説明

被運搬車固定器及び自動車運搬車

【課題】被運搬車を荷台に確実に固定することができ設置が容易な被運搬車固定器及びこれを備えた自動車運搬車を提供する。
【解決手段】被運搬車固定器16は、リップ溝18が長手方向に沿って上面部20に形成された固定レール26と、被運搬車12の搭載位置に応じて固定レール26の複数の位置に取付け可能である可動ベース28と、を備えている。可動ベース28は、リップ溝18の広幅部22に嵌合可能であり、且つ、基部32に固定レール26の長手方向に一定の範囲で移動自在であるように取付けられた嵌合係止部34と、リップ溝18の狭幅部24を長手方向に挿通可能である主部36A及び該主部36Aの下に設けられた狭幅部24よりも幅が広いフランジ部36Bを備え上下動可能、且つ、上下方向に付勢されることが可能であるように基部32に取付けられたフランジ係止部36と、を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は被運搬車を荷台に固定するための被運搬車固定器、及びこれを備えた自動車運搬車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車運搬車には被運搬車(運搬される自動四輪車又は自動二輪車)の車輪にワイヤやベルト等の紐状部材を巻き掛けたり、車止め部材を車輪に当接させて被運搬車を荷台に固定するようにした被運搬車固定器が備えられている。このような被運搬車固定器は被運搬車の搭載位置に応じて紐状部材や車止め部材の設置位置を調節できるようになっている。
【0003】
例えば、紐状部材の端部にフックを設け、これを係止するための複数の係止部材を自動車運搬車の荷台に一定のピッチで設置した被運搬車固定器が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
又、車止め部材の下面部に突起を設け、これを係止するための複数の孔を自動車運搬車の荷台に一定のピッチで形成した被運搬車固定器が知られている(例えば特許文献2参照)。
【0005】
このように、紐状部材の端部や車止め部材の設置位置を調節することで様々な大きさや形状の被運搬車を荷台の所望の位置に固定することが可能である。
【0006】
【特許文献1】実開平3−112433号公報
【特許文献2】特開2004−98767号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の被運搬車固定器は紐状部材の端部のフックや車止め部材の突起を荷台側の部分に係止するだけの簡単な構造であるため、係止部にがたつきが生じることがある。これにより、被運搬車が荷台上でがたついてしまうことがある。
【0008】
尚、例えばボルト等で紐状部材の端部や車止め部材を自動車運搬車の荷台に固定すれば被運搬車を荷台に確実に固定しうるが被運搬車固定器の設置作業が煩雑となり作業効率が低下するという問題がある。
【0009】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであって被運搬車を荷台に確実に固定することができ設置が容易な被運搬車固定器及びこれを備えた自動車運搬車を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、自動車運搬車の荷台に固定され上方に開口するリップ溝が長手方向に沿って上面部に形成され該リップ溝は複数の広幅部及び複数の狭幅部が一定のピッチで前記長手方向に交互に連続する形状である固定レールと、被運搬車の搭載位置に応じて前記固定レールの複数の位置に取付け可能である可動ベースと、を含んでなり、該可動ベースは、前記固定レールの上に配置される基部と、前記基部の下面よりも下方に突出して前記固定レールのリップ溝の広幅部に嵌合可能であり、且つ、前記基部に前記固定レールの長手方向に一定の範囲で移動自在であるように取付けられた嵌合係止部と、前記基部の下面から下方に突出し前記リップ溝の狭幅部よりも幅が小さく該狭幅部を前記長手方向に挿通可能である主部及び該主部の下に設けられ前記固定レールのリップ溝の広幅部を上下方向に挿通可能であり前記狭幅部よりも幅が広いフランジ部を備え上下動可能、且つ、上下方向に付勢されることが可能であるように前記基部に取付けられたフランジ係止部と、を有する被運搬車固定器により上記課題を解決したものである。
【0011】
前記嵌合係止部は、前記基部における前記フランジ係止部の設置位置に対して前記リップ溝の広幅部のピッチの整数倍の距離離間した位置及びこの位置に対して前記ピッチの半分ずれた位置の間で前記固定レールの長手方向に移動自在であるように前記基部に取付けられた構成とするとよい。
【0012】
又、前記フランジ係止部は、前記基部に螺合し該螺合の締付力により上下方向に付勢されることが可能である構成としてもよい。
【0013】
又、前記フランジ係止部と同様の形状の主部とフランジ部とを有し前記基部における前記フランジ係止部の設置位置に対して前記リップ溝の広幅部のピッチの整数倍の距離離間した位置に固定された固定フランジ係止部を更に備えてもよい。
【0014】
又、前記固定レールが前記自動車運搬車の前後方向に平行に前記荷台に一対設置され、前記可動ベースも、前記一対の固定レールに対応して一対備えられ、前記被運搬車の車輪に当接して該被運搬車の動きを規制するための車輪止め部材が前記一対の可動ベースに架設された構成としてもよい。
【0015】
又、本発明は以上のいずれかに記載の被運搬車固定器を備える自動車運搬車により上記課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、被運搬車を荷台に確実に固定することができ設置が容易な被運搬車固定器及びこれを備えた自動車運搬車を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0018】
図1に示されるように、本実施形態に係る自動車運搬車10は、被運搬車12を荷台14に固定するための被運搬車固定器16を備え、この被運搬車固定器16の構造に特徴を有している。尚、被運搬車固定器16は、被運搬車12の車輪12Aを固定するためのものであり、固定する車輪12Aの数や荷台14に搭載される被運搬車12の台数に応じて荷台14に複数台設置されることがあるが、説明の便宜のため、以下、1つの車輪12Aを固定するための1台の被運搬車固定器16について説明する。
【0019】
図2〜4に示されるように、被運搬車固定器16は、自動車運搬車10の荷台14に固定され上方に開口するリップ溝18が長手方向に沿って上面部20に形成された固定レール26と、被運搬車12の搭載位置に応じて固定レール26の複数の位置に取付け可能である可動ベース28と、を備えている。
【0020】
固定レール26は、自動車運搬車10の前後方向に平行に配置され、車幅方向に適宜な間隔で荷台14に一対設置されている。
【0021】
リップ溝18は複数の広幅部22及び複数の狭幅部24が一定のピッチで長手方向に交互に連続する形状である。広幅部22は、中心がリップ溝18の幅方向の中心と一致する円弧形状である。一方、狭幅部24は、長手方向に平行な直線形状である。
【0022】
固定レール26としては、例えばエアラインレール(登録商標)と称されるアルミニウム又はジュラルミン製のレールを用いることができる。
【0023】
可動ベース28も、一対の固定レール26に対応して一対備えられ、被運搬車12の車輪12Aに当接して被運搬車12の動きを規制するための車輪止め部材30が一対の可動ベース28に架設されている。
【0024】
可動ベース28は、固定レール26の上に配置される基部32と、基部32の下面よりも下方に突出して固定レール26のリップ溝18の広幅部22に嵌合可能であり、且つ、基部32に固定レール26の長手方向に一定の範囲で移動自在であるように取付けられた嵌合係止部34と、基部32の下面から下方に突出しリップ溝18の狭幅部24よりも幅が小さく該狭幅部24を長手方向に挿通可能である主部36A及び該主部36Aの下に設けられ固定レール26のリップ溝18の広幅部22を上下方向に挿通可能であり狭幅部24よりも幅が広いフランジ部36Bを備え上下動可能、且つ、上下方向に付勢されることが可能であるように基部32に取付けられたフランジ係止部36と、フランジ係止部36を上方に付勢するための付勢部38と、を有している。
【0025】
又、可動ベース28は、フランジ係止部36と同様の形状の主部40A及びフランジ部40Bを有し基部32におけるフランジ係止部36に対してリップ溝18の広幅部22のピッチの整数倍の距離(本実施形態では1ピッチ)離間した位置に固定された固定フランジ係止部40を更に備えている。
【0026】
基部32は、第1の板材42、第2の板材44及び第3の板材46を有している。第1の板材42及び第2の板材44は固定レール26の長手方向に隙間部を有して配置され、隙間部を覆うように第1の板材42及び第2の板材44の上に第3の板材46が配置され、これらは溶接により結合されている。図5に示されるように、第1の板材42には、固定レール26の長手方向に長い長孔42Aが形成されている。第2の板材44には、2つのねじ孔44A、44Bが固定レール26の長手方向に並んでリップ溝18の広幅部22のピッチの整数倍の距離(本実施形態では1ピッチ)離間して形成されている。第3の板材46には、丸孔46Aが形成されている。
【0027】
嵌合係止部34は、図6に示されるように、リップ溝18の広幅部22に嵌合可能である円板形状の下部34Aと基部32の第1の板材42の長孔42Aに嵌合する上部34Bと、第1の板材42の上側で上部34Bを車両幅方向に貫通し両端が上部34Bから突出して第1の板材42に上部34Bを係止するピン34Cと、を有している。上部34Bは厚さが長孔42Aの幅よりも若干薄い平板形状である。下部34A及び上部34Bは一体に結合されており、例えば、円柱の素材の一端部を除いて側面の両側を平坦に加工したものである。
【0028】
嵌合係止部34は、基部32におけるフランジ係止部36の設置位置に対してリップ溝18の広幅部22のピッチの整数倍の距離離間した位置及びこの位置に対して前記ピッチの半分ずれた位置の間で固定レール26の長手方向に移動自在であるように基部32に取付けられている。
【0029】
フランジ係止部36は、主部36Aが首部でありフランジ部36Bが頭部である雄ねじ状の部材で、基部32の第2の板材44のねじ孔44Aに螺合し該螺合の締付力により上下方向に付勢されることが可能となっている。
【0030】
フランジ係止部36は、上半部が基部32の第2の板材44の上に突出し、この上半部には雌ねじ部材48が螺合している。これら雌ねじ部材48及びフランジ係止部36は、これらを貫通するピン50により相対的に回転しないようになっている。又、雌ねじ部材48におけるフランジ係止部36と螺合する部分よりも上側の部分には水平方向に貫通するハンドル部材52が取付けられている。ハンドル部材52は、ボルト及びその一端に螺合するナットがねじロック剤等で固定されたものであり、両端が雌ねじ部材48から水平方向に突出し、ボルトの頭部およびナットにより雌ねじ部材48から脱落しないようになっている。
【0031】
ハンドル部材52と基部32の第2の板材44との間には、雌ねじ部材48を取り巻くように圧縮コイルばね54が装架されている。
【0032】
固定フランジ係止部40は、フランジ係止部36よりも短い雄ねじ状の部材で、基部32の第2の板材44のねじ孔44Bに螺合すると共にこれら固定フランジ係止部40及び第2の板材44を貫通するピン56により第2の板材44に固定されている。固定フランジ係止部40は、基部32におけるフランジ係止部36の設置位置に対してリップ溝18の広幅部22のピッチの整数倍の距離(本実施形態では1ピッチ)離間して基部32に設置されている。
【0033】
図7に示されるように、車輪止め部材30は、丸棒材が略コ字形状に曲折されたものであり、中間部から下方に突出する両端部において一対の可動ベース28における基部32の第3の板材46の丸孔46Aに嵌合している。車輪止め部材30の両端部における第3の板材46との嵌合部分の上側にはフランジ部30Aが設けられている。又、車輪止め部材30の両端部における第3の板材46との嵌合部分の下側には水平方向両側に突出するピン30Bが設けられている。図8に示されるように、可動ベース28及び車輪止め部材30は、相対的に回転可能であると共にフランジ部30A及びピン30Bにより分離しないようになっている。尚、車輪止め部材30の中間部は、これに沿って設置された丸棒状の補強材30Cで補強されている。
【0034】
次に、自動車運搬車10の被運搬車固定器16の作用について説明する。
【0035】
まず、被運搬車12を荷台14に固定する場合の作用について説明する。
【0036】
始めに作業者は、可動ベース28を所望の取付け位置の近傍に載置し、基部32における嵌合係止部34の位置をフランジ係止部36に対してリップ溝18の広幅部22のピッチの整数倍の距離離間した位置に調整し、嵌合係止部34の下部34A、フランジ係止部36のフランジ部36B及び固定フランジ係止部40のフランジ部40Bを固定レール26のリップ溝18の広幅部22に挿入する。
【0037】
次に、作業者は、可動ベース28を固定レール26の長手方向(車両前後方向)の所望の取付け位置の側にリップ溝18の広幅部22のピッチの半分程度移動させる。これにより、フランジ係止部36の主部36A及び固定フランジ係止部40の主部40Aは、固定レール26のリップ溝18の広幅部22から狭幅部24に移行する。この状態でフランジ係止部36のフランジ部36B及び固定フランジ係止部40のフランジ部40Bは、固定レール26の上面部20におけるリップ溝18の狭幅部24の下に位置している。尚、嵌合係止部34は、リップ溝18の広幅部22に保持される。
【0038】
ここで作業者は、ハンドル部材52を把持して雌ねじ部材48と共にフランジ係止部36を回転させてフランジ係止部36を下方に付勢する。これにより、フランジ係止部36のフランジ部36Bが固定レール26の底面に上方から当接する。
【0039】
一方、固定フランジ係止部40のフランジ部40Bは、この当接の反力により固定レール26の上面部20におけるリップ溝18の狭幅部24の両側の部分に下方から当接する。
【0040】
嵌合係止部34の下部34Aがリップ溝18の広幅部22に嵌合しているので、可動ベース28は水平方向の動きが規制される。又、フランジ係止部36のフランジ部36Bが固定レール26の底面に上方から当接し、固定フランジ係止部40のフランジ部40Bがこの当接の反力により固定レール26の上面部20におけるリップ溝18の狭幅部24の両側の部分に下方から当接するので、可動ベース28は上下方向の動きも規制される。更に、フランジ係止部36のフランジ部36B及び固定フランジ係止部40のフランジ部40Bは螺合による締付力により付勢されて固定レール26に当接しているので、可動ベース28が固定レール26に対してがたつくことはない。このように、工具等を用いることなく簡単な作業で可動ベース28を固定レール26に確実に固定できる。
【0041】
次に、被運搬車12を自走により車輪12Aが車輪止め部材30に当接する位置まで移動させる。これにより被運搬車12を荷台14に固定する作業が完了する。
【0042】
次に、被運搬車12を荷台14から解放する場合の作用について説明する。
【0043】
まず作業者は、被運搬車12を人力又は自走により車輪12Aが車輪止め部材30から離間する方向に移動させる。
【0044】
次に、作業者は、ハンドル部材52を把持して雌ねじ部材48と共にフランジ係止部36を回転させてフランジ係止部36を上方に付勢する。これにより、フランジ係止部36のフランジ部36Bが固定レール26の底面から上方に離間する。又、固定フランジ係止部40のフランジ部40Bはリップ溝18の狭幅部24の両側の部分との当接から解放される。
【0045】
次に、作業者は、可動ベース28を固定レール26の長手方向(車両前後方向)に、リップ溝18の広幅部22のピッチの半分程度移動させる。これにより、フランジ係止部36及び固定フランジ係止部40は固定レール26のリップ溝18の広幅部22の部分に移動する。
【0046】
ここで可動ベース28を上方に持ち上げると、フランジ係止部36のフランジ部36B及び固定フランジ係止部40のフランジ部40Bはリップ溝18の広幅部22を挿通し、可動ベース28が固定レール26から取り外される。これにより、被運搬車12を荷台14から解放する作業が完了する。尚、車輪止め部材30に対して可動ベース28を90°回転させることにより、被運搬車固定器16をコンパクトな形態で収容できる。
【0047】
このように簡単な作業で可動ベース28を固定レール26に取付けることができ、又、簡単な作業で可動ベース28を固定レール26から取り外すことができるので自動車運搬車10は作業効率が良い。
【0048】
更に、可動ベース28が固定レール26に確実に固定され、被運搬車12が荷台14上でがたつくことがないので自動車運搬車10は信頼性が高い。
【0049】
又、フランジ係止部36と共に固定フランジ係止部40が備えられているので可動ベース28を固定レール26に固定する安定性が高められている。
【0050】
更に、1個の車輪止め部材30に対して固定レール26及び可動ベース28が一対設置され、車輪止め部材30が2本の固定レール26に架設されているので、車輪止め部材30を固定レール26に固定する安定性が高められている。
【0051】
尚、本実施形態では、固定レール26が2本設置されているが、例えば3本の固定レールを車両の長手方向に平行に設置し、中間の固定レールと左右の一方の固定レールとの間に1つの車止め部材を架設し、中間の固定レールと左右の他方の固定レールとの間に他の車止め部材を架設してもよい。このように、中間の固定レールを共用することで、部品点数を低減することができる。
【0052】
又、本実施形態のように被運搬車が自動二輪車であり可動ベース作用する荷重が小さい場合には、固定フランジ係止部を省略してもよい。この場合、フランジ係止部36を上方に付勢し、フランジ係止部36のフランジ部36Bを固定レール26の上面部20におけるリップ溝18の狭幅部24の両側の部分に下方から当接させる。これにより、フランジ係止部36のフランジ部36Bと基部32の第2の板材44とが固定レール26の上面部20を上下方向両側から挟み込み、可動ベース28が固定レール26に固定される。
【0053】
又、本実施形態において、可動ベース28には車輪止め部材30が取付けられているが、可動ベースに取付ける部材は目的に応じて適宜変更してもよい。例えば、ワイヤ等を緊縛するためのラチェット機構を可動ベース28に取付けてもよい。
【0054】
又、本実施形態において被運搬車12は自動二輪車であるが、自動四輪車を固定する場合も本発明は適用可能である。被運搬車が自動四輪車であり1台の被運搬車について車両幅方向の2つの車輪を固定する場合は、4本の固定レールを自動車運搬車の荷台に設置し、二対の可動ベースを介して2つの車止め部材を荷台に固定すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、自動車運搬車等に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施形態に係る自動車運搬車の被運搬車固定器の周辺の構造を模式的に示す側面図
【図2】同被運搬車固定器の構造を拡大して示す平面図
【図3】同被運搬車固定器の固定レールの構造を拡大して示す前面図
【図4】同被運搬車固定器の可動ベースの構造を拡大して示す一部断面を含む断面図
【図5】同可動ベースの基部の構造を示す平面図
【図6】同可動ベースの嵌合係止部の構造を示す断面図
【図7】同可動ベース及び車止め部材の構造を示す前面図
【図8】同平面図
【符号の説明】
【0057】
10…自動車運搬車
12…被運搬車
12A…車輪
14…荷台
16…被運搬車固定器
18…リップ溝
20…上面部
22…広幅部
24…狭幅部
26…固定レール
28…可動ベース
30…車輪止め部材
32…基部
34…嵌合係止部
36…フランジ係止部
36A、40A…主部
36B、40B…フランジ部
40…固定フランジ係止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車運搬車の荷台に固定され上方に開口するリップ溝が長手方向に沿って上面部に形成され該リップ溝は複数の広幅部及び複数の狭幅部が一定のピッチで前記長手方向に交互に連続する形状である固定レールと、被運搬車の搭載位置に応じて前記固定レールの複数の位置に取付け可能である可動ベースと、を含んでなり、
該可動ベースは、前記固定レールの上に配置される基部と、前記基部の下面よりも下方に突出して前記固定レールのリップ溝の広幅部に嵌合可能であり、且つ、前記基部に前記固定レールの長手方向に一定の範囲で移動自在であるように取付けられた嵌合係止部と、前記基部の下面から下方に突出し前記リップ溝の狭幅部よりも幅が小さく該狭幅部を前記長手方向に挿通可能である主部及び該主部の下に設けられ前記固定レールのリップ溝の広幅部を上下方向に挿通可能であり前記狭幅部よりも幅が広いフランジ部を備え上下動可能、且つ、上下方向に付勢されることが可能であるように前記基部に取付けられたフランジ係止部と、を有することを特徴とする被運搬車固定器。
【請求項2】
請求項1において、
前記嵌合係止部は、前記基部における前記フランジ係止部の設置位置に対して前記リップ溝の広幅部のピッチの整数倍の距離離間した位置及びこの位置に対して前記ピッチの半分ずれた位置の間で前記固定レールの長手方向に移動自在であるように前記基部に取付けられたことを特徴とする被運搬車固定器。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記フランジ係止部は、前記基部に螺合し該螺合の締付力により上下方向に付勢されることが可能であることを特徴とする被運搬車固定器。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記フランジ係止部と同様の形状の主部とフランジ部とを有し前記基部における前記フランジ係止部の設置位置に対して前記リップ溝の広幅部のピッチの整数倍の距離離間した位置に固定された固定フランジ係止部が更に備えられたことを特徴とする被運搬車固定器。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記固定レールが前記自動車運搬車の前後方向に平行に前記荷台に一対設置され、前記可動ベースも、前記一対の固定レールに対応して一対備えられ、前記被運搬車の車輪に当接して該被運搬車の動きを規制するための車輪止め部材が前記一対の可動ベースに架設されたことを特徴とする被運搬車固定器。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の被運搬車固定器を備えることを特徴とする自動車運搬車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−120041(P2009−120041A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−296489(P2007−296489)
【出願日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(000236551)株式会社浜名ワークス (11)