説明

装飾具

【課題】細長い紐状の装飾体の両端を連結させたまま容易に他の装飾物等を掛けたり外したりできる装飾具を提供する。
【解決手段】紐状の装飾体2の両端にリング3及び5が設けられており、リング3には、開閉可能な切り欠き構造を持つ環状留め具4が結合され、リング5には、開閉可能な切り欠き構造を持つ環状留め具6が結合される。そして、装飾体2のループを形成するために環状留め具6とリング3とが連結され、環状留め具4にはユーザの好みの装飾物が取り付けられる。ユーザが装飾物の取り付け・取り外しを行う場合には、環状留め具6とリング3とを連結させた状態のままで、環状留め具4の切り欠き構造を開閉させて装飾物の取り外し・取り付けを行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カバンの手提げベルト等にかけて使用する細長い紐状の装飾具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、カバンの手提げベルト等にかけて使用される紐状のアクセサリが知られている(例えば下記の特許文献1を参照)。この種のアクセサリには、紐の部分が宝石等で装飾されているものや、紐の先にペンダント等の装飾物がぶら提げられているものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3110448号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般にこうしたアクセサリには、紐の一方の端部に引き輪やカニカン等の留め金具が設けられ、他方の端部に留め金具を引っ掛けるためのマルカンが設けられている。一方の端の留め金具を他方の端のマルカンに引っ掛けて連結させることにより、紐がループ状になって手提げベルト等から外れなくなる。
【0005】
ところで、こうした紐の装飾だけでは物足りない場合や、装飾にバリエーションや個性を持たせたい場合などにおいて、上述したアクセサリにユーザが好みの装飾物を取り付けて使用することがある。このような場合、従来は、装飾物のマルカンと紐のマルカンを1つの留め金具に掛けて使用していることが多い。
【0006】
しかしながら、上記のような使用方法では、装飾物を他のものに変更するために留め金具から装飾物を外そうとすると、紐のマルカンまで外れてしまうことがある。また、別の装飾物のマルカンを掛けるために、紐のマルカンも掛け直さなくてはならないことがある。従って、装飾物の取り付けや取り外しが面倒だという問題がある。
【0007】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、細長い紐状の装飾体の両端を連結させたまま容易に装飾物等を掛けたり外したりできる装飾具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る装飾具は、細長い紐状の装飾体と、前記装飾体の一方の端に設けられた第1のリングと、前記装飾体の他方の端に設けられた第2のリングと、開閉可能な切り欠き構造を有し、前記第1のリングに結合される第1の環状留め具と、開閉可能な切り欠き構造を有し、前記第2のリングに結合され、前記第1のリングと着脱可能に連結される第2の環状留め具とを具備する。
【0009】
好適に、前記第1の環状留め具は、切り欠きが形成された第1の環状部と、前記第1の環状部の前記切り欠きを閉鎖又は開放する第1の開閉部とを有し、前記第2の環状留め具は、前記第1のリングの通過可能な切り欠きが形成された第2の環状部と、前記第2の環状部の前記切り欠きを閉鎖又は開放する第2の開閉部とを有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば細長い紐状の装飾体の両端を連結させたまま容易に装飾物等を掛けたり外したりできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る装飾具の例を示す図である。
【図2】図1に示す装飾具をカバンの手提げベルトにかけて使用する例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態に係る装飾具について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る装飾具の外観の一例を示す図である。
図1に示す装飾具は、細長い紐状の装飾体2を有する。装飾体2は、ダイヤモンド等の宝石が固着された複数の装飾玉21を数珠状につなげて構成される。装飾体2の一方の端には環状金具22がつながれており、環状金具22の孔にはこれより大径のリング3(第1のリング)が挿通される。また、装飾体2の他方の端にも環状金具23がつながれており、環状金具23の孔にはこれより大径のリング5(第2のリング)が挿通される。図1の例において、リング3はリング5より大径である。
【0013】
リング3には、環状留め具4(第1の環状留め具)が結合される。環状留め具4は、リング状の物体(マルカン等)と着脱可能に連結するように構成されており、主としてユーザが自らの好みの装飾物を掛けるため使用される。環状留め具4は、例えば図1に示すように、カニカンやナスカン等の留め具と同様な開閉構造を有する。すなわち、環状留め具4は、切り欠きが形成された環状部41(第1の環状部)と、この切り欠きを閉鎖又は開放する開閉部43(第1の開閉部)を有する。
【0014】
開閉部43は、環状部41に設けられた図示しない支持軸において回転可能に支持される。開閉部43の回転角は、一定の範囲内に規制される。
開閉部43は、環状部41の外縁から飛び出したツマミ部と、支持軸から切り欠き側に延びる端片部を有する。ツマミ部を摘まんで開閉部43を一方の方向に回転させると、端片部が切り欠きに密着して環状部41が閉鎖状態となる。また、開閉部43を逆の方向へ回転させると、端片部が切り欠きから離れて環状部41が開放状態となる。
開閉部43と環状部41との結合部分には図示しない弾性部材(ねじりコイルばね等)が設けられており、この弾性部材によって開閉部43は閉鎖状態となる方向へ回転付勢される。
【0015】
また、環状留め具4の縁の部分には、リング3が挿通される挿通孔44が形成される。この挿通孔44の開口方向は、環状部41の中央孔42の開口方向と略垂直になっている。そのため、挿通孔44においてリング3を回転させることにより、図1に示すように、環状部41の中央孔42の開口方向とリング3の中央孔31の開口方向とが略平行になるように、環状留め具4とリング3との相対位置を調節することができる。
【0016】
環状留め具4の挿通孔44と環状部41との中間部には、環状部41の中央孔42の開口方向と略垂直な面が形成されており、この面にダイヤモンド等の宝飾物45が固着される。
【0017】
他方、リング5には、環状留め具6(第2の環状留め具)が結合される。環状留め具6は、主としてリング3との連結に用いられる。環状留め具6は、上述した環状留め具4と同様な開閉構造を有しており、リング3と着脱可能に連結される。例えば環状留め具6は、切り欠きが形成された環状部61(第2の環状部)と、この切り欠きを閉鎖又は開放する開閉部63(第2の開閉部)を有する。環状部61は上述した環状部41に対応し、開閉部63は上述した開閉部43に対応する。環状留め具6の縁の部分には、リング5が挿通される挿通孔64が形成される。
【0018】
図2は、上述した装飾具の使用例を説明するための図であり、装飾具をハンドバッグ100の手提げベルト101に掛けて使用した状態を示す。図2の例において、環状留め具4にはぬいぐるみ7が取り付けられており、環状留め具6はリング3と連結されている。
【0019】
以上説明したように、本実施形態に係る装飾具においては、紐状の装飾体2の両端にリング3及び5が設けられており、リング3には、開閉可能な切り欠き構造を持つ環状留め具4が結合され、リング5には、開閉可能な切り欠き構造を持つ環状留め具6が結合される。そして、装飾体2のループを形成するために環状留め具6とリング3とが連結され、環状留め具4にはユーザの好みの装飾物が取り付けられる。
このような構造により、ユーザが装飾物の取り付け・取り外しを行う場合には、環状留め具6とリング3とを連結させた状態のままで、環状留め具4の切り欠き構造を開閉させて装飾物の取り外し・取り付けを行うことができる。例えば図2の場合、環状留め具6とリング3とを連結させたままの状態で、環状留め具4だけを開閉させることにより、ぬいぐるみ7の取り付け・取り外しを行うことができる。
従って、従来のように装飾体の両端の連結が外れてしまう問題が生じなくなり、装飾物の取り付け・取り外しを非常に容易に行うことができる。
【0020】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記の形態にのみ限定されるものではなく、種々のバリエーションを含んでいる。
【0021】
上述の実施形態では環状留め具6とリング3とを連結して装飾体2のループを形成する例を挙げたが、本発明はこれに限定されない。例えば、環状留め具4とリング5とを連結させてもよい。
【0022】
本発明における環状留め具は上述の実施形態に限定されておらず、例えば引き環型の留め具など、種々の環状留め具を適用可能である。
【0023】
紐状の装飾体は上述の実施形態に限定されず、例えば貴金属製の鎖(チェーン)など、種々の装飾体を適用可能である。
【0024】
紐状の装飾体の端部に設けるリングの数は1つに限定されず、1つの端部に2以上のリングを設けてもよい。
【符号の説明】
【0025】
2…装飾体、3,5…リング、4,6…環状留め具、41,61…環状部、43,63…、…開閉部、44,64…挿通孔、45…宝飾物


【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い紐状の装飾体と、
前記装飾体の一方の端に設けられた第1のリングと、
前記装飾体の他方の端に設けられた第2のリングと、
開閉可能な切り欠き構造を有し、前記第1のリングに結合される第1の環状留め具と、
開閉可能な切り欠き構造を有し、前記第2のリングに結合され、前記第1のリングと着脱可能に連結される第2の環状留め具と、
を具備する装飾具。
【請求項2】
前記第1の環状留め具は、
切り欠きが形成された第1の環状部と、
前記第1の環状部の前記切り欠きを閉鎖又は開放する第1の開閉部と、
を有し、
前記第2の環状留め具は、
前記第1のリングの通過可能な切り欠きが形成された第2の環状部と、
前記第2の環状部の前記切り欠きを閉鎖又は開放する第2の開閉部と、
を有する、
請求項1に記載の装飾具。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−167361(P2011−167361A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−34138(P2010−34138)
【出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(503175966)株式会社クロスフォー (12)
【Fターム(参考)】