説明

袋詰脱水処理方法およびその設備

【課題】袋体への充填土砂量を安定化する。
【解決手段】泥土等の含水土砂を充填ポンプ8Pにより透水性袋体9内に充填し、この袋体9内容物のうち水分を袋体9外に透過させて脱水するにあたり、含水土砂1の重量を計測する重量計測工程と、重量を計測した含水土砂1に対して、その重量計測結果ならびに含水土砂1の既知の含水比に基づいて、所定の含水比となるように加水する加水工程と、加水した含水土砂を計量する計量工程と、計量した含水土砂を袋体内に充填する充填工程とを行うようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、泥土、特に粘性土やシルトの泥土等の含水土砂を、透水性袋体内に充填して脱水を行う袋詰脱水処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
河川、湖沼、海洋などから浚渫された高含水比の泥土等の含水土砂を脱水処理し、有効利用を図る方法の一つとして、透水性布帛等からなる袋体に泥土を充填し、水分を袋体外に透過させることにより脱水を図る袋詰脱水方法がある(特許文献1参照)。この方法によれば、含水土砂を土質改良して土工材料として再利用する、もしくは、環境汚染物質を含有する泥土を脱水・減量化して封じ込めることが可能となる。
しかしながら、河川等から浚渫された含水土砂は、掘削時の撹拌作用により含水比が上昇し、しかもその含水比が安定しないため、袋体への充填量を一定にしても充填土砂量が安定せず、脱水速度および減量率が異なり、山積みでの保管や利用が困難になる、あるいは施工計画や施工管理が困難になるといった問題点があった。
【特許文献1】特開2002−178000号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、本発明の主たる課題は、袋体への充填土砂量を安定化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
含水土砂を透水性袋体内に充填し、この袋体内容物のうち水分を袋体外に透過させて脱水する袋詰脱水処理工法において、
含水土砂の重量を計測する重量計測工程と、
重量を計測した含水土砂に対して、その重量計測結果ならびに含水土砂の既知の含水比に基づいて、所定の含水比となるように加水する加水工程と、
前記加水した含水土砂を計量する計量工程と、
前記計量した含水土砂を前記袋体内に充填する充填工程とを有する、
ことを特徴とする袋詰脱水処理方法。
【0005】
(作用効果)
本発明では、含水土砂を加水により予め所定の含水比にした後に、計量充填する。よって、袋体への充填土砂量を安定化できる。また、充填土砂量を安定化できるため、脱水速度および減量率を均一化でき、山積みによる保管等が容易になる。さらに、施工計画や施工管理もより容易になる。
【0006】
<請求項2記載の発明>
前記計量工程で、前記加水した含水土砂を所定容積量り採るとともに含水比を計測する、請求項1記載の袋詰脱水処理方法。
【0007】
(作用効果)
このように、袋体へ充填する含水土砂の容積および含水比を計測することで、一袋にどの程度の含水比のものをどの程度の量詰めたのか、ならびに一袋にどの程度の量の土砂が残るのかを、正確に管理できるようになる。
【0008】
<請求項3記載の発明>
前記充填工程に先立って、前記含水土砂を解す、請求項1または2記載の袋詰脱水処理方法。
【0009】
(作用効果)
充填する含水土砂中に土砂の塊があると、取り扱いが困難になるとともに、塊部分が脱水性に劣ることにより、脱水速度が遅くなり、減量率が袋体によって異なるおそれがある。この傾向は、特に対象が粘性土である場合に顕著である。これに対して、本項記載のように、充填に先立って含水土砂を解すようにすると、これらの問題の発生を抑制できる。
【0010】
<請求項4記載の発明>
前記重量計測手段による重量計測に先立って、前記含水土砂中の粗雑物を分離除去する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の袋詰脱水処理方法。
【0011】
(作用効果)
河川等から浚渫される含水土砂は、ゴミや廃棄物、ガラ等の粗雑物が多く含まれているため、その粗雑物を除去しないと袋体や装置が破損するおそれがある。よって、本項記載のように、早い段階で含水土砂中の粗雑物を分離除去するのは好ましい。
【0012】
<請求項5記載の発明>
ポンプを用いて前記袋体内への充填を行う、請求項1〜4のいずれか1項に記載の袋詰脱水処理方法。
【0013】
(作用効果)
従来、小型の袋体を用いる場合、袋詰に際しては、バックホウで含水土砂を掬い上げ、計量ホッパーを介して袋体内に投入するバックホウ充填方式が採用されてきた。
しかしながら、バックホウ充填方式は作業能率が低く、大量施工に不向きであるといった問題点や、充填時に含水土砂が飛散し易く、含水土砂が環境汚染物質を含有している場合、充填時に袋体周辺を逆に汚染させるといった問題点を有していた。
よって、充填方式としては、含水土砂をポンプにより圧送し充填するポンプ充填方式が好適である。
【0014】
<請求項6記載の発明>
前記袋体の膨張度合いを検出する検出手段を配置し、この検出手段により所定の膨張度合いに達したことが検出された時点で自動的に前記ポンプを停止させる、請求項5記載の袋詰脱水処理方法。
【0015】
(作用効果)
ポンプにより袋体への充填を行う場合、過度の充填により袋体が破裂するおそれがある。しかし、目視で袋体を監視するのは非常に煩雑である。よって、本項記載のように、袋体の膨張度合いを検出して、破裂に至る前に自動でポンプを停止させるのが好ましい。
【0016】
<請求項7記載の発明>
含水土砂を透水性袋体内に充填し、この袋体内容物のうち水分を袋体外に透過させて脱水する設備において、
含水土砂の重量を計測する重量計測手段と、
重量を計測した含水土砂に対して、その重量計測結果ならびに含水土砂の既知の含水比に基づいて、所定の含水比となるように加水する加水手段と、
前記加水した含水土砂を計量する計量手段と、
計量した含水土砂を前記袋体内に充填する充填手段とを備えている、
ことを特徴とする袋詰脱水処理設備。
【0017】
(作用効果)
請求項1記載の発明と同様の作用効果を奏する。
【0018】
<請求項8記載の発明>
前記計量手段は、前記加水した含水土砂を所定容積量り採る計量容器と、計量容器内の含水土砂の含水比を計測する含水比計測手段とを備えており、前記計量容器により計量とともに前記含水比計測手段による計測を行った後、前記充填手段により前記計量容器内の含水土砂を抜き出して前記袋体内に充填するように構成されている、請求項7記載の袋詰脱水処理設備。
【0019】
(作用効果)
請求項2記載の発明と同様の作用効果を奏する。
【0020】
<請求項9記載の発明>
前記充填手段による充填に先立って、前記含水土砂を撹拌混合により解す撹拌混合手段を備えている、請求項7または8記載の袋詰脱水処理設備。
【0021】
(作用効果)
請求項3記載の発明と同様の作用効果を奏する。
【0022】
<請求項10記載の発明>
前記重量計測手段による重量計測に先立って、前記含水土砂中の粗雑物を除去する篩装置を備えている、請求項7〜9のいずれか1項に記載の袋詰脱水処理設備。
【0023】
(作用効果)
請求項4記載の発明と同様の作用効果を奏する。
【0024】
<請求項11記載の発明>
前記充填手段として、前記含水土砂を前記袋体内へ充填するポンプを備えている、請求項7〜10のいずれか1項に記載の袋詰脱水処理設備。
【0025】
(作用効果)
請求項5記載の発明と同様の作用効果を奏する。
【0026】
<請求項12記載の発明>
前記袋体の膨張度合いを検出する検出手段を備えており、この検出手段により所定の膨張度合いに達したことが検出された時点で自動的に前記ポンプを停止させるように構成されている、請求項11記載の袋詰脱水処理設備。
【0027】
(作用効果)
請求項6記載の発明と同様の作用効果を奏する。
【発明の効果】
【0028】
以上のとおり、本発明によれば、袋体への充填土砂量が安定化する等の利点がもたらされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照しつつ詳説する。
図1は、本発明に係る処理設備例を示している。本例は、河川や湖沼等の底に存在する泥土、ヘドロ等の含水土砂を、付近の岸辺で処理するのに好適であるが、含水土砂であれば泥土でなくても適用でき、また処理場所にも限定されないことはいうまでもない。
【0030】
図示形態についてより詳細に説明すると、処理対象の含水土砂1は、先ず分離除去装置2に供給され、ゴミや廃棄物、ガラ等の粗雑物2xが分離除去される。分離除去装置2は特に限定されるものではないが、対象の性質を考慮すると振動篩装置が好適である。また、処理対象の含水土砂1は、付近に設置した処理ピット等に一時的に貯留しておき、処理分量をバックホウ等により汲み出して供給するのが好ましい。
【0031】
粗雑物2xを分離除去した含水土砂1は、次いで、図示しないポンプ等により重量計測手段3に供給される。重量計測手段3は、含水土砂1をバッチ式もしくは連続式で計測できるものであれば特に限定されないが、ロードセルを介してホッパーを支持し、含水土砂1をホッパー毎計測した後、ホッパー重量を差し引くタイプのものを好適に用いることができる。
【0032】
次いで、重量を計測した含水土砂1は、加水手段4に供給され、重量計測結果ならびに含水土砂1の既知の含水比に基づいて、所定の含水比となるように加水する。このために、処理対象の含水土砂1がどの程度の含水比であるのか、予め計測しておく。この計測は、含水比が大きく変動する度、例えば含水土砂1の種類、浚渫場所、日時等が変わる度に行うことができる。
【0033】
加水手段4としては、含水土砂1に水を添加できるものであれば特に限定されないが、二軸ミキサー等のように含水土砂1を撹拌により解しつつ混合を行う装置を好適に用いることができる。符号5は、加水のため水を貯留する貯水槽である。
【0034】
図示形態では、加水手段4で加水された含水土砂1は、次に貯留手段6に供給され、一時的に貯留される。貯留手段6としては、アジテーター等、固化しないよう撹拌しつつ貯留を行うものが好ましいが、そのような機能の無い単なる貯留槽を用いることもできる。また、貯留手段6は省略することもできる。
【0035】
また、以上の分離除去装置2から貯留手段6までの部分を一体化し、大型車(15t程度)の車両に搭載できるようにコンパクト化しておくと好ましい。
【0036】
加水処理により所定の含水比となった含水土砂1は、計量手段7により所定量が量り取られた後、充填手段8により透水性袋体9内に充填される。
【0037】
計量手段7は、特に限定されるものではないが、図示例では、所定の容積(例えば袋体と同じか複数倍、または複数分の1倍の容積とするのが好ましい)を有する計量容器7Cと、計量容器7C内に含水土砂1を供給する計量ポンプ7Pと、計量容器7Cから充填手段8への供給路に設けられた出側バルブ7Vとにより構成されている。出側バルブ7Vを閉じた状態で計量ポンプ7Pを作動させることで、貯留手段6内の含水土砂1を計量容器7C内に供給して所定分量を量り取ることができ、計量ポンプ7Pを停止した状態で出側バルブ7Vを開けることで、計量容器7Cで計量した含水土砂1を充填手段8に供給することができる。
【0038】
より好ましい形態では、計量容器7C内の含水土砂1の含水比を計測するために、含水比計測手段が設けられる。含水比計測手段としては、公知の土壌用水分計を用いることができ、計量容器7C内に含水土砂1が供給される度に、一部をサンプリングして含水比を計測した後、充填手段8により袋体9内に充填するように構成するのが好ましい。袋体9は、形状により限定されるものではないが、例えば、図4にも示すような筒状に突出する注入口部9iを有するものを好適に用いることができる。
【0039】
また、充填手段8は、例えば図示のように、充填ポンプ8Pにより計量容器7C内の含水土砂1を抜き出し、充填管路8Lを介して袋体9内に圧送する形態を採用することができる。充填管路8Lは、例えば図2及び図3に示すように、バックホウ10のアーム11により支持することができる。もちろん、本発明では架台等の適宜の支持装置を用いることができるが、充填管路8Lの位置移動が可能なものが好ましい。
【0040】
袋体9への計量充填に際して、上述のようなバッチ式の計量手段7を用いると、計量中は充填作業ができないため作業効率が低下する。よって、図示のように、計量容器7Cを複数組設け、各計量容器7Cの入側及び出側にそれぞれ入側バルブ7W,7Vを設け、バルブの切り替えにより、各計量容器の給排を切り替え可能に構成するのが好ましい。これによって、例えば、常に少なくとも一つの計量容器7Cを計量中とし、他の少なくとも一つを排出中とすることができ、連続的な計量が可能になる。また、併せて、充填管路8Lを複数設け、各充填管路8Lに充填バルブ8Vを設ける等により、使用する充填管路8Lを切り替え可能にするのが好ましい。この場合、常に、少なくとも一本の充填管路8Lを介して袋体9への充填を行いながら、他の少なくとも一本の充填管路8Lについては充填を行わずに、充填する袋体9の交換作業を行うことができ、効率良い充填が可能になる。
【0041】
この複数の充填管路8Lを用いる場合におけるより具体的な例が図2及び図3に示されている。すなわち、バックホウ10のアーム11の先端部には支持部12が取り付けられており、この支持部12には充填管路8Lの数と対応する数のスイベル12sが上下方向に沿って並設されている。充填管路8Lの基端側部分20は各スイベル12sを介して先端側部分21に連結されている。充填管路8Lの先端側部分21はスイベル位置から側方に屈曲して延在しており、その先端に設けられた袋体取付部30は、スイベル12sの回転中心に対して所定の回転半径、例えば袋体9の設置間隔の半分よりも大きな回転半径をもって、自由に回転するように構成されている。したがって、図3に示すように、この袋体取付部30の回転軌跡下に袋体9の注入口部9iが位置するように、袋体9を複数配置しておけば、袋体取付部30を次の袋体9に取り付けるにあたり、充填管路8L全体を移動させずに先端の袋体取付部30のみを回動させるだけで位置決めが可能となり、作業が容易になる。なお、この形態において、袋体取付部30の移動範囲外の位置にある袋体9に対して注入を行う場合には、アーム11により支持部12を移動する、あるいはバックホウ10自体を移動させることにより対応できる。
【0042】
他方、含水土砂1が透水性袋体9内に充填されると、水分だけが袋体5外に透過排出され、土粒子等の固形分は袋体5内に残留し、封じ込められる。排水は非常に綺麗であるので、有害物質の心配がない場合には、排水溝6を介してそのまま又は必要に応じて適宜の浄化処理をおこなった後に元の河川等1に放流することもできる。好適には、含水土砂1は袋体9内に圧入される。これにより、その充填圧により袋体内容物が加圧脱水されるので、高効率での袋詰および脱水を行うことができる。ただし、本発明においては圧入せずに、注入した含水土砂1の自重による加圧および水分の蒸発により脱水させたり、注入済み袋体を順次積み重ねて下側の袋体を加圧脱水したり、注入済み袋体を機械的に加圧脱水することもできる。
【0043】
袋体9に含水土砂1を圧入する場合、過度の充填により袋体9が破裂するおそれがある。しかし、目視で袋体を監視するのは非常に煩雑である。よって、図5に示すように、袋体9の膨張度合いを検出する検出装置100を設け、袋体9が破裂に至る前に自動で充填ポンプ8Pを停止させるように構成するのが好ましい。具体的に、図示の検出装置100は、袋体の両側にスタンド101を立てて、その間の所定検出高さに検出糸102を張り渡し、検出糸102の一端を一方のスタンド101に固定し、他端を他方のスタンド101上部に設けたリール103に巻きつけて連結するとともに、リール103の回転によりオン・オフされる図示しないスイッチを設けたものであり、袋体9が膨張して検出糸102を引っ張ると、リール103が検出糸102の巻き出しにより回転して、スイッチがオンとなり、検出信号が充填ポンプ8Pの制御装置に送信されるものである。このような接触式の検出装置の他、赤外線通過センサー等を検出高さに設置することもできる。
【0044】
袋詰脱水では、透水性袋体9の目合いの粗さによって、注入開始からフィルター効果を十分に発揮するまでの時間には差はあるが、いずれにせよある程度まで注入すれば十分なフィルター効果が発揮される。よって、基本的には袋体9の目合いの粗さは問わないが、注入当初からある程度十分なフィルター効果を発揮させるためには、透水性袋体9としては、透水係数が1.0×10-3cm/sec以上、水透過孔径が90〜600μmのものが好ましい。また耐酸性、耐アルカリ性が高く化学的に安定しているという観点から、ポリエステルやポリプロピレン繊維等の化学繊維からなる不織布、織布、編物等により形成した袋体を好適に使用することができる。具体的な透水性袋体9の例を表1に示す。
【0045】
【表1】

【0046】
特に、前述のように含水土砂1を圧入するときには、袋体9が膨張し破壊する虞があるので、予め袋外9周囲に引っ張り強度の高いジオグリッド等の補強材を巻き付けておく等により補強された袋体9を用いることができる。
【0047】
またフィルター効果を高めるためには、袋体9を複数枚重ねた多重袋体を用いることで、含水土砂1中の粒子捕捉効果を高めることができ、袋体9の強度も向上する。この場合において、異なる素材の袋体9を組み合わせて重ねることもできる。
【0048】
その他、特願平8−21437号、特願平10−37151号、特願平8−59964号、特願平8−188203号および特願平11−030139号に記載された脱水用袋体など、公知の脱水用袋体を使用することができる。なお、これら従来の脱水技術は、本願発明のように有害物質含有泥土類を対象として有害物質を袋体内に封じ込めるものではない。
【0049】
他方、泥土等の含水土砂1には、有害物質(環境汚染物質)を含む場合があるが、多くの有害物質、特にダイオキシン、PCB、砒素、鉛、などの有害物質の多くは、土粒子やその他の懸濁粒子に付着して存在している。よって、上記のように袋詰脱水を行うと、これらの有害物質は袋体9内に封じ込められる。
【0050】
このような有害物質を含む含水土砂1としては、その存在場所に応じて多少の広狭があり、一概には言えないが、「土壌の汚染に係る環境基準について(平成3年8月23日、環境庁告示第46号)」、「排水基準を定める総理府令(昭和46年6月21日、総理府令第35号)」、「地下水の水質汚濁に係る環境基準について(平成9年3月13日、環境庁告示第10号)」、「水質汚濁に係る環境基準について(昭和46年12月28日、環境庁告示第59号)」、「農用地の土壌の汚染防止等に関する法律(昭和45年12月25日、法律第139号)」、「ダイオキシン類による大気の汚染、水質の汚濁及び土壌の汚染に係る環境基準(平成11年12月27日、環境庁告示第68号)」等の各種法規や運用基準等の基準に適合しないものを意味する。具体的な有害物質の例とともに各種基準を表2及び表3に示す。
【0051】
【表2】

【0052】
【表3】

【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、河川、湖沼、海洋などから浚渫された泥土等の含水土砂を脱水処理し、有効利用を図る際等に適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施形態の概略図である。
【図2】充填態様を示す正面図である。
【図3】充填態様を示す平面図である。
【図4】(a)膨張前、(b)膨張後の透水性袋体の例を示す斜視図である。
【図5】袋体の膨張度合い検出手段の正面図である。
【符号の説明】
【0055】
1…含水土砂、2…分離除去手段、3…重量計測手段、4…加水手段、5…貯水槽、6…貯留手段、7…計量手段、7C…計量容器、7P…計量ポンプ、7V…出側バルブ、7W…入側バルブ、8…充填手段、8P…充填ポンプ、8L…充填管路、8V…充填バルブ、9…袋体、9i…注入口部、10…バックホウ、11…アーム、12…支持部、12s…スイベル、20…基端側部分、21…先端側部分、30…袋体取付部、100…検出装置、101…スタンド、102…検出糸、103…リール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
含水土砂を透水性袋体内に充填し、この袋体内容物のうち水分を袋体外に透過させて脱水する袋詰脱水処理工法において、
含水土砂の重量を計測する重量計測工程と、
重量を計測した含水土砂に対して、その重量計測結果ならびに含水土砂の既知の含水比に基づいて、所定の含水比となるように加水する加水工程と、
前記加水した含水土砂を計量する計量工程と、
前記計量した含水土砂を前記袋体内に充填する充填工程とを有する、
ことを特徴とする袋詰脱水処理方法。
【請求項2】
前記計量工程で、前記加水した含水土砂を所定容積量り採るとともに含水比を計測する、請求項1記載の袋詰脱水処理方法。
【請求項3】
前記充填工程に先立って、前記含水土砂を解す、請求項1または2記載の袋詰脱水処理方法。
【請求項4】
前記重量計測手段による重量計測に先立って、前記含水土砂中の粗雑物を分離除去する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の袋詰脱水処理方法。
【請求項5】
ポンプを用いて前記袋体内への充填を行う、請求項1〜4のいずれか1項に記載の袋詰脱水処理方法。
【請求項6】
前記袋体の膨張度合いを検出する検出手段を配置し、この検出手段により所定の膨張度合いに達したことが検出された時点で自動的に前記ポンプを停止させる、請求項5記載の袋詰脱水処理方法。
【請求項7】
含水土砂を透水性袋体内に充填し、この袋体内容物のうち水分を袋体外に透過させて脱水する設備において、
含水土砂の重量を計測する重量計測手段と、
重量を計測した含水土砂に対して、その重量計測結果ならびに含水土砂の既知の含水比に基づいて、所定の含水比となるように加水する加水手段と、
前記加水した含水土砂を計量する計量手段と、
計量した含水土砂を前記袋体内に充填する充填手段とを備えている、
ことを特徴とする袋詰脱水処理設備。
【請求項8】
前記計量手段は、前記加水した含水土砂を所定容積量り採る計量容器と、計量容器内の含水土砂の含水比を計測する含水比計測手段とを備えており、前記計量容器により計量とともに前記含水比計測手段による計測を行った後、前記充填手段により前記計量容器内の含水土砂を抜き出して前記袋体内に充填するように構成されている、請求項7記載の袋詰脱水処理設備。
【請求項9】
前記充填手段による充填に先立って、前記含水土砂を撹拌混合により解す撹拌混合手段を備えている、請求項7または8記載の袋詰脱水処理設備。
【請求項10】
前記重量計測手段による重量計測に先立って、前記含水土砂中の粗雑物を除去する篩装置を備えている、請求項7〜9のいずれか1項に記載の袋詰脱水処理設備。
【請求項11】
前記充填手段として、前記含水土砂を前記袋体内へ充填するポンプを備えている、請求項7〜10のいずれか1項に記載の袋詰脱水処理設備。
【請求項12】
前記袋体の膨張度合いを検出する検出手段を備えており、この検出手段により所定の膨張度合いに達したことが検出された時点で自動的に前記ポンプを停止させるように構成されている、請求項11記載の袋詰脱水処理設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−190523(P2007−190523A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−13159(P2006−13159)
【出願日】平成18年1月20日(2006.1.20)
【出願人】(000112196)株式会社ピーエス三菱 (181)
【出願人】(391000508)大容基功工業株式会社 (6)
【出願人】(390032241)株式会社シンテック (2)
【Fターム(参考)】