装着具の留め構造
【課題】様々な身体部位に対して装着具を容易に、確実に、自在に且つ安全に装着・固定するための新規の留め構造を提供する。
【解決手段】少なくとも長手方向に弾性的に伸長可能である第1の帯状部と、少なくとも長手方向に弾性的に伸長可能である第2の帯状部と、を有する装身具と、第1の帯状部及び第2の帯状部が挿通される挿通穴を有する留め具と、からなる装着具の留め構造であって、第1の帯状部及び第2の帯状部の伸長状態においては第1の帯状部及び第2の帯状部が挿通穴に挿通可能であるのに対して、第1の帯状部及び第2の帯状部の非伸長状態においては第1の帯状部及び第2の帯状部が挿通穴に係止するように構成されている。
【解決手段】少なくとも長手方向に弾性的に伸長可能である第1の帯状部と、少なくとも長手方向に弾性的に伸長可能である第2の帯状部と、を有する装身具と、第1の帯状部及び第2の帯状部が挿通される挿通穴を有する留め具と、からなる装着具の留め構造であって、第1の帯状部及び第2の帯状部の伸長状態においては第1の帯状部及び第2の帯状部が挿通穴に挿通可能であるのに対して、第1の帯状部及び第2の帯状部の非伸長状態においては第1の帯状部及び第2の帯状部が挿通穴に係止するように構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、様々な身体部位に装着具を装着・固定するための留め構造に関し、特に、様々な身体部位に対して冷熱や温熱を与える蓄熱部材を適切にフィットするように装着・固定することのできる装着具の留め構造に関する。
【背景技術】
【0002】
冷熱や温熱を与えるべき身体部位が平面であることは極めて稀であり、当該身体部位が湾曲した曲面であることが多い。そして、特に、首や腰、肘や肩や膝等の関節部等の身体部位では、屈伸運動により、当該身体部位の外形の形状やサイズが様々に変化する。また、首等の身体部位を強く締め付けると窒息等の問題がある。冷熱や温熱を与えるべき身体部位の外形の形状やサイズの変化に対応するべく、如何にして容易に、確実に且つ低コストで装着具を身体部位に装着・固定させるかが検討されている。
【0003】
従来の装着具の留め構造として、例えば、冷却又は加温の作用を有するシート体の表面に粘着剤を塗布した貼着部材を準備し、冷熱や温熱を与えるべき身体部位に貼着部材を貼着する貼着式のものがある。
【0004】
また、弾性的に伸長可能な本体に蓄熱材等を収納するための収納ポケットを備えたサポーター式のものが特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平08−257049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の装着具の留め構造のうち、貼着式のものは、冷熱や温熱を与えるべき身体部位の外形の形状やサイズにほとんど影響されることなく、身体部位に対して比較的自由に貼着することができる。しかしながら、粘着剤を何度も貼着したり剥がしたりすると、次第に粘着性が低下するために、繰り返しの使用に適さない。また、かぶれやすい身体部位や毛の生えた身体部位に貼着することも適切ではない。
【0007】
特許文献1のサポーターでは、伸縮性を有する帯状の本体の内側に形成されたポケットに蓄冷剤を挿入し、本体の端部に形成された止着部に対して複数の面ファスナーを設ける構成が開示されている。面ファスナーによる係合のためには、本体の外側面に形成された係合部や外側面の全面に形成されたループ等の係合手段を面ファスナーの対向側に配設することが必要となる。これらの係合手段を広い面積で設けるならば、適宜の位置で係合させることができるので装着・固定の自由度が増すものの、これらの係合手段が一般に高価であるためにコストアップになる、あるいは外観的に美観が損なわれるという問題がある。すなわち、装着具を身体部位に装着・固定するための係合手段として面ファスナー等がしばしば用いられるが、面ファスナー等の係合手段を用いた場合には、コスト面や美観面や身体部位への適応面において問題がある。
【0008】
したがって、本発明の解決すべき技術的課題は、様々な身体部位に対して装着具を容易に、確実に、自在に且つ安全に装着・固定するための新規の留め構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記技術的課題を解決するために、本発明によれば、以下の装着具の留め構造が提供される。
【0010】
すなわち、本発明の請求項1に係る装着具の留め構造では、
少なくとも長手方向に弾性的に伸長可能である第1の帯状部と、少なくとも長手方向に弾性的に伸長可能である第2の帯状部と、を有する装身具と、
前記第1の帯状部及び第2の帯状部が挿通される挿通穴を有する留め具と、からなる装着具の留め構造であって、
前記第1の帯状部及び第2の帯状部の伸長状態においては前記第1の帯状部及び第2の帯状部が前記挿通穴に挿通可能であるのに対して、前記第1の帯状部及び第2の帯状部の非伸長状態においては前記第1の帯状部及び第2の帯状部が前記挿通穴に係止するように構成されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項2に係る装着具の留め構造では、
蓄熱部材を収容するための収容部が、前記装身具の長手方向に沿って、前記第1の帯状部及び第2の帯状部の間に設けられていることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項3に係る装着具の留め構造では、
前記第1の帯状部及び第2の帯状部が、編物から構成されることを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項4に係る装着具の留め構造では、
前記第1の帯状部及び第2の帯状部の伸長状態における長手方向の伸長度が、略20%乃至略100%であることを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項5に係る装着具の留め構造では、
前記挿通穴の開口断面積が、前記第1の帯状部及び第2の帯状部の伸長状態における断面積より大きく且つ前記第1の帯状部及び第2の帯状部の非伸長状態における断面積より小さいことを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項6に係る装着具の留め構造では、
前記挿通穴に挿通された前記第1の帯状部及び第2の帯状部が抜け出ることを防止するための抜け止め部が、前記第1の帯状部及び第2の帯状部の端部にそれぞれ設けられていることを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項7に係る装着具の留め構造では、
前記留め具が、弾性的に拡径可能なOリングからなることを特徴とする。
【0017】
本発明の請求項8に係る装着具の留め構造では、
前記留め具の内面が、前記第1の帯状部及び第2の帯状部に対して摩擦係合することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に係る本発明では、伸長可能な第1の帯状部及び第2の帯状部を有する装身具と、挿通穴を有する留め具と、からなる装身具の留め構造において、第1の帯状部及び第2の帯状部を長手方向に引き伸ばすことにより長手方向に細長くなった(伸長状態になった)第1の帯状部及び第2の帯状部を挿通穴に挿通した後、第1の帯状部及び第2の帯状部を非伸長状態にして長手直交方向(幅方向)において元の幅広状態に戻すことにより第1の帯状部及び第2の帯状部が留め具の挿通穴に係止する。その結果、第1の帯状部及び第2の帯状部の動きが留め具の挿通穴で規制されるために、装身具が留め具で留められる。また、挿通穴に挿通された第1の帯状部及び第2の帯状部を伸長状態にして留め具を長手方向に沿って動かすことにより、装身具に対する留め具の留め位置を容易に調節することができる。したがって、様々な身体部位に対して装着具を容易且つ自在に装着・固定することができるという効果を奏する。また、本発明に係る装着具の留め構造は、少なくとも長手方向に弾性的に伸長する第1の帯状部及び第2の帯状部を有する装身具と、挿通穴を有する留め具と、から構成されているので、非常に低コストで実現することができる。
【0019】
装身具は、ベルトや鉢巻きや襷のような単純な帯状の形態で使用することもできるが、請求項2に係る本発明では、収容部に収容された蓄熱部材により、様々な身体部位に冷熱や温熱を与えることができるという効果を奏する。
【0020】
請求項3に係る本発明では、様々な編物が容易に入手可能であるので、低コスト化を図ることができるという効果を奏する。
【0021】
請求項4に係る本発明では、第1の帯状部及び第2の帯状部と留め具の挿通穴との間での係合関係において、安定した係止状態の確保及び挿通のし易さのバランスが優れているという効果を奏する。
【0022】
請求項5に係る本発明では、係止状態の確保及び挿通のし易さを確実に提供するという効果を奏する。
【0023】
請求項6に係る本発明では、留め具が装身具から誤って脱落して紛失することを防止するという効果を奏する。
【0024】
請求項7に係る本発明では、挿通穴の開口断面積を変えることができ、異なった断面積を有する装身具にも対応することができるという効果を奏する。
【0025】
請求項8に係る本発明では、第1の帯状部及び第2の帯状部が留め具の挿通穴で係止されるときの係止力が向上するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第一実施形態に係る装着具の留め構造を構成する装着具及び留め具の平面図である。
【図2】図1に示した第一実施形態において、装着具を留め具に挿通する様子を説明する平面図である。
【図3】図1に示した第一実施形態において、留め具で装着具を係止した様子を説明する平面図である。
【図4】図1に示した第一実施形態において、装着具の留め構造の使用形態を説明する斜視図である。
【図5】本発明の第二実施形態に係る装着具の留め構造を構成する装着具及び留め具の平面図である。
【図6】図5に示した第二実施形態において、装着具を留め具に挿通する様子を説明する平面図である。
【図7】図5に示した第二実施形態において、留め具で装着具を係止した様子を説明する平面図である。
【図8】図5に示した第二実施形態において、装着具の留め構造の使用形態を説明する斜視図である。
【図9】本発明の第三実施形態に係る装着具の留め構造を構成する装着具及び留め具の平面図である。
【図10】図9に示した第三実施形態において、装着具を留め具に挿通する様子を説明する平面図である。
【図11】図9に示した第三実施形態において、留め具で装着具を係止した様子を説明する平面図である。
【図12】図9に示した第三実施形態において、装着具の留め構造の使用形態を説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、本発明の第一実施形態に係る装着具10及び留め具30による留め構造1について、図1乃至4を参照しながら詳細に説明する。
【0028】
図1は、本発明の第一実施形態に係る装着具10及び留め具30による留め構造1の平面図である。図1において、装着具10の留め構造1は、帯状に長手方向に延在する装着具10と、挿通穴34を有する留め具30と、から構成されている。
【0029】
留め構造1の一方を構成する装着具10は、全体として長手方向に弾性的に伸長可能な平面視略方形形状の筒状生地から構成され、短寸である長手直交方向(すなわち幅方向)においても弾性的に伸長可能である。装着具10は、その一端側に第1の帯状部12を有し、その他端側に第2の帯状部13を有する。第1の帯状部12と第2の帯状部13との間には、連結部14を介して複数の収容部15が長手方向に沿って形成・配置されている。装着具10が全体として長手方向及び長手直交方向に弾性的に伸長可能であるので、図1乃至4に示した第一実施形態に係る装着具10においては、第1の帯状部12及び第2の帯状部13、2つの連結部14及び3つの収容部15が長手方向及び長手直交方向に弾性的に伸長可能である。収容部15は、筒状生地の中央部の一部分が長手直交方向において外方に膨出したものであり、その中に蓄熱部材20が弾性的に支持された状態で収容される。装着具10は、第1の帯状部12の端部側に開口した第1端部16を、第2の帯状部13の端部側に開口した第2端部17をそれぞれ有し、当該開口端部16,17を通じて、収容部15への蓄熱部材20の出し入れを行うことができる。
【0030】
装着具10は、長手方向に弾性的に伸長することに加えて、長手直交方向にも弾性的に伸長することも可能である。長手方向に弾性的に伸長することは、後述するように、非伸長状態にある第1の帯状部12及び第2の帯状部13を長手方向に引き伸ばして、第1の帯状部12及び第2の帯状部13を留め具30の挿通穴34の中に挿通すること、及び、留め具30を第1の帯状部12及び第2の帯状部13の長手方向に沿って移動させることに利用される。さらに、伸長状態にある第1の帯状部12及び第2の帯状部13を引き伸ばすことを止めて元の非伸長状態に戻ったときに、第1の帯状部12及び第2の帯状部13が留め具30のボディ32(挿通穴34)の中で係止することに利用される。また、長手直交方向に弾性的に伸長することは、長手直交方向において外方に膨出した収容部15において蓄熱部材20を弾性的に保持することに利用される。
【0031】
伸長状態における第1の帯状部12及び第2の帯状部13の長手方向の伸長度は、留め構造1の操作性の観点、すなわち、安定した係止状態の確保及び挿通のし易さのバランスの観点から、略20%乃至略100%であり、好ましくは略40%乃至略70%である。
【0032】
装着具10の第1の帯状部12及び第2の帯状部13は、本発明に係る留め構造1のために、基本的には、少なくとも長手方向に弾性的に伸長可能であることを必要とするが、装着具10の収納部15は、上述したように長手直交方向にも弾性的に伸長することが好適である。したがって、帯状部12,13や収納部15での必要条件や使用形態を考慮すると、装着具10の素材として、長手方向及び長手直交方向に弾性的に伸長可能であるものを用いることができる。
【0033】
装着具10は、編地、織地、強撚布又はネット地、或いはスパンボンド不織布に伸縮糸又は伸縮糸と非伸縮糸を編みこんだ不織布伸縮性編地等から構成される。装着具10の生地の厚みは、使用される身体部位や素材特性、挿通穴の開口断面積と第1の帯状部12及び第2の帯状部13の断面積との関係等により適宜に決定されるが、冷熱や温熱が与えられる身体部位との密着性や追従性、耐久性あるいは取扱性等を考慮すると、例えば、0.05乃至1.5mmが好ましく、さらに0.1乃至1.0mmがより好ましい。
【0034】
様々な編物が容易に入手可能であって低コスト化を図ることができるので、装着具10が編物から構成されることが好適である。装着具10が編物から構成される場合、例えば、毛、綿、麻、絹、アクリル、ポリアミド系合成繊維、ポリウレタン合成繊維、それらの混紡により筒状に編み上げられている。その編み方はトリコット編、ラッシェル編、ミラニーズ編を含む経メリヤス及び、平型編、円形編を含む緯(ヨコ)メリヤス編み等によって仕上げられている。編み物本来の特性である伸縮性に、ゴム糸及び弾性糸による伸縮性を加えることも可能である。編物で構成された装着具10は、良好な風合い(肌触り)や通気性を提供する。本発明を限定しない装着具10の少なくとも長手方向に伸長可能な素材を例示すると、薄さ、柔らかさ、伸長度、光沢感等の面から、ポリアミド系繊維やポリエステル繊維と共にポリウレタン繊維(スパンデックス)が編みこまれている繊維を用いた、縦編みの編み地である2ウェイトリコット生地が好適である。
【0035】
装着具10が織地やネット地から構成される場合、例えば、ポリアミド系繊維、ポリエステル繊維等の合成繊維に「S撚り」、「Z撚り」等の特殊加工を施すことにより伸縮性を持たせたストレッチヤーン、テックスチヤードヤーン、コンシュゲートヤーンやポリウレタン系弾性糸等のように伸長度の大きい合繊糸を単独で編成したものや、このような合繊糸とポリエステル繊維や綿、レーヨン、ポリプロピレン、ポリエチレン、セルロース等のように伸長度の小さい繊維とを混合して編成したものが利用可能である。
【0036】
また、装着具10は、天然ゴム又は合成ゴムからなる長手方向及び長手直交方向に弾性的に伸長可能な薄膜から構成されてもよい。その場合、ゴムとしては、天然ゴム、或いはポリクロロプレンゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ポリイソブチレンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等の合成ゴムが用いられる。良好な伸長特性面から、天然ゴムが好ましい。ゴム薄膜の厚さは、ゴムの材質にもよるが、0.01乃至1mm、好ましくは0.05乃至0.5mmである。ゴム等の伸長可能な薄膜で構成された装着具10は、蓄熱部材20に対する良好な密着保持性や、冷熱や温熱が与えられる身体部位での良好な密着性を提供する。
【0037】
なお、上述した様々な伸長可能な生地や素材の表面は、微視的に見ると、微細な粗面又は凹凸面という非平滑な面となっている。したがって、第1の帯状部12及び第2の帯状部13が留め具30のボディ32(挿通穴34)の中で係止する際には、第1の帯状部12及び第2の帯状部13が元の非伸長状態に戻ろうとする弾性復元力に加えて、摩擦係合力も作用することになる。
【0038】
図1に示した実施形態では、各収容部15には1つの蓄熱部材20が収容されているが、各収容部15に複数個の蓄熱部材20が収容された態様や、1つの蓄熱部材20が小さく分割された複数個の蓄熱要素から構成された態様とすることもできる。
【0039】
蓄熱部材20は、ナイロンフィルムとポリエチレンフィルムとを積層した上下のラミネートフィルムを重ね合わせて三辺を熱圧着(熱融着)して袋状体を形成し、形成された袋状空間にゲル状の蓄熱剤を封入したあと開口部を熱圧着して密封閉止したものである。蓄熱部材20は、開口した第1端部16や第2端部17を介して収容部15の中に装着可能なように寸法構成されている。
【0040】
ラミネートフィルムとしては、エチレン・酢酸ビニル共重合体やエチレン・メチルメタクリレート共重合体等も使用可能である。後述するゲル状の蓄熱剤の成分が透過して漏出しないように、すなわち高いバリア性を得るために、ナイロンフィルムの厚みを厚くしたり、ナイロンフィルムの上にアルミニウムをコーティングしたりすることもできる。
【0041】
ゲル状の蓄熱剤としては、保冷剤として公知である様々な材料が使用可能であるが、ポリアクリル酸ナトリウムに多量の水を含んだゲル状物質や、硫酸ナトリウム10水塩(Na2SO4・10H2O)と水(H2O)とを適量調合した硫酸ナトリウム10水塩が例示される。
【0042】
蓄熱部材20は、平面視、方形形状をしており、断面視、厚みを考慮すると左右方向に大きく扁平した略楕円形状をしている。大きく扁平した略楕円形状は、ボール形状や円柱形状と比較して、冷熱や温熱が与えられる身体部位との接触領域をより大きく確保することができる。
【0043】
各蓄熱部材20の表面には、図示しない不織布が貼着固定されている。不織布は、蓄熱部材20の表面を、全面的に覆うことも可能であるが、少なくとも部分的に覆っている。不織布の表面は、微視的には粗面又は凹凸面という非平滑性を有しており、収容部15の内面と不織布の表面との間で摩擦係合力が作用することにより、蓄熱部材20が装着具10において適宜に位置決め保持される。また、不織布を介在させることにより、不織布の低熱伝導性に基づく、おだやかな冷熱や温熱を提供することができる。不織布として、スパンボンド法によって製造されたポリエステル長繊維不織布(エクール(登録商標):東洋紡製)や、スパンボンド不織布をベースにアクリル樹脂等のドット加工を施したもの(SANX NSセフティシート)を例示することができる。
【0044】
図1乃至4に示した第一実施形態に係る留め構造1の他方を構成する留め具30は、弾性的に拡径可能な円環状のボディ32と、該ボディ32の内側部分に形成される挿通穴34とを有する、例えば、ゴムやエラストマーからなるOリングである。留め具30は、平滑性を有さない素材を用いたり、ボディ32の内面に粗面又は凹凸面を形成したりすることにより、摩擦係合力を付加することができる。Oリングを留め具30として使用することは、様々な寸法形状や材質を持ったOリングが市販されているので、所望とする寸法や特性を持った留め具30の入手が容易になり、低コスト化に寄与する。
【0045】
留め具30のボディ32の素材としては、プラスチック製品(ポリエチレン樹脂やフェノール樹脂やABS樹脂やポリカーボネート樹脂等)、金属製品(アルミニウムやステンレスやチタン等)、木工製品、紙製品(段ボールや厚紙等)、マグネット製品(フェライト磁石やネオジウム磁石等)等の弾性的に拡径しない様々な素材を用いることもできる。これらの素材を用いた場合でも、ボディ32の内面に粗面又は凹凸面を形成することにより、摩擦係合力を付加することができる。
【0046】
留め具30のボディ32の形状としては、円環形状のほか、三角形状、正方形形状、長方形形状、六角形状、卵形状、楕円形状、半円形状等の様々な形状を用いることができる。これらの形状を用いた場合でも、ボディ32の内面に粗面又は凹凸面を形成することにより、摩擦係合力を付加することができる。
【0047】
留め具30の挿通穴34の開口断面積は、第1の帯状部12及び第2の帯状部13の伸長状態における断面積より大きく且つ第1の帯状部12及び第2の帯状部13の非伸長状態における断面積より小さくなるように寸法構成されている。その結果、本発明に係る留め構造1は、第1の帯状部12及び第2の帯状部13と留め具30のボディ32との間での係止状態の確保と、第1の帯状部12及び第2の帯状部13の挿通穴34への挿通のし易さと、を提供することができる。
【0048】
図2は、装着具10を留め具30に挿通する様子を説明する平面図であり、第1の帯状部12及び第2の帯状部13の第1端部16及び第2端部17を長手方向に引き伸ばすと第1の帯状部12及び第2の帯状部13のうち第1端部16及び第2端部17の側の部分が長手方向に細長くなり、挿通穴34の開口部分の断面積よりも小さくなるので、細長くなった細長伸長部8を留め具30の挿通穴34に挿通することができる。
【0049】
図3は、留め具30で装着具10を係止した様子を説明する平面図であり、引き伸ばすことを止めると、弾性的に引き伸ばされていた細長伸長部8には弾性復元力が働いて、元のサイズに戻ろうとする。細長伸長部8と留め具30のボディ32とが重なり合う部分では、細長伸長部8が長手直交方向(幅方向)において元の幅広サイズに戻ろうとする。細長伸長部8のうち元の幅広サイズに戻ろうとする部分である係合ネック部6での断面積が、挿通穴34の開口部分の断面積よりも大きくなることができないために、第1の帯状部12及び第2の帯状部13の係合ネック部6が留め具30のボディ32(挿通穴34)と係止することになる。その結果、第1の帯状部12及び第2の帯状部13の動きが、係合ネック部6と留め具30のボディ32との間での係合によって規制されるために、装身具10を留め具30で留めることができる。なお、係合ネック部6は、実質的に元の幅広サイズに戻った状態にあるので、非伸長状態にあると考えることができる。
【0050】
図4は、第一実施形態に係る装着具10の留め構造1の使用形態を説明する斜視図である。装着具10は、額部や眼球部や後頭部等の頭部、首から腰への脊椎部、肘や肩や膝等の関節部等の冷熱や温熱を与えるべき様々な身体部位に沿うように円環状に巻き回される。図2及び3に示した態様を組み合わせることにより、第1の帯状部12及び第2の帯状部13の係合ネック部6が留め具30のボディ32(挿通穴34)で係止された状態を作り出すことができる。そして、蓄熱部材20の収容された収容部15が所望とする位置になるように位置決めした状態で、挿通穴34に挿通された第1の帯状部12及び第2の帯状部13の係合ネック部6を長手方向に引き伸ばして伸長状態にし、留め具30を長手方向に沿って動かすことにより、装身具10に対する留め具30の留め位置及び締め付け具合を容易且つ正確に調節することができる。したがって、第一実施形態に係る装着具10の留め構造1は、冷熱や温熱を与えるべき身体部位に対して装着具10の蓄熱部材20を容易に、確実に、自在に且つ安全に装着・固定することができるという効果を奏する。また、本発明に係る装着具10の留め構造1は、少なくとも長手方向に弾性的に伸長する第1の帯状部12及び第2の帯状部13を有する装身具10と、挿通穴34を有する留め具30と、からなるので、非常に低コストで実現することができる。
【0051】
次に、本発明の第二実施形態に係る装着具10の留め構造1について、図5乃至8を参照しながら説明する。
【0052】
当該第二実施形態では、上述した第一実施形態に係る装着具10との比較で、装着具10が長手方向に延在する一つの収容部15を有し、装着具10の第1端部16及び第2端部17がそれぞれ抜け止め部18を有することを特徴としている。したがって、当該第二実施形態における装着具の留め構造1の基本構造は、第一実施形態における装着具10の留め構造1と類似しているので、相違点を中心に以下に説明する。
【0053】
本発明の第二実施形態に係る装着具10の留め構造1は、図5に示すように、帯状に長手方向に延在する装着具10と、挿通穴34を有する留め具30と、から構成されている。
【0054】
留め構造1の一方を構成する装着具10は、全体として長手方向に弾性的に伸長可能な平面視略方形形状の筒状生地から構成され、短寸である長手直交方向(すなわち幅方向)においても弾性的に伸長可能である。装着具10は、その一端側に第1の帯状部12を有し、その他端側に第2の帯状部13を有する。第1の帯状部12と第2の帯状部13との間には、1つの収容部15が長手方向に沿って形成・配置されている。装着具10が全体として長手方向及び長手直交方向に弾性的に伸長可能であるので、図5乃至8に示した第二実施形態に係る装着具10においては、第1の帯状部12及び第2の帯状部13、及び1つの収容部15が長手方向及び長手直交方向に弾性的に伸長可能である。収容部15は、筒状生地の中央部の一部分が長手直交方向において外方に膨出したものであり、その中に蓄熱部材20が弾性的に支持された状態で収容される。装着具10は、第1の帯状部12の端部側に開口した第1端部16を、第2の帯状部13の端部側に開口した第2端部17をそれぞれ有し、当該開口端部16,17を通じて、収容部15への蓄熱部材20の出し入れを行うことができる。
【0055】
第1端部16及び第2端部17においては、それらの端部が内側に折り返されており、内側に折り返された厚み分だけ、第1端部16及び第2端部17における全体厚みが増加する。第1端部16及び第2端部17を折り返した場合の各厚みは、折り返されていない第1の帯状部12及び第2の帯状部13の部分の厚みの略2倍に増加する。そして、第1端部16及び第2端部17が重なり合った場合には、第1端部16及び第2端部17が重なり合った部分の全体厚みが、折り返されていない第1の帯状部12及び第2の帯状部13の部分の厚みの略2倍に増加する。すなわち、第1端部16及び第2端部17が重なり合った部分の全体断面積が、第1端部16及び第2端部17が重なり合った場合の断面積も略2倍に増加する。
【0056】
また、第1端部16及び第2端部17が重なり合っていない場合には、第1端部16及び第2端部17のいずれか一方と折り返されていない第1の帯状部12及び第2の帯状部13のいずれか他方とが重なり合うことになるために、第1端部16及び第2端部17が重なり合った部分の全体厚みが、折り返されていない第1の帯状部12及び第2の帯状部13の部分の厚みの略1.5倍に増加する。すなわち、第1端部16及び第2端部17が重なり合った部分の全体断面積が、第1端部16及び第2端部17が重なり合っていない場合の断面積も略1.5倍に増加する。
【0057】
いずれの場合においても、折り返された第1端部16及び第2端部17の部分が、折り返されていない第1の帯状部12及び第2の帯状部13の部分よりも肉厚・大断面積になっている。その結果、留め具30は、折り返されていない第1の帯状部12及び第2の帯状部13の部分においてはスムーズに挿通することができるが、重なり合った場合あるいは重なり合っていない場合の第1の帯状部12及び第2の帯状部13の部分においては引っ掛かりとなってスムーズに移動することができない。したがって、内側に折り返された第1端部16及び第2端部17は、挿通穴34に挿通された第1の帯状部12及び第2の帯状部13が抜け出ることを防止するための抜け止め部として機能するので、留め具30が装身具10から誤って脱落して紛失することを防止するという効果を奏する。
【0058】
図8は、第二実施形態に係る装着具10の留め構造1の使用形態を説明する斜視図である。装着具10は、額部や眼球部や後頭部等の頭部、首から腰への脊椎部、肘や肩や膝等の関節部等の冷熱や温熱を与えるべき様々な身体部位に沿うように円環状に巻き回される。図6及び7に示した態様を組み合わせることにより、第1の帯状部12及び第2の帯状部13の係合ネック部6が留め具30のボディ32(挿通穴34)で係止された状態を作り出すことができる。そして、蓄熱部材20の収容された収容部15が所望とする位置になるように位置決めした状態で、挿通穴34に挿通された第1の帯状部12及び第2の帯状部13の係合ネック部6を長手方向に引き伸ばして伸長状態にし、留め具30を長手方向に沿って動かすことにより、装身具10に対する留め具30の留め位置及び締め付け具合を容易且つ正確に調節することができる。さらに、内側に折り返された第1端部16及び第2端部17により、留め具30が装身具10から誤って脱落して紛失することを防止することができる。したがって、第二実施形態に係る装着具10の留め構造1は、冷熱や温熱を与えるべき身体部位に対して装着具10の蓄熱部材20を容易に、確実に、自在に且つ安全に装着・固定することができるという効果を奏する。
【0059】
次に、本発明の第三実施形態に係る装着具10の留め構造1について、図9乃至12を参照しながら説明する。
【0060】
当該第三実施形態では、上述した第二実施形態に係る装着具10との比較で、装着具10が長手方向に延在する一つの収容バッグ40を有するものの、収容バッグ40が少なくとも長手方向に弾性的に伸長不可であることを特徴としている。なお、第二実施形態のように、第1端部16及び第2端部17の部分が内側に折り返されておらず、いわゆる留め具30の抜け止め部を備えていない。したがって、当該第三実施形態における装着具の留め構造1の基本構造は、第一実施形態における装着具10の留め構造1と類似しているので、相違点を中心に以下に説明する。
【0061】
本発明の第三実施形態に係る装着具10の留め構造1は、図9に示すように、帯状に長手方向に延在する装着具10と、挿通穴34を有する留め具30と、から構成されている。
【0062】
留め構造1の一方を構成する装着具10は、その一端側に第1の帯状部12を有し、その他端側に第2の帯状部13を有する。第1の帯状部12及び第2の帯状部13は、長手方向に弾性的に伸長可能な平面視略方形形状の筒状生地から構成され、短寸である長手直交方向(すなわち幅方向)においても弾性的に伸長可能である。第1の帯状部12と第2の帯状部13との間には、1つの収容バッグ40が長手方向に沿って配置・取り付けされている。
【0063】
当該収容バッグ40は、少なくとも長手方向に弾性的に伸長不可である生地や素材から作成されている。収容バッグ40は、例えば、木綿、麻、ポリエステル等からなる布地製品、ポリアミド樹脂やポリエチレン樹脂等からなる合成樹脂シート製品、不織布、皮革製品等の生地や素材からなる。第1の帯状部12及び第2の帯状部13が少なくとも長手方向に弾性的に伸長可能であるのに対して収容バッグ40が少なくとも長手方向に弾性的に伸長不可であるので、装着具10は、部分的に、少なくとも長手方向に弾性的に伸長可能であるように構成されている。
【0064】
収容バッグ40は、長手方向に延在する方形形状をした袋体であり、蓄熱部材20が収容される収容本体部42と、収容本体部42に収容された蓄熱部材20が出し入れされる開閉蓋部43と、開閉蓋部43の開閉を制御する係着具44(例えば、ホックや面ファスナー等)と、を備えている。収容バッグ40の左右の接続固着部46は、縫製や接着や溶着等の公知の固着方法により、第1の帯状部12及び第2の帯状部13に対してそれぞれ固着されている。蓄熱部材20は、開閉蓋部43を介して出し入れされるので、第1端部16及び第2端部17が必ずしも開口している必要が無い。また、第1の帯状部12及び第2の帯状部13が先端側(すなわち第1端部16及び第2端部17の側)にいくに従って先細にすることもできる。第1端部16及び第2端部17を先細形状にすることで、第1端部16及び第2端部17の挿通穴34への挿通が容易になる。
【0065】
図12は、第三実施形態に係る装着具10の留め構造1の使用形態を説明する斜視図である。装着具10は、額部や眼球部や後頭部等の頭部、首から腰への脊椎部、肘や肩や膝等の関節部等の冷熱や温熱を与えるべき様々な身体部位に沿うように円環状に巻き回される。図10及び11に示した態様を組み合わせることにより、第1の帯状部12及び第2の帯状部13の係合ネック部6が留め具30のボディ32(挿通穴34)で係止された状態を作り出すことができる。そして、蓄熱部材20の収容された収容バッグ40が所望とする位置になるように位置決めした状態で、挿通穴34に挿通された第1の帯状部12及び第2の帯状部13の係合ネック部6を長手方向に引き伸ばして伸長状態にし、留め具30を長手方向に沿って動かすことにより、装身具10に対する留め具30の留め位置及び締め付け具合を容易且つ正確に調節することができる。さらに、収容バッグ40において、開閉蓋部43を介して蓄熱部材20を出し入れすることにより、蓄熱部材20の交換が容易になる。したがって、第三実施形態に係る装着具10の留め構造1は、装着具10が部分的に少なくとも長手方向に弾性的に伸長可能であるように構成されているために、第一実施形態及び第二実施形態として示した長手方向の全長にわたって弾性的に伸長可能であるものよりも、冷熱や温熱を与えるべき身体部位に対する密着性が若干劣るものの、当該身体部位に対して装着具10の蓄熱部材20を容易に、確実に、自在に且つ安全に装着・固定することができるという効果を奏する。
【0066】
なお、本願発明において、冷熱や温熱を与えるべき対象は、人間に限られず、犬や猫や牛や馬等の動物であっても良いことは言うまでもない。
【0067】
装着具10を装着する対象は、上述したように、額部や眼球部や後頭部等の頭部、首から腰への脊椎部、肘や肩や膝等の関節部等の様々な身体部位であるが、首に巻き付けて装着するような場合には本発明の留め構造1は特に有効である。すなわち、装着具10が誤って首に強く巻き付けられて装着されたとしても、第1の帯状部12及び第2の帯状部13が長手方向に伸長して留め具30との係止位置が緩くなる方向に動くことが可能になるので、首が絞まって窒息することを防止することができ、非常に安全な構造になっている。
【0068】
また、蓄熱部材20は、冷蔵庫等で冷却する場合には冷熱剤として使用され、電子レンジ等で加熱される場合には温熱剤として使用される。さらに、上記第一乃至第三実施形態では、装身具10が冷熱や温熱を与える蓄熱部材20を収容する収容部15や収容バッグ40を備える構成について説明したが、装身具10は、収容部15や収容バッグ40を備えることなく第1の帯状部12及び第2の帯状部13だけを備える形態で、例えばベルトや鉢巻きや襷のような形態で、使用することもできる。
【0069】
本発明の実施形態を説明する図面のうち、図1乃至3、図5乃至7及び図9乃至11の平面図においては、第1の帯状部12及び第2の帯状部13に関して長手方向の寸法の一部分を省略して図示している。第1の帯状部12及び第2の帯状部13の長手方向長さは、冷熱や温熱を与えるべき身体部位の長手方向長さとの兼ね合いで決まるべきものである。本発明に係る装着具10の留め構造1では、第1の帯状部12及び第2の帯状部13に対する留め具30の係止位置により、装着具10の身体部位に対する巻き回し長さを調節することができる。一つの装着具10でできるだけ様々なサイズの身体部位にも適用できるように、第1の帯状部12及び第2の帯状部13の長手方向長さを長め(例えば、略10乃至略30cm)に設定しておくことができる。逆に、装着具の身体部位への装着・固定後の第1の帯状部12及び第2の帯状部13が余剰部分とならないように、第1の帯状部12及び第2の帯状部13の長手方向長さを短め(例えば、略2乃至略5cm)に設定しておくこともできる。
【符号の説明】
【0070】
1:留め構造
6:係合ネック部(非伸長状態)
8:細長伸長部(伸長状態)
10:装着具
12:第1の帯状部
13:第2の帯状部
14:連結部
15:収容部
16:第1端部
17:第2端部
18:抜け止め部
20:蓄熱部材
30:留め具
32:ボディ
34:挿通穴
40:収容バッグ
42:収容本体部
43:開閉蓋部
44:係着具
46:接続固着部
【技術分野】
【0001】
本発明は、様々な身体部位に装着具を装着・固定するための留め構造に関し、特に、様々な身体部位に対して冷熱や温熱を与える蓄熱部材を適切にフィットするように装着・固定することのできる装着具の留め構造に関する。
【背景技術】
【0002】
冷熱や温熱を与えるべき身体部位が平面であることは極めて稀であり、当該身体部位が湾曲した曲面であることが多い。そして、特に、首や腰、肘や肩や膝等の関節部等の身体部位では、屈伸運動により、当該身体部位の外形の形状やサイズが様々に変化する。また、首等の身体部位を強く締め付けると窒息等の問題がある。冷熱や温熱を与えるべき身体部位の外形の形状やサイズの変化に対応するべく、如何にして容易に、確実に且つ低コストで装着具を身体部位に装着・固定させるかが検討されている。
【0003】
従来の装着具の留め構造として、例えば、冷却又は加温の作用を有するシート体の表面に粘着剤を塗布した貼着部材を準備し、冷熱や温熱を与えるべき身体部位に貼着部材を貼着する貼着式のものがある。
【0004】
また、弾性的に伸長可能な本体に蓄熱材等を収納するための収納ポケットを備えたサポーター式のものが特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平08−257049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の装着具の留め構造のうち、貼着式のものは、冷熱や温熱を与えるべき身体部位の外形の形状やサイズにほとんど影響されることなく、身体部位に対して比較的自由に貼着することができる。しかしながら、粘着剤を何度も貼着したり剥がしたりすると、次第に粘着性が低下するために、繰り返しの使用に適さない。また、かぶれやすい身体部位や毛の生えた身体部位に貼着することも適切ではない。
【0007】
特許文献1のサポーターでは、伸縮性を有する帯状の本体の内側に形成されたポケットに蓄冷剤を挿入し、本体の端部に形成された止着部に対して複数の面ファスナーを設ける構成が開示されている。面ファスナーによる係合のためには、本体の外側面に形成された係合部や外側面の全面に形成されたループ等の係合手段を面ファスナーの対向側に配設することが必要となる。これらの係合手段を広い面積で設けるならば、適宜の位置で係合させることができるので装着・固定の自由度が増すものの、これらの係合手段が一般に高価であるためにコストアップになる、あるいは外観的に美観が損なわれるという問題がある。すなわち、装着具を身体部位に装着・固定するための係合手段として面ファスナー等がしばしば用いられるが、面ファスナー等の係合手段を用いた場合には、コスト面や美観面や身体部位への適応面において問題がある。
【0008】
したがって、本発明の解決すべき技術的課題は、様々な身体部位に対して装着具を容易に、確実に、自在に且つ安全に装着・固定するための新規の留め構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記技術的課題を解決するために、本発明によれば、以下の装着具の留め構造が提供される。
【0010】
すなわち、本発明の請求項1に係る装着具の留め構造では、
少なくとも長手方向に弾性的に伸長可能である第1の帯状部と、少なくとも長手方向に弾性的に伸長可能である第2の帯状部と、を有する装身具と、
前記第1の帯状部及び第2の帯状部が挿通される挿通穴を有する留め具と、からなる装着具の留め構造であって、
前記第1の帯状部及び第2の帯状部の伸長状態においては前記第1の帯状部及び第2の帯状部が前記挿通穴に挿通可能であるのに対して、前記第1の帯状部及び第2の帯状部の非伸長状態においては前記第1の帯状部及び第2の帯状部が前記挿通穴に係止するように構成されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項2に係る装着具の留め構造では、
蓄熱部材を収容するための収容部が、前記装身具の長手方向に沿って、前記第1の帯状部及び第2の帯状部の間に設けられていることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項3に係る装着具の留め構造では、
前記第1の帯状部及び第2の帯状部が、編物から構成されることを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項4に係る装着具の留め構造では、
前記第1の帯状部及び第2の帯状部の伸長状態における長手方向の伸長度が、略20%乃至略100%であることを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項5に係る装着具の留め構造では、
前記挿通穴の開口断面積が、前記第1の帯状部及び第2の帯状部の伸長状態における断面積より大きく且つ前記第1の帯状部及び第2の帯状部の非伸長状態における断面積より小さいことを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項6に係る装着具の留め構造では、
前記挿通穴に挿通された前記第1の帯状部及び第2の帯状部が抜け出ることを防止するための抜け止め部が、前記第1の帯状部及び第2の帯状部の端部にそれぞれ設けられていることを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項7に係る装着具の留め構造では、
前記留め具が、弾性的に拡径可能なOリングからなることを特徴とする。
【0017】
本発明の請求項8に係る装着具の留め構造では、
前記留め具の内面が、前記第1の帯状部及び第2の帯状部に対して摩擦係合することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に係る本発明では、伸長可能な第1の帯状部及び第2の帯状部を有する装身具と、挿通穴を有する留め具と、からなる装身具の留め構造において、第1の帯状部及び第2の帯状部を長手方向に引き伸ばすことにより長手方向に細長くなった(伸長状態になった)第1の帯状部及び第2の帯状部を挿通穴に挿通した後、第1の帯状部及び第2の帯状部を非伸長状態にして長手直交方向(幅方向)において元の幅広状態に戻すことにより第1の帯状部及び第2の帯状部が留め具の挿通穴に係止する。その結果、第1の帯状部及び第2の帯状部の動きが留め具の挿通穴で規制されるために、装身具が留め具で留められる。また、挿通穴に挿通された第1の帯状部及び第2の帯状部を伸長状態にして留め具を長手方向に沿って動かすことにより、装身具に対する留め具の留め位置を容易に調節することができる。したがって、様々な身体部位に対して装着具を容易且つ自在に装着・固定することができるという効果を奏する。また、本発明に係る装着具の留め構造は、少なくとも長手方向に弾性的に伸長する第1の帯状部及び第2の帯状部を有する装身具と、挿通穴を有する留め具と、から構成されているので、非常に低コストで実現することができる。
【0019】
装身具は、ベルトや鉢巻きや襷のような単純な帯状の形態で使用することもできるが、請求項2に係る本発明では、収容部に収容された蓄熱部材により、様々な身体部位に冷熱や温熱を与えることができるという効果を奏する。
【0020】
請求項3に係る本発明では、様々な編物が容易に入手可能であるので、低コスト化を図ることができるという効果を奏する。
【0021】
請求項4に係る本発明では、第1の帯状部及び第2の帯状部と留め具の挿通穴との間での係合関係において、安定した係止状態の確保及び挿通のし易さのバランスが優れているという効果を奏する。
【0022】
請求項5に係る本発明では、係止状態の確保及び挿通のし易さを確実に提供するという効果を奏する。
【0023】
請求項6に係る本発明では、留め具が装身具から誤って脱落して紛失することを防止するという効果を奏する。
【0024】
請求項7に係る本発明では、挿通穴の開口断面積を変えることができ、異なった断面積を有する装身具にも対応することができるという効果を奏する。
【0025】
請求項8に係る本発明では、第1の帯状部及び第2の帯状部が留め具の挿通穴で係止されるときの係止力が向上するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第一実施形態に係る装着具の留め構造を構成する装着具及び留め具の平面図である。
【図2】図1に示した第一実施形態において、装着具を留め具に挿通する様子を説明する平面図である。
【図3】図1に示した第一実施形態において、留め具で装着具を係止した様子を説明する平面図である。
【図4】図1に示した第一実施形態において、装着具の留め構造の使用形態を説明する斜視図である。
【図5】本発明の第二実施形態に係る装着具の留め構造を構成する装着具及び留め具の平面図である。
【図6】図5に示した第二実施形態において、装着具を留め具に挿通する様子を説明する平面図である。
【図7】図5に示した第二実施形態において、留め具で装着具を係止した様子を説明する平面図である。
【図8】図5に示した第二実施形態において、装着具の留め構造の使用形態を説明する斜視図である。
【図9】本発明の第三実施形態に係る装着具の留め構造を構成する装着具及び留め具の平面図である。
【図10】図9に示した第三実施形態において、装着具を留め具に挿通する様子を説明する平面図である。
【図11】図9に示した第三実施形態において、留め具で装着具を係止した様子を説明する平面図である。
【図12】図9に示した第三実施形態において、装着具の留め構造の使用形態を説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、本発明の第一実施形態に係る装着具10及び留め具30による留め構造1について、図1乃至4を参照しながら詳細に説明する。
【0028】
図1は、本発明の第一実施形態に係る装着具10及び留め具30による留め構造1の平面図である。図1において、装着具10の留め構造1は、帯状に長手方向に延在する装着具10と、挿通穴34を有する留め具30と、から構成されている。
【0029】
留め構造1の一方を構成する装着具10は、全体として長手方向に弾性的に伸長可能な平面視略方形形状の筒状生地から構成され、短寸である長手直交方向(すなわち幅方向)においても弾性的に伸長可能である。装着具10は、その一端側に第1の帯状部12を有し、その他端側に第2の帯状部13を有する。第1の帯状部12と第2の帯状部13との間には、連結部14を介して複数の収容部15が長手方向に沿って形成・配置されている。装着具10が全体として長手方向及び長手直交方向に弾性的に伸長可能であるので、図1乃至4に示した第一実施形態に係る装着具10においては、第1の帯状部12及び第2の帯状部13、2つの連結部14及び3つの収容部15が長手方向及び長手直交方向に弾性的に伸長可能である。収容部15は、筒状生地の中央部の一部分が長手直交方向において外方に膨出したものであり、その中に蓄熱部材20が弾性的に支持された状態で収容される。装着具10は、第1の帯状部12の端部側に開口した第1端部16を、第2の帯状部13の端部側に開口した第2端部17をそれぞれ有し、当該開口端部16,17を通じて、収容部15への蓄熱部材20の出し入れを行うことができる。
【0030】
装着具10は、長手方向に弾性的に伸長することに加えて、長手直交方向にも弾性的に伸長することも可能である。長手方向に弾性的に伸長することは、後述するように、非伸長状態にある第1の帯状部12及び第2の帯状部13を長手方向に引き伸ばして、第1の帯状部12及び第2の帯状部13を留め具30の挿通穴34の中に挿通すること、及び、留め具30を第1の帯状部12及び第2の帯状部13の長手方向に沿って移動させることに利用される。さらに、伸長状態にある第1の帯状部12及び第2の帯状部13を引き伸ばすことを止めて元の非伸長状態に戻ったときに、第1の帯状部12及び第2の帯状部13が留め具30のボディ32(挿通穴34)の中で係止することに利用される。また、長手直交方向に弾性的に伸長することは、長手直交方向において外方に膨出した収容部15において蓄熱部材20を弾性的に保持することに利用される。
【0031】
伸長状態における第1の帯状部12及び第2の帯状部13の長手方向の伸長度は、留め構造1の操作性の観点、すなわち、安定した係止状態の確保及び挿通のし易さのバランスの観点から、略20%乃至略100%であり、好ましくは略40%乃至略70%である。
【0032】
装着具10の第1の帯状部12及び第2の帯状部13は、本発明に係る留め構造1のために、基本的には、少なくとも長手方向に弾性的に伸長可能であることを必要とするが、装着具10の収納部15は、上述したように長手直交方向にも弾性的に伸長することが好適である。したがって、帯状部12,13や収納部15での必要条件や使用形態を考慮すると、装着具10の素材として、長手方向及び長手直交方向に弾性的に伸長可能であるものを用いることができる。
【0033】
装着具10は、編地、織地、強撚布又はネット地、或いはスパンボンド不織布に伸縮糸又は伸縮糸と非伸縮糸を編みこんだ不織布伸縮性編地等から構成される。装着具10の生地の厚みは、使用される身体部位や素材特性、挿通穴の開口断面積と第1の帯状部12及び第2の帯状部13の断面積との関係等により適宜に決定されるが、冷熱や温熱が与えられる身体部位との密着性や追従性、耐久性あるいは取扱性等を考慮すると、例えば、0.05乃至1.5mmが好ましく、さらに0.1乃至1.0mmがより好ましい。
【0034】
様々な編物が容易に入手可能であって低コスト化を図ることができるので、装着具10が編物から構成されることが好適である。装着具10が編物から構成される場合、例えば、毛、綿、麻、絹、アクリル、ポリアミド系合成繊維、ポリウレタン合成繊維、それらの混紡により筒状に編み上げられている。その編み方はトリコット編、ラッシェル編、ミラニーズ編を含む経メリヤス及び、平型編、円形編を含む緯(ヨコ)メリヤス編み等によって仕上げられている。編み物本来の特性である伸縮性に、ゴム糸及び弾性糸による伸縮性を加えることも可能である。編物で構成された装着具10は、良好な風合い(肌触り)や通気性を提供する。本発明を限定しない装着具10の少なくとも長手方向に伸長可能な素材を例示すると、薄さ、柔らかさ、伸長度、光沢感等の面から、ポリアミド系繊維やポリエステル繊維と共にポリウレタン繊維(スパンデックス)が編みこまれている繊維を用いた、縦編みの編み地である2ウェイトリコット生地が好適である。
【0035】
装着具10が織地やネット地から構成される場合、例えば、ポリアミド系繊維、ポリエステル繊維等の合成繊維に「S撚り」、「Z撚り」等の特殊加工を施すことにより伸縮性を持たせたストレッチヤーン、テックスチヤードヤーン、コンシュゲートヤーンやポリウレタン系弾性糸等のように伸長度の大きい合繊糸を単独で編成したものや、このような合繊糸とポリエステル繊維や綿、レーヨン、ポリプロピレン、ポリエチレン、セルロース等のように伸長度の小さい繊維とを混合して編成したものが利用可能である。
【0036】
また、装着具10は、天然ゴム又は合成ゴムからなる長手方向及び長手直交方向に弾性的に伸長可能な薄膜から構成されてもよい。その場合、ゴムとしては、天然ゴム、或いはポリクロロプレンゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ポリイソブチレンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等の合成ゴムが用いられる。良好な伸長特性面から、天然ゴムが好ましい。ゴム薄膜の厚さは、ゴムの材質にもよるが、0.01乃至1mm、好ましくは0.05乃至0.5mmである。ゴム等の伸長可能な薄膜で構成された装着具10は、蓄熱部材20に対する良好な密着保持性や、冷熱や温熱が与えられる身体部位での良好な密着性を提供する。
【0037】
なお、上述した様々な伸長可能な生地や素材の表面は、微視的に見ると、微細な粗面又は凹凸面という非平滑な面となっている。したがって、第1の帯状部12及び第2の帯状部13が留め具30のボディ32(挿通穴34)の中で係止する際には、第1の帯状部12及び第2の帯状部13が元の非伸長状態に戻ろうとする弾性復元力に加えて、摩擦係合力も作用することになる。
【0038】
図1に示した実施形態では、各収容部15には1つの蓄熱部材20が収容されているが、各収容部15に複数個の蓄熱部材20が収容された態様や、1つの蓄熱部材20が小さく分割された複数個の蓄熱要素から構成された態様とすることもできる。
【0039】
蓄熱部材20は、ナイロンフィルムとポリエチレンフィルムとを積層した上下のラミネートフィルムを重ね合わせて三辺を熱圧着(熱融着)して袋状体を形成し、形成された袋状空間にゲル状の蓄熱剤を封入したあと開口部を熱圧着して密封閉止したものである。蓄熱部材20は、開口した第1端部16や第2端部17を介して収容部15の中に装着可能なように寸法構成されている。
【0040】
ラミネートフィルムとしては、エチレン・酢酸ビニル共重合体やエチレン・メチルメタクリレート共重合体等も使用可能である。後述するゲル状の蓄熱剤の成分が透過して漏出しないように、すなわち高いバリア性を得るために、ナイロンフィルムの厚みを厚くしたり、ナイロンフィルムの上にアルミニウムをコーティングしたりすることもできる。
【0041】
ゲル状の蓄熱剤としては、保冷剤として公知である様々な材料が使用可能であるが、ポリアクリル酸ナトリウムに多量の水を含んだゲル状物質や、硫酸ナトリウム10水塩(Na2SO4・10H2O)と水(H2O)とを適量調合した硫酸ナトリウム10水塩が例示される。
【0042】
蓄熱部材20は、平面視、方形形状をしており、断面視、厚みを考慮すると左右方向に大きく扁平した略楕円形状をしている。大きく扁平した略楕円形状は、ボール形状や円柱形状と比較して、冷熱や温熱が与えられる身体部位との接触領域をより大きく確保することができる。
【0043】
各蓄熱部材20の表面には、図示しない不織布が貼着固定されている。不織布は、蓄熱部材20の表面を、全面的に覆うことも可能であるが、少なくとも部分的に覆っている。不織布の表面は、微視的には粗面又は凹凸面という非平滑性を有しており、収容部15の内面と不織布の表面との間で摩擦係合力が作用することにより、蓄熱部材20が装着具10において適宜に位置決め保持される。また、不織布を介在させることにより、不織布の低熱伝導性に基づく、おだやかな冷熱や温熱を提供することができる。不織布として、スパンボンド法によって製造されたポリエステル長繊維不織布(エクール(登録商標):東洋紡製)や、スパンボンド不織布をベースにアクリル樹脂等のドット加工を施したもの(SANX NSセフティシート)を例示することができる。
【0044】
図1乃至4に示した第一実施形態に係る留め構造1の他方を構成する留め具30は、弾性的に拡径可能な円環状のボディ32と、該ボディ32の内側部分に形成される挿通穴34とを有する、例えば、ゴムやエラストマーからなるOリングである。留め具30は、平滑性を有さない素材を用いたり、ボディ32の内面に粗面又は凹凸面を形成したりすることにより、摩擦係合力を付加することができる。Oリングを留め具30として使用することは、様々な寸法形状や材質を持ったOリングが市販されているので、所望とする寸法や特性を持った留め具30の入手が容易になり、低コスト化に寄与する。
【0045】
留め具30のボディ32の素材としては、プラスチック製品(ポリエチレン樹脂やフェノール樹脂やABS樹脂やポリカーボネート樹脂等)、金属製品(アルミニウムやステンレスやチタン等)、木工製品、紙製品(段ボールや厚紙等)、マグネット製品(フェライト磁石やネオジウム磁石等)等の弾性的に拡径しない様々な素材を用いることもできる。これらの素材を用いた場合でも、ボディ32の内面に粗面又は凹凸面を形成することにより、摩擦係合力を付加することができる。
【0046】
留め具30のボディ32の形状としては、円環形状のほか、三角形状、正方形形状、長方形形状、六角形状、卵形状、楕円形状、半円形状等の様々な形状を用いることができる。これらの形状を用いた場合でも、ボディ32の内面に粗面又は凹凸面を形成することにより、摩擦係合力を付加することができる。
【0047】
留め具30の挿通穴34の開口断面積は、第1の帯状部12及び第2の帯状部13の伸長状態における断面積より大きく且つ第1の帯状部12及び第2の帯状部13の非伸長状態における断面積より小さくなるように寸法構成されている。その結果、本発明に係る留め構造1は、第1の帯状部12及び第2の帯状部13と留め具30のボディ32との間での係止状態の確保と、第1の帯状部12及び第2の帯状部13の挿通穴34への挿通のし易さと、を提供することができる。
【0048】
図2は、装着具10を留め具30に挿通する様子を説明する平面図であり、第1の帯状部12及び第2の帯状部13の第1端部16及び第2端部17を長手方向に引き伸ばすと第1の帯状部12及び第2の帯状部13のうち第1端部16及び第2端部17の側の部分が長手方向に細長くなり、挿通穴34の開口部分の断面積よりも小さくなるので、細長くなった細長伸長部8を留め具30の挿通穴34に挿通することができる。
【0049】
図3は、留め具30で装着具10を係止した様子を説明する平面図であり、引き伸ばすことを止めると、弾性的に引き伸ばされていた細長伸長部8には弾性復元力が働いて、元のサイズに戻ろうとする。細長伸長部8と留め具30のボディ32とが重なり合う部分では、細長伸長部8が長手直交方向(幅方向)において元の幅広サイズに戻ろうとする。細長伸長部8のうち元の幅広サイズに戻ろうとする部分である係合ネック部6での断面積が、挿通穴34の開口部分の断面積よりも大きくなることができないために、第1の帯状部12及び第2の帯状部13の係合ネック部6が留め具30のボディ32(挿通穴34)と係止することになる。その結果、第1の帯状部12及び第2の帯状部13の動きが、係合ネック部6と留め具30のボディ32との間での係合によって規制されるために、装身具10を留め具30で留めることができる。なお、係合ネック部6は、実質的に元の幅広サイズに戻った状態にあるので、非伸長状態にあると考えることができる。
【0050】
図4は、第一実施形態に係る装着具10の留め構造1の使用形態を説明する斜視図である。装着具10は、額部や眼球部や後頭部等の頭部、首から腰への脊椎部、肘や肩や膝等の関節部等の冷熱や温熱を与えるべき様々な身体部位に沿うように円環状に巻き回される。図2及び3に示した態様を組み合わせることにより、第1の帯状部12及び第2の帯状部13の係合ネック部6が留め具30のボディ32(挿通穴34)で係止された状態を作り出すことができる。そして、蓄熱部材20の収容された収容部15が所望とする位置になるように位置決めした状態で、挿通穴34に挿通された第1の帯状部12及び第2の帯状部13の係合ネック部6を長手方向に引き伸ばして伸長状態にし、留め具30を長手方向に沿って動かすことにより、装身具10に対する留め具30の留め位置及び締め付け具合を容易且つ正確に調節することができる。したがって、第一実施形態に係る装着具10の留め構造1は、冷熱や温熱を与えるべき身体部位に対して装着具10の蓄熱部材20を容易に、確実に、自在に且つ安全に装着・固定することができるという効果を奏する。また、本発明に係る装着具10の留め構造1は、少なくとも長手方向に弾性的に伸長する第1の帯状部12及び第2の帯状部13を有する装身具10と、挿通穴34を有する留め具30と、からなるので、非常に低コストで実現することができる。
【0051】
次に、本発明の第二実施形態に係る装着具10の留め構造1について、図5乃至8を参照しながら説明する。
【0052】
当該第二実施形態では、上述した第一実施形態に係る装着具10との比較で、装着具10が長手方向に延在する一つの収容部15を有し、装着具10の第1端部16及び第2端部17がそれぞれ抜け止め部18を有することを特徴としている。したがって、当該第二実施形態における装着具の留め構造1の基本構造は、第一実施形態における装着具10の留め構造1と類似しているので、相違点を中心に以下に説明する。
【0053】
本発明の第二実施形態に係る装着具10の留め構造1は、図5に示すように、帯状に長手方向に延在する装着具10と、挿通穴34を有する留め具30と、から構成されている。
【0054】
留め構造1の一方を構成する装着具10は、全体として長手方向に弾性的に伸長可能な平面視略方形形状の筒状生地から構成され、短寸である長手直交方向(すなわち幅方向)においても弾性的に伸長可能である。装着具10は、その一端側に第1の帯状部12を有し、その他端側に第2の帯状部13を有する。第1の帯状部12と第2の帯状部13との間には、1つの収容部15が長手方向に沿って形成・配置されている。装着具10が全体として長手方向及び長手直交方向に弾性的に伸長可能であるので、図5乃至8に示した第二実施形態に係る装着具10においては、第1の帯状部12及び第2の帯状部13、及び1つの収容部15が長手方向及び長手直交方向に弾性的に伸長可能である。収容部15は、筒状生地の中央部の一部分が長手直交方向において外方に膨出したものであり、その中に蓄熱部材20が弾性的に支持された状態で収容される。装着具10は、第1の帯状部12の端部側に開口した第1端部16を、第2の帯状部13の端部側に開口した第2端部17をそれぞれ有し、当該開口端部16,17を通じて、収容部15への蓄熱部材20の出し入れを行うことができる。
【0055】
第1端部16及び第2端部17においては、それらの端部が内側に折り返されており、内側に折り返された厚み分だけ、第1端部16及び第2端部17における全体厚みが増加する。第1端部16及び第2端部17を折り返した場合の各厚みは、折り返されていない第1の帯状部12及び第2の帯状部13の部分の厚みの略2倍に増加する。そして、第1端部16及び第2端部17が重なり合った場合には、第1端部16及び第2端部17が重なり合った部分の全体厚みが、折り返されていない第1の帯状部12及び第2の帯状部13の部分の厚みの略2倍に増加する。すなわち、第1端部16及び第2端部17が重なり合った部分の全体断面積が、第1端部16及び第2端部17が重なり合った場合の断面積も略2倍に増加する。
【0056】
また、第1端部16及び第2端部17が重なり合っていない場合には、第1端部16及び第2端部17のいずれか一方と折り返されていない第1の帯状部12及び第2の帯状部13のいずれか他方とが重なり合うことになるために、第1端部16及び第2端部17が重なり合った部分の全体厚みが、折り返されていない第1の帯状部12及び第2の帯状部13の部分の厚みの略1.5倍に増加する。すなわち、第1端部16及び第2端部17が重なり合った部分の全体断面積が、第1端部16及び第2端部17が重なり合っていない場合の断面積も略1.5倍に増加する。
【0057】
いずれの場合においても、折り返された第1端部16及び第2端部17の部分が、折り返されていない第1の帯状部12及び第2の帯状部13の部分よりも肉厚・大断面積になっている。その結果、留め具30は、折り返されていない第1の帯状部12及び第2の帯状部13の部分においてはスムーズに挿通することができるが、重なり合った場合あるいは重なり合っていない場合の第1の帯状部12及び第2の帯状部13の部分においては引っ掛かりとなってスムーズに移動することができない。したがって、内側に折り返された第1端部16及び第2端部17は、挿通穴34に挿通された第1の帯状部12及び第2の帯状部13が抜け出ることを防止するための抜け止め部として機能するので、留め具30が装身具10から誤って脱落して紛失することを防止するという効果を奏する。
【0058】
図8は、第二実施形態に係る装着具10の留め構造1の使用形態を説明する斜視図である。装着具10は、額部や眼球部や後頭部等の頭部、首から腰への脊椎部、肘や肩や膝等の関節部等の冷熱や温熱を与えるべき様々な身体部位に沿うように円環状に巻き回される。図6及び7に示した態様を組み合わせることにより、第1の帯状部12及び第2の帯状部13の係合ネック部6が留め具30のボディ32(挿通穴34)で係止された状態を作り出すことができる。そして、蓄熱部材20の収容された収容部15が所望とする位置になるように位置決めした状態で、挿通穴34に挿通された第1の帯状部12及び第2の帯状部13の係合ネック部6を長手方向に引き伸ばして伸長状態にし、留め具30を長手方向に沿って動かすことにより、装身具10に対する留め具30の留め位置及び締め付け具合を容易且つ正確に調節することができる。さらに、内側に折り返された第1端部16及び第2端部17により、留め具30が装身具10から誤って脱落して紛失することを防止することができる。したがって、第二実施形態に係る装着具10の留め構造1は、冷熱や温熱を与えるべき身体部位に対して装着具10の蓄熱部材20を容易に、確実に、自在に且つ安全に装着・固定することができるという効果を奏する。
【0059】
次に、本発明の第三実施形態に係る装着具10の留め構造1について、図9乃至12を参照しながら説明する。
【0060】
当該第三実施形態では、上述した第二実施形態に係る装着具10との比較で、装着具10が長手方向に延在する一つの収容バッグ40を有するものの、収容バッグ40が少なくとも長手方向に弾性的に伸長不可であることを特徴としている。なお、第二実施形態のように、第1端部16及び第2端部17の部分が内側に折り返されておらず、いわゆる留め具30の抜け止め部を備えていない。したがって、当該第三実施形態における装着具の留め構造1の基本構造は、第一実施形態における装着具10の留め構造1と類似しているので、相違点を中心に以下に説明する。
【0061】
本発明の第三実施形態に係る装着具10の留め構造1は、図9に示すように、帯状に長手方向に延在する装着具10と、挿通穴34を有する留め具30と、から構成されている。
【0062】
留め構造1の一方を構成する装着具10は、その一端側に第1の帯状部12を有し、その他端側に第2の帯状部13を有する。第1の帯状部12及び第2の帯状部13は、長手方向に弾性的に伸長可能な平面視略方形形状の筒状生地から構成され、短寸である長手直交方向(すなわち幅方向)においても弾性的に伸長可能である。第1の帯状部12と第2の帯状部13との間には、1つの収容バッグ40が長手方向に沿って配置・取り付けされている。
【0063】
当該収容バッグ40は、少なくとも長手方向に弾性的に伸長不可である生地や素材から作成されている。収容バッグ40は、例えば、木綿、麻、ポリエステル等からなる布地製品、ポリアミド樹脂やポリエチレン樹脂等からなる合成樹脂シート製品、不織布、皮革製品等の生地や素材からなる。第1の帯状部12及び第2の帯状部13が少なくとも長手方向に弾性的に伸長可能であるのに対して収容バッグ40が少なくとも長手方向に弾性的に伸長不可であるので、装着具10は、部分的に、少なくとも長手方向に弾性的に伸長可能であるように構成されている。
【0064】
収容バッグ40は、長手方向に延在する方形形状をした袋体であり、蓄熱部材20が収容される収容本体部42と、収容本体部42に収容された蓄熱部材20が出し入れされる開閉蓋部43と、開閉蓋部43の開閉を制御する係着具44(例えば、ホックや面ファスナー等)と、を備えている。収容バッグ40の左右の接続固着部46は、縫製や接着や溶着等の公知の固着方法により、第1の帯状部12及び第2の帯状部13に対してそれぞれ固着されている。蓄熱部材20は、開閉蓋部43を介して出し入れされるので、第1端部16及び第2端部17が必ずしも開口している必要が無い。また、第1の帯状部12及び第2の帯状部13が先端側(すなわち第1端部16及び第2端部17の側)にいくに従って先細にすることもできる。第1端部16及び第2端部17を先細形状にすることで、第1端部16及び第2端部17の挿通穴34への挿通が容易になる。
【0065】
図12は、第三実施形態に係る装着具10の留め構造1の使用形態を説明する斜視図である。装着具10は、額部や眼球部や後頭部等の頭部、首から腰への脊椎部、肘や肩や膝等の関節部等の冷熱や温熱を与えるべき様々な身体部位に沿うように円環状に巻き回される。図10及び11に示した態様を組み合わせることにより、第1の帯状部12及び第2の帯状部13の係合ネック部6が留め具30のボディ32(挿通穴34)で係止された状態を作り出すことができる。そして、蓄熱部材20の収容された収容バッグ40が所望とする位置になるように位置決めした状態で、挿通穴34に挿通された第1の帯状部12及び第2の帯状部13の係合ネック部6を長手方向に引き伸ばして伸長状態にし、留め具30を長手方向に沿って動かすことにより、装身具10に対する留め具30の留め位置及び締め付け具合を容易且つ正確に調節することができる。さらに、収容バッグ40において、開閉蓋部43を介して蓄熱部材20を出し入れすることにより、蓄熱部材20の交換が容易になる。したがって、第三実施形態に係る装着具10の留め構造1は、装着具10が部分的に少なくとも長手方向に弾性的に伸長可能であるように構成されているために、第一実施形態及び第二実施形態として示した長手方向の全長にわたって弾性的に伸長可能であるものよりも、冷熱や温熱を与えるべき身体部位に対する密着性が若干劣るものの、当該身体部位に対して装着具10の蓄熱部材20を容易に、確実に、自在に且つ安全に装着・固定することができるという効果を奏する。
【0066】
なお、本願発明において、冷熱や温熱を与えるべき対象は、人間に限られず、犬や猫や牛や馬等の動物であっても良いことは言うまでもない。
【0067】
装着具10を装着する対象は、上述したように、額部や眼球部や後頭部等の頭部、首から腰への脊椎部、肘や肩や膝等の関節部等の様々な身体部位であるが、首に巻き付けて装着するような場合には本発明の留め構造1は特に有効である。すなわち、装着具10が誤って首に強く巻き付けられて装着されたとしても、第1の帯状部12及び第2の帯状部13が長手方向に伸長して留め具30との係止位置が緩くなる方向に動くことが可能になるので、首が絞まって窒息することを防止することができ、非常に安全な構造になっている。
【0068】
また、蓄熱部材20は、冷蔵庫等で冷却する場合には冷熱剤として使用され、電子レンジ等で加熱される場合には温熱剤として使用される。さらに、上記第一乃至第三実施形態では、装身具10が冷熱や温熱を与える蓄熱部材20を収容する収容部15や収容バッグ40を備える構成について説明したが、装身具10は、収容部15や収容バッグ40を備えることなく第1の帯状部12及び第2の帯状部13だけを備える形態で、例えばベルトや鉢巻きや襷のような形態で、使用することもできる。
【0069】
本発明の実施形態を説明する図面のうち、図1乃至3、図5乃至7及び図9乃至11の平面図においては、第1の帯状部12及び第2の帯状部13に関して長手方向の寸法の一部分を省略して図示している。第1の帯状部12及び第2の帯状部13の長手方向長さは、冷熱や温熱を与えるべき身体部位の長手方向長さとの兼ね合いで決まるべきものである。本発明に係る装着具10の留め構造1では、第1の帯状部12及び第2の帯状部13に対する留め具30の係止位置により、装着具10の身体部位に対する巻き回し長さを調節することができる。一つの装着具10でできるだけ様々なサイズの身体部位にも適用できるように、第1の帯状部12及び第2の帯状部13の長手方向長さを長め(例えば、略10乃至略30cm)に設定しておくことができる。逆に、装着具の身体部位への装着・固定後の第1の帯状部12及び第2の帯状部13が余剰部分とならないように、第1の帯状部12及び第2の帯状部13の長手方向長さを短め(例えば、略2乃至略5cm)に設定しておくこともできる。
【符号の説明】
【0070】
1:留め構造
6:係合ネック部(非伸長状態)
8:細長伸長部(伸長状態)
10:装着具
12:第1の帯状部
13:第2の帯状部
14:連結部
15:収容部
16:第1端部
17:第2端部
18:抜け止め部
20:蓄熱部材
30:留め具
32:ボディ
34:挿通穴
40:収容バッグ
42:収容本体部
43:開閉蓋部
44:係着具
46:接続固着部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも長手方向に弾性的に伸長可能である第1の帯状部と、少なくとも長手方向に弾性的に伸長可能である第2の帯状部と、を有する装身具と、
前記第1の帯状部及び第2の帯状部が挿通される挿通穴を有する留め具と、からなる装着具の留め構造であって、
前記第1の帯状部及び第2の帯状部の伸長状態においては前記第1の帯状部及び第2の帯状部が前記挿通穴に挿通可能であるのに対して、前記第1の帯状部及び第2の帯状部の非伸長状態においては前記第1の帯状部及び第2の帯状部が前記挿通穴に係止するように構成されていることを特徴とする装着具の留め構造。
【請求項2】
蓄熱部材を収容するための収容部が、前記装身具の長手方向に沿って、前記第1の帯状部及び第2の帯状部の間に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の装着具の留め構造。
【請求項3】
前記第1の帯状部及び第2の帯状部が、編物から構成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の装着具の留め構造。
【請求項4】
前記第1の帯状部及び第2の帯状部の伸長状態における長手方向の伸長度が、略20%乃至略100%であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の装着具の留め構造。
【請求項5】
前記挿通穴の開口断面積が、前記第1の帯状部及び第2の帯状部の伸長状態における断面積より大きく且つ前記第1の帯状部及び第2の帯状部の非伸長状態における断面積より小さいことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一つに記載の装着具の留め構造。
【請求項6】
前記挿通穴に挿通された前記第1の帯状部及び第2の帯状部が抜け出ることを防止するための抜け止め部が、前記第1の帯状部及び第2の帯状部の端部にそれぞれ設けられていることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一つに記載の装着具の留め構造。
【請求項7】
前記留め具が、弾性的に拡径可能なOリングからなることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一つに記載の装着具の留め構造。
【請求項8】
前記留め具の内面が、前記第1の帯状部及び第2の帯状部に対して摩擦係合することを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一つに記載の装着具の留め構造。
【請求項1】
少なくとも長手方向に弾性的に伸長可能である第1の帯状部と、少なくとも長手方向に弾性的に伸長可能である第2の帯状部と、を有する装身具と、
前記第1の帯状部及び第2の帯状部が挿通される挿通穴を有する留め具と、からなる装着具の留め構造であって、
前記第1の帯状部及び第2の帯状部の伸長状態においては前記第1の帯状部及び第2の帯状部が前記挿通穴に挿通可能であるのに対して、前記第1の帯状部及び第2の帯状部の非伸長状態においては前記第1の帯状部及び第2の帯状部が前記挿通穴に係止するように構成されていることを特徴とする装着具の留め構造。
【請求項2】
蓄熱部材を収容するための収容部が、前記装身具の長手方向に沿って、前記第1の帯状部及び第2の帯状部の間に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の装着具の留め構造。
【請求項3】
前記第1の帯状部及び第2の帯状部が、編物から構成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の装着具の留め構造。
【請求項4】
前記第1の帯状部及び第2の帯状部の伸長状態における長手方向の伸長度が、略20%乃至略100%であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の装着具の留め構造。
【請求項5】
前記挿通穴の開口断面積が、前記第1の帯状部及び第2の帯状部の伸長状態における断面積より大きく且つ前記第1の帯状部及び第2の帯状部の非伸長状態における断面積より小さいことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一つに記載の装着具の留め構造。
【請求項6】
前記挿通穴に挿通された前記第1の帯状部及び第2の帯状部が抜け出ることを防止するための抜け止め部が、前記第1の帯状部及び第2の帯状部の端部にそれぞれ設けられていることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一つに記載の装着具の留め構造。
【請求項7】
前記留め具が、弾性的に拡径可能なOリングからなることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一つに記載の装着具の留め構造。
【請求項8】
前記留め具の内面が、前記第1の帯状部及び第2の帯状部に対して摩擦係合することを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一つに記載の装着具の留め構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
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【図4】
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【図6】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−66504(P2013−66504A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205036(P2011−205036)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(506229741)株式会社タカラ (13)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(506229741)株式会社タカラ (13)
【Fターム(参考)】
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