説明

表面構造化光学フィルムの積み重ね方法

【課題】良好なプリズムを提供すること。
【解決手段】ディスプレイは表面構造(222)、例えばディスプレイの輝度を増すプリズム状構造化表面を有する光学フィルム(218)を含む。構造化表面を構造化表面の形状高さ未満の深さまで接着剤層内に貫入させることにより、構造化表面を接着剤層(226)を用いて第2のフィルム(220)の対向表面(228)に接着させる。接着フィルム構造はフィルムにさらなる強度を提供するとともに、ディスプレイ組立中のフィルム損傷の可能性を低減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光学ディスプレイに関し、特に光学ディスプレイに用いる光管理光学フィルムをパッケージ化する手法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ(LCD)などの光学ディスプレイはますます一般的になり、例えば携帯電話、携帯情報端末(PDA)から電子ゲームに及ぶハンドヘルドコンピュータデバイスからラップトップコンピュータなどの大型装置、ならびにLCDモニタおよびテレビ画面に用途を見出せる。光学ディスプレイ装置内への光管理フィルムの組み込みにより、ディスプレイ性能が向上する。プリズム状構造化フィルム、反射型偏光子および拡散フィルムを始めとする各種のフィルムは、出力輝度、照明均一性、視野角、およびシステム全体の効率などのディスプレイパラメータを改善させるのに有用である。このような動作特性の向上により装置が使いやすくなるとともに、付随する電池要件の減少により電池のサイズを小さくすることが可能になり、または電池交換間隔が長くなる。電池を使用しないディスプレイにおいても光管理フィルムがディスプレイの複雑さを低減するのに有用であることが多く、輝度、均一性、電力効率、熱管理および他の特性の点で画期的な性能につながる場合がある。
【0003】
光管理フィルムは通例バックライトアセンブリとフラットパネルディスプレイとの間でディスプレイ枠内に1つ1つ積み重ねられる。フィルムのスタックを最適化することにより特定の所望の光学性能を得ることができる。しかし製造の見地からすれば、数枚の個々のフィルム片の取り扱いおよび組立からいくつかの問題が生じる恐れがある。これらの問題には特にライナーを除去する際にフィルムを損傷する危険の増加に加えて個々の光学フィルムから保護ライナーを除去するのに必要な余分な時間がある。さらに個別シートをディスプレイ枠内に挿入してフィルムのスタックを構成することは時間がかかるとともに、さらにフィルムが損傷を受ける可能性が生じる。これらの問題はすべて全体のスループットを低下させまたは歩留まりを減少させる一因となるためシステムコストが高くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した問題に鑑み本発明はディスプレイ枠に挿入する前に光学フィルムを結束する新規のパッケージ化方法に関する。この結束によりフィルムの取り扱いを容易にし、ディスプレイ装置の組立に必要な工程数を減らし、フィルムを損傷する可能性を減少させ、歩留まりを増加させる。
【0005】
一般に本発明はプリズム状構造化光指向フィルムなどの表面構造を有する光学フィルムを接着する手法に関する。本発明は表面形状を形状高さ未満の深さまで接着剤内に貫入させることにより、接着剤層を用いて1つのフィルムの構造化表面を第2のフィルムの対向面に接着させるステップを含む。
【課題を解決するための手段】
【0006】
特定の一実施形態において本発明はディスプレイ内の光を管理する光管理フィルムパッケージに関する。このパッケージは関連するリブ高さを有するプリズム状リブで構造化された第1の表面を有する第1の輝度向上光学フィルムを含む。第2の光学フィルムは第1の光学フィルムの第1の表面と対向する第2の表面を有する。第2の表面上に第1の接着剤層がある。第1の表面のプリズム状リブのうちの少なくともいくつかが第1の接着剤層内に貫入している。第1の接着剤層は第1の接着剤層内に貫入しているリブの関連するリブ高さ未満の厚さを有する。
【0007】
本発明の他の実施形態は照明ユニットとディスプレイユニットとを備えるディスプレイシステムに関する。光管理ユニットが、照明ユニット源からディスプレイユニットへ通過する光を管理するように照明ユニットとディスプレイユニットとの間に配置されている。光管理ユニットは、関連するリブ高さを有するプリズム状リブで構造化された第1の表面を有する第1の光学フィルムを備える。第2の光学フィルムは第1の光学フィルムの第1の表面と対向する第2の表面を有する。第2の表面上に第1の接着剤層がある。第1の表面のプリズム状リブのうちの少なくともいくつかが第1の接着剤層内に貫入している。第1の接着剤層は第1の接着剤層内に貫入しているリブの関連するリブ高さ未満の厚さを有する。
【0008】
本発明の他の実施形態は光学フィルムの積み重ね方法に関する。この方法はプリズム状リブ付きの第1の光学フィルムのプリズム状リブを、第2の光学フィルムの表面上の第1の接着剤層内に、プリズム状リブの一部分と第1の接着剤層との間に間隙を残すような深さまで押し込むステップを含む。
【0009】
本発明の他の実施形態はディスプレイ内の光を管理する光管理フィルムパッケージに関する。このパッケージは光が通過する活性屈折面を含む屈折性形状で構造化された第1の表面を有する第1の光学フィルムを備える。第2の光学フィルムは第1の光学フィルムの上方に配置され、第2の表面を有する。第2の表面上に第1の接着剤層がある。屈折性形状のうちの少なくともいくつかが第1の接着剤層と第1の表面の一部分との間に間隙を残すように第1の接着剤層内に部分的に貫入している。貫入形状の活性面の一部分が間隙と界面を有するとともに貫入形状の他の部分が第1の接着剤層と界面を有している。
【0010】
本発明の他の実施形態は照明ユニットとディスプレイユニットとを含むディスプレイシステムに関する。光管理ユニットが、照明ユニット源からディスプレイユニットへ通過する光を管理するように照明ユニットとディスプレイユニットとの間に配置されている。光管理ユニットは屈折性形状で構造化された第1の表面を有する第1の光学フィルムを備える。屈折性形状は光が通過する活性屈折面を含む。第2の光学フィルムが第1の光学フィルムの上方に配置され、第2の表面を有する。第2の表面上に第1の接着剤層がある。屈折性形状のうちの少なくともいくつかが第1の接着剤層と第1の表面の一部分との間に間隙を残すように第1の接着剤層内に部分的に貫入している。貫入形状の活性面の一部分が間隙と界面を有するとともに貫入形状の他の部分が第1の接着剤層と界面を有している。
【0011】
本発明の他の実施形態は光学フィルムの積み重ね方法に関する。この方法は第1の光学フィルムの屈折性形状の活性屈折面を、第2の光学フィルムの表面上の第1の接着剤層内に、第1の接着剤層と活性屈折面の一部分との間に間隙を残すような所定の深さまで押し込むステップを含む。活性屈折面の他の部分は第1の接着剤層の接着剤に接する。
【0012】
上記の本発明の概要は本発明の各図示の実施形態または各実施を説明しようとするものではない。以下の図面と詳細な説明とはこれらの実施形態をより具体的に例証する。
【0013】
添付の図面と共に以下の本発明の様々な実施形態の詳細な説明を検討することで本発明をより完全に理解できよう。
【0014】
本発明は様々な変更例および代替形状に適用可能であるが、その詳細は一例として図面に示したものでありさらに詳細に説明する。しかし本発明を記載の特定の実施形態に限定しようとするものではないことは理解できよう。逆に添付の特許請求の範囲により規定されるような本発明の要旨および範囲内にある変更例、同等物および代替物をすべて網羅しようとするものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】ディスプレイユニットの実施形態を概略的に図示する。
【図2A】本発明の異なる実施形態による、構造化表面を有する少なくとも1つのフィルムを有する光管理フィルムユニットを概略的に図示する。
【図2B】本発明の異なる実施形態による、構造化表面を有する少なくとも1つのフィルムを有する光管理フィルムユニットを概略的に図示する。
【図2C】本発明の原理による、異なる厚さの接着剤を有する光管理フィルムユニットの実施形態を概略的に図示する。
【図2D】本発明の原理による、異なる厚さの接着剤を有する光管理フィルムユニットの実施形態を概略的に図示する。
【図3】本発明の原理により組み立てられたサンプル積層構造の様々な走査電子顕微鏡(SEM)断面を表す。
【図4】本発明の原理により組み立てられた他のサンプル積層構造の様々なSEM断面を表す。
【図5】様々なタイプの接着剤を用いて、本発明の原理により作製されたサンプルに対する相対輝度と接着剤厚さとの関係を示すグラフを表す。
【図6】様々なタイプの接着剤を用いて、本発明の原理により作製されたサンプルに対する接着剤剥離強度と接着剤厚さとの関係を示すグラフを表す。
【図7】様々なタイプの接着剤を用いて、本発明の原理により作製されたサンプルに対する相対輝度と接着剤剥離強度との関係を示すグラフを表す。
【図8A】様々なタイプの接着剤を用いて、本発明の原理により作製されたサンプルに対する視野角の関数として輝度を示すグラフを表す。
【図8B】様々なタイプの接着剤を用いて、本発明の原理により作製されたサンプルに対する視野角の関数として輝度を示すグラフを表す。
【図9】本発明の原理により作製されたディスプレイユニットの実施形態の斜視図を概略的に表す。
【図10】本発明の原理による光管理フィルムスタックの他の実施形態を概略的に表す。
【図11】本発明の原理による光管理フィルムスタックの他の実施形態を概略的に図示する。
【図12】本発明の原理による光管理フィルムスタックの他の実施形態を概略的に図示する。
【図13】本発明の原理によるディスプレイユニットの実施形態を概略的に図示する。
【図14A】本発明の原理によるディスプレイユニットのさらなる実施形態を概略的に図示する。
【図14B】本発明の原理によるディスプレイユニットのさらなる実施形態を概略的に図示する。
【図14C】本発明の原理によるディスプレイユニットのさらなる実施形態を概略的に図示する。
【図15】本発明の原理による光管理フィルムスタックを製造する方法の実施形態を概略的に図示する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は液晶ディスプレイなどのディスプレイに適用可能であり、特にこのようなディスプレイを作製する工程数を削減するために有用と思われる。
【0017】
ディスプレイシステム100が図1に概略的に示されている。このシステムは通例2つのガラス層に挟持された液晶ディスプレイ(LCD)パネルなどの電子ディスプレイユニット102を含んでいる。さらにディスプレイユニット102はLCDパネルの上下に、概して偏光による画像を生成するために必要な偏光コントラストを提供する吸収型偏光子を含み得る。ディスプレイユニット102はディスプレイユニット102上に表示される画像を制御する制御ユニット103に結合し得る。
【0018】
ユーザがディスプレイユニット102により形成された画像を視認するには外光が不十分な場合、通例ディスプレイユニット102中に光を提供するバックライトアセンブリ104を用いる。特定の一実施形態ではバックライトアセンブリ104は光源106、導光体108、および1つ以上の反射層110などのいくつかの要素を含み得る。多くの用途におけるディスプレイシステム100の重要な特徴はシステム100の全厚さが薄いということである。従って光源106は一般に導光体108の側部に配置され、導光体108は光源106からの光を上方へシステム100を介してディスプレイ要素の方向へ向ける。光源106は任意の好適なタイプの光源であり得る。多くの用途においてディスプレイ100を白色光で照明することが望ましく、その場合光源106は1つ以上の蛍光灯、色が混合されて白色を作る発光ダイオード列等であり得る。ディスプレイによっては光源106を導光体108の2つ以上の縁部に沿って配置し得る。
【0019】
図示の実施形態において、導光体108には光を導光体108からディスプレイユニット102に向ける拡散反射領域112が設けられている。導光体108は光をディスプレイユニット102に向ける他のタイプの要素、例えばディスプレイ要素に面する導光体108の上面に光抽出領域を含み得る。
【0020】
バックライトアセンブリ104の他の実施形態を用いてもよい。例えばバックライトアセンブリ104に好適な反射キャビティ内に配置した一連のランプを形成してもよく、そのランプを覆う拡散板を有することが多い。バックライトアセンブリ104の設計には他の選択肢がいくつかあるが、バックライトアセンブリ104のこの特定の設計が本発明にとって重要ではないということは理解されたい。
【0021】
通例多数の光管理フィルムを光管理フィルムスタック114内のバックライトアセンブリ104とディスプレイユニット102との間に介挿する。光管理フィルムスタック114は通例ディスプレイユニットに102に入射する光の様々な光学特性を制御する多数のフィルムを含む。例えば光管理フィルムスタックは、フィルムスタック114を介して上方へ通過する光の強度を均一化する第1の拡散フィルム116を含み得る。
【0022】
フィルム118および120は、各々が上面にわたって延びる一列のプリズム形リブ119を有する構造化フィルムであってもよい。プリズム状リブは光をシステム100の軸121に向けるのに役立つ。フィルム118のリブ119は光を図の面内で変向する。フィルム120のリブは通例フィルム118のリブに垂直に配置されているため、フィルム120のリブは光を図の面外の方向に変向する。これを十字構造構成と称し得る。他の実施形態(図示せず)では層118および120をバックライトアセンブリ104から受け取った光を変向する単一構造化光学フィルムに交換し得る。
【0023】
またスタック114は反射型偏光層122も含み得る。この層は不適切な偏光状態のバックライトアセンブリ104からの光をリサイクルして画像光としてディスプレイユニット102を透過させるのに有用である。反射型偏光子122により反射された光は反射板110によって拡散反射され、いくらか偏光混合があるため、反射光の少なくとも一部分は画像光として利用する補正偏光でディスプレイユニット102を通過する。また他の拡散層(図示せず)を反射型偏光子122とディスプレイユニット102との間に介挿し得る。
【0024】
なお実際のシステム設計によっては、層116〜122により示される要素のうちのいくつかが無くても追加しても他の機能的要素と置き換えてもよい。例えば1つ以上のシートをカバーシートとして追加してもよく、それが拡散特性を有しても有さなくてもよい。カバーシートは艶消し仕上げまたは画像の欠陥の出現を低減する他のタイプの乱塊表面構造を有してもよい。他の光制御フィルムを含んでもよく、例えば光制御機能を有する拡散シートがフィルムスタックに追加されることが多い。さらにバックライトは電磁遮蔽用のインジウムスズ酸化物(ITO)などの導電性コーティングを含み得る。このような導電性コーティングを別体のフィルムまたはフィルムスタック内の1つ以上の光制御フィルム上に被覆し得る。
【0025】
このようなバックライトアセンブリ104では、個々の光学フィルム層116〜122の各々は従来技術では製造中に個別にディスプレイ枠に挿入される。全体のディスプレイ厚さを減少させるためにフィルム116〜122の厚さを減少させることが重要であることが多いため、個々のフィルム116〜122が非常に薄く作製される場合がある。その結果個々のフィルム剛性は低く、製造中の取り扱い、処理、および組立の難しさが増す恐れがある。またこれらのフィルム層は精密な光学機能性を有することが多いため、引掻またはごみなどの表面欠陥の導入がシステム全体の性能を損なう場合がある。各フィルム層は両面保護ライナーを有する状態でメーカーにより提供されることが多く、バックライトアセンブリに挿入する前に両面保護ライナーを除去しなければならない。ライナー除去動作とその結果バックライトアセンブリへの挿入は精密なフィルムを多くの欠陥導入可能状態にさらす恐れがある。このような欠陥の例には引掻ならびに静電気の蓄積によるフィルム表面への綿埃および他のごみの吸着がある。複数のフィルム層をバックライトアセンブリ内に組み込む場合、欠陥の発生/導入の可能性がさらに増大し、余分な再加工および高単価によって低製造スループットになる恐れがある。
【0026】
本発明は取り扱いおよび最終的バックライト/システムアセンブリ効率を向上させるために様々な光学フィルム層を結束する手法に関する。さらにフィルムの結束は剛性を向上させるとともに機械的により安定したフィルムになり得る。
【0027】
複数の光学層を結束する1つの方法はフィルムの各々間に接着剤層を挿入することを含む。この接着剤層はスタック全体にわたって縁部から縁部まで存在してもよく、スタックの1つ以上の縁部に沿って配置してもよく、またはフィルム層のいくつかまたはすべての領域上にパターン化してもよい。
【0028】
本発明による接着フィルムスタック200を形成する1つの手法が図2Aに概略的に図示されている。層218および220はディスプレイシステム内の光管理フィルムスタック内に見られるような異なる光学層を表している。例えば層218は層220に対向する側に構造化表面222を有する。構造化表面222は通例フィルム218を通過する光を屈折するのに用いられる形状を含む。図示の実施形態において構造化表面222はプリズム状断面を有するリブ224を有するプリズム状表面である。このようなフィルムの一例はミネソタ州セントポールのスリーエム・カンパニー(3M Company(St.Paul, Minnesota))から入手可能なBEF型フィルムである。第2のフィルム222は下面228上に接着剤層226を有する。構造化表面222の一部分は接着剤層226に貫入しているため、下部フィルム218は上部フィルム220に接着することになる。
【0029】
構造化表面222は二等辺三角形の断面を有するプリズムに限定する必要はなく、異なるタイプの断面を有するリブを含み得ることは理解されよう。例えばリブの断面は他のタイプの三角形プリズム、切頭プリズム、丸みのあるプリズム、および正弦曲線または放物線などの曲線を含み得る。さらに構造化表面222はリブで構造化することに限定する必要はなく、角錐および/または支柱で構造化してもよい。
【0030】
上部層220は任意の所望タイプのフィルム、例えば他の構造化フィルム、反射型偏光フィルム、吸収型偏光フィルム、拡散層等であってもよい。反射型偏光フィルムは任意の好適なタイプの反射型偏光子を含み、反射型偏光子には多層高分子反射偏光子、ワイヤグリッド反射型偏光子、コレステリック反射型偏光子、および拡散反射型偏光子があるがこれに限定されない。
【0031】
さらにまた構造化表面222を有する層218は、光がフィルム軸に対して大きな角度で上部層220から下部層218に通過する場合には調整フィルムとして動作する。フィルム軸はフィルムの平面に垂直に位置する。光は1つの表面を介してプリズム状リブ224のうちの1つに進入した後、次の表面で完全に内部反射されてフィルム軸に接近する方向に伝播する。
【0032】
フィルム層218および220の一方に導電性コーティング、例えばインジウムスズ酸化物(ITO)の層または導電性ポリマーを設けてもよく、または接着剤226が導電性接着剤層であってもよい。導電層を設けることは電気的構成要素を電気ノイズおよび界面からの電気的遮蔽を提供するのに有用であり得る。さらに接着剤層226に顔料または染料を供給してフィルムのスタックを通過する光の可視光スペクトルを調節してもよい。
【0033】
ある状況において、光学フィルム層を接合する手法が任意の表面構造の所望の屈折および反射特性を維持する能力を提供する場合、特に空間が限定された用途においてスタック厚さに対する追加厚さが僅かであるまたは無い場合、光学フィルムのパッケージ化スタックを構成することが望ましい。接着剤層226をフィルムスタックに大きな厚さを追加せずに用いることが可能であり、それは空間が限定された用途において有利である。例えば接着剤226の薄層を、構造化表面222が接着剤226の他方側の表面228まで接着剤を貫通した状態で用いてもよい。
【0034】
状況によっては比較的厚い接着剤層を用いることが望ましい。これらの状況における用語「厚い」は、接着剤層の厚さが構造化表面の構造の高さのかなりの部分、例えば四分の一以上であることを意味する。例えばいくつかの追加機能性を接着剤層226に提供することが望ましく、この場合接着剤層の最適な厚さは構造化表面を下層へ接着するためだけに必要な厚さよりも厚い。このような場合積層プロセスを制御して構造化表面222が確実に制御深さまで接着剤層226に貫入し、図2B参照、接着剤層226の他方側の層220の表面228まで完全に貫通しないようにし得る。接着剤層226内への構造化表面222の貫入が深すぎると、構造化表面222の屈折および反射特性が許容できないほど大きく減少することになる。しかし貫入深さを制御することは構造化層のこのような屈折および反射特性の劣化の可能性を減少させる一方で、構造化表面と下層との間に接着力を提供するとともに接着剤に所望の光学特性を提供する。
【0035】
接着剤層226内に延びる表面形状250の拡大図が概略的に図2Cに図示されている。表面形状の高さはhであり、接着剤層226の厚さはdである。図示の実施形態において形状250は上部層の表面228に達するように接着剤層226内に押し込まれている。構造化表面222の光力、つまり反射および屈折特性は接着剤226の層が薄い場合はあまり影響を受けない。厚さdは高さh未満でなければならないが、好適にはhの50%未満、より好適にはhの20%未満である。図示しない他の実施形態では形状250を表面228に達するように接着剤層226内に押し込まなくてもよい。その代わり形状250を部分的に接着剤層226内に押し込んでもよい。このような場合、接着剤層内への貫入深さがhの50%未満であることが好ましく、hの20%未満であることがより好ましい。
【0036】
本発明の他の形状が図2Dに図示されており、接着剤262の層内に貫入している形状260を示している。形状260に近接する接着剤は必ずしも上部層の表面266に平行に存在せず、形状260の側部に沿って吸い上げてもよい。ウィッキング264の範囲はいくつかの要因、例えば接着剤として用いる材料、接着材料の(流動性)、接着材料の架橋度、接着材料および構造の表面エネルギー、特徴260を接着材料内を貫通させる温度、ならびに積層プロセスの圧力、速度、および温度などの積層プロセスのプロセス条件などによる。
【0037】
光線270の一例が形状260を通過するように示されており、どのように光が屈折面272の部分274に屈折されて表面272と接着剤262との間の間隙276に進入するかを図示している。接着剤262に接する屈折面272の一部分を通過している他の光線278が示されている。全体表面272を光で照明し得る点で全体表面272が活性(アクティブ)であると説明し得る。アクティブ表面272の一部分280が接着剤262に接している一方、他の部分274は接着剤262に接していない。アクティブ表面272が接着剤に接しているとアクティブ表面272の反射および屈折特性が変化するため、接着剤層が薄い場合にアクティブ表面272の反射および屈折特性の変化が減少する。しかし十分な接着力を提供して、例えばディスプレイの製造中に取り扱う際に接着層が互いに剥離しないようにすることも重要である。
【0038】
上記に提案したように、接着剤層は単なる接着よりも機能性を提供し得る。例えば拡散粒子を接着剤内に分散することにより大きな拡散特性を獲得し得る。他の例において接着剤層に染料および/または顔料を提供してフィルムスタックを通過する光を着色し得る。また例えば接着剤に位相が接着剤混合物の残り部分と離れた成分を含むなどの他の方法で拡散特性を追加し得る。
【実施例】
【0039】
実施例1
図2Aに図示した構成のサンプルを、高さ12μmのプリズム状構造を有する厚さ50μmの基板を有するプリズム状構造化フィルムを用いて作製した。プリズム状特徴の頂角は約90°であった。接着剤の薄いコーティングをスリーエム・シン・ブライトネス・エンハンスメント・フィルム(3M Thin Brightness Enhancement Film(TBEF))のシートの平面側に塗布してこれらのサンプルを作製した。TBEFの第2のシートをプリズム状溝が第1のシートの溝に対しておよそ90°配向した状態で接着剤に積層した。
【0040】
異なる接着剤を用いて形成した2組の積層物に対して走査電子顕微鏡(SEM)を用いて取得した上記構造を通る断面が図3および4に図示されている。図3に示した構成に用いた接着剤は、ビスアマイドを接着剤固形分に対して0.15%架橋した、イソオクチル・アクリレート/アクリル酸(IOA/AA)の比率が81%/19%のおよそ1μmの厚さの層であった。図4に示した構成に用いた接着剤は、イソオクチル・アクリレート/アクリル酸/メチルアクリレートの比率が57.5%/35%/7.5%の混合物を有するUV硬化性ウレタン層であった。この接着剤は架橋しなかった。
【0041】
積層フィルム構造の光学特性を制御するための重要な特徴の1つは接着剤内へのプリズム先端の貫入の深さである。概して貫入が増すとフィルムを通過する光の軸上輝度が低下する。貫入の深さは先端におけるウィッキング量を含む。例えばより柔軟で低粘性接着剤は先端をより吸い上げることができるとともに、同じ厚さでより剛性で高粘性の接着剤よりもはるかに高い有効貫入深さを有することができる。
【0042】
図3および4のSEM画像間の重要な差は先端を吸い上げる接着剤量である。図4に示したより柔軟でより流動的な接着剤は、図3に示したより剛性の接着剤よりはるかに吸い上げる。そのため構造を通過する光の輝度は貫入深さの優れた予測判断材料である。また同じ厚さおよび屈折率であるなら、輝度は生じる吸上量の優れた予測判断材料である。ピークまたは軸上輝度を測定することにより貫入深さを推測し得る。これは異なる接着剤の特性を比較する際に重要な特徴である。異なる接着剤は同様な表面エネルギーおよび移動性などの浸潤特性を有するはずであり、さもなければ屈折率および接着力などの要因の比較が混乱する。また表面エネルギーも貫入深さに関係しているが、剛性が増すにつれて重要ではなくなる。そのため接着剤が十分に硬化する場合には、表面力は接着剤の形状を変化させるほど強くなく吸い上げを無視することができる。
【0043】
実施例2
異なるタイプの接着剤を用いて様々な層厚さに数個の交差TBEFフィルムの積層構造を形成した。構造を通過する光の輝度を測定して接着剤のない一組の交差TBEFフィルムに対して正規化した。その結果を図5に示す。フィルムを通過する角度に対する輝度分布を測定するオートロニック・コノスコープ(Autronic Conoscope)を用いて積層構造の光学輝度を測定した。
【0044】
この実験では5つの異なるタイプの接着剤を用いた。曲線502は第1の架橋レベルを有するウレタンアクリレート(UA)およびイソオクチル・アクリレート(IOA)アクリル酸(AA)の層に相当する。曲線504および506もそれぞれIOA/AA成分の架橋レベルが高いウレタンアクリレートに相当する。曲線508はイソオクチル・アクリレート/アクリル酸(IOA/AA)の層に相当し、曲線510は架橋していないエポキシアクリレート(EA)およびIOA/MA/AAの層に相当する。
【0045】
一般に輝度は接着剤の厚さが増加するにつれて減少する。貫入の深さを示すプロットは接着剤毎に異なっている。UA層の架橋量が増すにつれて輝度が増し、このように構造の輝度が接着剤の剛性と共に増加することを示している。IOA/AA接着剤がUA/IOA/AA接着剤より剛性であり、UA/IOA/AA接着剤がEA/IOA/MA/AA接着剤より剛性であることも推測できる。
【0046】
積層構造を形成する際に用いた接着剤は、積層前に部分的に架橋しおよび/または積層後に部分的にまたは完全に架橋し得る。積層前後の部分的架橋の可能性を有する接着剤は、接着剤特性が積層プロセスに対しておよび最終製品において異なる特性を有することが可能になるという利点をもたらす。これにより所望の積層流動性を選択することで積層構造光学部品の光学特性の選択が向上する一方で、後で接着剤が流動する能力を限定するため、長期にわたる安定性が増す。上述した接着剤はUV硬化性ウレタンまたはエポキシを含んでいる。これらを選ぶのは両基板、特にプリズム先端への強力な接着力、および硬化後の能力のためである。これらのUV硬化性接着剤を、化学的性質が架橋後の能力を妨害しない標準的な感圧性接着剤(PSA)と組み合わせる。選んだPSA添加剤が積層を助ける良好な接着力を有すること、および流動性が容易に変化して浸潤を調整できることが有益である。IOA/AAおよびIOA/MA/AA共重合体はPSAの候補である。なおこの構造は必ずしもPSAを必要としない。通例PSAとは呼ばれない接着剤系も用い得る。
【0047】
実施例3
IOA/AAならびにIOA/AAまたはIOA/MA/AAおよびUV硬化性エポキシまたはウレタンの混合物を用いて作製した積層構造のサンプルを95%の相対湿度で100℃、85℃、および65℃の温度に1週間さらすことにより積層構造の環境安定性をテストした。サンプルはすべて目視検査に合格し、分離または気泡による失敗はなかった。これは気体が非常に容易に積層物内外に移動する能力による。サンプルはすべてある程度屈曲する。カーリングはダウンウェブ方向とクロスウェブ方向との間の膨張係数の差のため発生すると考えられる。接着剤は加熱環境で移動する場合があるため屈曲はサンプル中に残る。カーリングは、高ガラス転移温度を有する接着剤を用いることにより、高度に架橋させることにより、または膨張係数を一致させることにより減少し得る。屈曲はフィルム層がディスプレイ内で平坦に保持される場合は組立の問題にはならない。
【0048】
環境条件下でテストした接着剤は、ビスアマイド架橋剤0.15〜0.3%のIOA/AA、0.1〜0.3%でビスアマイド架橋したUAおよびIOA/AA、ならびにEAおよびIOA/MA/AA混合物であった。
【0049】
比較的柔軟な接着剤において積層構造の輝度は9パーセントポイントも減少した一方で、積層後にさらに架橋したサンプルは±1〜2%の輝度差を示した。一般に後架橋サンプルは接着剤層が薄い場合、環境露出中に輝度が若干向上した。
【0050】
実施例4
実施例2で説明した異なる積層構造の接着剤特性をテストをして剥離強度を得た。
【0051】
後硬化性接着剤が剥離強度を増加したことが分かった。前硬化性成分に対する後硬化性成分の比を調整することにより、高剥離強度を得ることができる。図6に与えられたプロットは剥離強度を接着剤厚さの関数として示している。曲線602、604および606はそれぞれ図5の曲線502、504および506に関して上述したUA接着剤層に相当する。同様に曲線608は図5の曲線508に関して上述したIOA/AA接着剤層に相当し、曲線610は図5の曲線510に関して上述したEA接着剤層に相当する。なお接着力は対数目盛で与えられている。剥離強度はすべて4インチ/分で180°剥離である。
【0052】
図7に呈示されている他のグラフは、接着剤のない交差TBEFフィルムに対して正規化した輝度を接着力の関数として示している。曲線702、704および706はそれぞれ図5および6の曲線502/602、504/604および506/606に関して上述したUA接着剤に相当する。曲線708は図5および6の曲線508および608に関して上述したIOO/AA接着剤に相当する。曲線710は図5および6の曲線510および610に関して上述したEA接着剤に相当する。積層構造の実用的な考えでは構造が比較的高輝度と比較的高接着力を有さなければならないと提案しているため、このグラフは有用な情報を提供する。そのため右上四分の一にあるこれらの点は接着剤強度と光学的輝度とのより望ましい組み合わせを提供していると思われる。30g/インチ以上の接着力を有する点は十分に強く、ライナー除去技術に関係なく切断動作およびその後の保護ライナーの除去中に離層に耐えることができると思われる。約30g/インチ未満の接着力を有する構造の残存はライナー除去プロセスに依存し得る。
【0053】
実施例8
光学利得(輝度)、視野角、干渉模様、拡散、および欠陥を隠蔽する能力などの積層構造の光学特性は、すべて接着剤および/または積層技術により影響され得る。異なる接着剤タイプおよび厚さで作製した積層構造の水平および垂直視野角は図8Aおよび8Bに示したグラフにそれぞれ図示されている。各グラフにおいて積層構造を通過する光に対する相対輝度を垂線に対する角度の関数としてプロットした。最高利得に相当する曲線802および852は接着剤のない交差TBEFを用いて得られた。またこれらの曲線は最も狭い視野角に相当する。他のプロットはTBEFを用いた様々な積層構造に相当する。このプロットで用いた接着剤は異なる初期架橋レベルでのUAバージョンである。これらのプロットは積層構造の多用性を示している。視野角は変化し得るが、より柔軟なカットオフおよびより広い視野角が必要な用途において有用な特性である。なおより大きな視野角構造は接着力が高いため機械的により安定している。
【0054】
反射干渉模様は積層構造自体には見られない。またPDAで用いた場合に見られる反射干渉模様は非接着交差TBEF構造と比べて減少した。
【0055】
また積層構造は非接着交差TBEFよりも拡散を生じる。拡散量は接着剤厚さの増加と共に増加する。拡散を用いて光プロファイルを特定の用途に合わせることができる。従って積層構造は、ディスプレイがフィルム管理スタック内に別体の拡散板を必要としない可能性をもたらすため、フィルム管理スタックの高さおよびコストをさらに減少させる。拡散を増加させる1つの手法は接着剤層内にパターンを微細複写することである。上部プリズムに平行な接着剤層内に形成されたリニアパターンは、輝度または視野角を大きく変えることなく拡散を提供し得る。粒子または応力による屈折率変化を用いて拡散を増加させてもよい。
【0056】
積層構造は外観の均一性を向上させる能力を提供する。この特性は以下の作用のうちの1つから生じ得る。1つの作用は検査可能な表面の排除である。シートの中心に生じる欠陥は積層構造の自然拡散によって隠蔽し得るため、これらの異形を非機能化する。他の作用は接着剤層によるプリズム先端の屈折率適合である。損傷を受けたプリズムの先端を接着剤に埋め込んでもよい。そのためプリズムの先端は屈折率が少なくともある程度一致するため、接着剤内に埋め込まれた損傷を受けた先端は大きな欠陥を生じにくい。先端の小さな欠陥は完全に消える一方、先端の大きな欠陥は大きさが減少する。他の作用は積層構造により提供されるさらなる拡散である。これは2つの別の配光から生じると思われる。一方の配光はスタックを通過する光の通常の配光であり、他方は接着剤と接する領域における屈折および反射差により生じる新たな配光である。これらの2つの異なる配光は混合光になり画像をより分解しにくくする。
【0057】
積層構造は通例プリズムの先端を接着剤内に完全に貫入させる積層条件を用いて製造する。1組の積層条件下で積層温度を1インチ/秒(2.5cm/秒)以上の積層速度で180°Fに設定する。接着剤層内へのプリズム先端の完全な貫入は接着力を最大にし、サンプルのばらつきを減少させ、得られる積層構造が時間および温度とともに変化しない可能性を増加させる。上述したサンプルをすべて同一積層条件で積層したため、積層条件は必ずしも各サンプルに最適化されてはいなかった。
【0058】
ディスプレイ900の分解図が図9に示されており、ディスプレイの様々な部分がどのように組み立てられてディスプレイを形成するかを示している。ディスプレイ900は枠902を用いて他の構成要素を含む。枠902は1つ以上のスロット904、または光管理フィルムスタック内のフィルムを位置合わせするための他の位置合わせ形状、例えばピン等を含み得る。
【0059】
バックライトアセンブリ906は枠902内に配置される第1の構成要素である。バックライトアセンブリ906は導光体910の縁部を照明する1つ以上の光源908を含む。その後光管理フィルムスタック912をバックライトアセンブリ906の上方に配置する。光管理フィルムスタック912は、表面構造化フィルムに対して上述したように互いに接着された2つ以上の光管理フィルム914を含む。偏光子を含むディスプレイ要素920、例えば液晶ディスプレイ要素を光管理フィルムスタック912の上方に配置する。
【0060】
光源908およびディスプレイ要素が電力および制御信号を受け取る電気接続を有することは理解されよう。これらの電気接続は図示しない。
【0061】
フィルムスタック912の実施形態を通る断面図が図10に概略的に示されている。この特定の実施形態において、下部フィルムはプリズム状構造化フィルム1002であり、そのプリズム状リブは第1の方位(図の面外)に配向されている。下部フィルム1002の上方には第2のプリズム状フィルム1004があり、そのプリズム状リブは第1のフィルム1002のリブに垂直(図の平面に平行に)に配向されている。第2のプリズム状フィルム1004はその下面に接着剤層1006を有する。下部フィルム1002の構造形状、この場合プリズム状リブの少なくともいくつかは接着剤層1006に貫入している。
【0062】
例えば反射型偏光子、拡散フィルム等であり得る上部フィルム1008はその下面に第2の接着剤層1010を有する。第2のプリズム状フィルム1004の構造形状の少なくともいくつかは第2の接着剤層1010内に貫入している。
【0063】
他の光学フィルム層をスタック912に追加し得ることは理解できよう。このような追加フィルム層はスタックに取り付ける必要はなく、または同じまたは別の手法を用いてスタックの他のフィルム層に取り付けてもよい。例えば1つ以上のフィルム層は、共同所有の米国特許出願第10/346,615号明細書に説明されているようなゼロ厚さ接着技術を用いて取り付けてもよく、または他の技術を用いて取り付けてもよい。
【0064】
異なる手法を用いてスタックフィルムの光学的品質の劣化を低減または防止し得る。例えばニュートンリングにつながるフィルム間の汚染粒子の存在を減少させるように処理する。さらに互いに接する表面の一方または両方に浸潤を低減するためにわずかな高さ変化を設けてもよく、これは例えば米国特許第6,322,236号明細書に説明されており、本発明に引用して援用する。これは図11に概略的に図示されている。図11は構造化表面1104を有する第1のフィルム1102を示し、形状1106が第2のフィルム1112の下面1110上の接着剤層1108に貫入している。下面1110は平坦ではなく、高さにランダム変化が設けられていることにより第1のフィルム1102のプリズム状リブに沿った浸潤を防止する。
【0065】
他の手法においてプリズム状構造化フィルムに変動高さ構造化表面を設けてもよく、これは米国特許第5,771,328号明細書に説明されており本発明に引用して援用する。これは図12に概略的に図示されており、構造化表面1204を有する第1のフィルム1202を示している。この特定の実施形態において、構造化表面1204は異なる高さを有するプリズム状リブ付き形状1206を含む。最も高い形状1206が上部層1212の下面1210上の接着剤層1208内に最も深く貫入している。図示の実施形態では最も高い形状1206は上部層の下面1210まで接着剤層1208内に押し込まれている。それほど高くない他の形状1206は表面1210に達しないかまたは接着剤層1208を貫通さえしない場合もある。
【0066】
接着された光管理フィルムスタックをディスプレイ構成要素の他のものに直接接着してもよい。このようなディスプレイの一例が図13に概略的に図示されている。この特定の実施形態では接着フィルムスタック1314は接着スタックフィルム1318〜1324から形成されている。またディスプレイはディスプレイ要素1302と、光源1306を有するバックライトアセンブリア1304と、導光体1308とを含む。接着光学フィルムスタック1314を上記の方法の1つを用いて前もって互いに接着した後、選択したディスプレイ要素に固定してもよい。他の手法において、選択したディスプレイ要素への最終搭載時に接着プロセスを行ってもよい。
【0067】
図示の実施形態において接着フィルムスタック1314を、例えばバックライトアセンブリ1304の縁部に沿ってバックライトアセンブリ1304に取り付ける。他の実施形態では光学フィルムスタック1314をディスプレイ要素1302または枠(図示せず)に固定してもよい。この手法は機械的に行うことにより手作業による光学フィルムスタックの挿入を回避し得るため有利である。このように欠陥の導入を最小限にし得るとともに、製造スループットおよび単価を向上することができる。
【0068】
LCDテレビ画面および他の大型ディスプレイに特に有用であるディスプレイの2つの実施形態が図14A、14Bおよび14Cに概略的に図示されている。図14Aに図示されたディスプレイ1400において、光1402が1つ以上の光源1404により生成される。光源1404は任意の好適なタイプの光源であるか、または照明光1402に所望の色を実現する光源の組み合わせであってもよい。光源の例には冷陰極蛍光管、発光ダイオード等がある。反射板1405を光源1404の背後に配置してディスプレイから発光された光をディスプレイに向けて反射し返してもよい。反射板1405はディスプレイの照明をより均一にする助けとなるように拡散反射板でもよい。反射板1405は光源1404の下方に配置されたシート反射板の形状および側部に沿った反射面を有する反射ボックスまたはキャビティ(図示)形状を始めとするいくつかの異なる形状のうちの1つを取り得る。反射板1405は平坦である必要はなく所望の形状を有し得る。
【0069】
光1402は拡散板1406に進入する。拡散板1406を用いて光を拡散するため視認者はディスプレイ1400にわたって均一な画像輝度を知覚する。拡散板1406は剛性を提供するために数ミリメートルの厚さであるとともに拡散粒子を含み得る。拡散板1406は任意の好適な材料、例えばポリカーボネートまたはポリメチルメタクリレート(PMMA)で形成し得る。
【0070】
拡散板1406を通過後、光は広視野角を有する。テレビ画面は概して広い水平視野角を用いるため視認者は画面垂線に対して広範囲の角度から画像を見ることができる。一方画面垂線に対する視認者の垂直位置は通常水平の広がりよりかなり狭い範囲の広がりであるため、垂直視野角は概して水平視野角より小さい。そのため水平視野角に対して垂直視野角を減少させることが有利であり、より明るい画像になる。プリズム状輝度向上フィルム1408の層を用いて拡散板1406を通過した光の垂直視野角を低減してもよい。プリズム状輝度向上フィルム1408を拡散板1406に接着してもよい。他の実施形態ではフィルム1408と拡散板1406との間に空隙があってもよく、またはフィルム1408と拡散板1408との間に介在層があってもよい。
【0071】
LCD1416は通常第1および第2の吸収型偏光子1420および1422との間に挟持された液晶層1418を含む。光源1404からの光1402は概して未偏光であるため、反射型偏光子1412を輝度向上層1408とLCD1416との間に挿入して、第2の吸収型偏光子1422に吸収されかねない偏光状態の光をリサイクルしてもよい。反射板1412により反射された光は続いて、例えば拡散反射によりまたは偏光回転要素(図示せず)を通過することにより少なくとも部分的に偏光が回転される。反射型偏光子1412に戻ると、少なくとも反射光の一部分は反射型偏光子1412および第2の吸収型偏光子1422を透過する偏光状態である。反射型偏光子1412は任意の好適なタイプの反射型偏光子、例えばワイヤグリッド、拡散反射型偏光子、または多層高分子反射型偏光子である。さらに反射型偏光子はコレステリック偏光子であってもよく、さらに位相差板を含み透過光の偏光を第2の吸収型偏光子1422の透過偏光状態に適合させてもよい。
【0072】
プリズム状輝度向上フィルム1408のプリズム状構造化表面1410を接着剤層1414を介して反射型偏光層1412に取り付け得る。プリズム状構造化表面の頂点は接着剤1414内に少なくとも途中まで貫入しており、上述したように反射型偏光層1412の下面まで接着剤1414を完全に貫通してもよい。さらにまた接着剤1414内への貫入の深さを制御して垂直視野角を調整し得る。貫通深さが大きくなるほど垂直視野角が大きくなる。
【0073】
反射型偏光子1412を通過した光はその後LCD1416に向けられ、LCD1416は視認者の方へ通過する光に画像を印加する。第2の吸収型偏光子1422は反射型偏光子1412から分離したままであってもよく、または反射型偏光子1412に取り付けてもよい。第1の吸収型偏光子1420の外面1424を1つ以上の表面処理で処理してもよい。例えば外面1424に艶消し仕上げまたはぎらつき防止コーティングを設けてもよい。また外面1424に引掻に対する保護を提供するハードコーティングを設けてもよい。
【0074】
拡散板1406内で与えられる拡散に加えてさらなる拡散を画面1400内で与えてもよい。例えば接着剤1414は拡散粒子を含み得る。また反射型偏光子1412の一方または両方側に拡散層、例えば反射型偏光子1412と第2の吸収型偏光子1422との間に拡散接着剤層があってもよい。反射型偏光子1412自体が例えば反射型偏光子1412内に拡散粒子を含むことにより拡散性があってもよい。
【0075】
図14Bに概略的に図示されたディスプレイ1450の他の実施形態では、バルク拡散層1452が反射型偏光子1412と第2の吸収型偏光子1422との間に設けられている。バルク拡散層1452は例えばポリカーボネート、PMMA,ポリエチレン等を始めとする任意の好適なタイプのマトリックス材料で形成し得るがこれらに限定されない。マトリックス材料中に配置された概して数μmの大きさの複数の拡散粒子1453によりバルク拡散を与える。拡散粒子はマトリックス材料とは異なる屈折率を有し、特にガラスビーズ、ポリスチレンビーズ、二酸化チタン粒子または他の拡散粒子から形成し得る。
【0076】
またディスプレイ1450にプリズム状輝度向上フィルム1408と拡散板1406との間に接着剤1454の構造化層を設けてもよい。接着剤1454の構造化層はプリズム状輝度向上フィルム1408と拡散板1406との間に1つ以上の空隙1456を設け、これにより輝度向上フィルム1408の能力を高めて、光をディスプレイ1450の軸1458に近接する方向に変向する。接着剤の構造化層1454はプリズム状輝度向上フィルム1408のリブと平行または非平行であるリブを含むか、または何らかの他のパターン、例えば二次元パターンを用いて形成し得る。接着剤の構造化層1454は低充填比を有し、拡散板1406からフィルム1408内に通過する光の大部分は空隙1456を通過するため有利である。他の接着方法を用いてプリズム状輝度向上フィルム1408の下面に空隙を設け得ることは理解できよう。一例において構造化層を拡散板1406とフィルム1408との間に接着してもよい。この構造化層は上面に凹部を有してフィルム1408の下面と共に空隙を形成する。
【0077】
上述のディスプレイのいずれにおいても追加層および/または表面処理を用い得ることは理解できよう。例えば反射型偏光子1412の上面1413は、光拡散を増してLCD1416への光の照射均一性を増すように艶消し面であってもよい。ディスプレイの1つ以上の層に静電防止コーティング、例えば導電材料の薄層を設けてもよい。好適な導電材料の一例はインジウムスズ酸化物(ITO)であるが他の導電材料、例えば導電性ポリマーを用いてもよい。
【0078】
ディスプレイ画面1470の他の有用な実施形態が図14Cに概略的に図示されている。この実施形態ではプリズム状輝度向上フィルム1408および反射型偏光層1412を2つの支持シート1472と1474との間に配置する。支持シート1472および1474は任意の好適な材料で形成し得る。その材料は透過性があり、特に上部支持シート1472の場合は偏光維持性がある。支持シートは例えばポリカーボネートまたは他の適当に剛性で環境的に安定且つ機械的に丈夫な材料から作製し得る。支持シート1472および1474は任意の必要な厚さを有し得る。例えばポリカーボネート支持シート1472および1474はおよそ千分の2〜20インチ(0.05mm〜0.5mm)、より好適には約千分の10インチ(0.25mm)の範囲の厚さを有し得るが、厚さはこの範囲外でもよい。
【0079】
支持シート1472および1474を、例えば接着剤を用いてまたは積層によりそれぞれ反射型偏光子1412およびプリズム状輝度向上フィルム1408に接着する。この構造は接着反射型偏光子/プリズム状フィルムの結合体1476にさらに剛性をもたらすため、ディスプレイ1470の取り扱いおよび組立時の保護を提供する。2つの支持シート1472および1474を同一材料で形成する場合、2つの支持シート1472および1474の厚さが同じであることは特に有利である。これは結合体1476が異なる温度にさらされた時に反る可能性を低減する。他の実施形態においてプリズム状輝度向上フィルム1408を、例えば所望の剛性および機械的性能を提供するのに十分に厚い層上に複写により直接形成することにより、別体の下支持シート1474の必要性をなくし得る。
【0080】
本明細書に説明したプリズム状輝度向上層は任意の好適なプリズムサイズおよび頂角を有し得ることは理解できよう。プリズムの頂角が約90°であることが一般的であるが頂角に制限はない。しかし使用する特定の光源およびディスプレイの特定の用途によって輝度を向上させる好適な頂角範囲があり得る。さらにまたプリズム基部の長さは広範囲な値の任意の値であり得る。プリズム基部の長さは概してディスプレイのタイプ、フィルムスタックの許容厚さ、および接着剤厚さなどの要因により影響される。例えば視認者がディスプレイに近接し且つフィルムスタックが薄い必要があるハンドヘルドディスプレイでは、プリズム基部長さは短くなり数十ミクロンの範囲になる。接着剤層は結局かなり薄い。一方視認者が画面から遠いLCD−TVでは、ディスプレイの厚さは制限が少なくなり、プリズムのサイズは大きくてもよく数百ミクロンの範囲であり得る。大きなプリズムはディスプレイを通過する光の利得(軸上輝度)に影響を与えずに厚い接着剤層の利用を可能にする。これは画面サイズが60インチ(1.5m)以上にもなるLCD−TVディスプレイの構造の安定性を助ける。
【0081】
フラットパネルディスプレイなどの装置における接着フィルムスタック、または結束フィルムの利用はいくつかの利点を提供する。ディスプレイ、特にハンドヘルドディスプレイで用いられる光管理フィルムの多くは非常に薄い。例えばプリズム状構造化フィルムは各々約62μmの厚さを有し得るが、反射型偏光子は1μmから数百μmの範囲の厚さを有し得る。このような薄いフィルムは非常に可撓性があり、これがディスプレイの組立時の問題を生じ得る。一方多数の薄い可撓性フィルムの結束はより堅いフィルムパックを作製し、これが組立問題を容易にできる。またディスプレイを組み立てる際の個々の層の連続積層をなくすことは欠陥導入および最終歩留まり損失の可能性を最小限に抑える。さらにフィルムは通常メーカーによって両側に保護ライナーを有する状態でディスプレイ統合業者に送達されるため、フィルムを結束した場合ディスプレイ統合業者が除去しなければならない保護ライナー数が減る。これは歩留まりおよび製造単価をさらに最適化する。
【0082】
また光学フィルムの結束は、各個別フィルム層の別々の検査に対する最終検査および品質歩留まりを向上し得る。これは層が個々に検査される場合には検出され得る下層または他のフィルム結束層内にある欠陥を歪ませ且つ偽装を施しやすい構造化光学フィルムを用いる場合容易に考えられる。最後に上述した構造化フィルムを取り付ける方法などの結束の選択肢は結束したスタックに極わずかなスタック厚さの増加しか与えない。
【0083】
光学フィルムは大きなシートであり、場合によってはロール上に作製されることが多い。ディスプレイ内で組み立てられる個々のフィルム片は大きなシートから通常ダイにより切断される。フィルムを接着して接着スタックにするためのいくつかの異なる手法を用い得る。例えばフィルムを適当な形状にダイカットし、接着剤層をフィルムの他のフィルムの構造化表面に対向する下面上に広げ、そしてフィルムをスタック内で位置合わせして接着する。他の手法において、フィルムを例えばダイによって切断する前にまず接着する。また一度に2つ以上のフィルムを接着し得る。そのため3つ以上のフィルムを含むスタックを2つ以上の接着ステップを用いて形成し得ることは理解されよう。例えば第1の2つのフィルムを接合して接着スタックを形成した後、1つ以上の追加フィルムを1つ以上の接着ステップでスタックに接着し得る。
【0084】
ここで図15を参照して少なくとも2つのフィルムを接合する方法の1つの特定例を説明する。この特定な実施形態において第1のフィルムロール1502は少なくとも一方側にライナーを有する1本のフィルムを含む。ライナー1504はストリッピングロール1506によって除去される。また第2のフィルムロール1508も少なくとも一方側にライナーを有する1本のフィルムを含み得る。ライナー1510は第2のストリッピングロール1512によって除去される。除去済フィルム1514および1516はピンチローラ対1518に向かって移動する。
【0085】
コーター1520はピンチローラ対1518前に適当な厚さの接着剤層1522を下部フィルム1516の表面上に堆積する。ピンチローラ対1518を通過する際、上部フィルムの構造化表面1524は接着剤層1522内に所望の深さまで押し込まれる。
【0086】
ピンチローラ対1518を通過した後、2つのフィルム1514と1516との間の接着剤1522を、例えばUVランプ1526による照明によって硬化させる。その後積層フィルム1528をダイ1530に通して適当な形状に切断し得る。ダイ1530は積層フィルム1528の連続切断のための回転ダイでもよい。特定の一実施形態では回転ダイ1530をダイローラ1532とアンビルローラ1534とで形成する。ダイおよびアンビルローラ1532と1534との間の距離は、ダイローラ1532が積層フィルム1528を制御深さまで、つまり下部フィルムの下部ライナーまでキスカットするように設定し得る。その後周囲ウイード1536を除去することにより、下部ライナー層1540上に一連のフィルムスタック1538を残す。切断フィルム1540を収集ロール1542上に収集し得る。
【0087】
2つのフィルム1514および1516は任意の光管理フィルムでもよいが、上部フィルム1514は下部フィルム1516に対向する構造化表面1524を有する。構造化表面1524は例えば輝度向上フィルム用のプリズム状リブを有するプリズム状構造化表面でもよい。一実施形態では上部フィルム1514はフィルム1514のウェブにわたって配向されたリブを有するプリズム状構造化フィルムでもよく、一方下部フィルム1516はフィルム1514のウェブに沿って配向されたリブを有するプリズム状構造化フィルムであり、その逆でもよい。
【0088】
図15に図示されたシステムの変形例を用い得ることは理解できよう。例えば溶接および切断のプロセスを組み合わせて、超音波溶接およびダイカットを同時に行う一組のローラにしてもよい。例えばダイの隆起部が超音波エネルギーをフィルムに伝えてダイカット時にフィルムを溶接する。
【0089】
接着シートを積層する他の方法では、2つのロールがプリズム状構造化フィルムを含み、各々がウェブに沿って構造化されたリブを有する。このような状況では2つのロール1502および1510からのフィルム1514および1516は互いに直角に交差するため、積み重ねたプリズム状フィルムはピンチ/カッターローラ内で交差される。コーターを用いてピンチ/カッターローラに進入する前にフィルムのうちの1つをコーティングして、2つのフィルムを圧接且つ切断して所望のフィルムスタックを形成してもよい。
【0090】
図15に図示したシステムの変形例を用い得ることは理解できよう。例えば第3のフィルムまたは追加フィルムを超音波溶接機によって溶接したスタックに追加し得る。例えば第3のフィルムを接着剤層と共にフィルム1516の下面に追加することにより図15に図示したような構造を生じ得る。また追加フィルム層は第1の2つのフィルム1514および1516を互いに積層する時点とは別にまたは同時に追加し得る。さらにまた連続シートを供給する代わりに1つ以上のシートを個々の部分としてそれぞれのシート供給装置から供給してもよい。追加の接着剤層を追加シート間に挿入してもよく、または他の手法を用いて追加シートをフィルムスタックに取り付けてもよい。この手法は例えば米国特許出願第10/346,615号明細書に記載されており、本明細書に引用して援用する。本発明の範囲内でフィルムを積み重ね、接着し、切断する他の手法が続くことは理解できよう。
【0091】
上記のように本発明は光学ディスプレイに適用可能であるとともに、取り扱いが容易であり、ディスプレイユニットを組み立てる時間および複雑さを低減し、利得および視野角を調整できる光学ディスプレイフィルムユニットを製造するために特に有用であると考えられる。本発明は上述した特定の実施例に限定されるものと考えるのではなく、添付の特許請求の範囲に正しく記載されたように本発明のすべての態様を網羅するものと理解するべきものである。本明細書を検討すれば様々な変更例、同等プロセスおよび本発明を適用可能な多数の構造は、本発明が対象とする技術の当業者には容易に明らかになろう。特許請求の範囲はこのような変更例および装置を網羅しようとするものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
関連するリブ高さを有するプリズム状リブで構造化された第1の表面を有する第1の輝度向上光学フィルムと、
前記第1の光学フィルムの前記第1の表面と対向する第2の表面を有する第2の光学フィルムと、
前記第2の表面上の第1の接着剤層とを備え、前記第1の表面の前記プリズム状リブのうちの少なくともいくつかが前記第1の接着剤層内に貫入し、前記第1の接着剤層内に貫入している前記リブの前記関連するリブ高さ未満の厚さを前記第1の接着剤層が有する、ディスプレイ内の光を管理する光管理フィルムパッケージ。
【請求項2】
前記プリズム状リブのうちの少なくとも1つが対称断面を有する、請求項1に記載のフィルムパッケージ。
【請求項3】
前記第2の光学フィルムが、前記第1の光学フィルムに向けて配向されたリブなし表面と、前記第1の光学フィルムとは反対方向に向いた表面上に光指向リブ付きプリズムを有するプリズム状構造化表面とを有するプリズム状輝度向上フィルムである、請求項1に記載のフィルムパッケージ。
【請求項4】
前記第2のフィルムの前記第2の表面上の前記光指向リブ付きプリズムが、前記第1のフィルムの前記プリズム状リブに実質的に垂直に配向されている、請求項3に記載のフィルムパッケージ。
【請求項5】
前記第2の光学フィルムが第2の構造化表面をさらに含み、前記第2の構造化表面が関連する形状高さを有する構造化形状を含み、第3の表面と前記第3の表面上の第2の接着剤層とを有する第3の光学フィルムをさらに備え、前記第2の構造化表面の前記構造形状のうちの少なくともいくつかが前記第2の接着剤層内に貫入している、請求項1に記載のフィルムパッケージ。
【請求項6】
前記第2の接着剤層が、前記第2の接着剤層内に貫入している前記構造形状の前記形状高さ未満の厚さを有する、請求項5に記載のフィルムパッケージ。
【請求項7】
前記第1および第2の光学フィルムがプリズム状光指向フィルムであり、前記第3の光学フィルムが反射型偏光子である、請求項5に記載のフィルムパッケージ。
【請求項8】
前記第1の接着剤層内に貫入している前記構造形状の貫入深さが、前記第1の接着剤層内に貫入している前記形状の前記形状高さの二分の一未満である、請求項1に記載のフィルムパッケージ。
【請求項9】
前記第1の接着剤層内に貫入している前記構造形状の貫入深さが、前記第1の接着剤層内に貫入している前記形状の前記形状高さの五分の一未満である、請求項8に記載のフィルムパッケージ。
【請求項10】
前記第1の接着剤層が5μm未満の厚さを有する、請求項1に記載のフィルムパッケージ。
【請求項11】
前記第1のフィルムの前記第1の表面と対向する前記第2のフィルムの前記第2の表面が耐浸潤表面である、請求項1に記載のフィルムパッケージ。
【請求項12】
前記第2の光学フィルムが反射型偏光子である、請求項1に記載のフィルムパッケージ。
【請求項13】
前記反射型偏光子の前記第1の光学フィルムとは反対側に配置された拡散層をさらに備える、請求項12に記載のフィルムパッケージ。
【請求項14】
前記反射型偏光子および前記第1の輝度向上光学フィルムが共に接着結合体を形成し、前記接着結合体の少なくとも一方側に支持シートをさらに備える、請求項12に記載のフィルムパッケージ。
【請求項15】
前記第1の光学フィルムの前記第1の表面と反対側の第2の側に配置された拡散板をさらに備える、請求項12に記載のフィルムパッケージ。
【請求項16】
前記第1の光学フィルムと前記拡散板との間に配置された構造化接着剤層をさらに備え、前記第1の光学フィルムと前記拡散板との間に少なくとも1つの空隙を設ける、請求項15に記載のフィルムパッケージ。
【請求項17】
照明ユニットと、
ディスプレイユニットと、
前記照明ユニット源から前記ディスプレイユニットへ通過する光を管理するように前記照明ユニットと前記ディスプレイユニットとの間に配置された光管理ユニットとを備え、前記光管理ユニットが、関連するリブ高さを有するプリズム状リブで構造化された第1の表面を有する第1の光学フィルムと、前記第1の光学フィルムの前記第1の表面と対向する第2の表面を有する第2の光学フィルムと、前記第2の表面上の第1の接着剤層とを備え、前記第1の表面の前記プリズム状リブのうちの少なくともいくつかが前記第1の接着剤層内に貫入し、前記第1の接着剤層が前記第1の接着剤層内に貫入している前記リブの前記関連するリブ高さ未満の厚さを有するディスプレイシステム。
【請求項18】
前記ディスプレイユニットに結合された制御ユニットをさらに備え、前記ディスプレイユニットにより表示される画像を制御する、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記ディスプレイユニットが液晶ディスプレイ層を含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記液晶ディスプレイ層の視認側の吸収型偏光層と前記液晶ディスプレイ層の光源側の吸収型偏光子とをさらに備える、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記照明ユニットが導光板を照明する1つ以上の光源を含み、前記1つ以上の光源からの光が前記導光板に進入して前記導光板の側壁を通して前記光管理ユニットへ通過する、請求項17に記載のシステム。
【請求項22】
前記照明ユニットと、前記光管理ユニットと、前記ディスプレイユニットとを保持する枠をさらに備える、請求項17に記載のシステム。
【請求項23】
前記光管理ユニットの少なくとも前記第1の光学フィルムおよび第2の光学フィルムが、前記光管理ユニットを前記枠内に位置付ける1つ以上の周囲位置合わせタブを含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
プリズム状リブ付きの第1の光学フィルムのプリズム状リブを、第2の光学フィルムの表面上の第1の接着剤層内に、前記プリズム状リブの一部分と前記第1の接着剤層との間に間隙を残すような深さまで押し込むステップを含む、光学フィルムの積み重ね方法。
【請求項25】
前記第1の光学フィルムおよび第2の光学フィルムをそれぞれのロールから渡すステップと、前記第1の光学フィルムおよび第2の光学フィルムを重ねるステップと、前記第1の光学フィルムおよび第2の光学フィルムを連続的に一体に押圧するステップと、前記第1の光学フィルムおよび第2の光学フィルムを連続方法で所望のサイズに切断するステップとをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
第1のライナー層および第2のライナー層を前記それぞれの第1の光学フィルムおよび第2の光学フィルムから除去するステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第1の光学フィルムおよび第2の光学フィルムを切断するステップが、前記第1の光学フィルムおよび第2の光学フィルムを前記光学フィルムのうちの一方に付随するライナー層を未切断のままにしておく深さまで切断するステップを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記プリズム状リブを前記第1の接着剤層内に押し込んだ後、前記接着剤層を硬化させるステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記第1の光学フィルムおよび第2の光学フィルムを切断するステップが、前記第1の光学フィルムおよび第2の光学フィルムをダイローラを通過させるステップを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記第2の光学フィルムが、前記第1の光学フィルム上の前記プリズム状リブの配向と垂直な第2の配向にあるプリズム状リブを有するプリズム状リブ付きの第2の光学フィルムである、請求項24に記載の方法。
【請求項31】
前記第1の光学フィルムおよび第2の光学フィルムを少なくとも第3の光学フィルムと積み重ねて接着スタックを形成するステップをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項32】
前記第3の光学フィルムが反射型偏光子である、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記第1の光学フィルムおよび第2の光学フィルムのうちの少なくとも一方をシート供給装置からのシートとして供給して、前記第1の光学フィルムの前記プリズム状リブを前記第1の接着剤層内に押し込む前に前記第1の光学フィルムおよび第2の光学フィルムを重ね合わせるステップをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項34】
光が通過する活性屈折面を含む屈折性形状で構造化された第1の表面を有する第1の光学フィルムと、
前記第1の光学フィルムの上方に配置され、第2の表面を有する第2の光学フィルムと、
前記第2の表面上の第1の接着剤層とを含み、前記屈折性形状のうちの少なくともいくつかが前記第1の接着剤層と前記第1の表面の一部分との間に間隙を残すように前記第1の接着剤層内に部分的に貫入し、前記貫入形状の前記活性面の一部分が前記間隙と界面を有するとともに前記貫入形状の他の部分が前記第1の接着剤層と界面を有している、ディスプレイ内の光を管理する光管理フィルムパッケージ。
【請求項35】
前記第1の表面がプリズム状リブで構造化されている、請求項34に記載のフィルムパッケージ。
【請求項36】
前記プリズム状リブのうちの少なくとも1つが対称断面を有する、請求項35に記載のフィルムパッケージ。
【請求項37】
前記第2の光学フィルムが、前記第1の光学フィルムに向けて配向されたリブなし表面と、前記第1の光学フィルムとは反対方向に向いたプリズム状リブを有する表面とを有するプリズム状光指向フィルムである、請求項34に記載のフィルムパッケージ。
【請求項38】
前記第1の表面がプリズム状リブで構造化されているとともに、前記第2フィルム上の前記プリズム状リブが前記第1のフィルムの前記プリズム状リブに垂直に配向されている、請求項37に記載のフィルムパッケージ。
【請求項39】
第3の表面と前記第3の表面上の第2の接着剤層とを有する第3の光学フィルムをさらに含み、前記第2の光学フィルムの前記プリズム状リブのうちの少なくともいくつかが前記第2の接着剤層内に貫入している、請求項37に記載のフィルムパッケージ。
【請求項40】
前記第3の光学フィルムが反射型偏光子である、請求項39に記載のフィルムパッケージ。
【請求項41】
前記第1の接着剤層内に貫入している前記屈折性形状の貫入深さが、前記第1の接着剤層内に貫入している前記屈折性形状の前記形状高さの二分の一未満である、請求項34に記載のフィルムパッケージ。
【請求項42】
前記第1のフィルムの前記第1の表面と対向する前記第2のフィルムの前記第2の表面が耐浸潤面である、請求項34に記載のフィルムパッケージ。
【請求項43】
前記第1の接着剤層の厚さおよび前記第1の接着剤層内への前記第1の構造化表面の貫入深さが、前記フィルムパッケージを通過する光の特性が接着剤層のない前記第1の光学フィルムおよび第2の光学フィルムのスタックを通過する光の特性とは異なるように選択される、請求項34に記載のフィルムパッケージ。
【請求項44】
前記第2の光学フィルムが反射型偏光子である、請求項34に記載のフィルムパッケージ。
【請求項45】
前記反射型偏光子の前記第1の光学フィルムとは反対側に配置された拡散層をさらに備える、請求項44に記載のフィルムパッケージ。
【請求項46】
前記反射型偏光子および前記第1の光学フィルムが共に接着結合体を形成し、前記接着結合体の少なくとも一方側に支持シートをさらに備える、請求項44に記載のフィルムパッケージ。
【請求項47】
前記第1の光学フィルムの前記第1の表面と反対側の第2の側に配置された拡散板をさらに備える、請求項44に記載のフィルムパッケージ。
【請求項48】
前記第1の光学フィルムと前記拡散板との間に配置された構造化接着剤層をさらに備え、前記第1の光学フィルムと前記拡散板との間に少なくとも1つの空隙を設けている、請求項47に記載のフィルムパッケージ。
【請求項49】
照明ユニットと、
ディスプレイユニットと、
前記照明ユニット源から前記ディスプレイユニットへ通過する光を管理するように前記照明ユニットと前記ディスプレイユニットとの間に配置された光管理ユニットとを備え、前記光管理ユニットが、光が通過する活性屈折面を含む屈折性形状で構造化された第1の表面を有する第1の光学フィルムと、前記第1の光学フィルムの上方に配置され、第2の表面を有する第2の光学フィルムと、前記第2の表面上の第1の接着剤層とを備え、前記屈折性形状のうちの少なくともいくつかが前記第1の接着剤層と前記第1の表面の一部分との間に間隙を残すように前記第1の接着剤層内に部分的に貫入し、前記貫入形状の前記活性面の一部分が前記間隙と界面を有するとともに前記貫入形状の他の部分が前記第1の接着剤層と界面を有しているディスプレイシステム。
【請求項50】
前記ディスプレイユニットに結合された制御ユニットをさらに備え、前記ディスプレイユニットにより表示される画像を制御する、請求項49に記載のシステム。
【請求項51】
前記ディスプレイユニットが液晶ディスプレイ層を含む、請求項49に記載のシステム。
【請求項52】
前記液晶ディスプレイ層の視認側に吸収型偏光層と前記液晶ディスプレイ層の光源側に吸収型偏光子とをさらに備える、請求項51に記載のシステム。
【請求項53】
前記照明ユニットが導光板を照明する1つ以上の光源を含み、前記1つ以上の光源からの光が前記導光板に進入して前記導光板の側壁を通して前記光管理ユニットへ通過する、請求項49に記載のシステム。
【請求項54】
前記照明ユニットと、前記光管理ユニットと、前記ディスプレイユニットとを保持する枠をさらに備える、請求項49に記載のシステム。
【請求項55】
前記光管理ユニットの少なくとも前記第1の光学フィルムおよび第2の光学フィルムが、前記光管理ユニットを前記枠内に位置付ける1つ以上の周囲位置合わせタブを含む、請求項54に記載のシステム。
【請求項56】
第1の光学フィルムの屈折性形状の活性屈折面を、第2の光学フィルムの表面上の第1の接着剤層内に、前記第1の接着剤層と前記活性屈折面の一部分との間に間隙を残し、前記活性屈折面の他の部分が前記第1の接着剤層の接着剤に接するような所定の深さまで押し込むステップを含む、光学フィルムの積み重ね方法。
【請求項57】
前記第1の光学フィルムの前記屈折性形状はプリズム状リブである、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記第1の光学フィルムおよび第2の光学フィルムをそれぞれのロールから渡すステップと、前記第1の光学フィルムおよび第2の光学フィルムを重ねるステップと、前記第1の光学フィルムの前記活性屈折面を連続方法で前記第1の接着剤層内に押し込むステップと、前記第1の光学フィルムおよび第2の光学フィルムを連続方法で所望のサイズに切断するステップとをさらに含む、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
前記第1の光学フィルムおよび第2の光学フィルムを切断するステップが、前記第1の光学フィルムおよび第2の光学フィルムを前記第2の光学フィルムに付随するライナー層を未切断のままにしておく深さまで切断するステップを含む、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記第1の光学フィルムおよび第2の光学フィルムを切断するステップが、前記第1の光学フィルムおよび第2の光学フィルムをダイローラを通過させるステップを含む、請求項58に記載の方法。
【請求項61】
前記第2の光学フィルムが、前記第1の光学フィルム上の前記プリズム状リブの配向と垂直な第2の配向にあるプリズム状リブを有するプリズム状リブ付きの第2の光学フィルムである、請求項56に記載の方法。
【請求項62】
前記プリズム状リブを前記第1の接着剤層内に押し込んだ後、前記接着剤層を硬化させるステップをさらに含む、請求項56に記載の方法。
【請求項63】
前記第2の光学フィルムが、前記第1の光学フィルム上の前記プリズム状リブの配向と垂直な第2の配向にあるプリズム状リブを有するプリズム状リブ付きの第2の光学フィルムである、請求項56に記載の方法。
【請求項64】
前記第1の光学フィルムおよび第2の光学フィルムを少なくとも第3の光学フィルムと積み重ねて接着スタックを形成するステップをさらに含む、請求項56に記載の方法。
【請求項65】
前記第3の光学フィルムが反射型偏光子である、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記第1の光学フィルムおよび第2の光学フィルムのうちの少なくとも一方をシート供給装置からのシートとして供給して、前記第1の光学フィルムの前記プリズム状リブを前記第1の接着剤層内に押し込む前に前記第1の光学フィルムおよび第2の光学フィルムを重ね合わせるステップをさらに含む、請求項56に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図15】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−8600(P2012−8600A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−201384(P2011−201384)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【分割の表示】特願2006−532341(P2006−532341)の分割
【原出願日】平成16年3月25日(2004.3.25)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】