説明

装飾体

【課題】 カーテンレールとしても使用できる窓用の装飾体を提供する。
【解決手段】 窓開口部の縦内周側面に取り付ける基部1と、基部1から窓の見付方向に沿って延びる装飾部2とを備え、装飾部2は、カーテンランナーが走行可能であって、基部側から先端側へ向けて下方に傾斜する部分を有しており、先端部にはカーテンランナーの抜け止め部3を有する。また、装飾部2が、中間部に頂点を有し、頂点から基部側及び先端側へ向けて下方に湾曲している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓周りに取り付ける装飾体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建築物の壁や柱に取り付け、草木を植えたプランター等を吊るして使用するハンガーがある。例えば、特許文献1には、躯体に固定した基部と、基部から略水平方向に延びる装飾部とを備えたハンガーが記載されている。このハンガーは、全体が主に曲線で構成され植物を模したものとなっており、それ自体を装飾体として使用することもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】意匠登録第1306504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このようなハンガーを窓飾りと兼用して使用する場合、すなわち、装飾部が窓ガラスと平行するように窓枠に基部を固定する場合、既設のカーテンレールと干渉してカーテンの取り付けに制約が生じることがあった。また、窓の上部に二つの構造物(ハンガーとカーテンレール)が設置されることになり、外観がすっきりしないものとなっていた。
【0005】
本発明は、上記事情を鑑みたものであり、カーテンレールとしても使用できる窓用の装飾体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のうち請求項1の発明は、窓開口部の縦内周側面に取り付ける基部と、基部から窓の見付方向に沿って延びる装飾部とを備え、装飾部は、カーテンランナーが走行可能であって、基部側から先端側へ向けて下方に傾斜する部分を有しており、先端部にはカーテンランナーの抜け止め部を有することを特徴とする。
【0007】
本発明のうち請求項2の発明は、装飾部が、中間部に頂点を有し、頂点から基部側及び先端側へ向けて下方に湾曲していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のうち請求項1の発明によれば、装飾体自体をカーテンレールとしても使用できるので、カーテンの取り付けに制約が生じず、外観もすっきりしたものとなる。また、装飾部が基部側から先端側へ向けて下方に傾斜する部分を有しているので、カーテンを閉める際に、カーテンランナーが基部側から先端側へスムーズに移動する。
【0009】
本発明のうち請求項2の発明によれば、装飾部が頂点から基部側へ向けて下方に湾曲しているので、カーテンを閉める際に、基部側のカーテンランナーがその場に留まり、カーテンの基部側が開いてしまうことがない。また、全体が湾曲した構成で意匠性が良好である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】装飾体の正面図である。
【図2】装飾体にカーテンを取り付けて使用する場合の説明図である。
【図3】装飾体にプランターを掛けて使用する場合の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本発明の装飾体は、図1に示すように、基部1と、基部1から延びる装飾部2とを備える。基部1は平板状で、窓縦枠20の内周側面に取り付けてある。そして、基部1の略中心から、装飾部2が平面視して窓の見付方向に沿って延びている。また、装飾部2は側面視すると、基部1から上方へ湾曲した後、下方へなだらかに湾曲しており、先端は上方へ向けて略円形状に湾曲して抜け止め部3を形成している。さらに、装飾部2の基端からはフック部4が延びている。フック部4は、装飾部2より短く、下方へ湾曲した後、上方へ向けて略円形状に湾曲している。フック部4、装飾部2及び抜け止め部3は、一本の角棒を湾曲させてなるもので、全て連続した曲線で構成されている。なお、基部1と、装飾部2(及び抜け止め部3、フック部4)は、何れも金属製であり、両者は溶接により接合されている。
【0012】
そして、上記のように装飾部2は、一本の角棒からなり連続した曲線で構成されたものであるから、環状のカーテンランナー10を先端側から通すだけで容易に取り付けることができ、これを基部側から先端側へ、又はその逆向きへとスムーズに動かすことが可能である。装飾部2に複数個のカーテンランナー10を取り付け、これらにカーテン11を吊り下げれば、図2に示すように、本発明の装飾体をカーテンレールとして使用することもできる。装飾部2の先端には抜け止め部3を形成してあるから、カーテンランナー10が先端から抜け落ちることはない。
【0013】
このように、本発明の装飾体は、それ自体をカーテンレールとしても使用できるので、カーテン11の取り付けに制約が生じず、外観もすっきりしたものとなる。また、装飾部2が基部側から先端側へ向けて下方に傾斜する部分を有しているので、カーテン11を閉める際に、カーテンランナー10が基部側から先端側へスムーズに移動する。さらに、装飾部2が頂点から基部側へ向けて下方に湾曲しているので、カーテン11を閉める際に、基部側のカーテンランナー10がその場に留まり、カーテン11の基部側が開いてしまうことがない。また、全体が連続した湾曲形状であり、意匠性が良好である。
【0014】
なお、図3に示すように、フック部4にはプランター30等を掛けることができる。また、フック部4は装飾部2とは別に形成されているから、プランター30を掛けるとともにカーテン11を取り付けることもできる。
【0015】
本発明は、上記の実施形態に限定されない。例えば、装飾部の形状は、カーテンを取り付ける分の長さがあり、カーテンランナーの移動を妨げるような段差や突起のないものであればよい。また、抜け止め部は、カーテンランナーの脱落を防止できればよく、レール部の先端が屈曲しているものや、カーテンランナーの直径よりも太い別部材を取り付けるものであってもよい。さらに、素材は金属に限られず、カーテンやプランター等の荷重を支えられるものであれば、木材や樹脂からなるものであってもよい。また、窓縦枠の内周側面に取り付けるほか、窓縦枠の屋内側に位置する縦額縁や躯体に取り付けてもよく、すなわち窓開口部の縦内周側に取り付けられるものであればよい。
【符号の説明】
【0016】
1 基部
2 装飾部
3 抜け止め部
10 カーテンランナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓開口部の縦内周側面に取り付ける基部と、基部から窓の見付方向に沿って延びる装飾部とを備え、装飾部は、カーテンランナーが走行可能であって、基部側から先端側へ向けて下方に傾斜する部分を有しており、先端部にはカーテンランナーの抜け止め部を有することを特徴とする装飾体。
【請求項2】
装飾部が、中間部に頂点を有し、頂点から基部側及び先端側へ向けて下方に湾曲していることを特徴とする請求項1記載の装飾体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−182980(P2011−182980A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−51985(P2010−51985)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【出願人】(000175560)三協立山アルミ株式会社 (529)
【Fターム(参考)】