説明

被制御機器および方法

【課題】被制御機器側の操作で録画コンテンツを並び替えた場合でも、制御機器からの再生指令で録画コンテンツのシームレスな連続再生を実現する。
【解決手段】制御機器であるDTV1と被制御機器であるディスクレコーダ2とがデジタルインタフェース3で接続されており、ディスクレコーダ2側の操作で録画コンテンツを並び替えたときに、録画コンテンツをDTV1に掲示する順序も並び替えることにより、DTV1側から再生指示を行った場合でも、録画コンテンツのシームレス再生を実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばIEEE1394高速シリアルバス(以下、1394シリアルバス)を用いて制御される被制御機器に関し、録画日時順に並んでいる録画コンテンツリストを、本体での並び替え操作に応じた並び順で制御機器へ掲示し、制御機器からの再生指令でのシームレスな連続再生を実現する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタルテレビ(以下、DTV)、ディスクレコーダ(以下、DR)を1394シリアルバスで接続し、DTVよりDRを制御することが行なわれている。ここで、制御機器であるDTVはコントローラであり、被制御機器であるターゲットのDRを制御するためのアプリケーションが必要になる。このアプリケーションはDRに対して、記録、再生などのコマンドを送信することにより、DRを制御する。ここではコマンドとして、1394トレードアソシエーションで決められたAV/CコマンドセットのDISCサブユニットの制御コマンド(以下、DISCコマンド)が用いられる。DISCサブユニットでは、Root Contents List(以下、RCL)を用いて、録画コンテンツをコントローラに掲示する。録画コンテンツのリストは、例えば記録順に表示されたり、ユーザの所望の並び順に並び替えられて表示される(例えば特許文献1参照)。
【0003】
次に図3を用いて、DR用アプリケーションを実装した上記のDTV1と上記DR2が1394シリアルバス3に接続された場合について説明する。
【0004】
DR2は、制御対象21が、そのサブユニットタイプがDISCのサブユニット22として構成され、DR用アプリケーションを実装したDTV1により制御される。そして、DTV1は、RCL23を読み出し、DR2の録画コンテンツの情報を取得し、再生する録画コンテンツの指定を行う。
【0005】
ここで、DR2においてユーザが録画コンテンツの並び替えを行った場合を想定する。この場合、ユーザは例えばGUIを介して録画されたコンテンツの表示順序を操作する。するとDR2内の録画コンテンツ並び替え手段24によって、本体側で録画コンテンツの並び替えが行われる。ユーザは並び替えられた順序でコンテンツの視聴を行うことになる。
【特許文献1】特開2002−352555号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら従来の被制御機器では、録画コンテンツ並び替え手段24でコンテンツの並び替えが行われた場合でも、RCL23で録画コンテンツが録画日時順に並んだままである。RCL23での録画コンテンツの並び順は、連続再生する場合の再生順序を表している。DR2の本体側で、録画コンテンツ並び替え手段24によって録画コンテンツの並び替えを行うと、録画コンテンツの並び順、すなわち、連続再生順が変化する。すなわちRCL23では依然として録画日時順に録画コンテンツが並んでいるのに対して、再生順は録画コンテンツ並び替え手段24により並び替えられており、両者の並び順が一致しない状態となる。ここで、DTV1からDISCコマンドにより並び替え後の順序で録画コンテンツを連続再生するためには、録画コンテンツを1つ1つ並び替えた順序で再生指令しなければならない。そうすると、再生する録画コンテンツを切り替えるのに時間ラグが生じ、シームレス再生を実現できないといった課題が生じる。
【0007】
本発明は、本体側での録画コンテンツの並び替え後も、DISCコマンドによる再生指令によって、並び替えた順序でシームレスな連続再生を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ネットワークを通じて1つまたは複数の制御機器から制御される被制御機器であって、制御機器からの制御対象となる録画再生サブユニットと、録画再生サブユニットにおける録画コンテンツのリストを管理し、制御機器からの要求に応じて前記録画コンテンツのリストを前記制御機器に送出する送出手段と、録画コンテンツの並び替えを行う録画コンテンツ並び替え手段とを備え、送出手段は、録画コンテンツ並び替え手段で録画コンテンツが並び替えられたとき、並び替え手段で並び替えられた順序で録画コンテンツのリストを更新することを特徴とする。
【0009】
本発明により、被制御機器本体側で録画コンテンツの並び替えた場合でも、制御機器による再生指令で、並び替えた順序でシームレスな連続再生を実現することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、被制御機器側の操作で録画コンテンツの並び替えた場合でも、制御機器からの再生指令で録画コンテンツのシームレス再生を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本発明を適用した制御システムの構成を示すものである。図1において、1は制御機器であるDTV1であり、11はDR用制御アプリケーションである。DR2は被制御機器である。DR2は、制御対象21の構成をサブユニットタイプがDISCのサブユニット22とし、DR用アプリケーションを実装したDTV1に制御される。23はDISCサブユニット22の録画コンテンツを掲示するRCLである。DR2は、本体側操作で録画コンテンツを並び替える録画コンテンツ並び替え手段24を備えている。さらに、DR2はRCL23内の録画コンテンツの順序を並び替えるRCL録画コンテンツ並び替え手段25を備えている。
【0013】
DTV1、DR2は1394シリアルバス3で接続されている。
【0014】
次に、DTV1からDR2の録画コンテンツを再生する動作について説明する。DTV1はDR2のRCL23をDISCコマンドによって読み出す。DTV1は、RCL23の録画コンテンツをその順序で再生する場合は、DISCコマンドによって連続再生を指令する。特定の録画コンテンツのみを再生する場合は、DISCコマンドによって録画コンテンツを指定して再生する。
【0015】
図2(1)にRCLの内容を示す。RCLは、1つのRCLヘッダと、0個以上のオブジェクトにより構成される。図2(1)ではオブジェクトは3個あり、オブジェクトは1,2,3の順序で並んでいる。すなわち録画コンテンツのリストを表している。
【0016】
図2(2)は、RCLヘッダの内容を示す。ヘッダ情報は、総録画時間や残量などの情報である。オブジェクト数=3は、録画コンテンツが3個あることを表す。
【0017】
図2(3)は、オブジェクトの内容を示す。“0x0123”はDR2が録画コンテンツに割り当てたオブジェクトIDである。オブジェクト情報は、録画コンテンツの録画日時や録画サイズ、録画モード、タイトルなどの情報である。
【0018】
DR2本体側で録画コンテンツ並び替え手段24操作により録画コンテンツを3,1,2の順序に並び替えたとき、RCL23内のオブジェクトもRCL録画コンテンツ並び替え手段25によって、図2(4)のように3,1,2の順序に並び替える。そしてDR2の送出手段(図示せず)から並び替えられたコンテンツのリストを送出する。
【0019】
これによって、DTV1は、DISCコマンドで連続再生を指令することによって、DR2の録画コンテンツを並び替え後の順序でシームレスに連続再生することができる。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明は、被制御機器側の操作で録画コンテンツの並び替えた場合でも、制御機器からの再生指令で録画コンテンツのシームレス再生を実現することができるので、例えば1394シリアルバス等のI/Fを用いて制御される被制御機器等において有用である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態による被制御機器を用いた制御システムの構成図
【図2】本発明の実施形態によるRCLの内容の一例を示す図
【図3】従来の被制御機器の構成を示すブロック図
【符号の説明】
【0022】
1 DTV
2 DR
3 1394シリアルバス
11 DR用アプリケーション
21 制御対象
22 DISCサブユニット
23 RCL
24 録画コンテンツ並び替え手段
25 RCL録画コンテンツ並び替え手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを通じて1つまたは複数の制御機器から制御される被制御機器であって、
前記制御機器からの制御対象となる録画再生サブユニットと、
前記録画再生サブユニットにおける録画コンテンツのリストを管理し、前記制御機器からの要求に応じて前記録画コンテンツのリストを前記制御機器に送出する送出手段と、
録画コンテンツの並び替えを行う録画コンテンツ並び替え手段とを備え、
前記送出手段は、前記録画コンテンツ並び替え手段で録画コンテンツが並び替えられたとき、前記並び替え手段で並び替えられた順序で前記録画コンテンツのリストを更新することを特徴とする被制御機器。
【請求項2】
前記ネットワークは、IEEE1394高速シリアルバスを用いて構成されることを特徴とする請求項1に記載の被制御機器。
【請求項3】
ネットワークを通じて1つまたは複数の制御機器から制御される被制御機器の制御方法であって、
コンテンツの録画を行う第1のステップと、
前記第1のステップで録画された録画コンテンツのリストを生成する第2のステップと、
録画コンテンツの並び替えを行う第3のステップと
前記第3のステップで録画コンテンツの並び替えが行われた後、前記第2のステップで生成された録画コンテンツのリストを更新する第4のステップと、
前記制御機器からの要求に応じて、前記第4のステップで更新された録画コンテンツのリストを送出する第5のステップとを有することを特徴とする被制御機器の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−13574(P2006−13574A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−183271(P2004−183271)
【出願日】平成16年6月22日(2004.6.22)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】