被覆材取付構造及び該被覆材取付構造の施工方法
【課題】 本発明は、屋根材に制約されることなく、被覆材を屋根に取り付けることができる被覆材取付構造及び該被覆材取付構造の施工方法を提供することを課題とする。
【解決手段】 被覆材を屋根材92に取り付けるための被覆材取付構造1であって、少なくとも被覆材92の周縁部に対応した枠状部を有して屋根材92に固定される固定部材2と、被覆材92を固定部材2に取り付けるための取付部材3とを備え、枠状部は、屋根材92の所定方向に沿って配置される第1の固定部材4、該第1の固定部材4に対して交差する方向に沿って配置される第2の固定部材5、及び、第1の固定部材4と第2の固定部材4とを連結する連結部材6を備え、第1の固定部材4は、連結部材6を嵌め込み可能である溝形のレール41を備えることを特徴とする。
【解決手段】 被覆材を屋根材92に取り付けるための被覆材取付構造1であって、少なくとも被覆材92の周縁部に対応した枠状部を有して屋根材92に固定される固定部材2と、被覆材92を固定部材2に取り付けるための取付部材3とを備え、枠状部は、屋根材92の所定方向に沿って配置される第1の固定部材4、該第1の固定部材4に対して交差する方向に沿って配置される第2の固定部材5、及び、第1の固定部材4と第2の固定部材4とを連結する連結部材6を備え、第1の固定部材4は、連結部材6を嵌め込み可能である溝形のレール41を備えることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遮熱シートや防水シートなどの被覆材を屋根材に取り付けるための被覆材取付構造及び該被覆材取付構造の施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、建築物の屋根には、屋根の温度上昇を抑制し又は自然冷却する遮熱シートのような、屋根を被覆する被覆材が設けられている。被覆材の一例として、特許文献1のような遮熱シートがある。図13に示すように、この遮熱シート91は、遮熱特性を有する矩形状のシートである。この遮熱シート91の周縁部には、屋根材92に取り付けるための鳩目91aが所定ピッチで設けられている。屋根材92は、鋼板を折り曲げて形成される長尺状の板材である。屋根は、これらの屋根材92,…を桁行方向に平行に組み合わせることにより形成されている。
【0003】
遮熱シート91は、単管910を組み合わせて構築された被覆材取付構造901に取り付けられる。この被覆材取付構造901を屋根材92に取り付けるために、ボルト溶接クランプ920を利用する。ボルト溶接クランプ920は、図14(a)及び(b)に示すように、単管910の当接面に合わせて形成される凹部を内面に有する固定部材921と、該固定部材921の一端側に回動自在に連結される可動部材922と、固定部材921の他端側に回動自在に取り付けられて固定部材921と可動部材922とを閉止する閉止ボルト923と、該閉止ボルト923に螺合されて固定部材921と可動部材922との隙間を接近させて締め付ける締付ナット924と、固定部材921の外側に溶接される固定ボルト925とを有する。
【0004】
被覆材取付構造901は、例えば、重ね式(ボルト式)折板屋根に取り付ける場合、図13に示すように、剣先ボルト93が屋根材92から所定ピッチで上方に向かって突出して設けられている(通常は、キャップが取り付けられている)。この剣先ボルト93は、天井梁94に固定されているタイトフレーム95と屋根材92とを接続するために設けられている。被覆材取付構造901は、図14(a)に示すように、剣先ボルト93に高ナット930を介してボルト溶接クランプ920の固定ボルト925を結合して、各単管910を屋根材92の頂部に固定する。被覆材取付構造901は、タイトフレーム95が設けられた屋根材92上の位置に固定される第1の単管911と、該第1の単管911に連結されて第1の単管911に対して直交する方向に固定される第2の単管912とを組み合わせて構築されている。
【0005】
ボルト溶接クランプ920は、この被覆材取付構造901に取り付けるためにも利用する。まず、ボルト溶接クランプ920を遮熱シート91の鳩目91aの位置に対応する単管910上の位置に固定する。このとき、ボルト溶接クランプ920は、図14(b)に示すように、単管910に対して固定ボルト925が上方に突出する姿勢となるように取り付ける。この固定ボルト925に、遮熱シート91の鳩目91aを挿入して、ナット940及びパッキン950などで遮熱シート91を被覆材取付構造901に取り付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−261212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、タイトフレーム95が設けられる位置は、施工されている建物によって異なるため、屋根材92から剣先ボルト93が突出している位置も建物によって相違する。つまり、被覆材取付構造901を屋根材92に固定する第1の単管911の位置は、建物のタイトフレーム95の位置によって決まっている。遮熱シート91の鳩目91aの位置も決められており、容易に変更することはできない。
【0008】
そこで、図13に示されているように、遮熱シート91の鳩目91aの位置が第1の単管911の位置に対応しない場合、遮熱シート91の鳩目91aの位置に合わせて、第2の単管912の間に更に第3の単管913を渡して、この第3の単管913にボルト溶接クランプ920を固定して、遮熱シート91を取り付けなければ、遮熱シート91を屋根材92に取り付けることができなかった。
【0009】
本発明は、かかる事情に鑑み、屋根材に制約されることなく、被覆材を屋根に取り付けることができる被覆材取付構造及び該被覆材取付構造の施工方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る被覆材取付構造は、被覆材を屋根材に取り付けるための被覆材取付構造であって、少なくとも前記被覆材の周縁部に対応した枠状部を有して前記屋根材に固定される固定部材と、前記被覆材を前記固定部材に取り付けるための取付部材とを備え、前記枠状部は、前記屋根材の所定方向に沿って配置される第1の固定部材、該第1の固定部材に対して交差する方向に沿って配置される第2の固定部材、及び、前記第1の固定部材と前記第2の固定部材とを連結する連結部材を備え、前記第1の固定部材は、前記連結部材を嵌め込み可能である溝形のレールを備えることを特徴とする。
【0011】
かかる構成によれば、第2の固定部材が第1の固定部材のレールに嵌め込まれることによって、被覆材の周縁部に対応した枠状部を形成することができる。よって、第2の固定部材は、施工される屋根材との位置関係に制約されることなく、被覆材を屋根材に取り付けることができる。
【0012】
また、本発明によれば、前記第2の固定部材は、前記連結部材を嵌め込み可能である溝形のレールを備えることが好ましい。
【0013】
かかる構成によれば、第1の固定部材が第2の固定部材のレールに嵌め込まれることによっても、被覆材の周縁部に対応した枠状部を形成することができる。よって、第1の固定部材は、施工される屋根材との位置関係に制約されることなく、被覆材を屋根材に取り付けることができる。
【0014】
また、本発明によれば、前記レールは、当該レールの長手方向に沿って形成される両側の縁がそれぞれ向かい合う方向に突出する一対の突出部を備え、前記連結部材は、前記突出部を前記レールの外側から当接する第1の当接部と、前記突出部を前記レールの内側から当接する第2の当接部と、前記突出部を前記第1の当接部と前記第2の当接部とで挟持すべく前記第1の当接部と前記第2の当接部とを接近させる作動部材とを備えることが好ましい。
【0015】
かかる構成によれば、連結部材は、作動部材で第1の当接部と第2の当接部とを接近させて突出部を挟持することにより、第1の固定部材と第2の固定部材とを連結することができる。
【0016】
また、本発明によれば、前記取付部材は、前記レールに嵌め込み可能であることが好ましい。
【0017】
かかる構成によれば、取付部材がレールに嵌め込まれることにより、当該取付部材が被覆材の周縁部に対応して設けられ、被覆材を屋根材に取り付けることができるようになる。
【0018】
また、本発明に係る被覆材取付構造の施工方法は、前記第1の固定部材を配置する第1の配置工程、該第1の配置工程の後に前記第2の固定部材を配置する第2の配置工程、及び、該第2の配置工程の後に前記連結部材により前記第1の固定部材と前記第2の固定部材とを連結する連結工程を備えることを特徴とする。
【0019】
かかる構成によれば、第1の固定部材を配置し(第1の配置工程)、続けて、第2の固定部材を配置し(第2の配置工程)、第1の固定部材と第2の固定部材とを連結する(連結工程)ことによって、被覆材の周辺部に対応した枠状部を形成することができる。よって、第2の固定部材は、施工される屋根材との位置関係に制約されることなく、被覆材を取り付けることができる。
【0020】
また、本発明によれば、前記連結工程の後に前記被覆材を取り付けるために適当な前記レール上の位置に前記取付部材を配置する第3の配置工程を備えることが好ましい。
【0021】
かかる構成によれば、取付部材がレールに嵌め込まれる(第3の配置工程)ことにより、当該取付部材が被覆材の周縁部に対応して設けられ、被覆材を屋根材に取り付けることができるようになる。
【0022】
本発明に係る被覆材取付構造は、被覆材を屋根材に取り付けるための被覆材取付構造であって、少なくとも前記被覆材の周縁部に対応した枠状部を有して前記屋根材に固定される固定部材と、前記被覆材を前記固定部材に取り付けるための取付部材とを備え、前記枠状部は、前記屋根材の所定方向に沿って配置される第1の固定部材と、該第1の固定部材に対して交差する方向に配置される第2の固定部材とを備え、前記第2の固定部材は、前記屋根材のうち、当該第2の固定部材の端部から離間した所定箇所に当該第2の固定部材を固定すべく、前記端部から延びる延長部を備えることを特徴とする。
【0023】
かかる構成によれば、第2の固定部材の端部が延長部により屋根材の所定箇所まで延長されるため、第2の固定部材は、施工される屋根材との位置関係に制約されることなく、被覆材を屋根材に取り付けることができる。
【0024】
また、本発明によれば、前記第1の固定部材は、前記取付部材を嵌め込み可能である溝形のレールを備え、前記第2の固定部材は、前記取付部材を嵌め込み可能である溝形のレールを備え、前記取付部材は、前記レールに嵌め込み可能であることが好ましい。
【0025】
かかる構成によれば、取付部材がレールに嵌め込まれることにより、当該取付部材が被覆材の周縁部に対応して設けられ、被覆材を屋根材に取り付けることができるようになる。
【0026】
また、本発明に係る被覆材取付構造の施工方法は、前記第1の固定部材を配置する第1の配置工程、前記第2の固定部材の延長部を配置する第2の配置工程、該第2の配置工程の後に前記第2の固定部材を配置する第3の配置工程、該第3の配置工程の後に前記延長部に前記第2の固定部材を連結する連結工程を備えることを特徴とする。
【0027】
かかる構成によれば、第1の固定部材を配置し(第1の配置工程)、また、延長部を配置し(第2の配置工程)、続けて、第2の固定部材を配置し(第3の配置工程)、延長部と第2の固定部材とを連結する(第2の連結工程)ことによって、被覆材の周辺部に対応した枠状部を形成することができる。よって、第2の固定部材は、施工される屋根材との位置関係に制約されることなく、被覆材を取り付けることができる。
【発明の効果】
【0028】
以上の如く、本発明に係る被覆材取付構造及び該被覆材取付構造の施工方法によれば、屋根材に制約されることなく、被覆材を屋根に取り付けることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1実施形態に係る被覆材取付構造の全体配置図を示す。
【図2】同実施形態に係る被覆材取付構造の図1に示す領域Aの要部拡大図を示す。(a)は、上面図である。(b)は、屋根材の流れ方向から見た側面図である。
【図3】同実施形態に係る被覆材取付構造の図1に示す領域Bの要部拡大図を示す。(a)は、上面図である。(b)は、屋根材の流れ方向から見た側面図である。
【図4】同実施形態に係る被覆材取付構造の図1に示す領域Cを屋根材の流れ方向から見た要部拡大側面図を示す。
【図5】(a)は、同実施形態に係る被覆材取付構造の図1に示す領域Cを屋根材の桁行方向から見た要部拡大側面図を示す。(b)は、同実施形態に係る被覆材取付構造の第1の固定部の上面図を示す。
【図6】同実施形態に係る被覆材取付構造の図1に示す領域Dを屋根材の桁行方向から見た要部拡大側面図を示す。
【図7】(a)は、同実施形態に係る被覆材取付構造の図1に示す領域Dを屋根材の流れ方向から見た要部拡大側面図を示す。(b)は、同実施形態に係る被覆材取付構造の第2の固定部の上面図を示す。
【図8】同実施形態に係る被覆材取付構造の図1に示す領域Eを屋根材の流れ方向から見た要部拡大側面図を示す。
【図9】本発明の第2実施形態に係る被覆材取付構造の全体配置図を示す。
【図10】同実施形態に係る被覆材取付構造の図9に示す領域Fを屋根材の桁行方向から見た要部拡大側面図を示す。
【図11】同実施形態に係る被覆材取付構造の図9に示す延長部の要部拡大図を示す。(a)は、延長部の他端部周りの上面図である。(b)は、延長部の一端部周りの上面図である。(c)は、屋根材の流れ方向から見た要部拡大側面図である。
【図12】同実施形態に係る被覆材取付構造の図9に示す領域Gを屋根材の流れ方向から見た要部拡大側面図を示す。
【図13】従来技術の被覆材取付構造を屋根材に取り付けた状態の外観斜視図を示す。
【図14】同被覆材取付構造のボルト溶接クランプの施工状態を表した詳細図である。(a)は、屋根材との固定に利用されているボルト溶接クランプの取り付け状態を表した詳細図である。(b)は、遮熱シートの固定に利用されているボルト溶接クランプの取り付け状態を表した詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
次に、本発明の第1実施形態に係る被覆材取付構造について、図1〜図8を参酌しつつ説明する。被覆材取付構造1は、図1に示すように、屋根材92を被覆する被覆材を当該屋根材92に取り付けるために設ける。被覆材には、遮熱シートや遮熱ボード、防水シートなどがある。本実施形態に係る被覆材は、遮熱シート91である例を説明する。また、本実施形態に係る屋根材92は、金属製折板屋根、特に、重ね式折板屋根である例を説明する。
【0031】
重ね式折板屋根は、建物の天井を覆うために、長尺状の複数の屋根材92,…を屋根材92,…の流れ方向(屋根材92,…の長手方向)Xに対して直交する屋根材92,…の桁行方向(屋根材92,…の幅方向)Yに並列に配置して形成されている。各屋根材92,…は、建物の天井梁94に固定されるタイトフレーム95に取り付ける。各屋根材92は、帯状の鋼板を長手方向に沿って折り曲げることにより、断面が波形(凹凸形状)に形成されている。そして、各屋根材92,…は、当該屋根材92の長手方向に沿う端部を当該屋根材92と隣り合う他の屋根材92の端部と重ね合わせることにより、隙間なく並列に配置される。
【0032】
このようにして複数の屋根材92,…を組み合わせて構成される屋根は、一定間隔ごとに山部と谷部とが繰り返される波形の断面を有する。この屋根材92は、当該屋根材92の山部の間隔が特定の決まった長さ(200mm、250mm、350mmなど)となるように配置されている。各屋根材92,…は、タイトフレーム95と重なり合う屋根材92の山部の頂部と当該タイトフレーム95とを剣先ボルト93で連結する。よって、屋根材92がタイトフレーム95と連結されている位置には、剣先ボルト93の先端が突き出ている。被覆材取付構造1は、この剣先ボルト93を利用して取り付けられる。つまり、被覆材取付構造1は、屋根材92の頂部に固定される。なお、タイトフレーム95が設けられる間隔は、天井梁94の位置(間隔)が建物ごとに異なるため、一定ではない。
【0033】
被覆材取付構造1は、少なくとも遮熱シート91の周縁部に対応した枠状部を有して屋根材92に固定される固定部材2と、遮熱シート91を固定部材2に取り付けるための取付部材3とを備える。本実施形態に係る遮熱シート91は、矩形状をしているため、固定部材2は、枠状部が矩形状である例を説明する。
【0034】
固定部材2は、屋根材92の所定方向に沿って配置される長尺状の第1の固定部材4、該第1の固定部材4に対して交差する方向に沿って配置される長尺状の第2の固定部材5、及び、第1の固定部材4と第2の固定部材5とを連結する連結部材6を備える。第1の固定部材4は、屋根材92の流れ方向Xに沿って設けられている。第2の固定部材5は、屋根材92の桁行方向Yに沿って設けられている。
【0035】
第1の固定部材4及び第2の固定部材5は、図2及び図3に示すように、連結部材6を嵌め込み可能に設けられる溝形のレール41,51と、該レール41,51を屋根材92に固定する固定部42,52とを備える。
【0036】
レール41,51は、長尺状のレール本体43,53と、該レール本体43,53の長手方向に沿って形成される両側の縁部がそれぞれ向かい合う方向に突出する一対の突出部44,54(図4〜図7参照)と、レール本体43,53に固定部42,52を接続するために設けられる接続部45,55(図4〜図7参照)と、を備える。
【0037】
レール本体43,53は、溝が形成される面が上面となるように、屋根材92に支持されている。そして、レール本体43,53は、長手方向が屋根材92に対して略平行となるように配置される。
【0038】
突出部44,54は、レール本体43,53の長手方向に沿って一定の幅の隙間(スリット)Sが形成されるように、レール本体43,53の両側面の上端部から一定の長さを有し、それぞれの先端部を離間してそれぞれに設けられている。
【0039】
接続部45,55は、レール本体43,53の底面に形成され、固定部42,52を接続する位置に設けられる円形の接続孔(以下、接続部と同じ符号45,55を付して説明する)45,55である。なお、接続部45,55に接続される固定部42,52は、屋根材92の流れ方向X上のタイトフレーム95が設けられる位置に配置される。その固定部42,52の位置は、建物により異なる。よって、接続孔45,55は、レール本体43,53が固定部42,52の位置に対して接続する長手方向の位置を調整できるように、レール本体43,53の長手方向に長径を有する長孔や所定間隔に設けられる複数の孔としてもよい。
【0040】
固定部42,52は、2種類の固定具42A,42B,52A,52Bを有する。図4及び図5に示す第1の固定具42A,52Aは、U形に形成されて、レール本体43,53を2点で支持する。第1の固定具42A,52Aは、主に、第1の固定部材4のレール41を支持するために用いられる。図6及び図7に示す第2の固定具42B,52Bは、Z形に形成されて、レール本体43,53を1点で支持する。第2の固定具42B,52Bは、主に、第2の固定部材5のレール51を支持するために用いられる。なお、これらの2種類の固定具42A,42B,52A,52Bは、使用される場所によって使い分けるために設けられている。しかし、これらの固定部42,52は、このような使い分けをすることなく、第1の固定具42A,52A及び第2の固定具42B,52Bのうち一方のみを使用することもできるようになっている。
【0041】
第1の固定具42A,52Aは、図4及び図5に示すように、U形に形成される固定具本体46A,56Aと、該固定具本体46A,56Aを屋根材92に結合可能である第1の結合部47A,57Aと、固定具本体46A,56Aをレール41,51に結合する第2の結合部48A,58Aとを備える。
【0042】
固定具本体46A,56Aは、長手方向に屈曲部を複数有して形成されている。固定具本体46A,56Aの中央部は、くさび形状に形成されるとともに、中央部の中間の面と両端部の面とが平行関係を有する平面状に形成されている。固定具本体46A,56Aの両端部は、レール41,51を載置することができる。そして、固定具本体46A,56Aの幅方向の両端部には、当該固定具本体46A,56Aの両端部に載置されるレール本体43,53の幅方向への移動を規制するガイドが形成されている。
【0043】
第1の結合部47A,57Aは、固定具本体46A,56Aの中央部の中間の面のそれぞれに設けられている。第1の結合部47A,57Aは、矩形状の結合孔である。第1の結合部47A,57Aは、屋根材92の剣先ボルト93に嵌め込まれて剣先ボルト93と結合されることにより、屋根材92と固定具本体46A,56Aとを結合するために設けられている。
【0044】
第2の結合部48A,58Aは、固定具本体46A,56Aの両端部の面に設けられている。第2の結合部48A,58Aは、円形の結合孔である。
【0045】
第2の固定具42B,52Bは、図6及び図7に示す、Z形に形成される固定具本体46B,56Bと、該固定具本体46B,56Bを屋根材92に結合可能である第1の結合部47B,57Bと、固定具本体46B,56Bをレール41,51に結合する第2の結合部48B,58Bとを備える。
【0046】
固定具本体46B,56Bは、長尺状に形成されており、その一端部の面と他端部の面とが平行関係を有する平面状に形成されている。固定具本体46B,56Bの一端部は、レール41,51を載置することができる。
【0047】
第1の結合部47B,57Bは、固定具本体46B,56Bの一端部の面に設けられている。第1の結合部47B,57Bは、矩形状の結合孔である。
【0048】
第2の結合部48B,58Bは、固定具本体46B,56Bの他端部の面に設けられている。第2の結合部48B,58Bは、円形の結合孔である。第2の結合部48B,58Bは、屋根材92の剣先ボルト93に嵌め込まれて剣先ボルト93と結合されることにより、屋根材92と固定具本体46B,56Bとを結合するために設けられている。
【0049】
連結部材6は、第2の固定部材5を第1の固定部材4の長手方向に対して直交する方向から連結する。そして、連結部材6は、第1の固定部材4と第2の固定部材5とを連結する方式によって、2種類の連結部材6A,6Bを有する。図2に示す第1の連結部材6Aは、T形に形成され、第1の固定部材4の長手方向の一方の側面に第2の固定部材5を連結する。つまり、第1の連結部材6Aは、図1では、第1の固定部材4と第2の固定部材5とでT字状を形成している部分(最も外側に位置する第1の固定部材4,4と第2の固定部材5,5,5との6箇所の接続点)に設けられている。
図3に示す第2の連結部材6Bは、X形に形成され、第1の固定部材4の長手方向のそれぞれの側面に第2の固定部材5を連結する。つまり、第2の連結部材6Bは、図1では、第1の固定部材4と第2の固定部材5とでX字状を形成している部分(内側に位置する第1の固定部材4と第2の固定部材5,5,5との3箇所の接続点)に設けられている。
【0050】
第1の連結部材6Aは、図2に示すように、レール41,51の突出部44,54をレール41,51の外側から当接する板状の第1の当接部61Aと、突出部44,54をレール41,51の内側から当接する板状の第2の当接部62Aと、突出部44,54を第1の当接部61Aと第2の当接部62Aとの間に挟持すべく第1の当接部61Aと第2の当接部62Aとを接近させる作動部材63Aとを備える。
【0051】
第1の当接部61Aは、第1の固定部材4のレール41のレール本体43の上面に当接する第1の当接面64Aと、第2の固定部材5のレール51のレール本体53の上面に当接する第2の当接面65Aとを備える。
【0052】
各第1の当接面64A及び第2の当接面65Aは、レール本体43,53の上面に載置されて当接する載置面64Aaと、当該載置面64Aaがレール本体43,53の上面に載置される際に、当該レール本体43,53の長手方向に沿う載置面64Aaの縁部が当該載置面64Aaに交差する方向に延長されて形成されている延長部64Abと、載置面64Aaに形成される円形の開口部64Acとを備える。載置面64Aaは、レール41,51の上面の隙間Sの幅より広く形成されている。延長部64Abは、レール41,51の側面に当接させて、開口部64Acを中心に載置面64Aaを回り止めする規制部材として機能する。
【0053】
第2の当接部62Aは、第1の当接部61Aの第1の当接面64A及び第2の当接面65Aのそれぞれに対応して設けられる方形の当接板62Aa,62Aaと、当該当接板62A,62Aのそれぞれに形成される円形の開口部62Ab,62Abとを備える。
【0054】
当接板62Aaは、一方の一対の辺がレール41,51の隙間Sの幅より狭く形成されており、他方の一対の辺がレール41,51の隙間Sの幅より広く形成されている。当接板62Aaは、対角に位置する一対の第1の角部C1を円弧状に形成し、一対の第2の角部C2を略直角状に形成している。よって、当接板62Aaは、当該当接板62Aaの面をレール41,51の上面と平行にしたときのレール41,51に対する姿勢により、レール41,51の突出部44,54に接触可能な第1の姿勢P1(図2(a)に点線で示す)と、レール41,51の隙間Sを通過可能な第2の姿勢P2(図2(a)に一点鎖線で示す)とを有する。開口部62Abは、長孔である。
【0055】
作動部材63Aは、第1の当接部61Aの開口部64Acと第2の当接部62Aの開口部62Abとに挿通して取り付けられるボルト63Aaと、当該ボルト63Aaに螺合されるナット63Abとを備える。作動部材63Aは、ナット63Abを締め付けることにより、第1の当接部61Aと第2の当接部62Aとが接近するように構成されている。このとき、第2の当接部62Aは、レール41,51の上面に対して略平行の状態で第1の当接部61A(及び突出部44,54)に向かって接近する。
【0056】
なお、第1の連結部材6Aは、取付部材3としての機能も有している。作動部材63Aは、ボルト63Aaを第2の当接部62A側から挿入して、ボルト63Aaの先端部が第1の当接部61A側から突出するように第1の連結部材6Aに取り付けられている。そして、作動部材63Aは、更に、第1の当接部61Aとナット63Abの間に2枚のパッキン63Ac,63Acを備える。
【0057】
第2の連結部材6Bは、図3に示すように、レール41,51の突出部44,54をレール41,51の外側から当接する板状の第1の当接部61Bと、突出部44,54をレール41,51の内側から当接する板状の第2の当接部62Bと、突出部44,54を第1の当接部61Bと第2の当接部62Bとの間に挟持すべく第1の当接部61Bと第2の当接部62Bとを接近させる作動部材63Bとを備える。
【0058】
第1の当接部61Bは、第1の固定部材4のレール41のレール本体43の上面に当接する第1の当接面64Bと、2つの第2の固定部材5,5のレール51,51のレール本体53,53のそれぞれの上面に当接する2つの第2の当接面65B,65Bとを備える。
【0059】
各第1の当接面64B及び第2の当接面65B、65Bは、レール本体43,53,53の上面に載置されて当接する載置面64Baと、当該載置面64Baがレール本体43,53,53の上面に載置される際に、当該レール本体43,53,53の長手方向に沿う載置面64Baの縁部が当該載置面64Baに交差する方向に延長されて形成されている延長部64Bbと、載置面64Baに形成される円形の開口部64Bcとを備える。載置面64Baは、レール41,51,51の上面の隙間Sの幅より広く形成されている。延長部64Bbは、レール41,51,51の側面に当接させて、開口部64Bcを中心に載置面64Baを回り止めする規制部材として機能する。
【0060】
第2の当接部62Bは、第1の当接部61Bの第1の当接面64B及び第2の当接面65B,65Bのそれぞれに対応して設けられる方形の当接板62Ba,62Ba,62Baと、当該当接板62B,62B,62Bのそれぞれに形成される円形の開口部62Bb,62Bb,62Bbとを備える。
【0061】
当接板62Baは、一方の一対の辺がレール41,51,51の隙間Sの幅より狭く形成されており、他方の一対の辺がレール41,51,51の隙間Sの幅より広く形成されている。当接板62Baは、対角に位置する一対の第1の角部C1を円弧状に形成し、一対の第2の角部C2を略直角状に形成している。よって、当接板62Baは、当該当接板62Baの面をレール41,51,51の上面と平行にしたときのレール41,51,51に対する姿勢により、レール41,51,51の突出部44,54、54に接触可能な第1の姿勢P1(図3(a)に点線で示す)と、レール41,51,51の隙間Sを通過可能な第2の姿勢P2(図3(a)に一点鎖線で示す)とを有する。開口部62Bbは、長孔である。
【0062】
作動部材63Bは、第1の当接部61Bの開口部64Bcと第2の当接部62Bの開口部62Bbとに挿通して取り付けられるボルト63Baと、第2の当接部62Bに溶接されて一体に形成されるとともに、当該ボルト63Baに螺合されるナット63Bbである。作動部材63Bは、ナット63Bbを締め付けることにより、第1の当接部61Bと第2の当接部62Bとが接近するように構成されている。このとき、第2の当接部62Bは、レール41,51、51の上面に対して略平行の状態で第1の当接部61B(及び突出部44,54,54)に向かって接近する。作動部材63Bは、ボルト63Baを第1の当接部61B側から挿入して、ボルト63Baの先端部が第2の当接部62B側から突出するように第1の連結部材6Bに取り付けられている。
【0063】
取付部材3は、図2、図4,図5及び図8に示すように、レール41,51に嵌め込み可能に構成されている。取付部材3は、レール41,51に嵌め込む位置により2種類の取付部材3A,3Bを有する。
【0064】
第1の取付部材3Aは、図2,図4及び図5に示すように、取付部材3としての機能を有する第1の連結部材6Aの作動部材63Aである。第1の取付部材3Aは、連結部材6Aが取り付けられるレール41,51上の位置に取り付ける場合に用いる。つまり、第1の取付部材3Aは、図1では、遮熱シート91の周縁部に対応する枠状部(最も外側に位置する一対の第1の固定部材4,4と、最も外側に位置する一対の第2の固定部材5,5とによって形成される矩形状の枠状部)上に設けられている連結部材6A,6Bに取り付けられている(図1では8箇所)。
【0065】
第2の取付部材3Bは、図8に示すように、連結部材6が取り付けられていないレール41,51上の位置に取り付ける場合に用いる。つまり、第2の取付部材3Bは、図1では、遮熱シート91の周縁部に対応する枠状部(最も外側に位置する一対の第1の固定部材4,4と、最も外側に位置する一対の第2の固定部材5,5とによって形成される矩形状の枠状部)上の第1の固定部材4及び第2の固定部材5であって、連結部材6A,6Bが設けられていないところに取り付けられている(図1では12箇所)。
【0066】
第2の取付部材3Bは、レール41,51の突出部44,54をレール41,51の外側から当接する板状の第1の当接部31Bと、突出部44,54をレール41,51の内側から当接する板状の第2の当接部32Bと、突出部44,54を第1の当接部31Bと第2の当接部32Bとの間に挟持すべく第1の当接部31Bと第2の当接部32Bとを接近させる作動部材33Bとを備える。
【0067】
第1の当接部31Bは、第1の固定部材4又は第2の固定部材5のレール41,51のレール本体43,53の上面に当接する当接面34Bを備える。
【0068】
当接面34Bは、レール本体43,53の上面に載置されて当接する載置面34Baと、当該載置面34Baがレール本体43,53の上面に載置される際に、当該レール本体43,53の長手方向に沿う載置面34Baの縁部が当該載置面34Baに交差する方向に延長されて形成されている延長部34Bbと、載置面34Baに形成される円形の開口部34Bcとを備える。載置面34Baは、レール41,51の上面の隙間Sの幅より広く形成されている。延長部34Bbは、レール41,51の側面に当接させて、開口部34Bcを中心に載置面34Baを回り止めする規制部材として機能する。
【0069】
第2の当接部32Bは、第1の当接部31Bの当接面34Bに対応して設けられる方形の当接板32Baと、当該当接板32Bに形成される円形の開口部32Bbとを備える。当接板32Baは、一方の一対の辺がレール41,51の隙間Sの幅より狭く形成されており、他方の一対の辺がレール41,51の隙間Sの幅より広く形成されている。当接板32Baは、対角に位置する一対の第1の角部C1を円弧状に形成し、一対の第2の角部C2を略直角状に形成している。よって、当接板32Baは、当該当接板32Baの面をレール41,51の上面と平行にしたときのレール41,51に対する姿勢により、レール41,51の突出部44,54に接触可能な第1の姿勢P1と、レール41,51の隙間Sを通過可能な第2の姿勢P2とを有する。開口部32Bbは、長孔である。
【0070】
作動部材33Bは、第1の当接部31Bの開口部34Bcと第2の当接部32Bの開口部32Bbとに挿通して取り付けられるボルト33Baと、当該ボルト33Baに螺合されるナット33Bbと、第1の当接部61Aとナット63Abの間に2枚のパッキン33Bc,63Bcとを備える。作動部材33Bは、ナット33Bbを締め付けることにより、第1の当接部31Bと第2の当接部32Bとが接近するように構成されている。このとき、第2の当接部32Bは、レール41,51の上面に対して略平行の状態で第1の当接部31B(及び突出部44,54)に向かって接近する。作動部材33Bは、ボルト33baを第2の当接部32B側から挿入して、ボルト33Baの先端部が第1の当接部31B側から突出するように第1の当接部31B及び第2の当接部32Bに取り付けられている。
【0071】
次に、本実施形態に係る被覆材取付構造1の施工方法について、説明する。まず、第1の固定部材4を屋根材92の流れ方向Xに沿って複数個所に配置する(第1の配置工程)。具体的には、第1の固定部材4を固定する位置に設けられる剣先ボルト93に第1の固定部42Bを結合する。そして、固定部42の固定具本体46にレール本体43を載置し、第2の結合部48とレール本体43の接続部45とにボルトを挿通してナットを締め付けて結合する。
【0072】
第1の配置工程の後に第2の固定部材5を第1の固定部材4の間の特定の位置に当該第1の固定部材4と交差する方向(屋根材92の桁行方向Y)に配置する(第2の配置工程)。第2の固定部材5は、取り付ける遮熱シート91の鳩目91aの位置に合わせて配置される。
【0073】
第2の配置工程の後に連結部材6により第1の固定部材4と第2の固定部材5とを連結する(連結工程)。具体的には、第1の固定部材4のレール41に連結部材6の第2の当接部62A,62Bの当接板62Aaを(第1の姿勢P1にして)挿入し、第1の当接部61A,61Bの載置面64A,64Bを載置する。また、第2の固定部材5のレール51に連結部材6の第2の当接部62A,62Bの当接板62Aaを(第1の姿勢P1にして)挿入し、第2の固定部材5のレール51に連結部材6の第2の当接部62A,62Bの載置面65A,65Bを載置する。
【0074】
そして、作動部材63A,63Bのボルト63Aaを回動することにより、第2の当接部62AもボルトAaの軸心方向の回動に従動して第1の姿勢P1から第2の姿勢P2まで回動する。つまり、第2の当接部62Aの第1の角部C1が円弧状に形成されているため、レール41,51の内側と干渉せずに回動が許容され、略直角形状に形成された(ままの)第2の角部C2でレール41,51の内側に干渉して回動が規制され、回り止めされる。更に、ボルト63Aaを回動することにより、ナット63Abがボルト63Aaに締め付けられつつ、第1の当接部61Aと第2の当接部62Aとが接近し、レール41,51の突出部44,54を挟持して、連結部材6と第1の固定部材4及び第2の固定部材5を結合する。
【0075】
連結工程の後に被覆材92を取り付けるために適当なレール41,51上の位置に取付部材3,…を配置する(第3の配置工程)。具体的には、第1の取付部材3A(第1の連結部材6A)が設けられた位置に遮熱シート91の鳩目91aが位置する場合、当該第1の取付部材3Aのボルト63Aaに鳩目91aを挿入して、ナット63Abを締め付けて固定する。第1の取付部材3Aが設けられていない位置に遮熱シート91の鳩目91aが位置する場合、第2の取付部材3Bをレール41,51上に取り付けて、当該第2の取付部材3Bのボルト33Baに鳩目91aを挿入して、ナット33Bbを締め付けて固定する。
【0076】
このようにして、第2の固定部材5が第1の固定部材4のレール41に嵌め込まれることによって、遮熱シート91の周縁部に対応した枠状部を形成することができる。よって、第2の固定部材5は、施工される屋根材92との位置関係に制約されることなく、遮熱シート91を屋根材92に取り付けることができる。
【0077】
また、第1の固定部材4も第2の固定部材5のレール51に嵌め込むことにより、遮熱シート91の周縁部に対応した枠状部を形成することができる。よって、第1の固定部材4は、施工される屋根材92との位置関係に制約されることなく、遮熱シート91を屋根材92に取り付けることができる。
【0078】
また、連結部材6は、一対の突出部44,44,54,54間の隙間Sから第2の当接部62A,62Bをレール41,51の内側に挿入し、作動部材63A,63Bで第1の当接部61A,61Bと第2の当接部62A,62Bとを接近させて突出部44,54を挟持することにより、第1の固定部材4と第2の固定部材5とを連結することができる。
【0079】
また、取付部材3は、遮熱シート91の鳩目91aの位置に合わせてレール41,51上の任意の位置に嵌め込むことができるようになる。
【0080】
また、従来技術の被覆材取付構造901は、図13に示すように、第3の単管913が必要であったが、本実施形態に係る被覆材取付構造1は、このような単管を必要としないため、遮熱シート91を安価に取り付けることができる。
【0081】
また、図14(b)に示す従来技術の被覆材取付構造901では、ボルト溶接クランプ920を単管910に取り付ける際に、単管910に対して下方から閉止ボルト923を締め付けなければならなかった。本実施形態に係る被覆材取付構造1は、レール41,51に対して上方からボルトを締め付けることができるため、作業性を向上させることができる。
【0082】
次に、本発明の第2実施形態に係る被覆材取付構造について、図9〜図12を参酌しつつ説明する。なお、第1実施形態に係る被覆材取付構造1と同一の第2実施形態の構成は、同じ符号を付すとともに、その説明を省略する。
【0083】
被覆材取付構造101は、第1の実施形態に係る被覆材取付構造1と同様に、固定部材102と取付部材3とを備え、固定部材102は、第1の固定部材4と、第2の固定部材105とを備える。
【0084】
第2の固定部材105は、図9〜図12に示すように、連結部材6を嵌め込み可能に設けられる溝形のレール51と、該レール51を屋根材92に固定する固定部52と、屋根材92のうち、当該第2の固定部材105の端部から離間した所定箇所に当該第2の固定部材105を固定すべく、当該端部から延びる延長部159とを備える。なお、ここでいう「第2の固定部材105の端部から離間した所定箇所」とは、図9で最も下側に示されている各第2の固定部材105,…から更に下側に示されているタイトフレーム95の位置に設けられている剣先ボルト93の位置である。
【0085】
延長部159は、所定の長さを有する固定具本体159aと、該固定具本体159aの第1の端部E1に設けられ、屋根材92に結合可能である第1の結合部157と、固定具本体159aの第2の端部E2に設けられ、レール51に結合される第2の結合部158とを備える。
【0086】
固定具本体159aは、図10及び図11に示すように、長尺状に形成されており、長手方向の第1の端部E1から第2の端部E2に向かって略平面状に形成され、第2の端部E2に凸状の凸部159bと、該凸部159bの下端に設けられて、屋根材92に載置される載置部159cとを備える。固定具本体159aは、第2の固定部材195の端部から、当該第2の固定部材195を屋根材92に固定すべきタイトフレーム95までの距離に相当する長さを有する。凸部159bは、レール51を載置することができる。載置部159cは、固定具本体156の第2の端部E2を屋根材92に支持するために設けられる。
【0087】
第1の結合部157は、固定具本体156の第1の端部156aに設けられている。第1の結合部157は、固定具本体156の長手方向に長径を有する長孔である。第1の結合部157は、屋根材92の剣先ボルト93に嵌め込まれて剣先ボルト93と結合されることにより、屋根材92と固定具本体156とを結合するために設けられている。
【0088】
第2の結合部158は、固定具本体156の凸部156cに設けられている。第2の結合部158は、円形の結合孔である。
【0089】
また、本実施形態では、第1の固定部材4を屋根材92に固定する固定部は、図12に示す第3の固定部152Cとする。第3の固定部152Cは、剣先ボルト93に高ナット152Caを螺合させて、レール51の接続部55とボルト152Cbとを接続することにより、レール51を屋根材92に固定する。なお、第3の固定部152Cは、レール51を安定させるために、レール51を載置する載置部152Ccを更に備える。
【0090】
次に、本実施形態に係る被覆材取付構造101の施工方法について、説明する。まず、第1の固定部材4を屋根材92の流れ方向Xに沿って複数個所に配置する(第1の配置工程)。
【0091】
延長部159を屋根材92の流れ方向Xに沿って配置して当該延長部159の第1の結合部157を屋根材92の剣先ボルト93に結合する(第2の配置工程)。そして、第2の配置工程の後に第2の固定部材105を第1の固定部材4と交差する方向に配置する(第3の配置工程)。第2の固定部材105は、取り付ける遮熱シート91の鳩目91aの位置に合わせて配置される。
【0092】
第3の配置工程の後に延長部159の第2の結合部158に第2の固定部材105を連結する(連結結合工程)。具体的には、第2の固定部材105のレール51の接続部45と第2の結合部158とをボルトで結合する。第2の結合部158の位置は、第1の結合部157を屋根材92に固定する位置を調整することにより、変更することができる。
【0093】
第1の配置工程及び連結工程の後に被覆材92を取り付けるために適当なレール41,51上の位置に取付部材3,…を結合する(第4の配置工程)。
【0094】
このようにして、第2の固定部材105の端部が延長部159により屋根材92の所定箇所まで延長されるため、第2の固定部材105は、施工される屋根材92との位置関係に制約されることなく、遮熱シート91を取り付けることができる。
【0095】
また、取付部材3は、遮熱シート91の鳩目91aの位置に合わせてレール41,51上の任意の位置に嵌め込むことができるようになる。
【0096】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0097】
本発明の第1及び第2実施形態に係る被覆材取付構造1,101は、重ね式(ボルト式)折板屋根に取り付けられる例を説明したが、これに限定されるものではない。本発明に係る被覆材取付構造が取り付けられる屋根は、上記実施形態に係る被覆材取付構造のように、取り付ける位置に制限がある屋根であれば、どのような種類の屋根であっても適用することができる。本発明に係る被覆材取付構造は、金属製やスレート製屋根に取り付けられることが好ましい。金属性屋根は、上記実施形態で例示した重ね式折板屋根以外にも、ハゼ(締め)式折板屋根や嵌合式屋根、瓦棒葺屋根であってもよい。
【0098】
本発明の第1及び第2実施形態に係る被覆材取付構造1,101は、屋根材92に遮熱シート91を取り付ける例を説明したが、これに限定されるものではない。本発明に係る被覆材取付構造は、シート状や板状の被覆材を屋根材92に取り付けるものであってもよい。また、被覆材は、遮熱目的に限定されず、防水、防音、屋根補強などを目的とするものであってもよい。
【0099】
本発明の第1及び第2実施形態に係る被覆材取付構造1,101は、流れ方向Xに3箇所、桁行方向Yに3箇所の格子状に形成される固定部材2,102を例に説明したが、これに限定されるものではない。固定部材は、少なくとも被覆材の周縁部に対応した枠状部を有していればよい。例えば、固定部材は、複数の枠状部を有しており、複数の被覆材を当該被覆材の周縁部に対応する枠状部にそれぞれ取り付けるものであってもよい。
【0100】
本発明の第1及び第2実施形態に係る被覆材取付構造1,101は、レール41,51が第1の固定部材4と第2の固定部材5,105との両方に設けられる例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、レールは、屋根材92の流れ方向Xに沿って固定される第1の固定部材4に設けられ、屋根材92の桁行方向Yと平行に固定される第2の固定部材5,105に設けられていなくてもよい。第2の固定部材5,105にレールが設けられていなくても、被覆材取付構造は、屋根材92に取り付けることができる。レールは、第1の固定部材4及び第2の固定部材5,105の両方に設けられていなくてもよい。第1の固定部材4及び第2の固定部材5,105にレールが設けられていなくても、第2実施形態に係る被覆材取付構造101(の延長部159)を用いれば、屋根材92に取り付けることができる。
【0101】
本発明の第1及び第2実施形態に係る被覆材取付構造1,101は、連結部材6及び取付部材3がレール41,51に設けられた突出部44,54に挟持する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、連結部材及び取付部材は、各レールに抜け止められた状態で嵌め込まれていてもよい。
【0102】
本発明の第1及び第2実施形態に係る被覆材取付構造1,101は、レール41,51に設けられた突出部44,54がレール本体43,53の長手方向に沿って形成される両側の縁に設けられる例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、突出部は、レール本体の長手方向に沿って形成される一方の縁にのみに設けられていてもよい。連結部材及び取付部材は、当該突出部とレール本体の縁との間の隙間から挿入され、突出部で挟持することができる。
【0103】
本発明の第1及び第2実施形態に係る被覆材取付構造1,101は、レール41,51と固定具42,52とが取り外し可能に接続される例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、固定部は、レールの底面に固定されていてもよい。
【0104】
本発明の第1及び第2実施形態に係る被覆材取付構造1,101は、連結部材6が第2の固定部材5を第1の固定部材4の長手方向に対して直交する方向から連結する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、連結部材は、第1の固定部材同士又は第2の固定部材同士を長手方向に連結して継ぎ足すために用いてもよい。
【符号の説明】
【0105】
1…被覆材取付構造、2…固定部材、3…取付部材、3A…第1の取付部材、3B…第2の取付部材、4…第1の固定部材、5…第2の固定部材、6…連結部材、6A…第1の連結部材、6B…第2の連結部材、31B…第1の当接部、32B…第2の当接部、32Ba…当接板、32Bb…開口部、33B…作動部材、33Ba…ボルト、33Bb…ナット、33Bc…パッキン、34B…当接面、34Ba…載置面、34Bb…延長部、34Bc…開口部、41…レール、42…固定部、42A…第1の固定部、42B…第2の固定部、43…レール本体、44…突出部、45…接続部、46A…固定具本体、46B…固定具本体、47A…第1の結合部、47B…第1の結合部、48A…第2の結合部、48B…第2の結合部、51…レール、52…固定部、52A…第1の固定部、52B…第2の固定部、53…レール本体、54…突出部、55…接続部、56A…固定具本体、56B…固定具本体、57A…第1の結合部、57B…第1の結合部、58A…第2の結合部、58B…第2の結合部、61A…第1の当接部、61B…第1の当接部、62A…第2の当接部、62B…第2の当接部、62Aa…当接板、62Ab…開口部、62Ba…当接板、62Bb…開口部、63A…作動部材、63Aa…ボルト、63Ab…ナット、63Ac…パッキン、63B…作動部材、63Ba…ボルト、63Bb…ナット、64A…第1の当接面、64Aa…載置面、64Ab…延長部、64Ac…開口部、64B…第1の当接面、64Ba…載置面、64Bb…延長部、64Bc…開口部、65A…第2の当接面、65B…第2の当接面、91…遮熱シート、91a…鳩目、92…屋根材、93…剣先ボルト、94…天井梁、95…タイトフレーム、901…被覆材取付構造、910…単管、911…第1の単管、912…第2の単管、913…第3の単管、920…ボルト溶接クランプ、921…固定部材、922…可動部材、923…閉止ボルト、924…締付ナット、925…固定ボルト、930…高ナット、940…ナット、950…パッキン、101…被覆材取付構造、102…固定部材、105…第2の固定部材、159…延長部、159a…固定具本体、159b…凸部、159c…載置部、157…第1の結合部、158…第2の結合部、152C…第3の固定部、152Ca…高ナット、152Cb…ボルト、152Cc…載置部、C1…第1の角部、C2…第2の角部、E1…第1の端部、E2…第2の端部、X…屋根材の流れ方向、Y…屋根材の桁行き方向、S…隙間
【技術分野】
【0001】
本発明は、遮熱シートや防水シートなどの被覆材を屋根材に取り付けるための被覆材取付構造及び該被覆材取付構造の施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、建築物の屋根には、屋根の温度上昇を抑制し又は自然冷却する遮熱シートのような、屋根を被覆する被覆材が設けられている。被覆材の一例として、特許文献1のような遮熱シートがある。図13に示すように、この遮熱シート91は、遮熱特性を有する矩形状のシートである。この遮熱シート91の周縁部には、屋根材92に取り付けるための鳩目91aが所定ピッチで設けられている。屋根材92は、鋼板を折り曲げて形成される長尺状の板材である。屋根は、これらの屋根材92,…を桁行方向に平行に組み合わせることにより形成されている。
【0003】
遮熱シート91は、単管910を組み合わせて構築された被覆材取付構造901に取り付けられる。この被覆材取付構造901を屋根材92に取り付けるために、ボルト溶接クランプ920を利用する。ボルト溶接クランプ920は、図14(a)及び(b)に示すように、単管910の当接面に合わせて形成される凹部を内面に有する固定部材921と、該固定部材921の一端側に回動自在に連結される可動部材922と、固定部材921の他端側に回動自在に取り付けられて固定部材921と可動部材922とを閉止する閉止ボルト923と、該閉止ボルト923に螺合されて固定部材921と可動部材922との隙間を接近させて締め付ける締付ナット924と、固定部材921の外側に溶接される固定ボルト925とを有する。
【0004】
被覆材取付構造901は、例えば、重ね式(ボルト式)折板屋根に取り付ける場合、図13に示すように、剣先ボルト93が屋根材92から所定ピッチで上方に向かって突出して設けられている(通常は、キャップが取り付けられている)。この剣先ボルト93は、天井梁94に固定されているタイトフレーム95と屋根材92とを接続するために設けられている。被覆材取付構造901は、図14(a)に示すように、剣先ボルト93に高ナット930を介してボルト溶接クランプ920の固定ボルト925を結合して、各単管910を屋根材92の頂部に固定する。被覆材取付構造901は、タイトフレーム95が設けられた屋根材92上の位置に固定される第1の単管911と、該第1の単管911に連結されて第1の単管911に対して直交する方向に固定される第2の単管912とを組み合わせて構築されている。
【0005】
ボルト溶接クランプ920は、この被覆材取付構造901に取り付けるためにも利用する。まず、ボルト溶接クランプ920を遮熱シート91の鳩目91aの位置に対応する単管910上の位置に固定する。このとき、ボルト溶接クランプ920は、図14(b)に示すように、単管910に対して固定ボルト925が上方に突出する姿勢となるように取り付ける。この固定ボルト925に、遮熱シート91の鳩目91aを挿入して、ナット940及びパッキン950などで遮熱シート91を被覆材取付構造901に取り付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−261212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、タイトフレーム95が設けられる位置は、施工されている建物によって異なるため、屋根材92から剣先ボルト93が突出している位置も建物によって相違する。つまり、被覆材取付構造901を屋根材92に固定する第1の単管911の位置は、建物のタイトフレーム95の位置によって決まっている。遮熱シート91の鳩目91aの位置も決められており、容易に変更することはできない。
【0008】
そこで、図13に示されているように、遮熱シート91の鳩目91aの位置が第1の単管911の位置に対応しない場合、遮熱シート91の鳩目91aの位置に合わせて、第2の単管912の間に更に第3の単管913を渡して、この第3の単管913にボルト溶接クランプ920を固定して、遮熱シート91を取り付けなければ、遮熱シート91を屋根材92に取り付けることができなかった。
【0009】
本発明は、かかる事情に鑑み、屋根材に制約されることなく、被覆材を屋根に取り付けることができる被覆材取付構造及び該被覆材取付構造の施工方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る被覆材取付構造は、被覆材を屋根材に取り付けるための被覆材取付構造であって、少なくとも前記被覆材の周縁部に対応した枠状部を有して前記屋根材に固定される固定部材と、前記被覆材を前記固定部材に取り付けるための取付部材とを備え、前記枠状部は、前記屋根材の所定方向に沿って配置される第1の固定部材、該第1の固定部材に対して交差する方向に沿って配置される第2の固定部材、及び、前記第1の固定部材と前記第2の固定部材とを連結する連結部材を備え、前記第1の固定部材は、前記連結部材を嵌め込み可能である溝形のレールを備えることを特徴とする。
【0011】
かかる構成によれば、第2の固定部材が第1の固定部材のレールに嵌め込まれることによって、被覆材の周縁部に対応した枠状部を形成することができる。よって、第2の固定部材は、施工される屋根材との位置関係に制約されることなく、被覆材を屋根材に取り付けることができる。
【0012】
また、本発明によれば、前記第2の固定部材は、前記連結部材を嵌め込み可能である溝形のレールを備えることが好ましい。
【0013】
かかる構成によれば、第1の固定部材が第2の固定部材のレールに嵌め込まれることによっても、被覆材の周縁部に対応した枠状部を形成することができる。よって、第1の固定部材は、施工される屋根材との位置関係に制約されることなく、被覆材を屋根材に取り付けることができる。
【0014】
また、本発明によれば、前記レールは、当該レールの長手方向に沿って形成される両側の縁がそれぞれ向かい合う方向に突出する一対の突出部を備え、前記連結部材は、前記突出部を前記レールの外側から当接する第1の当接部と、前記突出部を前記レールの内側から当接する第2の当接部と、前記突出部を前記第1の当接部と前記第2の当接部とで挟持すべく前記第1の当接部と前記第2の当接部とを接近させる作動部材とを備えることが好ましい。
【0015】
かかる構成によれば、連結部材は、作動部材で第1の当接部と第2の当接部とを接近させて突出部を挟持することにより、第1の固定部材と第2の固定部材とを連結することができる。
【0016】
また、本発明によれば、前記取付部材は、前記レールに嵌め込み可能であることが好ましい。
【0017】
かかる構成によれば、取付部材がレールに嵌め込まれることにより、当該取付部材が被覆材の周縁部に対応して設けられ、被覆材を屋根材に取り付けることができるようになる。
【0018】
また、本発明に係る被覆材取付構造の施工方法は、前記第1の固定部材を配置する第1の配置工程、該第1の配置工程の後に前記第2の固定部材を配置する第2の配置工程、及び、該第2の配置工程の後に前記連結部材により前記第1の固定部材と前記第2の固定部材とを連結する連結工程を備えることを特徴とする。
【0019】
かかる構成によれば、第1の固定部材を配置し(第1の配置工程)、続けて、第2の固定部材を配置し(第2の配置工程)、第1の固定部材と第2の固定部材とを連結する(連結工程)ことによって、被覆材の周辺部に対応した枠状部を形成することができる。よって、第2の固定部材は、施工される屋根材との位置関係に制約されることなく、被覆材を取り付けることができる。
【0020】
また、本発明によれば、前記連結工程の後に前記被覆材を取り付けるために適当な前記レール上の位置に前記取付部材を配置する第3の配置工程を備えることが好ましい。
【0021】
かかる構成によれば、取付部材がレールに嵌め込まれる(第3の配置工程)ことにより、当該取付部材が被覆材の周縁部に対応して設けられ、被覆材を屋根材に取り付けることができるようになる。
【0022】
本発明に係る被覆材取付構造は、被覆材を屋根材に取り付けるための被覆材取付構造であって、少なくとも前記被覆材の周縁部に対応した枠状部を有して前記屋根材に固定される固定部材と、前記被覆材を前記固定部材に取り付けるための取付部材とを備え、前記枠状部は、前記屋根材の所定方向に沿って配置される第1の固定部材と、該第1の固定部材に対して交差する方向に配置される第2の固定部材とを備え、前記第2の固定部材は、前記屋根材のうち、当該第2の固定部材の端部から離間した所定箇所に当該第2の固定部材を固定すべく、前記端部から延びる延長部を備えることを特徴とする。
【0023】
かかる構成によれば、第2の固定部材の端部が延長部により屋根材の所定箇所まで延長されるため、第2の固定部材は、施工される屋根材との位置関係に制約されることなく、被覆材を屋根材に取り付けることができる。
【0024】
また、本発明によれば、前記第1の固定部材は、前記取付部材を嵌め込み可能である溝形のレールを備え、前記第2の固定部材は、前記取付部材を嵌め込み可能である溝形のレールを備え、前記取付部材は、前記レールに嵌め込み可能であることが好ましい。
【0025】
かかる構成によれば、取付部材がレールに嵌め込まれることにより、当該取付部材が被覆材の周縁部に対応して設けられ、被覆材を屋根材に取り付けることができるようになる。
【0026】
また、本発明に係る被覆材取付構造の施工方法は、前記第1の固定部材を配置する第1の配置工程、前記第2の固定部材の延長部を配置する第2の配置工程、該第2の配置工程の後に前記第2の固定部材を配置する第3の配置工程、該第3の配置工程の後に前記延長部に前記第2の固定部材を連結する連結工程を備えることを特徴とする。
【0027】
かかる構成によれば、第1の固定部材を配置し(第1の配置工程)、また、延長部を配置し(第2の配置工程)、続けて、第2の固定部材を配置し(第3の配置工程)、延長部と第2の固定部材とを連結する(第2の連結工程)ことによって、被覆材の周辺部に対応した枠状部を形成することができる。よって、第2の固定部材は、施工される屋根材との位置関係に制約されることなく、被覆材を取り付けることができる。
【発明の効果】
【0028】
以上の如く、本発明に係る被覆材取付構造及び該被覆材取付構造の施工方法によれば、屋根材に制約されることなく、被覆材を屋根に取り付けることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1実施形態に係る被覆材取付構造の全体配置図を示す。
【図2】同実施形態に係る被覆材取付構造の図1に示す領域Aの要部拡大図を示す。(a)は、上面図である。(b)は、屋根材の流れ方向から見た側面図である。
【図3】同実施形態に係る被覆材取付構造の図1に示す領域Bの要部拡大図を示す。(a)は、上面図である。(b)は、屋根材の流れ方向から見た側面図である。
【図4】同実施形態に係る被覆材取付構造の図1に示す領域Cを屋根材の流れ方向から見た要部拡大側面図を示す。
【図5】(a)は、同実施形態に係る被覆材取付構造の図1に示す領域Cを屋根材の桁行方向から見た要部拡大側面図を示す。(b)は、同実施形態に係る被覆材取付構造の第1の固定部の上面図を示す。
【図6】同実施形態に係る被覆材取付構造の図1に示す領域Dを屋根材の桁行方向から見た要部拡大側面図を示す。
【図7】(a)は、同実施形態に係る被覆材取付構造の図1に示す領域Dを屋根材の流れ方向から見た要部拡大側面図を示す。(b)は、同実施形態に係る被覆材取付構造の第2の固定部の上面図を示す。
【図8】同実施形態に係る被覆材取付構造の図1に示す領域Eを屋根材の流れ方向から見た要部拡大側面図を示す。
【図9】本発明の第2実施形態に係る被覆材取付構造の全体配置図を示す。
【図10】同実施形態に係る被覆材取付構造の図9に示す領域Fを屋根材の桁行方向から見た要部拡大側面図を示す。
【図11】同実施形態に係る被覆材取付構造の図9に示す延長部の要部拡大図を示す。(a)は、延長部の他端部周りの上面図である。(b)は、延長部の一端部周りの上面図である。(c)は、屋根材の流れ方向から見た要部拡大側面図である。
【図12】同実施形態に係る被覆材取付構造の図9に示す領域Gを屋根材の流れ方向から見た要部拡大側面図を示す。
【図13】従来技術の被覆材取付構造を屋根材に取り付けた状態の外観斜視図を示す。
【図14】同被覆材取付構造のボルト溶接クランプの施工状態を表した詳細図である。(a)は、屋根材との固定に利用されているボルト溶接クランプの取り付け状態を表した詳細図である。(b)は、遮熱シートの固定に利用されているボルト溶接クランプの取り付け状態を表した詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
次に、本発明の第1実施形態に係る被覆材取付構造について、図1〜図8を参酌しつつ説明する。被覆材取付構造1は、図1に示すように、屋根材92を被覆する被覆材を当該屋根材92に取り付けるために設ける。被覆材には、遮熱シートや遮熱ボード、防水シートなどがある。本実施形態に係る被覆材は、遮熱シート91である例を説明する。また、本実施形態に係る屋根材92は、金属製折板屋根、特に、重ね式折板屋根である例を説明する。
【0031】
重ね式折板屋根は、建物の天井を覆うために、長尺状の複数の屋根材92,…を屋根材92,…の流れ方向(屋根材92,…の長手方向)Xに対して直交する屋根材92,…の桁行方向(屋根材92,…の幅方向)Yに並列に配置して形成されている。各屋根材92,…は、建物の天井梁94に固定されるタイトフレーム95に取り付ける。各屋根材92は、帯状の鋼板を長手方向に沿って折り曲げることにより、断面が波形(凹凸形状)に形成されている。そして、各屋根材92,…は、当該屋根材92の長手方向に沿う端部を当該屋根材92と隣り合う他の屋根材92の端部と重ね合わせることにより、隙間なく並列に配置される。
【0032】
このようにして複数の屋根材92,…を組み合わせて構成される屋根は、一定間隔ごとに山部と谷部とが繰り返される波形の断面を有する。この屋根材92は、当該屋根材92の山部の間隔が特定の決まった長さ(200mm、250mm、350mmなど)となるように配置されている。各屋根材92,…は、タイトフレーム95と重なり合う屋根材92の山部の頂部と当該タイトフレーム95とを剣先ボルト93で連結する。よって、屋根材92がタイトフレーム95と連結されている位置には、剣先ボルト93の先端が突き出ている。被覆材取付構造1は、この剣先ボルト93を利用して取り付けられる。つまり、被覆材取付構造1は、屋根材92の頂部に固定される。なお、タイトフレーム95が設けられる間隔は、天井梁94の位置(間隔)が建物ごとに異なるため、一定ではない。
【0033】
被覆材取付構造1は、少なくとも遮熱シート91の周縁部に対応した枠状部を有して屋根材92に固定される固定部材2と、遮熱シート91を固定部材2に取り付けるための取付部材3とを備える。本実施形態に係る遮熱シート91は、矩形状をしているため、固定部材2は、枠状部が矩形状である例を説明する。
【0034】
固定部材2は、屋根材92の所定方向に沿って配置される長尺状の第1の固定部材4、該第1の固定部材4に対して交差する方向に沿って配置される長尺状の第2の固定部材5、及び、第1の固定部材4と第2の固定部材5とを連結する連結部材6を備える。第1の固定部材4は、屋根材92の流れ方向Xに沿って設けられている。第2の固定部材5は、屋根材92の桁行方向Yに沿って設けられている。
【0035】
第1の固定部材4及び第2の固定部材5は、図2及び図3に示すように、連結部材6を嵌め込み可能に設けられる溝形のレール41,51と、該レール41,51を屋根材92に固定する固定部42,52とを備える。
【0036】
レール41,51は、長尺状のレール本体43,53と、該レール本体43,53の長手方向に沿って形成される両側の縁部がそれぞれ向かい合う方向に突出する一対の突出部44,54(図4〜図7参照)と、レール本体43,53に固定部42,52を接続するために設けられる接続部45,55(図4〜図7参照)と、を備える。
【0037】
レール本体43,53は、溝が形成される面が上面となるように、屋根材92に支持されている。そして、レール本体43,53は、長手方向が屋根材92に対して略平行となるように配置される。
【0038】
突出部44,54は、レール本体43,53の長手方向に沿って一定の幅の隙間(スリット)Sが形成されるように、レール本体43,53の両側面の上端部から一定の長さを有し、それぞれの先端部を離間してそれぞれに設けられている。
【0039】
接続部45,55は、レール本体43,53の底面に形成され、固定部42,52を接続する位置に設けられる円形の接続孔(以下、接続部と同じ符号45,55を付して説明する)45,55である。なお、接続部45,55に接続される固定部42,52は、屋根材92の流れ方向X上のタイトフレーム95が設けられる位置に配置される。その固定部42,52の位置は、建物により異なる。よって、接続孔45,55は、レール本体43,53が固定部42,52の位置に対して接続する長手方向の位置を調整できるように、レール本体43,53の長手方向に長径を有する長孔や所定間隔に設けられる複数の孔としてもよい。
【0040】
固定部42,52は、2種類の固定具42A,42B,52A,52Bを有する。図4及び図5に示す第1の固定具42A,52Aは、U形に形成されて、レール本体43,53を2点で支持する。第1の固定具42A,52Aは、主に、第1の固定部材4のレール41を支持するために用いられる。図6及び図7に示す第2の固定具42B,52Bは、Z形に形成されて、レール本体43,53を1点で支持する。第2の固定具42B,52Bは、主に、第2の固定部材5のレール51を支持するために用いられる。なお、これらの2種類の固定具42A,42B,52A,52Bは、使用される場所によって使い分けるために設けられている。しかし、これらの固定部42,52は、このような使い分けをすることなく、第1の固定具42A,52A及び第2の固定具42B,52Bのうち一方のみを使用することもできるようになっている。
【0041】
第1の固定具42A,52Aは、図4及び図5に示すように、U形に形成される固定具本体46A,56Aと、該固定具本体46A,56Aを屋根材92に結合可能である第1の結合部47A,57Aと、固定具本体46A,56Aをレール41,51に結合する第2の結合部48A,58Aとを備える。
【0042】
固定具本体46A,56Aは、長手方向に屈曲部を複数有して形成されている。固定具本体46A,56Aの中央部は、くさび形状に形成されるとともに、中央部の中間の面と両端部の面とが平行関係を有する平面状に形成されている。固定具本体46A,56Aの両端部は、レール41,51を載置することができる。そして、固定具本体46A,56Aの幅方向の両端部には、当該固定具本体46A,56Aの両端部に載置されるレール本体43,53の幅方向への移動を規制するガイドが形成されている。
【0043】
第1の結合部47A,57Aは、固定具本体46A,56Aの中央部の中間の面のそれぞれに設けられている。第1の結合部47A,57Aは、矩形状の結合孔である。第1の結合部47A,57Aは、屋根材92の剣先ボルト93に嵌め込まれて剣先ボルト93と結合されることにより、屋根材92と固定具本体46A,56Aとを結合するために設けられている。
【0044】
第2の結合部48A,58Aは、固定具本体46A,56Aの両端部の面に設けられている。第2の結合部48A,58Aは、円形の結合孔である。
【0045】
第2の固定具42B,52Bは、図6及び図7に示す、Z形に形成される固定具本体46B,56Bと、該固定具本体46B,56Bを屋根材92に結合可能である第1の結合部47B,57Bと、固定具本体46B,56Bをレール41,51に結合する第2の結合部48B,58Bとを備える。
【0046】
固定具本体46B,56Bは、長尺状に形成されており、その一端部の面と他端部の面とが平行関係を有する平面状に形成されている。固定具本体46B,56Bの一端部は、レール41,51を載置することができる。
【0047】
第1の結合部47B,57Bは、固定具本体46B,56Bの一端部の面に設けられている。第1の結合部47B,57Bは、矩形状の結合孔である。
【0048】
第2の結合部48B,58Bは、固定具本体46B,56Bの他端部の面に設けられている。第2の結合部48B,58Bは、円形の結合孔である。第2の結合部48B,58Bは、屋根材92の剣先ボルト93に嵌め込まれて剣先ボルト93と結合されることにより、屋根材92と固定具本体46B,56Bとを結合するために設けられている。
【0049】
連結部材6は、第2の固定部材5を第1の固定部材4の長手方向に対して直交する方向から連結する。そして、連結部材6は、第1の固定部材4と第2の固定部材5とを連結する方式によって、2種類の連結部材6A,6Bを有する。図2に示す第1の連結部材6Aは、T形に形成され、第1の固定部材4の長手方向の一方の側面に第2の固定部材5を連結する。つまり、第1の連結部材6Aは、図1では、第1の固定部材4と第2の固定部材5とでT字状を形成している部分(最も外側に位置する第1の固定部材4,4と第2の固定部材5,5,5との6箇所の接続点)に設けられている。
図3に示す第2の連結部材6Bは、X形に形成され、第1の固定部材4の長手方向のそれぞれの側面に第2の固定部材5を連結する。つまり、第2の連結部材6Bは、図1では、第1の固定部材4と第2の固定部材5とでX字状を形成している部分(内側に位置する第1の固定部材4と第2の固定部材5,5,5との3箇所の接続点)に設けられている。
【0050】
第1の連結部材6Aは、図2に示すように、レール41,51の突出部44,54をレール41,51の外側から当接する板状の第1の当接部61Aと、突出部44,54をレール41,51の内側から当接する板状の第2の当接部62Aと、突出部44,54を第1の当接部61Aと第2の当接部62Aとの間に挟持すべく第1の当接部61Aと第2の当接部62Aとを接近させる作動部材63Aとを備える。
【0051】
第1の当接部61Aは、第1の固定部材4のレール41のレール本体43の上面に当接する第1の当接面64Aと、第2の固定部材5のレール51のレール本体53の上面に当接する第2の当接面65Aとを備える。
【0052】
各第1の当接面64A及び第2の当接面65Aは、レール本体43,53の上面に載置されて当接する載置面64Aaと、当該載置面64Aaがレール本体43,53の上面に載置される際に、当該レール本体43,53の長手方向に沿う載置面64Aaの縁部が当該載置面64Aaに交差する方向に延長されて形成されている延長部64Abと、載置面64Aaに形成される円形の開口部64Acとを備える。載置面64Aaは、レール41,51の上面の隙間Sの幅より広く形成されている。延長部64Abは、レール41,51の側面に当接させて、開口部64Acを中心に載置面64Aaを回り止めする規制部材として機能する。
【0053】
第2の当接部62Aは、第1の当接部61Aの第1の当接面64A及び第2の当接面65Aのそれぞれに対応して設けられる方形の当接板62Aa,62Aaと、当該当接板62A,62Aのそれぞれに形成される円形の開口部62Ab,62Abとを備える。
【0054】
当接板62Aaは、一方の一対の辺がレール41,51の隙間Sの幅より狭く形成されており、他方の一対の辺がレール41,51の隙間Sの幅より広く形成されている。当接板62Aaは、対角に位置する一対の第1の角部C1を円弧状に形成し、一対の第2の角部C2を略直角状に形成している。よって、当接板62Aaは、当該当接板62Aaの面をレール41,51の上面と平行にしたときのレール41,51に対する姿勢により、レール41,51の突出部44,54に接触可能な第1の姿勢P1(図2(a)に点線で示す)と、レール41,51の隙間Sを通過可能な第2の姿勢P2(図2(a)に一点鎖線で示す)とを有する。開口部62Abは、長孔である。
【0055】
作動部材63Aは、第1の当接部61Aの開口部64Acと第2の当接部62Aの開口部62Abとに挿通して取り付けられるボルト63Aaと、当該ボルト63Aaに螺合されるナット63Abとを備える。作動部材63Aは、ナット63Abを締め付けることにより、第1の当接部61Aと第2の当接部62Aとが接近するように構成されている。このとき、第2の当接部62Aは、レール41,51の上面に対して略平行の状態で第1の当接部61A(及び突出部44,54)に向かって接近する。
【0056】
なお、第1の連結部材6Aは、取付部材3としての機能も有している。作動部材63Aは、ボルト63Aaを第2の当接部62A側から挿入して、ボルト63Aaの先端部が第1の当接部61A側から突出するように第1の連結部材6Aに取り付けられている。そして、作動部材63Aは、更に、第1の当接部61Aとナット63Abの間に2枚のパッキン63Ac,63Acを備える。
【0057】
第2の連結部材6Bは、図3に示すように、レール41,51の突出部44,54をレール41,51の外側から当接する板状の第1の当接部61Bと、突出部44,54をレール41,51の内側から当接する板状の第2の当接部62Bと、突出部44,54を第1の当接部61Bと第2の当接部62Bとの間に挟持すべく第1の当接部61Bと第2の当接部62Bとを接近させる作動部材63Bとを備える。
【0058】
第1の当接部61Bは、第1の固定部材4のレール41のレール本体43の上面に当接する第1の当接面64Bと、2つの第2の固定部材5,5のレール51,51のレール本体53,53のそれぞれの上面に当接する2つの第2の当接面65B,65Bとを備える。
【0059】
各第1の当接面64B及び第2の当接面65B、65Bは、レール本体43,53,53の上面に載置されて当接する載置面64Baと、当該載置面64Baがレール本体43,53,53の上面に載置される際に、当該レール本体43,53,53の長手方向に沿う載置面64Baの縁部が当該載置面64Baに交差する方向に延長されて形成されている延長部64Bbと、載置面64Baに形成される円形の開口部64Bcとを備える。載置面64Baは、レール41,51,51の上面の隙間Sの幅より広く形成されている。延長部64Bbは、レール41,51,51の側面に当接させて、開口部64Bcを中心に載置面64Baを回り止めする規制部材として機能する。
【0060】
第2の当接部62Bは、第1の当接部61Bの第1の当接面64B及び第2の当接面65B,65Bのそれぞれに対応して設けられる方形の当接板62Ba,62Ba,62Baと、当該当接板62B,62B,62Bのそれぞれに形成される円形の開口部62Bb,62Bb,62Bbとを備える。
【0061】
当接板62Baは、一方の一対の辺がレール41,51,51の隙間Sの幅より狭く形成されており、他方の一対の辺がレール41,51,51の隙間Sの幅より広く形成されている。当接板62Baは、対角に位置する一対の第1の角部C1を円弧状に形成し、一対の第2の角部C2を略直角状に形成している。よって、当接板62Baは、当該当接板62Baの面をレール41,51,51の上面と平行にしたときのレール41,51,51に対する姿勢により、レール41,51,51の突出部44,54、54に接触可能な第1の姿勢P1(図3(a)に点線で示す)と、レール41,51,51の隙間Sを通過可能な第2の姿勢P2(図3(a)に一点鎖線で示す)とを有する。開口部62Bbは、長孔である。
【0062】
作動部材63Bは、第1の当接部61Bの開口部64Bcと第2の当接部62Bの開口部62Bbとに挿通して取り付けられるボルト63Baと、第2の当接部62Bに溶接されて一体に形成されるとともに、当該ボルト63Baに螺合されるナット63Bbである。作動部材63Bは、ナット63Bbを締め付けることにより、第1の当接部61Bと第2の当接部62Bとが接近するように構成されている。このとき、第2の当接部62Bは、レール41,51、51の上面に対して略平行の状態で第1の当接部61B(及び突出部44,54,54)に向かって接近する。作動部材63Bは、ボルト63Baを第1の当接部61B側から挿入して、ボルト63Baの先端部が第2の当接部62B側から突出するように第1の連結部材6Bに取り付けられている。
【0063】
取付部材3は、図2、図4,図5及び図8に示すように、レール41,51に嵌め込み可能に構成されている。取付部材3は、レール41,51に嵌め込む位置により2種類の取付部材3A,3Bを有する。
【0064】
第1の取付部材3Aは、図2,図4及び図5に示すように、取付部材3としての機能を有する第1の連結部材6Aの作動部材63Aである。第1の取付部材3Aは、連結部材6Aが取り付けられるレール41,51上の位置に取り付ける場合に用いる。つまり、第1の取付部材3Aは、図1では、遮熱シート91の周縁部に対応する枠状部(最も外側に位置する一対の第1の固定部材4,4と、最も外側に位置する一対の第2の固定部材5,5とによって形成される矩形状の枠状部)上に設けられている連結部材6A,6Bに取り付けられている(図1では8箇所)。
【0065】
第2の取付部材3Bは、図8に示すように、連結部材6が取り付けられていないレール41,51上の位置に取り付ける場合に用いる。つまり、第2の取付部材3Bは、図1では、遮熱シート91の周縁部に対応する枠状部(最も外側に位置する一対の第1の固定部材4,4と、最も外側に位置する一対の第2の固定部材5,5とによって形成される矩形状の枠状部)上の第1の固定部材4及び第2の固定部材5であって、連結部材6A,6Bが設けられていないところに取り付けられている(図1では12箇所)。
【0066】
第2の取付部材3Bは、レール41,51の突出部44,54をレール41,51の外側から当接する板状の第1の当接部31Bと、突出部44,54をレール41,51の内側から当接する板状の第2の当接部32Bと、突出部44,54を第1の当接部31Bと第2の当接部32Bとの間に挟持すべく第1の当接部31Bと第2の当接部32Bとを接近させる作動部材33Bとを備える。
【0067】
第1の当接部31Bは、第1の固定部材4又は第2の固定部材5のレール41,51のレール本体43,53の上面に当接する当接面34Bを備える。
【0068】
当接面34Bは、レール本体43,53の上面に載置されて当接する載置面34Baと、当該載置面34Baがレール本体43,53の上面に載置される際に、当該レール本体43,53の長手方向に沿う載置面34Baの縁部が当該載置面34Baに交差する方向に延長されて形成されている延長部34Bbと、載置面34Baに形成される円形の開口部34Bcとを備える。載置面34Baは、レール41,51の上面の隙間Sの幅より広く形成されている。延長部34Bbは、レール41,51の側面に当接させて、開口部34Bcを中心に載置面34Baを回り止めする規制部材として機能する。
【0069】
第2の当接部32Bは、第1の当接部31Bの当接面34Bに対応して設けられる方形の当接板32Baと、当該当接板32Bに形成される円形の開口部32Bbとを備える。当接板32Baは、一方の一対の辺がレール41,51の隙間Sの幅より狭く形成されており、他方の一対の辺がレール41,51の隙間Sの幅より広く形成されている。当接板32Baは、対角に位置する一対の第1の角部C1を円弧状に形成し、一対の第2の角部C2を略直角状に形成している。よって、当接板32Baは、当該当接板32Baの面をレール41,51の上面と平行にしたときのレール41,51に対する姿勢により、レール41,51の突出部44,54に接触可能な第1の姿勢P1と、レール41,51の隙間Sを通過可能な第2の姿勢P2とを有する。開口部32Bbは、長孔である。
【0070】
作動部材33Bは、第1の当接部31Bの開口部34Bcと第2の当接部32Bの開口部32Bbとに挿通して取り付けられるボルト33Baと、当該ボルト33Baに螺合されるナット33Bbと、第1の当接部61Aとナット63Abの間に2枚のパッキン33Bc,63Bcとを備える。作動部材33Bは、ナット33Bbを締め付けることにより、第1の当接部31Bと第2の当接部32Bとが接近するように構成されている。このとき、第2の当接部32Bは、レール41,51の上面に対して略平行の状態で第1の当接部31B(及び突出部44,54)に向かって接近する。作動部材33Bは、ボルト33baを第2の当接部32B側から挿入して、ボルト33Baの先端部が第1の当接部31B側から突出するように第1の当接部31B及び第2の当接部32Bに取り付けられている。
【0071】
次に、本実施形態に係る被覆材取付構造1の施工方法について、説明する。まず、第1の固定部材4を屋根材92の流れ方向Xに沿って複数個所に配置する(第1の配置工程)。具体的には、第1の固定部材4を固定する位置に設けられる剣先ボルト93に第1の固定部42Bを結合する。そして、固定部42の固定具本体46にレール本体43を載置し、第2の結合部48とレール本体43の接続部45とにボルトを挿通してナットを締め付けて結合する。
【0072】
第1の配置工程の後に第2の固定部材5を第1の固定部材4の間の特定の位置に当該第1の固定部材4と交差する方向(屋根材92の桁行方向Y)に配置する(第2の配置工程)。第2の固定部材5は、取り付ける遮熱シート91の鳩目91aの位置に合わせて配置される。
【0073】
第2の配置工程の後に連結部材6により第1の固定部材4と第2の固定部材5とを連結する(連結工程)。具体的には、第1の固定部材4のレール41に連結部材6の第2の当接部62A,62Bの当接板62Aaを(第1の姿勢P1にして)挿入し、第1の当接部61A,61Bの載置面64A,64Bを載置する。また、第2の固定部材5のレール51に連結部材6の第2の当接部62A,62Bの当接板62Aaを(第1の姿勢P1にして)挿入し、第2の固定部材5のレール51に連結部材6の第2の当接部62A,62Bの載置面65A,65Bを載置する。
【0074】
そして、作動部材63A,63Bのボルト63Aaを回動することにより、第2の当接部62AもボルトAaの軸心方向の回動に従動して第1の姿勢P1から第2の姿勢P2まで回動する。つまり、第2の当接部62Aの第1の角部C1が円弧状に形成されているため、レール41,51の内側と干渉せずに回動が許容され、略直角形状に形成された(ままの)第2の角部C2でレール41,51の内側に干渉して回動が規制され、回り止めされる。更に、ボルト63Aaを回動することにより、ナット63Abがボルト63Aaに締め付けられつつ、第1の当接部61Aと第2の当接部62Aとが接近し、レール41,51の突出部44,54を挟持して、連結部材6と第1の固定部材4及び第2の固定部材5を結合する。
【0075】
連結工程の後に被覆材92を取り付けるために適当なレール41,51上の位置に取付部材3,…を配置する(第3の配置工程)。具体的には、第1の取付部材3A(第1の連結部材6A)が設けられた位置に遮熱シート91の鳩目91aが位置する場合、当該第1の取付部材3Aのボルト63Aaに鳩目91aを挿入して、ナット63Abを締め付けて固定する。第1の取付部材3Aが設けられていない位置に遮熱シート91の鳩目91aが位置する場合、第2の取付部材3Bをレール41,51上に取り付けて、当該第2の取付部材3Bのボルト33Baに鳩目91aを挿入して、ナット33Bbを締め付けて固定する。
【0076】
このようにして、第2の固定部材5が第1の固定部材4のレール41に嵌め込まれることによって、遮熱シート91の周縁部に対応した枠状部を形成することができる。よって、第2の固定部材5は、施工される屋根材92との位置関係に制約されることなく、遮熱シート91を屋根材92に取り付けることができる。
【0077】
また、第1の固定部材4も第2の固定部材5のレール51に嵌め込むことにより、遮熱シート91の周縁部に対応した枠状部を形成することができる。よって、第1の固定部材4は、施工される屋根材92との位置関係に制約されることなく、遮熱シート91を屋根材92に取り付けることができる。
【0078】
また、連結部材6は、一対の突出部44,44,54,54間の隙間Sから第2の当接部62A,62Bをレール41,51の内側に挿入し、作動部材63A,63Bで第1の当接部61A,61Bと第2の当接部62A,62Bとを接近させて突出部44,54を挟持することにより、第1の固定部材4と第2の固定部材5とを連結することができる。
【0079】
また、取付部材3は、遮熱シート91の鳩目91aの位置に合わせてレール41,51上の任意の位置に嵌め込むことができるようになる。
【0080】
また、従来技術の被覆材取付構造901は、図13に示すように、第3の単管913が必要であったが、本実施形態に係る被覆材取付構造1は、このような単管を必要としないため、遮熱シート91を安価に取り付けることができる。
【0081】
また、図14(b)に示す従来技術の被覆材取付構造901では、ボルト溶接クランプ920を単管910に取り付ける際に、単管910に対して下方から閉止ボルト923を締め付けなければならなかった。本実施形態に係る被覆材取付構造1は、レール41,51に対して上方からボルトを締め付けることができるため、作業性を向上させることができる。
【0082】
次に、本発明の第2実施形態に係る被覆材取付構造について、図9〜図12を参酌しつつ説明する。なお、第1実施形態に係る被覆材取付構造1と同一の第2実施形態の構成は、同じ符号を付すとともに、その説明を省略する。
【0083】
被覆材取付構造101は、第1の実施形態に係る被覆材取付構造1と同様に、固定部材102と取付部材3とを備え、固定部材102は、第1の固定部材4と、第2の固定部材105とを備える。
【0084】
第2の固定部材105は、図9〜図12に示すように、連結部材6を嵌め込み可能に設けられる溝形のレール51と、該レール51を屋根材92に固定する固定部52と、屋根材92のうち、当該第2の固定部材105の端部から離間した所定箇所に当該第2の固定部材105を固定すべく、当該端部から延びる延長部159とを備える。なお、ここでいう「第2の固定部材105の端部から離間した所定箇所」とは、図9で最も下側に示されている各第2の固定部材105,…から更に下側に示されているタイトフレーム95の位置に設けられている剣先ボルト93の位置である。
【0085】
延長部159は、所定の長さを有する固定具本体159aと、該固定具本体159aの第1の端部E1に設けられ、屋根材92に結合可能である第1の結合部157と、固定具本体159aの第2の端部E2に設けられ、レール51に結合される第2の結合部158とを備える。
【0086】
固定具本体159aは、図10及び図11に示すように、長尺状に形成されており、長手方向の第1の端部E1から第2の端部E2に向かって略平面状に形成され、第2の端部E2に凸状の凸部159bと、該凸部159bの下端に設けられて、屋根材92に載置される載置部159cとを備える。固定具本体159aは、第2の固定部材195の端部から、当該第2の固定部材195を屋根材92に固定すべきタイトフレーム95までの距離に相当する長さを有する。凸部159bは、レール51を載置することができる。載置部159cは、固定具本体156の第2の端部E2を屋根材92に支持するために設けられる。
【0087】
第1の結合部157は、固定具本体156の第1の端部156aに設けられている。第1の結合部157は、固定具本体156の長手方向に長径を有する長孔である。第1の結合部157は、屋根材92の剣先ボルト93に嵌め込まれて剣先ボルト93と結合されることにより、屋根材92と固定具本体156とを結合するために設けられている。
【0088】
第2の結合部158は、固定具本体156の凸部156cに設けられている。第2の結合部158は、円形の結合孔である。
【0089】
また、本実施形態では、第1の固定部材4を屋根材92に固定する固定部は、図12に示す第3の固定部152Cとする。第3の固定部152Cは、剣先ボルト93に高ナット152Caを螺合させて、レール51の接続部55とボルト152Cbとを接続することにより、レール51を屋根材92に固定する。なお、第3の固定部152Cは、レール51を安定させるために、レール51を載置する載置部152Ccを更に備える。
【0090】
次に、本実施形態に係る被覆材取付構造101の施工方法について、説明する。まず、第1の固定部材4を屋根材92の流れ方向Xに沿って複数個所に配置する(第1の配置工程)。
【0091】
延長部159を屋根材92の流れ方向Xに沿って配置して当該延長部159の第1の結合部157を屋根材92の剣先ボルト93に結合する(第2の配置工程)。そして、第2の配置工程の後に第2の固定部材105を第1の固定部材4と交差する方向に配置する(第3の配置工程)。第2の固定部材105は、取り付ける遮熱シート91の鳩目91aの位置に合わせて配置される。
【0092】
第3の配置工程の後に延長部159の第2の結合部158に第2の固定部材105を連結する(連結結合工程)。具体的には、第2の固定部材105のレール51の接続部45と第2の結合部158とをボルトで結合する。第2の結合部158の位置は、第1の結合部157を屋根材92に固定する位置を調整することにより、変更することができる。
【0093】
第1の配置工程及び連結工程の後に被覆材92を取り付けるために適当なレール41,51上の位置に取付部材3,…を結合する(第4の配置工程)。
【0094】
このようにして、第2の固定部材105の端部が延長部159により屋根材92の所定箇所まで延長されるため、第2の固定部材105は、施工される屋根材92との位置関係に制約されることなく、遮熱シート91を取り付けることができる。
【0095】
また、取付部材3は、遮熱シート91の鳩目91aの位置に合わせてレール41,51上の任意の位置に嵌め込むことができるようになる。
【0096】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0097】
本発明の第1及び第2実施形態に係る被覆材取付構造1,101は、重ね式(ボルト式)折板屋根に取り付けられる例を説明したが、これに限定されるものではない。本発明に係る被覆材取付構造が取り付けられる屋根は、上記実施形態に係る被覆材取付構造のように、取り付ける位置に制限がある屋根であれば、どのような種類の屋根であっても適用することができる。本発明に係る被覆材取付構造は、金属製やスレート製屋根に取り付けられることが好ましい。金属性屋根は、上記実施形態で例示した重ね式折板屋根以外にも、ハゼ(締め)式折板屋根や嵌合式屋根、瓦棒葺屋根であってもよい。
【0098】
本発明の第1及び第2実施形態に係る被覆材取付構造1,101は、屋根材92に遮熱シート91を取り付ける例を説明したが、これに限定されるものではない。本発明に係る被覆材取付構造は、シート状や板状の被覆材を屋根材92に取り付けるものであってもよい。また、被覆材は、遮熱目的に限定されず、防水、防音、屋根補強などを目的とするものであってもよい。
【0099】
本発明の第1及び第2実施形態に係る被覆材取付構造1,101は、流れ方向Xに3箇所、桁行方向Yに3箇所の格子状に形成される固定部材2,102を例に説明したが、これに限定されるものではない。固定部材は、少なくとも被覆材の周縁部に対応した枠状部を有していればよい。例えば、固定部材は、複数の枠状部を有しており、複数の被覆材を当該被覆材の周縁部に対応する枠状部にそれぞれ取り付けるものであってもよい。
【0100】
本発明の第1及び第2実施形態に係る被覆材取付構造1,101は、レール41,51が第1の固定部材4と第2の固定部材5,105との両方に設けられる例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、レールは、屋根材92の流れ方向Xに沿って固定される第1の固定部材4に設けられ、屋根材92の桁行方向Yと平行に固定される第2の固定部材5,105に設けられていなくてもよい。第2の固定部材5,105にレールが設けられていなくても、被覆材取付構造は、屋根材92に取り付けることができる。レールは、第1の固定部材4及び第2の固定部材5,105の両方に設けられていなくてもよい。第1の固定部材4及び第2の固定部材5,105にレールが設けられていなくても、第2実施形態に係る被覆材取付構造101(の延長部159)を用いれば、屋根材92に取り付けることができる。
【0101】
本発明の第1及び第2実施形態に係る被覆材取付構造1,101は、連結部材6及び取付部材3がレール41,51に設けられた突出部44,54に挟持する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、連結部材及び取付部材は、各レールに抜け止められた状態で嵌め込まれていてもよい。
【0102】
本発明の第1及び第2実施形態に係る被覆材取付構造1,101は、レール41,51に設けられた突出部44,54がレール本体43,53の長手方向に沿って形成される両側の縁に設けられる例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、突出部は、レール本体の長手方向に沿って形成される一方の縁にのみに設けられていてもよい。連結部材及び取付部材は、当該突出部とレール本体の縁との間の隙間から挿入され、突出部で挟持することができる。
【0103】
本発明の第1及び第2実施形態に係る被覆材取付構造1,101は、レール41,51と固定具42,52とが取り外し可能に接続される例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、固定部は、レールの底面に固定されていてもよい。
【0104】
本発明の第1及び第2実施形態に係る被覆材取付構造1,101は、連結部材6が第2の固定部材5を第1の固定部材4の長手方向に対して直交する方向から連結する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、連結部材は、第1の固定部材同士又は第2の固定部材同士を長手方向に連結して継ぎ足すために用いてもよい。
【符号の説明】
【0105】
1…被覆材取付構造、2…固定部材、3…取付部材、3A…第1の取付部材、3B…第2の取付部材、4…第1の固定部材、5…第2の固定部材、6…連結部材、6A…第1の連結部材、6B…第2の連結部材、31B…第1の当接部、32B…第2の当接部、32Ba…当接板、32Bb…開口部、33B…作動部材、33Ba…ボルト、33Bb…ナット、33Bc…パッキン、34B…当接面、34Ba…載置面、34Bb…延長部、34Bc…開口部、41…レール、42…固定部、42A…第1の固定部、42B…第2の固定部、43…レール本体、44…突出部、45…接続部、46A…固定具本体、46B…固定具本体、47A…第1の結合部、47B…第1の結合部、48A…第2の結合部、48B…第2の結合部、51…レール、52…固定部、52A…第1の固定部、52B…第2の固定部、53…レール本体、54…突出部、55…接続部、56A…固定具本体、56B…固定具本体、57A…第1の結合部、57B…第1の結合部、58A…第2の結合部、58B…第2の結合部、61A…第1の当接部、61B…第1の当接部、62A…第2の当接部、62B…第2の当接部、62Aa…当接板、62Ab…開口部、62Ba…当接板、62Bb…開口部、63A…作動部材、63Aa…ボルト、63Ab…ナット、63Ac…パッキン、63B…作動部材、63Ba…ボルト、63Bb…ナット、64A…第1の当接面、64Aa…載置面、64Ab…延長部、64Ac…開口部、64B…第1の当接面、64Ba…載置面、64Bb…延長部、64Bc…開口部、65A…第2の当接面、65B…第2の当接面、91…遮熱シート、91a…鳩目、92…屋根材、93…剣先ボルト、94…天井梁、95…タイトフレーム、901…被覆材取付構造、910…単管、911…第1の単管、912…第2の単管、913…第3の単管、920…ボルト溶接クランプ、921…固定部材、922…可動部材、923…閉止ボルト、924…締付ナット、925…固定ボルト、930…高ナット、940…ナット、950…パッキン、101…被覆材取付構造、102…固定部材、105…第2の固定部材、159…延長部、159a…固定具本体、159b…凸部、159c…載置部、157…第1の結合部、158…第2の結合部、152C…第3の固定部、152Ca…高ナット、152Cb…ボルト、152Cc…載置部、C1…第1の角部、C2…第2の角部、E1…第1の端部、E2…第2の端部、X…屋根材の流れ方向、Y…屋根材の桁行き方向、S…隙間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被覆材を屋根材に取り付けるための被覆材取付構造であって、
少なくとも前記被覆材の周縁部に対応した枠状部を有して前記屋根材に固定される固定部材と、前記被覆材を前記固定部材に取り付けるための取付部材とを備え、
前記枠状部は、前記屋根材の所定方向に沿って配置される第1の固定部材、該第1の固定部材に対して交差する方向に沿って配置される第2の固定部材、及び、前記第1の固定部材と前記第2の固定部材とを連結する連結部材を備え、
前記第1の固定部材は、前記連結部材を嵌め込み可能である溝形のレールを備えることを特徴とする被覆材取付構造。
【請求項2】
前記第2の固定部材は、前記連結部材を嵌め込み可能である溝形のレールを備える請求項1に記載の被覆材取付構造。
【請求項3】
前記レールは、当該レールの長手方向に沿って形成される両側の縁がそれぞれ向かい合う方向に突出する一対の突出部を備え、
前記連結部材は、前記突出部を前記レールの外側から当接する第1の当接部と、前記突出部を前記レールの内側から当接する第2の当接部と、前記突出部を前記第1の当接部と前記第2の当接部とで挟持すべく前記第1の当接部と前記第2の当接部とを接近させる作動部材とを備える請求項1又は2に記載の被覆材取付構造。
【請求項4】
前記取付部材は、前記レールに嵌め込み可能である請求項1〜3のいずれか1項に記載の被覆材取付構造。
【請求項5】
前記請求項1〜4のいずれか1項に記載の被覆材取付構造の施工方法であって、
前記第1の固定部材を配置する第1の配置工程、該第1の配置工程の後に前記第2の固定部材を配置する第2の配置工程、及び、該第2の配置工程の後に前記連結部材により前記第1の固定部材と前記第2の固定部材とを連結する連結工程を備えることを特徴とする被覆材取付構造の施工方法。
【請求項6】
前記連結工程の後に前記被覆材を取り付けるために適当な前記レール上の位置に前記取付部材を配置する第3の配置工程を備える請求項5に記載の被覆材取付構造の施工方法。
【請求項7】
被覆材を屋根材に取り付けるための被覆材取付構造であって、
少なくとも前記被覆材の周縁部に対応した枠状部を有して前記屋根材に固定される固定部材と、前記被覆材を前記固定部材に取り付けるための取付部材とを備え、
前記枠状部は、前記屋根材の所定方向に沿って配置される第1の固定部材と、該第1の固定部材に対して交差する方向に配置される第2の固定部材とを備え、
前記第2の固定部材は、前記屋根材のうち、当該第2の固定部材の端部から離間した所定箇所に当該第2の固定部材を固定すべく、前記端部から延びる延長部を備えることを特徴とする被覆材取付構造。
【請求項8】
前記第1の固定部材は、前記取付部材を嵌め込み可能である溝形のレールを備え、
前記第2の固定部材は、前記取付部材を嵌め込み可能である溝形のレールを備え、
前記取付部材は、前記レールに嵌め込み可能である請求項7に記載の被覆材取付構造。
【請求項9】
前記請求項7又は8に記載の被覆材取付構造の施工方法であって、
前記第1の固定部材を配置する第1の配置工程、前記第2の固定部材の延長部を配置する第2の配置工程、該第2の配置工程の後に前記第2の固定部材を配置する第3の配置工程、該第3の配置工程の後に前記延長部に前記第2の固定部材を連結する連結工程を備えることを特徴とする被覆材取付構造の施工方法。
【請求項1】
被覆材を屋根材に取り付けるための被覆材取付構造であって、
少なくとも前記被覆材の周縁部に対応した枠状部を有して前記屋根材に固定される固定部材と、前記被覆材を前記固定部材に取り付けるための取付部材とを備え、
前記枠状部は、前記屋根材の所定方向に沿って配置される第1の固定部材、該第1の固定部材に対して交差する方向に沿って配置される第2の固定部材、及び、前記第1の固定部材と前記第2の固定部材とを連結する連結部材を備え、
前記第1の固定部材は、前記連結部材を嵌め込み可能である溝形のレールを備えることを特徴とする被覆材取付構造。
【請求項2】
前記第2の固定部材は、前記連結部材を嵌め込み可能である溝形のレールを備える請求項1に記載の被覆材取付構造。
【請求項3】
前記レールは、当該レールの長手方向に沿って形成される両側の縁がそれぞれ向かい合う方向に突出する一対の突出部を備え、
前記連結部材は、前記突出部を前記レールの外側から当接する第1の当接部と、前記突出部を前記レールの内側から当接する第2の当接部と、前記突出部を前記第1の当接部と前記第2の当接部とで挟持すべく前記第1の当接部と前記第2の当接部とを接近させる作動部材とを備える請求項1又は2に記載の被覆材取付構造。
【請求項4】
前記取付部材は、前記レールに嵌め込み可能である請求項1〜3のいずれか1項に記載の被覆材取付構造。
【請求項5】
前記請求項1〜4のいずれか1項に記載の被覆材取付構造の施工方法であって、
前記第1の固定部材を配置する第1の配置工程、該第1の配置工程の後に前記第2の固定部材を配置する第2の配置工程、及び、該第2の配置工程の後に前記連結部材により前記第1の固定部材と前記第2の固定部材とを連結する連結工程を備えることを特徴とする被覆材取付構造の施工方法。
【請求項6】
前記連結工程の後に前記被覆材を取り付けるために適当な前記レール上の位置に前記取付部材を配置する第3の配置工程を備える請求項5に記載の被覆材取付構造の施工方法。
【請求項7】
被覆材を屋根材に取り付けるための被覆材取付構造であって、
少なくとも前記被覆材の周縁部に対応した枠状部を有して前記屋根材に固定される固定部材と、前記被覆材を前記固定部材に取り付けるための取付部材とを備え、
前記枠状部は、前記屋根材の所定方向に沿って配置される第1の固定部材と、該第1の固定部材に対して交差する方向に配置される第2の固定部材とを備え、
前記第2の固定部材は、前記屋根材のうち、当該第2の固定部材の端部から離間した所定箇所に当該第2の固定部材を固定すべく、前記端部から延びる延長部を備えることを特徴とする被覆材取付構造。
【請求項8】
前記第1の固定部材は、前記取付部材を嵌め込み可能である溝形のレールを備え、
前記第2の固定部材は、前記取付部材を嵌め込み可能である溝形のレールを備え、
前記取付部材は、前記レールに嵌め込み可能である請求項7に記載の被覆材取付構造。
【請求項9】
前記請求項7又は8に記載の被覆材取付構造の施工方法であって、
前記第1の固定部材を配置する第1の配置工程、前記第2の固定部材の延長部を配置する第2の配置工程、該第2の配置工程の後に前記第2の固定部材を配置する第3の配置工程、該第3の配置工程の後に前記延長部に前記第2の固定部材を連結する連結工程を備えることを特徴とする被覆材取付構造の施工方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−104176(P2013−104176A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−246757(P2011−246757)
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(000108638)タカヤマ金属工業株式会社 (24)
【出願人】(598024813)JFE日建板株式会社 (2)
【出願人】(302054442)株式会社サワヤ (22)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(000108638)タカヤマ金属工業株式会社 (24)
【出願人】(598024813)JFE日建板株式会社 (2)
【出願人】(302054442)株式会社サワヤ (22)
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