説明

表面保護用粘着テープ

【課題】糊残りを有効に防止することができ、且つ下塗層が無くとも粘着剤層が基材に良好に接着している表面保護用粘着テープを提供すること。
【解決手段】基材および粘着剤層を有する表面保護用粘着テープであって、ポリオレフィン(a)、水酸基含有ポリオレフィン(b)および水酸基と反応し得る官能基を有する架橋剤(c)を含有する粘着剤から形成された粘着剤層を、基材の少なくとも片面に有する表面保護用粘着テープ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被着体表面を保護するために被着体に接着され、保護が不要になった後は被着体から剥がされる用途に用いられる粘着テープ(以下「表面保護用粘着テープ」と略称することがある。)に関する。
【背景技術】
【0002】
被着体(例えば、鋼板等の金属板およびその成形品、携帯電話等の塗膜、または塗装処理された飛行機、電車、自動車、自転車およびその部品等)の移送、保管、養生および施工等の際に、被着体表面を保護するため、被着体に表面保護用粘着テープを貼り付けることが知られている。このような表面保護用粘着テープは、保護の役割を終えた後、被着体から剥がされる。
【0003】
また、表面保護用粘着テープは、被着体からの剥離の際に、粘着剤層の一部または全部が被着体表面に残留するという現象(いわゆる糊残り)を起こさないことが求められる。この糊残りを防止するために、これまで、耐候剤を用いることによって粘着剤層の劣化を防止する手法(特許文献1);基材と粘着剤層との間に所定のアンカー剤を配置する手法(特許文献2):および粘着剤層を構成するベースポリマーの重量平均分子量および分散度を所定範囲に規定することで剥離性を向上させる手法(特許文献3)などが開示されている。しかし、被着体である商品の価値をより一層高めるために、表面保護用粘着テープには、糊残りの防止がより一層求められている。
【0004】
表面保護用粘着テープの粘着剤層を形成するために、ポリオレフィンを含有するポリオレフィン系粘着剤(特に、ポリイソブチレン等のゴムを含有するゴム系粘着剤)が多用されている。しかし、ポリオレフィン系粘着剤およびゴム系粘着剤は、一般的な基材(例えば、ポリエステル基材またはポリオレフィン基材)に対する接着性が悪いことが知られている(以下、「基材に対する接着性」を「投錨性」と略称することがある)。この投錨性を向上させるために、例えば、ゴム系粘着剤層と基材(支持体)との間に下塗層を設ける手法(特許文献4)が開示されている。しかし、下塗層を設けることは、そのための工程および設備が必要となるため好ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−238746号公報
【特許文献2】特開2005−213280号公報
【特許文献3】特開平10−176152号公報
【特許文献4】特開平4−370179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記のような事情に着目してなされたものであって、その目的は、糊残りを有効に防止することができ、且つ下塗層が無くとも粘着剤層が基材に良好に接着している表面保護用粘着テープを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、ポリオレフィン(a)、水酸基含有ポリオレフィン(b)および水酸基と反応し得る官能基を有する架橋剤(c)を含有する粘着剤から形成された粘着剤層を有する表面保護用粘着テープは、上記目的を達成し得ることを見出した。この知見に基づく本発明は、以下の通りである。
【0008】
[1] 基材および粘着剤層を有する表面保護用粘着テープであって、
ポリオレフィン(a)、水酸基含有ポリオレフィン(b)および水酸基と反応し得る官能基を有する架橋剤(c)を含有する粘着剤から形成された粘着剤層を、基材の少なくとも片面に有する表面保護用粘着テープ。
[2] 架橋剤(c)が、イソシアネートである上記[1]に記載の表面保護用粘着テープ。
[3] 粘着剤中の架橋剤(c)の含有量が、ポリオレフィン(a)100重量部に対して、0.01〜150重量部である上記[1]または[2]に記載の表面保護用粘着テープ。
[4] 下記式(I)におけるA値が、0.25〜14250である上記[1]〜[3]のいずれか一つに記載の表面保護用粘着テープ。
A=水酸基含有ポリオレフィン(b)の水酸基価(mgKOH/g)×ポリオレフィン(a)100重量部に対する粘着剤中の水酸基含有ポリオレフィン(b)の重量部数
・・・ (I)
[5] 粘着剤が、さらに粘着付与剤(d)を含有し、
粘着剤中の粘着付与剤(d)の含有量が、ポリオレフィン(a)100重量部に対して、0.05〜100重量部である上記[1]〜[4]のいずれか一つに記載の表面保護用粘着テープ。
[6] ポリオレフィン(a)が、プロピレン、ブテン、ヘキセンおよびオクテンからなる群から選ばれる少なくとも1種に由来する構成単位を有するポリマーである上記[1]〜[5]のいずれか一つに記載の表面保護用粘着テープ。
[7] 粘着剤層の厚さが、1〜100μmである上記[1]〜[6]のいずれか一つに記載の表面保護用粘着テープ。
【発明の効果】
【0009】
本発明の表面保護用粘着テープは、糊残りを有効に防止することができる。また、本発明の表面保護用粘着テープの粘着剤層は、優れた投錨性を示す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例および比較例で調製した粘着テープの投錨性の評価において、粘着テープの粘着剤層と基材とを剥離するやり方を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の表面保護用粘着テープは、基材および粘着剤層を有する。まず、粘着剤層を形成する粘着剤の各成分(ポリオレフィン(a)、水酸基含有ポリオレフィン(b)、架橋剤(c)および任意成分)を説明し、次いで粘着剤層および基材を説明する。
【0012】
[ポリオレフィン(a)]
本発明の粘着剤は、1種または2種以上のポリオレフィン(a)を含有する。なお、本発明において「ポリオレフィン」とは、オレフィンに由来する構成単位を有するポリマーを意味する。また、本発明において「オレフィン」には、スチレン等の芳香族ビニル化合物も含まれる。さらに、本発明において「ポリマー」とは、単独重合体および共重合体の両方を指す。ポリオレフィン(a)としては、他の成分とともに有機溶媒に溶解して基材に塗布できる限り、あらゆるものを使用することができる。
【0013】
ポリオレフィン(a)としては、エチレン、プロピレンおよび炭素数が4〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれる一つの単量体から形成されるα−オレフィン単独重合体が挙げられる。炭素数が4〜20のα−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等が挙げられる。α−オレフィン単独重合体としては、プロピレン単独重合体(狭義のポリプロピレン)が好ましい。プロピレン単独重合体としては、例えば、アモルファスポリプロピレン等が挙げられる。
【0014】
また、ポリオレフィン(a)としては、例えば、エチレン、プロピレンおよび炭素数が4〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも二つの単量体から形成されるα−オレフィン共重合体が挙げられる。これらの中でも、エチレンを主たる単量体とする共重合体(即ち、エチレン系α−オレフィン共重合体)、およびプロピレンを主たる単量体とする共重合体(即ち、プロピレン系α−オレフィン共重合体)が好ましい。α−オレフィン共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、またはグラフト共重合体のいずれでもよい。
【0015】
エチレン系α−オレフィン共重合体のエチレン構成単位量は、例えば50〜95モル%、好ましくは70〜95モル%である。エチレン系α−オレフィン共重合体に含まれるα−オレフィン構成単位としては、1−ブテン、プロピレン、1−ヘキセン、1−オクテンからなる群から選ばれる少なくとも一つの単量体から形成されるものが好ましい。特に好ましいエチレン系α−オレフィン共重合体として、エチレン−1−ブテン共重合体およびエチレン−プロピレン共重合体が挙げられる。なお、このようなエチレン−1−ブテン共重合体は、エチレンおよび1−ブテン以外のα−オレフィンに由来する構成単位を10モル%以下の量で含んでいてもよい。同様に、エチレン−プロピレン共重合体は、エチレンおよびプロピレン以外のα−オレフィンに由来する構成単位を10モル%以下の量で含んでいてもよい。このような共重合体は、例えば、遷移金属触媒成分(例えばバナジウム化合物やジルコニウム化合物)と有機アルミニウム化合物触媒成分とからなる触媒を用いて、エチレンとα−オレフィンとを共重合することによって製造することができる。
【0016】
プロピレン系α−オレフィン共重合体のプロピレン構成単位量は、例えば50モル%超95モル%以下、好ましくは70〜95モル%である。また、プロピレン系α−オレフィン共重合体に含まれるα−オレフィン構成単位としては、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンからなる群から選ばれる少なくとも一つの単量体から形成されるものが好ましい。特に好ましいプロピレン系α−オレフィン共重合体は、プロピレン−エチレンランダム共重合体である。なお、このプロピレン−エチレンランダム共重合体は、プロピレンおよびエチレン以外のα−オレフィンに由来する構成単位を10モル%以下の量で含んでいてもよい。プロピレン系α−オレフィン共重合体は、例えば特開2000−191862に記載されているように、メタロセン系触媒を用いて製造することができる。
【0017】
α−オレフィン共重合体として、市販品を使用することができる。エチレン系α−オレフィン共重合体の市販品としては、例えば、タフマーPシリーズ、タフマーAシリーズ(いずれも三井化学社製)、エンゲージ(ダウ・ケミカル社製)等が挙げられる。また、プロピレン系α−オレフィン共重合体の市販品としては、例えば、タフマーXMシリーズ(三井化学社製)等が挙げられる。
【0018】
また、ポリオレフィン(a)として、ポリメチルペンテンも使用することができる。ポリメチルペンテンとしては、4−メチル−1−ペンテンの単独重合体、および4−メチル−1−ペンテンとそれ以外のα−オレフィンとの共重合体が挙げられる。ポリメチルペンテン共重合体の4−メチル−1−ペンテン構成単位量は、好ましくは50〜95モル%、より好ましくは70〜95モル%である。ポリメチルペンテンは、結晶性重合体であってもよい。ポリメチルペンテン共重合体中のα−オレフィン構成単位としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−テトラデセン、1−オクタデセンなどの炭素数2〜20のα−オレフィンに由来するものが好ましい。これらの中でも、4−メチル−1−ペンテンと良好な共重合性を示す1−デセン、1−テトラデセンおよび1−オクタデセンがより好ましい。なお、ポリメチルペンテンの市販品としては、例えば、TPX−S(4−メチルペンテン−1−α−オレフィン共重合体、三井化学社製)が挙げられる。
【0019】
有機溶媒に溶解する限り、ポリオレフィン(a)として、ポリイソプレン、ポリブタジエン等のジエン系ゴムも使用することができる。このようなポリイソプレンとしては、シス−1,4結合が90%以上であり、ムーニー粘度(100℃におけるML1+4)が40〜70であるものが好ましい。ポリイソプレンの市販品としては、例えば、IR−307、IR−310(クレイトンポリマー社製)が挙げられる。ポリブタジエンとしては、シス−1,4結合が90%以上であり、ムーニー粘度(100℃におけるML1+4)が25〜50であるものが好ましい。ポリブタジエンの市販品としては、例えば、Nipol BR1220、Nipol BR1220L(日本ゼオン社製)、BR01(JSR社製)が挙げられる。
【0020】
また、ポリオレフィン(a)としては、例えば、芳香族ビニル化合物に由来する構成単位(以下、「芳香族ビニル化合物単位」と略称することがある)を主に含有してなるブロックAと、イソプレンに由来する構成単位(以下、「イソプレン単位」と略称することがある)および1,3−ブタジエンに由来する構成単位(以下、「1,3−ブタジエン単位」と略称することがある)からなるブロックBとからなるブロック共重合体の水添物(以下、「水添TPE」と略称することがある)が挙げられる。
【0021】
芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ジビニルベンゼンおよびビニルピリジンなどが挙げられる。これらは、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、2種以上の芳香族ビニル化合物を用いる場合には、それらは、ブロックA中でブロック構造を形成していてもよく、ランダム構造を形成していてもよい。
【0022】
ブロックAは、芳香族ビニル化合物単位を主に含有するが、イソプレンおよびブタジエンなどのジエン系炭化水素に由来する構成単位を含有していてもよい。これらジエン系炭化水素に由来する構成単位の量は、ブロックA中に20重量%以下であることが好ましい。この量が20重量%を超えると、凝集力の低下によって、糊残りが発生しやすくなる傾向にある。また、これらジエン系炭化水素は、ブロックA中で、ブロック構造を形成していてもよく、ランダム構造を形成していてもよい。
【0023】
ブロックBは、イソプレン単位および1,3−ブタジエン単位からなる。イソプレンおよび1,3−ブタジエンの重合形態は、ランダム共重合、ブロック共重合またはテーパーブロック共重合のいずれでもよい。また、イソプレン単位および1,3−ブタジエン単位のエチレン性二重結合は、水添(水素添加)されており、且つその水添率は90%以上であることが好ましい。この水添率は、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは97%以上である。水添率が90%未満である場合には、粘着剤層の耐候性が低下して、剥離の際に、被着体への糊残りが発生しやすくなる傾向にある。
【0024】
水添TPEとして、市販品を使用することができる。水添TPEの市販品としては、例えば、クラレ社製のセプトン4030(スチレン・1,3−ブタジエン−イソプレン・スチレンのブロック共重合体の水添物、共重合体中のスチレン構成単位量:13重量%、1,3−ブタジエン−イソプレンブロック中の1,3−ブタジエン構成単位量:45重量%)およびセプトン4033(スチレン・1,3−ブタジエン−イソプレン・スチレンのブロック共重合体の水添物、共重合体中のスチレン構成単位量:30重量%、1,3−ブタジエン−イソプレンブロック中の1,3−ブタジエン構成単位量:50重量%)等が挙げられる。
【0025】
また、ポリオレフィン(a)として、スチレン系熱可塑性エラストマーを使用してもよい。スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン・ブタジエン共重合体(SB)、スチレン・イソプレン共重合体(SI)、スチレン・ブチレン共重合体等のスチレン系AB型ジブロック共重合体(ジブロック共重合体);スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体(SBS)、スチレン・イソプレン・スチレン共重合体(SIS)、スチレン・ブチレン・スチレン共重合体等のスチレン系ABA型ブロック共重合体(トリブロック共重合体);スチレン・ブタジエン・スチレン・ブタジエン共重合体(SBSB)、スチレン・イソプレン・スチレン・イソプレン共重合体(SISI)等のスチレン系ABAB型ブロック共重合体(テトラブロック共重合体);スチレン・ブタジエン・スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体(SBSBS)、スチレン・イソプレン・スチレン・イソプレン・スチレン共重合体(SISIS)等のスチレン系ABABA型ブロック共重合体(ペンタブロック共重合体);これら以上の構成単位を有するマルチブロック共重合体;スチレン・ブタジエン共重合体;スチレン・イソプレンランダム共重合体;等が挙げられる。
【0026】
スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、耐候性の観点から、エチレン性二重結合を水添した物を用いるのが好ましい。そのような水添物としては、例えば、スチレン・エチレン−ブチレン共重合体(SEB)、スチレン・エチレン−プロピレン共重合体(SEP)等のAB型ジブロック共重合体の水添物;スチレン・エチレン−ブチレン共重合体・スチレン(SEBS)、スチレン・エチレン−プロピレン共重合体・スチレン(SEPS)、スチレン・エチレン−ブチレン共重合体・スチレン・エチレン−ブチレン共重合体(SEBSEB)等のABA型トリブロック共重合体またはABAB型テトラブロック共重合体の水添物;スチレン・エチレン−ブチレンランダム共重合体(HSBR);等が挙げられる。
【0027】
また、スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、スチレン・ブタジエンラバー(SBR)等のスチレン系ランダム共重合体、スチレン・エチレン−ブチレン共重合体・オレフィン結晶(SEBC)等のABC型のスチレン・オレフィン結晶系ブロック共重合体;およびこれらの水添物;が挙げられる。
【0028】
水添TPEとスチレン系熱可塑性エラストマーとの混合物をポリオレフィン(a)として使用する場合、スチレン系熱可塑性エラストマーの含有量は、水添TPEおよびスチレン系熱可塑性エラストマーの合計中、好ましくは50重量%以下、より好ましくは30重量%以下である。この含有量が50重量%以下であれば、被着体への糊残りを充分に抑制することができる。
【0029】
また、ポリオレフィン(a)としては、イソブチレン系ポリマーが挙げられる。イソブチレン系ポリマーとしては、イソブチレン単独重合体およびイソブチレン共重合体(即ち、イソブチレンと他の単量体との共重合体)のいずれでもよい。イソブチレン共重合体中のイソブチレンに由来する構成単位量は、好ましくは50重量%以上である。イソブチレン共重合体としては、例えば、イソブチレンとノルマルブチレンとのランダム共重合体、イソブチレンとイソプレンとの共重合体(レギュラーブチルゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、部分架橋ブチルゴムなど)、並びにこれらの加硫物および変性物などが挙げられる。イソブチレン系ポリマーとしては、単独重合体であるポリイソブチレンが好ましい。
【0030】
ポリオレフィン(a)は、好ましくは、プロピレン、ブテン(ブチレンともいう)、ヘキセンおよびオクテンからなる群から選ばれる少なくとも1種に由来する構成単位を有するポリマー(以下「ポリオレフィン(a−1)」と記載する)である。前記のブテン、ヘキセンおよびオクテンは、直鎖状および分枝鎖状のいずれでもよい。また、ポリオレフィン(a−1)は、単独重合体および共重合体のいずれでもよい。ポリオレフィン(a−1)としては、上述したプロピレン単独重合体(狭義のポリプロピレン)、プロピレン系α−オレフィン共重合体、水添TPEおよびイソブチレン系ポリマーなどが挙げられる。これらの中でも、プロピレン単独重合体(ポリプロピレン)、水添TPEおよびイソブチレン系ポリマーが好ましく、プロピレン単独重合体(ポリプロピレン)およびポリイソブチレンがより好ましい。
【0031】
ポリオレフィン(a)の数平均分子量(Mn)は、好ましくは3,000〜1,000,000、より好ましくは4,000〜800,000である。この数平均分子量が3,000未満であると、凝集力が低下し被着体に対して糊残りしやすくなる場合があり、一方、1,000,000を超えると、粘着力が低くなり所望の粘着力を得られない場合がある。
【0032】
ポリオレフィン(a)の含有量は、粘着剤中、好ましくは10〜99.95重量%、より好ましくは20〜99.5重量%である。この含有量が10重量%未満であると、粘着力が低くなり、所望の粘着力を得られない場合があり、一方、99.95重量%を超えると、基材との密着性が悪くなる場合がある。なお、含有量の基準となる「粘着剤」の中には、有機溶媒の量は含まれない。
【0033】
[水酸基含有ポリオレフィン(b)]
本発明の粘着剤は、1種または2種以上の水酸基含有ポリオレフィン(b)を含有する。水酸基含有ポリオレフィン(b)は、粘着剤層の形成の際に、架橋剤(c)と反応させるために用いられる。水酸基含有ポリオレフィン(b)としては、ポリオレフィンとの相溶性が良いものが好ましい。
【0034】
水酸基含有ポリオレフィン(b)の数平均分子量(Mn)は、好ましくは500〜500,000、より好ましくは1,000〜200,000、さらに好ましくは1,200〜150,000である。水酸基含有ポリオレフィン(b)の数平均分子量が500,000を超えると、架橋剤(c)との溶解性が低いために、粘着剤層における架橋剤(c)を主体とする層(即ち、ポリオレフィン(a)が少ない層)にほとんど溶解できず、大部分の水酸基含有ポリオレフィン(b)が、ポリオレフィン(a)を主体とする層に溶解し、架橋剤(c)と反応しにくくなる。その結果、充分な投錨性が得られにくくなる場合がある。逆に、水酸基含有ポリオレフィン(b)の数平均分子量が500未満では、高温時に粘着剤層の表面に水酸基含有ポリオレフィン(b)がブリードアウトしやすくなり、粘着特性を悪化させる場合がある。
【0035】
水酸基含有ポリオレフィン(b)は、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン系ポリオール、ポリプロピレン系ポリオール、ポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、および水添ポリイソプレンポリオール等が挙げられる。これらの中でも、ポリオレフィン(a)との相溶性の観点から、水添ポリイソプレンポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポリブタジエンポリオールおよび水添ポリブタジエンポリオールが好ましい。
【0036】
また、水酸基含有ポリオレフィン(b)の水酸基価(mgKOH/g)は、粘着剤層の強度の観点から、5以上であることが好ましく、また、粘着剤層の粘着力の観点から、95以下であることが好ましい。水酸基含有ポリオレフィン(b)の水酸基価(mgKOH/g)は、より好ましくは10〜80である。
【0037】
水酸基含有ポリオレフィン(b)は、市販品を使用することができる。そのような市販品としては、例えば、Poly bd R−45HT(末端に水酸基を有する液状ポリブタジエン、数平均分子量2800、水酸基価46.6mgKOH/g、出光興産社製)、Poly ip(末端に水酸基を有する液状ポリイソプレン、数平均分子量2500、水酸基価46.6mgKOH/g、出光興産社製)、エポール(末端に水酸基を有する液状の水添ポリイソプレン、数平均分子量2500、水酸基価50.5mgKOH/g、出光興産社製)、GI−1000(水酸基を有する液状ポリブタジエン、数平均分子量1500、水酸基価60〜75mgKOH/g、日本曹達社製)、GI−2000(水酸基を有する液状の水添ポリブタジエン、数平均分子量2100、水酸基価40〜55mgKOH/g、日本曹達社製)、GI−3000(水酸基を有する液状ポリブタジエン、数平均分子量3000、水酸基価25〜35mgKOH/g、日本曹達社製)、ユニストールP−801(水酸基含有ポリオレフィン、数平均分子量5000以上、水酸基価40mgKOH/g、三井化学社製)、ユニストールP−901(水酸基含有ポリオレフィン、数平均分子量5000以上、水酸基価50mgKOH/g、三井化学社製)などが挙げられる。
【0038】
粘着剤中の水酸基含有ポリオレフィン(b)の含有量は、下記式(I)におけるA値が、好ましくは0.25〜14250、より好ましくは0.5〜12000、さらに好ましくは1〜2500となるように設定される。
A=水酸基含有ポリオレフィン(b)の水酸基価(mgKOH/g)×ポリオレフィン (a)100重量部に対する粘着剤中の水酸基含有ポリオレフィン(b)の重量部数
・・・ (I)
A値が0.25より小さいと、粘着剤層の強度が充分ではなくなる傾向があり、14250より大きいと、粘着力が下がる傾向がある。
【0039】
[架橋剤(c)]
本発明の粘着剤は、1種または2種以上の架橋剤(c)を含有する。架橋剤(c)は、粘着剤層の形成の際に、水酸基含有ポリオレフィン(b)と反応させるために用いられる。そのため架橋剤(c)は、水酸基と反応し得る官能基を有する。水酸基と反応し得る官能基としては、例えば、イソシアネート基(イソシアナト基ともいう)およびカルボキシ基などが挙げられる。反応性の観点から、水酸基と反応し得る官能基は、好ましくはイソシアネート基である。即ち、架橋剤(c)は、好ましくはイソシアネートである。
【0040】
イソシアネートは、芳香族イソシアネートおよび脂肪族イソシアネートのいずれでもよい。イソシアネートは、好ましくは芳香族イソシアネートである。
【0041】
粘着剤層の強度などの観点から、イソシアネートは、好ましくは1分子中にイソシアネート基を3個以上有するポリイソシアネートであり、より好ましくは芳香族ポリイソシアネートおよび脂肪族ポリイソシアネートからなる群から選ばれる少なくとも一つであり、さらに好ましくは芳香族ジイソシアネートの多価アルコール付加体および脂肪族ジイソシアネートの多価アルコール付加体からなる群から選ばれる少なくとも一つである。
【0042】
芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。これらの中で、反応性および得られる粘着剤層の投錨性の観点から、トリレンジイソシアネートが好ましい。
【0043】
脂肪族ジイソシアネートとしては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添テトラメチルキシレンジイソシアネート等が挙げられる。これらの中で、反応性および得られる粘着剤層の投錨性の観点から、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートが好ましい。
【0044】
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトールなどの脂肪族多価アルコール等が挙げられる。これらの中で、トリメチロールプロパンが好ましい。
【0045】
ポリイソシアネートとしては、例えば、前記多価アルコールと過剰量の前記ジイソシアネートとを反応させて得られる、末端にイソシアネート基を含有する化合物が挙げられる。
【0046】
また、芳香族ジイソシアネートまたは脂肪族ジイソシアネートの多量体(例えば、イソシアヌレート体)も、ポリイソシアネートとして使用することができる。
【0047】
架橋剤(c)の含有量は、ポリオレフィン(a)100重量部に対して、好ましくは0.01〜150重量部であり、より好ましくは0.01〜20重量部、さらに好ましくは0.05〜10重量部である。この含有量が0.01重量部未満であると、粘着剤層の投錨性(即ち、基材への接着性)が低くなる場合があり、一方、150重量部を超えると、粘着剤溶液のポットライフが短くなったり、粘着剤層の粘着性(即ち、被着体への接着性)が低くなったりするなどの悪影響が出てくる場合がある。
【0048】
[粘着剤の任意成分]
粘着剤は、1種または2種以上の任意成分を含有していてもよい。任意成分としては、例えば、水酸基含有ポリオレフィン(b)とイソシアネート(即ち、架橋剤(c))との反応を促進するためのウレタン化触媒;粘着剤層の粘着力(即ち、被着体との接着力)を向上させるための粘着付与剤(d);などが挙げられる。
【0049】
[ウレタン化触媒]
粘着剤は、1種または2種以上のウレタン化触媒を含有していてもよい。ウレタン化触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレートなどの錫化合物、亜鉛、コバルト、銅、ビスマス等の金属のカルボン酸塩、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンなどのアミン化合物、鉄、チタン、ジルコニウム等の金属のキレート化合物などが挙げられる。また、有機酸ビスマス塩(アビエチン酸、ネオアビエチン酸、d−ピマル酸、イソ−d−ピマル酸、ポドカルプ酸およびこれらの2種以上を主成分とする樹脂酸ビスマスなどの脂環族系有機酸のビスマス塩、安息香酸、ケイ皮酸、p−オキシケイ皮酸などの芳香族系有機酸のビスマス塩等)も使用できる。これらの中でも、粘着剤への相溶性およびウレタン化反応の反応性の点で、鉄キレート化合物、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレートおよび樹脂酸ビスマス塩が好ましく、反応性の点で鉄キレート化合物がより好ましい。
【0050】
ウレタン化触媒の含有量は、ポリオレフィン(a)100重量部に対して、好ましくは0.001〜2.0重量部、より好ましくは0.005〜1.5重量部、さらに好ましくは0.008〜1.0重量部である。この含有量が0.001重量部未満であると、触媒としての効果が充分に発揮されない場合がある。一方、この含有量が2.0重量部を超えると、粘着剤溶液のポットライフが短くなるなどの不具合が生じる場合がある。なお、ここでいう触媒の含有量は、触媒(即ち、有効成分)のみの量を指し、例えば、市販の触媒溶液を使用する場合、溶媒量を除いた触媒のみの量を意味する。
【0051】
[粘着付与剤(d)]
粘着剤は、1種または2種以上の粘着付与剤(d)を含有していてもよい。粘着付与剤(d)は、粘着性の向上、特に粗面被着体への粘着性の向上に有効である。粘着剤中の粘着付与剤(d)の含有量は、ポリオレフィン(a)100重量部に対して、好ましくは0.05〜100重量部、より好ましくは0.07〜50重量部、さらに好ましくは0.1〜10重量部である。この含有量が0.05重量部以上であると、粗面被着体への粘着性が向上し、被着体からの粘着テープの浮き上がりが有効に抑制される。しかし、この含有量が100重量部を超えると、高温時での糊残りが顕著となる場合がある。
【0052】
粘着付与剤(d)としては、粘着剤の分野で公知のものを使用することができる。粘着付与剤(d)としては、例えば、石油系樹脂(例えば、脂肪族系樹脂、芳香族系樹脂、脂肪族・芳香族系樹脂、脂環式系樹脂等);クマロン−インデン系樹脂;テルぺン系樹脂;テルぺンフェノール系樹脂;ロジン系樹脂(例えば、重合ロジン等);フェノール系樹脂;アルキルフェノール系樹脂;キシレン系樹脂;またはこれらの水添物などが挙げられる。剥離性および耐候性などの観点から、粘着付与剤(d)は、水添物であることが好ましい。
【0053】
粘着付与剤(d)としては、市販品を使用することができる。粘着付与剤(d)の市販品としては、例えば、YSポリスター T100(テルペンフェノール系樹脂、ヤスハラケミカル社製)、PINECRYSTAL KR−85(ロジン系樹脂、荒川化学社製)およびDurez19900(アルキルフェノール系樹脂、住友デュレズ社製)等が挙げられる。また、ポリオレフィン(a)および粘着付与剤(d)として、これらのブレンド物の市販品を使用してもよい。
【0054】
[その他の任意成分]
粘着剤に配合し得るその他の任意成分としては、例えば、軟化剤、顔料、充填材、酸化防止剤、光安定剤(ラジカル捕捉剤、紫外線吸収剤等)、その他の安定剤等が挙げられる。軟化剤としては、例えば、プロセスオイル、石油系軟化剤等が挙げられる。顔料または充填材としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、シリカ等の無機粉等末が挙げられる。酸化防止剤としては、例えば、アルキルフェノール類、アルキレンビスフェノール類、チオプロピオン酸エステル類、有機亜リン酸エステル類、アミン類、ヒドロキノン類、ヒドロキシルアミン類等を有効成分とするものが挙げられる。光安定剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール類、ヒンダードアミン類、ベンゾエート類等を有効成分とするものが挙げられる。その他の任意成分も、それぞれ、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。粘着剤中のその他の任意成分の含有量は、粘着剤の分野における通常の量と同程度である。
【0055】
[粘着剤層]
粘着剤層は、例えば、上述の粘着剤成分を溶媒に溶解させて粘着剤溶液を得、得られた粘着剤溶液を基材に塗布し、乾燥させることによって形成することができる。粘着剤溶液の固形分は、本発明において特に限定されないが、通常、5〜50重量%の範囲内である。
【0056】
粘着剤成分を均一に溶解し得るものである限り、溶媒に特に限定はない。但し、本発明の粘着剤はポリオレフィン(a)を含有するので、溶媒は、好ましくは、1種のみの炭化水素系溶媒、2種以上の炭化水素系溶媒の混合溶媒、または炭化水素系溶媒とその他の溶媒との混合溶媒である。混合溶媒を使用する場合、炭化水素系溶媒の含有量は、混合溶媒中、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。炭化水素系溶媒としては、例えば、ノルマルヘキサン、ノルマルヘプタン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素が挙げられる。その他の溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセチルアセトン等のケトン類、酢酸エチル等のエステル類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類等が挙げられる。
【0057】
粘着剤溶液の塗布方法としては特に限定は無く、あらゆる公知の方法、例えばキスロールコーター、ビードコーター、ロッドコーター、マイヤーバーコーター、ダイコーター、グラビアコーター等を用いる方法を使用できる。乾燥方法についても特に限定は無く、あらゆる公知の方法を使用できる。一般的な乾燥方法として、熱風乾燥が挙げられる。熱風乾燥の温度は、基材の耐熱性によっても変わり得るが、通常60〜150℃程度である。
【0058】
粘着テープにおける粘着剤層の厚さ(即ち、乾燥後の厚さ)は、好ましくは1〜100μm、より好ましくは2〜80μm、さらに好ましくは3〜60μmである。この厚さが1μm未満であると、粘着性(即ち、粘着剤層の被着体への接着性)が不充分となる場合がある。一方、この厚さが100μmを超えると、被着体からテープをはがす際に粘着剤層における凝集破壊が生じ、被着体への糊残りが生じる場合がある。
【0059】
[基材]
本発明では、基材に特に限定はなく、各種基材を用いることができる。基材としては、ポリオレフィン、ポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート(PET))等の樹脂を主体とする樹脂フィルムが好ましい。なお、一般に「フィルム」とは、最大厚さが250μm程度である薄い平面形状物を指し、それよりも厚い平面形状物は「シート」と呼ばれる。しかし、本発明における「フィルム」とは、一般的な「フィルム」および「シート」の両方を包含する意味で用いられる。リサイクル等の観点から、主成分がポリオレフィンであるポリオレフィン系樹脂フィルムが好ましい。ポリオレフィン系樹脂フィルム中のポリエチレン樹脂(PE樹脂)および/またはポリプロピレン樹脂(PP樹脂)の含有量は、好ましくは50重量%以上である。
【0060】
より好ましいポリオレフィン系樹脂フィルムとしては、主成分がPP樹脂である(即ち、フィルム中のPP樹脂の含有量が50重量%超である)PP樹脂フィルムが挙げられる。PP樹脂フィルム中のPP樹脂の含有量は、さらに好ましくは60重量%以上、特に好ましくは75重量%以上である。耐熱性等の観点から、PP樹脂フィルムは、PP樹脂による連続構造(連続層)が形成されているものが好ましい。このような連続層が形成されているPP樹脂フィルムを用いれば、温度上昇等の熱履歴によって被着体から表面保護用粘着テープが浮くことを、有効に防止することができる。
【0061】
基材は、単層構造であってもよく、二層以上の多層構造であってもよい。多層構造の場合、少なくとも一つの層は、上記のPP樹脂による連続層が形成されているフィルムであることが好ましい。PP樹脂フィルムの残部(即ち、PP樹脂以外の成分)は、エチレンまたは炭素数が4以上のα−オレフィンを主成分とするポリオレフィンであってもよく、ポリオレフィン以外の樹脂であってもよい。PP樹脂フィルムの残部は、好ましくはPE樹脂である。
【0062】
上記PP樹脂は、プロピレンを成分とする種々のポリマー(プロピレン系ポリマー)の1種または2種以上を主成分とするものであり得る。PP樹脂は、1種または2種以上のプロピレン系ポリマーから実質的に構成されていてもよい。プロピレン系ポリマーの概念には、例えば、以下のようなものが包含される:
(1)プロピレン単独重合体。例えばアイソタクチックポリプロピレン。
(2)プロピレンと他のα−オレフィン(典型的には、エチレンおよび炭素数が4〜10のα−オレフィンから選択される1種または2種以上)とのランダム共重合体(ランダムポリプロピレン)。ランダムポリプロピレン中のプロピレン量は、好ましくは50モル%以上である。ランダムポリプロピレンとしては、例えば、プロピレン96〜99.9モル%と他のα−オレフィン(好ましくはエチレンおよび/またはブテン)0.1〜4モル%とをランダム共重合したものが挙げられる。
(3)プロピレンに他のα−オレフィン(典型的には、エチレンおよび炭素数が4〜10のα−オレフィンから選択される1種または2種以上)を共重合したブロックAと、ゴム成分を重合したブロックBとを含むブロック共重合体(ブロックポリプロピレン)。ブロックポリプロピレンのブロックAの主成分は、プロピレンであることが好ましい。ブロックポリプロピレンのブロックBは、副成分として、プロピレンおよび他のα−オレフィンのうちの少なくとも1種を含む。ブロックポリプロピレンとしては、例えば、プロピレン90〜99.9モル%に他のα−オレフィン(好ましくはエチレンおよび/またはブテン)0.1〜10モル%をブロック共重合したブロックAとゴム成分を重合したブロックBとを含む。
【0063】
上記PP樹脂は、プロピレン系ポリマーの1種または2種以上から実質的に構成されるものであってもよく、プロピレン系ポリマーに多量のゴム成分を共重合させて得られるリアクターブレンドタイプ若しくはゴム成分を機械的に分散させて得られるドライブレンドタイプの熱可塑性オレフィン樹脂(TPO)または熱可塑性エラストマー(TPE)であってもよい。またPP樹脂は、重合性官能基に加えて他の官能基を有するモノマー(官能基含有モノマー)とプロピレンとの共重合体、および/またはかかる官能基含有モノマーをプロピレン系ポリマーに共重合させて得られる共重合体を含んでいてもよい。
【0064】
より好ましいポリオレフィン系樹脂フィルムとしては、主成分がPE樹脂である(即ち、フィルム中のPE樹脂の含有量が50重量%超である)PE樹脂フィルムが挙げられる。PE樹脂フィルムの残部(即ち、PE樹脂以外の成分)は、炭素数が3以上のα−オレフィンを主成分とするポリオレフィンであってもよく、ポリオレフィン以外の樹脂であってもよい。PE樹脂フィルムの残部は、好ましくはPP樹脂である。
【0065】
上記PE樹脂は、エチレンを成分とする種々のポリマー(エチレン系ポリマー)を主成分とするものであり得る。PE樹脂は、1種または2種以上のエチレン系ポリマーから実質的に構成されていてもよい。エチレン系ポリマーは、エチレンの単独重合体であってもよく、主成分としてのエチレンに、他のα−オレフィンを共重合(ランダム共重合、ブロック共重合等)させたものであってもよい。他のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等の炭素数が3〜10のα−オレフィンが挙げられる。他のα−オレフィンは、分枝鎖状であってもよい。また、PE樹脂は、重合性官能基に加えて別の官能基を有するモノマー(官能基含有モノマー)とエチレンとの共重合体、および/またはかかる官能基含有モノマーをエチレン系ポリマーに共重合させて得られる共重合体を含んでいてもよい。エチレンと官能基含有モノマーとの共重合体としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン−(メタ)アクリル酸(即ち、アクリル酸および/またはメタクリル酸)共重合体が金属イオンで架橋されたもの等が挙げられる。
【0066】
PE樹脂の密度は特に限定されず、例えば0.9〜0.94g/cm程度であり得る。好ましいPE樹脂として、低密度ポリエチレン(LDPE)および直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が挙げられる。PE樹脂は、1種または2種以上のLDPE、および/または1種または2種以上のLLDPEを含むものであってもよい。2種以上のLDPEを使用する場合の各LDPEのブレンド比;2種以上のLLDPEを使用する場合の各LLDPEのブレンド比;並びにLDPEおよびLLDPEを使用する場合のLDPEとLLDPEとのブレンド比は特に限定されず、所望の特性を示すPE樹脂となるように適宜設定することができる。
【0067】
特に限定するものではないが、基材を構成する樹脂のMFRは、好ましくは0.5〜80g/10分、より好ましくは0.5〜10g/10分である。ここでMFRとは、JIS K7210に準拠して、温度230℃、荷重21.18Nの条件でA法により測定して得られる値をいう。例えば、MFRが上記範囲にあるPP樹脂および/またはPE樹脂を使用することができる。
【0068】
基材として用いられる樹脂フィルム(好ましくはポリオレフィン系樹脂フィルム)は、遮光性、耐候性、耐熱性、製膜安定性または粘着特性等に応じて、他の許容成分を含有していてもよい。他の許容成分としては、例えば、顔料(典型的には、無機顔料)、充填材、酸化防止剤、光安定剤(例えば、ラジカル捕捉剤、紫外線吸収剤等)、スリップ剤、アンチブロッキング剤等が挙げられる。無機顔料または充填材としては、例えば、酸化チタン(例えば、ルチル型二酸化チタンなど)、酸化亜鉛、炭酸カルシウム等の無機粉末が挙げられる。無機顔料および充填材の含有量は、これらによって得られる効果の程度や樹脂フィルムの成形方法(キャスト成形、インフレーション成形等)に応じて、適宜設定することができる。樹脂フィルム中の無機顔料および充填材の含有量(合計量)は、樹脂100重量部に対して、例えば2〜20重量部程度(好ましくは5〜15重量部程度)である。無機顔料および充填材以外の許容成分の含有量は、該分野で通常の含有量と同程度である。
【0069】
上記樹脂フィルム(好ましくはポリオレフィン系樹脂フィルム)は、公知のフィルム成形法によって製造することができる。成形法としては、例えば、樹脂(好ましくは、PP樹脂を単独で含むか、または主成分としてPP樹脂および副成分としてPE樹脂を含む樹脂)および必要に応じて配合される他の許容成分を押出成形する方法が挙げられる。
【0070】
基材(典型的には、樹脂フィルム)の粘着剤層が形成される面は、酸処理、コロナ放電処理、紫外線照射処理、プラズマ処理等の表面処理が施されていてもよい。また、基材の厚さは、特に限定されず、目的に応じて適宜選択し得る。基材の厚さは、通常約300μm以下、例えば約10〜200μm、好ましくは約10〜100μm、より好ましくは約20μm〜60μmである。
【0071】
[粘着テープの実施形態]
本発明の粘着テープは、長いテープがロール状に巻回された形態、および長いテープを適当な大きさにカットし、カットしたテープが積層された形態のいずれでもよい。
【0072】
また、本発明の粘着テープは、粘着剤層を保護するために、剥離剤層を有していてもよい。例えば、本発明の粘着テープは、粘着剤層とは反対側の基材上に、剥離剤層を有していてもよい(即ち、「粘着剤層/基材/剥離剤層」の構成)。このような構成において、前記剥離剤層は背面処理層と呼ばれることがあり、前記粘着テープは背面処理層付き粘着テープと呼ばれることがある。
【0073】
また、本発明の粘着テープの粘着剤層を保護するために、基材上に剥離剤層が形成された離型材を用いてもよい。詳しくは、本発明の粘着テープの粘着剤層と、離型材の剥離剤層とを接触させることによって、粘着剤層を保護してもよい(即ち、「粘着テープの基材/粘着剤層/剥離剤層/離型材の基材」の構成)。このような構成の粘着テープは、離型材付き粘着テープと呼ばれることがある。
【0074】
[用途]
本発明の表面保護用粘着テープの用途としては、例えば、金属板(例えば、SUS板)または樹脂板などの保護;金属板または樹脂板から構成される製品またはその部品の保護;並びに金属板、樹脂板、製品またはその部品に施された塗膜の保護;などが挙げられる。製品としては、例えば、電化製品(例えば、テレビおよび携帯電話など)および乗物(例えば、自動車、電車および飛行機など)などが挙げられる。
【0075】
[物性、特性等]
本明細書中の物性および特性等は、以下の方法での測定値である。
(1)数平均分子量
ASTM D2503に準拠して測定した値である。
(2)水酸基価
JIS K1557:1970に準拠して測定した値である。
【実施例】
【0076】
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。なお、以下において「部」および「%」は、特段の記載が無い限り、それぞれ「重量部」および「重量%」を示す。
【0077】
[粘着剤溶液の調製]
表1および2に示す部数で各成分を混合し、これをトルエンに溶解させて、固形分が16%である粘着剤溶液を調製した。なお、表1および2に示す各成分の部数には、溶媒は含まれない。即ち、入手した成分が溶液である場合、表1および2に示す部数は、その溶液中に含まれる成分自体(固形分)の部数を示す。また、表1および2には上記式(I)におけるA値を記載する。
【0078】
表1および2における各成分の略号の意味は、以下の通りである。
(1)ポリオレフィン(a)
B80:BASFジャパン社製「オパノールB80」(ポリイソブチレン、数平均分子量180,000)
B12:BASFジャパン社製「オパノールB12」(ポリイソブチレン、数平均分子量13,000)
(2)水酸基含有ポリオレフィン(b)
エポール:出光興産社製「エポール」(末端に水酸基を有する液状の水添ポリイソプレン、数平均分子量2500、水酸基価50.5mgKOH/g)
(3)架橋剤(c)
C/L:日本ポリウレタン社製「コロネートL」(トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物の75%酢酸エチル溶液、1分子中のイソシアネート基数:3個)
C/HL:日本ポリウレタン社製「コロネートHL」(ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物の75%酢酸エチル溶液、1分子中のイソシアネート基数:3個)
TSS−100:旭化成ケミカルズ社製「デュラネート TSS−100」(ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート付加物、イソシアネート基の含有量:17.6%)
(4)ウレタン化触媒
DBTDL:和光純薬工業社製「ジラウリン酸ジブチルすず(IV)」(ジブチル錫ジラウレート)
Fe(C:日本化学産業社製「ナーセム第二鉄」(鉄キレート化合物)
(5)粘着付与剤(d)
T100:ヤスハラケミカル社製「YSポリスター T100」(テルペンフェノール系樹脂)
KR−85:荒川化学社製「PINECRYSTAL KR−85」(ロジン系樹脂)
Durez:住友デュレズ社製「Durez19900」(アルキルフェノール系樹脂)
【0079】
[粘着テープの調製(粘着剤層の形成)]
調製した粘着剤溶液を、ベーカー式アプリケーターを用いて表1および2に記載する基材に塗布した後、熱風乾燥機で80℃×90秒間加熱し、粘着テープを得た。なお、乾燥後の粘着剤層の厚さが5μmとなるように、粘着剤溶液を塗布した。
【0080】
表1および2における基材の略号の意味は、以下の通りである。
(1)PET
東レ社製「ルミラーS10」(ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ25μm)(2)PP/PE
以下のようにして調製した、ポリプロピレン/線状低密度ポリエチレンフィルム(厚さ35μm)
(3)PP/PEコロナ
以下のようにして調製した、両面にコロナ放電処理を施したポリプロピレン/線状低密度ポリエチレンフィルム(厚さ35μm)
【0081】
[PP/PEの調製]
ポリプロピレン(日本ポリプロ社製「ノバテックPP FY4」)80部および線状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製「カーネル KF380」)20部を含む成形材料を、フィルム成形機にて溶融混練した後、該成形機のTダイから押し出すことによって、ポリプロピレン/線状低密度ポリエチレンフィルムを調製した。このフィルムの粘着剤層を形成する面とは反対側の面(背面)に、長鎖アルキル系剥離剤を用いて剥離剤層(厚さ:約0.05μm)を形成した。
【0082】
[PP/PEコロナの調製]
PP/PEの調製の項で記載する方法によって得られたポリプロピレン/線状低密度ポリエチレンフィルムの両面にコロナ放電処理を施し、粘着剤層を形成する面とは反対側の面(背面)に、長鎖アルキル系剥離剤を用いて剥離剤層(厚さ:約0.05μm)を形成した。
【0083】
[粘着テープの評価]
得られた粘着テープの投錨性、糊残りおよび粘着性を、以下のようにして評価した。
【0084】
(1)投錨性
20mm幅にカットした粘着テープの基材に、両面テープでSUS板を取り付けて、粘着テープに裏打ちを施した。この粘着テープの粘着剤層に日東電工社製「No.315テープ」(ゴム系粘着剤、19mm幅)の糊面が合わさるようにして、サンプルである粘着テープとNo.315テープとを貼り合わせた。この際、これらのテープの間に、あて紙を挟んだ。あて紙をチャックで担持して、引張試験機にてNo.315テープを180°方向に100m/minの速さで引っ張ることによって、粘着テープの基材と粘着剤層とを剥離した。剥離に必要な力(即ち、基材と粘着剤層とを剥離させるのに必要な投錨力)を測定した。結果を表1および2に示す。また、粘着テープの粘着剤層と基材とを剥離するやり方の概略を図1に示す。
【0085】
粘着剤層と基材との剥離形態について、粘着剤層を剥離した後の粘着テープ基材表面を触って、粘着剤の感触があったもの(即ち、剥離の際に粘着剤層が基材に残ったもの)を「凝集破壊」と判定し、基材の感触しかなかったもの(即ち、粘着剤層が全て剥離されたもの)を「投錨破壊」と判定した。結果を表1および2に示す。
【0086】
(2)糊残り
粘着テープの糊残りを評価するための被着体として、SUS430BA/No.4板を使用した。SUS430BA/No.4板は、粘着テープと接着させる前に23℃および30分の条件でトルエン超音波洗浄した後、温度23℃の空気雰囲気にて10分間静置することによって乾燥させた。25mm×100mmにカットした粘着テープを、被着体に貼り合わせ、その上から2kgローラを1往復させることによって圧着させた。被着体に圧着させた粘着テープを、熱風乾燥器中の空気雰囲気にて温度70℃で12時間保管した後に、温度−30℃で12時間保管した。次いで、粘着テープを温度−30℃の空気雰囲気にて、90°方向に150〜200m/minの速さで観測者が手で引っ張ることによって被着体から剥離させた。剥離後の被着体表面を目視で観察し、糊残りが認められなかったものを良好(○)と、糊残りが認められたものを不良(×)と評価した。結果を表1および2に示す。
【0087】
(3)粘着性
20mm×100mmにカットした粘着テープを、被着体(SUS430BA板またはアクリル板)に貼り合わせ、その上から2kgローラを1往復させることによって圧着させた。被着体に圧着させた粘着テープを、温度23℃の空気雰囲気にて20〜40分放置した。次いで引張試験機を使用し、粘着テープを温度23℃の空気雰囲気にて180°方向に300mm/minの速さで引っ張ることによって、被着体から粘着テープを剥離するのに必要な力(即ち、粘着力)を測定した。結果を表1および2に示す。なお、表1および2では、被着体がSUS430BA板であるときの粘着力を「粘着力1」と、被着体がアクリル板であるときの粘着力を「粘着力2」と記載する。
【0088】
【表1】

【0089】
【表2】

【0090】
表1に示すように、ポリオレフィン(a)、水酸基含有ポリオレフィン(b)および架橋剤(c)を含有する粘着剤から形成された粘着剤層を有する粘着テープ(実施例1〜10)では、基材と粘着剤層との剥離形態が「凝集破壊」であり、投錨性に優れている。これに対して、表2に示すように、水酸基含有ポリオレフィン(b)および架橋剤(c)のいずれか一方または両方を含有しない粘着剤層から形成された粘着剤層を有する粘着テープ(比較例1〜3)では、「投錨破壊」が生じており、投錨性に劣っている。
【0091】
さらに、表1に示すように実施例1〜10の粘着テープでは糊残りが認められず(○)、本発明の粘着テープでは糊残りが有効に防止されている。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明の表面保護用粘着テープは、金属板、樹脂板、これらから構成される製品またはその部品、およびこれらに施される塗膜などの保護に有用である。
【符号の説明】
【0093】
1 SUS板
2 基材
3 粘着剤層
4 粘着テープ
5 日東電工社製「No.315テープ」
6 あて紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材および粘着剤層を有する表面保護用粘着テープであって、
ポリオレフィン(a)、水酸基含有ポリオレフィン(b)および水酸基と反応し得る官能基を有する架橋剤(c)を含有する粘着剤から形成された粘着剤層を、基材の少なくとも片面に有する表面保護用粘着テープ。
【請求項2】
架橋剤(c)が、イソシアネートである請求項1に記載の表面保護用粘着テープ。
【請求項3】
粘着剤中の架橋剤(c)の含有量が、ポリオレフィン(a)100重量部に対して、0.01〜150重量部である請求項1または2に記載の表面保護用粘着テープ。
【請求項4】
下記式(I)におけるA値が、0.25〜14250である請求項1〜3のいずれか一項に記載の表面保護用粘着テープ。
A=水酸基含有ポリオレフィン(b)の水酸基価(mgKOH/g)×ポリオレフィン(a)100重量部に対する粘着剤中の水酸基含有ポリオレフィン(b)の重量部数
・・・ (I)
【請求項5】
粘着剤が、さらに粘着付与剤(d)を含有し、
粘着剤中の粘着付与剤(d)の含有量が、ポリオレフィン(a)100重量部に対して、0.05〜100重量部である請求項1〜4のいずれか一項に記載の表面保護用粘着テープ。
【請求項6】
ポリオレフィン(a)が、プロピレン、ブテン、ヘキセンおよびオクテンからなる群から選ばれる少なくとも1種に由来する構成単位を有するポリマーである請求項1〜5のいずれか一項に記載の表面保護用粘着テープ。
【請求項7】
粘着剤層の厚さが、1〜100μmである請求項1〜6のいずれか一項に記載の表面保護用粘着テープ。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2012−177096(P2012−177096A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−272120(P2011−272120)
【出願日】平成23年12月13日(2011.12.13)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】