装置管理システム、構成情報管理プログラム、識別情報収集プログラム、識別情報提供プログラムおよび装置管理方法
【課題】サーバの構成情報の変化に対応した適切なサーバ管理を行うことを課題とする。
【解決手段】ラック管理装置は、サーバから受信された識別情報と受信情報DBに記憶される識別情報とを比較し、受信された識別情報が更新された新たな識別情報であるか否かを判定する。ラック管理装置は、受信した識別情報が更新された新たな識別情報であると判定された場合に、新たな識別情報をラック中央管理装置に送信する。ラック中央管理装置は、受信部によって受信された新たな識別情報を有するサーバに割り当てられたアドレスをアドレス割当装置から取得する。ラック中央管理装置は、取得されたアドレスと、受信された新たな識別情報とを対応付けて構成情報DBに格納する。
【解決手段】ラック管理装置は、サーバから受信された識別情報と受信情報DBに記憶される識別情報とを比較し、受信された識別情報が更新された新たな識別情報であるか否かを判定する。ラック管理装置は、受信した識別情報が更新された新たな識別情報であると判定された場合に、新たな識別情報をラック中央管理装置に送信する。ラック中央管理装置は、受信部によって受信された新たな識別情報を有するサーバに割り当てられたアドレスをアドレス割当装置から取得する。ラック中央管理装置は、取得されたアドレスと、受信された新たな識別情報とを対応付けて構成情報DBに格納する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバの装置管理システム、構成情報管理プログラム、識別情報収集プログラム、識別情報提供プログラムおよび装置管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大規模データセンターでは、数千から数万台規模のサーバが運用管理されている。これらのサーバ管理には、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバ等を用いて各サーバにIP(Internet Protocol)アドレスを自動的に割当て、割り当てたIPアドレスを用いてサーバを特定し管理している。
【0003】
このように、大量のサーバを管理するに当たっては、IPアドレスの割当を効率的に実施したいユーザからのニーズがある。例えば、同一シャーシ内にある複数の制御カードへIPアドレスを割当てる際に、シャーシ内に実装されているシャーシマネジメント装置が、各制御カードのMAC(Media Access Control)アドレスと実装位置情報を検出する。そして、シャーシマネジメント装置は、検出した制御カードのMACアドレスと実装位置情報とを、DHCPサーバに対して通知する。DHCPサーバは、通知を受けた情報をもとに、各制御カードにIPアドレスを割当てる。
【0004】
このようにすることで、保守等により、制御カードを抜いて新しい制御カードを挿入した場合でも、従来の制御カードに割り当てられたIPアドレスを新しい制御カードで引き継いで使用できる。したがって、保守のたびにIPアドレスの割当を実行することもないので、IPアドレスの割当が効率的になる。
【0005】
また、サーバの運用管理としては、上述したIPアドレスの割当を効率的に実行する以外にも、各サーバの構成情報を管理することも行われている。例えば、管理サーバは、ネットワークスイッチに対して定期的にポーリングを実施する。そして、管理サーバは、このポーリングによって、ネットワークスイッチに接続されたサーバの物理的な接続位置を検出し、サーバのMACアドレスと接続位置とを取得する。そして、管理サーバは、取得した情報から構成情報を生成する。このようにすることで、各サーバの構成情報を管理することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−227987号公報
【特許文献2】特開2005−151107号公報
【特許文献3】特許第4257238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の技術では、シャーシやブレードなどサーバの構成情報の変化に対応した適切なサーバ管理を行うことができないという課題があった。
【0008】
例えば、データセンターに設置されて管理対象となるサーバの台数が大規模になると、データセンター内のハード故障による保守交換の頻度が上がる。一例として、5万台規模のサーバを有するデータセンターにおいて、サーバ1台に4台のHDD(Hard Disk Drive)が搭載されており、HDDの故障率を8%と仮定する。この場合、サーバのMTBF(Mean Time Between Failure)は、「(24(時間)×365(日))/0.08=109500(時間)」となり「109500(時間)/(50000×4)=0.55(時間)」となる。つまり、30分に1台の割合でサーバのHDDが故障することになる。そして、故障したために交換された新しいサーバは、DHCPサーバに対してIPアドレスの要求を行い、IPアドレスが割り与えられる。
【0009】
一方で、DHCPサーバは、5万台規模のIPアドレスの管理も同時に行っているので、通常のIPアドレスのリース時間の終了による更新作業と新規IPアドレスの割当がほぼ同時に進行することになる。例えば、リース時間を48時間(172800sec)とすると、5万台のサーバに対して約3.5secでリース時間の更新を行うことになる。したがって、IPアドレスの割当にかかった所要時間が約30secかかる場合には、5万台規模の故障頻度と同等レベルとなることもある。このように、サーバのIPアドレス更新、リース更新、故障したHDDの交換等の処理が頻繁に発生する場合には、サーバの構成情報の変化に対応できず、サーバの構成情報を管理できない。
【0010】
また、管理対象のサーバの台数が大規模である場合に、管理サーバから実行されたポーリングが各サーバを1周するのに時間がかかり、管理サーバは、各サーバの構成情報を迅速に取得できない。また、管理対象のシステムが、上述したサーバのIPアドレス更新、リース更新、故障したHDDの交換等の処理が頻繁に発生するシステムである場合には、ポーリングにより時間がかかる。したがって、いずれの場合であっても、サーバの構成情報の生成に時間がかかり、構成情報の変化に対応できていると言えないので、適切なサーバ管理ができているとは言い難い。
【0011】
1つの側面では、サーバの構成情報の変化に対応した適切なサーバ管理を行うことができる装置管理システム、構成情報管理プログラム、識別情報収集プログラム、識別情報提供プログラムおよび装置管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1の案では、ラックに搭載される情報処理装置と、前記情報処理装置に接続されるラック管理装置と、前記ラック管理装置に接続されるラック中央管理装置とを有する装置管理システムである。前記情報処理装置は、自装置に割り当てられた識別情報を前記ラック管理装置に定期的に送信する送信部を有する。前記ラック管理装置は、前記情報処理装置の識別情報を記憶する記憶部と、前記識別情報を前記情報処理装置から受信する受信部とを有する。前記ラック管理装置は、前記受信部によって受信された識別情報と前記記憶部に記憶される識別情報とを比較し、受信された識別情報が前記記憶部に記憶される識別情報から更新された識別情報であるか否かを判定する判定部を有する。前記ラック管理装置は、前記判定部によって受信した識別情報が更新された識別情報であると判定された場合に、前記受信した識別情報を前記ラック中央管理装置に送信する送信部を有する。前記ラック中央管理装置は、前記識別情報を前記ラック管理装置から受信する受信部と、前記受信部によって受信された識別情報を有する情報処理装置に割り当てられたアドレスをアドレス割当装置から取得する取得部とを有する。前記ラック中央管理装置は、前記取得部によって取得されたアドレスと、前記受信部によって受信された識別情報とを対応付けて所定の記憶部に格納する格納部を有する。
【発明の効果】
【0013】
サーバの構成情報の変化に対応した適切なサーバ管理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、実施例1に係るシステムの全体構成を示す図である。
【図2】図2は、システムを形成する各装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、ラック管理装置の設定情報DBに記憶される情報の例を示す図である。
【図4】図4は、ラック管理装置の受信情報DBに記憶される情報の例を示す図である。
【図5】図5は、ラック中央管理装置の構成情報DBに記憶される情報の例を示す図である。
【図6】図6は、構成情報収集処理の流れを示すシーケンス図である。
【図7】図7は、ラック管理装置とサーバとをブレードサーバで構成する場合の例を示す図である。
【図8】図8は、ラック管理装置とラック中央管理装置とをブレードサーバで構成する場合の例を示す図である。
【図9】図9は、識別情報提供プログラムを実行するコンピュータシステムの例を示す図である。
【図10】図10は、識別情報収集プログラムを実行するコンピュータシステムの例を示す図である。
【図11】図11は、構成情報管理プログラムを実行するコンピュータシステムの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本願の開示する装置管理システム、構成情報管理プログラム、識別情報収集プログラム、識別情報提供プログラムおよび装置管理方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0016】
図1は、実施例1に係るシステムの全体構成を示す図である。ここでは、まず、システム全体の構成を説明し、次に、各装置について説明する。図1に示すように、このシステムは、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバ5、管理装置6、ラック中央管理装置10、ラックA、ラックB、ラックCを有する。なお、各ラックは、例えば提供されるサービス形態や、ホスティングされている顧客などが異なる。
【0017】
ラックA、ラックB、ラックCには、ラック管理装置とスイッチとサーバが搭載される。例えば、ラックAは、ラック管理装置20aと、スイッチ30aと、スイッチ30bと、サーバ40a−1〜サーバ40a−nと、サーバ40b−1〜サーバ40b−nとを搭載する。なお、各ラックは、同様の機能を有する装置が搭載されるため、ここでは、ラックA内の各装置について詳細に説明するが、各ラック内における各装置の台数や構成は、顧客やサービス等によって任意に変更できる。
【0018】
そして、このシステムでは、各装置間が、基幹ネットワーク(以下、「基幹LAN(Local Area Network)」と呼ぶ)、または、管理用ネットワーク(以下、「管理LAN」と呼ぶ)のいずれかで接続される。この基幹LANとは、各ラックに搭載される各サーバがクライアント装置等にサービスを提供するネットワークである。また、管理LANとは、システム管理者等によりシステムの保守管理に利用され、ラック内のサーバが提供するサービスには利用されない管理用のネットワークである。
【0019】
具体的には、ラック中央管理装置10と管理装置6とは管理LANで接続される。同様に、ラック中央管理装置10とラック管理装置20a、ラック中央管理装置10とラック管理装置20b、ラック中央管理装置10とラック管理装置20cそれぞれが、管理LANで接続される。同様に、ラック管理装置20aとスイッチ30aおよびスイッチ30bなどのように、各ラック内のラック管理装置とスイッチとの間も管理LANで接続される。
【0020】
また、ラック中央管理装置10とDHCPサーバ5とは基幹LANで接続される。同様に、スイッチ30aとDHCPサーバ5などのように、各ラック内の各スイッチとDHCPサーバ5との間は基幹LANで接続される。また、スイッチ30aとサーバ40aなどのように、各ラック内のスイッチとサーバとの間は、基幹LANと管理LANとのそれぞれで接続される。なお、本実施例では、異なる2つのネットワークを用いた例について説明するが、これに限定されるものではなく、例えば、3つ以上のネットワークを用いてもよく、全て基幹LANで接続してもよい。
【0021】
次に、図1に示したシステムを形成する各装置について説明する。DHCPサーバ5は、ラック内の各サーバにIP(Internet Protocol)を自動的に割り当てる装置であり、例えばサーバに実装されるNIC(Network Interface Card)、BMC(Base Management Controller)、制御カード等にIPアドレスを割り当てる。管理装置6は、システム全体を管理する管理者が利用するコンピュータであり、ラック中央管理装置10が保持するサーバの構成情報を取得する。
【0022】
ラック中央管理装置10は、各ラック内の各サーバのハードウェア構成、MAC(Media Access Control)アドレス、IPアドレスなどの構成情報を保持する装置である。例えば、ラック中央管理装置10は、各サーバを識別する識別情報をラック管理装置20a〜20cから受信し、受信した識別情報を有するサーバに割り当てられたIPアドレスをDHCPサーバ5から取得する。そして、ラック中央管理装置10は、取得されたIPアドレスと受信された識別情報とを対応付けて所定の記憶部に格納する。また、ラック中央管理装置10は、管理装置6から構成情報の取得要求を受信した場合に、当該取得要求によって指定されたサーバの構成情報を管理装置6に送信する。
【0023】
ラック管理装置20a〜20cは、同じラック内にあるサーバの識別情報を受信して、ラック中央管理装置10に送信する装置である。例えば、ラック管理装置20aは、サーバ40a−1〜サーバ40a−nの識別情報を記憶部に記憶する。そして、ラック管理装置20aは、サーバ40a−1から識別情報を受信する。すると、ラック管理装置20aは、受信された識別情報と記憶部に保持される識別情報とを比較し、受信された識別情報が記憶部に記憶される識別情報から更新された識別情報であるか否かを判定する。そして、ラック管理装置20aは、受信した識別情報が更新された識別情報であると判定された場合に、受信した識別情報をラック中央管理装置10に送信する。
【0024】
各ラック内のスイッチは、サーバとラック管理装置の間の通信を中継したり、サーバとDHCPサーバ5の間の通信を中継したり、サーバからクライアント端末に提供されるサービスのデータを中継したりする中継装置である。例えば、スイッチ30aは、管理LANで使用されるIPアドレスを用いた通信でサーバ40a−1からデータを受信した場合には、当該データをラック管理装置20aに中継する。また、スイッチ30aは、基幹LANで使用されるIPアドレスを用いた通信でデータをサーバ40a−1から受信した場合には、DHCPサーバ5または基幹LAN上の他装置に、当該データを中継する。
【0025】
各ラック内のサーバは、基幹LAN上でクライアント端末にWebサービスなどの様々なサービスを提供する装置である。例えば、サーバ40a−3は、基幹LANで使用するIPアドレスを用いた通信で、Webサービスをクライアント端末に提供する。また、各ラック内のサーバは、自サーバと同じラックに搭載されるラック管理装置に、自装置の構成情報を管理LANで送信する。例えば、サーバ40a−3は、管理LANで使用するIPアドレスを用いた通信で、自装置に割り当てられた識別情報をラック管理装置20aに定期的に送信する。
【0026】
なお、ラック中央管理装置10や各ラック内のサーバに設定される基幹LANで使用するIPアドレスおよび管理LANで使用するIPアドレスのいずれも、DHCPサーバ5が割り当てるようにしてもよい。
【0027】
このように、各サーバからラック中央管理装置10へボトムアップ形式で構成情報の変更を通知することができ、ラック中央管理装置10がポーリングを行う必要もない。また、ラック中央管理装置10は、構成情報が通知されたサーバについてのみ、DHCPサーバ5からIPアドレスを取得すればよいので、DHCPサーバ5によるIPアドレスの更新間隔に影響を受けない。これらの結果、サーバの構成情報の変化に対応した適切なサーバ管理を行うことができる。
【実施例2】
【0028】
実施例2では、図1に示したシステムを形成する各装置の構成、処理の流れ等について説明する。なお、各ラックに搭載される装置は同様の機能を有するので、ここでは、ラックAのラック管理装置20aとのサーバ40a−1とについて詳細に説明する。なお、ここでは、サーバ40a−1をサーバ40aとする。
【0029】
ラックAに搭載されるスイッチ30aについては、L2スイッチ(レイヤ2スイッチ)、スイッチングハブ、L3スイッチ(レイヤ3スイッチ)、ルータなどと同様に、データを中継する機能を有するので、詳細な説明は省略する。また、DHCPサーバ5は、一般的に使用されるDHCPサーバと同様の機能を有するので、詳細な説明は省略する。また、管理装置6は、一般的なパーソナルコンピュータやサーバなどと同様の機能を有するので、詳細な説明は省略する。
【0030】
[各装置の構成]
図2を用いて、サーバ40aの構成、ラック管理装置20aの構成、ラック中央管理装置10の構成を順に説明する。図2は、システムを形成する各装置の構成を示すブロック図である。また、図2に示す各装置間は、管理LANで接続されているものとする。
【0031】
(サーバ40aの構成)
図2に示すように、サーバ40aは、通信制御I/F部41a、記憶部42a、制御部43aを有する。通信制御I/F部41aは、少なくとも1つのポートを有し、他の装置の通信を制御するインタフェースである。
【0032】
例えば、通信制御I/F部41aは、基幹LANで使用されるIPアドレスが設定されたポートAと、管理LANで使用されるIPアドレスが設定されたポートBとを有する。そして、通信制御I/F部41aは、ポートAを介して、クライアント装置との間にWebセッションを確立してWebサービスを提供する。また、通信制御I/F部41aは、ポートBからスイッチ30aを経由して、送信部44aから出力された情報をラック管理装置20aに送信する。なお、ここでは、サーバ40aがWebサービスを提供する例を示したが、サーバ40aが提供するサービスはWebサービスに限定されるものではない。
【0033】
記憶部42aは、制御部43aによる各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納する半導体メモリ素子、または、ハードディスクなどの記憶装置である。例えば、記憶部42aは、サーバ40aが一意に有する識別情報として、センサーデータレコード(SDR)、製造番号などのファシリティ情報(Asset情報)、MACアドレスなどを記憶する。なお、これらの情報は、サーバ40aの製造時に格納されたり、ラックAに設定される際やハードウェア保守時に管理者等によって格納されたりする。
【0034】
制御部43aは、例えばCPU(Central Processing Unit)などの電子回路である。この制御部43aは、OS(Operating System)などの制御プログラム、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有するとともに、送信部44aを有し、これらによって各種処理を実行する。
【0035】
上述した例で説明すると、制御部43aは、基幹LANで使用されるIPアドレスが設定されたポートAを介して、クライアント装置にWebサービスを提供する。また、制御部43aは、Webサービスを提供する場合に、リクエスト処理、セッションの確立、セッション確立後のサービス提供などの各種処理を実行する。また、制御部43aは、ポートAやポートBそれぞれに対するIPアドレスの割当をDHCPサーバ5にリクエストする。
【0036】
送信部44aは、自装置に一意に割り当てられた識別情報をラック管理装置20aに定期的に送信する。例えば、送信部44aは、LLDP(Link Layer Discovery Protocol)フレームに、上記ポートBを用いて、記憶部42aから取得した識別情報やMACアドレス等を付加してマルチキャストで送信する。また、送信部44aは、管理LAN上で管理される識別情報と基幹LAN上で管理される識別情報とを同じLLDPフレームで送信してもよい。また、送信部44aは、両方の識別情報を別々のLLDPフレームで同じタイミングで送信してもよく、両方の識別情報を別々のLLDPフレームで別々のタイミングで送信することもできる。
【0037】
なお、送信部44aが送信するLLDPフレームは、一般的なLLDPフレームであるので詳細な説明は省略するが、上記識別情報以外にも、例えばシャーシID、ポートID、有効期間等が含まれる。シャーシIDは、サーバ40aがブレードサーバである場合に上記フォーマットに含まれる、シャーシを識別する識別子である。ポートIDは、LLDPフレームを送信したポートを識別する識別子であり、例えばポート番号などである。有効期間は、LLDPフレームに格納されている情報の有効期間であり、0が送信された場合には、送信元の装置が停止しているか、送信を停止しているかを示す。
【0038】
また、送信部44aがLLDPフレームを送信する契機としては、例えば、サーバ40aがラックAに設置されてサーバ40aが起動された時点とその時点以降は20秒ごとのように任意に設定できる。一例としては、MTBF(Mean Time Between Failure)などの故障間隔に基づいて送信間隔を決定することもできる。なお、送信する契機は、管理者等によって記憶部42aに記憶されるので、送信部44aは、記憶部42aに記憶される情報に基づいて、識別情報の送信を実行する。
【0039】
(ラック管理装置20aの構成)
図2に示すように、ラック管理装置20aは、通信制御I/F部21a、記憶部22a、制御部25aを有する。通信制御I/F部21aは、少なくとも1つのポートを有し、他の装置の通信を制御するインタフェースである。
【0040】
例えば、通信制御I/F部21aは、スイッチ30aを介して、サーバ40aから送信されたLLDPフレームを受信して制御部25aに出力する。また、通信制御I/F部21aは、ラック管理装置20aの制御部25aで生成されたLLDPフレームをラック中央管理装置10に送信する。
【0041】
記憶部22aは、制御部25aによる各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納する半導体メモリ素子、または、ハードディスクなどの記憶装置である。例えば、記憶部22aは、設定情報DB23aと受信情報DB24aとを有する。
【0042】
設定情報DB23aは、管理者等によって、ラック管理装置20aに設定された情報を記憶するデータベースである。図3は、ラック管理装置の設定情報DBに記憶される情報の例を示す図である。図3に示すように、設定情報DB23aは、「MACアドレス、IPアドレス、ラックID」として「MAC(R)、IP(R)、R01」を記憶する。なお、ここで例示した情報はあくまで例示であり、これに限定されるものではない。
【0043】
ここで記憶される「MACアドレス」は、ラック管理装置20aに設定されたMACアドレスである。「IPアドレス」は、ラック管理装置20aに設定された管理LANで使用されるIPアドレスであり、ラック管理装置20aは、このIPアドレスを用いて、サーバ40aやラック中央管理装置10等とデータ通信を行う。「ラックID」は、ラック管理装置20aを識別する識別子である。図3の例では、ラック管理装置20aには、MACアドレスとして「MAC(R)」、IPアドレスとして「IP(R)」、ラックIDとして「R01」が設定されていることを示している。
【0044】
受信情報DB24aは、ラック内のサーバから受信した識別情報を記憶するデータベースである。図4は、ラック管理装置の受信情報DBに記憶される情報の例を示す図である。図4に示すように、受信情報DB24aは、「MACアドレス、ポートNo、Asset情報、スイッチID」を対応付けて記憶する。なお、ここで例示した情報はあくまで例示であり、これに限定されるものではない。
【0045】
ここで記憶される「MACアドレス」は、サーバのMACアドレスである。「ポートNo」は、LLDPフレームを受信したポート番号であり、「Asset情報」は、製造番号などの識別情報である。なお、「MACアドレス、ポートNo、Asset情報」は、LLDPフレームに含まれる識別情報である。「スイッチID」は、サーバから送信されたLLDPフレームをラック管理装置20aに中継したスイッチを識別する識別子であり、LLDPフレームを中継したスイッチによってLLDPフレームに付加される。
【0046】
図4の例では、MACアドレス「MAC(SA1)」を有するサーバのポート(P01)から送信されたAsset情報「Node1」を、スイッチID=S01のスイッチを経由して受信したことを示す。また、MACアドレス「MAC(SA2)」を有するサーバのポート(P02)から送信されたAsset情報「iRMC(リモートマネジメントコントローラ) of Node1」を、スイッチID=S01のスイッチを経由して受信したことを示す。つまり、図4の1行目は、基幹LAN上で管理されるサーバの識別情報を示しており、図4の2行目は、管理LAN上で管理されるサーバの識別情報を示している。
【0047】
制御部25aは、例えばCPUなどの電子回路である。この制御部25aは、OSなどの制御プログラム、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有するとともに、受信部26a、判定部27a、送信部28aを有し、これらによって各種処理を実行する。
【0048】
受信部26aは、ラック内のサーバから識別情報を受信し、受信した識別情報を判定部27aに出力する。例えば、受信部26aは、サーバ40aにおける管理LAN上で管理される識別情報とスイッチ30aのスイッチIDとが付加されたLLDPフレームを定期的に受信する。同様に、受信部26aは、サーバ40aにおける基幹LAN上で管理される識別情報とスイッチ30aのスイッチIDとが付加されたLLDPフレームを定期的に受信する。
【0049】
判定部27aは、受信部26aによって受信された識別情報と受信情報DB24aに記憶される識別情報とを比較し、受信された識別情報が受信情報DB24aに記憶される識別情報から更新された識別情報であるか否かを判定する。
【0050】
一例としては、判定部27aは、受信部26aによって受信された識別情報の「MACアドレス」をキーにして、受信された識別情報に対応する識別情報を受信情報DB24aから特定する。そして、判定部27aは、受信部26aによって受信された識別情報のタイムスタンプと受信情報DB24aに記憶される識別情報のタイムスタンプとを比較する。その後、判定部27aは、受信した識別情報の方が新しいと判定した場合には、受信した識別情報で受信情報DB24aに記憶される識別情報を更新するとともに、送信部28aに出力する。
【0051】
別例としては、判定部27aは、受信部26aによって受信された識別情報の「MACアドレス」をキーにして、受信情報DB24aに記憶される「Asset情報」を抽出する。そして、判定部27aは、受信部26aによって受信された識別情報に含まれる「Asset情報」が受信情報DB24aから抽出した「Asset情報」と異なる場合には、受信した識別情報が新しい識別情報であると判定する。その後は、上記例と同様なので、省略する。
【0052】
また、判定部27aは、受信部26aによって受信された識別情報が受信情報DB24aに記憶されていない場合にも、受信した識別情報が新しい識別情報であると判定する。
【0053】
送信部28aは、判定部27aによって受信した識別情報が更新された識別情報であると判定された場合に、受信した識別情報をラック中央管理装置10に送信する。例えば、送信部28aは、LLDPフレームを用いて、更新された識別情報をマルチキャストで送信する。このとき、送信部28aは、設定情報DB23aに記憶される「ラックID」をLLDPフレームに付加して送信する。
【0054】
送信部28aが送信するLLDPフレームには、例えば、サーバから受信されたLLDPフレームに含まれる「サーバのMACアドレス」、「サーバがLLDPフレームを送信したポートのポートNo」、「サーバのAsset情報」などが含まれる。また、送信部28aが送信するLLDPフレームには、サーバから送信されたLLDPフレームをラック管理装置20aに中継された際に、スイッチによってLLDPフレームに付加された「スイッチID」も含まれる。
【0055】
上述した例で説明すると、送信部28aが送信するLLDPフレームには、サーバ40aが送信したLLDPフレームから取得された識別情報「MACアドレス=MAC(SA1)、ポートNo=P01、Asset情報=Node1」が含まれる。さらに、サーバ40aから受信したLLDPフレームに付加されていた「スイッチID=S01」と、ラック管理装置20aの設定情報DB23aに記憶される「ラックID=R01」が含まれる。
【0056】
(ラック中央管理装置10の構成)
図2に示すように、ラック中央管理装置10は、通信制御I/F部11、記憶部12、制御部14を有する。通信制御I/F部11は、少なくとも1つのポートを有し、他の装置の通信を制御するインタフェースである。
【0057】
例えば、通信制御I/F部11は、基幹LANで使用されるIPアドレスが設定されたポートXと、管理LANで使用されるIPアドレスが設定されたポートYとを有する。そして、通信制御I/F部11は、ポートXを介して、DHCPサーバ5からリクエストしたサーバのIPアドレスを取得する。また、通信制御I/F部11は、ポートYを介して各ラック管理装置とデータの送受信を行う。
【0058】
記憶部12は、制御部14による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納する半導体メモリ素子、または、ハードディスクなどの記憶装置である。例えば、記憶部12は、構成情報DB13を有する。
【0059】
構成情報DB13は、各ラック管理装置から受信したサーバの構成情報を記憶するデータベースである。図5は、ラック中央管理装置の構成情報DBに記憶される情報の例を示す図である。図5に示すように、構成情報DB13は、「MACアドレス、ポートNo、Asset情報、ラックID、スイッチID、IPアドレス」を対応付けて記憶する。
【0060】
ここで記憶される「MACアドレス」は、サーバのMACアドレスであり、「ポートNo」は、サーバが識別情報を送信したポートのポート番号であり、「Asset情報」は、サーバの製造番号などである。「ラックID」は、サーバの識別情報を送信したラック管理装置を識別する識別子、言い換えると、サーバを搭載するラックを識別する識別子である。「スイッチID」は、サーバから送信されたLLDPフレームをラック管理装置20aに中継したスイッチを識別する識別子である。「IPアドレス」は、サーバに割り当てられたIPアドレスである。
【0061】
なお、「MACアドレス、ポートNo、Asset情報、ラックID、スイッチID」は、ラック管理装置から受信したLLDPフレームから取得される情報であり、「IPアドレス」は、DHCPサーバ5から取得される情報である。
【0062】
図5の場合、MACアドレス「MAC(SA1)」を有するサーバのポート(P01)から送信されたAsset情報「Node1」を、スイッチID=S01のスイッチを経由して、ラックID=R01を有するラック管理装置から受信したことを示す。また、このMACアドレス「MAC(SA1)」およびAsset情報「Node1」を有するサーバには、IPアドレス(SA1)が割り当てられていることを示す。
【0063】
同様に、MACアドレス「MAC(SA2)」を有するサーバのポート(P02)から送信されたAsset情報「iRMC of Node1」をスイッチID=S01のスイッチを経由して、ラックID=R01のラック管理装置から受信したことを示す。また、このMACアドレス「MAC(SA2)」およびAsset情報「iRMC of Node1」を有するサーバには、IPアドレス(SA2)が割り当てられていることを示す。つまり、図5の1行目は、基幹LAN上で管理されるサーバの識別情報を示しており、図5の2行目は、管理LAN上で管理されるサーバの識別情報を示している。
【0064】
制御部14は、例えばCPUなどの電子回路である。この制御部14は、OSなどの制御プログラム、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有するとともに、受信部15、取得部16、格納部17、提供部18を有し、これらによって各種処理を実行する。
【0065】
受信部15は、サーバの識別情報を含むLLDPフレームをラック管理装置から受信する。例えば、受信部15は、サーバ40aの「MACアドレス、ポートNo、Asset情報」およびラック管理装置20aの「ラックID」、スイッチ30aの「スイッチID」が含まれるLLDPフレームをラック管理装置20aから受信する。そして、受信部15は、受信したLLDPフレームを取得部16に通知する。
【0066】
取得部16は、受信部15によって受信された識別情報を有するサーバに割り当てられたアドレスをDHCPサーバ5から取得する。例えば、取得部16は、サーバ40aの識別情報が含まれるLLDPフレームを受信部15から受信すると、LLDPフレームに含まれるサーバ40aのMACアドレスやAsset情報を抽出する。そして、取得部16は、抽出したMACアドレスやAsset情報をDHCPサーバ5に送信して、サーバ40aに割り当てられたIPアドレスをリクエストする。その後、取得部16は、DHCPサーバ5からサーバ40aのIPアドレスを受信すると、受信部15から受信したLLDPフレームとDHCPサーバ5から受信したIPアドレスとを格納部17に出力する。
【0067】
格納部17は、取得部16によって取得されたアドレスと、受信部15によって受信された識別情報とを対応付けて構成情報DB13に格納する。例えば、受信部15がサーバ40aの識別情報「MACアドレス=MAC(SA1)、ポートNo=P01、Asset情報=Node1」と、「ラックID=R01」と、「スイッチID=S01」を受信したとする。また、取得部16が「IPアドレス=IP(SA1)」を受信したとする。この場合、格納部17は、「MAC(SA1)、P01、Node1」、「R01」、「S01」、「IP(SA1)」を対応付けた情報をサーバ40aの構成情報として構成情報DB13に格納する。
【0068】
提供部18は、管理装置6からリクエストを受信した場合に、リクエストされた構成情報を管理装置6に提供する。例えば、提供部18は、管理装置からIPアドレス「IP(SA2)を含むリクエストを受信した場合に、「IP(SA2)」に対応付けられた構成情報を構成情報DB13から取得する。そして、提供部18は、構成情報DB13から取得した構成情報「MAC(SA2)、P02、iRMC of Node1、R01、S01、IP(SA2)」を管理装置6に送信する。
【0069】
[処理の流れ]
次に、図1や図2で説明したシステムにおける処理の流れを説明する。図6は、構成情報収集処理の流れを示すシーケンス図である。
【0070】
図6に示すように、サーバ40aの送信部44aは、識別情報の送信契機を検出する(ステップS101)。すると、送信部44aは、サーバ40aのMACアドレスやAsset情報などの識別情報をLLDPフレームに含めて、ラック管理装置20aを宛先として含むマルチキャストで送信する(ステップS102)。
【0071】
ラック管理装置20aの受信部26aがLLDPフレームを受信すると(ステップS103)、判定部27aは、受信されたLLDPフレームに含まれる識別情報が以前に受信した識別情報を更新した新しい識別情報であるか否かを判定する(ステップS104)。
【0072】
そして、判定部27aは、LLDPフレームに含まれる識別情報が新しい識別情報ではないと判定した場合(ステップS104否定)、受信した識別情報を破棄し、処理を終了する(ステップS105)。
【0073】
一方、判定部27aが当該識別情報を新しい識別情報であると判定した場合(ステップS104肯定)、ステップS106を実行する。すなわち、送信部28aは、受信した識別情報等を含む新たなLLDPフレームを生成して、ラック中央管理装置10を宛先として含むマルチキャストで送信する(ステップS106)。そして、ラック中央管理装置10の受信部15は、サーバ40aの識別情報を含むLLDPフレームをラック管理装置20aから受信する(ステップS107)。
【0074】
上述したステップS102〜ステップS107が実行される一方で、サーバ40aの制御部43aは、DHCPサーバ5に対してIPアドレスの割当をリクエストする(ステップS108)。すると、DHCPサーバ5は、割り当てたIPアドレスをサーバ40aに通知する(ステップS109)。このとき、DHCPサーバ5は、サーバのMACアドレスやAsset情報に対応付けて、割り当てたIPアドレスを記憶する。
【0075】
そして、ラック中央管理装置10の取得部16は、受信部15によって受信された識別情報を有するサーバ40aに割り当てられたアドレスをDHCPサーバ5から取得する(ステップS110とステップS111)。なお、このとき、サーバ40aにIPアドレスがまだ割り当てられていない場合には、割り当てられるまでリトライする。
【0076】
その後、ラック中央管理装置10の格納部17は、取得部16によって取得されたアドレスと、受信部15によって受信された識別情報とを対応付けた構成情報を構成情報DB13に格納する(ステップS112)。
【0077】
上述した処理を行う一方で、ラック中央管理装置10の提供部18は、管理装置6から構成情報のリクエストを受信した場合に、リクエストされた構成情報を管理装置6に提供する(ステップS113とステップS114)。
【0078】
なお、ステップS101〜ステップS107と、ステップS108〜ステップS109と、ステップS110〜ステップS111と、ステップS113〜ステップS114とは、上述した順番に限定されるものではない。例えば、ステップS108〜ステップS109は、ステップS101〜ステップS107の間、一例としてはステップS106の後などで実行されていてもよい。
【0079】
[実施例2による効果]
実施例2によれば、LLDPによって識別情報送信を自動化できるので、運用コストを削減することができる。また、サーバの構成情報の変化に対応した適切なサーバ管理を行うことができる。また、送信間隔を1秒などと短くすることで、構成の変化を見逃すことなく管理できる。また、ラック中央管理装置がポーリングを行わずに、サーバの構成情報を追従することができ、ネットワーク負荷の軽減も図れる。
【0080】
近年、大規模データセンターでは、シャーシ単位あるいはラック単位で顧客に割当てる場合がある。つまり、センター内でいくつかの顧客を抱え、それぞれの顧客の要望に応じてラックおよびシャーシを提供している。このような複数の顧客を抱えるデータセンターであっても、実施例2で説明した手法を用いることで、ラックやシャーシ単位で構成情報やIPアドレスを管理することができる。また、ラックやシャーシ、サーバ単位でグループ化することもでき、管理形態に合せた管理を行うことができる。
【実施例3】
【0081】
図1に示した各サーバ、各ラック管理装置、ラック中央管理装置は、ブレードサーバで構成されていてもよい。ここでは、一例として、ラック管理装置とサーバがブレードサーバで構成される場合と、ラック管理装置とラック中央管理装置とがブレードサーバで構成される場合について説明する。
【0082】
(ラック管理装置とサーバがブレードサーバで構成される場合)
図7は、ラック管理装置とサーバとをブレードサーバで構成する場合の例を示す図である。図7に示すブレードサーバは、バックプレーン100にクロスバスイッチとしてXB101を有し、XB101にシステムボードとしてSB110〜SB140と入出力システムボード(IOSB)150とを有する。なお、クロスバスイッチ、システムボード、入出力システムボードの数はあくまで例示であり、これに限定されるものではない。
【0083】
バックプレーン100は、複数のコネクタ等を相互接続するバスを形成する回路基板である。XB101は、システムボードと入出力システムボードとの間でやり取りされるデータの経路を動的に選択するスイッチである。
【0084】
また、XB101に接続されるSB110は、システムコントローラ(System Controller:SC)110aと、CPU110bと、メモリアクセスコントローラ(Memory Access Controller:MAC)110fを有する。さらに、SB110は、DIMM(Dual Inline Memory Module)110gと、BMC110hと、NIC(Network Interface Card)110iとを有する。
【0085】
SC110aは、CPU110bとMAC110fとの間、CPU110bとNIC110iとの間、BMC110hとMAC110fとの間、BMC110hとNIC110iとの間それぞれにおけるデータ転送などを制御し、SB110全体を制御する。
【0086】
CPU110bは、SC110aを介して他のハードウェアと接続され、受信部110cと判定部110dと送信部110eとを有するプロセッサである。受信部110cは、図2で説明した受信部26aと同様の機能を有し、判定部110dは、図2で説明した判定部27aと同様の機能を有し、送信部110eは、図2で説明した送信部28aと同様の機能を有する。すなわち、SB110は、図2で説明したラック管理装置20aとして機能する。
【0087】
MAC110fは、DIMM110gとSC110aとの間に接続され、DIMM110gへのアクセスを制御する。DIMM110gは、SC110aを介して他の電子機器と接続され、メモリを装着してメモリ増設などを行うメモリモジュールである。例えば、DIMM110gは、図2で説明した設定情報DB23aや受信情報DB24aに記憶される情報を保持する。
【0088】
BMC110hは、SB110とは別の電源に接続され、SB110に搭載されるCPU110bなどのハードウェアの監視、リモートコントロール、ハードウェアイベントの記録などを行う管理コントローラである。このBMC110hには、管理LANで使用されるIPアドレス等が割り与えられる。したがって、SB110は、BMC110hを介してサーバからLLDPフレームを受信し、BMC110hを介してラック中央管理装置にLLDPフレームを送信する。NIC110iは、通信を行うためのインタフェースカードであり、例えば、基幹LANで使用されるIPアドレス等が割り与えられる。
【0089】
また、XB101に接続されるSB120は、SC120aと、CPU120bと、MAC120dと、DIMM120eと、BMC120fと、NIC120gとを有する。
【0090】
SC120aは、CPU120bとMAC120dとの間、CPU120bとNIC120gとの間、BMC120fとMAC120dとの間、BMC120fとNIC120gとの間それぞれにおけるデータ転送などを制御し、SB120全体を制御する。
【0091】
CPU120bは、SC120aを介して他のハードウェアと接続され、送信部120cを有するプロセッサである。送信部120cは、図2で説明した送信部44aと同様の機能を有する。すなわち、SB120は、図2で説明したサーバ40aとして機能する。
【0092】
MAC120dは、DIMM120eとSC120aとの間に接続され、DIMM120eへのアクセスを制御する。DIMM120eは、SC120aを介して他の電子機器と接続され、メモリを装着してメモリ増設などを行うメモリモジュールである。例えば、DIMM120eは、図2で説明した記憶部42aに記憶される情報を保持する。
【0093】
BMC120fは、SB120とは別の電源に接続され、SB120に搭載されるCPU120bなどのハードウェアの監視、リモートコントロール、ハードウェアイベントの記録などを行う管理コントローラである。このBMC120fには、管理LANで使用されるIPアドレス等が割り与えられる。したがって、SB120は、BMC120fを介してラック管理装置にLLDPフレームを送信する。NIC120gは、通信を行うためのインタフェースカードであり、例えば、基幹LANで使用されるIPアドレス等が割り与えられる。
【0094】
なお、SB120〜SB140は、同様の構成を有するので、SB130とSB140の説明は省略する。また、SB110やSB120などに搭載されるCPU、MAC、DIMMなどのハードウェアは、あくまで例示であり、数や種類が図7に示したものに限定されるものではない。
【0095】
IOSB150は、XB101を介してSB110〜SB140それぞれと接続されるとともに、SCSI(Small Computer System Interface)、FC(Fibre Channel)、イーサネット(登録商標)などを介して入出力デバイスと接続される。IOSB150は、入出力デバイスとXB101との間におけるデータ転送などの処理を制御する。
【0096】
(ラック管理装置とラック中央管理装置がブレードサーバで構成される場合)
図8は、ラック管理装置とラック中央管理装置とをブレードサーバで構成する場合の例を示す図である。図8に示すブレードサーバは、バックプレーン200にXB201を有し、XB201にSB210〜SB240とIOSB250とを有する。なお、クロスバスイッチ、システムボード、入出力システムボードの数はあくまで例示であり、これに限定されるものではない。
【0097】
バックプレーン200は、複数のコネクタ等を相互接続するバスを形成する回路基板である。XB201は、システムボードと入出力システムボードとの間でやり取りされるデータの経路を動的に選択するスイッチである。
【0098】
また、XB201に接続されるSB210は、SC210aと、CPU210bと、MAC210gと、DIMM210hと、BMC210iと、NIC210jとを有する。
【0099】
SC210aは、CPU210bとMAC210gとの間、CPU210bとNIC210jとの間、BMC210iとMAC210gとの間、BMC210iとNIC210jとの間それぞれにおけるデータ転送などを制御し、SB210全体を制御する。
【0100】
CPU210bは、SC210aを介して他のハードウェアと接続され、受信部210cと取得部210dと格納部210eと提供部210fを有するプロセッサである。受信部210cは、図2で説明した受信部15と同様の機能を有し、取得部210dは、図2で説明した取得部16と同様の機能を有する。また、格納部210eは、図2で説明した格納部17と同様の機能を有し、提供部210fは、図2で説明した提供部18と同様の機能を有する。すなわち、SB210は、図2で説明したラック中央管理装置10として機能する。
【0101】
MAC210gは、DIMM210hとSC210aとの間に接続され、DIMM210hへのアクセスを制御する。DIMM210hは、SC210aを介して他の電子機器と接続され、メモリを装着してメモリ増設などを行うメモリモジュールである。例えば、DIMM210hは、図2で説明した構成情報DB13に記憶される情報を保持する。
【0102】
BMC210iは、SB210とは別の電源に接続され、SB210に搭載されるCPU210bなどのハードウェアの監視、リモートコントロール、ハードウェアイベントの記録などを行う管理コントローラである。このBMC210iには、管理LANで使用されるIPアドレス等が割り与えられる。したがって、SB210は、BMC210iを介してラック管理装置からLLDPフレームを受信する。また、SB210は、BMC210iを介して管理装置に構成情報を提供する。
【0103】
NIC210jは、通信を行うためのインタフェースカードであり、例えば、基幹LANで使用されるIPアドレス等が割り与えられる。したがって、SB210は、NIC210jを介してDHCPサーバからIPアドレスを取得する。
【0104】
また、XB201に接続されるSB220は、SC220aと、CPU220bと、MAC220fと、DIMM220gと、BMC220hと、NIC220iとを有する。
【0105】
SC220aは、CPU220bとMAC220fとの間、CPU220bとNIC220iとの間、BMC220hとMAC220fとの間、BMC220hとNIC220iとの間それぞれにおけるデータ転送などを制御し、SB220全体を制御する。
【0106】
CPU220bは、SC220aを介して他のハードウェアと接続され、受信部220cと判定部220dと送信部220eとを有するプロセッサである。受信部220cは、図2で説明した受信部26aと同様の機能を有し、判定部220dは、図2で説明した判定部27aと同様の機能を有し、送信部220eは、図2で説明した送信部28aと同様の機能を有する。すなわち、SB220は、図2で説明したラック管理装置20aとして機能する。
【0107】
MAC220fは、DIMM220gとSC220aとの間に接続され、DIMM220gへのアクセスを制御する。DIMM220gは、SC220aを介して他の電子機器と接続され、メモリを装着してメモリ増設などを行うメモリモジュールである。例えば、DIMM220gは、図2で説明した設定情報DB23aや受信情報DB24aに記憶される情報を保持する。
【0108】
BMC220hは、SB220とは別の電源に接続され、SB220に搭載されるCPU220bなどのハードウェアの監視、リモートコントロール、ハードウェアイベントの記録などを行う管理コントローラである。このBMC220hには、管理LANで使用されるIPアドレス等が割り与えられる。したがって、SB220は、BMC220hを介してサーバからLLDPフレームを受信し、BMC220hを介してラック中央管理装置にLLDPフレームを送信する。NIC220iは、通信を行うためのインタフェースカードであり、例えば、基幹LANで使用されるIPアドレス等が割り与えられる。
【0109】
なお、SB220〜SB240は、同様の構成を有するので、SB230とSB240の説明は省略する。また、SB210やSB220などに搭載されるCPU、MAC、DIMMなどのハードウェアは、あくまで例示であり、数や種類が図8に示したものに限定されるものではない。
【0110】
(実施例3による効果)
このように、ブレードサーバであっても、実施例2と同様の手法で、サーバの構成情報の変化に対応した適切なサーバ管理を行うことができる。また、シャーシIDやシステムボードを識別する識別子などLLDPフレームに含めて、ラック中央管理装置に送信することができるので、シャーシIDやシステムボードごとにグループ化して構成情報を管理することができる。
【実施例4】
【0111】
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下に異なる実施例を説明する。
【0112】
[送信手法]
実施例1〜3では、サーバは、LLDPフレームでラック管理装置の識別情報を送信し、ラック管理装置は、LLDPフレームでラック中央管理装置に識別情報を送信する例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、開示するシステム専用のプロコルを用いることもでき、SNMP(Simple Network Management Protocol)のトラップ機能等を用いることもできる。
【0113】
[構成情報]
実施例1〜3では、ラック中央管理装置は、構成情報としてサーバの「MACアドレス、ポートNo、Asset情報、IPアドレス」と「ラックID」、「スイッチID」を記憶する例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、サーバの構成情報に加えて、ラック管理装置の製造番号、IPアドレス、ラック管理装置のポートNoなどを記憶することもできる。これらラック管理装置の情報は、ラック管理装置がLLDPフレームに含めてラック中央管理装置に送信することで、ラック中央管理装置は、これらの情報を収集することができる。
【0114】
また、ラック中央管理装置は、ラック管理装置から受信したラック管理装置の製造番号、IPアドレス、ラック管理装置のポートNoを、サーバの情報とは別に保持することもできる。この結果、ラック中央管理装置は、サーバの構成情報とラック管理装置の構成情報とを収集して管理することができる。
【0115】
[ラック管理装置の送信契機]
実施例1〜3では、ラック管理装置は、サーバから受信した識別情報が更新された識別情報である場合に、ラック中央管理装置にサーバの識別情報を送信する例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ラック管理装置は、LLDPフレームを用いて、ラック中央管理装置にサーバの識別情報を定期的に送信することもできる。
【0116】
一例としては、ラック管理装置は、サーバから受信した識別情報が更新された識別情報である場合には、受信情報DBに記憶される識別情報を更新する。なお、ラック管理装置は、サーバから受信した識別情報が受信情報DBに記憶されない新規サーバの識別情報である場合には、新たな識別情報として受信情報DBに格納する。
【0117】
そして、ラック管理装置は、例えば20秒ごとに、受信情報DBに記憶されるサーバの識別情報各々に対してLLDPフレームを生成して、ラック中央管理装置に定期的に送信する。つまり、ラック管理装置は、サーバの識別情報を受信する処理と、ラック中央管理装置へ識別情報を送信する処理とを関連付けずに、別々に処理することもできる。この結果、ラック中央管理装置は、ラック管理装置に障害が発生した場合には、定期的に送信されるLLDPフレームを受信することができない。したがって、ラック管理装置の障害を迅速に検出することができる。なお、送信間隔は、サーバの故障間隔に基づいて決定してもよい。
【0118】
また、ラック管理装置は、サーバの識別情報を受信する処理と、ラック中央管理装置へ識別情報を送信する処理とを関連付けることもできる。具体的には、ラック管理装置は、サーバの識別情報を定期的に送信する際に、前回から更新されている識別情報だけをラック中央管理装置に送信してもよい。
【0119】
[システム]
また、本実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともできる。あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、例えば図3〜図6等に示した各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0120】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、例えばラック中央管理装置10の取得部16と格納部17とを統合するなど各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られない。つまり、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0121】
[プログラム]
ところで、上記の実施例で説明した各種の処理は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータシステムで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、上記の実施例と同様の機能を有するプログラムを実行するコンピュータシステムの一例を説明する。
【0122】
(識別情報提供プログラム)
図9は、識別情報提供プログラムを実行するコンピュータシステムの例を示す図である。図9に示すように、コンピュータシステム300は、バス300aにCPU305、ROM(Read Only Memory)304、RAM(Random Access Memory)301が接続される。また、コンピュータシステム300は、バス300aにNIC302、HDD(Hard Disk Drive)303が接続されている。
【0123】
ROM304は、識別情報提供プログラム304aを保持する。記録媒体の例としてROM304を例に挙げたが、HDD、RAM、CD−ROM等の他のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に各種プログラムを格納しておき、コンピュータに読み取らせることとしてもよい。なお、記録媒体を遠隔地に配置し、コンピュータがその記録媒体にアクセスすることでプログラムを取得して利用してもよい。また、その際、取得したプログラムをそのコンピュータ自身の記録媒体に格納して用いてもよい。
【0124】
CPU305は、識別情報提供プログラム304aを読み出して実行することで、図2で説明したサーバ40aと同様の機能を実行する識別情報提供プロセス305aを動作させる。すなわち、識別情報提供プロセス305aは、送信部44aと同様の動作を実行する。このようにコンピュータシステム300は、ROM304からプログラムを読み出して実行することで識別情報提供方法を実行するサーバとして動作する。
【0125】
(識別情報収集プログラム)
図10は、識別情報収集プログラムを実行するコンピュータシステムの例を示す図である。図10に示すように、コンピュータシステム400は、バス400aにCPU405、ROM404、RAM401が接続される。また、コンピュータシステム400は、バス400aにNIC402、HDD403が接続されている。また、HDD403には、図2に示した設定情報DB23aに対応する設定情報テーブル403aと、受信情報DB24aに対応する受信情報テーブル403bとが設けられる。
【0126】
ROM404は、識別情報収集プログラム404aを保持する。記録媒体の例としてROM404を例に挙げたが、HDD、RAM、CD−ROM等の他のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に各種プログラムを格納しておき、コンピュータに読み取らせることとしてもよい。なお、記録媒体を遠隔地に配置し、コンピュータがその記録媒体にアクセスすることでプログラムを取得して利用してもよい。また、その際、取得したプログラムをそのコンピュータ自身の記録媒体に格納して用いてもよい。
【0127】
CPU405は、識別情報収集プログラム404aを読み出して実行することで、図2で説明したラック管理装置20aと同様の機能を実行する識別情報収集プロセス405aを動作させる。すなわち、識別情報収集プロセス405aは、受信部26aと判定部27aと送信部28aと同様の動作を実行する。このようにコンピュータシステム400は、ROM404からプログラムを読み出して実行することで識別情報収集方法を実行するラック管理装置として動作する。
【0128】
(構成情報管理プログラム)
図11は、構成情報管理プログラムを実行するコンピュータシステムの例を示す図である。図11に示すように、コンピュータシステム500は、バス500aにCPU505、ROM504、RAM501が接続される。また、コンピュータシステム500は、バス500aにNIC502、HDD503が接続されている。また、HDD503には、図2に示した構成情報DB13に対応する構成情報テーブル503aが設けられる。
【0129】
ROM504は、構成情報管理プログラム504aを保持する。記録媒体の例としてROM504を例に挙げたが、HDD、RAM、CD−ROM等の他のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に各種プログラムを格納しておき、コンピュータに読み取らせることとしてもよい。なお、記録媒体を遠隔地に配置し、コンピュータがその記録媒体にアクセスすることでプログラムを取得して利用してもよい。また、その際、取得したプログラムをそのコンピュータ自身の記録媒体に格納して用いてもよい。
【0130】
CPU505は、構成情報管理プログラム504aを読み出して実行することで、図2で説明したラック中央管理装置10と同様の機能を実行する構成情報管理プロセス505aを動作させる。すなわち、構成情報管理プロセス505aは、受信部15と取得部16と格納部17と提供部18と同様の動作を実行する。このようにコンピュータシステム500は、ROM504からプログラムを読み出して実行することで構成情報管理方法を実行するラック中央管理装置として動作する。
【0131】
以上の各実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0132】
(付記1)ラックに搭載される情報処理装置と、前記情報処理装置に接続されるラック管理装置と、前記ラック管理装置に接続されるラック中央管理装置とを有する装置管理システムであって、
前記情報処理装置は、
自装置に割り当てられた識別情報を前記ラック管理装置に定期的に送信する送信部を有し、
前記ラック管理装置は、
前記情報処理装置の識別情報を記憶する記憶部と、
前記識別情報を前記情報処理装置から受信する受信部と、
前記受信部によって受信された識別情報と前記記憶部に記憶される識別情報とを比較し、受信された識別情報が前記記憶部に記憶される識別情報から更新された識別情報であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって受信した識別情報が更新された識別情報であると判定された場合に、前記受信した識別情報を前記ラック中央管理装置に送信する送信部とを有し、
前記ラック中央管理装置は、
前記識別情報を前記ラック管理装置から受信する受信部と、
前記受信部によって受信された識別情報を有する情報処理装置に割り当てられたアドレスをアドレス割当装置から取得する取得部と、
前記取得部によって取得されたアドレスと、前記受信部によって受信された識別情報とを対応付けて所定の記憶部に格納する格納部と
を有することを特徴とする装置管理システム。
【0133】
(付記2)前記ラック管理装置の送信部は、前記ラック管理装置を一意に識別するラック管理識別子を識別情報に付加して送信し、
前記ラック中央管理装置の受信部は、前記識別情報とともに前記ラック管理識別子を受信し、
前記ラック中央管理装置の格納部は、前記ラック管理識別子をさらに対応付けて前記所定の記憶部に格納することを特徴とする付記1に記載の装置管理システム。
【0134】
(付記3)前記ラック中央管理装置の受信部は、前記情報処理装置と前記ラック管理装置との通信を中継するネットワーク機器を一意に識別するネットワーク機器識別子をさらに受信し、
前記ラック中央管理装置の格納部は、前記ネットワーク機器識別子をさらに対応付けて前記所定の記憶部に格納することを特徴とする付記1または2に記載の装置管理システム。
【0135】
(付記4)前記情報処理装置の送信部は、Link Layer Discovery Protocolを用いて、前記識別情報を前記ラック管理装置に定期的に送信し、
前記ラック管理装置の送信部は、Link Layer Discovery Protocolを用いて、前記受信した識別情報を前記ラック中央管理装置に送信することを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の装置管理システム。
【0136】
(付記5)前記情報処理装置は、ネットワークを介してクライアント端末にサービスを提供する装置であり、
前記情報処理装置の送信部は、前記ネットワークとは異なるネットワークを用いて、前記識別情報を前記ラック管理装置に送信し、
前記ラック管理装置の送信部は、前記異なるネットワークを用いて、前記受信した識別情報を前記ラック中央管理装置に送信することを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の装置管理システム。
【0137】
(付記6)ラックに搭載された情報処理装置に接続されるラック管理装置と前記情報処理装置にアドレスを割り与えるアドレス割当装置とに接続されるコンピュータに、
構成が変更された情報処理装置に割り当てられた識別情報を前記ラック管理装置から受信する手順と、
受信した識別情報を有する情報処理装置に割り当てられたアドレスを前記アドレス割当装置から取得する手順と、
取得したアドレスと識別情報とを対応付けて記憶部に格納する手順と
を実行させることを特徴とする構成情報管理プログラム。
【0138】
(付記7)前記受信する手順は、前記ラック管理装置を一意に識別するラック管理識別子、または、前記情報処理装置と前記ラック管理装置との通信を中継するネットワーク機器を一意に識別するネットワーク機器識別子をさらに受信し、
前記格納する手順は、前記受信したラック管理識別子またはネットワーク機器識別子をさらに対応付けて前記記憶部に格納することを特徴とする付記6に記載の構成情報管理プログラム。
【0139】
(付記8)前記受信する手順は、Link Layer Discovery Protocolを用いて、前記ラック管理装置から受信することを特徴とする付記6または7に記載の構成情報管理プログラム。
【0140】
(付記9)前記情報処理装置は、ネットワークを介してクライアント端末に各種サービスを提供する装置であり、
前記受信する手順は、前記ネットワークとは異なるネットワークを介して、前記ラック管理装置から受信することを特徴とする付記6〜8のいずれか一つに記載の構成情報管理プログラム。
【0141】
(付記10)ラックに搭載される情報処理装置に接続されるコンピュータに、
前記情報処理装置に一意に割り当てられた識別情報を前記情報処理装置から受信する手順と、
受信した識別情報と記憶部に記憶される識別情報とを比較し、受信した識別情報が前記記憶部に記憶される識別情報から更新された識別情報であるか否かを判定する手順と、
前記受信した識別情報が更新された識別情報であると判定した場合に、前記受信した識別情報を、前記情報処理装置に関する情報を保持するラック中央管理装置に送信する手順と
を実行させることを特徴とする識別情報収集プログラム。
【0142】
(付記11)前記送信する手順は、前記識別情報を前記ラック中央管理装置に送信する自コンピュータを一意に識別するラック管理識別子、または、前記情報処理装置と自コンピュータとの通信を中継するネットワーク機器を一意に識別するネットワーク機器識別子とをさらに前記ラック中央管理装置に送信することを特徴とする付記10に記載の識別情報収集プログラム。
【0143】
(付記12)前記受信する手順は、Link Layer Discovery Protocolを用いて、前記情報処理装置から定期的に受信し、
前記送信する手順は、Link Layer Discovery Protocolを用いて、前記ラック中央管理装置に定期的に送信することを特徴とする付記10または11に記載の識別情報収集プログラム。
【0144】
(付記13)前記情報処理装置は、ネットワークを介してクライアント端末に各種サービスを提供する装置であり、
前記受信する手順は、前記ネットワークとは異なるネットワークを介して、前記情報処理装置から受信し、
前記送信する手順は、前記異なるネットワークを介して、前記ラック中央管理装置に送信することを特徴とする付記10〜12のいずれか一つに記載の識別情報収集プログラム。
【0145】
(付記14)ラックに搭載されるコンピュータに、
Link Layer Discovery Protocolを用いて、自コンピュータに割り当てられた識別情報を、自コンピュータに接続されるラック管理装置に定期的に送信する手順
を実行させることを特徴とする識別情報提供プログラム。
【0146】
(付記15)前記コンピュータは、ネットワークを介してクライアント端末に各種サービスを提供するコンピュータであり、
前記送信する手順は、前記ネットワークとは異なるネットワークを介して、前記ラック管理装置に前記識別情報を送信することを特徴とする付記14に記載の識別情報提供プログラム。
【0147】
(付記16)ラックに搭載された情報処理装置に接続されるラック管理装置と、前記情報処理装置にアドレスを割り与えるアドレス割当装置とに接続されるラック中央管理装置であって、
構成が変更された情報処理装置に一意に割り当てられた識別情報を前記ラック管理装置から受信する受信部と、
前記受信部によって受信された識別情報を有する情報処理装置に割り当てられたアドレスを前記アドレス割当装置から取得する取得部と、
前記取得部によって取得されたアドレスと識別情報とを対応付けて記憶部に格納する格納部と
を有することを特徴とするラック中央管理装置。
【0148】
(付記17)ラックに搭載される情報処理装置に接続されるラック管理装置であって、
前記情報処理装置に一意に割り当てられた識別情報を記憶する記憶部と、
前記識別情報を前記情報処理装置から受信する受信部と、
前記受信部によって受信された識別情報と前記記憶部に記憶される識別情報とを比較し、受信した識別情報が前記記憶部に記憶される識別情報から更新された識別情報であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって受信された識別情報が更新された識別情報であると判定した場合に、前記受信した識別情報を、前記情報処理装置の構成情報を保持するラック中央管理装置に送信する送信部と
を有することを特徴とするラック管理装置。
【0149】
(付記18)ラックに搭載される情報処理装置であって、
Link Layer Discovery Protocolを用いて、自装置に一意に割り当てられた識別情報を、自装置に接続されるラック管理装置に定期的に送信する送信部、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【0150】
(付記19)ラックに搭載される情報処理装置と、前記情報処理装置に接続されるラック管理装置と、前記ラック管理装置に接続されるラック中央管理装置とを有する装置管理システムに適した装置管理方法であって、
前記情報処理装置は、
自装置に割り当てられた識別情報を前記ラック管理装置に定期的に送信し、
前記ラック管理装置は、
前記識別情報を前記情報処理装置から受信し、
前記受信した識別情報と記憶部に記憶される識別情報とを比較し、受信された識別情報が前記記憶部に記憶される識別情報から更新された識別情報であるか否かを判定し、
前記受信した識別情報が更新された識別情報であると判定された場合に、前記受信した識別情報を前記ラック中央管理装置に送信し、
前記ラック中央管理装置は、
前記識別情報を前記ラック管理装置から受信し、
前記受信した識別情報を有する情報処理装置に割り当てられたアドレスをアドレス割当装置から取得し、
前記取得したアドレスと、前記受信した識別情報とを対応付けて所定の記憶部に格納する
ことを含んだことを特徴とする装置管理方法。
【符号の説明】
【0151】
5 DHCPサーバ
6 管理装置
10 ラック中央管理装置
11 通信制御I/F部
12 記憶部
13 構成情報DB
14 制御部
15 受信部
16 取得部
17 格納部
18 提供部
20a ラック管理装置
21a 通信制御I/F部
22a 記憶部
23a 設定情報DB
24a 受信情報DB
25a 制御部
26a 受信部
27a 判定部
28a 送信部
40a サーバ
41a 通信制御I/F部
42a 記憶部
43a 制御部
44a 送信部
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバの装置管理システム、構成情報管理プログラム、識別情報収集プログラム、識別情報提供プログラムおよび装置管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大規模データセンターでは、数千から数万台規模のサーバが運用管理されている。これらのサーバ管理には、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバ等を用いて各サーバにIP(Internet Protocol)アドレスを自動的に割当て、割り当てたIPアドレスを用いてサーバを特定し管理している。
【0003】
このように、大量のサーバを管理するに当たっては、IPアドレスの割当を効率的に実施したいユーザからのニーズがある。例えば、同一シャーシ内にある複数の制御カードへIPアドレスを割当てる際に、シャーシ内に実装されているシャーシマネジメント装置が、各制御カードのMAC(Media Access Control)アドレスと実装位置情報を検出する。そして、シャーシマネジメント装置は、検出した制御カードのMACアドレスと実装位置情報とを、DHCPサーバに対して通知する。DHCPサーバは、通知を受けた情報をもとに、各制御カードにIPアドレスを割当てる。
【0004】
このようにすることで、保守等により、制御カードを抜いて新しい制御カードを挿入した場合でも、従来の制御カードに割り当てられたIPアドレスを新しい制御カードで引き継いで使用できる。したがって、保守のたびにIPアドレスの割当を実行することもないので、IPアドレスの割当が効率的になる。
【0005】
また、サーバの運用管理としては、上述したIPアドレスの割当を効率的に実行する以外にも、各サーバの構成情報を管理することも行われている。例えば、管理サーバは、ネットワークスイッチに対して定期的にポーリングを実施する。そして、管理サーバは、このポーリングによって、ネットワークスイッチに接続されたサーバの物理的な接続位置を検出し、サーバのMACアドレスと接続位置とを取得する。そして、管理サーバは、取得した情報から構成情報を生成する。このようにすることで、各サーバの構成情報を管理することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−227987号公報
【特許文献2】特開2005−151107号公報
【特許文献3】特許第4257238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の技術では、シャーシやブレードなどサーバの構成情報の変化に対応した適切なサーバ管理を行うことができないという課題があった。
【0008】
例えば、データセンターに設置されて管理対象となるサーバの台数が大規模になると、データセンター内のハード故障による保守交換の頻度が上がる。一例として、5万台規模のサーバを有するデータセンターにおいて、サーバ1台に4台のHDD(Hard Disk Drive)が搭載されており、HDDの故障率を8%と仮定する。この場合、サーバのMTBF(Mean Time Between Failure)は、「(24(時間)×365(日))/0.08=109500(時間)」となり「109500(時間)/(50000×4)=0.55(時間)」となる。つまり、30分に1台の割合でサーバのHDDが故障することになる。そして、故障したために交換された新しいサーバは、DHCPサーバに対してIPアドレスの要求を行い、IPアドレスが割り与えられる。
【0009】
一方で、DHCPサーバは、5万台規模のIPアドレスの管理も同時に行っているので、通常のIPアドレスのリース時間の終了による更新作業と新規IPアドレスの割当がほぼ同時に進行することになる。例えば、リース時間を48時間(172800sec)とすると、5万台のサーバに対して約3.5secでリース時間の更新を行うことになる。したがって、IPアドレスの割当にかかった所要時間が約30secかかる場合には、5万台規模の故障頻度と同等レベルとなることもある。このように、サーバのIPアドレス更新、リース更新、故障したHDDの交換等の処理が頻繁に発生する場合には、サーバの構成情報の変化に対応できず、サーバの構成情報を管理できない。
【0010】
また、管理対象のサーバの台数が大規模である場合に、管理サーバから実行されたポーリングが各サーバを1周するのに時間がかかり、管理サーバは、各サーバの構成情報を迅速に取得できない。また、管理対象のシステムが、上述したサーバのIPアドレス更新、リース更新、故障したHDDの交換等の処理が頻繁に発生するシステムである場合には、ポーリングにより時間がかかる。したがって、いずれの場合であっても、サーバの構成情報の生成に時間がかかり、構成情報の変化に対応できていると言えないので、適切なサーバ管理ができているとは言い難い。
【0011】
1つの側面では、サーバの構成情報の変化に対応した適切なサーバ管理を行うことができる装置管理システム、構成情報管理プログラム、識別情報収集プログラム、識別情報提供プログラムおよび装置管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1の案では、ラックに搭載される情報処理装置と、前記情報処理装置に接続されるラック管理装置と、前記ラック管理装置に接続されるラック中央管理装置とを有する装置管理システムである。前記情報処理装置は、自装置に割り当てられた識別情報を前記ラック管理装置に定期的に送信する送信部を有する。前記ラック管理装置は、前記情報処理装置の識別情報を記憶する記憶部と、前記識別情報を前記情報処理装置から受信する受信部とを有する。前記ラック管理装置は、前記受信部によって受信された識別情報と前記記憶部に記憶される識別情報とを比較し、受信された識別情報が前記記憶部に記憶される識別情報から更新された識別情報であるか否かを判定する判定部を有する。前記ラック管理装置は、前記判定部によって受信した識別情報が更新された識別情報であると判定された場合に、前記受信した識別情報を前記ラック中央管理装置に送信する送信部を有する。前記ラック中央管理装置は、前記識別情報を前記ラック管理装置から受信する受信部と、前記受信部によって受信された識別情報を有する情報処理装置に割り当てられたアドレスをアドレス割当装置から取得する取得部とを有する。前記ラック中央管理装置は、前記取得部によって取得されたアドレスと、前記受信部によって受信された識別情報とを対応付けて所定の記憶部に格納する格納部を有する。
【発明の効果】
【0013】
サーバの構成情報の変化に対応した適切なサーバ管理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、実施例1に係るシステムの全体構成を示す図である。
【図2】図2は、システムを形成する各装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、ラック管理装置の設定情報DBに記憶される情報の例を示す図である。
【図4】図4は、ラック管理装置の受信情報DBに記憶される情報の例を示す図である。
【図5】図5は、ラック中央管理装置の構成情報DBに記憶される情報の例を示す図である。
【図6】図6は、構成情報収集処理の流れを示すシーケンス図である。
【図7】図7は、ラック管理装置とサーバとをブレードサーバで構成する場合の例を示す図である。
【図8】図8は、ラック管理装置とラック中央管理装置とをブレードサーバで構成する場合の例を示す図である。
【図9】図9は、識別情報提供プログラムを実行するコンピュータシステムの例を示す図である。
【図10】図10は、識別情報収集プログラムを実行するコンピュータシステムの例を示す図である。
【図11】図11は、構成情報管理プログラムを実行するコンピュータシステムの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本願の開示する装置管理システム、構成情報管理プログラム、識別情報収集プログラム、識別情報提供プログラムおよび装置管理方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0016】
図1は、実施例1に係るシステムの全体構成を示す図である。ここでは、まず、システム全体の構成を説明し、次に、各装置について説明する。図1に示すように、このシステムは、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバ5、管理装置6、ラック中央管理装置10、ラックA、ラックB、ラックCを有する。なお、各ラックは、例えば提供されるサービス形態や、ホスティングされている顧客などが異なる。
【0017】
ラックA、ラックB、ラックCには、ラック管理装置とスイッチとサーバが搭載される。例えば、ラックAは、ラック管理装置20aと、スイッチ30aと、スイッチ30bと、サーバ40a−1〜サーバ40a−nと、サーバ40b−1〜サーバ40b−nとを搭載する。なお、各ラックは、同様の機能を有する装置が搭載されるため、ここでは、ラックA内の各装置について詳細に説明するが、各ラック内における各装置の台数や構成は、顧客やサービス等によって任意に変更できる。
【0018】
そして、このシステムでは、各装置間が、基幹ネットワーク(以下、「基幹LAN(Local Area Network)」と呼ぶ)、または、管理用ネットワーク(以下、「管理LAN」と呼ぶ)のいずれかで接続される。この基幹LANとは、各ラックに搭載される各サーバがクライアント装置等にサービスを提供するネットワークである。また、管理LANとは、システム管理者等によりシステムの保守管理に利用され、ラック内のサーバが提供するサービスには利用されない管理用のネットワークである。
【0019】
具体的には、ラック中央管理装置10と管理装置6とは管理LANで接続される。同様に、ラック中央管理装置10とラック管理装置20a、ラック中央管理装置10とラック管理装置20b、ラック中央管理装置10とラック管理装置20cそれぞれが、管理LANで接続される。同様に、ラック管理装置20aとスイッチ30aおよびスイッチ30bなどのように、各ラック内のラック管理装置とスイッチとの間も管理LANで接続される。
【0020】
また、ラック中央管理装置10とDHCPサーバ5とは基幹LANで接続される。同様に、スイッチ30aとDHCPサーバ5などのように、各ラック内の各スイッチとDHCPサーバ5との間は基幹LANで接続される。また、スイッチ30aとサーバ40aなどのように、各ラック内のスイッチとサーバとの間は、基幹LANと管理LANとのそれぞれで接続される。なお、本実施例では、異なる2つのネットワークを用いた例について説明するが、これに限定されるものではなく、例えば、3つ以上のネットワークを用いてもよく、全て基幹LANで接続してもよい。
【0021】
次に、図1に示したシステムを形成する各装置について説明する。DHCPサーバ5は、ラック内の各サーバにIP(Internet Protocol)を自動的に割り当てる装置であり、例えばサーバに実装されるNIC(Network Interface Card)、BMC(Base Management Controller)、制御カード等にIPアドレスを割り当てる。管理装置6は、システム全体を管理する管理者が利用するコンピュータであり、ラック中央管理装置10が保持するサーバの構成情報を取得する。
【0022】
ラック中央管理装置10は、各ラック内の各サーバのハードウェア構成、MAC(Media Access Control)アドレス、IPアドレスなどの構成情報を保持する装置である。例えば、ラック中央管理装置10は、各サーバを識別する識別情報をラック管理装置20a〜20cから受信し、受信した識別情報を有するサーバに割り当てられたIPアドレスをDHCPサーバ5から取得する。そして、ラック中央管理装置10は、取得されたIPアドレスと受信された識別情報とを対応付けて所定の記憶部に格納する。また、ラック中央管理装置10は、管理装置6から構成情報の取得要求を受信した場合に、当該取得要求によって指定されたサーバの構成情報を管理装置6に送信する。
【0023】
ラック管理装置20a〜20cは、同じラック内にあるサーバの識別情報を受信して、ラック中央管理装置10に送信する装置である。例えば、ラック管理装置20aは、サーバ40a−1〜サーバ40a−nの識別情報を記憶部に記憶する。そして、ラック管理装置20aは、サーバ40a−1から識別情報を受信する。すると、ラック管理装置20aは、受信された識別情報と記憶部に保持される識別情報とを比較し、受信された識別情報が記憶部に記憶される識別情報から更新された識別情報であるか否かを判定する。そして、ラック管理装置20aは、受信した識別情報が更新された識別情報であると判定された場合に、受信した識別情報をラック中央管理装置10に送信する。
【0024】
各ラック内のスイッチは、サーバとラック管理装置の間の通信を中継したり、サーバとDHCPサーバ5の間の通信を中継したり、サーバからクライアント端末に提供されるサービスのデータを中継したりする中継装置である。例えば、スイッチ30aは、管理LANで使用されるIPアドレスを用いた通信でサーバ40a−1からデータを受信した場合には、当該データをラック管理装置20aに中継する。また、スイッチ30aは、基幹LANで使用されるIPアドレスを用いた通信でデータをサーバ40a−1から受信した場合には、DHCPサーバ5または基幹LAN上の他装置に、当該データを中継する。
【0025】
各ラック内のサーバは、基幹LAN上でクライアント端末にWebサービスなどの様々なサービスを提供する装置である。例えば、サーバ40a−3は、基幹LANで使用するIPアドレスを用いた通信で、Webサービスをクライアント端末に提供する。また、各ラック内のサーバは、自サーバと同じラックに搭載されるラック管理装置に、自装置の構成情報を管理LANで送信する。例えば、サーバ40a−3は、管理LANで使用するIPアドレスを用いた通信で、自装置に割り当てられた識別情報をラック管理装置20aに定期的に送信する。
【0026】
なお、ラック中央管理装置10や各ラック内のサーバに設定される基幹LANで使用するIPアドレスおよび管理LANで使用するIPアドレスのいずれも、DHCPサーバ5が割り当てるようにしてもよい。
【0027】
このように、各サーバからラック中央管理装置10へボトムアップ形式で構成情報の変更を通知することができ、ラック中央管理装置10がポーリングを行う必要もない。また、ラック中央管理装置10は、構成情報が通知されたサーバについてのみ、DHCPサーバ5からIPアドレスを取得すればよいので、DHCPサーバ5によるIPアドレスの更新間隔に影響を受けない。これらの結果、サーバの構成情報の変化に対応した適切なサーバ管理を行うことができる。
【実施例2】
【0028】
実施例2では、図1に示したシステムを形成する各装置の構成、処理の流れ等について説明する。なお、各ラックに搭載される装置は同様の機能を有するので、ここでは、ラックAのラック管理装置20aとのサーバ40a−1とについて詳細に説明する。なお、ここでは、サーバ40a−1をサーバ40aとする。
【0029】
ラックAに搭載されるスイッチ30aについては、L2スイッチ(レイヤ2スイッチ)、スイッチングハブ、L3スイッチ(レイヤ3スイッチ)、ルータなどと同様に、データを中継する機能を有するので、詳細な説明は省略する。また、DHCPサーバ5は、一般的に使用されるDHCPサーバと同様の機能を有するので、詳細な説明は省略する。また、管理装置6は、一般的なパーソナルコンピュータやサーバなどと同様の機能を有するので、詳細な説明は省略する。
【0030】
[各装置の構成]
図2を用いて、サーバ40aの構成、ラック管理装置20aの構成、ラック中央管理装置10の構成を順に説明する。図2は、システムを形成する各装置の構成を示すブロック図である。また、図2に示す各装置間は、管理LANで接続されているものとする。
【0031】
(サーバ40aの構成)
図2に示すように、サーバ40aは、通信制御I/F部41a、記憶部42a、制御部43aを有する。通信制御I/F部41aは、少なくとも1つのポートを有し、他の装置の通信を制御するインタフェースである。
【0032】
例えば、通信制御I/F部41aは、基幹LANで使用されるIPアドレスが設定されたポートAと、管理LANで使用されるIPアドレスが設定されたポートBとを有する。そして、通信制御I/F部41aは、ポートAを介して、クライアント装置との間にWebセッションを確立してWebサービスを提供する。また、通信制御I/F部41aは、ポートBからスイッチ30aを経由して、送信部44aから出力された情報をラック管理装置20aに送信する。なお、ここでは、サーバ40aがWebサービスを提供する例を示したが、サーバ40aが提供するサービスはWebサービスに限定されるものではない。
【0033】
記憶部42aは、制御部43aによる各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納する半導体メモリ素子、または、ハードディスクなどの記憶装置である。例えば、記憶部42aは、サーバ40aが一意に有する識別情報として、センサーデータレコード(SDR)、製造番号などのファシリティ情報(Asset情報)、MACアドレスなどを記憶する。なお、これらの情報は、サーバ40aの製造時に格納されたり、ラックAに設定される際やハードウェア保守時に管理者等によって格納されたりする。
【0034】
制御部43aは、例えばCPU(Central Processing Unit)などの電子回路である。この制御部43aは、OS(Operating System)などの制御プログラム、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有するとともに、送信部44aを有し、これらによって各種処理を実行する。
【0035】
上述した例で説明すると、制御部43aは、基幹LANで使用されるIPアドレスが設定されたポートAを介して、クライアント装置にWebサービスを提供する。また、制御部43aは、Webサービスを提供する場合に、リクエスト処理、セッションの確立、セッション確立後のサービス提供などの各種処理を実行する。また、制御部43aは、ポートAやポートBそれぞれに対するIPアドレスの割当をDHCPサーバ5にリクエストする。
【0036】
送信部44aは、自装置に一意に割り当てられた識別情報をラック管理装置20aに定期的に送信する。例えば、送信部44aは、LLDP(Link Layer Discovery Protocol)フレームに、上記ポートBを用いて、記憶部42aから取得した識別情報やMACアドレス等を付加してマルチキャストで送信する。また、送信部44aは、管理LAN上で管理される識別情報と基幹LAN上で管理される識別情報とを同じLLDPフレームで送信してもよい。また、送信部44aは、両方の識別情報を別々のLLDPフレームで同じタイミングで送信してもよく、両方の識別情報を別々のLLDPフレームで別々のタイミングで送信することもできる。
【0037】
なお、送信部44aが送信するLLDPフレームは、一般的なLLDPフレームであるので詳細な説明は省略するが、上記識別情報以外にも、例えばシャーシID、ポートID、有効期間等が含まれる。シャーシIDは、サーバ40aがブレードサーバである場合に上記フォーマットに含まれる、シャーシを識別する識別子である。ポートIDは、LLDPフレームを送信したポートを識別する識別子であり、例えばポート番号などである。有効期間は、LLDPフレームに格納されている情報の有効期間であり、0が送信された場合には、送信元の装置が停止しているか、送信を停止しているかを示す。
【0038】
また、送信部44aがLLDPフレームを送信する契機としては、例えば、サーバ40aがラックAに設置されてサーバ40aが起動された時点とその時点以降は20秒ごとのように任意に設定できる。一例としては、MTBF(Mean Time Between Failure)などの故障間隔に基づいて送信間隔を決定することもできる。なお、送信する契機は、管理者等によって記憶部42aに記憶されるので、送信部44aは、記憶部42aに記憶される情報に基づいて、識別情報の送信を実行する。
【0039】
(ラック管理装置20aの構成)
図2に示すように、ラック管理装置20aは、通信制御I/F部21a、記憶部22a、制御部25aを有する。通信制御I/F部21aは、少なくとも1つのポートを有し、他の装置の通信を制御するインタフェースである。
【0040】
例えば、通信制御I/F部21aは、スイッチ30aを介して、サーバ40aから送信されたLLDPフレームを受信して制御部25aに出力する。また、通信制御I/F部21aは、ラック管理装置20aの制御部25aで生成されたLLDPフレームをラック中央管理装置10に送信する。
【0041】
記憶部22aは、制御部25aによる各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納する半導体メモリ素子、または、ハードディスクなどの記憶装置である。例えば、記憶部22aは、設定情報DB23aと受信情報DB24aとを有する。
【0042】
設定情報DB23aは、管理者等によって、ラック管理装置20aに設定された情報を記憶するデータベースである。図3は、ラック管理装置の設定情報DBに記憶される情報の例を示す図である。図3に示すように、設定情報DB23aは、「MACアドレス、IPアドレス、ラックID」として「MAC(R)、IP(R)、R01」を記憶する。なお、ここで例示した情報はあくまで例示であり、これに限定されるものではない。
【0043】
ここで記憶される「MACアドレス」は、ラック管理装置20aに設定されたMACアドレスである。「IPアドレス」は、ラック管理装置20aに設定された管理LANで使用されるIPアドレスであり、ラック管理装置20aは、このIPアドレスを用いて、サーバ40aやラック中央管理装置10等とデータ通信を行う。「ラックID」は、ラック管理装置20aを識別する識別子である。図3の例では、ラック管理装置20aには、MACアドレスとして「MAC(R)」、IPアドレスとして「IP(R)」、ラックIDとして「R01」が設定されていることを示している。
【0044】
受信情報DB24aは、ラック内のサーバから受信した識別情報を記憶するデータベースである。図4は、ラック管理装置の受信情報DBに記憶される情報の例を示す図である。図4に示すように、受信情報DB24aは、「MACアドレス、ポートNo、Asset情報、スイッチID」を対応付けて記憶する。なお、ここで例示した情報はあくまで例示であり、これに限定されるものではない。
【0045】
ここで記憶される「MACアドレス」は、サーバのMACアドレスである。「ポートNo」は、LLDPフレームを受信したポート番号であり、「Asset情報」は、製造番号などの識別情報である。なお、「MACアドレス、ポートNo、Asset情報」は、LLDPフレームに含まれる識別情報である。「スイッチID」は、サーバから送信されたLLDPフレームをラック管理装置20aに中継したスイッチを識別する識別子であり、LLDPフレームを中継したスイッチによってLLDPフレームに付加される。
【0046】
図4の例では、MACアドレス「MAC(SA1)」を有するサーバのポート(P01)から送信されたAsset情報「Node1」を、スイッチID=S01のスイッチを経由して受信したことを示す。また、MACアドレス「MAC(SA2)」を有するサーバのポート(P02)から送信されたAsset情報「iRMC(リモートマネジメントコントローラ) of Node1」を、スイッチID=S01のスイッチを経由して受信したことを示す。つまり、図4の1行目は、基幹LAN上で管理されるサーバの識別情報を示しており、図4の2行目は、管理LAN上で管理されるサーバの識別情報を示している。
【0047】
制御部25aは、例えばCPUなどの電子回路である。この制御部25aは、OSなどの制御プログラム、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有するとともに、受信部26a、判定部27a、送信部28aを有し、これらによって各種処理を実行する。
【0048】
受信部26aは、ラック内のサーバから識別情報を受信し、受信した識別情報を判定部27aに出力する。例えば、受信部26aは、サーバ40aにおける管理LAN上で管理される識別情報とスイッチ30aのスイッチIDとが付加されたLLDPフレームを定期的に受信する。同様に、受信部26aは、サーバ40aにおける基幹LAN上で管理される識別情報とスイッチ30aのスイッチIDとが付加されたLLDPフレームを定期的に受信する。
【0049】
判定部27aは、受信部26aによって受信された識別情報と受信情報DB24aに記憶される識別情報とを比較し、受信された識別情報が受信情報DB24aに記憶される識別情報から更新された識別情報であるか否かを判定する。
【0050】
一例としては、判定部27aは、受信部26aによって受信された識別情報の「MACアドレス」をキーにして、受信された識別情報に対応する識別情報を受信情報DB24aから特定する。そして、判定部27aは、受信部26aによって受信された識別情報のタイムスタンプと受信情報DB24aに記憶される識別情報のタイムスタンプとを比較する。その後、判定部27aは、受信した識別情報の方が新しいと判定した場合には、受信した識別情報で受信情報DB24aに記憶される識別情報を更新するとともに、送信部28aに出力する。
【0051】
別例としては、判定部27aは、受信部26aによって受信された識別情報の「MACアドレス」をキーにして、受信情報DB24aに記憶される「Asset情報」を抽出する。そして、判定部27aは、受信部26aによって受信された識別情報に含まれる「Asset情報」が受信情報DB24aから抽出した「Asset情報」と異なる場合には、受信した識別情報が新しい識別情報であると判定する。その後は、上記例と同様なので、省略する。
【0052】
また、判定部27aは、受信部26aによって受信された識別情報が受信情報DB24aに記憶されていない場合にも、受信した識別情報が新しい識別情報であると判定する。
【0053】
送信部28aは、判定部27aによって受信した識別情報が更新された識別情報であると判定された場合に、受信した識別情報をラック中央管理装置10に送信する。例えば、送信部28aは、LLDPフレームを用いて、更新された識別情報をマルチキャストで送信する。このとき、送信部28aは、設定情報DB23aに記憶される「ラックID」をLLDPフレームに付加して送信する。
【0054】
送信部28aが送信するLLDPフレームには、例えば、サーバから受信されたLLDPフレームに含まれる「サーバのMACアドレス」、「サーバがLLDPフレームを送信したポートのポートNo」、「サーバのAsset情報」などが含まれる。また、送信部28aが送信するLLDPフレームには、サーバから送信されたLLDPフレームをラック管理装置20aに中継された際に、スイッチによってLLDPフレームに付加された「スイッチID」も含まれる。
【0055】
上述した例で説明すると、送信部28aが送信するLLDPフレームには、サーバ40aが送信したLLDPフレームから取得された識別情報「MACアドレス=MAC(SA1)、ポートNo=P01、Asset情報=Node1」が含まれる。さらに、サーバ40aから受信したLLDPフレームに付加されていた「スイッチID=S01」と、ラック管理装置20aの設定情報DB23aに記憶される「ラックID=R01」が含まれる。
【0056】
(ラック中央管理装置10の構成)
図2に示すように、ラック中央管理装置10は、通信制御I/F部11、記憶部12、制御部14を有する。通信制御I/F部11は、少なくとも1つのポートを有し、他の装置の通信を制御するインタフェースである。
【0057】
例えば、通信制御I/F部11は、基幹LANで使用されるIPアドレスが設定されたポートXと、管理LANで使用されるIPアドレスが設定されたポートYとを有する。そして、通信制御I/F部11は、ポートXを介して、DHCPサーバ5からリクエストしたサーバのIPアドレスを取得する。また、通信制御I/F部11は、ポートYを介して各ラック管理装置とデータの送受信を行う。
【0058】
記憶部12は、制御部14による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納する半導体メモリ素子、または、ハードディスクなどの記憶装置である。例えば、記憶部12は、構成情報DB13を有する。
【0059】
構成情報DB13は、各ラック管理装置から受信したサーバの構成情報を記憶するデータベースである。図5は、ラック中央管理装置の構成情報DBに記憶される情報の例を示す図である。図5に示すように、構成情報DB13は、「MACアドレス、ポートNo、Asset情報、ラックID、スイッチID、IPアドレス」を対応付けて記憶する。
【0060】
ここで記憶される「MACアドレス」は、サーバのMACアドレスであり、「ポートNo」は、サーバが識別情報を送信したポートのポート番号であり、「Asset情報」は、サーバの製造番号などである。「ラックID」は、サーバの識別情報を送信したラック管理装置を識別する識別子、言い換えると、サーバを搭載するラックを識別する識別子である。「スイッチID」は、サーバから送信されたLLDPフレームをラック管理装置20aに中継したスイッチを識別する識別子である。「IPアドレス」は、サーバに割り当てられたIPアドレスである。
【0061】
なお、「MACアドレス、ポートNo、Asset情報、ラックID、スイッチID」は、ラック管理装置から受信したLLDPフレームから取得される情報であり、「IPアドレス」は、DHCPサーバ5から取得される情報である。
【0062】
図5の場合、MACアドレス「MAC(SA1)」を有するサーバのポート(P01)から送信されたAsset情報「Node1」を、スイッチID=S01のスイッチを経由して、ラックID=R01を有するラック管理装置から受信したことを示す。また、このMACアドレス「MAC(SA1)」およびAsset情報「Node1」を有するサーバには、IPアドレス(SA1)が割り当てられていることを示す。
【0063】
同様に、MACアドレス「MAC(SA2)」を有するサーバのポート(P02)から送信されたAsset情報「iRMC of Node1」をスイッチID=S01のスイッチを経由して、ラックID=R01のラック管理装置から受信したことを示す。また、このMACアドレス「MAC(SA2)」およびAsset情報「iRMC of Node1」を有するサーバには、IPアドレス(SA2)が割り当てられていることを示す。つまり、図5の1行目は、基幹LAN上で管理されるサーバの識別情報を示しており、図5の2行目は、管理LAN上で管理されるサーバの識別情報を示している。
【0064】
制御部14は、例えばCPUなどの電子回路である。この制御部14は、OSなどの制御プログラム、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有するとともに、受信部15、取得部16、格納部17、提供部18を有し、これらによって各種処理を実行する。
【0065】
受信部15は、サーバの識別情報を含むLLDPフレームをラック管理装置から受信する。例えば、受信部15は、サーバ40aの「MACアドレス、ポートNo、Asset情報」およびラック管理装置20aの「ラックID」、スイッチ30aの「スイッチID」が含まれるLLDPフレームをラック管理装置20aから受信する。そして、受信部15は、受信したLLDPフレームを取得部16に通知する。
【0066】
取得部16は、受信部15によって受信された識別情報を有するサーバに割り当てられたアドレスをDHCPサーバ5から取得する。例えば、取得部16は、サーバ40aの識別情報が含まれるLLDPフレームを受信部15から受信すると、LLDPフレームに含まれるサーバ40aのMACアドレスやAsset情報を抽出する。そして、取得部16は、抽出したMACアドレスやAsset情報をDHCPサーバ5に送信して、サーバ40aに割り当てられたIPアドレスをリクエストする。その後、取得部16は、DHCPサーバ5からサーバ40aのIPアドレスを受信すると、受信部15から受信したLLDPフレームとDHCPサーバ5から受信したIPアドレスとを格納部17に出力する。
【0067】
格納部17は、取得部16によって取得されたアドレスと、受信部15によって受信された識別情報とを対応付けて構成情報DB13に格納する。例えば、受信部15がサーバ40aの識別情報「MACアドレス=MAC(SA1)、ポートNo=P01、Asset情報=Node1」と、「ラックID=R01」と、「スイッチID=S01」を受信したとする。また、取得部16が「IPアドレス=IP(SA1)」を受信したとする。この場合、格納部17は、「MAC(SA1)、P01、Node1」、「R01」、「S01」、「IP(SA1)」を対応付けた情報をサーバ40aの構成情報として構成情報DB13に格納する。
【0068】
提供部18は、管理装置6からリクエストを受信した場合に、リクエストされた構成情報を管理装置6に提供する。例えば、提供部18は、管理装置からIPアドレス「IP(SA2)を含むリクエストを受信した場合に、「IP(SA2)」に対応付けられた構成情報を構成情報DB13から取得する。そして、提供部18は、構成情報DB13から取得した構成情報「MAC(SA2)、P02、iRMC of Node1、R01、S01、IP(SA2)」を管理装置6に送信する。
【0069】
[処理の流れ]
次に、図1や図2で説明したシステムにおける処理の流れを説明する。図6は、構成情報収集処理の流れを示すシーケンス図である。
【0070】
図6に示すように、サーバ40aの送信部44aは、識別情報の送信契機を検出する(ステップS101)。すると、送信部44aは、サーバ40aのMACアドレスやAsset情報などの識別情報をLLDPフレームに含めて、ラック管理装置20aを宛先として含むマルチキャストで送信する(ステップS102)。
【0071】
ラック管理装置20aの受信部26aがLLDPフレームを受信すると(ステップS103)、判定部27aは、受信されたLLDPフレームに含まれる識別情報が以前に受信した識別情報を更新した新しい識別情報であるか否かを判定する(ステップS104)。
【0072】
そして、判定部27aは、LLDPフレームに含まれる識別情報が新しい識別情報ではないと判定した場合(ステップS104否定)、受信した識別情報を破棄し、処理を終了する(ステップS105)。
【0073】
一方、判定部27aが当該識別情報を新しい識別情報であると判定した場合(ステップS104肯定)、ステップS106を実行する。すなわち、送信部28aは、受信した識別情報等を含む新たなLLDPフレームを生成して、ラック中央管理装置10を宛先として含むマルチキャストで送信する(ステップS106)。そして、ラック中央管理装置10の受信部15は、サーバ40aの識別情報を含むLLDPフレームをラック管理装置20aから受信する(ステップS107)。
【0074】
上述したステップS102〜ステップS107が実行される一方で、サーバ40aの制御部43aは、DHCPサーバ5に対してIPアドレスの割当をリクエストする(ステップS108)。すると、DHCPサーバ5は、割り当てたIPアドレスをサーバ40aに通知する(ステップS109)。このとき、DHCPサーバ5は、サーバのMACアドレスやAsset情報に対応付けて、割り当てたIPアドレスを記憶する。
【0075】
そして、ラック中央管理装置10の取得部16は、受信部15によって受信された識別情報を有するサーバ40aに割り当てられたアドレスをDHCPサーバ5から取得する(ステップS110とステップS111)。なお、このとき、サーバ40aにIPアドレスがまだ割り当てられていない場合には、割り当てられるまでリトライする。
【0076】
その後、ラック中央管理装置10の格納部17は、取得部16によって取得されたアドレスと、受信部15によって受信された識別情報とを対応付けた構成情報を構成情報DB13に格納する(ステップS112)。
【0077】
上述した処理を行う一方で、ラック中央管理装置10の提供部18は、管理装置6から構成情報のリクエストを受信した場合に、リクエストされた構成情報を管理装置6に提供する(ステップS113とステップS114)。
【0078】
なお、ステップS101〜ステップS107と、ステップS108〜ステップS109と、ステップS110〜ステップS111と、ステップS113〜ステップS114とは、上述した順番に限定されるものではない。例えば、ステップS108〜ステップS109は、ステップS101〜ステップS107の間、一例としてはステップS106の後などで実行されていてもよい。
【0079】
[実施例2による効果]
実施例2によれば、LLDPによって識別情報送信を自動化できるので、運用コストを削減することができる。また、サーバの構成情報の変化に対応した適切なサーバ管理を行うことができる。また、送信間隔を1秒などと短くすることで、構成の変化を見逃すことなく管理できる。また、ラック中央管理装置がポーリングを行わずに、サーバの構成情報を追従することができ、ネットワーク負荷の軽減も図れる。
【0080】
近年、大規模データセンターでは、シャーシ単位あるいはラック単位で顧客に割当てる場合がある。つまり、センター内でいくつかの顧客を抱え、それぞれの顧客の要望に応じてラックおよびシャーシを提供している。このような複数の顧客を抱えるデータセンターであっても、実施例2で説明した手法を用いることで、ラックやシャーシ単位で構成情報やIPアドレスを管理することができる。また、ラックやシャーシ、サーバ単位でグループ化することもでき、管理形態に合せた管理を行うことができる。
【実施例3】
【0081】
図1に示した各サーバ、各ラック管理装置、ラック中央管理装置は、ブレードサーバで構成されていてもよい。ここでは、一例として、ラック管理装置とサーバがブレードサーバで構成される場合と、ラック管理装置とラック中央管理装置とがブレードサーバで構成される場合について説明する。
【0082】
(ラック管理装置とサーバがブレードサーバで構成される場合)
図7は、ラック管理装置とサーバとをブレードサーバで構成する場合の例を示す図である。図7に示すブレードサーバは、バックプレーン100にクロスバスイッチとしてXB101を有し、XB101にシステムボードとしてSB110〜SB140と入出力システムボード(IOSB)150とを有する。なお、クロスバスイッチ、システムボード、入出力システムボードの数はあくまで例示であり、これに限定されるものではない。
【0083】
バックプレーン100は、複数のコネクタ等を相互接続するバスを形成する回路基板である。XB101は、システムボードと入出力システムボードとの間でやり取りされるデータの経路を動的に選択するスイッチである。
【0084】
また、XB101に接続されるSB110は、システムコントローラ(System Controller:SC)110aと、CPU110bと、メモリアクセスコントローラ(Memory Access Controller:MAC)110fを有する。さらに、SB110は、DIMM(Dual Inline Memory Module)110gと、BMC110hと、NIC(Network Interface Card)110iとを有する。
【0085】
SC110aは、CPU110bとMAC110fとの間、CPU110bとNIC110iとの間、BMC110hとMAC110fとの間、BMC110hとNIC110iとの間それぞれにおけるデータ転送などを制御し、SB110全体を制御する。
【0086】
CPU110bは、SC110aを介して他のハードウェアと接続され、受信部110cと判定部110dと送信部110eとを有するプロセッサである。受信部110cは、図2で説明した受信部26aと同様の機能を有し、判定部110dは、図2で説明した判定部27aと同様の機能を有し、送信部110eは、図2で説明した送信部28aと同様の機能を有する。すなわち、SB110は、図2で説明したラック管理装置20aとして機能する。
【0087】
MAC110fは、DIMM110gとSC110aとの間に接続され、DIMM110gへのアクセスを制御する。DIMM110gは、SC110aを介して他の電子機器と接続され、メモリを装着してメモリ増設などを行うメモリモジュールである。例えば、DIMM110gは、図2で説明した設定情報DB23aや受信情報DB24aに記憶される情報を保持する。
【0088】
BMC110hは、SB110とは別の電源に接続され、SB110に搭載されるCPU110bなどのハードウェアの監視、リモートコントロール、ハードウェアイベントの記録などを行う管理コントローラである。このBMC110hには、管理LANで使用されるIPアドレス等が割り与えられる。したがって、SB110は、BMC110hを介してサーバからLLDPフレームを受信し、BMC110hを介してラック中央管理装置にLLDPフレームを送信する。NIC110iは、通信を行うためのインタフェースカードであり、例えば、基幹LANで使用されるIPアドレス等が割り与えられる。
【0089】
また、XB101に接続されるSB120は、SC120aと、CPU120bと、MAC120dと、DIMM120eと、BMC120fと、NIC120gとを有する。
【0090】
SC120aは、CPU120bとMAC120dとの間、CPU120bとNIC120gとの間、BMC120fとMAC120dとの間、BMC120fとNIC120gとの間それぞれにおけるデータ転送などを制御し、SB120全体を制御する。
【0091】
CPU120bは、SC120aを介して他のハードウェアと接続され、送信部120cを有するプロセッサである。送信部120cは、図2で説明した送信部44aと同様の機能を有する。すなわち、SB120は、図2で説明したサーバ40aとして機能する。
【0092】
MAC120dは、DIMM120eとSC120aとの間に接続され、DIMM120eへのアクセスを制御する。DIMM120eは、SC120aを介して他の電子機器と接続され、メモリを装着してメモリ増設などを行うメモリモジュールである。例えば、DIMM120eは、図2で説明した記憶部42aに記憶される情報を保持する。
【0093】
BMC120fは、SB120とは別の電源に接続され、SB120に搭載されるCPU120bなどのハードウェアの監視、リモートコントロール、ハードウェアイベントの記録などを行う管理コントローラである。このBMC120fには、管理LANで使用されるIPアドレス等が割り与えられる。したがって、SB120は、BMC120fを介してラック管理装置にLLDPフレームを送信する。NIC120gは、通信を行うためのインタフェースカードであり、例えば、基幹LANで使用されるIPアドレス等が割り与えられる。
【0094】
なお、SB120〜SB140は、同様の構成を有するので、SB130とSB140の説明は省略する。また、SB110やSB120などに搭載されるCPU、MAC、DIMMなどのハードウェアは、あくまで例示であり、数や種類が図7に示したものに限定されるものではない。
【0095】
IOSB150は、XB101を介してSB110〜SB140それぞれと接続されるとともに、SCSI(Small Computer System Interface)、FC(Fibre Channel)、イーサネット(登録商標)などを介して入出力デバイスと接続される。IOSB150は、入出力デバイスとXB101との間におけるデータ転送などの処理を制御する。
【0096】
(ラック管理装置とラック中央管理装置がブレードサーバで構成される場合)
図8は、ラック管理装置とラック中央管理装置とをブレードサーバで構成する場合の例を示す図である。図8に示すブレードサーバは、バックプレーン200にXB201を有し、XB201にSB210〜SB240とIOSB250とを有する。なお、クロスバスイッチ、システムボード、入出力システムボードの数はあくまで例示であり、これに限定されるものではない。
【0097】
バックプレーン200は、複数のコネクタ等を相互接続するバスを形成する回路基板である。XB201は、システムボードと入出力システムボードとの間でやり取りされるデータの経路を動的に選択するスイッチである。
【0098】
また、XB201に接続されるSB210は、SC210aと、CPU210bと、MAC210gと、DIMM210hと、BMC210iと、NIC210jとを有する。
【0099】
SC210aは、CPU210bとMAC210gとの間、CPU210bとNIC210jとの間、BMC210iとMAC210gとの間、BMC210iとNIC210jとの間それぞれにおけるデータ転送などを制御し、SB210全体を制御する。
【0100】
CPU210bは、SC210aを介して他のハードウェアと接続され、受信部210cと取得部210dと格納部210eと提供部210fを有するプロセッサである。受信部210cは、図2で説明した受信部15と同様の機能を有し、取得部210dは、図2で説明した取得部16と同様の機能を有する。また、格納部210eは、図2で説明した格納部17と同様の機能を有し、提供部210fは、図2で説明した提供部18と同様の機能を有する。すなわち、SB210は、図2で説明したラック中央管理装置10として機能する。
【0101】
MAC210gは、DIMM210hとSC210aとの間に接続され、DIMM210hへのアクセスを制御する。DIMM210hは、SC210aを介して他の電子機器と接続され、メモリを装着してメモリ増設などを行うメモリモジュールである。例えば、DIMM210hは、図2で説明した構成情報DB13に記憶される情報を保持する。
【0102】
BMC210iは、SB210とは別の電源に接続され、SB210に搭載されるCPU210bなどのハードウェアの監視、リモートコントロール、ハードウェアイベントの記録などを行う管理コントローラである。このBMC210iには、管理LANで使用されるIPアドレス等が割り与えられる。したがって、SB210は、BMC210iを介してラック管理装置からLLDPフレームを受信する。また、SB210は、BMC210iを介して管理装置に構成情報を提供する。
【0103】
NIC210jは、通信を行うためのインタフェースカードであり、例えば、基幹LANで使用されるIPアドレス等が割り与えられる。したがって、SB210は、NIC210jを介してDHCPサーバからIPアドレスを取得する。
【0104】
また、XB201に接続されるSB220は、SC220aと、CPU220bと、MAC220fと、DIMM220gと、BMC220hと、NIC220iとを有する。
【0105】
SC220aは、CPU220bとMAC220fとの間、CPU220bとNIC220iとの間、BMC220hとMAC220fとの間、BMC220hとNIC220iとの間それぞれにおけるデータ転送などを制御し、SB220全体を制御する。
【0106】
CPU220bは、SC220aを介して他のハードウェアと接続され、受信部220cと判定部220dと送信部220eとを有するプロセッサである。受信部220cは、図2で説明した受信部26aと同様の機能を有し、判定部220dは、図2で説明した判定部27aと同様の機能を有し、送信部220eは、図2で説明した送信部28aと同様の機能を有する。すなわち、SB220は、図2で説明したラック管理装置20aとして機能する。
【0107】
MAC220fは、DIMM220gとSC220aとの間に接続され、DIMM220gへのアクセスを制御する。DIMM220gは、SC220aを介して他の電子機器と接続され、メモリを装着してメモリ増設などを行うメモリモジュールである。例えば、DIMM220gは、図2で説明した設定情報DB23aや受信情報DB24aに記憶される情報を保持する。
【0108】
BMC220hは、SB220とは別の電源に接続され、SB220に搭載されるCPU220bなどのハードウェアの監視、リモートコントロール、ハードウェアイベントの記録などを行う管理コントローラである。このBMC220hには、管理LANで使用されるIPアドレス等が割り与えられる。したがって、SB220は、BMC220hを介してサーバからLLDPフレームを受信し、BMC220hを介してラック中央管理装置にLLDPフレームを送信する。NIC220iは、通信を行うためのインタフェースカードであり、例えば、基幹LANで使用されるIPアドレス等が割り与えられる。
【0109】
なお、SB220〜SB240は、同様の構成を有するので、SB230とSB240の説明は省略する。また、SB210やSB220などに搭載されるCPU、MAC、DIMMなどのハードウェアは、あくまで例示であり、数や種類が図8に示したものに限定されるものではない。
【0110】
(実施例3による効果)
このように、ブレードサーバであっても、実施例2と同様の手法で、サーバの構成情報の変化に対応した適切なサーバ管理を行うことができる。また、シャーシIDやシステムボードを識別する識別子などLLDPフレームに含めて、ラック中央管理装置に送信することができるので、シャーシIDやシステムボードごとにグループ化して構成情報を管理することができる。
【実施例4】
【0111】
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下に異なる実施例を説明する。
【0112】
[送信手法]
実施例1〜3では、サーバは、LLDPフレームでラック管理装置の識別情報を送信し、ラック管理装置は、LLDPフレームでラック中央管理装置に識別情報を送信する例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、開示するシステム専用のプロコルを用いることもでき、SNMP(Simple Network Management Protocol)のトラップ機能等を用いることもできる。
【0113】
[構成情報]
実施例1〜3では、ラック中央管理装置は、構成情報としてサーバの「MACアドレス、ポートNo、Asset情報、IPアドレス」と「ラックID」、「スイッチID」を記憶する例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、サーバの構成情報に加えて、ラック管理装置の製造番号、IPアドレス、ラック管理装置のポートNoなどを記憶することもできる。これらラック管理装置の情報は、ラック管理装置がLLDPフレームに含めてラック中央管理装置に送信することで、ラック中央管理装置は、これらの情報を収集することができる。
【0114】
また、ラック中央管理装置は、ラック管理装置から受信したラック管理装置の製造番号、IPアドレス、ラック管理装置のポートNoを、サーバの情報とは別に保持することもできる。この結果、ラック中央管理装置は、サーバの構成情報とラック管理装置の構成情報とを収集して管理することができる。
【0115】
[ラック管理装置の送信契機]
実施例1〜3では、ラック管理装置は、サーバから受信した識別情報が更新された識別情報である場合に、ラック中央管理装置にサーバの識別情報を送信する例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ラック管理装置は、LLDPフレームを用いて、ラック中央管理装置にサーバの識別情報を定期的に送信することもできる。
【0116】
一例としては、ラック管理装置は、サーバから受信した識別情報が更新された識別情報である場合には、受信情報DBに記憶される識別情報を更新する。なお、ラック管理装置は、サーバから受信した識別情報が受信情報DBに記憶されない新規サーバの識別情報である場合には、新たな識別情報として受信情報DBに格納する。
【0117】
そして、ラック管理装置は、例えば20秒ごとに、受信情報DBに記憶されるサーバの識別情報各々に対してLLDPフレームを生成して、ラック中央管理装置に定期的に送信する。つまり、ラック管理装置は、サーバの識別情報を受信する処理と、ラック中央管理装置へ識別情報を送信する処理とを関連付けずに、別々に処理することもできる。この結果、ラック中央管理装置は、ラック管理装置に障害が発生した場合には、定期的に送信されるLLDPフレームを受信することができない。したがって、ラック管理装置の障害を迅速に検出することができる。なお、送信間隔は、サーバの故障間隔に基づいて決定してもよい。
【0118】
また、ラック管理装置は、サーバの識別情報を受信する処理と、ラック中央管理装置へ識別情報を送信する処理とを関連付けることもできる。具体的には、ラック管理装置は、サーバの識別情報を定期的に送信する際に、前回から更新されている識別情報だけをラック中央管理装置に送信してもよい。
【0119】
[システム]
また、本実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともできる。あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、例えば図3〜図6等に示した各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0120】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、例えばラック中央管理装置10の取得部16と格納部17とを統合するなど各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られない。つまり、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0121】
[プログラム]
ところで、上記の実施例で説明した各種の処理は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータシステムで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、上記の実施例と同様の機能を有するプログラムを実行するコンピュータシステムの一例を説明する。
【0122】
(識別情報提供プログラム)
図9は、識別情報提供プログラムを実行するコンピュータシステムの例を示す図である。図9に示すように、コンピュータシステム300は、バス300aにCPU305、ROM(Read Only Memory)304、RAM(Random Access Memory)301が接続される。また、コンピュータシステム300は、バス300aにNIC302、HDD(Hard Disk Drive)303が接続されている。
【0123】
ROM304は、識別情報提供プログラム304aを保持する。記録媒体の例としてROM304を例に挙げたが、HDD、RAM、CD−ROM等の他のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に各種プログラムを格納しておき、コンピュータに読み取らせることとしてもよい。なお、記録媒体を遠隔地に配置し、コンピュータがその記録媒体にアクセスすることでプログラムを取得して利用してもよい。また、その際、取得したプログラムをそのコンピュータ自身の記録媒体に格納して用いてもよい。
【0124】
CPU305は、識別情報提供プログラム304aを読み出して実行することで、図2で説明したサーバ40aと同様の機能を実行する識別情報提供プロセス305aを動作させる。すなわち、識別情報提供プロセス305aは、送信部44aと同様の動作を実行する。このようにコンピュータシステム300は、ROM304からプログラムを読み出して実行することで識別情報提供方法を実行するサーバとして動作する。
【0125】
(識別情報収集プログラム)
図10は、識別情報収集プログラムを実行するコンピュータシステムの例を示す図である。図10に示すように、コンピュータシステム400は、バス400aにCPU405、ROM404、RAM401が接続される。また、コンピュータシステム400は、バス400aにNIC402、HDD403が接続されている。また、HDD403には、図2に示した設定情報DB23aに対応する設定情報テーブル403aと、受信情報DB24aに対応する受信情報テーブル403bとが設けられる。
【0126】
ROM404は、識別情報収集プログラム404aを保持する。記録媒体の例としてROM404を例に挙げたが、HDD、RAM、CD−ROM等の他のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に各種プログラムを格納しておき、コンピュータに読み取らせることとしてもよい。なお、記録媒体を遠隔地に配置し、コンピュータがその記録媒体にアクセスすることでプログラムを取得して利用してもよい。また、その際、取得したプログラムをそのコンピュータ自身の記録媒体に格納して用いてもよい。
【0127】
CPU405は、識別情報収集プログラム404aを読み出して実行することで、図2で説明したラック管理装置20aと同様の機能を実行する識別情報収集プロセス405aを動作させる。すなわち、識別情報収集プロセス405aは、受信部26aと判定部27aと送信部28aと同様の動作を実行する。このようにコンピュータシステム400は、ROM404からプログラムを読み出して実行することで識別情報収集方法を実行するラック管理装置として動作する。
【0128】
(構成情報管理プログラム)
図11は、構成情報管理プログラムを実行するコンピュータシステムの例を示す図である。図11に示すように、コンピュータシステム500は、バス500aにCPU505、ROM504、RAM501が接続される。また、コンピュータシステム500は、バス500aにNIC502、HDD503が接続されている。また、HDD503には、図2に示した構成情報DB13に対応する構成情報テーブル503aが設けられる。
【0129】
ROM504は、構成情報管理プログラム504aを保持する。記録媒体の例としてROM504を例に挙げたが、HDD、RAM、CD−ROM等の他のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に各種プログラムを格納しておき、コンピュータに読み取らせることとしてもよい。なお、記録媒体を遠隔地に配置し、コンピュータがその記録媒体にアクセスすることでプログラムを取得して利用してもよい。また、その際、取得したプログラムをそのコンピュータ自身の記録媒体に格納して用いてもよい。
【0130】
CPU505は、構成情報管理プログラム504aを読み出して実行することで、図2で説明したラック中央管理装置10と同様の機能を実行する構成情報管理プロセス505aを動作させる。すなわち、構成情報管理プロセス505aは、受信部15と取得部16と格納部17と提供部18と同様の動作を実行する。このようにコンピュータシステム500は、ROM504からプログラムを読み出して実行することで構成情報管理方法を実行するラック中央管理装置として動作する。
【0131】
以上の各実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0132】
(付記1)ラックに搭載される情報処理装置と、前記情報処理装置に接続されるラック管理装置と、前記ラック管理装置に接続されるラック中央管理装置とを有する装置管理システムであって、
前記情報処理装置は、
自装置に割り当てられた識別情報を前記ラック管理装置に定期的に送信する送信部を有し、
前記ラック管理装置は、
前記情報処理装置の識別情報を記憶する記憶部と、
前記識別情報を前記情報処理装置から受信する受信部と、
前記受信部によって受信された識別情報と前記記憶部に記憶される識別情報とを比較し、受信された識別情報が前記記憶部に記憶される識別情報から更新された識別情報であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって受信した識別情報が更新された識別情報であると判定された場合に、前記受信した識別情報を前記ラック中央管理装置に送信する送信部とを有し、
前記ラック中央管理装置は、
前記識別情報を前記ラック管理装置から受信する受信部と、
前記受信部によって受信された識別情報を有する情報処理装置に割り当てられたアドレスをアドレス割当装置から取得する取得部と、
前記取得部によって取得されたアドレスと、前記受信部によって受信された識別情報とを対応付けて所定の記憶部に格納する格納部と
を有することを特徴とする装置管理システム。
【0133】
(付記2)前記ラック管理装置の送信部は、前記ラック管理装置を一意に識別するラック管理識別子を識別情報に付加して送信し、
前記ラック中央管理装置の受信部は、前記識別情報とともに前記ラック管理識別子を受信し、
前記ラック中央管理装置の格納部は、前記ラック管理識別子をさらに対応付けて前記所定の記憶部に格納することを特徴とする付記1に記載の装置管理システム。
【0134】
(付記3)前記ラック中央管理装置の受信部は、前記情報処理装置と前記ラック管理装置との通信を中継するネットワーク機器を一意に識別するネットワーク機器識別子をさらに受信し、
前記ラック中央管理装置の格納部は、前記ネットワーク機器識別子をさらに対応付けて前記所定の記憶部に格納することを特徴とする付記1または2に記載の装置管理システム。
【0135】
(付記4)前記情報処理装置の送信部は、Link Layer Discovery Protocolを用いて、前記識別情報を前記ラック管理装置に定期的に送信し、
前記ラック管理装置の送信部は、Link Layer Discovery Protocolを用いて、前記受信した識別情報を前記ラック中央管理装置に送信することを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の装置管理システム。
【0136】
(付記5)前記情報処理装置は、ネットワークを介してクライアント端末にサービスを提供する装置であり、
前記情報処理装置の送信部は、前記ネットワークとは異なるネットワークを用いて、前記識別情報を前記ラック管理装置に送信し、
前記ラック管理装置の送信部は、前記異なるネットワークを用いて、前記受信した識別情報を前記ラック中央管理装置に送信することを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の装置管理システム。
【0137】
(付記6)ラックに搭載された情報処理装置に接続されるラック管理装置と前記情報処理装置にアドレスを割り与えるアドレス割当装置とに接続されるコンピュータに、
構成が変更された情報処理装置に割り当てられた識別情報を前記ラック管理装置から受信する手順と、
受信した識別情報を有する情報処理装置に割り当てられたアドレスを前記アドレス割当装置から取得する手順と、
取得したアドレスと識別情報とを対応付けて記憶部に格納する手順と
を実行させることを特徴とする構成情報管理プログラム。
【0138】
(付記7)前記受信する手順は、前記ラック管理装置を一意に識別するラック管理識別子、または、前記情報処理装置と前記ラック管理装置との通信を中継するネットワーク機器を一意に識別するネットワーク機器識別子をさらに受信し、
前記格納する手順は、前記受信したラック管理識別子またはネットワーク機器識別子をさらに対応付けて前記記憶部に格納することを特徴とする付記6に記載の構成情報管理プログラム。
【0139】
(付記8)前記受信する手順は、Link Layer Discovery Protocolを用いて、前記ラック管理装置から受信することを特徴とする付記6または7に記載の構成情報管理プログラム。
【0140】
(付記9)前記情報処理装置は、ネットワークを介してクライアント端末に各種サービスを提供する装置であり、
前記受信する手順は、前記ネットワークとは異なるネットワークを介して、前記ラック管理装置から受信することを特徴とする付記6〜8のいずれか一つに記載の構成情報管理プログラム。
【0141】
(付記10)ラックに搭載される情報処理装置に接続されるコンピュータに、
前記情報処理装置に一意に割り当てられた識別情報を前記情報処理装置から受信する手順と、
受信した識別情報と記憶部に記憶される識別情報とを比較し、受信した識別情報が前記記憶部に記憶される識別情報から更新された識別情報であるか否かを判定する手順と、
前記受信した識別情報が更新された識別情報であると判定した場合に、前記受信した識別情報を、前記情報処理装置に関する情報を保持するラック中央管理装置に送信する手順と
を実行させることを特徴とする識別情報収集プログラム。
【0142】
(付記11)前記送信する手順は、前記識別情報を前記ラック中央管理装置に送信する自コンピュータを一意に識別するラック管理識別子、または、前記情報処理装置と自コンピュータとの通信を中継するネットワーク機器を一意に識別するネットワーク機器識別子とをさらに前記ラック中央管理装置に送信することを特徴とする付記10に記載の識別情報収集プログラム。
【0143】
(付記12)前記受信する手順は、Link Layer Discovery Protocolを用いて、前記情報処理装置から定期的に受信し、
前記送信する手順は、Link Layer Discovery Protocolを用いて、前記ラック中央管理装置に定期的に送信することを特徴とする付記10または11に記載の識別情報収集プログラム。
【0144】
(付記13)前記情報処理装置は、ネットワークを介してクライアント端末に各種サービスを提供する装置であり、
前記受信する手順は、前記ネットワークとは異なるネットワークを介して、前記情報処理装置から受信し、
前記送信する手順は、前記異なるネットワークを介して、前記ラック中央管理装置に送信することを特徴とする付記10〜12のいずれか一つに記載の識別情報収集プログラム。
【0145】
(付記14)ラックに搭載されるコンピュータに、
Link Layer Discovery Protocolを用いて、自コンピュータに割り当てられた識別情報を、自コンピュータに接続されるラック管理装置に定期的に送信する手順
を実行させることを特徴とする識別情報提供プログラム。
【0146】
(付記15)前記コンピュータは、ネットワークを介してクライアント端末に各種サービスを提供するコンピュータであり、
前記送信する手順は、前記ネットワークとは異なるネットワークを介して、前記ラック管理装置に前記識別情報を送信することを特徴とする付記14に記載の識別情報提供プログラム。
【0147】
(付記16)ラックに搭載された情報処理装置に接続されるラック管理装置と、前記情報処理装置にアドレスを割り与えるアドレス割当装置とに接続されるラック中央管理装置であって、
構成が変更された情報処理装置に一意に割り当てられた識別情報を前記ラック管理装置から受信する受信部と、
前記受信部によって受信された識別情報を有する情報処理装置に割り当てられたアドレスを前記アドレス割当装置から取得する取得部と、
前記取得部によって取得されたアドレスと識別情報とを対応付けて記憶部に格納する格納部と
を有することを特徴とするラック中央管理装置。
【0148】
(付記17)ラックに搭載される情報処理装置に接続されるラック管理装置であって、
前記情報処理装置に一意に割り当てられた識別情報を記憶する記憶部と、
前記識別情報を前記情報処理装置から受信する受信部と、
前記受信部によって受信された識別情報と前記記憶部に記憶される識別情報とを比較し、受信した識別情報が前記記憶部に記憶される識別情報から更新された識別情報であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって受信された識別情報が更新された識別情報であると判定した場合に、前記受信した識別情報を、前記情報処理装置の構成情報を保持するラック中央管理装置に送信する送信部と
を有することを特徴とするラック管理装置。
【0149】
(付記18)ラックに搭載される情報処理装置であって、
Link Layer Discovery Protocolを用いて、自装置に一意に割り当てられた識別情報を、自装置に接続されるラック管理装置に定期的に送信する送信部、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【0150】
(付記19)ラックに搭載される情報処理装置と、前記情報処理装置に接続されるラック管理装置と、前記ラック管理装置に接続されるラック中央管理装置とを有する装置管理システムに適した装置管理方法であって、
前記情報処理装置は、
自装置に割り当てられた識別情報を前記ラック管理装置に定期的に送信し、
前記ラック管理装置は、
前記識別情報を前記情報処理装置から受信し、
前記受信した識別情報と記憶部に記憶される識別情報とを比較し、受信された識別情報が前記記憶部に記憶される識別情報から更新された識別情報であるか否かを判定し、
前記受信した識別情報が更新された識別情報であると判定された場合に、前記受信した識別情報を前記ラック中央管理装置に送信し、
前記ラック中央管理装置は、
前記識別情報を前記ラック管理装置から受信し、
前記受信した識別情報を有する情報処理装置に割り当てられたアドレスをアドレス割当装置から取得し、
前記取得したアドレスと、前記受信した識別情報とを対応付けて所定の記憶部に格納する
ことを含んだことを特徴とする装置管理方法。
【符号の説明】
【0151】
5 DHCPサーバ
6 管理装置
10 ラック中央管理装置
11 通信制御I/F部
12 記憶部
13 構成情報DB
14 制御部
15 受信部
16 取得部
17 格納部
18 提供部
20a ラック管理装置
21a 通信制御I/F部
22a 記憶部
23a 設定情報DB
24a 受信情報DB
25a 制御部
26a 受信部
27a 判定部
28a 送信部
40a サーバ
41a 通信制御I/F部
42a 記憶部
43a 制御部
44a 送信部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラックに搭載される情報処理装置と、前記情報処理装置に接続されるラック管理装置と、前記ラック管理装置に接続されるラック中央管理装置とを有する装置管理システムであって、
前記情報処理装置は、
自装置に割り当てられた識別情報を前記ラック管理装置に定期的に送信する送信部を有し、
前記ラック管理装置は、
前記情報処理装置の識別情報を記憶する記憶部と、
前記識別情報を前記情報処理装置から受信する受信部と、
前記受信部によって受信された識別情報と前記記憶部に記憶される識別情報とを比較し、受信された識別情報が前記記憶部に記憶される識別情報から更新された識別情報であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって受信した識別情報が更新された識別情報であると判定された場合に、前記受信した識別情報を前記ラック中央管理装置に送信する送信部とを有し、
前記ラック中央管理装置は、
前記識別情報を前記ラック管理装置から受信する受信部と、
前記受信部によって受信された識別情報を有する情報処理装置に割り当てられたアドレスをアドレス割当装置から取得する取得部と、
前記取得部によって取得されたアドレスと、前記受信部によって受信された識別情報とを対応付けて所定の記憶部に格納する格納部と
を有することを特徴とする装置管理システム。
【請求項2】
前記ラック管理装置の送信部は、前記ラック管理装置を一意に識別するラック管理識別子を識別情報に付加して送信し、
前記ラック中央管理装置の受信部は、前記識別情報とともに前記ラック管理識別子を受信し、
前記ラック中央管理装置の格納部は、前記ラック管理識別子をさらに対応付けて前記所定の記憶部に格納することを特徴とする請求項1に記載の装置管理システム。
【請求項3】
前記ラック中央管理装置の受信部は、前記情報処理装置と前記ラック管理装置との通信を中継するネットワーク機器を一意に識別するネットワーク機器識別子をさらに受信し、
前記ラック中央管理装置の格納部は、前記ネットワーク機器識別子をさらに対応付けて前記所定の記憶部に格納することを特徴とする請求項1または2に記載の装置管理システム。
【請求項4】
前記情報処理装置の送信部は、Link Layer Discovery Protocolを用いて、前記識別情報を前記ラック管理装置に定期的に送信し、
前記ラック管理装置の送信部は、Link Layer Discovery Protocolを用いて、前記受信した識別情報を前記ラック中央管理装置に送信することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の装置管理システム。
【請求項5】
前記情報処理装置は、ネットワークを介してクライアント端末にサービスを提供する装置であり、
前記情報処理装置の送信部は、前記ネットワークとは異なるネットワークを用いて、前記識別情報を前記ラック管理装置に送信し、
前記ラック管理装置の送信部は、前記異なるネットワークを用いて、前記受信した識別情報を前記ラック中央管理装置に送信することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の装置管理システム。
【請求項6】
ラックに搭載された情報処理装置に接続されるラック管理装置と前記情報処理装置にアドレスを割り与えるアドレス割当装置とに接続されるコンピュータに、
前記情報処理装置に割り当てられた識別情報を前記ラック管理装置から受信する手順と、
受信した識別情報を有する情報処理装置に割り当てられたアドレスを前記アドレス割当装置から取得する手順と、
取得したアドレスと識別情報とを対応付けて記憶部に格納する手順と
を実行させることを特徴とする構成情報管理プログラム。
【請求項7】
ラックに搭載される情報処理装置に接続されるコンピュータに、
前記情報処理装置に割り当てられた識別情報を前記情報処理装置から受信する手順と、
受信した識別情報と記憶部に記憶される識別情報とを比較し、受信した識別情報が前記記憶部に記憶される識別情報から更新された識別情報であるか否かを判定する手順と、
前記受信した識別情報が更新された識別情報であると判定した場合に、前記受信した識別情報を、前記情報処理装置に関する情報を保持するラック中央管理装置に送信する手順と
を実行させることを特徴とする識別情報収集プログラム。
【請求項8】
ラックに搭載されるコンピュータに、
Link Layer Discovery Protocolを用いて、自コンピュータに一意に割り当てられた識別情報を、自コンピュータに接続されるラック管理装置に定期的に送信する手順
を実行させることを特徴とする識別情報提供プログラム。
【請求項9】
ラックに搭載される情報処理装置と、前記情報処理装置に接続されるラック管理装置と、前記ラック管理装置に接続されるラック中央管理装置とを有する装置管理システムに適した装置管理方法おいて、
前記情報処理装置は、
自装置に割り当てられた識別情報を前記ラック管理装置に定期的に送信し、
前記ラック管理装置は、
前記識別情報を前記情報処理装置から受信し、
前記受信した識別情報と記憶部に記憶される識別情報とを比較し、受信された識別情報が前記記憶部に記憶される識別情報から更新された識別情報であるか否かを判定し、
前記受信した識別情報が更新された識別情報であると判定された場合に、前記受信した識別情報を前記ラック中央管理装置に送信し、
前記ラック中央管理装置は、
前記識別情報を前記ラック管理装置から受信し、
前記受信した識別情報を有する情報処理装置に割り当てられたアドレスをアドレス割当装置から取得し、
前記取得したアドレスと、前記受信した識別情報とを対応付けて所定の記憶部に格納する
ことを含んだことを特徴とする装置管理方法。
【請求項1】
ラックに搭載される情報処理装置と、前記情報処理装置に接続されるラック管理装置と、前記ラック管理装置に接続されるラック中央管理装置とを有する装置管理システムであって、
前記情報処理装置は、
自装置に割り当てられた識別情報を前記ラック管理装置に定期的に送信する送信部を有し、
前記ラック管理装置は、
前記情報処理装置の識別情報を記憶する記憶部と、
前記識別情報を前記情報処理装置から受信する受信部と、
前記受信部によって受信された識別情報と前記記憶部に記憶される識別情報とを比較し、受信された識別情報が前記記憶部に記憶される識別情報から更新された識別情報であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって受信した識別情報が更新された識別情報であると判定された場合に、前記受信した識別情報を前記ラック中央管理装置に送信する送信部とを有し、
前記ラック中央管理装置は、
前記識別情報を前記ラック管理装置から受信する受信部と、
前記受信部によって受信された識別情報を有する情報処理装置に割り当てられたアドレスをアドレス割当装置から取得する取得部と、
前記取得部によって取得されたアドレスと、前記受信部によって受信された識別情報とを対応付けて所定の記憶部に格納する格納部と
を有することを特徴とする装置管理システム。
【請求項2】
前記ラック管理装置の送信部は、前記ラック管理装置を一意に識別するラック管理識別子を識別情報に付加して送信し、
前記ラック中央管理装置の受信部は、前記識別情報とともに前記ラック管理識別子を受信し、
前記ラック中央管理装置の格納部は、前記ラック管理識別子をさらに対応付けて前記所定の記憶部に格納することを特徴とする請求項1に記載の装置管理システム。
【請求項3】
前記ラック中央管理装置の受信部は、前記情報処理装置と前記ラック管理装置との通信を中継するネットワーク機器を一意に識別するネットワーク機器識別子をさらに受信し、
前記ラック中央管理装置の格納部は、前記ネットワーク機器識別子をさらに対応付けて前記所定の記憶部に格納することを特徴とする請求項1または2に記載の装置管理システム。
【請求項4】
前記情報処理装置の送信部は、Link Layer Discovery Protocolを用いて、前記識別情報を前記ラック管理装置に定期的に送信し、
前記ラック管理装置の送信部は、Link Layer Discovery Protocolを用いて、前記受信した識別情報を前記ラック中央管理装置に送信することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の装置管理システム。
【請求項5】
前記情報処理装置は、ネットワークを介してクライアント端末にサービスを提供する装置であり、
前記情報処理装置の送信部は、前記ネットワークとは異なるネットワークを用いて、前記識別情報を前記ラック管理装置に送信し、
前記ラック管理装置の送信部は、前記異なるネットワークを用いて、前記受信した識別情報を前記ラック中央管理装置に送信することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の装置管理システム。
【請求項6】
ラックに搭載された情報処理装置に接続されるラック管理装置と前記情報処理装置にアドレスを割り与えるアドレス割当装置とに接続されるコンピュータに、
前記情報処理装置に割り当てられた識別情報を前記ラック管理装置から受信する手順と、
受信した識別情報を有する情報処理装置に割り当てられたアドレスを前記アドレス割当装置から取得する手順と、
取得したアドレスと識別情報とを対応付けて記憶部に格納する手順と
を実行させることを特徴とする構成情報管理プログラム。
【請求項7】
ラックに搭載される情報処理装置に接続されるコンピュータに、
前記情報処理装置に割り当てられた識別情報を前記情報処理装置から受信する手順と、
受信した識別情報と記憶部に記憶される識別情報とを比較し、受信した識別情報が前記記憶部に記憶される識別情報から更新された識別情報であるか否かを判定する手順と、
前記受信した識別情報が更新された識別情報であると判定した場合に、前記受信した識別情報を、前記情報処理装置に関する情報を保持するラック中央管理装置に送信する手順と
を実行させることを特徴とする識別情報収集プログラム。
【請求項8】
ラックに搭載されるコンピュータに、
Link Layer Discovery Protocolを用いて、自コンピュータに一意に割り当てられた識別情報を、自コンピュータに接続されるラック管理装置に定期的に送信する手順
を実行させることを特徴とする識別情報提供プログラム。
【請求項9】
ラックに搭載される情報処理装置と、前記情報処理装置に接続されるラック管理装置と、前記ラック管理装置に接続されるラック中央管理装置とを有する装置管理システムに適した装置管理方法おいて、
前記情報処理装置は、
自装置に割り当てられた識別情報を前記ラック管理装置に定期的に送信し、
前記ラック管理装置は、
前記識別情報を前記情報処理装置から受信し、
前記受信した識別情報と記憶部に記憶される識別情報とを比較し、受信された識別情報が前記記憶部に記憶される識別情報から更新された識別情報であるか否かを判定し、
前記受信した識別情報が更新された識別情報であると判定された場合に、前記受信した識別情報を前記ラック中央管理装置に送信し、
前記ラック中央管理装置は、
前記識別情報を前記ラック管理装置から受信し、
前記受信した識別情報を有する情報処理装置に割り当てられたアドレスをアドレス割当装置から取得し、
前記取得したアドレスと、前記受信した識別情報とを対応付けて所定の記憶部に格納する
ことを含んだことを特徴とする装置管理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−169942(P2012−169942A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−30266(P2011−30266)
【出願日】平成23年2月15日(2011.2.15)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月15日(2011.2.15)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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