説明

被膜密着性に優れた方向性電磁鋼板の製造方法

【課題】 本発明は、TiCをインヒビターとする方向性電磁鋼板の製造方法において、二次再結晶後のインヒビター除去を効率よく行うことを目的とする。
【解決手段】 仕上焼鈍として実施する高温箱焼鈍に先立って、鋼板表面にTi,Nb,Hf,Ta,V,Zrの1種または2種以上を合計で80%以下含むFe、Mn、Cr、NiまたはCo合金、またはTi,Nb,Hf,Ta,V,Zrの1種または2種以上の酸化物、窒化物、硫化物を塗布することで、インヒビター成分であるCを二次再結晶後鋼板から吸い上げ、地鉄との界面が平滑な皮膜化して、良好な鉄損特性を実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は変圧器、回転機、リアクトル等の鉄心材料として、工業的に最も一般的に用いられる軟磁性材料である方向性電磁鋼板に関し、特にその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
方向性電磁鋼板は、物理学で用いられるミラー指数で<100>と表現される、結晶の格子を基準にした際の最も容易に磁化される方位を、各結晶粒毎に比較的揃えられており、従って多結晶鋼板でありながら単結晶鋼板であるかのごとく特定方向への磁化特性が優れた、工業製品として望ましい材料である。方向性電磁鋼板は、一般に二次再結晶と呼ばれる現象を活用して結晶の磁化容易軸を特定方向に揃えるのであるが、工業技術として公に開示された例は、P.N.Gossによる特許文献1、田口と坂倉の特許文献2、今井と斎藤の特許文献3等である。これらの技術に依れば、二次再結晶はSiを多く含んだ鋼に、インヒビターと通称される第二分散相としてMnS他、種々の化合物を析出させ、冷間圧延と焼鈍を組み合わせることで二次再結晶を発現させている。
【0003】
これらの製造方法の共通の特徴として、冷延後、仕上高温焼鈍に先立って、脱炭焼鈍を行うということがある。炭素は実は二次再結晶の進行それ自体には全く不要な元素であるが、田口と坂倉の特許文献2の方法では、MnSとAlNを適切に分布析出させるための成分、即ち二次再結晶の準備のための元素で二次再結晶のための仕上高温焼鈍工程前に鋼中から除去しなければならない。また、この方法では、熱延に先立って鋼塊またはスラブの加熱を1350℃以上という超高温で実施しなければならない。
【0004】
この負担を回避するために菅らは特許文献4に開示される新たな技術を発明し、そしてこの方法であれば炭素を予め鋼中に含有させる必要性が低下し脱炭焼鈍を省略する事も可能と考えられるが、しかしこの方法では冷間圧延から仕上高温焼鈍に至るまでに鋼板外部から窒素を鋼中にドープする必要があり結果としての焼鈍工程導入は避けられない。結論的に言えば、従来技術においては、二次再結晶の冶金原理に鑑みて元来不要な脱炭焼鈍もしくは冷延と仕上高温焼鈍に挟まれた独立工程としての焼鈍工程を、省略することが困難である。この課題については、河面らによる発明、例えば特許文献5等が更なる検討対象と成りうる。彼らは旧来の方法を応用し、溶製段階で鋼中に炭素を含有させず、二次再結晶鋼板を得ることに成功した。しかし実際には仕上高温焼鈍に先立つ冷延後の焼鈍を完全には省略できない。なぜなら、方向性電磁鋼板の製品要件である皮膜を形成するために、鋼板表面に僅かな酸化層を形成させて仕上高温焼鈍に必要な焼鈍分離剤の一部と反応させなければ成らず、そのための湿潤雰囲気中焼鈍を導入する方が技術的に容易であったのである。さらにはやはり、熱延に先立つ鋼塊あるいはスラブの加熱温度が1350℃以上の超高温でなければならず大きな負担を強いられる技術であることに変わりはなかった。
【0005】
これに対して、鋼にTi,Cを適量添加しTiC析出物をインヒビターとして析出させて、冷延板を直接仕上高温焼鈍に供する事で方向性電磁鋼板を製造する事も可能である。この時、スラブ加熱温度は1250℃と普通鋼と同等であり、負担の少ない製造技術として成立しうる。
【0006】
ところが、TiCインヒビターには、改善すべき点があった。インヒビターとして用いられる析出物は、最終製品の電磁鋼板としては、磁化過程における180°磁区の動きを著しく妨げる効果を持ち、従って最も重要な磁気特性である鉄損特性を発揮させるには、二次再結晶完了後に完全に除去されなければならない。即ち、いわゆる純化が行われなければならない。TiC以前に用いられていた、例えばMnSやAlNは、二次再結晶後、時として1200℃に及ぶような仕上高温焼鈍で、乾水素を雰囲気に導入する事により、HSやNHの気体化反応を利用して完全に除去する事が可能であった。しかしながら、TiCの場合、水素化反応であるCH4生成反応はこの様な高温では不安定で、純化を完了させるには不十分である。鋼中に析出したTiCインヒビターが、乾水素中で高温長時間焼鈍する事で鋼板表面にTiC被膜を形成し、実質的に鋼板中に介在物が無くなる事もあるが、良好な磁性を得るためには膨大な熱エネルギーの消費を要する。
【0007】
【特許文献1】U.S.Pat.1965559公報
【特許文献2】特公昭38−4710号公報
【特許文献3】特公昭38−8214号公報
【特許文献4】特開昭59−56522号公報
【特許文献5】特開昭55−73818号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、方向性電磁鋼板の製造において、一般の鋼と比較した際の大きな工程負担を減ずる事の出来る、TiCをインヒビターとする方向性電磁鋼板の製造方法において、磁気特性発現のための最終工程である仕上高温焼鈍の純化を効率よく実施し、製造に際してのエネルギー消費の減少を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明においては、Ti、Zr、Hfなどの親炭素元素をスパッタ法で鋼板表面に付着させ、仕上高温焼鈍中に炭素を吸い上げさせると、乾水素中焼鈍で生成したTiCと同様な被膜を形成させ、鋼中介在物を除去する事が可能ではないかと考え、それを試みた。
【0010】
しかしながら、この場合、逆に親炭素元素が鋼中に拡散侵入し、TiC除去が出来ずに失敗に終わった。そこで次に、本発明者らは、仕上高温焼鈍(長時間)で鋼中TiCを鋼板表面に再析出させ安定な被膜を形成する事が出来るのに、なぜ親炭素元素を鋼板表面に付着させただけではCを吸い上げて安定な被膜を形成する事が出来ないのか、その機構解明に取り組んだ。即ち、親炭素元素のコーティング量を変えたり、あるいは合金化したり等の実験を多数行い、脱炭反応が進むかどうか調査した。その中で、親炭素元素が鋼中に侵入せず、鋼板表層に炭化物被膜が形成され、その膜下の地鉄中でインヒビターであるTiC析出物が十分に除去される場合が幾通りかある事が見出された。そこでこれらの条件の共通点を調べた所、これらは皆親炭素元素とFeの合金をコーティングした場合である事を見出した。
【0011】
そこで、なぜFeと合金化すると形成される炭化物被膜が安定化して純化が可能になるのかを考察した。ここで実験に用いた親炭素元素群は全て金属元素であり、Feと合金化が可能である。従ってそもそもFe中での拡散は容易と考える事が出来る。一方、拡散を引き起こす物理パラメータは、フィックの第二法則に従えば、化学ポテンシャルの勾配である。これは巨視的には活量勾配であり、合金の場合濃度勾配に比例する事が多い。そこで、Ti、Hf、等の金属元素が鋼板上にそのままコーティングされた場合、濃度差は100%と0%であるが、Fe合金化してコーティングされればコーティング組成と地鉄組成の濃度差は縮まり、従って拡散の駆動力が低下するのではないかと考えた。
【0012】
例えば、FeとTiの合金スパッタにおいて、組成を1:3として2μm厚みコーティングし、乾水素中1200℃までの焼鈍で二次再結晶を完遂させながら純化焼鈍を試みた後の、鋼板表面の被膜−地鉄界面性状をグロー放電分光分析:GDSで解析した。その結果を図1(a)に示す。また、比較材として(b)純Tiをコーティング後、焼鈍したもの、(c)コーティングせず、乾水素中高温仕上焼鈍(長時間)で安定な被膜を形成したものを併せて示す。図には被膜部分、界面部分、地鉄部分を明示したが、図(a)は界面領域の幅が(c)と同等で、十分な平滑度が得られている事が解る。また、(b)の条件では界面領域が広く、即ち地鉄と被膜の界面が平滑ではなくて鉄損得性状好ましくない事が理解できる。また、この時の磁性であるが板厚0.23mmの材料で、(a)B8=1.91T、W17/50=0.83w/kg、(b)B8=1.92T、W17/50=1.15w/kg、(c)B8=1.90T、W17/50=0.87w/kg、であり、(b)が極端に鉄損が悪かったのに対し、(a)は(c)と同レベルであった。
【0013】
本発明は上述したようにその原理を解明したが、本発明者らは、上記原理をベースにさらにこの応用技術を探索、研究した。即ち、親炭素元素の化合物反応を適用したこの技術において、反応の開始素材は元素ではなく化合物であっても良いのではないかと考え、試験を行った。一例としてTiOを適用した。TiOは1μm程度の微粉で供給する事が可能で、鋼板表面への塗布は水スラリー化したもので実施し、直ちに乾燥することで鋼板に十分付着させる事が出来た。この様な方法で10g/mの量を冷延鋼板に塗布し、タイトコイル化して仕上焼鈍に供した所、1150℃×40hrの焼鈍で残C量25ppmとする事が出来た。この時用いた鋼板にTiOの替りにMgOを塗布した時には、同一条件にて残C量が95ppmであったものである。また、化合物中のTiの反応活性度は低いので、当然の結果ではあるが、被膜−地鉄界面は平滑であった。
【0014】
ここにおける反応として考えられるのは、
TiO+3→TiC+2CO↑
で表されるCarbothermal反応であろう。ここでは鋼中の固溶Cである。この反応は気体が関与する反応であり、右辺のCOが雰囲気ガスと置換されて反応から除去されればどんどん進行していくものである。
【0015】
この方法においてもまた効果が発現したものはIVa、Va族元素である、Ti,Nb,Hf,Ta,V,Zrの酸化物であった。窒化物、硫化物を用いても効果が現れる事があったが、これは雰囲気が乾水素のみである時に限られた。即ち化合するN,Sがそれぞれ気体であるNH3、H2Sで雰囲気中に放出されると考えられる場合である。何となれば、これ以外のArや真空雰囲気では、N,Sがかえって鋼中に侵入してしまい、TiN、TiS等を介在物として形成して、鉄損特性を劣化させてしまったからである。
【0016】
本発明は上記知見に基づいてなされたもので、その要旨は以下の通りである。
(1)質量%で、Si:2%〜4.5%、Ti:0.1%〜0.4%、C:0.035%〜0.1%、を含み、残部Fe及び不可避的不純物からなる鋼を、鋳造し、熱延し、冷延して製品板厚とした後、鋼板表面にTi,Nb,Hf,Ta,V,Zrの1種または2種以上を合計で0%超〜80%以下含むFe、Mn、Cr、NiまたはCo合金を塗布または付着させ、次いで仕上高温焼鈍を施すことを特徴とする被膜密着性に優れた方向性電磁鋼板の製造方法。
(2)質量%で、Si:2%〜4.5%、Ti:0.1%〜0.4%、C:0.035%〜0.1%、を含み、残部Fe及び不可避的不純物からなる鋼を、鋳造し、熱延し、冷延して製品板厚とした後、鋼板表面にTi,Nb,Hf,Ta,V,Zrの1種または2種以上の酸化物、窒化物または硫化物を塗布または付着させ、次いで仕上高温焼鈍を施すことを特徴とする被膜密着性に優れた方向性電磁鋼板の製造方法。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、TiCをインヒビターとする方向性電磁鋼板の製造方法において、二次再結晶完了後のインヒビター除去を効率よく行い、仕上高温焼鈍の純化におけるエネルギー消費を抑えながら、かつ良好な磁気特性を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、本発明の実施形態について述べる。
【0019】
先ず鋼の成分について述べる。
【0020】
Si量は、4.5%を超えると脆化が激しくなり、スリット、剪断等の加工で所定の形状を得ることが困難になることから4.5%以下とした。2%を下回ると、商用周波数における使用で発生するエネルギー損失のうちの渦電流損が増大して磁気特性が劣化するので、2%以上とした。
【0021】
Tiは0.1%を下回ると、二次再結晶不良に起因する極端な鉄損特性劣化が生じたので0.1%以上とした。0.4%を超えると精錬後の鋳造時に大量の酸化物系介在物が溶鋼中に形成され、ノズル目詰まりを起こして生産性が極端に劣化するので0.4%以下とした。
【0022】
Cは溶製時点で0.035%を下回ると冷延後の高温焼鈍で二次再結晶が発現しないので0.035%以上とした。0.1%を超えると、二次再結晶完了後の純化焼鈍で鋼中の炭素量を0.0005%以下とすることが困難なので0.1%以下とした。
【0023】
純化焼鈍に先立つ鋼板表面への塗布元素についてであるが、まずO、N、Hgの様な、室温で気体または液体以外の元素を、原子番号3のLiから原子番号92のUまで全てについて、鋼板表面への塗布を行った。金属元素についてはスパッタ法、非金属元素については粉末をエチルアルコールに溶いてスラリーとした物を塗布後乾燥させた。その結果、周期律表の族番号に完全に対応して純化挙動が分類できた。即ち、Ia、IIa、IIIa族は鋼中様々な不純物や雰囲気中に僅かに存在するO、H2Oと反応して、鋼中Cを吸い上げる効果が認められなかった。VIa、VIIa、VIIIaおよびI〜VIIb族は、CよりむしろFeと合金化し、あるいは化合物を形成してしまった。その結果、鋼中Cと反応して純化能力を発揮したのは、IVa、Va族のTi,Nb,Hf,Ta,V,Zrの6元素だけであった。
【0024】
次に、これらの元素を塗布して純化した場合の磁気特性発現状況であるが、化合していない純物質素材を用いて塗布した場合は、スパッタコーティング、粉末のスラリーコーティング、あるいはめっきコーティング等の塗布形態に依らず、被膜と地鉄の界面の凹凸が激しく、十分なB8値が得られたとしても鉄損特性が劣悪であった。そこで、Fe,Co,Ni,Mn,Crと合金化して塗布したところ、これら合金化元素が20%以上のときに十分平滑な界面となり、良好な鉄損特性が得られたので、Ti,Nb,Hf,Ta,V,Zrを80%以下の合金とした。
【0025】
さらに、Ti,Nb,Hf,Ta,V,Zrの酸化物を10μm以下の微粉とし、水でスラリーに溶いて塗布後乾燥し、純化に供したところ、形成された炭化物被膜と地鉄の界面が平滑なまま純化が完了して、十分良好な鉄損値が得られた。併せてN化物、S化物も塗布したが、He、Ar、真空雰囲気で焼鈍を行ったところ、鋼中にNやSが拡散進入し、鉄損を劣化させた。一方、H2中で焼鈍したところ、NやSの鋼中への進入は無く、良好な鉄損特性が得られた。
【0026】
ここで、仕上高温焼鈍の温度は、1000℃〜1250℃の範囲で行われ1000℃未満だと純化が不十分であり、1250℃を超えるとエネルギ−的にコストがかかる。
【実施例1】
【0027】
表1の成分の素材を用いて1300℃でスラブ加熱し、3mm厚さの熱延板とした後、0.28mm厚さまで冷延した。200mm×500mmのシート状に加工し、スパッタ法でTi:70%+Fe:30%の合金を5μm厚みコーティングした。直接通電加熱法により乾水素雰囲気中で1000℃まで10分で加熱して30分保定した。この時の磁気特性を、表2に示す。
【0028】
【表1】

【0029】
【表2】

【0030】
Ti量が少なすぎる「ハ」、C量が少なすぎる「ニ」においては、二次再結晶不良に起因する鉄損特性の劣化が見られた。その他の材料については、B8値に見合う十分良好な鉄損特性が得られた。
【0031】
次に、表1「ロ」の成分からなる冷延板を用い、上述と同じ工程条件の中で、表3に示す組織の合金をスパッタして乾水素雰囲気中1000℃の箱焼鈍を行った。
【0032】
【表3】

【0033】
いずれもB8値は1.9T前後で十分良好な二次再結晶が得られている事を示しているが、Ti、Zr、Ta、V、Nb、Hfの合計が80%を超えると鉄損値が大幅に劣化する事が解る。
【実施例2】
【0034】
Si:3.3重量%、Ti:0.21重量%、C:0.08重量%の鋼を連続鋳造し、幅1mのスラブとした後、1270℃でスラブ加熱して2.0mm厚さの熱延板とし、0.22mm厚さまで冷延した。その後、表4の成分を持ち、平均粒径が1〜5μmとなるように調整した粉末を、水100gに対して35gの割合で混合し、ホモジナイザーで30分攪拌して均一なスラリーとした後、ゴムロールからなるロールコーターで塗布して内径500mmのタイトコイルに巻き取った。このコイル状試料を箱焼鈍炉に装填し、ガス加熱によって50℃/hrの昇温速度で1200℃まで加熱し、その後15時間保定した。この様な実験を、(i)H2中、(ii)Ar中、(iii)1/20気圧としたAr中の3種類の雰囲気で行った。この時の鉄損の結果を表5に示す。
【0035】
【表4】

【0036】
【表5】

【0037】
水素中焼鈍の場合は、Ti、Zr、Ta、V、Nb、Hfの化合物を含まないlの条件以外は全て良好な鉄損値が得られている。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】(a)はTi:75%、Fe:25%合金をコーティング後純化焼鈍した場合の鋼板表面の被膜−地鉄界面性状のGDS解析結果を示す図、(b)は純Tiをコーティング後純化焼鈍した場合の鋼板表面の被膜−地鉄界面性状のGDS解析結果を示す図、(c)はコーティングせずに乾燥中高温長時間焼鈍で安定な被膜を形成した場合の鋼板表面の被膜−地鉄界面性状のGDS解析結果を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
質量%で、Si:2%〜4.5%、Ti:0.1%〜0.4%、C:0.035%〜0.1%、を含み、残部Fe及び不可避的不純物からなる鋼を、鋳造し、熱延し、冷延して製品板厚とした後、鋼板表面にTi,Nb,Hf,Ta,V,Zrの1種または2種以上を合計で0%超〜80%以下含むFe、Mn、Cr、NiまたはCo合金を塗布または付着させ、次いで仕上高温焼鈍を施すことを特徴とする被膜密着性に優れた方向性電磁鋼板の製造方法。
【請求項2】
質量%で、Si:2%〜4.5%、Ti:0.1%〜0.4%、C:0.035%〜0.1%、を含み、残部Fe及び不可避的不純物からなる鋼を、鋳造し、熱延し、冷延して製品板厚とした後、鋼板表面にTi,Nb,Hf,Ta,V,Zrの1種または2種以上の酸化物、窒化物または硫化物を塗布または付着させ、次いで仕上高温焼鈍を施すことを特徴とする被膜密着性に優れた方向性電磁鋼板の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2007−51316(P2007−51316A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−235821(P2005−235821)
【出願日】平成17年8月16日(2005.8.16)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】