際に可能な像としては、強度が一定または変化し、陰影効果有りまたは無しの多色であったり、あるいは、色と形状の複数のパッチによって達成される2種以上の色のコントラスト像であったりしてもよい。多色像は、混合色や中間色を有していてもよく、完全かつ自然なパレットを与えても、与えなくてもよい。本開示で示される装飾製品の組成物を一つまたは複数のデザイン用具と共に使用して、処理された表面の外観に任意の数の変化を与えることができる。
【0099】
デザイン用具と共に装飾製品を使用する例を、以下に述べる。図12に見られるように、軟質表面たとえばカーペットにデザインを付与するための方法が一般的に200に示されている。一つの実施態様においては、前記カーペットは部屋の中にすでに設置されていて、実質的に乾燥していてもよいが、この方法は、濡れたり湿ったりしている表面でも同様に実施することができる。カーペットにデザインを付与するためには、本開示の一つの方法においては、使用者はまず、ステップ212において、1種または複数のデザイン用具を選択する。
【0100】
1種または複数のデザイン用具を選択することに加えて、使用者は、前記デザインに組み込むための1種または複数の装飾製品を選択してもよいが、それらはたとえば色の面で異なっていてもよい。使用者がそれらの選択をすることを助ける目的で、1種または複数の消費者用補助具を使用してもよい。前記デザインメカニズムには、たとえば、高性能なコンピュータデザイン支援、たとえば色の付与を教え創造的な助言を与えるCD−ROMトレーニングプログラムに対して、使用者が、たとえばデザイン用具の配置や色を決めるなどの簡単な装飾の意志決定を与えることが含まれる。さらなる消費者用補助具デザインメカニズムには、色の解析、マッチング、およびブレンディングが含まれ、また、比色計、カラースキャナー、および/またはソフトウェアアルゴリズムの使用が含まれていてもよい。消費者用補助具のさらなる例については、本明細書において開示されているとおりである。
【0101】
使用者が1種または複数のデザイン用具を選択したら、次いで使用者は、カーペットに近接してデザイン用具を配置する(ステップ214)。前記1種または複数のデザイン用具は、カーペットの上にいかなる並べ方で配置してもよく、表面のごく一部たとえば中央、縁またはコーナー、あるいは実質的にカーペット全体、あるいはそれらの中間のいかなる大きさをカバーしてもよい。
【0102】
前記1種または複数のデザイン用具をカーペットの上に所望の並べ方で配置した後で、ステップ216において使用者は、前記デザイン用具の切り抜き部分に装飾製品を付与する。別な方法として、あるいはそれに加えて、軟質表面に直接接触しているデザイン用具の部分(たとえば、デザイン用具の非切り抜き部分)に装飾製品を置いてもよい。表面に接触させたら、ステップ218において使用者は、装飾製品を前記表面上で実質的に乾燥するまで放置する。装飾製品を付与した後に、前記デザイン用具は装飾製品が乾燥する間その場所に残しておいてもよいし、あるいは、ステップ220において、付与した直後に前記表面から取り除いてもよい。使用者が前記デザインを前記表面上に残さないことに決めたのならば、使用者は、本明細書のステップ222に記載されているようにして、前記表面から装飾製品を実質的に除去してもよい。あるいは、使用者が前記デザインを維持することに決めた場合には、使用者は、本明細書のステップ224に記載されているようにして、前記表面に装飾製品を実質的に貼り付けてもよい。さらに、装飾製品を前記表面から除去したり貼り付けたりするより前または後に、前記表面からデザイン用具を除去してもよい。
【0103】
本開示において有用なステンシル230の一例を図13に示す。前記ステンシル230は、ステンシルベース232と切り抜き部分234とからなっている。前記ステンシルベース232には、物質封じ込め層(図示せず)、バリヤー層(図示せず)、および支持層236が含まれていて、任意の適切な材料、たとえば、紙、プラスチック、板紙、布、合成布、天然布、セルロース、および/または金属、またはその他の任意の所望の材料、でできている。切り抜き部分234は、所望の任意のパターン、形状、またはデザインからなっている。切り抜き部分234を通して見られるように、支持層236は、ステンシルベース232の底表面に近接して設けられている。ステンシル230を使用して、ステンシルの切り抜き部分234に装飾製品を付与することによって表面の上に像を創るが、この場合ステンシルを除去すると、前記デザインはカーペットの表面の上に残される。次いで前記装飾製品を除去したり、貼り付けたりすることもできる。
【0104】
支持層236をさらに描写する、ステンシル230の底面図を図13Aに示す。支持層236は、ステンシルベース232の底表面の少しの部分を横切って延在しているが、前記ステンシルベースの縁にまで、および/または縁を越えて延在していてもよい。前記支持層236が、ステンシル230の軟質表面への固定、ステンシルの縁の固定、ステンシルの平坦さの維持、ならびに装飾製品の移行の確保および/または容易化に役立っている。
【0105】
本開示において有用であり、図13および13Aのステンシル230に類似のステンシルの断面を、図14の240に示している。前記ステンシル240には、吸収性トップ層242、液体バリヤー層244、およびデザインの切り抜き部分たとえば切り抜き部分234(図13および13A)を表す切り抜き部分246が含まれている。さらに、前記ステンシル240は、カーペット248に近接して配置されてもよい。吸収性トップ層242は、カーペット248の上にある間、さらにはステンシル240をカーペットから除去したときに、装飾製品がドリップしたり、および/またはブリードしたりすることを抑制または防止するものであって、このものはたとえば、吸収性、親水性材料を用いてコーティングされた紙ティッシューおよび/または合成不織布材料からなっていてよい。液体バリヤー層244が吸収性トップ層242に近接して配置されていて、装飾製品がしみ出してカーペット248へ入るのを抑制または防止しているが、このものは任意の疎水性材料、たとえばポリエチレンのようなポリオレフィン、からなっていてよい。
【0106】
ステンシル230の断面図を図15に示す。このステンシル230には、吸収性トップ層252、液体バリヤー層254、および切り抜き部分234が含まれていて、カーペット259に近接して配置することができる。ステンシル250にはさらに、切り抜き部分に広げた織布および/または不織布のメッシュ材料、たとえば、チュール、スクリム、および/またはチーズクロス、からなり、装飾製品がその中を実質的に通過できるようになっている支持層236が含まれている。
【0107】
図16には、たとえば一般的には270に示したようなキットの中で提供することが可能な、さらなるステンシルを示している。このステンシル270は、カーペットの境界部分で使用してもよく、ステンシルベース272と切り抜き部分274とが含まれている。ステンシル270にはさらに、その上に特定の色を有するカラーストリップ276および278が含まれているが、これは、ステンシル270を、対応するおよび/または補足的なカラーストリップを有する1個または複数のさらなるステンシルと配列させるためのものである。
【0108】
カーペットのコーナーで使用することができるステンシル280を図17に示す。前記ステンシル280には、ステンシルベース282と切り抜き部分284とが含まれている。前記ステンシル280にはさらに、カラーストリップ286および288、ならびにステンシル280をカーペットのコーナーの内部表面に配列させるために使用される、矢印290が含まれている。
【0109】
さらなるステンシル二つを、図18および図19に示す。図18のステンシル1000は、カーペットの第一の末端で使用することができ、ステンシルベース1020、切り抜き部分1040、およびカラーストリップ1060が含まれている。図19のステンシル1100は、カーペットの第二の末端で使用することができ、ステンシルベース1120、切り抜き部分1140、およびカラーストリップ1160が含まれている。
【0110】
図20〜22に、ステンシルと共にキットの中に用意されていてよい取扱説明書のサンプルセットに従い、図16〜19のそれぞれのステンシル270、280、1000、1100をカーペット1260に付与した例を示す。図20に見られるように、説明のために部屋1200を準備する。前記部屋1200には、第一の壁1220、第二の壁1240、およびカーペット1260が含まれている。提供された取扱説明書に従って、使用者は図17のコーナーステンシル280を壁1220および1240により形成されたコーナーに配するよう指示されるが、ここで前記矢印290は前記コーナーの方を指す。
【0111】
使用者はさらに、図21に示されるように、図17のコーナーステンシル280に近接して図16の第一および第二のボーダーステンシル270を置くように指示される。第一のボーダーステンシル270のカラーストリップ276を、その上に同じ色を有するコーナーステンシル280のカラーストリップ(図示せず)の上または隣に置く。同様にして、第二のボーダーステンシル270のカラーストリップ278を、その上に同じ色を有するコーナーステンシル280のカラーストリップ(図示せず)の上または隣に置く。
【0112】
さらに、使用者は、図22に見られるようにして、それぞれ図18および19の第一および第二の末端ステンシル1000および1100を、それぞれ第一および第二のボーダーステンシル270の隣に配置するよう指示される。第一の末端ステンシル1000のカラーストリップ1060を、その上に同じ色を有する第一のボーダーステンシル270のカラーストリップ(図示せず)の上に配置する。同様にして、第二の末端ステンシル1100のカラーストリップ1160を、その上に同じ色を有する第二のボーダーステンシル270カラーストリップ(図示せず)の上に配置する。
【0113】
次いで、使用者は、ステンシル270、280、1000、1100の切り抜き部分の上に装飾製品を、(たとえば、スプレー法によって)付与することができる。装飾製品を付与した後で、使用者は、ステンシルを取り除いて、装飾製品1520を残すことにより前記カーペットの上に作られた、デザインを見ることができる。残存の装飾製品1520によって創られたサンプルデザインは、図23における1500で一般的に示されている。
【0114】
さらにまた別な実施態様においては、部屋1600が図24に示されている。四つの壁1620、1640、1660、および1680が、カーペット1700の外側部分を画定している。たとえば格子パターン1720のようなデザイン用具を、ステンシル1740のような1種または複数のデザイン用具と組み合わせて使用することができる。格子パターン1720は、カーペット1700の全部または一部をカバーするようにデザインされていてよい。格子パターン1720をカーペット1700に近接させて配置してから、1個または複数のステンシル、たとえばその中に切り抜き部分1760を有するステンシル1740を使用して、デザインを創り出すことができる。ステンシル1740および格子パターン1720には、使用者がデザイン用具を配列する際に役立つように、カラーストリップ、たとえば図16〜19に示したようなカラーストリップ、が含まれていてもよい。あるいは、文字、記号、ノッチ、象徴、および/またはその他独自の識別符号を用いて、ステンシル1740を格子パターン1720に配列させるのを補助することも可能である。
【0115】
先に開示されたような個別の像を創り出すことに加えて、本開示を、商業的および/または非商業的環境における大面積のインテリアデザインのための手段として使用してもよい。この性能に関しては、本開示を使用して、たとえば、単色(ベタ塗り、個別のデザイン、またはランダムなデザイン)であっても多色(ベタ塗り、個別のデザイン、またはランダムなデザイン)であってもよい、表面上の境界を創ったり、または、単色のベタもしくはベタでないまたは多色のベタあるかベタでない装飾製品(完全被覆)を、壁から壁、またはたとえば暖炉の柱、出入り口、壁の窪み、カーペットと非カーペットの境目、部屋の中の低くなっている部分または高くなっている部分、床のベント、コンセント、表面を乱しているようなその他ビルトイン物一般、などの複雑な部屋の周縁部に付与して、個別の形状、像、デザイン、ランダムな形状、などのような部屋全体の変化をもたらしたりすることができる。
【0116】
さらには、本開示を使用して、使用者が決めた関心のある選択領域、たとえば、壁、天井、戸口、通路、玄関、階段、もしくは階段の段、もしくは階段の段の上、あるいは炉床もしくは暖炉の前や上に個別の像を創り出すこともできる。
【0117】
本開示はさらに、本明細書に記載の1種または複数の構成要素が含まれるキットもまた提供するが、それに含まれるのはたとえば、デザイン用具および/またはその上に貼り付けるより前に表面から実質的に除去することが可能な装飾製品である。キットの中には、カーペットのような軟質表面にデザインを付与する方法を使用者に教えるための、取扱説明書のセットも含まれていてよい。キットには、カーペットに装飾製品を移行させるための1種または複数の付与用具、および/または表面に装飾製品を貼り付けるための1種または複数の固着用具がさらに含まれていてもよい。さらに、キットには、装飾製品をカーペットに付与した後、特にそれが乾燥中であるときに、装飾製品を保護するための保護被覆が含まれていてもよい。キットにはさらに、使用者に、装飾製品のどの領域がすでにアイロンがけまたは貼り付けが済んだかを示すのに用いられる、アイロンスクリーン(iron screen)がさらに含まれていてもよい。
【0118】
一例として、1個または複数のステンシル、たとえば5個のステンシル、装飾製品、付与用具たとえばスプレーヤー、貼り付け用具たとえば加熱装置(たとえば、アイロンまたは高周波放出装置)、および/または取扱説明書のセットを含むキットが提供される。キットにはさらに、装飾製品を付与すべき表面を、同定し、選択し、作製し、修正し、および/または準備するためのシステムが含まれていてもよい。
【0119】
1種または複数の消費者用補助具を援用することによって、本開示をカスタマイズするための無数の選択項目を使用することができる。個別におよび/または任意の適切な方法で、キットに含まれていてもよい、本開示において考慮される消費者用補助具には、消費者が本開示を使用できるようにするためのデザインメカニズムおよび/または補助具および用具のいずれかまたはすべてが含まれるが、そのようなものとしては以下のものが挙げられる:取扱説明書、カラー予測用具、可能であれば装飾製品を用いて処理される表面の遡及的な見え方を示すためのソフトウェアを用いた、装飾の前および/または後の外観を示すデザインテンプレート、取扱説明用ビデオ、CD−ROM、デザインと色と総合的な外観を選択し予想するためのインターネットウェブページ、対話型コンピューター端末、店内陳列物、顧客サービス、広告、トレーニングコース、録音メッセージ、テキストメッセージ、郵送書類、本、文献、講座、トレーニングコース、通信コース、およびそれらの任意の組合せ、さらにはその他の情報伝達手段。上述の情報伝達手段を通して、使用者は、たとえば本開示も含めたキットの使用方法を学習することができる。さらに、前記開示を商業的な適用たとえば、インテリアデザインへ適用する方法も、使用者に教示することができる。
【0120】
さらなる消費者用補助具には、使用者、使用者の代理人(agent of the user)、トレーナー、陳列者(displayer)、営業マン、教示者、または技術者のような人たちが使用することで、使用者が、本開示たとえば、カラーカーペットチップ、を使用し、たとえばその上に異なるカバーが貼り付けられた異なる装飾製品調製を有するカーペットの見本を用いて、異なる装飾製品調製物が異なる種類および/または色のカーペットの上でどのように見えるかを示すためにできるようにするために、採用される用具が含まれる。さらなる消費者用補助具には、使用者が個別のベース着色剤と他の添加物とからそれぞれの装飾製品の色を作ることを可能にするそれぞれの装飾製品の色を作るために使用するベース着色剤の見本比率と一緒になった、カラーテンプレート、たとえばその上に貼り付けた装飾製品の色が異なっている異なった色の不透明または透明なシート、が含まれる。
【0121】
例を挙げれば、図25には、消費者用補助具2000を例示的に示しており、これを用いることによって、前記消費者用補助具を表面の上に置いたときに、パターンが表面の上である種の色(あるいは、色調(shade)もしくは色合い(tint)もしくは質感(texture)、およびその他の任意の変化)でどのように見えるかを、使用者がプレビューすることが可能になる。前記消費者用補助具2000によって、使用者が、装飾製品を作製または混合することが可能となったり、および/または、使用者が、表面の下地色に比較して、適切であるかおよび/または美的に快適な色および/または対照色(contrast)となるような装飾製品の色を選択したりするのに役立つ。この場合、消費者用補助具2000は、異なった色、たとえばダークグレーとホワイトの2種の装飾製品を含むキットに含まれている。さらに、消費者用補助具2000には、消費者用補助具に表示される種々のパターン、この場合では種々のグレーの色調、を得るためにはどうすればよいかについての説明が含まれている。この実施態様の消費者用補助具2000には、その上にパターン2004を配した透明シート2002が含まれ、前記パターンが数回、たとえば6回繰り返されている。それぞれの繰り返しは、異なったグレー色の色調を有していて、たとえば、パターン2004とパターン2006とを比較すれば判るように、左上から右下の方向に進むにつれ次第に白っぽくなっている。それぞれのパターンの繰り返しの下にあるのが、透明シート2002の上に印刷された混合パーセントを示す比率であって、たとえば、2008では、100パーセントのダークグレーと0パーセントのホワイトの混合物であることが示されているし、2010では20パーセントのダークグレーと80パーセントのホワイトの混合物であることが示されている。このようにして、キットに含まれているダークグレー色とホワイト色の装飾製品を示されたパーセントで混合することによって、それぞれのパターン繰り返しに相当するグレー色の色調をそれぞれ得ることができる。さらに、この方法によれば、異なった色に着色された装飾製品を適切な量で混合することによって、いかなる色を創り出すことも可能である。さらに、任意の種類の取扱説明書は、所定の色および/またはパターンの外観が得られるように、使用者を指示するように考えられている。さらに、キットには混合と付与を組み合わせた用具が含まれていてもよいが、それは(1種または複数の)装飾製品を含み、消費者用補助具に対応していて、それによって、ダークグレー色とホワイト色の装飾製品を混合するための上述の例で与えられたパーセントで、消費者用補助具2000の上に示される示唆された色もしくは色調もしくは質感を得るために前記混合および付与用具における設定をどう調節したらよいかを示唆するようになっている。
【0122】
さらなる消費者用補助具としては、以下のようなものが挙げられる:カーペットテンプレート、ステンシルテンプレートたとえば、使用者にとって可能もしくは望ましい種々の像および像特性、さらには種々のステンシルの同時使用法を説明するためのテンプレート、位置決めテンプレートたとえば、装飾製品の像が所定のスペースの中の表面の上にどのように組み入れられるを示すテンプレート、試験器用サンプル(ベンジャミン・ムーア(Benjamin Moore)試験器用サンプルに類似のもの)、試用期間、カラーマッチングシート、たとえば、色をマッチングさせたり色の見栄えやコントラストを予想したりするために、皮膚のトーンに対するメーキャップマッチングで使用されるようなカラーマッチングシートに類似のもの、カラーブレンディングシート、たとえば、さらに表面上の組み合わせ色をプレビューできるカラーマッチングシートに類似のもの、カラーチャート、カラーグラフ、カラー分析器具、比色計、カラースキャナー、色評価および色調製のためのソフトウェアアルゴリズム、室内、ホール、家屋、ビルディング、あるいはその他の領域における特定または不特定の表面のために使用すべき装飾製品の割合と種類を決めるためのその他の手段。
【0123】
さらに、異なる色に着色された装飾製品を混合することによって、任意の数の追加色を形成させることができる。一例として、使用者が、着色トナーおよび/または他の装飾粒子を含む1種または複数の予め調製された装飾製品を購入してもよいし、あるいは、任意の着色トナーを混合することによって任意の所望の色を得てもよい。特定の色を得るための着色トナー比率と種類を決めるための、デザインメカニズムたとえばカラーチャート、カラー分析器具、またはその他の方法を、使用者に提供することも可能である。さらに、使用者がトナーを表面に直接付与してもよいし、あるいは、トナーを、たとえば水またはその他の溶媒、または二成分以上の所定の調製物と混合して、たとえば懸濁液またはエマルションを作ることによって装飾製品の中に組み入れ、次いで表面に付与してもよい。
【0124】
さらなる消費者用補助具には、使用者がそれを使用することによって、使用者が、その上に装飾製品を付与および/または貼り付ける表面を、同定し(たとえば、カーペット繊維の種類または組成を同定し、使用者が特定の装飾製品調製を指向する助けとするために使用される、ツールおよび/またはキット)、選択し、作製し、修正し(たとえば、表面の物理的外観を変化させるようなキットまたはキットに含まれていてもよい化合物、たとえばエンボス化化合物)、組み合わせ、そして準備することに役立つような用具が含まれる。それらの消費者用補助具によって、所定の表面が、所定の目的の効果、たとえば軟質表面の上における模様付きの外観(textured look)または硬質表面の上における平滑な外観あるいはそれらの任意の組合せを与えるような、正しい装飾製品調製を使用者が選択することが可能となる。
【0125】
さらに、消費者用補助具は、使用者がデザイン用具たとえばステンシルを選択し、作製し、修正し、組み合わせ、および/または調製して、前記ステンシルおよび/または装飾製品を目的とする表面に付与したときに、画像、パターン、形状および/またはデザインが前記表面に得られるようにするのに役立つであろう。さらに、検討対象となっている消費者用補助具は、使用者が、直ぐに使用できてもよいし、あるいは表面に付与する前に調製することを必要としてもよい装飾製品調製を、選択し、作製し、修正し、および/または調製するのに役立つ。
【0126】
1種または複数のデザイン用具を選択することに加えて、使用者は、デザインの中に組み入れる一つまたは複数の色を選択することもできる。使用者がそれらの選択をすることを助ける目的で、1種または複数のデザインメカニズムを使用してもよい。前記デザインメカニズムには、たとえば、高性能なコンピュータデザイン支援、たとえば色の付与を教え創造的な助言を与えるCD−ROMトレーニングプログラムに対して、使用者が、たとえばデザイン用具の配置や色を決めるような簡単な装飾の意志決定を与えることが含まれる。さらなるデザインメカニズムには、色の解析、マッチング、およびブレンディングが含まれ、また、比色計、カラースキャナー、および/またはソフトウェアアルゴリズムの使用が含まれていてもよい。
【0127】
さらなる消費者用補助具は、売り場ディスプレー(store display)および/または本開示の提示の形態をとっていてもよいが、そのようなものとしては、たとえば、液体の形態もしくは使用直前に液体の中に懸濁させる粉体の形態でパッケージされた装飾製品、および/または、使用前に混合するべき、1種または複数の装飾製品カラーおよび装飾製品添加剤、および/または、複数または単一の色、1種または複数のデザイン、取扱説明書、付与用具、固着用具、保護被覆のような、本開示の要素を含むキット、および/または、付与した装飾製品の固着領域と未固着領域とを区別するためのアイロンスクリーンもしくはその他のインジケーター、たとえば変色添加剤、などが挙げられる。
【0128】
装飾製品組成物において有用な化学物質の例としては、低温硬化エポキシ装飾粒子、低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾粒子、および/または低温硬化ポリエステル−トリグリシジルイソシアヌレート(TGIC)装飾粒子などが挙げられる。本開示において考えられている上述の装飾粒子の構成成分の典型的な範囲には、少なくともポリマーまたは樹脂と、1種または複数の硬化剤と、を含む装飾粒子の全重量を基準にして約50%以上の重量パーセントの量のバインダーが含まれる。さらに、たとえば、添加剤、充填剤、顔料、脱気剤、流動添加剤などを含めた、装飾粒子の他の成分は、装飾粒子の全重量の約50%以下の範囲の量で含まれていてよい。そのような範囲は、当業者に知られているように、適切になるよう調節して、所望の装飾粒子性能が得られるようにする。さらに、ポリマーおよび/または樹脂と硬化剤との間で完全に化学量論的な反応が起きるようにするために、使用されるポリマーおよび/または樹脂と硬化剤の量は、それらの化合物の相対的な当量を基準にして約50%〜約150%の範囲とするか、および/または製造業者の推奨に従う。
【0129】
低温硬化エポキシ装飾粒子には、エポキシ樹脂と硬化剤とを含むバインダーシステムが含まれていてよい。エポキシ樹脂の一例が、以下の式Iの一般的な化学構造を有するビスフェノールA樹脂である:
式I:
【化1】

ここでnは、2〜20の整数である。
【0130】
装飾粒子において有用なビスフェノールAエポキシ樹脂としては、エポキシ当量が約650〜約900、もしくは約700〜約750;Tgが約45℃〜約75℃、もしくは約55℃;および/またはICI・コーン・アンド・プレート粘度が150℃で約5ポワズ〜約100ポワズ、もしくは約35ポワズである樹脂が挙げられる。
【0131】
装飾製品調製において有用なエポキシ樹脂のまた別な例はノボラックエポキシ樹脂である。ノボラックエポキシ樹脂の例としては、以下の式IIおよび式IIIの一般的な化学構造が挙げられる:
式II:
【化2】

式III:
【化3】

ここでnは、1〜4の整数である。
【0132】
ノボラックエポキシ樹脂のガラス転移温度および粘度は、先にビスフェノールAエポキシ樹脂について説明したものと同程度である。エポキシ樹脂を有するバインダーシステムにおいて有用な硬化剤としては、たとえばフェノール系硬化剤が挙げられる。フェノール系硬化剤の一例は、ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ(Huntsman Advanced Materials)(スイス国(Switzerland))GmbHによって供給されるハンツマン・ハードナー(Huntsman Hardener)XB3086であるが、このものは、ビスフェノールAベースのエポキシ樹脂およびノボラックエポキシベースの樹脂と相溶性がある。ハンツマン・ハードナー(Huntsman Hardener)XB3086には、フェノール,4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス−、ポリマーと2,2’−[(1−メチルエチリデン)ビス(4,1−フェニレンオキシメチレン)]ビス[オキシラン](一般に、エポキシ樹脂およびビスフェノールAのポリマーと記述される)、ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ(Huntsman Advanced Materials)の社外秘の加硫促進剤、およびフェノール,4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス−(一般的にはビスフェノールAと呼ばれる)が含まれている。ハンツマン・ハードナー(Huntsman Hardener)XB3086は以下の性質を有している:アミン価;0.83〜0.93eq/kg、推奨化合量;約135、軟化点;84℃〜94℃。
【0133】
エポキシ樹脂と硬化剤との化学量論比は、樹脂および硬化剤の化合量、または当量値を基準にして計算する。化合量の値は、化学構造(たとえば、平均分子量を反応性基の数、アミン価、酸価、またはヒドロキシル価などで割り算をする)から、または実験室の実験に基づいた実験値として求めることができる。たとえば、エポキシ当量(EEW)700の低分子量のタイプ3のビスフェノールAエポキシ樹脂と、製造業者推奨の当量が135であるハンツマン・ハードナー(Huntsman Hardener)XB3086を使用する場合、前記完全な(100%)化学量論量を表2に示す。
【0134】
【表2】

別な実施態様においては、エポキシ樹脂と硬化剤の比率が、たとえば、約84%〜約85%のエポキシ樹脂に対して約16%〜約15%の硬化剤の範囲となる。エポキシ装飾粒子の硬化温度を下げるためには、促進剤および/または触媒たとえばフェノール系硬化剤を、組成物の中に組み入れてもよい。約100〜約500の化合量を有するフェノール系硬化剤が例として挙げられる。当業者に公知の、エポキシ樹脂と相溶性のあるその他の促進剤および/または触媒を使用してもよい。エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾粒子のための硬化条件の例を挙げれば、約150℃で焼き付け時間が約15分であるか、それ以下である。
【0135】
低温硬化エポキシ装飾粒子組成物には、任意の所望の着色剤および/または添加剤が含まれていてよい。例を挙げれば、低温硬化エポキシ装飾粒子組成物には、以下の表3に示す成分が含まれていてよい。
【0136】
【表3】

【0137】
装飾製品において有用な、また別な化学物質の例は、低温硬化エポキシおよびポリエステル樹脂を含むバインダーシステムを有する、低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾粒子である。エポキシ樹脂の例を挙げれば、先に挙げたビスフェノールAエポキシ樹脂またはノボラックエポキシ樹脂である。ポリエステル樹脂の例を挙げれば、酸末端飽和ポリエステル樹脂である。前記ポリエステル樹脂は、約75〜約85の間の酸価を有していてよい。例としては、エポキシ−ポリエステルハイブリッドコーティング粉体調製における共反応剤として使用される酸末端飽和ポリエステルが挙げられる。前記ポリエステルは、ネオペンチルグリコール、テレフタル酸、無水トリメリット酸、およびその他の種類のグリコールおよび二塩基有機酸から合成することができる。前記分岐状のポリエステルは、約2〜約4、または約2.5〜約3.5の樹脂官能性を有していてよい(すなわち、ポリエステル1分子あたり約2.5〜約3.5個のカルボキシル基を有することを示している)。樹脂酸価は、約35〜約90の範囲であり、ヒドロキシル価は約5〜約10(残存ヒドロキシル)であってよい。エポキシ樹脂と組み合わせるのに適した酸末端飽和ポリエステル樹脂は、酸価が約70〜約90、もしくは約80;計算上での化合量(化合量は56,100/酸価に等しい)が約625〜約800、もしくは約700;ガラス転移温度が約45℃〜約60℃、もしくは約55℃;および/またはICI・コーン・アンド・プレート粘度が約200℃で約15ポワズ〜約50ポワズ、もしくは約25ポワズであってよい。
【0138】
エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾粒子の硬化温度を下げるためには、促進剤および/または触媒たとえば、スズ系有機化合物および/またはイミダゾール系化合物を前記組成物の中に組み入れてもよい。当業者に公知の、その他の促進剤および/または触媒を使用してもよい。エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾粒子のための硬化条件の例を挙げれば、約150℃で焼き付け時間が約15分であるか、それ以下である。
【0139】
エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾粒子のための化学量論比は、樹脂および硬化剤の化合量を基準として計算することができる。しかしながら、当業者には公知のように、有機ポリマー製品の場合には、分子構造や化学的官能性が異なっていたり、変動したりする可能性があるので、無機化学反応の場合に比較すると、化学反応の描写や計算がより困難かつ不確かとなる。例を挙げれば、化学量論比は、エポキシおよび酸末端ポリエステル樹脂の化合量(当量値とも呼ばれる)を基準にして計算することができる。前記化合量の値は、化学構造から求めることができる(たとえば、平均分子量を反応性基、アミン価、酸価などの数で割り算する)。たとえば、エポキシ当量が700の低分子量のタイプ3のビスフェノールAエポキシ樹脂と、80の平均数を有する酸末端飽和ポリエステル樹脂(ポリエステルの化合量は、56,100を80で割ったものに等しく、それは約700に等しい)とからは、以下の表4に示すようにして完全(100%)化学量論量の計算ができる。
【0140】
【表4】

【0141】
低温エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾粒子組成物には、任意の所望の着色剤および/または添加剤が含まれていてよい。例を挙げれば、低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾粒子組成物には、以下の表5に示す成分が含まれていてよい。
【0142】
【表5】

【0143】
装飾製品において有用なまた別な化学物質の例としては、低温硬化ポリエステル−トリグリシジルイソシアヌレート(TGIC)装飾粒子がある。例を挙げれば、ポリエステルには、たとえばトリメチロールプロパン、テレフタル酸、ネオペンチルグリコール、アジピン酸、ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキシルジメタノール、およびイソフタル酸、およびペンタンジオールのようなモノマーを用いて合成した酸末端飽和ポリエステルがある。一つの実施態様においては、前記ポリエステルは約2.05〜約2.2の樹脂官能性(すなわち、ポリエステル1分子あたり約2.05〜約2.2個のカルボキシル基)を有する。前記樹脂の酸価は、約20〜約60の範囲、または平均して約28〜約38の範囲であってよい。ヒドロキシル価は、約5〜約10の範囲であってよい(残存ヒドロキシル)。TGICは3官能のエポキシド樹脂であって、ポリエステルベースの粉体調製物の中の硬化剤として使用される。TGICの化合量は106である。例を挙げれば、低温硬化ポリエステル−TGIC装飾粒子中でTGICと組み合わせるのに適した酸末端飽和ポリエステル樹脂は、たとえば、酸価が約30〜約40、もしくは約35;計算上の化合量(化合量は、56,100を酸価で割ったものに等しい)が約1,400〜約1,870、もしくは約1,600;ガラス転移温度が約45℃〜約70℃、もしくは約55℃;および/またはICI・コーン・アンド・プレート粘度が200℃で約15ポワズ〜約50ポワズ、もしくは約25ポワズである。
【0144】
ポリエステル−TGIC装飾粒子の硬化温度を下げるためには、促進剤および/または触媒たとえば、トリフェニルエチルホスホニウムブロミドおよび/またはイミダゾール系化合物を前記組成物の中に組み入れてもよい。当業者に公知の、その他の促進剤および/または触媒を使用してもよい。たとえば、当量が約50〜約1,000で溶融温度が約125℃未満の、グリシジル硬化剤化学物質たとえば脂肪族、脂環族、芳香族、およびメタクリレート系のグリシジル化合物を、低温硬化ポリエステル−TGIC装飾粒子の中で使用してもよい。ポリエステル−TGIC装飾粒子の場合の硬化条件の一例では、約135℃で焼き付け時間約15分である。
【0145】
先にも述べたように、有機ポリマー製品の場合には、分子構造および化学的官能性が異なったり変動したりする。例を挙げれば、化学量論比は、エポキシと酸末端ポリエステル樹脂の化合量を基準にして計算する。化合量の値は、各化合物の化学構造から求めることができる。たとえば、平均酸価が35の酸末端飽和ポリエステル(ポリエステルの化合量は、56,100を35で割り算したものに等しく、それはほぼ1,600に等しい)をTGICと組み合わせると、以下の表6に示すようにして完全(100%)化学量論量の計算ができる。
【0146】
【表6】

【0147】
ポリエステル樹脂の分子サイズが大きく、TGICの分子サイズが小さく球状の形であるために、約10%〜約15%だけ化学量論量を超えるようなTGICを使用して、たとえばポリエステル樹脂/TGICの比を93/7としてもよい。
【0148】
低温ポリエステル−TGIC装飾粒子組成物には、任意の所望の着色剤および/または添加剤が含まれていてよい。例を挙げれば、低温ポリエステル−TGIC装飾粒子組成物には、以下の表7に示す成分が含まれていてよい。
【0149】
【表7】

【0150】
TGICに代えてのカルボキシルポリエステル樹脂硬化剤としては、たとえば、プリミド(PRIMID)(登録商標)(イーエムエス−プリミド(EMS−Primid)、イーエムエス−ヘミー・アーゲー(EMS−Chemie AG)の一部門)がある。プリミド(PRIMID)(登録商標)は、ベータ−ヒドロキシルアルキルアミド硬化剤である。しかしながら、プリミド(PRIMID)(登録商標)は、TGIC系の化学物質よりは長い硬化時間を必要とし、さらにはプリミド(PRIMID)(登録商標)系のコーティングは、TGIC系のコーティングよりもやや強いオレンジ色を示す可能性がある。プリミド(PRIMID)(登録商標)系の装飾粒子を使用して、コーティングの厚みが4.0ミルを超えるような場合には、ピンホールおよびブリスターの問題が起きる可能性もある。
【0151】
先に述べたように、装飾粒子を含む装飾製品には、任意の所望の着色剤および/または添加剤が含まれていてもよい。例を挙げれば、装飾粒子組成物には、たとえば流動添加剤、脱気剤、界面活性剤もしくは湿潤剤、抗酸化剤、熱安定剤、紫外光吸収剤、ワックス、シリコーン添加剤、触媒、表面触感剤、電荷調節剤、導電剤、加工助剤、充填剤、およびそれらの組合せが含まれていてもよい。
【0152】
装飾粒子組成物を調製する際に流動添加剤を使用すると、たとえば、仕上げ硬化させた製品のクレータリング(cratering)を抑制または防止し、および/または流動性とレベリング性を改良することができる。例を挙げれば、流動添加剤は低分子量のアクリルポリマーであってよく、それらは液体の形態(たとえば、約100%の活性物質を含む液体)であっても固体の形態(たとえば、約65%の活性物質を含む固体)のいずれであってもよい。流動添加剤の例としては、以下のものが挙げられる:アクロナール・4F(Acronal 4F)(約100%活性成分、ビーエーエスエフ(BASF)製)、ビーワイケー・363P(Byk 363P)(約65%活性成分、ビーワイケー−ヘミー(BYK−Chemie)製)、レジフロー(RESIFLOW)(登録商標)P−67(エストロン・ケミカル(Estron Chemical)製)、レジフロー(RESIFLOW)(登録商標)PF−67(約65%活性成分、エストロン・ケミカル(Estron Chemical)製)、モダフロー(MODAFLOW)(商標)3(約65%活性成分、モンサント(Monsanto)製)、およびパウダーメイト(POWDERMATE)(商標)486CFL(約65%活性成分、トロイ・コーポレーション(Troy Corp.)製)。例を挙げれば、流動添加剤は装飾粒子組成物に、装飾粒子の全式量当たり約0.3%〜約1%の100%活性流動添加剤の範囲で添加するのがよい。
【0153】
脱気剤を装飾粒子組成物に添加することによって、たとえば、加熱および/または硬化サイクルの際に組成物の中の揮発性物質の蒸発を助け、ピンホールの発生(仕上剤と空気の間の表面境界にトラップされた揮発気泡)を抑制および/または防止することができる。いくつかの脱気剤、たとえばベンゾイン(Benzoin)(ベルシコール・ケミカル・コーポレーション(Velsicol Chemical Corp.)製)は、硬化プロセスの液相の間に樹脂/硬化剤混合物を溶媒和させることができる。その他の脱気剤は界面活性剤状であり、また他のものはワックス状であって、膜の表面の表面張力に影響を及ぼして、脱気を促進する。例を挙げれば、装飾粒子組成物には、装飾粒子の全式量あたり、約0.2%〜約2%の活性脱気剤を含んでいてよい。たとえば、約135℃〜約149℃の間で硬化可能である装飾粒子(たとえば、ポリエステル−プリミド(PRIMID)(登録商標)化学物質)には、装飾粒子の全式量あたり、約1%〜約1.8%のオキシメルト(OXYMELT)(登録商標)A−2またはA−4(エストロン・ケミカル(Estron Chemical)製)と約0.2%のベンゾイン(Benzoin)との組合せが含まれていてよい。
【0154】
装飾製品または装飾粒子組成物中で使用可能な界面活性剤または湿潤剤は、たとえば、着色剤および/または充填剤の濡れを促進し、および/または仕上げ硬化させた製品の流動性および/またはレベリング性を改良することができる。さらに、界面活性剤または湿潤剤は、硬化反応の際に基材のウエットアウトを促進することができ、それによって、接着性および/または耐腐食性を改良することができる。界面活性剤を添加することによってさらに、硬化させた膜の光沢や画像鮮明性もまた向上させることができる。例を挙げれば、界面活性剤のレベルは、装飾粒子の全式量あたり0.1%〜約0.5%の活性物質の範囲とすることができる。界面活性剤または湿潤剤例としては以下のようなものが挙げられる:カチオン性、アニオン性機能性有機化合物、シラン、およびポリシロキサン、たとえば、ヌオスパース(NUOSPERSE)(商標)657(エレメンティス・スペシャルティーズ(Elementis Specialties)製)およびサーフィノール(SURFYNOL)(商標)104S(エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ・インコーポレーテッド(Air Products and Chemicals,Inc.)製)。
【0155】
抗酸化剤または熱安定剤を装飾粒子組成物の中で使用して、たとえば、硬化および/または加熱サイクルの際に熱により誘導される黄変化を禁止または防止してもよい。例を挙げれば、抗酸化剤または熱安定剤は、ホワイト色または比較的薄い色の装飾粒子組成物の中では、装飾粒子の全式量あたり約0.2%〜約0.5%の量で活性物質を使用するのがよい。他の着色装飾粒子では、より多いまたはより少ない抗酸化剤または熱安定剤をしてもよい。抗酸化剤の例としては、イルガノックス(Irganox)1076(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ・コーポレーション(Ciba Specialty Chemicals Corp.)製)およびイルガノックス(Irganox)B−225(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ・コーポレーション(Ciba Specialty Chemicals Corp.)製)が挙げられる。熱安定剤の一例は、サンドスタブ・P−EPQ(Sandostab P−EPQ)(クラリアント(Clariant)製)である。
【0156】
紫外光吸収剤を装飾粒子組成物に添加して、たとえば、硬化させた仕上げ製品の紫外線抵抗性(たとえば、耐候性)を改良してもよい。抗酸化剤および/または熱安定剤と組み合わせて使用することで、紫外線吸収剤の性能をさらに向上させることができる。
【0157】
ワックスを装飾粒子組成物に添加して、たとえば、硬化させた装飾製品の光沢および/または流動性を調節してもよい。ワックスは、硬化させた装飾製品に表面触感を加えるために使用してもよい。さらに、いくつかのワックス添加剤は、硬化させた装飾製品の耐傷性および引掻き抵抗性を改良することができる。例を挙げれば、天然産物からのワックスたとえばカルナウバワックス、蜜ろう、炭化水素化合物、ハロゲン化炭化水素、おおびPTFEは、高いパーセントでワックスを含んでいて、装飾製品および/または装飾粒子組成物の中で使用することができる。ワックス添加剤の例としては以下のものが挙げられる:DT3329−1(チバ・ガイギー(Ciba Geigy)製)、カスター・ワックス(Castor Wax)、パウダー・テックス・61(Pwder Tex 61)(シャムロック・テクノロジーズ・インコーポレーテッド(Shamrock Technologies,Inc.))、ランコ(Lanco)(登録商標)TF−1778(ノベオン・インコーポレーテッド(Noveon Inc.)から入手可能)、およびランコ(Lanco)(登録商標)PP−1362D(ノベオン・インコーポレーテッド(Noveon Inc.)から入手可能)。
【0158】
シリコーン添加剤を装飾粒子組成物に添加して、たとえば、硬化させた装飾製品の耐傷性および引掻き抵抗性を改良してもよい。理論に拘束されることを望むものではないが、シリコーン添加剤は摩擦係数を低下させ、それが、2層コートシステムのコーティングの間の接着性に影響しているのであろうと考えられる。シリコーン添加剤の例としては、ポリシロキサンおよびシリコーンオイルが挙げられる。
【0159】
触媒たとえば2−プロピルイミダゾールを装飾粒子組成物に添加して、たとえば、硬化速度を加速したり、硬化温度を低下させたり、および/または硬化された製品の物理的および/または化学的性質を改良したりしてもよい。
【0160】
表面触感剤を装飾粒子組成物に添加して、たとえば、組成物の粘度を変化および/または調節してもよい。
【0161】
電荷調節添加剤を装飾粒子組成物に添加して、たとえば、転写効率を調節してもよい。例を挙げれば、チヌビン(TINUVIN)(登録商標)144(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals))、チタン酸バリウム、および四級アンモニウム塩がある。
【0162】
導電添加剤を装飾粒子組成物に添加して、たとえば、組成物および/または仕上げ製品中の電荷を逃がしてもよい。導電添加剤は、性質がたとえば、充填剤様、顔料様、あるいはワックス様であってよい。
【0163】
加工助剤を装飾粒子組成物に添加して、たとえば、組成物が容易に加工できるようにしてもよい。加工助剤は、当業者には周知である。
【0164】
着色剤を装飾粒子組成物に添加して、たとえば、所望の色を得てもよい。顔料の例としては、有機および無機顔料たとえば、二酸化チタン、酸化鉄レッド、酸化鉄イエロー、酸化鉄ブラック、加熱安定化酸化鉄、焼成混合金属酸化物、ジアリーリド、濃縮ジスアゾ、およびフタロブルーなどが挙げられる。個別、または装飾製品および/または装飾粒子組成物と組み合わせて使用することができる着色剤およびその量の例を、以下の表8に示す。
【0165】
【表8】

当業者に公知の多くのその他の有機および無機着色剤を、本明細書に記載の組成物において使用することができる。
【0166】
充填剤を装飾粒子組成物に添加してもよい。充填剤の二つの例を挙げれば、炭酸カルシウムおよび硫酸バリウム(それぞれCaCO3およびBaSO4、いずれもフィッシャー・ケミカルズ(Fisher Chemicals)製)である。装飾製品および/または装飾粒子組成物に添加された炭酸カルシウム充填剤は、たとえば、光沢、さらには高濃度で付与された仕上剤の流動性を抑制することができる。ウォラストナイトタイプの充填剤もまた、装飾製品および/または装飾粒子組成物における充填剤として使用することができる。通常1〜10ミクロンの平均粒径に摩砕された、粉体の形態のタルカム、クレー、ドロマイト、およびマグネシウム−アルミニウム−シリケート、またはミクロンサイズのガラスビーズもまた充填剤として使用して、特異的な性質、たとえば、腐食抵抗性、光沢調節、および/または膜の質感を得ることができる。
【0167】
例を挙げれば、装飾製品を表面に付与することで、装飾製品を硬化させたときに約0.004ミル〜約2.2ミル(約0.01ミクロン〜約56ミクロン)の膜の厚みが得られる。
【0168】
低温硬化エポキシ化学物質、低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド化学物質、低温硬化ポリエステル−TGIC化学物質を包含しているような装飾粒子調製物は、以下に示す一般的な加工手順に従って調製することができる。
【0169】
調製成分は、低強度・タンブルミキシングによるか、あるいは50〜1,000rpmで回転するブレードを有する、垂直または水平ミキシングシャフトを有するミキサー中での高強度・ドライブレンディングによるかのいずれかで、ドライブレンドする。調製物を、バッチサイズに依って、たとえば約5〜約20分間、低強度・タンブリングミキシングするか、あるいはたとえば約1〜約5分間、高強度・ドライミキシングする。ミキシングによって、活性化学成分が均質化され、不活性成分が分散されることで、色の一致性が向上し、付与された膜における突出を避けることができるようになる。バッチサイズは、クォートサイズからキロリットルサイズまで変えられる。ドライブレンディングをした後では、前記混合物の温度を約40℃以下に維持して、塊状化や溶融を防止する。
【0170】
ドライミキシングの後で、それらの混合物を数分から数時間押出し加工する。往復動のスクリューシャフトを有する単軸スクリュー押出機(コニーダーとも呼ばれる)、および共回転スクリューシャフトを有する2軸スクリュー押出機が、好適な押出機であるが、さらには、プラネタリー押出機、逆方向回転2軸スクリュー押出機、あるいは単軸スクリュー押出機などもある。押出機のサイズの例を挙げれば、10〜30mmのスクリュー直径と1〜5kg/時間の理論吐出量を有する卓上実験室モデルから、30から300mm超のスクリュー直径と、100kg〜2,000kg/時間超の理論吐出量を有する生産モデルまである。
【0171】
加工のための押出機は、水、オイルまたは押出機のバレルの外側に位置する電熱ジャケットで加熱することができる。押出機のバレルの加工温度は、約70℃〜約125℃の範囲でよいが、いくつかの適用においては所望の性質を得るためにこの範囲から外れた温度を使用してもよい。粉体加工に用いられるいくつかの押出機のバレルのヒーターは、セグメント化されていてもよく、その場合、押出機のプレミックス取り入れゾーンは、低温あるいは約40℃〜約50℃の最低限の加熱で運転してよい。押出機およびスクリューの設計に依存するが、反応性の高い、低温硬化粉体コーティング調製物を加工するには、バレルを約100℃±15℃に加熱すれば充分である。スクリューは、プレミックス取り入れ領域ではらせん形の断面を有し、押出し物を分散、溶融混合するところでは、「パドル」の断面を有するようにするのがよい。押出機の中での押出し物の滞留時間は、典型的には、約60秒を超えないようにする。粉体コーティングを加工するために使用される生産用の押出機は、約50〜約750rpmの間のスクリュー速度で運転する。スクリュー速度と押出機のバレル温度は、約50%〜約90%の間のトルクが得られるように選択する。押出し物の温度は、押出機のバレルの熱と回転しているスクリューからの摩擦熱との結果から、約100℃〜約125℃の範囲となる。さらなる加工のために材料を固化させ、化学反応を停止させるために、押出機から押出された押出し物はすぐに冷却される。押出し物を、約1.5〜約3mmの間隔に設定した逆方向回転冷却ロールの中に重力フィードする。得られた押出し物のシートをクーリングベルトに載せてフレーカーまたはクラッシャーユニットへ送り、そこで前記シートを破砕して大きさが約1インチ正方より小さいフレークとする。クーリングベルトの温度は、加工の間約5℃〜約35℃に維持する。得られたフレークを粉砕し、空気分級ミル(ACM)、サイクロン、および篩を用いて特性測定を行って、粒径分布および平均粒径を求める。例を挙げれば、ある装飾粒子の粒径の分布では、90容積%以上の粒子が、約100ミクロン未満、または約25ミクロン未満、または約10ミクロン未満、または約0.1〜約50ミクロン、または約1〜約20ミクロン、または約3〜約10ミクロン、または約750nmより大〜約100ミクロンの範囲であるか、または所望の付与に依存してそれらよりも大きな粒径または小さな粒径を有する。異なった調製または色を加工した後には、すべての装置を掃除して、化合物または色の相互汚染がないようにする。
【0172】
乳化された装飾製品は、以下の一般的な加工手順に従って調製することができる。1ガロンのガラス容器の中で、まず乳化剤を粉体たとえばナチュラ(NATURA)(商標)トナーおよび/または装飾粒子に添加し、混合して、乳化剤で粉体が完全にコーティングされるようにする。次いで水を前記粉体と乳化剤の混合物に加え、アイカ−ベルケ・オイロスター(IKA−Werke Eurostar)パワーベーシックミキサーを使用し、約750rpmの速度で約4時間かけてブレンドする。前記装飾製品を調製している間のどの時点でもよいが、必要あれば、さらなる添加剤を加えてもよい。4時間のブレンド時間の後で、前記混合物を室温で、マグネチックスターラー/加熱プレート(フィッシャー・サイエンティフィック(Fisher Scientific)から入手可能なアイソテンプ(Isotemp)#409N0063)の上でさらに24時間、連続的に混合するが、それには2インチのマグネチックスターラーバーを100rpmで使用する。例を挙げれば、乳化された装飾製品組成物には、以下の表9に示す成分が含まれていてよい。
【0173】
【表9】

【0174】
以下の実施例によって本開示をさらに詳しく説明するが、それらの実施例はいかなる点においても限定を示すものと受け取ってはならない。特に断らない限り、それらの実施例において表されるパーセントは、当該組成物の全重量を基準にした重量パーセントである。
【実施例】
【0175】
実施例1〜24の装飾粒子組成物は、構成成分を、19mmのエーピーブイ(APV)実験室用2軸スクリュー押出機(型番MP19TC−25、ベーカー・パーキンス(Baker Perkins)製)を用いてブレンド(混合)および加工することで上述の一般的な加工手順を用いて調製したが、ここで前記押出機は、同方向回転スクリューを有し、バレル温度が100℃、スクリュー速度が400rpm、そしてトルクが50%〜90%であった。前記押出し物を冷却ロール上で冷却すると、厚みが3/32インチ(約3mm)の固形の押出し物シートが得られた。前記シートを破砕して、大きさが1平方インチ(6.45cm2)より小さいフレークとした。前記フレークを空冷ジェットミルで摩砕し、分級して粒径範囲約0ミクロン〜約20ミクロンとした。装飾粒子またはトナーと乳化剤とを、前記装飾粒子またはトナーが1種または複数の乳化剤によってコーティングされるまでの間混合することで、実施例25〜28の装飾製品を上述の一般的な加工手順を用いて調製した。次いで水を加え、上述のようにして完全に混合した。
【0176】
表10〜25の組成物において、商標ククド(KUKDO)(登録商標)KD−242G(ククド・ケミカル・カンパニー・リミテッド(Kukdo Chemical Co.,LTD)製)は、エポキシ当量が約700g/eqのタイプ3ビスフェノール−Aエポキシ樹脂である。表10〜17の組成物において、ハンツマン・ハードナー(Huntsman Hardener)XB3086(ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ(Huntsman Advanced Materials)製)は、商標保護されているフェノール系硬化剤であって、フェノール,4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス−、2,2’−[(1−メチルエチリデン)ビス(4,1−フェニレンオキシメチレン)]ビス[オキシラン]とのポリマー(一般に、エポキシ樹脂とビスフェノールAとのポリマーと表現される)、社外秘の促進剤、およびフェノール,4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス−(一般的にはビスフェノールAと呼ばれる)を含んでいる。表18〜25の組成物において、アクチロン(Actiron)NXJ−60(アドバンスト・テクノロジー・アンド・インダストリアル・カンパニー(Advanced Technology & Industrial Co.)製)は、2−プロピルイミダゾール触媒である。表10〜13、18〜21、および26〜29の組成物において、商標タイ−ピュア(TI−PURE)(登録商標)TiO2R−960(イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(E.I. Dupont de Nemours and Company)製)は、酸化チタンホワイト顔料である。表11〜12、14〜15、19〜20、22〜23、27、および30〜31の組成物において、Y10M(CAS番号51274−00−1、エービーシーアール(ABCR)製)は、酸化鉄イエロー顔料である。表11、19、および27〜29の組成物において、274−0033(CAS番号5468−75−7、エービーシーアール(ABCR)製)は、2,2’−((3,3’−ジクロロ(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジイル)ビス(アゾ))ビス(N−(2−M−エヒルフェニル)−3−オキソブチルアミド)の化学式を有するイエロー顔料である。表11、19、および27の組成物において、HR−70イエロー(クラリアント(Clariant)製)は、イエロー有機顔料である。表26〜33の組成物において、商標ルコート(RUCOTE)(登録商標)921ポリエステル(バイエル・マテリアル・サイエンス,エルエルシー(Bayer Material Science,LLC)製)は、酸価が38mgKOH/g、ヒドロキシル価が6mgKOH/g、ICI・コーン・アンド・プレート粘度(200℃)が1800cPs、Tgが60℃の、低粘度カルボキシル官能性ポリエステルである。
【0177】
実施例1:ホワイト色低温硬化エポキシ装飾粒子の調製
【0178】
下記の表10に示す組成を有するホワイト色の低温硬化エポキシベースの装飾粒子を、先に述べたやり方で調製した。
【0179】
【表10】

【0180】
実施例2:イエロー色の低温硬化エポキシ装飾粒子の調製
【0181】
下記の表11に示す組成を有するイエロー色の低温硬化エポキシベースの装飾粒子を、先に述べたやり方で調製した。
【0182】
【表11】

【0183】
実施例3:レッド色の低温硬化エポキシ装飾粒子の調製
【0184】
下記の表12に示す組成を有するレッド色の低温硬化エポキシベースの装飾粒子を、先に述べたやり方で調製した。
【0185】
【表12】

【0186】
実施例4:ブルー色の低温硬化エポキシ装飾粒子の調製
【0187】
下記の表13に示す組成を有するブルー色の低温硬化エポキシベースの装飾粒子を、先に述べたやり方で調製した。
【0188】
【表13】

【0189】
実施例5:ブラウン色の低温硬化エポキシ装飾粒子の調製
【0190】
下記の表14に示す組成を有するブラウン色の低温硬化エポキシベースの装飾粒子を、先に述べたやり方で調製した。
【0191】
【表14】

【0192】
実施例6:酸化鉄イエロー色の低温硬化エポキシ装飾粒子の調製
【0193】
下記の表15に示す組成を有する酸化鉄イエロー色の低温硬化エポキシベースの装飾粒子を、先に述べたやり方で調製した。
【0194】
【表15】

【0195】
実施例7:酸化鉄レッド色の低温硬化エポキシ装飾粒子の調製
【0196】
下記の表16に示す組成を有する酸化鉄レッド色の低温硬化エポキシベースの装飾粒子を、先に述べたやり方で調製した。
【0197】
【表16】

【0198】
実施例8:ウルトラマリンブルー色の低温硬化エポキシ装飾粒子の調製
【0199】
下記の表17に示す組成を有するウルトラマリンブルー色の低温硬化エポキシベースの装飾粒子を、先に述べたやり方で調製した。
【0200】
【表17】

【0201】
実施例9:ホワイト色の低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾粒子の調製
【0202】
下記の表18に示す組成を有するホワイト色の低温硬化エポキシポリエステルハイブリッド装飾粒子を、先に述べたやり方で調製した。
【0203】
【表18】

【0204】
実施例10:イエロー色の低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾粒子の調製
【0205】
下記の表19に示す組成を有するイエロー色の低温硬化エポキシポリエステルハイブリッド装飾粒子を、先に述べたやり方で調製した。
【0206】
【表19】

【0207】
実施例11:レッド色の低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾粒子の調製
【0208】
下記の表20に示す組成を有するレッド色の低温硬化エポキシポリエステルハイブリッド装飾粒子を、先に述べたやり方で調製した。
【0209】
【表20】

【0210】
実施例12:ブルー色の低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾粒子の調製
【0211】
下記の表21に示す組成を有するブルー色の低温硬化エポキシポリエステルハイブリッド装飾粒子を、先に述べたやり方で調製した。
【0212】
【表21】

【0213】
実施例13:ブラウン色の低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾粒子の調製
【0214】
下記の表22に示す組成を有するブラウン色の低温硬化エポキシポリエステルハイブリッド装飾粒子を、先に述べたやり方で調製した。
【0215】
【表22】

【0216】
実施例14:酸化鉄イエロー色の低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾粒子の調製
【0217】
下記の表23に示す組成を有する酸化鉄イエロー色の低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾粒子を、先に述べたやり方で調製した。
【0218】
【表23】

【0219】
実施例15:酸化鉄レッド色の低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾粒子の調製
【0220】
下記の表24に示す組成を有する酸化鉄レッド色の低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾粒子を、先に述べたやり方で調製した。
【0221】
【表24】

【0222】
実施例16:ウルトラマリンブルー色の低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾粒子の調製
【0223】
下記の表25に示す組成を有するウルトラマリンブルー色の低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾粒子を、先に述べたやり方で調製した。
【0224】
【表25】

【0225】
実施例17:ホワイト色の低温硬化ポリエステル−TGIC装飾粒子の調製
【0226】
下記の表26に示す組成を有するホワイト色の低温硬化ポリエステル−TGIC装飾粒子を、先に述べたやり方で調製した。
【0227】
【表26】

【0228】
実施例18:イエロー色の低温硬化ポリエステル−TGIC装飾粒子の調製
【0229】
下記の表27に示す組成を有するイエロー色の低温硬化ポリエステル−TGIC装飾粒子を、先に述べたやり方で調製した。
【0230】
【表27】

【0231】
実施例19:レッド色の低温硬化ポリエステル−TGIC装飾粒子の調製
【0232】
下記の表28に示す組成を有するレッド色の低温硬化ポリエステル−TGIC装飾粒子を、先に述べたやり方で調製した。
【0233】
【表28】

【0234】
実施例20:ブルー色の低温硬化ポリエステル−TGIC装飾粒子の調製
【0235】
下記の表29に示す組成を有するブルー色の低温硬化ポリエステル−TGIC装飾粒子を、先に述べたやり方で調製した。
【0236】
【表29】

【0237】
実施例21:ブラウン色の低温硬化ポリエステル−TGIC装飾粒子の調製
【0238】
下記の表30に示す組成を有するブラウン色の低温硬化ポリエステル−TGIC装飾粒子を、先に述べたやり方で調製した。
【0239】
【表30】

【0240】
実施例22:酸化鉄イエロー色の低温硬化ポリエステル−TGIC装飾粒子の調製
【0241】
下記の表31に示す組成を有する酸化鉄イエロー色の低温硬化ポリエステル−TGIC装飾粒子を、先に述べたやり方で調製した。
【0242】
【表31】

【0243】
実施例23:酸化鉄レッド色の低温硬化ポリエステル−TGIC装飾粒子の調製
【0244】
下記の表32に示す組成を有する酸化鉄レッド色の低温硬化ポリエステル−TGIC装飾粒子を、先に述べたやり方で調製した。
【0245】
【表32】

【0246】
実施例24:ウルトラマリンブルー色の低温硬化ポリエステル−TGIC装飾粒子の調製
【0247】
下記の表33に示す組成を有するウルトラマリンブルー色の低温硬化ポリエステル−TGIC装飾粒子を、先に述べたやり方で調製した。
【0248】
【表33】

【0249】
実施例25:ブルー色の低温硬化エポキシ装飾製品の調製
【0250】
下記の表34に示す組成を有するブルー色の低温硬化エポキシベースの装飾製品を、先に述べたやり方で調製した。
【0251】
【表34】

【0252】
実施例26:ブルー色の低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾製品の調製
【0253】
下記の表35に示す組成を有するブルー色の低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾製品を、先に述べたやり方で調製した。
【0254】
【表35】

【0255】
実施例27:ブルー色の低温硬化ポリエステル−TGIC装飾製品の調製
【0256】
下記の表36に示す組成を有するブルー色の低温硬化ポリエステル−TGIC装飾製品を、先に述べたやり方で調製した。
【0257】
【表36】

【0258】
実施例28:ブルー色の低温硬化ナチュラ(NATURA)(登録商標)ベースの装飾製品の調製
【0259】
下記の表37に示す組成を有するブルー色の低温硬化ナチュラ(NATURA)(登録商標)ベースの装飾製品を、先に述べたやり方で調製した。ソウグラス・テクノロジーズ・インコーポレーテッド(Sawgrass Technologies,Inc.)からのブルー色の(シアン)ナチュラ(NATURA)(登録商標)トナーおよびクリアなナチュラ(NATURA)(登録商標)トナーは、エーシーピー・テクノロジーズ(ACP Technologies)から購入した(それぞれ識別番号127および131)。
【0260】
【表37】

【0261】
実施例29:軟質表面の上への実施例25〜28の装飾製品の付与、貼り付け、可逆性、および耐久性
【0262】
本発明に開示の装飾製品について、ナイロン試験カーペットへの付与、貼り付け工程の前の前記ナイロン試験カーペットからの除去(可逆性)、エネルギー源として熱を使用した前記ナイロン試験カーペットへの貼り付け、および前記ナイロン試験カーペットに貼り付けた後の耐久性についての性能を試験した。
【0263】
実施例25〜28の4種の個々の装飾製品を、完全に混合し、個々に60ミクロン粒径吐出のフィンガーポンプファインミストスプレーヤーを取り付けた8オンスのPETボトル(N2862524410WHT3、ボトルネック24/410;イーボトルズ.コム・インコーポレーテッド(ebottles.com Inc.)から入手可能)の中に入れた。4枚の2フィート×2フィートのナイロン試験カーペットの試験片を、ビッセル・ホームケア・インコーポレーテッド(Bissell Homecare,Inc.)製のビッセル(Bissell)クリーンビュー(CLEANVIEW)(登録商標)II真空掃除機を用いて掃除をして、ほどけた繊維および汚れを取り除いた。使用したナイロン試験カーペットの仕様値を表38に示す。
【0264】
【表38】

【0265】
ナイロン試験カーペットの四つの試験片のそれぞれについて、その上にそれぞれの装飾製品を付与した3カ所のスポットのそれぞれのベースラインカラーを、ΔE(変色)を記録するために前記設定を「L−a−b」セッティングとした、ミノルタ・モデルNo.CR−310(Minolta Model No.CR−310)彩度計(chroma meter)と組み合わせたミノルタ・データ・プロセッサー・モデル・No.DP−301(Minolta data processor Model No.DP−301)(いずれも、コニカ・ミノルタ・センシング・アメリカズ・インコーポレーテッド(Konica Minolta Sensing Americas,Inc.)製)を使用して測定し、製造業者の取扱説明書に従って較正した。
【0266】
実施例25〜28の4種の装飾製品のそれぞれについて別個に、以下の試験を実施した。装飾製品を付与するより前に、ナイロンメッシュバッキングを有する、キンバリー−クラーク・コーポレーション(Kimberly−Clark Corp.)から入手可能の使い捨ての吸収剤物質から製造されたステンシルを、前記ナイロン試験カーペットサンプルの表面の中央に置いた。次いで、前記ナイロン試験カーペットから8〜10インチの距離をおき、前記ナイロン試験カーペットの上側表面を飽和させるような割合で、フィンガースプレーヤーからの穏やかなミストとして、前記ナイロン試験カーペットに装飾製品を付与した。付与された装飾製品は前記ナイロン試験カーペットの上で、周囲温湿度で一夜放置して、乾燥させた。乾燥が済んだら、付与された装飾製品パターンの半分を、ホースアタッチメント(直径1−1/4インチ×4フィート)付きのショップ−バック(Shop−Vac)(登録商標)1×1(登録商標)ウェット/ドライ真空掃除機を使用して、前記ナイロン試験カーペットから除去した。前記真空特性は、1ピーク馬力、空気流量115立方フィート/分、密閉圧力52インチであり、電気的な定格は、120V、60Hz、5.5Aであった。パターンを一つの方向に20回の真空をかけ、次いで同一の領域について、逆の方向に20回の真空をかけた。真空掃除が済んだら、ミノルタ(Minolta)データプロセッサーおよびミノルタ(Minolta)彩度計を使用して、前記ナイロン試験カーペットの真空装置をした領域について、L−a−bの測定を行った。
【0267】
次いで、真空掃除をしなかった装飾製品パターンを前記ナイロン試験カーペットの上に貼り付けたが、それには、吸収性紙タオル(キンバリー−クラーク・コーポレーション(Kimberly−Clark Corp.)製のワイプ・オール(WYP ALL)(登録商標)X60強化ワイプ)を前記装飾製品パターンの上に置き、前記設定を最高設定値(綿)とした家庭用アイロン(ハミルトン−ビーチ(Hamilton−Beach)モデル#14340)を用いて前記装飾製品パターンを加熱した。吸収性紙タオルを通しての加熱を、円運動の形で装飾製品の1平方フィートあたり2.5分かけて与えた。次いで、紙タオルをナイロン試験カーペットから剥がし、上述のミノルタ(Minolta)データプロセッサーおよびミノルタ(Minolta)彩度計を使用して、貼り付けられた装飾製品パターンの上で、L−a−b値を測定した。
【0268】
ナイロン試験カーペットの上に貼り付けられた装飾製品の回復性を調べるために、貼り付けられた装飾製品の半分に、ホースアタッチメント付きのショップ−バック(Shop−Vac)(登録商標)1×1(登録商標)ウェット/ドライ真空掃除機を用い、(前後運動を用いて)20回真空掃除をした。真空掃除をして貼り付けられた領域を、貼り付けただけの(真空掃除をしなかった)領域と対比させたL−a−b値を、上述のようなミノルタ(Minolta)彩度計と組み合わせたミノルタ(Minolta)データプロセッサーを使用して測定した。
【0269】
実施例25〜28の装飾製品の可逆性、貼り付け、および耐久性を以下の表39〜42に示す。
【0270】
【表39】

【0271】
【表40】

【0272】
【表41】

【0273】
【表42】

【0274】
実施例30:表面基材のガラス転移温度(Tg)および溶融温度(Tm)の測定
【0275】
表面基材のTgおよびTmは、モデルQ100示差走査熱量計(ティーエー・インストラメンツ・インコーポレーテッド(TA Instruments Inc.))を用い、加熱速度20℃/分で測定した。具体的には、この方法で、表38のナイロンカーペットは、40〜45℃のTgおよび257℃のTmを有すると測定された。さらに、表38のポリエステルカーペットは140〜l50℃のTgおよび247℃のTmを有すると測定された。
【産業上の利用可能性】
【0276】
本明細書に開示された方法によって、表面、さらに詳しくは軟質表面たとえば、カーペット、敷物、掛け布、カーテン、椅子張り地などに付与されるべき装飾製品を付与することが可能となる。軟質表面に対して前記装飾製品を付与することによって、前記軟質表面の知覚される審美性が改良され、交換が必要となるまでの、前記軟質表面の使用寿命を延長させることができる。
【0277】
本明細書の開示は、当業者が本開示を作製、使用できるようにするために例示の形で提供されており、使用されている用語も、限定のためというよりは、説明という性質となるよう意図したものである。本開示は、具体的に開示されたものとは異なった方法で実施することが可能であり、上述の教示から可能であり当業者にとって確認することが可能な、本開示のすべての修正、等価物、および変更は、特許請求項の範囲内に具体的に含まれるということが理解される。本明細書の中に引用された、すべての特許、特許出願公開、およびその他の参考文献は、その全体が、参照により本明細書に取り込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0278】
【図1】表面に装飾製品を付与する一つの可能な方法の説明図である。
【図2】表面上に付与された装飾粒子の顕微鏡写真である。
【図3】表面に装飾製品を貼り付ける一つの可能な方法の説明図である。
【図4】表面に貼り付けられた装飾製品の顕微鏡写真である。
【図5】一つの実施態様による、支持層を含めた多層を組み入れたデザイン用具の斜方投影図である。
【図6】デザイン用具を示した図5の線6−6に沿って一般的に切断した断面図である。
【図7】一つの実施態様による、周縁デザイン(peripheral design)さらには切り抜き部分を有するデザイン用具の平面図である。
【図8】一つの実施態様による、表面上のデザイン用具の向きを合わせるための方法において使用することが可能なペグ(peg)の斜視図である。
【図9】一つの実施態様による、表面上でペグの向きを定めるのに使用されるレイアウトツールの斜視図である。
【図10】一つの実施態様による、表面上に整列されたペグの斜視図である。
【図11】一つの実施態様による、表面上に整列された第二のペグに接続した、ステンシル搭載ペグの部分破断斜方図である。
【図12】カーペットにデザインを付与する方法を説明する流れ図である。
【図13】図12の方法と共に使用するためのデザイン用具の平面図である。
【図13A】図13のデザイン用具の下側平面図である。
【図14】デザイン用具の別な実施態様を示す断面図である。
【図15】デザイン用具の別な実施態様を示す図13の線15−15で一般的に切断した断面図である。
【図16】図12の方法と共に使用するための、その上に色コードストリップを有する、周辺デザイン用具の等角図である。
【図17】図12の方法と共に使用するための、その上に色コードストリップを有する、コーナーデザイン用具の等角図である。
【図18】図12の方法と共に使用するための、その上に色コードストリップを有する、第一末端デザイン用具の等角図である。
【図19】図12の方法と共に使用するための、その上に色コードストリップを有する、第二末端デザイン用具の等角図である。
【図20】説明書のセットに従った、図17のコーナーデザイン用具の配置の平面図である。
【図21】説明書のセットに従った、図16の第一および第二のボーダーデザイン用具の配置の平面図である。
【図22】説明書のセットに従った、それぞれ図18および19の第一および第二の末端デザイン用具の配置の平面図である。
【図23】図20〜22に開示されたデザイン用具の配置に従って、カーペットに貼り付けられた装飾製品の平面図である。
【図24】図12の方法に従った、1種または複数のデザイン用具とともに使用するための、格子パターンである。
【図25】一つの実施態様に従った、消費者用補助具の図示である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面にデザインを付与するのに使用するためのステンシルであって:
第一の層;
前記第一の層に近接して配置された第二の層;および、
表面に対して剥離可能に保持するための支持層を含み、前記第二の層に近接して配置された繊維質の第三の層
を含み、
前記第一の層および前記第二の層の少なくとも一つが、互いに独立してバリヤー層または吸収剤層を含み、
前記第三の層が、前記ステンシルを通して装飾製品が通過できるようになっており、そして前記第一の層および前記第二の層を通しての切り抜き部分が、前記装飾製品を前記表面へ付与するための通路を与えるようにした、ステンシル。
【請求項2】
前記バリヤー層が疎水性である、請求項1に記載のステンシル。
【請求項3】
前記吸収剤層が親水性である、請求項1に記載のステンシル。
【請求項4】
前記ステンシルの周辺端を保持する第二の支持層をさらに含む、請求項1に記載のステンシル。
【請求項5】
前記第一の層または前記第二の層の少なくとも一つが、周辺端をさらに含む、請求項1に記載のステンシル。
【請求項6】
前記ステンシルの周辺端を保持する第三の支持層をさらに含む、請求項5に記載のステンシル。
【請求項7】
前記第一の支持層および前記第三の支持層が独立して、グリッド、ウェブ、メッシュまたは糸の少なくとも一つを含む、請求項6に記載のステンシル。
【請求項8】
前記周辺端および前記切り抜き部分が独立して、象徴、パターン、形状、またはデザインの少なくとも一つを画定する、請求項5に記載のステンシル。
【請求項9】
前記第一の層または前記第二の層の少なくとも一つが、表面に対する装飾製品の付与、除去、または実質的な貼り付けの少なくとも一つから表面の一部を保護する、請求項1に記載のステンシル。
【請求項10】
前記ステンシルが、接続メカニズムによって少なくとも一つの追加のステンシルと接続するように構成されている、請求項1に記載のステンシル。
【請求項11】
前記第一の層と第二の層が、実質的に同一の材料を含む、請求項1に記載のステンシル。
【請求項12】
前記切り抜き部分が、前記繊維質の第三の支持層を通して延在している、請求項1に記載のステンシル。
【請求項13】
前記第三の層が、グリッド、ウェブ、メッシュまたは糸の少なくとも一つを含む、請求項1に記載のステンシル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図13A】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公表番号】特表2008−545565(P2008−545565A)
【公表日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−515823(P2008−515823)
【出願日】平成18年6月6日(2006.6.6)
【国際出願番号】PCT/US2006/021885
【国際公開番号】WO2006/133170
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
【Fターム(参考)】