説明

表面処理器具用ツール

【課題】電気器具の使用者は閉鎖物を取り除くためにツールの内部にアクセス可能とする。
【解決手段】真空掃除機のような表面処理電気器具用ツール1は吸引開口4を具備するハウジング3を含む。ブラシ棒のようなアジテータはハウジングの吸引開口4に回転可能に設置される。こうしたツールの内部は吸引開口4を通じて引き込まれる大きな物体により、あるいはさもなければ、ブラシ棒内で絡み合うようになった糸及び繊維によって、閉鎖され得る。本発明によれば、ブラシ棒は交換又は修理のために吸引開口4を通じて着脱可能である。ハウジング3の一部は使用者が詰まり易い傾向にあり得るツールの首部の幅狭開口にアクセスするために着脱可能ともし得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空掃除機のような、表面処理電気器具用ツールに関する。
【背景技術】
【0002】
真空掃除機は、通常、直立式又は円筒式である。分離装置はサイクロン式装置、バッグ、フィルター又はこれらの組合せとし得る。円筒掃除機は、主本体内に気流を引き込むためのモーター及びファンユニットを含む前記主本体と、前記気流から塵及び誇りを抽出し、かつこれらの塵及び埃を廃棄するために保持する分離装置と、から成る。ホース及びワンド組立体は主本体の入口に連結される。吸引開口を具備する床ツールは主本体から離れたワンドの端部に取り付けられる。その結果、吸引開口は使用者によって掃除されるべき表面に亘って操り得る。直立式掃除機は、通常、掃除されるべき表面に亘って、主本体と共に、操られる真空掃除機の主本体に永久的に取り付けられる掃除機ヘッドを具備する。しかしながら、多くの直立式掃除機は、床ツールのようなアクセサリーを取り付け得るように設けた着脱可能又は解放可能なワンド組立体を具備することによって円筒機械の態様でも作動し得る。
【0003】
慣用の床ツールは、通常、下向きに面する吸引開口を形成し、かつ、例えば、ブラシ棒又はビーターの形態をした駆動アジテータが内部配置されるハウジングを備える。塵及び埃は、ブラシ棒又はビーターを回転させることによってカーペット又は床下敷きから排出され、かつ塵及び埃は下向きファンによって作り出される吸引力によって掃除機ヘッド内に引き込まれる。塵を積載した空気は、それから、清浄化された空気が大気に排出される以前に分離装置に通される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
こうした床ツールに遭遇し得る問題は、これらの床ツールが床表面から吸引によって引き込まれる小さな物体によって塞がれるようになり得ることである。糸、繊維及び髪の毛はアジテータの回りに絡み付くようにもなり、これによりアジテータを故障させ得る。電気器具の使用者は閉鎖物を取り除くためにツールの内部にアクセスすることができる必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ハウジング、前記ハウジング内のアジテータ、及び、吸引開口を備える表面処理電気器具用ツールであって、前記アジテータが前記吸引開口を通じて着脱可能なツールを提供する。
【0006】
前記吸引開口を通じて解放可能なアジテータを設けることは、床ツールの閉鎖物を取り除くために又は前記アジテータの交換のために該アジテータの取外しを極めて簡略化する。
【0007】
好ましくは、キャッチは、アジテータをその通常位置から解放するために設けられる。キャッチは、アジテータをそのハウジング内の位置から取り外すために回動運動を作り出すことによっても使用者を支援する、レバーの作用によって作動し得る。
【0008】
有利には、フランジは、アジテータが可動に設置される箇所に設けられる。レバーは、アジテータを取り外すためにフランジに作用するように配置し得る。フランジは、アジテータが可動に内部配置される端部キャップとし得る。フランジの一部は、アジテータを容易に回動解放するために、ソールプレートのような、ハウジングの領域と共に回動点(pivot point)を構成し得る。
【0009】
本発明の他の実施形態によれば、使用者が、特にツールの首部に生じる、閉鎖物を取り除くためのツールの内部にアクセスすることができるように、ハウジングの一部は着脱可能である。好ましくは、この部分は、弾発性手段の力に対してハウジングの残部から解放可能である。
【0010】
使用者がツール内の閉鎖物の何れも見得るようにハウジングの少なくとも一部は透明である。
【0011】
アジテータは、タービンによって回転駆動し得る、ブラシ棒又はビーターを備え得る。
【0012】
本発明を添付の図面を参照して例示(限定する趣旨はない意)として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明により構成したツールの斜視図である。
【図2a】アジテータの取外しを示す、図1のツールの下からの斜視図である。
【図2b】アジテータの取外しを示す、図1のツールの下からの斜視図である。
【図3】ハウジングの一部の取外しを示す、図1、図2a及び図2bのツールの下からの斜視図である。
【図4】アジテータ及びハウジングの一部を取り外した状態の、図1、図2a及び図2bのツールの下からの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
類似した参照符号は本願明細書全体を通じて類似する部品を指す。
【0015】
図面は、参照符号1で全体を示した、真空掃除機のための床ツールを示す。床ツール1は、自身の下面に形成した吸引開口4を具備するハウジング3によって形成したヘッド2を備える。使用者がツール1の閉鎖物を見ることができるように、ハウジングの一部は透明である。床ツール1は、前側部分6及び後側部分7を具備する、首部5も含む。前側部分6は2つの車輪8を担持し、かつ回転可能な継手9を介してヘッド2に連結される。後側部分7は、床ツール1が共に使用されるべき真空掃除機の主本体に取り付けたワンド又はホースを受けるカラー10を具備する。キャッチ11は、カラー10上のホース又はワンドを保持するために後側部分7に設け得る。
【0016】
図2a及び図2bを参照すると、ソールプレート12は床面と係合するために設けられる。ソールプレート12は、ハウジング3に対して固定し得るか又はソールプレートが不規則な床面と密接し続けることを保証するように回動可能とし得る。
【0017】
ブラシ棒13の形態をしたアジテータは、吸引開口4の直上のハウジング3に回転可能に支持される。ブラシ棒が回転し掃除されるべき表面を攪拌する時に該ブラシ棒によって担持される剛毛又はビーターが吸引開口4全体に亘って突出するように、ブラシ棒13は位置する。ブラシ棒13は明瞭化のためにこれらの図面では剛毛を省力して示す。通常、剛毛の複数のクラスタは、円筒形コアに取り付けられる。剛毛のクラスタは、通常、主要部の全周囲の周り且つ該主要部の全長に沿って規則的間隔で、あるいはその大多数が、螺旋形態で取り付けられる。ブラシ棒13は、タービン14によって回転可能に駆動される。このタービンを通じて、空気が真空掃除機のモーター、及び駆動ベルト(図示せず)によって引き込まれる。
【0018】
本発明によれば、ブラシ棒13は吸引開口4を通じて着脱可能である。このように、使用者は、床ツール1の封鎖物を容易に取り除き、剛毛に絡まった物質を除去し、でなければ摩耗したブラシ棒を交換することができる。
【0019】
レバーアーム15は、ブラシ棒13の除去を容易にするために設けられる。本実施形態では、レバーアーム15は、ソールプレートの側部16の1側部の一部を形成し、かつ端部キャップ17と一体成形される。端部キャップ17は、ブラシ棒13の端部部分がハウジング3に位置する一対のキャップ17、18のうちの1つを備える。ブラシ棒13の端部部分に位置する他の端部キャップ18はツールのハウジング3に固定されるか、あるいは一体部品である。
【0020】
使用に際して、使用者はレバーアーム15の自由端に回転モーメントを加える。アーム15は、プラスチックのような、弾発性物質で作られる。このように、レバーアーム15に加わる力は僅かに該レバーアームを曲げ、これにより、端部キャップ17を適所に保持するキャッチ(その一部19はこれらの図面で視認し得る)を解放する。端部キャップ17は、ハウジング3の自身の位置から解放される。使用者は、レバーアーム15に矢印方向に回転モーメントを加え続け得る。切欠き20は端部キャップ17に形成され、この切欠きはソールプレートの正面の領域21と協働して適切な点を供し、この適切な点の回りに端部キャップを回動させる。このように、端部キャップ17は、吸引開口4を通じてハウジング3から解放される。使用者は、この時、ブラシ棒13の他方の端部部分を、単に、吸引開口4を通じて、ハウジング3内のそれぞれの端部キャップ18から摺動させる。このように、ブラシ棒13自体、端部キャップ17及びレバーアーム25を備えるブラシ棒装置は吸引開口4を通じて全体的にツール1から解放される。必要に応じて、ブラシ棒13はキャップ17から容易に取り外される。
【0021】
ブラシ棒装置を交換するために、使用者は単にこの操作を逆にする。ブラシ棒13の一方の端部部分は、ハウジング3の一部を構成する端部キャップ18に配置される。ブラシ棒13の他方の端部部分は取り除いた端部キャップ17内にうまく入り、この端部部分はソールプレート12の領域21の切込み20に係合させ、かつ端部キャップをこれに応じてハウジングに向けて回動可能に移動させることによってハウジング3に導かれる。端部キャップ17及びレバーアーム15を備える部材は、スナップ嵌め態様でハウジング3内にぴったりと嵌まるように配置され、その結果、使用者は単にブラシ棒装置を適所内に押し戻すことができる。あるいは、アーム15又は端部キャップ17は、通常の使用でブラシ棒13をハウジング3内に保持するためのばねクリップ又は他の留め具を具備し得る。
【0022】
さらに、使用者は、床ツールの首部5の幅狭開口22に対するアクセスを得ることを必要とし得る。首部5の開口22の横断面積は吸引開口4の横断面積未満である。従って、漂積物及び他の物体から成る大きな粒子は、この開口22を遮るようになり得る。本発明の別の実施形態によれば、図3に示すような、ハウジングの部分23は床ツール1から着脱可能である。
【0023】
本実施形態では、ツール1の着脱可能な部分23は、透明領域及びツールのソールプレート12を含む、正面下部を備える。ツールの下部23は、通常、ツールの上部26の1側壁25の背後にある端面24を含む。着脱可能な部分23の端面24は、側壁25上の開口28に位置するカラー27を具備する。カラー27は、上部26に対して下部23を固定した関係に保持するように配置し得るか、あるいはソールプレート12が使用時に不規則な表面と密接するように維持するための予め定められた量の相対回動運動を供し得る。
【0024】
床ツール1の上部26及び下部23の両方は、或る程度を柔軟性を有するプラスチック材料である。このように、下部23を解放するために、使用者は、ツール1の部分を付勢して互いに対して離れるように曲げる。例示した実施形態と共にこれを達成する最も確実な方法は、側壁25上の開口28に位置するカラー27を押し下げて該カラーが開口から出現するようにすることである。このように、透明領域及びソールプレート12を含む下部23は、ハウジング3から引き抜き得る。着脱可能な部分23は、交換を容易にするために単純なスナップ嵌めによってハウジング3内に位置する。
【0025】
図4は、着脱可能な部分のない床ツール1を示す。ツール内の閉鎖物の何れをも取り除き得るように、ツールの首部5の開口22は使用者によって容易にアクセス可能である。
【0026】
本発明は、使用者が床ツールを容易に掃除及び維持することを可能にし、これにより、使用者がツールを修理店に行くに及ぶように準備する費用及び不便さを節約する。吸引開口を通じてのブラシ棒の取外しは該ブラシ棒の交換を極めて容易にする。
【0027】
更なる変形態様は当業者には自明である。例えば、ブラシ又はビーターの形態をした他のアジテータをブラシ棒の代わりに使用し得る。幾つかの他のフランジ装置が置換し得る場合、レバーはブラシ棒を位置づけるための端部キャップと連動する必要はない。例えば、フランジは、ハウジング内にアジテータの中央領域を位置づけ得る。さらにまた、レバーはアジテータと直に連動し得るものであり、その結果、フランジ又はキャップ装置は必要でない。アジテータは、ハウジングに回転可能に取り付けられる必要はないが、その代わりに、例えば、揺動するようになし得る。ブラシ棒はクレードルに取り付け得る。このクレードルは、次に、ハウジングに対して移動可能である。クレードルは、吸引開口が清掃される表面に亘って浮動することを可能にする。ハウジングの着脱可能な部分はこのクレードルを備え得る。さらにまた、ツールは、ブラシ棒を駆動させるためのタービンを含む必要はない。
【符号の説明】
【0028】
1 床ツール
2 ヘッド
3 ハウジング
4 吸引開口
5 首部
6 前側部分
7 後側部分
8 車輪
9 継手
10 カラー
11 キャッチ
12 ソールプレート
13 ブラシ棒
14 タービン
15 レバーアーム
16 側部
17、18 一対の端部キャップ
19 キャッチの一部
20 切欠き
21 正面の領域
22 開口
23 着脱可能な部分
24 端面
25 レバーアーム
26 上部
27 カラー
28 開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面処理するツールであって、当該ツール(1)は、ハウジング(3)と、前記ハウジングにある吸引開口(4)を通じて取り外し可能なアジテータ(13)と、前記アジテータ(13)の一端部を前記ハウジング(3)内のあらかじめ定められた位置に設置する取り外し可能なフランジと、を備えるツールにおいて、
前記フランジは、キャッチを用いて前記ハウジング(3)に固定されており、
前記フランジの領域は、前記ハウジング(3)の領域と協働し、前記アジテータ(13)を取り外すために前記レバー(15)と共に前記フランジの回転運動のための回動点を供するように構成されており、
当該ツールは、前記キャッチを解放しかつ前記フランジに作用して、前記回動点回りで前記フランジを回転させ、回転運動を作り出して前記ハウジング内の位置から前記アジテータ(13)を移動させるように構成され、前記吸引開口(4)を通じた前記フランジと前記アジテータ(13)の各端部とを取り外すレバー(15)をさらに備えることを特徴とするツール。
【請求項2】
前記フランジは、前記アジテータ(13)の端部部分が回転可能に内部配置される端部キャップ(17)であることを特徴とする請求項1に記載のツール。
【請求項3】
前記吸引開口(4)は、ソールプレート(12)に形成されており、
前記レバー(15)は、前記ソールプレート(12)の一部を形成することを特徴とする請求項1または2に記載のツール。
【請求項4】
前記ハウジング(3)の部分(23)は、取り外し可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のツール。
【請求項5】
取り外し可能な前記部分(23)は、弾性手段の力に対して前記ハウジング(3)から解放可能であることを特徴とする請求項4に記載のツール。
【請求項6】
前記ハウジングの少なくとも一部は、透明であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のツール。
【請求項7】
前記アジテータは、ブラシバー(13)またはビーターを備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のツール。
【請求項8】
前記アジテータ(13)を駆動するためのタービン(14)をさらに備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のツール。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載のツールを組み込むことを特徴とする表面処理器具。
【請求項10】
真空掃除機の形態であることを特徴とする請求項9に記載の表面処理器具。
【請求項11】
請求項1から8のいずれか1項に記載のツールからアジテータ(13)を解放する方法であって、
当該方法は、前記吸引開口(4)を通じて前記アジテータ(13)を前記ハウジング(3)からレバー作用で取り外す段階を備えることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−115501(P2010−115501A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−298315(P2009−298315)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【分割の表示】特願2007−512311(P2007−512311)の分割
【原出願日】平成17年4月25日(2005.4.25)
【出願人】(500024469)ダイソン・テクノロジー・リミテッド (56)
【Fターム(参考)】