説明

装飾性に富んだリボンテープ

【課題】リボンテープに、所望のデザインの装飾孔及び/又はプリント柄を比較的廉価にて表現することを可能にし、以て、多種多様なデザインで、従来にない人目を引く装飾性を備えた比較的廉価なリボンテープを提供することを課題とする。
【解決手段】リボンテープ1の表面から裏面に抜ける所望のデザインの装飾孔2、及び/又は、所望のデザインのマーキングをレーザー加工により設けることにより、装飾性を付加したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は装飾性に富んだリボンテープ、より詳細には、商品の装飾用並びに梱包用に用いられるテープであって、従来にない装飾性を有するリボンテープに関するものである。
【背景技術】
【0002】
リボンテープは主に、それを結び付けることにより商品本体を引き立たせるという、装飾的目的で用いられる。そのため、リボンテープは種々の色合いのものが用意され、また、表裏色違いのものにしたり、デザイン柄をプリント表現したり、蝶結び等の見栄えの良い結び目としたりして、その装飾的効果を高める工夫が凝らされている(特開2009−191401号公報、特公平7−72378号公報、特公平7−72379号公報、実開平7−5754号公報、実用新案登録第3145891号公報)。
【0003】
しかるに、上記デザイン柄のプリントは、テープの片面に平面的に施されるものであるため、蝶結び等に際してテープが反転すると、当該プリントが見えなくなってしまうという問題がある。また、型ロールを用い、超音波加工で抜き柄を形成することが考えられるが、型ロールは高価なため、多種多様のデザイン柄のものを用意することが実際上困難なため、実用的方法とは言えない。
【0004】
また、装飾用資材としてレースが用いられるが、レースは、1つの柄を制作する場合、ある程度大量に制作しないと採算が取れないだけでなく、レースは編物組織のために織物組織の風合いを出すことができず、リボンテープのように織物組織の風合いが求められる用途には不向きである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−191401号公報
【特許文献2】特公平7−72378号公報
【特許文献3】特公平7−72379号公報
【特許文献4】実開平7−5754号公報
【特許文献5】実用新案登録第3145891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、リボンテープにその装飾性を向上させるためにデザイン柄がプリントされることが少なくないが、その場合、蝶結び等に際してテープが反転すると、当該プリントが見えなくなってしまい、装飾的効果が薄れるうという問題があり、また、超音波加工によって抜き柄を形成する方法は、それに用いる型ロールが高価なため、実用的ではなく、更に、装飾用資材として用いられるレースの場合は、多種多様のものを用意することがコスト的に難かしく、また、織物組織の風合いを出すことができないという問題があった。
【0007】
本発明は、このような従来技術における問題を解決するためになされたものであって、リボンテープに、所望のデザインの装飾孔及び/又はプリント柄を比較的廉価にて表現することを可能にし、以て、多種多様なデザインで、従来にない人目を引く装飾性を備えた比較的廉価なリボンテープを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、リボンテープの表面から裏面に抜ける所望のデザインの装飾孔、及び/又は、所望のデザインのマーキングをレーザー加工により設けることにより、装飾性を付加したことを特徴とするリボンテープである。
【0009】
好ましくは、前記レーザー加工は炭酸ガスレーザーによって行い、前記リボンテープの生地は、熱可塑性樹脂製の織物組織の生地、不織布あるいはフィルム状の生地とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は上述したとおりであって、本発明に係る装飾性に富んだリボンテープは、その表面から裏面に抜ける所望のデザインの装飾孔、及び/又は、所望のデザインのマーキングがレーザー加工により設けられるものであるので、従来の方法では困難であった複雑で自由度のある装飾孔及び/又はマーキングの形成が可能であり、以て、多種多様なデザインで、従来にない人目を引く装飾性を備えたリボンテープを、比較的廉価にて提供し得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る装飾性を備えたリボンテープに形成される装飾孔の形状例を示す図である。
【図2】本発明に係る装飾性を備えたリボンテープの使用例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面に依拠して説明する。本発明に係るリボンテープ1は、リボンテープ1の表面から裏面に抜けるように、所望のデザインの装飾孔2をレーザー加工により切り抜いて形成し、あるいは、所望のデザインのマーキングをレーザー加工により形成することにより、装飾性を付加したことを特徴とするものである。
【0013】
一実施形態においては、1つのリボンテープ1に、装飾孔2が形成されると共に、マーキングが刻設される。その場合、例えば、装飾孔2とマーキングを交互に配置する。リボンテープ1の生地としては、レーザー加工に適するポリエステルやナイロン等の熱可塑性樹脂製の織物組織の生地や不織布、あるいは、フィルム状の生地が用いられる。
【0014】
装飾孔2及びマーキングはコンピュータ制御によるレーザー加工によって設けるため、図1(A)に示されるハート形状のような比較的シンプルなデザインのものに限らず、リボンテープ1の強度を阻害しない範囲において、図1(B)に示されるような複雑な花・葉柄、図1(C)に示されるような幾何学模様、図1(D)に示されるような文字、その他任意の複雑で微細なデザインのものとなし得る。
【0015】
この装飾孔2及びマーキングのデザインは、予め制作した多種多様のものの中から需要者に選択させてもよいが、需要者の要望を取り入れてデザインの制作をするようにすることもできる。
【0016】
本発明において用いるレーザーマシンとしては、二次元(あるいは三次元)制御の炭酸ガスレーザが好適で、穿孔又はマーキングするリボンテープを定ピッチづつ送りながら、コンピュータ入力された所望のデザインの装飾孔2を連続的に切り抜き、あるいは、マーキングを施していく。切り抜き作業とマーキング作業の切り換えは、レーザーの焦点距離を変更したり、送り速度を変更したりして行う。
【0017】
一実施形態においては、1つのリボンテープ1に、装飾孔2が形成されると共に、マーキングが刻設される。その場合、例えば、装飾孔2とマーキングとを交互に配置する。
【0018】
本発明に係る装飾性に富んだリボンテープ1は、基本的には一般のリボンテープと同様にして使用する。図2は、大きさの異なるハート図形の装飾孔2を並設したリボンテープ1を、箱容器3に蝶結びにして使用した状態を示すもので、リボンテープ1自体の装飾的効果に加え、装飾孔2を通して箱容器3の色が見えることにより、蝶結びの立体感が強調されて、一層装飾的効果が向上している。
【0019】
上述したとおり、本発明に係る装飾性に富んだリボンテープ1は、コンピュータ制御によるレーザー加工によって装飾孔2及び/又はマーキングを設けるものであるため、装飾孔2及びマーキングは、リボンテープ1の強度を阻害しない限りにおいて、微細で複雑なデザインであっても自由に選定することができる。そして、装飾孔2及び/又はマーキングが存在することによりリボンテープ1の装飾的効果が向上し、延いてはこれを使用する商品のイメージ、価値を向上させ得る効果のあるものである。
【0020】
この発明をある程度詳細にその最も好ましい実施形態について説明してきたが、この発明の精神と範囲に反することなしに広範に異なる実施形態を構成することができることは明白なので、この発明は添付請求の範囲において限定した以外はその特定の実施形態に制約されるものではない。
【符号の説明】
【0021】
1 リボンテープ
2 装飾孔
3 箱容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リボンテープの表面から裏面に抜ける所望のデザインの装飾孔、及び/又は、所望のデザインのマーキングをレーザー加工により形成することにより、装飾性を付加したことを特徴とするリボンテープ。
【請求項2】
前記レーザー加工は、炭酸ガスレーザーによって行う、請求項1に記載のリボンテープ。
【請求項3】
前記リボンテープの生地は、熱可塑性の樹脂製である、請求項1に記載のリボンテープ。
【請求項4】
前記リボンテープの生地は、織物組織の生地、不織布又はフィルム状生地である、請求項3に記載のリボンテープ。

【図1】
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【図2】
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