表面改質された、熱分解法で製造されたシリカ
表面改質された、熱分解法で製造されたシリカは、一次粒子のアグリゲートの形で存在し且つ150±15m2/gのBET表面積を有し、該アグリゲートは12000〜20000nm2の平均面積、90〜120nmの平均円相当直径(ECD)及び1150〜1700nmの平均円周を有する、熱分解法で製造されたシリカを、公知の方法で表面改質することによって製造される。これは増粘液体系のための充填剤として使用できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表面改質された熱分解法で製造されたシリカ、それらの製造方法及びそれらの使用に関する。
【0002】
表面改質により熱分解法で製造されたシリカからの表面改質された熱分解法(フュームド)シリカの製造が公知である。この方法で製造されたシリカは多くの適用分野での使用:例えば、樹脂での液体系のレオロジー制御、添加剤での使用が見出される。これらの用途において、増粘作用だけでなく液体系中への混加の容易さも大変重要視されている。
【0003】
公知の表面改質された、熱分解法シリカは、それらの液体系中への混加の容易さが不十分であるという欠点をもつ。
【0004】
従ってその目的は、増粘作用などの他の重要な特性を損なうことなく液体系中への改善された混加の容易さを有する、表面改質された熱分解法シリカを製造することであった。
【0005】
本発明は、増粘作用を損なうことなくそれらの液体系中への混加の容易さを改善することを特徴とする表面改質された、熱分解法で製造されたシリカを提供する。
【0006】
本発明は更に、一次粒子のアグリゲートの形で存在し且つ150±15m2/gのBET表面積を有し、該アグリゲートは12000〜20000nm2の平均面積、90〜120nmの平均円相当直径(ECD)及び1150〜1700nmの平均円周を有する、熱分解法で製造されたシリカを、公知の方法で表面改質することを特徴とする、表面改質された、熱分解法で製造されたシリカの製造方法を提供する。
【0007】
出発材料として使用された熱分解法で製造されたシリカはEP1681266A2号から公知である。
【0008】
この表面改質は、適切であれば水を用いて、その後表面改質剤を用いてシリカを噴霧することによって達成できる。噴霧は逆の手順で実施してもよい。使用される水を、酸、例えば、塩酸を用いて、pH7〜1に酸性化してよい。2つ以上の表面改質剤を使用する場合、それらを一緒に、又は別々に、連続して又は混合物として適用してよい。
【0009】
1種又は複数種の表面改質剤を適した溶剤中に溶解してよい。噴霧の完了後、混合を更に5〜30分間行ってよい。
【0010】
その後、混合物を20〜400℃の温度で0.1〜6時間にわたって熱処理する。この熱処理は、例えば窒素などの不活性ガス下で行ってよい。
【0011】
シリカの表面改質の別法は、シリカを蒸気形態の表面改質剤で処理し、その後混合物を50〜800℃の温度で0.1〜6時間にわたって熱処理することによって達成できる。この熱処理は、例えば窒素などの不活性ガス下で行ってよい。
【0012】
温度処理は、種々の温度で複数の段階にわたって実施してもよい。
【0013】
一種以上の表面改質剤は、一流体ノズル、二流体ノズル又は超音波ノズルを用いて適用することができる。
【0014】
表面改質は、連続的に又はバッチ式に、噴霧装置を備えた加熱可能なミキサー及び乾燥器中で実施することができる。適した装置は、例えば以下の:プローシェアーミキサー、プレート乾燥器、流動床乾燥器又は流動層乾燥器であってよい。
【0015】
表面改質剤として、以下の化合物の群から少なくとも1種の化合物を使用することが可能である:
a)(RO)3Si(CnH2n+1)及び(RO)3Si(CnH2n−1)の型のオルガノシラン
R=アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル
n=1−20
b)R’x(RO)ySi(CnH2n+1)及びR’x(RO)ySi(CnH2n−1)の型のオルガノシラン
R=アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル
R’=アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル
R’=シクロアルキル
n=1〜20
x+y=3
x=1、2
y=1、2
c)X3Si(CnH2n+1)及びX3Si(CnH2n−1)の型のハロオルガノシラン
X=Cl、Br
n=1−20
d)X2(R’)Si(CnH2n+1)及びX2(R’)Si(CnH2n−1)の型のハロオルガノシラン
X=Cl、Br
R’=アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル
R’=シクロアルキル
n=1−20
e)X(R’)2Si(CnH2n+1)及びX(R’)2Si(CnH2n−1)の型のハロオルガノシラン
X=Cl、Br
R’=アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル
R’=シクロアルキル
n=1〜20
f)(RO)3Si(CH2)m−R’の型のオルガノシラン
R=アルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル、
m=0.1〜20、
R’=メチル、アリール(例えば−C6H5、置換されたフェニル基)
−C4F9、OCF2−CHF−CF3、−C6F13、−O−CF2−CHF2
−NH2、−N3、−SCN、−CH=CH2、−NH−CH2−CH2−NH2、
−N−(CH2−CH2−NH2)2
−OOC(CH3)C=CH2
−OCH2−CH(O)CH2
−NH−CO−N−CO−(CH2)5
−NH−COO−CH3、−NH−COO−CH2−CH3、−NH−(CH2)3Si(OR)3
−Sx−(CH2)3Si(OR)3
−SH
−NR’R’’R’’’(R’=アルキル、アリール;R’’=H、アルキル、アリール;R’’’=H、アルキル、アリール、ベンジル、C2H4NR’’’’R’’’’’、ここでR’’’’=H、アルキル及びR’’’’’=H、アルキル)
g)(R’’)x(RO)ySi(CH2)m−R’の型のオルガノシラン
R’’=アルキル x+y=3
=シクロアルキル x=1、2
y=1、2
m=0.1〜20、
R’=メチル、アリール(例えば−C6H5、置換されたフェニル基)
−C4F9、−OCF2−CHF−CF3、−C6F13、−O−CF2−CHF2
−NH2、−N3、−SCN、−CH=CH2、−NH−CH2−CH2−NH2、
−N−(CH2−CH2−NH2)2
−OOC(CH3)C=CH2
−OCH2−CH(O)CH2
−NH−CO−N−CO−(CH2)5
−NH−COO−CH3、−NH−COO−CH2−CH3、−NH−(CH2)3Si(OR)3
−Sx−(CH2)3Si(OR)3
−SH
−NR’R’’R’’’(R’=アルキル、アリール;R’’=H、アルキル、アリール;R’’’=H、アルキル、アリール、ベンジル、C2H4NR’’’’R’’’’’、ここでR’’’’=H、アルキル及びR’’’’’=H、アルキル)
h)X3Si(CH2)m−R’型のハロオルガノシラン
X=Cl、Br
m=0.1〜20
R’=メチル、アリール(例えば−C6H5、置換されたフェニル基)
−C4F9、OCF2−CHF−CF3、−C6F13、−O−CF2−CHF2
−NH2、−N3、−SCN、−CH=CH2、
−NH−CH2−CH2−NH2
−N−(CH2−CH2−NH2)2
−OOC(CH3)C=CH2
−OCH2−CH(O)CH2
−NH−CO−N−CO−(CH2)5
−NH−COO−CH3、−NH−COO−CH2−CH3、−NH−(CH2)3Si(OR)3
−Sx−(CH2)3Si(OR)3
−SH
i)(R)X2Si(CH2)m−R’型のハロオルガノシラン
X=Cl、Br
R=アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、
m=0.1〜20
R=メチル、アリール(例えば−C6H5、置換されたフェニル基)
−C4F9、−OCF2−CHF−CF3、−C6F13、−O−CF2−CHF2
−NH2、−N3、−SCN、−CH=CH2、−NH−CH2−CH2−NH2、
−N−(CH2−CH2−NH2)2
−OOC(CH3)C=CH2
−OCH2−CH(O)CH2
−NH−CO−N−CO−(CH2)5
−NH−COO−CH3、−NH−COO−CH2−CH3、−NH−(CH2)3Si(OR)3、ここで、Rはメチル、エチル、プロピル、ブチルであってよい、
−Sx−(CH2)3Si(OR)3、ここで、Rはメチル、エチル、プロピル、ブチルであってよい、
−SH
j)(R)2XSi(CH2)m−R’型のハロオルガノシラン
X=Cl、Br
R=アルキル
m=0.1〜20
R’=メチル、アリール(例えば−C6H5、置換されたフェニル基)
−C4F9、−OCF2−CHF−CF3、−C6F13、−O−CF2−CHF2
−NH2、−N3、−SCN、−CH=CH2、−NH−CH2−CH2−NH2、
−N−(CH2−CH2−NH2)2
−OOC(CH3)C=CH2
−OCH2−CH(O)CH2
−NH−CO−N−CO−(CH2)5
−NH−COO−CH3、−NH−COO−CH2−CH3、−NH−(CH2)3Si(OR)3
−Sx−(CH2)3Si(OR)3
−SH
k)以下の型
【化1】
のシラザン
R=アルキル、ビニル、アリール、
R’=アルキル、ビニル、アリール
l)D3、D4、D5の型の環式ポリシロキサン、その際、D3、D4、及びD5は、−O−Si(CH3)2−の型の3、4又は5個の単位を有する環式ポリシロキサンを意味する。
例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン=D4
【化2】
m)次の型のポリシロキサン又はシリコーンオイル
【化3】
R=アルキル、例えばCnH2n+1(nは1〜20である)、アリール、例えばフェニル基及び置換されたフェニル基、(CH2)n−NH2、H
R’=アルキル、例えばCnH2n+1(nは1〜20である)、アリール、例えばフェニル基及び置換されたフェニル基、(CH2)n−NH2、H
R’’=アルキル、例えばCnH2n+1(nは1〜20である)、アリール、例えばフェニル基及び置換されたフェニル基、(CH2)n−NH2、H
R’’’=アルキル、例えばCnH2n+1(nは1〜20である)、アリール、例えばフェニル基及び置換されたフェニル基、(CH2)n−NH2、H
【0016】
表面改質剤として以下のシランの使用が有利である:
オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、ジメチルポリシロキサン、グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、ノナフルオロヘキシルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン及びポリジメチルシロキサン。
【0017】
特に有利には、ヘキサメチルジシラザン、ジメチルポリシロキサン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン及びポリジメチルシロキサンを使用することが可能である。
【0018】
更に特にポリジメチルシロキサンを使用することが可能である。
【0019】
本発明の表面改質された、熱分解法で製造されたシリカは、樹脂用の充填剤として使用できる。
【0020】
本発明は更に、本発明の表面改質された熱分解法で製造されたシリカを含む樹脂を提供する。
【0021】
本発明は、以下の利点を特徴とする:増粘作用を損なうことなく液体系中への混加の更なる容易さ。
【0022】
実施例
比較のシリカの製造
2kgのシリカ11(EP1681266号からの表4)をミキサーに充填し、混合しながら、これを0.42kgのRhodorsil oil 47 V 100(ポリジメチルシロキサン)を用いて二流体ノズルによって噴霧した。噴霧の完了後、混合を15分間継続し、その後反応混合物を窒素雰囲気下で加熱した。
【0023】
本発明のシリカの製造−実施例
2kgのシリカ1(EP1681266号からの表4)をミキサーに充填し、混合しながら、これを0.42kgのRhodorsil oil 47 V 100(ポリジメチルシロキサン)を用いて二流体ノズルによって噴霧した。噴霧の完了後、混合を15分間継続し、その後反応混合物を窒素雰囲気下で加熱した。
【0024】
【表1】
【0025】
混加特性の決定
混加特性は、シリカが樹脂中で均質化されるために必要な時間を測定することによって決定された。
【0026】
これは350mlのビーカー中に100gのPalatal A 410を量り分け、これを水浴において25℃で加熱することによって成される。
【0027】
ビーカーをディソルバー(Getzmann Dispermat)の実装デバイスのアルミニウムインサート中に導入する。
【0028】
撹拌機(ディスク直径30mm)をビーカーの底より上方のt=10mmのその目標深さに浸漬させて、500min−1の速度nでスイッチをオンにする。
【0029】
3gのシリカを樹脂の表面上に均一に置いて、ストップウォッチをスタートさせる。
【0030】
シリカを均一にするために必要な時間を測定する。
【0031】
経過時間を学校のグレード分類(グレード1〜グレード5)に変換する。グレード1は非常に良好な(迅速な)混加に相当する。グレード5は非常に不良な(緩徐な)混加に相当する。
【0032】
エポキシ樹脂中の増粘作用の測定
201.92g(92.15%)のRenalm M1及び8.08g(3.85%)のシリカを350mlのPEビーカーに量り分ける。
【0033】
ディソルバーディスク(ディスク直径:d=50mm)をビーカーの中点に浸漬させ、この試料を1000rpmで均一にする。
【0034】
この場合、シリカが微粉として逃散することを防ぐためにビーカーを穿孔蓋で密封する。
【0035】
シリカを完全に混加するとすぐに、ディスクをビーカーの底より10mm上方の深さまで浸漬させる。分散を3000rpmの速度で3分間実施する。この時間の間に、空気を真空下で除去する。
【0036】
分散した試料を250mlのガラス瓶に移す。
【0037】
試料を、25℃で90分間水浴中に貯蔵する。
【0038】
90分後に、試料をへらで1分間撹拌する。その後、試料の粘度をBrookfield DV IIIを使用して測定する。
【0039】
この目的のためにBrookfieldレオメーターのスピンドルを規定の標線まで浸漬させる。測定を次のように実施する:
5rpm−60秒後の読取値
50rpm−30秒後の読取値
【0040】
読取値は、それぞれのrpmでの粘度[Pa*s]である。
【0041】
【表2】
【0042】
本発明のシリカは更に良好な混加特性を示すことが明確にわかる。これは、増粘作用だけでなく他の物理化学的データも同等であるという事実にもかかわらず、本発明のシリカは比較のシリカよりも速く混加されることを意味する。
【技術分野】
【0001】
本発明は表面改質された熱分解法で製造されたシリカ、それらの製造方法及びそれらの使用に関する。
【0002】
表面改質により熱分解法で製造されたシリカからの表面改質された熱分解法(フュームド)シリカの製造が公知である。この方法で製造されたシリカは多くの適用分野での使用:例えば、樹脂での液体系のレオロジー制御、添加剤での使用が見出される。これらの用途において、増粘作用だけでなく液体系中への混加の容易さも大変重要視されている。
【0003】
公知の表面改質された、熱分解法シリカは、それらの液体系中への混加の容易さが不十分であるという欠点をもつ。
【0004】
従ってその目的は、増粘作用などの他の重要な特性を損なうことなく液体系中への改善された混加の容易さを有する、表面改質された熱分解法シリカを製造することであった。
【0005】
本発明は、増粘作用を損なうことなくそれらの液体系中への混加の容易さを改善することを特徴とする表面改質された、熱分解法で製造されたシリカを提供する。
【0006】
本発明は更に、一次粒子のアグリゲートの形で存在し且つ150±15m2/gのBET表面積を有し、該アグリゲートは12000〜20000nm2の平均面積、90〜120nmの平均円相当直径(ECD)及び1150〜1700nmの平均円周を有する、熱分解法で製造されたシリカを、公知の方法で表面改質することを特徴とする、表面改質された、熱分解法で製造されたシリカの製造方法を提供する。
【0007】
出発材料として使用された熱分解法で製造されたシリカはEP1681266A2号から公知である。
【0008】
この表面改質は、適切であれば水を用いて、その後表面改質剤を用いてシリカを噴霧することによって達成できる。噴霧は逆の手順で実施してもよい。使用される水を、酸、例えば、塩酸を用いて、pH7〜1に酸性化してよい。2つ以上の表面改質剤を使用する場合、それらを一緒に、又は別々に、連続して又は混合物として適用してよい。
【0009】
1種又は複数種の表面改質剤を適した溶剤中に溶解してよい。噴霧の完了後、混合を更に5〜30分間行ってよい。
【0010】
その後、混合物を20〜400℃の温度で0.1〜6時間にわたって熱処理する。この熱処理は、例えば窒素などの不活性ガス下で行ってよい。
【0011】
シリカの表面改質の別法は、シリカを蒸気形態の表面改質剤で処理し、その後混合物を50〜800℃の温度で0.1〜6時間にわたって熱処理することによって達成できる。この熱処理は、例えば窒素などの不活性ガス下で行ってよい。
【0012】
温度処理は、種々の温度で複数の段階にわたって実施してもよい。
【0013】
一種以上の表面改質剤は、一流体ノズル、二流体ノズル又は超音波ノズルを用いて適用することができる。
【0014】
表面改質は、連続的に又はバッチ式に、噴霧装置を備えた加熱可能なミキサー及び乾燥器中で実施することができる。適した装置は、例えば以下の:プローシェアーミキサー、プレート乾燥器、流動床乾燥器又は流動層乾燥器であってよい。
【0015】
表面改質剤として、以下の化合物の群から少なくとも1種の化合物を使用することが可能である:
a)(RO)3Si(CnH2n+1)及び(RO)3Si(CnH2n−1)の型のオルガノシラン
R=アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル
n=1−20
b)R’x(RO)ySi(CnH2n+1)及びR’x(RO)ySi(CnH2n−1)の型のオルガノシラン
R=アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル
R’=アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル
R’=シクロアルキル
n=1〜20
x+y=3
x=1、2
y=1、2
c)X3Si(CnH2n+1)及びX3Si(CnH2n−1)の型のハロオルガノシラン
X=Cl、Br
n=1−20
d)X2(R’)Si(CnH2n+1)及びX2(R’)Si(CnH2n−1)の型のハロオルガノシラン
X=Cl、Br
R’=アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル
R’=シクロアルキル
n=1−20
e)X(R’)2Si(CnH2n+1)及びX(R’)2Si(CnH2n−1)の型のハロオルガノシラン
X=Cl、Br
R’=アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル
R’=シクロアルキル
n=1〜20
f)(RO)3Si(CH2)m−R’の型のオルガノシラン
R=アルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル、
m=0.1〜20、
R’=メチル、アリール(例えば−C6H5、置換されたフェニル基)
−C4F9、OCF2−CHF−CF3、−C6F13、−O−CF2−CHF2
−NH2、−N3、−SCN、−CH=CH2、−NH−CH2−CH2−NH2、
−N−(CH2−CH2−NH2)2
−OOC(CH3)C=CH2
−OCH2−CH(O)CH2
−NH−CO−N−CO−(CH2)5
−NH−COO−CH3、−NH−COO−CH2−CH3、−NH−(CH2)3Si(OR)3
−Sx−(CH2)3Si(OR)3
−SH
−NR’R’’R’’’(R’=アルキル、アリール;R’’=H、アルキル、アリール;R’’’=H、アルキル、アリール、ベンジル、C2H4NR’’’’R’’’’’、ここでR’’’’=H、アルキル及びR’’’’’=H、アルキル)
g)(R’’)x(RO)ySi(CH2)m−R’の型のオルガノシラン
R’’=アルキル x+y=3
=シクロアルキル x=1、2
y=1、2
m=0.1〜20、
R’=メチル、アリール(例えば−C6H5、置換されたフェニル基)
−C4F9、−OCF2−CHF−CF3、−C6F13、−O−CF2−CHF2
−NH2、−N3、−SCN、−CH=CH2、−NH−CH2−CH2−NH2、
−N−(CH2−CH2−NH2)2
−OOC(CH3)C=CH2
−OCH2−CH(O)CH2
−NH−CO−N−CO−(CH2)5
−NH−COO−CH3、−NH−COO−CH2−CH3、−NH−(CH2)3Si(OR)3
−Sx−(CH2)3Si(OR)3
−SH
−NR’R’’R’’’(R’=アルキル、アリール;R’’=H、アルキル、アリール;R’’’=H、アルキル、アリール、ベンジル、C2H4NR’’’’R’’’’’、ここでR’’’’=H、アルキル及びR’’’’’=H、アルキル)
h)X3Si(CH2)m−R’型のハロオルガノシラン
X=Cl、Br
m=0.1〜20
R’=メチル、アリール(例えば−C6H5、置換されたフェニル基)
−C4F9、OCF2−CHF−CF3、−C6F13、−O−CF2−CHF2
−NH2、−N3、−SCN、−CH=CH2、
−NH−CH2−CH2−NH2
−N−(CH2−CH2−NH2)2
−OOC(CH3)C=CH2
−OCH2−CH(O)CH2
−NH−CO−N−CO−(CH2)5
−NH−COO−CH3、−NH−COO−CH2−CH3、−NH−(CH2)3Si(OR)3
−Sx−(CH2)3Si(OR)3
−SH
i)(R)X2Si(CH2)m−R’型のハロオルガノシラン
X=Cl、Br
R=アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、
m=0.1〜20
R=メチル、アリール(例えば−C6H5、置換されたフェニル基)
−C4F9、−OCF2−CHF−CF3、−C6F13、−O−CF2−CHF2
−NH2、−N3、−SCN、−CH=CH2、−NH−CH2−CH2−NH2、
−N−(CH2−CH2−NH2)2
−OOC(CH3)C=CH2
−OCH2−CH(O)CH2
−NH−CO−N−CO−(CH2)5
−NH−COO−CH3、−NH−COO−CH2−CH3、−NH−(CH2)3Si(OR)3、ここで、Rはメチル、エチル、プロピル、ブチルであってよい、
−Sx−(CH2)3Si(OR)3、ここで、Rはメチル、エチル、プロピル、ブチルであってよい、
−SH
j)(R)2XSi(CH2)m−R’型のハロオルガノシラン
X=Cl、Br
R=アルキル
m=0.1〜20
R’=メチル、アリール(例えば−C6H5、置換されたフェニル基)
−C4F9、−OCF2−CHF−CF3、−C6F13、−O−CF2−CHF2
−NH2、−N3、−SCN、−CH=CH2、−NH−CH2−CH2−NH2、
−N−(CH2−CH2−NH2)2
−OOC(CH3)C=CH2
−OCH2−CH(O)CH2
−NH−CO−N−CO−(CH2)5
−NH−COO−CH3、−NH−COO−CH2−CH3、−NH−(CH2)3Si(OR)3
−Sx−(CH2)3Si(OR)3
−SH
k)以下の型
【化1】
のシラザン
R=アルキル、ビニル、アリール、
R’=アルキル、ビニル、アリール
l)D3、D4、D5の型の環式ポリシロキサン、その際、D3、D4、及びD5は、−O−Si(CH3)2−の型の3、4又は5個の単位を有する環式ポリシロキサンを意味する。
例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン=D4
【化2】
m)次の型のポリシロキサン又はシリコーンオイル
【化3】
R=アルキル、例えばCnH2n+1(nは1〜20である)、アリール、例えばフェニル基及び置換されたフェニル基、(CH2)n−NH2、H
R’=アルキル、例えばCnH2n+1(nは1〜20である)、アリール、例えばフェニル基及び置換されたフェニル基、(CH2)n−NH2、H
R’’=アルキル、例えばCnH2n+1(nは1〜20である)、アリール、例えばフェニル基及び置換されたフェニル基、(CH2)n−NH2、H
R’’’=アルキル、例えばCnH2n+1(nは1〜20である)、アリール、例えばフェニル基及び置換されたフェニル基、(CH2)n−NH2、H
【0016】
表面改質剤として以下のシランの使用が有利である:
オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、ジメチルポリシロキサン、グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、ノナフルオロヘキシルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン及びポリジメチルシロキサン。
【0017】
特に有利には、ヘキサメチルジシラザン、ジメチルポリシロキサン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン及びポリジメチルシロキサンを使用することが可能である。
【0018】
更に特にポリジメチルシロキサンを使用することが可能である。
【0019】
本発明の表面改質された、熱分解法で製造されたシリカは、樹脂用の充填剤として使用できる。
【0020】
本発明は更に、本発明の表面改質された熱分解法で製造されたシリカを含む樹脂を提供する。
【0021】
本発明は、以下の利点を特徴とする:増粘作用を損なうことなく液体系中への混加の更なる容易さ。
【0022】
実施例
比較のシリカの製造
2kgのシリカ11(EP1681266号からの表4)をミキサーに充填し、混合しながら、これを0.42kgのRhodorsil oil 47 V 100(ポリジメチルシロキサン)を用いて二流体ノズルによって噴霧した。噴霧の完了後、混合を15分間継続し、その後反応混合物を窒素雰囲気下で加熱した。
【0023】
本発明のシリカの製造−実施例
2kgのシリカ1(EP1681266号からの表4)をミキサーに充填し、混合しながら、これを0.42kgのRhodorsil oil 47 V 100(ポリジメチルシロキサン)を用いて二流体ノズルによって噴霧した。噴霧の完了後、混合を15分間継続し、その後反応混合物を窒素雰囲気下で加熱した。
【0024】
【表1】
【0025】
混加特性の決定
混加特性は、シリカが樹脂中で均質化されるために必要な時間を測定することによって決定された。
【0026】
これは350mlのビーカー中に100gのPalatal A 410を量り分け、これを水浴において25℃で加熱することによって成される。
【0027】
ビーカーをディソルバー(Getzmann Dispermat)の実装デバイスのアルミニウムインサート中に導入する。
【0028】
撹拌機(ディスク直径30mm)をビーカーの底より上方のt=10mmのその目標深さに浸漬させて、500min−1の速度nでスイッチをオンにする。
【0029】
3gのシリカを樹脂の表面上に均一に置いて、ストップウォッチをスタートさせる。
【0030】
シリカを均一にするために必要な時間を測定する。
【0031】
経過時間を学校のグレード分類(グレード1〜グレード5)に変換する。グレード1は非常に良好な(迅速な)混加に相当する。グレード5は非常に不良な(緩徐な)混加に相当する。
【0032】
エポキシ樹脂中の増粘作用の測定
201.92g(92.15%)のRenalm M1及び8.08g(3.85%)のシリカを350mlのPEビーカーに量り分ける。
【0033】
ディソルバーディスク(ディスク直径:d=50mm)をビーカーの中点に浸漬させ、この試料を1000rpmで均一にする。
【0034】
この場合、シリカが微粉として逃散することを防ぐためにビーカーを穿孔蓋で密封する。
【0035】
シリカを完全に混加するとすぐに、ディスクをビーカーの底より10mm上方の深さまで浸漬させる。分散を3000rpmの速度で3分間実施する。この時間の間に、空気を真空下で除去する。
【0036】
分散した試料を250mlのガラス瓶に移す。
【0037】
試料を、25℃で90分間水浴中に貯蔵する。
【0038】
90分後に、試料をへらで1分間撹拌する。その後、試料の粘度をBrookfield DV IIIを使用して測定する。
【0039】
この目的のためにBrookfieldレオメーターのスピンドルを規定の標線まで浸漬させる。測定を次のように実施する:
5rpm−60秒後の読取値
50rpm−30秒後の読取値
【0040】
読取値は、それぞれのrpmでの粘度[Pa*s]である。
【0041】
【表2】
【0042】
本発明のシリカは更に良好な混加特性を示すことが明確にわかる。これは、増粘作用だけでなく他の物理化学的データも同等であるという事実にもかかわらず、本発明のシリカは比較のシリカよりも速く混加されることを意味する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体系中への混加の向上した容易さを有することを特徴とする、表面改質された、熱分解法で製造されたシリカ。
【請求項2】
一次粒子のアグリゲートの形で存在し且つ150±15m2/gのBET表面積を有し、該アグリゲートは12000〜20000nm2の平均面積、90〜120nmの平均円相当直径(ECD)及び1150〜1700nmの平均円周を有する、熱分解法で製造されたシリカを、公知の方法で表面改質することを特徴とする、請求項1記載の表面改質された、熱分解法で製造されたシリカの製造方法。
【請求項3】
ジメチルポリシロキサンを表面改質剤として使用することを特徴とする、請求項2記載の方法。
【請求項4】
シリカを、適切であれば水を用いて、その後表面改質剤を用いて噴霧することを特徴とする、請求項2記載の方法。
【請求項5】
シリカを蒸気形態の表面改質剤で処理し、その後混合物を50〜800℃の温度で0.1〜6時間にわたって熱処理することを特徴とする、請求項2記載の方法。
【請求項6】
増粘液体系のための表面改質された、熱分解法で製造されたシリカの使用。
【請求項7】
増粘樹脂のための表面改質された、熱分解法で製造されたシリカの使用。
【請求項1】
液体系中への混加の向上した容易さを有することを特徴とする、表面改質された、熱分解法で製造されたシリカ。
【請求項2】
一次粒子のアグリゲートの形で存在し且つ150±15m2/gのBET表面積を有し、該アグリゲートは12000〜20000nm2の平均面積、90〜120nmの平均円相当直径(ECD)及び1150〜1700nmの平均円周を有する、熱分解法で製造されたシリカを、公知の方法で表面改質することを特徴とする、請求項1記載の表面改質された、熱分解法で製造されたシリカの製造方法。
【請求項3】
ジメチルポリシロキサンを表面改質剤として使用することを特徴とする、請求項2記載の方法。
【請求項4】
シリカを、適切であれば水を用いて、その後表面改質剤を用いて噴霧することを特徴とする、請求項2記載の方法。
【請求項5】
シリカを蒸気形態の表面改質剤で処理し、その後混合物を50〜800℃の温度で0.1〜6時間にわたって熱処理することを特徴とする、請求項2記載の方法。
【請求項6】
増粘液体系のための表面改質された、熱分解法で製造されたシリカの使用。
【請求項7】
増粘樹脂のための表面改質された、熱分解法で製造されたシリカの使用。
【公表番号】特表2010−534617(P2010−534617A)
【公表日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−518585(P2010−518585)
【出願日】平成20年7月1日(2008.7.1)
【国際出願番号】PCT/EP2008/058416
【国際公開番号】WO2009/015969
【国際公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月1日(2008.7.1)
【国際出願番号】PCT/EP2008/058416
【国際公開番号】WO2009/015969
【国際公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】
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