説明

被加工材の処理ユニットおよび水系2層塗布型潤滑被膜の形成装置

【課題】 大量生産される被加工材の表面に、優れた摩擦低減性能を有する2層潤滑被膜を均一且つ効率よく形成できる装置を提供する。
【解決手段】 被加工材の処理ユニットは、加熱された浸漬用液体を貯留する貯留槽10と、被加工材を収容した状態で貯留槽10内の浸漬用液体に浸漬される通液自在に形成された容器20と、容器20を回転させる回転手段と、容器20を傾転させる傾転手段と、被加工材が浸漬される浸漬位置と浸漬されない非浸漬位置との間で容器20を移動させる移動手段とを有している。この処理ユニットを4組備えてなる2層潤滑被膜の形成装置は、各貯留槽10にそれぞれ脱脂洗浄液、温水、第1潤滑剤、及び第2潤滑剤を貯留しており、これら処理ユニットの各々で、被加工材の浸漬、液切り、乾燥及び排出からなる一連の処理が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、チタン、チタン合金等の冷間塑性加工用素材の表面に、冷間塑性加工用潤滑被膜を形成する装置に関し、特に、優れた潤滑性能を発揮する水系2層塗布型潤滑被膜を形成する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、鉄鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、チタン、チタン合金等の金属材料を冷間塑性加工する場合、当該加工される金属材料(以降、被加工材と称する)に下地被膜として、鉄鋼の場合はリン酸塩被膜を、ステンレス鋼の場合はシュウ酸塩被膜を、アルミニウム及びアルミニウム合金の場合はフッ化アルミニウム系被膜を、銅及び銅合金の場合は亜酸化銅被膜を、チタン及びチタン合金の場合はフッ化チタン系被膜を形成し、その上に加工度に応じて異なる種類の潤滑被膜を形成する手法が用いられている。例えば、加工度が低い場合は油や金属石けんなどを、加工度が高い場合は二硫化モリブデンなどが用いられている。
【0003】
しかし、下地被膜は化学反応によって形成するため、処理工程が多工程になって管理が煩雑となる上、廃酸、反応副生成物、重金属含有廃水などが発生する。そのため、処理工程が少なく管理が簡便であって、産業廃棄物の発生を低減できる環境対応型の潤滑剤が望まれていた。
【0004】
このような問題点を解決するため、特許文献1には、ケイ酸ナトリウムとポリアミド樹脂粉末又は二硫化モリブデン粉末を水に分散させた第1潤滑剤と、ワックス又はワックスと金属石けんを水に分散させた第2潤滑剤とからなる水系2層塗布型の潤滑被膜が提案されている。そして、第1潤滑剤で被加工材の表面に密着性や耐焼付性などに優れた第1層潤滑被膜を形成し、その上に第2潤滑剤で第2層潤滑被膜を形成することで、優れた摩擦低減性能を有する2層潤滑被膜が得られることが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−222890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような2層潤滑被膜の優れた摩擦低減性能を発揮させるには、大量生産される被加工材の表面にこれら第1潤滑被膜と第2潤滑被膜とを複数の被加工材間でばらつくことなく且つ効率よく成膜する必要があった。このため、従来は例えば複数の被加工材をかご状の容器に入れてクレーンで吊り下げ、各種処理液がそれぞれ貯留されている複数の槽に順に容器を搬送しては浸漬する作業を繰り返す作業が行われていた。しかしながら、かかる方法では作業者によって品質にばらつきが生じることが依然としてある上、多大な手間と労力を要していた。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、大量生産される被加工材の表面に、優れた摩擦低減性能を有する2層潤滑被膜を均一且つ効率よく形成することができる装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明が提供する被加工材の処理ユニットは、加熱された浸漬用液体を貯留する貯留槽と、被加工材を収容した状態で該貯留槽内の浸漬用液体に浸漬される通液自在に形成された容器と、該容器を回転させる回転手段と、該容器を傾転させる傾転手段と、該容器内に収容した被加工材が該貯留槽内の浸漬用液体に浸漬される浸漬位置と浸漬されない非浸漬位置との間で該容器を移動させる移動手段とを有していることを特徴としている。
【0009】
また、本発明が提供する水系2層塗布型潤滑剤被膜の形成装置は、上記処理ユニットを4組備えてなる装置であって、アルカリ脱脂洗浄液、温水、第1潤滑剤、及び第2潤滑剤がそれぞれの貯留槽内に前記浸漬用液体として貯留されており、これら処理ユニットの各々で、被加工材の浸漬、液切り、乾燥及び排出からなる一連の処理が行われることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、大量生産される被加工材の表面に、優れた摩擦低減性能を有する2層潤滑被膜を均一且つ効率よく形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る水系2層塗布型潤滑被膜の形成装置の平面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る水系2層塗布型潤滑被膜の形成装置を構成する処理ユニットの正面図である。
【図3】図2に示す処理ユニットに含まれる容器の一部破断斜視図である。
【図4】図2に示す処理ユニットの側面図であり、被加工材の浸漬、液切り及び乾燥、並びに排出の際の容器の状態が併せて図示されている。
【図5】図2に示す処理ユニットの代替例を示す側面図であり、被加工材の浸漬、液切り及び乾燥、並びに排出の際の容器の状態が併せて図示されている。
【図6】図2に示す処理ユニットの更に別の代替例を示す側面図であり、被加工材の浸漬、液切り及び乾燥、並びに排出の際の容器の状態が併せて図示されている。
【図7】図2に示す処理ユニットに含まれる容器の回転軸の端部と枠状部材との係合方法の具体例を示す部分断面図及び側面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る水系2層塗布型潤滑被膜の形成装置を構成する処理ユニットの側面図であり、被加工材の浸漬、液切り及び乾燥、並びに排出の際の容器の状態が併せて図示されている。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の水系2層塗布型潤滑被膜の形成装置の第1の実施形態を、添付図面を参照しながら説明する。この第1の実施形態の水系2層塗布型潤滑被膜の形成装置は、被加工材に対してアルカリ脱脂洗浄処理を行う第1処理ユニット1と、湯洗処理を行う第2処理ユニット2と、第1層潤滑被膜形成用の第1潤滑剤による処理を行う第3処理ユニット3と、第2層潤滑被膜形成用の第2潤滑剤による処理を行う第4処理ユニット4とからなる。
【0013】
これら第1処理ユニット1〜第4処理ユニット4は、図1に示すように、この順序で一列に配置されており、第1処理ユニット1及び第4処理ユニット4の近傍には被加工材を搬送するベルトコンベアーなどの搬送装置5、6がそれぞれ配置されている。第1処理ユニット1〜第4処理ユニット4は、各々、加熱された浸漬用液体を貯留する貯留槽と、被加工材を収容した状態で貯留槽内の浸漬用液体に浸漬される通液自在に形成された容器と、該容器を回転させる回転手段と、該容器を傾転させる傾転手段と、該容器に収容されている被加工材が該貯留槽内の浸漬用液体に浸漬される浸漬位置と浸漬されない非浸漬位置との間で該容器を移動させる移動手段とを有している。
【0014】
かかる構成により、第1処理ユニット1〜第4処理ユニット4の各々で、被加工材の受け入れ、浸漬、液切り、乾燥、及び排出からなる一連の処理を行うことができる。即ち、空の容器内に被加工材を受け入れた後、貯留槽内の浸漬用液体に容器を浸漬すると共に容器を回転することによって容器内に収容している被加工材の浸漬処理を行い、浸漬処理後は容器を浸漬用液体の液面より上に移動すると共に再度容器を回転して被加工材の液切り及び乾燥を行い、乾燥後は必要に応じて容器を移動してから容器を傾けて容器から被加工材を排出することができる。ここで、それぞれの処理ユニットの貯留槽には、アルカリ脱脂洗浄液、温水、第1潤滑剤、及び第2潤滑剤が浸漬用液体として貯留されているので、処理された被加工材は、その脱脂された表面に2層潤滑被膜が形成される。
【0015】
以下、かかる第1の実施形態の水系2層塗布型潤滑被膜の形成装置について詳細に説明する。尚、この第1の実施形態の形成装置は、第1処理ユニット1〜第4処理ユニット4が同じ処理ユニットで構成されているので、以下の説明においては、代表として第1処理ユニット1を採り上げて説明を行う。
【0016】
図2に示すように、第1処理ユニット1は架台60上に搭載されており、加熱された浸漬用液体を貯留する貯留槽10を有している。この貯留槽10は、底部とこれを4方から囲む壁部とからなる上面が開放された箱型構造をしており、槽内部に被加工材のアルカリ脱脂洗浄処理のための浸漬用液体(以下単に液体と称する)を貯留できるようになっている。また、底部及び壁部は各々内層11と外層12からなる2重構造を有しており、これら内層11と外層12とで形成される空間13内に温水などの加熱媒体を保持できるようになっている。
【0017】
貯留槽10の壁部には外側からその外層12を貫通して該空間13内に達する電熱ヒータ14が設けられており、この電熱ヒータ14で空間13内の加熱媒体を加熱できるようになっている。貯留槽10内にはそこに貯留される液体の温度を測定する温度センサーが設けられているのが好ましく、該温度センサーと電熱ヒータ14とで制御ループを組むことによって、貯留槽10内に液面Lまで貯留している液体を所定の温度に制御することが可能となる。
【0018】
尚、電熱ヒータ14を貯留槽10に設ける代わりにボイラーや熱交換器などの加熱手段を別途設け、ここで加熱した加熱媒体を該2重構造の空間13内に循環する方式を採用してもよい。また、底部や壁部を2重構造にする代わりに、あるいは該2重構造に加えて、加熱媒体が循環するコイル状の配管を貯留槽10内に設けてもよい。
【0019】
貯留槽10内には液体を攪拌する攪拌手段を設置してもよい。これにより、液体の温度や液体が溶液やスラリーの場合はその濃度を槽内で均一にすることができるため、被加工材に対してよりバラツキの少ない処理を施すことができる。この攪拌手段の具体的構造は特に限定するものでなく、例えば貯留槽10の周縁部にモータを固定し、そのシャフト先端にインペラーを設けることによって効果的に液体を攪拌することができる。
【0020】
次に、被加工材を収容した状態で貯留槽10内の液体に浸漬される容器20について説明する。図3に示すように、容器20は一端部に被加工材の投入及び排出用の開口部21を備え、内部に複数の被加工材を収容できる構造を有している。容器20の形状は特に限定するものではないが、一般的には容量を大きくとれる円筒形状が好ましい。容器20が円筒形状の場合は、図3に示すように、開口部21側端部が開口部21に向けて縮径するテーパー構造を有してもよい。これにより、液切りや乾燥の際に容器20がほぼ水平に傾けられても開口部21から被加工材が落下することがなくなる。
【0021】
容器20は、少なくとも貯留槽10の液面L以下に浸漬される部分が通液自在に形成されている。これにより、容器20が貯留槽10内の液体に浸漬された時に、容器20に収容されている被加工材も同時に液体に浸漬される。通液自在に形成する方法としては、容器20を例えば金属メッシュやパンチングメタルなどの通液自在な部材で形成する方法を挙げることができる。この内、穿孔部を除いて平坦な構造を有するパンチングメタルが特に好ましい。これは、平坦な構造は液が溜まりにくいので、液切りや乾燥を効率よく行えるからである。
【0022】
容器20の内部には、例えば図3に示すように、後述する中心軸30と略平行となるように容器20の内壁に立設された矩形の邪魔板22が設けられているのが好ましい。これにより、容器20の回転の際に内部の被加工材がこの邪魔板22によってかき混ぜられて、よりランダムに容器20内を移動するようになるので、より均一且つ効率のよい処理を行うことができる。
【0023】
容器20の内部には、更に図3に示すように、複数の突起23を内壁面に配設してもよい。これにより、内壁面に張り付いて処理が不完全となる被加工材の発生を抑えることができる。尚、突起23の形状は特に限定するものでなく、円柱形、角柱形、半球形、円錐形、切頭円錐形などの任意の形状でよいが、その高さは被加工材の高さよりも低く、且つ高さ方向に対して垂直な断面は、円相当の直径が被加工材の直径よりも小さいのが好ましい。また、隣接する突起23同士の間隔も、被加工材の直径より狭いことが好ましい。
【0024】
次に、被加工材に対して均一且つ効率のよい処理を行うべく容器20の回転を行う回転手段について説明する。図3に示すように、容器20には、その回転中心となる中心線上に回転軸30が取り付けられている。この回転軸30の両端部は、容器20の開口部21側端部及びその反対側端部からそれぞれ延出している。また、容器20は、図2に示すように、矩形の枠状部材31によって周囲を取り囲まれており、この枠状部材31の一端部に、回転軸30の開口部21側端部が回転可能に取り付けられている。同様に、枠状部材31の他端部に、回転軸30の開口部21側とは反対側の端部が回転可能に取り付けられている。
【0025】
回転軸30の開口部21側端部は、枠状部材31の一端部を貫通して突出しており、この部分にプーリ32が取り付けられている。また、枠状部材31の当該一端部には駆動源としてのモータ33が固定されており、このモータ33のスピンドルに、プーリ34が嵌着されている。そして、これらプーリ32とプーリ34とがベルト35により連結されている。かかる機構により、モータ33を回転させることによって、回転軸30を中心として容器20を回転させることができる。即ち、回転軸30、枠状部材31、プーリ32、モータ33、プーリ34及びベルト35により回転手段が構成されている。
【0026】
この回転手段による容器20の回転は、一定方向のみの回転であってもよいが、容器20内の被加工材により多様な動きを生じさせ得るように、正逆回転可能であることが好ましい。正逆回転可能にする方法については特に限定するものでなく、例えばモータ33の駆動制御部を正逆回転の切り替え可能なものにすることにより簡易に容器20を正逆回転させることができる。更に、容器20の回転は所定の回転数に設定されていてもよいが、被加工材の種類や処理の状況に応じて適宜回転数を変えることができるのが好ましい。回転数を可変にする方法についても特に限定するものでなく、例えばモータ33をインバータで制御することによって簡易に回転数を変えることができる。
【0027】
次に、容器20を傾転させる傾転手段について説明する。図2に示すように、枠状部材31は、容器20の回転軸方向の略中央部分に対応する位置において、水平方向の一直線上に延在する一対の回動軸40a、bを有している。これら一対の回動軸40a、bの両先端部は、後述するコの字状の揺動部材41の対応する両先端部にそれぞれ回動可能に取り付けられている。
【0028】
更に、一対の回動軸40a、bの内の一方の回動軸40bは、その軸方向の略中央部にプーリ42が取り付けられている。また、揺動部材41には駆動源としてのモータ43が固定されており、このモータ43のスピンドルに、プーリ44が嵌着されている。そして、これらプーリ42とプーリ44とがベルト45により連結されている。かかる機構により、モータ43を回転させることによって、一対の回動軸40a、bを中心として枠状部材31と容器20とを回動させることができる。つまり、揺動部材41に対して容器20を傾転させることが可能となる。即ち、回動軸40a、b、揺動部材41、プーリ42、モータ43、プーリ44及びベルト45により傾転手段が構成されている。
【0029】
この傾転手段は、容器20を元の姿勢から傾転させたり、当該傾転した姿勢から元の姿勢に戻したりする必要があるため、正逆いずれの動きも可能になっている。このように正逆両方の動きを可能にする方法については特に限定するものではないが、例えば前述したように、モータ43の駆動制御部を正逆回転の切り替え可能なものにすることによって簡易に行うことができる。
【0030】
また、この傾転手段は、容器20の傾転角度を任意の角度に設定できるようになっていることが好ましい。これにより、被加工材の種類や処理の状況に応じて最適な傾転角度に設定することが可能となる。傾転角度を任意の角度に設定する方法は特に限定するものでなく、例えばステッピングモータなどを用いることにより簡易に傾転角度を設定することができる。
【0031】
次に、容器20内の被加工材が貯留槽10内の浸漬用液体に浸漬される浸漬位置と浸漬されない非浸漬位置との間で容器20を移動させる移動手段について説明する。前述したコの字状の揺動部材41は、その屈曲部において、水平方向の一直線上に延在する一対の回動軸50a、bを有している。また、貯留槽10の上方には、図2に示すように、架台60の4隅から立設する脚部61に支えられた支持部材51が設けられている。この支持部材51は、下方に延びる一対の支持腕51a、bを有しており、ここに上記した一対の回動軸50a、bがそれぞれ回動可能に取り付けられている。
【0032】
更に、一対の回動軸50a、bの内の一方の回動軸50bは、その軸方向の略中央部にプーリ52が取り付けられている。また、支持部材51には駆動源としてのモータ53が固定されており、このモータ53のスピンドルに、プーリ54が嵌着されている。そして、これらプーリ52とプーリ54とがベルト55により連結されている。
【0033】
かかる機構により、モータ53を回転させることによって、一対の回動軸50a、bを中心として揺動部材41を揺動させることができ、これにより揺動部材41の先端部を貯留槽10内の液体の液面Lに対して近づけたり遠ざけたりすることが可能となる。その結果、容器20内の被加工材が貯留槽10内の液体に浸漬される浸漬位置と浸漬されない非浸漬位置との間で容器20を移動させることが可能となる。
【0034】
つまり、揺動部材41の先端部に枠状部材31を介して回動自在に取り付けられている容器20の少なくとも被加工材の収容部分を、液体の液面Lより下に移動させて被加工材を浸漬させたり、液体の液面Lより上に移動させて被加工材を浸漬させなかったりすることが可能となる。即ち、回動軸50a、b、支持部材51、プーリ52、モータ53、プーリ54及びベルト55により移動手段が構成されている。
【0035】
次に、上記説明した第1処理ユニット1を用いて被加工材をアルカリ脱脂洗浄する場合の動作について、図4を参照しながら説明する。先ず、空の容器20を図4の実線で示す状態Aのまま保ち、搬送装置5から受け入れた被加工材を開口部21を介して容器20内に投入する。搬送装置5から容器20内に被加工材を投入する方法は特に限定するものでなく、例えば搬送装置5に、被加工材を収容したまま反転できるトレイを設けたり、傾斜した樋状の供給装置を設けたりすることによって簡易に容器20内に被加工材を投入することができる。
【0036】
図4では、状態Aにおいて既に容器20は、その内部に収容されている被加工材が貯留槽10内の液体に浸漬される浸漬位置にあるので、上記被加工材の受け入れと同時に、被加工材の浸漬を開始することができる。あるいは、被加工材の受け入れを容器が浸漬していない位置で行ってもよい。この場合は、被加工材の受け入れ後に状態Aまで容器20を移動させる必要がある。
【0037】
次に、状態Aにおいてモータ33を起動し、回転軸30を中心にして容器20を回転させる。容器20は開口部21を上方に向けてはいるものの、回転軸30が鉛直方向からやや傾いているので、容器20内の被加工材は、浸漬されたまま容器20内でかき混ぜられる。更に、貯留槽10内には電熱ヒータ14によって間接的に温度40℃〜90℃、より好ましくは70℃〜80℃に加温されたアルカリ脱脂洗浄液が貯留されているので、この液に1分間〜10分間、より好ましくは5分間〜10分間浸漬することにより、被加工材に対して均一且つ効率のよいアルカリ脱脂洗浄を行うことができる。
【0038】
尚、この温度が40℃未満では、アルカリ脱脂の洗浄力が不足する上、被加工材が十分に温まらないので、後段の処理ユニットにおいて浸漬により塗布される第1層潤滑剤及び第2層潤滑剤の乾燥が非効率になる。一方、90℃を超えて加温してもこれら洗浄効果及び乾燥効率はあまり上昇しないので経済的ではない。また、この時間が1分間未満では、被加工材の表面の洗浄が不十分となるので、品質上の問題が生じるおそれがある。また、被加工材の加温も不十分となるので、上述したように後段の処理ユニットでの第1層潤滑剤及び第2層潤滑剤の乾燥が不十分になる。一方、10分間を超えて浸漬しても洗浄効果及び乾燥効率はあまり上昇しない。
【0039】
浸漬の開始から所定の時間が経過すると、次にモータ43及びモータ53を起動して、図4の二点鎖線で示す状態Bとなるように容器20を移動及び傾転させる。具体的には、プーリ54を紙面上時計回りに回転させて揺動部材41を回動軸50a、bを中心にして紙面左側に揺動させる。また、プーリ44を紙面上反時計回りに回転させて、容器20がほぼ水平となるまで傾転させる。
【0040】
これにより、容器20の回転軸30をほぼ水平方向に向けた状態で容器20を貯留槽10の液面Lより高い非浸漬位置に保つことができる。この状態Bで容器20を回転させることによって、容器20内部の被加工材の液切りを行うことができる。尚、状態Bでは容器20は貯留槽10のほぼ真上に位置しているので、液切りによって滴下する液体はそのまま貯留槽10に戻される。
【0041】
この状態Bでは、上記液切りに引き続いて被加工材の乾燥が行われる。ところで、前述したように、浸漬処理では被加工材は所定の温度に加熱された液体に浸漬されていたので、乾燥処理される被加工材は、液切りの際の放熱によってある程度は温度が下がっているものの、依然として上記加熱された液体と同程度の高い温度を有している。これにより、液の蒸発を促進させることができるので、より効率のよい乾燥が可能となる。
【0042】
この乾燥効率を更に高めるため、熱風供給手段を用いて乾燥してもよい。熱風供給手段の具体的な構造は特に限定するものでなく、例えば状態Bに位置している容器20の近傍に送風機と電熱ヒータを設け、該送風機から送風されるエアーを電熱ヒータで加熱し、得られた熱風を容器20に向けて吹き付けることにより簡易に被加工材を熱風乾燥することができる。
【0043】
液切り及び乾燥の開始から所定の時間が経過すると、再びモータ43及びモータ53を起動して、図4の二点鎖線で示す状態Cとなるように容器20を移動及び転動させる。具体的には、プーリ54を紙面上時計回りに回転させて揺動部材41を回動軸50a、bを中心にして紙面左側に揺動させ、容器20を架台60の紙面左側からはみ出させて隣接する第2処理ユニット2の貯留槽10の上方にまで移動させる。そして、この位置でプーリ44を紙面上反時計回りに回転させて、開口部21がほぼ真下を向くように容器20を傾転させる。
【0044】
この時、隣接する第2処理ユニット2の貯留槽10内では、空の容器20が前述した状態Aの姿勢を保ったまま待機しており、第1処理ユニット1の状態Cの容器20と第2処理ユニット2の状態Aの容器20とは、互いに開口部21が上下でほぼ対向する位置関係になっている。よって、容器20に収容されている被加工材を、隣接する第2処理ユニット2の空の容器20に直接投入することが可能となる。
【0045】
以上により、被加工材の受け入れ、浸漬、液切り、乾燥、及び排出からなる一連の処理が完了する。尚、上記した種々の作動行程の開始時点や終了時点の判断は、例えば移動する部材の接触あるいは非接触によってそのタイミングを検出する図示しないセンサーを用いて行うことができる。また、所定の浸漬時間、液切り及び乾燥時間の経過の判断は例えばタイマを用いて行うことができる。被加工材を排出した第1処理ユニット1の容器20は、その後、上記と逆の行程をたどって状態Aに戻される。そして、次バッチの被加工材を搬送装置5から受け取り、以降は上記と同様の動作が繰り返される。
【0046】
一方、被加工材が投入された第2処理ユニット2の容器20は、上記した第1処理ユニット1の容器20と同様に回転手段、移動手段及び傾転手段を用いて動かされる。これにより、第2処理ユニット2の貯留槽10に貯められている温水によって被加工材の湯洗処理が行われる。以降、同様にして第3処理ユニット3及び第4処理ユニット4において被加工材の処理が行われる。第3処理ユニット3及び第4処理ユニット4の貯留槽10にはそれぞれ第1潤滑剤及び第2潤滑剤が貯められているので、第1処理ユニット1〜第4処理ユニット4で処理された被加工材は、脱脂された表面上に第1潤滑被膜と第2潤滑被膜とからなる2層塗布型潤滑被膜が形成される。
【0047】
尚、第2処理ユニット2では、40℃〜90℃、より好ましくは70℃〜80℃の温水に、被加工材を10秒間〜180秒間、好ましくは10秒間〜60秒間浸漬する。40℃未満では被加工材が十分温まらず、後工程の第3処理ユニット3及び第4処理ユニット4での乾燥が不十分になる。一方、90℃までの温度で十分に洗浄されるので、この温度を超えた加熱は不経済である。また、10秒間未満では被加工材の洗浄が不十分になり、60秒間程度で十分に洗浄されるので180秒間を超えた湯洗は不経済である。
【0048】
第3処理ユニット3では、40℃〜90℃、より好ましくは70℃〜80℃の第1潤滑剤に被加工材を5秒間〜600秒間、好ましくは10秒間〜60秒間浸漬する。40℃未満では被加工材の乾燥が不十分になり、90℃を超えると第1潤滑剤の劣化を促進させる恐れがある。また、5秒間未満では被加工材の表面全体が第1潤滑剤で濡れず、600秒間程度で被加工材の表面全体が十分濡れるのでそれを超えた浸漬は不経済である。
【0049】
被加工材がウェットブラスト処理されている場合は、この第3処理ユニット3での浸漬時間は、被加工材自体を温めるため、1分間〜10分間、より好ましくは5分間〜10分間にする。1分間未満では処理後の乾燥が不十分になり、10分間程度で十分温まっているので10分間を超えた浸漬は不経済となる。
【0050】
第4処理ユニット4では、40℃〜90℃、より好ましくは70℃〜80℃の第2潤滑剤に被加工材を5秒間〜120秒間、より好ましくは10秒間〜60秒間浸漬する。40℃未満では乾燥が不十分になり、90℃を超えると第2潤滑剤の劣化を促進させる恐れがある。また、5秒間未満では被加工材の表面全体が第2潤滑剤で濡れず、120秒間を超えると第1層潤滑被膜が膨潤したり、その一部が溶解したりする恐れがある。
【0051】
以上説明したように、本発明の第1の実施形態の水系2層塗布型潤滑被膜の形成装置は、大量生産される被加工材の表面に、優れた摩擦低減性能を有する2層潤滑被膜を均一且つ効率よく形成することができる。尚、上記第1の実施形態に係る回転手段、傾転手段及び移動手段の構造は、前述した構造に限定されるものではなく、種々の方法で代替することが可能である。
【0052】
例えば、容器20を移動させる移動手段は、上下方向に往復自在な機構を用いて被加工材が貯留槽10内の液体に浸漬される浸漬位置と浸漬されない非浸漬位置との間で枠状部材31及び容器20を移動させる構造であってもよい。また、支持部材51を脚部61によって固定状態で支持する代わりに支持部材51に車輪を設けて水平方向に走行可能にしてもよい。更に、例えば図5に示すように、支持部材151を貯留槽10の周縁部に固定し、ここに一対の回動軸50a、bを回動可能に取り付けてもよい。
【0053】
このように、支持部材151を貯留槽10の周縁部に設ける場合は、図6に示すように、枠状部材31と揺動部材41とを一体化してもよい。これにより、モータ53を回転することによって、浸漬位置と非浸漬位置との間の容器20の移動と容器20の傾転とを同時に行うことができる。即ち、この場合は、回動軸50a、b、支持部材151、プーリ52、モータ53、プーリ54及びベルト55が、移動手段と傾転手段とを兼ねることになる。
【0054】
上記した第1の実施形態の回転手段、傾転手段及び移動手段においては、いずれもプーリとベルトを用いてモータの回転を伝達するものであったが、かかる機構に限定されるものではなく、複数のギアやリンク部材を用いる構造であってもよいし、ダイレクトドライブ方式で駆動させる方式でもよい。更に、上記した第1の実施形態の傾転手段及び移動手段においては、いずれも一対の回動軸の片側のみにプーリを設けた構造であったが、かかる構造に限定されるものではなく、一対の回動軸の両方にそれぞれプーリを設けて、これらを1台のモータで連動するようにしてもよい。
【0055】
また、容器20は着脱可能な構造であることが好ましい。これにより、被加工材の種類や大きさ、処理量などに応じて最適な形状や容量の容器20を用いることが可能となる。容器20を着脱可能にするための具体的な構造は特に限定するものではないが、例えば、回転軸30の開口部21側端部と枠状部材31との係合部分に適度な遊びをもたせると共に、回転軸30の開口部21側とは反対側の端部と枠状部材31との係合を嵌脱自在にすればよい。つまり、枠状部材31に対する回転軸30の軸方向の移動と、該係合部分を支点とした回転軸30の揺動とを可能にすればよい。
【0056】
これにより、回転軸30からプーリ32を取り外して回転軸30の開口部21側とは反対側の端部と枠状部材31との係合が外れる方向に回転軸30を移動させた後、回転軸30を枠状部材31に対してやや傾け、その状態で今度は回転軸30の開口部21側端部と枠状部材31との係合が外れる方向に回転軸30を移動させることによって容器20を枠状部材31から取り外すことができる。
【0057】
尚、このように容器20を着脱可能にする場合は、操業中に容器20が枠状部材31から外れないようにしておく必要がある。これは、例えば図7(a)に示すように、回転軸30と枠状部材31とを雄ネジ36で回転可能に結合することで可能となる。具体的には、回転軸30の開口部21側とは反対側の端部に、軸方向に螺入される雌ネジを形成すると共に、枠状部材31の当該端部との係合部分に、該雌ネジに螺合する雄ネジ36のネジ部36aの外径より大きく且つ回転軸30の外径より小さな貫通孔を設ける。そして、この貫通孔に雄ネジ36を挿通して回転軸30の雌ネジと螺合することによって、回転軸30が枠状部材31から外れるのを防ぐことができる。
【0058】
この雄ネジ36の代わりに、図7(b)に示すように、シャーピンやスナップピン(Rピン)などの係止具38を用いて回転軸30と枠状部材31とを回転可能に結合してもよい。具体的には、回転軸30の開口部21側とは反対側の端部に軸方向に突出する突出部37を設けると共に該突出部37の先端部に径方向に取付孔37aを穿孔する。更に、枠状部材31の当該端部との係合部分に、該突出部37の外径よりも大きく且つ回転軸30の外径より小さな貫通孔を設ける。そして、この貫通孔に突出部37を挿通して取付孔37aに係止具38を取り付けることによって、回転軸30が枠状部材31から外れるのを防ぐことができる。
【0059】
本発明の第1の実施形態の水系2層塗布型潤滑被膜の形成装置は、更に図2に示すように、第1〜第4処理ユニットが、各々専用の架台60上に搭載されているのが好ましい。この架台60は、各処理ユニットを容易に移動させることができるように車輪60aを具備しているのがより好ましい。これにより、予備の処理ユニットを用意しておくことによって、貯留槽に貯留している液体の種類を変えたい時や、処理ユニットの故障又はメンテナンスなどの時に、当該予備の処理ユニットと素早く取替えることができる。これにより、実質的に操業を止めることなく連続的に処理を行うことができる。
【0060】
尚、上記第1の実施形態の水系2層塗布型潤滑被膜の形成装置の説明においては、第1処理ユニット1〜第4処理ユニット4が全て同じ処理ユニットで構成されていることを前提にしたが、かかる場合に限定されるものではなく、第1処理ユニット1〜第4処理ユニット4の内のいずれかの構造が、他の構造と異なっていてもよい。
【0061】
次に、本発明の水系2層塗布型潤滑被膜の形成装置の第2の実施形態を説明する。この第2の実施形態の形成装置は、第1の実施形態の形成装置と同様に第1処理ユニット1〜第4処理ユニット4を有していることに加えて、容器20から排出される被加工材を受け取る受取部を有していることを特徴としている。
【0062】
即ち、図8に示すように、この第2の実施形態の形成装置は、隣接する2つの処理ユニットの間にトレイ状の受取部70を備えている。そして、一方の処理ユニットの状態Cの容器20から排出される被加工材を、この受取部70で収容する。受取部70は、その支持台71に傾転可能に取り付けられており、受取部70を傾転させることによって、もう一方の処理ユニットの容器20に被加工材を投入することができる。
【0063】
このように、第2の実施形態の形成装置は、容器20から排出された被加工材を、受取部70を介して隣接する処理ユニットの容器20に投入することができるので、隣接する2つの処理ユニット間で被加工材を受け渡しする際に、被加工材の落下の衝撃力を和らげることができる。よって、潤滑被膜が被加工材の表面から剥がれたり被加工材にきずが付いたりする問題を回避することができる。更に、隣接する2つの処理ユニット間で被加工材を受け渡しする際に、容器20の開口部21同士を上下方向で対向させる必要がなくなるので、第1処理ユニット1〜第4処理ユニット4の各々を自由にレイアウトすることが可能となる。
【0064】
受取部70の位置は、上記したような隣接する2つの処理ユニットの間に限定されるものでなく、例えば第1処理ユニット1〜第4処理ユニット4を一直線に配列し、各処理ユニットの揺動手段を、これら処理ユニットの配列方向に直交する方向に揺動するように構成し、当該揺動手段によって容器20が架台60からはみ出る位置の下方に受取部70を設けてもよい。この場合は、受取部70を処理ユニットの配列方向に沿って移動させた後受取部70を傾けることによって、容器20から排出された被加工材を、隣接する処理ユニットの容器20に投入することができる。
【符号の説明】
【0065】
1 第1処理ユニット
2 第2処理ユニット
3 第3処理ユニット
4 第4処理ユニット
10 貯留槽
20 容器
31 枠状部材
41 揺動部材
51 支持部材
60 架台
70 受取部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱された浸漬用液体を貯留する貯留槽と、被加工材を収容した状態で該貯留槽内の浸漬用液体に浸漬される通液自在に形成された容器と、該容器を回転させる回転手段と、該容器を傾転させる傾転手段と、該容器内に収容された被加工材が該貯留槽内の浸漬用液体に浸漬される浸漬位置と浸漬されない非浸漬位置との間で該容器を移動させる移動手段とを有していることを特徴とする被加工材の処理ユニット。
【請求項2】
前記容器を前記傾転手段で傾転させることによって、該容器内に収容している被加工材を排出することを特徴とする、請求項1に記載の被加工材の処理ユニット。
【請求項3】
前記非浸漬位置で前記容器を回転させることによって、該容器内に収容している被加工材の液きり及び乾燥を行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載の被加工材の処理ユニット。
【請求項4】
前記容器は着脱可能であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の被加工材の処理ユニット。
【請求項5】
前記処理ユニットは更に熱風供給手段を有していることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の被加工材の処理ユニット。
【請求項6】
前記回転手段は回転数が可変であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の被加工材の処理ユニット。
【請求項7】
前記回転手段は正逆回転が可能であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の被加工材の処理ユニット。
【請求項8】
前記傾転手段は前記容器を任意の角度に傾転可能であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の被加工材の処理ユニット。
【請求項9】
前記容器はその内部に邪魔板を有していることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の被加工材の処理ユニット。
【請求項10】
前記容器はその内壁面に複数の突起を有していることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の被加工材の処理ユニット。
【請求項11】
請求項1〜10に記載の処理ユニットの中から選んだ4組の処理ユニットで構成される水系2層塗布型潤滑剤被膜の形成装置であって、アルカリ脱脂洗浄液、温水、第1潤滑剤、及び第2潤滑剤がそれぞれの貯留槽で前記浸漬用液体として貯留されており、これら処理ユニットの各々で、被加工材の浸漬、液切り、乾燥及び排出からなる一連の処理が行われることを特徴とする水系2層塗布型潤滑被膜の形成装置。
【請求項12】
前記容器から排出された被加工材は、隣接する処理ユニットの容器に直接投入されることを特徴とする、請求項11に記載の水系2層塗布型潤滑被膜の形成装置。
【請求項13】
前記形成装置は、更に前記容器から排出される被加工材を受け取る受取部を有しており、前記容器から排出された被加工材が該受取部を介して隣接する処理ユニットの容器に投入されることを特徴とする、請求項11に記載の水系2層塗布型潤滑被膜の形成装置。
【請求項14】
前記4組の処理ユニットは、各々取替え可能であることを特徴とする、請求項11〜13のいずれかに記載の水系2層塗布型潤滑被膜の形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−240355(P2011−240355A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−113163(P2010−113163)
【出願日】平成22年5月17日(2010.5.17)
【出願人】(510135717)株式会社ワークアップアサクラ (1)
【出願人】(510135728)
【出願人】(591213173)住鉱潤滑剤株式会社 (42)
【Fターム(参考)】