説明

装置外装部

【課題】輸送効率と輸送後の組み立て効率を高くする。
【解決手段】装置外装部は、液晶基板の検査装置の装置本体の周囲を囲って外部から気密に仕切るための側面フレームを備えている。側面フレームは分離可能な2つのフレームユニット11、12を備える。フレームユニット11、12は短側フレーム13とその両側の長側フレーム14とで平面視コの字形状に形成する。短側フレーム13と両側の長側フレーム14をつなぐヒンジ部19を有する。更に短側フレーム部の横フレーム13A、13Bを二分割してヒンジ部15で折り曲げ可能に連結している。輸送時には各フレームユニットに分離し、ヒンジ部15、19で屏風形状に折り畳み、面状にする。組み立て時には二つの面を広げることで自立状態になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば液晶ディスプレイに用いられるガラス基板(以下、液晶基板という)等の検査を行う検査装置や液晶基板の製造装置の本体を囲って、外部からゴミ等の異物や光等が侵入するの防いで保護する装置外装部に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、液晶基板等の大型基板の欠陥を検査する検査装置が知られている。この検査装置は、液晶基板の表面に照明光を照射し、その反射光の光学的変化を観察して液晶基板表面のキズや汚れ、ダストの付着等の欠陥を検出するマクロ観察と、マクロ観察で検出された欠陥を拡大して観察するミクロ観察を行う。
このような検査装置では、液晶基板を正確に検査できる状態に維持するために、検査装置の周囲から装置内部に光が侵入したり、ゴミや埃等の異物が侵入するのを防ぐ必要がある。また検査装置は液晶基板を自動検査するため、更には安全のために人が不用意に侵入したりしないようにする必要がある。そのため、検査装置の本体の外周側には装置本体を閉鎖空間内に囲って保持するために装置外装部が設けられている。
【0003】
検査装置の装置外装部は、例えば装置本体を収容するために略直方体形状または箱形状を有しており、例えば円筒や角筒等の中空のパイプ材等からなるフレーム材で枠部を形成すると共に、フレーム材の枠部をパネル等で覆って装置本体を囲う形態を備えている。検査装置は、その輸送に際して、装置本体を装置外装部内に収容して装置外装部に結合させた状態、即ち完成品の状態でトラックやコンテナ等の輸送手段に積載して製造工場からユーザの事業所まで運搬していた。
ところで、近年、液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイの大型化に伴い、検査装置も大型化が進んできている。そのため、検査装置の輸送に際して、装置本体を装置外装部内に収容した状態でトラックやコンテナ等の輸送手段に積載する場合、最大積載容積を超えてしまうために、専用の大型輸送手段を用意しなければならず、輸送コストが大幅に増大するという問題があった。
【0004】
このような問題に対処するために、装置本体と装置外装部を分離して別々に輸送している。この場合、検査装置については、例えば特許文献1に開示されているように、検査装置の上部に取り付けられるマクロ検査用照明装置について、光源ユニットを光学ユニットから取り外し可能に構成し、更に光学ユニットを検査装置上に折り畳み可能に構成することで、検査装置の嵩高を低く抑えて輸送時の占有スペースの減少を図っている。
一方、装置外装部については、一般的に複数ユニットに分割する方法と各面を単位にした複数分割方法とが採用され、いずれかの方法で輸送されていた。
【特許文献1】特開平10−195539号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された手段は、検査装置の嵩高を低減することはできるが、装置外装部については上述した2つの方法を越える有効な輸送方法は提案されていなかった。
しかも、上述した装置外装部の分割方法についていえば、複数ユニットに分割する場合では、各ユニットが平面視で略コの字状に分割形成されているために、トラック等に積載する際に各ユニットのコの字型の内部空間が空の状態で占有するため、輸送効率が悪かった。一方、面単位に分割して輸送する場合には輸送効率は高いが、輸送先で設置組み立てする際に、各面を構成するフレームを起立保持させながら組み付けるため、多くの作業工数と作業人員が必要になる。そのため、装置外装部の設置組み立て時の立ち上げ作業の効率が低下し、顧客先での設置組み立ての日数が長くなるという不具合が生じる。
【0006】
本発明は、このような実情に鑑みて、輸送効率と輸送後の組み立て効率を高くできるようにした装置外装部を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による装置外装部は、液晶基板の検査装置または製造装置の本体の周囲を囲って外部から仕切るための周壁部を備えている装置外装部において、周壁部は分離可能なフレームユニットを備えていて、該フレームユニットは複数の面を有していて隣り合う二つの前記面をつなぐ折り曲げ部材で折り畳み可能であり、前記二つの面を開いた状態で自立することを特徴とする。
本発明によれば、装置外装部の輸送や保管等に際しては、装置外装部をフレームユニットに分離して、フレームユニットを折り曲げ部材で折り畳むことで略面状に重ねることができるために輸送時等の占有面積を小さくでき、そして設置組み立てに際してはフレームユニットの少なくとも二つの面を折り曲げ部材で開くことで自立状態にできるから、その後はフレームユニットを支える必要がなく、作業人数と組み立て工数を低減できる。
なお、本発明では、フレームユニットは1つでもよいし、複数設けてもよい。またフレームユニットの各面はパネルを別体とした枠体としてもよいし、パネルを取り付けた枠体であってもよく、いずれの場合も本発明に含まれる。また、装置外装部をフレームユニットと面との組み合わせで構成してもよい。
【0008】
また、周壁部は複数のフレームユニットを分離可能に連結して構成されているのが好ましい。この場合には、作業人数と組み立て工数を更に低減できる。
また、フレームユニットは平面視略コの字形状を有していて、二つの角部にそれぞれ設けた第一及び第二の折り曲げ部材と、当該第一及び第二の折り曲げ部材をつなぐ二つの面の間に設けた第三の折り曲げ部材とを備えていて、該第三の折り曲げ部材を山折りと谷折りの一方に折ると共に第一及び第二の折り曲げ部材を他方に折って折り畳むようにしてもよい。
この場合には、フレームユニットは4面またはそれ以上の屏風形状または蛇腹形状となり、折り畳み時の占有体積が一層小さい上に組み立てが容易で自立性を確保できる。
【0009】
また、第三の折り曲げ部材には、第一及び第二の折り曲げ部材をつなぐ二つの面を同一面状に広げた際に当該二つの面の連結を補強する補強部を設けていることが好ましい。
これによって、フレームユニットを組み立てた際に第三の折り曲げ部材を挟んで同一面状をなす2面の組み立て強度が高くなる。
また、フレームユニットは平面視略L字形状を有していて、角部に折り曲げ部材を設けていてもよい。
この場合には、平面視略L字形状のフレームユニットを2面または3面以上で構成して角部の折り曲げ部材で折り畳むことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明による装置外装部によれば、装置外装部の輸送や保管等に際しては、装置外装部をフレームユニットに分離して略面状に折り畳むことで占有体積を小さく設定できて輸送コストや保管コスト等を低減できる。また、設置組み立てに際しては、フレームユニットを自立状態にできてフレームユニットを支える必要がなく、作業人数と組み立て工数を低減でき、短期間で組み立てできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態による装置外装部について添付図面により説明する。
図1乃至図7は第一の実施の形態を示すものであり、図1は装置外装部の概略斜視図、図2はフレームユニットの斜視図、図3は図1のP部拡大図であって短側フレーム部のヒンジ部と補強部の要部平面図、図4は図1のQ部拡大図であって短側フレーム部と長側フレーム部を連結する部分の要部斜視図、図5は図1のR部拡大図であって二つのフレームユニットの連結構造を示す図、図6はフレームユニットの第一折り畳み工程、図7は折り畳み完了状態を示す図である。
図1に示す検査装置1は、液晶基板の欠陥等を検査するための装置本体2とその外側に配設されていて装置本体2を収容して囲う装置外装部3とを備えている。装置本体2内には図示しないステージや駆動部等が設けられている。
装置外装部3は概略直方体形状をなしており、互いに対向する底面4及び上面5、一対の短側面6,7、一対の長側面8,9とで構成されている。装置外装部3の各面4〜9は図では例えば丸穴や角穴等のパイプ材からなる略四角形枠形状のフレームのみで示すが、各フレームにはパネルやパネル開閉検知センサ等の付帯物も含まれている。この装置外装部3の一対の短側面6,7及び長側面8,9からなる側面フレーム10(周壁部)は、図1及び図2に示すように、平面視略コの字形状をなす二つのフレームユニット11、12が分離可能に連結されて構成されている。
【0012】
フレームユニット11は図2に示すように短側面6を構成する短側フレーム部13(第一フレーム)と、その両側に連結されていて各長側面7の略半分でそれぞれ構成する一対の長側フレーム部14、14(第二フレーム)とで構成されている。短側フレーム部13の水平方向に延びるパイプ状の上下の横フレーム13A、13Bはそれぞれその長手方向中央部で二分割されてフレーム片13a、13bとされている。しかも横フレーム13Aにおいて、分割されたフレーム片13a、13bの端部はヒンジ部15によって軸線L回りに折り曲げ可能に連結されている。横フレーム13Bにおいても同様の構成を備えている。
図3は横フレーム13A、13Bの各ヒンジ部15の拡大図(P部拡大図)であり、ヒンジ部15は軸15aとその両側でフレーム片13a、13bに固定した固定板15b、15bとで構成されている。ヒンジ部15は軸15a(軸線L)回りにフレーム片13a、13bを折り曲げ可能としている。そして、一方のフレーム片13aの端部付近には補強部16が連結され、この補強部16は他方のフレーム片13bに重なる位置まで延びている。フレーム片13a、13bは各端部が当接して同一直線状になった組み立て状態で背面を補強部16によって支えられる。この状態で補強部16と他方のフレーム片13bは締結ボルト17で連結されている。
【0013】
また、図2及び図4において、短側フレーム部13の両側に位置する垂直方向の縦フレーム13C、13Dは、その上下端部でヒンジ部19、19によって長側フレーム部14の横フレーム14A、14Bと回転可能に連結されている。しかも短側フレーム部13の縦フレーム13C、13Dに対して横フレーム13A、13Bがそれぞれブラケット20によって上下方向に略直角に固定されている。
同様に短側フレーム部13の縦フレーム13C、13Dと長側フレーム部14の横フレーム14A、14Bとはそれぞれブラケット20によって上下方向に略直角に固定されている。これによって、横フレーム14A、14Bと横フレーム13A、13Bとが水平方向に略直角に固定される。ブラケット20で固定することによって組み立て時に上下方向及び水平方向の各開き角度を直角に再現することができると共に、組み立て後に、外乱等によって各フレームの角度がずれたりするのを防ぐことができる。また、折り畳み時には各ブラケット20を取り外すことで短側フレーム部13と長側フレーム部14を折り畳んで重ねることができる。
なお、長側フレーム部14には横フレーム14A、14Bの他端に連結フレーム14Cが縦方向に連結され、更に連結フレーム14Cと短側フレーム13Cの間に補強フレーム14Dが連結されている。
【0014】
一方のフレームユニット11は上述の構成を有しており、他方のフレームユニット12も一方のフレームユニット11と同様の構成を有しており、同様の部分に同一の符号を用いて説明を省略する。
そして、図1に示す装置外装部3では、二つのフレームユニット11、12が略線対称に連結されて略直方体形状を構成している。そして、二つのフレームユニット11、12の連結フレーム14C、14Cは、図5に示すように連結ボルト22等の連結具によって連結されている。
【0015】
本実施の形態による装置外装部3は上述の構成を有しており、次に運搬等のための折り畳み方法について図に沿って説明する。
先ず図1に示す検査装置1において、装置本体2を装置外装部3から取り外す。そして、装置外装部3の二つのフレームユニット11、12の連結フレーム14C、14Cを、各連結ボルト22を外すことで分離する。分離された一方のフレームユニット11(12)は図2に示す状態になる。次にフレームユニット11の短側フレーム部13の横フレーム13A、13Bから、各補強部16における締結ボルト17を外す。
そして、フレームユニット11の短側フレーム部13をヒンジ部15で二つ折りするよう折り曲げ(山折り)、二分割された横フレーム13A、13Bの各フレーム部13a,13bをそれぞれ長側フレーム14、14間に進入させて背中合わせに当接させると、図6に示すように略T字形状に畳まれる。更に、短側フレーム部13の縦フレーム13C、13Dと長側フレーム部14の横フレーム14A、14Bとを固定するブラケット20、20を取り外した後、両側の一対の長側フレーム部14、14をヒンジ部19、19で折り畳んで(谷折り)二つ折りされた短側フレーム部13を挟み込む。
これによって、図7に示すように、二つ折りした短側フレーム部13と一対の長側フレーム部14、14とが4重の面状に折り重ねられた状態になる。他方のフレームユニット12も同様の手順で折り畳む。なお、底面4と上面5は側面フレーム10とは別個に分離するものとする。
このようにして装置外装部3のフレームユニット11、12を平面状に折り畳まれた2つの部材に畳むことができるので、輸送に際してスペースを取ることなくトラック等の輸送手段の小さなスペースに積載できる。
【0016】
また、折り畳んだ二つのフレームユニット11、12を輸送先で組み立てるには、上述の折り畳み手順と逆の操作を行えばよい。その際、図7に示す折り畳み状態のフレームユニット11、12を立てて、一対の長側フレーム部14、14を短側フレーム部13に対して少し広げることでフレームユニット11、12は自立状態になる(図6参照)。その後は、フレームユニット11、12を作業員が倒れないように支える必要がなく、少ない人数で組み立て作業を行える。
そして、二つ折りした短側フレーム部13を平面状に広げることで、図2に示す略コの字状に組み立てることができる。この状態で、ブラケット20によって縦フレーム13C、13Dと横フレーム13A、13B、縦フレーム13C、13Dと横フレーム14A、14Bをそれぞれ固定状態に支持する。
このようにして広げた二つのフレームユニット11,12を向かい合わせに当接させ、互いに当接する連結フレーム14C,14Cに連結ボルト22を螺合することで、装置外装部13の組み立てを完了できる。そして、短側フレーム部13の各横フレーム13A、13Bの各補強部16と他方のフレーム片13bを締結ボルト17で固定させる。なお、これに前後して底面4と上面5のパネルを組み立てることになる。
なお、補強部16は、二つのフレームユニット11,12を連結した際、連結フレーム14C、14Cの連結部において互いに当接する横フレーム14A、14A(14B、14B)にも設けてもよい。
【0017】
上述のように本実施の形態によれば、装置外装部3の輸送や保管等に際しては、装置外装部3をフレームユニット11、12に分離して各4重の面状に折り畳むことで、占有体積を小さく設定できて輸送コストや保管コスト等を低減できる。また、設置組み立てに際して、折り畳んだフレームユニット11、12を広げるだけで自立状態にできて、その後はフレームユニット11、12を支える必要がなく組み立て作業が容易であり、作業人数と組み立て工数を低減でき、短期間で組み立てできて組み立てコストを低減できる。
【0018】
次に本発明の他の実施の形態や変形例について説明する、上述の実施の形態と同一または同様の部分、部材には同一の符号を用いて説明を省略する。
第二の実施の形態について図8、図9により説明する。
図8は第二の実施の形態による装置外装部30の平面視による模式図である。図中、装置外装部30の周壁部は第一の実施の形態による装置外装部3の一対の短側面6,7、一対の長側面8,9からなる側面フレーム10を有している。この側面フレーム10は、図に示すように平面視略L字形状の一対のフレームユニット31、32に分割可能に連結されて構成されている。両フレームユニット31、32は平面視で略四角形枠形状の二つの対角線を結ぶ交点に対して回転対称に形成されている。
フレームユニット31はそれぞれ丸穴または角穴のパイプで四角形枠形状をなす短側フレーム部13と長側フレーム部14とからなり、短側フレーム部13の縦フレーム13Cと横フレーム14A、14Bとがヒンジ部19、19とブラケット20、…によって折り畳み可能に連結されている。しかも、長側フレーム部14は各横フレーム14A、14Bがその長手方向中央部で二分割され、それぞれヒンジ部33、33によって折り曲げ可能に連結されている。しかも横フレーム14A、14Bの自由端部は縦フレーム14Eによって連結されている。他方のフレームユニット32についても同一の構成を備えている。
両フレームユニット31、32は、一方のフレームユニット31(32)の短側フレーム部13の縦フレーム13Dと他方のフレームユニット32(31)の長側フレーム部14の縦フレーム14Eとが、連結ボルト等の連結具(図示せず)によって分離可能に連結されている。
【0019】
本実施の形態による装置外装部30は上述の構成を有しているから、装置外装部30の輸送等のための折り畳み作業に際して、両フレームユニット31、32の縦フレーム13Dと縦フレーム14Eとの連結ボルトを外してそれぞれ略L字状の一対のフレームユニット31、32に分離する(図8参照)。そしてヒンジ部19回りに短側フレーム部13と長側フレーム部14を重ねるように折り畳み、ついで、長側フレーム部14についてヒンジ部33で短側フレーム部13とは反対側に二つ折りに折り畳むと短側フレーム部13を含めて三重に折り畳まれたことになる(図9参照)。
このようにして、一対のフレームユニット31、32をそれぞれ略面状に折り畳むことができ、トラック等で搬送する際に占有スペースを小さくできる。
また輸送先で折り畳んだ二つのフレームユニット31、32を組み立てるには、上述の折り畳み手順と逆の操作を行えばよい。その際、図9に示す三重折りの折り畳み状態から、二つ折りされた長側フレーム部14をヒンジ部33回りに広げるか、短側フレーム部13を長側フレーム部14に対してヒンジ部19回りに広げるかの少なくともいずれかの作業を行うことで、自立状態になる。
【0020】
そのため、フレームユニット31、32を作業員が支える必要がなく、少ない人数で組み立て作業を行える。そして略L字形状に広げた二つのフレームユニット31,32を、連結ボルトで互いに当接させた縦フレーム13Dと縦フレーム14Eを螺合して連結することで、装置外装部30の側面フレーム10の組み立てを完了できる。
上述のように本実施の形態によれば、第一の実施の形態と同様の効果を奏する。
【0021】
また、図10及び図11は第三の実施の形態であり、図10に示す装置外装部40は、第二の実施形態と同様に、その側面フレーム10は一対の短側面6,7と一対の長側面8,9とで構成されている。この側面フレーム10は、図に示すように平面視略L字形状の一対のフレームユニット41、42で構成されている。各フレームユニット41、42は、それぞれ丸穴または角穴のパイプで四角形枠形状をなす短側フレーム部13と長側フレーム部14とからなる。本実施の形態では、各フレームユニット41、42は長側フレーム部14の長さが短側フレーム部13の長さとほぼ同一であるため、長側フレーム部14はヒンジ部で二つ折りする構成を有していない。
そのため、各フレームユニット41、42は、図11に示すようにヒンジ部19で長側フレーム14と短側フレーム13を二つ折りする構造とされている。
上述した第三の実施の形態による装置外装部40でも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0022】
また、図12は第一の実施の形態による装置外装部3における、横フレーム13A、13Bをそれぞれ二分割した各横フレーム片13a、13bを折り畳み可能に接続するヒンジ部15の補強部16の変形例である。
例えば、ヒンジ部15は第一の実施の形態と同様に軸部15aとその両側に設けた固定板15b、15bで構成され、固定板15b、15bはパイプ状の各横フレーム片13a、13bに連結されて折り曲げ可能となっている。そして、一方の横フレーム片13a内には棒状の補強軸44が他方のフレーム片13b内に進退可能に収容されている。一方の横フレーム片13aには長手方向に沿ってスライド孔45が穿孔され、その両端はパイプ状の各横フレーム片13aの周方向に延びる係止孔45a、45bが形成されている。
そして補強軸44の後端部には操作ピン44aが起立してスライド孔45から外部に突出しており、操作ピン44aを操作することで、補強軸44を他方の横フレーム片13bに対して進退可能とされている。
そして、二つの横フレーム片13a、13bが一直線状に組み立てられた状態では、操作ピン44aをスライド孔45に沿って前進させて先端側の係止孔45bに係止させると、補強軸44は二つの横フレーム片13a及び13b内にまたがり、直線状の横フレーム片13a、13bの強度を補強させる。また、二つの横フレーム片13a、13bを折り畳む場合には、これに先だって操作ピン44aを後端側の係止孔45aまで後退させて係止する。すると、補強軸44は他方の横フレーム片13bから外れ、二つの横フレーム片13a、13bはヒンジ部15で折り畳み可能になる。
【0023】
なお、上述の各実施の形態では、装置外装部3,30,40について、平面視四角形枠形状をなす側面フレーム10を二つのフレームユニットに分割して、それぞれを二つ折りまたは三折りに畳むように構成したが、本発明はこのような構成に限定されない。例えば側面フレーム10を三つ以上のフレームユニットに分割してもよく、また各フレームユニットは四重折り以上に折り畳み可能としてもよい。要するに側面フレームを分割したフレームユニットが折り畳み時には面状に重ねて折り畳まれ、組み立て時には少なくとも二つのフレームを開くことで自立状態になればよい。
第一実施形態において、ヒンジ部19は第一、第二の折り曲げ部材を構成し、ヒンジ部15は第三の折り曲げ部材を構成する。
また、折り曲げ部材としてヒンジ部15、19、33を用いたが、これに限定されることなく、板状のバネ部材やゴム部材等折り曲げ可能な各種の部材を採用できる。
【0024】
なお、上述の各実施の形態は装置外装部3,30,40について、側面フレームは必ずしも平面視四角形形状でなくてもよく、平面視で三角形や五角形以上の枠体構造であってもよい。
また、上述の各実施の形態は液晶基板の検査装置1に適用する装置外装部3、30,40について説明したが、本発明は検査装置に限定されることなく、液晶基板の製造装置についても装置本体の外側を囲って仕切る装置外装部として使用できる。或いは外部環境に対して光や異物の侵入を防ぐために気密性や密封性を要求される大型等の他の各種検査装置や製造装置にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第一の実施の形態による装置外装部の概略斜視図である。
【図2】側面フレームを二分割した一方のフレームユニットの斜視図である。
【図3】図1に示すP部の拡大図である。
【図4】図1に示すQ部の拡大図である。
【図5】図1に示すR部の拡大図である。
【図6】フレームユニットの第一折り畳み工程である。
【図7】フレームユニットの折り畳み完了状態を示す図である。
【図8】第二の実施の形態による側面フレームの概略平面図である。
【図9】第二の実施の形態におけるフレームユニットの折り畳み状態を示す平面図である。
【図10】第三の実施の形態による側面フレームの概略平面図である。
【図11】図10に示すフレームユニットの折り畳み状態を示す平面図である。
【図12】第一の実施の形態による補強部の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0026】
1 検査装置
2 装置本体(本体)
3 装置外装部
10 側面フレーム(周壁部)
11、12、31、32 フレームユニット
13 短側フレーム部(第一フレーム部)
13A、13B 横フレーム
13a、13b フレーム片
13C、13D 縦フレーム
14 長側フレーム部(第二フレーム部)
14A、14B 横フレーム
14C 連結フレーム
15、19、33 ヒンジ部(折り曲げ部材)
16 補強部
20 ブラケット
22 連結ボルト(連結部)



【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶基板の検査装置または製造装置の本体の周囲を囲って外部から仕切るための周壁部を備えている装置外装部において、
前記周壁部は分離可能なフレームユニットを備え、
該フレームユニットは複数の面を有していて隣り合う二つの前記面をつなぐ折り曲げ部材で折り畳み可能であり、前記二つの面を開いた状態で自立することを特徴とする装置外装部。
【請求項2】
前記周壁部は複数のフレームユニットを分離可能に連結して構成されている請求項1に記載の装置外装部。
【請求項3】
前記フレームユニットは平面視略コの字形状を有していて、二つの角部にそれぞれ設けた第一及び第二の前記折り曲げ部材と、該第一及び第二の折り曲げ部材をつなぐ二つの面の間に設けた第三の折り曲げ部材とを備えていて、該第三の折り曲げ部材で山折りと谷折りの一方に折ると共に前記第一及び第二の連結部で他方に折って折り畳むようにした請求項1または2に記載の装置外装部。
【請求項4】
前記第三の折り曲げ部材には、前記第一及び第二の折り曲げ部材をつなぐ二つの面を同一平面状に広げた際に当該二つの面の連結を補強する補強部を設けてなる請求項3に記載の装置外装部。
【請求項5】
前記フレームユニットは平面視略L字形状を有していて、角部に前記折り曲げ部材を設けていることを特徴とする請求項1または2に記載の装置外装部。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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