説明

被覆された微粒子フィルタおよび方法

少なくとも1つの多孔質壁を有するフィルタ本体、および壁上の多孔質コーティングを有する微粒子フィルタであって、コーティングが、20マイクロメートル未満の中央細孔径およびコーティングの中央細孔径の3倍未満のコーティング細孔径偏差、並びに50マイクロメートル未満の平均厚を有するものである微粒子フィルタが提供される。微粒子フィルタを製造する方法であって、少なくとも1つの多孔質壁を有するフィルタ本体を提供し、壁上に、約30マイクロメートル未満の平均粒径を有する粒子を堆積させる各工程を有してなる方法も提供される。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の説明】
【0001】
本出願は、2008年11月26日に出願された米国仮特許出願第61/118277号への優先権の恩恵を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本開示は、広く、微粒子フィルタおよびその製造方法に関し、より詳しくは、エンジンからの排ガスの後処理のためなどの、多孔質セラミック製微粒子フィルタに関する。
【背景技術】
【0003】
ディーゼルエンジンおよびガソリン直噴(GDI)エンジンは排ガス流中に粒子を放出する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
排ガス流から粒子を除去することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ある態様において、少なくとも1つの多孔質壁を有するフィルタ本体、および壁上の多孔質コーティング(または膜、または層)を有する微粒子フィルタであって、コーティングが、20マイクロメートル未満の中央細孔径およびコーティングの中央細孔径の3倍未満のコーティング細孔径偏差、並びに50マイクロメートル未満の平均厚を有するものである微粒子フィルタが、ここに開示されている。
【0006】
別の態様において、微粒子フィルタを製造する方法であって、少なくとも1つの多孔質壁を有するフィルタ本体を提供し、その壁上に、約30マイクロメートル未満の平均粒径を有する粒子を堆積させる各工程を有してなる方法が、ここに開示されている。
【0007】
本発明の追加の特徴および利点は、以下の詳細な説明に述べられており、一部は、その説明から当業者には容易に明白となるか、または以下の詳細な説明、特許請求の範囲、並びに添付の図面を含む、ここに開示された本発明を実施することによって認識されるであろう。
【0008】
先の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方とも、本発明の実施の形態を提示したものであり、特許請求の範囲に記載された本発明の性質および特徴を理解するための概要または骨子を提供することが意図されているのが理解されよう。添付の図面は、本発明をさらに理解するために含まれており、本明細書に包含され、その一部を構成する。図面は、本発明の様々な実施の形態を示しており、説明と共に、本発明の原理および動作を説明するように働く。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1A】細孔径およびコーティングの厚さの関数としての煤粒子(GDI自動車エンジンにより生成されるサイズを表す)の計算された濾過効率を示すグラフ
【図1B】細孔径およびコーティングの厚さの関数としての計算されたフィルタの背圧を示すグラフ
【図2】ガラススライド上の一重の非常に狭いサイズ分布のセラミック粉末を示す。直径が約5マイクロメートルの、単層の球状セラミック粉末が示されている
【図3】壁に一時的粒子を含んだ多孔質基体のハニカム壁上の狭いサイズ分布のセラミック粉末のコーティング層を示す概略図
【図4a】壁により大きい一時的粒子を含んだ多孔質基体のハニカム壁上の、同様のサイズの一時的粒子を含む狭いサイズ分布のセラミック粉末のコーティング層を示す概略図
【図4b】一時的粒子を除去した後の、多孔質基体のハニカム壁上の、同様の直径の多孔質粒子を含む狭いサイズ分布のセラミック粉末のコーティング層を示す概略図
【図5a】エアロゾル技法により製造された狭いサイズ分布のセラミック粉末の写真
【図5b】図5aの粉末の測定された狭いサイズ分布を示すグラフ
【図5c】図5aの狭いサイズ分布の粉末の測定した質量分布を示すグラフ
【図6】(a)微小亀裂の少ないコージエライトの裸の支持体;(b)微小亀裂の少ないコージエライト支持体上のAA3アルミナコーティング;および(c)微小亀裂の少ないコージエライト支持体上のC701アルミナコーティングの表面形態のSEM画像
【図7】(a)微小亀裂の少ないコージエライトの裸の支持体;(b)微小亀裂の少ないコージエライト支持体上のAA3アルミナコーティング;および(c)微小亀裂の少ないコージエライト支持体上のC701アルミナコーティングの膜のアルミナコーティングおよび裸の支持体の表面形態のSEM画像
【図8】Hg圧入法により得られた、2時間に亘り1380℃で焼成した単独AA−3およびC701アルミナ膜の細孔径分布を示すグラフ。AA−3膜のほうが狭い細孔径分布を有する
【図9】異なる前処理乾燥プロファイルによる、微小亀裂の少ないコージエライト支持体上に被覆されたアルミナ膜層のSEM画像:サンプル1:23時間に亘り室温;サンプル2:23時間に亘り60℃;サンプル3:5時間に亘り室温、次いで、18時間に亘り60℃
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで、本発明の実施の形態を詳しく参照する。その実施例が、添付の図面に示されている。できる限り、同じまたは同様の部分を参照するために図面全体に亘り、同じ参照番号が使用されている。
【0011】
本発明によれば、本開示は、微粒子フィルタおよび微粒子フィルタの製造方法を提供する。
【0012】
ある態様において、微粒子フィルタは、少なくとも1つの多孔質壁を有するフィルタ本体、および壁上の多孔質コーティングを有し、このコーティングは、20マイクロメートル未満の中央細孔径およびコーティングの中央細孔径の3倍未満のコーティング細孔径偏差、並びに50マイクロメートル未満の平均厚を有する。
【0013】
これらの実施の形態のいくつかにおいて、コーティングの中央細孔径は15マイクロメートル以下である。これらの実施の形態のいくつかにおいて、コーティングの中央細孔径は10マイクロメートル以下である。これらの実施の形態のいくつかにおいて、コーティングの中央細孔径は5マイクロメートル以下である。これらの実施の形態のいくつかにおいて、コーティングの中央細孔径は2マイクロメートル以下である。これらの実施の形態のいくつかにおいて、コーティングの中央細孔径は1マイクロメートル以下である。いくつかの実施の形態において、コーティングの中央細孔径は約0.3マイクロメートルと約10.0マイクロメートルの間にある。いくつかの実施の形態において、コーティングの中央細孔径は約0.3マイクロメートルと約3.0マイクロメートルの間にある。いくつかの実施の形態において、コーティングの中央細孔径は約0.5マイクロメートルと約3.0マイクロメートルの間にある。いくつかの実施の形態において、コーティングの中央細孔径は約0.5マイクロメートルと約2.5マイクロメートルの間にある。いくつかの実施の形態において、コーティングの中央細孔径は約1.0マイクロメートルと約2.0マイクロメートルの間にある。
【0014】
ある実施の形態において、コーティングの細孔径偏差は、コーティングの中央細孔径の2倍未満である。
【0015】
ある実施の形態において、コーティングの中央細孔径は約0.3マイクロメートルと約10.0マイクロメートルの間にあり、コーティングの細孔径偏差は、コーティングの中央細孔径の2倍未満である。
【0016】
ある実施の形態において、コーティングの中央細孔径は壁の中央細孔径よりも約一桁小さい大きさである。
【0017】
ある実施の形態において、壁の中央細孔径はコーティングの中央細孔径より約一桁大きい大きさである。
【0018】
ある実施の形態において、壁は約5マイクロメートルより大きい中央細孔径を有する。これらの実施の形態のいくつかにおいて、壁は約10マイクロメートルより大きい中央細孔径を有する。これらの実施の形態のいくつかにおいて、壁は約20マイクロメートルより大きい中央細孔径を有する。これらの実施の形態のいくつかにおいて、壁は約50マイクロメートルより大きい中央細孔径を有する。これらの実施の形態のいくつかにおいて、壁は約100マイクロメートルより大きい中央細孔径を有する。
【0019】
ある実施の形態において、コーティングは25マイクロメートル未満の平均厚を有する。これらの実施の形態のいくつかにおいて、コーティングは15マイクロメートル未満の平均厚を有する。ある実施の形態において、コーティングは、約3マイクロメートルより大きく約30マイクロメートル未満の平均厚を有する。ある実施の形態において、コーティングは、約5マイクロメートルより大きく約25マイクロメートル未満の平均厚を有する。
【0020】
ある実施の形態において、コーティングは、約3マイクロメートルより大きく約15マイクロメートル未満の平均厚を有し、コーティングの中央細孔径は約0.3マイクロメートルと約5.0マイクロメートルの間にある。
【0021】
ある実施の形態において、コーティングは、約3マイクロメートルより大きく約15マイクロメートル未満の平均厚を有し、コーティングの中央細孔径は約0.5マイクロメートルと約3.0マイクロメートルの間にある。
【0022】
ある実施の形態において、コーティングは、約3マイクロメートルより大きく約15マイクロメートル未満の平均厚を有し、コーティングの中央細孔径は約0.5マイクロメートルと約2.5マイクロメートルの間にある。
【0023】
ある実施の形態において、コーティングは40%より大きい全気孔率を有する。これらの実施の形態のいくつかにおいて、コーティングは約45%より大きい全気孔率を有する。これらの実施の形態のいくつかにおいて、コーティングは約50%より大きい全気孔率を有する。これらの実施の形態のいくつかにおいて、コーティングは約55%より大きい全気孔率を有する。これらの実施の形態のいくつかにおいて、コーティングは約65%より大きい全気孔率を有する。ある実施の形態において、コーティングは、約50%と約60%の間の全気孔率を有する。
【0024】
ある実施の形態において、コーティングはセラミックからなる。ある実施の形態において、コーティングは、アルミナ、コージエライト、アルミノケイ酸塩、チタン酸アルミニウム、アルミナ−ジルコニア、La−アルミナ、炭化ケイ素、セリア、ゼオライト、およびそれらの組合せからなる群の内の少なくとも1つの化合物を含む。
【0025】
ある実施の形態において、コーティングは触媒を含む。この触媒は貴金属を含んでよい。ある実施の形態において、触媒は、W,V,Pt,Hr,またはPd,もしくはそれらの組合せを含む。
【0026】
ある実施の形態において、触媒は、(a)一酸化炭素の酸化、(b)炭化水素の酸化、(c)窒素酸化物の還元、または(d)炭素煤の酸化、もしくは(a),(b),(c)または(d)の組合せを促進する。
【0027】
ある実施の形態において、コーティングはNOx吸収体を含む。
【0028】
ある実施の形態において、多孔質壁はセラミックからなる。多孔質壁は、アルミナ、コージエライト、アルミノケイ酸塩、チタン酸アルミニウム、ジルコニア、アルミナ−ジルコニア、La−アルミナ、炭化ケイ素、セリア、ゼオライト、窒化ケイ素、またはそれらの組合せからなっていてよい。
【0029】
ある実施の形態において、コーティングは、壁内に含まれていない化合物を含む。
【0030】
ある実施の形態において、フィルタ本体は、複数の多孔質壁、または多孔質壁のマトリクスを含む。このマトリクスは、交差した多孔質壁を含んで差し支えない。マトリクスは、ハニカム構造の形態におけるような、複数の平行なチャンネルを画成し得る。ハニカム構造は、複数の四角形のチャンネル、または複数の六角形のチャンネル、もしくは他の断面形状のチャンネルを画成して差し支えない。
【0031】
ある実施の形態において、コーティングの少なくとも一部が、多孔質壁の細孔内に存在する。
【0032】
ある実施の形態において、コーティングの少なくとも一部が、多孔質壁の細孔内にはなく、多孔質壁の外面に存在する。
【0033】
本開示の別の態様において、微粒子フィルタを製造する方法であって、少なくとも1つの多孔質壁を有するフィルタ本体を提供し、その壁上に、約30マイクロメートル未満の平均粒径を有する粒子を堆積させる各工程を有してなる方法が提供される。堆積された粒子が加熱されることが好ましい。粒子が、壁の少なくとも一部分上にコーティングを形成するのに十分に壁に堆積され、次いで、コーティングが加熱されることが好ましい。
【0034】
ある実施の形態において、粒子は約20マイクロメートル未満の平均粒径を有する。これらの実施の形態のいくつかにおいて、粒子は約15マイクロメートル未満の平均粒径を有する。これらの実施の形態のいくつかにおいて、粒子は約10マイクロメートル未満の平均粒径を有する。これらの実施の形態のいくつかにおいて、粒子は約5マイクロメートル未満の平均粒径を有する。
【0035】
ある実施の形態において、粒子は実質的に単分散している。ある実施の形態において、フィルタ本体は1種類以上の酸化物からなる。ある実施の形態において、フィルタ本体は1種類以上の非酸化物からなる。ある実施の形態において、フィルタ本体はセラミック材料からなる。
【0036】
ある実施の形態において、粒子は非一時的粒子および一時的粒子を含む。ある実施の形態において、粒子は非一時的材料および一時的材料を含む。一時的材料または一時的粒子を使用する場合、前記方法は、壁から、すなわち、多孔質壁上からおよび/または壁内から、一時的材料の少なくともある程度を除去するのに十分にコーティングを加熱する工程をさらに含む。
【0037】
ある実施の形態において、粒子は、搬送流体流によって多孔質壁に向かって搬送され、その搬送流体流は壁を通過し、壁は搬送流体流から粒子を分離する。
【0038】
ある実施の形態において、粒子は約10マイクロメートル未満の平均粒径を有する。
【0039】
ある実施の形態において、粒子は、エアロゾル形態で堆積され、粒子は、ゾル/ゲル球体の形態で堆積されても差し支えなく;これらの実施の形態のいくつかにおいて、粒子は、フィルタ本体上に堆積される前に、加熱されたガス環境を通過する。粒子は、エアロゾル形態で生成されるので、100マイクロメートル未満、またはさらに50マイクロメートル未満の平均粒径を有して差し支えない。ある実施の形態において、粒子がエアロゾル形態で堆積された場合、そのエアロゾル粒子は、壁または壁の近くにおいてその場でセラミック粒子に転化される。
【0040】
ある実施の形態において、粒子は、非一時的材料からなる非一時的粒子および一時的材料からなる一時的粒子を含み、一時的粒子は第1の搬送流体流により搬送され、第1の搬送流体流は壁を通過し、壁が第1の搬送流体流から一時的粒子を分離し、非一時的粒子は第2の搬送流体流により搬送され、第2の搬送流体流は壁を通過し、壁が第2の搬送流体流から非一時的粒子を分離し、それによって、一時的材料および非一時的材料からなるコーティングが形成される。その後、コーティングは、コーティングから一時的材料の少なくともある程度を除去するのに十分に加熱されることが好ましい。ある実施の形態において、一時的粒子は、非一時的粒子が壁上に堆積される前に壁上に堆積される。ある実施の形態において、一時的粒子の中央粒径は、非一時的粒子の平均粒径よりも大きく;ある実施の形態において、一時的粒子の中央粒径は、非一時的粒子の平均粒径よりも少なくとも25%大きく;ある実施の形態において、一時的粒子の中央粒径は、非一時的粒子の平均粒径よりも少なくとも100%大きく;ある実施の形態において、一時的粒子の中央粒径は、非一時的粒子の平均粒径よりも少なくとも300%大きく;ある実施の形態において、一時的粒子の少なくともある程度は、非一時的粒子の中央粒径よりも少なくとも400%大きい。
【0041】
非一時的粒子が無機材料からなることが好ましい。
【0042】
前記方法は、粒子を堆積させる前に、壁の少なくとも一部分内の少なくともいくつかの細孔を細孔充填剤を施栓して、施栓領域を形成する工程をさらに含んでもよい。
【0043】
ある実施の形態において、細孔充填剤は有機材料からなり;これらの実施の形態のいくつかにおいて、細孔充填剤は高分子からなり;これらの実施の形態のいくつかにおいて、細孔充填剤は、タンパク質塊、または牛乳から由来のようなタンパク質高分子からなり;他の実施の形態において、高分子はデンプンまたは合成高分子である。
【0044】
ある実施の形態において、施栓工程は、壁を、細孔充填剤を含む細孔施栓混合物(溶液、懸濁液、またはコロイドを含んでもよい)で濡らす工程を含み、前記方法は、次いで、施栓領域を形成するように十分に壁を乾燥させる工程を含む。ある実施の形態において、フィルタ本体は、濡らす工程中に細孔施栓混合物中に浸漬される。
【0045】
ある実施の形態において、濡らす工程後、壁を含むフィルタ本体は、少なくとも5時間に亘り、これらの実施の形態のいくつかにおいて、少なくとも10時間に亘り、これらの実施の形態の他のものにおいて、少なくとも20時間に亘り、乾燥環境中で乾燥される。
【0046】
ある実施の形態において、濡らす工程後、フィルタ本体は、少なくとも5時間に亘り、これらの実施の形態のいくつかにおいて、少なくとも10時間に亘り、これらの実施の形態の他のものにおいて、少なくとも20時間に亘り、15℃と30℃の間の乾燥環境中で乾燥される。
【0047】
ある実施の形態において、濡らす工程後、フィルタ本体は、少なくとも5時間に亘り、これらの実施の形態のいくつかにおいて、少なくとも10時間に亘り、これらの実施の形態の他のものにおいて、少なくとも20時間に亘り、約20℃で乾燥環境中において乾燥される。
【0048】
ある実施の形態において、濡らす工程後、フィルタ本体は、5時間以上かつ20時間以下に亘り、20℃より高く120℃未満の1つ以上の温度で乾燥環境中において乾燥される。
【0049】
ある実施の形態において、濡らす工程後、フィルタ本体は、4時間と15時間との間に亘り、15℃と30℃の間の1つ以上の温度で乾燥環境中において、次いで、5時間以上かつ20時間未満に亘り、15℃と120℃の間の1つ以上の温度である環境中において、乾燥される。
【0050】
ある実施の形態において、フィルタ本体は、細孔施栓混合物による浸漬被覆、または細孔施栓混合物により流し塗り、もしくはその両方により、濡らされる。
【0051】
ある実施の形態において、フィルタ本体は、細孔施栓混合物により濡らす前に、洗浄される。フィルタ本体は、細孔施栓混合物により濡らす前に流体でフラッシングして差し支えなく、および/またはフィルタ本体を、細孔施栓混合物により濡らす前に、強制ガスでフラッシングして差し支えない。ある実施の形態において、フィルタ本体は、脱イオン水でフラッシングされ、次いで、細孔施栓混合物により濡らす前に、乾燥される。ある実施の形態において、フィルタ本体は、細孔施栓混合物により濡らす前に、5時間超に亘り100℃超の温度で乾燥環境において乾燥される。ある実施の形態において、フィルタ本体は、細孔施栓混合物により濡らす前に、5時間と24時間の間に亘り100℃超の温度で乾燥環境において乾燥される。ある実施の形態において、フィルタ本体は、細孔施栓混合物により濡らす前に、5時間と24時間の間に亘り約120℃で乾燥環境において乾燥される。
【0052】
ある実施の形態において、粒子の堆積工程は、壁を、粒子を含有する液体のコーティング混合物と接触させる工程を含む。ある実施の形態において、コーティング混合物は水性である。ある実施の形態において、コーティング混合物は、脱イオン水、アルファ−アルミナ粒子、コージエライト粒子、分散剤、結合剤、消泡剤、細孔形成剤、およびそれらの組合せからなる群の内の少なくとも1つを含む。ある実施の形態において、粒子は、アルファ−アルミナ粒子、コージエライト粒子、およびそれらの組合せからなる群の内の少なくとも1つを含む。
【0053】
ある実施の形態において、粒子が堆積された後、フィルタ本体を乾燥させる。ある実施の形態において、粒子が堆積された後、フィルタ本体を乾燥させ、次いで、フィルタ本体を焼成する。ある実施の形態において、乾燥環境は、50%超の湿度、ある実施の形態において、50%と75%の間の湿度に維持される。小生は、例えば、600〜700℃の炉の温度で、制御された酸素レベルで、一時的材料(タンパク質などの)の燃焼を含んで差し支えない。
【0054】
ある実施の形態において、フィルタ本体は、2時間超に亘り100℃超の温度で乾燥環境において乾燥される。ある実施の形態において、フィルタ本体は、2時間と8時間の間に亘り100℃と150℃の間の温度で乾燥環境において乾燥される。
【0055】
ある実施の形態において、フィルタ本体は、0.5時間超に亘り1150℃超の温度で焼成環境において焼成される。ある実施の形態において、フィルタ本体は、1150℃と1380℃の間の温度で焼成環境において焼成される。ある実施の形態において、フィルタ本体は、0.5から5時間に亘り1150℃と1380℃の間の温度で焼成環境において焼成される。ある実施の形態において、フィルタ本体は、0.5から2℃/分の加熱速度で、0.5から5時間に亘り1150℃と1380℃の間の温度で焼成環境において焼成される。ある実施の形態において、フィルタ本体は、0.5から5時間に亘り1150℃と1380℃の間の範囲の温度で焼成環境において焼成され、この温度は、2℃/分超の範囲で変化しない。
【0056】
ある実施の形態において、粒子は施栓領域上にコーティングを形成し、前記方法は、細孔形成剤の少なくともある程度を除去するのに十分な時間と温度でコーティングを加熱する工程をさらに含む。
【0057】
多孔質セラミックフィルタ上の狭いサイズ分布の細孔を有するコーティングは、同程度の量の粒子をまだ捕捉しながら、より薄くても差し支えない。コーティングに、またはコーティングの一時的「細孔形成剤」の部分に、狭いサイズ分布のセラミック粉末を使用することは、そのような狭い細孔サイズ分布のコーティングを製造するのに役立つ。エアロゾルおよび流体沈積方法により、狭いサイズ分布/単分散粉末を製造することができる。狭いサイズ分布の粉末からの、この薄く狭いサイズ分布の気孔率のコーティングは、ここに開示されたフィルタを有する排気システムを利用したエンジンについて、より低い背圧およびより良好な燃料効率をもたらす。
【0058】
膜コーティング厚およびコーティングの細孔サイズの関数としての、60%の気孔率を有する例示の400/6(平方インチ当たり400セル(平方cm当たり約64セル)、6ミル(0.006インチ)(約0.15mm)の壁厚)の基体の計算された濾過効率が図1Aに示されている。図1Aは、細孔サイズおよびコーティング厚の関数として煤粒子(GDI自動車エンジンにより生成されるサイズを表す)の計算された濾過効率を示している(A:95〜100%の効率;B:90〜95%;C:85〜90%;D:80−85%;E:75〜80%;F:70〜75%)。図1Bは、斜線の重畳部分FEが90%超の濾過効率に対応している、細孔サイズおよびコーティング厚の関数としての計算されたフィルタの背圧を示している(X:2〜3LogkPaの背圧;Y:1〜2LogkPaの背圧;Z:0〜1LogkPaの背圧)。図1Bの領域Zは、ガソリン直噴エンジンの排気システムにおけるような、ガソリン微粒子フィルタ(GPF)として少なくとも1つの実施の形態に適するであろうような、良好な濾過効率と低い背圧の両方を可能にする、膜厚と気孔率の計算された組合せを示している。
【0059】
ここに引用される、コーニング社(Corning Incorporated)に譲渡された米国特許第4871489号明細書には、非常に狭いサイズ分布のセラミック粉末を製造する方法が記載されている。非常に狭いサイズ分布の粉末、特定のエアロゾル方法からの特定の分布を有する粉末またはいくつかが一時的であって差し支えない、制御されたサイズ分布の粉末の混合物により、所望のコーティング厚および狭いサイズ分布の細孔を得ることができる。
【0060】
図2は、ガラススライド上の一重の非常に狭いサイズ分布のセラミック粉末を示している。直径が約5マイクロメートルの、単層の球状セラミック粉末が示されている。
【0061】
図3は、壁に一時的粒子30を含む、多孔質基体のハニカム壁20上の狭いサイズ分布のセラミック粉末のコーティング層10の概略図を示している。一時的粒子30は、ハニカム20内の細孔40を施栓して、ハニカムの細孔40により小さいコーティング粒子12が充填されるのを防ぐことができる。
【0062】
図4aは、壁により大きい一時的粒子30”を含んだ、多孔質基体のハニカム壁20上の、同様のサイズの一時的粒子30’を含む狭いサイズ分布のセラミック粉末のコーティング層10’の概略図(すなわち、セラミック粉末の粒径は、多孔質基体のセラミックハニカム壁内に留まった一時的粒子30’とサイズが同様である)を示している。一時的粒子は、ハニカム内の細孔40を施栓して、ハニカムの細孔により小さいコーティング粒子が充填されるのを防ぐことができ、より大きい細孔径の細孔およびより大きい気孔率を有するコーティングを形成するためのコーティング粒子の一部であって差し支えない。
【0063】
図4bは、一時的粒子を除去した後の、多孔質基体のハニカム壁20上の、同様の直径の細孔粒子12を含む狭いサイズ分布のセラミック粉末のコーティング層10”の概略図を示している。一時的粒子、例えば、30,30’,30”は除去されて、未充填のハニカムに細孔が残り、例えば、図3と比べて、より大きい細孔直径を有する細孔40およびより気孔率が大きいコーティングが得られる。
【0064】
図5aは、米国特許第4871489号明細書に記載されたエアロゾル技法により製造された狭いサイズ分布のセラミック粉末の写真である。
【0065】
図5bは、図5aの粉末の測定された狭いサイズ分布を示すグラフである。
【0066】
図5cは、図5aの狭いサイズ分布の粉末の測定した質量分布を示すグラフである。
【0067】
狭いサイズ分布の粉末は、図2および5などに上述したようなエアロゾル方法、連続「Stoberシリカ」プロセスと類似の流体沈積および成長方法、並びに平均粉末の単純な分粒などのいくつかの方法により製造することができる。いくつかの方法により、特に、エアロゾル粒子がその場でセラミック粉末に転化されるエアロゾル方法により、粉末を、生成されながら、ハニカム上にコーティングとして堆積することができる{すなわち、ゾル/ゲル球体(ほぼ数十マイクロメートルおよびサイズ範囲下)が炉を通ってエアロゾルとして流動する}。搬送ガスが、ハニカムフィルタを流通し、エアロゾル粒子が搬送ガスから濾過されて除かれながら、コーティングが形成される。コーティング粒子がハニカムの細孔を施栓しないことが好ましい。第2のガス流を使用して、コーティング層を形成する前に、ハニカムの細孔に、よりサイズの大きい一時的な粒子を入れて、ハニカムの細孔がコーティング粒子により施栓されるのを防いでも差し支えない、図3。
【0068】
細孔サイズを小さく維持しながら、気孔率を増加させるために、より小さいサイズの一時的粒子をセラミック粉末コーティングに入れても差し支えない。セラミック粉末は、非常に多孔質に製造することができ、それらは、触媒の担体としても働くことができる。アルミナ、ジルコニア、アルミナ−ジルコニア、La−アルミナが、狭いサイズ分布を有するエアロゾル粉末として示されてきた。セリアも同様に製造することができる。NOx吸収体、ゼオライト、他の材料を狭いサイズ分布のセラミック粉末として製造しても差し支えない。これらの組成物を利用して、濾過機能に加えて、触媒、酸素貯蔵、NOx捕捉、または炭化水素捕捉の機能を提供することができる。
【実施例】
【0069】
本開示の一連の実施の形態において、多角形または六角形または四角形または正方形のチャンネルを有するハニカム支持体を含む、ハニカム支持体上に薄い濾過層を製造する方法が提供される。この方法は、スキムミルクなどの細孔形成剤による支持体の細孔の施栓、前処理した表面上への1つの無機濾過層の堆積、および細孔形成剤を除去するための焼成を含む。これにより形成された濾過層は、支持体の細孔直径よりも約一桁小さい細孔直径を達成できることが分かった。この方法により、大きな細孔の支持体上に小さな細孔の無機膜を直接堆積させることができ、これにより、従来の多層被覆工程と比べてコストを減少することができ、また小さいな細孔直径およびコーティング厚の減少のために背圧の不利な条件を最小にしながら、濾過効率を改善することもできる。これらの実施の形態における方法は、ハニカム支持体の前処理、次いで、鋳込み成形を含む。前処理プロセスは以下の工程を含む。最初に、ハニカム支持体を脱イオン水でフラッシングするか、または強制空気を吹き付けて、緩い粒子または堆積物を除去する。洗浄したサンプルを5〜24時間に亘り120℃の炉で乾燥させる。第2に、細孔充填材料を、浸漬被覆または流し塗り技法などの他の方法のいずれかによって、セラミック支持体の細孔中に吸い入れる。支持体のチャンネル内面のみが細孔形成溶液と接触する。支持体をある期間に亘り溶液中に浸漬した後、支持体を溶液から取り出す。改質した支持体を、23時間に亘り室温で、または高温であるが120℃未満で5〜20時間に亘り、もしくは5〜6時間に亘り室温で、次いで、高温であるが120℃未満で5〜20時間に亘り乾燥させる。支持体は、鋳込み成形プロセスにより、無機膜層の被覆の準備ができている。
【0070】
鋳込み成形プロセスは、スリップの調製、被覆、乾燥および焼成を含む。水性スリップは、脱イオン水、アルファ−アルミナ粒子またはコージエライト粒子、分散剤、結合剤および消泡剤を含有する。細孔形成剤を使用して、気孔率を増加させても差し支えない。被覆は、浸漬被覆法を使用して、前処理した支持体に行う。被覆した支持体を最初に5時間に亘り120℃で乾燥させ、次いで、異なる材料に関する焼結温度必要条件に応じて、0.5〜2℃/分の加熱速度で0.5〜5時間に亘り1150〜1380℃で焼成する。
【0071】
実施例1: コージエライトハニカム支持体上に被覆された濾過膜層
この実施例は、被覆前に支持体を前処理しない、多孔質コージエライトハニカム支持体上のアルミナ濾過層の被覆を説明する。断面積に亘り均一に分布した正方形の通路を有する400/6の微小亀裂の少ないコージエライトハニカム支持体は、400セル/平方インチ(約64セル/cm2)のセル密度および6ミル(150μm)の壁厚を有し、約2740m2/m3のGSAがもたらされた。水銀圧入法により測定して、中央細孔直径d50は9.89μmであり、d95は44.43μmであり、全気孔率は60.8%であった。支持体に、脱イオン水をチャンネルに通してフラッシングした。支持体を一晩120℃で完全に乾燥させた。40質量%の固体濃度を有する2種類のアルミナスリップを、異なる粒径のアルミナ材料(AA−3およびC701)を使用して調製した。アルミナAA−3(住友化学(株))は、2.7〜3.6μmの中央粒径を有する狭い粒径分布を有するのに対し、アルミナC701は、6.3μmの中央粒径を有する広い粒径分布を有する。最初に、0.20gのTiron(4,5−ジヒドロニル−1,3−ベンゼンジスルホン酸二ナトリウム塩、フルカ社(Fluka))を、123gの脱イオン水が入った150mlのプラスチック瓶に加え、次いで、これに100gのアルミナ粉末を加えた。約1分間の振盪後、瓶を氷浴に入れ、10秒間オン、30秒間オフのインターバルで30回、超音波処理した。次に、処理したスリップを31.3gの20質量%のPEG(ポリエチレングリコール、MW=20,000、フルカ社)および2.30gの1%のDC−B消泡エマルション溶液(ダウ・コーニング社(Dow-Corning))と混合した。15〜20時間に亘りボールミル粉砕した後、スリップを微細なスクリーンに通してフラスコに注ぎ入れ、これに続き、真空ポンプでガス放出させた。浸漬被覆法を使用して、支持体のチャンネル内にアルミナコーティングを配置した。浸漬時間は10秒間であった。被覆後、チャンネル内の過剰のアルミナスリップを除去した。2時間に亘り120℃で乾燥させた後、被覆サンプルを、1℃/分の加熱速度で2時間に亘り1380℃で焼成した。
【0072】
未被覆の支持体と2つの被覆された支持体のSEM画像が図6に示された。図6(a)は、支持体のいくつかの細孔は30μmほど大きかったが、中央細孔径は10μmであった(Hg圧入法)ことを示している。図6(b)は、小さなアルミナ粒子が支持体の細孔中に入り込んだという事実のために、約3μmの中央粒径のアルミナAA−3を使用した場合、支持体上に連続膜が形成されないことを示している。図6(c)は、広い粒径分布の約6μmの大きいアルミナ粒子C701を使用した場合、連続膜が形成されなかったことを示している。
【0073】
実施例2: コージエライトハニカム支持体上に被覆された濾過膜層
この実施例は、スキムミルクにより改質された多孔質コージエライトハニカム支持体上の2種類のアルミナ膜の被覆を示す。実施例1と同じ微小亀裂の少ないコージエライト支持体を使用した。被覆プロセスも、鋳込み成形前に前処理プロセスを追加したことを除いて、同じであった。
【0074】
フラッシングし、乾燥させたモノリス支持体をテフロン(登録商標)テープで包み、Great Value(商標)スキムミルク中に浸漬した。10秒間浸漬した後、過剰のミルクを抜ききり、この支持体を5〜6時間に亘り周囲条件で、続いて、15時間に亘り60℃で乾燥させた。支持体は、乾燥プロセス全体に亘り包まれたままにした。次いで、前処理した支持体を、実施例1と同じ40質量%のアルミナスリップAA−3で被覆した。120℃で乾燥させた後、1380℃で焼成した。別の実施例として、同じ前処理した支持体を40質量%のアルミナスリップC701で被覆し、次いで、乾燥させ、1380℃で焼成した。得られたアルミナ膜をSEMにより特徴付けた。図7(b)および(c)に示されるように、滑らかで均質な膜が形成された。側部の膜厚は約10μmであるのに対し、角部の膜は厚かった。
【0075】
図8は、単独のAA−3膜およびC701膜の細孔径分布を示している。これら2つの膜は、1.1μmの同じ中央細孔径および47%の同じ気孔率を有するのに対し、AA−3は、図7に示されるように、狭い粒径分布のために、狭い細孔径分布を有した。
【0076】
実施例3: 微小亀裂の少ない支持体上に被覆されたアルミナ膜層
この実施例は、前処理乾燥プロファイルが異なる、微小亀裂の少ないコージエライト支持体上に被覆されたアルミナ濾過膜を示す。
【0077】
微小亀裂の少ない支持体を「Great Value」スキムミルク中に浸漬し、次いで、そこから取り出した後、支持体1を23時間に亘り室温(約20℃)で乾燥させ、支持体2を23時間に亘り60℃で乾燥させ、支持体3を、最初に5時間に亘り室温で、続いて、18時間に亘り60℃で乾燥させた。全ての支持体は、乾燥プロセス中包まれたままにした。次いで、これら3種類の乾燥支持体を同じ40質量%のアルミナスリップAA−3で被覆し、その後、乾燥させ、2時間に亘り1380℃で焼成した。
【0078】
図9は、得られたアルミナ膜コーティングの表面形態学のSEM画像を示している。複合乾燥プロファイルを有する支持体3上に被覆されたアルミナ膜は、より均一な表面形態学を示す。この実施例から分かるように、最終的なアルミナ膜コーティングの構造は、裸の支持体の前処理に使用した乾燥プロファイルにより影響を受け得る。
【0079】
実施例4: 微小亀裂の少ない支持体上に被覆されたコージエライト膜層
この実施例は、微小亀裂の少ない支持体上に被覆されたコージエライト濾過膜を示す。
【0080】
この実施例において、40質量%の固体濃度を有する1種類のコージエライトスリップを調製した。最初に、0.10gのTiron(4,5−ジヒドロニル−1,3−ベンゼンスルホン酸二ナトリウム塩、フルカ社)を、61.3gの脱イオン水が入った150mlのプラスチック瓶に加え、次いで、これに50gのアルミナ粉末を加えた。約1分間の振盪後、瓶を氷浴に入れ、10秒間オン、30秒間オフのインターバルで30回、超音波処理した。次に、処理したスリップを15.6gの20質量%のPEG(ポリエチレングリコール、MW=20,000、フルカ社)および1.4gの1%のDC−B消泡エマルション溶液(ダウ・コーニング社)と混合した。15〜20時間に亘りボールミル粉砕した後、スリップを微細なスクリーンに通してフラスコに注ぎ入れ、これに続き、真空ポンプでガス放出させた。
【0081】
アルミナ膜層と同じ手法を使用して、微小亀裂の少ない支持体上にコージエライト膜層を被覆した。この手法は、支持体のスキムミルクにより前処理、前処理した支持体のコージエライトスリップにより浸漬被覆、および乾燥と焼成を含むものであった。
【0082】
本発明の精神および範囲から逸脱せずに、本発明に様々な改変および変更を行えることが当業者には明白であろう。それゆえ、本発明は、本発明の改変および変更を、それらが添付の特許請求の範囲およびその同等物に入るという条件で、包含することが意図されている。
【符号の説明】
【0083】
10,10’10” コーティング層
12 細孔粒子
20 ハニカム壁
30,30’,30” 一時的粒子
40 細孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微粒子フィルタにおいて、
少なくとも1つの多孔質壁を有するフィルタ本体、および
前記壁上の多孔質コーティングであって、20マイクロメートル未満の中央細孔径および前記コーティングの中央細孔径の3倍未満のコーティング細孔径偏差、並びに50マイクロメートル未満の平均厚を有するコーティング、
を備えた微粒子フィルタ。
【請求項2】
前記コーティングの中央細孔径が約0.3マイクロメートルと約3.0マイクロメートルの間にあることを特徴とする請求項1記載の微粒子フィルタ。
【請求項3】
前記コーティングの細孔径偏差が、該コーティングの中央細孔径の2倍未満であることを特徴とする請求項1記載の微粒子フィルタ。
【請求項4】
微粒子フィルタを製造する方法において、
少なくとも1つの多孔質壁を有するフィルタ本体を提供し、
前記壁上に、約30マイクロメートル未満の平均粒径を有する粒子を堆積させる、
各工程を有してなる方法。
【請求項5】
前記粒子が実質的に単分散のものであることを特徴とする請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記粒子が、非一時的材料からなる非一時的粒子および一時的材料からなる一時的粒子を含み、前記一時的粒子が第1の搬送流体流により搬送され、該第1の搬送流体流が前記壁を通過し、該壁が該第1の搬送流体流から該一時的粒子を分離し、前記非一時的粒子が第2の搬送流体流により搬送され、該第2の搬送流体流が前記壁を通過し、該壁が該第2の搬送流体流から該非一時的粒子を分離し、それによって、前記一時的材料および前記非一時的材料からなるコーティングが形成されることを特徴とする請求項4記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6(a)】
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【図6(b)】
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【図6(c)】
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【図7(a)】
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【図7(b)】
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【図7(c)】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【公表番号】特表2012−509764(P2012−509764A)
【公表日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−538618(P2011−538618)
【出願日】平成21年11月10日(2009.11.10)
【国際出願番号】PCT/US2009/063817
【国際公開番号】WO2010/062794
【国際公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(397068274)コーニング インコーポレイテッド (1,222)
【Fターム(参考)】