説明

装具を通じて流体のフローに関するパラメータを検出する1以上のセンサを含むインタフェース装具

インタフェース装具は、対象体の気道へ流体のフローを輸送するように構成される。前記流体のフローの生成は治療効果を提供するように制御され得る。インタフェース装具は、1以上のセンサ(24)を担持するように構成され、前記センサは対象体の流体のフローに関連する1以上のパラメータを検出するように構成される1以上のパラメータは、流体のフローの生成及び/又は輸送に使用され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鼻カニューレのセンサを提供するものであり、該センサは1以上の出力シグナルを生成し、前記鼻カニューレにより輸送される流体のフローの生成を制御するために使用され得るものである。
【0002】
対象体の気道に流体のフローを輸送するための鼻カニューレが知られている。一般的には、これらの鼻カニューレは比較的不活性な装置であって、患者の気道へガスを輸送するための輸送装具にすぎない。鼻カニューレは通常は使い捨てである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の1つの側面は、1以上のパラメータを測定するように構成されるシステムに関する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの実施態様では、このシステムは、鼻カニューレと1以上のセンサを含む。前記鼻カニューレは、主導管及び一組の中空突起部を含み、該突起部は前記主導管から伸びている。前記中空突起部は、対象体の鼻の穴に挿入され、前記主導管の流体のフローが前記中空突起部を通じて前記対象体の鼻の穴と導通するように構成される。1以上のセンサは鼻カニューレにより担持され、1以上のセンサのそれぞれの少なくとも一部分が、前記突起部の少なくとも1つに、又は隣接して設けられる。前記1以上のセンサは、1以上のシグナルを生成するように構成され、前記シグナルは、対象体の鼻の穴と鼻カニューレとの間の流体のフローに関する少なくとも1つのパラメータに関する情報を伝達する。 本発明の他の側面は、パラメータを決定する方法に関する。1つの実施態様では、前記方法は、流体のフローを、対象体の鼻の穴へ挿入されるように構成される一組の中空突起部を含む鼻カニューレを通じて、対象体の鼻の穴と導通させ;及び前記対象体の鼻の穴と前記鼻カニューレ間の前記流体のフローに関する少なくとも1つのパラメータに関する情報を伝達する、1以上の出力を生成させ、前記1以上の出力シグナルが前記鼻カニューレにより担持される1以上のセンサにより生成され、前記1以上のセンサのそれぞれの少なくとも一部分が、前記中空突起部の少なくとも1つの上に又は直接隣接するように設けられている。
【0005】
本発明の他の側面は、パラメータを決定するシステムに関する。1つの実施態様では、前記システムは、流体のフローを対象体の鼻の穴と導通させる手段と、対象体の鼻の穴に挿入されるように構成される一組の中空突起部を含む輸送手段と;及び1以上の出力シグナルを生成する手段であって、前記対象体の鼻の穴と前記輸送手段との間の前記流体のフローに関連する少なくとも1つの対象体パラメータに関する情報を伝達する、手段を含み、前記1以上の出力シグナルを生成する手段が前記輸送手段により支持され、前記1以上の出力シグナルを生成するための手段のそれぞれの少なくとも一部分が、前記中空突起部の少なくとも1つに又は直接隣接する、システムである。
【0006】
これらの及び他の本発明の目的、構成及び特徴は、実施の方法、関連する構造エレメント及び部品の組み合わせの機能及び製造上の経済性と共に、添付の図面を参照し以下の説明及び特許請求の範囲を考慮して、より明確になる。図面は本明細書の一部であり、参照符号は種々の図面の対応する類似の部品を表すものである。本発明の1つの実施態様では、ここで説明される構造コンポーネントは寸法通りに描かれている。しかし理解されるべきことは、図面は説明するためだけの目的であり、本発明を制限する意図はない、ということである。さらに、理解されるべきことは、ここで1つの実施態様として示され又は説明される構造上の特徴は、他の実施態様でも使用できる、ということである。さらに理解されるべきことは、図面は説明目的のみであり、本発明の範囲を定めるものとしては意図されていない、ということである。明細書及び特許請求の範囲で使用される、単数「1つの」及び「前記」などには特に明確に記載されていない限り、複数も意味するものである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、本発明の1以上の実施態様による、対象体の気道へ流体のフローを輸送するように構成されるインタフェース装具の1つを示す。
【図2】図2は、本発明の1以上の実施態様による、対象体の気道へ流体のフローを輸送するように構成されるインタフェース装具の1つを示す。
【図3】図3は、本発明の1以上の実施態様による、対象体の気道へ流体のフローを輸送するように構成されるインタフェース装具の1つを示す。
【図4】図4は、本発明の1以上の実施態様による、対象体の気道へ流体のフローを輸送するように構成されるインタフェース装具の1つを示す。
【図5】図5は、本発明の1以上の実施態様による、対象体の気道へ流体のフローを輸送するように構成されるインタフェース装具の1つを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は対象体の気道と流体のフローを導通させるように構成されるインタフェース装具10の1つの示す。前記流体のフローの1以上のパラメータが、前記対象体へ治療効果を提供するために制御され得る。例えば、前記流体のフローの成分(例えば酸素豊富化)が制御され、及び/又は他の治療効果が提供され得る。前記インタフェース装具10は、1以上のセンサを持つように構成され、前記センサは、前記対象体の前記流体のフローに関連する1以上のパラメータを検出するように構成されている。前記1以上のパラメータは、その後、前記流体のフローの前記1以上のパラメータを制御するために使用され得る(例えば、以下に説明されるような)。前記インタフェース装具10は、1以上の供給ライン12、鼻カニューレ14及び/又は他のコンポーネントを含み得る。
【0009】
供給ライン12は、前記鼻カニューレ14へ前記流体フローを輸送するように構成される。1つの実施態様では、供給ライン12は鼻カニューレとは別に形成される。1つの実施態様では、供給ライン12は鼻カニューレ14とは別部品として形成されず、むしろ鼻と一体化して形成される。インタフェース装具10が前記対象体の顔面に装着されると、供給ライン12は通常対象体の耳の後ろ側を通るように位置され前記インタフェース装具10を所定の位置に保持する。
【0010】
鼻カニューレ14は、前記流体のフローと前記対象体の鼻の穴とが導通するように構成されている。これは、吸気の際に前記鼻の穴への前記流体のフロー中のガスが通過することを含み、かつ呼気の際に前記鼻の穴からの吸気ガスを受け取ることを含む。1つの実施態様では、鼻カニューレ14は主導管16、及び2つの中空突起部18を含む。 前記主導管16は、供給ライン12から前記流体のフローを受け取るように構成され、かつ前記流体のフローと中空突起部16とを導通させるように構成される。記載された実施態様では、前記主導管16はまた、中空突起部18へ呼気されたガスを受け取り、前記呼気されたガスを鼻の穴から運び去るように構成される。このようにして、主導管16は1つのルーメンを形成し、流体が中空突起部16及び供給ライン12間を流通することができる。主導管20のそれぞれの端では、主導管16は供給ライン12の1つと接続されるように構成され、それにより主導管16内に形成された前記ルーメンは供給ライン12と流体導通に設けられる。鼻カニューレ14が使用の際に対象体の顔面に装着されると、主導管16は対象体の鼻及び上部唇の間の顔の上又は近くに置かれることとなる。
【0011】
主導管16はインタフェース22を含み、これを通じて第二の導管(示されていない)が主導管16により形成される前記ルーメンと流体導通するように設けられ得る。前記第二の導管は、前記インタフェース22から対象体の口へ伸びている。主導管16が前記第二の導管なしで使用される場合には、インタフェース22は栓又はシール(示されていない)により環境大気からシール(又は実質的にシール)されてよい。
【0012】
中空突起部18は、鼻カニューレ14が使用の際に対象体の顔面に装着される際に対象体の鼻の穴に挿入されるように構成される。中空突起部18はルーメンを形成しこのルーメンは、主導管16内のルーメンから対象体の鼻の穴へ及び鼻の穴からの前記流体のフローを輸送する。
【0013】
インタフェース装具10による前記1以上のセンサは、1以上の出力シグナルを生成するように構成され、前記シグナルは前記流体のフローに関する少なくとも1つのパラメータに関する情報を伝達する。これらのパラメータは、例えば、前記流体を受ける対象体の1以上の生理学的パラメータ、前記対象体の位置での又は近くの位置での1以上のパラメータ、及び/又は他のパラメータを含む。限定されるものではないが、パラメータには、パルスオキシメトリパラメータが含まれ、これは対象体中の血液の酸化を定量するものである。他の例として、ガスパラメータには、圧力、流速、及び/又は他のガスパラメータが含まれ得る。
【0014】
図1に記載される実施態様において、インターフェース装具10に付される1以上の前記センサにはパルスオキシメータ24が含まれる。パルスオキシメータ24は、対象体内の血液の酸化程度に関連する情報を伝達する1以上の出力シグナルを生成するように構成される。前記パルスオキシメータ24は、電磁波放射源26及び光感受性検出器28を含む。前記電磁波放射源26は、前記インタフェース装具10と前記中空突起部18で又はその近くに保持される。前記光感受性検出器28は前記インタフェース装具10に保持され、電磁波放射源26と光感受性検出器28が実質的に、主導管16から等距離となる(お互いに空間を通じて離れている)。例えば、インタフェース装具10は突出部32を含み、これは主導管16から伸びて光感受性検出器28を支持する。パルスオキシメータ24により生成された1以上の出力シグナルは、インタフェース装具10から電子インタフェース30を介して出力される。
【0015】
1つの実施態様では(図示されていない)、電子インタフェース30は、1以上のワイヤレス送信/受信を持ち外部プロセッサと通信可能である。例えば、出力シグナルはワイヤれる送信/受信により交信され得る。
【0016】
1つの実施態様(図示されていない)では、インタフェース装具10のコンポーネント(例えば、パルスオキシメータ24及び/又は他のセンサ)が、インタフェース装具10による1以上の電力供給により電力供給され得る。例えば、1以上の電力供給には、電池及び/又はキャパシタの1つ又は両方が含まれる。この実施態様では電子インタフェース30は、インタフェース装具10へ外部電源から電力を受け取るようには構成されていなくてよい。
【0017】
図2は、使用の際に対象体34の顔面に装着されたインタフェース装具10を示す。図2から分かるように、インタフェース装具10が、鼻の穴へ挿入された中空突起部18と共に対象体34の顔面に装着される場合、パルスオキシメータ24の一部分は中空突起部18と共に対象体34の鼻の穴へ挿入される。図2に記載のインタフェース装具10の実施態様(及び図1に記載の実施態様)では、突起部18と共に対象体34の鼻の穴へ挿入されたパルスオキシメータ24の一部分は電磁波放射源26である。限定するものではないが、電磁波放射源26及び光感受性検出器28の相対位置は、本発明の開示の範囲内で、交換可能である。
【0018】
電磁波放射源26は、対象体34の鼻の穴の壁に電磁波放射を入射させるように構成される。電磁波放射源26により放射される電磁波は、可視スペクトルの赤色部分(λが約620nmと約750nmの間)内の電磁波、及び赤外線スペクトル(λが約750nmと約100μmの間)内の電磁波放射を含む。電磁波放射源26は、1以上の発光ダイオード(「LED」)、有機発光ダイオード(「OLED」)、エレクトロルミネッセンス放射源(「EL源」)、フォトルミネッセンス放射源(「PL源」)、白熱源、レーザー源及び/又は他の放射源を含む。
【0019】
光感受性検出器28は鼻カニューレ14に担持され、光感受性検出器28は、鼻の壁を通過した電磁放射源26により放射された電磁波放射を受けとる。光感受性検出器28は1以上の出力シグナルを生成するように構成され、このシグナルは、光感受性検出器28により受け取られた電磁波の1以上のパラメータに関する情報を伝達する。例えば、光感受性検出器28は、
前記可視スペクトル内の電磁波の受け取られた強度、前記赤外線スペクトル内の電磁波の受け取られた強度、鼻の壁による前記可視スペクトル内の赤部分内の電磁波の吸収、鼻の壁による前記赤外線スペクトル内電磁波の吸収、前記可視スペクトル内の赤部分内の電磁波の吸収と鼻の壁による前記赤外線スペクトル内電磁波の吸収の差、及び/又は他のパラメータなどについての情報を伝達する。理解されるべきことは、光感受性検出器28により生成される1以上の出力シグナルは、対象体34の血液の酸化の程度(少なくとも鼻の壁内の)を決定するためにプロセッサによりさらに処理され得る、ということである。
【0020】
1つの実施態様において、インタフェース装具10の少なくともいくつかのコンポーネントは所与の対象体により又はある場合には、複数の対象体により再使用され得る。この実施態様では、インタフェース装具10の異なるコンポーネントがお互いに分離可能であり、新たなコンポーネントと共に再使用可能である。これにより、高価なコンポーネント(例えば、前記1以上のセンサ)をより長く使用でき、安価なコンポーネントをより煩雑に交換可能とする。例えば、鼻カニューレ14は、摩耗及び傷、及び/又は通常の使用における汚染などにより比較的頻繁に交換され得るものである。その結果いくつかの又は全てのパルスオキシメータ24は、異なる、使い捨てカニューレと共に使用され得る。
【0021】
図3は、インタフェース装具10の1つの実施態様を示し、パルスオキシメータ24が鼻カニューレ14から取り外し可能である。これにより、パルスオキシメータ24は、複数の異なる鼻カニューレと共に対象体(又は複数の対象体)により再使用され得る。例えば、、鼻カニューレ14が摩耗及び傷により及び/又は汚染により交換される必要がある場合、パルスオキシメータ24は鼻カニューレから取り外し、前記対象体による使用のために他の鼻カニューレに装着されることができる。
【0022】
図3に示されるように、パルスオキメータ24はベース36を含み、これは構造上のベースであり、パルスオキシメータ24の他のコンポーネントが配置され得る。ベース36は一般的にはU字形状であり、電磁波放射源36がベース36の1つの遠位端方向に設けられ、光感受性検出器28がベース36の他の端部に向けて設けられている。電磁波放射源26及び光感受性検出器28はベース36上でお互いに向き合うように設けられる。ベース36のU字形状は、対象体の鼻の穴の壁が使用の際に電磁波放射源26及び光感受性検出器28との間に位置することが可能とする。電子インタフェース30はベース36上に設けられ、パルスオキシメータ24が鼻カニューレ14上に設けられる場合に鼻カニューレ14上の対応する電子インタフェース38と電気的に接続されるように設けられる。鼻カニューレ14は、外部プロセッサ及び/又は電力供給と電子的に交信する電子インタフェース38を配置するため接続配線系を含む。
【0023】
パルスオキシメータ24を鼻カニューレ14上の位置に取り外し可能に保持するために、1以上の種々のアタッチメントが適用され得る。例えば、パルスオキシメータ24に接着性表面を介して取り付ける(パルスオキシメータ24及び/又は鼻の1つ又は両方に)、スナップフィット(例えば、ベース36を鼻カニューレの対応する構造へ)、プレスフィット、フリクションフィット、キャッチ、ラッチ及び/又は他の開放可能なアタッチメントにより可能である。1つの実施態様では、鼻カニューレは一組のスリーブ39を形成し、パルスオキシメータ24の腕部の中にスライドさせて収められるように構成され得る。前記スリーブ39の1つは中空突起部18の1つと共に一体化される。スリーブ39の1つは突出部32により形成される。
【0024】
1つの実施態様では、パルスオキメータ24は鼻カニューレ14に固定的に確保され、この組み合わせ装置は、使用によりもはや機能しなくなった及び/又は非衛生的になった場合には廃棄される。
【0025】
1つの実施態様では、鼻カニューレ14に担持される1以上のセンサには、前記対象体への輸送地点又は近くでガスパラメータに関する1以上の出力シグナルを生成するセンサを含む。説明のために、図4は、中空突起部18上に、部分的に、設けられるセンサ40を含む鼻カニューレ14の1つの実施態様を示す。前記センサ40は、鼻カニューレ14内のガスの流速に関する1以上の出力シグナルを生成するように構成される。特にセンサ40は、熱センサ42を含み、これは主導管16内部、中空突起部18及び/又はインタフェース22から伸びるライン44(例えばと前記対象体の口への)と温度的に導通するものである。熱センサ42はサーミスタライン、熱電対及び/又は他の温度センサを含む。
【0026】
ここから理解されるように、熱センサ42が電子回路で加熱される場合に、熱センサ42の抵抗は鼻カニューレ14を通るガスの流速の関数となる。電子回路が鼻カニューレ14の接続線系により熱センサ42に適用される(及びセンサ目的でモニタされる)。インタフェース装具10及び対象体の鼻の穴の間の境界又は境界近く(例えば、中空突起部18)に、鼻カニューレ14内に熱センサ42を配置することは、輸送地点での流速及び/又は対象体の気道内での流速を決定する精度を強化することができる。
【0027】
1つの実施態様では、図4には示されていないが、センサ40のいくつか又は全てが再使用にために鼻カニューレから取り外し可能とされ得る。例えば、熱センサ42の少なくとも一部分は鼻カニューレ14から取り外し可能とされ得る。1つの実施態様で、センサ40は、鼻カニューレ14から離れて設けられた、対象体の鼻の穴での又はその近くでの流速を検出するセンサとして設けられ得る。
【0028】
図5は、対象体46へ流体のフローを輸送するように構成されるシステム44を示す。このシステム44は、インタフェース装具10、電子記憶装置48、圧力発生装置50及び/又はプロセッサ52の1以上を含む。
【0029】
1つの実施態様では、電子記憶装置48は電子的に情報を記憶する電子的記憶媒体を含む。電子記憶装置48の電子的記憶媒体は、システム44と一体化して(即ち、実質的に取り外しできない)設けられているか、及び/又は取り外し可能な記憶装置、例えばポート(例えばUSBポート、ファイヤワイヤポートなど)又はドライブ(例えばディスクドライブなど)を介して取り外し可能に接続されている記憶装置の1つ又は両方を含む。電子記憶装置48は、1以上の光学的読み取り可能記憶媒体(例えば光学ディスクなど)、磁気読み取り可能記憶媒体(例えば磁気テープ、磁気ハードドライブ、フロッピドライブなど)、電荷系記憶媒体(例えば、EEPROM、RAMなど)及び/又は他の電子的記憶媒体を含む。電子記憶装置48は、ソフトウェアアルゴリズム、コンピュータプログラムモジュール、プロセッサ52により決定された情報及び/又はシステム44を適切に機能させ得る他の情報を記憶することができる。電子記憶装置48はシステム44内に一体化されて提供されてもよいし、及び/又は電子記憶装置48はシステム44の1以上の他のコンポーネントと共に提供されてもよい。図7には電子記憶装置48は1つの装置として記載されているが、1つの実施態様では電子記憶装置48はシステム44内の複数の電子媒体であって複数の異なる装置及び/又はコンポーネントに分けられていてもよい。
【0030】
圧力発生装置50は、インタフェース装具10により対象体46の気道へ導通する流体のフローを生成するように構成される。流体のフローの1以上のパラメータは対象体46への治療効果を提供するために制御され得る。治療手順に従って制御される流体のフローの1以上のパラメータは、1以上の圧力、流速、成分(例えば、酸素含有量)、容量及び/又は前記流体のフローの他のパラメータが含まれる。次の点理解されるべきである。即ち、対象体46に二重のルーメンインタフェースがインタフェース装具10により提供される実施態様では、圧力発生装置は正圧力を持つ流体のフローを提供するだけでなく、供給ライン12及び/又は鼻カニューレ14内に負圧を生成させて、呼気ガスを対象体46の気道から逃すようにすることも含む。さらに、ある実施態様では、システム44は、供給ライン12及び/又は鼻カニューレ内の流体のフローについて生成及び/又は制御することなく1以上のパラメータを検出するために作用することができる。このような実施態様では、圧力発生装置は切断されるかシステム44から完全に除去され得る。
【0031】
ガス源54は、対象体46へ輸送される流体のフローを生成する圧力支持装置56からのガスの本体を含む。ガス源54は、全ての呼吸ガスの供給を含む。例えば、通常の大気、加圧ガスタンク、壁のガス源及び/又は他の呼吸ガスのガス体などである。ガス源56からの呼吸ガスは全ての呼吸ガスであってよい。例えば、空気、酸素、酸素混合ガス、呼吸ガス及び医薬との混合物であって気体状態(例えば、酸化窒素、麻酔ガスなど)及び/又は他の呼吸ガスが挙げられる。
【0032】
圧力支持装置56は、圧力支持装置56からインタフェース装具10へ放出される流体のフローの1以上のパラメータ(即ち圧力、フロー、成分など)を制御するための1以上のメカニズムを含む。例えば圧力支持装置56は1以上のバルブ、ブロワー、ピストン、ベロー及び/又は他のメカニズムであって前記呼吸ガスのフローの1以上のパラメータを制御するものが含まれる。
【0033】
1つの実施態様では、インタフェース装具10は1以上のセンサ58を含む。センサ58は1以上のパラメータをモニターするように構成される。例えば、センサ58は、図2から4及び上記に記載のパルスオキシメータ及び/又は流速センサの1つ又は両方及び/又は他のセンサを含むことができる。 プロセッサ52は、システム44で情報処理の可能性を提供するように構成される。従ってプロセッサ52は1以上のデジタルプロセッサ、アナログプロセッサ、情報処理のために設計されたデジタル回路、情報処理のために設計されたアナログ回路、ステートマシン及び/又は他の電子的に情報処理するように設計されたメカニズムを含むことができる。プロセッサは、以下に説明する機能を与えるための1以上のコンピュータプログラムモジュールを実行するように構成される。図5に示すプロセッサ52は1つであるが、これは説明を目的とするからであり、ある実施態様ではプロセッサ52は複数の処理ユニットを含んでいてよい。
【0034】
図5から分かるように、プロセッサ52は前記センサ58と操作上交信し、センサ58により生成された1以上の出力シグナルを受け取る。この操作上交信は、ワイヤレス接続、ワイヤ接続、ネットワーク、専用ライン及び/又は他の交信用リンクにより遂行され得る。
【0035】
プロセッサ52は、対象体46と交信するために流体のフローの生成において圧力発生装置50を制御するように構成される。これは、圧力発生装置50を制御して、流体のフロー中のガスの1以上のガスパラメータを調節することを含む。1以上のガスパラメータには、例えば、圧力、流速、成分(例えば、酸素含有量)、容積及び/又は他のパラメータが含まれる。
【0036】
特に、プロセッサ52は、プロセッサ52により流体のフローの制御が、センサ58から受けた1以上の出力シグナルの少なくとも一部分に基づくものである。プロセッサ52は、センサ58から受け取る出力シグナルを流体のフローの生成を制御するフィードバック方式で実行して、対象体46の呼吸と共に循環される流体のフローのパラメータのタイミングを制御する(例えば、圧力、流速など)。 限定する意図ではない例示により、圧力発生装置50が酸素のより高い濃度を持つ流体のフローを生成する場合に、プロセッサ52は圧力発生装置50を制御して、センサ58の出力シグナルに基づき流体のフロー中の酸素濃度を持つ流体のフローを生成する。この実施態様で、センサ58はパルスオキシメータ(例えば、図2から4に記載され上で説明された)を含み、これは対象体46の血液中の酸化の程度(オキシヘモフロビン飽和度)に関する情報を伝達する1以上のシグナルを出力する。従って、出力シグナルは、流体のフロー中の酸素濃度についての制御が制御され得るフィードバックを提供する。例えば、センサ58の出力シグナルが対象体46の血液の酸化が閾値よりも低いことを示す場合、流体のフロー中の酸素濃度が増加される、こととなる。逆に、センサ58の出力シグナルが対象体46の血液の酸化が閾値よりも高いことを示す場合、流体のフロー中の酸素濃度が減少される、こととなる。かかる閾値は、一定で、既定であってもよいし、又は動的に決められてもよい。ある場合には、流体のフロー中の酸素濃度は、センサ58(及び/又はそれから誘導される)の出力シグナルを入力として取り込む機能により決定されることもできる。 他の例として、センサ58により生成される出力シグナルが、輸送位置又はその近くでのガスの流体のフローに関する情報を伝達するものである場合、プロセッサ52は圧力発生装置50を制御して圧力発生装置50の運転を調節することができる。例えば、プロセッサ52は、センサ58の出力シグナルに基づいて圧力発生装置50で又はその近くで流体のフローの圧力及び/又は流速を調整することができる。これには、例えば、呼気の際に流体のフローの圧力を低減することを含む(例えば、ゼロに及び/又は負圧に)。
【0037】
本発明は、現在最も実際的であり好ましい実施態様と思われるものに基づいて説明をするために詳細に記載された。しかし理解されるべきは、かかる詳細な説明は説明のためのものであり、本発明を開示された実施態様に限定することを意図するものではない、ということである。むしろこれらの変更・変法及びそれらの均等の範囲にあるものはすべて本発明の範囲に含まれる、ということである。例えば、本発明は、拡張が可能な限り、いかなる実施態様の1以上の特徴は他の全ての実施態様の特徴と組み合わせることができるものである、ということが理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上のパラメータを測定するように構成されるシステムであり、前記システムが:
主導管及び前記主導管から伸びる一組の中空突起部を含む鼻カニューレであって、前記中空突起部が対象体の前記鼻の穴に挿入されて前記主導管内の流体のフローが前記中空突起部を通じて前記対象体の前記鼻の穴と導通する、鼻カニューレ;及び
前記鼻カニューレにより担持される1以上のセンサであり、前記1以上のセンサのそれぞれの少なくとも一部分が前記中空突起部の少なくとも1つに又は直接隣接して設けられ、前記1以上のセンサが、前記対象体の前記鼻の穴及び前記鼻カニューレ間の前記流体のフローに関する少なくとも1つのパラメータに関する情報を伝達する1以上の出力シグナルを生成するように構成される、1以上のセンサを含む、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであり、さらに:
流体のフローを生成するように構成される圧力発生装置;及び
前記1以上のセンサと操作的に交信するプロセッサであり、前記プロセッサが前記圧力発生装置を制御して、前記流体のフロー中の前記ガスの1以上のガスパラメータが、前記1以上のセンサの前記1以上の出力シグナルに基づいてフィードバック様式で制御される、プロセッサを含む、システム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムであり、前記少なくとも1つのパラメータが、パルスオキシメトリ及び/又は前記鼻カニューレ内の流速の1つ又は両方を含む、システム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムであり、前記少なくとも1つのパラメータが前記対象体の生理学的パラメータを含む、システム。
【請求項5】
請求項4に記載のシステムであり、前記少なくとも1つのパラメータがパルスオキシメトリを含み、前記1以上のセンサがパルスオキシメータを含み、前記オキシメータが:
前記中空突起部が前記対象体の前記鼻の穴に挿入される場合に前記対象体の前記鼻の穴の壁上に入射する電磁波を放射するように構成される電磁波放射源;及び
前記電磁波放射源により放射された電磁波の一部であって、前記鼻の穴の前記壁を通して伝達された電磁波の一部を受け取るように構成される光感受性検出器を含む、システム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムであり、前記少なくとも1つのセンサが前記鼻カニューレから取り外し可能であり、それにより前記少なくとも1つの取り外し可能なセンサが他の鼻カニューレと共に再使用され得る、システム。
【請求項7】
パラメータを決定する方法であり、前記方法は:
流体のフローと、対象体の前記鼻の穴へ挿入されるように構成される一組の中空突起部を含む鼻カニューレを通じて対象体の前記鼻の穴と導通させ;及び
前記対象体の前記鼻の穴と前記鼻カニューレ間の前記流体のフローに関連する少なくとも1つのパラメータと関連する情報を伝達する1つ以上の出力シグナルを生成させ、前記1以上の出力シグナルが前記鼻カニューレにより担持される1以上のセンサにより生成され、それにより前記1以上のセンサのそれぞれの少なくとも一部分が前記中空突起部の少なくとも1つの上又は直接隣接して設けられる、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であり、さらに:
前記流体のフローを生成し;及び
前記1以上のセンサの前記1以上の出力シグナルに基づいて、前記流体のフローの生成の1以上のパラメータをフィードバック様式で制御する、方法。
【請求項9】
請求項7に記載の方法であり、前記少なくとも1つのパラメータが、パルスオキシメトリ及び/又は前記鼻カニューレのガスの流速の1つ又は両方を含む、方法。
【請求項10】
請求項7に記載の方であり、前記少なくとも1つのパラメータが前記対象体の生理学的パラメータである、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であり、前記少なくとも1つのパラメータがパルスオキシメトリを含み、前記少なくとも1つのパラメータに関連する情報を伝達する1以上の出力シグナルを生成し:
前記対象体の前記鼻の穴の1つの壁に電磁波を放射し;
前記鼻の穴の壁を通過した前記電磁波放射源による前記電磁放射の一部を受け取り;及び
前記電磁放射の1以上のパラメータに関する情報を伝達する出力シグナルを生成する、方法。
【請求項12】
請求項7に記載の方法であり、1以上のセンサの少なくとも1つが前記鼻カニューレから取り外し可能であり、従って前記少なくとも1つの取り外し可能なセンサが、他の鼻カニューレと共に再使用可能である、方法。
【請求項13】
パラメータを決定するように構成されるシステムであり、前記システムは:
流体のフローと、対象体の前記鼻の穴へ挿入されるように構成される一組の中空突起部を含む鼻カニューレを通じて対象体の前記鼻の穴と導通させるための手段;及び
前記対象体の前記鼻の穴と前記鼻カニューレ間の前記流体のフローに関連する少なくとも1つのパラメータと関連する情報を伝達する1つ以上の出力シグナルを生成させる手段を含み、前記1以上の出力シグナルを生成する手段が、輸送手段により担持され、
前記1以上の出力シグナルを生成する手段の少なくとも一部分が前記中空突起部の少なくとも1つに又は直接隣接して設けられる、手段を含む、システム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムであり、さらに:
前記流体のフローを生成する手段;及び
前記1以上の出力シグナルに基づいて前記流体のフローを生成するために前記手段をフィードバック様式で制御する手段を含む、システム。
【請求項15】
請求項13に記載のシステムであり、前記少なくとも1つのパラメータが、パルスオキシメトリ及び/又は前記対象体の上部気道内の流速の1つ又は両方を含む、システム。
【請求項16】
請求項13に記載のシステムであり、前記少なくとも1つのパラメータが、生理学的パラメータを含む、システム。
【請求項17】
請求項16に記載のシステムであり、前記少なくとも1つのパラメータがパルスオキシメトリを含み、前記少なくとも1つの対象体に関連するパラメータに関連する情報を伝達する1以上の出力シグナルを生成する手段が:
前記対象体の前記鼻の穴の1つの壁に電磁波を放射する手段;
前記鼻の穴の壁を通過した前記電磁波放射源による前記電磁放射の一部を受け取る手段;及び
前記電磁放射の1以上のパラメータに関する情報を伝達する出力シグナルを生成する手段を含むシステム。
【請求項18】
請求項13に記載のシステムであり、前記1以上のシグナルを生成する手段の少なくとも1つが、輸送のための手段から取り外しことができ、それにより前記1以上のシグナルを生成する手段が、輸送の手段と共に再使用できる、システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−529327(P2012−529327A)
【公表日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−514562(P2012−514562)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【国際出願番号】PCT/IB2010/052095
【国際公開番号】WO2010/143087
【国際公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】