説明

袋開口部の閉じ具

【課題】 上部一部を切り開いた袋の開口部を手軽に密閉する事ができる袋開口部の閉じ具を提供します。
【解決手段】 締め付け具(3)の回動で締め付けバー(2)を移動させ、移動傾斜部(
6)と固定傾斜部(7)の距離を縮めて、バー傾斜部(13)及び(14)の傾斜面の傾斜を利用し、締め付けバー(2)を本体バー(1)に押し付けて間に挿入されている袋の開口部(5)付近を締め付け具(3)の締め付け力に比例して圧着密閉させます。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋の開口部付近を挟み込んで圧着密閉させ、開封した袋の内容物が開口部から外に漏れ出さない様にするために使用される袋の開口部の閉じ具に関するものです。
【背景技術】
【0002】
袋の開口部の簡単な閉じ具を利用しての閉じ方としては、開口部付近を紐や針金で結んだり、輪ゴム等で開口部を閉じたりする方法が一般的に利用されておりますが、輪ゴムや紐等で開口部を閉じたりする場合でも解く時に輪ゴムや紐が絡んだりして解き難くて、また、針金等もどんなにきつく結んでも袋自身の材質にもよりますが気密性に問題が生じ、密閉するには開口部付近を折り曲げたりして結ぶ為、袋のスペースも余分に要します。
【0003】
また、特殊な閉じ具を利用する考案として、特開2005−015037号公報や特開2003−321036号公報及び、実開昭63−161148号公報の様に袋の開口部を閉じる閉じ具が既に一般に知れておりますが、袋の開口部を閉じた時の気密性に乏しく一般に普及して活用するまでに至っておりません。
【特許文献1】特開2005−015037号公報
【特許文献2】特開2003−321036号公報
【特許文献3】実開昭63−161148号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする問題点は、スクリューキャップ等を用いた専用袋を利用する事無く、簡単な閉じ具を利用して気密性を高め、一般的な開封袋を密閉することです。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、並列する棒状の本体バー(1)と締め付けバー(2)及び、本体バー(1)に設けた締め付け具(3)によって構成され、締め付け具(3)の移動で締め付けバー(
2)を平行移動させ、袋(8)の上部片隅を切り取って生じた袋の開口部(5)付近を本体バー(1)と締め付けバー(2)とで圧着密閉させることを最も主要な特徴とします。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の本発明の袋開口部の閉じ具によれば、締め付け具(3)の移動により締め付けバー(2)を平行移動させて本体バー(1)に圧着させます。その為、本体バー(
1)と締め付けバー(2)の間に事前に袋の開口部(5)付近を挿入しておくと圧着密閉し、袋の開口部(5)から袋(8)の内容物が外に漏れ出さないという利点があります。
【0007】
請求項2記載の本発明の袋開口部の閉じ具によれば、本体バー(1)の任意の箇所に設けたフック(12)を用いて本体バー(1)と締め付け具(3)によって袋の開口部(5
)付近を圧着させた袋(8)を吊るして保管する事ができるという利点があり、その為、チャック等で構造的に密閉し難い袋でも、本発明の袋開口部の閉じ具で開口部(5)付近を保持できると、前記の様に吊るして内容物が外に漏れ出さないという利点もあります。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1の本発明の袋開口部の閉じ具の実施説明図で説明すると、本体バー(1)に並列した締め付けバー(2)を設けて、更に本体バー(1)の一端に移動傾斜部(6)を設けた締め付け具(3)を設け、他の一端に固定傾斜部(7)を設けた本体傾斜具(4)を設けた構造として、任意により本体バー(1)にフック(12)を設ける事もできます。
【0009】
本体バー(1)は棒状として図2の袋開口部の閉じ具A−Bの断面図の様に本体バー(
1)の一端に雄ネジ(9)を設け、その上に内部に雌ネジ(10)を設けた締め付け具(
3)を図3の締め付け具(3)付近の説明図の様に設けて、締め付け具(3)を左右に回動してボルトとナットの様に雄ネジ(9)の範囲内を前後に移動できる構造とします。
【0010】
締め付けバー(2)の形状は台形型とし、図2の様に両側面を其々バー傾斜部(13)と(14)として、バー傾斜部(13)を本体バー(1)の中央部付近の表面の一部を削り取ったカット面(11)と移動傾斜部(6)の隙間に挿入し、同様にバー傾斜部(14
)もカット面(11)と固定傾斜部(7)の隙間に挿入して、通常は台形長辺部(17)の平面をカット面(11)に面して本体バー(1)に並列に保持されています。
【0011】
締め付けバー(2)と本体バー(1)との圧着の仕方は、図4の締め付けバー(2)の移動説明図で簡単に説明すると締め付け具(3)の回動で締め付け具(3)自信を本体傾斜具(4)の方向に移動させます。尚、締め付け具(3)に設けた移動傾斜部(6)は、円錐形状のすり鉢型として締め付け具(3)の回動を妨げない形状とします。
【0012】
更に締め付け具(3)を回動させて締め付けると、締め付け具(3)の移動傾斜部(6
)と本体傾斜具(4)の固定傾斜部(7)の距離が更に縮まり、同時に移動傾斜部(6)と締め付けバー(2)のバー傾斜部(13)及び、固定傾斜部(7)とバー傾斜部(14
)の傾斜面が締め付けバー(2)の台形長辺部(17)の平面を本体バー(1)のカット面(11)に押し付け、締め付け具(3)の締め付け力に比例して両平面を圧着します。
【実施例1】
【0013】
本例は本願『請求項1』の一例で、先ず、図3の様に締め付け具(3)を緩めて後方へ移動させ、締め付けバー(2)のバー傾斜部(13)から離してカット面(11)と締め付けバー(2)の間に隙間を生じさせ、その隙間に袋の開口部(5)を挿入します。
【0014】
その状態で一旦緩めた締め付け具(3)を逆に締め付けると、本体傾斜具(4)の方向に移動して移動傾斜部(6)と固定傾斜部(7)の距離を縮めて、図2の様にバー傾斜部(13)と移動傾斜部(6)及び、バー傾斜部(14)と固定傾斜部(7)の接触した表面の傾斜角により、締め付けバー(2)の台形長辺部(17)の平面をカット面(11)の方向に押し付けて、同時に挿入されている袋の開口部(5)付近を圧着密閉させます。
【実施例2】
【0015】
本例は本願『請求項2』の一例であり、図1の様に本体バー(1)の中心付近任意の箇所にフック(12)を設けると、本体バー(1)と締め付けバー(2)の間で圧着した袋の開口部(5)によって保持されていた袋(8)を図6の袋開口部の閉じ具の使用参考例の様にフック(12)で釘(18)等に吊るして保管する事ができます。
【実施例3】
【0016】
本例は本願『請求項1』の他の実施例であり、図5の他の本体傾斜具(4)の説明図で説明すると、本体バー(1)に固定傾斜部(7)の役を果たす円形傾斜部(15)を設けて、締め付けバー(2)のバー傾斜部(14)を半円傾斜部(16)とし、締め付け具(3
)を緩めてバー傾斜部(13)を外すと円形傾斜部(15)と半円傾斜部(16)の接合部が蝶番の役を果たし、袋の開口部(5)の出し入れの開閉では外れない構造とします。
【0017】
円形傾斜部(15)と半円傾斜部(16)の組み合わせも、固定傾斜部(7)とバー傾斜部(14)と同様に締め付け具(3)の移動により締め付けバー(2)を本体バー(1
)に圧着させる機能を有し、また、本体バー(1)のカット面(11)と締め付けバー(
2)の接地面に凹凸や溝等を設けたり、更にゴム等の弾力素材を設けると本体バー(1)と締め付けバー(2)の圧着力を増し、同時に密閉された袋(8)の気密性も高めます。
【0018】
尚、粘性の低い水溶液や柔軟容器等の密閉では、袋の開口部(5)を横に数回折り曲げてカット面(11)と締め付けバー(2)の間に挿入すると、挿入や密閉がし易くなり、更に、カット面(11)と締め付けバー(2)による圧着に影響しない箇所にバネ等の弾力材を間に用いると、締め付け具(3)を緩めた時、自動的にカット面(11)と締め付けバー(2)の隙間が広がって袋の開口部(5)の出し入れが比較的容易に行えます。
【産業上の利用可能性】
【0019】
リサイクルやゴミ減量化のため一般家庭での容器の簡略化が進められ、その一例としてシャンプーやリンス、液体洗剤等の使用後の処分容器ゴミ減量化の為、簡単な袋型の詰め替え容器を利用しますが、詰め替え容器内の残りを保存するためには気密性の高いスクリューキャップ付詰め替え容器等を利用しなければならず、使用後のスクリューキャップ付詰め替え容器の処分にはスクリューキャップ部のゴミ分別等の余計な処理を要します。
【0020】
そのため主に利用されるのは、全内容量を容器に移すことができる小型の詰め替え容器が主流でゴミ減量化には余り役には立ちませんが、本発明の袋開口部の閉じ具を用いると詰め替え容器の開口部を密閉して手軽に容器内の残りを保存できるので、大型の詰め替え容器で補充ができゴミ分別の無い容器処分も減って幾分かのゴミ減量化に貢献します。
【0021】
詰め替え容器はゴミ減量のため素材が薄くて軟らかいので立て掛けて置くと倒れ易く、保存中に何かの拍子に倒れて誤って上に物を乗せ、容器を潰し内容物が漏れ出して周囲を汚す事など有りますが、本発明のフック付袋開口部の閉じ具を用いて小型の詰め替え容器開口部を圧着して、図6の様にフック(12)で釘(18)に吊るして保管すると前記の様に誤って物を上に乗せて容器を潰す事が無いので内容物が漏れ出す事もありません。
【0022】
詰め替え容器の開封では上部片隅を小さく切り取り内容物を移し替え易くするので、本発明の袋開口部の閉じ具では、同じ位の容器開口部の大きさならば詰め替え容器の大きさが多少違っても多くの容器に利用でき、仮に上部一辺を全開しても容器開口部を縦に折り畳んで本体バー(1)と締め付けバー(2)との間に挿入すれば利用できるので、液体容器ばかりでなく、お菓子や飴、コーヒーや砂糖等、多くの袋に利用する事ができます。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】袋開口部の閉じ具の実施説明図。
【図2】袋開口部の閉じ具A−Bの断面図。
【図3】締め付け具(3)付近の説明図。
【図4】締め付けバー(2)の移動説明図。
【図5】他の本体傾斜具(4)の説明図。
【図6】袋開口部の閉じ具の使用参考例。
【符号の説明】
【0024】
1 本体バー、
2 締め付けバー、
3 締め付け具、
4 本体傾斜具、
5 袋の開口部、
6 移動傾斜部、
7 固定傾斜部、
8 袋、
9 雄ネジ、
10 雌ネジ、
11 カット面、
12 フック、
13 バー傾斜部、
14 バー傾斜部、
15 円形傾斜部、
16 半円傾斜部、
17 台形長辺部、
18 釘。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体バー(1)と並列した締め付けバー(2)及び、本体バー(1)に設けた締め付け具(3)によって構成され、締め付け具(3)の移動により締め付けバー(2)に設けた傾斜角を利用して締め付けバー(2)を本体バー(1)に押し付けて、本体バー(1)と締め付けバー(2)の間に挿入されている袋の開口部(5)付近を圧着密閉させることを特徴とした袋開口部の閉じ具。
【請求項2】
本体バー(1)の任意の箇所にフック(12)を設けたことを特徴とした請求項1記載の袋開口部の閉じ具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−39114(P2007−39114A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−227611(P2005−227611)
【出願日】平成17年8月5日(2005.8.5)
【出願人】(593082841)
【Fターム(参考)】