説明

被運搬自動車の固縛部材固定装置

【課題】自動車運搬用車両において、被運搬自動車を固定するための固縛用ワイヤを案内するガイドローラを固縛用ワイヤの方向に対応して自由に姿勢変化できるようした被運搬自動車の固縛部材固定装置を提供する。
【解決手段】被運搬自動車の固定装置10は、断面L字形状の溝18を有する固定用レール16と、この固定用レール16の溝18内を車両前後方向に移動自在のアタッチメント20と、このアタッチメント20に支持されたシャックル部30と、このシャックル部30に固縛用ワイヤ26を案内するためのガイドローラ22と、を有してなり、シャックル部30は、揺動筒42Aと、丸棒を略U字形状とした第1シャックル42B及び第2シャックル42Cと、第3シャックル42Dとから構成されていて、ガイドローラ22は、4軸回りに姿勢変化可能に支持されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被運搬自動車を、自動車搬送用車両の荷台に固定するための固縛部材固定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車運搬用車両の荷台に被運搬自動車を固縛する手段としては、例えば特許文献1に示されるように、ワイヤ等の紐状部材の端部にフックを設け、このフックの先端を被運搬自動車に係止すると共に、紐状部材を、荷台に固定するものがある。
【0003】
このような従来の固定装置は、例えば図8に示されるように、自動車運搬用車両1の積載用荷台2には、車両幅方向両側面内側にワイヤ3が掛けられるガイドローラ4が配置され、ワイヤ3に掛けられたフック5を被搬送自動車6に掛けた状態で、ワイヤ巻締め装置(図示省略)でワイヤ3を締め上げて、被運搬自動車6を固定するようにしたものがある。
【0004】
ここで、前記ガイドローラ4の、車両前後方向の位置は固定であり、これに対して、フック5はワイヤ3に対して移動可能に係止され、これによって、被運搬自動車2のフック係合穴の位置に対応してフック5の位置が調整可能とされている。
【0005】
しかしながら、一対のガイドローラ4、4の間において、フック5の位置が一方に偏ったとき、被運搬自動車6にかかる引張力は、前後方向成分が発生してしまい、各フック5の位置での引張力がアンバランスになってしまうという問題点がある。
【0006】
これに対して、特許文献2に開示される固縛部材連結固定装置は、荷台に設けられた係合レールに係合されて、荷締めベルトを連結させるベルト金具係合体を、係合レールの挿入空間に挿入されて、係合レールの天板部である係合板部に係合固定される係合板部を有する挿入スライド体と、挿入スライド体に回転可能に連結されて、荷締めベルトを連結固定させるための係合体本体とを備え、荷台の荷物を固縛する荷締めベルトに作用する張力により、ベルト金具係合体を構成する挿入スライド体と係合レールとが係合されて、荷締めベルトが、ベルト金具係合体を介して係合レールに連結固定される構成とされている。
【0007】
前記挿入スライド体の外側面には、抜出し防止板が回動可能に連結されて、係合レールに係合固定された挿入スライド体の抜出しを防止するようにされている。
【0008】
この固縛部材連結固定装置は、挿入スライド体が係合レールに沿って位置調整可能であるが、荷締めベルトの端部を固定するためのものであって、上記のようなガイドローラを支持する構成となっていない。
【0009】
仮に、特許文献2の固縛部材連結固定装置にガイドローラを支持させようとすると、固縛部材連結固定装置に対して、荷締めベルトを連結固定させるための係合体本体が挿入スライド体に対して1本の軸線回りにのみに回動可能に連結されている構成であるので、ここにワイヤ等が巻き掛けられるガイドローラを設けた場合、ワイヤの出入りの方向にずれが生じたとき等は、ガイドローラをワイヤに充分に追随させることができず、ねじれたり、ローラに無理な力がかかったりしてしまうことがある。
【0010】
【特許文献1】実開平03−112438号公報
【特許文献2】特開2007−1396号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
この発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、ワイヤが巻き掛けられるガイドローラの姿勢を自在に調整可能とした被運搬自動車の固縛部材固定装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明は、自動車運搬用車両における被運搬自動車を積載する荷台に、車両長手方向に設けられた固定用レールと、この固定用レールの溝に、車両長手方向位置調節可能に着脱自在とされたアタッチメントと、このアタッチメントに、一定範囲で姿勢変化可能に取り付けられたワイヤ巻き掛け用のガイドローラと、前記ガイドローラに巻き掛けられると共に、被運搬自動車に掛止可能なフックが固定される固縛用ワイヤと、を有してなり、前記アタッチメントは、前記固定用レールの溝と平行の支持軸と、この支持軸に回転自在に嵌合された円筒状の揺動筒と、を有し、前記シャックル部は、前記揺動筒の外周に取り付けられた略U字形の丸棒からなる第1シャックルと、この第1シャックルとチェーン状に連結される略U字形の丸棒からなる第2シャックルと、この第2シャックルのU字形本体における2本の軸部の先端間に、これら軸部とほぼ平行に溶着されたユニバーサルピンと、このユニバーサルピンに対して、U字形本体の底部において、該ユニバーサルピンの中心軸線回りに回転自在に連結された第3シャックルと、を有してなり、前記ガイドローラは、前記第3シャックルのシャックルピンに相当するローラ軸に回転自在に支持されたことを特徴とする被運搬自動車の固縛部材固定装置により、上記課題を解決したものである。
【0013】
又、前記第1シャックルは、U字形本体における2本の軸部先端が、前記揺動筒の外周に、軸線方向に離間した位置で溶着され、この第1シャックルのU字状本体と前記第2シャックルのU字状本体とがチェーン状に組み合わされるようにしてもよい。
【0014】
更に、前記固定用レールの溝は、車両幅方向、且つ、前記荷台における積載面と垂直な断面において、車両長手方向と直交する方向であるY方向に向けて開口した開口溝部と、この開口溝部の底部に連続し、前記Y方向と直交するX方向に延在する係合溝部とからなり、前記開口溝部は、そのX方向の幅が、前記係合溝部のY方向の厚さよりも大きくされ、前記係合溝部のX方向の奥部には、車両長手方向一定間隔で突起部が設けられ、前記アタッチメントは、車両幅方向、且つ、前記荷台における積載面と垂直な断面において、略L字形状の板状体からなる本体と、この本体を前記溝に固定し、又は解放するための着脱レバーと、を有してなり、前記本体は、L字形状の一辺が、前記開口部溝部を、X方向、且つ、Y方向に通って、前記係合溝部内に出入れ可能な係合部とされ、L字形状の他辺が、前記係合部が前記係合溝部内に挿入されたとき、前記開口溝部内からY方向に突出される立上り部とされ、前記係合部の先端には、前記突起部が入り込む大きさの係合凹部が形成されていて、前記着脱レバーは、前記立上り部の、前記係合部と反対側の背面に揺動可能に設けられ、且つ、その厚さが、前記立上り部のX方向の厚さと、前記開口溝部のX方向の幅との差とほぼ等しくされ、前記係合部が、その係合凹部内に前記突起部が入り込んだ状態で、前記係合溝部に挿入されているとき、前記着脱レバーの一部が、前記立上り部と共に前記開口溝部内に入り込むロック位置、及び、前記開口溝部から抜け出した解放位置との間で揺動可能としてもよい。
【発明の効果】
【0015】
この発明においては、固定用レールの溝内に摺動自在に配置されたアタッチメントに対して、固縛用ワイヤを巻き掛けるガイドローラを、4軸回りに姿勢変化可能なシャックル部を介して支持しているので、固縛用ワイヤの引張り方向がどのように変化しても、これに対応してガイドすることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0017】
図1に示されるように、この実施形態に係る被運搬自動車の固定装置10は、自動車運搬用車両12における被運搬自動車(図示省略)積載用の荷台14に、車両長手方向に設けられた固定用レール16と、この固定用レール16の溝18(図2参照)に、車両長手方向位置調節可能に着脱自在とされたアタッチメント20と、このアタッチメント20に取り付けられたシャックル部30と、このシャックル部30により回転自在に支持されたワイヤ巻き掛け用のガイドローラ22(図3参照)と、このガイドローラ22に巻き掛けられると共に、被搬送自動車に掛け止め可能なフック24が固定される固縛用ワイヤ26とを備えて構成されている。
【0018】
この固縛用ワイヤ26は、図1において、車両前後方向に配置されたサイドフレーム28に沿って配置された前記ガイドローラ22及び固定ローラ23によりガイドされ、その途中に、前記フック24が、適宜配置されている。図1の符号27は巻締め用レバーを示す。
【0019】
フック24を被運搬自動車に引っ掛けた後、巻締め用レバー27によって固縛用ワイヤ26を巻締めて、各フック24により被運搬自動車を引張った状態で固定することができる。図1の符号13は自動運搬用車両の車輪を示す。
【0020】
固定用レール16の溝18は、図2に拡大して示されるように、車両幅方向、且つ、荷台14における積載面15と垂直な断面において、L字形状とされている。
【0021】
更に詳細には、溝18は、前記断面において、車両長手方向と直交する方向であるY方向に向けて開口した開口溝部32と、この開口溝部32の底部に連続し、前記Y方向と直交するX方向に延在する係合溝部34とから構成されている。
【0022】
開口溝部32は、そのX方向の幅が、係合溝部34のY方向の厚さよりも大きくされ、係合溝部34のX方向の奥部には、車両長手方向一定間隔で突起部36が設けられている。
【0023】
アタッチメント20は、車両幅方向、且つ、荷台14における積載面15と垂直な断面において、略L字形状の板状体からなる本体38と、この本体38を溝18に固定し、又は解放するための着脱レバー40と、本体38に取り付けられ、前記ガイドローラ22を支持するシャックル部30とを、有して構成されている(図3、図4参照)。
【0024】
アタッチメント20の本体38は、L字形状の一辺となる係合部44と、L字形状の他辺となる立上り部46杜から構成されている。係合部44は、開口溝部32をX方向且つY方向に通って、係合溝部34内に出し入れ可能な形状とされ、立上り部46は、係合部44が係合溝部34内に挿入されたとき、開口溝部32からY方向に突出される形状とされ、又、係合部44の先端には、係合溝部34の底部に突出された突起部36が入り込む大きさの係合凹部48が形成されている。
【0025】
着脱レバー40は、立上り部46の、係合部44と反対側の背面に、図7に示されるように、揺動可能に設けられ、且つ、その厚さが、立上り部46のX方向の厚さと、開口溝部32のX方向の幅との差とほぼ等しくされている。着脱レバー40の一部は、係合部44が、係合凹部48内に突起部36が入り込んだ状態で、係合溝部34に挿入されているとき、立上り部46と共に開口溝部32内に入り込むロック位置、及び、開口溝部32から抜け出した開口位置との間で揺動可能とされている。
【0026】
更に詳細には、着脱レバー40は、図7に示されるように、揺動軸40Aを中心として揺動自在に立上り部46に支持され、図7において時計方向には、二点鎖線で示されるように、ロック位置ストッパー40Bに当接するロック位置と、反時計方向には、実線で示されるように、解放位置ストッパー40Cに当接する解放位置との間で揺動自在とされている。図7の符号40Dは着脱レバーをロック位置方向に付勢するためのばねを示す。
【0027】
ロック位置ストッパー40B及び解放位置ストッパー40Cは、アタッチメント20の本体38を、固定用レール16の溝18内に挿入したとき、固定用レール16の上面よりも僅かに上方に位置するようにされている。
【0028】
固定用レール16の突起部36は、図4〜図6に拡大して示されるように、係合溝部34の奥部(図において左端)から係合溝部34内に突出するように、固定用レール16の外側から挿入且つ固定されている。
【0029】
又、この突起部36に係合する係合凹部48は、図2に示されるように、アタッチメント20の、車両前後方向の中間位置に形成されている。
【0030】
アタッチメント20にガイドローラ22を支持するための前記シャックル部30は、揺動筒42Aと、丸棒を略U字形状とした第1シャックル42B及び第2シャックル42Cと、板材をコ字形状に形成した第3シャックル42Dとから構成されている。
【0031】
揺動筒42Aは、アタッチメント20の本体38における、着脱レバー40と反対側の側面に溝18と平行に配置され且つ溶着された支持軸43Aに揺動自在に嵌合された筒状部材から構成されている。
【0032】
第1シャックル42Bは、U字形本体における2本の軸部先端が、前記揺動筒42Aの外周に、その軸線方向に離間した位置に溶着され、第2シャックル42Cは、第1シャックル42Bに、両者のU字形本体の底部においてチェーン状に、2次元的に揺動可能に組合せされている。
【0033】
この第2シャックル42Cの、U字の先端の2本の軸部の間には、略U字形状の第3シャックル42Dの基端を貫通するユニバーサルピン42Eが溶着されて、第3シャックル42Dと第2シャックル42Cとは、図3、図4においてユニバーサルピン42Eの中心軸線回りに相互に回転自在に連結されている。
【0034】
第3シャックル42Dの解放端(U字の先端)には、ローラ軸22Aが、シャックル機構あるいはU−ロックにおける横材あるいはシャックルピンとなるように取付けられていて、ここに、ガイドローラ22が回転自在に支持されている。このガイドローラ22には、固縛用ワイヤ26が巻回されている。
【0035】
上記のように、この実施形態におけるシャックル部は、ガイドローラ22を支持する第3シャックルが、ユニバーサルピン42Eを中心軸として、第2シャックル42Cに対して回転自在となり、このユニバーサルピン42Eと一体の第2シャックル42Cは、第1シャックル42Bに対して、第1シャックル42BのU字の円形部を中心とする、第1シャックル42BのU字の面内及び第2シャックル42CのU字の面内の、相直交する2軸を中心とする揺動が可能であり、更に、第1シャックル42Bは、支持軸43Aに対して、その中心軸線回りに揺動自在とされている。
【0036】
従って、アタッチメント20に対して、ガイドローラ22は、4軸回りに姿勢変化可能に支持されている。これによって、固縛用ワイヤ26の引張り方向がどのような場合でも対応して、これをガイドすることができる。
【0037】
次に、上記被運搬自動車の固定装置10において、アタッチメント20を、固定用レール16に沿って移動させ、且つ最適位置に固定する過程について説明する。
【0038】
図2〜図4は、アタッチメント20が、固定用レール16に固定された状態を示す。
【0039】
この状態では、アタッチメント20の本体38が、固定用レール16における溝18内に挿入された状態で、着脱レバー40が、図3、図7における時計方向に揺動されて、ロック位置となっているので、本体38は、溝18から抜け出すことができない。即ち、ロット状態となっている。
【0040】
このとき、アタッチメント20の係合部44は、図2、図4に示されるように、その先端(図4において左端)が、係合溝部34内に入り、且つ、係合凹部48が、突起部36が挿入される位置となっている。従って、アタッチメント20は、車体前後方向即ち溝18に沿う方向にもロックされることになる。
【0041】
アタッチメント20を固定用レール16の溝18に沿って移動させたり、あるいは取り出したりする場合は、着脱レバー40を、図7に示される二点鎖線の位置から反時計方向に引き起こして(揺動させ)解放位置ストッパー40Cに当接するまで揺動させて解放位置とする。この状態では、図5に示されるようになる。
【0042】
次に、アタッチメント20の係合部44が、突起部36から外れる位置にまで、図5において右方向に移動させれば、この状態で、アタッチメント20は溝18内を自由に移動することができる。
【0043】
又、アタッチメント20を溝18から取り外す場合は、図6に示されるように、反時計方向に傾ければ、係合部44は、X方向且つY方向に変位して容易に溝18から抜け出すことができる。
【0044】
アタッチメント20を固定用レール16の適正位置にまで移動させて、前記と逆の順序で、係合凹部48が突起部36に係合する位置で、着脱レバー40を図7において時計方向に、ロック位置ストッパー40に当接するまで時計方向に揺動させる。
【0045】
このようにすれば、前述の如く、アタッチメント20の本体38は固定用レール16の溝18から抜け出すことができない。即ち、固定用レール16の適正位置に固定されたことになる。
【0046】
上記着脱レバー40の操作及びアタッチメント20の移動は、片手で行うことができる。
【0047】
なお、上記実施の形態の例において、固定用レール16は荷台14の積載面15における車両幅方向両外側位置に上向きに取付けられているが、本発明はこれに限定されるものでなく、車両幅方向両側壁に、溝を車両幅方向内側に向けて取り付けるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施の形態の例に係る被運搬自動車の固定装置を適用した自動車運搬用車両の荷台を示す平面図
【図2】同固定装置における固定用レールの一部及びアタッチメントの一部を示す一部断面とした斜視図
【図3】同アタッチメントを示す斜視図
【図4】同アタッチメントを固定用レールに挿入した状態を示す一部断面とした側面図
【図5】解放位置におけるアタッチメントの一部及び固定用レールを示す断面図
【図6】アタッチメントを解放位置から更に取り外す過程を示す断面図
【図7】アタッチメントにおける着脱レバーのロック位置及び解放位置を示す正面図
【図8】従来の自動車運搬用車両における被搬送自動車のフックによる固定状態を模式的に示す断面図
【符号の説明】
【0049】
10…被運搬自動車の固定装置
12…自動車運搬用車両
14…荷台
15…積載面
16…固定用レール
18…溝
20…アタッチメント
22…ガイドローラ
22A…ローラ軸
24…フック
26…固縛用ワイヤ
30…シャックル部
32…開口溝部
34…係合溝部
36…突起部
40…着脱レバー
42A…揺動筒
42B…第1シャックル
42C…第2シャックル
42D…第3シャックル
42E…ユニバーサルピン
43A…支持軸
44…係合部
46…立上り部
48…係合凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車運搬用車両における被運搬自動車を積載する荷台に、車両長手方向に設けられた固定用レールと、この固定用レールの溝に、車両長手方向位置調節可能に着脱自在とされたアタッチメントと、このアタッチメントに、シャックル部を介して、一定範囲で姿勢変化可能に取り付けられたワイヤ巻き掛け用のガイドローラと、前記ガイドローラに巻き掛けられると共に、被運搬自動車に掛止可能なフックが固定される固縛用ワイヤと、
を有してなり、
前記アタッチメントは、前記固定用レールの溝と平行の支持軸と、この支持軸に回転自在に嵌合された円筒状の揺動筒と、を有し、
前記シャックル部は、前記揺動筒の外周に取り付けられた略U字形の丸棒からなる第1シャックルと、この第1シャックルとチェーン状に連結される略U字形の丸棒からなる第2シャックルと、この第2シャックルのU字形本体における2本の軸部の先端間に、これら軸部とほぼ平行に溶着されたユニバーサルピンと、このユニバーサルピンに対して、U字形本体の底部において、該ユニバーサルピンの中心軸線回りに回転自在に連結された第3シャックルと、を有してなり、前記ガイドローラは、前記第3シャックルのシャックルピンに相当するローラ軸に回転自在に支持されたことを特徴とする被運搬自動車の固縛部材固定装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1シャックルは、U字形本体における2本の軸部先端が、前記揺動筒の外周に、軸線方向に離間した位置で溶着され、この第1シャックルのU字状本体と前記第2シャックルのU字状本体とがチェーン状に組み合わされていることを特徴とする被運搬自動車の固縛部材固定装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記固定用レールの溝は、車両幅方向、且つ、前記荷台における積載面と垂直な断面において、車両長手方向と直交する方向であるY方向に向けて開口した開口溝部と、この開口溝部の底部に連続し、前記Y方向と直交するX方向に延在する係合溝部とからなり、
前記開口溝部は、そのX方向の幅が、前記係合溝部のY方向の厚さよりも大きくされ、
前記係合溝部のX方向の奥部には、車両長手方向一定間隔で突起部が設けられ、
前記アタッチメントは、車両幅方向、且つ、前記荷台における積載面と垂直な断面において、略L字形状の板状体からなる本体と、この本体を前記溝に固定し、又は解放するための着脱レバーと、を有してなり、
前記本体は、L字形状の一辺が、前記開口部溝部を、X方向、且つ、Y方向に通って、前記係合溝部内に出入れ可能な係合部とされ、L字形状の他辺が、前記係合部が前記係合溝部内に挿入されたとき、前記開口溝部内からY方向に突出される立上り部とされ、前記係合部の先端には、前記突起部が入り込む大きさの係合凹部が形成されていて、
前記着脱レバーは、前記立上り部の、前記係合部と反対側の背面に揺動可能に設けられ、且つ、その厚さが、前記立上り部のX方向の厚さと、前記開口溝部のX方向の幅との差とほぼ等しくされ、前記係合部が、その係合凹部内に前記突起部が入り込んだ状態で、前記係合溝部に挿入されているとき、前記着脱レバーの一部が、前記立上り部と共に前記開口溝部内に入り込むロック位置、及び、前記開口溝部から抜け出した解放位置との間で揺動可能とされたことを特徴とする被運搬自動車の固縛部材固定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−196554(P2009−196554A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−41886(P2008−41886)
【出願日】平成20年2月22日(2008.2.22)
【出願人】(000236551)株式会社浜名ワークス (11)
【出願人】(000139735)株式会社伊原工業 (11)