説明

被制御物質放出を有する柔軟材料

柔軟材料は、マイクロカプセル化された物質の制御された放出を可能にする。この材料の1つの素子は、織り合わされた繊維である。第2の素子は、電流を通し、繊維に亘って散在する局所的な加熱を発生させる手段である。第3の素子は、織り合わせられた繊維及び電流を通すための手段上又は内に置かれ、物質を含み、電流を通すための手段の選択的な加熱により発生される局所的加熱による破裂の際に物質を放出する少なくとも1つのマイクロカプセルである。第4の素子は、制御された局所的加熱を可能にするよう電流を通すための手段に通される電流を制御する手段である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェアラブル電子機器と物質の制御された放出に係る。
【背景技術】
【0002】
マイクロカプセル化技術は、少量の香りといった物質を、直径が数ミクロンであるプラスチック、ゼラチン、又は、ポリマー球体に封入することが関連する。球体は、破裂により物質を放出する。破裂は、機械的(即ち、爪でひっかくか、球体の両側に付いた接着剤を引き離す)か、化学的(即ち、物質の放出を可能にするよう球体を溶媒中に溶解させる)か、又は熱的(外部源によって球体をその融点以上に加熱して破裂させる)に起きる。様々な物質が、マイクロカプセルの中に封入可能である。例えば、物質は、芳香、染料、ローション、又は油であることが可能である。物質は、マイクロカプセル内に長くて数年間含まれたままであることが可能である。
【0003】
従来では、マイクロカプセルの使用は、雑誌の香り付き折り込み広告や市販される「スクラッチ・アンド・スニフ」商品に制限されてきた。これらは共に比較的柔軟性がない。
【0004】
本願に参照として組み込む米国特許第4,990,392号(以下「392号特許」)は、熱接着性材料を使用して布地に用いられるマイクロカプセルを有する織物製品を記載する。392号特許は、物質を含むマイクロカプセルを、マイクロカプセルが洗濯及び織物の他の通常の使用に耐えるよう織物に付けることを記載する。マイクロカプセルは、温度の上昇か又は圧力の増加によって織物の普通の使用時に破裂する。しかし、マイクロカプセルに含まれた物質の放出は、選択的に制御可能ではない。
【0005】
導電性繊維を含む布も当該技術において周知である。このような布は、回路を作成するために織物繊維と織り合わさる繊維を有する。スイッチ及び電源を用いて電流がそのような布の領域に選択的に流されることが可能である。図1は、導電性繊維を有する衣服2を示す。衣服2は、導電性繊維からなり、電源4からの電流を流すことが可能な3つの電流経路3、3’、3’’を有する。電流経路は、導電性インクといった他の周知の技術を用いても形成可能である。衣服2は更に、衣服の着用者が電流経路を選択可能にするスイッチ5も有する。例えば、ユーザは、携帯電話機又は携帯ラジオといった携帯電子装置を衣服2にクリップ6により取付け可能である。着用者が電子装置に電力を与えるようスイッチ5を設定すると、電流は、電源4から電流経路3’’を通り、クリップ6、更に、取付けられた装置に供給される。電流経路3、3’、3’’を構成する導電性繊維は更に、高い抵抗を有するよう選択されることも可能である。従って、これらは、抵抗器としても作用し、電気エネルギーを熱として放出する。電流経路3、3’、3’’は、衣服2を選択された領域において加熱するよう使用可能である。しかし、これらの布は、布自体の中からの物質の放出を選択的に制御するよう使用されているわけではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、柔軟な布が、従来技術の制限を有さない物質の放出を選択的に制御する手段を有することが好適である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
幾つかの素子を有する柔軟材料は、1つの面においてマイクロカプセル化された物質の被制御放出を可能にする柔軟材料の必要を満たす。1つの素子は、織り合わされる繊維である。第2の素子は、電流を通し、繊維に亘って散在する局所的な加熱を発生させる手段である。第3の素子は、織り合わせられた繊維及び電流を通すための手段上又は内に置かれ、物質を含み、電流を通すための手段の選択的な加熱により発生される局所的加熱による破裂の際に物質を放出する少なくとも1つのマイクロカプセルである。第4の素子は、制御された局所的加熱を可能にするよう電流を通すための手段に通される電流を制御する手段である。
【0008】
1つの実施例では、電流を通し局所的加熱を発生させる手段は、導電性繊維である。別の実施例では、電流を通し局所的加熱を発生させる手段は、導電性インクである。
【0009】
更に別の実施例では、少なくとも1つのマイクロカプセルは更に、熱可塑性ポリマーを有する。別の実施例では、熱可塑性ポリマーは、放出されるべき物質を含む少なくとも1つのマイクロカプセルを形成する。
【0010】
更に別の実施例では、少なくとも1つのマイクロカプセルは、その融点に到達すると物質を放出する。別の実施例では、物質は、少なくとも1つのマイクロカプセルの融点より低い気化点を有する。
【0011】
更に別の実施例では、物質は、油、液体、及び固体材料のうちの少なくとも1つから構成される。別の実施例では、物質は、周囲環境に放出されると香りを発生させる。
【0012】
更に別の実施例では、電流を制御する手段は更に、電源、及び、電流経路選択器を有する。別の実施例では、電流を制御する手段は更に、電流を通すための手段をアクティブにする及び非アクティブにするときを決定する少なくとも1つのプログラム可能なセンサを有する。別の実施例では、その少なくとも1つのプログラム可能なセンサは、所定数のマイクロカプセルが破裂したときを感知する。電流を制御する手段は更に、タイマを有することが可能である。1つの実施例では、タイマは、少なくとも1つのマイクロカプセルの融点、マイクロカプセルの数、及び、少なくとも1つのマイクロカプセルに含まれる物質の材料特性に基づいて電流を通すための手段を非アクティブ化するときを決定する。
【0013】
別の実施例では、柔軟材料は、複数のマイクロカプセルを更に有し、マイクロカプセルの第1の部分は、第1の物質を含み、マイクロカプセルの第2の部分は、第2の物質を含む。別の実施例では、第1の物質及び第2の物質は、異なる材料特性を有する。異なる材料特性は、香り、融点、粘度、物理状態、色、芳香、化学成分、及びテクスチャであることが可能である。別の実施例では、第1の物質を含むマイクロカプセルの第1の部分は、電流を制御する手段が柔軟材料の領域を局所的に加熱し、第1の物質の放出を可能にするよう柔軟材料の領域上に又は内にグループ化される。別の実施例では、電流を制御する手段は、マイクロカプセルの第1の部分又は第2の部分の局所的加熱を可能にし、第1の物質又は第2の物質の放出を制御可能に可能にする。
【0014】
更に別の実施例では、電流を制御する手段は、マイクロカプセルの第1の部分及び第2の部分の両方の局所的加熱を可能にし、第1の物質及び第2の物質の一部の放出を制御可能に可能にする。
【0015】
別の実施例では、マイクロカプセルの第1の部分は、マイクロカプセルの第2の部分とは異なる融点を有する。
【0016】
別の実施例では、電流を制御する手段は更に、マイクロカプセルの第1の部分のみが破裂しマイクロカプセルが含む物質を放出するようマイクロカプセルの第1の部分及び第2の部分を局所的に加熱する手段を有する。
【0017】
1つの面では、柔軟材料は、織り合わせられた繊維と、電流を通し繊維に亘って散在する局所的加熱を発生させる手段と、繊維及び電流を通すための手段上又は内に置かれ、電流を通すための手段の選択的な加熱により発生される局所的加熱により気化する少なくとも1つの物質と、局所的加熱を発生させる手段に通される電流を制御する手段とを有する。
【0018】
本発明の別の面では、柔軟材料に含まれる物質を制御可能に放出する方法は幾つかの段階を有する。1つの段階は、繊維と電流を通すための手段とを一体にし、繊維に亘って散在する局所的加熱を発生させる段階である。別の段階は、物質を含む少なくとも1つのマイクロカプセルを形成する段階である。別の段階は、少なくとも1つのマイクロカプセルを、一体にされる繊維及び電流を通すための手段の上方又は内に組み込む段階である。別の段階は、少なくとも1つのマイクロカプセルを選択的に加熱する段階である。別の段階は、少なくとも1つのマイクロカプセルを破裂させる段階であり、更に別の段階は、物質を放出する段階である。
【0019】
本発明の別の面では、柔軟材料に含まれる物質を制御可能に放出する方法は、繊維と電流を通すための手段とを一体にし、繊維に亘って散在する局所的加熱を発生される段階と、一体にされる繊維及び電流を通すための手段の上方又は内に物質を形成する段階と、物質を選択的に加熱する段階と、物質を気化させる段階とを有する。
【0020】
本発明は、以下の説明、図面、及び請求項から明らかである多くの利点を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明は、以下の図面を参照しながらより完全に理解できるであろう。
【0022】
図2は、導電性繊維及びマイクロカプセル化された物質を有する柔軟材料の横断面を示す。柔軟材料は、導電性材料から形成され織物繊維層20に織り込まれる導電性繊維23を有する。導電性繊維23は、両側において、絶縁層22によって覆われる。この絶縁層22は、マイクロカプセル層21a及び21bが過熱する又は早く加熱することを阻止する。マイクロカプセル層21a及び21bは、例えば、香りである物質を含むマイクロカプセルから構成される。電流が導電性繊維23に流されると、導電性繊維は、抵抗器として作用し、固定量の熱を放出する。これは絶縁層22、及びマイクロカプセル層21a及び21bを加熱する。個々のマイクロカプセルは、加熱し始め、マイクロカプセル内の香りは、その気化点に到達する。個々のマイクロカプセルがその融点に到達すると、マイクロカプセルは破裂し、気化した香りを放出する。
【0023】
絶縁層22は、ユーザが導電繊維23に電流を流す度に、制限された数のマイクロカプセルが破裂するよう制限された熱量のみがマイクロカプセルに到達することを確実にするよう選択可能である。このことは柔軟材料が複数回、使用されることを可能にする。というのは、各使用において、ほんの少しのマイクロカプセルが破裂されるからである。絶縁層は更に、導電性繊維23を囲むコーティングとしても存在することが可能である。更に、導電性繊維23に流される電流量も、所望量のマイクロカプセル破裂を達成するよう設定可能である。1回の使用の間に破裂されるべきマイクロカプセルの所望の数は、マイクロカプセルが含む物質の材料特性に依存する。例えば、マイクロカプセルが濃縮された強い香りを含む場合、1回の使用では、ほんの少しのマイクロカプセルが破裂するだけでよい。
【0024】
図2では、マイクロカプセル層21a及び21bは、様々な物質を含むマイクロカプセルから構成可能である。例えば、柔軟材料が衣服の一部であると考える。その場合、マイクロカプセル層21aが周囲環境に近く、マイクロカプセル層21bが着用者の皮膚に近い。層21aにおけるマイクロカプセルは、香りを含むことが可能である。というのは、香りの物質は、周囲環境への十分な露出を有すべきだからである。層21bにおけるマイクロカプセルは、スキンローションを含むことが可能である。というのは、ローションの放出は、着用者の皮膚の近くで起きるべきだからである。
【0025】
図3は、導電性繊維と、マイクロカプセル化された物質の複数のゾーンを有する柔軟材料から作られた衣服2を示す。ここでは、ユーザは、ゾーン30、ゾーン31のいずれかをアクティブにするか、又は電源4から装置クリップ6に電力を供給するようコントローラ50を設定する可能である。ゾーン30は、例えば、マイクロカプセル化された消臭制汗剤を含む。これらのゾーンは、ユーザの脇の下付近に置かれるので、ユーザは、これらのゾーンにあるマイクロカプセルを破裂させ、消臭制汗剤の放出を与えるようこれらのゾーンをアクティブにすることが可能である。更に、ゾーン30は、臭気又は発汗が発生したことを感知するとゾーン30に電流を生成するようコントローラ50に信号で伝えるセンサを有することが可能である。センサは、コントローラ50がゾーン30を非アクティブにするとき、即ち、特定のマイクロカプセルが破裂したとき、又は、センサが臭気又は発汗を感知しなくなるときも決定付けることが可能である。更に、コントローラ50は、ゾーン30におけるマイクロカプセルの融点及び/又は数により決定される所定の時間間隔後にゾーン30への電流を自動的に遮断するようプログラムされることも可能である。センサは、当該技術において周知である任意のタイプのバイオセンサ、化学センサ、又は機械センサであることが可能である。
【0026】
ゾーン31は、例えば、少なくとも1つの香りを含む。衣服2の着用者が、周囲環境の香りを変更することを希望すると、ユーザは、ゾーン31をアクティブにするようコントローラ50を設定可能である。アクティブ化により、電源4から電流経路3’’を通りゾーン31に電流が流される。ゾーン31における導電性繊維は、ゾーン31におけるマイクロカプセルの一部が破裂し、香りを放出するよう加熱される。コントローラ50は、ゾーン31におけるマイクロカプセルの融点及びマイクロカプセルに含まれる物質の材料特性に基づいた所定の時間間隔後に、ゾーン31への電流を自動的に遮断可能である。例えば、コントローラ50は、ゾーン31に30秒間電流を生成するようプログラムされることが可能である。何故なら、ゾーン31におけるマイクロカプセルが破裂する度合いは、その所定の時間内にユーザのすぐ周りの環境を快適に変更するよう十分な香りを放出するから出ある。更に、ユーザは、自分の個人的な好みに基づいてコントローラ50を手動で設定することも可能である。
【0027】
衣服2は、ゾーン30及び31におけるマイクロカプセル及び導電性繊維、並びに、電流経路30、30’、30’’、及び30’’’における導電性繊維が、任意のマイクロカプセルを破損することなく、また、任意の導電性繊維に影響を与えることなく他の衣服と共に選択可能であるよう製造される。更に、衣服2は、特定の使用回数を可能にするよう所与のゾーンにおいて十分なマイクロカプセルを含むことが可能である。例えば、ゾーン31は、アクティブにされる度に30秒間の電流で600回放出可能な香りを含む十分なマイクロカプセルを含むことが可能である。従って、衣服2は、領域におけるマイクロカプセルの数、マイクロカプセルが破裂する度合い、マイクロカプセルが加熱される時間量、及びマイクロカプセルの融点に基づいて決定される所定の耐用年数を有する。更なる利点は、衣服2は、ゾーン30及び31がその耐用年数に到達したときでも、依然として衣服として着用可能である点である。更に、衣服2は、電子装置が取付け可能であり電力が与えられるクリップ6に電源4から電流経路3’’を通して電流を流すことによりその携帯電子装置を依然としてサポート可能である。衣服2は、ユーザにより着用される任意のタイプの衣服であることが可能であり、図3に示すようなシャツに限定されない。更に、任意のタイプの柔軟材料が、ゾーン30及び31といったゾーンを有することが可能である。
【0028】
図4は、例えば、ゾーン31である、柔軟材料の層の横断面を示す。図4では、様々なマイクロカプセル化された物質のストリップ42、43、44が導電性領域40上に置かれる。例として、ユーザは、2部物質44と1部物質42から構成される香りを生成するようコントローラ50を設定可能である。コントローラ50は、マイクロカプセル化された物質42、44、44に対応するストリップの下の導電性布領域40を加熱する電流を電流経路に流す。絶縁体41は、隣接するストリップが加熱されることを阻止する。従って、所与のゾーンにおいて、複数の物質が同時に且つ制御可能に放出可能である。
【0029】
コントローラ50は、所与の色合い又は香りといった所与の結果を生成するために必要な各ストリップの相対的な割合でプログラムされることが可能である。従って、ユーザが所与の色合い又は香りを選択すると、コントローラ50は、マイクロカプセルの破裂によって必要な割合の物質を放出するために、適切な導電性領域40を加熱するよう適切な電流経路に電源4から電流を自動的に流す。
【0030】
更に、物質42、43、44に対応するストリップは、各異なる物質42、43、44に対して異なる融点を有するマイクロカプセルから形成可能である。従って、導電性領域40は、全て同時に加熱可能であり、マイクロカプセルの異なる融点に基づいて異なる割合の物質42、43、44が放出可能である。
【0031】
ゾーン31上に直接的に物質を付着することも、物質42、43、44に対応するストリップを形成可能である。即ち、導電性領域40は、物質42、43、44がマイクロカプセル化されているのと同じ結果をもたらすよう液化する、気化する、又は昇華するために物質42、43、44を選択的に加熱可能である。
【0032】
図5は、ゾーン31のマトリクス構成を示し、コントローラ50は、ユーザの希望する効果に応じてサブゾーン42、43、44を選択的にアクティブにすることが可能である。各サブゾーン42、43、44は、コントローラ50が電源4から電流経路を通して所与のサブゾーンの下の導電性領域40に電流を流し、所望のサブゾーンのみを加熱するよう独立して制御可能である。
【0033】
上述した説明及び例は、例示的であり、請求項の範囲を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】導電性繊維を有する従来の衣服を示す図である。
【図2】導電性繊維及びマイクロカプセル化された物質を有する柔軟材料を示す断面図である。
【図3】導電性繊維とマイクロカプセル化された物質の複数のゾーンを有する衣服を示す図である。
【図4】その表面における別個のゾーンにマイクロカプセル化された物質を有する柔軟性導電性材料上の領域を示す断面図である。
【図5】その表面における別個のゾーンにマイクロカプセル化された物質を有する柔軟性導電性材料上の別の実施例を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
織り合わせられた繊維と、
電流を通し前記繊維に亘って散在する局所的加熱を発生させる手段と、
前記織り合わせられた繊維及び前記電流を通すための手段上又は内に置かれ、物質を含み、前記電流を通すための手段の選択的な加熱により発生される局所的加熱による破裂の際に前記物質を放出する少なくとも1つのマイクロカプセルと、
制御された局所的加熱を可能にするよう前記電流を通すための手段に通される電流を制御する手段と、
を有する柔軟材料。
【請求項2】
前記電流を通し局所的加熱を発生させる手段は更に、導電性繊維を有する請求項1記載の柔軟材料。
【請求項3】
前記電流を通し局所的加熱を発生させる手段は更に、導電性インクを有する請求項1記載の柔軟材料。
【請求項4】
前記少なくとも1つのマイクロカプセルは更に、熱可塑性ポリマーを有する請求項1記載の柔軟材料。
【請求項5】
前記熱可塑性ポリマーは、放出されるべき前記物質を含む前記少なくとも1つのマイクロカプセルを形成する請求項4記載の柔軟材料。
【請求項6】
前記少なくとも1つのマイクロカプセルは、その融点に到達すると前記物質を放出する請求項1記載の柔軟材料。
【請求項7】
前記物質は、前記少なくとも1つのマイクロカプセルの前記融点より低い気化点を有する請求項6記載の柔軟材料。
【請求項8】
前記物質は、油、液体、及び固体材料のうちの少なくとも1つから構成される請求項1記載の柔軟材料。
【請求項9】
前記物質は、周囲環境に放出されると香りを発生させる請求項1記載の柔軟材料。
【請求項10】
前記電流を制御する手段は更に、電源、及び、電流経路選択器を有する請求項1記載の柔軟材料。
【請求項11】
前記電流を制御する手段は更に、前記電流を通すための手段をアクティブにする及び非アクティブにするときを決定する少なくとも1つのプログラム可能なセンサを有する請求項10記載の柔軟材料。
【請求項12】
前記少なくとも1つのプログラム可能なセンサは、所定数のマイクロカプセルが破裂したときを感知する請求項11記載の柔軟材料。
【請求項13】
前記電流を制御する手段は更に、タイマを有する請求項10記載の柔軟材料。
【請求項14】
前記タイマは、前記少なくとも1つのマイクロカプセルの前記融点、マイクロカプセルの数、及び、前記少なくとも1つのマイクロカプセルに含まれる前記物質の材料特性に基づいて前記電流を通すための手段を非アクティブ化するときを決定する請求項13記載の柔軟材料。
【請求項15】
複数のマイクロカプセルを更に有し、
前記マイクロカプセルの第1の部分は、第1の物質を含み、
前記マイクロカプセルの第2の部分は、第2の物質を含む請求項1記載の柔軟材料。
【請求項16】
前記第1の物質及び前記第2の物質は、異なる材料特性を有する請求項15記載の柔軟材料。
【請求項17】
前記異なる材料特性は、香り、融点、粘度、物理状態、色、芳香、化学成分、及びテクスチャのうち少なくとも1つから構成される請求項16記載の柔軟材料。
【請求項18】
前記第1の物質を含む前記マイクロカプセルの第1の部分は、前記電流を制御する手段が前記柔軟材料の領域を局所的に加熱し、前記第1の物質の放出を可能にするよう前記柔軟材料の領域上に又は内にグループ化される請求項15記載の柔軟材料。
【請求項19】
前記電流を制御する手段は、前記マイクロカプセルの前記第1の部分又は前記第2の部分の局所的加熱を可能にし、前記第1の物質又は前記第2の物質の放出を制御可能に可能にする請求項16記載の柔軟材料。
【請求項20】
前記電流を制御する手段は、前記マイクロカプセルの前記第1の部分及び前記第2の部分の両方の局所的加熱を可能にし、前記第1の物質及び前記第2の物質の一部の放出を制御可能に可能にする請求項16記載の柔軟材料。
【請求項21】
前記マイクロカプセルの前記第1の部分は、前記マイクロカプセルの前記第2の部分とは異なる融点を有する請求項15記載の柔軟材料。
【請求項22】
前記電流を制御する手段は更に、前記マイクロカプセルの前記第1の部分のみが破裂し前記マイクロカプセルが含む前記物質を放出するよう前記マイクロカプセルの前記第1の部分及び前記第2の部分を局所的に加熱する手段を有する請求項21記載の柔軟材料。
【請求項23】
織り合わせられた繊維と、
電流を通し前記繊維に亘って散在する局所的加熱を発生させる手段と、
前記繊維及び前記電流を通すための手段上又は内に置かれ、前記電流を通すための手段の選択的な加熱により発生される局所的加熱により気化する少なくとも1つの物質と、
前記局所的加熱を発生させる手段に通される電流を制御する手段と、
を有する柔軟材料。
【請求項24】
柔軟材料に含まれる物質を制御可能に放出する方法であって、
繊維と電流を通すための手段とを一体にし、前記繊維に亘って散在する局所的加熱を発生させる段階と、
物質を含む少なくとも1つのマイクロカプセルを形成する段階と、
前記少なくとも1つのマイクロカプセルを、前記一体にされる前記繊維及び前記電流を通すための手段の上方又は内に組み込む段階と、
前記少なくとも1つのマイクロカプセルを選択的に加熱する段階と、
前記少なくとも1つのマイクロカプセルを破裂させる段階と、
前記物質を放出する段階と、
を有する方法。
【請求項25】
柔軟材料に含まれる物質を制御可能に放出する方法であって、
繊維と電流を通すための手段とを一体にし、前記繊維に亘って散在する局所的加熱を発生される段階と、
前記一体にされる前記繊維及び前記電流を通すための手段の上方又は内に物質を形成する段階と、
前記物質を選択的に加熱する段階と、
前記物質を気化させる段階と、
を有する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−507419(P2006−507419A)
【公表日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−554820(P2004−554820)
【出願日】平成15年11月10日(2003.11.10)
【国際出願番号】PCT/IB2003/005309
【国際公開番号】WO2004/048678
【国際公開日】平成16年6月10日(2004.6.10)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【Fターム(参考)】