説明

被覆

本発明は、埋込み型医用デバイス用被覆組成物、医用デバイスを被覆する方法および前記組成物で被覆されたデバイスに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、埋込み型医用デバイス用被覆組成物、医用デバイスを被覆する方法および前記組成物で被覆されたデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
ステントは、西洋で最も多い死因である冠動脈疾患によって血管が閉塞された患者において動脈の開存を保つために動脈に埋め込まれる小さな膨張可能な金属チューブである。未被覆の金属ステントは時には再び閉塞(再狭窄)し、それらを再開するために再介入処置が必要になる。
【0003】
薬剤溶出ステントは、時に「被覆された」または「医薬を加えた」ステントと称されるが、再狭窄(再狭小化)のプロセスを妨げることが知られている薬剤(医薬)で被覆された通常の金属ステントである。再狭窄にはいくつかの原因があり、それは非常に複雑なプロセスで、その防止のための解決策も同様に複雑である。しかし、これまでに集められたデータによると、薬剤溶出ステントは再狭窄を20〜30%の範囲から一桁にまで低減させることには大いに成功してきた。
【0004】
ステントの埋込み後、患者はアスピリンに加えてクロピドグレルまたはチクロピジン(商標名PlavixおよびTiclid)等の抗凝血剤または抗血小板剤をステント後6カ月以上摂取し、血液が新たなデバイスと反応して新たに拡張した動脈を肥厚化および閉塞すること(血栓症)を予防しなければならない。理想的には、この期間中に内皮細胞の平滑で薄い層(血管の内部ライニング)がステントの上に成長し、デバイスは動脈に組み込まれ、凝血傾向を低減する。
【0005】
薬剤溶出ステントの臨床的および商業的成功に関わらず、最近の証拠によると、それらは高率の後期血栓症、すなわち50%以上の症例において急性心臓発作または死のいずれかをもたらすステント端部の凝血形成をもたらすことが示唆されている。多くの医師は、凝血形成はステントを被覆した細胞毒性の薬剤または薬剤送達のために用いたいくつかのポリマーによって引き起こされる血管の治癒の遅延によると考えている。これらの懸念に対応して、後期ステント血栓症が大きな問題と見なされない未被覆の金属ステントの使用に戻る医師もいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】WO 2007/083797
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
薬剤溶出ステントに用いられる生体吸収性被覆の大部分はポリ(ラクチド)、ポリ(グリコリド)またはこの2つのコポリマー(ポリ(ラクチド-co-グリコリド))を基本としている。薬剤溶出プロファイルは主としてポリマーの親水性/疎水性(典型的にはラクチド:グリコリド比によって決定される)の制御によって制御される。残念なことに、親水性/疎水性の同じバランスが分解速度をも制御する。このことは、現在のポリマー被覆において、薬剤溶出プロファイルが本質的に分解プロファイルと深い関係にあることを意味している。したがって、的確な溶出プロファイルを得るためには、新規な薬剤それぞれについて広範囲のポリマーの組成変更が必要であろう。このことは、長期にわたる開発および規制の時間スケールに繋がり得る。
【0008】
ステントの被覆に関する別の課題は、金属表面へのポリマーの接着である。大部分のポリマー被覆は通常の金属表面に強固には接着せず、ステントが血管内で展開された際に被覆が剥離することがある。
【0009】
結果として、現在の安定な(非吸収性)被覆の代わりとなる生体吸収性被覆を有する新世代の薬剤溶出ステントへの要求がある。このように、ステントは被覆からその積荷である薬剤を送達することができるが、薬剤が一旦送達されれば被覆が吸収され、それによってステントは効果的に未被覆の金属ステントに戻り、後期ステント血栓症の可能性を低減することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様によれば、埋込み型医用デバイス用の生体吸収性被覆組成物であって、ポリマーおよび、ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、クロトン酸、4-ペンテン酸、2-ヘキセン酸、ウンデシレン酸、ペトロセレン酸、オレイン酸、エルカ酸、2,4-ヘキサジエン酸、リノール酸、リノレン酸、安息香酸、ヒドロ桂皮酸、4-イソプロピル安息香酸、イブプロフェン、リシノール酸、アジピン酸、スベリン酸、フタル酸、2-ブロモラウリン酸、2,4-ヒドロキシドデカン酸、酪酸、モノブチリン、2-ヘキシルデカン酸、2-ブチルオクタン酸、2-エチルヘキサン酸、2-メチル吉草酸、3-メチル吉草酸、4-メチル吉草酸、2-エチル酪酸、trans-β-ヒドロムコン酸、無水イソ吉草酸、無水ヘキサン酸、無水デカン酸、無水ラウリン酸、無水ミリスチン酸、無水4-ペンテン酸、無水オレイン酸、無水リノール酸、無水安息香酸、ポリ(無水アゼライン酸)、無水2-オクテン-1-イルコハク酸および無水フタル酸からなる群から選択される酸またはその誘導体である少なくとも1種の添加物を含み、少なくとも1種の薬剤をさらに含む組成物が提供される。
【0011】
本発明の被覆組成物は薬剤溶出生体吸収性被覆である。添加物の使用によって、特定のポリマー種の分解および溶出プロファイルの関係が少なくとも部分的に切り離され、分解および溶出プロファイルの制御が可能となる。
【0012】
本発明者らは、ポリマーと完全に混和し、かつ溶出しないある種の添加物を均一にブレンドすることによって、ポリマー、特に乳酸ポリマーの分解速度を制御することが可能であることを見出した。ブレンドプロセスは簡単であり、埋込み型医用デバイスへの被覆として使用可能な安定なポリマーブレンドがもたらされ、それにより被覆はその物理的強度を保ちながらしかも予測可能な様式で生分解することになる。
【0013】
本発明の実施形態においては、ポリマーブレンド中のポリマーは、ポリエステル、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリジオキサノン、ポリアルケノエート、ポリヒドロキシブチレート、ポリオルトエステルおよびそれらの任意の適切なコポリマーまたはブレンドからなる群から選択される。
【0014】
適切なポリエステルの例には、ポリ(乳酸)およびポリ(グリコリド)等のポリα-ヒドロキシ酸が含まれる。適切なポリエステルのさらなる例は、ポリ(カプロラクトン)である。
【0015】
本発明のさらなる実施形態においては、乳酸ポリマーは、ホモポリマー、たとえばポリ(L-ラクチド)(PLLA)、ポリ(D,L-ラクチド)(PDLLA)のホモポリマーとして、またはコポリマー、たとえばポリ(L-ラクチド-co-グリコリド)(PLLA co GA)およびポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)(PDLLA co GA)として存在してよい。
【0016】
本発明の実施形態においては、乳酸ポリマーまたはコポリマーは、カプロラクトンと重合される。具体的には、コポリマーはポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド-co-カプロラクトン)である。
【0017】
たとえば、PLLAは非常に疎水的なポリマーで、薬剤放出プロファイルが遅く、分解時間が長い。ポリマー被覆組成物に添加物を組み込むことによって、分解速度が加速され、薬剤溶出プロファイルが修正される。
【0018】
組成物はまた、それにブレンドされる他のポリマー成分を含んでもよい。添加物の濃度は、それが完全にポリマーに混和しなければならず、ポリマーから溶出しないように選択される。
【0019】
本明細書においては、「完全に混和する」という用語は、厚み0.5mmのポリマーシートを目視検査した際に、シートが均一に透明であるか、またはシートが不透明である場合には不透明性が均一であることを意味する。
【0020】
本明細書においては、「ポリマーから溶出しない」という用語は、薄い(厚み<1mm)試料を過剰のPBS(リン酸緩衝食塩溶液)に浸漬した際に、添加した添加物の少なくとも半分が1週間後に試料中に残存していることと定義される。
【0021】
適切には、組成物は、組成物の10重量%以下、典型的には5%以下、より典型的には2%以下の量の添加物を含む。
【0022】
選択される添加物の量は、所望の分解速度にも依存することとなる。インビボ分解は最初、ポリマー鎖の加水分解的切断によって起こり、実質的にのみモノマーが残るまで、次第に小さな分子量の単位の形成をもたらす。その後、モノマーは代謝され、体内に吸収される。質量損失が起こるのは、分解の最終段階においてのみである。
【0023】
本発明者らは、本発明における使用に好ましい添加物はラウリン酸であることを見出した。これは酸そのものとして使用してもよく、所望であれば誘導体、たとえば無水物として使用してもよい。
【0024】
好ましい組成物はラウリン酸またはその誘導体を組成物の10重量%以下、より典型的には5重量%以下、さらにより典型的には2重量%以下の量で含むことになる。
【0025】
ポリマー成分としてポリ乳酸を含む組成物の多様な分解速度を以下の表に示す。ここで添加物はポリマー成分の2重量%使用している。
【0026】
【表1】

【0027】
本発明の特定の実施形態においては、ポリマー成分はPLLAであり、添加物はラウリン酸またはその誘導体であり、その量はポリマー成分の10重量%以下、5重量%以下、典型的には2重量%以下である。
【0028】
本発明のさらなる実施形態においては、分解速度を制御するのみでなく、添加物に誘起される分解プロセスの開始を遅延させることになる添加物の供給が提供される。この遅延は、適切には添加物の酸型に変換可能な添加物の使用によって達成することができる。適切な誘導体は、インビボ環境において加水分解されて対応する酸になる酸無水物である。好ましい無水物には無水ラウリン酸および無水安息香酸が含まれ、その量は適切にはポリマーブレンドの5重量%以下、より適切には2重量%以下、典型的には1重量%以下である。
【0029】
本明細書において「薬剤」は、疾患の処置、治療、予防、もしくは診断に用いられ、または別の面で身体的もしくは心理的健康を強化するために用いられる任意の化学物質として定義される。本発明の被覆組成物に組み込まれる適切な薬剤種の例には、抗炎症剤、細胞傷害剤、血管形成剤、骨形成剤、免疫抑制剤、抗凝血剤、抗血小板剤、抗菌剤または抗生物質が含まれる。
【0030】
適切な抗血小板剤には、Bristol Myers-Squibb社からPlavix(商標)として販売されているクロピドグレルおよびSanofi-Aventis社からTiclid(商標)として販売されているチクロピジンが含まれる。
【0031】
適切な免疫抑制剤には、A.G.Scientific Inc.社から入手可能な、Sirolimusとしても知られているラパマイシンが含まれる。
【0032】
適切な抗生物質には、ゲンタマイシンおよびバンカマイシンが含まれる。
【0033】
本発明の実施形態においては、添加物はまた薬剤である。たとえば、モノブチリンはポリマーの分解速度を改変するための添加物として用いることができるが、一方その固有の血管形成性および骨形成性は対象者を治療するために用いることもできる。
【0034】
本発明のさらなる態様によれば、本発明による組成物の第1の被覆を有する埋込み型医用デバイスが提供される。この第1の被覆組成物はデバイスに直接適用することができる。あるいは、第1の被覆組成物はデバイスの表面に間接的に適用される。第1の被覆組成物の医用デバイスへのこの間接的な適用は、ポリマーへの結合のために適切な官能基を設けるために、表面の少なくとも一部を機能化することによって可能となる。機能化によって、たとえば第1の被覆組成物がデバイスの表面に共有結合/連結することをもたらすことができる。
【0035】
大部分のポリマー被覆は通常の金属表面に強固には接着せず、被覆が剥離する傾向がある。機能化によって医用デバイスの表面へのポリマー被覆の接着が改善され、剥離の危険が最小化される。
【0036】
ポリマー被覆の金属表面への接着を改善するために、この二者を連結するための化学架橋が用いられる。機能化プロセスの第1段階において、金属表面の固有の官能性とよく反応する化学物質が選択される。これは、金属表面上の酸化物、水酸化物、エポキシドまたは任意の他の表面酸化物と反応して強固な結合を形成する一方、分子の他の部分は残り、自由に他の分子種と反応する。
【0037】
第1の反応ステップにおいて用いられる適切な化学物質には式(RO)3 Si(R1X)のアルコキシシランが含まれる。ここでRはメチルまたはエチルを表し、R1はC2〜C10アルキルを表し、ここで1個または複数のメチレン基は-NH-または-O-、C2〜C10シクロアルキルもしくはシクロアルキルアルキル、C2〜C10アラルキルまたはモノシクリルもしくはビシクリルアリールで置換されてもよく、Xはアミノ、ヒドロキシル、カルボン酸または酸無水物を表す。好ましくは、R1はC2〜C10アルキルを表し、ここで1個または複数のメチレン基は任意選択で-NH-で置換され、Xは-NH2を表し、適切なプライミング剤の例はN-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミンである。
【0038】
第2段階においては、第1の化学物質の官能性/反応性基と容易に反応し、またポリマーの含酸素基、たとえばヒドロキシル、メトキシおよびエトキシ基と反応することができる官能基をも有する別の化学物質が選択される。したがって2つの分子の間に強固な結合が形成され、ポリマーは機能化された表面に連結される。このようにして、機能化された表面とポリマーとの間の強固な化学結合が達成され、ポリマーの金属表面への接着が改善される。
【0039】
一端にアルコキシシリル基、他端にイソシアネートを有する任意の化学物質が、第2の反応ステップにおける使用に適している。適切な化学物質の例は3-(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネートである。
【0040】
図1および図2に機能化プロセスを示す。
【0041】
本発明のさらなる実施形態においては、デバイスの表面の少なくとも一部と第1の被覆との間に、第2の被覆組成物が設けられる。この第2の被覆組成物は「タイコート」と称される。この組成物は、第1の被覆組成物のポリマー成分と同様または同一の化学組成の低分子量ポリマーを含む。第2の被覆組成物のポリマーは、第1の被覆組成物のポリマー成分と強固な接着を形成することができる任意のポリマーであってよい。
【0042】
本発明の実施形態においては、第1および第2の被覆組成物は、第2の機能化ステップからのトリエトキシ基と反応する-OH基を含む。
【0043】
たとえば、第1の被覆のポリマー成分はPLLA(MW 125k)であってよく、第2の被覆のポリマー成分はPDLLA co GA(MW 5〜15k)であってよい。
【0044】
第2の被覆組成物をデバイスの表面に直接適用することができ、次いで第1の被覆組成物を第2の被覆組成物に適用することができる。あるいは、デバイスの表面を上述のように機能化し、これにより第2の被覆組成物を機能性分子を通じてデバイスの表面に共有結合的に連結し、次いで第1の被覆組成物を第2の被覆組成物に適用することができる。
【0045】
第2の被覆組成物は、ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、クロトン酸、4-ペンテン酸、2-ヘキセン酸、ウンデシレン酸、ペトロセレン酸、オレイン酸、エルカ酸、2,4-ヘキサジエン酸、リノール酸、リノレン酸、安息香酸、ヒドロ桂皮酸、4-イソプロピル安息香酸、イブプロフェン、リシノール酸、アジピン酸、スベリン酸、フタル酸、2-ブロモラウリン酸、2,4-ヒドロキシドデカン酸、酪酸、モノブチリン、2-ヘキシルデカン酸、2-ブチルオクタン酸、2-エチルヘキサン酸、2-メチル吉草酸、3-メチル吉草酸、4-メチル吉草酸、2-エチル酪酸、trans-β-ヒドロムコン酸、無水イソ吉草酸、無水ヘキサン酸、無水デカン酸、無水ラウリン酸、無水ミリスチン酸、無水4-ペンテン酸、無水オレイン酸、無水リノール酸、無水安息香酸、ポリ(無水アゼライン酸)、無水2-オクテン-1-イルコハク酸および無水フタル酸からなる群から選択される酸またはその誘導体である少なくとも1種の添加物をさらに含むことができる。
【0046】
第2の被覆組成物は少なくとも1種の薬剤をさらに含むことができる。適切な薬剤の例には、これだけに限らないが、抗炎症剤、細胞傷害剤、血管形成剤、骨形成剤、免疫抑制剤、抗凝血剤、抗血小板剤、抗菌剤または抗生物質が含まれる。
【0047】
この被覆技術が有利であろうと考えられる医用デバイスには、ステント、整形外科インプラント、歯科インプラントおよび顎顔面インプラントが含まれる。
【0048】
本発明の薬剤溶出生体吸収性被覆を適用することができるステントの例には、冠動脈ステント、たとえば頚動脈ステント、大動脈ステント、腎ステントおよび静脈ステントが含まれる。ステントの他の例には末梢ステントが含まれる。薬剤溶出生体吸収性被覆を適用することができる整形外科インプラントの例には、再建および傷害用製品、たとえば股関節置換用コンポーネント、膝関節置換用コンポーネント、骨折プレート、スクリュー、ピン、外部固定プレート、髄内釘、干渉スクリュー、縫合アンカーが含まれる。
【0049】
本発明の薬剤溶出生体吸収性被覆を適用することができる顎顔面インプラントの例には、プレート、スクリューおよびメッシュが含まれる。
【0050】
本発明のさらなる態様によれば、
a)本発明による第1の被覆組成物をデバイスの少なくとも一部に適用するステップを含む、医用デバイスを被覆する方法が提供される。
【0051】
前記方法は、
b)第2の被覆組成物をデバイスの少なくとも一部に適用するステップであって、第2の被覆組成物は第1の被覆組成物に先立って適用され、第2の被覆組成物は第1の被覆組成物のポリマー成分よりも低い分子量を有するポリマー成分を有するステップを追加的に含んでもよい。
【0052】
本発明のさらなる実施形態においては、医用デバイスの表面の少なくとも一部は、第1の被覆組成物または第2の被覆組成物の適用に先立って機能化される。
【0053】
機能化のプロセスは、図1および図2を参照して、上に詳細に概説している。
【0054】
本発明のさらなる態様によれば、本発明の薬剤溶出生体吸収性被覆で被覆されたデバイスを用いる方法であって、該デバイスを動物またはヒトの体内に埋め込むステップを含む方法が提供される。
【0055】
埋込み型医用デバイスは、たとえばステント、整形外科インプラントまたは歯科インプラントであってよい。適切なステントの例には、冠動脈ステント、たとえば頚動脈ステント、大動脈ステント、腎ステントおよび静脈ステントが含まれる。ステントの他の例には末梢ステントが含まれる。
【0056】
本発明のなおさらなる態様によれば、薬剤を搬送するためのビヒクルが提供され、該ビヒクルは本発明の組成物として定義される。
【0057】
本発明のさらなる適用範囲は、以下に提供される詳細な説明によって明らかになるであろう。詳細な説明および特定の実施例は、本発明の好ましい実施形態を示すが、例示のみの目的を意図しており、本発明の範囲を限定することを意図していないことを理解されたい。
【0058】
明細書に組み込まれ、その部分を形成する添付の図面は、本発明の実施形態を例示し、文書による記述とともに本発明の原理、特徴、および特色を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】化学反応を説明する図である。
【図2】表面機能化の概略を示す図である。
【図3】PLLAからHBS-EP緩衝液へのラパマイシンの溶出を示す図である。
【図4】PLGAからPBS緩衝液へのラパマイシンの溶出を示す図である。
【図5】被覆のインビトロ分解試験を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
材料
ステンレス鋼316L:Goodfellow
炭酸水素ナトリウム:Sigma Aldrich
N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン(TMSPEA):Sigma Aldrich
氷酢酸:Sigma Aldrich
3-(トリメトキシシリル)プロピルイソシアネート(TESPI):Sigma Aldrich
ポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)(PLGA1)50:50、Mw 5〜15k:Sigma Aldrich
ポリ(L-ラクチド)(PLLA)、Mw 125k:Smith and Nephew
ポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)(PLGA2)50:50、Mw 10k:Durect
ポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)(PLGA3)50:50、Mw 30k:Durect
ポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド-co-カプロラクトン)(PLGC1)47.5:40:12.5: Smith and Nephew
ラウリン酸(LA):Sigma Aldrich
ドデシル硫酸ナトリウム(SDS):Sigma Aldrich
ラパマイシン:LC Laboratories
HBS-EP緩衝液:GE Healthcare
リン酸緩衝食塩液(PBS):Sigma Aldrich
溶媒:Sigma Aldrich
【実施例1】
【0061】
ステージ1:清浄化
ステンレス鋼試料(50mm×17mm×0.1mmアニール仕上げ)を炭酸水素ナトリウム7.5%w/w水溶液中15分の超音波処理、脱イオン水によるすすぎ、2-プロパノール中15分の超音波処理および脱イオン水中15分の超音波処理によって清浄化した。次いで試料を100℃で16時間乾燥し、次に50℃で30分乾燥した。
【0062】
ステージ2:機能化
トルエン200mlにトルエン中氷酢酸溶液2.5ml(1.0%w/w、0.4ミリモル)を加え、さらにTMSPEA 1.6mlを加えて混合した。試料を50℃のオーブンから取り出し、この溶液に5分間浸漬した。試料を取り出し、50℃に20時間保った。
【0063】
試料をトルエン、メタノール、脱イオン水、メタノールおよび脱イオン水のそれぞれの一連の溶媒で順次15分間、回転させながらすすいだ。最後に試料をメタノール中で5分間すすぎ、次いで50℃で2時間乾燥した。
【0064】
窒素パージしたメスシリンダーに窒素下で無水トルエンを加えた。充分量のTESPIを加え、トルエン中4%v/v溶液を作成した。 (50℃で15分間乾燥し、使用前に2分間放冷した)試料をホルダーに載せて溶液に浸漬し、窒素下で15分間回転させた。次いで試料を窒素下で無水トルエンですすぎ、真空下で16時間乾燥した。
【0065】
ステージ3:「タイコート」の適用
試料を約50℃のホットプレートに載せ、CHCl3中1%w/wのPLLAまたはPLGA1溶液でプライマー処理した。プライマー処理は、約15cmの距離から10psiで作動する手持ちスプレーガンを用いて実施した。プライマー被覆重量50〜100μg/cm2を達成するために、移動速度によるが2〜4回の通過が必要であった。次いで試料を100℃で16時間硬化させた。
【0066】
ステージ4:被覆
100℃で硬化させた後、試料を5分間冷却し、次いで約50℃のホットプレートに載せてCHCl3中1%w/wのPLLA溶液で被覆した。被覆は、約15cmの距離から10psiで作動する手持ちスプレーガンを用いて実施した。被覆重量600〜700μg/cm2を達成するために、移動速度によるが20〜40回の通過が必要であった。次いで試料を50℃で16時間真空下に乾燥した。
【0067】
ステージ5:試験
接着試験は、「指擦り」せん断試験を用いて実施し、結果は下に示すようにカテゴリーに分けた。
【0068】
【表2】

【0069】
試験に先立って、全試料に外科用メスでプレートの底から1cmおよび3cmの所に傷を付け、次いでSDSの0.02%w/w溶液に1時間浸漬した。
【0070】
【表3】

【0071】
試料1〜4は以前説明したように機能化した。試料5は清浄化したが機能化せずに残した。表面機能化とともに反応に利用できるOH末端基の数を増大させ、それにより金属表面への被覆の接着性を改善するため、プライマー被覆としての低分子量ポリ(ラクチド)系ポリマーの使用を設計した。その結果、プライマーとしてPLGA1を使用することによって金属表面への被覆の接着性が大幅に増大することが示される。
【実施例2】
【0072】
ステンレス鋼のプレートを実施例1と同じ方法で機能化し、プライマー処理した。CHCl3中PLLAおよびラウリン酸(99:1、98:2、96:4)の1%w/w溶液を調製した。次に被覆および試験は、実施例1に概略を示した方法によった。
【0073】
【表4】

【0074】
試料1〜7は以前説明したように機能化した。試料8は機能化せずに残した。
【0075】
その結果、ステンレス鋼の表面を機能化することによって金属表面への被覆の接着性が改善されることが示される。実験結果はまた、ラウリン酸の添加によって金属表面への被覆の接着量が減少し、ラウリン酸の割合が多くなると接着の損失が大きくなることを示す。
【実施例3】
【0076】
市販のステンレス鋼ステントを実施例1と同様にしてステージ2まで調製し、次いで下に述べるようにPLGAと結合させた。
【0077】
PLGA結合-「タイコート」
ステントをマンドレルに取り付け、Sonotek MediCoat Benchtop Coater上で、CHCl3中0.5%w/wのPLGA1を含むプライマー溶液で被覆した。用いたパラメーターは、流量0.075ml/分、超音波出力0.8W、4回通過、回転数40rpm、水平移動0.13cm/sおよびステントからスプレーヘッドまでの距離25mmであった。プライマー処理後、ステントを100℃で16時間放置した。
【0078】
被覆
5分間冷却後、ステントをマンドレルに取り付け、Sonotek MediCoat Benchtop Coater上で、CHCl3中0.5%w/wのPLLA、ラパマイシンおよびラウリン酸(75:25:0および74:25:1)溶液で被覆した。用いたパラメーターは、流量0.075ml/分、超音波出力0.8W、20回通過、回転数40rpm、水平移動0.13cm/sおよびステントからスプレーヘッドまでの距離25mmであった。被覆後、ステントを40℃で16時間真空下に乾燥した。
【0079】
ステントを37℃でHBS-EP緩衝液(20mM HEPES、150mM NaCl、3mM EDTA、pH7.5)(Biacore(商標)、GE Healthcare社製)に入れ、溶出を紫外/可視分光法でモニターした。それぞれの読みの後で新鮮な緩衝溶液を加え、279nmの累積吸光度を記録した。結果を図3に示すように、PLLA被覆からラパマイシンが放出され、薬剤溶出速度に対するラウリン酸の添加の影響は無視できることが示される。
【実施例4】
【0080】
市販のステンレス鋼ステントを実施例1と同様にしてステージ1まで調製し、次いで下に述べるようにPLGA1でプライマー処理した。
【0081】
PLGA結合-「タイコート」
ステントをマンドレルに取り付け、Sonotek MediCoat Benchtop Coater上で、CHCl3中0.5%w/wのPLGA1を含むプライマー溶液で被覆した。用いたパラメーターは、流量0.075ml/分、超音波出力0.8W、2回通過、回転数40rpm、水平移動0.13cm/sおよびステントからスプレーヘッドまでの距離25mmであった。プライマー処理後、ステントを100℃で16時間放置した。
【0082】
被覆
5分間冷却後、ステントをマンドレルに取り付け、Sonotek MediCoat Benchtop Coater上で、CHCl3中0.5%w/wのPLGA2、PLGA3、ラパマイシンおよびラウリン酸(30:45:25:0、29.2:43.8:25:2および28.4:42.6:25:4)溶液で被覆した。用いたパラメーターは、流量0.075ml/分、超音波出力0.8W、20回通過、回転数40rpm、水平移動0.13cm/sおよびステントからスプレーヘッドまでの距離25mmであった。被覆後、ステントを40℃で16時間真空下に乾燥した。
【0083】
ステントを37℃で1%w/w PBS溶液に入れ、溶出を紫外/可視分光法でモニターした。それぞれの読みの後で新鮮な溶液を加え、279nmの累積吸光度を記録した。結果を図4に示すように、ブレンドPLGA被覆からラパマイシンが放出され、薬剤の最初のバーストにはラウリン酸の添加が影響を及ぼすが、薬剤溶出のその後の速度には影響が小さいことが示される。
【実施例5】
【0084】
316Lステンレス鋼のプレート(50mm×50mm×0.25mm)2枚を実施例1と同様にしてステージ1まで調製した。
【0085】
次にCHCl3中のPLGC1、ラパマイシンおよびラウリン酸(80:20:0および78:20:2)の1%溶液を用いて、いずれかのプレート上にポリマーフィルムをキャストした。プレート上に約100mgのフィルム重量を達成するために充分なポリマーをキャストした。フィルムを40℃で16時間真空下に乾燥した。
【0086】
乾燥後、それぞれのポリマー被覆ステンレス鋼プレートを切断し、インビトロ分解試験用の9個の片とした。
【0087】
インビトロ分解試験
被覆した片をpH7.4のリン酸緩衝生理食塩液(PBS)に浸漬し、温度37℃のインキュベーター中に保持した。所定の時点で試料を取り出し、被覆ポリマーの分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて測定した。
【0088】
結果を図5に示す。ここで結果は数平均分子量の自然対数、すなわちln(Mn)対時間としてプロットされている。
【0089】
この結果、プロットは最初直線で、「自己触媒的分解モデル」によく合っていることが確認されることが示される。ここで
ln M(t)=ln M0-ktで、
M(t)は時間tにおける分子量、M0はt=0における最初の分子量、kは分解の速度定数である。速度定数kは、データに対する直線状フィットの勾配から得られる。
【0090】
勾配の変化によって示される直線プロットの非連続性は、顕著な質量損失および低分子量可溶性成分の損失の開始に関連していると考えられる。
【0091】
図におけるグラフの当初の勾配から、以下の分解速度が得られた。
0%ラウリン酸: k=0.0557 day-1
2%ラウリン酸: k=0.0764 day-1
【0092】
これらの結果より、この被覆に2%のラウリン酸を添加することによって分解速度が37%増大することが示される。
【0093】
これらの結果より、質量損失の開始に関連する不連続性は、0%ラウリン酸の約21日から、2%ラウリン酸の14日に変化し、添加物によって引き起こされる分解時間の短縮がさらに確認されることも示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋込み型医用デバイス用の生体吸収性被覆組成物であって、ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、クロトン酸、4-ペンテン酸、2-ヘキセン酸、ウンデシレン酸、ペトロセレン酸、オレイン酸、エルカ酸、2,4-ヘキサジエン酸、リノール酸、リノレン酸、安息香酸、ヒドロ桂皮酸、4-イソプロピル安息香酸、イブプロフェン、リシノール酸、アジピン酸、スベリン酸、フタル酸、2-ブロモラウリン酸、2,4-ヒドロキシドデカン酸、酪酸、モノブチリン、2-ヘキシルデカン酸、2-ブチルオクタン酸、2-エチルヘキサン酸、2-メチル吉草酸、3-メチル吉草酸、4-メチル吉草酸、2-エチル酪酸、trans-β-ヒドロムコン酸、無水イソ吉草酸、無水ヘキサン酸、無水デカン酸、無水ラウリン酸、無水ミリスチン酸、無水4-ペンテン酸、無水オレイン酸、無水リノール酸、無水安息香酸、ポリ(無水アゼライン酸)、無水2-オクテン-1-イルコハク酸および無水フタル酸からなる群から選択される酸またはその誘導体である少なくとも1種の添加物と配合された均一ポリマーブレンドを含み、前記均一ポリマーブレンドは少なくとも1種の薬剤をさらに含む、組成物。
【請求項2】
前記ポリマーが、ポリエステル、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリジオキサノン、ポリアルケノエート、ポリヒドロキシブチレート、ポリオルトエステルおよびそれらの任意のコポリマーまたはブレンドからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ポリエステルが、ポリ乳酸、ポリグリコリドまたはポリカプロラクトンからなる群から選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記乳酸ポリマーまたはそのコポリマーが、ポリ(L-ラクチド)(PLLA)、ポリ(D,L-ラクチド)(PDLLA)、ポリ(L-ラクチド-co-グリコリド)(PLLA co GA)またはポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)(PDLLA co GA)である、請求項2または3に記載の組成物。
【請求項5】
前記乳酸ポリマーまたはコポリマーがカプロラクトンと重合されている、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記コポリマーがポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド-co-カプロラクトン)である、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記添加物の量が組成物の10重量%以下である、請求項1から6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
前記添加物の量が組成物の5重量%以下である、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記添加物の量が組成物の2重量%以下である、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記ポリマー成分がPLLAであり、前記添加物がラウリン酸またはその誘導体である、請求項3から9のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
10重量%以下のラウリン酸またはその誘導体を含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
5重量%以下のラウリン酸またはその誘導体を含む、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記薬剤が、抗炎症剤、細胞傷害剤、血管形成剤、骨形成剤、免疫抑制剤、抗凝血剤、抗血小板剤、抗菌剤または抗生物質からなる群から選択される、請求項1から12のいずれかに記載の組成物。
【請求項14】
請求項1から13のいずれかに記載の組成物の第1の被覆を有する埋込み型医用デバイス。
【請求項15】
前記第1の被覆がデバイスの表面に直接適用されている、請求項14に記載の医用デバイス。
【請求項16】
前記第1の被覆がデバイスの表面に間接的に適用されている、請求項15に記載の医用デバイス。
【請求項17】
デバイスの表面の少なくとも一部が機能化され、それによって前記第1の被覆が機能性分子を通じてデバイスに共有結合的に連結されている、請求項16に記載の医用デバイス。
【請求項18】
前記機能性分子がデバイスの表面上の酸化物または水酸化物と反応して共有結合を形成するアルコキシシランであり、前記ポリマーブレンドがアルコキシシラン分子を通じて機能化表面に共有結合的に連結されている、請求項17に記載の医用デバイス。
【請求項19】
前記アルコキシシラン分子が、1種または複数のアミノ、ヒドロキシル、カルボン酸または酸無水物基をさらに含む、請求項18に記載の医用デバイス。
【請求項20】
デバイスの表面の少なくとも一部と前記第1の被覆との間に第2の被覆組成物が設けられている、請求項14から19のいずれかに記載の医用デバイス。
【請求項21】
前記第2の被覆組成物が、前記第1の被覆のポリマー成分よりも低い分子量を有するポリマー成分を含む、請求項20に記載の医用デバイス。
【請求項22】
前記第1の被覆のポリマー成分がPDLLAであり、前記第2の被覆のポリマー成分がPLA co GAである、請求項20または21に記載の医用デバイス。
【請求項23】
前記第2の被覆組成物が、ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、クロトン酸、4-ペンテン酸、2-ヘキセン酸、ウンデシレン酸、ペトロセレン酸、オレイン酸、エルカ酸、2,4-ヘキサジエン酸、リノール酸、リノレン酸、安息香酸、ヒドロ桂皮酸、4-イソプロピル安息香酸、イブプロフェン、リシノール酸、アジピン酸、スベリン酸、フタル酸、2-ブロモラウリン酸、2,4-ヒドロキシドデカン酸、酪酸、モノブチリン、2-ヘキシルデカン酸、2-ブチルオクタン酸、2-エチルヘキサン酸、2-メチル吉草酸、3-メチル吉草酸、4-メチル吉草酸、2-エチル酪酸、trans-β-ヒドロムコン酸、無水イソ吉草酸、無水ヘキサン酸、無水デカン酸、無水ラウリン酸、無水ミリスチン酸、無水4-ペンテン酸、無水オレイン酸、無水リノール酸、無水安息香酸、ポリ(無水アゼライン酸)、無水2-オクテン-1-イルコハク酸および無水フタル酸からなる群から選択される酸またはその誘導体である少なくとも1種の添加物を含む、請求項20から22のいずれかに記載の医用デバイス。
【請求項24】
前記第2の被覆が少なくとも1種の薬剤をさらに含む、請求項20から23のいずれかに記載の医用デバイス。
【請求項25】
前記薬剤が、抗炎症剤、細胞傷害剤、血管形成剤、骨形成剤、免疫抑制剤、抗凝血剤、抗血小板剤、抗菌剤または抗生物質からなる群から選択される、請求項24に記載の医用デバイス。
【請求項26】
ステント、整形外科インプラントまたは歯科インプラントである、請求項14から25のいずれかに記載の医用デバイス。
【請求項27】
前記ステントが、冠動脈ステント、頚動脈ステント、大動脈ステント、腎ステント、静脈ステントまたは末梢ステントである、請求項26に記載の医用デバイス。
【請求項28】
a)請求項1から13のいずれかに記載の第1の被覆組成物をデバイスの少なくとも一部に適用するステップを含む、医用デバイスを被覆する方法。
【請求項29】
前記第1の被覆組成物の適用に先立ってデバイスの表面の少なくとも一部が機能化される、請求項1に記載の医用デバイスを被覆する方法。
【請求項30】
b) 第2の被覆組成物をデバイスの少なくとも一部に適用するステップであって、前記第2の被覆組成物が前記第1の被覆組成物に先立って適用され、前記第2の被覆組成物が前記第1の被覆組成物のポリマー成分よりも低い分子量を有するポリマー成分を有するステップを追加的に含む、請求項28または29に記載の方法。
【請求項31】
前記第2の被覆組成物の適用に先立ってデバイスの表面の少なくとも一部が機能化される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記デバイスを動物またはヒトの体内に埋め込むステップを含む、請求項14から27のいずれかに記載のデバイスを使用する方法。
【請求項33】
請求項1から13のいずれかに定義される、薬剤を搬送するためのビヒクル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−535563(P2010−535563A)
【公表日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−519521(P2010−519521)
【出願日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際出願番号】PCT/GB2008/002677
【国際公開番号】WO2009/019477
【国際公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(391018787)スミス アンド ネフュー ピーエルシー (79)
【氏名又は名称原語表記】SMITH & NEPHEW PUBLIC LIMITED COMPANY
【出願人】(510034731)ポリバイオメッド・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】